説明

昆虫の飼育装置

【課題】自然環境により近い飼育環境であって、しかも手軽に餌の交換を行うことができる昆虫の飼育装置を提供する。
【解決手段】所定の長さに切断された自然木21の上方から側方に貫通孔22が形成され、貫通孔22を利用して液状又はゼリー状の餌を飼育している昆虫に給餌する昆虫の飼育装置20において、内周面が円滑で貫通孔22に挿入され、貫通孔22に固定される可撓性の案内管23と、案内管23の内部に挿抜可能で、上方の投入口24aから餌が投入され下方の給餌口24bから餌が供給される可撓性のカートリッジ24を備え、カートリッジ24内の餌が給餌口24bから外部に浸潤可能な栓25を給餌口24bに装着し、しかも自然木21の周面に空洞26が形成され、貫通孔22を空洞26に連通させ、カートリッジ24の給餌口24bが空洞26に露出した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状又はゼリー状の餌を飼育している昆虫に給餌する昆虫の飼育装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カブトムシやクワガタといった昆虫は、子供のみならず大人にも人気があり、昆虫採集や昆虫飼育を趣味とする人は多く、デパートやペットショップ等においても、人工繁殖されたこれらの昆虫が多く販売されている。
昆虫を飼育するには、家庭での飼育環境をその昆虫の生息地の自然環境に似せることが重要であり、良好な飼育環境においては昆虫が活発に活動し、しかも飼育している昆虫の寿命も延びる。
【0003】
このように自然環境に似せた昆虫の飼育装置として、図6に示すような自然木11を加工した昆虫の飼育装置10が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2655310号公報
【0005】
図6に記載の発明は、所定の長さに切断された自然木11の上方から側方に貫通孔12を形成し、その貫通孔12に液状の餌を投入して昆虫に給餌するものである。
この発明によると、自然木11から樹液が湿潤するかのように自然木11の側方から餌が出るので、昆虫が自然木11の周面に這い上がり、例えば自然木11に窪みを形成してその窪みに餌を溜めて給餌する場合と比べて、自然環境により近い飼育環境を実現することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、この発明は、自然木11に形成された貫通孔12に直接液状の餌を投入するものであるので、投入した餌の一部が貫通孔12内部で無駄に自然木11に吸収されてしまうという問題があった。
これを防ぐために、餌が入ったカートリッジ(図示しない)を貫通孔に差し込むようにした昆虫の飼育装置も開示されているが(同様に、特許文献1参照)、その貫通孔は自然木に形成されているので、貫通孔内部がささくれていることが多く、カートリッジを挿抜するときの貫通孔との摩擦力が大きくなってしまう。よって、カートリッジの毎回の挿抜が容易ではないので、手軽に餌の交換ができないという問題もあった。
【0007】
そこで、本発明の目的とするところは、自然環境により近い飼育環境であって、しかも手軽に餌の交換を行うことができる昆虫の飼育装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の昆虫の飼育装置(20)は、所定の長さに切断された自然木(21)又は人工木の上方から側方に貫通孔(22)が形成され、前記貫通孔(22)を利用して液状又はゼリー状の餌を飼育している昆虫に給餌する昆虫の飼育装置(20)において、内周面が円滑で前記貫通孔(22)に挿入され、前記貫通孔(22)に固定される可撓性の案内管(23)と、前記案内管(23)の内部に挿抜可能で、上方の投入口(24a)から前記餌が投入され下方の給餌口(24b)から前記餌が供給される可撓性のカートリッジ(24)を備えることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載の昆虫の飼育装置(20)は、前記カートリッジ(24)内の前記餌が前記給餌口(24b)から外部に浸潤可能な栓(25)を前記給餌口(24b)に装着したことを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に記載の昆虫の飼育装置(20)は、前記自然木(21)又は人工木の周面に空洞(26)が形成され、前記貫通孔(22)を前記空洞(26)に連通させ、前記カートリッジ(24)の給餌口(24b)が前記空洞(26)に露出したことを特徴とする。
【0011】
また、請求項4に記載の昆虫の飼育装置(20)は、前記自然木(21)又は人工木の周面に窪み(31)が形成され、前記窪み(31)に空洞(26)が連設されるとともに、前記貫通孔(22)を前記窪み(31)に連通させ、前記カートリッジ(24)の給餌口(24b)が前記窪み(31)に露出したことを特徴とする。
【0012】
また、請求項5に記載の昆虫の飼育装置(20)は、前記空洞(26)は略螺旋状に形成されたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項6に記載の昆虫の飼育装置(20)は、前記自然木(21)又は人工木は上材(21a)と下材(21b)になるように上下に分割され、前記上材(21a)の下面に前記空洞(26)が開口したことを特徴とする。
【0014】
また、請求項7に記載の昆虫の飼育装置(20)は、前記カートリッジ(24)の投入口(24a)の周面に外径が前記案内管(23)の内径よりも大きいフランジ(24c)を設けたことを特徴とする。
【0015】
なお、ここでいう人工木とは、プラスチック等の木材以外の材料により人工的に成形された木をいう。
ここで、上記括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に掲載された対応要素または対応事項を示す。
【発明の効果】
【0016】
本発明の請求項1に記載の昆虫の飼育装置によれば、所定の長さに切断された自然木又は人工木の上方から側方に貫通孔が形成され、貫通孔を利用して液状又はゼリー状の餌を飼育している昆虫に給餌するので、従来例と同様に、まるで自然木から樹液が湿潤するかのように自然木又は人工木の側方から餌が出て、自然環境により近い飼育環境を実現することができる。
特に、請求項1に記載の発明では、貫通孔に挿入され、貫通孔に固定される可撓性の案内管を備えるので、たとえ貫通孔が真っ直ぐ形成されていなくても、案内管は貫通孔の形状に追従することができる。
また、案内管の内周面が円滑であって、案内管の内部に挿抜可能な可撓性のカートリッジを備えるので、案内管とカートリッジとの間の摩擦力が小さく、餌を入れたカートリッジを案内管に挿抜することが容易で、しかもカートリッジが案内管の形状に追従することができる。よって、手軽に餌の交換を行うことができる。
また、カートリッジを用いて餌を供給するので、給餌口以外の場所から無駄に餌が滲み出ることがない。
【0017】
また、請求項2に記載の昆虫の飼育装置によれば、請求項1に記載の発明の作用効果に加え、カートリッジ内の餌が給餌口から外部に浸潤可能な栓を給餌口に装着したので、餌がカートリッジから短時間で流れ出てしまうことを防ぐことができ、餌の補充の頻度が少なくて済む。また、その給餌口の栓から餌が湿潤する状態は、徐々に樹液が自然木から滲み出る自然環境に近いので、飼育環境がより自然環境に近くなる。
【0018】
また、請求項3に記載の昆虫の飼育装置によれば、請求項1又は2に記載の発明の作用効果に加え、自然木又は人工木の周面に空洞が形成され、貫通孔を空洞に連通させ、カートリッジの給餌口が空洞に露出したので、物陰に隠れる性質のクワガタ等の昆虫が空洞に隠れつつ餌を食べることができ、そのような昆虫にとって快適な飼育環境となる。
【0019】
また、請求項4に記載の昆虫の飼育装置によれば、請求項1又は2に記載の発明の作用効果に加え、自然木又は人工木の周面に窪みが形成され、窪みに空洞が連設されるとともに、貫通孔を窪みに連通させ、カートリッジの給餌口が窪みに露出したので、昆虫が空洞に隠れている場合と自然木等の周面にしがみついている場合の両方において、昆虫が容易に餌を食べることができる。自然環境において、この給餌される窪みと空洞のような状況はよく発生するので、この飼育環境はより自然環境に近いものである。
また、特に昆虫が自然木等の周面にしがみついた状態で餌を食べる場合、足場が安定するので、昆虫がストレスを感じることもない。
【0020】
また、請求項5に記載の昆虫の飼育装置によれば、請求項1乃至4に記載の発明の作用効果に加え、空洞は略螺旋状に形成されたので、限られた広さしかない自然木又は人工木の内部において、空洞における昆虫の居住空間が広くなるとともに、空洞の形状がクワガタ等の斜め上方に移動する性質の昆虫に適しており、昆虫のストレスを低減できる。
【0021】
また、請求項6に記載の昆虫の飼育装置によれば、請求項3乃至5に記載の発明の作用効果に加え、自然木又は人工木は上材と下材になるように上下に分割され、上材の下面に空洞が開口したので、上材の下面から容易に昆虫を取出すことができる。
【0022】
また、請求項7に記載の昆虫の飼育装置によれば、請求項1乃至6に記載の発明の作用効果に加え、カートリッジの投入口の周面に外径が案内管の内径よりも大きいフランジを設けたので、カートリッジが案内管に入り込んで案内管から取れなくなってしまうことを防止できる。また、フランジを掴むことでカートリッジを案内管から容易に引き抜くことができる。
【0023】
なお、本発明の昆虫の飼育装置のように、貫通孔に挿入される案内管と、案内管の内部に挿抜可能なカートリッジを備える点は、上述した特許文献1には全く記載されていない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第一実施形態に係る昆虫の飼育装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の第一実施形態に係る昆虫の飼育装置を示す分解斜視図である。
【図3】図1に示す昆虫の飼育装置のA−A線拡大断面図である。
【図4】図1に示す昆虫の飼育装置における上材の底面図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る昆虫の飼育装置を示す斜視図である。
【図6】従来例に係る昆虫の飼育装置を示す平面図である。
【図7】本発明の第二実施形態に係る昆虫の飼育装置を示す斜視図である。
【図8】図7に示す昆虫の飼育装置における上材の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第一実施形態)
図1乃至図4を参照して、本発明の第一実施形態に係る昆虫の飼育装置20を説明する。
この昆虫の飼育装置20は、カブトムシやクワガタ等の昆虫(特にクワガタ)を飼育するものであって、所定の長さに切断された自然木21に貫通孔22が形成され、案内管23と、カートリッジ24を備える。
【0026】
自然木21は、クワガタが好むクヌギやコナラ等を所定の長さに上下に切断したものであり、透明のプラスチックケース(図示しない)の中に立てた状態で配置される。
この自然木21は上材21aと下材21bになるように上下に分割されており、上材21aの周面には空洞26が形成されている。
その空洞26は、図3に示すように自然木21周面の開口部よりもその奥側が広くなっており、自然木21の中心部を避けるように略螺旋状に形成されている。
また、図4に示すように、空洞26は自然木21の上材21aの下面に円弧状に開口している。
そして、自然木21の上材21aの上面から貫通孔22が形成され、その貫通孔22は湾曲して側方に向かって延び、空洞26に連通されている。
【0027】
上材21aの下面及び下材21bの上面には、相対する位置にそれぞれ三つずつダボ穴27,28が形成されており、それらのダボ穴27,28にダボ29を挿入することで上材21aと下材21bが連結されている。
詳しくは、下材21bのダボ穴28にはダボ29が圧入されており、ダボ29は容易には下材21bのダボ穴28から抜けない。一方、上材21aのダボ穴27の内径はダボ29の直径に比べて大きいので、上材21aを持ち上げるだけでダボ29は上材21aのダボ穴27から容易に抜け、上材21aと下材21bを分離することができる。
【0028】
案内管23は、内周面が円滑で可撓性を有する管であり、その外径が自然木21の貫通孔22の内径よりも若干小さい。
また、案内管23の長さは貫通孔22の長さと略等しい。
そして、案内管23は貫通孔22に挿入され、貫通孔22に固定される。この固定は接着剤により行われてもよいし、案内管23を貫通孔22に圧入してその案内管23と貫通孔22との摩擦力による固定であってもよい。
【0029】
カートリッジ24は、内部に液状又はゼリー状の餌を入れる塩化ビニルの管であり、可撓性を有する。
カートリッジ24の外径は案内管23の内径よりも若干小さく、カートリッジ24は貫通孔22に挿入された案内管23の内部に挿抜可能である。カートリッジ24を案内管23に挿入した状態では、下方の給餌口24bは案内管23から自然木21の空洞26に露出する。
そして、カートリッジ24の上方の投入口24aから餌が投入され、下方の給餌口24bからクワガタに餌が供給される。この餌の投入は、案内管23にカートリッジ24を挿入した状態で行っても、抜いた状態で行ってもよい。
【0030】
また、カートリッジ24の給餌口24bには栓25が装着されており、カートリッジ24内の餌が給餌口24bから外部に浸潤可能なようにしている。本実施形態においては、栓25として布で給餌口24bを覆ったが、給餌口24bの内部に布やガーゼ等を詰めてもよい。
カートリッジ24の投入口24aの周面には、外径が案内管23の内径よりも大きいフランジ24cを設けており、カートリッジ24の長さはフランジ24cの長さ(厚さ)分と給餌口24bが案内管23から露出する分だけ案内管23の長さよりも長い。
なお、カートリッジ24内部の餌の有無を容易に確認できるように、カートリッジ24は透明又は半透明であることが望ましい。
【0031】
このような昆虫の飼育装置20は、図2に示すように、まず自然木21の貫通孔22に案内管23が挿入され、固定される。
次に、その案内管23に餌の入ったカートリッジ24が挿入される。
そして、適宜餌の交換,補充に際して、カートリッジ24は案内管23から抜かれ、また案内管23に挿入される。
【0032】
以上のように構成された昆虫の飼育装置20によれば、所定の長さに切断された自然木21の上方から側方に貫通孔22が形成され、貫通孔22を利用して液状又はゼリー状の餌を飼育している昆虫に給餌するので、従来例と同様に、まるで自然木21から樹液が湿潤するかのように自然木21の側方から餌が出て、自然環境により近い飼育環境を実現することができる。
特に、貫通孔22に挿入され、貫通孔22に固定される可撓性の案内管23を備えるので、たとえ貫通孔22が真っ直ぐ形成されていなくても、案内管23は貫通孔22の形状に追従することができる。
また、案内管23の内周面が円滑であって、案内管23の内部に挿抜可能な可撓性のカートリッジ24を備えるので、案内管23とカートリッジ24との間の摩擦力が小さく、餌を入れたカートリッジ24を案内管23に挿抜することが容易で、しかもカートリッジ24が案内管23の形状に追従することができる。よって、手軽に餌の交換を行うことができる。
また、カートリッジ24を用いて餌を供給するので、給餌口24b以外の場所から無駄に餌が滲み出ることがない。
【0033】
また、カートリッジ24内の餌が給餌口24bから外部に浸潤可能な栓25を給餌口24bに装着したので、餌がカートリッジ24から短時間で流れ出てしまうことを防ぐことができ、餌の補充の頻度が少なくて済む。また、その給餌口24bの栓25から餌が湿潤する状態は、徐々に樹液が自然木21から滲み出る自然環境に近いので、飼育環境がより自然環境に近くなる。
また、自然木21の周面に空洞26が形成され、貫通孔22を空洞26に連通させ、カートリッジ24の給餌口24bが空洞26に露出したので、物陰に隠れる性質のクワガタ等の昆虫が空洞26に隠れつつ餌を食べることができ、そのような昆虫にとって快適な飼育環境となる。
【0034】
また、空洞26は略螺旋状に形成されたので、限られた広さしかない自然木21の内部において、空洞26における昆虫の居住空間が広くなるとともに、空洞26の形状がクワガタ等の斜め上方に移動する性質の昆虫に適しており、昆虫のストレスを低減できる。
しかも、自然木21は上材21aと下材21bになるように上下に分割され、上材21aの下面に空洞26が開口したので、上材21aの下面から容易に昆虫を取出すことができる。
【0035】
また、カートリッジ24の投入口24aの周面に外径が案内管23の内径よりも大きいフランジ24cを設けたので、カートリッジ24が案内管23に入り込んで案内管23から取れなくなってしまうことを防止できる。また、フランジ24cを掴むことでカートリッジ24を案内管23から容易に引き抜くことができる。
さらに、案内管23は貫通孔22に固定されているので、カートリッジ24を案内管23から挿抜しても案内管23が貫通孔22内で動いてしまうことがない。
【0036】
(第二実施形態)
次に、図7及び図8を参照して、本発明の第二実施形態に係る昆虫の飼育装置20を説明する。なお、第一実施形態と同一部分には同一符号を付した。
本実施形態の第一実施形態との違いは、主に、空洞26だけではなく窪み31も形成されている点である。
【0037】
窪み31は、自然木21の周面に形成されており、その窪み31の深さは自然木21の周面から1cm程度である。
そして、自然木21の上材21aの上面から形成された貫通孔22は窪み31に連通しており、カートリッジ24の給餌口24bが窪み31に露出している。
【0038】
空洞26は、窪み31に連設されている。ここでは、図7に示すように、空洞26の周面側開口部は自然木21の周面において窪み31の左から左斜め下に位置する。
空洞26は窪み31とは異なり、空洞26の周面側開口部から時計回りに深く、また下方にも深く形成されている。つまり、空洞26はその奥側が広くなっている。
そして、図8に示すように、空洞26は自然木21の上材21aの下面に円弧状に開口している。ここで、図7に示すように空洞26の周面側開口部は、自然木21の周面において窪み31の下方ではなく左側に位置しているので、図8に示すように、上材21aの下面からは案内管23やカートリッジ24が見えない。
【0039】
ダボ穴27,28は、上材21a及び下材21bに二箇所ずつ形成されている。
【0040】
以上のように構成された昆虫の飼育装置20によれば、自然木21の周面に窪み31が形成され、窪み31に空洞26が連設されるとともに、貫通孔22を窪み31に連通させ、カートリッジ24の給餌口24bが窪み31に露出したので、昆虫が空洞26に隠れている場合と自然木21の周面にしがみついている場合の両方において、昆虫が容易に餌を食べることができる。自然環境において、この給餌される窪み31と空洞26のような状況はよく発生するので、この飼育環境はより自然環境に近いものである。
また、特に昆虫が自然木21の周面にしがみついた状態で餌を食べる場合、足場が安定するので、昆虫がストレスを感じることもない。
【0041】
なお、第一実施形態及び第二実施形態において、自然木21の周面には空洞26が形成されているとしたが、これに限られるものではなく、図5に示すように空洞26が形成されず、貫通孔22が自然木21の上面にから周面まで形成されていてもよい。この場合、空洞26が形成された自然木21よりも、多くの種類の昆虫に対応することができる。
【0042】
また、自然木21を用いたが、これに限られるものではなく、プラスチック等の木材以外の材料により人工的に成形された人工木でもよい。この人工木には芯材が入っていてもよい。
【0043】
また、カートリッジ24の給餌口24bに栓25を装着したが、餌の粘度が高く、給餌口24bから非常にゆっくりと餌が垂れるのであれば、栓25を装着しなくてもよい。
【0044】
また、空洞26は螺旋状に形成されたとしたが、これに限られるものではない。
さらに、自然木21は上材21aと下材21bになるように上下に分割されたが、これに限られるものではなく、分割されなくてもよい。
【0045】
また、カートリッジ24の投入口24aの周面に外径が案内管23の内径よりも大きいフランジ24cを設けたが、これに限られるものではない。
また、案内管23の可撓性を持たせるために、案内管23を蛇腹状としてもよい。
また、カートリッジ24の給餌口24bの栓25は布としたが、これに限られるものではなく、栓25の材質は問わない。
【符号の説明】
【0046】
10 昆虫の飼育装置
11 自然木
12 貫通孔
20 昆虫の飼育装置
21 自然木
21a 上材
21b 下材
22 貫通孔
23 案内管
24 カートリッジ
24a 投入口
24b 給餌口
24c フランジ
25 栓
26 空洞
27 ダボ穴
28 ダボ穴
29 ダボ
31 窪み

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の長さに切断された自然木又は人工木の上方から側方に貫通孔が形成され、前記貫通孔を利用して液状又はゼリー状の餌を飼育している昆虫に給餌する昆虫の飼育装置において、
内周面が円滑で前記貫通孔に挿入され、前記貫通孔に固定される可撓性の案内管と、
前記案内管の内部に挿抜可能で、上方の投入口から前記餌が投入され下方の給餌口から前記餌が供給される可撓性のカートリッジを備えることを特徴とする昆虫の飼育装置。
【請求項2】
前記カートリッジ内の前記餌が前記給餌口から外部に浸潤可能な栓を前記給餌口に装着したことを特徴とする請求項1に記載の昆虫の飼育装置。
【請求項3】
前記自然木又は人工木の周面に空洞が形成され、前記貫通孔を前記空洞に連通させ、前記カートリッジの給餌口が前記空洞に露出したことを特徴とする請求項1又は2に記載の昆虫の飼育装置。
【請求項4】
前記自然木又は人工木の周面に窪みが形成され、
前記窪みに空洞が連設されるとともに、前記貫通孔を前記窪みに連通させ、前記カートリッジの給餌口が前記窪みに露出したことを特徴とする請求項1又は2に記載の昆虫の飼育装置。
【請求項5】
前記空洞は略螺旋状に形成されたことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載の昆虫の飼育装置。
【請求項6】
前記自然木又は人工木は上材と下材になるように上下に分割され、前記上材の下面に前記空洞が開口したことを特徴とする請求項3乃至5のうちいずれか一つに記載の昆虫の飼育装置。
【請求項7】
前記カートリッジの投入口の周面に外径が前記案内管の内径よりも大きいフランジを設けたことを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一つに記載の昆虫の飼育装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−111008(P2013−111008A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259829(P2011−259829)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(511289389)有限会社花環のくらはし (1)
【Fターム(参考)】