説明

映像再生システムおよび装置

【課題】 副映像表示有効時に補間フレーム生成時の誤補間を防ぐ映像再生技術を提供する。
【解決手段】 光ディスクドライブと、前記光ディスクドライブからの主映像データを復号し外部へ主映像データ復号信号として出力する主映像データ復号部と、前記光ディスクドライブからの副映像データを復号し外部へ副映像データ復号信号として出力する副映像データ復号部とを備えたことを特徴とする光ディスク再生装置。 また外部からの主映像データ復号信号を入力し補間フレーム生成結果の映像を出力する主映像信号処理部と、外部からの副映像データ復号信号を入力し補間フレーム生成結果の映像を出力する副映像信号処理部と、前記主映像信号処理部の出力と前記副映像信号処理部の出力とから合成映像を作成し出力する映像合成部とを備えたことを特徴とする映像表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、字幕等表示有効時に補間フレーム生成時の誤補間を防ぐ映像再生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
フラットパネルTVに占めるLCD(Liquid Crystal Display:液晶表示装置)の割合は年々増加しつつあり,2010年には世界のカラーTV台数の半数を占めると見られている。そしてLCDの大画面・高精細化が進むにつれて,動画でのぼけが課題として指摘されている。
【0003】
液晶TVの動画鮮明度を向上する試みは,液晶材料の応答性を画像処理だけで改善するLAOから,画像適応のバックライト制御方式あるいは120Hz倍速駆動とフレーム補間技術へと展開した。すなわち,ソフトウェア処理に加え,表示デバイスに改良を加えるハードウェア処理が開発されてきた。現在のハイエンド液晶TVでは120Hz倍速駆動が主流となっており,フレーム補間技術の精度が画質を決める重要なファクタとなっている。
【0004】
ところで先行技術で字幕表示を有効にして例えばDVD等の光ディスクを再生する場合、別々に記録されている映像データ(主映像)と字幕データ(副映像/サブピクチャー)を再生装置内で合成した後に、テレビ内で補間フレーム映像生成処理が行われる。このため、字幕表示に起因する補間フレーム生成時の誤補間を防ぐことが出来ず、字幕の文字化けが発生したり字幕の背景映像がちらつくなどといった問題点がある。
【0005】
関連して非特許文献1においては、字幕表示を有効にしてDVD/HD DVD/BD等の光ディスクを再生する場合、別々に記録されている映像データ(主映像)と字幕データ(副映像/サブピクチャー)を再生装置内で合成した後に、テレビ内で補間フレーム映像生成処理が行われる。このため、字幕表示に起因する補間フレーム生成時の誤補間を防ぐことが出来ず、字幕の文字化けが発生したり字幕の背景映像がちらつくなどといった問題点がある。
【非特許文献1】東芝レビュー 2007年8月号 P.26-30 「液晶テレビの動画高画質化技術-ソフトウェア処理からハードウェア処理へ」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、副映像表示有効時に補間フレーム生成時の誤補間を防ぐ映像再生技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の映像再生システムは、光ディスクドライブと、前記光ディスクドライブからの主映像データを復号し外部へ主映像データ復号信号として出力する主映像データ復号部と、前記光ディスクドライブからの副映像データを復号し外部へ副映像データ復号信号として出力する副映像データ復号部とを備えたことを特徴とする光ディスク再生装置と、また外部からの主映像データ復号信号を入力し補間フレーム生成結果の映像を出力する主映像信号処理部と、外部からの副映像データ復号信号を入力し補間フレーム生成結果の映像を出力する副映像信号処理部と、前記主映像信号処理部の出力と前記副映像信号処理部の出力とから合成映像を作成し出力する映像合成部とを備えたことを特徴とする映像表示装置とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、副映像表示有効時に補間フレーム生成時の誤補間を防ぐ映像再生技術が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を説明する。
【実施例1】
【0010】
本発明による実施形態1を図1乃至図4を参照して説明する。まず映像再生システムの一形態を一般的に説明する。図1は、この実施形態で説明する技術を適用したデジタルテレビジョン放送受信装置111の外観と、このデジタルテレビジョン放送受信装置111を中心として構成されるネットワークシステムの一例を概略的に示している。
【0011】
すなわち、デジタルテレビジョン放送受信装置111は、主として、薄型のキャビネット112と、このキャビネット112を起立させて支持する支持台113とから構成されている。そして、キャビネット112には、例えば液晶表示パネル等でなる平面パネル型の映像表示器114、スピーカ115、操作部116、リモートコントローラ117から送信される操作情報を受ける受光部118等が設置されている。
【0012】
さらに、このデジタルテレビジョン放送受信装置111には、例えば契約情報等の記録された第2のメモリカード(ICカード)120が着脱可能となっており、この第2のメモリカード120に対して情報の記録再生が行なわれるようになっている。
【0013】
また、このデジタルテレビジョン放送受信装置111は、第1のLAN(Local Area Network)端子121、第2のLAN端子122、USB(Universal Serial Bus)端子123及びi.LINK端子124を備えている。
【0014】
このうち、第2のLAN端子122は、イーサネット(登録商標)を用いた一般的なLAN対応ポートとして使用されるもので、例えばハブ126を介して、LAN対応のHDD127、PC(Personal Computer)128、HDD内蔵のDVD(Digital Versatile Disk)レコーダ129等の機器を接続し、これらの機器と情報伝送を行なうために使用される。
【0015】
なお、DVDレコーダ129については、第2のLAN端子122を介して通信されるデジタル情報が制御系のみの情報であるため、デジタルテレビジョン放送受信装置111との間でアナログの映像及び音声情報を伝送するために、専用のアナログ伝送路130を設ける必要がある。
【0016】
さらに、この第2のLAN端子122は、ハブ126に接続されたブロードバンドルータ131を介して、例えばインターネット等のネットワーク132に接続し、このネットワーク132を介してPC133や携帯電話134等と情報伝送を行なうために使用される。
【0017】
また、上記USB端子123は、一般的なUSB対応ポートとして使用されるもので、例えばハブ135を介して、携帯電話136、デジタルカメラ137、メモリカードに対するカードリーダ/ライタ138、HDD139、キーボード140等のUSB機器を接続し、これらのUSB機器と情報伝送を行なうために使用される。
【0018】
さらに、上記i.LINK端子124は、例えばAV−HDD141、D(Digital)
−VHS(Video Home System)142等をシリアル接続し、これらの機器と情報伝送を行なうために使用される。
図2は、上記したデジタルテレビジョン放送受信装置111の主要な信号処理系を示している。すなわち、BS/CSデジタル放送受信用のアンテナ243で受信した衛星デジタルテレビジョン放送信号は、入力端子244を介して衛星デジタル放送用のチューナ245に供給されることにより、所望のチャンネルの放送信号が選局される。
【0019】
そして、このチューナ245で選局された放送信号は、PSK(Phase Shift Keying)
復調器246に供給されて、デジタルの映像信号及び音声信号に復調された後、信号処理部247に出力される。
また、地上波放送受信用のアンテナ248で受信した地上デジタルテレビジョン放送信号は、入力端子249を介して地上デジタル放送用のチューナ250に供給されることにより、所望のチャンネルの放送信号が選局される。
【0020】
そして、このチューナ250で選局された放送信号は、例えば日本ではOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調器251に供給されて、デジタルの映像信号及び音声信号に復調された後、上記信号処理部247に出力される。
【0021】
また、上記地上波放送受信用のアンテナ248で受信した地上アナログテレビジョン放送信号は、入力端子249を介して地上アナログ放送用のチューナ252に供給されることにより、所望のチャンネルの放送信号が選局される。そして、このチューナ252で選局された放送信号は、アナログ復調器253に供給されてアナログの映像信号及び音声信号に復調された後、上記信号処理部247に出力される。
【0022】
ここで、上記信号処理部247は、PSK復調器246及びOFDM復調器251からそれぞれ供給されたデジタルの映像信号及び音声信号に対して、選択的に所定のデジタル信号処理を施し、グラフィック処理部254及び音声処理部255に出力している。
【0023】
また、上記信号処理部247には、複数(図示の場合は4つ)の入力端子256a,256b,256c,256dが接続されている。これら入力端子256a〜256dは、それぞれ、アナログの映像信号及び音声信号を、デジタルテレビジョン放送受信装置111の外部から入力可能とするものである。
【0024】
信号処理部247は、上記アナログ復調器253及び各入力端子256a〜256dからそれぞれ供給されたアナログの映像信号及び音声信号を選択的にデジタル化し、このデジタル化された映像信号及び音声信号に対して所定のデジタル信号処理を施した後、グラフィック処理部254及び音声処理部255に出力する。
【0025】
グラフィック処理部254は、信号処理部247から供給されるデジタルの映像信号に、OSD(On Screen Display)信号生成部257で生成されるOSD信号を重畳して出力する機能を有する。このグラフィック処理部254は、信号処理部247の出力映像信号と、OSD信号生成部257の出力OSD信号とを選択的に出力すること、また、両出力をそれぞれ画面の半分を構成するように組み合わせて出力することができる。
【0026】
グラフィック処理部254から出力されたデジタルの映像信号は、映像処理部258に供給される。この映像処理部258は、入力されたデジタルの映像信号を、前記映像表示器114で表示可能なフォーマットのアナログ映像信号に変換した後、映像表示器114に出力して映像表示させるとともに、出力端子259を介して外部に導出させる。
【0027】
また、上記音声処理部255は、入力されたデジタルの音声信号を、前記スピーカ115で再生可能なフォーマットのアナログ音声信号に変換した後、スピーカ115に出力して音声再生させるとともに、出力端子260を介して外部に導出させる。
【0028】
ここで、このデジタルテレビジョン放送受信装置111は、上記した各種の受信動作を含むその全ての動作を制御部261によって統括的に制御されている。この制御部261は、CPU(Central Processing Unit)等を内蔵しており、前記操作部116からの操作情報を受け、または、リモートコントローラ117から送出された操作情報を前記受光部118を介して受信し、その操作内容が反映されるように各部をそれぞれ制御している。
【0029】
この場合、制御部261は、主として、そのCPUが実行する制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)261aと、該CPUに作業エリアを提供するRAM(Random Access Memory)261bと、各種の設定情報及び制御情報等が格納される不揮発性メモリ261cとを利用している。
【0030】
さらに、上記制御部261は、カードI/F267を介して、前記第2のメモリカード120が装着可能なカードホルダ268に接続されている。これにより、制御部261は、カードホルダ268に装着された第2のメモリカード120と、カードI/F267を介して情報伝送を行なうことができる。
【0031】
さらに、上記制御部261は、通信I/F270を介して第2のLAN端子122に接続されている。これにより、制御部261は、第2のLAN端子122に接続された各機器(図1参照)と、通信I/F270を介して情報伝送を行なうことができる。
【0032】
また、上記制御部261は、USB I/F271を介して前記USB端子123に接続されている。これにより、制御部261は、USB端子123に接続された各機器(図1参照)と、USB I/F271を介して情報伝送を行なうことができる。
【0033】
さらに、上記制御部261は、i.LINK I/F272を介してi.LINK端子124に接続されている。これにより、制御部261は、i.LINK端子124に接続された各機器(図1参照)と、i.LINK I/F272を介して情報伝送を行なうことができる。
【0034】
従来、映像信号処理部内に補間フレーム生成回路を有するテレビと、光ディスクドライブから出力される映像データを復号する映像データ復号部と字幕データを復号する映像データ復号部、映像と字幕を合成する映像合成部を有する光ディスク再生装置から構成される先行技術による映像再生システムでの補間フレーム生成が行われていた。
【0035】
なお上記構成では例えば映像処理部258において補間フレーム生成が行われる。内部の図示せぬ映像データ処理部には、I/P変換回路や動特性改善回路などを備える画質改善回路が設けられている。画質改善回路は、番組内の映像シーンにおける動きの速度の大小、また例えばHD(High Definition)映像やSD(Standard Definition)映像といった放送波の解像度の違い、映像ソースの種類による画像フレーム数の違いなどに応じた映像データの高画質化処理の選択的な設定を可能とする。
【0036】
すなわち、画質改善回路が有するI/P変換回路は、インタレース/プログレッシブ変換を実現するための処理部であって、偶数及び奇数フィールドにそれぞれ相当するインタレース信号どうしを合成してプログレッシブな映像信号としてのフレームを生成する。ここで、本実施形態のI/P変換回路は、例えば2倍の情報量を持つプログレッシブ映像への変換を行うことが可能であり、実質的に生成されるフレームの数を増加させ高画質化処理を行う。詳細には、I/P変換回路は、プログレッシブ変換時に得られるフレームと同一のフレームをコピーして生成したり、また、前後のフレームの関係からその中間の過渡的な動画像に相当するフレームを予測して新たに生成することで、動きの速い映像シーンに対しても一定以上の映像品質を確保することができる。
【0037】
つまり、I/P変換回路は、映像シーンにおける動きの速度の大小に応じて、例えば、通常品質処理、中品質処理、高品質処理などを適宜設定することが可能である。I/P変換回路は、動きの速い映像シーンに対応させるために高品質処理が設定された場合、I/P変換時に生成されるフレームの数を2倍とし、中間の速さの映像シーンに対応させるために中品質処理が設定された場合、生成するフレームの数を1.5倍とし、動きの遅い映像シーンのための通常品質処理が設定された場合、生成するフレームの数を増加させない(1倍)とする処理を行う。
【0038】
動特性改善回路は、I/P変換回路と協働して動作し、このI/P変換回路によるI/P変換の際に例えば、動き検出を行い、プログレッシブ変換される画像に補正を加える。具体的には、動特性改善回路は、動きの速い映像シーンに対応させるために高品質処理が設定された場合、処理対象のフレームの前後のフレームを参照した動き検出を行い、プログレッシブ変換される画像を補正する。また、動特性改善回路は、中間の速さの映像シーンに対応させるために中品質処理が設定された場合、例えば、同一フレームの偶数、奇数フィールド間で、動き検出を行い画像を補正する。さらにまた、動特性改善回路は、動きの遅い映像シーンのための通常品質処理が設定された場合、このような動き検出を伴わないプログレッシブ変換を実行させる。
【0039】
従来に対して図3に本実施形態による映像再生システム構成の概略ブロック図を示す。
映像信号処理部11内に補間フレーム生成回路12、字幕信号処理部14内に補間フレーム生成回路15、補間フレーム生成後の映像と字幕を合成する映像合成部16を有するテレビ1と、光ディスクドライブ21から出力される映像データを復号する映像データ復号部22と字幕データを復号する字幕データ復号部23を有する光ディスク再生装置2から構成される。
【0040】
映像信号と字幕信号は別々に光ディスク再生装置2からテレビ1へと転送される。
(例)HDMI + HDMI, HDMI + D端子ケーブル, HDMI + Ethernet(R), HDMI + USB, HDMI + i .LINK 等
【0041】
図4は本形態による映像再生システムにおける補間フレーム生成の例を示す。(a)は主映像における元映像の補間の様子を表している。(b)は副映像における字幕データ映像の補間の様子を表している。(c)は主映像と副映像の合成の様子を表している。
【0042】
さて先行技術による映像再生システムで字幕表示を有効にしてDVD等の光ディスクを再生する場合、光ディスク内に別々に記録されている映像データ(主映像)と字幕データ(副映像/サブピクチャー)が光ディスク再生装置の内部にある映像合成部で合成された後に、テレビ内の補間フレーム生成回路で補間フレーム生成処理が行われる。即ち映像と字幕が合成された後で補間フレーム生成処理が行われるため、以下の問題が発生する。
【0043】
- 映像と字幕の合成時に字幕と重なった箇所の映像が欠落してしまうため、字幕背景の映像を正しく補間できない
- 映像と字幕の動きベクトルが異なる場合、映像にあわせると字幕が正しく補間できず、字幕にあわせると映像を正しく補間できない
このため、字幕表示に起因する補間フレーム生成時の誤補間を防ぐことが出来ず、字幕の文字化けが発生したり字幕の背景映像がちらつくなどといった現象が生じる。
【0044】
他方、図3に示した本実施形態の映像再生システムで字幕表示を有効にした場合、光ディスク内に別々に記録されている映像データと字幕データを個別に補間フレーム生成処理してから映像合成部16で合成する。本実施形態により、上に挙げたような字幕表示に起因する補間フレーム生成時の誤補間を防ぐことが出来、字幕の文字化けや字幕の背景映像のちらつきのない映像を表示することが可能である。
【実施例2】
【0045】
本発明による実施形態2を図1乃至図2及び図4、図5を参照して説明する。実施形態1と共通する部分は説明を省略する。
図5に実施形態1の変形例である実施形態2の光ディスク再生装置の概略ブロック図を示す。光ディスク再生装置2は光ディスクドライブ21から出力される映像データを復号する映像データ復号部22と字幕データを復号する字幕データ復号部23、映像信号処理部25内に補間フレーム生成回路26、字幕信号処理部27内に補間フレーム生成回路28、補間フレーム生成後の映像と字幕を合成する映像合成部24から構成される。
【0046】
実施形態1とは、映像信号と字幕信号の補間フレーム生成を光ディスク再生装置2内で行う点で異なるが、同等の効果を得ることが可能である。テレビ1と光ディスク再生装置2の間の転送経路は、実施形態1の2系統から1系統になる。
【0047】
テレビ1の表示パネルの駆動周波数と光ディスク再生装置2が出力する映像信号の周波数が同じ場合は、有効性が高い。
【実施例3】
【0048】
本発明による実施形態3を図1乃至図2及び図4、図6を参照して説明する。実施形態1、2と共通する部分は説明を省略する。
図6に実施形態1の変形例である実施形態3の映像再生システムの概略ブロック図を示す。光ディスクドライブ31の出力データを復号せずに転送する光ディスクトランスポート装置3と、映像データを復号する映像データ復号部17、字幕データを復号する字幕データ復号部18、映像信号処理部11内に補間フレーム生成回路12、字幕信号処理部13内に補間フレーム生成回路14、補間フレーム生成後の映像と字幕を合成する映像合成部16を有するテレビ1から構成される。
【0049】
実施形態1とは、映像データ復号と字幕データ復号をテレビ1内で行う点で異なるが、同等の効果を得ることが可能である。テレビ1と光ディスクトランスポート装置3の間の転送経路は、実施形態1の2系統から1系統になる。
【0050】
テレビ1の表示パネルの駆動周波数と光ディスクトランスポート装置3が出力する映像信号の周波数が異なっていても、有効性が高い。例えばテレビ内の表示パネルが180Hz 駆動で、再生装置の出力映像が 120Hz の場合である。
【0051】
以上概要として光ディスクの映像再生において、別々に記録されている映像データと字幕データのそれぞれに対して、個別に補間フレーム生成処理を行った後に合成する映像再生システムを説明した。
【0052】
効果としてこれらの実施形態により、字幕表示に起因する補間フレーム生成時の誤補間を防ぐことが可能となった。これら映像再生システムでは、別々に記録されている映像データと字幕データを個別に処理してから合成するので、字幕表示に起因する補間フレーム生成時の誤補間を防ぐことが出来、字幕の文字化けや字幕の背景映像のちらつきのない映像を表示することが可能である。
【0053】
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この外その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。本発明が適用可能な応用例として、以下のようなものが挙げられる。
【0054】
- テレビと光ディスク再生装置の一体型の機器
- 光ディスクに限らず、映像と字幕が別のデータに別れていて表示時に合成する場合
- ネットワーク配信:映像データと字幕データが別々に配信される場合
- 放送波:字幕対応番組
- 映像と字幕の組み合わせに限らず、映像と映像を表示時に合成する場合
- 映像+メニュー, 映像+ポップアップメニュー
- ピクチャー・イン・ピクチャー (P in P)
- ダブルウィンドウ
- 映像処理をハードウェアではなくソフトウェアで行う場合
- 補間フレーム生成以外の映像処理
- リアルタイム超解像度処理
(例) 映像のみ超解像度処理を行い、(超解像度処理を行っていない)字幕と合成し表示
また、上記した実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良いものである。さらに、異なる実施の形態に係る構成要素を適宜組み合わせても良いものである。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】この発明の一実施形態に関連するテレビジョン受信装置の外観と、このテレビジョン受信装置を中心として構成されるネットワークシステムを説明するための図。
【図2】同実施形態のテレビジョン受信装置の主要な信号処理系を示す図。
【図3】同実施形態による映像再生システム構成の概略ブロック図。
【図4】同実施形態の映像再生システムにおける補間フレーム生成例。
【図5】実施形態2に用いられる概略ブロック図。
【図6】実施形態3に用いられる概略ブロック図。
【符号の説明】
【0056】
11…映像信号処理部、12…補間フレーム生成回路、14…字幕信号処理部、15…補間フレーム生成回路、16…映像合成部、17…映像データ復号部、18…字幕データ復号部、21…光ディスクドライブ、22…映像データ復号部、23…字幕データ復号部、24…映像合成部、25…映像信号処理部、26…補間フレーム生成回路、27…字幕信号処理部、28…補間フレーム生成回路、31…光ディスクドライブ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクドライブと、
前記光ディスクドライブからの主映像データを復号し外部へ主映像データ復号信号として出力する主映像データ復号部と、
前記光ディスクドライブからの副映像データを復号し外部へ副映像データ復号信号として出力する副映像データ復号部とを
備えたことを特徴とする光ディスク再生装置。
【請求項2】
外部からの主映像データ復号信号を入力し補間フレーム生成結果の映像を出力する主映像信号処理部と、
外部からの副映像データ復号信号を入力し補間フレーム生成結果の映像を出力する副映像信号処理部と、
前記主映像信号処理部の出力と前記副映像信号処理部の出力とから合成映像を作成し出力する映像合成部とを
備えたことを特徴とする映像表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載の光ディスク再生装置と請求項2に記載の映像表示装置から成る映像再生システム。
【請求項4】
光ディスクドライブを備え、
前記光ディスクドライブからの主映像と副映像との復号前信号を外部へ出力する光ディスクトランスポート装置。
【請求項5】
外部からの光ディスク主映像と副映像との復号前信号を受け主映像データを復号して信号出力する主映像データ復号部と、
前記復号前信号からの副映像データを復号して信号出力する副映像データ復号部と、
前記主映像データ復号信号を入力し補間フレーム生成結果の映像を出力する主映像信号処理部と、
前記副映像データ復号信号を入力し補間フレーム生成結果の映像を出力する副映像信号処理部と、
前記主映像信号処理部の出力と前記副映像信号処理部の出力とから合成映像を作成し出力する映像合成部とを
備えたことを特徴とする映像表示装置。
【請求項6】
請求項4に記載の光ディスクトランスポート装置と請求項5に記載の映像表示装置から成る映像再生システム。
【請求項7】
光ディスクドライブと、
前記光ディスクドライブからの主映像データを復号し主映像データ復号信号として出力する主映像データ復号部と、
前記光ディスクドライブからの副映像データを復号し副映像データ復号信号として出力する副映像データ復号部と、
前記主映像データ復号信号を入力し補間フレーム生成結果の映像を出力する主映像信号処理部と、
前記副映像データ復号信号を入力し補間フレーム生成結果の映像を出力する副映像信号処理部と、
前記主映像信号処理部の出力と前記副映像信号処理部の出力とから合成映像を作成し出力する映像合成部とを
備えたことを特徴とする光ディスク再生装置。
【請求項8】
請求項7に記載の光ディスク再生装置と映像表示部を有する映像表示装置から成る映像再生システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−303039(P2009−303039A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−156852(P2008−156852)
【出願日】平成20年6月16日(2008.6.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】