説明

映像記録再生システム及び方法

【課題】 デジタルビデオカメラ等の撮像装置と映像記録再生装置とにより構成される映像記録再生システムにおいて、撮影側において映像記録再生装置への記録確認を行うことができるようにする。
【解決手段】 デジタルビデオカメラ101において撮影映像のテープ105への記録が開始されると、アイソクロナス信号202が伝送されてくるので、AVHDD102では、そのアイソクロナス信号202をアイソクロナスパケットから映像データに変換して、記録する。AVHDD102は、デジタルビデオカメラ101からの記録確認要求を受信することにより、記録している映像の再生を開始し、その再生映像を別チャンネルによってデジタルビデオカメラ101にフィードバックする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルビデオカメラ等の撮像装置と映像記録再生装置とにより構成される映像記録再生システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルビデオカメラでは、ビデオ出力端子に常に撮影映像のデータを出力しており、その映像を内蔵の記録媒体以外に記録したい場合、ビデオ出力端子に他のビデオ機器を接続し、当該他のビデオ機器の記録ボタン等を押すことで記録を行っていた。
【0003】
また、デジタルビデオカメラは、デジタルインターフェースIEEE1394に準拠したDV端子を装備しており、このDV端子に同じくIEEE1394端子を持つデジタルビデオ等の機器が接続されている場合のみ撮影映像のデータを出力しており、同様に接続されたデジタルビデオの記録ボタン等を押すことで記録を行っていた。
【0004】
最近では、AVHDDと呼ばれるIEEE1394端子を持つAV専用のハードディスクを記録媒体に持ち、ビデオと同じフォーマット信号で記録再生を行うものが開発されている。これにより、従来テープに記録された撮影映像のデータをパーソナルコンピュータ等のハードディスクにコピーし、ノンリニア編集を行っていたユーザが、直接ビデオカメラの映像データをビデオカメラに接続されたAVHDDに記録することで、テープからのコピー時間を節約する利用法が行われるようになっている。
【0005】
一般的に、ビデオカメラの撮影映像がAVHDDへ確実に記録されたか否かを判断する手段としては、記録ボタン等を押した後に、AVHDDの表示が変更されたか否かを視認することで行っている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、AVHDDの内蔵容量には限界があり、編集作業の簡略化を行うための一時保存として用い、オリジナルの映像データは従来のようにテープに保存してライブラリとして用いることが多いため、ユーザはデジタルビデオカメラの記録を開始した後、すばやくAVHDDの表示の変更を確認する操作が必要であるという欠点があった。
【0007】
また、デジタルビデオカメラとAVHDDとの距離が離れている場合、AVHDDへの記録を確認するためにファインダーから目を離さなければならなくなり、ユーザが必要としている映像を撮り逃す可能性があるという欠点があった。
【0008】
さらに、AVHDDのハード的な問題で表示される情報が極端に少ない場合に必要な情報が得られないという欠点や、距離によっては双方の操作が不可能であるという欠点があった。
【0009】
本願発明は上記のような点に鑑みてなされたものであり、デジタルビデオカメラ等の撮像装置と映像記録再生装置とにより構成される映像記録再生システムにおいて、撮影側において映像記録再生装置への記録確認を行うことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による映像記録再生システムは、記録開始の指示により内蔵記録媒体に撮影映像のデータを記録する撮像装置と、前記撮像装置に接続する映像記録再生装置とにより構成される映像記録再生システムであって、前記撮像装置は、前記内蔵記録媒体に記録開始された撮影映像のデータを前記映像記録再生装置に伝送する伝送手段を備え、前記映像記録再生装置は、前記撮像装置から伝送される撮影映像のデータを記録する記録手段と、前記記録手段による記録に関する情報を前記撮像装置に伝送する伝送手段とを備えることを特徴とする。
本発明による映像記録再生方法は、記録開始の指示により内蔵記録媒体に撮影映像のデータを記録する撮像装置と、前記撮像装置に接続する映像記録再生装置とにより実行される映像記録再生方法であって、前記撮像装置が、前記内蔵記録媒体に記録開始された撮影映像のデータを前記映像記録再生装置に伝送する手順を実行し、前記映像記録再生装置が、前記撮像装置から伝送される撮影映像のデータを記録する記録手順と、前記記録手順による記録に関する情報を前記撮像装置に伝送する伝送手順とを実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、撮像装置において、内蔵記録媒体へ記録している撮影映像を見ながら、外部の映像記録再生装置への記録確認を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
(システム構成)
図1に、本発明を適用した実施形態の映像記録再生システムの構成例を示す。101は本発明でいう撮像装置に相当するデジタルビデオカメラ、102は本発明でいう映像記録再生装置に相当するAVHDDと呼ばれるIEEE1394端子を持つAV専用のハードディスク、103はIEEE1394ケーブル、104はデジタルビデオカメラ101のトリガボタン、105はデジタルビデオカメラ101に内蔵されているテープである。
【0013】
図1に示すように、デジタルビデオカメラ101の撮影映像をAVHDD102にも記録するようにIEEE1394ケーブル103を介して接続する。ユーザは、デジタルビデオカメラ101のトリガボタン104を押下して、デジタルビデオカメラ101に内蔵されているテープ105への撮影映像の記録を開始する。
【0014】
ここで、図2にIEE1394ケーブル103上に転送されるアイソクロナス信号と非同期に転送されるアシンクロナス信号の混在した場合のエンベロープ波形を示す。アイソクロナス信号に関しては「IEEE Std 1394-1995・IEEE Standard for a High Performance Serial Bus」に記述されている。非同期にAV/Cコマンドを発行するアシンクロナス信号に関しては「IEC 61883」で定義されている。
【0015】
図2において、201は125μSごとのサイクルスタートパケット、202はアイソクロナス信号、203はアシンクロナス信号である。一般的に、アイソクロナス信号202は、ブロードキャストチャンネルである63chで伝送される。このアイソクロナス信号202は、テープ105に記録されるデジタルビデオカメラ101での撮影映像及び音声と同じ信号がパケットの形に変換されて出力されている。
【0016】
デジタルビデオカメラ101とAVHDD102は、バスリセットが発生するたびに、映像データを伝送するアイソクロナスコネクションを確立する。このアイソクロナスコネクションを確立する際に、どのチャンネルにどのデータを伝送するかの設定を行う。一般的にデジタルビデオカメラ101での撮影映像のデータはブロードキャストチャンネルである63chを用いて伝送されるが、2種類の映像データを同時に伝送する場合には別のチャンネルを用意する必要がある。
【0017】
図3に、アイソクロナスコネクションで63ch以外のチャンネルを設定する場合の処理の流れを示す。バスリセットが発生したことを確認すると(ステップ301)、IEEE1394バスに接続されているか否かを確認する(ステップ302)。IEEE1394バスに接続されていない場合は、チャンネルを設定する必要もないので終了する。IEEE1394バスに接続されていた場合は、バスリセット発生以前の状態を保つ必要があるため、バスリセット発生以前にコネクションが張られていたチャンネルがあるか否かを確認する(ステップ303)。コネクションが張られていた場合には、同じチャンネルでコネクションを張ることでチャンネルの確保を行う(ステップ304)。新しくチャンネルを張る場合には、63ch以外で最大のチャンネルを検索する(ステップ305)。もし他にチャンネルを使っていなければ62chが割り当てられることになる。ここで検索した最大のチャンネルにコネクションを張ることによって(ステップ306)、ブロードキャストチャンネル以外のデータ伝送のチャンネルを確保することができる。
【0018】
(デジタルビデオカメラ101の構成)
図4に、デジタルビデオカメラ101の内部構成を示す。401は撮像部、402は信号処理回路、403はテープ記録回路、404はIEEE1394入出力回路、405は表示部、406はトリガボタン、407はシステムコントローラである。図中の太い実線はデータの流れを、細い実線は情報の流れを示している。なお、デジタルビデオカメラ101ではオーディオ回路も存在し、音声も録音されるが、ここでは簡単化のためオーディオ回路の説明は省略する。
【0019】
撮像部401による撮影映像のデータは、信号処理回路402でテープ105に記録するフォーマットへ変換されてテープ記録回路403へ送られる。同時に、撮影映像のデータは、表示部405及びIEEE1394入出力回路404にも送られる。ユーザは、表示部405に表示される映像を見ることで、現在撮影中の映像を確認することができる。
【0020】
(AVHDD102の構成)
図5に、AVHDD102の内部構成を示す。501は信号処理回路、502はHDD記録回路、503はIEEE1394入出力回路、504はHDD再生回路、505はシステムコントローラである。図中の太い実線はデータの流れを、細い実線は情報の流れを示している。
【0021】
IEEE1394入出力回路503は、バスリセット後、図3に示したフローチャートによりチャンネルが設定されたならば、図2に示したアイソクロナス信号202とアシンクロナス信号203が存在しなくても、常にポートがアクティブとなって、受信状態になっている。そして、アイソクロナス信号202が存在するか否かの情報をシステムコントローラ505に送り続けている。
【0022】
システムコントローラ505は、アイソクロナス信号202が存在しない間は、HDD記録回路502及びHDD再生回路504を停止状態にする。また、アシンクロナス信号203が非同期に伝送されてきた場合には、対応したCTS(Command Transaction Set)のコマンドを解釈して実行し、レスポンスを送る。
【0023】
(映像記録再生システムでの処理動作)
図8には、デジタルビデオカメラ101のトリガボタン406が押下されてから、デジタルビデオカメラ101においてAVHDD102への記録確認を行うまでの処理の流れを示す。
【0024】
デジタルビデオカメラ101において、表示部405に撮影映像が表示されるとともに(図8の撮影映像表示命令802)、ユーザが記録を開始しようとトリガボタン406を押下すると、その情報がシステムコントローラ407へ伝えられる(図8の記録開始信号801)。
【0025】
システムコントローラ407は、撮影映像のデータをテープ105に記録するようにテープ記録回路403へ指示する。テープ記録回路403では、フォーマットにのっとった記録を行うためにタイムコード等のつなぎ動作やサーボ等の処理を行い、撮影映像のデータをテープ105上に正しく記録する動作を開始する。
【0026】
また、システムコントローラ407は、テープ105への記録開始と同じタイミングでアイソクロナス信号202を出力するようにIEEE1394入出力回路404へ指示し、更に、記録確認要求のアシンクロナス信号203を出力するようにIEEE1394入出力回路404へ指示する(図8の出力命令803、記録確認要求804)。IEEE1394入出力回路404では、この指示に従ってIEEE1394バス上に図2に示すようなアイソクロナス信号202とアシンクロナス信号203を出力する(図8のアイソクロナス信号出力805、アシンクロナス信号806)。
【0027】
さらに、システムコントローラ407は、記録を開始したことを表示するように表示部405へ指示する。表示部405では、この指示に従ってテープ記録中であることを表示するので、ユーザはテープ105へ記録したい映像が確実に録画されていることを確認することができる。
【0028】
AVHDD102において、上述したようにデジタルビデオカメラ101で記録が開始されると、アイソクロナス信号202が伝送されてくるので、IEEE1394入出力回路503は、アイソクロナス信号202が存在することをシステムコントローラ505に伝える(図8の受信通知807)。そして、受信したアイソクロナス信号202をアイソクロナスパケットから映像データに変換して、信号処理回路501へ送る。信号処理回路501は、送られてきた映像データをHDDに記録するためのフォーマットに変換して、HDD記録回路502へ送る。ここで、システムコントローラ505は、HDD記録回路502に記録動作を開始することを指示する(図8の記録命令809)。HDD記録回路502は、この指示に従ってサーボ等の制御を行いながら、送られてきた映像データを記録する。
【0029】
また、アイソクロナス信号202を受信したときに、IEEE1394入出力回路503は、デジタルビデオカメラ101で記録開始と同時に伝送されたアシンクロナス信号203が存在することをシステムコントローラ505に伝える(図8の受信通知808)。
【0030】
ここで、図6を参照して、AVHDD102において記録確認要求のアシンクロナス信号203を受信したときの処理の流れについて説明する。アシンクロナス信号203によって送られてきたコマンドが記録確認要求であるか否かを判断し(ステップ601)、他のコマンドであった場合、対応したAV/Cコマンドを処理し、レスポンスを発行する。
【0031】
記録確認要求であった場合には、記録確認用の別チャンネルが確保されているか否かを確認し(ステップ602)、確保されていなければ、すぐにチャンネル確保のネゴシエーションを行う(ステップ603)。
【0032】
続いて、記録確認用の再生中であるか否かを判断し(ステップ604)、記録確認用の再生中でなければ伝送可能時間をリセットし初期値に戻す(ステップ605)。伝送可能時間とは、記録確認用の再生映像を流す時間であり、記録確認要求のコマンド内に設定されている。
【0033】
その後、伝送可能時間内であるか否かを判断し(ステップ606)、伝送可能時間内であれば、システムコントローラ505は、記録開始位置から順次再生するようにHDD再生回路504へ指示する(図8の再生命令810)(ステップ607)。HDD再生回路504はすぐに再生を開始し(ステップ608)、アイソクロナス信号202へ変換するために再生映像のデータを信号処理回路501へ送る(ステップ609)。アイソクロナス信号202へ変換された映像データは、IEEE1394入出力回路503へと送られて(ステップ610)、予め設定されている別チャンネルを用いて、記録確認要求を発行したデジタルビデオカメラ101へと伝送される(図8の出力命令811、アイソクロナス信号出力812)。
【0034】
伝送可能時間内でなければ、システムコントローラ505は、再生を停止するようにHDD再生回路504へ指示する(ステップ611)。HDD再生回路504は、この指示に従い再生動作を停止する。再生動作が停止することで、IEEE1394入出力回路503には再生映像のデータが送られてこなくなり、アイソクロナス信号202の伝送が停止する。
【0035】
もちろん、ここでもアイソクロナス信号202の中にはオーディオ信号も含まれるが、簡単化のために説明を省略化する。
【0036】
次に、デジタルビデオカメラ101においてAVHDD102からアイソクロナス信号202が別チャンネルで送信されてきたときの処理の流れについて説明する。アイソクロナス信号202の中にはオーディオ信号も含まれるが、簡単化のためにビデオ信号のみの説明を行い、オーディオ信号の説明は省略する。
【0037】
IEEE1394入出力回路404は、トリガボタン406を押下することにより出力される撮像部401からの撮影映像のアイソクロナス信号202をブロードキャストチャンネルで出力している。また、設定された別チャンネルのアイソクロナス信号202が存在するか否かの情報をシステムコントローラ407へ送っている。
【0038】
記録開始と共に記録確認要求をAVHDD102へ送信すると、AVHDD102で再生された映像はアイソクロナス信号202として別チャンネルで伝送されてくるので、IEEE1394入出力回路404はアイソクロナス信号202が存在することをシステムコントローラ407へ通知する(図8の受信通知813)。システムコントローラ407は、撮像部401からの撮影映像のデータとは異なる経路で、入力された別チャンネルのアイソクロナス信号202を信号処理回路402へ送るように指示する。信号処理回路402では、別チャンネルで伝送されてきたアイソクロナス信号202をフォーマット変換し、表示部405へと送る。
【0039】
表示部405では、撮像部401からの撮影映像とは異なる入力であることをシステムコントローラ407から指示される(図8の確認映像表示命令814)。図7に、表示部405の内部構成を示す。701は確認映像データ処理部、702は撮影映像データ処理部、703は表示装置である。表示部405では、外部からの入力映像を撮影映像上に重畳して表示するために、確認映像データ処理部701においてデコード処理を行い、撮影映像データ処理部702の映像に組み合わせて表示装置703へ送る。
【0040】
表示装置703では、送られてきたデータを画面に表示する。ユーザは、表示装置703において記録確認映像を見ることで、確実にAVHDD102への記録確認を行うことができる。図9に、表示装置703における記録確認映像の表示例を示す。901は現在撮影中の映像を表示する撮影画面である。902はAVHDD102から伝送されてきた記録確認映像を表示する記録確認画面である。このようにユーザが撮影中でもAVHDD102への記録映像を確認できるようなピクチャー・イン・ピクチャー表示が行われる。
【0041】
以上述べたように、AVHDD102は、デジタルビデオカメラ101からの記録確認要求を受信することにより、記録している映像の再生を開始し、その再生映像を別チャンネルによってデジタルビデオカメラ101にフィードバックする。
【0042】
AVHDD102側で再生時間が過ぎた場合には、再生動作が停止され、IEEE1394バス上にアイソクロナス信号202が伝送されなくなる。これにより、デジタルビデオカメラ101のIEEE1394入出力回路404は信号の存在がなくなったことをシステムコントローラ407へ伝え、表示部405に対して記録確認映像の表示を停止することを伝える。表示部405では確認映像データ処理部701への信号がなくなるため、撮影映像データ処理部702では、現在撮影中の撮影映像データのみが処理されることになり、表示装置703は現在撮影中の撮影映像のみが表示される。
【0043】
(表示内容の変更方法)
デジタルビデオカメラ101がアシンクロナス信号203によって記録確認要求を行うときに、表示するデータ内容を決定することが可能である。通常は撮影映像の記録済みの再生映像を記録確認画面902によって表示するが、ユーザの必要性に応じて内容を変更する方法を図10、11を用いて説明する。図10において、1001はメニュー画面、1002は記録確認メニューのリスト、1003〜1008は記録確認メニューの選択可能リストである。
【0044】
まず、デジタルビデオカメラ101のメニュー画面1001から記録確認メニュー1002を表示し、ユーザの用途や必要性に合わせて表示する内容を決定する。一例として、タイムコード表示1004を選択した場合の処理を説明する。
【0045】
タイムコード表示1004が選択されると(ステップS1101)、システムコントローラ407は、AVHDD102側へタイムコードを取得するためのCTSコマンドを送る準備を行う(ステップ1102)。タイムコード表示1004が選択されたとき既にトリガボタン406が押下され、記録を開始していた場合には、すぐにCTSコマンドを発行し、AVHDD102のタイムコードを取得する(ステップ1103、1104)。
【0046】
記録中でない場合には、次にトリガボタン406が押下され、記録開始要求が発生したときに再生要求の代わりに発行される。また、記録中でかつ記録確認画面902を表示中であった場合は(ステップ1105)、すぐに記録確認画面902の表示を停止し(ステップ1106)、代わりにAVHDD102から送られてきたタイムコードを表示する(ステップS1107、1108)。
【0047】
次に、AVHDD102側の処理動作を説明する。アシンクロナス信号203により発行されたCTSコマンドのタイムコード要求を受信した場合には、HDDに記録中のタイムコードをレスポンスとしてフィードバックする。再生中であった場合には、システムコントローラ505がHDD再生回路504に対して停止の指示を送り、HDD再生回路504は指示に従い再生を中止する。
【0048】
システムコントローラ505は、記録中のタイムコードをHDD記録回路502より取得して、IEEE1394入出力回路503にタイムコードを付加してレスポンスを返すように指示を送る。
【0049】
なお、ここでは、AVHDD102側のタイムコード取得方法について説明を行ったが、HDDに記録中のファイル名やAVHDD102の電池残量や記憶領域の空き容量や記録中の記録モード等の情報も、CTSコマンドを利用することによってデジタルビデオカメラ11において表示することが可能である。
【0050】
以上説明したように、本実施形態の映像記録再生システムでは、ユーザが撮影を開始したときに、撮影映像がAVHDD102と内蔵記録媒体であるテープ105に記録されているかを確認することができる。
【0051】
特に、記録確認のために表示する内容を選択可能とすることにより、必要な情報が得られるとともに、システム全体の撮影中の状況を表示画面を見ながら確認することができ、映像記録再生装置の表示部分に対するハード的な負荷が減少され、映像記録再生装置の小型化が促進される。
【0052】
更に、記録中であれば何時でも記録確認及びシステムの撮影状況を撮影画面を見ながら得ることを可能にすることで、ユーザが撮影したい映像を撮り逃すことが減少される。
【0053】
なお、本発明の目的は、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0054】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、プログラムコード自体及びそのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0055】
プログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0056】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(基本システム或いはオペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0057】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本実施形態の映像記録再生システムの構成例を示す図である。
【図2】アイソクロナス信号と非同期に転送されるアシンクロナス信号の混在した場合のエンベロープ波形を示す図である。
【図3】ブロードキャストチャンネル以外のチャンネル確保決定のための処理を示すフローチャートである。
【図4】ビデオカメラの内部構成を示す図である。
【図5】AVHDDの内部構成を示す図である。
【図6】AVHDDにおいて記録確認要求のアシンクロナス信号を受信したときの処理の流れについて説明するためのフローチャートである。
【図7】表示部の内部構成を示す図である。
【図8】デジタルビデオカメラのトリガボタンが押下されてから、デジタルビデオカメラにおいてAVHDDへの記録確認を行うまでの処理の流れを示すシーケンス図である。
【図9】記録確認映像の表示例を示す図である。
【図10】記録確認設定のメニューリストを示す図である。
【図11】デジタルビデオカメラにおけるタイムコード取得の処理動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0059】
101 ビデオカメラ
102 AVHDD
103 IEEE1394ケーブル
104 トリガボタン
105 テープ
401 撮像部
402 信号処理回路
403 テープ記録回路
404 IEEE1394入出力回路
405 表示回路
406 トリガボタン
407 システムコントローラ
501 信号処理回路
502 HDD記録回路
503 IEEE1394入出力回路
504 HDD再生回路
505 システムコントローラ
701 確認映像データ処理部
702 撮影映像データ処理部
703 表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録開始の指示により内蔵記録媒体に撮影映像のデータを記録する撮像装置と、前記撮像装置に接続する映像記録再生装置とにより構成される映像記録再生システムであって、
前記撮像装置は、前記内蔵記録媒体に記録開始された撮影映像のデータを前記映像記録再生装置に伝送する伝送手段を備え、
前記映像記録再生装置は、前記撮像装置から伝送される撮影映像のデータを記録する記録手段と、前記記録手段による記録に関する情報を前記撮像装置に伝送する伝送手段とを備えることを特徴とする映像記録再生システム。
【請求項2】
前記撮像装置は、前記映像記録再生装置に記録確認要求を行う記録確認要求手段を備え、
前記映像記録再生装置は、前記撮像装置から記録確認要求を受信した場合に、前記伝送手段により記録に関する情報を前記撮像装置に伝送することを特徴とする請求項1に記載の映像記録再生システム。
【請求項3】
前記撮像装置は、撮影映像と、前記映像記録再生装置から伝送されてきた記録に関する情報とを表示可能な表示手段を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の映像記録再生システム。
【請求項4】
前記撮像装置にて、前記映像記録再生装置から伝送される記録に関する情報として、複数の中から所望のものを選択することができることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の映像記録再生システム。
【請求項5】
前記映像記録再生装置は、前記記録手段に記録された撮影映像のデータを再生する再生手段を更に備え、前記伝送手段が、記録に関する情報として、前記再生手段による再生映像のデータを前記撮像装置に伝送することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の映像記録再生システム。
【請求項6】
前記撮像装置は、撮影映像上に前記映像記録再生装置から伝送されてきた再生映像を重ねて表示可能な表示手段を更に備えることを特徴とする請求項5に記載の映像記録再生システム。
【請求項7】
前記撮像装置の伝送手段が撮影映像のデータを前記映像記録再生装置に伝送するときに用いるチャンネルと、前記映像記録再生装置の伝送手段が再生映像のデータを前記撮像装置に伝送するときに用いるチャンネルとを互いに異なるものとしたことを特徴とする請求項5又は6に記載の映像記録再生システム。
【請求項8】
前記映像記録再生装置の伝送手段は、記録に関する情報として、記録時間に関する情報を前記撮像装置に伝送することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の映像記録再生システム。
【請求項9】
前記映像記録再生装置の伝送手段は、記録に関する情報として、データ名に関する情報を前記撮像装置に伝送することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の映像記録再生システム。
【請求項10】
前記映像記録再生装置の伝送手段は、記録に関する情報として、前記映像記録再生装置の電池残量、記録空き容量、記録モードの少なくともいずれかを含む記録状態に関する情報を前記撮像装置に伝送することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の映像記録再生システム。
【請求項11】
記録開始の指示により内蔵記録媒体に撮影映像のデータを記録する撮像装置と、前記撮像装置に接続する映像記録再生装置とにより実行される映像記録再生方法であって、
前記撮像装置が、前記内蔵記録媒体に記録開始された撮影映像のデータを前記映像記録再生装置に伝送する手順を実行し、
前記映像記録再生装置が、前記撮像装置から伝送される撮影映像のデータを記録する記録手順と、前記記録手順による記録に関する情報を前記撮像装置に伝送する伝送手順とを実行することを特徴とする映像記録再生方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−36357(P2007−36357A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−212743(P2005−212743)
【出願日】平成17年7月22日(2005.7.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】