説明

映像多重化装置、映像多重化方法、及びプログラム

【課題】符号化レートを下げ過ぎることなく、伝送レートに応じた最適な高画質映像を伝送する。
【解決手段】符号化部201は、複数のストリームの各々を、複数の符号化レートで符号化し多重化する。参照情報作成部203は、複数の符号化レートで符号化された複数のストリームの各々に対する品質評価値を算出し、複数のストリームの符号化レートの総和が伝送帯域以内となり、かつ、その品質評価値の最低値がより高くなるような組合わせを特定する参照情報を作成する。コマンド変換部211は、参照情報に基づいて、データ管理部205により選択されるべき所定数のストリームの組合わせを指示する。データ管理部205は、データ蓄積部202から符号化された所定数のストリームを取り出す。データ送信部207は、該所定数のストリームを伝送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同期した複数のストリーム構成をもつ映像を一定の伝送帯域以内で伝送する映像多重化装置、映像多重化方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のカメラ映像をまとめて圧縮する符号化方式として、国際標準符号化方式H.264 Annex Hとして多視点映像符号化(MVC)が標準化されている(例えば、非特許文献1参照)。MVCでは、複数の映像符号化データが多重化された形で圧縮符号化される。同じタイムスタンプのフレームの符号化データが連続して多重化される。すなわち、符号化データは、複数の映像データが多重化されたストリームになる。同じタイムスタンプのフレームが連続して多重化されているため、復号器は、MVCの符号化データを復号することで、同じタイムスタンプの複数のカメラ映像を連続して復号して出力することができる。
【0003】
図26は、従来技術による映像伝送システムの構成を示すブロック図である。図において、従来技術の映像伝送システムは、多重化装置1、映像伝送サーバ2、映像再生クライアント3から構成される。多重化装置1において、符号化部101は、M本の入力ストリームを同一の固定符号化レートで符号化・多重化し、多重化データを作成する。データ蓄積部102は、このM本のストリームを含む多重化データを蓄積する。
【0004】
映像伝送サーバ2において、データ送信部103は、データ蓄積部102からN(≦M)本のストリームを取り出し、映像再生クライアント3へ送出する。ここで、N本のストリームを送出するためには、N×固定符号化レート分の伝送レートが必要となる。
【0005】
映像再生クライアント3において、データ受信部104は、N本のストリームを受信する。復号化部105は、N本のストリームを復号する。映像表示部106は、部分映像を表示する。
【0006】
なお、ここでは、M本のストリーム(全体ストリーム)から構成される映像を「全体映像」、N(≦M)本のストリーム(部分ストリーム)から構成される映像を「部分映像」、1本のストリームから構成される映像を「単位映像」と定義する。つまり、全体映像は、M個の単位映像、部分映像は、N個の単位映像から構成される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Hideaki Kimata, Shinya Shimizu, Yutaka Kunita, Megumi Isogai, and Yoshimitsu Ohtani, "Panorama video coding for user-driven interactive video application," IEEE International Symposium on Consumer Electronics (ISCE) 2009, 2009.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した従来技術では、伝送レート<N×固定符号化レートの場合には、N本の部分ストリームから構成される部分映像を送出できないという問題があった。また、伝送レート≧N×固定符号化レートとなるように符号化レートを下げ過ぎると、画像品質が悪くなるという問題があった。
【0009】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、符号化レートを下げ過ぎることなく、伝送レートに応じた最適な高画質映像を伝送することができる映像多重化装置、映像多重化方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために、本発明は、符号化された複数のストリームを符号化・多重化して所定の伝送帯域で伝送する映像多重化装置であって、複数のストリームの各々を、複数の符号化レートで符号化し多重化する符号化手段と、前記符号化手段により複数の符号レートで符号化された複数のストリームの中から所定数のストリームを選択する選択手段と、前記符号化手段により複数の符号化レートで符号化された複数のストリームの各々に対する品質評価値を算出する評価値算出手段と、前記選択手段により選択される前記所定数のストリームの符号化レートの総和が前記所定の伝送帯域以内となり、かつ、前記所定数のストリームの品質評価値の最低値がより高くなる、前記所定数のストリームの組合わせを特定する参照情報を作成する参照情報作成手段と、前記参照情報作成手段により作成された参照情報に基づいて、前記選択手段により選択されるべき前記所定数のストリームの組合わせを指示する選択指示手段と、前記選択手段により最終的に選択された、前記所定数のストリームを伝送する伝送手段とを備えることを特徴とする映像多重化装置である。
【0011】
本発明は、上記の発明において、入力された映像データを小領域に分割することで複数のストリームを生成する映像分割手段を更に備え、前記符号化手段は、前記映像分割手段により分割された複数のストリームの各々を、複数の符号化レートで符号化し多重化することを特徴とする。
【0012】
本発明は、上記の発明において、前記所定数のストリームの組合わせを指定する指定手段を更に具備し、前記選択指示手段は、前記指定手段により前記所定数のストリームの組合わせが変更指示されると、前記参照情報作成手段により作成された参照情報に基づいて、前記選択手段により選択されるべき前記所定数のストリームの組合わせを新たに指示することを特徴とする。
【0013】
本発明は、上記の発明において、前記所定数のストリームの組合わせを指定する指定手段を更に具備し、前記参照情報作成手段は、前記指定手段により前記所定数のストリームの組合わせが変更指示されると、変更指示された組合わせに含まれる前記所定数のストリームの符号化レートの総和が前記所定の伝送帯域以内となり、かつ、変更指示された組合わせに含まれる前記所定数のストリームの品質評価値の最低値がより高くなる、前記所定数のストリームの組合わせを特定する参照情報を新たに作成することを特徴とする。
【0014】
また、上述した課題を解決するために、本発明は、符号化された複数のストリームを符号化・多重化して所定の伝送帯域で伝送する映像多重化方法であって、複数のストリームの各々を、複数の符号化レートで符号化し多重化するステップと、前記複数の符号レートで符号化された複数のストリームの中から所定数のストリームを選択するステップと、前記複数の符号化レートで符号化された複数のストリームの各々に対する品質評価値を算出するステップと、前記所定数のストリームの符号化レートの総和が前記所定の伝送帯域以内となり、かつ、前記所定数のストリームの品質評価値の最低値がより高くなる、前記所定数のストリームの組合わせを特定する参照情報を作成するステップと、前記作成された参照情報に基づいて、選択すべき前記所定数のストリームの組合わせを指示するステップと、最終的に選択された、前記所定数のストリームを伝送するステップとを含むことを特徴とする映像多重化方法である。
【0015】
本発明は、上記の発明において、入力された映像データを小領域に分割することで複数のストリームを生成するステップと、前記分割された複数のストリームの各々を、複数の符号化レートで符号化し多重化するステップとを更に含むことを特徴とする。
【0016】
本発明は、上記の発明において、前記所定数のストリームの組合わせを指定するステップと、前記所定数のストリームの組合わせが変更指示されると、前記参照情報に基づいて、前記選択されるべき前記所定数のストリームの組合わせを新たに指示するステップとを更に含むことを特徴とする。
【0017】
本発明は、上記の発明において、前記所定数のストリームの組合わせを指定するステップと、前記所定数のストリームの組合わせが変更指示されると、変更指示された組合わせに含まれる前記所定数のストリームの符号化レートの総和が前記所定の伝送帯域以内となり、かつ、変更指示された組合わせに含まれる前記所定数のストリームの品質評価値の最低値がより高くなる、前記所定数のストリームの組合わせを特定する参照情報を新たに作成するステップとを更に含むことを特徴とする。
【0018】
また、上述した課題を解決するために、本発明は、符号化された複数のストリームを符号化・多重化して所定の伝送帯域で伝送する映像多重化装置のコンピュータに、複数のストリームの各々を、複数の符号化レートで符号化し多重化する符号化機能、前記符号化機能により複数の符号レートで符号化された複数のストリームの中から所定数のストリームを選択する選択機能、前記符号化機能により複数の符号化レートで符号化された複数のストリームの各々に対する品質評価値を算出する評価値算出機能、前記選択機能により選択される前記所定数のストリームの符号化レートの総和が前記所定の伝送帯域以内となり、かつ、前記所定数のストリームの品質評価値の最低値がより高くなる、前記所定数のストリームの組合わせを特定する参照情報を作成する参照情報作成機能、前記参照情報作成機能により作成された参照情報に基づいて、前記選択機能により選択されるべき前記所定数のストリームの組合わせを指示する選択指示機能、前記選択機能により最終的に選択された、前記所定数のストリームを伝送する伝送機能を実現することを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、符号化レートを下げ過ぎることなく、伝送レートに応じた最適な高画質映像を伝送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態による映像伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本第1実施形態による、各データIDに対する評価値算出手順を説明するためのフローチャートである。
【図3】本第1実施形態でのコマンド変換の際に必要となる、参照情報の作成手順を説明するためのフローチャートである。
【図4】本第1実施形態でのストリームIDとデータIDとの対応情報を示す概念図である。
【図5】本第1実施形態での参照情報作成の詳細手順を説明するためのフローチャートである。
【図6】本第1実施形態での画質改善のための優先データID情報を示す概念図である。
【図7】本第1実施形態でのストリーム要求情報の作成例を示す概念図である。
【図8】本第1実施形態での参照情報を示す概念図である。
【図9】本第1実施形態での映像再生クライアント30のコマンド送信手順を説明するためのフローチャートである。
【図10】本第1実施形態での映像伝送サーバ20のコマンド受信およびデータ送信手順を説明するためのフローチャートである。
【図11】本第1実施形態での映像再生クライアント30のデータ受信および映像表示手順を説明するためのフローチャートである。
【図12】本第2実施形態による映像伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図13】本第2実施形態での映像分割部301による映像分割の一例を示す概念図である。
【図14】本第2実施形態での各データIDに対するSNRの算出手順を説明するためのフローチャートである。
【図15】本第2実施形態でのビットレート(500kbps)で付与されたデータIDを示す概念図である。
【図16】本第2実施形態でのビットレート(1Mbps)で付与されたデータIDを示す概念図である。
【図17】本第2実施形態でのビットレート(1.5Mbps)で付与されたデータIDを示す概念図である。
【図18】本第2実施形態でのタイルIDと映像符号化データIDの対応情報を示す概念図である。
【図19】本第2実施形態での表示パターンの例を示す概念図である。
【図20】本第2実施形態でのストリーム要求情報の作成例を示す概念図である。
【図21】本第2実施形態での参照情報を示す概念図である。
【図22】本発明の第3実施形態による映像伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図23】本発明の第4実施形態による映像伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図24】本発明の第5実施形態による、多重化装置10における参照情報作成手順を説明するためのフローチャートである。
【図25】本第5実施形態での多重化装置10における評価値をキーとしたデータIDの昇順ソートの例を示す概念図である。
【図26】従来技術による映像伝送システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
A.第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態による映像伝送システムの構成を示すブロック図である。多重化装置10において、符号化部201は、同期したM本のストリーム構成を持つ映像を入力とし、各ストリームを複数の符号化レートで符号化・多重化し、映像データを作成する。データ蓄積部202は、この映像データを蓄積する。参照情報作成部203は、データ蓄積部202に蓄積されている映像データを用いて、参照情報を作成し、参照情報蓄積部204に蓄積する。なお、参照情報、映像データの順に多重化したデータをデータ蓄積部202に蓄積してもよい。
【0022】
映像伝送サーバ20において、データ管理部205は、コマンド受信部206で受信した、映像再生クライアント30からの「ストリーム要求情報」に従って、データ蓄積部202へN(≦M)本のストリーム要求を行うことで、データ蓄積部202に蓄積されたM本のストリームからN本のストリームを取り出し、データ送信部207へ転送する。データ送信部207は、N本のストリームを映像再生クライアント30へ送出する。コマンド受信部206は、映像再生クライアント30からのコマンドを受信する。参照情報送信部208は、参照情報蓄積部204から参照情報データを取り出し、映像再生クライアント30へ送出する。
【0023】
映像再生クライアント30において、データ受信部212は、N本のストリームを受信する。復号化部213は、N本のストリームを復号する。映像表示部214は、復号化された部分映像を表示する。参照情報受信部216は、映像伝送サーバ20から送信される参照情報を受信し、参照情報蓄積部210に蓄積する。ストリーム組合せ指定部215は、ストリーム組合せ指定の変更入力を受付ける。コマンド変換部211は、ストリーム組合せ指定に変更があった場合に、参照情報蓄積部210に蓄積された参照情報を参照し、「ストリーム組合せ情報」を「ストリーム要求情報」へ変換する。コマンド送信部209は、「ストリーム要求情報」に従って映像伝送サーバ20にコマンド送信を行う。
【0024】
なお、多重化装置10におけるデータ蓄積部202と参照情報蓄積部204とを機能統合し、映像伝送サーバ20におけるデータ送信部207と参照情報送信部208とを機能統合し、映像再生クライアント30におけるデータ受信部212と参照情報受信部216とを機能統合するような構成も可能である。
【0025】
また、図1では、映像再生クライアント30において、コマンド変換部209は、「参照情報」を参照して、「ストリーム組合せ情報」を「ストリーム要求情報」へ変換しているが、映像伝送サーバ20と映像再生クライアント30とで「参照情報」を持つことで、コマンド変換部211にてコマンド変換せず、「ストリーム組合せ情報」を、直接、コマンドとして、コマンド送信部209より送信する構成も実施可能である。この構成の場合、映像伝送サーバ20側で、参照情報を参照することで、「ストリーム組合せ情報」を「ストリーム要求情報」へ変換することができる。
【0026】
次に、本第1実施形態の映像多重化・伝送方法について詳細に説明する。
本第1実施形態では、例えば、同期した12本の入力ストリームから構成される映像を10Mbpsで伝送する際に、映像データを伝送する前に、参照情報を送信する。図1に示す多重化装置10における参照情報作成部203での参照情報の作成手順は、各入力ストリームを複数のビットレートで符号化した結果に対する評価値算出手順と、評価値の算出結果を用いた参照情報作成手順とから構成される。
【0027】
図2は、本第1実施形態による、符号化部201、参照情報作成部203による各データIDに対する評価値算出手順を説明するためのフローチャートである。まず、符号化部201は、同期した複数の入力ストリームにストリームIDを付与する。次に、各入力ストリームを複数の符号化レート(ビットレート)で符号化し(ステップS001)、符号化後のストリームに対してデータIDを付与する(ステップS002)。続いて、参照情報作成部203は、ストリームIDと映像符号化データIDの対応情報の作成を行い(ステップS003)、最後に各データIDに対する評価値の算出を行う(ステップS004)。
【0028】
図3は、本第1実施形態による、コマンド変換部211でのコマンド変換の際に必要となる、参照情報作成部203による参照情報の作成手順を説明するためのフローチャートである。参照情報作成部203は、参照情報の作成の前に、まず、伝送帯域を示す「伝送レート」と、データIDの組合せから構成される「ストリーム組合せ」とを設定し(ステップS201)、基本となる符号化レートを示す「ベースビットレート」と、基本となる符号化レートより大きい符号化レートを示す「改善ビットレート」との設定を行う(ステップS202)。
【0029】
次に、「ストリーム組合せ」内のベースビットレートにおけるデータIDから画質改善対象となるデータIDの個数を算出する(ステップS203)。次に、ステップS004で算出した各データIDに対する評価値を用いて、優先的に画質改善が必要なデータIDの順位情報を作成する(ステップS204)。「ストリーム組合せ」内のベースビットレートにおけるデータIDから、ステップS203で算出されたデータIDの個数分を、改善ビットレートにおけるデータIDに変更する(ステップS205)。最後に、「ストリーム組合せ情報」と、データIDから構成される「ストリーム要求情報」との対応情報を含む参照情報の作成を行う(ステップS206)。
【0030】
例えば、伝送レート:10Mbps、ベースビットレート:500kbps、改善ビットレート:1Mbps、「ストリーム組合せ」をストリームID(7,8,9,13,14,15,19,20,21,25,26,27)、評価値を平均SNR(全フレームのSNR(信号雑音比:signal-noise ratio)の平均値)とした場合、ストリームIDとデータIDとの対応情報は、図4に示すようになる。
【0031】
また、各フレームのSNRは、次式(1)により算出する。
【0032】
SNR=10*log10(MAX/MSE) (1)
【0033】
単位はデシベル[dB]である。MAXは、原画像が取り得る最大画素値である。例えば、ビット深度が8ビットの場合のMAXの値は、255となる。また、数式(1)のMSEとは、平均二乗誤差(Mean Square Error)のことであり、タイルサイズの原画像とローカルデコード画像との差分の二乗総和を、タイルサイズの画素数で割ることで求められる。
【0034】
なお、符号化部201にてローカルデコード画像が得られない符号化モード(例えば、フルイントラモード)などの場合には、ローカルデコード画像作成(復号化)を符号化手順とは別に行う必要がある。
【0035】
図5は、本第1実施形態による、多重化装置10における参照情報作成の詳細手順を説明するためのフローチャートである。参照情報作成部203は、まず、「ストリーム組合せ」の設定(ストリームID(7,8,9,13,14,15,19,20,21,25,26,27)、Nt=12)、伝送ビットレート(Max_bitrate)=10Mbpsの設定を行う(ステップS301)。次に、ベースビットレート(tile_bitrate_base)=500kbps、改善ビットレート(tile_bitrate_up)=1Mbpsの設定を行う(ステップS302)。
【0036】
次に、Nt(「ストリーム組合せ」のストリームIDの個数)×tile_bitrate_base(ベースビットレート)<Max_bitrate(伝送ビットレート)であり(第1の条件)、かつ、M1(Max_bitrate−Nt×tile_bitrate_base)>M2(tile_bitrate_up−tile_bitrate_base)、または、M1=M2となる第2の条件を満足するか否かを判定する(ステップS303)。
【0037】
上記第1の条件、または第2の条件を満たさない場合には、tile_bitrate_base=tile_bitrate_base−Δtile_bitrate_base、tile_bitrate_up=tile_bitrate_up−Δtile_bitrate_upとし(ステップS304)、ステップS303に戻る。
【0038】
一方、上述した設定条件では、「ストリーム組合せ」のストリームIDの個数よりNt=12であるので、Nt×title_bitrate_base=12×0.5Mbps=6Mbps<Max_bitrate=10Mbpsとなり、第1の条件を満たし、さらに、tile_bitrate_up=1Mbpsであるので、M1=10−12×0.5=4Mbps、M2=1−0.5=0.5Mbpsとなり、M1>M2の第2の条件を満たす(ステップS303のYES)。
【0039】
上記第1の条件、及び第2の条件を満たすと、Mup=INT(4/0.5)=8を算出し(ステップS305)、「ストリーム組合せ」内の12個のベースビットレートにおけるデータIDに関するY成分のSNRをキーとして昇順にソートする(ステップS306)。これにより、図6に示すソート結果を得る。
【0040】
次に、Mup=8から、SNRの小さい順に8個選定し(ステップS307)、図4に示す「データID」の対応情報を参照し、ベースビットレートtile_bitrate_baseにおけるデータIDを、図7に示すように、改善ビットレートtile_bitrate_upにおけるデータIDに変更する(ステップS308)。最後に、図8に示すように、「ストリーム組合せ」とデータIDから構成される「ストリーム要求情報」との対応情報を含む参照情報を作成する(ステップS309)。
【0041】
次に、本第1実施形態による映像伝送システムで、映像再生クライアント30からのコマンド送信から映像表示までの一連の手順について図9から図11を参照して説明する。
【0042】
図9は、映像再生クライアント30のコマンド送信手順を説明するためのフローチャートである。まず、ストリーム組合せ指定部215にて、「ストリーム組合せ」の指定を行い(ステップS501)、コマンド変換部211にて、「ストリーム組合せ」から「ストリーム要求情報」への変換を行い(ステップS502)、コマンド送信部209にて、コマンド送信を行う(ステップS503)。
【0043】
図10は、映像伝送サーバ20のコマンド受信およびデータ送信手順を説明するためのフローチャートである。まず、コマンド受信部206にて、コマンドを受信し(ステップS401)、コマンドに含まれる要求データIDの解釈を行い(ステップS402)、要求データIDに対応するストリームをデータ蓄積部202からデータ送信部207へ転送する(ステップS403)。最後に、データ送信部207にてストリームの送信を行う(ステップS404)。
【0044】
図11は、映像再生クライアント30のデータ受信および映像表示手順を説明するためのフローチャートである。まず、データ受信部212にてストリームの受信を行い(ステップS601)、次に復号化部213にてストリームの復号化を行う(ステップS602)。最後に、映像表示部214にて復号化データの表示を行う(ステップS603)。
【0045】
B.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図12は、本第2実施形態による映像伝送システムの構成を示すブロック図である。なお、図1に対応する部分には同一の符号を付けて説明を省略する。多重化装置10において、映像分割部301は、入力された映像データをM本のストリームに分割(タイル分割)する。符号化部201は、各ストリームを複数の符号化レートで符号化・多重化し、映像データを作成する。
【0046】
上述したように、本第2実施形態では、映像分割部301にて、入力映像データを同期した複数のストリームに分割する。例えば、入力映像サイズ3840×1920画素、タイルサイズ640×320画素とした場合には、図13に示すような分割結果となる。このとき、映像表示領域サイズを1920×1080画素とした場合、映像表示のパターンは、12パターンとなる。
【0047】
図14は、各データIDに対するSNRの算出手順を説明するためのフローチャートである。まず、3840×1920画素の入力映像を、図13に示すように、6×6=36個にタイル分割する(ステップS101)。次に、各タイルを複数の段階のビットレート(例えば、500kbps、1Mbps、1.5Mbps)で符号化する(ステップS102)。続いて、各タイルの符号化結果に対するデータIDの付与を行う(ステップS103)。例えば、図15、図16、図17には、複数の段階のビットレート(500kbps、1Mbps、1.5Mbps)で付与されたデータIDを示している。
【0048】
次に、図18に示すような、タイルIDと映像符号化データIDの対応情報を作成する(ステップS104)。最後に、入力画像のタイル分割後に得られるタイルサイズの原画像と、符号化部201での処理の過程で得られるタイルサイズのローカルデコード画像とから各データIDに対する平均SNR(全フレームのSNRの平均値)を算出する(ステップS105)。
【0049】
ここで、各フレームのSNRは、前述した第1実施形態と同様に、数式(1)で算出する。なお、符号化部201にてローカルデコード画像が得られない符号化モード(例えば、フルイントラモード)などの場合には、ローカルデコード画像作成(復号化)を、符号化手順とは別に行う必要がある。
【0050】
本第2実施形態において、コマンド変換部211でのコマンド変換の際に必要となる、参照情報の作成手順は、前述した第1実施形態と同様(図3)であるので、異なる点についてのみ説明する。
【0051】
例えば、図13に示すように、タイルサイズを640×320画素、入力映像サイズを3840×1920画素、映像表示領域サイズを1920×1080画素とした場合の例について説明する。図13に示すようなケースの場合、映像表示領域が拡大縮小せず、平行移動のみと仮定した場合、全部で表示パターンは、図19に示すように、表示パターンP1〜P12の12パターンとなる。各タイルIDが付与されたストリームを入力画像として、図15に示す、500kbpsで符号化した結果のストリーム、図16に示す、1Mbpsで符号化した結果を、図17に示す、1.5Mbpsで符号化した結果を、データID付与したとき、タイルIDとデータIDの対応関係は、図18に表すことができる。
【0052】
ここで、本第2実施形態において、伝送レート10Mbps、ベースビットレート500kbps、改善ビットレート1Mbps、または1.5Mbps、評価値を平均SNR(全フレームのSNRの平均値)とした場合について説明する。なお、本第2実施形態による、多重化装置10における参照情報作成手順は、前述した第1実施形態と基本的に同様(図5)であるので、図5を参照して説明する。
【0053】
ステップS301において、「ストリーム組合せ」として、図19に示す「表示パターンP6」を設定、伝送レートが10MbpsなのでMax_bitrate=10Mbpsで設定する。次に、ステップS302において、ベースビットレートtitle_bitrate_base=500kbps、改善ビットレートtile_bitrate_up=1Mbpsを設定した場合について説明する。
【0054】
図19に示す「表示パターンP6」内のタイル数は、12タイルなので、Nt=12となる。よって、ステップS303において、Nt×title_bitrate_base=12×0.5Mbps=6MbpsMax_bitrate=10Mbpsとなり、条件を満たし、さらに、tile_bitrate_up=1Mbpsの場合、M1=10−12×0.5=4Mbps、M2=1−0.5=0.5Mbpsとなり、M1>M2の条件を満たす。
【0055】
上記条件を満たすと、ステップS305で、Mup=INT(4/0.5)=8と算出できる。次に、図18に示すタイルIDと映像符号化データIDとの対応情報より、「表示パターンP6」内の12個のタイルIDに対応するベースビットレートにおけるデータIDを選択し、ステップS306において、このデータIDに関するY成分の平均SNRをキーとして昇順にソートする。これにより、図6に示すソート結果を得る。
【0056】
次に、ステップS305で算出されたMup=8から、ステップS307において、SNRの小さい順に8個選定し、ステップS308において、図18に示す「データID」の対応情報を参照し、ベースビットレートtile_bitrate_baseにおけるデータIDを、改善ビットレートtile_bitrate_upにおけるデータIDに変更する。最後に、ステップS309において、図8に示すように、「ストリーム組合せ」とデータIDとから構成される「ストリーム要求情報」の対応情報を含む参照情報を作成する。
【0057】
一方、tile_bitrate_up=1.5Mbpと設定した場合には、ステップS303において、M1=10−12×0.5=4Mbps、M2=1.5−0.5=1.0Mbpsとなり、M1>M2の条件を満たすので、ステップS305において、Mup=INT(4/1.0)=4と算出できる。
【0058】
次に、ステップS306において、表示パターンP6内の12個のタイル数分のデータIDに関するY成分のSNRをキーとして昇順にソートする。これにより、図6に示すソート結果を得る。次に、S305で算出されたMup=4から、ステップS307において、SNRの小さい順に4個選定し、ステップS308において、図18に示す「データID」の対応情報を参照し、ベースビットレートtile_bitrate_baseにおけるデータIDを、図20に示すように、改善ビットレートtile_bitrate_upにおけるデータIDに変更する。最後に、ステップS309において、図21に示すように、「ストリーム組合せ」とデータIDから構成される「ストリーム要求情報」との対応情報を含む参照情報を作成する。
【0059】
なお、本第2実施形態において、映像再生クライアントにおけるコマンド送信から映像表示までの一連の手順については、前述した第1実施形態と同様(図9から図11)であるので、説明を省略する。
【0060】
C.第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図22は、本第3実施形態による映像伝送システムの構成を示すブロック図である。なお、図1に対応する部分には同一の符号を付けて説明を省略する。多重化装置10において、評価値計算部403は、データ蓄積部402に蓄積されている映像データを用いて、評価値を計算し、計算値蓄積部404に蓄積する。なお、評価値、映像データの順に多重化したデータをデータ蓄積部402に蓄積してもよい。
【0061】
映像伝送サーバ20において、評価値送信部408は、評価値蓄積部404から評価値情報を取り出し、映像再生クライアントへ送出する。
【0062】
映像再生クライアント30において、評価値受信部415は、映像伝送サーバ20から送信される評価値情報を受信し、評価値蓄積部416に蓄積する。参照情報作成部418は、ストリーム組合せ指定に変更があった場合に、評価値蓄積部416から評価値情報を取り出し、参照情報の作成を行い、該参照情報を参照情報蓄積部210に蓄積する。
【0063】
なお、多重化装置10におけるデータ蓄積部202と評価値蓄積部404とを機能統合し、映像伝送サーバ20におけるデータ送信部207と評価値送信部408とを機能統合し、映像再生クライアント30におけるデータ受信部212と評価値受信部415とを機能統合するような構成も可能である。
【0064】
本第3実施形態は、前述した第1実施形態の変形であり、図1の構成と図22の構成とを比較することで分かる通り、多重化装置10で参照情報を作成するのではなく、映像再生クライアント30で参照情報の作成を行う。
【0065】
このため、映像伝送クライアント30に送信される情報は、図8、及び図21に示す情報ではなく、図4に示すストリームIDと映像符号化データIDとの対応情報、及び図6に示すソートした結果(ここでは、全データIDに対する平均SNR計算結果)となる。映像再生クライアント30での参照情報の作成は、前述した第1実施形態と同様である。つまり、図5における、ステップS301の「ストリーム組合せ」の設定を、図22に示すストリーム組合せ指定部215にて行い、「ストリーム組合せ」の指定の変化に応じて、図5に示す手順で参照情報の作成を行う。
【0066】
D.第4実施形態
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
図23は、本第4実施形態による映像伝送システムの構成を示すブロック図である。なお、図1、図12、図22に対応する部分には同一の符号を付けて説明を省略する。図23から明らかなように、本第4実施形態による映像伝送システムは、図1に示す第1実施形態による映像伝送システムの構成に対して、図12に示す第2実施形態の構成、及び図22に示す第3実施形態の構成を採用した構成となっている。
【0067】
すなわち、本第4実施形態による映像伝送システムでは、多重化装置10において、映像分割部301が、入力された映像データをM本のストリームに分割(タイル分割)し、評価値計算部403は、データ蓄積部503に蓄積されている映像データを用いて、評価値を計算し、計算値蓄積部404に蓄積する。また、映像伝送サーバ20において、評価値送信部408は、評価値蓄積部404から評価値情報を取り出し、映像再生クライアント30へ送出する。映像再生クライアント30において、評価値受信部415は、映像伝送サーバ20から送信される評価値情報を受信し、評価値蓄積部416に評価値情報を蓄積し、参照情報作成部418は、ストリーム組合せ指定に変更があった場合に、評価値蓄積部416から評価値情報を取り出し、参照情報の作成を行い、参照情報を参照情報蓄積部210に蓄積する。
【0068】
本第4実施形態は、前述した第1実施形態の変形であり、図12の構成と図23の構成とを比較することで分かる通り、多重化装置10で参照情報を作成するのではなく、映像再生クライアント30で参照情報の作成を行う。
【0069】
このため、映像伝送クライアント30に送信される情報は、図8、及び図21に示す情報ではなく、図18、及び図6(ここでは、全データIDに対する平均SNR計算結果)に示す情報となる。映像再生クライアント30での参照情報の作成は、前述した第2実施形態と同様であり、図5における、ステップS301の「ストリーム組合せ」の設定を、図23のストリーム組合せ指定部215にて行い、「ストリーム組合せ」の指定の変化に応じて、図5に示す手順で参照情報の作成を行えばよい。
【0070】
E.第5実施形態
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
本第5実施形態による映像伝送システムの構成は、図12に示す本第2実施形態による映像伝送システムの構成と同じであるので説明を省略する。本第5実施形態では、伝送レート:11Mbps、ベースビットレート:500kbps、改善ビットレート:1Mbps、及び1.5Mbps(2段階の改善)、評価値を平均SNR(全フレームのSNRの平均値)とした場合の参照情報作成手順について説明する。
【0071】
図24は、本第5実施形態による、多重化装置10における参照情報作成手順を説明するためのフローチャートである。まず、伝送帯域を示す「伝送レート」を11Mbpsに設定し、データIDの組合せから構成される「ストリーム組合せ」の設定(ストリームID=(7,8,9,13,14,15,19,20,21,25,26,27))を行い(ステップS701)、次に、基本となる符号化レートを示す「ベースビットレート」=500kbpsと、基本となる符号化レートより大きい符号化レートを示す「改善ビットレート」=1Mbps and 1.5Mbpsの設定を行う(ステップS702)。
【0072】
次に、図25に示すように、評価値(SNR_Y500で示される平均SNR)をキーとしたデータIDの昇順ソートを行い(ステップS703)、ベースビットレートによる符号化データに付与されたデータID=(107,108,109,113,114,115,119,120,121,125,126,127)のうち、SNRが最低値を示すデータID=121を、1段階上の1Mbpsで符号化されたデータに付与されたデータID=221に変更する(ステップS704)。変更後は、データID=(107,108,109,113,114,115,119,120,221,125,126,127)となる。
【0073】
この結果、総ビットレート11×0.5Mbps+1×1Mbps=6.5Mbps<伝送レート:11Mbpsとなり(ステップS705のNO)、S703へ戻る。なお、ソートとデータID変更を複数回行った後、データID=221をさらに変更する際には、1段階上の1.5Mbpsで符号化されたデータに付与されたデータID=321に変更する。
【0074】
そして、ステップS705にて、YESとなった場合には、総ビットレートが伝送レートを超えていることを示しているので、直前のデータID変更を元に戻す(ステップS706)。今回のケースでは、10回のデータID変更が実施され、図25に示すような結果を得ることができる。ここで、SNR_Yは、変更後のデータIDに対応したデータに対応した平均SNRを示している。次に、図25に斜線で示すデータIDに基づいて、参照情報を作成する(ステップS707)。
【0075】
なお、図25には、変更前のデータIDと図4により対応付けられたデータIDに対する平均SNRとを示している。
【0076】
上述した第1実施形態から第5実施形態によれば、複数の同期したストリーム構成からなる映像に対して、複数のビットレートで符号化、及び多重化した映像データから伝送レートに適したN本のストリームを取り出して伝送することで、伝送レート<N×固定符号化レートの場合であっても、N本のストリームから構成される部分映像を送出することができ、伝送レート≧N×固定符号化レートとなるように、符号化レートを下げ過ぎることなく、伝送レートに応じた最適な高画質映像を伝送することができる。
【符号の説明】
【0077】
10 多重化装置
20 映像伝送サーバ
30 映像再生クライアント
201 符号化部
202 データ蓄積部
203 参照情報作成部
204 参照情報蓄積部
205 データ管理部
206 コマンド受信部
207 データ送信部
208 参照情報送受信部
209 コマンド送信部
210 参照情報蓄積部
211 コマンド変換部
212 データ受信部
213 復号化部
214 映像表示部
215 ストリーム組合わせ指定部
216 参照情報受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
符号化された複数のストリームを符号化・多重化して所定の伝送帯域で伝送する映像多重化装置であって、
複数のストリームの各々を、複数の符号化レートで符号化し多重化する符号化手段と、
前記符号化手段により複数の符号レートで符号化された複数のストリームの中から所定数のストリームを選択する選択手段と、
前記符号化手段により複数の符号化レートで符号化された複数のストリームの各々に対する品質評価値を算出する評価値算出手段と、
前記選択手段により選択される前記所定数のストリームの符号化レートの総和が前記所定の伝送帯域以内となり、かつ、前記所定数のストリームの品質評価値の最低値がより高くなる、前記所定数のストリームの組合わせを特定する参照情報を作成する参照情報作成手段と、
前記参照情報作成手段により作成された参照情報に基づいて、前記選択手段により選択されるべき前記所定数のストリームの組合わせを指示する選択指示手段と、
前記選択手段により最終的に選択された、前記所定数のストリームを伝送する伝送手段と
を備えることを特徴とする映像多重化装置。
【請求項2】
入力された映像データを小領域に分割することで複数のストリームを生成する映像分割手段を更に備え、
前記符号化手段は、
前記映像分割手段により分割された複数のストリームの各々を、複数の符号化レートで符号化し多重化することを特徴とする請求項1記載の映像多重化装置。
【請求項3】
前記所定数のストリームの組合わせを指定する指定手段を更に具備し、
前記選択指示手段は、
前記指定手段により前記所定数のストリームの組合わせが変更指示されると、前記参照情報作成手段により作成された参照情報に基づいて、前記選択手段により選択されるべき前記所定数のストリームの組合わせを新たに指示することを特徴とする請求項1または2に記載の映像多重化装置。
【請求項4】
前記所定数のストリームの組合わせを指定する指定手段を更に具備し、
前記参照情報作成手段は、
前記指定手段により前記所定数のストリームの組合わせが変更指示されると、変更指示された組合わせに含まれる前記所定数のストリームの符号化レートの総和が前記所定の伝送帯域以内となり、かつ、変更指示された組合わせに含まれる前記所定数のストリームの品質評価値の最低値がより高くなる、前記所定数のストリームの組合わせを特定する参照情報を新たに作成することを特徴とする請求項1または2に記載の映像多重化装置。
【請求項5】
符号化された複数のストリームを符号化・多重化して所定の伝送帯域で伝送する映像多重化方法であって、
複数のストリームの各々を、複数の符号化レートで符号化し多重化するステップと、
前記複数の符号レートで符号化された複数のストリームの中から所定数のストリームを選択するステップと、
前記複数の符号化レートで符号化された複数のストリームの各々に対する品質評価値を算出するステップと、
前記所定数のストリームの符号化レートの総和が前記所定の伝送帯域以内となり、かつ、前記所定数のストリームの品質評価値の最低値がより高くなる、前記所定数のストリームの組合わせを特定する参照情報を作成するステップと、
前記作成された参照情報に基づいて、選択すべき前記所定数のストリームの組合わせを指示するステップと、
最終的に選択された、前記所定数のストリームを伝送するステップと
を含むことを特徴とする映像多重化方法。
【請求項6】
入力された映像データを小領域に分割することで複数のストリームを生成するステップと、
前記分割された複数のストリームの各々を、複数の符号化レートで符号化し多重化するステップと
を更に含むことを特徴とする請求項5記載の映像多重化方法。
【請求項7】
前記所定数のストリームの組合わせを指定するステップと、
前記所定数のストリームの組合わせが変更指示されると、前記参照情報に基づいて、前記選択されるべき前記所定数のストリームの組合わせを新たに指示するステップと
を更に含むことを特徴とする請求項5または6に記載の映像多重化方法。
【請求項8】
前記所定数のストリームの組合わせを指定するステップと、
前記所定数のストリームの組合わせが変更指示されると、変更指示された組合わせに含まれる前記所定数のストリームの符号化レートの総和が前記所定の伝送帯域以内となり、かつ、変更指示された組合わせに含まれる前記所定数のストリームの品質評価値の最低値がより高くなる、前記所定数のストリームの組合わせを特定する参照情報を新たに作成するステップと
を更に含むことを特徴とする請求項5または6に記載の映像多重化方法。
【請求項9】
符号化された複数のストリームを符号化・多重化して所定の伝送帯域で伝送する映像多重化装置のコンピュータに、
複数のストリームの各々を、複数の符号化レートで符号化し多重化する符号化機能、
前記符号化機能により複数の符号レートで符号化された複数のストリームの中から所定数のストリームを選択する選択機能、
前記符号化機能により複数の符号化レートで符号化された複数のストリームの各々に対する品質評価値を算出する評価値算出機能、
前記選択機能により選択される前記所定数のストリームの符号化レートの総和が前記所定の伝送帯域以内となり、かつ、前記所定数のストリームの品質評価値の最低値がより高くなる、前記所定数のストリームの組合わせを特定する参照情報を作成する参照情報作成機能、
前記参照情報作成機能により作成された参照情報に基づいて、前記選択機能により選択されるべき前記所定数のストリームの組合わせを指示する選択指示機能、
前記選択機能により最終的に選択された、前記所定数のストリームを伝送する伝送機能
を実現することを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2011−109176(P2011−109176A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−258970(P2009−258970)
【出願日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】