説明

時計バンドの取付構造

【課題】 腕時計ケースと時計バンドとが相対的に回転しても、ねじ部材が緩むことがなく、時計バンドを腕時計ケースに対して確実に取り付けることができる時計バンドの取付構造を提供する。
【解決手段】 時計バンド3に設けられた一対の取付突起部5a、5bの各取付孔7a、7b内に、第1、第2の各パイプ部材11、11をそれぞれ挿入させ、この状態で第2のパイプ部材12に第2のねじ部材14を挿入させて、腕時計ケース1のバンド取付部2に設けられた装着凸部8の連続孔9に挿入させると共に、第1のパイプ部材11に第1のねじ部材13を挿入させて、第1のねじ部材13の雄ねじ部13aを第2のねじ部材14の雌ねじ部14cに螺入させる。これにより、時計バンド3を腕時計ケース1に取り付けているので、第1、第2の各ねじ部材13、13が一対の取付突起部5a、5bの各取付孔7a、7bに接触する面積を大幅に減少させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、腕時計に用いられる時計バンドの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、時計バンドの取付構造においては、特許文献1に記載されているように、腕時計ケースの側部に設けられたバンド取付部の一対の取付突起部にそれぞれ取付孔を設け、このバンド取付部における一対の取付突起部の間に配置される時計バンドの先端部に貫通孔を設け、腕時計ケース側の各取付孔と時計バンド側の貫通孔とを対応させて連続させ、この状態で腕時計ケース側の取付孔と時計バンド側の貫通孔とに1本のパイプ部材を連続させて挿入し、この挿入された1本のパイプ部材の両側に設けられた各ねじ孔部に一対のねじ部材をそれぞれ螺合させて締め付けることにより、腕時計ケースに時計バンドを取り付けるように構成したものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の時計バンドの取付構造では、腕時計ケース側の取付孔と時計バンド側の貫通孔とに挿入した1本のパイプ部材の両側に一対のねじ部材を螺合させて、一対のねじ部材の各頭部をバンド取付部の一対の取付突起部にそれぞれ圧接させているため、腕時計ケースに時計バンドを確実に取り付けることができても、パイプ部材を中心に時計バンドが腕時計ケースに対して相対的に回転するときに、その回転力がパイプ部材に伝わり、一対のねじ部材に加わる力に差が生じると、一対のねじ部材が徐々に緩み、一対のねじ部材がパイプ部材から外れるという問題があった。
【0005】
この発明が解決しようとする課題は、腕時計ケースと時計バンドとが相対的に回転しても、ねじ部材が緩むことがなく、時計バンドを腕時計ケースに対して確実に取り付けることができる時計バンドの取付構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記課題を解決するために、次のような構成要素を備えている。
請求項1に記載の発明は、腕時計ケースのバンド取付部および時計バンドのケース側端部における一方に設けられた一対の取付突起部と、前記腕時計ケースの前記バンド取付部および前記時計バンドのケース側端部における他方に設けられて前記一対の取付突起部の間に配置される中間部と、前記一対の取付突起部および前記中間部のそれぞれに連続して形成された貫通孔と、頭部およびこの頭部よりも小径の軸部を有し、この軸部の先端側に雄ねじ部が形成されて、前記一対の取付突起部における一方の取付突起部の外側から前記貫通孔に挿入される第1のねじ部材と、頭部およびこの頭部よりも小径の軸部を有し、この軸部の先端側に雌ねじ部が形成されて、前記一対の取付突起部における他方の取付突起部の外側から前記貫通孔に挿入される第2のねじ部材と、前記一方の取付突起部に位置する前記貫通孔に挿入されて、前記第1のねじ部材の前記頭部とこれに対向する前記中間部の側面との間に位置した状態で、前記第1のねじ部材の前記軸部が挿入する第1の筒状部材と、前記他方の取付突起部に位置する前記貫通孔に挿入されて、前記第2のねじ部材の前記頭部とこれに対向する前記中間部の側面との間に位置した状態で、前記第2のねじ部材の前記軸部が挿入する第2の筒状部材と、を備えていることを特徴とする時計バンドの取付構造である。
【0007】
請求項2に記載の発明は、前記貫通孔が、前記一対の取付突起部にそれぞれ設けられて前記第1、第2の各ねじ部材における前記各頭部の外径と同じか、それよりも少し大きい内径の各第1孔と、前記中間部に設けられて前記各第1孔の内径よりも小さく且つ前記第1、第2の各筒状部材の外径よりも小さい内径の第2孔とからなることを特徴とする請求項1に記載の時計バンドの取付構造である。
【0008】
請求項3に記載の発明は、前記第1、第2の各筒状部材の外径は、前記第1、第2の各ねじ部材における前記各頭部の外径よりも小さく形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の時計バンドの取付構造である。
【0009】
請求項4に記載の発明は、前記第1、第2の各筒状部材の外径は、前記第1、第2の各ねじ部材における前記各頭部の外径よりも大きく形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の時計バンドの取付構造である。
【0010】
請求項5に記載の発明は、前記第1、第2の各筒状部材の各長さが、前記一対の取付突起部にそれぞれ設けられた前記各第1孔の長さよりも短く形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の時計バンドの取付構造である。
【0011】
請求項6に記載の発明は、前記第2のねじ部材が、その軸部の先端部を、前記一対の取付突起部のうち、前記他方の取付突起部から前記中間部に亘る前記貫通孔に挿入して前記一方の取付突起部に接近する箇所に位置させる長さに形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の時計バンドの取付構造である。
【0012】
請求項7に記載の発明は、前記第1のねじ部材と第2のねじ部材とが、前記雄ねじ部と前記雌ねじ部とを螺合させた状態で、その螺合箇所で接着剤によって接着されていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の時計バンドの取付構造である。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、一対の取付突起部に対する第1、第2の各ねじ部材の接触面積を大幅に減少させることができるので、腕時計ケースと時計バンドとが第1、第2の各ねじ部材を中心に相対的に回転する際に、腕時計ケースと時計バンドとの相対的な回転力が第1、第2の各筒状部材に伝わっても、その回転力が第1、第2の各ねじ部材に伝わるのを軽減することができる。このため、腕時計ケースと時計バンドとが相対的に回転する際に、第1、第2の各ねじ部材に加わる力に差が生じても、その力を弱めることができるので、第1、第2の各ねじ部材が相互に緩むことがなく、時計バンドを腕時計ケースに対して確実に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明を腕時計に適用した時計バンドの取付構造の実施形態1における要部を示した拡大正面図である。
【図2】図1の時計バンドの取付構造において要部を分解して示した拡大正面図である。
【図3】図1の時計バンドの取付構造のA−A矢視における拡大断面図である。
【図4】この発明を腕時計に適用した時計バンドの取付構造の実施形態2における要部を示した拡大断面図である。
【図5】この発明を腕時計に適用した時計バンドの取付構造の実施形態3における要部を示した拡大正面図である。
【図6】図5の時計バンドの取付構造において要部を分解して示した拡大正面図である。
【図7】図5の時計バンドの取付構造のB−B矢視における拡大断面図である。
【図8】実施形態3における第1、第2の各パイプ部材の変形例を示した要部の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施形態1)
以下、図1〜図3を参照して、この発明を腕時計に適用した実施形態1について説明する。
この腕時計は、図1および図2に示すように、腕時計ケース1を備えている。この腕時計ケース1は、金属または合成樹脂からなり、12時側と6時側との各側部(図1および図2では12時側の側部のみを示す)には、バンド取付部2がそれぞれ設けられている。このバンド取付部2には、時計バンド3がバンド取付部材4によって取り付けられている。
【0016】
この場合、時計バンド3の先端部、つまり腕時計ケース1のバンド取付部2に対応する時計バンド3の先端部には、図1および図2に示すように、一対の取付突起部5a、5bが腕時計ケース1のバンド取付部2に向けて突出して設けられており、この一対の取付突起部5a、5bの間には、図2に示すように、装着凹部6が設けられている。
【0017】
また、一対の取付突起部5a、5bには、図2および図3に示すように、それぞれ取付孔7a、7bが互いに対向した状態で貫通して設けられている。この取付孔7a、7bは、その両者の内径R2が同じ大きさで形成されている。この場合、一方の取付孔7aは、図3において右側に位置する一方の取付突起部5aに設けられており、他方の取付孔7bは、図3において左側に位置する他方の取付突起部5bに設けられている。
【0018】
一方、腕時計ケース1のバンド取付部2には、図1および図2に示すように、時計バンド3の装着凹部6に挿入する装着凸部8が設けられている。この装着凸部8には、図3に示すように、時計バンド3における一対の取付突起部5の各取付孔7a、7bに対応して連続する連続孔9が設けられている。この連続孔9の内径R3は、一対の取付突起部5の各取付孔7a、7bの内径R2よりも小さく(R3<R2)形成されている。この連続孔9と一対の取付突起部5の各取付孔7a、7bとによって貫通孔10が構成されている。
【0019】
ところで、バンド取付部材4は、図1〜図3に示すように、時計バンド3における一対の取付突起部5a、5bの各取付孔7a、7bにそれぞれ挿入する第1、第2の各パイプ部材11、12と、この第1のパイプ部材11にその外側(図3では右側)から挿入されて装着凸部8の連続孔9に挿入する第1のねじ部材13と、第2のパイプ部材12にその外側(図3では左側)から挿入されて装着凸部8の連続孔9に挿入する第2のねじ部材14とを備えている。
【0020】
第1のパイプ部材11は、図3に示すように、その外径R1が時計バンド3の一方(図3では右側)の取付突起部5aに設けられた取付孔7aの内径R2よりも小さく(R1<R2)形成され、且つ時計バンド3の装着凸部8に設けられた連続孔9の内径R3よりも大きく(R1>R3)形成されている。これにより、第1のパイプ部材11は、図3に示すように、取付孔7a内に隙間S1をもって挿入されるように構成されている。
【0021】
また、この第1のパイプ部材11は、図3に示すように、その長さK1が取付突起部5aに設けられた取付孔7aの長さK2よりも少し短く(K1<K2)形成されている。これにより、第1のパイプ部材11は、取付突起部5aの取付孔7a内に挿入されて、内端部11aが装着凸部8の側面8aに当接することにより、外端部11bが長さK3(K1−K2)だけ、取付孔7aの外端部から内側に位置するように配置され、これにより第1のねじ部材13の取付位置を規制するように構成されている。
【0022】
第2のパイプ部材12は、図3に示すように、第1のパイプ部材11と同じ大きさに形成されている。すなわち、この第2のパイプ部材12は、その外径R1が時計バンド3の他方(図3では左側)の取付突起部5bに設けられた取付孔7bの内径R2よりも小さく(R1<R2)形成され、且つ時計バンド3の装着凸部8に設けられた連続孔9の内径R3よりも大きく(R1>R3)形成されている。これにより、第2のパイプ部材12も、第1のパイプ部材11と同様、取付孔7b内に隙間S1をもって挿入されるように構成されている。
【0023】
また、この第2のパイプ部材12は、図3に示すように、その長さK1が取付突起部5bに設けられた取付孔7bの長さK2よりも少し短く(K1<K2)形成されている。これにより、第2のパイプ部材12は、取付突起部5bの取付孔7b内に挿入されて、内端部12aが装着凸部8の側面8bに当接することにより、外端部12bが長さK3(K1−K2)だけ、取付孔7bの外端部から内側に位置するように配置され、これにより第2のねじ部材14の取付位置を規制するように構成されている。
【0024】
一方、第1のねじ部材13は、図2および図3に示すように、右側に位置する一方の取付突起部5aに設けられた取付孔7a内に挿入する頭部13aと、その取付孔7aから装着凸部8の連続孔9内に先端部が挿入する軸部13bと、この軸部13bの先端部に設けられた雄ねじ部13cとを有している。この場合、頭部13aは、その外径R4が取付孔7aの内径R2と同じか、それよりも少し小さく(R4≦R2)形成されている。軸部13bは、その外径R5が頭部13aの外径R4よりも小さく(R5<R4)、且つ連続孔9の内径R3よりも小さく(R5<R3)形成されている。
【0025】
また、この第1のねじ部材13は、図2および図3に示すように、その軸部13bの長さL1が第1のパイプ部材11の長さK1よりも少し長く(L1>K1)形成され、これにより軸部13bが第1のパイプ部材11内に挿入されて、頭部13aが第1のパイプ部材11の外端部11bに当接することにより、取付突起部5aの取付孔7a内における取付位置が規制され、このときに頭部13aの一部が取付孔7a内に配置されると共に、軸部13bの雄ねじ部13cが装着凸部8の連続孔9内に挿入するように構成されている。
【0026】
第2のねじ部材14は、図2および図3に示すように、左側に位置する他方の取付突起部5bに設けられた取付孔7b内に挿入する頭部14aと、その取付孔7bから装着凸部8の連続孔9内に挿入する軸部14bと、この軸部14bの先端部側に設けられて雄ねじ部13cが螺合する雌ねじ部14cとを有している。この場合、頭部14aは、その外径R4が第1のねじ部材13の頭部13aと同じ大きさで、且つ取付孔7bの内径R2と同じか、それよりも少し小さく(R4≦R2)形成されている。
【0027】
この第2のねじ部材14の軸部14bは、その外径R6が頭部14aの外径R4よりも小さく(R6<R4)、且つ連続孔9の内径R3とほぼ同じか、それよりも少し小さく(R6≦R3)形成されているほか、第1のねじ部材13の軸部13aの外径R5よりも大きく(R6>R5)形成されている。これにより、軸部14bの先端部側に設けられた雌ねじ部14cは、その内径R7が第1のねじ部材13の雄ねじ部13cの外径R5と同じ大きさ(R7=R5)に形成されている。
【0028】
また、この第2のねじ部材14は、図2および図3に示すように、その軸部14bの長さL2が第2のパイプ部材12の長さK1と装着凸部8の連続孔9の長さL3との和の長さ(K1+L3)よりも少し短い長さ(L2<K1+L3)に形成されている。これにより、第2のねじ部材14は、軸部14bが第2のパイプ部材12内に挿入されて、頭部14aが第2のパイプ部材12の外端部12bに当接することにより、取付突起部5bの取付孔7b内における取付位置が規制され、このときに頭部14aの一部が取付孔7b内に配置されると共に、軸部14bの先端部が装着凸部8の連続孔9内に挿入して第1のパイプ部材11に接近するように構成されている。
【0029】
さらに、第1のねじ部材13と第2のねじ部材14とは、図3に示すように、接着剤15によって接着されている。すなわち、第1のねじ部材13の先端部に設けられた雄ねじ部13cと、第2のねじ部材14の先端部に設けられた雌ねじ部14cとには、それぞれ接着剤15が塗布されている。これにより、第1、第2の各ねじ部材13、14は、雄ねじ部13cが雌ねじ部14cに螺合したときに、その螺合箇所が接着剤15によって接着されるように構成されている。
【0030】
次に、このような腕時計ケース1に時計バンド3を取り付ける場合について説明する。
この場合には、まず、腕時計ケース1のバンド取付部2に時計バンド3の先端部を対応させ、この状態でバンド取付部2の装着凸部8を時計バンド3の一対の取付突起部5a、5bの間に設けられた装着凹部6に挿入し、この装着凸部8に設けられた連続孔9をバンド取付部2の一対の取付突起部5a、5bにそれぞれ設けられた各取付孔7a、7bに対応させて、装着凸部8の連続孔9と一対の取付突起部5a、5bの各取付孔7a、7bとを連続させる。
【0031】
この状態で、第1のパイプ部材11を一方(図3では右側)の取付突起部5aの取付孔7aに挿入させる。このときには、第1のパイプ部材11の長さK1が取付突起部5aに設けられた取付孔7aの長さK2よりも少し短く(K1<K2)形成されているので、第1のパイプ部材11は、その内端11aが装着凸部8の側面8aに当接した状態で取付孔7a内に配置される。
【0032】
これにより、第1のパイプ部材11は、その長さK1と取付孔7aの長さK2との差(K1−K2)の長さK3だけ、取付孔7aの外端から内側に位置して配置される。また、この第1のパイプ部材11は、その外径R1が取付孔7aの内径R2よりも小さく(R1<R2)形成されていると共に、第1のねじ部材13の頭部13aの外径R4よりも小さく(R1<R4)に形成されているので、取付孔7a内に隙間S1をもって配置される。
【0033】
同様に、第2のパイプ部材12を他方(図3では左側)の取付突起部5bの取付孔7bに挿入させる。このときにも、第2のパイプ部材12の長さK1が取付突起部5bに設けられた取付孔7bの長さK2よりも少し短く(K1<K2)形成されているので、第2のパイプ部材12も、その内端12aが装着凸部8の側面8bに当接した状態で取付孔7b内に配置される。
【0034】
これにより、第2のパイプ部材12は、その長さK1と取付孔7bの長さK2との差(K1−K2)の長さK3だけ、取付孔7bの外端から内側に位置して配置される。また、この第2のパイプ部材12も、その外径R1が取付孔7bの内径R2よりも小さく(R1<R2)形成されていると共に、第2のねじ部材14の頭部14aの外径R4よりも小さく(R1<R4)に形成されているので、取付孔7b内に隙間S1をもって配置される。
【0035】
この後、第2のねじ部材14における軸部14bの先端部に設けられた雌ねじ部14cに接着剤15を塗布し、この第2のねじ部材14の軸部14bを第2のパイプ部材12内に挿入すると共に、この軸部14bの先端部側を装着凸部8の連続孔9内に挿入させて、軸部14bの雌ねじ部14cを第1のパイプ部材11に接近させる。
【0036】
この状態で、第1のねじ部材13における軸部13bの先端部に設けられた雄ねじ部13cに接着剤15を塗布し、この第1のねじ部材13の軸部13bを第1のパイプ部材11内に挿入させて第2のねじ部材14の雌ねじ部14cに螺入させる。この状態で、第1、第2の各ねじ部材13、14を相互に締め付けて、第1のねじ部材13の雄ねじ部13cと第2のねじ部材14の雌ねじ部14cとを接着剤15で接着させる。
【0037】
このときに、第1、第2の各ねじ部材13、14が互いに引き寄せられるので、図3に示すように、第1のねじ部材13の頭部13aが第1のパイプ部材11の外端部11bに当接して頭部13aの一部が取付孔7a内に配置されると共に、第2のねじ部材14の頭部14aが第2のパイプ部材12の外端部12bに当接して頭部14aの一部が取付孔7b内に配置される。これにより、時計バンド3が腕時計ケース1に対して第1、第2のねじ部材13、14を中心に相対的に回転可能な状態で取り付けられる。
【0038】
このように、この時計バンド3の取付構造によれば、時計バンド3に設けられた一対の取付突起部5a、5bの各取付孔7a、7b内に、第1、第2の各パイプ部材11、12をそれぞれ挿入させ、この状態で第2のパイプ部材12に第2のねじ部材14を挿入させて、腕時計ケース1のバンド取付部2に設けられた装着凸部8の連続孔9に挿入させると共に、第1のパイプ部材11に第1のねじ部材13を挿入させて、第1のねじ部材13の雄ねじ部13cを第2のねじ部材14の雌ねじ部14cに螺入させることにより、時計バンド3を腕時計ケース1に取り付けているので、第1、第2の各ねじ部材13、14が一対の取付突起部5a、5bの各取付孔7a、7bに接触する面積を大幅に小さくすることができる。
【0039】
すなわち、第1、第2の各ねじ部材13、14は、それぞれ各頭部13a、14aの外周面における一部分のみが一対の取付突起部5a、5bの各取付孔7a、7bに接触するだけであるから、腕時計ケース1に対して時計バンド3が第1、第2の各ねじ部材13、13を中心に相対的に回転する際に、腕時計ケース1に対する時計バンド3の相対的な回転力が第1、第2の各パイプ部材11、12に伝わっても、その回転力が第1、第2の各ねじ部材13、14に伝わるのを軽減することができる。このため、腕時計ケース1に対して時計バンド3が相対的に回転する際に、第1、第2の各ねじ部材13、14に加わる力に差が生じても、その力を弱めることができるので、第1、第2の各ねじ部材13、14が緩むことがなく、時計バンド3を腕時計ケース1に対して確実に取り付けることができる。
【0040】
この場合、一対の取付突起部5a、5bとその間に配置される装着凸部8とに連続して設けられた貫通孔10は、一対の取付突起部5a、5bにそれぞれ設けられて第1、第2の各ねじ部材13、14の各頭部13a、14aの外径R4と同じか、それよりも少し大きい内径R2の各取付孔7a、7bと、装着凸部8に設けられて各取付孔7a、7bの内径R2よりも小さく、且つ第1、第2の各パイプ部材の各外径R1よりも小さい内径R3の連続孔9とからなることにより、第1、第2の各パイプ部材11、12が一対の取付突起部5a、5bの各取付孔7a、7bに挿入された際に、第1、第2の各パイプ部材11、12の内側端部11a、12aが装着凸部8の各側面8a、8bに当接することにより、各取付孔7a、7b内における第1、第2の各パイプ部材11、12の取付位置を正確に且つ確実に規制することができる。
【0041】
また、第1のパイプ部材11の外径R1は、第1のねじ部材13における頭部13aの外径R4よりも小さく(R1<R4)形成されており、第2のパイプ部材12の外径R1も、第2のねじ部材14における頭部14aの外径R4よりも小さく(R1<R4)形成されていることにより、第1、第2の各パイプ部材11、12を一対の取付突起部5a、5bの各取付孔7a、7bに挿入した際に、第1、第2の各パイプ部材11、12の外周面と一対の取付突起部5a、5bにおける各取付孔7a、7bの内周面との間にそれぞれ隙間S1を設けることができるので、腕時計ケース1に対して時計バンド3が相対的に回転する際に、その回転力が第1、第2の各パイプ部材11、12に伝わり難くすることができる。
【0042】
また、第1、第2の各パイプ部材11、12はその各長さK1が一対の取付突起部5にそれぞれ設けられた各取付孔7a、7bの各長さK2よりも短く(K1<K2)形成されていることにより、第1、第2の各パイプ部材11、12を各取付孔7a、7b内に挿入して、第1、第2の各パイプ部材11、12の各内端11a、12aを装着凸部8の各側面8a、8bにそれぞれ当接させた際に、第1、第2の各パイプ部材11、12を長さK3(K1−K2)だけ、各取付孔7a、7bの外端から内側に位置させて配置することができる。
【0043】
これにより、第1、第2の各ねじ部材13、14における各頭部13a、14aの一部が一対の取付突起部の各取付孔7a、7b内に挿入しても、各頭部13a、14aの残りの部分を各取付孔7a、7bの外部に配置させることができるので、これによっても時計バンド3に対する各頭部13a、14aの接触面積を大幅に減少させることができる。このため、腕時計ケース1に対して時計バンド3が相対的に回転する際に、第1、第2の各ねじ部材13、14に加わる力に差が生じても、その力を極めて小さくすることができるほか、各頭部13a、14aが一対の取付突起部5a、5bから外部側方に突出する長さを短くすることができるので、各頭部13a、14aが邪魔にならないばかりか、デザイン的にも好ましいものを得ることができる。
【0044】
また、この時計バンドの取付構造では、第2のねじ部材14における軸部14bの先端部が、一対の取付突起部5a、5bのうち、他方(図3では左側)の取付突起部5bの取付孔7bから装着凸部8の連続孔9に挿入されて一方(図3では右側)の取付突起部5aに接近する箇所に位置するように、第2のねじ部材14における軸部14bの長さL2が長く形成されていることにより、第1、第2の各ねじ部材13、14を接着剤15によって良好に接着することができる。
【0045】
すなわち、第1のねじ部材13の雄ねじ部13cと、第2のねじ部材14の雌ねじ部14cとに、それぞれ接着剤15を塗布して、第1のねじ部材13の雄ねじ部13cを第2のねじ部材14の雌ねじ部14cに螺合する際に、第2のねじ部材14の先端部が、他方の取付突起部5bの取付孔7bから装着凸部8の連続孔9に挿入されて一方の取付突起部5aに接近しているので、第1のねじ部材13の雄ねじ部13cと第2のねじ部材14の雌ねじ部14cとの螺合箇所を接着剤15によって確実に且つ良好に接着することができる。
【0046】
(実施形態2)
次に、図4を参照して、この発明を腕時計に適用した実施形態2について説明する。なお、図1〜図3に示された実施形態1と同一部分には同一符号を付して説明する。
この腕時計における時計バンドの取付構造は、第1、第2の各パイプ部材20、21の各外径R10を実施形態1における第1、第2の各パイプ部材11、12の各外径R1よりも大きく形成した構成であり、これ以外は実施形態1と同じ構成になっている。
【0047】
すなわち、第1のパイプ部材20は、図4に示すように、その外径R10が第1のねじ部材13における頭部13aの外径R4よりも少し大きく(R10>R4)形成されていると共に、時計バンド3の一方(図4では右側)の取付突起部5aに設けられた取付孔7aの内径R2よりも少し小さく(R10<R2)形成され、これにより取付孔7a内に挿入するように構成されている。この場合にも、第1のパイプ部材20は、その外径R10が時計バンド3の装着凸部8に設けられた連続孔9の内径R3よりも十分に大きく(R10>R3)形成されている。
【0048】
また、この第1のパイプ部材20も、図4に示すように、その長さK1が一方(図4では右側)の取付突起部5aに設けられた取付孔7aの長さK2よりも少し短く(K1<K2)形成されている。これにより、第1のパイプ部材20は、取付突起部5aの取付孔7a内に挿入されて、内端部20aが装着凸部8の側面8aに当接することにより、外端部20bが長さK3(K1−K2)だけ、取付孔7aの外端部から内側に位置するように配置され、これにより第1のねじ部材13の取付位置を規制するように構成されている。
【0049】
第2のパイプ部材21は、図4に示すように、第1のパイプ部材20と同じ大きさに形成されている。すなわち、この第2のパイプ部材21は、その外径R10が第2のねじ部材14における頭部14aの外径R4よりも少し大きく(R10>R4)形成されていると共に、時計バンド3の他方(図4では左側)の取付突起部5bに設けられた取付孔7bの内径R2よりも少し小さく(R10<R2)形成され、これにより取付孔7b内に挿入するように構成されている。この場合にも、第2のパイプ部材21は、その外径R10が時計バンド3の装着凸部8に設けられた連続孔9の内径R3よりも十分に大きく(R10>R3)形成されている。
【0050】
また、この第2のパイプ部材21も、図4に示すように、その長さK1が他方(図4では左側)の取付突起部5bに設けられた取付孔7bの長さK2よりも少し短く(K1<K2)形成されている。これにより、第2のパイプ部材21は、取付突起部5bの取付孔7b内に挿入されて、内端部21aが装着凸部8の側面8bに当接することにより、外端部21bが長さK3(K1−K2)だけ、取付孔7bの外端部から内側に位置するように配置され、これにより第2のねじ部材14の取付位置を規制するように構成されている。
【0051】
このような時計バンド3の取付構造によれば、実施形態1と同様の作用効果があるほか、第1、第2の各パイプ部材20、21の各外径R10が第1、第2の各ねじ部材13、14における各頭部13a、14aの外径R4よりも大きく形成されているので、第1、第2の各ねじ部材13、14における各頭部13a、14aの各外周面が一対の取付突起部5a、5bに設けられた各取付孔7a、7bの内周面に接触するのを防ぐことができる。
【0052】
このため、腕時計ケース1に対して時計バンド3が第1、第2の各ねじ部材13、13を中心に相対的に回転する際に、腕時計ケース1に対する時計バンド3の相対的な回転力が第1、第2の各パイプ部材11、11に伝わっても、その回転力が第1、第2の各ねじ部材13、14に伝わるのを大幅に軽減することができる。このため、腕時計ケース1に対して時計バンド3が相対的に回転する際に、第1、第2の各ねじ部材13、14に加わる力に差が生じても、その力を、より一層、弱めることができるので、第1、第2の各ねじ部材13、14が緩むことがなく、時計バンド3を腕時計ケース1に対して確実に取り付けることができる。
【0053】
(実施形態3)
次に、図5〜図7を参照して、この発明を腕時計に適用した実施形態3について説明する。この場合にも、図1〜図3に示された実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明する。
この腕時計における時計バンドの取付構造は、図5および図6に示すように、腕時計ケース1のバンド取付部2に一対の取付突起部5a、5bを設け、時計バンド3に装着凸部8を設けた構成であり、これ以外は実施形態1と同じ構成になっている。
【0054】
この場合にも、腕時計ケース1のバンド取付部2に設けられた一対の取付突起部5a、5bの間には、図5および図6に示すように、装着凹部6が設けられている。また、この一対の取付突起部5a、5bには、それぞれ取付孔7a、7bが互いに対向した状態で貫通して設けられている。この取付孔7a、7bは、その両者の内径R2が同じ大きさに形成されている。この場合、一方の取付孔7aは、図6において右側に位置する一方の取付突起部5aに設けられており、他方の取付孔7bは、図6において左側に位置する他方の取付突起部5bに設けられている。
【0055】
また、時計バンド3に設けられた装着凸部8には、図5および図6に示すように、腕時計ケース1における一対の取付突起部5の各取付孔7a、7bに対応して連続する連続孔9が設けられている。この連続孔9の内径R3は、実施形態1と同様、一対の取付突起部5の各取付孔7a、7bの内径R2よりも小さく(R3<R2)形成されている。この場合にも、連続孔9と一対の取付突起部5の各取付孔7a、7bとによって貫通孔10が構成されている。
【0056】
さらに、バンド取付部材4は、実施形態1と同様、腕時計ケース1における一対の取付突起部5a、5bの各取付孔7a、7bにそれぞれ挿入する第1、第2の各パイプ部材11、12と、この第1のパイプ部材11にその外側(図7では右側)から挿入されて装着凸部8の連続孔9に挿入される第1のねじ部材13と、第2のパイプ部材12にその外側(図7では左側)から挿入されて装着凸部8の連続孔9に挿入される第2のねじ部材14とを備えている。
【0057】
この場合にも、第1のパイプ部材11は、図7に示すように、その外径R1が時計バンド3の一方(図7では右側)の取付突起部5aに設けられた取付孔7aの内径R2よりも小さく(R1<R2)形成されていると共に、第1のねじ部材13の頭部13aの外径R4よりも小さく(R1<R4)形成され、且つ時計バンド3の装着凸部8に設けられた連続孔9の内径R3よりも大きく(R1>R3)形成されている。これにより、第1のパイプ部材11は、図7に示すように、取付孔7a内に隙間S1をもって挿入されるように構成されている。
【0058】
また、この第1のパイプ部材11は、実施形態1と同様、その長さK1が取付突起部5aに設けられた取付孔7aの長さK2よりも少し短く(K1<K2)形成されている。これにより、第1のパイプ部材11は、取付突起部5aの取付孔7a内に挿入されて、内端部11aが装着凸部8の側面8aに当接することにより、外端部11bが長さK3(K1−K2)だけ、取付孔7aの外端部から内側に位置するように配置され、これにより第1のねじ部材13の取付位置を規制するように構成されている。
【0059】
第2のパイプ部材12も、実施形態1と同様、第1のパイプ部材11と同じ大きさに形成されている。すなわち、この第2のパイプ部材12は、その外径R1が時計バンド3の他方(図7では左側)の取付突起部5bに設けられた取付孔7bの内径R2よりも小さく(R1<R2)形成されていると共に、第2のねじ部材14の頭部14aの外径R4よりも小さく(R1<R4)形成され、且つ時計バンド3の装着凸部8に設けられた連続孔9の内径R3よりも大きく(R1>R3)形成されている。これにより、第2のパイプ部材12も、第1のパイプ部材11と同様、取付孔7b内に隙間S1をもって挿入されるように構成されている。
【0060】
また、この第2のパイプ部材12は、実施形態1と同様、その長さK1が取付突起部5bに設けられた取付孔7bの長さK2よりも少し短く(K1<K2)形成されている。これにより、第2のパイプ部材12は、取付突起部5bの取付孔7b内に挿入されて、内端部12aが装着凸部8の側面8bに当接することにより、外端部12bが長さK3(K1−K2)だけ、取付孔7bの外端部から内側に位置するように配置され、これにより第2のねじ部材14の取付位置を規制するように構成されている。
【0061】
一方、第1のねじ部材13は、実施形態1と同様、一方(図7では右側)の取付突起部5aに設けられた取付孔7a内に挿入する頭部13aと、その取付孔7aから装着凸部8の連続孔9内に先端部が挿入する軸部13bと、この軸部13bの先端部に設けられた雄ねじ部13cとを有し、これらが実施形態1と同様に構成されている。
【0062】
また、第2のねじ部材14も、実施形態1と同様、他方(図7では左側)の取付突起部5bに設けられた取付孔7b内に挿入する頭部14aと、その取付孔7bから装着凸部8の連続孔9内に挿入する軸部14bと、この軸部14bの先端部側に設けられて雄ねじ部13cが螺合する雌ねじ部14cとを有し、これらが実施形態1と同様に構成されている。
【0063】
このような時計バンド3の取付構造によれば、腕時計ケース1のバンド取付部2に設けられた一対の取付突起部5a、5bの各取付孔7a、7b内に、第1、第2の各パイプ部材11、12をそれぞれ挿入させ、この状態で第2のパイプ部材12に第2のねじ部材14を挿入させて、時計バンド3に設けられた装着凸部8の連続孔9に挿入させると共に、第1のパイプ部材11に第1のねじ部材13を挿入させて、第1のねじ部材13の雄ねじ部13cを第2のねじ部材14の雌ねじ部14cに螺入させることにより、時計バンド3を腕時計ケース1に取り付けているので、実施形態1と同様、第1、第2の各ねじ部材13、14が一対の取付突起部5a、5bの各取付孔7a、7bに接触する面積を大幅に減少させることができる。
【0064】
すなわち、第1、第2の各ねじ部材13、14は、実施形態1と同様、それぞれ各頭部13a、14aの外周面における一部分のみが一対の取付突起部5a、5bの各取付孔7a、7bに接触するだけであるから、時計バンド3に対して腕時計ケース1が第1、第2の各ねじ部材13、13を中心に相対的に回転する際に、時計バンド3に対する腕時計ケース1の相対的な回転力が第1、第2の各パイプ部材11、12に伝わっても、その回転力が第1、第2の各ねじ部材13、14に伝わるのを軽減することができる。このため、時計バンド3に対して腕時計ケース1が相対的に回転する際に、第1、第2の各ねじ部材13、14に加わる力に差が生じても、その力を弱めることができるので、第1、第2の各ねじ部材13、14が緩むことがなく、時計バンド3を腕時計ケース1に対して確実に取り付けることができる。
【0065】
なお、前述した実施形態3では、第1、第2の各パイプ部材11、12の外径R1を第1、第2の各ねじ部材13、14における各頭部13a、14aの外径R4よりも小さく形成した場合について述べたが、これに限らず、図8に示す変形例のように、第1、第2の各パイプ部材20、21の外径R10を第1、第2の各ねじ部材13、14における各頭部13a、14aの外径R4よりも大きく(R10>R4)形成した構成でも良い。
【0066】
このように構成すれば、実施形態2と同様、第1、第2の各ねじ部材13、14における各頭部13a、14aの各外周面が一対の取付突起部5a、5bに設けられた各取付孔7a、7bの内周面に接触するのを防ぐことができる。これにより、時計バンド3に対して腕時計ケース1が第1、第2の各ねじ部材13、14を中心に相対的に回転する際に、時計バンド3に対する腕時計ケース1の相対的な回転力が第1、第2の各パイプ部材20、21に伝わっても、その回転力が第1、第2の各ねじ部材13、14に伝わるのを大幅に軽減することができる。
【0067】
このため、時計バンド3に対して腕時計ケース1が相対的に回転する際に、第1、第2の各ねじ部材13、14に加わる力に差が生じても、その力を、より一層、弱めることができるので、第1、第2の各ねじ部材13、14が緩むことがなく、時計バンド3を腕時計ケース1に対して確実に取り付けることができる。
【符号の説明】
【0068】
1 腕時計ケース
2 バンド取付部
3 時計バンド
4 バンド取付部材
5a、5b 一対の取付突起部
6 装着凹部
7a、7b 取付孔
8 装着凸部
9 連続孔
10 貫通孔
11 第1のパイプ部材
12 第2のパイプ部材
13、14 第1、第2の各ねじ部材
13a、14a 頭部
13b、14b 軸部
13c 雄ねじ部
14c 雌ねじ部
15 接着剤
R1、R10 パイプ部材の外径
R2 取付孔の内径
R3 連続孔の内径
R4 頭部の外径
K1 パイプの長さ
K2 取付孔の長さ
L1 第1のねじ部材における軸部の長さ
L2 第2のねじ部材における軸部の長さ
L3 連続孔の長さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
腕時計ケースのバンド取付部および時計バンドのケース側端部における一方に設けられた一対の取付突起部と、
前記腕時計ケースの前記バンド取付部および前記時計バンドのケース側端部における他方に設けられて前記一対の取付突起部の間に配置される中間部と、
前記一対の取付突起部および前記中間部のそれぞれに連続して形成された貫通孔と、
頭部およびこの頭部よりも小径の軸部を有し、この軸部の先端側に雄ねじ部が形成されて、前記一対の取付突起部における一方の取付突起部の外側から前記貫通孔に挿入される第1のねじ部材と、
頭部およびこの頭部よりも小径の軸部を有し、この軸部の先端側に雌ねじ部が形成されて、前記一対の取付突起部における他方の取付突起部の外側から前記貫通孔に挿入される第2のねじ部材と、
前記一方の取付突起部に位置する前記貫通孔に挿入されて、前記第1のねじ部材の前記頭部とこれに対向する前記中間部の側面との間に位置した状態で、前記第1のねじ部材の前記軸部が挿入する第1の筒状部材と、
前記他方の取付突起部に位置する前記貫通孔に挿入されて、前記第2のねじ部材の前記頭部とこれに対向する前記中間部の側面との間に位置した状態で、前記第2のねじ部材の前記軸部が挿入する第2の筒状部材と、
を備えていることを特徴とする時計バンドの取付構造。
【請求項2】
前記貫通孔は、前記一対の取付突起部にそれぞれ設けられて前記第1、第2の各ねじ部材における前記各頭部の外径と同じか、それよりも少し大きい内径の各第1孔と、前記中間部に設けられて前記各第1孔の内径よりも小さく且つ前記第1、第2の各筒状部材の外径よりも小さい内径の第2孔とからなることを特徴とする請求項1に記載の時計バンドの取付構造。
【請求項3】
前記第1、第2の各筒状部材は、その外径が前記第1、第2の各ねじ部材における前記各頭部の外径よりも小さく形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の時計バンドの取付構造。
【請求項4】
前記第1、第2の各筒状部材は、その外径が前記第1、第2の各ねじ部材における前記各頭部の外径よりも大きく形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の時計バンドの取付構造。
【請求項5】
前記第1、第2の各筒状部材は、その各長さが前記一対の取付突起部にそれぞれ設けられた前記各第1孔の長さよりも短く形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の時計バンドの取付構造。
【請求項6】
前記第2のねじ部材は、その軸部の先端部が、前記一対の取付突起部のうち、前記他方の取付突起部から前記中間部に亘る前記貫通孔に挿入されて前記一方の取付突起部に接近する箇所に位置する長さに形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の時計バンドの取付構造。
【請求項7】
前記第1のねじ部材と第2のねじ部材とは、前記雄ねじ部と前記雌ねじ部とが螺合した状態で、その螺合箇所が接着剤によって接着されていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の時計バンドの取付構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−281671(P2010−281671A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−134944(P2009−134944)
【出願日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)