説明

映像出力装置の視聴制限装置

【課題】 映像出力装置の娯楽性を喪失させてしまうことなく、映像出力装置による視聴を合理的に制限することができる視聴制限装置を提供する。
【解決手段】 記憶手段7が問題データ5と当該問題データに対する正解データ6を記憶しており、出力手段8が問題データによる問題を画面4に表示するために出力して、入力手段9が画面表示された問題に対する解答データを利用者から受け付け、判定手段10が利用者から受け付けた解答データが正解データと判定すると、限解除手段3が、映像出力装置1の映像出力機能の制限を解除して映像出力装置を機能させる。したがって、教育に資する問題などを画面表示して利用者に解答させることによりゲーム感覚の娯楽性を有する方法で利用者に学習する機会を与えることができ、問題に正解することで映像出力装置による視聴ができるという、学習への動機付けを与えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像出力装置による視聴を制限する技術に関し、特に、利用者が提示された問題に正解した場合に、デジタル放送テレビジョン受信機、ビデオレコーダ、再生装置などの映像出力装置を動作可能とする視聴制限装置に関する。
【背景技術】
【0002】
年齢に限らず、多くの人が頻繁にテレビジョンを視聴し、また、ビデオレコーダに記録された放送番組を再生して視聴し、また、再生装置によりDVD等の記録媒体に記録され映画などを再生して視聴しており、その中でも子供達の視聴頻度は高い。
近年、デジタル放送化に伴い、テレビジョン受信機の多機能化が図られており、種々な提案がなされている。
【0003】
特許文献1には、ユーザに高い興趣性を及ぼすために、放送番組に関わる人物の名称情報が少なくとも格納されるデータベースと、復調した番組表情報からクイズ問題を生成するクイズ問題生成手段と、クイズ問題を出力して解答を入力可能とするクイズ出題手段とを備え、クイズ問題生成手段は、データベースの情報を参照しながら番組表情報に示される放送番組を題材とした択一問題を生成するデジタル放送受信装置が開示されている。
【0004】
特許文献2には、受信装置が通信回線を通して放送装置のサーバにアクセスしたりアクセスされたりするインタラクティブ放送システムにおいて、放送局側のサーバとアクセスしてデータのやり取りをする場合に、受信装置でサーバへのアクセスを制限する時、受信装置のメモリに保持した視聴者の操作情報(クイズの正解率)と、放送装置から送信されてくるサーバアクセスの制限条件を示す情報(クイズ正解率による制限)とを比較し、操作情報が制限条件を満足した時に、サーバへのアクセスを許可するシステムが開示されている。
【0005】
特許文献3には、デジタルの放送信号を受信して映像信号と音声信号とを復調するデジタル放送受信装置において、放送信号により伝送され複数の放送番組の情報が含まれる番組表情報を復調する伝送情報復調手段と、復調した番組表情報からクイズ問題を生成するクイズ問題生成手段と、クイズ問題を出力して解答の入力と結果出力とを行うクイズ処理を実行可能なクイズ出題手段と、クイズ出題手段により出題されたクイズ問題に関する情報と入力された解答結果に関する情報とを外部のサーバコンピュータへ送信する通信手段と、装置の全体的な制御を行う中央演算処理装置とを備え、中央演算処理装置は、ユーザからの選択操作があったときに、クイズ出力手段によりクイズ処理を実行させるとともに、このクイズ処理中の画面に情報出力手段によりサービス情報を出力させる構成としたシステムが開示されている。
【0006】
特許文献4には、視聴者が最新の放送番組に関するクイズを楽しむことができるように、受信した放送番組情報から放送番組データを抽出して、抽出された放送番組データをメモリに記憶し、メモリに記憶されている放送番組データから放送番組を選択して、選択された放送番組に関するクイズを作成して出題し、所定時間クイズを画面に表示した後、該クイズの解答を画面に表示するようにするクイズ機能付きテレビ受像機が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−245970号公報
【特許文献2】特開平9−163343号公報
【特許文献3】特開2006−245971号公報
【特許文献4】特開2003−46964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のように、子供が映像出力装置を利用して放送番組などを視聴する頻度は高いということができるが、これによって、学習をおろそかにして、放送番組などを視聴し、或いは、テレビジョン受信機の機能を利用したゲーム(所謂テレビゲーム)に興ずる子供たちが多いというという問題がある。
このような事情から映像出力装置による視聴を制限することが望まれるが、映像出力装置は娯楽を目的としたものであるから、それによる視聴を強引に制限してしまうと、映像出力装置のそもそもの目的を失わせてしまうことにもなるという課題があった。
【0009】
本発明は、上記従来の事情に鑑みなされたものであり、映像出力装置の娯楽性を喪失させてしまうことなく、映像出力装置による視聴を合理的に制限することができる視聴制限装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る視聴制限装置は、映像出力装置の映像出力機能を制限する制限手段と、問題データと当該問題データに対する正解データを記憶する質問記憶手段と、質問記憶手段に記憶された問題データによる問題を画面表示するために出力する問題出力手段と、画面表示された問題に対する解答データを利用者から受け付ける解答入力手段と、質問記憶手段に記憶された正解データを参照して、解答入力手段により受け付けた解答データが問題出力手段により出力した問題データの正解データと一致するか否かを判定する解答判定手段と、解答判定手段が正解データと一致すると判定したことに応じて制限手段による制限を解除して映像出力装置を機能させる制限解除手段と、を備えている。
【0011】
この視聴制限装置によると、質問記憶手段が問題データと当該問題データに対する正解データを記憶しており、問題出力手段が問題データによる問題を画面表示するために出力して、解答入力手段が画面表示された問題に対する解答データを利用者から受け付け、解答判定手段が利用者から受け付けた解答データが正解データと判定すると、制限解除手段が、映像出力装置の映像出力機能を制限している制限手段に対して、その制限を解除して映像出力装置を機能させる。
【0012】
したがって、教育に資する問題などを画面表示して利用者に解答させることによりゲーム感覚の娯楽性を有する方法で利用者に勉強する機会を与えることができ、問題に正解することで映像出力装置による視聴ができるという、学習への動機付けを与えることができる。
なお、本発明では、視聴制限装置が画面を備えて、この画面に問題を表示する態様であっても、或いは、映像出力装置に備えられる画面に問題を表示する態様であってもよい。
【0013】
本発明では、制限手段が映像出力装置の映像出力機能を制限する方法として、映像出力装置が出力する映像や音声の信号を画面やスピーカへ伝送されないように遮断する等の種々な方法を採用することができるが、好ましい態様として、制限手段及び制限解除手段を、解答判定手段の判定結果に応じて、映像出力装置を機能させる電源をオン又はオフにするスイッチとすることができる。
【0014】
また、本発明では、上記のように種々の映像出力装置に適用することができるが、好ましい態様として、映像出力装置をデジタル放送テレビジョン受信機として、問題出力手段が、質問記憶手段に記憶された問題データによる問題を当該テレビジョン受信機の画面に表示するために出力することができる。
更にまた、本発明では、映像出力装置をデジタル放送テレビジョン受信機として、当該テレビジョン受信機が受信する放送番組のデータから問題データと当該問題データに対する正解データを生成して質問記憶手段に記憶させる質問生成手段を備える態様としてもよく、これによって、放送番組を受信することで問題データを自動的に更新して利用者に飽きの来ない問題を提示することができる。
【0015】
また、一般的に映像出力装置の操作方法はリモコンなどを用いたボタン操作であることに鑑みると、問題に対する解答方法は選択肢から選ぶ方法が、利用者による解答の入力に上記ボタン操作を利用できて好ましいといえる。
そこで、本発明では、質問記憶手段が問題データと当該問題データに対する選択肢データ及び正解データを記憶し、問題出力手段が、質問記憶手段に記憶された問題データによる問題を画面表示するために出力し、また、選択肢データによる選択肢を画面表示するために出力し、解答入力手段が、利用者が画面表示された選択肢を選択ことにより、問題に対する解答データを受け付ける態様とすることができる。
【0016】
また、本発明では、上記のように放送番組から問題を自動的に生成する方法の他、視聴制限装置をUSBメモリ等の外部メモリと接続可能で当該外部メモリからデータを読み取る機能を備えたものとして、問題出力手段が、外部メモリから読み込んだ問題データによる問題を画面表示するために出力することもできる。
これにより、外部メモリから新たな問題データ等を取り込んで画面表示される問題を更新することができ、また、パソコンなどで作成した問題を外部メモリを介して視聴制限装置に入力することで、視聴制限のための問題として用いることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ある種のゲーム感覚で問題に解答することにより映像出力装置の視聴制限を解除することができるようにしたので、映像出力装置の娯楽性を喪失させてしまうことなく、映像出力装置による視聴を合理的に制限することができる。
これにより、例えば、提示されて問題に正しく解答できたときのみ、テレビの視聴が可能となることにより、テレビの視聴回数を減らして学習を促すことが可能となる。
【0018】
また、従来では、RatingやPINコードなどを使用して、年齢や番組などに視聴制限を設けることができでも、制限を設けた人しか視聴制限を解除することができず、使い勝手が悪いものであったが、本発明は、利用者自らが正解することで視聴制限を解除することができるため、他人がいなければ視聴制限を解除することができないという不便さを解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係る視聴制限装置の構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る視聴制限装置の構成図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る質問データの構成及び読み込み方法を説明する図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る質問データの読み込み手順を説明する図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る問題及び選択肢の提示態様を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る視聴制限装置の要部の構成図である。
【図7】デジタル放送信号の構成を説明する図である。
【図8】デジタル放送信号の構成を説明する図である
【図9】デジタル放送信号の構成を説明する図である
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明を、実施形態に基づいて具体的に説明する。
なお、以下に説明する実施形態では、映像出力装置に供給する電力を制限することにより当該映像出力装置の視聴制限を行うが、本発明の視聴制限方法はこれに限定されることなく、映像出力装置の何らかの機能を制限して利用者が視聴し得ない状態とする公知の種々な方法を採用することができる。
【0021】
図1には、本発明の第1の実施形態に係る視聴制限装置の構成を示してある。
本実施形態の視聴制限装置は、映像出力装置1と当該映像出力装置1を機能させるために電力を供給する電源2との間に設けたスイッチ部3を有しており、スイッチ部3がオンとなることで映像出力装置1に電力が供給されて映像の視聴が可能となり、また、スイッチ部3がオフとなることで映像出力装置1への電力供給が遮断されて映像の視聴が不可能となる。
すなわち、スイッチ部3が、映像出力装置1の映像出力機能を制限する制限手段と、制限手段による制限を解除して映像出力装置1を機能させる制限解除手段と、を構成している。
【0022】
そして、本実施形態の視聴制限装置は、画面4、問題データ5と当該問題データに対する正解データ6を記憶する質問記憶部7、質問記憶部7に記憶された問題データによる問題を画面4に表示するために出力する出力処理部8、画面4に表示された問題に対する解答データを利用者から受け付ける入力部9、質問記憶部7に記憶された正解データ6を参照して、入力部9から受け付けた解答データが画面4に表示出力した問題データ(問題)の正解データ(正解)であるかを判定する判定部10を備えており、判定部10は正解と判定したときにはスイッチ部3をオンとする制御を行なう。
【0023】
なお、画面4は、視聴制限装置に独自の画面を備えてもよく、或いは、映像出力装置が備える画面を利用するようにしてもよい。
また、問題データ5及び正解データ6は、互いに対応付けて記憶部7に予め記憶しておくが、複数問記憶させておき、出力処理部8が、これら問題をランダムに画面表示するようにするのが好ましい。
【0024】
次に、本実施形態の視聴制限装置の動作を説明する。
まず、スイッチ部3は初期状態ではオフとなっており、利用者が映像出力装置1の電源スイッチ(図示省略)をオンとしても、映像出力装置1の映像出力機能は動作せず、利用者は映像出力装置1による映像視聴はできない。
なお、本実施形態では、映像出力装置1の電源スイッチは、利用者による入力部9からのオン・オフ操作指示により動作する。
【0025】
そして、入力部9から映像出力装置1の電源スイッチをオンとする指示が入力されると、出力処理部8が記憶部7から問題データを読み出して当該問題を画面4に表示する。
この問題は、本実施形態では、歴史や地理などについての質問文の形式であるが、画像形式として利用者に画像中の正解位置を指摘させる形式など、種々の形式を採用することができる。
【0026】
そして、画面4に表示した問題に対して入力部9から利用者の解答が入力されると、当該解答データは判定部10に入力され、判定部10が、当該解答データと画面表示した問題に対応する正解データ6とが一致するかを判定し、一致する(すなわち、解答が正解である)ときにはスイッチ部3をオンにする。
したがって、利用者が、画面4に表示された問題に対して正解したときにだけ、映像出力装置1による映像を視聴することができる。
【0027】
図2には、視聴制限装置をテレビジョン受信機に組み込んだ本発明に係る第2の実施形態の構成を示してある。
なお、図1に示した構成と同様な機能部には、同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0028】
本実施形態では、問題を表示出力する画面4にテレビジョン受信機に備えられている画面を利用しており、また、スイッチ部3をテレビジョン受信機に備えられている受信出力部11と電源2との間に設けている。
したがって、スイッチ部3がオフの状態では、テレビジョン受信機の電源スイッチをオンとしても、電源2から画面4などへの電力は供給されるが、アンテナ12から受信した放送信号により映像を画面4に表示する受信出力処理部11への電力は供給されない。
【0029】
また、本実施形態では、テレビジョン受信機に備えられたリモコン9aと受信部9bとで入力部を構成しており、利用者がリモコン9aを操作して入力した指示は、テレビジョン受信機本体の設けられた受信部9bで受信されて出力処理部8や判定部10に入力される。
【0030】
本実施形態の視聴制限装置においても、スイッチ部3は初期状態ではオフとなっており、利用者がリモコン9aを操作してテレビジョン受信機の電源スイッチをオンとする指示をしても、受信出力処理部11は動作せず、利用者はテレビジョン受信機による映像視聴はできない。
そして、この指示が入力されると、出力処理部8が記憶部7から問題データを読み出して当該問題を画面4に表示し、画面4に表示した問題に対してリモコン9aから利用者の解答が入力されると、判定部10が、当該解答データと画面表示した問題に対応する正解データ6とが一致するかを判定し、解答が正解であるときにはスイッチ部3をオンにする。
【0031】
したがって、利用者が、画面4に表示された問題に対して正解したときにだけ、テレビジョン受信機の受信出力部11が機能して映像を視聴することができる。
受信出力処理部11には、チューナやデコーダなど、受信した放送信号から画面に映像を出力するための種々な機能部を有しており、これら機能部の少なくとも1つに供給される電力を制限すれば視聴を制限することができる。
【0032】
図3には、質問データに関する変更を加えた本発明に係る第3の実施形態の構成を示してある。
なお、本実施形態は、図2に示した実施形態に変更を加えたものであり、当該実施形態と重複する説明は省略する。
【0033】
本実施形態では、テレビジョン受信機に備えられている公知のUSBメモリ接続端子及びUSBメモリからのデータ読み取り機能(共に図示を省略)を利用して、USBメモリ13から読み込んだデータに基づいて出力処理部8が画面4に表示出力することができる。
なお、画面表示する問題は、USBメモリ13に保存されているものと、記憶部7に保存されているものとに優劣をつけて、いずれか一方を優先して画面表示するようにしてもよい。
【0034】
また、本実施形態では、問題データ5と正解データ5に加えて、これらデータに対応付けた選択肢データ14も用いており、これらデータはそれぞれのフォルダとして、同じ質問に対する問題データ5、正解データ5、選択肢データ14は対応付けられている。
なお、このように外部メモリ13から質問データを読み込むことができることにより、利用者は、パーソナルコンピュータなどで編集・作成した質問を、外部メモリ13を介して視聴制限装置に読み込ませることができ、出力処理部8が画面4に表示出力する質問(問題や選択肢)を容易に更新することができる。
【0035】
本実施例では、図5に示すように、出力処理部8が問題と共に選択肢を画面4に表示出力し、利用者がリモコン9aから選択肢(本例では、選択肢に付された番号)を選択する指示を入力することで、利用者による解答が視聴制限装置に入力される。
【0036】
本実施形態について、より具体的な例を説明する。
USBメモリ13から質問(問題、正解、選択肢)に関するデータを効率よく読み込むために、USBメモリ13内に「question」「answer」「alternatives」という名前で3つのフォルダを作成し、そのフォルダ内にそれぞれ「問題」「正解」「選択肢」を記載したテキストファイルを保存する。
例えば、「問題」として「日本の首都はどこでしょう?」、「正解」として「東京」、「選択肢」として「大阪$$広島$$東京$$宮崎」のテキストファイルを保存する。
【0037】
問題の記載に関して、1つのテキストファイルにつき 1問記載し、「question」フォルダに保存する。また、複数の問題を効率よく読み込ませるためにテキストファイルの名前は数字の1から開始し、問題数に応じて数字を大きくした名前を付けていく。
例えば、1つ目の問題を記載するテキストファイルの名前を 1.txtとし、2つ目の問題を記載するテキストファイルの名前を 2.txtとする。
【0038】
正解の記載に関して、問題が記載されているテキストファイルと同じ名前のテキストファイルを作成し、その問題に対応する正解を記載した上で、「answer」フォルダに保存する。
例えば、「question」フォルダ内の 1.txtというファイルに書かれている問題に対する正解を記載する場合、「answer」フォルダ内に 1.txtという名前でテキストファイルを作成し、そのテキストファイルに正解を記載する。
【0039】
選択肢の記載に関して、正解と同様に、問題が記載されているテキストファイルと同じ名前のテキストファイルを作成し、その問題に対応する選択肢を記載した上で、「alternatives」フォルダに保存する。
例えば、「question」フォルダ内の 1.txtというファイルに書かれている問題に対する選択肢を記載する場合、「alternatives」フォルダ内に 1.txtという名前でテキストファイルを作成し、そのテキストファイルに選択肢を記載する。
【0040】
ここで、単にテキストファイルに文字列を記載するだけでは、どこからどこまでが1つの選択肢かを判断することが困難である。そのため、選択肢と選択肢の間に「$$」といった文字列を記載することによって、選択肢の文字列の範囲を判断できるようにする。
例えば、図5(a)に示すように「$$」で区切って記載すると、選択肢がそれぞれ「大阪」「広島」「東京」「宮崎」と判断されるが、図5(b)のように「$$」で区切らずに記載してしまうと、選択肢は「大阪広島東京宮崎」の1つのみであると判断されてしまう。
【0041】
また、出力処理部8は、自動的に選択肢に番号を振り分け、図3に示すように、各選択肢に番号を振り分けて画面4に表示する。
この振り分ける番号は、例えば、0から開始し、テキストファイルの左から順番に番号を付けるようにすればよい。
【0042】
ここで、選択肢に記載する文字列の条件として、「answer」フォルダ内のテキストファイルに記載した文字列と同じものを含めなければならず、さらに、USBメモリ13から問題を読み込ませる場合は、正しい形式で問題が保存されているかどうかを判断する必要があるため、USBメモリ13からのデータの読み込み処理は、テレビジョン受信機のデータ読み取り機能が図4に示すような手順で行なう。
【0043】
まず、問題を読み込むために3つの指定された名前のフォルダがUSBメモリ13に存在するかどうかを判断し(ステップS1)、各フォルダ内に同じ名前のテキストファイルが存在するかどうかを判断する(ステップS2)。
この2つの条件を満たした時に、テキストファイルに記載されている文字列を読み込み、選択肢に記載されている文字列の中に正解に記載されている文字列が含まれていることを確認し(ステップS3)、正解が含まれている場合は、正しく問題を読み込めたことを示すメッセージを画面4に提示し(ステップS4)、読み込んだ問題及び選択肢を画面4に表示する(ステップS5)。一方、上記3つの条件を満たさない場合は、画面4に正しく問題が作成されていない旨を伝えるメッセージを表示する(ステップS6)。
【0044】
なお、USBメモリ13から読み込んだ問題や選択肢を画面4に直ちに表示せずとも、これら質問データ(問題、正解、選択肢のデータ)を記憶部7に記憶させて、後に画面表示するようにしてもよい。
【0045】
図6には、本発明に係る第4の実施形態に係る要部の構成を示してある。
なお、本実施形態は、図2に示した実施形態に、質問データの自動生成機能を追加したものであり、当該実施形態と重複する説明は省略する。
本実施形態では、テレビジョン受信機が受信するデジタル放送番組のデータから問題データと当該問題データに対する正解データ及び選択肢データを生成して、記憶部7に記憶させる質問生成部15を備えており、放送番組を視聴することに伴って新たな質問データが自動的に記憶部7に記憶されて、視聴制限の解除のために利用者に画面表示される。
【0046】
本実施形態では、番組情報から問題を自動生成するために、質問生成部15が、指定されたジャンルの番組の字幕情報から問題文、正解および選択肢を生成する。
そのために、図7に示すように、デジタル放送信号であるトランスポートストリームに含まれる EIT(Event Information Table)の情報を確認する。
まず、EITの中には各番組の分類データを示す“content_descriptor”という記述子が含まれており、さらに、この“content_descriptor”の中には、図8に示すように“Content_nibble_level_1”および “Content_nibble_level_2”という値が含まれている。
これらの値を確認することにより、番組のジャンルを確認することができる。
【0047】
次に、ジャンルがクイズであると判断した番組に字幕が存在するかどうかを確認する。そのために、図7に示すように、デジタル放送信号であるトランスポートストリームに含まれる PMT(Program Map Table)の情報を確認する。
PMTの中には、図9に示すように、番組に含まれている字幕データを示す“caption_descriptor”という記述子が含まれており、字幕が存在する場合は、質問生成部15が、字幕情報をもとに問題文、正解および選択肢を記憶部7に記録する。
具体的には、字幕情報に含まれるキーワードを用いて、問題文、正解および選択肢を判別して、これらを抽出して記憶部7に記録する。
【0048】
実際にテレビ放送されている或るクイズ番組を例にとると、まず、問題文に関しては、画面に「問題」と表示された後、問題文が表示され最後に「?」の文字が表示される。そのため、「問題」と「?」の間にある文字列を問題文と判断する。
正解に関しては、番組に参加している人の解答も表示されることがあり、さらにその解答が正しいとは限らない。そのため、画面に、「ファイナルアンサー」と表示された後に表示される解答は、必ず正しい解答が表示されることを利用し、「ファイナルアンサー」と表示された後に表示された文字列を正解とする。
【0049】
選択肢は、記号と文字列が交互に表示されるため、記号と文字列が交互に入れ替わる箇所を特定し、記号と記号との間を選択肢の文字列であると判断する。
この質問生成処理は、テレビがスタンバイ中であっても実行し、条件に当てはまる番組が放送されるごとに実行する。
【0050】
なお、本発明では、利用者に対する問題の提示を、正解できない場合に一定時間が経つと問題を再度提示して、視聴制限を解除するチャンスを複数回与えるようにしてもよい。
また、本発明は、視聴制限の目的に加えて、問題専用の画面に表示することで、USBメモリ13や記憶部7に保存されている問題を利用者が自由に楽しむこともできるようにしてもよい。この場合、1問解く毎に次の問題を表示し、全ての問題に利用者が解答した時点で、解答および正答率を表示させるようにすることにより、番組を視聴する以外の娯楽を利用者に提供できる。
【0051】
上記の実施形態で示した各種の処理を行なう機能部は、プロセッサやメモリなどといったコンピュータハードウエアでプログラムを実行することにより構成してもよく、また、電子素子を用いたハードウエア回路で構成してもよい。
【符号の説明】
【0052】
1:映像出力装置、 2:電源、
3:スイッチ部、 4:画面、
5:問題データ、 6:正解データ、
7:記憶部、 8:出力処理部、
9:入力部、 10:判定部、
13:USBメモリ、 14:選択肢データ、
15:質問生成部、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像出力装置による視聴を制限する装置であって、
映像出力装置の映像出力機能を制限する制限手段と、
問題データと、当該問題データに対する正解データを記憶する質問記憶手段と、
質問記憶手段に記憶された問題データによる問題を画面表示するために出力する問題出力手段と、
画面表示された問題に対する解答データを利用者から受け付ける解答入力手段と、
質問記憶手段に記憶された正解データを参照して、解答入力手段により受け付けた解答データが問題出力手段により出力した問題データの正解データと一致するか否かを判定する解答判定手段と、
解答判定手段が正解データと一致すると判定したことに応じて、制限手段による制限を解除して映像出力装置を機能させる制限解除手段と、
を備えたことを特徴とする映像出力装置の視聴制限装置。
【請求項2】
請求項1に記載の視聴制限装置において、
制限手段及び制限解除手段は、解答判定手段の判定結果に応じて、映像出力装置を機能させる電源をオン又はオフにするスイッチであることを特徴とする映像出力装置の視聴制限装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の視聴制限装置において、
映像出力装置は、デジタル放送テレビジョン受信機であり、
問題出力手段は、質問記憶手段に記憶された問題データによる問題をテレビジョン受信機の画面に表示するために出力することを特徴とする映像出力装置の視聴制限装置。
【請求項4】
請求項3に記載の視聴制限装置において、
テレビジョン受信機が受信する放送番組のデータから問題データと当該問題データに対する正解データを生成して、質問記憶手段に記憶させる質問生成手段を備えることを特徴とする映像出力装置の視聴制限装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の視聴制限装置において、
質問記憶手段は、問題データと、当該問題データに対する選択肢データ及び正解データを記憶し、
問題出力手段は、質問記憶手段に記憶された問題データによる問題を画面表示するために出力し、選択肢データによる選択肢を画面表示するために出力し、
解答入力手段は、利用者が画面表示された選択肢を選択ことにより、問題に対する解答データを受け付けることを特徴とする映像出力装置の視聴制限装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の視聴制限装置において、
外部メモリと接続可能であり、
問題出力手段は、外部メモリから読み込んだ問題データによる問題を画面表示するために出力することを特徴とする映像出力装置の視聴制限装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−244318(P2012−244318A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−111003(P2011−111003)
【出願日】平成23年5月18日(2011.5.18)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】