説明

明細票取扱装置、及び、これを用いた自動取引装置

【課題】発色状態検出手段の不要なメンテナンスが行われるのを回避する。
【解決手段】明細票に各種の情報を印字する明細票印字部22と、明細票の発色状態を検出する発色状態検出手段26と、明細票印字部に、各種の情報を印字させる制御部20とを有し、制御部は、制御装置から明細票の発色状態を確認するための印字パターンの印字指示が入力された場合に、明細票印字部に、明細票に対して、発色状態検出手段が通過する範囲上に、濃度差を有する複数種類の印字パターンを印字させるとともに、発色状態検出手段による複数種類の印字パターンの検出状況を表す検出信号を制御装置に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、明細票に様々な情報を印字する明細票取扱装置、及び、金融機関等に設置されたホストコンピュータと通信して取引を実行し、当該明細票取扱装置を用いて取引内容等を明細票に印字する自動取引装置に関する。
【背景技術】
【0002】
金融機関等に設置されたホストコンピュータと通信して取引を実行する自動取引装置は、明細票に様々な情報を印字する明細票取扱装置やその他の複雑な装置を搭載する精密機械であるため、自動取引装置を構成する各部の清掃や調整等のメンテナンスが一定期間以内に行われることが好ましい。そのために、自動取引装置の保守員は、例えば、定期的な装置の保守・点検を行う場合や、装置に何らかの障害が発生してその復旧作業を行う場合に、装置の保守・点検に合わせて、各部のメンテナンスを行っている。
【0003】
このとき、保守員は、顧客に発行される明細票の発色状態検出手段として利用されている光学センサに対しても、メンテナンスを行っている。この光学センサは、明細票取扱装置によって明細票に印字された情報が鮮明に発色していることを確認するために、明細票に印字された情報とその周囲の白地部との光の反射率の違いを検出し、その違いに基づいて明細書の発色状態を検出する。
【0004】
従来、保守員は、その光学センサの汚れ度合いや検出精度の劣化の有無等に関係なく、装置の保守・点検に合わせて、光学センサの清掃や調整等のメンテナンスを行うことにより、装置の性能維持を図っていた。
【0005】
なお、例えば、特許文献1には、光学センサの清掃を自動的に行うことが提案されている。特許文献1に開示された技術は、自動取引装置の中の光学センサがゴミや塵埃によって汚れている場合に、エアーを吹き付けることによって、自動的に清掃するものである。ただし、特許文献1に開示された技術は、エアーを圧縮するためのコンプレッサやエアーを光学センサまで導くためのホース等の構成要素が必要になるため、製造コストが増大したり、製造時の作業が複雑化したり、装置の小型化が妨げられたりする。そのため、現状は、特許文献1に開示された技術が普及しておらず、従来と変わらずに、保守員が手作業で光学センサのメンテナンスを行うのが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−325955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の自動取引装置は、明細票の発色状態検出手段として利用されている光学センサのメンテナンスの必要の有無を見分けるための機能を有していない。そのため、保守員は、発色状態検出手段の汚れ度合いや検出精度の劣化の有無に関係なく、装置の保守・点検に合わせて、発色状態検出手段のメンテナンスを行う必要があった。したがって、従来の自動取引装置は、発色状態検出手段のメンテナンスを行う必要がない場合であっても、保守員に発色状態検出手段のメンテナンスを行わせる必要があった。
【0008】
その結果、従来の自動取引装置は、発色状態検出手段のメンテナンスが不要な可能性があるにも関わらず、メンテナンスのための時間を必要とし、これにより、装置の可動性能が低下するとともに、保守費用が増加する、という課題があった。
【0009】
しかも、従来の自動取引装置は、発色状態検出手段やその周囲の構造によっては、発色状態検出手段のメンテナンスを行うために、装置を分解して再組み立てを行う必要がある。この場合に、従来の自動取引装置は、メンテナンスのための時間が長期化し、装置の可動性能がさらに低下する、という課題があった。
【0010】
本発明は、前記した課題を解決するためになされたものであり、明細票の発色状態検出手段の不要なメンテナンスが行われるのを回避する明細票取扱装置、及び、これを用いた自動取引装置を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するため、第1発明は、制御装置(例えば、図1に示す制御部11)からの印字指示に基づいて、明細票に各種の情報を印字する明細票取扱装置であって、前記明細票に各種の情報を印字する明細票印字部と、前記明細票の発色状態を検出する発色状態検出手段と、前記明細票印字部に、前記各種の情報を印字させる制御部(例えば、図2に示すサブ制御部20)とを有し、前記制御部は、前記制御装置から前記明細票の発色状態を確認するための印字パターンの印字指示が入力された場合に、前記明細票印字部に、前記明細票に対して、前記発色状態検出手段が通過する範囲上に、濃度差を有する複数種類の印字パターンを印字させるとともに、前記発色状態検出手段による前記複数種類の印字パターンの検出状況を表す検出信号を前記制御装置に出力する構成とする。
【0012】
この明細票取扱装置は、明細票印字部が、明細票に対して、濃度差を有する複数種類の印字パターンを印字する。そして、制御部が、発色状態検出手段による複数種類の印字パターンの検出状況(例えば、濃度の濃い印字パターンと濃度の薄い印字パターンの双方が検出された場合や、濃度の濃い印字パターンのみ検出された場合、濃度の濃い印字パターンと濃度の薄い印字パターンの双方が検出されなかった場合等の状況)を表す検出信号を制御装置に出力する。これにより、制御部は、例えば、制御装置に、検出信号に基づいて、発色状態検出手段による複数種類の印字パターンの検出状況を表示部に表示させることができ、もって、保守員に、検出状況に応じて、発色状態検出手段のメンテナンスの必要の有無を判定させる。
【0013】
この明細票取扱装置は、発色状態検出手段のメンテナンスが不要な場合に、保守員に、メンテナンスが不要であると判定させることができる。そのため、この明細票取扱装置は、発色状態検出手段の不要なメンテナンスが行われるのを回避することができる。
【0014】
また、第2発明は、ホストコンピュータと通信して取引を実行する自動取引装置であって、各部を制御する制御部と、各種の情報を表示する表示部と、取引結果を明細票に印字して顧客に発行する明細票取扱部とを有し、前記明細票取扱部は、前記明細票に印字を行う明細票印字部と、前記明細票の発色状態を検出する発色状態検出手段とを備え、前記明細票印字部は、前記明細票に対して、濃度差を有する複数種類の印字パターンを印字し、前記制御部は、前記発色状態検出手段による前記複数種類の印字パターンの検出状況を前記表示部に表示させる構成とする。
【0015】
この自動取引装置は、明細票印字部が、明細票に対して、濃度差を有する複数種類の印字パターンを印字する。そして、制御部が、発色状態検出手段による複数種類の印字パターンの検出状況を表示部に表示させる。
【0016】
この自動取引装置は、保守員が、表示部に表示された複数種類の印字パターンの検出状況(例えば、濃度の濃い印字パターンと濃度の薄い印字パターンの双方が検出された場合や、濃度の濃い印字パターンのみ検出された場合、濃度の濃い印字パターンと濃度の薄い印字パターンの双方が検出されなかった場合等の状況)に応じて、発色状態検出手段のメンテナンスの必要の有無を判定することができる。そのため、この自動取引装置は、発色状態検出手段の不要なメンテナンスが行われるのを回避することができる。
【発明の効果】
【0017】
第1発明によれば、発色状態検出手段の不要なメンテナンスが行われるのを回避する明細票取扱装置を提供することができる。
また、第2発明によれば、発色状態検出手段の不要なメンテナンスが行われるのを回避する自動取引装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施形態1に係る自動取引装置の全体構成を示す図である。
【図2】実施形態1に係る明細票取扱部(明細票取扱装置)の構成を示す図である。
【図3】実施形態1で用いられる印字パターンの構成を示す図である。
【図4】実施形態1に係る自動取引装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】実施形態2に係る自動取引装置の表示画面の一例を示す図である。
【図6】実施形態2で用いられる印字パターンの構成を示す図である。
【図7】実施形態2に係る自動取引装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】印字パターンの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0020】
[実施形態1]
<自動取引装置の構成>
(自動取引装置の全体構成)
以下、図1を参照して、本実施形態1に係る自動取引装置の全体構成につき説明する。なお、図1は、本実施形態1に係る自動取引装置の全体構成を示す図である。
【0021】
図1に示すように、本実施形態1に係る自動取引装置10は、通信回線等を介して、金融機関等に設置されたホストコンピュータ60と接続され、ホストコンピュータ60との間で電文を送受信することにより、取引を実行する。自動取引装置10は、制御部11、表示操作部12、明細票取扱部(明細票取扱装置)13、カード取扱部14、紙幣取扱部15、硬貨取扱部16、扉開閉検出センサ17、及び、電源部18を有している。
【0022】
制御部11は、アプリケーションプログラム等により自動取引装置10の各部を制御する構成要素である。制御部11は、特許請求の範囲に記載された「制御装置」に相当する。制御部11は、表示操作部12や、明細票取扱部13、カード取扱部14、紙幣取扱部15、硬貨取扱部16等の各部と接続され、各部に各種の指示を出力して、所定の処理を行わせる。
【0023】
制御部11は、自動取引装置10の保守・点検時に、保守員によって保守・点検用のプログラムの実行が指示される。これにより、制御部11は、図示せぬ記憶部から保守・点検用のプログラムを読み出して、自動取引装置10の各部の保守・点検、及び、メンテナンスの必要の有無の判定を行う。このとき、制御部11は、後記する発色確認用反射センサ26(図2参照)についても、保守・点検、及び、メンテナンスの必要の有無の判定を行う。保守員は、制御部11によってメンテナンスが必要であると判定された場合に、メンテナンスが必要と判定された各部の清掃や調整等のメンテナンスを行う。
【0024】
なお、ここでは、発色確認用反射センサ26の保守・点検及びメンテナンスの必要の有無の判定は、制御部11が行うものとして説明する。しかしながら、この判定は、後記するように、保守員に行わせてもよい。
【0025】
表示操作部12は、各種の情報の表示及び各種の指示やデータの入力を行う構成要素である。表示操作部12は、「表示部」としての図示せぬディスプレイと「入力部」としての図示せぬタッチパネルとが一体化されることによって構成されている。
明細票取扱部13は、明細票31(図3参照)を印字・発行する構成要素である。明細票取扱部13は、特許請求の範囲に記載された「明細票取扱装置」に相当する。明細表取り扱い部13の構成については、図2を参照して後記する。
【0026】
カード取扱部14は、カードの磁気データの読み取り・書き込みや、カードのエンボスのイメージ読み取り等を行う構成要素である。
紙幣取扱部15は、紙幣の入出処理や鑑別処理等を行う構成要素である。
硬貨取扱部16は、硬貨の入出処理や鑑別処理等を行う構成要素である。
【0027】
扉開閉検出センサ17は、自動取引装置10の筐体に設けられた図示せぬ扉の開閉状態を検出するためのセンサである。
電源部18は、商用電源61から装置内部で使う電源を生成して各部に供給する構成要素である。
【0028】
(明細票取扱部の構成)
以下、図2を参照して、明細票取扱部13の構成につき説明する。なお、図2は、実施形態1に係る明細票取扱部(明細票取扱装置)の構成を示す図である。
【0029】
図2に示すように、明細票取扱部13は、サブ制御部20、明細票用紙供給部21、明細票印字部22、明細票カット部23、明細票搬送部24、及び、明細票取込部25を備えている。
【0030】
サブ制御部20は、制御部11からの各種の指示に従って、明細票取扱部13の各部の動作を制御する機能手段である。サブ制御部20は、例えば、明細票用紙供給部21、明細票印字部22や、明細票カット部23、明細票搬送部24、明細票取込部25等に設けられた、図示せぬアクチュエータや、サーマルヘッド、センサ等の動作を制御する。これにより、明細票取扱部13は、明細票31の印字/カット/搬送/位置検出等を行う。
【0031】
明細票用紙供給部21は、明細票31(図3参照)の元となる感熱ロール紙Rを収容し、感熱ロール紙Rを明細票印字部22に繰り出す構成要素である。
明細票印字部22は、図示せぬラインサーマルヘッド等の印字手段によって、感熱ロール紙Rに各種の情報を印字する構成要素である。
明細票カット部23は、感熱ロール紙Rを所定の寸法で明細票31として切り離す構成要素である。
【0032】
明細票搬送部24は、明細票印字部22及び明細票カット部23によって、印字・カットされた明細票31を所定の場所に搬送して顧客に受け渡す構成要素である。
明細票取込部25は、顧客が取り忘れた明細票31や装置の障害内容等の情報が印字された明細票31を取り込んで保管する構成要素である。
【0033】
なお、明細票搬送部24には、発色確認用反射センサ26が設けられている。発色確認用反射センサ26は、明細票31の発色状態を検出するための光学センサであり、特許請求の範囲に記載された「発色状況検出手段」に相当する構成要素である。発色確認用反射センサ26は、明細票31の表面に光を照射するLED等の発光素子と、明細書31の表面で反射した光を受ける受光センサとからなる光学センサとして構成されている。
【0034】
発色確認用反射センサ26は、発光素子が、明細票31の表面に光を照射し、受光センサが、明細票31に印字された印字パターン33,35(図3参照)とその周囲の白地部との光の反射率の違いを検出し、その違いに応じた検出信号を制御部11(図1参照)に出力する。
【0035】
(印字パターンの構成)
図3は、実施形態1で用いられる印字パターンの構成を示す図である。印字パターン33,35は、明細票31の発色状態を確認するために、明細票印字部22によって明細票31の元となる感熱ロール紙Rに印字されるパターンである。なお、ここでは、感熱ロール紙Rは、白地のものが用いられ、印字されることによって黒色に発色するものとする。図3(a)は、印字パターン33,35の印字位置を示している。また、図3(b)は、印字パターン33の図3(a)に示す領域34部分を拡大して示している。また、図3(c)は、印字パターン35の図3(a)に示す領域36部分を拡大して示している。
【0036】
自動取引装置10の制御部11(図1参照)は、発色確認用反射センサ26のメンテナンスの必要の有無を判定する場合に、サブ制御部20を介して明細票印字部22に2種類の印字パターン33,35を感熱ロール紙Rに印字させる。
【0037】
このとき、明細票印字部22は、図3(a)に示すように、印字パターン33,35がセンサ通過範囲32を跨(また)ぐように、印字する。なお、「センサ通過範囲32」とは、明細票31が明細票搬送部24によって搬送される際に、発色確認用反射センサ26が通過する範囲を意味している。図3(a)に示す例では、「センサ通過範囲32」の印字パターン33,35が印字されていない部分にハッチングが付されているが、実際は白地部となっている。
【0038】
印字パターン33,35は、図3(b)及び図3(c)に示すように、濃度差が付けられて印字されている。例えば、図3(b)に示す例では、印字パターン33は、印字率100%の濃度で印字されている。一方、図3(c)に示す例では、印字パターン35は、印字率75%の濃度で印字されている。
【0039】
なお、「印字率100%」とは、印字範囲内の全ドットに占める印字されたドット(以下、「印字ドット」と称する)の割合が100%であることを意味している。また、「印字率75%」とは、印字範囲内の全ドットに占める印字ドットの割合が75%であることを意味している。したがって、「印字率」は、値が大きいほど濃度が濃く、値が小さいほど濃度が薄いことを表している。以下、印字パターン33,35を区別する場合に、濃度が濃い方の印字パターン33を「第1印字パターン33」と称し、濃度が薄い方の印字パターン35を「第2印字パターン35」と称する。
【0040】
ここでは、印字率100%の第1印字パターン33は、明細票印字部22が、感熱ロール紙Rの印字範囲内の全ドットを印字して発色させることによって、形成されるものとする。
【0041】
また、印字率75%の第2印字パターン35は、明細票印字部22が、感熱ロール紙Rの搬送方向に対して斜め方向に、印字ドットと印字されていないドット(以下、「未印字ドット」と称する)とが3:1の割合で混在する多数のラインを等間隔に印字することにより、形成されるものとする。具体的には、明細票印字部22は、感熱ロール紙Rの搬送方向に対して斜め方向に、1本のラインにつき、3ドット続けて印字した後、1ドット印字しない動作を繰り返すことによって、多数のラインを等間隔に印字し、これによって、第2印字パターン35を形成する。なお、ここでは、第2印字パターン35は、斜め方向に印字された多数のラインによって形成されている。しかしながら、第2印字パターン35は、印字ドットと未印字ドットとが印字率に応じた割合で印字範囲内に分散して配置されていれば、このような手法で形成されていなくてもよい。
【0042】
自動取引装置10は、明細票印字部22が印字パターン33,35を感熱ロール紙Rに印字すると、明細票カット部23が、感熱ロール紙Rを所定の寸法で明細票31として切り離し、明細票搬送部24が、明細票31を所定の場所に搬送する。
【0043】
その際に、明細票搬送部24は、明細票31を図3(a)に示す搬送方向Aに搬送する。このとき、発色確認用反射センサ26は、印字パターン33,35とその周囲の白地部との光の反射率の違いに基づいて、明細票31から印字パターン33,35を順次検出し、検出信号を制御部11(図1参照)に出力する。
【0044】
制御部11は、発色確認用反射センサ26からの検出信号に基づいて、発色確認用反射センサ26が印字パターン33,35を検出しているか否かを判定し、印字パターン33,35の検出状況に応じて、発色確認用反射センサ26のメンテナンスの必要の有無を判定する。
【0045】
<自動取引装置の動作>
以下、図2及び図4を参照して、自動取引装置10の動作につき説明する。図4は、実施形態1に係る自動取引装置の動作を示すフローチャートである。なお、自動取引装置10は、図示せぬタイマによって計測された時間に基づいて動作する。また、自動取引装置10の動作は、図示せぬ記憶部に読み出し自在に予め格納されたプログラムによって規定されており、制御部11によって実現する。以下、これらの点については、情報処理では常套手段であるので、その詳細な説明を省略する。
【0046】
自動取引装置10の制御部11(図1参照)は、自動取引装置10の保守・点検時に、保守員が表示操作部12(図1参照)を操作して保守・点検用のプログラムの実行を指示することによって、一連の処理を開始する。このとき、制御部11は、図示せぬ記憶部から保守・点検用のプログラムを読み出して、以下のようにして、発色確認用反射センサ26のメンテナンスの必要の有無を判定する。
【0047】
まず、自動取引装置10の制御部11は、第1印字パターン33の濃度が印字率100%となり、第2印字パターン35の濃度が印字率75%となるように、印字パターン33,35の印字指示を、明細票取扱部13のサブ制御部20に出力する。サブ制御部20は、印字パターン33,35の印字指示が入力されると、明細票用紙供給部21に、感熱ロール紙Rを繰り出させるとともに、明細票印字部22に、印字パターン33,35の感熱ロール紙Rへの印字を行わせる(S105)。このとき、明細票印字部22は、印字率100%の濃度で第1印字パターン33を印字するとともに、印字率75%の濃度で第2印字パターン35を印字する。
【0048】
サブ制御部20は、印字パターン33,35が感熱ロール紙Rに印字されると、明細票用紙供給部21に、感熱ロール紙Rを明細票カット部23まで繰り出させる。そして、サブ制御部20は、明細票カット部23に、感熱ロール紙Rを所定の寸法で切り離させ、さらに、明細票搬送部24に、感熱ロール紙Rの切り離された部分を明細票31として所定の場所に搬送させる(S110)。
【0049】
このとき、制御部11は、発色確認用反射センサ26の検出状態を監視する(S115)。具体的には、発色確認用反射センサ26は、発光素子が、明細票31が通過する方向に向けて光の照射を開始し、受光センサが、明細票31に印字された印字パターン33,35とその周囲の白地部との光の反射率の違いを検出し、その違いに応じて検出信号を制御部11に出力する。その結果、発色確認用反射センサ26は、明細票31が発色確認用反射センサ26上を通過すると、明細票31に印字された印字パターン33,35の検出信号を制御部11に出力する。
【0050】
制御部11は、発色確認用反射センサ26からの検出信号に基づいて、発色確認用反射センサ26が第1印字パターン33及び第2印字パターン35の双方を検出したか否かを判定する(S120)。
【0051】
S120の判定で、発色確認用反射センサ26が第1印字パターン33及び第2印字パターン35の双方を検出したと判定された場合(“Yes”の場合)に、制御部11は、発色確認用反射センサ26のメンテナンスが不要であると判定し、表示操作部12に、発色確認用反射センサ26のメンテナンスが不要である旨の表示を表示させる(S125)。これにより、制御部11は、一連の処理を終了する。
【0052】
一方、S120の判定で、発色確認用反射センサ26が第1印字パターン33及び第2印字パターン35の双方を検出していないと判定された場合(“No”の場合)に、制御部11は、発色確認用反射センサ26からの検出信号に基づいて、発色確認用反射センサ26が第1印字パターン33のみを検出したか否かを判定する(S130)。第1印字パターン33は、濃度が濃い方の印字パターンである。
【0053】
S130の判定で、発色確認用反射センサ26が第1印字パターン33のみを検出したと判定された場合(“Yes”の場合)に、制御部11は、一定期間以内の発色確認用反射センサ26のメンテナンスが必要であると判定し、表示操作部12に、一定期間以内の発色確認用反射センサ26のメンテナンスが必要である旨の表示を表示させる(S135)。これにより、制御部11は、一連の処理を終了する。
【0054】
一方、S130の判定で、発色確認用反射センサ26が第1印字パターン33も検出していないと判定された場合(“No”の場合)に、制御部11は、至急に、発色確認用反射センサ26のメンテナンスが必要であると判定し、表示操作部12に、至急に、発色確認用反射センサ26のメンテナンスが必要である旨の表示を表示させる(S140)。この場合に、制御部11は、保守員による発色確認用反射センサ26のメンテナンスの実行を監視する(S145)。
【0055】
メンテナンスの実行の監視は、例えば、扉開閉検出センサ17(図1参照)から出力された検出信号に基づいて、制御部11が、自動取引装置10の筐体に設けられた図示せぬ扉の開閉状態を監視することによって行われる。
【0056】
制御部11は、扉の開閉を表す検出信号が扉開閉検出センサ17から入力されたか否かを判定する(S150)。
【0057】
S150の判定で、扉の開閉を表す検出信号が扉開閉検出センサ17から入力されていないと判定された場合(“No”の場合)に、制御部11は、検出信号が入力されるのを待つ。
【0058】
一方、S150の判定で、扉の開閉を表す検出信号が扉開閉検出センサ17から入力されたと判定された場合(“Yes”の場合)に、制御部11は、保守員が発色確認用反射センサ26のメンテナンスを行うために扉を開け、発色確認用反射センサ26のメンテナンスを行った後、扉を閉めたものと判定する。この場合に、処理は、S105に戻る。その結果、制御部11は、S105以降の処理を繰り返す。
制御部11の一連の処理は、以上の通りである。
【0059】
このように、制御部11は、濃度差を有する2種類の発色確認用の印字パターン33,35(図3参照)の検出状況に応じて、発色確認用反射センサ26のメンテナンスの必要の有無を判定し、その判定結果を表示操作部12に表示させる。そのため、自動取引装置10は、発色確認用反射センサ26のメンテナンスが不要な場合に、その旨を保守員に知らせることができる。その結果、自動取引装置10は、発色確認用反射センサ26の不要なメンテナンスが行われるのを回避することができ、保守員の作業効率を向上させることができる。
【0060】
なお、発色確認用反射センサ26のメンテナンス時に行われる作業としては、以下の項目がある。
(1)発色確認用反射センサ26の検出精度の劣化の有無確認(発色確認用反射センサ26の検出性能レベルの確認)。
(2)発色確認用反射センサ26の清掃。
(3)発色確認用反射センサ26の調整(LED等の発光素子の発光量の調整や、受光センサの出力の増幅度の調整等)。
【0061】
なお、本実施形態1では、自動取引装置10は、メンテナンスの第1項目の作業(発色確認用反射センサ26の検出精度の劣化の有無確認)に準じた処理として、制御部11が、発色確認用反射センサ26による印字パターン33,35の検出結果に基づいて、発色確認用反射センサ26のメンテナンスの必要の有無を自動的に判定し、その判定結果を表示操作部12に出力して表示させる構成となっている。保守員は、その判定結果で発色確認用反射センサ26のメンテナンスが必要であると判定された場合に、メンテナンスの第2項目と第3項目の作業(発色確認用反射センサ26の清掃と調整)を行っている。
【0062】
しかしながら、保守員は、発色確認用反射センサ26による印字パターン33,35の検出結果を確認するとともに、明細票31に印字された印字パターン33,35の鮮明さを目視にて確認することによって、メンテナンスの第1項目の作業(発色確認用反射センサ26の検出精度の劣化の有無確認)を行うようにしてもよい。
【0063】
その際に、発色確認用反射センサ26による印字パターン33,35の検出結果で印字パターン33,35の双方がともに検出されていれば、保守員は、発色確認用反射センサ26の検出精度の劣化がないと判断する。この場合に、保守員は、一定以上の期間で発色確認用反射センサ26の検出機能・性能を維持できると判断して、メンテナンスを終了する。すなわち、この場合に、保守員は、メンテナンスの第2項目と第3項目の作業(発色確認用反射センサ26の清掃と調整)を行わない。
【0064】
一方、発色確認用反射センサ26による印字パターン33,35の検出結果で印字パターン33,35のいずれか一方又は双方が検出されていなければ、保守員は、明細票31に印字された印字パターン33,35の鮮明さを目視にて確認する。印字パターン33,35が十分に鮮明である場合に、保守員は、発色確認用反射センサ26の検出精度の劣化があると判断する。この場合に、保守員は、発色確認用反射センサ26の検出機能・性能を維持できないと判断して、メンテナンスの第2項目と第3項目の作業(発色確認用反射センサ26の清掃と調整)を行う。また、印字パターン33,35が鮮明でない場合に、保守員は、明細票印字部22の印字性能の劣化があると判断する。この場合に、保守員は、明細票印字部22の図示せぬサーマルヘッドの清掃と調整を行う。
【0065】
以上の通り、実施形態1に係る自動取引装置10によれば、濃度差を有する2種類の発色確認用の印字パターン33,35(図3参照)の検出状況(ただし、制御部11が、発色確認用反射センサ26による印字パターン33,35の検出結果に基づいて、発色確認用反射センサ26のメンテナンスの必要の有無を自動的に判定する場合の、判定結果を含む)を表示操作部12に表示させるため、保守員が発色確認用反射センサ26のメンテナンスの必要の有無を判定することができる。その結果、発色確認用反射センサ26の不要なメンテナンスが行われるのを回避することができ、保守員の作業効率を向上させることができる。
【0066】
[実施形態2]
実施形態1では、第2印字パターン35の濃度が印字率75%に設定されていた。
これに対して、本実施形態2では、第2印字パターン35の濃度は、図5に示すように、保守員が表示操作部12を操作することによって任意の値に変更されるものとする。なお、自動取引装置10の構成等は、実施形態1と同様である。
【0067】
図5は、実施形態2に係る自動取引装置の表示画面の一例を示す図である。図5は、表示操作部12に表示された印字率指定画面51の一構成例を示している。「印字率指定画面51」は、第2印字パターン35の印字率を指定するための画面である。図5に示す例では、印字率指定画面51は、印字率選択ボタン52、任意指定ボタン53、及び、実行ボタン54を含む構成となっている。
【0068】
印字率選択ボタン52は、予め定められた複数の印字率の中から第2印字パターン35の濃度を選択するか、又は、第2印字パターン35の濃度を任意の値に指定するかを、選択するためのボタンである。
【0069】
任意指定ボタン53は、第2印字パターン35の濃度を任意の値に指定するためのボタンである。第2印字パターン35の濃度は、保守員によって任意指定ボタン53が押下されることによって、上昇又は下降して、任意の値に設定される。
【0070】
実行ボタン54は、指定された濃度で第2印字パターン35の印字を指示するためのボタンである。実行ボタン54は、保守員によって第2印字パターン35の濃度が指定された後に、押下される
【0071】
図5に示す例では、印字率選択ボタン52として、「印字率:75%」ボタン、「印字率:50%」ボタン、「印字率:25%」ボタン、及び、「印字率:任意指定」ボタンが示されている。
【0072】
「印字率:75%」ボタン、「印字率:50%」ボタン、及び、「印字率:25%」ボタンは、それぞれ、第2印字パターン35の濃度を、印字率75%、50%、又は、25%のいずれかに指定するためのボタンである。なお、印字率75%の第2印字パターン35は、図3(c)に示す形態となる。また、印字率50%の第2印字パターン35は、例えば、図6(a)に示す形態となり、印字率25%の第2印字パターン35は、例えば、図6(b)に示す形態となる。なお、図6は、実施形態2で用いられる印字パターンの構成を示す図である。
【0073】
図6(a)に示す例では、明細票印字部22は、感熱ロール紙Rの搬送方向に対して斜め方向に、1本のラインにつき、2ドット続けて印字した後、2ドット続けて印字しない動作を繰り返すことによって、多数のラインを等間隔に印字し、これによって、印字率50%の第2印字パターン35を形成している。
【0074】
また、図6(b)に示す例では、明細票印字部22は、感熱ロール紙Rの搬送方向に対して斜め方向に、1本のラインにつき、1ドット印字した後、3ドット続けて印字しない動作を繰り返すことによって、多数のラインを等間隔に印字し、これによって、印字率25%の第2印字パターン35を形成している。
【0075】
「印字率:任意指定」ボタンは、第2印字パターン35の濃度を任意の値に指定するためのボタンである。保守員は、任意指定ボタン53によって任意の値を指定する場合に、「印字率:任意指定」ボタンを押下する。これにより、任意指定ボタン53が利用可能になる。なお、任意指定ボタン53の周囲(図5に示す例では、任意指定ボタン53の左側)には、第2印字パターン35の濃度の値を表示する表示欄が設けられている。保守員は、表示欄に表示された第2印字パターン35の濃度の値を見ながら、任意指定ボタン53を操作して、第2印字パターン35の濃度の値を上昇又は下降させる。これにより、第2印字パターン35の濃度が任意の値に指定される。
【0076】
以下、図7を参照して、本実施形態2の動作につき説明する。ここでは、実施形態1と相違する動作を重点的に説明し、実施形態1と同様の動作(図4参照)については、前記した実施形態1の動作を本実施形態2の動作に読み替えるものとして、詳細な説明を省略する。なお、図7は、実施形態2に係る自動取引装置の動作を示すフローチャートである。
【0077】
図7に示すように、本実施形態2の動作は、実施形態1の動作(図4参照)と比較すると、S105の前に、以下に説明するS101〜S103の処理を行う点で相違している。
【0078】
すなわち、まず、自動取引装置10の制御部11は、印字率選択画面51(図5参照)を操作表示部12(図1参照)に表示させる(S101)。
【0079】
このとき、保守員は、(1)印字率選択ボタン52の中の「印字率:75%」ボタン、「印字率:50%」ボタン、及び、「印字率:25%」ボタンのいずれかのボタンを押下した後、実行ボタン54を押下するか、又は、(2)印字率選択ボタン52の中の「印字率:任意指定」ボタンを押下して、さらに、任意指定ボタン53を1乃至複数回押下した後、実行ボタン54を押下することになる。
【0080】
保守員は、印字率指定画面51で、印字率選択ボタン52、任意指定ボタン53、及び、実行ボタン54を適宜押下することにより、第2印字パターン35の印字率を任意に選択することができる。これにより、保守員は、発色確認用反射センサ26の機能・性能を維持する期間に応じて、第2印字パターン35の濃度を変更することができる。なお、発色確認用反射センサ26の機能・性能を維持する期間を短く設定する場合は、第2印字パターン35の濃度として、値の低い印字率に選択するとよい。ここでは、保守員は、実施形態1の第2印字パターン35と同じ濃度である「印字率75%」と、実施形態1の第2印字パターン35の濃度よりも薄い濃度である「印字率50%」及び「印字率25%」との中から、いずれかの印字率を選択指定し、実行ボタン54の押下で印字するものとする。
【0081】
表示操作部24の図示せぬタッチパネルは、印字率選択画面51に表示された任意のボタンが保守員によって押下されると、押下されたボタンの座標位置を検出してその座標位置情報を制御部11に通知する。制御部11は、座標位置情報に基づいて、保守員によって押下されたボタンを識別して、印字率の入力を検出する(S102)。
【0082】
制御部11は、印字率の入力を検出すると、S102で検出された印字率を第2印字パターン35の濃度として図示せぬ記憶部に設定する(S103)。
【0083】
S103の後、制御部11は、第1印字パターン33の濃度が印字率100%となり、第2印字パターン35の濃度が保守員によって入力された印字率の値(S103で、図示せぬ記憶部に設定された値)となるように、印字パターン33,35の印字指示を、明細票取扱部13のサブ制御部20に出力する。これにより、サブ制御部20は、S105で、明細票用紙供給部21に、感熱ロール紙Rを繰り出させるとともに、明細票印字部22に、印字パターン33,35の感熱ロール紙Rへの印字を行わせる。このとき、明細票印字部22は、印字率100%の濃度で第1印字パターン33を印字するとともに、保守員によって入力された印字率の濃度で第2印字パターン35を印字する。
以下、制御部11は、実施形態1(図4参照)と同様に動作する。
【0084】
実施形態2は、発色確認用反射センサ26の機能・性能を維持する期間に応じて、第2印字パターン35の濃度を変更することができる。そのため、実施形態2によれば、点検周期に合わせた発色確認用反射センサ26の検出状態の確認が可能となる。
【0085】
本発明は、前記した実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や変形を行うことができる。
【0086】
例えば、実施形態1及び実施形態2では、自動取引装置10は、2つの印字パターン33,35を印字しているが、図8に示すように3つ以上の印字パターンを印字するようにしてもよい。図8は、印字パターンの変形例を示す図である。図8(a)は、印字パターン33,35,37の印字位置を示している。また、図8(b)は、印字パターン33の図8(a)に示す領域34部分を拡大して示している。また、図8(c)は、印字パターン35の図8(a)に示す領域36部分を拡大して示している。また、図8(d)は、印字パターン37の図8(a)に示す領域38部分を拡大して示している。
【0087】
図8に示す例では、自動取引装置10の制御部11は、サブ制御部20を介して明細票印字部22に、印字率100%の第1印字パターン33及び印字率75%の第2印字パターン35に加え、印字率50%の第3印字パターン37を印字させている。
【0088】
自動取引装置10は、このように、濃度階調をつけて、3つ以上の印字パターンを明細票31に印字することにより、発色確認用反射センサ26のメンテナンスが必要な時期を、実施形態1よりも細かく判定することができる。
【0089】
また、例えば、実施形態1及び実施形態2では、明細票取扱装置13は、自動取引装置10に搭載されており、明細票31の元となる感熱ロール紙Rに印字パターン33,35(又は、33,35,37)を印字して発色状態を確認するものとして説明した。しかしながら、明細票取扱装置13は、自動取引装置10以外の装置、例えば、発券プリンタやジャーナルプリンタ等の明細票31以外の感熱紙へ印字する装置に搭載することも可能である。
【符号の説明】
【0090】
10 自動取引装置
11 制御部
12 表示操作部(表示部,入力部)
13 明細票取扱部(明細票取扱装置)
14 カード取扱部
15 紙幣取扱部
16 硬貨取扱部
17 扉開閉検出センサ
18 電源部
21 明細票用紙供給部
22 明細票印字部
23 明細票カット部
24 明細票搬送部
25 明細票取込部
26 発色確認用反射センサ(発色状態検出手段)
31 明細票
32 センサ通過範囲
33,35,37 印字パターン
60 ホストコンピュータ
61 商用電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御装置からの印字指示に基づいて、明細票に各種の情報を印字する明細票取扱装置において、
前記明細票に各種の情報を印字する明細票印字部と、
前記明細票の発色状態を検出する発色状態検出手段と、
前記明細票印字部に、前記各種の情報を印字させる制御部とを有し、
前記制御部は、
前記制御装置から前記明細票の発色状態を確認するための印字パターンの印字指示が入力された場合に、
前記明細票印字部に、前記明細票に対して、前記発色状態検出手段が通過する範囲上に、濃度差を有する複数種類の印字パターンを印字させるとともに、
前記発色状態検出手段による前記複数種類の印字パターンの検出状況を表す検出信号を前記制御装置に出力する
ことを特徴とする明細票取扱装置。
【請求項2】
請求項1に記載の明細票取扱装置において、
前記制御部は、前記明細票印字部に、前記明細票に対して、濃度の濃い第1印字パターンと、当該第1印字パターンよりも濃度の薄い第2印字パターンとを印字させる
ことを特徴とする明細票取扱装置。
【請求項3】
請求項2に記載の明細票取扱装置において、
前記制御部は、前記明細票印字部に、前記明細票に対して、前記第2印字パターンよりもさらに濃度の薄い第3印字パターンを印字させる
ことを特徴とする明細票取扱装置。
【請求項4】
ホストコンピュータと通信して取引を実行する自動取引装置において、
各部を制御する制御部と、
各種の情報を表示する表示部と、
取引結果を明細票に印字して顧客に発行する明細票取扱部とを有し、
前記明細票取扱部は、前記明細票に印字を行う明細票印字部と、前記明細票の発色状態を検出する発色状態検出手段とを備え、
前記明細票印字部は、前記明細票に対して、濃度差を有する複数種類の印字パターンを印字し、
前記制御部は、前記発色状態検出手段による前記複数種類の印字パターンの検出状況を前記表示部に表示させる
ことを特徴とする自動取引装置。
【請求項5】
請求項4に記載の自動取引装置において、
前記明細票印字部は、前記明細票に対して、前記発色状態検出手段が通過する範囲上に、前記複数種類の印字パターンを印字する
ことを特徴とする自動取引装置。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載の自動取引装置において、
前記制御部は、前記発色状態検出手段による前記複数種類の印字パターンの検出状況に応じて、前記発色状態検出手段のメンテナンスの必要の有無を判定し、判定結果を前記表示部に表示させる
ことを特徴とする自動取引装置。
【請求項7】
請求項6に記載の自動取引装置において、
前記明細票印字部は、前記明細票に対して、濃度の濃い第1印字パターンと、当該第1印字パターンよりも濃度の薄い第2印字パターンとを印字し、
前記制御部は、前記発色状態検出手段によって、前記第1印字パターン及び前記第2印字パターンが検出された場合に、前記発色状態検出手段のメンテナンスを不要と判定し、一方、前記発色状態検出手段によって、前記第1印字パターンのみが検出された場合又は前記第1印字パターン及び前記第2印字パターンの双方が検出されなかった場合に、前記発色状態検出手段のメンテナンスを必要と判定する
ことを特徴とする自動取引装置。
【請求項8】
請求項7に記載の自動取引装置において、
前記制御部は、
前記発色状態検出手段によって、前記第1印字パターンのみが検出された場合に、所定期間以内に前記発色状態検出手段のメンテナンスを行うことを保守員に要請する画面を前記表示部に表示させ、
一方、前記発色状態検出手段によって、前記第1印字パターン及び前記第2印字パターンの双方が検出されなかった場合に、直ちに前記発色状態検出手段のメンテナンスを行うことを保守員に要請する画面を前記表示部に表示させる
ことを特徴とする自動取引装置。
【請求項9】
請求項7又は請求項8に記載の自動取引装置において、
さらに、前記第2印字パターンの濃度を指定する入力部を有する
ことを特徴とする自動取引装置。
【請求項10】
請求項7乃至請求項9のいずれか一項に記載の自動取引装置において、
前記明細票印字部は、前記明細票に対して、前記第2印字パターンよりもさらに濃度の薄い第3印字パターンを印字する
ことを特徴とする自動取引装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−14485(P2012−14485A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−150748(P2010−150748)
【出願日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(591089556)株式会社 沖情報システムズ (276)
【Fターム(参考)】