説明

昇降装置

【課題】ワイヤを正確に巻き取るとともに昇降部落下を防ぐことのできる昇降装置を提供すること。
【解決手段】この昇降装置は、天井または天井付近の固定位置に設置され、天井の下方に1組のワイヤを繰り出す本体部と、本体部から繰り出された1組のワイヤの一端がそれぞれ固定された1組の巻き取りプーリーと、1組の巻き取りプーリーに同軸的に固定された1組のラチェット歯車と、1組のラチェット歯車それぞれと対応し巻き取りプーリーがワイヤを固定するように1組のラチェット歯車の回転を止める1組のラチェット爪とを備えた昇降部とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば照明装置などの吊り下げに用いられる器具を天井の固定位置から下降させる昇降装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高天井に設置された器具をメンテナンスするため、器具を天井から吊り下げて作業者の手の届く位置まで下降させる昇降装置が提案されている(特許文献1ないし3参照)。例えば、特許文献1および2には、被吊り下げ物を2本のワイヤで昇降させる昇降装置が開示されている。特許文献3には、昇降部を1本のワイヤで昇降させる昇降装置が開示されている。
【0003】
しかし、特許文献1および2記載の昇降装置では、吊り下げに用いるワイヤ(索条)を直接ドラムに巻き取っており、ドラムに巻きむらが生じる可能性がある。ドラムにおけるワイヤの巻きむらは、吊り下げ対象を水平に保つことを困難にするから、吊り下げ対象を天井に巻き上げた際に固定できなくなるおそれがある。また、特許文献3記載の昇降装置では、昇降部を1本のワイヤで昇降させており、ワイヤ損傷に起因する昇降部落下の可能性が2本のワイヤで昇降させる場合よりも高い。
【特許文献1】特開平7―288026号公報
【特許文献2】特公平7―098635号公報
【特許文献3】特開平10−167678号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、従来の昇降装置では、ワイヤに巻きむらが生じて吊り下げ対象の固定を困難にし、ワイヤ損傷に起因する昇降部落下の可能性が高いという問題がある。本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、ワイヤを正確に巻き取るとともに昇降部落下を防ぐことのできる昇降装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記した目的を達成するために、本発明の一つの態様に係る昇降装置は、天井または天井付近の固定位置に設置され、天井の下方に1組のワイヤを繰り出す本体部と、本体部から繰り出された1組のワイヤの一端がそれぞれ固定された1組の巻き取りプーリーと、1組の巻き取りプーリーに同軸的に固定された1組のラチェット歯車と、1組のラチェット歯車それぞれと対応し巻き取りプーリーがワイヤを固定するように1組のラチェット歯車の回転を止める1組のラチェット爪とを備えた昇降部とを具備している。この態様に係る昇降装置によれば、1組のワイヤに生じた長さのずれを調節して昇降部を水平に保つことができる。
【0006】
本発明の他の態様に係る昇降装置は、巻き取りプーリーから離間する方向で、一端が昇降部に固定された腕部と、腕部の他端に配設され本体部から繰り出されたワイヤを巻き取りプーリーに向けて導くガイドプーリーとを備えたことを特徴とする。この態様に係る昇降装置によれば、昇降部の水平方向に安定させることができる。
【0007】
本発明の他の態様に係る昇降装置は、巻き取りプーリーおよびラチェット歯車は、回転可能な調整シャフトに固定され、昇降部に回転可能に架設されたことを特徴とする。なお、調整シャフトの端部には十字穴が形成されてもよい。この態様に係る昇降装置によれば、容易にワイヤ間の長さ調整を行うことができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ワイヤを正確に巻き取るとともに昇降部落下を防ぐことのできる昇降装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の一つの実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の実施形態に係る昇降装置の構成を示す斜視図、図2および図3は、図1に示す昇降装置の本体部を示す拡大図である。図1に示すように、この実施形態の昇降装置1は、天井RFなどに配置される本体部2と、照明器具LTなどが配設される昇降部3とを有している。
【0010】
本体部2は、昇降部3を昇降させるワイヤWa(Wb)を巻き取るドラム12、ワイヤWa(Wb)をドラム12の回転軸方向に沿って円周面に整列させるワイヤガイド13a(13b)、ワイヤガイド13a(13b)をドラム12の回転に同期して回転軸方向に移動させるガイドシャフト14、ワイヤガイド13a(13b)がガイドシャフト14とともに回転することを防ぐ固定シャフト15、ドラム12の過回転を防止する停止スイッチSなどを備えている。
【0011】
ドラム12は、本体部2の基部10に固定された支持部材11間に回転可能に架設された円筒形部材からなる。ドラム12は、円周面を軸方向に二分する位置に駆動ギア12gが円周方向に形成され、駆動ギア12gを介して図示しないモータと連結されている。すなわち、ドラム12は、モータからの回転動力を、駆動ギア12gを介して受け、円周方向に回転する。ドラム12の胴部(円周面)は、駆動ギア12gを境に2つのワイヤ巻き取り面(12aおよび12b)に分割されている。ドラム12は、胴部の軸方向の長さを十分に長く取り、ワイヤWa(Wb)が重ならずに全て巻き上げ可能とすることが望ましい。巻きむらを防ぐためである。
【0012】
ワイヤガイド13aおよび13bは、ドラム12の円周面の正しい位置にワイヤを誘導する機構である。ワイヤガイド13aおよび13bは、下方向(本体部が固定された天井部方向)から導かれたワイヤの向きをドラム12の円周面方向に変えるプーリー32aおよび32bを備えている。ワイヤガイド13aおよび13bには、内面にネジ山が形成されプーリーと同軸のガイド孔34a(34b)と、ガイド孔34a(34b)と並行した固定孔35a(35b)とが形成されている。すなわち、ガイド孔34a(34b)はプーリー32a(32b)の回転軸の位置に、固定孔35a(35b)はガイド孔34a(34b)から離間させたガイドカバー33a(33b)上に、それぞれ形成されている。
【0013】
ガイドシャフト14は、ドラム12が架設された支持部材11間に、ドラム12の回転軸と並行で回転可能に架設された棒状部材からなる。ガイドシャフト14は、ワイヤガイド13aおよび13bをドラム12に対して正しい位置に固定するとともに、ドラム12の回転に応じてワイヤガイド13aおよび13bを移動させる。すなわちガイドシャフト14は、支持部材11内に配設された変速ギア31を介して、ドラム12の軸方向の両端面に設けられたドラムシャフト12sと連結されており、ドラム12の回転に応じてガイドシャフト14も回転するように構成されている。そして、ガイドシャフト14の周面14gには、ワイヤガイド13aおよび13bのガイド孔34aおよび34bに形成されたネジ山に対応するネジ山が切られている。
【0014】
ワイヤガイド13aおよび13bは、そのガイド孔34aおよび34bにガイドシャフト14を通すことでガイドシャフト14上に固定される。このとき、プーリー32aおよび32bは、ガイドシャフト14と同軸的な位置に固定される。ガイドシャフト14が回転すると、ガイドシャフト14の周面(14g)上のねじ山がガイドシャフト14の回転軸方向の動きを生じさせ、ガイドシャフト14に固定されたワイヤガイド13aおよび13bがガイドシャフト14上をドラム12の胴部に沿って往復することが可能になる。
【0015】
固定シャフト15は、ドラム12が架設された支持部材11の間にドラム12およびガイドシャフト14と並行に架設された棒状部材からなる。固定シャフト15は、支持部材11に対して固定されており、ワイヤガイド13aおよび13bに形成された固定孔35aおよび35bを貫通している。固定シャフト15は、ガイドシャフト14の回転に伴いワイヤガイド13aおよび13bのガイドカバー33aおよび33bが回転してしまうのを防ぐ作用をする。
【0016】
支持部材11のガイドシャフト14近傍には、停止スイッチSが設けられている。停止スイッチSは、ガイドシャフト14の回転によりワイヤガイド13aおよび13bが支持部材11に接近した際、その限界点でドラム12およびガイドシャフト14の回転を停止させる作用をする。これにより、ドラム12が過回転することで繰り出したワイヤを再び巻き上げてしまうことを防ぐことができる。
【0017】
ワイヤWaおよびWbは、昇降部を下降させ上昇させる索条であり、2本用意される。1本が切断されても昇降部の落下を防げるからである。それぞれのワイヤWaおよびWbは、一端がドラム12の所定位置(図ではワイヤ巻き取り面12bの左端部Aとワイヤ巻き取り面12aの駆動ギア12g近傍B)に固定されており、ワイヤガイド13aおよび13bのプーリー32aおよび32b、および補助プーリー16aおよび16bを介して天井RFに形成された穴から下方に導かれている。そして、それぞれのワイヤWaおよびWbの他端には、昇降部3が接続されている。すなわち、ドラム12を回転させると2本のワイヤWaおよびWbが天井下方から繰り出され、または巻き上げられるように構成されており、昇降部3が天井RFの下側を上下動することになる。
【0018】
昇降部3は、照明器具LTなどを固定する。昇降部3は、例えば扁平な円柱状の形状を有しており、上面には照明器具などに電源を供給する電極21が配設され、下面には照明器具本体を固定するアタッチメント22が配設されている。昇降部上面には、ロック機構23が備えられており、ドラム12によりワイヤWaおよびWbが巻き上げられ昇降部3が最上部まで上昇すると、本体部2または天井部RFの下面に形成された図示しないロック機構と係合するように構成されている。
【0019】
続いて、この実施形態の昇降装置1の動作を説明する。通常の使用状態では、ドラム12がワイヤWaおよびWbを全て巻き上げた状態にあり、昇降部3が本体部2の底面にロックされている。電極21は本体部2から電力の供給を受け、照明器具LTは点灯可能な状態である。ユーザが制御部Cに下降指示を発すると、制御部Cはロック機構を解除するとともにモータを動作させる。モータが動作すると、ドラム12の駆動ギア12gが駆動され、ドラム12が回転してワイヤWaおよびWbが繰り出される。その結果、ワイヤWaおよびWbが接続された昇降部3は下降する。
【0020】
ドラム12が回転を始めると、変速ギア31を介してガイドシャフト14が駆動されて回転を始める。ガイドシャフト14にはネジ山が切ってあるから、ガイドシャフト14に係合したワイヤガイド13aおよび13bがガイドシャフト14の軸方向に移動を開始する。このとき、ドラム12が1回転するとガイドシャフト14がワイヤの直径分移動するように変速ギア31のギア比を調整しておく。その結果、ドラム12が1回転してワイヤを繰り出すと、ワイヤガイド13aおよび13bがワイヤWa(Wb)の直径分移動するので、ワイヤガイド13aおよび13bは常にワイヤWaおよびWbをドラム12の周面から最短距離で繰り出すことができる。
【0021】
ワイヤガイド13aおよび13bの少なくとも一方は、ガイドシャフト14上を移動して支持部材11に接近し、ドラム12が全てのワイヤWaおよびWbを繰り出す前に、停止スイッチSと接触するように構成されている。ワイヤガイド13aまたは13bが停止スイッチと接触すると、制御部Cはモータの動作を停止させる。ユーザが直接制御部Cに指示を発して停止可能に構成してもよい。この時点で、昇降部3は本体部2が設置された天井RFから所定の高さまで下降しているから、ユーザは昇降部3に固定された照明器具LTなどを容易にメンテナンスすることができる。
【0022】
続いて、ユーザが制御部Cに上昇指示を発すると、制御部Cは図示しないモータを下降時と逆回転で動作させる。モータが動作すると、ドラム12の駆動ギア12gが逆回転に駆動され、ドラム12が逆回転してワイヤWaおよびWbが巻き上げられる。その結果、ワイヤWaおよびWbと接続された昇降部3は上昇を開始する。
【0023】
ドラム12が逆回転を始めると、変速ギア31を介してガイドシャフト14が駆動されて逆回転を始める。ガイドシャフト14に係合したワイヤガイド13aおよび13bは、下降時とは逆方向に移動を開始する。ドラム12が1回転するとガイドシャフト14がワイヤWa(Wb)の直径分移動するように変速ギア31のギア比が調整されているから、ワイヤWaおよびWbはドラム12の円周面上に隙間なく整列されて巻き取られていく。すなわち、巻きむらのない巻き上げを実現することができる。
【0024】
このように、この実施形態の昇降装置1によれば、ワイヤガイド13aおよび13bがドラム12と連携してドラム12の回転軸方向に移動するように構成したので、ドラム12の円周面に巻き取られるワイヤWaおよびWbの巻きむらを防止することができる。また、この実施形態の昇降装置によれば、一つのドラム12で2本のワイヤWaおよびWbを巻き上げるので、2つのワイヤの上昇下降のずれを防ぎ、昇降部の水平を保ちつつ落下事故を防止することができる。
【0025】
ここで、図1に示す実施形態の具体例を説明する。図1に示す構成において、ドラム直径を200[mm]、ガイドシャフトの直径を6[mm]、ガイドシャフト上の周面のねじ山をM6に準じたサイズ(1[mm]ピッチ)、ワイヤ径を1.2[mm]としたところ、巻きむらのない昇降動作を実現することができた。
【0026】
次に、この実施形態の昇降部3について詳細に説明する。図4は、この実施形態に係る昇降部3を拡大して示す斜視図、図5は、同じく昇降部3を水平方向から見た正面図である。図5に示すように、この実施形態に係る昇降部3は、昇降部本体20、腕部24a(24b)、ガイドプーリー25a(25b)、巻き取りプーリー26a(26b)、調整シャフト27a(27b)、ラチェット歯車28a(28b)、ラチェット爪29a(29b)を有している。
【0027】
昇降部本体20は、昇降部3を構成する巻き取りプーリー26a(26b)などの機構を収容する容器である。図4に示す例では、昇降部本体20は高さ(胴部の長さ)の低い円柱状形状を有しており、昇降部本体20の水平方向の中心を通り昇降部本体20の上面と並行する直線上に、一対の腕部24a(24b)を備えている。腕部24aおよび24bは、それぞれ共通する形状かつ大きさを有している。腕部24a(24b)の巻き取りプーリー26a(26b)から離間した端部には、ガイドプーリー25a(25b)が配設されている。
【0028】
ガイドプーリー25a(25b)は、その回転軸が鉛直方向の垂直となるように配置されている。ガイドプーリー25a(25b)は、天井等に配置された昇降装置1の本体部2から繰り出されたワイヤWa(Wb)を昇降部本体20に配設された巻き取りプーリー26a(26b)に向けて導く作用をする。
【0029】
巻き取りプーリー26a(26b)は、昇降部本体20の内部にガイドプーリー25a(25b)と並行に配設されている。巻き取りプーリー26a(26b)は、ガイドプーリー25a(25b)により方向が変えられたワイヤWa(Wb)を巻き取ってワイヤWaおよびWbの長さのバランスを調整する作用をする。すなわち、巻き取りプーリー26a(26b)には、ワイヤWa(Wb)の一端が固定されている。巻き取りプーリー26a(26b)は、調整シャフト27a(27b)により昇降部本体20の内部に回転可能に架設されている。調整シャフト27a(27b)の端部には、ユーザがドライバなどで回転させることを可能にする十字穴などが形成されている。
【0030】
ラチェット歯車28a(28b)は、巻き取りプーリー26a(26b)に同軸的に固定されている。ラチェット歯車28a(28b)の円周面には、後述するラチェット爪29a(29b)と対応するラチェット歯が形成されている。巻き取りプーリー26a(26b)およびラチェット歯車28a(28b)は、E型止め輪Eなどにより調整シャフト27a(27b)に同軸的に固定されており、昇降部本体20に回転可能に配設される。
【0031】
ラチェット爪29a(29b)は、一端が調整シャフト27a(27b)の軸と並行のピンで昇降部本体20に回転可能に固定され、他端にラチェット歯車28a(28b)のラチェット歯と対応する爪が形成されている。ラチェット爪29a(29b)は、昇降部本体20に固定されたピンを軸として回転し、ラチェット歯車28a(28b)および巻き取りプーリー26a(26b)の回転(昇降部3が自重で下降する方向の回転)を止めてワイヤWa(Wb)が巻き戻らないようにする。
【0032】
図4に示すように、腕部24aおよび24b、ガイドプーリー25aおよび25b、巻き取りプーリー26aおよび26b、調整シャフト27aおよび27b、ラチェット歯車28aおよび28b、ラチェット爪29aおよび29bは、それぞれワイヤWaおよびWbそれぞれに対応し、対をなして構成される。
【0033】
本体部2から下方に繰り出されたワイヤWa(Wb)は、腕部24a(24b)の端部に配設されたガイドプーリー25a(25b)を経由し、昇降部本体20の内部にある巻き取りプーリー26a(26b)に固定され、巻き取られる。ただし、巻き取りプーリー26a(26b)におけるワイヤWa(Wb)の巻き取り量は、多い必要はなく、例えば1回転分以下でよい。巻き取りプーリー26aおよび26bは、ワイヤWaおよびWbの長さのバランスをとれば十分であり、昇降部3の高さの調整・上下動制御は本体部2が担うからである。したがって、本体部2のドラム12は、胴部の回転軸方向にワイヤWa(Wb)を全て巻き取る(ワイヤが重ならないように巻き取る)ことができるよう、十分な長さの胴部を有することが望ましいが、昇降部3の巻き取りプーリー26a(26b)は、微調整分を巻き取れば足りるから、短い胴部で構わない。
【0034】
巻き取りプーリー26aおよび26bは、ラチェット歯車28a(28b)およびラチェット爪29a(29b)により回転が止められるから、昇降部3が自重で下降することはない。一方、ユーザは、調整シャフト27a(27b)の端部に形成された十字穴をドライバなどで回転(ラチェット機構が解除される方向に回転)させることで、巻き取りプーリー26aおよび26bを回転させてワイヤWa(Wb)を巻き取り、ワイヤWaおよびWbの長さを個別に微調整することができる。
【0035】
したがって、この実施形態の昇降装置によれば、経年変化によりワイヤWa(Wb)に伸びが生じた場合でも、昇降部3を水平に保つことができ、ユーザが安定したメンテナンス作業をすることが可能になる。特に、十字穴などが形成された調整シャフト27a(27b)を回転させることでワイヤWaおよびWbの長さ調整ができるので、簡易な操作で昇降部3の水平バランスをとることができる。
【0036】
ワイヤWa(Wb)は、所定の長さをもつ腕部24a(24b)の端部に配設されたガイドプーリー25a(25b)を経て巻き取りプーリー26a(26b)に導かれる。そのため、この実施形態の昇降装置によれば、ワイヤWaおよびWbの水平方向の間隔を広くとることができ、昇降部3を空中に安定して停止・上昇・下降させることができる。
【0037】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施形態に係る昇降装置の構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示す昇降装置の本体部を示す拡大図である。
【図3】図1に示す昇降装置の本体部を示す拡大図である。
【図4】この実施形態に係る昇降部を拡大して示す斜視図である。
【図5】この実施形態に係る昇降部を水平方向から一部透視して見た正面図である。
【符号の説明】
【0039】
1…昇降装置、2…本体部、3…昇降部、10…基部、11…支持部材、12…ドラム、13a(13b)…ワイヤガイド、14…ガイドシャフト、15…固定シャフト、16…補助プーリー、21…電極、22…アタッチメント、23…ロック機構、24a(24b)…腕部、25a(25b)…ガイドプーリー、26a(26b)…巻き取りプーリー、27a(27b)…調整シャフト、28a(28b)…ラチェット歯車、29a(29b)…ラチェット爪、Wa(Wb)…ワイヤ、LT…照明器具。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井または天井付近の固定位置に設置され、前記天井の下方に1組のワイヤを繰り出す本体部と;
前記本体部から繰り出された1組のワイヤの一端がそれぞれ固定された1組の巻き取りプーリーと、前記1組の巻き取りプーリーに同軸的に固定された1組のラチェット歯車と、前記1組のラチェット歯車それぞれと対応し前記巻き取りプーリーが前記ワイヤを固定するように前記1組のラチェット歯車の回転を止める1組のラチェット爪とを備えた昇降部と;
を具備したことを特徴とする昇降装置。
【請求項2】
前記巻き取りプーリーから離間する方向で、一端が前記昇降部に固定された腕部と;
前記腕部の他端に配設され前記本体部から繰り出されたワイヤを前記巻き取りプーリーに向けて導くガイドプーリーと;
を備えたことを特徴とする請求項1記載の昇降装置。
【請求項3】
前記巻き取りプーリーおよび前記ラチェット歯車は、回転可能な調整シャフトに固定され、前記昇降部に回転可能に架設されたことを特徴とする請求項1または2に記載の昇降装置。
【請求項4】
前記調整シャフトの端部に十字穴が形成されたことを特徴とする請求項3記載の昇降装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−155704(P2010−155704A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−335292(P2008−335292)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)