説明

景品獲得ゲーム機

【課題】なるべくプレーヤに「こつ」や過去のデータに基づかないでプレーをさせることのできる景品獲得ゲーム機を提供することこと。
【解決手段】プレーヤの操作に基づいてショーウィンドウ14の任意の窓孔17の前方位置に配置されるようにプッシャーユニット25を停止させ、プッシャー36を窓孔17から景品収容部15内に進出させて景品Pを陳列位置から落下させて獲得することを目的とする景品獲得ゲーム機において、当該プレーにおけるプレーヤの操作によって以前に景品Pを獲得できた位置でプッシャーユニット25が停止することとなる場合には、所定の確率でプッシャーユニット25の停止するタイミングを通常の停止タイミングよりも遅延させるような制御をする。これによってプレーヤが「こつ」や過去のデータに基づいてプレーすることが少なくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ショーウィンドウの奥に陳列された景品をショーウィンドウの窓孔を通してプッシャーにより押して落下させてその景品を獲得する景品獲得ゲーム機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりショーウィンドウの奥に景品を陳列し、ショーウィンドウの前面の景品に対応した位置に窓孔を開口させるとともに、ショーウィンドウの前面に縦横自在に移動可能にプッシャーを備えた移動体を配置させプレーヤの操作でこの移動体をちょうどプッシャーを窓孔内に挿通することができる位置に停止させてプッシャーを押動させショーウィンドウの後方より落下させてその景品を獲得する景品獲得ゲーム機がある。通常プレーヤには移動体の水平方向と垂直方向の2方向において停止させる機会を与えられており、停止ボタン等の手段を操作して移動体は停止させられることとなる。
このような景品獲得ゲーム機の一例を特許文献1として示す。
【特許文献1】特開2005−143682号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記の特許文献1の景品獲得ゲーム機を含め従来の景品獲得ゲーム機においては次のような問題があった。
1)プレーヤが何回もゲームをしていると停止ボタンを押してから移動体の実際に停止するまでのタイミング、つまりいわゆる「こつ」を覚えてしまい、ゲーム設置側の思惑以上に景品が獲得されてしまう場合があった。
2)プレーヤによっては毎回移動体の速度と位置を新たに予測して停止ボタンを押すわけではなく、前回景品を獲得できた際の状況、例えばスタートから何秒後に停止ボタンを押すとちょうど窓孔の位置にプッシャーを停止させることができる、というように過去のプレーの結果のデータを集めるような場合がある。そのような場合も1)と同様ゲーム設置側の思惑以上に景品が獲得されてしまうとともに、そのようなデータに基づいたプレーでは本ゲーム機のおもしろみを純粋に味わうことができなかった。
そのため、なるべくプレーヤが「こつ」やデータに基づかないで自由にプレーをさせるような景品獲得ゲーム機が求められていた。
本発明は、上記問題を解消するためになされたものであり、その目的は、なるべくプレーヤに「こつ」や過去のデータに基づかないでプレーをさせることのできる景品獲得ゲーム機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、複数の景品をショーウィンドウの奥に陳列収容するとともに、各景品と対面するショーウィンドウの一部に窓孔が形成された景品収容部と、前記ショーウィンドウと所定間隔を離間した前方位置であって同ショーウィンドウ方向に対して進退可能なプッシャーと、同プッシャーを進退させるプッシャー駆動手段とを備えるとともに同ショーウィンドウ面と間隔を維持しながら移動可能な移動体と、前記移動体を駆動する移動体駆動手段と、前記移動体駆動手段の駆動を開始させるためのプレーヤによって操作されるスタート手段と、前記移動体駆動手段の駆動を停止させるためのプレーヤによって操作される停止手段とを備え、プレーヤの前記スタート手段の操作に基づいて前記移動体駆動手段によって前記移動体を移動させるとともに、プレーヤの前記停止手段の操作に基づいて同プッシャーが前記ショーウィンドウの任意の前記窓孔の前方位置に配置されるように同移動体を停止させ、同プッシャーを前記プッシャー駆動手段によって同窓孔から前記景品収容部内に進出させて景品を陳列位置から落下させて獲得することを目的とする景品獲得ゲーム機において、
基準点からの前記移動体の移動距離を計測する移動距離計測手段と、少なくとも各景品毎の前記移動体が獲得可能な停止位置を同移動体の基準点から計測点までの移動距離に対応する複数の第1の距離データとして記憶する記憶手段と、プレーヤによって前記停止手段が操作されて前記移動体が停止する場合に前記移動距離計測手段によって計測された当該プレーについての同移動体の基準点から計測点までの移動距離に対応する第2の距離データを前記記憶手段に記憶された第1の距離データと比較する比較手段と、同比較手段による比較の結果、前記第2の距離データが前記第1の距離データのうちの所定のデータと同一又はごく近似した値であると判断した場合には選択的に前記停止手段による停止操作によって実行される前記移動体駆動手段の停止までに要する通常の時間をわずかにずれたタイミングで停止させるように制御する停止タイミング変更手段とを備えることをその要旨とする。
【0005】
請求項1のような構成では、プレーヤはスタート手段を操作してゲームを開始して、移動体が移動をするとその動きをよく目視してプッシャーがちょうどショーウィンドウの任意の前記窓孔の前方位置に配置されるように停止手段を操作して移動体を停止させるようプレーをする。
その時、移動距離計測手段によるその停止位置までの基準点からの移動距離に関する第2の距離データが景品を獲得できる位置として確定している第1の距離データと同一又はごく近似した距離データとなるケースがある。つまり、過去の景品を獲得できた窓孔位置にほぼ正対してプッシャーが配置されるということである。
その時には移動体駆動手段の停止までに要する通常の時間を選択的にわずかにずれたタイミングで停止させる。つまり、必ず移動体をわずかにずれたタイミングで停止させるのではなくある割合でそのようなタイミングをずらして移動体を停止させるケースを発生させるようにする。
このような構成にするとプレーヤが過去にある窓孔からプッシャーが挿入された際の停止手段を操作と同じタイミングで停止手段を操作しても必ずしも窓孔位置に正確に停止するわけではないため、プレーヤはデータの記憶が間違っていたとか意味がないと理解してデータに基づかず現状の移動体の速度等に基づいて純粋にプレーをすることとなる。
ここに「わずかにずれたタイミング」とはプレーヤが不自然と感じない程度のごく微量の「ずれ」であり一般に通常の時間による停止位置から数mm程度以内が妥当と考えられる。この程度であればプレーヤは操作が行われたことは分からない。また、「ずれ」とはプッシャーが窓孔から行き過ぎる場合だけではなく通常の停止位置に達しない場合も含む。
【0006】
また、「計測点」は移動体の基準点からの距離を計測するための計測の基準となる点であり、例えば移動体が停止した位置だけでなく、例えばプレーヤが停止手段を入力したタイミングにおける移動体位置であってもよい。
また、「移動距離計測手段」は基準点から所定の計測点までの距離が定量的に分かればその手段は限定されるものではない。例えば移動体を移動させるモータの回転量や、移動体のスピードと時間との関係で間接的に距離が分かればよい。
また、「第1の距離データ」は初期値として入力されていても、実際にゲーム機が稼働した際に景品を獲得できる位置で停止した際に記憶させるようにしてもよい。例えばプッシャーの窓孔内への進出状態を検出するプッシャー進出検出手段の検出動作やプッシャーによって景品が陳列位置から落下したことを検出する景品落下検出手段の検出動作に基づいてその位置が景品を獲得できる位置であると認識することができる。
【0007】
請求項3に記載の発明では請求項1の発明の構成に加え、前記プッシャーの前記ショーウィンドウ内への進出を検出するプッシャー進出検出手段と、景品取り出し口の上流に配設され景品の通過によって景品の落下を検出する景品通過検出手段とを備え、前記移動距離計測手段によって得られた計測値に基づく移動距離に関する距離データと、同プッシャー進出検出手段によって検出されたプッシャーの進出と、同景品通過検出手段による景品の通過の検出に基づいて前記景品収容部内のどの景品が獲得されたかを特定する獲得景品特定手段を備えていることをその要旨とする。
【0008】
請求項3のような構成では請求項1の発明の構成に加え、どの位置の景品がなくなったのかが認識でき、払い出された景品の数と位置のデータの管理や、景品の補充管理に非常に有利になる。
【発明の効果】
【0009】
上記各請求項に記載の発明によれば過去に景品を獲得した際の経験やデータに基づいてプレーヤが移動体を操作しようとしても、移動体は必ずしも過去の停止挙動と同じ動きをするわけではなく、しかもそれはプレーヤには分からないものである。そのため、ゲームの興趣が妨げられず、かつゲーム設置側の思惑以上に景品が獲得されてしまうことがなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の景品獲得ゲーム機を具体化した実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の説明においてはプレーヤ側を前側とし、ゲーム機の奥側を後側とする。またプレーヤ側からゲーム機を見た際の左方向を左側とし、右方向を右側とする。
図1に示すように、筐体11の上部には透明な外ウィンドウ12に三方から包囲されたプレイゾーン13a,13bが形成されている。本実施の形態ではプレイゾーン13a,13bは中央を境界として左右に分割され左側プレイゾーン13aと右側プレイゾーン13bとして同時に2人のプレーヤがプレー可能とされている。
プレイゾーン13a,13b内の奥寄りには平面状の透明なショーウィンドウ14によって隔てられた景品収容部15が設けられている。景品収容部15内には上下二段の棚板16が設置され、同棚板16上に複数の景品Pが載置されている。棚板16の後方は図示しない景品落下ゾーンとされ落下した景品が通路を通って後述する景品取り出し口32に導かれるようになっている。各景品Pと対面するショーウィンドウ14には横長スリット状の窓孔17が形成されている。本実施の形態では各景品P毎に上下方向に平行に3つの窓孔17が形成されている。これは景品Pの形状や載置態様に応じてプレーヤが景品Pを獲得しやすい窓孔17を選択できるようにするためである。
【0011】
景品収容部15の前方、つまりショーウィンドウ14の前方位置には同ショーウィンドウ14と所定間隔を開けてプレイゾーン13a,13b毎にそれぞれ縦レール20が配設されている。図2に示すように、縦レール20は上下に配設された左右に延びる水平レール21間に支持されている。縦レール20は下側の水平レール21に配設された移動体駆動手段としての縦レール用モータ22によって駆動され水平レール21に沿って左右方向にスライド移動可能とされている。縦レール用モータ22はステッピングモータから構成されている。水平レール21には縦レール20の原点位置を決定する第1の位置センサ23と最も進出した位置を決定する第2の位置センサ24がそれぞれ下側の水平レール21の左右寄り位置に配設されている。縦レール20の下部には図示しないドグ(被検出部材)が形成され、同ドグが両センサ23,24に対して非接触状態で近接することで検出されて縦レール20の振幅が決定されるようになっている。
【0012】
縦レール20には移動体としてのプッシャーユニット25が配設されている。プッシャーユニット25は縦レール20の下部位置に配設された移動体駆動手段としてのプッシャーユニット用モータ26によって上下方向にスライド移動可能とされている。プッシャーユニット用モータ26はアブソリュート型のロータリーエンコーダ26aが併設されたステッピングモータから構成されている。縦レール20にはプッシャーユニット25の原点位置を決定する第3の位置センサ27と最も進出した位置を決定する第4の位置センサ28がそれぞれ縦レール20の上下寄り位置に配設されている。プッシャーユニット25には図示しないドグが形成され、同ドグが両センサ27,28に対して非接触状態で近接することで検出されてプッシャーユニット25の振幅が決定されるようになっている。本実施の形態ではこれらセンサ23,24,27,28は磁気センサより構成されている。
【0013】
筐体11の前部には左右のプレイゾーン13a,13bに対応して操作パネル29が設けられ、同操作パネル29にはそれぞれにスタート手段及び停止手段としての第1及び第2ボタンB1,B2、モニタ30及び硬貨投入口31が設けられている。また、筐体11の前方下部にはプレイゾーン13a,13b毎の景品取り出し口32が設けられている。図1に示すように、景品取り出し口32に連通する通路内には各プレイゾーン13a,13bにおいて獲得された景品Pの通過を検出する検出手段としての光電センサ33が配設されている。
【0014】
プッシャーユニット25について更に詳しく説明する。尚、プッシャーユニット25に関してはプレーヤ側から奥側に進出することを前進とし、この前進方向を前側とする。
図3及び図4に示すように、プッシャーユニット25はユニット本体35とプッシャー36を備えている。ユニット本体35の本体ケース37は天板38と、天板38の三方縁から下垂された後方、側方及び前方の各側壁39a〜39cと、天板38裏面側に配置された断面L字状の一対のガイドレール40より構成されている。図5に示すように、本体ケース37の天板38の四方角寄り位置には案内ローラ41が回動自在に配設されている。ユニット本体35の側方側壁39bにはブラケット42が固着され、ユニット本体35は同ブラケット42を介して前記縦レール20側に連結されている。
本体ケース37内であって前記両ガイドレール40上にはスライドテーブル43が配設されている。図3及び図4に示すように、スライドテーブル43は同テーブル43の四方に配置された車輪44によって本体ケース37側のガイドレール40上に載置されている。その結果、スライドテーブル43はガイドレール40の長手方向に沿ってスライド移動可能とされている。スライドテーブル43の前方であって前方側壁39cとの間には左右一対のコイルバネ45が配設されている。
スライドテーブル43の天板38の裏面側であって右寄り位置(図3では上方寄り位置)にはテンションセンサ46が配設されている。図4及び図5に示すように天板38の上面であって前方寄り位置にはホームポジションセンサ47とリミットポジションセンサ48が配設されている。本実施の形態ではこれらセンサ46,47,48は磁気センサより構成されている。
【0015】
スライドテーブル43の裏面側にはプッシャー駆動手段としてのプッシャーモータ50が配設されている。プッシャーモータ50はステッピングモータから構成されている。図6に示すようにプッシャーモータ50の回転軸51の先端側はスライドテーブル43から更にユニット本体35を貫通して天板38上面に突出させられている。回転軸51先端にはウォームギア53が取着されている。回転軸51の基端側にはプッシャー進出検出手段としてのインクリメント型ロータリエンコーダ52のスリット円板52aが取着されている。スリット円板52aに隣接してフォトラプタからなるエンコーダ本体52bが配設されている。エンコーダ本体52bはスリット円板52aの回転に基づくスリットの透光数をカウントすることでプッシャーモータ50の回転量を数値化し、間接的にプッシャーユニット25の原点位置からの移動距離を計測する。
図3〜図5に示すように、スライドテーブル43の後方右側方には後方向に突起したドグ49が形成されている。ドグ49はスライドテーブル43がユニット本体35に対して相対的に後方に移動させられた場合に前記テンションセンサ46によって検出される。
【0016】
プッシャー36は長尺のプラスチック製の板体であって、その裏面には図3〜図5に示すように長手方向に沿ってラック55が形成されている。プッシャー36の先端には着脱可能なキャップ状のヘッド部56が装着されている。ヘッド部56はいくつかの先端の上下幅の異なるものが用意され適宜取り替えることで窓孔17への挿入の難易度、つまりゲームの難易度を設定変更することが可能である。
図6及び図7に示すように、プッシャー36の側縁部に形成された長溝36a内には4つの案内ローラ41が嵌合させられており、これら案内ローラ41によってプッシャー36は進退可能に保持されている。プッシャー36のラック55は前記ウォームギア53と噛合されており、プッシャーモータ50の回転に伴ってウォームギア53が回転させられるとその回転力がラック55に伝達されてプッシャー36の前後方向の進退運動に変換されることとなる。プッシャー36の裏面側の間隔を開けた前後位置にはそれぞれ前記ホームポジションセンサ47とリミットポジションセンサ48の被検出部材としてのドグ57,58が配設されている。つまり、プッシャー36はこの両ドグ57,58間の距離を最大ストロークとすることとなる。
【0017】
次に本実施の形態の電気的構成を図8のブロック図に基づいて説明する。尚、本件発明とは直接関係のない構成については基本的に説明を省略する。
記憶手段、比較手段、停止タイミング変更手段及び獲得景品特定手段を構成するコントローラCには上記第1ボタンB1及び第2ボタンB2が接続されている。また、上記各センサ23,24,27,28,46〜48が接続されている。更に、上記各モータ22,26,50が接続されている。コントローラCはCPU(中央処理装置)をメインにした制御部60と記憶手段としてのメモリ61及び時間を計測するためのタイマ回路62を備えている。また、第1ボタンB1及び第2ボタンB2に内蔵された第1及び第2ランプ64,65が接続されている。更に、所定の硬貨が硬貨投入口31から投入されたことを確認する硬貨投入センサ67が接続されている。
【0018】
コントローラCはコイン投入後、第1ボタンB1が押下されることによって出力されるオン信号に基づいて縦レール用モータ22の駆動を開始させる。すると同駆動に伴って縦レール20は原点位置(ドグが第1の位置センサ23に検出されている位置)から水平レール21に沿って移動を開始する。そして、第1ボタンB1を押下し続けることでオン信号の出力が続き、縦レール20の移動は継続される。次いで、第1ボタンB1が原状に復帰すると(つまり、プレーヤが第1ボタンB1を離すと)出力オフ状態となって縦レール用モータ22の駆動が停止されるため縦レール20は停止させられる。但し、縦レール20が移動し過ぎて縦レール20のドグが第2の位置センサ24に検出されてしまうとコントローラCはその検出信号の出力を受けて第1ボタンB1が押下されていたとしても縦レール用モータ22の駆動を停止させる。コントローラCは水平方向(いわゆるX軸方向)の原点からの距離を停止までにかかった時間によって認識する。コントローラCは第1ボタンB1を離して出力オフ状態となった時点での経過時間を当該プレーにおけるX軸方向の確定時間を距離データ(その経過時間に対応して縦レール20は所定距離を移動しているため)として一時的にメモリ61に記憶させる。
【0019】
また、コントローラCは第2ボタンB2が押下されることによって出力されるオン信号に基づいてプッシャーユニット用モータ26の駆動を開始させる。するとプッシャーユニット25は原点位置(本体ケース37が第3の位置センサ27に検出されている位置)から縦レール20に沿って移動を開始する。そして、第2ボタンB2を押下し続けることでオン信号の出力が続き、プッシャーユニット25の移動は継続される。次いで第2ボタンB2が原状に復帰すると(つまり、プレーヤが第2ボタンB2を離すと)出力オフ状態となってプッシャーユニット用モータ26の駆動が停止されるためプッシャーユニット25は停止させられる。但し、プッシャーユニット25が移動し過ぎて本体ケース37が第4の位置センサ28に検出されてしまうとコントローラCはその検出信号の出力を受けて第2ボタンB2が押下されていたとしてもプッシャーユニット用モータ26の駆動を停止させる。コントローラCは垂直方向(いわゆるY軸方向)の原点からの距離をプッシャーユニット用モータ26に併設されたロータリーエンコーダ26aによって得られたモータの回動軸の回転量に基づいて認識する。
コントローラCは第2ボタンB2を離して出力オフ状態となった時点でのロータリーエンコーダ26aのカウント数を当該プレーにおけるY軸方向の距離データとして一時的にメモリ61に記憶させる。
【0020】
また、コントローラCはプッシャーユニット25内のロータリエンコーダ52のカウント値に基づいてプッシャー36がショーウィンドウ14の窓孔17を通過したと判断した場合に限り、前記一時的に記憶したX軸方向及びY軸方向の距離データを景品を景品を獲得できたデータと判断し、それ以外のプッシャー36がショーウィンドウ14の窓孔17を通過したと判断できなかったケースに関しては記憶した距離データを消去する。この段階でコントローラCのメモリ61には窓孔17を通過できたX軸方向及びY軸方向の距離データのみが保存されることとなる。
また、コントローラCは当該プレーにおいて一時的に記憶したX軸方向及びY軸方向の距離データと過去の保存された距離データとを比較し、当該プレーにおける距離データが保存されているいずれかの距離データと一致あるいは所定の近似した値であると判断した場合には当該プレーにおいてプッシャーユニット用モータ26の駆動停止タイミングを選択的に、つまり所定の条件下でプッシャーユニット用モータ26の駆動を停止させた後の慣性動作中に所定の駆動用パルスを再度出力して駆動を再開させる。これによってプッシャーユニット用モータ26の慣性動作後の完全な停止タイミングが通常の停止タイミングよりも遅延させられることとなる。本実施の形態では遅延することによって約1mm通常の停止位置よりも進行した位置で停止するように調整する。近似範囲として例えばY軸方向の距離データでロータリーエンコーダ26aのカウント数が±3というようにごく小さい範囲において数値化して現すことが可能である。この近似と考える範囲は適宜変更可能である。
コントローラCは補助記憶装置としてとしてバッファを備えており、バッファ内に乱数が格納されている。また、コントローラCは乱数読み出し回路を備えている。本実施の形態では所定の条件としてコントローラCによって当該プレー毎に読み出された乱数列の末尾が「0」又は「1」である場合に上記の停止遅延動作をさせるようにしている。この条件は適宜変更することが可能である。
また、コントローラCはホームポジションセンサ47とリミットポジションセンサ48の被検出部材としてのドグ57,58の検出に基づいてプッシャーモータ50の駆動を停止させる。
【0021】
また、コントローラCは距離データL1,L2とロータリエンコーダ52によってプッシャー36が窓孔17内に進入したかどうかを判断し、更に続く光電センサ33による景品Pの検出によって当該プッシャーユニット25の停止位置における窓孔17に面した景品Pが獲得されたことを判断する。この獲得された景品Pの個数は窓孔17と関連づけてメモリ61に記憶される。
【0022】
次に本発明に特化したコントローラCの実行する動作を図9〜図11のフローチャートに基づいて説明する。
コントローラCはステップS101において、硬貨が投入されたことを硬貨投入センサ67からのオン信号によって確認すると、ステップS102に移行して第1ボタンB1に内蔵された第1ランプ64を点灯させプレーヤの操作を促す。ここで、ステップS103においてコントローラCは第1ボタンB1がオン状態となったかどうか判断し、オン状態であるとした場合にはステップS104でタイマ回路62でタイムカウントを開始するとともにステップS105で縦レール用モータ22の駆動を開始させる。
一方、ステップS103で第1ボタンB1がオン状態となっていないと判断した場合にはステップS106で所定の時間が経過したかどうかを判断し、タイマがカウントアップした場合にはステップS107でプッシャーモータ50を駆動させプッシャー36に景品獲得にはつながらないデモンストレーション的な進退動作をさせて一旦処理を終了する(原点位置に戻す)。
【0023】
ステップS105で縦レール用モータ22の駆動が開始されるとステップS108においてコントローラCは第1ボタンB1がオフ状態になったかどうかを判断する。つまりここでは縦レール20が停止したかどうかの判断をしていることとなる。コントローラCは第1ボタンB1がオフ状態になったと判断した場合にはステップS109で縦レール用モータ22の駆動を停止させると同時にステップS110で一旦この時点までに経過した時間をX軸方向の距離データL1としてメモリ61に記憶させ、更にステップS111で第1ランプ64を消灯させる。
一方、ステップS108で第1ボタンB1がオフ状態となっていないと判断した場合にはステップS112で第2の位置センサ24の出力があったかどうかを判断し、出力があった場合には縦レール20がもっとも原点から遠い位置に達したと判断し、処理をステップS109に移行させる。
【0024】
次いで、ステップS113に移行し第2ランプ65を点灯させプレーヤの第2ボタンB2の操作を促す。ここで、ステップS114においてコントローラCは第2ボタンB2がオン状態となったかどうか判断し、オン状態であるとした場合にはステップS115でプッシャーユニット用モータ26の駆動を開始させる。一方、第2ボタンB2がオン状態となっていないと判断した場合にはステップS116で所定の時間が経過したかどうかを判断し、タイマがカウントアップした場合にはステップS117でプッシャーモータ50を駆動させプッシャー36に景品獲得にはつながらないデモンストレーション的な進退動作をさせて一旦処理を終了する(原点位置に戻す)。
ステップS115でプッシャーユニット用モータ26の駆動が開始されるとステップS118においてコントローラCは第2ボタンB2がオフ状態になったかどうかを判断する。つまりここではプッシャーユニット25が停止したかどうかの判断をしていることとなる。
コントローラCは第2ボタンB2がオフ状態になったと判断した場合にはステップS119でプッシャーユニット用モータ26の駆動を停止させると同時にステップS120で一旦ロータリーエンコーダ26aのカウント値をY軸方向の距離データL2としてメモリ61に記憶させ、更にステップS121で第2ランプ65を消灯させる。
一方、ステップS118で第2ボタンB2がオフ状態となっていないと判断した場合にはステップS122で第4の位置センサ28の出力があったかどうかを判断し、出力があった場合にはプッシャーユニット25がもっとも原点から遠い位置に達したと判断し、処理をステップS119に移行させる。
【0025】
コントローラCはステップS121の処理に続いてステップS123において今回のプレーの距離データL1,L2と過去の蓄積された距離データLSとの比較をする。そしてステップS124でコントローラCは過去の蓄積された距離データLSと距離データL1,L2とを比較して一致又はごく近似しているケースであると判断した場合にはステップS125に移行する。一致又はごく近似しているケースとはつまり、このままプッシャーユニット25が停止するとプッシャー36が窓孔17に面した景品Pを獲得できる位置に配置されることを意味する。
一方、一致もごく近似もしていないケースであると判断するとステップS126に移行してプッシャーモータ50を駆動させプッシャー36に進退動作をさせることで一旦処理を終了する(XY軸の原点位置に戻す)。
コントローラCはステップS125に移行すると乱数読み出し回路によってランダムに乱数を取り出し、ステップS127で乱数列の末尾が「0」又は「1」かを判断する。そして、乱数列の末尾が「0」又は「1」であると判断するとコントローラCはステップS128で当該プレーでの停止タイミングを遅延させるためプッシャーユニット用モータ26の慣性動作中同モータ26に対して所定の駆動用パルスを出力する。これによって一旦停止しようとしていた同モータ26の駆動が回復するため、プッシャー36が若干プッシャーユニット25の進行方向側にずれて配置されることとなる。
そして、ステップS129でプッシャーモータ50を駆動させプッシャー36に進退動作をさせることで一旦処理を終了する(XY軸の原点位置に戻す)。
一方、乱数列の末尾が「0」又は「1」ではないと判断するとコントローラCは当該プレーでの停止タイミングは特に遅延させることはないとして所定の駆動用パルスを出力させずにそのままプッシャーユニット用モータ26に通常の慣性動作の下で停止させる。つまりこの場合はプッシャー36は窓孔17に面した景品Pを獲得できる位置に配置されることとなる。そして、ステップS130でプッシャーモータ50を駆動させプッシャー36に進退動作をさせることで一旦処理を終了する(XY軸の原点位置に戻す)。
【0026】
次に本実施の形態の作用について説明する。
ゲームを行う際、プレーヤはまず、所定の硬貨を硬貨投入口31より投入する。硬貨が投入されると、第1ランプ64が点灯されて第1ボタンB1が押下可能な状態となる。ここでプレーヤは第1ボタンB1を押下して縦レール20を水平方向の所望位置へ移動させる。次にプレーヤは第2ランプ65が点灯された第2ボタンB2を押下してプッシャーユニット25を垂直方向の所望位置へ移動させる。これらのボタンB1,B2操作が完了すると自動的にプッシャーユニット25のプッシャー36がショーウィンドウ14方向に進出する。
【0027】
この時、プッシャー36は次のような動作を行う。
まず、図3に示すように、プッシャー36がショーウィンドウ14に衝突することなく窓孔17を通過した場合にはプッシャー36はドグ58がリミットポジションセンサ48(図7参照)に検出されるまで進出する。この間にプッシャー36は景品Pを突き倒して後方へ落下させる。そして、リミットポジションセンサ48がドグ58を検出するとプッシャーモータ50は停止し、更に逆駆動してプッシャー36を後退させる。後退したプッシャー36のドグ57がホームポジションセンサ47(図7参照)に検出されることでプッシャーモータ50は停止しプッシャー36が原点位置に復帰することとなる。
【0028】
一方、図4に示すように、プッシャー36がショーウィンドウ14の窓孔17を通過できず、ショーウィンドウ14の前面に衝突してしまった場合には、プッシャーモータ50の駆動力によってプッシャー36と連結されているスライドテーブル43がユニット本体35に対して相対的に後方(プレーヤ側)に移動させられるようになっておりショーウィンドウ14への衝突によりプッシャー36が押し戻される方向に荷重がかかる際の駆動伝達系の過負荷による不具合の発生を防止するようになっている。スライドテーブル43の移動に伴ってスライドテーブル43側のドグ49がテンションセンサ46によって検出されるとプッシャーモータ50は停止し、更に逆駆動してプッシャー36を後退させる。後退したプッシャー36のドグ57がホームポジションセンサ47に検出されることでプッシャーモータ50は停止しプッシャー36が原点位置に復帰することとなる。
【0029】
更に、プッシャー36がショーウィンドウ14の窓孔17を通過したとしても景品がごく重い場合にはショーウィンドウ14衝突のケースと同様コイルバネ45の付勢力があるにも関わらずプッシャー36が押し戻されてしまうこととなる。しかし、この場合にはショーウィンドウ14とは異なり駆動伝達系にそれほど大きな過負荷がかかるわけではないのでプッシャー36で景品を押し切ってしまえばよい。そのため、プッシャー36がショーウィンドウ14の窓孔17を通過している場合にはスライドテーブル43側のドグ49がテンションセンサ46によって検出されてもこれをキャンセルする。そのため、本実施の形態では図5に示すようにスライドテーブル43後端は後方側壁39aに当接することとなり、その状態ではプッシャー36は前進する。そして、リミットポジションセンサ48がドグ52を検出するとプッシャーモータ50は停止し、更に逆駆動してプッシャー36を後退させる。後退したプッシャー36のドグ57がホームポジションセンサ47に検出されることでプッシャーモータ50は停止しプッシャー36が原点位置に復帰することとなる。
そして、プッシャー36の進退動作が終了すると、プッシャーユニット25はXY軸方向の原点位置に移動して1ゲームが終了する。このとき、景品Pが落下しているとプレーヤは景品取り出し口32からその景品を取り出すことができる。
【0030】
上記のように構成することにより本実施の形態では次のような効果が奏される。
(1)プレーヤは以前のプレーの際の「こつ」やデータに基づいて先の景品Pを獲得できた操作と同じ操作でプッシャー36を窓孔17に面して停止させようとするが、当該窓孔17に過去に同じ操作で停止した経歴があれば、位置をずらされる可能性があるため過去の「こつ」を使いにくくなり、なおかつそれはプレーヤにはわからない程度なので純粋にゲームとして楽しむことが可能となる。
(2)当該プレーにおいてプレーヤが第1及び第2ボタンB1,B2を操作した結果、過去に景品Pを獲得した窓孔17位置に停止する距離データL1,L2であると判断されても、コントローラCに取り出された乱数値の結果によってプッシャー36はずらされずそのまま窓孔17に進入できることもある。つまり、プレーヤの「こつ」等が反映されて景品Pを獲得できる可能性もあるため、まったく、過去の「こつ」やデータが反映されないわけではなく、よりプレーヤに怪しまれずにプレーをさせることが可能である。
(3)距離データL1,L2とロータリエンコーダ52及び光電センサ33によってどの位置の景品Pがなくなっているのかが、分かるので景品管理が容易であり、景品の補充やどの位置の景品がもっともターゲットになるのか等の情報を併せて管理することが可能となる。
【0031】
本発明を、以下のように具体化して実施してもよい。
・上記実施の形態ではプッシャーユニット25の位置をロータリーエンコーダ26aで計測するようにしていたが、水平方向の計測と同じように原点からの停止までの時間で計測するようにしてもよい。
・上記実施の形態ではプッシャーユニット25が景品Pを獲得したことをプッシャー36が窓孔17内に侵入したことに基づいて(ロータリエンコーダ52の計測値に基づいて)判断していたが、各景品Pごとに同景品Pが陳列位置から落下したことを検出する景品落下検出手段としてのセンサ(例えば光電センサ)を配設し、コントローラCがそのセンサの検出信号に基づいて当該停止位置で景品を獲得できると認識するような構成であっても構わない。
・上記実施の形態ではプッシャーユニット25の機械的構成は上記に限定されることはない。例えばプッシャーユニット25のプッシャー36をプレーヤの操作で進出させるようにしてもよい。
・ショーウィンドウ14の窓孔17は各景品P毎に複数あることが好ましいが、1つでも構わない。また、その形状は問わない。
・プッシャー36の形状は上記に限定されない。
・上記景品獲得ゲーム機ではプッシャーユニット25は水平・垂直方向はそれぞれ一方向しか進まずプレーヤはその一回の移動において第1及び第2ボタンB1,B2を操作しなければならなかった。しかしプッシャーユニット25を往復運動させるような景品獲得ゲーム機であっても構わない。
・上記景品獲得ゲーム機には過去の蓄積された過去の蓄積された距離データLSをリセットするリセット手段を設けるようにしてもよい。これによって、時々距離データLSをリセットすることで上記のようなプッシャーユニット25の停止位置をずらすという処理をする確率が下がることとなりより景品Pを獲得しやすくできる。
・上記実施の形態では乱数列の末尾が「0」又は「1」である場合に上記の停止遅延動作をさせるようにしていたが(つまり20%の確率で位置をずらすようにしている)、その他の確率を設定するようにしてもよい。また例えば4回ずらさないと1回ずらすよいうようにその停止位置に停止した回数によって選択的に停止遅延動作をさせるようにしてもよい。
・上記、棚板14の上に載置された景品Pが隣接する景品Pと接することのないように仕切り板を設けるようにしてもよい。また、仕切り板を外してより大きな景品Pを複数の載置スペースにまたがる載置するようにしてもよい。
・コントローラCの上記制御は一例であって、他の制御方式であっても構わない。例えば、上記実施の形態では実際にプレーをして距離データLSを蓄積していくような制御であったが、例えば初期値としてすべての景品を獲得できる距離データ(つまりプッシャー36がすべての窓孔17に面して配置される際のプッシャーユニット25の原点からの距離データ)を入力するようにしてもよい。
・上記ではプッシャー6が窓孔17に面して停止する場合に限って選択的な停止遅延動作をさせるようにしていたが、その他窓孔17に面して停止できなかった場合にもこのような停止遅延動作をさせるようにすることも可能である。
その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において変更した態様で実施することは自由である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明にかかる実施の形態におけるゲーム機の斜視図。
【図2】プッシャーユニットの水平及び垂直方向の動きを説明する説明図。
【図3】プッシャーユニットにおいてプッシャーがショーウィンドウの窓孔内に進入した状態の底面図。
【図4】プッシャーユニットにおいてプッシャーがショーウィンドウの前面に衝突した状態の底面図。
【図5】プッシャーユニットにおいてプッシャーがショーウィンドウの窓孔内に進入し、なおかつ重量のある景品を押動している状態の底面図。
【図6】図3のA−A線におけるプッシャーユニットの断面図。
【図7】プッシャーユニットの平面図。
【図8】電気的構成を説明するブロック図。
【図9】コントローラの処理動作を説明するフローチャート図。
【図10】同じくコントローラの処理動作を説明するフローチャート図。
【図11】同じくコントローラの処理動作を説明するフローチャート図。
【符号の説明】
【0033】
14…ショーウィンドウ、17…窓孔、25…移動体としてのプッシャーユニット、26a…移動距離計測手段としてのロータリエンコーダ、22…移動体駆動手段としての縦レール用モータ、26…移動体駆動手段としてのプッシャーユニット用モータ、50…プッシャー駆動手段としてのプッシャーモータ、52…プッシャー進出検出手段としてのロータリエンコーダ、61…記憶手段としてのメモリ、62…移動距離計測手段としてのタイマ回路、B1,B2…スタート手段及び停止手段としての第1及び第2ボタン、C…記憶手段、比較手段、停止タイミング変更手段及び獲得景品特定手段を構成するコントローラ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の景品をショーウィンドウの奥に陳列収容するとともに、各景品と対面するショーウィンドウの一部に窓孔が形成された景品収容部と、
前記ショーウィンドウと所定間隔を離間した前方位置であって同ショーウィンドウ方向に対して進退可能なプッシャーと、同プッシャーを進退させるプッシャー駆動手段とを備えるとともに同ショーウィンドウ面と間隔を維持しながら移動可能な移動体と、
前記移動体を駆動する移動体駆動手段と、
前記移動体駆動手段の駆動を開始させるためのプレーヤによって操作されるスタート手段と、
前記移動体駆動手段の駆動を停止させるためのプレーヤによって操作される停止手段とを備え、
プレーヤの前記スタート手段の操作に基づいて前記移動体駆動手段によって前記移動体を移動させるとともに、プレーヤの前記停止手段の操作に基づいて同プッシャーが前記ショーウィンドウの任意の前記窓孔の前方位置に配置されるように同移動体を停止させ、同プッシャーを前記プッシャー駆動手段によって同窓孔から前記景品収容部内に進出させて景品を陳列位置から落下させて獲得することを目的とする景品獲得ゲーム機において、
基準点からの前記移動体の移動距離を計測する移動距離計測手段と、
少なくとも各景品毎の前記移動体が獲得可能な停止位置を同移動体の基準点から計測点までの移動距離に対応する複数の第1の距離データとして記憶する記憶手段と、
プレーヤによって前記停止手段が操作されて前記移動体が停止する場合に前記移動距離計測手段によって計測された当該プレーについての同移動体の基準点から計測点までの移動距離に対応する第2の距離データを前記記憶手段に記憶された第1の距離データと比較する比較手段と、
同比較手段による比較の結果、前記第2の距離データが前記第1の距離データのうちの所定のデータと同一又はごく近似した値であると判断した場合には選択的に前記停止手段による停止操作によって実行される前記移動体駆動手段の停止までに要する通常の時間をわずかにずれたタイミングで停止させるように制御する停止タイミング変更手段とを備えることを特徴とする景品獲得ゲーム機。
【請求項2】
前記プッシャーの前記ショーウィンドウ内への進出を検出するプッシャー進出検出手段と、景品取り出し口の上流に配設され景品の通過によって景品の落下を検出する景品通過検出手段とを備え、前記移動距離計測手段によって得られた計測値に基づく移動距離に関する距離データと、同プッシャー進出検出手段によって検出されたプッシャーの進出と、同景品通過検出手段による景品の通過の検出に基づいて前記景品収容部内のどの景品が獲得されたかを特定する獲得景品特定手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の景品獲得ゲーム機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−12157(P2008−12157A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−187962(P2006−187962)
【出願日】平成18年7月7日(2006.7.7)
【出願人】(000207702)大平技研工業株式会社 (7)