説明

映像信号処理装置、表示装置、及び、映像信号処理方法

【課題】映像ソースの種類等にかかわらず、見る者にとって見易い映像を生成することのできる映像信号処理装置、表示装置、及び、映像信号処理方法を提供する。
【解決手段】フレーム構成画素を所定方向に平滑化するローパスフィルタ510と、ローパスフィルタ510により平滑化された構成画素を所定方向に圧縮する圧縮処理部520を映像ソース毎に備え、圧縮処理部520で圧縮された各映像信号を、異なる視方向に異なる映像ソースに対応した映像を同一画面に表示可能な表示部7に出力する映像信号処理装置500であって、ローパスフィルタ510により平滑化された構成画素を所定方向に映像ソースに対応した特性で高域強調処理する高域成分強調フィルタ530を映像ソース毎に備え、高域成分強調フィルタ530により高域強調処理された構成画素を圧縮処理部520で圧縮する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像信号処理装置、表示装置、及び映像信号処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一台の液晶ディスプレイで二画面以上を同時に表示することができる表示装置、例えば、運転席と助手席とから夫々異なる画面を見ることができるマルチビュー表示装置が開示されている。
【0003】
このようなマルチビュー表示装置では、ソース信号を構成する1フレームの元画素データから所定方向に圧縮または抽出処理した映像画素データを生成し、生成された前記映像画素データで構成される映像信号に基づいて当該画素群を駆動する必要がある。
【0004】
例えば、車載用のTFT液晶表示装置は、画素が800×480ドットに構成されたものが主流であるが、このような表示装置の構成をベースとするマルチビュー表示装置では、少なくとも800×480ドットに対応する元画素データから400×480ドットに水平方向に圧縮または抽出処理して映像画素データを生成する必要がある。
【0005】
しかし、ソース信号を構成する元画素データを圧縮率に基づいて単に所定方向に間引き処理して映像画素データを生成するような圧縮処理方法では、間引き処理された元画像の情報が欠落する結果、画像情報の高域成分が欠落するのみならず画素データの連続性も失われるため、そのような映像信号に基づいて表示された映像は見辛いものになる虞があった。
【0006】
そこで、本発明の出願者は、特許文献1に開示されているような、マルチビュー表示装置に表示される複数の画素群を駆動する映像信号処理装置を提案した。
【0007】
該映像信号処理装置は、ソース信号を構成する1フレームの元画素データから所定方向に圧縮または抽出処理した映像画素データを生成する際に、ソース信号を構成する元画素データをその隣接元画素データとの間で所定のフィルタ演算を施して平滑化処理して新たな画素データを生成する平滑化処理手段と、平滑化処理された画素データから圧縮率に基づいた数の画素データを前記映像画素データとして抽出する抽出処理手段とを備えることで、ソース信号から映像信号を生成する際に、高域成分の欠落を防ぐとともに、画素データの連続性を確保できた。
【0008】
しかし、特許文献1に開示された映像信号処理装置では、高域成分の欠落を防止できるが、元画素データを平滑化処理するので、抽出された映像画素データによりマルチビュー表示装置に表示される映像がぼやけた映像となってしまう、つまり鮮鋭度の点で劣化した映像となってしまう虞があった。
【0009】
このような問題を解決するための手段を備えた装置として、特許文献2には、画像信号を平均化する手段の後段に、当該画像信号をより鮮明に仕上げることを目的とした高域成分強調フィルタを備えた画像信号処理装置が開示されている。
【特許文献1】特開2006−154756号公報
【特許文献2】特開2000−224460号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、最近の車両等には、ナビゲーション装置等を介して様々な映像ソース信号が入力されている。また、マルチビュー表示装置では、例えば、運転席と助手席とで異なる映像ソースの信号が表示される場合もある。
【0011】
例えば、マルチビュー表示装置を備えた車両の運転中、運転席の運転者はナビゲーション装置の地図情報を参照する一方、助手席の同乗者はDVDソフト、例えば映画等の映像情報を参照することが多い。そして、地図情報は、映像の滑らかな動きよりも表示情報を的確に識別するために鮮鋭度の高い映像であることが要求されるが、映画等の映像情報で鮮鋭度が高い場合、映像がぎらついてしまう虞がある。
【0012】
つまり、表示装置への出力映像を最適な映像とするための要求が映像ソースの種類等によって異なるので、全ての映像ソースから入力された映像信号を、同じ高域成分強調フィルタを介して表示装置に表示させても、映像ソースの種類等によっては表示装置に表示された映像が見る者にとって返って見辛い映像となる虞があるのである。
【0013】
本発明の目的は、上述の問題点に鑑み、映像ソースの種類等にかかわらず、見る者にとって見易い映像を生成することのできる映像信号処理装置、表示装置、及び、映像信号処理方法を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述の目的を達成するため、本発明による映像信号処理装置の特徴構成は、フレーム構成画素を所定方向に平滑化するローパスフィルタと、前記ローパスフィルタにより平滑化された構成画素を前記所定方向に圧縮する圧縮処理部を映像ソース毎に備え、前記圧縮処理部で圧縮された各映像信号を、異なる視方向に異なる映像ソースに対応した映像を同一画面に表示可能な表示部に出力する映像信号処理装置であって、前記ローパスフィルタにより平滑化された構成画素を前記所定方向に前記映像ソースに対応した特性で高域強調処理する高域成分強調フィルタを映像ソース毎に備え、前記高域成分強調フィルタにより高域強調処理された構成画素を前記圧縮処理部で圧縮する点にある。
【0015】
上述の構成によれば、映像信号処理装置は、各映像ソースに対応した特性で高域強調処理する高域成分強調フィルタを映像ソース毎に備えているので、映像信号処理装置は、各映像ソースからの信号を、見る者にとって見易い映像が表示部に表示される特性で高域強調処理する高域成分強調フィルタを介して表示部に出力する。
【発明の効果】
【0016】
以上説明した通り、本発明によれば、映像ソースの種類等にかかわらず、見る者にとって見易い映像を生成することのできる映像信号処理装置を提供することができるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に本発明による映像信号処理装置について説明する。図1は、映像信号処理装置と、当該映像信号処理装置により駆動される表示部7を備えた表示装置の概念図である。
【0018】
図中、1は第1の映像ソース、2は第2の映像ソース、3は第1の映像ソースからの第1の画像データ、4は第2の映像ソースからの第2の画像データ、5は表示制御部、6は表示データ、7は表示部(例えば液晶パネル等)、8は第1の映像ソース1に基づく第1の表示画像、9は第2の映像ソース2に基づく第2の表示画像、10は表示部7に対して左側に位置する観察者(利用者)、11は表示部7に対して右側に位置する観察者(利用者)である。
【0019】
図1の概念図は、表示部7に対する観察者10、11の相対的位置に応じて、換言すれば表示部7に対する視野角に応じて、観察者10は第1の表示画像8を、観察者11は第2の表示画像9を実質的に同時に見ることができ、しかも各々の表示画像8、9は表示部7の表示面全体に渡ってみることができることを概念的に示すものである。図1において、第1の映像ソース1は例えばDVDプレーヤの映画画像やテレビ受信機の受信画像等、第2の映像ソース2は例えばカーナビゲーション装置の地図やルート案内画像等であり、それぞれの第1の映像データ3及び第2の映像データ4は表示制御部5に供給され、それらが表示部7で実質的に同時に表示できるように処理される。
【0020】
表示制御部5から表示データ6が供給される表示部7は、後述する視差バリアを備えた液晶パネル等で構成される。表示部7の横方向の総画素の半数が第1の映像ソース1に基づく第1の表示画像8の表示に、残りの半数の画素が第2の映像ソース2に基づく第2の表示画像9の表示に使用される。表示部7に対して左側に位置する観察者10には、第1の表示画像8に対応する画素のみが見え、第2の表示画像9は表示部7の表面に形成されている視差バリアによって遮られて実質的に見えない。一方、表示部7に対して右側に位置する観察者11には、第2の表示画像9に対応する画素のみが見え、第1の表示画像8は視差バリアにより遮られて実質的に見えない。尚、視差バリアについては、例えば、特開平10−123461号公報、特開平11−84131号公報に開示された構成を応用できる。
【0021】
このような構成により、単一の画面で左右の利用者に異なる情報やコンテンツを提供することができる。もちろん、第1、第2の映像ソースが同じであれば、従来通り左右の利用者が同じ画像を見ることもできる。
【0022】
図2は、本発明に係る表示装置の車両への搭載例を示す斜視図である。図中、12は助手席、13は運転席、14はウインドシールド、15は操作部、16はスピーカである。
【0023】
図1の表示装置の表示部7は、例えば図2に示すように、運転席13と助手席12とのほぼ中央のダッシュボード部分に配置される。表示装置に対する各種操作は、表示部7の表面に一体的に形成したタッチパネル(図示せず)や操作部15、または、赤外線や無線リモートコントローラ(図示せず)の操作によって行われる。車両の各ドアにはスピーカ16が配置され、表示画像に連動した音声や警告音等が出力される。
【0024】
運転席13に図1の観察者11が、助手席12には観察者10が座る。表示部7に対する第1視方向(運転席側)から見ることができる画像は例えばカーナビゲーション装置の地図等の画像であり、実質的に同時に第2視方向(助手席側)から見ることができる画像は例えばテレビ受信画像やDVDムービー画像である。従って、運転席13の運転者がカーナビゲーションによる運転支援を受けるのと同時に助手席12の同乗者はテレビやDVDを楽しむことができる。しかもそれぞれの画像は例えば7インチの画面全体を使用して表示されるため、従来のマルチウインドウ表示のように画面サイズが小さくなることもない。つまり、運転者、同乗者にとっては、あたかも各々に独立した専用のディスプレイがあるかの如く、それぞれに最適な情報やコンテンツが提供されるのである。
【0025】
図3は、表示部7の断面構造の概略図である。図中、100は液晶パネル、101はバックライト、102は液晶パネルのバックライト側に設置された偏光板、103は液晶パネルの発光方向側の前面に配置された偏光板、104はTFT(Thin Film Transistor)基板、105は液晶層、106はカラーフィルタ基板、107はガラス基板、108は視差バリアである。液晶パネル100は、TFT基板104とそれに対向して配置されるカラーフィルタ基板106の間に液晶層105を挟持した一対の基板と、その発光方向側の前面に配置された視差バリア108とガラス基板107とを、2枚の偏光板102、103の間に挟んだ構成となっており、バックライト101からやや離隔して配設される。また、液晶パネル100は、RGB色(三原色)で構成される画素を有する。
【0026】
液晶パネル100の各画素は、左側(助手席側)表示用と、右側(運転席側)表示用に分けられて表示制御される。そして、左側(助手席側)表示用画素は、視差バリア108により右側(運転席側)への表示は遮断され、左側(助手席側)からは見えるようになっている。また、右側(運転席側)表示用画素は、視差バリア108により左側(助手席側)への表示が遮断され、右側(運転席側)からは見えるようになっている。これによって、運転者と同乗者に異なった表示を提供することが可能となる。つまり、運転者にはナビゲーションの地図情報を与え、同時に同乗者にはDVDの映画等を見せることが可能となる。なお、視差バリア108、液晶パネル100の各画素の構成を変更すれば、3方向等、複数方向に異なった画像を表示する構成も可能である。また、視差バリア自体を電気的に駆動可能な液晶シャッタ等で構成して視野角を可変するようにしてもよい。
【0027】
図4は、表示パネルを正面から見た構造の概略図であり、図3は図4中のA−A′断面である。図中、109は左側(助手席側)表示用の画素、110は右側(運転席側)表示用の画素である。図3及び図4は、例えば横方向に800画素、縦方向に480画素並べられた液晶パネル100の一部を表す。左側(助手席側)表示用の画素109と右側(運転席側)表示用の画素110は縦方向にグループ化され、交互に並んでいる。視差バリア108は、横方向にある間隔で配置され、縦方向には一様である。これによって、左側から表示パネルを見ると、視差バリア108が右側用画素110を覆い隠して、左側用画素109が見える。また同様に右側から見ると、視差バリア108が左側用画素109を覆い隠して、右側用画素110が見える。さらに正面付近では、左側用画素109と右側用画素110の両方が見えるため、左側表示画像と右側表示画像とが実質的に重なって見える。ここで、図4中の交互に並んだ左側用画素109及び右側用画素110は、図3のようにRGB色を有しているが、各グループ縦方向内は、R列、G列、B列のように単色で構成されていてもよいし、RGBが複数混じった列として構成されていてもよい。
【0028】
具体的には、例えば、表示部7において、右側(運転席側)と左側(助手席側)の2方向に異なる映像を表示させるためには、夫々の映像に対応するソース信号を構成する800×480の画素を400×480の画素に圧縮することで、表示部7の画素数である800×480に対応した映像信号にするように構成できる。このとき、図5に示すように、運転席側のソース信号については本来映像を表示すべきソース信号のうち奇数列のソース信号を間引き、また、助手席側のソース信号については偶数列のソース信号を間引く構成を採用できる。ただし、間引き方はこれに限定するものではなく、1画素を構成するR,G,Bの各要素単位に奇数列、偶数列で間引き処理してもよい。間引き処理により圧縮された夫々の映像ソースを列が交互になるように合成処理して最終の映像ソースが生成される。
【0029】
このようにして表示部7に表示された映像を右側(運転席側)または左側(助手席側)から眺めると、間引き処理によって元画像の画像情報の高域成分が欠落し、画素データの連続性も失われているので、そのような映像信号に基づいて表示された映像はかなり見辛いものになる。
【0030】
そこで、本発明では、制御部(図7に符号200で示される。)によって、映像ソースからの間引き処理前の画像を所定方向に平滑化し、その後、所定方向に圧縮する処理、つまり映像ソースの間引き処理が行なわれるように構成されている。ここで、平滑化処理は、圧縮処理による画素データの抽出を考慮して、任意の元画素データ及び少なくともその隣接元画素データに基づいてフィルタ演算等を施すことによって新たな画素データを変換生成するように構成されている。よって、平滑化処理後の各画素データは隣接画素データの成分が加味された値として生成され、画質の劣化の程度が改善される。
【0031】
図6はTFT基板104の概略を示す回路図である。111は表示パネル駆動部、112は走査線駆動回路、113はデータ線駆動回路、114はTFT素子、115〜118はデータ線、119〜121は走査線、122は画素電極、123はサブピクセルである。
【0032】
図6に示すように、サブピクセル123は各データ線115〜118及び各走査線119〜121によって囲まれた領域を一単位とし、複数形成される。各サブピクセルには、液晶層105に電圧を印加する画素電極122とそれをスイッチング制御するTFT素子114が形成されている。表示パネル駆動部111は走査線駆動回路112及びデータ線駆動回路113の駆動タイミングを制御する。走査線駆動回路112はTFT素子114の選択走査を行い、またデータ線駆動回路113は画素電極122への印加電圧を制御する。
【0033】
複数のサブピクセルは、第1の画像データと第2の画像データの合成データもしくは、第1と第2の個々の画像データに基づいて、例えばデータ線115と117に第1の画素データ(左側画像表示用)を、またデータ線116と118に第2の画素データ(右側画像表示用)を送信することよって、第1の画像を表示する第1の画像データ群と第2の画像を表示する第2の画像データ群が形成される。
【0034】
図7は、本発明に係る表示装置の概要を示すブロック図であり、いわゆるAudio Visual Navigation 複合機への適用例である。図中、124はタッチパネル、200は制御部、201はCD/MD再生部、202はラジオ受信部、203はTV受信部、204はDVD再生部、205はHD(Hard Disk)再生部、206はナビゲーション部、207は分配回路、208は第1の画像調整回路、209は第2の画像調整回路、210は音声調整回路、211は画像出力部、212はVICS情報受信部、213はGPS情報受信部、214はセレクタ、15は操作部、216はリモコン送受信部、217はリモコン、218はメモリ、219は外部音声/映像入力部、220はカメラ、221は明るさ検知部、222は乗員検知部、223はリア表示部、224はETC車載器、225は通信ユニットである。
【0035】
表示部7は、タッチパネル124、液晶パネル100、及びバックライト101から構成される。表示部7の液晶パネル100は、これまでに述べてきたように、第1視方向として運転席側から見られる画像と、第2視方向として助手席側から見られる画像とを、実質的に同時に表示することが可能となっている。尚、表示部7には、液晶パネル以外のフラットパネルディスレイ、例えば有機ELディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネル、冷陰極フラットパネルディスプレイ等を用いることもできる。
【0036】
制御部200は、各種ソース(CD/MD再生部201、ラジオ受信部202、TV受信部203、DVD再生部204、HD再生部205及びナビゲーション部206)からの画像や音声を、制御部200からの指示に基づき左用に指定された映像ソースを第1の画像調整回路208に、右用に指定されたソースを第2の画像調整回路209に分配させる分配回路207を介して、画像であれば第1の画像調整回路208及び第2の画像調整回路209に、音声であれば音声調整回路210にそれぞれ分配する。そして、第1及び第2の画像調整回路208、209では、輝度や色調、コントラストなどが調整され、調整された各画像を画像出力部211にて、表示部7に表示させる。また音声調整回路210では各スピーカへの分配や音量、音声が調整され、調整された音声が、スピーカ16から出力される。
【0037】
また、制御部200は、第一の画像調整回路208、第二の画像調整回路209、及び画像出力部211を制御して、上述した平滑化処理及び圧縮処理を実行させる。そして、制御部200が、第一の画像調整回路208、第二の画像調整回路209、及び画像出力部211を制御して、上述した平滑化処理及び圧縮処理を実行させることで、本発明による映像信号処理装置の機能が実現される。
【0038】
つまり、映像信号処理装置の各機能ブロックは、第一の画像調整回路208、第二の画像調整回路209、及び画像出力部211の何れかに備えられており、映像信号処理装置は、フレーム構成画素を所定方向に平滑化するローパスフィルタと、ローパスフィルタにより平滑化された構成画素を所定方向に圧縮する圧縮処理部を映像ソース毎に備え、圧縮処理部で圧縮された各映像信号を、異なる視方向に異なる映像ソースに対応した映像を同一画面に表示可能な表示部7に出力するように構成されている。尚、映像信号処理装置については、後述する。
【0039】
図8は画像出力部211の概略を示すブロック図である。図中、226は第一の書込回路、227は第二の書込回路、228はVRAM(Video RAM)である。
【0040】
画像出力部211は、例えば図8に示すように、第1の書込回路226と第2の書込回路227とVRAM(Video RAM)228と表示パネル駆動部111とを備えている。例えば、第1の書込回路226は、第1の画像調整回路208で調整された画像データのうち奇数列に対応する画像データ(即ち、図1の第1の表示画像8用の画像データ)を、第2の書込回路227は、第2の画像調整回路209で調整された画像データのうち偶数列に対応する画像データ(即ち、図1の第2の表示画像9用の画像データ)をもとにし、それぞれVRAM228における該当する領域に書き込む。また表示パネル駆動部111は液晶パネル100を駆動する回路であり、VRAM228に保持されている画像データ(第1の画像データと第2の画像データの合成データ)に基づいて、液晶表示パネル100の対応する画素を駆動する。尚、VRAM228には第1の画像データと第2の画像データの合成されたマルチビュー表示用の画像に対応するように画像データの書き込みが行われているので、駆動回路は1つでよく、その動作も通常の液晶表示装置の駆動回路の動作と同じである。また別の構成として、第1の画像データと第2の画像データを合成せずに、それぞれの画像データに基づいて、液晶表示パネルの対応する画素を駆動する第1の表示パネル駆動回路及び第2の表示パネル駆動回路を用いることも考えられる。
【0041】
ここで、図7で示した各種ソースの一例について説明をすると、HD再生部205を選択した場合、ハードディスク(HD)に記憶されたMP3ファイル等の音楽データやJPEGファイル等の画像データ、ナビゲーション用の地図データ等が読み出され、音楽データを選択するためのメニュー表示や画像データを表示部7に表示させることができる。
【0042】
ナビゲーション部206は、ナビゲーションの為に利用される地図情報を記憶した地図情報記憶部を備え、VICS情報受信部212、自車の位置情報を認識するGPS情報受信部213から情報を入手し、ナビゲーション動作の為の画像を作成し、表示させることができる。またTV受信部203は、アンテナからセレクタ214を介して、アナログTV放送波及びデジタルTV放送波を受信する。
【0043】
図9は制御部200の概略を示すブロック図である。図中、229はインターフェース、230はCPU、231はプログラム記憶部、232はデータ記憶部である。
【0044】
尚、制御部200は分配回路207並びに各種ソースを制御し、選択された2つのソースもしくは1つのソースについて表示を行わせる。また制御部200は、これら各種ソースをコントロールするための操作メニュー表示を表示部7に表示させることも行っている。ここで、図9で示すように、制御部200はマイクロプロセッサなどで構成され、インターフェース229を介して、表示装置内の各部や各回路を統括的に制御しているCPU230を備えている。このCPU230には、表示装置の動作に必要な各種のプログラムを保持するROMからなるプログラム記憶部231と、各種のデータを保持するRAMからなるデータ記憶部232とが設けられている。なお、ROMやRAM等は、CPUに内蔵されたものでも、外部に設けたものでも使用することが可能である。又、ROMはフラッシュメモリの様に電気的に書き換え可能な不揮発性メモリでもよい。
【0045】
ユーザは、上記各種ソースのコントロールを、表示部7の表面に取り付けられているタッチパネル124、表示部7の周囲に設けられた操作部15、または音声認識等の入力操作や選択操作によって行うことができる。またリモコン送受信部216を介して、リモコン217により入力もしくは選択操作をしてもよい。制御部200は、このタッチパネル124や操作部15の操作に従って、各種ソースを含めた制御を行っている。また、制御部200は、図2のように車両内に複数備え付けられたスピーカ16の各音量等を、音声調整回路210を用いて制御することができるように構成されている。また制御部200は、メモリ218に画質設定情報やプログラム、車両情報等の各種設定情報を記憶させることも行っている。尚、メモリ218は、上述したプログラム記憶部231やデータ記憶部232で代用する構成であってもよい。
【0046】
図10はメモリ218の概略を示すブロック図である。図中、233は第1の画面RAM、234は第2の画面RAM、235は画質設定情報記憶部、236は対環境調整値保持部である。
【0047】
メモリ218は、例えば図10に示すように、使用者が設定した第1の画像および第2の画像の画質の調整値がそれぞれ書き込み可能な第1の画面RAM233および第2の画面RAM234を有する。また、第1の画像及び第2の画像の画質を調整する場合に、読み出すことができるプリセット値として各画質調整用に予め複数段階の画質調整値が記憶されている画質設定情報記憶部235を有する。さらに、車外の明るさ変化等の周囲環境変化に応じた画質を調整するために、周囲環境に対する第1の映像及び第2の映像の画質の調整値を保持する対環境調整値保持部236を有する。ここで画質設定情報記憶部235及び対環境調整値保持部236は、フラッシュメモリ等の電気的書き換え可能な不揮発性メモリ又はバッテリバックアップされた揮発性メモリにより構成される。
【0048】
外部音声/画像入力部219に接続された、例えば後方監視用のカメラ220からの画像を表示部7に表示するようにしてもよい。なお、後方監視用カメラ220以外に、ビデオカメラ及びゲーム機等を外部音声/画像入力部219に接続してもよい。
【0049】
制御部200は、明るさ検知手段221(例えば、車両のライトスイッチや光センサ)や乗員検知手段222(例えば、運転席や助手席に設けられる感圧センサ)により検知された情報を元に、音声の定位位置等の設定を変更させることが可能である。
【0050】
223は車両の後席用に設けられたリア表示部であり、画像出力部211を介して、表示部7に表示される画像と同じもの、もしくは運転席用の画像か助手席用の画像の一方が表示可能である。
【0051】
制御部200は、ETC車載器224からの料金表示等を表示させることを行っている。また制御部200は、携帯電話などと無線接続するための通信ユニット225を制御し、これに関する表示がされるようにしてもよい。
【0052】
以下に、映像信号処理装置について説明する。表示装置は、図11に示すように、上述のVICS情報受信部212とGPS情報受信部213とナビゲーション部206とを備え、車両を目的地に誘導するナビゲーション装置Nと、地上波デジタル放送等を受信するラジオ受信部202及びTV受信部203としての電波受信装置302と、CD/MD再生部201、DVD再生部204、及びHD再生部205としての再生部330と、各種ソースからの画像を複数系統(本実施形態では二系統とする。)に分配させる分配回路207と、ナビゲーション装置N、電波受信装置302、または再生部330の何れか二系統の映像ソース信号による表示画像を同時に表示可能な表示部7と、表示部7を表示制御する映像信号処理装置500等が車両に搭載されている。即ち、表示装置は、映像信号処理装置500と、当該映像信号処理装置500により駆動される表示部7を備えて構成されている。
【0053】
ナビゲーション装置Nは、道路地図データを記憶した地図情報記憶部305と、VICS情報受信部212及びGPS情報受信部213で構成される情報受信部306と、情報受信部306が受け取る情報を受信するアンテナ306aと、自車の走行状態を管理する自律航法手段307と、地図データに基づいて指定された目的地までの経路を探索する経路探索手段308と、地図上に自車の走行位置を表示する走行状態表示処理手段309と、各種の動作モードや動作条件を設定する操作部15等を備えて構成され、単一または複数のCPUとその動作プログラムが格納されたROM及びワーキングエリアに使用されるRAMを備えて各ブロックが制御されるように構成され、指定された地点に自車を誘導するナビゲーション機能を有している。つまり、上述したナビゲーション部206は、自律航法手段307、経路探索手段308、及び走行状態表示処理手段309等を備えて構成されている。
【0054】
電波受信装置302は、受信アンテナ320と、受信アンテナ320を介して受信された伝送チャンネル(周波数帯域)を選局するチューナ321と、選局された受信信号からデジタル信号を取り出して誤り訂正処理を行ないTS(トランスポートストリーム)パケットを出力する復調部322と、TSパケットのうち映像・音声パケットから音声信号を復号してスピーカ16に出力するとともに、映像信号を復号して表示部7に出力するデコーダ323等を備えて構成されている。
【0055】
映像信号処理装置500は、ローパスフィルタ510と、第一圧縮処理部520とを映像ソース毎に備え、第一圧縮処理部520で圧縮された各映像信号を表示部7に出力するように構成されている。
【0056】
映像信号処理装置500は、ローパスフィルタ510により平滑化された構成画素を所定方向(ローパスフィルタ510による平滑化の方向と同方向)に映像ソースに対応した特性で高域強調処理する高域成分強調フィルタ530を映像ソース毎に備え、高域成分強調フィルタ530により高域強調処理された構成画素を第一圧縮処理部520で圧縮するように構成されている。
【0057】
ローパスフィルタ510及び高域成分強調フィルタ530は、複数のフィルタ係数で規定されるデジタルフィルタで構成されている。
【0058】
以下に詳述する。デジタルフィルタは、例えば、図13(a)に示すように、映像ソースから入力したソース信号の1フレームを構成する元画素データのうち、水平方向に配列された任意の元画素とそれに隣接する隣接元画素の3画素単位で、1:−2:1のフィルタ係数K1´、K2´、K3´を掛けて加算した値を別のフィルタ係数Kにより決定される係数δ(=3×K/16)で除算する。そして、除算した値に前記任意の元画素を加算することにより新たな画素を生成する処理を実行する。尚、図中「FF」は、複数画素間での乗算や加算のタイミングを合わせるために画素を保管するレジスタである。
【0059】
図13(a)のデジタルフィルタにおいて、フィルタ係数Kを正の値とするとローパスフィルタ510となり、フィルタ係数Kを負の値とすると高域成分強調フィルタ530となる。図13(b)に、Kの値によって変化する周波数特性を示す。つまり、映像信号処理装置500は、映像ソース毎に二個のデジタルフィルタを備えており、その一方がKを正の値にしたローパスフィルタ510であり、他方がKを負の値にした高域成分強調フィルタ530である。
【0060】
尚、上述では、ローパスフィルタ510及び高域成分強調フィルタ530は、フィルタ係数Kを変更することで、複数種類に規定される構成について説明したが、フィルタ係数Kの代わりに、または、フィルタ係数Kに加えて、フィルタ係数K1´、K2´、K3´を変更することで、複数種類に規定される構成であってもよい。
【0061】
また、ローパスフィルタ510及び高域成分強調フィルタ530は、図13(a)に示す構成に限らない。例えば、ローパスフィルタ510は、図20に示すように、映像ソースから入力したソース信号の1フレームを構成する元画素データのうち、水平方向に配列された任意の元画素とそれに隣接する隣接元画素の3画素単位で、1:2:1のフィルタ係数K1´、K2´、K3´を掛けて加算した値を係数δ(=4)で除算することにより新たな画素を生成する構成であってもよい。
【0062】
第一圧縮処理部520は、図14(a)に示すように、入力された構成画素のうち、偶数配列の画素または奇数配列の画素の何れかの画素群を1フレームに亘って抽出する工程を実行する。尚、第一圧縮処理部520による処理は上述した工程に限らない。例えば、図14(b)に示すように、連続する二画素を一単位として画素群を抽出する工程を実行する構成であってもよいし、図14(c)に示すように、三種類の画素群を抽出する工程を実行する構成であってもよい。
【0063】
映像信号処理装置500は、図12に示すように、フィルタ係数を映像ソースに対応して可変に設定するフィルタ特性設定部540を備えている。フィルタ特性設定部540を備えることで、各映像ソースにとって良好なフィルタ係数に設定されたデジタルフィルタを、各映像ソースについて使用することができる。
【0064】
フィルタ特性設定部540は、映像ソースの構成画素と第二圧縮処理部550で圧縮された構成画素の周波数特性を差分演算してフレーム単位の差分周波数特性を求める周波数特性算出部541と、複数組のローパスフィルタ510及び高域成分強調フィルタ520を規定するフィルタ係数及び当該フィルタ係数に対応した周波数特性を記憶するフィルタ特性記憶部542と、差分周波数特性とフィルタ係数に対応した周波数特性を比較する特性比較部543を備え、特性比較部543による比較結果に基づいてフィルタ係数を設定するように構成されている。
【0065】
周波数特性算出部541は、ローパスフィルタ510及び高域成分強調フィルタ530を通す前の映像ソースの構成画素と、前記構成画素を第二圧縮処理部550で圧縮した後の圧縮構成画素とを入力して、前記構成画素と前記圧縮構成画素とを全周波数領域、つまり零周波数からサンプリング周波数の二分の一の周波数の領域に渡って差分演算することで、前記構成画素と前記圧縮構成画素の差分周波数特性H(f)を算出する。算出した差分周波数特性H(f)の例を図15(a)に示す。
【0066】
尚、第二圧縮処理部550は、第一圧縮処理部520と同様、入力された構成画素のうち、偶数配列の画素または奇数配列の画素の何れかの画素群を1フレームに亘って抽出する工程を実行するが、第一圧縮処理部520と異なり、ローパスフィルタ510を介していないフレーム構成画素を所定方向に圧縮する。
【0067】
また、周波数特性算出部541は、算出した差分周端数特性の利得を正負反転させた逆差分周波数特性1/H(f)を求める。算出した逆差分周波数特性1/H(f)の例を図15(b)に示す。
【0068】
フィルタ特性記憶部542は、例えば、制御部200のROM231の所定領域として構成されている。そして、図16に示すように、フィルタ係数Kの値がm通りであるローパスフィルタ510と、フィルタ係数Kの値がn通りである高域成分強調フィルタ530との組合せ(最大m×n通り)に対応する周波数特性G(f)(G1(f)〜Gx(f):xは、最大でm×n)を、以下に詳述する演算によって予め算出しておき、記憶するように構成されている。
【0069】
周波数特性の算出について詳述する。図13(a)に示されるデジタルフィルタへの入力画素x(n−1)、x(n−2)、及びx(n−3)に対する出力画素y(n)は、以下の数1で表わされる。
【数1】

【0070】
数1をフーリエ変換すると、以下の数2で示される周波数特性A(k)が求められる。尚、数2において、Nは離散点数で任意の値であり、kは0〜N−1である。
【数2】

【0071】
数2を実部Re(k)と虚部Im(k)に分けると、実部Re(k)は数3で示され、虚部Im(k)は数4で示される。
【数3】


【数4】

【0072】
数3の実部Re(k)と数4の虚部Im(k)を、以下で示す数5に代入することで周波数特性A(k)が算出され、算出された周波数特性A(k)を、以下で示す数6に代入することで周波数特性A(k)´が算出される。このとき、フィルタ係数Kを正の値とすると、周波数特性A(k)´はローパスフィルタ510の周波数特性L(k)´として算出され、フィルタ係数Kを負の値とすると、周波数特性A(k)´は高域成分強調フィルタ530の周波数特性H(k)´として算出される。
【数5】


【数6】

【0073】
数7のように周波数特性L(K)´及び周波数特性H(K)´を加算することで、周波数特性C(K)´が算出される。
【数7】

【0074】
そして、フィルタ特性記憶部542は、正の値のフィルタ係数K(つまり、ローパスフィルタ510)と負の値のフィルタ係数K(つまり、高域成分強調フィルタ530)の各組合せについて算出された周波数特性C(K)´を周波数特性G(f)(G1(f)〜Gx(f))として、記憶するのである。
【0075】
上述の構成によれば、フィルタ特性記憶部542は多数の周波数特性を記憶し、フィルタ特性設定部540は、その中から各映像ソースにとって最も良好な周波数特性を選択することができる。つまり、フィルタ特性記憶部542に多くの周波数特性が記憶されているほど、フィルタ特性設定部540は、より良い周波数特性を選択することができるのである。
【0076】
特性比較部543は、差分周波数特性と逆特性を示す逆差分周波数特性と、各フィルタ係数に対応した周波数特性との周波数毎の差分の総和を算出する。
【0077】
例えば、特性比較部543は、図17(a)に示すように、差分算出部543aと、絶対値算出部543bと、合計算出部543cとを備えて構成されている。そして、特性比較部543は、図17(b)に示すように、差分算出部543aにおいて、全周波数領域を所定の周波数単位で所定数(例えばi個)に分割した周波数f1〜fi毎に、逆差分周波数特性1/H(f)と対応する周波数特性G(f)との差分ΔH1〜ΔHiを夫々算出し、絶対値算出部543bにおいて、全ての差分について絶対値をとり、合計算出部543cにおいて、全ての絶対値を合計する。特性比較部543は、以上の演算を、図17(a)に示すように、全ての周波数特性G1(f)〜Gx(f)について実行する。
【0078】
フィルタ特性設定部540は特性比較部543で算出された周波数毎の差分の総和が最も小さくなるフィルタ係数Kを、ローパスフィルタ510及び高域成分強調フィルタ520のフィルタ係数に設定する。
【0079】
以下に詳述する。特性比較部543は、最小値抽出部543dを備えて構成されており、最小値抽出部543dは、合計算出部543cから入力された全ての周波数特性G1(f)〜Gx(f)についての差分の合計値のうち、最も小さい差分の合計値を抽出する。そして、フィルタ特性設定部540は、最小値抽出部543dで抽出された差分の合計値に相当する周波数特性G(f)に対応するフィルタ係数K(正の数)とフィルタ係数K(負の数)とを夫々、ローパスフィルタ510と高域成分強調フィルタ530のフィルタ係数Kとして設定する。
【0080】
図15(b)及び図16に例示するように、逆差分周波数特性1/H(f)は、各フィルタ係数Kに対応した周波数特性G(f)と同傾向の特性を示すことから、各フィルタ係数Kに対応した周波数特性G(f)と対比するのに好適である。また、逆差分周波数特性1/H(f)と各フィルタ係数Kに対応した周波数特性G(f)とを比較するに当たって、周波数毎の差分の総和の大小で比較する方法は、複雑な演算を要することがないことから好適な方法である。
【0081】
特性比較部543は、映像ソースの所定フレーム数単位でフィルタ係数Kを更新設定するように構成されている。
【0082】
以下に詳述する。所定フレーム数は、例えば、30フレームである。特性比較部543は、30フレームのうちの所定番目のフレーム(例えば、10番目のフレーム)について、差分算出部543a、絶対値算出部543b、及び合計算出部543cでの演算を実行する。尚、所定フレーム数は30フレームに限らず、例えば5フレームや1フレームであってもよい。
【0083】
30フレーム分の映像ソースの入力が終了すると、フィルタ特性設定部540は、特性比較部543で10番目のフレームについて算出された周波数毎の差分の総和が最も小さくなるフィルタ係数Kを、新たなフィルタ係数Kとしてローパスフィルタ510と高域成分強調フィルタ530に設定する。そして、次のフレームから30フレームの間、ローパスフィルタ510と高域成分強調フィルタ530のフィルタ係数Kは、夫々新たなフィルタ係数Kに維持されて更新されることはない。
【0084】
尚、特性比較部543は、30フレームのうちの全てのフレームについて、差分算出部543aでの演算を実行して、30フレーム分の差分の平均、最大値、または最小値等を算出し、算出した差分に基づいて絶対値算出部543b及び合計算出部543cでの演算を実行する構成であってもよい。
【0085】
また、特性比較部543は、1フレーム毎ではなく、30フレームのうちの所定数のフレーム(例えば、5、10、15、20、25、及び30番目の6フレーム)について、差分算出部543aでの演算を実行して、6フレーム分の差分の平均、最大値、または最小値等を算出し、算出した差分に基づいて絶対値算出部543b及び合計算出部543cでの演算を実行する構成であってもよい。
【0086】
上述の構成によれば、映像信号処理装置500は、連続して入力される映像ソースからの信号に対して、表示部7に表示される映像を見る者にとって見易い映像に維持するように、フィルタ係数を自動調整できる。
【0087】
以上説明したとおり、本発明による映像信号処理方法は、フレーム構成画素を所定方向に平滑化するローパスフィルタ処理と、前記ローパスフィルタ処理により平滑化された構成画素を前記所定方向に圧縮する圧縮処理を映像ソース毎に実行し、前記圧縮処理で圧縮された各映像信号を、異なる視方向に異なる映像ソースに対応した映像を同一画面に表示可能な表示部7に出力する映像信号処理方法であって、前記ローパスフィルタ処理により平滑化された構成画素を前記所定方向に前記映像ソースに対応した特性で高域強調処理する高域成分強調フィルタ処理を映像ソース毎に実行し、前記高域成分強調フィルタ処理により高域強調処理された構成画素を前記圧縮処理で圧縮する方法である。
【0088】
また、本発明による映像信号処理方法は、前記ローパスフィルタ処理及び前記高域成分強調フィルタ処理が複数のフィルタ係数Kで規定されるデジタルフィルタ510、530で実行され、前記フィルタ係数Kを前記映像ソースに対応して可変に設定するフィルタ特性設定処理を備えている方法である。
【0089】
以下、別実施形態について説明する。上述の実施形態では、特性比較部543は、逆差分周波数特性と、各フィルタ係数に対応した周波数特性との周波数毎の差分の総和を算出する構成について説明したが、特性比較部543は逆差分周波数特性と、各フィルタ係数に対応した周波数特性との周波数毎の差分を算出し、当該差分を映像ソースに関連付けた所定帯域で所定の重み係数で重み付けした後にその総和を算出する構成であってもよい。
【0090】
以下に詳述する。本構成の場合、特性比較部543は、図18に示すように、絶対値算出部543bの後段に重み付け演算部543eを備えている。
【0091】
重み付け演算部543eは、例えば、増幅器等を備えて構成されており、絶対値算出部543bから出力されてきた所定の周波数領域(例えば、高域)の差分ΔH1〜ΔHiは増幅し、その他の周波数領域(例えば、中域及び低域)の差分ΔH1〜ΔHiは増幅しないことで、所定の周波数領域の差分ΔH1〜ΔHiが他の周波数領域の差分ΔH1〜ΔHiに比べて大きく算出される。
【0092】
これによって、例えば、高域に対する重みを大きくしている場合、高域での差分が他の周波数領域での差分よりも、合計算出部543cで算出される合計値に与える影響が大きくなる。
【0093】
上述の構成によれば、全周波数領域で重点を置きたい帯域が映像ソース毎で異なる場合に、映像ソース毎に異なる帯域に対する重みを大きくすることができる。例えば、中低域での出力よりも高域での出力を正確にしたいナビゲーション装置のマップ情報では高域に対する重みを大きくし、高域での出力よりも中低域での出力を正確にしたい映画等の映像情報では中低域に対する重みを大きくすることで、映像ソースの種類によってより最適なローパスフィルタ510及び高域成分強調フィルタ530の組合せを選択することができる。
【0094】
上述の実施形態では、フィルタ特性記憶部542は、複数組のローパスフィルタ510及び高域成分強調フィルタ520を規定するフィルタ係数及び当該フィルタ係数に対応した周波数特性を記憶する構成について説明したが、複数の基準映像ソースに対応した複数組のローパスフィルタ510及び高域成分強調フィルタ520を規定するフィルタ係数及び当該フィルタ係数に対応した周波数特性を記憶する構成であってもよい。
【0095】
以下に詳述する。本構成では、事前に、複数の基準映像ソースの各々を映像信号処理装置500に入力させ、周波数特性算出部541で算出した各基準映像ソースの構成画素に基づく逆差分周波数特性とフィルタ係数の異なる複数組のローパスフィルタ510及び高域成分強調フィルタ530とを、特性比較部543にて比較する。そして、その比較結果に基づいて決定されたフィルタ係数に基づいて、上述の数1から数7で算出される周波数特性F(f)(F1(f)〜Fy(f):yは、基準映像ソースの種類数)を、当該基準映像ソースと対応づけてフィルタ特性記憶部542に記憶しておく。
【0096】
ここで、各基準映像ソースは、以下に例示するように分類されている。即ち、ナビゲーション装置、DVD再生機、テレビ受信機といった映像ソースの出力元装置の種類での分類、または、ある映像ソースにおける内容の種類(例えば、映画等における字幕有と字幕無や、スポーツ番組、教育番組、ドラマといった番組プログラムの種類)での分類等である。
【0097】
上述の構成によれば、フィルタ特性記憶部542は、基準映像ソースの種類数だけの周波数特性を記憶すればよく、基準映像ソースの種類数よりも多いフィルタ係数の組合せの種類数の周波数特性を記憶する必要がない。
【0098】
上述の実施形態では、フィルタ特性設定部540は特性比較部543で算出された周波数毎の差分の総和が最も小さくなるフィルタ係数を、ローパスフィルタ510及び高域成分強調フィルタ520のフィルタ係数に設定する構成について説明したが、フィルタ特性記憶部542が、複数の基準映像ソースに対応したフィルタ係数及び当該フィルタ係数に対応した周波数特性を記憶する構成である場合、フィルタ特性設定部540は特性比較部543で算出された周波数毎の差分の総和が所定の閾値より小さくなるフィルタ係数を、ローパスフィルタ510及び高域成分強調フィルタ530のフィルタ係数に設定する構成であってもよい。
【0099】
以下に詳述する。上述の実施形態のフィルタ特性設定部540は、図17(a)に示すように、フィルタ特性記憶部542に記憶されているローパスフィルタ510及び高域成分強調フィルタ530のフィルタ係数に対応する周波数特性G1(f)〜Gx(f)毎に備えられた合計算出部543cの合計値を全て入力して最小の合計値を抽出する一つの最小値抽出部543dを備えている。
【0100】
一方、本構成のフィルタ特性設定部540は、図19に示すように、フィルタ特性記憶部542に記憶されている基準映像ソース毎に設定されたローパスフィルタ510及び高域成分強調フィルタ530のフィルタ係数に対応する周波数特性F1(f)〜Fy(f)毎に備えられた合計算出部543cの合計値を所定の閾値と比較する差分比較部543fを、当該周波数特性F1(f)〜Fy(f毎に備えている。
【0101】
フィルタ特性設定部540は、入力映像ソースと同種類の基準映像ソースについて設定されたローパスフィルタ510及び高域成分強調フィルタ530のフィルタ係数に対応する周波数特性F(f)と、当該入力映像ソースの構成画素に基づいて算出した逆差分周波数特性との差分の合計値を、当該周波数特性F(f)に対応する合計算出部543cにて算出し、差分比較部543fにて所定の閾値と比較する。その結果、当該合計値が所定の閾値よりも小さい場合は、当該周波数特性F(f)に対応するフィルタ係数を、ローパスフィルタ510及び高域成分強調フィルタ530のフィルタ係数として設定する。この方法を、以下、方法Aと記す。
【0102】
本方法では、特定の合計算出部543cにおいて合計値を算出すればよく、図17(a)で説明した方法のように全ての合計算出部543cで合計値を算出する必要がない。
【0103】
一方、当該合計値が所定の閾値よりも大きい場合は、他の周波数特性F(f)の何れかに対応するフィルタ係数を、ローパスフィルタ510及び高域成分強調フィルタ530のフィルタ係数として設定するが、他の周波数特性F(f)の何れかに対応するフィルタ係数の選択方法としては、例えば、以下のような方法がある。
【0104】
つまり、フィルタ特性設定部540は、他の周波数特性F(f)の各々と、当該入力映像ソースの構成画素に基づいて算出した逆差分周波数特性との差分の合計値を、他の周波数特性F(f)の各々に対応する合計算出部543cにて算出し、各差分比較部543fにて所定の閾値と比較した結果、所定の閾値と比べて最も小さい合計値である周波数特性F(f)に対応するフィルタ係数を、ローパスフィルタ510及び高域成分強調フィルタ530のフィルタ係数として設定する。
【0105】
または、別の方法として、予め映像ソースの種類毎に、使用する周波数特性F(f)の優先順位を設定しておき、第一優先順位の周波数特性F(f)において当該合計値が所定の閾値よりも大きくなった場合に、第二優先順位の周波数特性F(f)に対応するフィルタ係数を、ローパスフィルタ510及び高域成分強調フィルタ530のフィルタ係数として設定する方法であってもよい。これらの方法を、以下、方法Bと記す。
【0106】
特性比較部543は、比較結果が所定の閾値を逸脱したときにフィルタ係数を更新設定するように構成されている。
【0107】
例えば、あるフィルタ係数が、方法Aによって、ローパスフィルタ510及び高域成分強調フィルタ530のフィルタ係数として設定されている状態で、差分比較部543において、合計算出部543cで算出された合計値が所定の閾値よりも大きくなると、フィルタ特性設定部540は、新たなフィルタ係数を方法Bによって設定する。逆に、あるフィルタ係数が、方法Bによって、ローパスフィルタ510及び高域成分強調フィルタ530のフィルタ係数として設定されている状態で、差分比較部543において、合計算出部543cで算出された合計値が所定の閾値よりも大きくなると、フィルタ特性設定部540は、新たなフィルタ係数を方法Aまたは方法Bによって設定する。
【0108】
上述の構成によっても、上述の実施形態と同様に、映像信号処理装置500は、連続して入力される映像ソースからの信号に対して、表示部7に表示される映像を見る者にとって見易い映像に維持するように、フィルタ係数を自動調整できる。
【0109】
尚、フィルタ特性記憶部542が、複数の基準映像ソースに対応したフィルタ係数及び当該フィルタ係数に対応した周波数特性を記憶する構成の場合でも、特性比較部543は、差分比較部543fではなく最小値抽出部543dを備えた構成であってもよい。逆に、複数組のローパスフィルタ510及び高域成分強調フィルタ520を規定するフィルタ係数及び当該フィルタ係数に対応した周波数特性を記憶する構成の場合でも、特性比較部543は、最小値抽出部543dではなく差分比較部543fを備えた構成であってもよい。
【0110】
以上説明した構成の場合であっても、特性比較部543は重み付け演算を行なう構成であってもよい。つまり、特性比較部543は逆差分周波数特性と、各フィルタ係数に対応した周波数特性との周波数毎の差分を算出し、当該差分を映像ソースに関連付けた所定帯域で所定の重み係数で重み付けした後にその総和を算出し、フィルタ特性設定部540は特性比較部543で算出された周波数毎の差分の総和が所定の閾値より小さくなるフィルタ係数を、ローパスフィルタ510及び高域成分強調フィルタ530のフィルタ係数に設定する構成であってもよい。
【0111】
上述の実施形態では、何れも圧縮方向が水平方向のものを説明したが、これに限定されるものではなく、縦方向に圧縮されるものであっても同様の処理が可能である。先の実施形態では、図14(a)、(b)で説明したように、圧縮率が50%に設定されたものを説明したが、圧縮率も同様にこの値に限定されるものではなく、図14(c)で説明したように、適宜設定された圧縮率に対して適用できるものである。
【0112】
上述の実施形態で示した夫々の装置及び方法は本発明の作用効果をそうする限りにおいて適宜組み合わせて実現することができる。また、個々の具体的回路構成は公知の技術を用いて適宜構成されるものである。
【0113】
尚、上述した実施形態では、表示部7を二方向のマルチビューとしたが、その他、三方向や四方向等複数の方向のマルチビューとして適用することも可能である。その場合、画素群としてはその方向の数だけ分散配置されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明に係る表示装置の概念図
【図2】表示装置の搭載例を示す斜視図
【図3】表示部の断面構造の概略図
【図4】表示パネルを正面から見た構造の概略図
【図5】二系統の映像信号から表示部に表示される映像信号の生成手順を示す説明図
【図6】TFT基板の概略を示す回路図
【図7】本発明に係る表示装置の概略を示すブロック図
【図8】画像出力部211の概略を示すブロック図
【図9】制御部200の概略を示すブロック図
【図10】メモリ218の概略を示すブロック図
【図11】本発明による表示装置のブロック図
【図12】本発明による映像信号処理装置のブロック図
【図13】(a)は、デジタルフィルタのブロック構成を示し、(b)は、デジタルフィルタの周波数特性を示す説明図
【図14】(a)は、奇数または偶数配列画素の抽出を示し、(b)は、連続する二画素の抽出を示し、(c)は、三種類の画素群の抽出を示す圧縮処理部による画素抽出工程の説明図
【図15】(a)は、差分周波数特性を示し、(b)は、逆差分周波数特性を示す説明図
【図16】フィルタ特性記憶部によるフィルタ係数及び周波数特性の記憶についての説明図
【図17】(a)は、特性比較部のブロック構成を示し、(b)は、差分算出部による差分の算出について示す説明図
【図18】重み付け演算部を備えた特性比較部のブロック図
【図19】差分比較部を備えた特性比較部のブロック図
【図20】ローパスフィルタのブロック図
【符号の説明】
【0115】
7:表示部
500:映像信号処理装置
510:ローパスフィルタ
520:第一圧縮処理部
530:高域成分強調フィルタ
540:フィルタ特性設定部
550:第二圧縮処理部
541:周波数特性算出部
542:フィルタ特性記憶部
543:特性比較部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム構成画素を所定方向に平滑化するローパスフィルタと、前記ローパスフィルタにより平滑化された構成画素を前記所定方向に圧縮する圧縮処理部を映像ソース毎に備え、前記圧縮処理部で圧縮された各映像信号を、異なる視方向に異なる映像ソースに対応した映像を同一画面に表示可能な表示部に出力する映像信号処理装置であって、
前記ローパスフィルタにより平滑化された構成画素を前記所定方向に前記映像ソースに対応した特性で高域強調処理する高域成分強調フィルタを映像ソース毎に備え、前記高域成分強調フィルタにより高域強調処理された構成画素を前記圧縮処理部で圧縮することを特徴とする映像信号処理装置。
【請求項2】
前記ローパスフィルタ及び前記高域成分強調フィルタが複数のフィルタ係数で規定されるデジタルフィルタで構成され、前記フィルタ係数を前記映像ソースに対応して可変に設定するフィルタ特性設定部を備えていることを特徴とする請求項1記載の映像信号処理装置。
【請求項3】
前記フィルタ特性設定部は、前記映像ソースの構成画素と前記ローパスフィルタを介していないフレーム構成画素を所定方向に圧縮する第二圧縮処理部で圧縮された構成画素の周波数特性を差分演算してフレーム単位の差分周波数特性を求める周波数特性算出部と、複数組のローパスフィルタ及び高域成分強調フィルタを規定するフィルタ係数及び当該フィルタ係数に対応した周波数特性を記憶するフィルタ特性記憶部と、前記差分周波数特性と前記フィルタ係数に対応した周波数特性を比較する特性比較部を備え、前記特性比較部による比較結果に基づいて前記フィルタ係数を設定することを特徴とする請求項2記載の映像信号処理装置。
【請求項4】
前記特性比較部は前記差分周波数特性と逆特性を示す逆差分周波数特性と、各フィルタ係数に対応した周波数特性との周波数毎の差分の総和を算出し、前記フィルタ特性設定部は前記特性比較部で算出された周波数毎の差分の総和が最も小さくなるフィルタ係数を、前記ローパスフィルタ及び前記高域成分強調フィルタのフィルタ係数に設定することを特徴とする請求項3記載の映像信号処理装置。
【請求項5】
前記特性比較部は前記差分周波数特性と逆特性を示す逆差分周波数特性と、各フィルタ係数に対応した周波数特性との周波数毎の差分を算出し、当該差分を映像ソースに関連付けた所定帯域で所定の重み係数で重み付けした後にその総和を算出し、前記フィルタ特性設定部は前記特性比較部で算出された周波数毎の差分の総和が最も小さくなるフィルタ係数を、前記ローパスフィルタ及び前記高域成分強調フィルタのフィルタ係数に設定することを特徴とする請求項3記載の映像信号処理装置。
【請求項6】
前記フィルタ特性設定部は、前記映像ソースの構成画素と前記ローパスフィルタを介していないフレーム構成画素を所定方向に圧縮する第二圧縮処理部で圧縮された構成画素の周波数特性を差分演算してフレーム単位の差分周波数特性を求める周波数特性算出部と、複数の基準映像ソースに対応した複数組のローパスフィルタ及び高域成分強調フィルタを規定するフィルタ係数及び当該フィルタ係数に対応した周波数特性を記憶するフィルタ特性記憶部と、前記差分周波数特性と前記フィルタ係数に対応した周波数特性を比較する特性比較部を備え、前記特性比較部による比較結果に基づいて前記フィルタ係数を設定することを特徴とする請求項2記載の映像信号処理装置。
【請求項7】
前記特性比較部は前記差分周波数特性と逆特性を示す逆差分周波数特性と、各フィルタ係数に対応した周波数特性との周波数毎の差分の総和を算出し、前記フィルタ特性設定部は前記特性比較部で算出された周波数毎の差分の総和が所定の閾値より小さくなるフィルタ係数を、前記ローパスフィルタ及び前記高域成分強調フィルタのフィルタ係数に設定することを特徴とする請求項6記載の映像信号処理装置。
【請求項8】
前記特性比較部は前記差分周波数特性と逆特性を示す逆差分周波数特性と、各フィルタ係数に対応した周波数特性との周波数毎の差分を算出し、当該差分を映像ソースに関連付けた所定帯域で所定の重み係数で重み付けした後にその総和を算出し、前記フィルタ特性設定部は前記特性比較部で算出された周波数毎の差分の総和が所定の閾値より小さくなるフィルタ係数を、前記ローパスフィルタ及び前記高域成分強調フィルタのフィルタ係数に設定することを特徴とする請求項6記載の映像信号処理装置。
【請求項9】
請求項1から8の何れかに記載した映像信号処理装置と、当該映像信号処理装置により駆動される表示部を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項10】
フレーム構成画素を所定方向に平滑化するローパスフィルタ処理と、前記ローパスフィルタ処理により平滑化された構成画素を前記所定方向に圧縮する圧縮処理を映像ソース毎に実行し、前記圧縮処理で圧縮された各映像信号を、異なる視方向に異なる映像ソースに対応した映像を同一画面に表示可能な表示部に出力する映像信号処理方法であって、
前記ローパスフィルタ処理により平滑化された構成画素を前記所定方向に前記映像ソースに対応した特性で高域強調処理する高域成分強調フィルタ処理を映像ソース毎に実行し、前記高域成分強調フィルタ処理により高域強調処理された構成画素を前記圧縮処理で圧縮することを特徴とする映像信号処理方法。
【請求項11】
前記ローパスフィルタ処理及び前記高域成分強調フィルタ処理が複数のフィルタ係数で規定されるデジタルフィルタで実行され、前記フィルタ係数を前記映像ソースに対応して可変に設定するフィルタ特性設定処理を備えていることを特徴とする請求項10記載の映像信号処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2009−204862(P2009−204862A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−46774(P2008−46774)
【出願日】平成20年2月27日(2008.2.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】