説明

映像表示装置および映示情報生成方法

【課題】詳細に広告効果を分析するためのデータを作成することが可能な映像表示装置および映示情報作成方法を提供する。
【解決手段】表示部120の近くに集まる人間を人感センサ180で監視して、この監視結果に基づいて、制御部110が、人数の増減や集まった人間の利用者情報を収集し、これらの情報と再生中のコンテンツの識別情報を対応づけて、内部記憶部140に、ログファイルとして保存するようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば公共の場の展示用として用いられる映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、大型のディスプレイを公共の場に設置して広告などの表示を映示し、不特定多数の人に、商業的な広告や公共的に有益な情報を提供している。このような映像表示装置は、消費電力が大きいため、ディスプレイの周囲に人が居るか否かを判定し、居ない場合にはディスプレイの電源を切るなどすることで、消費電力を削減しつつ広告効果を発揮するとされる技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、従来の映像表示装置では、複数のカテゴリ別に人間の存在を検出してそれを記憶するようにしているが、広告内容は多岐にわたるため、詳細に広告効果を分析するためのデータを収集することはできないという問題があった。
【特許文献1】特開2006−039028公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の映像表示装置では、複数のカテゴリ別に人間の存在を検出してそれを記憶するようにしているが、提供されるコンテンツは多岐にわたるため、コンテンツ毎に分析するためのデータを収集することはできないという問題があった。
この発明は上記の問題を解決すべくなされたもので、コンテンツ毎に分析するためのデータを収集することが可能な映像表示装置および映示情報生成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、この発明は、コンテンツの再生映像を表示する表示手段と、この表示手段の近傍に存在する人間を検出する検出手段と、表示手段が表示しているコンテンツを識別するコンテンツ識別情報と、検出手段の検出結果とを対応付けたログファイルを作成する作成手段とを具備して構成するようにした。
【発明の効果】
【0006】
以上述べたように、この発明では、表示手段の近傍に存在する人間を検出し、この検出結果と、表示手段が表示しているコンテンツの識別情報とを対応付けたログファイルを作成して作成するようにしている。
したがって、この発明によれば、コンテンツ毎に、人間の集まり状況が分析できるデータ(ログファイル)を作成することが可能な映像表示装置および映示情報生成方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を参照して、この発明の一実施形態について説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係わる映像表示装置100の構成を示すものである。この映像表示装置100は、制御部110と、表示部120と、音声出力部130と、内部記憶部140と、外部記憶装置インタフェース(I/F)150と、通信部160と、入力部170と、人感センサ180とを備えている。
【0008】
表示部120は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、プラズマディスプレイなどの表示デバイスを用いて、視覚的な情報を映示する。
音声出力部130は、スピーカを備えて、音楽や音声を拡声出力する。
【0009】
内部記憶部140は、制御部110の制御プログラムや制御データの他に、音声と映像の情報を含む広告などのコンテンツデータを、このデータを識別するための識別情報に対応付けて記憶したり、後述する映示ログ生成処理によって生成した映示ログや、予め準備した表示制御情報などを記憶するもので、フラッシュメモリやHDD(Hard Disk Drive)などで構成される。なお、表示制御情報は、人数と、音量や画面の輝度などの再生設定などを対応付けたテーブルである。
【0010】
外部記憶装置インタフェース150は、フラッシュメモリなどの記憶媒体を接続して、この記憶媒体から情報を読み出す。また半導体メモリからの読み出しに限らず、DVD(Digital Versatile Disc)などの光学記録媒体から情報を読み出す読出装置であってもよい。なお、これらの記憶媒体には、音声と映像の情報を含む広告などのコンテンツデータと、このデータを識別するための識別データが対応付けられて記憶されている。
【0011】
通信部160は、インターネットなどのネットワークNWを通じて、外部に準備されたサーバ200や、その他の装置301,302,…と通信し、上記音声と映像の情報を含む広告などのコンテンツデータと、このデータを識別するための識別データを合わせて取得したり、上記映示ログを送信する。なお、その他の装置301,302,…の例としては、表示部120よりも大きな表示領域を有する超大型のディスプレイ装置や、遠隔監視者などがモニタするための表示部120よりも小さな表示領域を有するディスプレイ装置など考えられる。
【0012】
入力部170は、表示部120の近傍に設けられたキースイッチや、表示部120の表示面上に透明な感圧素子などを配設したタッチパネル式の入力装置であって、例えば利用者から再生するコンテンツの指定を受け付ける。
【0013】
人感センサ180は、赤外線などを用いたセンサと、利用者が身につけたネームプレートのバーコードを読み取るバーコードリーダあるいは利用者がそれぞれ所持する非接触型ICタグを読み取る無線読み取り装置を組み合わせたものであって、表示部120が設置される所定の範囲(以下、検知範囲と称する)内に人間が居るか否か、人間が上記検知範囲内に進入したか、既に上記検知範囲内に居る人間が検知範囲外に離脱したか等を検出し、この検出結果に基づいて、上記検知範囲内に存在する人間の数を検出するとともに、バーコードや非接触型ICタグに含まれる利用者情報(例えば、氏名、年齢、性別、国籍、職種、役職など)を取得する。
【0014】
制御部110は、当該映像表示装置の各部を統括して制御するものであって、内部記憶部140に記憶されるコンテンツデータや、外部記憶装置インタフェース150が読み出したコンテンツデータ、通信部160がネットワークNWを通じて取得したコンテンツデータなどに基づいて、表示部120に映像を表示するとともに、音声を音声出力部130から拡声出力する。なお、この動作を以下ではコンテンツ再生と称することにする。
【0015】
また制御部110は、時刻を計時する機能を備える他に、コンテンツ再生で再生しているコンテンツデータの識別情報と、人感センサ180の検出結果に基づいて、後述する映示ログ生成処理によって映示ログを生成する。
【0016】
次に、上記構成の映像表示装置による映示ログ生成処理の動作について説明する。この動作を説明するためのフローチャートを図2乃至図6に示す。図2に示す処理がメインルーチンを示しており、図3乃至図6はサブルーチンを示している。これらに示す処理は、制御部110が内部記憶部140に記憶される制御プログラムや制御データにしたがって動作することにより実現する。
【0017】
図2に示す処理は、当該映像表示装置の電源が投入されると、所定の周期で繰り返し実行される。なお、この処理に並行して、制御部110は、複数あるコンテンツデータを、順次再生する処理をくり返し実行したり、あるいは、入力部170を通じた利用者からの要求に応じたコンテンツの再生処理を実行している。
【0018】
ステップ201において制御部110は、人感センサ180の検出結果を参照し、人感センサ180が検知範囲内について人間の動きを検出したか否かを判定する。ここで、人間の動きを検出した場合には、ステップ202に移行し、一方、人の動きを検出していない場合には、ステップ203に移行する。ステップ203において制御部110は、現在のコンテンツ再生をそのまま継続し、当該処理を終了する。
ステップ202では、図3に示すサブルーチン処理(人検出時処理)を実行した後、当該映示ログ生成処理を終了する。
【0019】
次に、図3を参照して、人検出時処理について説明する。
ステップ301において制御部110は、人感センサ180の検出結果を参照し、人感センサ180が検知範囲内に人間が進入したことを検出したか否かを判定する。ここで、検知範囲内に人間が進入したことを検出した場合には、ステップ302に移行し、一方、進入したことを検出していない場合には、ステップ306に移行する。
【0020】
ステップ302において制御部110は、人感センサ180の検出結果を参照し、人感センサ180が検知範囲内で既に人間の存在を検出していたか否かを判定する。ここで、検知範囲内で人間を既に検出していた場合には、ステップ304に移行し、一方、存在を検出していなかった場合には、ステップ303に移行する。
【0021】
ステップ303において制御部110は、現在再生しているコンテンツデータを、その先頭から再生し直し、ステップ311に移行する。
ステップ304において制御部110は、人感センサ180の検出結果を参照し、人感センサ180が検出した検知範囲内に存在する人間の数が、予め設定した値P未満か否かを判定する。ここで、検知範囲内に存在する人間の数が、予め設定した値P未満の場合には、ステップ311に移行し、一方、予め設定した値P以上の場合には、ステップ305に移行する。
【0022】
ステップ305において制御部110は、内部記憶部140が記憶する表示制御情報を参照し、人感センサ180が検出した人間の数に対応する音量や画面の輝度などの再生設定を読み出す。そして制御部110は、この読み出した再生設定に基づいて、音声出力部130から拡声出力している音声の音量を制御するとともに、表示部120の輝度などの表示設定を行い、ステップ311に移行する。
【0023】
ステップ306において制御部110は、人感センサ180の検出結果を参照し、人感センサ180が検知範囲内に居る人間がその外に離脱したことを検出したか否かを判定する。ここで、検知範囲外への離脱を検出した場合には、ステップ307に移行し、一方、離脱を検出していない場合には、ステップ311に移行する。
【0024】
ステップ307において制御部110は、人感センサ180の検出結果を参照し、人感センサ180が検知範囲内に人間が存在することを検出している(検知範囲内に居る人間の数が0でない)か否かを判定する。ここで、検知範囲内で人間がいることを検出している場合には、ステップ309に移行し、一方、存在を検出していない場合には、ステップ308に移行する。
【0025】
ステップ308において制御部110は、現在の再生音量や画面の輝度などの再生設定を初期設定に戻し、ステップ311に移行する。
ステップ309において制御部110は、人感センサ180の検出結果を参照し、人感センサ180が検出した検知範囲内に存在する人間の数が、予め設定した値P以上か否かを判定する。ここで、検知範囲内に存在する人間の数が、予め設定した値P以上の場合には、ステップ311に移行し、一方、予め設定した値P未満の場合には、ステップ310に移行する。
【0026】
ステップ310において制御部110は、内部記憶部140が記憶する表示制御情報を参照し、人感センサ180が検出した人間の数に対応する音量や画面の輝度などの再生設定を読み出す。そして制御部110は、この読み出した再生設定に基づいて、音声出力部130から拡声出力している音声の音量を制御するとともに、表示部120の輝度などの表示設定を行い、ステップ311に移行する。
【0027】
ステップ311において制御部110は、図4に示すサブルーチン処理(ログ記録処理)を実施し、この処理を完了すると、当該サブルーチン処理(人検出時処理)を終了して図2に示した処理に戻り、この結果、映示ログ生成が終了する。
【0028】
次に、図4を参照して、ログ記録処理について説明する。
ステップ401において制御部110は、ステップ301と同様にして、人感センサ180の検出結果を参照し、人感センサ180が検知範囲内に人間が進入したことを検出したか否かを判定する。ここで、検知範囲内に人間が進入したことを検出した場合には、ステップ402に移行し、一方、進入したことを検出していない場合には、ステップ403に移行する。
【0029】
ステップ402において制御部110は、図5に示すサブルーチン処理(進入時のログ記録処理)を実施し、この処理を完了すると、当該サブルーチン処理(ログ記録処理)を終了して図3に示した処理に戻る。この結果、映示ログ生成処理が終了する。
【0030】
ステップ403において制御部110は、ステップ306と同様にして、人感センサ180の検出結果を参照し、人感センサ180が検知範囲内に居る人間がその外に離脱したことを検出したか否かを判定する。ここで、検知範囲外への離脱を検出した場合には、ステップ404に移行する。一方、離脱を検出していない場合には、当該サブルーチン処理(ログ記録処理)を終了して図3に示した処理に戻る。この結果、当該コンテンツ再生処理が終了する。
【0031】
ステップ404において制御部110は、図6に示すサブルーチン処理(離脱時のログ記録処理)を実施し、この処理を完了すると、当該サブルーチン処理(ログ記録処理)を終了して図3に示した処理に戻る。この結果、映示ログ生成処理を終了する。
【0032】
次に、図5を参照して、進入時のログ記録処理について説明する。
ステップ501において制御部110は、1つの映示ログのファイル(以下、ログファイルと称する)を内部記憶部140上に生成するとともに、現在の時刻を検出し、この時刻を進入時刻として上記ログファイルに記録し、ステップ502に移行する。
【0033】
ステップ502において制御部110は、人感センサ180の検出結果に基づいて、新たに進入した者の利用者情報を人感センサ180から取得し、この利用者情報を上記ログファイルに追加記録し、ステップ503に移行する。
ステップ503において制御部110は、進入時に再生していたコンテンツデータの識別情報を、進入時再生コンテンツとして上記ログファイルに追加記録し、ステップ504に移行する。
【0034】
ステップ504において制御部110は、検知範囲に居る人間の数を1加算し、当該処理を終了して、図4に示した処理に戻る。この結果、映示ログ生成処理を終了する。
【0035】
次に、図6を参照して、離脱時のログ記録処理について説明する。
ステップ601において制御部110は、人感センサ180の検出結果に基づいて、検知範囲で検出できなくなった利用者情報を検出し、離脱者を特定する。そして、制御部110は、この離脱者の利用者情報が記録されたログファイルを内部記憶部140から検出し、ステップ602に移行する。
【0036】
ステップ602において制御部110は、現在の時刻を検出し、この時刻を離脱時刻としてステップ601で検出したログファイルに追加記録するとともに、このログファイルに記憶される進入時刻と上記離脱時刻との差から、滞在時間を検出する。そして制御部110は、この滞在時間を、ステップ601で検出したログファイルに追加記録し、ステップ603に移行する。
【0037】
ステップ603において制御部110は、離脱時に再生していたコンテンツデータの識別情報を、離脱時再生コンテンツとして、ステップ601で検出したログファイルに追加記録し、ステップ604に移行する。
【0038】
ステップ604において制御部110は、検知範囲に居る人間の数を1減算し、当該処理を終了して、図4に示した処理に戻る。この結果、映示ログ生成処理を終了する。
【0039】
次に、図2乃至図6に示した処理によって生成したログファイルに基づいて、コンテンツの表示順序を最適化する処理について説明する。
【0040】
内部記憶部140は、図7に示すように、表示順序記憶エリア141に、コンテンツの再生順序を示す情報と、常に再生させるコンテンツであることを示す特定フラグを記憶している。すなわち、この表示順序記憶エリア141は、再生可能なコンテンツデータの識別情報C1〜C5を、再生コンテンツグループ141aと、待機コンテンツグループ141bに分けて、それぞれグループ化して記憶している。図7の例では、説明を簡明にするために、5つのコンテンツデータが存在する場合を例にしている。
【0041】
そして、制御部110は、再生コンテンツグループ141aを参照して、ここに記憶される識別情報のコンテンツデータについて、その順序に従って、繰り返し再生を行う。すなわち、図7に示す例では、識別情報C1〜C3に対応するコンテンツデータをこの順序で繰り返し再生する。
【0042】
また制御部110は、図2乃至図6に示した処理によって生成したログファイル(以下、ログファイルと略称する)に基づいて、コンテンツの表示順序を最適化、すなわち、表示順序の入れ替え処理を実行する。この処理を図8に示す。この処理は、制御部110がコンテンツの再生を行いながら、予め設定した時間が経過するなど、定期的に実行される。以下の説明では、説明を簡明にするために、図7に示した例に基づいて説明する。
【0043】
まずステップ8aにおいて制御部110は、ログファイルを参照し、再生コンテンツグループ141aに識別情報が記憶されるコンテンツについて、人間の集まり具合に基づく注目度を点数として算出し、ステップ8bに移行する。この点数計算では、各コンテンツについて、例えば、検出した人数×1、進入者数×2、離脱者数×(−1)を計算して合計する。
【0044】
ステップ8bにおいて制御部110は、ステップ8aで計算した結果に基づいて、再生コンテンツグループ141aに識別情報が記憶されるコンテンツC1〜C3の点数の平均値を求め、ステップ8cに移行する。
【0045】
ステップ8cにおいて制御部110は、コンテンツC1〜C3のうち、その点数がステップ8bで求めた平均値×0.75を満たさない点数のコンテンツを降格コンテンツとして検出し、ステップ8dに移行する。
【0046】
ステップ8dにおいて制御部110は、ステップ8cで検出した降格コンテンツに、特定フラグが付与されているか否か、すなわち、常に再生するコンテンツとして指定されているコンテンツであるか否かを判定する。ここで、特定フラグが付与されている降格コンテンツについては、降格コンテンツから除外し、ステップ8eに移行する。
【0047】
ステップ8eにおいて制御部110は、降格コンテンツがあるか否かを判定する。ここで、降格コンテンツがある場合には、ステップ8fに移行し、一方、降格コンテンツがない場合には、当該処理を終了する。
【0048】
ステップ8fにおいて制御部110は、降格コンテンツの表示対象から外して、代わりに別のコンテンツを表示対象として昇格するために、表示順序記憶エリア141が記憶するコンテンツデータの識別情報C1〜C5の入れ替えを行う。
【0049】
図9にその一例を示す。図9に示す例では、コンテンツC2の点数が平均値×0.75を満たさない場合、すなわちコンテンツC2が降格コンテンツ(特定フラグなし)であった場合を例にしている。
【0050】
最適化処理を行う前においては、図9(a)に示すように、再生コンテンツグループ141aに識別情報が記憶されるコンテンツC1〜C3を繰り返し再生している。その後、コンテンツC2が降格コンテンツ(特定フラグなし)として検出されると、図9(b)に示すように、コンテンツC2の識別情報は、再生コンテンツグループ141aから削除されて、代わりに待機コンテンツグループ141bに記録される。
【0051】
またコンテンツC3が再生コンテンツグループ141a内で、表示順序が1つ昇格するとともに、待機コンテンツグループ141bのコンテンツC4が昇格して、その識別情報が新たに再生コンテンツグループ141aに記録されて、制御部110の制御により再生されるようになる。待機コンテンツグループ141bでは、コンテンツC5が1つ昇格するが、現時点では再生対象とはならない。
【0052】
以上のように、上記構成の映像表示装置では、表示部120の近くに集まる人間を人感センサ180で監視して、人数の増減や集まった人間の利用者情報を収集し、これらの情報と再生中のコンテンツの識別情報を対応づけて、ログファイルとして保存するようにしている。
したがって、上記構成の映像表示装置によれば、詳細に広告効果を分析することが可能なログファイルを収集することができ、このログファイルを分析することで、利用者の関心の高いコンテンツがわかる。例えば、滞在時間などから、最適なコンテンツ再生時間を推定することができる。
【0053】
また上記構成の映像表示装置では、作成したログファイルに基づいて、注目度の低いコンテンツについては、再生対象から外して、代わりに別のコンテンツを再生するようにしている。したがって、上記構成の映像表示装置によれば、再生するコンテンツを見直して、注目度の高いコンテンツを常に再生することができる。
【0054】
なお、この発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また上記実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって種々の発明を形成できる。また例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除した構成も考えられる。さらに、異なる実施形態に記載した構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0055】
その一例として例えば、上記実施の形態では、制御部110は、検知範囲内に新たな進入者を検出した場合に、新たな進入者についてログファイルを作成し、離脱者を検出した場合に、上記ログファイルに追加記録するようにしたが、これに代わって例えば、定期的に検知範囲内の利用者情報を検出し、新たな進入者を発見した場合に、その進入者についてログファイルを作成し、その後の定期的な検出で、離脱者を発見した場合に、上記ログファイルに追記するようにしてもよい。
【0056】
また、検知範囲の人間の数が変動した場合に、制御部110がログファイルを作成し、そのログファイルに時刻情報と、検出した人間の数、再生中のコンテンツ識別情報を対応付けて内部記憶部140に記録するようにしてもよい。
【0057】
そしてまた、定期的に時刻情報に基づく時刻毎のログファイルを作成し、その時刻に検知範囲内に居る人間の数やその人間の利用者情報を検出し、これに再生中のコンテンツ識別情報を対応付けて内部記憶部140に記録するようにしてもよい。すなわち、時刻毎のログファイルを作成し、これに人間の数やその人間の利用者情報、再生コンテンツ識別情報を記録するようにしてもよい。
【0058】
また、上記実施の形態では、利用者の関心の高いコンテンツを分析することが可能なログファイルを作成するようにしたが、制御部110が収集したファイルを分析して、利用者の関心の高いコンテンツを検出し、このようなコンテンツ優先的に再生するようにしてもよい。このような構成によれば、利用者のニーズに沿ったコンテンツ再生が行える。またこのような優先再生を行う場合に、制御部110が再生しているコンテンツに広告コンテンツをインポーズしたり、定期的(周期的)に広告コンテンツに切り替えて表示することによって、より大きな広告効果を期待することができる。
【0059】
さらにまた、人感センサ180が検知範囲内に予め設定した閾値以上の人数を検出した場合など、利用者の関心が高いコンテンツを再生する場合には、制御部110が通信部160を制御して、そのコンテンツデータをネットワークNWを通じて、大型ディスプレイ装置などの他装置301,302…に出力して、表示部120と合わせて再生するようにしてもよい。これによれば、関心の高いコンテンツを多くのユーザに映示することができ、表示部120が比較的小さい場合でも、混雑することを軽減することができる。
【0060】
また、利用者情報の国籍や年齢、性別に基づいて、制御部110が多数決判定し、国籍に応じた言語の音声に切り替えたり、年齢や性別に応じた関心の高いコンテンツに切り替えて再生するようにしてもよい。
【0061】
さらにまた、制御部110は、人感センサ180の検出結果を参照し、近くに利用者が居ない場合には、音声出力部130の再生音量や、表示部120の画面輝度を下げて、消費電力を抑えるようにしてもよい。
【0062】
そしてまた、制御部110が、人感センサ180の検出結果に基づいて、検知エリアに滞在する時間が所定時間以上に達する利用者が存在する場合には、表示部120を通じてアンケート入力を要請し、入力部170を通じてアンケート情報を収集するようにしてもよい。これによれば、関心の高い利用者に対してアンケートが行えるので、効果的なアンケートを行うことができる。
【0063】
また上記実施の形態では、バーコードや非接触型ICタグから利用者情報を取得するものとして説明したが、これに代わって例えば、バーコードや非接触型ICタグからは、利用者を識別する利用者識別情報だけを取得し、別に予め内部記憶部140に記憶しておいた利用者情報(上記利用者識別情報と、例えば、氏名、年齢、性別、国籍、職種、役職などを対応付けたもの)に含まれる情報をログファイルに記録するようにしてもよい。
【0064】
そしてまた、上記実施の形態では、図8および図9に示したように、コンテンツ単位で再生対象とするコンテンツを最適化するようにしたが、これに代わり、もしくはこれに加えて、再生対象とするコンテンツ、すなわち再生コンテンツグループ141aに識別情報が記憶されるコンテンツを全て降格するようにしてもよい。この制御は、制御部110により、ステップ8bで求めた平均値が、予め設定した閾値よりも低かった場合に行う。
【0065】
図10に、一例を示す。図10(a)に示すように、再生コンテンツグループ141aにコンテンツC1〜C3の識別情報が記憶される場合に、ステップ8bで求めた平均値が、予め設定した閾値よりも低いと、図10(b)に示すように、コンテンツC1〜C3を降格させる。
【0066】
なお、図10の例では、再生コンテンツグループ141aのコンテンツ数が3であり、待機コンテンツグループ141bのコンテンツ数が2であることより、1つのコンテンツC3だけが再生コンテンツグループ141aに残留することになっているが、待機コンテンツグループ141bのコンテンツ数が3以上であれば、すべてのコンテンツを入れ替えることができる。
【0067】
その他、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を施しても同様に実施可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】この発明に係わる映像表示装置の一実施形態の構成を示す回路ブロック図。
【図2】図1に示した映像表示装置の映示ログ生成処理を説明するためのフローチャート。
【図3】図1に示した映像表示装置の映示ログ生成処理を説明するためのフローチャート。
【図4】図1に示した映像表示装置の映示ログ生成処理を説明するためのフローチャート。
【図5】図1に示した映像表示装置の映示ログ生成処理を説明するためのフローチャート。
【図6】図1に示した映像表示装置の映示ログ生成処理を説明するためのフローチャート。
【図7】図1に示した映像表示装置の内部記憶部が記憶する再生順序を示す情報を説明するための図。
【図8】図1に示した映像表示装置の最適化処理を説明するためのフローチャート。
【図9】図1に示した映像表示装置の内部記憶部が記憶する再生順序を示す情報を説明するための図。
【図10】図1に示した映像表示装置の内部記憶部が記憶する再生順序を示す情報を説明するための図。
【符号の説明】
【0069】
100…映像表示装置、110…制御部、120…表示部、130…音声出力部、140…内部記憶部、150…外部記憶装置インタフェース、160…通信部、170…入力部、180…人感センサ、200…サーバ、301,302…他装置、NW…ネットワーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツの再生映像を表示する表示手段と、
この表示手段の近傍に存在する人間を検出する検出手段と、
前記表示手段が表示しているコンテンツを識別するコンテンツ識別情報と、前記検出手段の検出結果とを対応付けたログファイルを作成する作成手段とを具備することを特徴とする映像表示装置。
【請求項2】
前記作成手段は、前記検出手段が新たに人間を検出した場合に、時刻情報と、前記コンテンツ識別情報とを対応付けたログファイルを作成することを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項3】
前記作成手段は、定期的に、時刻情報と、前記検出手段が検出した人間の数と、前記コンテンツ識別情報とを対応付けたログファイルを作成することを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項4】
前記検出手段は、人間を識別する人間識別情報を取得し、
前記作成手段は、前記ログファイルに、前記検出手段が取得した人間識別情報を記録することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の映像表示装置。
【請求項5】
さらに、前記検出手段が取得した人間識別情報検出結果に基づいて、検出した人間毎に、検出した時刻と検出できなくなった時刻を求め、これらの時刻から滞在時間を求める滞在時間検出手段を備え、
前記作成手段は、前記ログファイルに、前記滞在時間検出手段が求めた滞在時間を記録することを特徴とする請求項4に記載の映像表示装置。
【請求項6】
さらに、前記作成手段が作成したログファイルに基づいて、コンテンツの再生順序を決定する決定手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項7】
前記作成手段は、コンテンツ毎に、前記検出手段が検出した人間の数を、前記コンテンツ識別情報に対応付けたログファイルを作成し、
前記決定手段は、前記作成手段が作成したログファイルに基づいて、前記検出手段が検出した人間の数の平均値を求め、この平均値とコンテンツ毎に検出した人間の数を比較して、予め設定した条件を満たさないコンテンツを再生対象から外すことを特徴とする請求項6に記載の映像表示装置。
【請求項8】
前記作成手段は、コンテンツ毎に、前記検出手段が検出した人間の数を、前記コンテンツ識別情報に対応付けたログファイルを作成し、
前記決定手段は、前記作成手段が作成したログファイルに基づいて、前記検出手段が検出した人間の数の平均値を求め、この平均値が予め設定した閾値未満の場合に、再生したコンテンツを再生対象から外すことを特徴とする請求項6に記載の映像表示装置。
【請求項9】
さらに、前記コンテンツの再生映像を表示する外部表示手段に接続する外部インタフェース手段と、
前記検出手段が検出する人間の数が予め設定した値を超えた場合に、前記外部インタフェースを通じて前記外部表示手段に前記コンテンツの再生映像を表示させる外部表示制御手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項10】
コンテンツの再生映像を表示する表示手段の近傍に存在する人間を検出する検出工程と、
前記表示手段が表示しているコンテンツを識別するコンテンツ識別情報と、前記検出工程の検出結果とを対応付けたログファイルを作成する作成工程とを具備することを特徴とする映示情報生成方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate