説明

昇降装置

【課題】天板等を支持するスライドアームをラックに対して上下摺動可能に支持し且つ無段階で任意の高さ位置に固定保持する昇降装置を提供する。
【解決手段】スライドアーム12をラックに対して上下摺動可能に支持し且つ任意の高さ位置で固定保持するための昇降装置であって、ラックはスライドアーム12側に突出した上下方向に長いフランジ部11cを有し、スライドアーム12はフランジ部11cの一側に面し、スライドアーム12に固定的に設けられた保持板21と、フランジ部11cの他側に面し、スライドアームに摺動可能に設けられたロック部材23とを有し、スライドアーム12が下方向に摺動した場合にはこれに伴ってロック部材23が保持板21に接近することにより保持板21とロック部材23とがフランジ部11cを挟持して固定保持し、上方向に摺動した場合にはこれに伴ってロック部材23が保持板21から離間することにより挟持を解除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワゴン,デスク等の天板を昇降可能に支持する昇降装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ワゴン,デスク等の天板を昇降可能に支持する昇降装置としては、特許文献1及び特許文献2に開示された昇降装置及び昇降天板付ワゴンが知られている。
【0003】
特許文献1には、昇降天板等の家具構成部材を支持する一対の昇降部材と、筐体等の家具本体に設けた一対の静止部材と、同期機構とを具備した昇降装置が開示されている。ここで、特許文献1の段落『0028』〜『0032』において、また特許文献2にも、昇降装置の具体的構成が開示されている。
即ち、昇降装置は、噛合機構が静止部材に設けられた複数の第一歯部を有する第一噛合部と、昇降部材に設けられ第一歯部に噛合可能な第二歯部を有する第二噛合部とを備えている。
このような構成の昇降装置によれば、昇降部材が静止部材に対して上下方向に移動し、第一噛合部の第一歯部が対向する第二噛合部の第二歯部と互いに噛合したとき、昇降部材の昇降移動が規制され、昇降部材が静止部材に対して所定の高さ位置で固定保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−135643号公報
【特許文献2】特開2007−135644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような構成の昇降装置においては、天板等の昇降部材の上下方向の高さ位置は、詳細には第一噛合部の第一歯部と第二の噛合部の第二歯部との噛合関係に依存するので、第一歯部及び第二歯部の上下方向のピッチに制限されてしまう。
従って、天板等の昇降部材は、このピッチ間隔でのみ高さ位置が調整可能であり、無段階での高さ調整を行なうことは不可能であった。
【0006】
本発明は、以上の点に鑑み、簡単な構成により、天板等を支持するスライドアームをラックに対して上下摺動可能に支持し且つ無段階で任意の高さ位置に固定保持することができる昇降装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的は、本発明の第一の構成によれば、スライドアームをラックに対して上下摺動可能に支持し且つ任意の高さ位置で固定保持するための昇降装置であって、ラックはスライドアーム側に突出した上下方向に長いフランジ部を有し、スライドアームはフランジ部の一側に面し、スライドアームに固定的に設けられた保持部と、フランジ部の他側に面し、上下の一方向に移動するにつれて保持部に接近し、上下の他方向に移動するにつれて保持部から離間するように、スライドアームに摺動可能に設けられたロック部材とを有し、スライドアームが他方向に摺動した場合にはこれに伴ってロック部材が保持部に接近することにより保持部とロック部材とがフランジ部を挟持して固定保持し、一方向に摺動した場合にはこれに伴ってロック部材が保持部から離間することにより挟持を解除する、昇降装置により、達成される。
【0008】
本発明による昇降装置は、好ましくは、ロック部材が、フランジ部の他側に対向する摩擦面と、この摩擦面に対して上下方向に傾斜した滑動面とを有する楔形に形成されており、スライドアームが、滑動面に対向してスライドアームに固定的に設けられたガイド面を有する。
【0009】
本発明による昇降装置は、好ましくは、ロック部材とガイド面との間に、摩擦軽減手段を備えている。
【0010】
本発明による昇降装置は、好ましくは、ロック部材が、ガイド機構を介してスライドアームに接続されている。
【0011】
本発明による昇降装置は、好ましくは、一方向とは上方向である。
【0012】
本発明による昇降装置は、好ましくは、ロック部材が、弾性部材により一方向に向かって付勢されている。
【0013】
本発明による昇降装置は、好ましくは、ロック部材を他方向に押動する解除手段を備えている。
【0014】
本発明による昇降装置は、好ましくは、解除手段が、ロック部材を他方向に押圧するようにスライドアームに揺動可能に取り付けられたリンクレバーである。
【0015】
本発明による昇降装置は、好ましくは、ロック部材においてリンクレバーに当接する面が渦巻き曲線状の曲面形状を有する。
【0016】
本発明による昇降装置は、好ましくは、リンクレバーが、第二の弾性部材によって退避位置に向かって付勢されている。
【0017】
本発明による昇降装置は、好ましくは、解除手段が、ロック部材を他方向に押動するロッドである。
【0018】
本発明による昇降装置は、好ましくは、ロック部材が、摩擦面を有する摩擦部材と、滑動面を有する滑動部材とから構成され、摩擦部材と滑動部材とが互いに上下方向に摺動可能である。
【0019】
本発明による昇降装置は、好ましくは、摩擦部材と滑動部材とが、第三の弾性部材によって、互いに離反するように付勢されている。
【0020】
本発明による昇降装置は、好ましくは、摩擦部材と滑動部材とが、第二のガイド機構を介して接続されている。
【0021】
本発明による昇降装置は、好ましくは、摩擦部材と滑動部材との間に、摩擦軽減手段を備えている。
【0022】
本発明による昇降装置は、好ましくは、スライドアームが、互いに上下反転して配置された二組のロック部材を有する。
【0023】
上記目的は、本発明の第二の構成によれば、スライドアームをラックに対して上下摺動可能に支持し且つ任意の高さ位置で固定保持するための昇降装置であって、ラックはスライドアーム側に突出し上下方向に長いフランジ部を有し、スライドアームはフランジ部の一側に面し、上下の一方向に移動するにつれて保持部に接近し、上下の他方向に移動するにつれて保持部から離間するように、スライドアームに摺動可能に設けられた第一のロック部材と、フランジ部の他側に面し、第一のロック部材に対して対称に設けられた第二のロック部材とを有し、スライドアームが他方向に摺動した場合にはこれに伴って第一及び第二のロック部材が互いに接近することにより第一及び第二のロック部材がフランジ部を挟持して固定保持し、一方向に摺動した場合にはこれに伴って第一及び第二が互いに離間することにより挟持を解除する、昇降装置により達成される。
【発明の効果】
【0024】
上記構成によれば、スライドアームを上下の一方向、例えば下方向に移動させると、ロック部材が保持部に接近することにより、保持部及びロック部材がラックのフランジ部を挟持する。これによって、スライドアームがラックに対して固定保持される。
これに対して、スライドアームを上下の他方向、例えば上方向に移動させると、ロック部材が保持部から離間することにより、保持部及びロック部材によるラックのフランジ部の挟持が解除される。従って、スライドアームがラックに対して解放されるので、スライドアームがラックに対して摺動可能となる。
ここで、スライドアームのラックに対する固定保持の高さ位置は、ラックのフランジ部に対する保持部及びロック部材の挟持位置で決まるので、無段階で調整可能である。従って、スライドアームに支持された天板等を所望の高さ位置に固定保持することができる。
【0025】
このように、スライドアームをラックに対してスライドアームを上下の他方向、例えば上方向に褶動することで所望の高さ位置まで移動させた後、スライドアームを上下の一方向、例えば下方向に少し移動させることにより、前述したように、スライドアームがラックに対して所望の高さ位置で固定保持される。
従って、スライドアームを簡単な操作によって、任意の高さ位置で固定保持し得る。
【0026】
さらに、上述の上下の一方向が下方向である場合には、スライドアーム及びスライドアームが支持する天板さらには天板上に載置された物体等の重量によって、スライドアームが下方に移動するので、スライドアームの固定保持がより容易かつ強固に行なわれ得る。
【0027】
ロック部材が、フランジ部の他側に対向する摩擦面と、この摩擦面に対して上下方向に傾斜した滑動面とを有する楔形に形成されており、スライドアームが、滑動面に対向してスライドアームに固定的に設けられたガイド面を有する場合には、スライドアームが上下方向に移動したとき、ロック部材の滑動面がスライドアーム側のガイド面に沿って斜めに摺動しながら、保持部に向かって接近し、ロック部材と保持部がフランジ部を挟持する。
このとき、摩擦面がフランジ部の他側に当接することにより、ロック部材のフランジ部に対する摩擦力が大きくなり、フランジ部がより確実に挟持される。従って、ロック部材及び保持部による挟持によって、スライドアームがラックに対してより確実に固定保持されることになる。
また、摩擦面に対する滑動面の傾斜角度を小さくすることにより、摩擦面のフランジ部の他側に対する当接力が大きくなり、スライドアームのラックに対する固定保持が強くなり、スライドアームが支持する天板等の耐荷重重量が増大する。
【0028】
ロック部材とガイド面との間に、摩擦軽減手段を備えている場合には、ロック部材の滑動面がガイド面に沿って摺動する際に、この滑動面とガイド面との間の摩擦が摩擦軽減手段によって軽減されるので、ロック部材の滑動面がガイド面に沿ってより円滑に摺動する。
【0029】
ロック部材が、ガイド機構を介してスライドアームに接続されている場合には、スライドアームのラックに対する上下摺動に伴って、ロック部材がガイド機構を介してスライドアームに対して円滑に移動する。
【0030】
ロック部材が、弾性部材により一方向に向かって付勢されている場合には、スライドアームのラックに対する一方向への摺動に伴って、弾性部材の付勢力によって、ロック部材が保持部から確実に離間する。
【0031】
ロック部材を他方向に押動する解除手段を備えている場合には、スライドアームのラックに対する一方向への摺動の際に、解除手段を操作することによりロック部材が保持部から離間する。
【0032】
解除手段が、ロック部材を他方向に押圧するようにスライドアームに揺動可能に取り付けられたリンクレバーである場合には、リンクレバーの揺動によって、ロック部材が保持部から確実に離間する。
【0033】
ロック部材においてリンクレバーに当接する面が渦巻き曲線状の曲面形状を有する場合には、リンクレバーの揺動の際に、ロック部材への当接位置における傾斜角度が変化して、トルク及びストロークが変化する。
即ち、ロック部材を他方向に押圧するようなリンクレバーの揺動の際に、はじめはストロークが小さく且つトルクが大きく、最後はストロークが大きく且つトルクが小さくなる。これにより、ロック部材が確実に他方向に押圧される。
【0034】
リンクレバーが、第二の弾性部材によって退避位置に向かって付勢されている場合には、第二の弾性部材の付勢力によって、リンクレバーが退避位置に導かれる。
【0035】
解除手段が、ロック部材を他方向に押動するロッドである場合には、ロッドの押動によって、ロッドの一端がロック部材を押動することによって、ロック部材が保持部から確実に離間する。この場合、ロッドの他端を押すだけの簡単な操作により、例えば作業者が片手のみで操作を行なうことができる。
【0036】
ロック部材が、摩擦面を有する摩擦部材と、滑動面を有する滑動部材とから構成され、摩擦部材と滑動部材とが互いに上下方向に摺動可能である場合には、スライドアームのラックに対する一方向への摺動の際に、まず滑動部材がスライドアームのガイド面に沿って移動し、摩擦部材から離間するので、摩擦部材の摩擦面のラックのフランジ部に対する当接力が低減し、フランジ部との間に作用する摩擦力が低減するので、摩擦部材が円滑にフランジ部から離間する。これにより、ロック部材の噛み込みがあったとしても、ロック部材と保持部によるラックのフランジ部の挟持が円滑に且つ確実に解除される。
【0037】
摩擦部材と滑動部材とが、第三の弾性部材によって、互いに離反するように付勢されている場合には、スライドアームのラックに対する一方向への摺動の際に、第三の弾性部材の付勢力によって、滑動部材が摩擦部材から円滑に離間する。
【0038】
摩擦部材と滑動部材とが、第二のガイド機構を介して接続されている場合には、スライドアームのラックに対する一方向への摺動の際に、第二のガイド機構により、滑動部材が円滑に摩擦部材から離間する。
【0039】
摩擦部材と滑動部材との間に、摩擦軽減手段を備えている場合には、スライドアームのラックに対する一方向への摺動の際に、摩擦軽減手段によって滑動部材と摩擦部材との間の摩擦力が低減するので、滑動部材が円滑に摩擦部材から離間する。
【0040】
スライドアームが、互いに上下反転して配置された二組のロック部材を有する場合には、スライドアームの上下両方向への移動を規制することができる。
【0041】
また、第二の構成によれば、互いに左右対称に配置された二組のロック部材がフランジ部を挟持することによりスライドアームを簡単な操作によって、任意の高さ位置で固定保持し得る。
【0042】
このようにして、本発明によれば、簡単な構成により、天板等を支持するスライドアームをラックに対して上下摺動可能に支持し且つ無段階で任意の高さ位置に固定保持することができる昇降装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明による昇降装置の第一の実施形態の構成を示す概略斜視図である。
【図2】図1の昇降装置の分解斜視図である。
【図3】図2の昇降装置のさらなる分解斜視図である。
【図4】図3の昇降装置における要部を裏側斜め下方から見た分解斜視図である。
【図5】図3の昇降装置における要部を表側斜め上方から見た分解斜視図である。
【図6】図3の昇降装置におけるロックプレートを示す拡大図であり、(A)は正面図,(B)は背面図,(C)は表側の右斜め上方から見た斜視図,(D)裏側の右斜め上方から見た斜視図,(E)は表側の右斜め下方から見た斜視図,(F)は裏側の左斜め下方から見た斜視図である。
【図7】図1の昇降装置における要部を示す部分拡大断面図であり、(A)はロック状態,(B)は逆動状態,(C)はリリース操作状態を示している。
【図8】本発明による昇降装置の第二の実施形態の構成を示す図3と同様の分解斜視図である。
【図9】図8の昇降装置における要部を裏側斜め下方から見た分解斜視図である。
【図10】図8の昇降装置における要部を表側の異なる斜め上方から見た分解斜視図である。
【図11】図8の昇降装置における2ピース型のロックプレートを示す拡大図であり、(A)は正面図,(B)は背面図,(C)は表側の右斜め上方から見た斜視図,(D)裏側の右斜め上方から見た斜視図,(E)は表側の右斜め下方から見た斜視図,(F)は裏側の左斜め下方から見た斜視図である。
【図12】図8の昇降装置における要部を示す部分拡大断面図であり、(A)はロック状態,(B)は逆動状態,(C)はリリース操作初期,(D)はリリース操作中期の状態を示している。
【図13】図8の昇降装置におけるロックプレートの変形例を示しており、(A)はロックプレートの摩擦軽減用ピンを備えた滑動部材の拡大斜視図,(B)はロックプレートの摩擦軽減用ピンを備えた摩擦部材の拡大斜視図である。
【図14】図13のロックプレートを備えた昇降装置における要部を示すロック状態の部分拡大断面図である。
【図15】図3の昇降装置における変形例を示すロック状態における部分拡大断面図である。
【図16】図15のロックプレートを上下反転して配置した変形例を示すロック状態における部分拡大断面図である。
【図17】本発明による昇降装置の第三の実施形態の要部の構成を示す表側の左下方から見た部分分解斜視図である。
【図18】本発明による昇降装置の第四の実施形態の要部の構成を示す部分拡大断面図である。
【図19】本発明による昇降装置の第五の実施形態の要部の構成を示す部分拡大断面図である。
【図20】本発明による昇降装置の第六の実施形態の要部の構成を示す部分拡大断面図である。
【図21】本発明による昇降装置の第七の実施形態の構成を示す分解斜視図である。
【図22】図21の昇降装置における要部を表側左下方から見た部分拡大斜視図である。
【図23】図21の昇降装置における係止バネの構成を示す(A)平面図,(B)背面図,(C)A−A線断面図,(D)斜視図である。
【図24】図21の昇降装置におけるリンクレバーの構成を示す(A)正面図,(B)表側の左上から見た斜視図,(C)裏側の右上から見た斜視図である。
【図25】図21の昇降装置におけるラックの構成を示す(A)裏側を示す斜視図,(B)裏側を反対側から示す斜視図,(C)矢印A方向に見た断面図である。
【図26】図21の昇降装置における要部を示すリンクレバー非操作時の部分拡大斜視図である。
【図27】図26の昇降装置における要部を示す(A)部分拡大断面図,(B)非係合状態のA部の断面図,(C)係合状態のA部の断面図である。
【図28】図21の昇降装置における要部を示すリンクレバー操作時の部分拡大斜視図である。
【図29】図28の昇降装置における要部を示す(A)部分拡大断面図,(B)A部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1から図3は、本発明の昇降装置の第一の実施形態の構成を示している。
図1から図3に示すように、昇降装置10は、固定配置されるラック11と、ラックに対して上下摺動可能に支持されたスライドアーム12と、から構成されている。
【0045】
ラック11は、例えば金属板から構成されており、ワゴン,デスク等を構成する筐体に取り付けられる。
ラック11は、筐体の例えば両側の側板等における内側面の垂直部分(図示せず)に沿って取付ネジにより取り付けられる。
【0046】
また、ラック11は、垂直方向(Z方向)に長く伸びるように細長く形成されており、中央付近に垂直方向に延びる溝部11bと、溝部11bの一側から裏側に向かって垂直に(X方向)突出するフランジ部11cを有している。
ここで、溝部11b及びフランジ部11cは、ラック11を構成する金属板を打ち抜き加工及び折り曲げ加工することにより、ラック11と一体に形成されている。
フランジ部11cは、後述するロックプレート23に対向する側面が摩擦係数を高めるために表面に凹凸加工が施されている。
【0047】
さらに、ラック11は、その上端が裏側に折り曲げられて成る第二のフランジ部11dを備えており、この第二のフランジ部11dには、横方向(Y方向)に延びるガイドスロット11eが形成されている。このガイドスロット11eにスライドアーム12が挿通される。第二のフランジ部11dの上面には、ガイドカバー11fが装着されている。
【0048】
スライドアーム12は、ラック11と同様に例えば金属板から構成されており、垂直方向に細長く、ラック11より狭い幅に、且つラック11より長く形成されている。
ここで、スライドアーム12は、ラック11の上端に設けられたガイドスロット11eに挿通されると共に、ラック11の下端内側に取り付けられたホルダー11gにより包囲されることにより、ラック11に対して上下に摺動可能に且つラック11から離反しないように、支持されている。
【0049】
また、スライドアーム12は、その上端に、ワゴン,デスク等の天板を支持する支持部材12aを備えている。この支持部材12aは、天板の側縁を支持するように、水平なY方向に延びている。
さらに、スライドアーム12は、その下端の一側に、横方向に張り出したストッパ12bを有している。これにより、スライドアーム12がラック11に対して上方に移動したとき、このストッパ12bが前述したホルダー11cの下端に当接するため、スライドアーム12がラック11から上方に外れることはない。
【0050】
スライドアーム12は、その高さ方向ほぼ中間の位置に折曲げ片部20を備えている。折曲げ片部20は、スライドアーム12がラック11に対して上下に摺動する際にラック11に設けられたフランジ部11cに対応する位置に配置されている。
【0051】
この折曲げ片部20は、図3に示すように、保持部としての保持板21と、ガイド面としての滑動板22とを有する。保持板21及び滑動板22は、それぞれスライドアーム12を構成する金属板を打ち抜き加工、折り曲げ加工することにより、スライドアーム12と一体に形成されている。
一方の保持板21は、Z方向に垂直に延びていると共に、スライドアーム12がラック11に装着されたとき、ラック11のフランジ部11cの一側に僅かな間隔を開けて位置する。
また、他方の滑動板22は、一方の折曲げ片21から下方に向かって徐々に離反するように、Z方向に対して斜めに延びると共に、スライドアーム12がラック11に装着されたとき、ラック11のフランジ部11cの他側に配置される。
これにより、一対の折曲げ片21,22の間には、上方に向かって先細になった楔形状の空間が画成されることになる。
【0052】
これら一対の折曲げ片である保持板21及び滑動板22の間の領域には、図2及び図3〜図5に示すように、ロック部材としてのロックプレート23が配置されると共に、さらにロックプレート23の上方には解除手段としてのリンクレバー24が配置されている。
【0053】
ロックプレート23は、例えば樹脂素材から構成されており、図6に示すように、全体として上方が先細になった楔形状に形成されている。
より具体的には、ロックプレート23は、その左側が垂直な摩擦面23aとして形成されていると共に、その右側が摩擦面23aに対して斜めに延びる滑動面23bとして形成されている。
ロックプレート23が前述した保持板21及び滑動板22の間に配置されたときには、摩擦面23aが一方の保持板21の内側面に対向し、滑動面23bが他方の滑動板22の内側面に対向する。また、滑動面23bの傾斜角度は、滑動板22の傾斜角度に対応して選定されている。
【0054】
摩擦面23aは、その表面の摩擦係数が大きくなるように構成されている。例えば図示の場合には、X方向に互いに平行に延びる細かい複数の畝状の凹凸形状を付して、保持板21の内側面に対する接触面積が小さくなるように形成されている。なお、摩擦係数を大きくするための方法はこれに限らず、表面を研磨することにより摩擦係数を大きくするなど、周知の様々な方法により摩擦係数を大きくしてもよい。
一方、滑動面23bは、その表面の摩擦係数が小さくなるように構成されている。
【0055】
ロックプレート23は、その下面に、図6(A)及び図6(E)に詳細に示すように、圧縮ばね25を受容するための係合穴23cを備えており、係合穴23cの内側最上部には、圧縮ばね25の上端と係合する係合突起23dを有している。
ここで、圧縮ばね25は、図3に示すように、保持板21及び滑動板22の下側に形成された切り起こし片12cとロックプレート23の係合穴23cの間に介装され、ロックプレート23を上方に向かって付勢する。
【0056】
ロックプレート23は、その背面に、図6(B)及び図6(D)に詳細に示すように、X方向裏側に突出する二本のガイドピン23e,23fを有している。
これらのガイドピン23e,23fは、保持板21及び滑動板22の間の領域に設けられたガイド溝12d,12eに係合する。
ここで、ガイド溝12d,12eは、それぞれ滑動板22と平行に延びる長穴として構成されている。
ガイドピン23e,23fとガイド溝12d,12eはガイド機構として機能し、ガイドピン23e,23fがそれぞれ対応するガイド溝12d,12eに係合した状態で、ロックプレート23は、滑動板22に沿って移動するように案内される。
【0057】
ロックプレート23は、その上面が、図6(A)において、左側から右側に向かって曲率半径が徐々に小さくなるような渦巻き曲線状の凹状曲面23gとして形成されている。
【0058】
リンクレバー24は、支点ピン24aによりスライドアーム12に揺動可能に支持されていると共に、支点ピン24aの下側に突出した凸部24b及び側方に突出したアーム部24cを有している。
凸部24bは、リンクレバー24が支点ピン24aの周りに揺動したとき、ロックプレート23の凹状曲面23gに沿って摺動する。ロックプレート23は、圧縮ばね25により上方に向かって付勢されているので、リンクレバー24を操作した場合には、ロックプレート23の凹状曲面23gは、常にリンクレバー24の凸部24bに接触するように追従する。
アーム部24cは、その先端に、ほぼ垂直に配置された引っ張りばね26の上端が係止され、この引っ張りばね26の下端がスライドアーム12に設けられた係止部12fに連結されることにより、常に下方に付勢される。そのため、リンクレバー24は、図3において右旋性を付与されている。これにより、リンクレバー24の凸部24bは、通常状態において、ロックプレート23の凹状曲面23gから離間した位置に保持される。
【0059】
さらに、リンクレバー24のアーム部24cの中間部分には、操作部材27が連動軸27aを介して連結されている。
操作部材27は、スライドアーム12の上端に設けられた支持部材12aに隣接して露出するように、スライドアーム12に対して上下動可能に配置されている。
操作部材27が上方に向かって引っ張られたとき、操作部材27の上方移動が連動軸27aを介してリンクレバー24のアーム部24cに伝達され、リンクレバー24が図3にて左旋する。従って、リンクレバー24の凸部24bが、ロックプレート23の凹状曲面23gに沿って摺動しながら、圧縮ばね25の張力に抗してロックプレート23を下方に押動する。
【0060】
昇降装置10は、以上のように構成されており、以下のように動作する。
ロック状態において、ロックプレート23は、圧縮ばね25の付勢力により、相対的に保持板21及び滑動板22の間の楔形状の空間内に押し込まれるように作用し、フランジ部11c及び滑動板22に密着する。
ここで、図7(A)に示すように、スライドアーム12がその自重及び支持すべき天板等の重量により、矢印Aで示すように、下方に向かって移動しようとする。すなわち、フランジ部11cが、スライドアーム12に対して相対的に矢印Bで示す方向に加力される。ロックプレート23は、摩擦面23aとフランジ部11cとの摩擦によって、スライドアーム12に対して相対的に上方へ加力される。
これにより、ロックプレート23の楔形状に基づいて、即ちロックプレート23の滑動面23bが当接する滑動板22の傾斜に従って、ロックプレート23が保持板21側に移動して、ロックプレート23の摩擦面23aがラック11のフランジ部11cを保持板21に押し付ける。
【0061】
従って、ロックプレート23の摩擦面23aと保持板21との間にフランジ部11cが挟持されるので、スライドアーム12がラック11に対して固定保持される。
さらに、天板上に物が置かれるなどして荷重がかかった場合には、滑動板22の傾斜に基づいて、ロックプレート23を保持板21側に押し付けるような分力がさらに発生し、押圧力が高められるので、ロックプレート31と保持板21によるフランジ部11cの挟持がより確実に行なわれ、スライドアーム12がラック11に対して下方に褶動してしまうことはない。
【0062】
このようなロック状態から、作業者が天板等を持ち上げると、これに伴ってスライドアーム12が上方に引き上げられ、図7(B)において矢印Cで示すように、ラック11のフランジ部11cがスライドアーム12に対し相対的に下方に移動する。
すると、ロックプレート23は摩擦面23aとフランジ部11cとの摩擦によって、圧縮ばね25の付勢力に抗して、スライドアーム12に対し相対的に下方に向かって移動する。このとき、ロックプレート23は、ガイドピン23e,23fとガイド溝12d,12eとによってガイドされるので、その滑動面23bが滑動板22に沿って円滑に移動して、フランジ部11cから離れる方向に移動する。
ロックプレート23が滑動板22に沿って斜めに移動すると、ロックプレート23の摩擦面23aは、保持板21側から退避することになるので、ロックプレート23の摩擦面23aと折曲げ片21とによるフランジ部11cの挟持が解除される。従って、スライドプレート12のラック11に対するロックが解除されて、スライドプレート12は、上方向に移動可能となる。
【0063】
ここで、作業者が天板等を所望の高さ位置に持ち来たした状態で、天板等を一旦停止させると、圧縮ばね25の付勢力によって、ロックプレート23が上方に向かって押圧され、滑動板22の斜面に沿って上方に移動し、同時にその摩擦面23aが保持板21側に移動する。
さらに、作業者が天板等から手を離すと、天板等そしてスライドアーム12が自重により下方に移動しようとする。従って、前述したように、ロックプレート23は、保持板21及び滑動板22の間に画成される楔形状の空間内に押し込まれて、ロックプレート23と保持板21との間にラック11のフランジ部11cが挟持されて、ロック状態となる。
【0064】
続いて、天板を下方に移動させるには、作業者は操作部材27を上方に持ち上げる。これにより、操作部材27の上昇移動が連動軸27aを介してリンクレバー24のアーム部24cに伝達されるので、リンクレバー24は、図7(C)に矢印Dで示すように、左旋する。
【0065】
リンクレバー24の左旋により、リンクレバー24の凸部24bは、ロックプレート23の凹状曲面23gに当接し、凹状曲面23gに沿って右方に移動しつつ、ロックプレート23を下方に押動する。このときロックプレート23は、上記楔形状の空間内でガイドピン23e,23fとガイド溝12d,12eとによってガイドされるので、ロックプレート23はガイド溝12d,12eに沿って、すなわち滑動板22に沿って斜め下方へ移動する。
【0066】
このとき、凹状曲面23gの渦巻き曲線状の形状に基づいて、ロックプレート23は、曲率半径が小さくなるほど、リンクレバー24の回転角度に対してより大きなストロークで下方に移動し、曲率半径が大きくなるほど、大きなトルクを生じる。
従って、リンクレバー24の旋回初期では大きなトルクが生じて、リンクレバー24の凸部24bは、ロックプレート23をゆっくりと大きな力で下方に押動する。また、リンクレバー24の旋回角度が大きくなると共に、徐々にトルクが小さく且つストロークが大きくなるので、ロックプレート23は、より迅速に下方に移動することになる。
これにより、ロックプレート23は確実にロック解除され、ロック解除後は小さな操作で退避され得る。
【0067】
このようなロック解除状態においてはフランジ部11cがロックプレート23と保持板21との間に挟持されていないから、作業者はスライドアーム12及び天板を自由に上下に褶動することができる。
【0068】
作業者が操作部材27から手を離すと、引っ張りばね26の張力によりリンクレバー24が右旋する。これにより、リンクレバー24の凸部24bが図7において左側に向かって移動する。すると、ロックプレート23の凹状曲面23gが凸部24bに接触しながら追従するから、ロックプレート23が上昇すると共に、連動軸27aを介して操作部材27が下降する。このようにして、操作部材27から手を離すだけで、リンクレバー24,ロックプレート23及び操作部材27は、ロック状態に復帰する。
【0069】
図8から図10は、本発明の昇降装置の第二の実施形態の構成を示している。
図8から図10において、昇降装置30は、図1から図3に示した昇降装置10とほぼ同様の構成であるから、同じ構成要素には同じ符号を付して、その説明を省略する。
昇降装置30は、図1から図3に示した昇降装置10とは、ロックプレート23の代わりに、いわゆる2ピースタイプのロックプレート31を備えている点でのみ異なる構成になっている。
【0070】
即ち、ロックプレート31は、全体としては、図6に示したロックプレート23と同様の構成であり、図8において左側の垂直な摩擦面23aと、右側の斜めに延びる滑動面23bと、下面の係合穴23c及び係合突起23dと、背面の二本のガイドピン23e,23f、上方の凹状曲面23gと、を備えている。
【0071】
ここで、ロックプレート31は、図11に詳細に示すように、摩擦面23a及び係合穴23c,係合突起23dを含む摩擦部材32と、滑動部材33と、に二分割されている。
図示の場合、摩擦部材32は、滑動部材33に設けられた左側,正面側及び下側に開放した切欠き部33a内に収容されており、その背面側に設けられた二つのガイドピン32a,32bが滑動部材33の切欠き部33aの背面側の内壁に設けられたZ方向に長いガイド溝33b,33cに係合することにより、Z方向に沿ってガイドされるようになっている。すなわち、ガイドピン32a,32b及びガイド溝33b,33cは、第二のガイド機構として機能する。
【0072】
さらに、摩擦部材32は、その上面に後述する圧縮ばね34を受容するための係合穴32eを備えており、係合穴32eの内側最下部には、圧縮ばね34の下端と係合する係合突起32dを有している。
ここで、圧縮ばね34は、図11(F)に示すように、その上端が、滑動部材33に設けられた切欠き部33aの内側上面に設けられた係合突起33dと係合する。
【0073】
また、摩擦部材32は、その右側面が傾斜して形成されており、その傾斜角度は滑動部材33に形成された切欠き部33aの右側の内面と同じ角度で、且つ滑動部材33の滑動面23bより垂直に対して小さな角度である。
切欠き部33aの右側の内面は、滑動面23bと同様に摩擦係数を小さくした滑動面33eとして形成されている。
【0074】
以上のように、摩擦部材32は、滑動部材33の切欠き部33a内に収容されると共に、滑動部材33の切欠き部33aの右側の内面に沿って上下に移動し得る。また、圧縮ばね34の張力は圧縮ばね25の張力より大きい。そのため、通常状態において、摩擦部材32は、ガイド溝33b,33cの範囲内において滑動部材33との間隙が最も大きい状態となる。すなわち、この状態において摩擦部材32と滑動部材33との間には傾斜面を介して密着しているが、水平面である摩擦部材32の下面と滑動部材33との間には間隙が存在する。
【0075】
このような構成の昇降装置30は、以下のように動作する。
即ち、ロック状態では、図12(A)に示すように、スライドアーム12がその自重及び支持すべき天板等の重量により、矢印Aで示すように、下方に向かって移動しようとするので、昇降装置10と同様の作用により、ロックプレート31の摩擦面23aと保持板21との間にフランジ部11cが挟持されるので、スライドアーム12がラック11に対して固定保持される。
【0076】
従って、ロックプレート31を構成する摩擦部材32の摩擦面23aと保持板21との間にフランジ部11cが挟持されるので、スライドアーム12がラック11に対して固定保持される。
天板上に物が置かれるなどして荷重がかかった場合には、滑動板22の傾斜に基づいて、ロックプレート31を保持板21側に押し付けるような分力がさらに発生し、押圧力が高められるので、ロックプレート31と保持板21によるフランジ部11cの挟持がより確実に行なわれる。このとき、摩擦部材32には滑動部材33に対して相対的に上方向の力が加わり、摩擦部材32の上面と滑動部材33の下面との間隙は小さくなる。しかし、摩擦部材32は上に行くにつれて幅の狭くなる楔形であり、すなわち摩擦部材32と滑動部材33との間は斜面であるから、この斜面により生まれる下方向への反力に打ち消され、摩擦部材32の上面と滑動部材33の下面とが密着することはない。
【0077】
このようなロック状態から、作業者が天板等を持ち上げると、これに伴ってスライドアーム12が上方に引き上げられ、図12(B)において矢印Cで示すように、相対的にラック11のフランジ部11cが相対的に下方に移動する。
これにより、ロックプレート31を構成する摩擦部材32及び滑動部材33は、一体となって滑動板22に沿って斜めに移動する。すると、摩擦部材32の摩擦面23aは、保持板21側から退避することになるので、ロックプレート31を構成する摩擦部材23の摩擦面23aと折曲げ片21とによるフランジ部11cの挟持が解除される。
【0078】
ところで、天板の上に重量物が載置された場合などのように、スライドアーム12に下向きの強い力が加わると、場合によっては、ロックプレート31が保持板21及び滑動板22の間に画成される楔形状の空間に噛み込んでしまうことがある。
本実施形態の昇降装置30によれば、このような場合でも、簡単にロックを解除することができる。
具体的には、まず図12(C)に示すように、作業者は操作部材27を上方に持ち上げる。これにより、操作部材27の上昇移動が連動軸27aを介してリンクレバー24のアーム部24cに伝達されるので、リンクレバー24は、図12(C)に矢印Dで示すように、左旋する。
リンクレバー24の左旋により、リンクレバー24の凸部24bは、ロックプレート31の滑動部材33の凹状曲面23gに当接し、凹状曲面23gに沿って右方に移動しつつ、滑動部材33を下方に押動する。
【0079】
これにより、滑動部材33が圧縮ばね34の付勢に抗って摩擦部材32に対して下方に褶動する。すなわち、滑動部材33のみが、矢印Eで示すように、摩擦部材32と折曲げ片22の間から下方に退避する。
滑動部材33は上方が細い楔形であるから、滑動部材33のみが下方に抜けると、摩擦部材32をフランジ部11cに対して押し付ける反力が解消される。そのため、噛み込みが解消して、図12(D)に矢印Fで示すように、摩擦部材32が圧縮ばね34の張力により下方に押し出されると共に、ロックプレート31全体が下方に移動して、ロックプレート31の摩擦部材32と保持板21とによるフランジ部11cの挟持が解放される。
従って、ロックプレート31の噛み込みが発生したとしても、操作部材27を操作することによって、ロックプレート31の噛み込みが容易に解消して、スライドアーム12のラック11に対するロックが解除される。
【0080】
図13は、図8に示した昇降装置30におけるロックプレート31の変形例を示している。
この場合、図13(A)に示すように、ロックプレート31の滑動部材33は、その滑動面23b及び33eにおける摩擦をより低減するために、それぞれ二つの摩擦低減用のピン33f,33gを備えている。
これらのピン33f,33gは、いずれも滑動部材33の滑動面23b,33eに形成されたX方向に延びる受容凹部内に収容され、受容凹部内において自由に軸回転可能である。
また、滑動部材33の滑動面33eに備えられるピン33gは、図13(B)に示すように、摩擦部材32側にも設けられてもよい。この場合、ピン33gは、滑動面33eに対向する摩擦部材32の側面に設けられたX方向に延びる受容凹部内に収容される。
【0081】
このような構成によれば、滑動部材33は、折曲げ片22及び摩擦部材32に接触する滑動面23b,33eにおいて、ピン33f,33gが軸回転することにより、摩擦抵抗が低減される。
【0082】
図15は、図1から図3に示した昇降装置10の第二の変形例の要部を示している。
図15において、昇降装置10は、リンクレバー24及び操作部材27,引っ張りばね26の代わりに、操作ロッド28を備えている。
操作ロッド28は、ロックプレート23に対して直接に連結されており、図示しない下端を矢印Hで示すように下方に引っ張ることによって、ロックプレート23を直接に下方に移動させて、折曲げ片21,22の間に画成される楔形状の空間から移動させることができる。
【0083】
このような構成によれば、リンクレバー24,連動軸27aを伴う操作部材27そして引っ張りばね26が不要であるので、部品点数が少なくて済み、部品コスト及び組立コストが低減され得る。また、ロック解除時の操作ロッドの動きは上方への動きではなく下方への動きとなるから、操作ロッドに連結される操作部材を天板の上側に設けて、操作部材と天板とを挟むように掴んで天板の昇降操作を行うことができる。この場合には、天板が下側に位置することから、手を離した際に操作部材が上方へ移動するため、天板を他方の手で抑えることなく、片手で操作を行うことができる。
【0084】
図16は、図1から図3に示した昇降装置10の第三の変形例の要部を示している。
図16において、昇降装置10は、図15に示した昇降装置に関して、保持板21、滑動板22及びロックプレート23が上下反転して配置されていると共に、圧縮ばね25が省略されている。
【0085】
このような構成によれば、図15に示した昇降装置10と同様に作用すると共に、ロックプレート23が自重によって保持板21、滑動板22の間に画成される楔形状の空間内に押し込まれるので、圧縮ばね25が不要となり、より一層部品点数を削減することができる。この場合には、スライドアーム12を何らかの手段により上方へ付勢する必要がある。
【0086】
図17は、本発明による昇降装置の第三の実施形態における要部の構成を示している。
図17において、昇降装置40は、図1から図3に示した昇降装置10とほぼ同様の構成であるから、同じ構成要素には同じ符号を付して、その説明を省略する。
昇降装置40は、図1から図3に示した昇降装置10と比較して、ロックプレート23の代わりに、一対のロックプレート41,42と、リリースプレート43と、を備えている点で異なる構成になっている。
【0087】
ロックプレート41,42は、それぞれロックプレート23とほぼ同様の構成であり、ロックプレート41はロックプレート23と同じ向きに配置されると共に、ロックプレート42はロックプレート41に対して逆向きに配置されている。これにより、ロックプレート41,42は、ラック11のフランジ部11cを通るZ−X平面に関して互いに対称に配置されている。
ロックプレート41,42は、ロックプレート23と比較して、摩擦面23a,滑動面23b,係合穴23c,係合突起23dを備えているが、ガイドピン23e,23f及び凹状曲面23gは省略されている。
さらに、ロックプレート41,42は、その中央付近に、Y方向に延びる貫通穴41a,42aを備えている。
【0088】
また、スライドアーム12は、垂直な保持板21を有さず、滑動板22と同様に傾斜した滑動板44を有している。
滑動板44は、滑動板22と同様に形成されており、且つ前述したフランジ部11cを通るZ−X平面に関して滑動板22と対称に配置されている。
【0089】
ここで、ロックプレート41は、ロックプレート23と同様に圧縮ばね25により上方に付勢されていると共に、滑動板44に対向するロックプレート42も、同様に圧縮ばね45により上方に付勢されている。
圧縮ばね45は、その下端が上記Z−X平面に関して切り起こし片12cと対称な位置に形成された切り起こし片12gに接続されている。
【0090】
リリースプレート43は、Y−Z平面上に延びる平板状に形成されており、上端が、ロックプレート23の上端と同様に形成された凹状曲面43aを有している。
これにより、リンクレバー24が操作部材27の操作時に左旋すると、リンクレバー24の凸部24bがリリースプレート43の凹状曲面43aに沿って摺動すると共に、リリースプレート43を下方に押動する。
【0091】
リリースプレート43は、その背面中央でZ方向に延びるガイド溝43bを備えており、このガイド溝43bがスライドアーム12の表面で且つ折曲げ片44,22の間に形成されたZ方向に延びる突条部12hに係合することにより、Z方向にガイドされるようになっている。
また、リリースプレート43は、その前面において、水平に並んだ二つのボス部43c,43dを有している。これらのボス部43c,43dは、それぞれロックプレート41,42の貫通穴41a,42aに嵌合している。
これにより、リリースプレート43がガイド溝43b及び突条部12hによるガイドによって上下方向に移動すると、リリースプレート43の移動に伴って、ロックプレート41,42も上下方向に移動する。
【0092】
このような構成の昇降装置40によれば、ロック状態では、ロックプレート41,42は、相対的に滑動板44,22の間の楔形状の空間内に押し込まれて、ロックプレート41,42が互いに接近する。これにより、ロックプレート41,42の摩擦面によりラック11のフランジ部11cが挟持されるので、スライドアーム12がラック11に対して固定保持されることになる。
【0093】
このようなロック状態から、スライドアーム12が上方に引き上げられると、相対的にラック11のフランジ部11cが下方に移動することにより、ロックプレート41,42は、リリースプレート43と共に下方に移動する。これにより、ロックプレート41,42によるフランジ部11cの挟持が解除されるので、スライドプレート12のラック11に対するロックが解除されて、スライドプレート12は上方向に移動可能となる。
【0094】
また、作業者が図示しない操作部材を操作して、リンクレバー24を左旋させると、リンクレバー24の凸部24bがリリースプレート43の凹状曲面43aに当接し、凹状曲面43aに沿って右方に移動しつつ、リリースプレート43を下方に押動する。すると、ロックプレート41,42も下方に移動するので、ロックプレート23は下方に退避して、フランジ部11cの挟持を解除する。
【0095】
この場合、双方のロックプレート41,42が共に傾斜した滑動板22,44により互いに接近し、かつ互いに退避するので、図1から図3に示した昇降装置10の場合と比較して、ロック解除状態においてフランジ部11cに対するクリアランスを大きく取ることができる。
【0096】
図18は、本発明による昇降装置の第四の実施形態の要部の構成を示している。
図18において、昇降装置50は、ラック11のフランジ部11cを挟んで回転対称の位置に、ロックプレート51,52を配置した構成になっている。
このようなロックプレート51,52の配置に対応して、スライドプレート12上には、それぞれ滑動板53,54が備えられている。
【0097】
ここで、ロックプレート51は、図15に示した昇降装置におけるロックプレート23と同様の構成であり、またロックプレート52は、図16に示した昇降装置におけるロックプレート23と同様の構成である。
また、滑動板53は、図15に示した昇降装置における滑動板22と同様の構成であり、また滑動板54は、図16に示した昇降装置における滑動板22と同様の構成である。
【0098】
尚、ロックプレート51に対する操作ロッド28は、図式的に屈曲した状態で図示されているが、実際には適宜のリンク機構等を介して、スライドアーム12の上部に導かれている。
【0099】
このような構成の昇降装置50によれば、図15に示した昇降装置及び図16に示した昇降装置と同様に作用すると共に、互いに上下反転した二つのロックプレート51,52により、上下両方に向かってロックプレート51,52がロック状態となる。従って、スライドアーム12のラック11に対する移動が上下双方に関して規制されることになる。
尚、この場合、ロック解除するために、スライドアーム12を上下に移動させようとしても、何れかのロックプレート51または52が保持板20内に押し込まれる方向に移動することになるので、ロック解除することができない。従って、ロック解除の場合には、双方の操作ロッド28を操作することにより、ロックプレート51を下方に、またロックプレート52を上方に移動させて、ロック状態が解除される。
【0100】
図19は、本発明による昇降装置の第五の実施形態の要部の構成を示している。
図19において、昇降装置60は、ラック11のフランジ部11cの一側(図示の場合、右側)において、上下に並んだ二つの滑動板61,62及びロックプレート63,64を配置した構成になっている。
【0101】
ここで、下側の滑動板61及びロックプレート63は、図15に示した滑動板20及びロックプレート23と同様の構成であり、上側の滑動板62及びロックプレート64は、図16に示した滑動板20及びロックプレート23と同様の構成であって、上側の滑動板61及びロックプレート63に対して、上下反転した構成である。
【0102】
このような構成の昇降装置60によれば、図15に示した昇降装置及び図16に示した昇降装置と同様に作用すると共に、互いに上下反転した二つのロックプレート63,64により、上下両方に向かってロックプレート63,64がロック状態となる。従って、スライドアーム12のラック11に対する移動が上下双方に関して規制されることになる。
この場合も、ロック解除の際には、双方の操作ロッド28を操作して、ロックプレート63を下方に移動させ、またはロックプレート64を上方に移動させればよい。
また、この場合、二つのロックプレート63,64がフランジ部11cの一側に配置されているので、水平方向に関する設置スペースが少なくて済む。
【0103】
図20は、本発明による昇降装置の第六の実施形態の要部の構成を示している。
図20において、昇降装置70は、ラック11のフランジ部11cの両側において、異なる高さ位置に二つの滑動板71,72及びロックプレート73,74を配置した構成になっている。
【0104】
ここで、下側の滑動板71及びロックプレート73は、図15に示した滑動板20及びロックプレート23と同様の構成であり、上側の滑動板72及びロックプレート74は、図16に示した滑動板20及びロックプレート23と同様の構成であって、上側の滑動板71及びロックプレート73に対して、上下にオフセットした回転対称の構成である。
【0105】
このような構成の昇降装置70によれば、図15に示した昇降装置及び図16に示した昇降装置と同様に作用すると共に、フランジ部11cの両側で互いに上下にずれて配置された二つのロックプレート73,74により、上下両方に向かってロックプレート73,74がロック状態となる。従って、スライドアーム12のラック11に対する移動が上下双方に関して規制されることになる。
この場合も、ロック解除の際には、双方の操作ロッド28を操作して、ロックプレート73を下方に移動させ、またはロックプレート74を上方に移動させればよい。
【0106】
図21は、本発明による昇降装置の第七の実施形態の構成を示している。
図21において、昇降装置80は、図8に示した昇降装置30とほぼ同様の構成であるから、同じ構成要素には同じ符号を付して、その説明を省略する。
昇降装置80は、図8に示した昇降装置30と比較して、補助ロック機構81を備えている点でのみ異なる構成である。
【0107】
補助ロック機構81は、図21及び図22に示すように、板ばね82と、ストッパ83と、フランジ部11cに設けられた係止部84(図25参照)と、を含んでいる。
板ばね82は、板金等の弾性材料から構成されており、ほぼ全体が平坦に形成されており、図23に示すように、右端82aが前側に屈曲していると共に、右端82aの左側に隣接した平坦部分の下縁に斜め後方に延びる傾斜部82bを有している。
板ばね82は、スライドアーム12の前面においてリンクレバー24の上側に位置するように、左端82cがネジ等によりスライドアーム12に対して取り付けられている。
この実施形態において、スライドアーム12は、板ばね82の取付領域において、板ばね82の後方への弾性変形を許すように切欠き部(または凹陥部)12iを備えている。
【0108】
ここで、リンクレバー24は、背面の支点ピン24aの上側領域が、板ばね82の屈曲した右端82aに対向している。
そして、リンクレバー24は、当該上側領域に背面側から反時計周りに徐々に深くなるカム面24dを有している。
これにより、操作部材27の非操作時には、カム面24dは、板ばね82の右端82aには接触しないが、操作部材27の操作時に、リンクレバー24が左旋すると、リンクレバー24の左旋に伴って、カム面24dが徐々に板ばね82の右端82aを裏側に向かって押動するようになっている。
【0109】
ストッパ83は、スライドアーム12の前面において切欠き部12iの下側に隣接して配置されており、その上縁が板ばね82の下端に当接して、板ばね82を下方から支持するようになっている。
尚、ストッパ82は、図示の場合、スライドアーム12を構成する金属板を一部打ち抜き加工することにより、スライドアーム12と一体に形成されているが、他の方法でスライドアーム12に一体に形成されていてもよく、また別体に形成されスライドアーム12に固定されてもよい。
【0110】
係止部84は、図25に示すように、ラック11のフランジ部11cの先端に沿って設けられており、図25(C)に詳細に示すように、鋸歯状に並んだ複数個のフック84aから形成されている。
各フック84aは、それぞれ下側84bがX方向に沿って水平に形成されていると共に、上側84cが傾斜して形成されている。
これにより、スライドアーム12の上下方向の移動に際して、スライドアーム12に取り付けられた板ばね82の傾斜部82bが、フランジ部11cの係止部84に対向している。
【0111】
このような構成の昇降装置80によれば、図8に示した昇降装置30と同様に作用すると共に、ロック状態では、図22及び図23(A)に示すように、操作部材27が操作されないので、リンクレバー24のカム面24dは板ばね82の右端82aには接触しない。これにより、板ばね82は、屈曲した右端82aを除く平坦部分が、スライドアーム12の前面に沿って位置することになる。
従って、図27(A)に示すように、板ばね82の平坦部分は、係合部84即ちラック11のフランジ部11cの先端に形成されたフック部84aの間に進入するので、フック部84aの水平な下側84bが板ばね82の上端に係合する。これにより、スライドアーム12がラック11に対して上方に移動しないように、補助的にロックされる。
【0112】
このようなロック状態において、スライドアーム12が下方に移動されると、フランジ部11c及び係合部84が相対的に上方に移動することになる。このとき、図27(C)に示すように、係合部84の各フック部84aの上側84cが傾斜していることから、板ばね82の下端がフック部84aの傾斜した上側84cにより後方に押動されて、係合部84の通路から退避するので、ロックプレート31の保持板20内への進入が補助ロック部81によって阻止されることはない。
【0113】
これに対して、操作部材27が操作されて、リンクレバー24が左旋すると、図28及び図29(A)に示すように、ロックプレート31が下方に移動されて、ロックプレート31の摩擦面31aがフランジ部11cから離間し、ロック解除されると共に、リンクレバー24のカム面24dが板ばね82の右端82aを後方に向かって押動する。
これにより、図29(B)に示すように、板ばね82の傾斜面82bの領域は、スライドアーム12に設けられた切欠き部12i内に退避するので、板ばね82は、ラック11のフランジ部11cの先端に形成された係止部84の上下方向の移動を妨げない。
従って、スライドアーム12はラック11に対して自由に上下方向に移動可能となる。
【0114】
ところで、操作部材を操作しない状態においてスライドアーム12がラック11に対して上方に移動可能であることから、この状態で繰り返しスライドアーム12が上方に移動されると、ロックプレート31の摩擦面31aとフランジ部11cの接触面に摩耗が生じて、挟持によるロックの強度が低下してしまう。このため、本実施形態による昇降装置80では、ロック状態においてスライドアーム12の上方への移動が補助ロック機構81により阻止されるので、上述したロックプレート31の摩擦面31aとフランジ部11cの接触面の摩耗が防止される。
従って、昇降装置80の耐久性が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施することができる。
例えば、上述した実施形態においては、折り曲げ片部20は、スライドアーム12と一体に形成されているが、これに限らず、スライドアーム12と別体に構成され、スライドアーム12に対して固定されていてもよい。
【0116】
また、上述した実施形態においては、ロックプレート23と保持板21との間に挟持されるフランジ部11cは、ラック11と一体に形成されているが、これに限らず、フランジ部11cは、ラック11と別体に構成され、ラック11に対して固定されていてもよい。
【0117】
以上述べたように、本発明によれば、簡単な構成により、天板等を支持するスライドアームをラックに対して上下摺動可能に支持し且つ無段階で任意の高さ位置に固定保持することができる、極めて優れた昇降装置が提供される。
【符号の説明】
【0118】
10,30,40,50,60,70,80 昇降装置
11 ラック
11c フランジ部
12 スライドアーム
12d,12e ガイド溝
20,61,62,71,72 折曲げ片部
21 保持板
22,44,53,54 滑動板
23,31,41,42,51,52,63,64,73,74 ロックプレート
23a 摩擦面
23b 滑動面
23e,23f ガイドピン
23g 凹状曲面
24 リンクレバー
24b 凸部
24c アーム部
25,45 圧縮ばね
26 引っ張りばね
27 操作部材
28 操作ロッド
32 摩擦部材
33 滑動部材
34 圧縮ばね
43 リリースプレート
43a 凹状曲面
81 補助ロック機構
82 板ばね
83 ストッパ
84 係合部
84a 係合フック
84b 水平な下側
84c 傾斜した上側

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライドアームをラックに対して上下摺動可能に支持し且つ任意の高さ位置で固定保持するための昇降装置であって、
前記ラックは、前記スライドアーム側に突出した上下方向に長いフランジ部を有し、
前記スライドアームは、前記フランジ部の一側に面し、前記スライドアームに固定的に設けられた保持部と、前記フランジ部の他側に面し、上下の一方向に移動するにつれて前記保持部に接近し、上下の他方向に移動するにつれて前記保持部から離間するように、前記スライドアームに摺動可能に設けられたロック部材とを有し、
前記スライドアームが前記他方向に摺動した場合にはこれに伴って前記ロック部材が前記保持部に接近することにより前記保持部と前記ロック部材とが前記フランジ部を挟持して固定保持し、前記一方向に摺動した場合にはこれに伴って前記ロック部材が前記保持部から離間することにより挟持を解除する、昇降装置。
【請求項2】
前記ロック部材は、前記フランジ部の前記他側に対向する摩擦面と、この摩擦面に対して上下方向に傾斜した滑動面とを有する楔形に形成されており、
前記スライドアームは、前記滑動面に対向して前記スライドアームに固定的に設けられたガイド面を有する、請求項1に記載の昇降装置。
【請求項3】
前記ロック部材と前記ガイド面との間に、摩擦軽減手段を備えた、請求項2に記載の昇降装置。
【請求項4】
前記ロック部材は、ガイド機構を介して前記スライドアームに接続されている、請求項1に記載の昇降装置。
【請求項5】
前記一方向とは上方向である、請求項1に記載の昇降装置。
【請求項6】
前記ロック部材は、弾性部材により前記一方向に向かって付勢されている、請求項1に記載の昇降装置。
【請求項7】
前記ロック部材を前記他方向に押動する解除手段を備えた、請求項1に記載の昇降装置。
【請求項8】
前記解除手段は、前記ロック部材を前記他方向に押圧するように前記スライドアームに揺動可能に取り付けられたリンクレバーである、請求項7に記載の昇降装置。
【請求項9】
前記ロック部材において前記リンクレバーに当接する面は、渦巻き曲線状の曲面形状を有する、請求項8に記載の昇降装置。
【請求項10】
前記リンクレバーは、第二の弾性部材によって退避位置に向かって付勢されている、請求項9に記載の昇降装置。
【請求項11】
前記解除手段は、前記ロック部材を前記他方向に押動するロッドである、請求項7に記載の昇降装置。
【請求項12】
前記ロック部材は、前記摩擦面を有する摩擦部材と、前記滑動面を有する滑動部材とから構成され、前記摩擦部材と前記滑動部材とは互いに上下方向に摺動可能である、請求項2に記載の昇降装置。
【請求項13】
前記摩擦部材と前記滑動部材とが、第三の弾性部材によって、互いに離反するように付勢されている、請求項12に記載の昇降装置。
【請求項14】
前記摩擦部材と前記滑動部材とが、第二のガイド機構を介して接続されている、請求項13に記載の昇降装置。
【請求項15】
前記摩擦部材と前記滑動部材との間に、摩擦軽減手段を備えた、請求項14に記載の昇降装置。
【請求項16】
前記スライドアームは、互いに上下反転して配置された二組のロック部材を有する、請求項1に記載の昇降装置。
【請求項17】
スライドアームをラックに対して上下摺動可能に支持し且つ任意の高さ位置で固定保持するための昇降装置であって、
前記ラックは、前記スライドアーム側に突出し上下方向に長いフランジ部を有し、
前記スライドアームは、前記フランジ部の一側に面し、上下の一方向に移動するにつれて前記保持部に接近し、上下の他方向に移動するにつれて前記保持部から離間するように、前記スライドアームに摺動可能に設けられた第一のロック部材と、前記フランジ部の他側に面し、前記第一のロック部材に対して対称に設けられた第二のロック部材とを有し、
前記スライドアームが前記他方向に摺動した場合にはこれに伴って前記第一及び第二のロック部材が互いに接近することにより前記第一及び第二のロック部材が前記フランジ部を挟持して固定保持し、前記一方向に摺動した場合にはこれに伴って前記第一及び第二が互いに離間することにより挟持を解除する、昇降装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate


【公開番号】特開2012−161386(P2012−161386A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−22272(P2011−22272)
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【出願人】(000119449)磯川産業株式会社 (41)
【出願人】(000169329)アトムリビンテック株式会社 (81)