説明

映像、通信同軸信号線分岐器

【課題】 分岐器の通信信号線孔に用いる脱落防止設計を具えた映像、通信同軸信号線分岐器を提供する。
【解決手段】 本体20、信号線孔22、列状キャップ14を含む。列状キャップ14は信号線孔22内に挿入される。列状キャップ14と本体20とを連接して列状キャップ14の脱落を防止する。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は映像、通信同軸信号線分岐器に関する。特に分岐器の通信信号線孔に用いる列状キャップの脱落防止設計に係る。
【0002】
【従来の技術】
ここ数年来の有線テレビの目覚ましい発展は、映像信号同軸ケーブルの架設を、各家庭に遍く行き渡らせた。その架設、構築されたケーブル網を利用すれば、同時に通信信号を伝送することができる。即ち、通信信号伝送の利便性に益があるばかりでなく、現有の映像信号と通信信号と言う二大系統を整合することができ、未来の映像、通信信号一体の構想を達成することができる。
先ず、図1は、公知の映像、通信信号一体型の同軸信号線に使用することができる分岐器の立体図である。該分岐器は、主に映像信号処理部4と通信信号処理部10に分かれ、構成される。主信号は分岐器の主信号入力端2により伝送、入力された後、分岐器内部の回路装置により、映像信号、或いは通信信号に分離される。この後さらに、それぞれ映像信号処理部4、或いは通信信号処理部10の処理により、映像信号を処理部4の出力端子6により映像信号装置まで伝送し、また通信信号を処理部10の出力孔端12により通信装置まで伝送する。
次に、通信信号処理部10について説明すると、信号線が出力孔端12に連接していない時、即ち処理部10が使用されていない時、普通は列状キャップ14により出力孔端12を塞ぎ、雨水、ほこり、昆虫等の異物が処理部10内への進入により分岐器の故障を招くことを防止する。
しかし、公知の列状キャップ14を取り出して通信信号線に装備する、或いは分岐器の信号信号処理部を分解する時、往々にして、列状キャップ14は不注意で地面に落下してしまう。分岐器は普通、高所に設置されており、技術人員は検査、修理時、しばしば高所で作業を行うため、非常に不便である。もし、分解後、列状キャップ14を元に戻し塞ごうとするなら、時間を費やし、落下した列状キャップ14を拾い、或いは新しい列状キャップ14を用いる必要がある。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
上記従来品の欠点を改善するため、本考案は改良型列状キャップの提供を課題とする。
それにより、列状キャップは分岐器を離脱後も、落下することはない。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本考案は、映像、通信同軸信号線分岐器を提供する。
それは主に本体を含み、映像信号処理部、通信信号処理部に区分することができる。複数個の信号線孔は、通信信号処理部中に形成し、列状キャップは、底台を含み、底台上に複数個の円柱を形成するが、その数目と信号線孔の数目は一致している。円柱は信号線孔内に緊密に挿入するために用いられ、また底台末端に於いて牽引線を形成する。該牽引線は、底台の最側端にOリングを具える。
本考案の脱落防止設計は、Oリングと本体間に形成した連接を利用する。
また、連接方式は、複数個のネジを用い、上蓋を本体上に螺合し、Oリングをネジ上に冠すれば、列状キャップは信号線孔を離脱後も脱落する恐れはない。
【0005】
【考案の実施の形態】
図2に示すように、本実施例の分岐器は主に、本体20を含み、映像信号処理部21と通信信号処理部23に区分することができる。複数個の信号線孔22は、通信信号処理部23中に形成し、通信信号線を処理部23内に穿入する経路となる。列状キャップ24は、多くは硬質プラスチックにより製造され、底台241を含み、底台241上に複数個の円柱243を形成するが、その数目と信号線孔22の数目は一致している。円柱243は信号線孔22内に緊密に挿入するために用いられ、また底台241末端に於いて牽引線245を形成する。該牽引線245は、底台241の最側端にOリング247を具える。本考案の列状キャップ24の脱落防止設計は、Oリング247と本体20間に形成した連接を利用し、列状キャップ24を信号線孔22に挿入しない時も、地面に脱落せず、技術人員の作業上の不便を招くことはない。
次に、本実施例の連接方式について記述する。本体20は上蓋25と結合しているため、上蓋25は、複数個のネジ27を利用し、本体20上に螺合する。ネジ27そのものの設計が、上蓋25から容易に脱落しない設計であるため、該牽引線245のOリング247をネジ27上に冠すれば、列状キャップ24は信号
線孔22を離脱後も脱落する恐れはない。
【0006】
一方、図3に示す実施例の部品は、図2に示す実施例の部品と主に同一であるが、ただ、脱落防止設計に於いて、方式上、相違点があるのみである。
その連接方式は、本体20は上蓋25と結合しているため、上蓋25は、複数個のネジ27を利用し、本体20上に螺合する。また、本体20上よりケーブル29が伸び出ており、ネジ27そのものの設計が、上蓋25から容易に脱落しない設計であるため、該ケーブル29をネジ27上に冠すれば、ネジ27が緩んだ時も上蓋25が脱落することを防止することができる。さらに、ケーブル29を牽引線245のOリング247に貫通させれば、列状キャップ24は信号線孔22を離脱後も脱落する恐れはない。
【0007】
次に、図4に示す実施例の分岐器は前記2例とは異なる形式であるが、前記の脱落防止設計は図4の分岐器中に於いても応用することができる。
その連接方式は、本体20は上蓋25と結合しているため、上蓋25は、複数個のネジ27を利用し、本体20上に螺合する。ネジ27そのものの設計が、上蓋25から容易に脱落しない設計であるため、牽引線245のOリング247をケーブル29上に冠すれば、列状キャップ24は信号線孔22を離脱後も脱落する恐れはない。
【0008】
【考案の効果】
本考案の映像、通信同軸信号線分岐器は、列状キャップの構造に改良を加え、その底台の延長である牽引線に於いてOリングを形成し、Oリングを本体と上蓋を連結するネジ上に冠することにより、列状キャップが信号線孔を離脱時の脱落の恐れを払拭することができる。
また、本体上より伸び出たケーブルを利用し、該ケーブルをネジ上に冠することにより、ネジが緩んだ時も上蓋が脱落することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】公知の映像、通信が一体となった同軸信号線に用いることができる分岐器の立体図である。
【図2】本考案の映像、通信同軸信号線分岐器の実施例を示す斜視図である。
【図3】本考案の映像、通信同軸信号線分岐器の他の実施例を示す斜視図である。
【図4】本考案の映像、通信同軸信号線分岐器のさらに他の実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
2 主信号入力端
4 映像信号処理部
6 出力端子
10 通信信号処理部
12 出力孔端
14 列状キャップ
20 本体
21 映像信号処理部
22 信号線孔
23 通信信号処理部
24 列状キャップ
241 底台
243 円柱
245 牽引線
247 Oリング
25 上蓋
27 ネジ
29 ケーブル

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】本体、複数個の信号線孔、列状キャップを含み、該列状キャップは、該複数個の信号線孔内すべてに緊密に挿入され、該列状キャップと本体とを連接して、該列状キャップの脱落を防止することを特徴とする映像、通信同軸信号線分岐器。
【請求項2】前記列状キャップは、底台、複数個の円柱、牽引線を含み、該円柱は該底台上に形成し、信号線孔内に挿入するために用い、該牽引線は底台末端に於いて形成し、該底台の最側端にOリングを具えることを特徴とする請求項1記載の映像、通信同軸信号線分岐器。
【請求項3】前記本体は上蓋を含み、該上蓋は複数個のネジを用いて該本体上に螺合し、該Oリングを該複数個のネジ中の一個に冠することを特徴とする請求項2記載の映像、通信同軸信号線分岐器。
【請求項4】前記本体は上蓋を含み、該上蓋は複数個のネジを用いて該本体上に螺合し、該本体は伸び出したケーブルを具え、該ケーブルを該複数個のネジ中の一個に冠することにより、ネジが緩んだ時に上蓋が脱落するのを防止し、該Oリングをケーブル上に冠することを特徴とする請求項2記載の映像、通信同軸信号線分岐器。
【請求項5】本体、上蓋、複数個のネジ、複数個の信号線孔、列状キャップを含み、該列状キャップは複数個の円柱、牽引線を含み、該複数個の信号線孔内すべてに緊密に挿入され、該牽引線の該列状キャップから離れた一端に於いてOリングを形成し、該上蓋は該複数個のネジを用いて該本体上に螺合し、該列状キャップの該Oリングを該複数個のネジ中の一個に冠することにより、該列状キャップの脱落を防止することを特徴とする映像、通信同軸信号線分岐器。
【請求項6】本体、上蓋、複数個のネジ、ケーブル、複数個の信号線孔、列状キャップを含み、該列状キャップは複数個の円柱、牽引線を含み、該複数個の信号線孔内すべてに緊密に挿入され、該牽引線の該列状キャップから離れた一端に於いてOリングを形成し、該上蓋は該複数個のネジを用いて該本体上に螺合し、該本体より伸び出した該ケーブルを該複数個のネジ中の一個に冠することにより上蓋の脱落を防止し、該列状キャップの該Oリングを該複数個のネジ中の一個に冠することにより、該列状キャップの脱落を防止することを特徴とする映像、通信同軸信号線分岐器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【登録番号】第3053711号
【登録日】平成10年(1998)8月19日
【発行日】平成10年(1998)11月13日
【考案の名称】映像、通信同軸信号線分岐器
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平10−2944
【出願日】平成10年(1998)5月1日
【出願人】(598053824)利陽電子股▲ふん▼有限公司 (2)