説明

映像信号処理装置

【課題】映像信号を伝送する映像信号処理装置の配線本数を削減する。
【解決手段】映像信号処理装置50には、クロック発生回路4、AD変換回路11、AD変換回路12、デコード回路13、デコード回路14、マルチプレクサ15、デマルチプレクサ16、及び表示制御部17が設けられる。コンポジットビデオ信号Scomp1は、クロック信号Sclkに基づいて、アナログ・デジタル変換回路11とデコーダ回路13で信号処理される。コンポジットビデオ信号Scomp2は、クロック信号Sclkに基づいて、アナログ・デジタル変換回路12とデコーダ回路14で信号処理される。マルチプレクサ15は、クロック信号Sclk2xに基づいて、デコード処理信号S11及びS21を時分割多重する。デマルチプレクサ16は、クロック信号Sclk2xに基づいて、デマルチプレクサ信号を多重分離し、映像信号を復元する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像信号処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
映像信号処理装置では、NTSC(National television System Committee)、PAL(Phase Alternation By Line)、或いはSECAM方式などのコンポジットビデオ信号(複合映像信号)がAD変換回路に入力され、アナログ・デジタル変換される。アナログ・デジタル変換された映像信号は、デコーダ回路でデコード処理される(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1などに記載される映像信号処理装置において、複数のコンポジットビデオ信号(複合映像信号)を信号処理する場合、信号処理された映像データ信号を伝送する信号本数が増加するという問題点がある。また、複数のコンポジットビデオ信号(複合映像信号)をそれぞれ別々の半導体集積回路或いは半導体モジュールで信号処理する場合、部品点数の増加や信号本数の増加が発生して映像信号処理装置の実装面積が増大するという問題点がある。また、複数のコンポジットビデオ信号(複合映像信号)をそれぞれ別々の半導体集積回路或いは半導体モジュールで信号処理する場合、映像信号処理装置の特性が劣化する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−331752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、映像信号を伝送する配線本数を削減することができる映像信号処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の映像信号処理装置は、n本(ただし、nは2以上)の複合映像信号の内いずれか1つが入力され、第1のクロック信号に基づいてこの信号をアナログ・デジタル変換し、アナログ・デジタル変換信号を出力するn個のAD変換回路と、前記第1のクロック信号に基づいて、前記n個のAD変換回路からそれぞれ出力されるアナログ・デジタル変換信号の内1つをデコードし、デコード処理されたデコード処理信号を出力するn個のデコード回路と、第2のクロック信号に基づいて、前記n個のデコード回路からそれぞれ出力されるデコード処理信号を時分割多重し、時分割多重された映像データ信号を生成するマルチプレクサとを具備することを特徴とする。
【0007】
更に、本発明の他態様の映像信号処理装置は、第1の複合映像信号が入力され、第1のクロック信号に基づいて前記第1の複合映像信号をアナログ・デジタル変換し、第1のアナログ・デジタル変換信号を出力する第1のAD変換回路と、第2の複合映像信号が入力され、前記第1のクロック信号に基づいて前記第2の複合映像信号をアナログ・デジタル変換し、第2のアナログ・デジタル変換信号を出力する第2のAD変換回路と、前記第1のクロック信号に基づいて、前記第1のアナログ・デジタル変換信号をデコードし、デコード処理された第1のデコード処理信号を出力する第1のデコード回路と、前記第1のクロック信号に基づいて、前記第2のアナログ・デジタル変換信号をデコードし、デコード処理された第2のデコード処理信号を出力する第2のデコード回路と、前記第1のクロック信号の2倍の周波数を有する第2のクロック信号に基づいて、前記第1及び第2のデコード処理信号を時分割多重し、時分割多重された映像データ信号を出力するマルチプレクサと、前記第2のクロック信号に基づいて、前記マルチプレクサから出力される時分割多重された映像データ信号を多重分離するデマルチプレクサとを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、映像信号を伝送する配線本数を削減することができる映像信号処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例1に係る映像信号処理装置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施例1に係るデマルチプレクサによる映像データ信号の復元方法を模式的に示すタイミングチャート。
【図3】本発明の実施例2に係る映像信号処理装置の構成を示すブロック図。
【図4】本発明の実施例2にデマルチプレクサによる映像データ信号の復元方法を模式的に示すタイミングチャート。
【図5】本発明の実施例3に係る映像信号処理装置の構成を示すブロック図。
【図6】本発明の実施例3に係るデマルチプレクサによる映像データ信号の復元方法を模式的に示すタイミングチャート。
【図7】本発明の実施例4に係るデマルチプレクサによる映像データ信号の復元方法を模式的に示すタイミングチャート。
【図8】本発明の実施例5に係る映像信号処理装置の構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0011】
まず、本発明の実施例1に係る映像信号処理装置について、図面を参照して説明する。図1は映像信号処理装置の構成を示すブロック図である。本実施例では、デコード回路でデコード処理された複数の映像信号を時分割多重処理している。
【0012】
図1に示すように、映像信号処理装置50には、クロック発生回路4、AD変換回路11、AD変換回路12、デコード回路13、デコード回路14、マルチプレクサ15、デマルチプレクサ16、及び表示制御部17が設けられる。映像信号処理装置50は、コンポジットビデオ信号Scomp1及びScomp2が入力され、映像信号処理された表示信号Sdispを出力する。
【0013】
ここで、コンポジットビデオ信号Scomp1及びScomp2は、色信号と輝度信号を複合(コンポジット)させたアナログ信号である。コンポジットビデオ信号Scomp1及びScomp2は、NTSC(National television System Committee)、PAL(Phase Alternation By Line)、或いはSECAM方式などで規格化された信号である。
【0014】
クロック発生回路4は、クロック信号Sclk、クロック信号Sclk/、及びクロック信号Sclk2xを生成する。クロック信号Sclkの周波数は、例えば27MHzである。クロック信号Sclk/はクロック信号Sclkの逆位相の信号である。クロック信号Sclk2xの周波数はクロック信号Sclkの2倍の、例えば54MHzである。
【0015】
クロック信号Sclk、クロック信号Sclk/、及びクロック信号Sclk2xは、クロック発生回路4内部で生成しているが(フリーランクロック信号)、代わりに、映像信号処理装置50外の、例えば水晶発信器から出力される図示しない基準クロック信号がクロック発生回路4に入力され、基準クロック信号に基づいてクロック信号Sclk、クロック信号Sclk/、クロック信号Sclk2xを生成してもよい。
【0016】
AD変換回路11は、カメラ1とデコード回路13の間に設けられ、カメラ1から出力される複合映像信号であるコンポジットビデオ信号Scomp1が入力され、クロック信号Sclkに基づいてコンポジットビデオ信号Scomp1をアナログ・デジタル変換し、アナログ・デジタル変換されたアナログ・デジタル変換信号S1を出力する。
【0017】
AD変換回路12は、カメラ2とデコード回路14の間に設けられ、カメラ2から出力される複合映像信号であるコンポジットビデオ信号Scomp2が入力され、クロック信号Sclkに基づいてコンポジットビデオ信号Scomp2をアナログ・デジタル変換し、アナログ・デジタル変換されたアナログ・デジタル変換信号S2を出力する。
【0018】
デコード回路13は、AD変換回路11とマルチプレクサ15の間に設けられ、AD変換回路11から出力されるアナログ・デジタル変換信号S1が入力され、クロック信号Sclkに基づいてアナログ・デジタル変換信号S1をデコードし、デコード処理されたデコード処理信号S11を出力する。
【0019】
デコード回路14は、AD変換回路12とマルチプレクサ15の間に設けられ、AD変換回路12から出力されるアナログ・デジタル変換信号S2が入力され、クロック信号Sclkに基づいてアナログ・デジタル変換信号S2をデコードし、デコード処理されたデコード処理信号S21を出力する。
【0020】
ここで、デコード処理とは、例えばY(輝度)C(色)分離や色復調などを行う処理であり、R(赤)G(緑)B(青)、或いはY(輝度)Cb(青の差分)Cr(赤の差分)で構成される信号である。例えば、ITU(International Telecommunication Union 国際電気通信連合)−BT R601やITU−BT R656等で規格化された汎用のデータフォーマットである。
【0021】
マルチプレクサ15は、デコード回路13及び14とデマルチプレクサ16の間に設けられ、デコード回路13から出力されるデコード処理信号S11と、デコード回路14から出力されるデコード処理信号S21とが入力され、クロック信号Sclk2xに基づいてデコード処理信号S11及びS21を時分割多重し、時分割多重されたマルチプレクサ信号Smuxを出力する。時分割多重処理には、種々の方式があるが、ここではクロック信号Sclk2xの1周期毎にデコード処理信号S11の信号データとデコード処理信号S21の信号データを交互に多重化する。
【0022】
デマルチプレクサ16は、マルチプレクサ15と表示制御部17の間に設けられ、マルチプレクサ15から出力されるマルチプレクサ信号Smuxが入力され、クロック信号Sclk2xに基づいてマルチプレクサ信号Smuxを多重分離し、多重分離され、復元された映像データ信号であるデマルチプレクサ信号Sdemux1及びSdemux2を出力する。
【0023】
表示制御部17は、デマルチプレクサ16と表示装置3の間に設けられ、デマルチプレクサ信号Sdemux1及びSdemux2が入力され、表示装置3に映像を表示するために必要な表示信号Sdispを表示装置3に送信する。
【0024】
次に、映像データ信号の復元方法について図2を参照して説明する。図2はデマルチプレクサによる映像データ信号の復元方法を模式的に示すタイミングチャートである。
【0025】
図2に示すように、マルチプレクサ15から出力されるマルチプレクサ信号Smuxは、デコード回路13から出力されるデコード処理信号S11と、デコード回路14から出力されるデコード処理信号S21とが時分割多重処理された信号となる。
【0026】
マルチプレクサ信号Smuxの信号データは、例えば識別信号Ca1、識別信号Cb1、識別信号Ca2、識別信号Cb2、識別信号Ca3、識別信号Cb3、識別信号Ca4、識別信号Cb4、映像データ信号A1、映像データ信号B1、映像データ信号A2、映像データ信号B2、・・・と表されるように、クロックSclk2xの1周期毎に時分割多重された信号となる。
【0027】
ここで、識別信号Ca1、識別信号Ca2、識別信号Ca3、識別信号Ca4、映像データ信号A1、及び映像データ信号A2は、それぞれデータ期間がクロックSclk2xの1周期であるデコード処理信号S11の信号データである。識別信号Cb1、識別信号Cb2、識別信号Cb3、識別信号Cb4、映像データ信号B1、及び映像データ信号B2は、それぞれデータ期間がクロックSclk2xの1周期であるデコード処理信号S21の信号データである。
【0028】
識別信号Ca1、識別信号Ca2、識別信号Ca3、及び識別信号Ca4は、デコード処理信号S11の識別信号であり、例えば識別信号を示すリファレンス信号と識別コード(ITU−BT R656で規定されているSAV、EAVコード及びそれに続いて伝送されるデコード処理信号S11とデコード処理信号S12にそれぞれ別個に設定された値など)を示すデータ信号から構成される。
【0029】
識別信号Cb1、識別信号Cb2、識別信号Cb3、及び識別信号Cb4は、デコード処理信号S21の識別信号であり、例えば識別信号を示すリファレンス信号と識別コード(ITU−BT R656で規定されているSAV、EAVコード及びそれに続いて伝送されるデコード処理信号S11とデコード処理信号S12にそれぞれ別個に設定された値など)を示すデータ信号から構成される。
【0030】
デマルチプレクサ16による映像データ信号の復元は、例えばクロック発生回路4から出力される周波数54MHzを有するクロック信号Sclk2xの立ち上がりエッジで、映像データ信号であるマルチプレクサ信号Smuxのデータがラッチされる。
【0031】
まず、クロック信号Sclk2xの最初の立ち上がりエッジで、マルチプレクサ信号Smuxの識別信号Ca1がデータラッチされ、データ期間がクロックSclkの1周期であるデマルチプレクサ信号Sdemux1の識別信号Ca1として、デマルチプレクサ16から出力される。
【0032】
次に、クロック信号Sclk2xの2番目の立ち上がりエッジで、マルチプレクサ信号Smuxの識別信号Cb1がデータラッチされ、データ期間がクロックSclkの1周期であるデマルチプレクサ信号Sdemux2の識別信号Cb1として、デマルチプレクサ16から出力される。
【0033】
続いて、クロック信号Sclk2xの3番目の立ち上がりエッジで、マルチプレクサ信号Smuxの識別信号Ca2がデータラッチされ、データ期間がクロックSclkの1周期であるデマルチプレクサ信号Sdemux1の識別信号Ca2として、デマルチプレクサ16から出力される。
【0034】
そして、クロック信号Sclk2xの4番目の立ち上がりエッジで、マルチプレクサ信号Smuxの識別信号Cb2がデータラッチされ、データ期間がクロックSclkの1周期であるデマルチプレクサ信号Sdemux2の識別信号Cb2として、デマルチプレクサ16から出力される。これ以降、クロック信号Sclk2xの立ち上がりエッジで、映像データ信号が復元される。
【0035】
この結果、データ期間がクロックSclkの1周期を有する識別信号Ca1、識別信号Ca2、識別信号Ca3、識別信号Ca4、識別信号Ca4、映像データ信号A1、及び映像データ信号A2が復元された映像信号であるデマルチプレクサ信号Sdemux1として、デマルチプレクサ16から出力される。データ期間がクロックSclkの1周期を有する識別信号Cb1、識別信号Cb2、識別信号Cb3、識別信号Cb4、映像データ信号B1、及び映像データ信号B2が復元された映像信号であるデマルチプレクサ信号Sdemux2として、デマルチプレクサ16から出力される。
【0036】
上述したように、本実施例の映像信号処理装置では、クロック発生回路4、AD変換回路11、AD変換回路12、デコード回路13、デコード回路14、マルチプレクサ15、デマルチプレクサ16、及び表示制御部17が設けられる。カメラ1から出力されるコンポジットビデオ信号Scomp1は、クロック信号Sclkに基づいて、アナログ・デジタル変換回路11でアナログ・デジタル変換される。アナログ・デジタル変換回路11から出力されるアナログ・デジタル変換信号S1は、クロック信号Sclkに基づいて、デコーダ回路13でデコードされ、デコード処理信号S11として出力される。カメラ2から出力されるコンポジットビデオ信号Scomp2は、クロック信号Sclkに基づいて、アナログ・デジタル変換回路12でアナログ・デジタル変換される。アナログ・デジタル変換回路12から出力されるアナログ・デジタル変換信号S2は、クロック信号Sclkに基づいて、デコーダ回路14でデコードされ、デコード処理信号S21として出力される。マルチプレクサ15は、クロック信号Sclk2xに基づいて、デコード処理信号S11及びS21の信号データを時分割多重する。デマルチプレクサ16は、クロック信号Sclk2xに基づいて、マルチプレクサ信号Smuxを多重分離し、映像信号を復元する。
【0037】
このため、信号処理された映像データ信号を伝送する信号本数を削減することができる。また、2本の映像データ信号をマルチプレクサ15で時分割多重し、デマルチプレクサ16で多重分離しているので映像信号処理装置50の実装面積の増大を抑制することができる。更に、2本のコンポジットビデオ信号(複合映像信号)をそれぞれ別々の半導体集積回路或いは半導体モジュールで信号処理する場合で発生する映像信号処理装置の特性劣化が生じない。
【0038】
なお、本実施例では、クロック信号Sclk及びSclk2xの立ち上がりエッジで映像信号をラッチ処理しているが、代わりにクロック信号Sclk及びSclk2xの立ち下がりエッジで映像信号をラッチ処理してしてもよい。
【実施例2】
【0039】
次に、本発明の実施例2に係る映像信号処理装置について、図面を参照して説明する。図3は映像信号処理装置の構成を示すブロック図である。本実施例では、デマルチデプレクサによる復元方法を変更している。
【0040】
以下、実施例1と同一構成部分には、同一符号を付してその部分の説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【0041】
図3に示すように、映像信号処理装置51には、クロック発生回路4、AD変換回路11、AD変換回路12、デコード回路13、デコード回路14、マルチプレクサ15a、デマルチプレクサ16a、及び表示制御部17が設けられる。映像信号処理装置51は、コンポジットビデオ信号Scomp1及びScomp2が入力され、映像信号処理された表示信号Sdispを出力する。
【0042】
マルチプレクサ15aは、デコード回路13及び14とデマルチプレクサ16aの間に設けられ、デコード回路13から出力されるデコード処理信号S11と、デコード回路14から出力されるデコード処理信号S21とが入力され、クロック信号Sclk2xに基づいてデコード処理信号S11及びS21の信号データを時分割多重し、時分割多重されたマルチプレクサ信号Smuxを出力する。時分割多重処理には、種々の方式があるが、ここではクロック信号Sclk2xの1周期毎にデコード処理信号S11とデコード処理信号S21を交互に多重化する。マルチプレクサMUX15aは、デマルチプレクサ16aで行われる多重分離処理に使用されるイネーブル信号Senbを生成する。イネーブル信号Senbは、例えばクロック信号Sclkと同一な周期に設定される。
【0043】
デマルチプレクサ16aは、マルチプレクサ15aと表示制御部17の間に設けられ、マルチプレクサ15aから出力されるマルチプレクサ信号Smuxが入力され、クロック信号Sclk2x及びイネーブル信号Senbに基づいてマルチプレクサ信号Smuxを多重分離し、多重分離され、復元された映像データ信号であるデマルチプレクサ信号Sdemux1及びSdemux2を出力する。
【0044】
次に、映像データ信号の復元方法について図4を参照して説明する。図4はデマルチプレクサによる映像データ信号の復元方法を模式的に示すタイミングチャートである。
【0045】
図4に示すように、マルチプレクサ15aから出力されるマルチプレクサ信号Smuxは、デコード回路13から出力されるデコード処理信号S11と、デコード回路14から出力されるデコード処理信号S21とが時分割多重処理された信号となる。
【0046】
マルチプレクサ信号Smuxの信号データは、例えば映像データ信号A1、映像データ信号B1、映像データ信号A2、映像データ信号B2、映像データ信号A3、映像データ信号B3、映像データ信号A4、映像データ信号B4、映像データ信号A5、映像データ信号B5、映像データ信号A6、映像データ信号B6、・・・と表されるように、クロックSclk2xの1周期毎に時分割多重された信号となる。
【0047】
ここで、映像データ信号A1、映像データ信号A2、映像データ信号A3、映像データ信号A4、映像データ信号A5、及び映像データ信号A6は、それぞれデータ期間がクロックSclk2xの1周期であるデコード処理信号S11の信号データである。映像データ信号B1、映像データ信号B2、映像データ信号B3、映像データ信号B4、映像データ信号B5、及び映像データ信号B6は、それぞれデータ期間がクロックSclk2xの1周期であるデコード処理信号S21の信号データである。
【0048】
デマルチプレクサ16aによる映像データ信号の復元は、例えばクロック発生回路4から出力される周波数54MHzを有するクロック信号Sclk2xの立ち上がりエッジ及びイネーブル信号Senbに基づいて、映像データ信号であるマルチプレクサ信号Smuxのデータがラッチされる。イネーブル信号Senbがハイレベルのときに映像データ信号Aのデータがデータラッチされ、イネーブル信号Senbがローレベルのときに映像データ信号Bのデータがデータラッチされる。
【0049】
まず、クロック信号Sclk2xの最初の立ち上がりエッジとハイレベルのイネーブル信号Senbにより、マルチプレクサ信号Smuxの映像データ信号A1がデータラッチされ、データ期間がクロックSclkの1周期であるデマルチプレクサ信号Sdemux1の映像データ信号A1として、デマルチプレクサ16aから出力される。
【0050】
次に、クロック信号Sclk2xの2番目の立ち上がりエッジとローレベルのイネーブル信号Senbにより、マルチプレクサ信号Smuxの映像データ信号B1がデータラッチされ、データ期間がクロックSclkの1周期であるデマルチプレクサ信号Sdemux2の映像データ信号B1として、デマルチプレクサ16aから出力される。
【0051】
続いて、クロック信号Sclk2xの3番目の立ち上がりエッジとハイレベルのイネーブル信号Senbにより、マルチプレクサ信号Smuxの映像データ信号A2がデータラッチされ、データ期間がクロックSclkの1周期であるデマルチプレクサ信号Sdemux1の映像データ信号A2として、デマルチプレクサ16aから出力される。
【0052】
そして、クロック信号Sclk2xの4番目の立ち上がりエッジとローレベルのイネーブル信号Senbにより、マルチプレクサ信号Smuxの映像データ信号B2がデータラッチされ、データ期間がクロックSclkの1周期であるデマルチプレクサ信号Sdemux2の映像データ信号B2として、デマルチプレクサ16aから出力される。
【0053】
この結果、データ期間がクロックSclkの1周期を有する映像データ信号A1、映像データ信号A2、映像データ信号A3、映像データ信号A4、映像データ信号A5、及び映像データ信号A6が復元された映像信号であるデマルチプレクサ信号Sdemux1として、デマルチプレクサ16aから出力される。データ期間がクロックSclkの1周期を有する映像データ信号B1、映像データ信号B2、映像データ信号B3、映像データ信号B4、映像データ信号B5、及び映像データ信号B6が復元された映像信号であるデマルチプレクサ信号Sdemux2として、デマルチプレクサ16aから出力される。
【0054】
上述したように、本実施例の映像信号処理装置では、クロック発生回路4、AD変換回路11、AD変換回路12、デコード回路13、デコード回路14、マルチプレクサ15a、デマルチプレクサ16a、及び表示制御部17が設けられる。マルチプレクサ15aは、クロック信号Sclk2xに基づいて、デコード処理信号S11及びS21の信号データを時分割多重し、イネーブル信号Senbを生成するする。デマルチプレクサ16bは、クロック信号Sclk2x及びイネーブル信号Senbに基づいて、マルチプレクサ信号Smuxを多重分離し、映像信号を復元する。
【0055】
このため、信号処理された映像データ信号を伝送する信号本数を削減することができる。また、2本の映像データ信号をマルチプレクサ15aで時分割多重し、デマルチプレクサ16aで多重分離しているので映像信号処理装置51の実装面積の増大を抑制することができる。更に、2本のコンポジットビデオ信号(複合映像信号)をそれぞれ別々の半導体集積回路或いは半導体モジュールで信号処理する場合で発生する映像信号処理装置の特性劣化が生じない。
【0056】
なお、本実施例では、クロック信号Sclk及びSclk2xの立ち上がりエッジで映像信号をラッチ処理しているが、代わりにクロック信号Sclk及びSclk2xの立ち下がりエッジで映像信号をラッチ処理してしてもよい。また、イネーブル信号Senbをマルチプレクサ15aで生成しているが、例えばクロック発生回路4などで生成してもよい。
【実施例3】
【0057】
次に、本発明の実施例3に係る映像信号処理装置について、図面を参照して説明する。図5は映像信号処理装置の構成を示すブロック図である。本実施例では、デマルチデプレクサによる復元方法を変更している。
【0058】
以下、実施例1と同一構成部分には、同一符号を付してその部分の説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【0059】
図5に示すように、映像信号処理装置52には、クロック発生回路4、AD変換回路11、AD変換回路12、デコード回路13、デコード回路14、マルチプレクサ15、デマルチプレクサ16b、及び表示制御部17が設けられる。映像信号処理装置52は、コンポジットビデオ信号Scomp1及びScomp2が入力され、映像信号処理された表示信号Sdispを出力する。
【0060】
デマルチプレクサ16bは、マルチプレクサ15と表示制御部17の間に設けられ、マルチプレクサ15から出力されるマルチプレクサ信号Smuxが入力され、クロック信号Sclkに基づいてマルチプレクサ信号Smuxを多重分離し、多重分離され、復元された映像データ信号であるデマルチプレクサ信号Sdemux1及びSdemux2を出力する。
【0061】
次に、映像データ信号の復元方法について図6を参照して説明する。図6はデマルチプレクサによる映像データ信号の復元方法を模式的に示すタイミングチャートである。
【0062】
図6に示すように、マルチプレクサ信号Smuxの信号データは、例えば映像データ信号A1、映像データ信号B1、映像データ信号A2、映像データ信号B2、映像データ信号A3、映像データ信号B3、映像データ信号A4、映像データ信号B4、映像データ信号A5、映像データ信号B5、映像データ信号A6、映像データ信号B6、・・・と表されるように、クロックSclk2xの1周期毎に時分割多重された信号となる。
【0063】
デマルチプレクサ16bによる映像データ信号の復元は、例えばクロック発生回路4から出力される周波数27MHzを有するクロック信号Sclkの立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジで、映像データ信号であるマルチプレクサ信号Smuxのデータがラッチされる。
【0064】
まず、クロック信号Sclkの最初の立ち上がりエッジで、マルチプレクサ信号Smuxの映像データ信号A1がデータラッチされ、データ期間がクロックSclkの1周期であるデマルチプレクサ信号Sdemux1の映像データ信号A1として、デマルチプレクサ16bから出力される。
【0065】
次に、クロック信号Sclkの最初の立ち下がりエッジで、マルチプレクサ信号Smuxの映像データ信号B1がデータラッチされ、データ期間がクロックSclkの1周期であるデマルチプレクサ信号Sdemux2の映像データ信号B1として、デマルチプレクサ16bから出力される。
【0066】
続いて、クロック信号Sclkの2番目の立ち上がりエッジで、マルチプレクサ信号Smuxの映像データ信号A2がデータラッチされ、データ期間がクロックSclkの1周期であるデマルチプレクサ信号Sdemux1の映像データ信号A2として、デマルチプレクサ16bから出力される。
【0067】
そして、クロック信号Sclkの2番目の立ち下がりエッジで、マルチプレクサ信号Smuxの映像データ信号B2がデータラッチされ、データ期間がクロックSclkの1周期であるデマルチプレクサ信号Sdemux2の映像データ信号B2として、デマルチプレクサ16bから出力される。これ以降、同様なステップで信号処理される。
【0068】
この結果、データ期間がクロックSclkの1周期を有する映像データ信号A1、映像データ信号A2、映像データ信号A3、映像データ信号A4、映像データ信号A5、及び映像データ信号A6がデマルチプレクサ信号Sdemux1として、デマルチプレクサ16bから出力される。データ期間がクロックSclkの1周期を有する映像データ信号B1、映像データ信号B2、映像データ信号B3、映像データ信号B4、映像データ信号B5、及び映像データ信号B6がデマルチプレクサ信号Sdemux2として、デマルチプレクサ16bから出力される。
【0069】
上述したように、本実施例の映像信号処理装置では、クロック発生回路4、AD変換回路11、AD変換回路12、デコード回路13、デコード回路14、マルチプレクサ15、デマルチプレクサ16b、及び表示制御部17が設けられる。マルチプレクサ15は、クロック信号Sclk2xに基づいて、デコード処理信号S11及びS21の信号データを時分割多重する。デマルチプレクサ16bは、クロック信号Sclkの立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジで、マルチプレクサ信号Smuxを多重分離し、映像信号を復元する。
【0070】
このため、信号処理された映像データ信号を伝送する信号本数を削減することができる。また、2本の映像データ信号をマルチプレクサ15で時分割多重し、デマルチプレクサ16bで多重分離しているので映像信号処理装置52の実装面積の増大を抑制することができる。更に、2本のコンポジットビデオ信号(複合映像信号)をそれぞれ別々の半導体集積回路或いは半導体モジュールで信号処理する場合で発生する映像信号処理装置の特性劣化が生じない。
【実施例4】
【0071】
次に、本発明の実施例4に係る映像信号処理装置について、図面を参照して説明する。図7はデマルチプレクサによる映像データ信号の復元方法を示すタイミングチャートである。本実施例では、クロック信号とこのクロック信号の反転信号を用いて、デマルチプレクサが時分割多重された映像信号の多重分離処理を行っている。
【0072】
図7に示すように、デマルチプレクサにクロック発生回路4から出力されるクロック信号Sclkとクロック信号Sclk/が入力される。デマルチプレクサによる映像データ信号の復元は、周波数27MHzを有するクロック信号クロック信号Sclk及びSclk/の立ち上がりエッジに基づいて、映像データ信号であるマルチプレクサ信号Smuxのデータがラッチされる。
【0073】
まず、クロック信号Sclkの最初の立ち上がりエッジで、マルチプレクサ信号Smuxの映像データ信号A1がデータラッチされ、データ期間がクロックSclkの1周期であるデマルチプレクサ信号Sdemux1の映像データ信号A1として、デマルチプレクサから出力される。
【0074】
次に、クロック信号Sclk/の最初の立ち上がりエッジで、マルチプレクサ信号Smuxの映像データ信号B1がデータラッチされ、データ期間がクロックSclkの1周期であるデマルチプレクサ信号Sdemux2の映像データ信号B1として、デマルチプレクサから出力される。
【0075】
続いて、クロック信号Sclkの2番目の立ち上がりエッジで、マルチプレクサ信号Smuxの映像データ信号A2がデータラッチされ、データ期間がクロックSclkの1周期であるデマルチプレクサ信号Sdemux1の映像データ信号A2として、デマルチプレクサから出力される。
【0076】
そして、クロック信号Sclk/の2番目の立ち上がりエッジで、マルチプレクサ信号Smuxの映像データ信号B2がデータラッチされ、データ期間がクロックSclkの1周期であるデマルチプレクサ信号Sdemux2の映像データ信号B2として、デマルチプレクサから出力される。
【0077】
この結果、データ期間がクロックSclkの1周期を有する映像データ信号A1、映像データ信号A2、映像データ信号A3、映像データ信号A4、映像データ信号A5、及び映像データ信号A6が復元された映像信号であるデマルチプレクサ信号Sdemux1として、デマルチプレクサから出力される。データ期間がクロックSclkの1周期を有する映像データ信号B1、映像データ信号B2、映像データ信号B3、映像データ信号B4、映像データ信号B5、及び映像データ信号B6が復元された映像信号であるデマルチプレクサ信号Sdemux2として、デマルチプレクサから出力される。
【0078】
上述したように、本実施例の映像信号処理装置では、デマルチプレクサにクロック発生回路4から出力されるクロック信号Sclkとクロック信号Sclk/が入力される。デマルチプレクサは、クロック信号Sclkの立ち上がりエッジとクロック信号Sclk/の立ち上がりエッジで、マルチプレクサ信号Smuxを多重分離し、映像信号を復元する。このため、実施例1と同様な効果を有する。
【0079】
なお、本実施例では、デマルチプレクサでの処理において、クロック信号Sclk及びSclk/の立ち上がりエッジで映像信号をラッチ処理しているが、代わりにクロック信号Sclk及びSclk/の立ち下がりエッジで映像信号をラッチ処理してしてもよい。
【実施例5】
【0080】
次に、本発明の実施例5に係る映像信号処理装置について、図面を参照して説明する。図8は映像信号処理装置の構成を示すブロック図である。本実施例では、映像信号処理装置に入力されるコンポジットビデオ信号の信号本数を増加している。
【0081】
以下、実施例1と同一構成部分には、同一符号を付してその部分の説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【0082】
図8に示すように、映像信号処理装置53には、クロック発生回路4c、n個のAD変換回路、n個のデコード回路、マルチプレクサ15c、デマルチプレクサ16c、及び表示制御部17cが設けられる。映像信号処理装置53は、コンポジットビデオ信号Scomp1乃至Scompn(n本のコンポジットビデオ信号)が入力され、それぞれのコンポジットビデオ信号がAD変換回路及びデコード回路で信号処理され、映像信号処理された表示信号Sdispを出力する。ここで、n本とは少なくとも3本以上を言う。
【0083】
クロック発生回路4cは、クロック信号Sclk、クロック信号Sclk/、及びクロック信号Sclknxを生成する。クロック信号Sclkの周波数は、例えば27MHzである。クロック信号Sclk/はクロック信号Sclkの逆位相の信号である。クロック信号Sclknxの周波数はクロック信号Sclkのn倍である。
【0084】
クロック信号Sclk、クロック信号Sclk/、及びクロック信号Sclknxは、クロック発生回路4c内部で生成しているが、代わりに、例えば映像信号処理装置53外の水晶発信器から出力される図示しない基準クロック信号がクロック発生回路4cに入力され、基準クロック信号に基づいてクロック信号Sclk、クロック信号Sclk/、クロック信号Sclknxを生成してもよい。
【0085】
n番目のAD変換回路22は、n番目のカメラ21とn番目のデコード回路22の間に設けられ、カメラ21から出力されるn番目の複合映像信号であるコンポジットビデオ信号Scompnが入力され、クロック信号Sclkに基づいてコンポジットビデオ信号Scompnをアナログ・デジタル変換し、アナログ・デジタル変換されたアナログ・デジタル変換信号Snを出力する。
【0086】
n番目のデコード回路23は、AD変換回路22とマルチプレクサ15cの間に設けられ、AD変換回路22から出力されるアナログ・デジタル変換信号Snが入力され、クロック信号Sclkに基づいてアナログ・デジタル変換信号Snをデコードし、デコード処理されたデコード処理信号Sn1を出力する。
【0087】
マルチプレクサ15cは、n個のデコード回路(デコード回路13、・・・、デコード回路23)とデマルチプレクサ16cの間に設けられ、n個のデコード回路からそれぞれ出力されるn本のデコード処理信号S11乃至Sn1が入力され、クロック信号Sclknxに基づいてn本のデコード処理信号S11乃至Sn1を時分割多重し、時分割多重されたマルチプレクサ信号Smuxを出力する。時分割多重処理には、種々の方式があるが、ここではクロック信号Sclknxの1周期毎にn本のデコード処理信号S11乃至Sn1を順番に多重化する。
【0088】
デマルチプレクサ16cは、マルチプレクサ15cと表示制御部17cの間に設けられ、マルチプレクサ15cから出力されるマルチプレクサ信号Smuxが入力され、クロック信号Sclknxに基づいてマルチプレクサ信号Smuxを多重分離し、多重分離され、復元された映像データ信号であるn本のデマルチプレクサ信号Sdemux1乃至Sdemuxnを出力する。
【0089】
表示制御部17cは、デマルチプレクサ16cと表示装置3の間に設けられ、n本のデマルチプレクサ信号Sdemux1乃至Sdemuxnが入力され、表示装置3に映像を表示するために必要な表示信号Sdispを表示装置3に送信する。
【0090】
ここで、デマルチプレクサ16cでの映像データ信号の多重分離処理は、クロック信号Sclknxに基づいて、n本のデコード処理信号S11乃至Sn1の最初のデータ信号が順番に多重分離される。次に、n本のデコード処理信号S11乃至Sn1の2番目のデータ信号が順番に多重分離される。これ以降、同様な手順によりn本のデコード処理信号S11乃至Sn1のデータ信号が多重分離される。
【0091】
この結果、データ期間がクロックSclkの1周期を有し、デコード処理信号S11に対応する複数の映像データ信号がデマルチプレクサ信号Sdemux1として、デマルチプレクサ16cから出力される。データ期間がクロックSclkの1周期を有し、デコード処理信号S21に対応する複数の映像データ信号がデマルチプレクサ信号Sdemux2として、デマルチプレクサ16cから出力される。同様に、データ期間がクロックSclkの1周期を有し、デコード処理信号Sn1に対応する複数の映像データ信号がデマルチプレクサ信号Sdemuxnとして、デマルチプレクサ16cから出力される。
【0092】
上述したように、本実施例の映像信号処理装置では、クロック発生回路4c、n個のAD変換回路、n個のデコード回路、マルチプレクサ15c、デマルチプレクサ16c、及び表示制御部17cが設けられる。カメラ1から出力されるコンポジットビデオ信号Scomp1は、クロック信号Sclkに基づいて、アナログ・デジタル変換回路11でアナログ・デジタル変換される。アナログ・デジタル変換回路11から出力されるアナログ・デジタル変換信号S1は、クロック信号Sclkに基づいて、デコーダ回路13でデコードされ、デコード処理信号S11として出力される。カメラ2から出力されるコンポジットビデオ信号Scomp2は、クロック信号Sclkに基づいて、アナログ・デジタル変換回路12でアナログ・デジタル変換される。アナログ・デジタル変換回路12から出力されるアナログ・デジタル変換信号S2は、クロック信号Sclkに基づいて、デコーダ回路14でデコードされ、デコード処理信号S21として出力される。n番目のカメラ21から出力されるコンポジットビデオ信号Scompnは、クロック信号Sclkに基づいて、アナログ・デジタル変換回路22でアナログ・デジタル変換される。アナログ・デジタル変換回路22から出力されるアナログ・デジタル変換信号Snは、クロック信号Sclkに基づいて、デコーダ回路23でデコードされ、デコード処理信号Sn1として出力される。マルチプレクサ15cは、クロック信号Sclknxに基づいて、n本のデコード処理信号S11乃至Sn1を時分割多重する。デマルチプレクサ16cは、クロック信号Sclknxに基づいて、マルチプレクサ信号Smuxを多重分離し、映像信号を復元する。
【0093】
このため、信号処理されたn本の映像データ信号を伝送する信号本数を削減することができる。また、n本の映像データ信号をマルチプレクサ15cで時分割多重し、デマルチプレクサ16cで多重分離しているので映像信号処理装置53の実装面積の増大を抑制することができる。更に、n本のコンポジットビデオ信号(複合映像信号)をそれぞれ別々の半導体集積回路或いは半導体モジュールで信号処理する場合で発生する映像信号処理装置の特性劣化が生じない。
【0094】
本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々、変更してもよい。
【0095】
例えば、実施例5では、クロック発生回路4cから出力されるクロック信号Sclknxに基づいて、デマルチプレクサ16cで多重分離処理を実行しているが、マルチプレクサ15cに位相補正手段を設け、マルチプレクサ15cで位相補正されたクロック信号Sclknxに基づいてデマルチプレクサ16cで多重分離処理を実行してもよい。この方法は、マルチプレクサ15c出力されるマルチプレクサ信号Smuxと、クロック発生回路4cから出力され、デマルチプレクサ16cに入力されるクロック信号Sclknxとの間に大きな位相差が発生した場合などに有効である。
【0096】
本発明は、以下の付記に記載されているような構成が考えられる。
(付記1) 第1の複合映像信号が入力され、第1のクロック信号に基づいて前記第1の複合映像信号をアナログ・デジタル変換し、第1のアナログ・デジタル変換信号を出力する第1のAD変換回路と、第2の複合映像信号が入力され、前記第1のクロック信号に基づいて前記第2の複合映像信号をアナログ・デジタル変換し、第2のアナログ・デジタル変換信号を出力する第2のAD変換回路と、
前記第1のクロック信号に基づいて、前記第1のアナログ・デジタル変換信号をデコードし、デコード処理された第1のデコード処理信号を出力する第1のデコード回路と、前記第1のクロック信号に基づいて、前記第2のアナログ・デジタル変換信号をデコードし、デコード処理された第2のデコード処理信号を出力する第2のデコード回路と、イネーブル信号を生成し、前記第1のクロック信号の2倍の周波数を有する第2のクロック信号に基づいて、前記第1及び第2のデコード処理信号を時分割多重し、時分割多重された映像データ信号を出力するマルチプレクサと、前記第1のクロック信号の立ち上がりエッジと立ち下がりエッジに基づいて、前記マルチプレクサから出力される時分割多重された映像データ信号を多重分離するデマルチプレクサとを具備する映像信号処理装置。
【0097】
(付記2) 第1の複合映像信号が入力され、第1のクロック信号に基づいて前記第1の複合映像信号をアナログ・デジタル変換し、第1のアナログ・デジタル変換信号を出力する第1のAD変換回路と、第2の複合映像信号が入力され、前記第1のクロック信号に基づいて前記第2の複合映像信号をアナログ・デジタル変換し、第2のアナログ・デジタル変換信号を出力する第2のAD変換回路と、
前記第1のクロック信号に基づいて、前記第1のアナログ・デジタル変換信号をデコードし、デコード処理された第1のデコード処理信号を出力する第1のデコード回路と、前記第1のクロック信号に基づいて、前記第2のアナログ・デジタル変換信号をデコードし、デコード処理された第2のデコード処理信号を出力する第2のデコード回路と、イネーブル信号を生成し、前記第1のクロック信号の2倍の周波数を有する第2のクロック信号に基づいて、前記第1及び第2のデコード処理信号を時分割多重し、時分割多重された映像データ信号を出力するマルチプレクサと、前記第1のクロック信号と前記第1のクロック信号の逆位相の第3のクロック信号に基づいて、前記マルチプレクサから出力される時分割多重された映像データ信号を多重分離するデマルチプレクサとを具備する映像信号処理装置。
【0098】
(付記3) n本(ただし、nは2以上)の複合映像信号の内いずれか1つが入力され、第1のクロック信号に基づいてこの信号をアナログ・デジタル変換し、アナログ・デジタル変換信号を出力するn個のAD変換回路と、前記第1のクロック信号に基づいて、前記n個のAD変換回路からそれぞれ出力されるアナログ・デジタル変換信号の内1つをデコードし、デコード処理されたデコード処理信号を出力するn個のデコード回路と、第2のクロック信号に基づいて、前記n個のデコード回路からそれぞれ出力されるデコード処理信号を時分割多重し、時分割多重された映像データ信号を出力するマルチプレクサと、前記マルチプレクサで位相補正された前記第2のクロック信号に基づいて、前記マルチプレクサから出力される時分割多重された映像データ信号を多重分離するデマルチプレクサとを具備する映像信号処理装置。
【0099】
(付記4) 前記第2のクロック信号は、前記第1のクロック信号のn倍の周波数を有する付記2に記載の映像信号処理装置。
【符号の説明】
【0100】
1、2、21 カメラ
3 表示装置
4、4c クロック発生回路
11、12、22 AD変換回路
13、14 デコード回路
15、15a、15c マルチプレクサ
16、16a、16b、16c デマルチプレクサ
17 表示制御部
50〜53 映像信号処理装置
A1〜A6、B1〜B6 映像データ信号
Ca1〜Ca4、Cb1〜Cb4 識別信号
Sclk、Sclk/、Sclk2x、Sclkn クロック信号
Scomp1、Scomp2、Scompn コンポジットビデオ信号
Sdemux1、Sdemux2、Sdemuxn デマルチプレクサ信号
Sdisp 表示信号
Senb イネーブル信号
Smux マルチプレクサ信号
S1、S2、Sn アナログ・デジタル変換信号
S11、S21、Sn1 デコード処理信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
n本(ただし、nは2以上)の複合映像信号の内いずれか1つが入力され、第1のクロック信号に基づいてこの信号をアナログ・デジタル変換し、アナログ・デジタル変換信号を出力するn個のAD変換回路と、
前記第1のクロック信号に基づいて、前記n個のAD変換回路からそれぞれ出力されるアナログ・デジタル変換信号の内1つをデコードし、デコード処理されたデコード処理信号を出力するn個のデコード回路と、
第2のクロック信号に基づいて、前記n個のデコード回路からそれぞれ出力されるデコード処理信号を時分割多重し、時分割多重された映像データ信号を生成するマルチプレクサと、
を具備することを特徴とする映像信号処理装置。
【請求項2】
前記第2のクロック信号に基づいて、前記マルチプレクサから出力される時分割多重された映像データ信号を多重分離するデマルチプレクサを具備することを特徴とする請求項1に記載の映像信号処理装置。
【請求項3】
前記第2のクロック信号は、前記第1のクロック信号のn倍の周波数を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の映像信号処理装置。
【請求項4】
第1の複合映像信号が入力され、第1のクロック信号に基づいて前記第1の複合映像信号をアナログ・デジタル変換し、第1のアナログ・デジタル変換信号を出力する第1のAD変換回路と、
第2の複合映像信号が入力され、前記第1のクロック信号に基づいて前記第2の複合映像信号をアナログ・デジタル変換し、第2のアナログ・デジタル変換信号を出力する第2のAD変換回路と、
前記第1のクロック信号に基づいて、前記第1のアナログ・デジタル変換信号をデコードし、デコード処理された第1のデコード処理信号を出力する第1のデコード回路と、
前記第1のクロック信号に基づいて、前記第2のアナログ・デジタル変換信号をデコードし、デコード処理された第2のデコード処理信号を出力する第2のデコード回路と、
前記第1のクロック信号の2倍の周波数を有する第2のクロック信号に基づいて、前記第1及び第2のデコード処理信号を時分割多重し、時分割多重された映像データ信号を出力するマルチプレクサと、
前記第2のクロック信号に基づいて、前記マルチプレクサから出力される時分割多重された映像データ信号を多重分離するデマルチプレクサと、
を具備することを特徴とする映像信号処理装置。
【請求項5】
第1の複合映像信号が入力され、第1のクロック信号に基づいて前記第1の複合映像信号をアナログ・デジタル変換し、第1のアナログ・デジタル変換信号を出力する第1のAD変換回路と、
第2の複合映像信号が入力され、前記第1のクロック信号に基づいて前記第2の複合映像信号をアナログ・デジタル変換し、第2のアナログ・デジタル変換信号を出力する第2のAD変換回路と、
前記第1のクロック信号に基づいて、前記第1のアナログ・デジタル変換信号をデコードし、デコード処理された第1のデコード処理信号を出力する第1のデコード回路と、
前記第1のクロック信号に基づいて、前記第2のアナログ・デジタル変換信号をデコードし、デコード処理された第2のデコード処理信号を出力する第2のデコード回路と、
イネーブル信号を生成し、前記第1のクロック信号の2倍の周波数を有する第2のクロック信号に基づいて、前記第1及び第2のデコード処理信号を時分割多重し、時分割多重された映像データ信号を出力するマルチプレクサと、
前記イネーブル信号及び前記第2のクロック信号に基づいて、前記マルチプレクサから出力される時分割多重された映像データ信号を多重分離するデマルチプレクサと、
を具備することを特徴とする映像信号処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−166171(P2010−166171A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−5137(P2009−5137)
【出願日】平成21年1月13日(2009.1.13)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】