説明

映像再生装置及び映像再生方法

【課題】放送波の受信ができない場合であっても、その放送波に含まれるノイズの除去効果をデモンストレーションで示すことを可能とする。
【解決手段】実施形態の映像再生装置は、ユーザの操作指示を受け付ける操作手段と、少なくとも放送波の映像に含まれるノイズを除去する第1の映像処理を行う映像処理手段と、記憶手段に記憶されたコンテンツファイルの中から再生するコンテンツファイルの選択を受け付けた際に、選択されたコンテンツファイルが放送波に含まれるノイズと同種のノイズを映像に含ませたコンテンツファイルである場合、選択されたコンテンツファイルをもとに第1の映像処理を施して生成した、ノイズの除去効果を示すデモンストレーション映像を表示手段に表示させる表示制御手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、映像再生装置及び映像再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶テレビ等のテレビジョン放送受信装置の販売では、画質の改善機能を訴求させるためのデモンストレーションを販売店等の店頭で行なっている。このデモンストレーションでは、受信された放送波の映像について画質の改善前と改善後の映像をディスプレイに表示し、その映像の違いを顧客が直接確認できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−160144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術においては、放送波の受信ができない場合、その放送波に含まれるノイズの除去効果をデモンストレーションで示すことができなかった。例えば、アナログ放送での映像に含まれるアナログノイズの除去効果を訴求させるためには受信されたアナログ放送の映像についてアナログノイズの除去前と除去後の映像を表示することが重要であるが、アナログ放送が受信できない場合にはアナログノイズの除去効果を示す映像の表示ができなかった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、放送波の受信ができない場合であっても、その放送波に含まれるノイズの除去効果をデモンストレーションで示すことを可能とする映像再生装置及び映像再生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、実施形態の映像再生装置は、ユーザの操作指示を受け付ける操作手段と、少なくとも放送波の映像に含まれるノイズを除去する第1の映像処理を行う映像処理手段と、記憶手段に記憶されたコンテンツファイルの中から再生するコンテンツファイルの選択を前記操作手段により受け付けた際に、当該選択されたコンテンツファイルが放送波に含まれるノイズと同種のノイズを映像に含ませたコンテンツファイルである場合、前記選択されたコンテンツファイルをもとに前記第1の映像処理を施して生成した、前記ノイズの除去効果を示すデモンストレーション映像を表示手段に表示させる表示制御手段とを備える。
【0007】
また、実施形態の映像再生装置は、ユーザの操作指示を受け付ける操作手段と、少なくとも放送波の映像に含まれるノイズを除去する第1の映像処理を行う映像処理手段と、放送波に含まれるノイズと同種のノイズを映像に含ませたコンテンツファイルを読み出す読出手段と、前記コンテンツファイルの中から再生するコンテンツファイルの選択を前記操作手段により受け付けた際に、前記選択されたコンテンツファイルをもとに前記第1の映像処理を施して生成した、前記ノイズの除去効果を示す映像を表示手段に表示させる表示制御手段とを備える。
【0008】
また、実施形態の映像再生方法は、ユーザの操作指示を受け付ける操作手段と、少なくとも放送波の映像に含まれるノイズを除去する第1の映像処理を行う映像処理手段とを有する再生装置の再生方法であって、記憶手段に記憶されたコンテンツファイルの中から再生するコンテンツファイルの選択を前記操作手段により受け付けた際に、当該選択されたコンテンツファイルが放送波に含まれるノイズと同種のノイズを映像に含ませたコンテンツファイルである場合、前記選択されたコンテンツファイルをもとに前記第1の映像処理を施して生成した、前記ノイズの除去効果を示すデモンストレーション映像を表示手段に表示させる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、実施形態にかかる映像再生装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、リモコンの操作ボタンの配置例を示す図である。
【図3】図3は、実施形態にかかる映像再生装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】図4は、デモンストレーション映像の一例を示す概念図である。
【図5】図5は、デモンストレーション映像の一例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して実施形態の映像再生装置及び映像再生方法を詳細に説明する。なお、本実施形態では映像再生装置として一般的なテレビを例示するが、放送波を受信するチューナを備えたハードディスクレコーダーやセットトップボックス等の機器であってもよいことは言うまでもないことである。
【0011】
図1は、実施形態にかかる映像再生装置1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、映像再生装置1は、デジタル放送/アナログ放送の受信用チューナーを搭載するテレビであり、アンテナ2、チューナー3、信号処理部4、映像処理部5、表示処理部6、ディスプレイ表示部7、音声処理部8、スピーカー9、制御部10、通信ライン11、RAM12(Random Access Memory)、ROM13(Read Only Memory)、キーボード14、受光部15、入出力部16及び通信部17を備えて構成されている。
【0012】
アンテナ2は、BS、CS、地上波等のデジタル放送/アナログ放送を受信する。チューナー3は、ユーザーが指示した視聴用のチャンネルを選局する。信号処理部4は、制御部10の制御のもと、チューナー3で復調された信号や入出力部16より入力された信号を様々なデジタル信号として取り出し処理する。なお、アナログ放送については、信号処理部4によりA/D変換されてデジタル信号として処理される。また、信号処理部4では、入力された信号を映像信号と音声信号とに分離し、映像信号を映像処理部5へ、音声信号を音声処理部8へ出力する。
【0013】
映像処理部5は、信号処理部4から入力した映像信号を正しい画面サイズに調整し、さらに様々な映像処理を行う。映像処理部5が行う様々な映像処理には、映像についての画質を改善する映像処理として、放送波の映像に含まれるノイズを除去する処理が含まれる。具体的には、アナログ放送での映像に含まれるアナログノイズを除去する処理や、デジタル放送での映像に含まれるブロックノイズを除去する処理、すなわちデジタル映像の画質を改善する処理がある。
【0014】
アナログ放送での映像に含まれるアナログノイズは、映像に白い点が多数ランダムに現れ、雪を降らせたように見えることからスノーノイズ(snow noise)や砂嵐とも呼ばれるノイズである。このアナログノイズは、アナログ放送を受信する信号レベルが低下したときに映像信号に重畳した雑音が目立つことで発生する。映像処理部5では、映像に多数ランダムに現れる白い点を検出し、周囲の画素で補間することで、アナログノイズの除去を行う。
【0015】
表示処理部6は、調整後の映像信号に対して、さらに文字情報等のOSD(On-Screen Display)表示を重ねる。ディスプレイ表示部7は、映像信号を画面に表示する。そして、視聴者(ユーザ)はディスプレイ表示部7の画面を見ることにより、テレビ映像を見る。音声処理部8は、音声信号を音響処理するとともに増幅する。スピーカー9は、音声信号を音声として出力する。そして、視聴者はスピーカー9からの音声を聴くことにより、テレビ音声を聴く。
【0016】
制御部10は、映像再生装置1の各部を制御する。制御部10は、具体的にはマイクロコントローラであり、ROM13に記憶されたプログラムをRAM12に展開して順次実行することで、映像再生装置1の各部に制御信号を出力して、映像再生装置1の動作を中央制御する。制御部10は、上述したプログラムを実行することで、映像処理部5の様々な映像処理による画質改善の効果を示すデモンストレーション映像をディスプレイ表示部7に表示させるデモモード制御部19としての機能を有する(詳細は後述する)。
【0017】
通信ライン11は、チューナー3、信号処理部4、映像処理部5、表示処理部6、音声処理部8、および、制御部10を互いに接続し、制御部10と、チューナー3、信号処理部4、映像処理部5、表示処理部6、および、音声処理部8の間で、データの受け渡しを行う。通信ライン11は、具体的にはIIC−BUSなどであってよい。RAM12およびROM13は、様々なデータを記憶しており、制御部10との間で、これらのデータの受け渡しが行われる。特に、ROM13は、制御部10が実行するプログラムや各種設定データを記憶している。
【0018】
キーボード14は、視聴者の操作指示を受け付ける操作ボタンである。受光部15は、視聴者の操作指示を受け付けたリモコン40が発信する信号を受信する。視聴者は、リモコン40の各種ボタンを操作することで、映像再生装置1及び映像再生装置1と接続する各機器を操作することができる。上述したキーボード14、リモコン40が映像再生装置1の操作手段である。
【0019】
ここで、リモコン40を例に、操作手段の詳細を説明する。なお、キーボード14にも、以下で説明するリモコン40と同等の操作ボタンが備えられているものとする。図2は、リモコン40の操作ボタンの配置例を示す図である。
【0020】
図2に示すように、信号処理部4には、映像再生装置1及び映像再生装置1と接続する各機器を操作するための各種ボタンが配置されている。数字ボタン410は、チャンネルの番号を入力したり、操作入力を行う機器を切り換える入力切換操作の時の接続機器の番号を選択したりする際の、数字入力を視聴者が行うボタンである。
【0021】
チャンネルアップボタン413とチャンネルダウンボタン414とは、番号順に並んだチャンネルにおいて、1つ前又は次のチャンネルに変更するための操作を視聴者が行うボタンである。音量アップボタン415と音量ダウンボタン416とは、音声出力のボリュームを増減するための操作を視聴者が行うボタンである。メニューボタン417は、映像再生装置1の設定操作等のメニューを表示させて、その設定操作を開始する際に、視聴者が操作するボタンである。選択ボタン418は、視聴者が選択指示を行うためのボタンである。
【0022】
電源ボタン419は、映像再生装置1の電源のオン/オフを視聴者が操作するボタンである。入力切換ボタン420は、入力切換操作を開始する際に、視聴者が操作するボタンである。上ボタン421、下ボタン422、左ボタン423、右ボタン424は、設定操作中のメニュー表示や、カーソルの位置を変更するための操作を視聴者が行うボタンである。OKボタン425は、選択内容や変更内容を決定する際に、視聴者が操作するボタンである。
【0023】
色ボタン426(図示例では「青」、「赤」、「緑」、「黄色」)は、映像再生装置1のデジタルテレビ放送に関係する操作などを行う際に、視聴者が使用するボタンである。ソース機器操作ボタン430は、映像再生装置1に接続されたソース機器(図1の例ではレコーダー20)が記憶するコンテンツに関係する操作(例えば再生)などを行う際に、視聴者が使用するボタンである。図示例では、「再生」、「停止」、「早戻し」、「早送り」などがある。
【0024】
入出力部16は、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)やUSB(Universal Serial Bus)の通信インタフェース、フラッシュメモリなどのメディアカード22が挿抜可能なカードスロットである。通信部17は、制御部10の制御のもと、インターネット23等の通信ネットワークとデータ通信を行う通信インタフェースである。
【0025】
入出力部16は、制御部10の制御のもと、HDMIを介して接続するHDMI対応のレコーダー20よりデジタル映像の入力を受け付ける。また、入出力部16は、USBケーブルを介して接続するレコーダー20、カードスロットに挿入されたメディアカード22におけるデータの読み書きを行う。これにより、記憶手段としてのUSB機器21に記憶されたコンテンツファイル211の読み出しが行われる。
【0026】
コンテンツファイル211は、ディスプレイ表示部7で表示される映像、スピーカー9より出力される音声等のコンテンツデータを記録したファイルである。具体的には、映像や音声のストリームデータが記述されたファイルであり、コンテンツ(番組)ごとにファイル分けされている。
【0027】
制御部10は、コンテンツファイル211を読み出して、ファイル分けされたコンテンツを選択する選択画面をディスプレイ表示部7に表示させる。そして、制御部10は、リモコン40による操作指示をもとにディスプレイ表示部7より表示して再生を行うコンテンツファイル211の選択を受け付ける。再生を行うコンテンツファイル211の選択が受け付けられた場合、制御部10は、その選択されたコンテンツファイル211を読み出して信号処理部4へ出力することで、選択されたコンテンツファイル211の再生が行われることとなる。
【0028】
このコンテンツファイル211には、デモモード制御部19によりデモンストレーション映像をディスプレイ表示部7に表示させるためのコンテンツファイルが含まれてよい。このデモンストレーション映像を表示させるコンテンツファイル211には、放送波に含まれるノイズと同種のノイズが予め映像に含まれている。例えば、アナログ放送に含まれるアナログノイズを予め映像に含ませたコンテンツファイルや、デジタル放送に含まれるブロックノイズを予め映像に含ませたコンテンツファイルがある。このデモンストレーション映像をディスプレイ表示部7に表示させるためのコンテンツファイル211は、コンテンツの内容がアナログ放送に含まれるアナログノイズを予め映像に含ませたものであることや、デジタル放送に含まれるブロックノイズを予め映像に含ませたものであることがファイル名称により識別可能となっている。例えば、コンテンツの内容がアナログ放送に含まれるアナログノイズを予め映像に含ませたものである場合は「デモ−アナログ」というファイル名称とし、コンテンツの内容がデジタル放送に含まれるブロックノイズを予め映像に含ませたものである場合は「デモ−デジタル」というファイル名称としてよい。
【0029】
デモモード制御部19は、映像処理部5の様々な映像処理による画質改善の効果を示すデモンストレーション映像をディスプレイ表示部7に表示させるデモモードを制御する。具体的には、デモモード制御部19は、映像処理部5の様々な映像処理を行う前の元の映像と、映像処理部5の様々な映像処理を行なった後の映像とを並べたデモンストレーション映像をディスプレイ表示部7に表示させる。
【0030】
ここで、デモモード制御部19の制御内容について、図3を参照して詳細に説明する。図3は、実施形態にかかる映像再生装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【0031】
図3に示すように、電源の投入などにより処理が開始されると、デモモード制御部19は、USB機器21に記憶されたコンテンツファイル211の中から再生を行うコンテンツファイルを選択する選択画面などにおいて、所定のコンテンツファイルの再生が選択されたか否かを判定する(S1)。具体的には、コンテンツファイル211のファイル名称をもとに、コンテンツファイル211の中からデモンストレーション映像をディスプレイ表示部7に表示させるためのコンテンツファイルの再生がリモコン40により選択されたか否かを判定する。なお、本実施形態では、選択されたコンテンツファイルの名称が、アナログ放送に含まれるアナログノイズを予め映像に含ませたコンテンツファイルの名称(例えば「デモ−アナログ」)であるか否かを判定するものとする。なお、コンテンツファイルの再生の選択は、リモコン40の操作ボタンで行うだけでなく、映像再生装置1の本体側に備えられたキーボード14の操作ボタンで行なってもよいことは言うまでもないことである。
【0032】
所定のコンテンツファイルの再生が選択された、すなわちアナログ放送に含まれるアナログノイズを予め映像に含ませたコンテンツファイルの再生が選択された場合(S1:YES)、デモモード制御部19は、再生が選択されたコンテンツファイルをもとに、アナログノイズの除去効果を示すデモンストレーション映像をディスプレイ表示部7に表示させるデモを開始する(S2)。具体的には、デモモード制御部19は、選択されたコンテンツファイルを読み出して、映像処理部5によりアナログノイズを除去する前の映像と、映像処理部5によりアナログノイズを除去した後の映像とを並べたデモンストレーション映像をディスプレイ表示部7に表示させる。
【0033】
したがって、映像再生装置1では、アナログ放送波の受信ができない場合であっても、コンテンツファイル211を記憶したUSB機器21を接続し、アナログ放送に含まれるアナログノイズを予め映像に含ませたコンテンツファイルを選択することで、アナログ放送に含まれるノイズの除去効果をデモンストレーションで示すことができる。
【0034】
図4、5は、デモンストレーション映像Gの一例を示す概念図である。図4に示すように、デモンストレーション映像Gは、アナログノイズを除去した後の映像を表示する表示領域G11と、アナログノイズの除去を行わない映像を表示する表示領域G12とを有する。デモモード制御部19は、映像処理部5によるアナログノイズの除去機能をONにした映像、すなわちアナログノイズを除去した映像から半分のサイズを切り出して表示領域G11に表示し、映像処理部5によるアナログノイズの除去機能をOFFにした映像、すなわちアナログノイズの除去を行わない映像から同じ部分を切り出して表示領域G12に表示する。また、デモモード制御部19は、デモであることを示すOSD表示G21、映像処理部5による画質改善をON/OFFとしていることを示すOSD表示G22、G23、画質改善をON/OFFとしている映像の境界線を示す分割ラインG24を、表示処理部6によりデモンストレーション映像Gに表示させる。このように、アナログノイズを除去した後の映像と、これと同じ部分におけるアナログノイズの除去を行わない映像とが、同じデモンストレーション映像Gに同時に並んで表示されるため、その映像の違いを視聴者は容易に確認することができる。
【0035】
図5では、映像処理部5によるアナログノイズの除去機能をONにした映像、すなわちアナログノイズを除去した左半分の映像をデモンストレーション映像Gの左半分の表示領域G11に、映像処理部5によるアナログノイズの除去機能をOFFにした映像、すなわちアナログノイズを除去する前の右半分の映像をデモンストレーション映像Gの右半分の表示領域G12に表示している。このように、同じデモンストレーション映像Gの境界線を境にして、アナログノイズを除去した映像からアナログノイズの除去を行わない映像に順次変更するように表示されるため、その画像の違いを視聴者は容易に確認することができる。
【0036】
所定のコンテンツファイルの再生が選択されていない場合(S1:NO)、映像再生装置1は、アンテナ2で受信したコンテンツや入出力部16を介して入力されるコンテンツの映像などを再生している通常の動作状態である。この時、デモモード制御部19は、デモンストレーション映像の表示を開始させるための所定の操作指示である、選択ボタン418の長押しがされたか否かを判定する(S3)。
【0037】
なお、デモンストレーション映像の表示を開始させる選択ボタン418の長押しは所定の操作の一例であって、メニューボタン417によるメニュー画面からデモンストレーションの項目を選択するなどの操作や、映像再生装置1の本体側に備えられたキーボード14における、リモコン40の選択ボタン418と同等の機能を有する操作ボタン(例えばセレクトキー)の長押し操作であってもよいことは言うまでもないことである。映像再生装置1の本体側に備えられたキーボード14でデモンストレーション映像の表示を開始させるための所定の操作指示を受け付ける場合は、例えばリモコン40が紛失し易い店頭でデモンストレーションを行う場合や、元々リモコン40を備えていない場合であっても、デモンストレーション映像の表示を開始させ、映像処理部5における画質の改善機能をアピールできる。
【0038】
選択ボタン418が長押しされない場合(S3:NO)、デモモード制御部19は処理を待機する。選択ボタン418が長押しされた場合(S3:YES)、デモモード制御部19は、入出力部16のHDMIから入力される映像信号、すなわちデジタル映像をディスプレイ表示部7に表示中であるか否かを判定する(S4)。HDMIから入力されるデジタル映像をディスプレイ表示部7に表示中である場合(S4:YES)、デモモード制御部19はS7へ処理を進める。
【0039】
S7では、HDMIから入力されてディスプレイ表示部7に表示されるデジタル映像をもとに、デジタルノイズの除去効果を示すデモを開始する。具体的には、デモモード制御部19は、HDMIから入力されるデジタル映像からブロックノイズを除去する前の映像と、映像処理部5によりブロックノイズを除去した後の映像とを並べたデモンストレーション映像をディスプレイ表示部7に表示させる。これにより、デモンストレーション映像の表示を開始させる指示があった際に、HDMIから入力されたデジタル映像をディスプレイ表示部7に表示中である場合は、そのデジタル映像からブロックノイズを除去する除去効果を示すデモを行うことができる。
【0040】
HDMIから入力されるデジタル映像をディスプレイ表示部7に表示中でない場合(S4:NO)、デモモード制御部19は、アンテナ2で受信したOA(オンエア)信号によるアナログ放送の映像をディスプレイ表示部7に表示中であるか否かを判定する(S5)。具体的には、チューナー3によりアナログ放送の選局が行われて、その選局で受信した映像をディスプレイ表示部7に表示中であるか否かを判定している。
【0041】
受信されたアナログ放送の映像をディスプレイ表示部7に表示中である場合(S5:YES)、デモモード制御部19は、S2へ処理を進める。これにより、デモモード制御部19は、受信されたアナログ放送の映像をもとに、アナログノイズの除去効果を示すデモを開始する。したがって、受信されたアナログ放送の映像がディスプレイ表示部7に表示中である場合に、デモンストレーションの開始が指示された場合は、その受信されたアナログ放送の映像を用いてアナログノイズの除去効果を示すデモを行うことができる。
【0042】
受信されたアナログ放送の映像をディスプレイ表示部7に表示中でない場合(S5:NO)、デモモード制御部19は、USB機器21に記憶されるコンテンツファイル211の中に上述した所定のコンテンツファイルがあるか否か、すなわちアナログ放送に含まれるアナログノイズを予め映像に含ませたコンテンツファイルがUSB機器21に記憶されているか否かを判定する(S6)。
【0043】
USB機器21に記憶されるコンテンツファイル211の中にアナログノイズを予め映像に含ませたコンテンツファイルがある場合(S6:YES)、デモモード制御部19は、S2へ処理を進めて、その記憶されたコンテンツファイルをもとに、アナログノイズの除去効果を示すデモを開始する。
【0044】
すなわち、映像再生装置1では、デモンストレーション映像の表示を開始させる指示があった際に、接続されたUSB機器21にアナログノイズを予め映像に含ませたコンテンツファイルが記憶されている場合は、そのコンテンツファイルをもとにアナログノイズの除去効果を示すデモを行うことができる。このため視聴者は、コンテンツファイル211を記憶したUSB機器21を接続し、デモンストレーション映像の表示を開始する指示を行うことで、アナログ放送波の受信ができない場合であっても、アナログノイズの除去効果を示すデモを確認できる。
【0045】
USB機器21に記憶されるコンテンツファイル211の中にアナログノイズを予め映像に含ませたコンテンツファイルがない場合(S6:NO)、すなわちデジタル映像のコンテンツファイルしか記憶されていない場合は、アナログノイズの除去効果を示すデモを行うことができないこととなる。この時、デモモード制御部19は、S7において、USB機器21に記憶されたデジタル映像のコンテンツファイル211をもとに、デジタルノイズの除去効果を示すデモを開始する。具体的には、デモモード制御部19は、コンテンツファイル211に記憶されたデジタル映像からブロックノイズを除去する前の映像と、映像処理部5によりブロックノイズを除去した後の映像とを並べたデモンストレーション映像をディスプレイ表示部7に表示させる。
【0046】
S2、S7によりデモが開始された後、デモモード制御部19は、RTC(Real Time Clock)機能によりデモの開始から経時された時間が、所定の時間経過しているか否かを判定する(S8)。所定の時間経過している場合(S8:YES)、デモモード制御部19は、デモンストレーション映像GのOSD表示G21、G22、G23、G24の表示位置を所定量(例えば4ドット)移動させる(S9)。このS8、S9は、リモコン40などによりデモの終了が指示されてデモを終了すると判定されない間(S10:NO)、繰り返し行われる。このS8、S9が繰り返されることで、所定の時間経過したところで、デモンストレーション映像GのOSD表示G21、G22、G23、G24の表示位置が所定量移動されることとなるため、デモ中に長い間表示されるOSD表示G21、G22、G23、G24が画面に焼き付くことを防止できる。
【0047】
リモコン40などによりデモの終了が指示されてデモを終了すると判定された場合(S10:YES)、デモモード制御部19は、S7、S2で開始したデモを終了し(S11)、デモを開始する前の状態に戻して処理を終了する。
【0048】
なお、本実施形態の映像再生装置1で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。本実施形態の映像再生装置1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0049】
さらに、本実施形態の映像再生装置1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の映像再生装置1で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0050】
本実施形態の映像再生装置1で実行されるプログラムは、上述した各部(デモモード制御部19)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0051】
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0052】
1…映像再生装置、2…アンテナ、3…チューナー、4…信号処理部、5…映像処理部、6…表示処理部、7…ディスプレイ表示部、8…音声処理部、9…スピーカー、10…制御部、11…通信ライン、12…RAM、13…ROM、14…キーボード、15…受光部、16…入出力部、17…通信部、19…デモモード制御部、20…レコーダー、21…USB機器、22…メディアカード、23…インターネット、40…リモコン、418…選択ボタン、G…デモンストレーション映像、G11、G12…表示領域、G21、G22、G23、G24…OSD表示

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの操作指示を受け付ける操作手段と、
少なくとも放送波の映像に含まれるノイズを除去する第1の映像処理を行う映像処理手段と、
記憶手段に記憶されたコンテンツファイルの中から再生するコンテンツファイルの選択を前記操作手段により受け付けた際に、当該選択されたコンテンツファイルが放送波に含まれるノイズと同種のノイズを映像に含ませたコンテンツファイルである場合、前記選択されたコンテンツファイルをもとに前記第1の映像処理を施して生成した、前記ノイズの除去効果を示すデモンストレーション映像を表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備える映像再生装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記操作手段により前記デモンストレーション映像を表示させるための所定の操作指示が受け付けられた際に、前記記憶手段に記憶されたコンテンツファイルの中に放送波に含まれるノイズと同種のノイズを映像に含ませたコンテンツファイルがある場合、当該コンテンツファイルをもとに前記第1の映像処理を施して生成した前記デモンストレーション映像を表示させる、
請求項1に記載の映像再生装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記操作手段により前記デモンストレーション映像を表示させるための所定の操作指示が受け付けられた際に、受信された放送波の映像を前記表示手段に表示中である場合、当該受信された放送波の映像に前記第1の映像処理を施して生成した、前記受信された放送波の映像に含まれるノイズの除去効果を示すデモンストレーション映像を表示させる、
請求項1に記載の映像再生装置。
【請求項4】
デジタル映像の入力を受け付ける入力手段を更に備え、
前記映像処理手段は、前記入力されたデジタル映像の画質を改善する第2の映像処理を更に行い、
前記表示制御手段は、前記操作手段により前記デモンストレーション映像を表示させるための所定の操作指示が受け付けられた際に、前記入力されたデジタル映像を前記表示手段に表示中である場合、当該入力されたデジタル映像に前記第2の映像処理を施して生成したデモンストレーション映像を表示させる、
請求項1に記載の映像再生装置。
【請求項5】
前記デモンストレーション映像は、OSD(On-Screen Display)表示を含み、
前記表示制御手段は、所定の時間継続して前記デモンストレーション映像を表示させた場合、当該デモンストレーション映像に含まれるOSD表示の表示位置を所定量移動させる、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の映像再生装置。
【請求項6】
前記放送波は、アナログ放送の放送波であり、
前記第1の映像処理は、前記アナログ放送波の映像に含まれるアナログノイズを除去する映像処理である、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の映像再生装置。
【請求項7】
前記記憶手段は、所定のインタフェースを介して着脱可能に接続される記憶媒体である、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の映像再生装置。
【請求項8】
前記表示制御手段は、前記選択されたコンテンツファイルの名称が所定の名称である場合に、当該選択されたコンテンツファイルが放送波に含まれるノイズと同種のノイズを映像に含ませたコンテンツファイルであるとする、
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の映像再生装置。
【請求項9】
前記操作手段は、装置本体に備えられた操作ボタンにより前記ユーザの操作指示を受け付ける、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の映像再生装置。
【請求項10】
ユーザの操作指示を受け付ける操作手段と、
少なくとも放送波の映像に含まれるノイズを除去する第1の映像処理を行う映像処理手段と、
放送波に含まれるノイズと同種のノイズを映像に含ませたコンテンツファイルを読み出す読出手段と、
前記コンテンツファイルの中から再生するコンテンツファイルの選択を前記操作手段により受け付けた際に、前記選択されたコンテンツファイルをもとに前記第1の映像処理を施して生成した、前記ノイズの除去効果を示す映像を表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備える映像再生装置。
【請求項11】
ユーザの操作指示を受け付ける操作手段と、少なくとも放送波の映像に含まれるノイズを除去する第1の映像処理を行う映像処理手段とを有する映像再生装置の映像再生方法であって、
記憶手段に記憶されたコンテンツファイルの中から再生するコンテンツファイルの選択を前記操作手段により受け付けた際に、当該選択されたコンテンツファイルが放送波に含まれるノイズと同種のノイズを映像に含ませたコンテンツファイルである場合、前記選択されたコンテンツファイルをもとに前記第1の映像処理を施して生成した、前記ノイズの除去効果を示すデモンストレーション映像を表示手段に表示させる映像再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−90211(P2013−90211A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230039(P2011−230039)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】