説明

易減容化容器

【課題】 減容化の起点が分かりやすく、比較的弱い力で押し潰せて折り畳むことが出来
、しかも復元しづらく真に減容化して廃棄出来る易減容化容器を提供する。
【解決手段】 胴部中間部に補強用リブを有した容器であり、肩部及び胴部は対向する部
位に上下方向の肩部及び胴部押込リブを有すると共に、両押込リブを押し込んだ際対応し
て折り曲がる2系列の肩部及び胴部折り目リブを有し、且つ胴部は底部との境目に底部折
畳リブを有し、胴部は、胴部押込リブと胴部折り目リブとの間に、胴部上端から下に延び
る上部傾斜リブと底部折畳リブの上方から上に延びる下部傾斜リブとを有する易減容化容
器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばPETボトルのような可撓性のプラスチック容器を、内容物の利用後
に容易に潰せて廃棄し易い減容化容器に関するものであり、より詳しくは、該容器の所定
の箇所に、折畳順序を指示した押込リブと、該押込リブに連なる折畳用のリブを形成する
ことによって、折畳形状が復元しにくい易減容化容器に関する。
【背景技術】
【0002】
現状のプラスチック容器の大半は、廃棄やリサイクルのし易さを念頭に置いておらず、
減容化を図るため押し潰そうとしてもなかなか潰れず、潰せ得たとしても一時的であり、
形状が復元し易く思ったほどの減容化が果たせない実情である。しかしながら、プラスチ
ック類のリサイクル実施に伴い、プラスチック容器の容積を減らし輸送や一時保管を効率
的にする目的からプラスチック容器は予め減容化し易い状態で供給されるのが好ましい。
このような易減容化容器として、下記に示すような技術が知られている。
【0003】
【特許文献1】特開2000−72123号公報
【特許文献2】特開2000−85738号公報
【特許文献3】特開2000−190935号公報
【0004】
特許文献1の易減容化容器a1は、図16に示すように、肩部bの角錐部cに2つの傾
斜リブdをV字状に配設し、肩部bの角筒部eに傾斜リブdの下端に連続する縦リブfを
配設しており、胴部gの上部胴部g1の中央に縦リブhを配設し、下部胴部g2に2つの
傾斜リブiを逆V字状に配設しており、肩部bと上部胴部g1、上部胴部g1と下部胴部
g2との接続部には横リブj、kが配設されている。対向する一対の縦リブhを両側から
押せば、この易減容化容器a1はΣ状に押し潰せ、それと共に上部胴部g1及び底部Lも
潰れ、さらに潰れ底部Lから丸め折り重ねてゆけば、廃棄に適した減容化状態となると記
載されている。
【0005】
特許文献2の易減容化容器a2は、図17に示すように、肩部bの角錐部cに肩部横リ
ブmを配設し、肩部横リブmの下に2本の傾斜リブd1をV字状に配設しており、胴部g
の上部胴部g1の中央に胴部縦リブh1を配設すると共に所定位置に胴部横リブh2を配
設しており、下部胴部g2に2つの傾斜リブiを逆V字状に配設しており、肩部bと上部
胴部g1、上部胴部g1と下部胴部g2との接続部には横リブj、kが配設されている。
対向する一対の縦リブh1をのみを折り曲げるように胴部gの両側を押せば、この易減容
化容器a2は平らに押し潰せ、それと共に横リブj、kの角部に近い部分を押せば、肩部
b及び底部Lも潰れ、さらに潰れた底部Lから丸め折り重ねてゆけば、減容化状態となる
としている。
【0006】
特許文献3の易減容化容器a3は、図18に示すように、胴部gの肩部b寄りに肩部誘
導リブn及び底部L寄りに底部誘導リブoを形成し、さらに、肩部b及び胴部gの角部に
かけて収納誘導リブp、肩部bに肩部収納リブq及び胴部gの底部L近傍に底部収納リブ
rを形成してなる。そして、上記した各誘導リブn、o及びpを起点として、易減容化容
器a3を内側に折り畳むことが出来、肩部及び底部収納リブq及びrにより、首部s及び
底部Lを胴部g側に収納出来て、減容化状態となるとしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、特許文献1の易減容化容器a1は、四角ボトルタイプの容器であり、胴部g
及び肩部bの4面とも同形状であるから、どこの面からもΣ状に押し潰すことは出来るが
、それは蛇腹形状にほかならないため、一旦潰しても復元しやすく、実際には廃棄に都合
の良い平らな減容化状態とはなりづらい。
【0008】
また、特許文献2の易減容化容器a2も、四角ボトルタイプの容器であり、胴部g及び
肩部bの4面とも同形状であるから、どこの面からも平らに押し潰すことは出来るが、そ
れは角部をすべて押し開くことになるため、折り癖を付けることは困難であり、次第に復
元しやすくなる。
【0009】
さらに、特許文献3の易減容化容器a3も、収納誘導リブpのある角部と無い角部のい
ずれを内側に折り畳むかは判別しづらく、廃棄者の選択によることになり、収納誘導リブ
pのある角部を内側に折り畳む場合は押し込む力は小さくて済むものの、両隣の角部に減
容化状態を維持する構造を持たないため復元しやすく、収納誘導リブpのない角部を内側
に折り畳む場合は相当大きな力を加えなければ押し込むことはできない。
【0010】
さらに、胴部g及び肩部bの対向する面が同形状であり、収納誘導リブpのない角部を
内側に押し潰して折り畳む場合、肩部誘導リブn及び底部誘導リブoは、折り畳んだ後の
潰れ易さの面での寄与があるものの、押し潰し力の軽減を図ることは出来ず、廃棄に都合
の良い減容化状態とはなりづらい。また、この易減容化容器a3は、減容性を優先して、
形状を保持するための必要な補強用リブを省いているため、特に温度が高くなった時に変
形し易く、耐熱性に乏しいきらいがある。
【0011】
そこで、本発明の目的は、減容化の起点が分かりやすく、比較的弱い力でも簡単に押し
潰し易く、折り畳むことが出来、しかも復元しづらく真に減容化して廃棄することが出来
る易減容化容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであって、下記の構成からなるこ
とを特徴とするものである。
すなわち、本発明によれば、上方から順次首部、肩部、胴部及び底部を有すると共に前
記胴部の中間部に補強用リブを有してなる可撓性のプラスチック容器であって、前記肩部
及び前記胴部は互いに対向する部位に上下方向の肩部押込リブ及び胴部押込リブを有する
と共に、これら両押込リブを押し込んだ際対応して折り曲がる2系列の肩部折り目リブ及
び胴部折り目リブを有し、且つ前記胴部は前記底部との境目に底部折畳リブを有し、さら
に、前記胴部は、前記胴部押込リブと前記胴部折り目リブとの間に、前記胴部上端から下
に延びる上部傾斜リブと前記底部折畳リブの上方から上に延びる下部傾斜リブとを有して
なることを特徴とする易減容化容器が提供される。
【0013】
また、本発明によれば、前記肩部及び前記胴部は互いに対向する2つの角部を少なくと
も2組有し、該各角部は直線及び曲線で面取りした形状であり、前記肩部押込リブ及び胴
部押込リブは互いに対向する一組の前記角部上にあり、前記肩部折り目リブ及び胴部折り
目リブは、互いに対向する他の一組の前記角部の両側に隣接した前記肩部及び前記胴部上
にある上記易減容化容器が提供される。
【0014】
また、本発明によれば、前記肩部押込リブと前記胴部押込リブとの間にグリップ部を設
けた上記易減容化容器が提供される。
【0015】
また、本発明によれば、前記胴部押込リブの両側に隣接すると共に前記補強用リブを挟
んで隣接する前記胴部上に、押込凹部を設けた上記易減容化容器が提供される。
【0016】
また、本発明によれば、前記肩部折り目リブ及び前記上部傾斜リブで囲われた前記肩部
上及び前記胴部上に、前記肩部押し込みリブ及び前記グリップ部に代えて、放射状押込リ
ブを設けた上記易減容化容器が提供される。
【発明の効果】
【0017】
本発明の易減容化容器は、肩部押込リブ及び胴部押込リブを押し込んだ際、これら両押
込リブが内側に折り曲がると共に、2系列の肩部折り目リブ及び胴部折り目リブのうち、
押し込み側の両押込リブに近い方の1系列の両折り目リブが上部傾斜リブ及び下部傾斜リ
ブの作動に伴って内側に折り曲がり、肩部及び胴部のうち、押し込む部分より押し込まれ
る部分の方が大きなスペースとなり、さらに、押し込んだ方の両押込リブ側にある底部折
畳リブも内側に折り曲がって、肩部及び胴部を内側に折り畳み、さらに他の底部折畳リブ
も内側に折り曲がって、底部も内側に折り畳める。一方、胴部の中間部の補強用リブによ
り、容器の剛性や強度を高めて変形しづらくすることが出来る。
したがって、剛性や強度が高い分温度が高くなっても容器が変形しずらく、押し込まれ
る部分が大きなスペースを確保しているから、無理な押し込みをしなくても良い分、比較
的弱い力で押し込めて、容器を折り畳むことが出来、しかも復元しづらくなり、真に減容
化が可能となり、廃棄が容易となる。
【0018】
また、角部上の肩部押込リブ及び胴部押込リブを押し込んだ際、両押込リブに近い方の
1系列の角部に隣接した肩部折り目リブ及び胴部折り目リブが内側に折り曲がることにな
り、両押込リブのある角部の剛性により、一度押し込んだ肩部及び胴部が復元しづらく、
両折り目リブに隣接する角部の剛性により、両折り目リブに応力が集中して折り曲がるよ
うになる。したがって、この構成によれば、特により弱い力でも押し込もことができ、し
かもより一層復元しづらくなる。
【0019】
また、押込凹部を起点として押し込むと、押込凹部に応力が集中し、次いで角部上の肩
部押込リブ及び胴部押込リブを押し込んで、最終的に容器を折り畳むようにすることがで
きる。したがって、この構成によれば、押込凹部により減容化の起点を明示することが出
来、さらに、押込凹部があることで、より弱い力で押し込むことが出来る。
【0020】
また、容器を放射状押込リブにより持ち、これを起点として角部上の肩部押込リブ及び
胴部押込リブを押し込んで、容器を折り畳む用にした場合は、上記効果に加えて、容器が
持ち易く落下を防止し、減容化の起点を明示することが出来、その上放射状押込リブがあ
ることで、より弱い力で押し込むことが出来るという効果がある。
【0021】
さらに、容器をグリップ部を把持して持ち、これを起点として角部上の肩部押込リブ及
び胴部押込リブを押し込んで、容器を折り畳むようにすれば、容器が持ち易く落下を防止
し、減容化の起点を明示することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【実施例1】
【0023】
図1は本発明の易減容化容器の平面図、図2は本発明の易減容化容器を図1のX方向か
ら見た側面図、図3は本発明の易減容化容器を図1のY方向から見た側面図、図4は本発
明の易減容化容器を図1のZ方向から見た側面図、図5は本発明の易減容化容器の底面図
、図6は本発明の易減容化容器の図2のA−A線に沿う断面図である。
【0024】
これらの図面において、易減容化容器1は、上から順次首部2、肩部3、胴部4及び底
部5を有すると共に胴部4の中間部に補強用全周リブ6を有してなる可撓性のプラスチッ
ク容器7であり、肩部3及び胴部4は互いに対向する部位に上下方向の肩部押込リブ8及
び胴部押込リブ9を有すると共に、これら両押込リブ8、9を押し込んだ際、それらに対
応して折り曲がる2系列の肩部折り目リブ10及び胴部折り目リブ11を有し、且つ胴部
4は底部5との境目に底部折畳リブ12を有し、さらに、胴部4は、胴部押込リブ9と胴
部折り目リブ11との間に、胴部4上端から下に延びる上部傾斜リブ13と底部折畳リブ
12の上方から上に延びる下部傾斜リブ14とを有してなるものである。そして、この易
減容化容器1における容器7の首部2には、内容物が収容された後キャップ15が螺着さ
れる。なお、キャップその他の密封部材による容器の密封は、螺着によるほか、打栓、巻
締め、ヒートシールなどで行ってもよい。
【0025】
前記容器7は、前記肩部3及び前記胴部4の横断面がほぼ正方形の4角ボトルであり、
肩部3及び胴部4は互いに対向して4つの角部3A、3A、3B、3B及び4A、4A、
4B、4Bを有し、これら各角部3A、3B及び4A、4Bは直線及び曲線で面取りした
形状である。なお、この容器7は、横断面が正方形の4角ボトルに限定されず、長方形、
五角形以上の多角形、円形、楕円形でも良く、当然のことながら、円形、楕円形では上記
した角部3A、3B及び4A、4Bはない。この容器7の材質は、例えば、ポリエチレン
、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの可撓性のプラスチックが用いられ
る。
【0026】
前記肩部押込リブ8及び前記胴部押込リブ9は、前記肩部3及び前記胴部4の互いに対
向する一対の前記角部3A、3A及び4A、4A上にあり、内側に凸の形状を成し減容化
操作の際内側に折れ曲がるものである。また、前記肩部折り目リブ10及び前記胴部折り
目リブ11は、肩部3及び胴部4の互いに対向する他の一対の前記角部3B、3B及び4
B、4Bの両側に隣接した肩部3及び胴部4上にあり、したがって、肩部押込リブ8及び
胴部押込リブ9と、肩部折り目リブ10及び胴部折り目リブ11とは、隣り合うことにな
る。そして、減容化操作の際、押し込む方の肩部押込リブ8及び胴部押込リブ9に近い方
の1系列の肩部折り目リブ10及び胴部折り目リブ11が内側に折れ曲がる。このため、
肩部3及び胴部4のうち、押し込む部分より押し込まれる部分が大きなスペースを確保す
ることになって、無理な押し込みがなくなり、復元することがなくなる。
【0027】
さらに、上記の両折り目リブ10、11に隣接する角部3B、4Bの剛性により、両折
り目リブ10、11に応力が集中して折り曲がり、より弱い力で押し込める。加えて、両
押込リブ8、9のある角部3A、4Aの剛性により、一度押し込んだ肩部3及び胴部4が
復元しづらく、より一層復元しづらくなる。なお、肩部押込リブ8及び胴部押込リブ9、
並びに肩部折り目リブ10及び胴部折り目リブ11は、いずれも内側に凸の形状を成し減
容化操作の際両押込みリブ8、9は外側に開く方向に折り曲がり、両折り目リブ10、1
1は内側に折れ曲がるものである。
【0028】
前記底部折畳リブ12は、上述のとおり、胴部4と底部5との境目に設けられ、内側に
凸の形状を成し、内側に折れ曲がるのを予定してあり、容器7の肩部3及び胴部4を折り
畳んだ後、底部5をさらに内側に折り畳むためのものである。
前記補強用全周リブ6は、通常、胴部4の中間部に位置して内側に凸の形状を成し、胴
部4の剛性や強度を増し変形を防ぎ、特に高温時の変形を起き起きずらくして、耐熱性を
高めるものである。
【0029】
前記補強用全周リブ6の形成位置は、厳密に胴部4の中間部という意味ではなく、胴部
中程と言う程度の意味合いを持つものである。なお、補強用リブは全周にわたって連続す
る必要はなく、断続的に形成してもよい。また、胴部4の上端部にある上部傾斜リブ13
、下端部にある下部傾斜リブ14は、いずれも減容化操作を容易にするためのものである
。上部傾斜リブ13は、図8の状態の肩部3近くの胴部4が図9の状態に移行する際の誘
導的役割をなし、下部傾斜リブ14は、図10のタイミングで同じく誘導的役割を果たす
ものである。なお、これら両傾斜リブ13、14は、肩部押込リブ8及び胴部押込リブ9
、2系列の肩部折り目リブ10及び胴部折り目リブ11、並びに底部折畳リブ12を設け
たことによる剛性や強度の不足を補う作用もあり、肩部3や胴部4の剛性や強度を増し変
形を防ぎ、特に高温時の変形を起きずらくして、耐熱性を高めることが出来る。
【0030】
また、前記肩部押込リブ8と前記胴部押込リブ9との間の前記角部4A、4A上に、グ
リップ部20、20を設けてある。このグリップ部20は、易減容化容器1を持ちやすく
するためのものであると共に、片方のグリップ部20を減容化操作の起点とすることが出
来、片方の角部4A上の肩部及び胴部押込リブ8及び9を押し込めば、容器7を折り畳む
ことが出来るものである。
【0031】
また、前記胴部押込リブ9のある一対の前記角部4Aの両側に隣接すると共に前記補強
用全周リブ6を挟んで隣接する前記胴部4上には、押込凹部21が設けられている。この
押込凹部21は、これの片方を減容化操作の起点として押し込むと、押込凹部21に応力
が集中し、次いで角部3A及び4A上の肩部押込リブ8及び胴部押込リブ9を押し込むこ
とになり、最終的に容器7を折り畳むことが出来ることになる。
【0032】
なお、図7は、図1ないし図6に示す易減容化容器1から上記の押込凹部21を除いた
ものを示すものであり、図7の易減容化容器1は、減容化操作の際、最初の押し込み力が
多少増加すること以外、図1ないし図6に示すものと同様であり、充分に機能を果たすこ
とが出来るものである。
【0033】
次に、上記構成になる易減容化容器1(図1ないし図7参照)の使用方法について説明
する。
容器7の内容物を消費し後、容器7内を洗浄し蓋15を外したままで、まず、図8に示
すように、胴部4上の押込凹部21(図7の場合は同じ位置)を押し込むと、胴部押込リ
ブ9が内側に折り曲がり、胴部4が補強用全周リブ6を境としてV字状にへこむ。さらに
、胴部4上のグリップ部20を押し込むと、肩部押込リブ8が内側に折り曲がり、図9に
示すように、肩部3及び胴部4における補強用全周リブ6から上半部が、肩部折り目リブ
10及び胴部折り目リブ11を境として折り曲がり、上部傾斜リブの誘導で押し込み側の
肩部3及び胴部4の上半部が反転して、押し込まれ側の肩部3及び胴部4の上半部内に収
納された状態となる。
【0034】
胴部4におけるの補強用全周リブ6から下半部を押し込むと、図10に示すように、下
半部が下部傾斜リブの誘導で胴部折り目リブ11及び底部折畳リブ12を境として折り曲
がり、上記と同様に押し込み側の下半部が押し込まれ側の下半部内に収納された状態とな
る。さらに、底部5を内側に押し込むと、図11に示すように、底部5が一層胴部折り目
リブ11及び底部折畳リブ12を境として折り曲がり、押し込まれて、図12に示すよう
に、易減容化容器1は完全に折り畳まれる。なお、本発明の特徴は減容化操作の起点が分
かりやすいことであるが、それでも廃棄者の行動を完全に制御することはできないので、
折り目リブ側から押し潰される場合に備えて、本発明の多様なリブの構成の一部または全
部を90°ずらした位置に重ねて補助的に形成することも可能である。
【実施例2】
【0035】
図13に示す易減容化容器1aは、図1ないし図6に示す易減容化容器1から上記の肩
部押し込みリブ8及びグリップ部20を除き、その代わり、肩部折り目リブ10a及び前
記上部補強用傾斜リブ13で囲われた肩部3上及び胴部4上に、放射状押込リブ22を設
けたものである。なお、肩部折り目リブ10aは、図1ないし図6に示す易減容化容器1
の2本の肩部折り目リブ10をつなげたものである。この放射状押込リブ22は、中心部
に凹部23を配設し、凹部23を中心として、45度の角度を開けて、放射状に8本のリ
ブ24を設けたものである。したがって、この放射状押込リブ22が容器7にあることに
より、易減容化容器1aが持ちやすくなると共に、片方の放射状押込リブ22を減容化操
作の起点とすることが出来、片方の角部4A上の肩部及び胴部押込リブ8及び9を押し込
めば、より弱い力で押し込むことが出来て、易減容化容器1aを極めて容易に折り畳むこ
とが出来るものである。その他の構成、作用は図1ないし図6に示すものと同様であるた
め図面に符号を付して、その説明を省略する。
【実施例3】
【0036】
図14に示す易減容化容器1bは、図1ないし図6に示す易減容化容器1からグリップ
部20を省き、上記した肩部押込みリブ8及び胴部押込みリブ9をつなげて押込みリブ3
0とし、さらに、押込凹部21を省き、前記補強用全周リブ6を挟んで隣接する前記胴部
4上に、上記の多様のリブの構造に干渉しないように補強パネル31及び32を設けたも
のである。この構造は、容器7では、容器内の減圧は側壁面全体が撓むようにゆるやかに
変形して吸収する。補強パネル31、32は、側壁面が撓む際に局部的な変形が起こらな
いように設けたものであり、形状保持に資するため、減圧による形状変化を顕在化させな
いようにすることができる。その他の構成、作用は図1ないし図6に示すものと同様であ
るため図面に符号を付して、その説明を省略する。
【実施例4】
【0037】
図15に示す易減容化容器1cは、図1ないし図6に示す易減容化容器1からグリップ
部20を省き、その位置にエンド凹部付きの肩部押込みリブ8a及び胴部押込みリブ9a
を設け、さらに、押込凹部21を省き、図14の易減容化容器1bとほぼ同様に、前記補
強用リブ6を挟んで隣接する前記胴部4上に、上記の多様のリブの構造に干渉しないよう
な、補強パネル31及び32を設けたものである。実施例4に示した構造も、容器7内が
減圧状態になって側壁面が撓む時に補強パネル31及び32によって局部的な変形が防止
でき、形状保持に資するため、減圧による形状変化を顕在化させないようにすることがで
きる。その他の構成、作用は図1ないし図6に示すものと同様であるため図面に符号を付
して、その説明を省略する。
【0038】
以上、本発明の実施例1ないし4を説明したが、具体的な構成はこれに限定されず、本
発明の要旨を逸脱しない範囲での変更は適宜可能であることは理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の易減容化容器は、比較的弱い力で押し潰せて折り畳むことが出来、しかも復元
が許されないような、厳格に減容化を要求されるような場合に、利用可能性が極めて高く
なる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施例1に示した易減容化容器の平面図である。
【図2】図1のX方向から見た側面図である。
【図3】図1のY方向から見た側面図である。
【図4】図1のZ方向から見た側面図である。
【図5】本発明の実施例1に示した易減容化容器の底面図である。
【図6】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図7】本発明の実施例1に示した易減容化容器の変形例の側面図である。
【図8】本発明の実施例1に示した易減容化容器の変形順序を示す側面図である。
【図9】図8の状態からさらに変形順序が進んだ状態を示す側面図である。
【図10】図9の状態からさらに変形順序が進んだ状態を示す側面図である。
【図11】図10の状態からさらに変形順序が進んだ状態を示す側面図である。
【図12】本発明の易減容化容器の折畳状態の最終形態を示す斜視図である。
【図13】本発明の実施例2に示した易減容化容器の側面図である。
【図14】本発明の実施例3に示した易減容化容器の側面図である。
【図15】本発明の実施例4に示した易減容化容器の側面図である。
【図16】特許文献1に記載された従来例の易減容化容器の側面図である。
【図17】特許文献2に記載された従来例の易減容化容器の側面図である。
【図18】特許文献3に記載された従来例の易減容化容器の斜視図である。
【符号の説明】
【0041】
1,1a,1b,1c 易減容化容器
a1,a2,a3
2,s 首部
3,b 肩部
3A,3B,4A,4B 角部
4,g 胴部
5,L 底部
6 補強用リブ
7 容器
8 肩部押込リブ
9 胴部押込リブ
10 肩部折り目リブ
11 胴部折り目リブ
12 底部折畳リブ
13 上部傾斜リブ
14 下部傾斜リブ
15 キャップ
20 グリップ部
21 押込凹部
22 放射状押込リブ
23 凹部
24 リブ
31,32 補強パネル
c 角錐部
d,d1,i 傾斜リブ
e 角筒部
f,h,h1 縦リブ
g1 上部胴部
g2 下部胴部
j,k 横リブ
m 肩部横リブ
n 肩部誘導リブ
o 底部誘導リブ
p 収納誘導リブ
q 肩部収納リブ
r 底部収納リブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方から順次首部、肩部、胴部及び底部を有すると共に前記胴部の中間部に補強用リブ
を有してなる可撓性のプラスチック容器であって、前記肩部及び前記胴部は互いに対向す
る部位に上下方向の肩部押込リブ及び胴部押込リブを有すると共に、これら両押込リブを
押し込んだ際対応して折り曲がる2系列の肩部折り目リブ及び胴部折り目リブを有し、且
つ前記胴部は前記底部との境目に底部折畳リブを有し、さらに、前記胴部は、前記胴部押
込リブと前記胴部折り目リブとの間に、前記胴部上端から下に延びる上部傾斜リブと前記
底部折畳リブの上方から上に延びる下部傾斜リブとを有してなることを特徴とする易減容
化容器。
【請求項2】
前記肩部及び前記胴部は互いに対向する2つの角部を少なくとも2組有し、該各角部は
直線及び曲線で面取りした形状であり、前記肩部押込リブ及び胴部押込リブは互いに対向
する一組の前記角部上にあり、前記肩部折り目リブ及び胴部折り目リブは、互いに対向す
る他の一組の前記角部の両側に隣接した前記肩部及び前記胴部上にある請求項1記載の易
減容化容器。
【請求項3】
前記肩部押込リブと前記胴部押込リブとの間にグリップ部を設けた請求項1または2記
載の易減容化容器。
【請求項4】
前記胴部押込リブの両側に隣接すると共に前記補強用リブを挟んで隣接する前記胴部上
に、押込凹部を設けた請求項1ないし3のいずれか1項記載の易減容化容器。
【請求項5】
前記肩部折り目リブ及び前記上部傾斜リブで囲われた前記肩部上及び前記胴部上に、前
記肩部押し込みリブ及び前記グリップ部に代えて、放射状押込リブを設けた請求項1ない
し4のいずれか1項記載の易減容化容器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−206057(P2006−206057A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−16359(P2005−16359)
【出願日】平成17年1月25日(2005.1.25)
【出願人】(000003768)東洋製罐株式会社 (1,150)
【Fターム(参考)】