景品獲得ゲーム機
【課題】従来にない新たな獲得方法の景品獲得ゲーム機を提供すること。
【解決手段】ゲーム機10ではプレーヤの操作に基づいてバーユニット20はタグ17との間隔を維持した状態で所定の移動方向に移動させられる。プレーヤはタグ17に形成された長孔の前面にバー60の先端が停止するように操作をする。バーユニット20が停止するとバー60はタグ17方向に進出させられる。進出したバー60はタグ17の長孔に挿通されるされないに関わらずタグ17と交差可能な位置まで進出させられることとなる。そして、進出したバーは下動させられた後に退避する。この時、バー60がちょうどタグ17の長孔に挿通されればタグ17はバー60とともに下方に引き下げられ切り離し部において切り離されていくこととなる。タグ17が完全に切り離し部において切り離されるとタグ17は景品Pとともに落下する。
【解決手段】ゲーム機10ではプレーヤの操作に基づいてバーユニット20はタグ17との間隔を維持した状態で所定の移動方向に移動させられる。プレーヤはタグ17に形成された長孔の前面にバー60の先端が停止するように操作をする。バーユニット20が停止するとバー60はタグ17方向に進出させられる。進出したバー60はタグ17の長孔に挿通されるされないに関わらずタグ17と交差可能な位置まで進出させられることとなる。そして、進出したバーは下動させられた後に退避する。この時、バー60がちょうどタグ17の長孔に挿通されればタグ17はバー60とともに下方に引き下げられ切り離し部において切り離されていくこととなる。タグ17が完全に切り離し部において切り離されるとタグ17は景品Pとともに落下する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウィンドウ内に収納された景品をプレーヤが操作して落下させることでその景品を獲得する景品獲得ゲーム機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より多くの種類のウィンドウ内に収納された景品を獲得する景品獲得ゲーム機が存在する。このような景品獲得ゲーム機の一例を特許文献1〜3に示す。
【特許文献1】特開2005−143682号公報
【特許文献2】特開2001−157773号公報
【特許文献3】特開2001−129239号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の多くの景品獲得ゲーム機は獲得方法が既に周知になってしまい遊技に慣れたプレーヤらの興味は薄れつつあった。そのため従来とは異なる斬新な獲得方法の景品獲得ゲーム機が求められていた。
本発明は、上記問題を解消するためになされたものであり、その目的は従来にない新たな獲得方法の景品獲得ゲーム機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明では、1又は複数の透孔が形成されるとともに切り離し部を介して下垂支持される景品が取着された薄片と、
前記薄片の前記透孔に挿通可能な前方位置に配置されるバーと、同バーを同薄片と交差する位置を最大進出位置として進退させるバー駆動手段とを備えるとともに同薄片と間隔を維持しながら移動可能な移動体と、プレーヤによる操作手段の操作に基づいて同移動体を移動させ所定位置に停止させる移動体駆動手段とを備え、前記移動体を停止させた際に前記バーを前記薄片と交差可能な位置まで進出させ、少なくとも同交差可能位置に進出させた後に同バーを下動させ、同バーを下動させた後に退避させるように前記移動体駆動手段及びバー駆動手段を制御するようにしたことをその要旨とする。
【0005】
請求項1のような構成では、プレーヤの操作に基づいて移動体は薄片との間隔を維持した状態で所定の移動方向に移動させられる。プレーヤは薄片に形成された透孔の前面にバーの先端が停止するように操作をする。移動体が停止するとバーは薄片方向に進出させられる。進出したバーは薄片の透孔に挿通されるされないに関わらず薄片と交差可能な位置まで進出させられることとなる。そして、進出したバーは下動させられた後に退避する。この時、バーがちょうど薄片の透孔に挿通されれば薄片はバーとともに下方に引き下げられ切り離し部において切り離されていくこととなる。薄片が完全に切り離し部において切り離されると薄片は景品とともに落下する。
ここに、バーが下動するタイミングは完全にバーが進出が停止した状態でも、進出あるいは後退している途中でも少なくとも薄片と交差する位置まで進出させられていればどちらでも構わない。
バーの下動量は特に限定はされない。大きく下動されれば一度のプレーで薄片が切り離されることとなるが、小さな下動であれば何度かのプレーが必要となる場合もある。
【0006】
請求項2に記載の発明では請求項1の発明の構成に加え、前記薄片は複数枚数が積載状に積載スペースにストックされており、当該切り離しされた薄片の次席位置に配置された薄片は前記切り離し部を基部として回動されて新たに切り離し部によって下垂支持されることをその要旨とする。
これによって景品が獲得された後の準備として新たな景品を次の位置にある薄片に付け替えるたけでよいため、作業が軽減されることとなる。
【0007】
請求項3に記載の発明では、1又は複数の透孔が形成されるとともに切り離し部を介して下垂支持される景品が取着された薄片と、前記薄片の前記透孔に挿通可能な前方位置に配置されるバーと、同バーを同薄片と交差する位置を最大進出位置として進退させるバー駆動手段と、同バーに併設され同バーの外周から側方に張り出した係合位置と同バー方向に後退した非係合位置の2つの位置を取りうる係合部材と、同係合部材に同2つの位置の間において位置変位をさせる係合部材駆動手段とを備えるとともに同薄片と間隔を維持しながら移動可能な移動体と、プレーヤによる操作手段の操作に基づいて同移動体を移動させ所定位置に停止させる移動体駆動手段とを備え、前記移動体を停止させた際に前記バーを前記薄片と交差可能な位置まで進出させるとともに、同バーが同交差可能位置に進出した段階で非係合位置にある前記係合部材を係合位置に変位させ、次いで同係合部材が係合位置に変位した状態で前記バーを後退させるように前記移動体駆動手段、バー駆動手段及び係合部材駆動手段を制御するようにしたことをその要旨とする。
請求項3のような構成では、プレーヤの操作に基づいて移動体は薄片との間隔を維持した状態で所定の移動方向に移動させられる。プレーヤは薄片に形成された透孔の前面にバーの先端が停止するように操作をする。移動体が停止するとバーは薄片方向に進出させられる。進出したバーは薄片の透孔に挿通されるされないに関わらず薄片と交差可能な位置まで進出させられることとなる。そして、バーが交差可能な位置まで進出した段階でバーから非係合位置にある係合部材が係合位置に張り出すように変位する。次いで、係合部材が張り出した状態で後退する。この時、バーがちょうど薄片の透孔に挿通されれば薄片は係合部材に引っ掛けられて後方に引っ張られ切り離し部において切り離されていくこととなる。薄片が完全に切り離し部において切り離されると薄片は景品とともに落下する。
ここに、バーの後退に伴って係合部材が係合位置に変位した状態(張り出した状態)からいつ非係合位置に復帰するか、そのタイミングは必ずしも決まってはいない。後退したバーが完全に停止した段階でも後退している段階でも構わない。
【0008】
また、請求項4に記載の発明では請求項3の発明の構成に加え、前記移動体には前記バーの後退時に同バーに掛止された前記薄片が同バーとともに後退するのを防止するガイド体が形成されているようにしたことをその要旨とする。
このように構成することによってバーに薄片とともに掛止された景品を確実に落下させることが可能となる。
また、請求項5に記載の発明では請求項1〜4のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記薄片に形成された前記透孔は同透孔に挿通される前記バーに対する横方向の通過間隔よりも縦方向の通過間隔を広くしたことをその要旨とする。つまり、例えばバーを押し下げる請求項1のようなケースでは縦方向においてバーを透孔のどの辺りを通過させるかによってバーが下動する際の薄片に対する押し下げ量が異なるためバーを透孔に挿通させたとしても薄片の切り離され易さは異なることとなり、その結果ゲーム性が向上する。
例えばバーを後退させる請求項3のようなケースでは縦方向においてバーを透孔のどの辺りを通過させるかによってバーを後退させて薄片を引っ張る引っ張り量が異なるためバーを透孔に挿通させたとしても薄片の切り離され易さは異なることとなり、その結果ゲーム性が向上する。通過間隔とは透孔に挿通されるバーと透孔の縁との間隔をいい、バーの断面形状によっては必ずしも透孔の横方向より縦方向の方が長いというわけではない。バーの断面形状が円形のようにどの方向にも略均等であれば透孔は横方向より縦方向の方が長くなる。
【発明の効果】
【0009】
上記各請求項に記載の発明によれば、薄片をバーで引きちぎりながら切り離すという従来の景品獲得ゲーム機とは異なる方法で景品を獲得することとなるため、遊技形態が非常に斬新でプレーヤのゲームに対する新たな興趣が惹起されることとなる。
更に、薄片の材質、透孔の位置・大きさ・数、バーの透孔に対する太さ、バーの薄片までの距離、バーの下動量等を様々に変更することで景品獲得の確率を簡単かつ自在に変更することが可能で遊技対象となるプレーヤに応じた多くの種類のゲーム機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の景品獲得ゲーム機(以下、ゲーム機とする)を具体化した実施例を図面に基づいて説明する。尚、以下の説明においてはプレーヤ側を前側とし、ゲーム機の奥側を後側とする。
(実施例1)
まず、図1〜図3に基づいてゲーム機10の概略を説明する。筐体11は前面に透明なフロントウィンドウ12が配設されており、フロントウィンドウ12の内側の空間がプレイゾーン13とされている。プレイゾーン13の奥側に配置された壁面14には上下方向に3箇所、左右方向に2箇所(3段2列)の計6箇所に景品展示部16が設けられている。各景品展示部16には吊り下げプレート15a〜15cの前方側が突出させられている。各吊り下げプレート15a〜15cの先端からはタグ17が下垂させられており、更にそれらタグ17から景品Pが吊り下げられている。
フロントウィンドウ12と壁面14の間には上下の水平レール18及び同両水平レール18に支持された縦レール19が配設されている。縦レール19には移動体としてのバーユニット20が配設されている。図3に示すように、縦レール19は下側の水平レール18に隣接配設された移動体駆動手段としての縦レール用モータ21によって駆動され水平レール18に沿って左右方向にスライド移動可能とされている。水平レール18には縦レール19の水平方向の原点位置を決定する第1の位置センサ22と最も進出した位置を決定する第2の位置センサ23がそれぞれ下側の水平レール18の左右寄り位置に配設されている。縦レール19の下部には図示しないドグ(被検出部材)が形成され、同ドグが両センサ22,23に対して非接触状態で近接することで検出されて縦レール19の水平方向の間隔が決定されるようになっている。
【0011】
バーユニット20は縦レール19の下部位置に配設された移動体駆動手段としてのバーユニット用モータ25によって縦レール19に沿って上下方向にスライド移動可能とされている。バーユニット用モータ25はアブソリュート型のロータリーエンコーダ25aが併設されたステッピングモータから構成されている。ロータリーエンコーダ25aは垂直方向のバーユニット20の移動距離を検出する。縦レール19にはバーユニット20の垂直方向の原点位置を決定する第3の位置センサ26と最も進出した位置を決定する第4の位置センサ27がそれぞれ縦レール19の上下寄り位置に配設されている。バーユニット20には図示しないドグが形成され、同ドグが両センサ26,27に対して非接触状態で近接することで検出されてバーユニット20の水平方向の間隔が決定されるようになっている。
図2に示すように、プレイゾーン13の下方位置には落下した景品Pを前方に送るための斜板28が配設されている。斜板28前方は通路29に接続され、更に通路29は筐体11の前方下部に形成された景品取り出し口30に連通されている。
筐体11の前面には操作パネル32が設けられ、同操作パネル32にはスタート手段及び停止手段としての第1及び第2ボタンB1,B2、モニタM及び硬貨投入口Cが設けられている。操作パネル32内部には図示しない制御部が配設されている。
【0012】
次に景品展示部16付近の構成について詳しく説明する。
前記壁面14には各景品展示部16毎にそれぞれ透孔35が形成されており、同透孔35から前方に向かって吊り下げプレート15a〜15cの前方側が突出させられている。3段に配置された内の上段の吊り下げプレート15aは壁面14の背面側に配設されたブラケット34に対して固定リング36によって固定されている。一方、下段及び中断の吊り下げプレート15b,15cはブラケット36上に載置されたプレートユニット37によって進退可能に支持されている。
図1〜図8に示すように、吊り下げプレート15a〜15cは平面形状長方形の平板形状の外形をなすプラスチック製の板体であって、その先端にはJ字状の複数の(本実施例では10本)のフック38が横一列に並んで固着されている。吊り下げプレート15a〜15cの裏面側先端寄りにはストッパレバー39が回動可能に取着されている。下段及び中段の吊り下げプレート15b,15cの下面側後方寄りには進退方向に沿ってラック40が配設され側面部分には案内溝41が形成されている。
吊り下げプレート15a〜15cのフック38には複数枚数のタグ17が掛止されている。タグ17は長方形形状に構成され、縦方向に長い同形状の3つの長孔42が横列状に形成されている。本実施例1では長孔42の上下長さは3cmに設定されている。各タグ17の上端寄りには縁に沿って線状に小孔43が穿設されている。タグ17はこの小孔43を介してフック38に吊り下げ支持されている。タグ17の各小孔43に隣接する上部領域が切り離し部46とされる。
複数のタグ17のうち、最も前面(遊技者側)にあるタグ17以外の予備のタグ17は吊り下げプレート15a〜15cの裏面側に回動させられている。タグ17が吊り下げプレート15a〜15cの裏面側に回動させられた状態では前記ストッパレバー39がタグ17の中央位置の長孔42に対応することとなり、ストッパレバー39に挿通されたこれら予備のタグ17は回動されたストッパレバー39が長孔42の周縁に干渉することで積層状態に保持される。各タグ17の下端寄りには左右一対の小孔44が穿設されている。景品Pはこの小孔44に対してS字フック45を介して吊り下げ支持されている。
【0013】
図6及び図7に示すように、下段及び中段の吊り下げプレート15b,15cはプレート駆動ユニット47のケース48の前後の開口部49を貫いて挿通されている。図8に示すように、吊り下げプレート15b,15cの案内溝41内にはケース48内に立設された4つの案内ローラ50が嵌合させられており、これら案内ローラ50によって吊り下げプレート15b,15cが進退可能に保持されている。ケース48内部にはプレート駆動モータ51が配設されている。吊り下げプレート15b,15cの下方位置には同モータ51の駆動軸52が吊り下げプレート15b,15cの進退方向とその軸方向が直交するように配設されている。駆動軸52先端のウォームギア53は吊り下げプレート15b,15c裏面のラック40と噛合されており、同モータ51の駆動に伴ってウォームギア53が回転させられるとその回転力がラック40に伝達されて吊り下げプレート15b,15cの前後方向の進退運動に変換されることとなる。
プレート駆動モータ51にはインクリメント型ロータリーエンコーダ55が併設されている。ロータリーエンコーダ55は駆動軸52と同期して回転する図示しない円板とフォトラプタからなるエンコーダ本体から構成されており、円板の回転数に基づいて吊り下げプレート15の進退量を間接的に計測する。下段及び中段の吊り下げプレート15b,15cは基本位置として上段の吊り下げプレート15aの進出位置に合わせた遊技可能な第1の位置に進出させられており、後述する遊技状況によって退避した第2の位置に移動させられることとなる。
【0014】
次に縦レール19に支持されたバーユニット20の構成について説明する。図10に示すように、バーユニット20のケース58前方の開口部59からバー60が突出されている。バー60は断面円形形状のプラスチック製の棒体とされており、先端上部位置には前下がりの斜状面60aが形成されている。バー60の裏面にはバー60の進退方向に沿ってラック61が配設されている。ケース58内に収容されているバー60の側面部分には案内溝62が形成されている。案内溝62にはケース58内に立設された4つの案内ローラ63が嵌合させられており、これら案内ローラ63によってバー60は進退可能に保持されている。ケース58内に収容されているバー60の側面位置には前後2箇所にドグ65が配設されている。
図9及び図10に示すように、ケース58内部にはバー駆動モータ67が配設されている。バー60の下方位置には同モータ67の駆動軸68がバー60の進退方向とその軸方向が直交するように配設されている。駆動軸68先端のウォームギア69はバー60裏面のラック61と噛合されており、同モータ67の駆動に伴ってウォームギア69が回転させられるとその回転力がラック61に伝達されてバー60の前後方向の進退運動に変換されることとなる。
図9及び図10に示すようにケース58の天井板58aの裏面側にはホームポジションセンサ70とリミットポジションセンサ71が配設されている。ドグ65がホームポジションセンサ70に対して非接触状態で近接することで最も後退した位置が検出され、ドグ65がリミットポジションセンサ71に対して非接触状態で近接することで最も進出した位置が検出されるようになっている。つまり、バー60はこの両センサ70,71間の距離を最大ストロークとすることとなる。バー60が最も進出した位置は図12(b)に示すようにタグ17の下垂された位置よりも若干奥側となる。
【0015】
次に本実施例1のゲーム機10の電気的構成を図11のブロック図に基づいて説明する。尚、本件発明とは直接関係のない構成については基本的に説明を省略する。
制御手段を構成するコントローラCには上記第1ボタンB1及び第2ボタンB2が接続されている。また、上記各センサ22,23,26,27,70,71及びロータリーエンコーダ25a,55が接続されている。更に、上記各モータ21,25,51,67が接続されている。コントローラCはCPU(中央処理装置)をメインにした制御部72を備えている。
【0016】
本実施例1におけるゲーム機10のコントローラCの制御によって実行される動作は次の通りである。
まず、コントローラCはコイン投入後、第1ボタンB1が押下されることによって出力されるオン信号に基づいてバーユニット用モータ25の正転方向への駆動を開始させる。するとバーユニット20は原点位置(ケース58が第3の位置センサ26に検出されている位置)から縦レール19に沿って移動(上昇)を開始する。第1ボタンB1を押下し続けることでオン信号の出力が続き、バーユニット20の移動は継続される。次いで第1ボタンB1が原状に復帰すると(つまり、プレーヤが第1ボタンB1を離すと)出力オフ状態となる。コントローラCは出力オフ状態に基づいてバーユニット用モータ25を停止制御しバーユニット20は停止させられる。但し、バーユニット20が移動し過ぎてケース58が第4の位置センサ27に検出されてしまうとコントローラCはその検出信号の出力を受けて第1ボタンB1が押下されていたとしてもバーユニット用モータ25の駆動を停止させるよう制御する。
また、コントローラCは第2ボタンB2が押下されることによって出力されるオン信号に基づいて縦レール用モータ21の正転方向への駆動を開始させる。すると同駆動に伴って縦レール19は原点位置(ドグが第1の位置センサ22に検出されている位置)から水平レール18に沿って移動を開始する。第2ボタンB2を押下し続けることでオン信号の出力が続き、縦レール19の移動は継続される。次いで、第2ボタンB2が原状に復帰すると(つまり、プレーヤが第2ボタンB2を離すと)出力オフ状態となる。コントローラCは出力オフ状態に基づいて縦レール用モータ21を停止制御し縦レール19は停止させられる。但し、縦レール19が移動し過ぎて縦レール19のドグが第2の位置センサ23に検出されてしまうとコントローラCはその検出信号の出力を受けて第2ボタンB2が押下されていたとしても縦レール用モータ21の駆動を停止させるよう制御する。
【0017】
一方、コントローラCは縦レール19を上昇するバーユニット20の原点からの垂直方向の距離をバーユニット用モータ25に併設されたロータリーエンコーダ25aによって得られたモータの回動軸の回転量に基づいて認識し、バーユニット20が下段の吊り下げプレート15bを通過したと判断すると当該吊り下げプレート15c用のプレート駆動モータ51の正転方向へ駆動制御して当該吊り下げプレート15cを第1の位置から後退させる。ロータリーエンコーダ55によって所定の回転がされた(つまり後退した)と判断するとコントローラCはプレート駆動モータ51を停止制御する。これによって当該吊り下げプレート15cは後退した第2の位置に退避させられることとなる。中段の吊り下げプレート15bを通過したと判断した場合も同様である。コントローラCはこれらプレート駆動モータ51を正転方向へ駆動制御したことを記憶する。
【0018】
プレーヤが第2ボタンB2を離すとその出力オフ状態に基づいてコントローラCはバー駆動モータ67を正転方向へ駆動制御してバー60を進出させる。バー60の進出に伴ってリミットポジションセンサ71がドグ65を検出するとこの検出信号に基づいてコントローラCはバー駆動モータ67を停止制御する。同時にコントローラCはバーユニット用モータ25を前記とは逆転方向に駆動制御する。つまり、バーユニット20はバー60を最も進出させた状態のままで縦レール19に沿って下動させられることとなる。コントローラCは所定時間バーユニット用モータ25を逆駆動するように制御した後、一旦停止制御する。そして、バーユニット20が停止した状態でバー駆動モータ67を逆転方向に駆動制御させてバー60を後退させる。
バー60の後退に伴ってホームポジションセンサ70がドグ65を検出するとコントローラCはバー駆動モータ67を停止制御する。つまり、バー60の後退が完了する。
コントローラCはこの制御に続いて、改めてバーユニット用モータ25を逆転方向に駆動制御する。同時に縦レール用モータ21も逆転方向に駆動制御する。これによってバーユニット20は縦レール19の下部方向に移動するとともに縦レール19も右方向に移動し、それぞれ第1の位置センサ22及び第3の位置センサ26が図示しないドグを検出することでバーユニット用モータ25及び縦レール用モータ21は停止させられ縦レール19及びバーユニット20は原点位置に復帰する。
この縦レール19及びバーユニット20の原点位置復帰制御が完了後、プレート駆動モータ51を正転方向へ駆動制御している場合(つまり、中段あるいは下段の吊り下げプレート15b,15cが第2の位置に退避している場合)にはコントローラCは同モータ51を逆転方向へ駆動制御する。コントローラCはロータリーエンコーダ55によって所定の回転がされた(つまり第1の位置に復帰した)と判断するとプレート駆動モータ51を停止制御する。これによってすべての吊り下げプレート15a〜15cの配置位置は一致する。
【0019】
このような構成のゲーム機10は次のようにゲームが実行される。
まず、ゲーム開始時点においてはバーユニット20は原点位置にある。原点位置とは縦レール19側のドグが第1の位置センサ22に検出されるとともに、バーユニット20側のドグが第3の位置センサ26に検出されている位置(図3の右下位置)である。
コイン投入後、プレーヤが第1ボタンB1を押下する。するとバーユニット用モータ25が駆動されてバーユニット20は縦レール19に沿って上方に移動を開始する。第1ボタンB1を押下し続けることでバーユニット用モータ25の駆動は維持され、バーユニット20の移動は継続される。プレーヤは目指すタグ17の長孔42と同じ水平位置に到達したと判断した時に第1ボタンB1の押下を解除する(ボタンB1から指を離す)。
続いて、プレーヤはバーユニット20を水平方向に移動させるために第2ボタンB2を押下する。
すると縦レール用モータ21が駆動されて縦レール19は原点位置から水平レール18に沿って移動を開始する。プレーヤは第1又は第2のいずれかの列を選択しバーユニット20が所望の列に至った段階で(より精密には狙った長孔42の位置にバー60が到達すると判断した時)第2ボタンB2の押下を解除する(ボタンB2から指を離す)。
【0020】
この時、バー60は自動的に次のような動作を行う。
停止したバーユニット20からバー60は図12(a)〜(c)のような進出−下動−後退といった一連の動作を行うこととなる。この時、図13(a)のようにバー60がうまくタグ17の長孔42に挿入されると、最大に進出された状態で図13(b)のようにバー60は下動し長孔42の下縁を下方に押圧することとなる。そして、図13(c)のようにバー60の下動に伴って小孔43の間の切り離し部46がフック38によって切り裂かれてしまう。同一のタグ17への一回、あるいは数回のバー60による押圧動作に基づいてすべての小孔43が切り裂かれることで景品は落下する。例えば本実施例1ではバー60の下動量は2cmとされているが、なるべく長孔42の下寄りに挿入するほどタグ17に対する押し下げ量が多くなるため小孔43は切り裂かれやすくなる。
この際に図3に示すように遊技対象となる景品展示部16よりも下方に景品展示部16が存在する場合にはその景品展示部16の吊り下げプレート15b,15cは第2の位置に退避しているため落下する景品がそれら遊技対象ではない景品P等の障害物に落下途中でぶつかってしまうことはない。
一方、タグ17が切り離されてしまった吊り下げプレート15a〜15cについては新たな景品を付け替える必要がある。図14(a)に示すように、作業者は吊り下げプレート15a〜15cの裏面にストックされている最下部位置(最前面位置)にあるタグ17のみをストッパレバー39を回動させて取り出し(図14(b)の状態)、フック38を基部として下方に向かって回動させながら下垂させる。そしてその新たなタグ17に景品を吊り下げるようにする(図14(c)の状態)。
【0021】
以上の構成により上記実施例1のゲーム機10では次のような効果が奏される。
(1)プレーヤはタグ17をバー60で引きちぎりながら切り離して景品Pを落下させるという従来の景品獲得ゲーム機とは異なる方法で景品を獲得することとなるため、遊技形態が非常に斬新でプレーヤのゲームに対する新たな興趣が惹起されることとなる。
(2)タグ17の材質、形状、長孔42の位置・大きさ・形状・数、バー60の長孔42に対する太さ、バー60のタグ17までの距離、バー60の下動量等を様々に変更することで景品を獲得できる確率を簡単かつ自在に変更でき、遊技対象となるプレーヤに応じた多くの種類のゲーム機を提供することができる。
(3)上位の景品展示部16の景品を狙う場合には下位の景品展示部16の吊り下げプレート15b,15c等が景品落下の邪魔になるところ、バー60が上位の景品展示部16に向かう場合にはそれら下位の景品展示部16の吊り下げプレート15b,15cは自動的に退避するため、景品落下の邪魔になることがない。
(4)タグ17は吊り下げプレート15a〜15cの裏面にストックされており、なおかつストッパレバー39の簡単な操作で次のタグ17をフック38から下垂させることができるので、景品Pの付け替え作業にも支障がない。
(5)バー60の先端には景品Pを落下させやくするための落下手段としての斜状面60aが形成されているため、タグ17はバー60に一旦吊り下げられても斜状面60aやバー60の振動によって容易に落下することとなっている。
(6)長孔42の上下長さはバー60の径に対して余裕を持った上下長さとされているため、挿入がし易くなっている。一方、バー60が長孔42の上縁側に挿入された場合にはバー60が下動して下縁側に接するまではタグ17に対する押し下げ力は発生しない。つまり、バー60の挿入位置によって景品の獲得し易さが異なることとなってゲーム性が向上することとなる。また、先にバーユニット20を垂直方向に移動させるためプレーヤにバー60が長孔42の上下方向のどの辺りに挿入されるかわかりにくくなっておりその点もゲーム性の向上に寄与する。
【0022】
(実施例2)
次に実施例2のゲーム機10ついて説明する。実施例1と共通する構成については詳しい説明を省略する。尚、実施例2のゲーム機10における吊り下げプレート15a〜15cは実施例1と異なりいずれも進退しない(つまり実施例1の吊り下げプレート15aと同じ構成)構成である。
図15及び図16に示すように、実施例2のバーユニット80も実施例1と同様に縦レール19に支持されている。バーユニット80の構成について説明する。
図18に示すように、バーユニット80のケース81前方の開口部82からバー83が突出されている。バー83は断面略円形形状のプラスチック製の棒体とされている。バー83の裏面にはバー83の進退方向に沿ってラック85が配設されている。ケース81内に収容されているバー83の側面部分には案内溝86が形成されている。図17に示すように、案内溝86にはケース81内に立設された4つの案内ローラ87が嵌合させられており、これら案内ローラ87によってバー83は進退可能に保持されている。
ケース81内部にはバー駆動モータ91が配設されている。バー83の下方位置には同モータ91の駆動軸92がバー83の進退方向とその軸方向が直交するように配設されている。駆動軸92先端のウォームギア93はバー83裏面のラック85と噛合されており、同モータ91の駆動に伴ってウォームギア93が回転させられるとその回転力がラック85に伝達されてバー83の前後方向の進退運動に変換されることとなる。ケース81内にはインクリメント型ロータリーエンコーダ95が併設されている。ロータリーエンコーダ95は駆動軸92と同期して回転する図示しない円板とフォトラプタからなるエンコーダ本体から構成されており、円板の回転数に基づいてバー83の進退量を間接的に計測する。ケース81の前面位置には開口部82から離間した位置でバー83を取り巻くように、配置されるガイド体としてのガイドフレーム96が配設されている。
【0023】
図17〜図19に示すように、バー83の内部には係合部材としての左右一対のギル97及びギル駆動機構98が配設されている。バー83の先端寄りには水平な溝状のスリット99が形成されており、ギル97は同スリット99内に出没可能に配設されている。ギル97は四角形形状のプラスチック製の板体から構成され、狭角に構成された係合角部97aを備えている。図19(a)及び(b)に示すように、両ギル97はスリット99内において左右対称となるように回動軸100によって回動可能に軸支されいている。両ギル97間にはコイルばね101が配設され、同コイルばね101によって両ギル97は常に互いの係合角部97aがスリット99内に収容される方向(没する方向)に付勢されている。
ギル駆動機構98はアクチュエータとしてのソレノイド103及び駆動レバー104から構成されている。駆動レバー104はソレノイド103に連結されている長尺バー104aと長尺バー104a先端に直交状に配置された短尺バー104bによって構成されており、平面視においてT字状をなしている。
このようなギル97及びギル駆動機構98の構成において、ソレノイド103が駆動状態(つまり励磁されている状態)にある場合には図19(a)に示すように駆動レバー104の短尺バー104bに押動されてギル97は回動軸100を中心に回動させられ係合角部97aがスリット99から突出してバー83の外周に露出される。一方、ソレノイド103が非駆動状態(つまり消磁されている状態)にある場合には図19(b)に示すようにコイルばね101によって付勢されるため係合角部97aはスリット99内に収容される。
【0024】
次に本実施例2のゲーム機10の電気的構成を図20のブロック図に基づいて説明する。尚、本件発明とは直接関係のない構成については基本的に説明を省略する。
制御手段を構成するコントローラCには上記第1ボタンB1及び第2ボタンB2が接続されている。また、実施例1と同様に上記各センサ22,23,26,27及びロータリーエンコーダ25a,95が接続されている。更に、上記各モータ21,25,91及びソレノイド103が接続されている。コントローラCはCPU(中央処理装置)をメインにした制御部105を備えている。
【0025】
本実施例2におけるゲーム機10のコントローラCの制御によって実行される動作は次の通りである。
まず、コントローラCはコイン投入後、第1ボタンB1が押下されることによって出力されるオン信号に基づいてバーユニット用モータ25の正転方向への駆動を開始させる。するとバーユニット80は原点位置(ケース81が第3の位置センサ26に検出されている位置)から縦レール19に沿って移動(上昇)を開始する。第1ボタンB1を押下し続けることでオン信号の出力が続き、バーユニット80の移動は継続される。次いで第1ボタンB1が原状に復帰すると出力オフ状態となる。コントローラCは出力オフ状態に基づいてバーユニット用モータ25を停止制御しバーユニット80は停止させられる。但し、バーユニット80が移動し過ぎてケース81が第4の位置センサ27に検出されてしまうとコントローラCはその検出信号の出力を受けて第1ボタンB1が押下されていたとしてもバーユニット用モータ25の駆動を停止させるよう制御する。
また、コントローラCは第2ボタンB2が押下されることによって出力されるオン信号に基づいて縦レール用モータ21の正転方向への駆動を開始させる。すると同駆動に伴って縦レール19は原点位置から水平レール18に沿って移動を開始する。第2ボタンB2を押下し続けることでオン信号の出力が続き、縦レール19の移動は継続される。次いで、第2ボタンB2が原状に復帰すると出力オフ状態となる。コントローラCは出力オフ状態に基づいて縦レール用モータ21を停止制御し縦レール19は停止させられる。但し、縦レール19が移動し過ぎて縦レール19のドグが第2の位置センサ23に検出されてしまうとコントローラCはその検出信号の出力を受けて第2ボタンB2が押下されていたとしても縦レール用モータ21の駆動を停止させるよう制御する。
【0026】
プレーヤが第2ボタンB2を離すとその出力オフ状態に基づいてコントローラCはバー駆動モータ91を正転方向へ駆動制御してバー83を進出させる。コントローラCはバー83の進退量をロータリーエンコーダ25aによって得られたモータの回動軸の回転量に基づいて認識するため、所定の回転量に達した場合にバー駆動モータ91を停止制御する。同時にコントローラCはソレノイド103を励磁制御して駆動レバー104を進出させもってギル97の係合角部97aをバー83の外周に露出させる(ギル97の張り出し)。次いで、コントローラCはソレノイド103を励磁制御したままでバー駆動モータ91逆転方向に駆動制御させてバー83を後退させる。コントローラCはロータリーエンコーダ95aの回転量に基づいてバー83の所定の後退位置で(つまり完全に後退し切ってしまう前に)ソレノイド103を消磁制御してギル97の係合角部97aをバー83内に収容させる(ギル97の格納)。更に、コントローラCはロータリーエンコーダ95の回転量に基づいてバー83が完全に後退したと判断するとバー駆動モータ91を停止制御する。つまりバー83は最も後退した位置で停止する。
次いでコントローラCはバーユニット用モータ25を逆転方向に駆動制御する。同時に縦レール用モータ21も逆転方向に駆動制御する。これによってバーユニット80は縦レール19の下部方向に移動するとともに縦レール19も右方向に移動し、それぞれ第1の位置センサ22及び第3の位置センサ26が図示しないドグを検出することでバーユニット用モータ25及び縦レール用モータ21は停止させられ縦レール19及びバーユニット80は原点位置に復帰する。
【0027】
このような構成のゲーム機10は次のようにゲームが実行される。
まず、ゲーム開始時点においてはバーユニット80は原点位置にある。原点位置とは縦レール19側のドグが第1の位置センサ22に検出されるとともに、バーユニット80側のドグが第3の位置センサ26に検出されている位置(図3の右下位置)である。
コイン投入後、プレーヤが第1ボタンB1を押下する。するとバーユニット用モータ25が駆動されてバーユニット80は縦レール19に沿って上方に移動を開始する。第1ボタンB1を押下し続けることでバーユニット用モータ25の駆動は維持され、バーユニット80の移動は継続される。プレーヤは目指すタグ17の長孔42と同じ水平位置に到達したと判断した時に第1ボタンB1の押下を解除する。
続いて、プレーヤはバーユニット80を水平方向に移動させるために第2ボタンB2を押下する。
すると縦レール用モータ21が駆動されて縦レール19は原点位置から水平レール18に沿って移動を開始する。プレーヤは第1又は第2のいずれかの列を選択しバーユニット80が所望の列に至った段階で(より精密には狙った長孔42の位置にバー83が到達すると判断した時)第2ボタンB2の押下を解除する。
【0028】
この時、バー83は自動的に次のような動作を行う。
バーユニット80が停止した状態でバー83は図21(a)〜(e)のように進出及び後退を行うと同時にギル97の張り出しと格納を行う。まずバー83は図21(a)及び図22(a)のようにタグ17方向に接近していき、図21(b)のようにバー83がうまくタグ17の長孔42に挿入されると、バー83が最大に進出された状態でギル97が張り出す(図22(b)の状態)。このギル97が張り出した状態では長孔42の左右幅よりもギル97の係合角部97a間の幅の方が長いためバー83の後退に伴って図21(c)及び図22(c)のようにタグ17は引っ張られていく。そして、最終的に図21(d)のように小孔43の間の切り離し部46がフック38によって切り裂かれてしまう。同一のタグ17に対する一回、あるいは数回のバー83による拘引動作に基づいてすべての小孔43が切り裂かれることで景品は落下する。バー83が後退することに伴って所定の後退量においてギル97は格納されるためこのギル97の格納前にタグ17が切り離されればバー83に吊り下げられたタグ17は図22(e)のようにガイドフレーム96に当接して落下する。タグ17が切り離されなければガイドフレーム96に当接したタグ17はバー83から抜け落ちフック38に吊り下げられることとなる。
尚、タグ17が切り離されてしまった吊り下げプレート15a〜15cについては新たな景品を付け替える必要があることについては実施例1と同様である。
【0029】
以上の構成により上記実施例2のゲーム機10では次のような効果が奏される。
(1)プレーヤはタグ17をバー83で引きちぎりながら切り離して景品Pを落下させるという従来の景品獲得ゲーム機とは異なる方法で景品を獲得することとなるため、遊技形態が非常に斬新でプレーヤのゲームに対する新たな興趣が惹起されることとなる。
(2)タグ17の材質、形状、長孔42の位置・大きさ・形状・数、バー83の透孔に対する太さ、バー83のタグ17までの距離、ギル97の形状、ギル97の格納タイミング等を様々に変更することで景品を獲得できる確率を簡単かつ自在に変更でき、遊技対象となるプレーヤに応じた多くの種類のゲーム機を提供することができる。
(3)ガイドフレーム96があるためバー83に吊り下げられたタグ17を確実に落下させることができる。
(4)タグ17は吊り下げプレート15a〜15cの裏面にストックされており、なおかつストッパレバー39の簡単な操作で次のタグ17をフック38から下垂させることができるので、景品Pの付け替え作業にも支障がない。
【0030】
尚、この発明は、次のように変更して具体化することも可能である。
・図23に示すように、吊り下げプレート15a〜15cの上面にタグ17をストックしてDリング71を基部としてタグ17を下垂させるようにしてもよい。このような構成では次にどのような透孔パターンのタグ17であるかがプレーヤに目視できるため、景品Pを獲得しやすい透孔パターンであればプレーヤの興趣を更に惹起することとなる。
・図24に示すように、タグ73を保持する壁面14から突出する保持手段として吊り下げプレート15a〜15cではなくストック部74を有するフック75であってもよい。左右一対のフック75はバーユニット20が通過する場合には同期して退避あるいは進出するものである。
・上記実施例1ではバー60の下動量は2cmに設定したが、その量は変更は自由である。一般に下動量は大きければそれだけ一回のプレーで景品を獲得しやすくなるため、他の要素(タグ17の透孔の大きさや形状)との兼ね合いで機種ごとの難易度を設定することが可能である。
・タグ17の透孔(長孔42)の形状や数や位置は自由に変更できる。上記ではすべてのタグ17の透孔(長孔42)は同一であるが、ストック分も含めそれぞれ違うものを用意することも可能である。また、複数枚数のタグに景品を吊してもよい。
・薄片を紙製以外の材質、例えば 繊維や薄肉の合成樹脂シート等で構成してもよい。
・切り離し部の厚さ・材質を他の薄片の部位と異ならせて構成してもよい。このようにすれば例えば厚さを薄くした場合にはゲームの難易度を低く、厚くした場合には難易度を高くできることとなる。
・薄片の切り離し部46を画定する透孔の形状は上記に限定されない。例えば、ミシン目のような透孔でも構わない。要はバーの荷重によって切り離し部46で切り離されるような透孔であればよい。
・上記実施例1では景品Pを落下させ易くするための落下手段として斜状面60aを形成するようにしていたが、斜状面60aの代わりにバーユニット20やバー60を前傾させるようにしてもよい。
・上記実施例2では景品Pを落下させ易くするための落下手段としてガイドフレーム96を設けるようにしていたが、ガイドフレーム96を形成する代わりにバーユニット80やバー83を前傾させるようにしてもよい。また、バー83自体が当初から斜め前方に向かって進出するような構成でもよい。
・バー60,83や長さは上記に限定されるものではない。
・ギル97の形状は上記に限定されるものではない。また、ギル97を出没させるアクチュエータとして上記ソレノイド103に限らない。
・ギル97を収納させる場合にはギル97の一部がバー83から露出していても構わない。
・ガイドフレーム96のようなガイド体は移動体としてのバーユニット80以外の位置に形成するようにしてもよい。
その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において変更した態様で実施することは自由である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明にかかる実施例1における景品獲得ゲーム機の斜視図。
【図2】同じゲーム機の内部構造の概略を説明する説明図(中段及び下段の吊り下げプレートが第2の位置に退避している状態)。
【図3】バーユニットの水平及び垂直方向の動きを説明する説明図。
【図4】景品展示部の付近の斜視図。
【図5】上段の景品展示部の付近の断面図。
【図6】中段及び下段の景品展示部の付近の断面図。
【図7】中段及び下段の景品展示部の付近の底面図。
【図8】図7のA−A線におけるプレート駆動ユニットの断面図。
【図9】バーユニットの底面図。
【図10】図9のB−B線におけるバーユニットの断面図。
【図11】実施例1の電気的構成を説明するブロック図。
【図12】(a)〜(c)はバーがタグの長孔に挿入され下動してタグが切り離されるまでの一連の動きを説明する説明図。
【図13】(a)〜(c)はバーがタグの長孔に挿入され下動してタグの一部の切り離し部ががフックによって切り裂かれるまでの一連の動きを説明する説明図。
【図14】(a)〜(c)はタグを交換して新たに景品を吊り下げるまでの一連の動きを説明する説明図。
【図15】実施例2における景品獲得ゲーム機の斜視図。
【図16】バーユニットの底面図。
【図17】バーユニットの断面図。
【図18】バーユニットのバー先端側から目視した部分斜視図。
【図19】図17のC−C線におけるバーユニットの断面図。
【図20】実施例2の電気的構成を説明するブロック図。
【図21】(a)〜(e)はバーがタグの長孔に挿入されギルが張り出した状態でバーが後退してタグが引っ張られて切り離されるまでの一連の動きを説明する説明図。
【図22】(a)〜(c)はバーがタグの長孔に挿入されギルが張り出した状態でバーが後退してタグが引っ張られて切り離されるまでの一連の動きを説明する説明図。
【図23】他の実施例を説明する説明図。
【図24】(a)及び(b)は他の実施例を説明する説明図。
【符号の説明】
【0032】
10…景品獲得ゲーム機、17…薄片としてのタグ、20,80…移動体としてのバーユニット、21…移動体駆動手段としての縦レール用モータ、25…移動体駆動手段としてのバーユニット用モータ、42…透孔としての長孔、60,83…バー、67,91…バー駆動手段としてのバー駆動モータ、96…係合部材としてのギル、103…係合部材駆動手段としてのソレノイド、B1,B2…操作手段としてのボタン、P…景品。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウィンドウ内に収納された景品をプレーヤが操作して落下させることでその景品を獲得する景品獲得ゲーム機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より多くの種類のウィンドウ内に収納された景品を獲得する景品獲得ゲーム機が存在する。このような景品獲得ゲーム機の一例を特許文献1〜3に示す。
【特許文献1】特開2005−143682号公報
【特許文献2】特開2001−157773号公報
【特許文献3】特開2001−129239号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の多くの景品獲得ゲーム機は獲得方法が既に周知になってしまい遊技に慣れたプレーヤらの興味は薄れつつあった。そのため従来とは異なる斬新な獲得方法の景品獲得ゲーム機が求められていた。
本発明は、上記問題を解消するためになされたものであり、その目的は従来にない新たな獲得方法の景品獲得ゲーム機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明では、1又は複数の透孔が形成されるとともに切り離し部を介して下垂支持される景品が取着された薄片と、
前記薄片の前記透孔に挿通可能な前方位置に配置されるバーと、同バーを同薄片と交差する位置を最大進出位置として進退させるバー駆動手段とを備えるとともに同薄片と間隔を維持しながら移動可能な移動体と、プレーヤによる操作手段の操作に基づいて同移動体を移動させ所定位置に停止させる移動体駆動手段とを備え、前記移動体を停止させた際に前記バーを前記薄片と交差可能な位置まで進出させ、少なくとも同交差可能位置に進出させた後に同バーを下動させ、同バーを下動させた後に退避させるように前記移動体駆動手段及びバー駆動手段を制御するようにしたことをその要旨とする。
【0005】
請求項1のような構成では、プレーヤの操作に基づいて移動体は薄片との間隔を維持した状態で所定の移動方向に移動させられる。プレーヤは薄片に形成された透孔の前面にバーの先端が停止するように操作をする。移動体が停止するとバーは薄片方向に進出させられる。進出したバーは薄片の透孔に挿通されるされないに関わらず薄片と交差可能な位置まで進出させられることとなる。そして、進出したバーは下動させられた後に退避する。この時、バーがちょうど薄片の透孔に挿通されれば薄片はバーとともに下方に引き下げられ切り離し部において切り離されていくこととなる。薄片が完全に切り離し部において切り離されると薄片は景品とともに落下する。
ここに、バーが下動するタイミングは完全にバーが進出が停止した状態でも、進出あるいは後退している途中でも少なくとも薄片と交差する位置まで進出させられていればどちらでも構わない。
バーの下動量は特に限定はされない。大きく下動されれば一度のプレーで薄片が切り離されることとなるが、小さな下動であれば何度かのプレーが必要となる場合もある。
【0006】
請求項2に記載の発明では請求項1の発明の構成に加え、前記薄片は複数枚数が積載状に積載スペースにストックされており、当該切り離しされた薄片の次席位置に配置された薄片は前記切り離し部を基部として回動されて新たに切り離し部によって下垂支持されることをその要旨とする。
これによって景品が獲得された後の準備として新たな景品を次の位置にある薄片に付け替えるたけでよいため、作業が軽減されることとなる。
【0007】
請求項3に記載の発明では、1又は複数の透孔が形成されるとともに切り離し部を介して下垂支持される景品が取着された薄片と、前記薄片の前記透孔に挿通可能な前方位置に配置されるバーと、同バーを同薄片と交差する位置を最大進出位置として進退させるバー駆動手段と、同バーに併設され同バーの外周から側方に張り出した係合位置と同バー方向に後退した非係合位置の2つの位置を取りうる係合部材と、同係合部材に同2つの位置の間において位置変位をさせる係合部材駆動手段とを備えるとともに同薄片と間隔を維持しながら移動可能な移動体と、プレーヤによる操作手段の操作に基づいて同移動体を移動させ所定位置に停止させる移動体駆動手段とを備え、前記移動体を停止させた際に前記バーを前記薄片と交差可能な位置まで進出させるとともに、同バーが同交差可能位置に進出した段階で非係合位置にある前記係合部材を係合位置に変位させ、次いで同係合部材が係合位置に変位した状態で前記バーを後退させるように前記移動体駆動手段、バー駆動手段及び係合部材駆動手段を制御するようにしたことをその要旨とする。
請求項3のような構成では、プレーヤの操作に基づいて移動体は薄片との間隔を維持した状態で所定の移動方向に移動させられる。プレーヤは薄片に形成された透孔の前面にバーの先端が停止するように操作をする。移動体が停止するとバーは薄片方向に進出させられる。進出したバーは薄片の透孔に挿通されるされないに関わらず薄片と交差可能な位置まで進出させられることとなる。そして、バーが交差可能な位置まで進出した段階でバーから非係合位置にある係合部材が係合位置に張り出すように変位する。次いで、係合部材が張り出した状態で後退する。この時、バーがちょうど薄片の透孔に挿通されれば薄片は係合部材に引っ掛けられて後方に引っ張られ切り離し部において切り離されていくこととなる。薄片が完全に切り離し部において切り離されると薄片は景品とともに落下する。
ここに、バーの後退に伴って係合部材が係合位置に変位した状態(張り出した状態)からいつ非係合位置に復帰するか、そのタイミングは必ずしも決まってはいない。後退したバーが完全に停止した段階でも後退している段階でも構わない。
【0008】
また、請求項4に記載の発明では請求項3の発明の構成に加え、前記移動体には前記バーの後退時に同バーに掛止された前記薄片が同バーとともに後退するのを防止するガイド体が形成されているようにしたことをその要旨とする。
このように構成することによってバーに薄片とともに掛止された景品を確実に落下させることが可能となる。
また、請求項5に記載の発明では請求項1〜4のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記薄片に形成された前記透孔は同透孔に挿通される前記バーに対する横方向の通過間隔よりも縦方向の通過間隔を広くしたことをその要旨とする。つまり、例えばバーを押し下げる請求項1のようなケースでは縦方向においてバーを透孔のどの辺りを通過させるかによってバーが下動する際の薄片に対する押し下げ量が異なるためバーを透孔に挿通させたとしても薄片の切り離され易さは異なることとなり、その結果ゲーム性が向上する。
例えばバーを後退させる請求項3のようなケースでは縦方向においてバーを透孔のどの辺りを通過させるかによってバーを後退させて薄片を引っ張る引っ張り量が異なるためバーを透孔に挿通させたとしても薄片の切り離され易さは異なることとなり、その結果ゲーム性が向上する。通過間隔とは透孔に挿通されるバーと透孔の縁との間隔をいい、バーの断面形状によっては必ずしも透孔の横方向より縦方向の方が長いというわけではない。バーの断面形状が円形のようにどの方向にも略均等であれば透孔は横方向より縦方向の方が長くなる。
【発明の効果】
【0009】
上記各請求項に記載の発明によれば、薄片をバーで引きちぎりながら切り離すという従来の景品獲得ゲーム機とは異なる方法で景品を獲得することとなるため、遊技形態が非常に斬新でプレーヤのゲームに対する新たな興趣が惹起されることとなる。
更に、薄片の材質、透孔の位置・大きさ・数、バーの透孔に対する太さ、バーの薄片までの距離、バーの下動量等を様々に変更することで景品獲得の確率を簡単かつ自在に変更することが可能で遊技対象となるプレーヤに応じた多くの種類のゲーム機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の景品獲得ゲーム機(以下、ゲーム機とする)を具体化した実施例を図面に基づいて説明する。尚、以下の説明においてはプレーヤ側を前側とし、ゲーム機の奥側を後側とする。
(実施例1)
まず、図1〜図3に基づいてゲーム機10の概略を説明する。筐体11は前面に透明なフロントウィンドウ12が配設されており、フロントウィンドウ12の内側の空間がプレイゾーン13とされている。プレイゾーン13の奥側に配置された壁面14には上下方向に3箇所、左右方向に2箇所(3段2列)の計6箇所に景品展示部16が設けられている。各景品展示部16には吊り下げプレート15a〜15cの前方側が突出させられている。各吊り下げプレート15a〜15cの先端からはタグ17が下垂させられており、更にそれらタグ17から景品Pが吊り下げられている。
フロントウィンドウ12と壁面14の間には上下の水平レール18及び同両水平レール18に支持された縦レール19が配設されている。縦レール19には移動体としてのバーユニット20が配設されている。図3に示すように、縦レール19は下側の水平レール18に隣接配設された移動体駆動手段としての縦レール用モータ21によって駆動され水平レール18に沿って左右方向にスライド移動可能とされている。水平レール18には縦レール19の水平方向の原点位置を決定する第1の位置センサ22と最も進出した位置を決定する第2の位置センサ23がそれぞれ下側の水平レール18の左右寄り位置に配設されている。縦レール19の下部には図示しないドグ(被検出部材)が形成され、同ドグが両センサ22,23に対して非接触状態で近接することで検出されて縦レール19の水平方向の間隔が決定されるようになっている。
【0011】
バーユニット20は縦レール19の下部位置に配設された移動体駆動手段としてのバーユニット用モータ25によって縦レール19に沿って上下方向にスライド移動可能とされている。バーユニット用モータ25はアブソリュート型のロータリーエンコーダ25aが併設されたステッピングモータから構成されている。ロータリーエンコーダ25aは垂直方向のバーユニット20の移動距離を検出する。縦レール19にはバーユニット20の垂直方向の原点位置を決定する第3の位置センサ26と最も進出した位置を決定する第4の位置センサ27がそれぞれ縦レール19の上下寄り位置に配設されている。バーユニット20には図示しないドグが形成され、同ドグが両センサ26,27に対して非接触状態で近接することで検出されてバーユニット20の水平方向の間隔が決定されるようになっている。
図2に示すように、プレイゾーン13の下方位置には落下した景品Pを前方に送るための斜板28が配設されている。斜板28前方は通路29に接続され、更に通路29は筐体11の前方下部に形成された景品取り出し口30に連通されている。
筐体11の前面には操作パネル32が設けられ、同操作パネル32にはスタート手段及び停止手段としての第1及び第2ボタンB1,B2、モニタM及び硬貨投入口Cが設けられている。操作パネル32内部には図示しない制御部が配設されている。
【0012】
次に景品展示部16付近の構成について詳しく説明する。
前記壁面14には各景品展示部16毎にそれぞれ透孔35が形成されており、同透孔35から前方に向かって吊り下げプレート15a〜15cの前方側が突出させられている。3段に配置された内の上段の吊り下げプレート15aは壁面14の背面側に配設されたブラケット34に対して固定リング36によって固定されている。一方、下段及び中断の吊り下げプレート15b,15cはブラケット36上に載置されたプレートユニット37によって進退可能に支持されている。
図1〜図8に示すように、吊り下げプレート15a〜15cは平面形状長方形の平板形状の外形をなすプラスチック製の板体であって、その先端にはJ字状の複数の(本実施例では10本)のフック38が横一列に並んで固着されている。吊り下げプレート15a〜15cの裏面側先端寄りにはストッパレバー39が回動可能に取着されている。下段及び中段の吊り下げプレート15b,15cの下面側後方寄りには進退方向に沿ってラック40が配設され側面部分には案内溝41が形成されている。
吊り下げプレート15a〜15cのフック38には複数枚数のタグ17が掛止されている。タグ17は長方形形状に構成され、縦方向に長い同形状の3つの長孔42が横列状に形成されている。本実施例1では長孔42の上下長さは3cmに設定されている。各タグ17の上端寄りには縁に沿って線状に小孔43が穿設されている。タグ17はこの小孔43を介してフック38に吊り下げ支持されている。タグ17の各小孔43に隣接する上部領域が切り離し部46とされる。
複数のタグ17のうち、最も前面(遊技者側)にあるタグ17以外の予備のタグ17は吊り下げプレート15a〜15cの裏面側に回動させられている。タグ17が吊り下げプレート15a〜15cの裏面側に回動させられた状態では前記ストッパレバー39がタグ17の中央位置の長孔42に対応することとなり、ストッパレバー39に挿通されたこれら予備のタグ17は回動されたストッパレバー39が長孔42の周縁に干渉することで積層状態に保持される。各タグ17の下端寄りには左右一対の小孔44が穿設されている。景品Pはこの小孔44に対してS字フック45を介して吊り下げ支持されている。
【0013】
図6及び図7に示すように、下段及び中段の吊り下げプレート15b,15cはプレート駆動ユニット47のケース48の前後の開口部49を貫いて挿通されている。図8に示すように、吊り下げプレート15b,15cの案内溝41内にはケース48内に立設された4つの案内ローラ50が嵌合させられており、これら案内ローラ50によって吊り下げプレート15b,15cが進退可能に保持されている。ケース48内部にはプレート駆動モータ51が配設されている。吊り下げプレート15b,15cの下方位置には同モータ51の駆動軸52が吊り下げプレート15b,15cの進退方向とその軸方向が直交するように配設されている。駆動軸52先端のウォームギア53は吊り下げプレート15b,15c裏面のラック40と噛合されており、同モータ51の駆動に伴ってウォームギア53が回転させられるとその回転力がラック40に伝達されて吊り下げプレート15b,15cの前後方向の進退運動に変換されることとなる。
プレート駆動モータ51にはインクリメント型ロータリーエンコーダ55が併設されている。ロータリーエンコーダ55は駆動軸52と同期して回転する図示しない円板とフォトラプタからなるエンコーダ本体から構成されており、円板の回転数に基づいて吊り下げプレート15の進退量を間接的に計測する。下段及び中段の吊り下げプレート15b,15cは基本位置として上段の吊り下げプレート15aの進出位置に合わせた遊技可能な第1の位置に進出させられており、後述する遊技状況によって退避した第2の位置に移動させられることとなる。
【0014】
次に縦レール19に支持されたバーユニット20の構成について説明する。図10に示すように、バーユニット20のケース58前方の開口部59からバー60が突出されている。バー60は断面円形形状のプラスチック製の棒体とされており、先端上部位置には前下がりの斜状面60aが形成されている。バー60の裏面にはバー60の進退方向に沿ってラック61が配設されている。ケース58内に収容されているバー60の側面部分には案内溝62が形成されている。案内溝62にはケース58内に立設された4つの案内ローラ63が嵌合させられており、これら案内ローラ63によってバー60は進退可能に保持されている。ケース58内に収容されているバー60の側面位置には前後2箇所にドグ65が配設されている。
図9及び図10に示すように、ケース58内部にはバー駆動モータ67が配設されている。バー60の下方位置には同モータ67の駆動軸68がバー60の進退方向とその軸方向が直交するように配設されている。駆動軸68先端のウォームギア69はバー60裏面のラック61と噛合されており、同モータ67の駆動に伴ってウォームギア69が回転させられるとその回転力がラック61に伝達されてバー60の前後方向の進退運動に変換されることとなる。
図9及び図10に示すようにケース58の天井板58aの裏面側にはホームポジションセンサ70とリミットポジションセンサ71が配設されている。ドグ65がホームポジションセンサ70に対して非接触状態で近接することで最も後退した位置が検出され、ドグ65がリミットポジションセンサ71に対して非接触状態で近接することで最も進出した位置が検出されるようになっている。つまり、バー60はこの両センサ70,71間の距離を最大ストロークとすることとなる。バー60が最も進出した位置は図12(b)に示すようにタグ17の下垂された位置よりも若干奥側となる。
【0015】
次に本実施例1のゲーム機10の電気的構成を図11のブロック図に基づいて説明する。尚、本件発明とは直接関係のない構成については基本的に説明を省略する。
制御手段を構成するコントローラCには上記第1ボタンB1及び第2ボタンB2が接続されている。また、上記各センサ22,23,26,27,70,71及びロータリーエンコーダ25a,55が接続されている。更に、上記各モータ21,25,51,67が接続されている。コントローラCはCPU(中央処理装置)をメインにした制御部72を備えている。
【0016】
本実施例1におけるゲーム機10のコントローラCの制御によって実行される動作は次の通りである。
まず、コントローラCはコイン投入後、第1ボタンB1が押下されることによって出力されるオン信号に基づいてバーユニット用モータ25の正転方向への駆動を開始させる。するとバーユニット20は原点位置(ケース58が第3の位置センサ26に検出されている位置)から縦レール19に沿って移動(上昇)を開始する。第1ボタンB1を押下し続けることでオン信号の出力が続き、バーユニット20の移動は継続される。次いで第1ボタンB1が原状に復帰すると(つまり、プレーヤが第1ボタンB1を離すと)出力オフ状態となる。コントローラCは出力オフ状態に基づいてバーユニット用モータ25を停止制御しバーユニット20は停止させられる。但し、バーユニット20が移動し過ぎてケース58が第4の位置センサ27に検出されてしまうとコントローラCはその検出信号の出力を受けて第1ボタンB1が押下されていたとしてもバーユニット用モータ25の駆動を停止させるよう制御する。
また、コントローラCは第2ボタンB2が押下されることによって出力されるオン信号に基づいて縦レール用モータ21の正転方向への駆動を開始させる。すると同駆動に伴って縦レール19は原点位置(ドグが第1の位置センサ22に検出されている位置)から水平レール18に沿って移動を開始する。第2ボタンB2を押下し続けることでオン信号の出力が続き、縦レール19の移動は継続される。次いで、第2ボタンB2が原状に復帰すると(つまり、プレーヤが第2ボタンB2を離すと)出力オフ状態となる。コントローラCは出力オフ状態に基づいて縦レール用モータ21を停止制御し縦レール19は停止させられる。但し、縦レール19が移動し過ぎて縦レール19のドグが第2の位置センサ23に検出されてしまうとコントローラCはその検出信号の出力を受けて第2ボタンB2が押下されていたとしても縦レール用モータ21の駆動を停止させるよう制御する。
【0017】
一方、コントローラCは縦レール19を上昇するバーユニット20の原点からの垂直方向の距離をバーユニット用モータ25に併設されたロータリーエンコーダ25aによって得られたモータの回動軸の回転量に基づいて認識し、バーユニット20が下段の吊り下げプレート15bを通過したと判断すると当該吊り下げプレート15c用のプレート駆動モータ51の正転方向へ駆動制御して当該吊り下げプレート15cを第1の位置から後退させる。ロータリーエンコーダ55によって所定の回転がされた(つまり後退した)と判断するとコントローラCはプレート駆動モータ51を停止制御する。これによって当該吊り下げプレート15cは後退した第2の位置に退避させられることとなる。中段の吊り下げプレート15bを通過したと判断した場合も同様である。コントローラCはこれらプレート駆動モータ51を正転方向へ駆動制御したことを記憶する。
【0018】
プレーヤが第2ボタンB2を離すとその出力オフ状態に基づいてコントローラCはバー駆動モータ67を正転方向へ駆動制御してバー60を進出させる。バー60の進出に伴ってリミットポジションセンサ71がドグ65を検出するとこの検出信号に基づいてコントローラCはバー駆動モータ67を停止制御する。同時にコントローラCはバーユニット用モータ25を前記とは逆転方向に駆動制御する。つまり、バーユニット20はバー60を最も進出させた状態のままで縦レール19に沿って下動させられることとなる。コントローラCは所定時間バーユニット用モータ25を逆駆動するように制御した後、一旦停止制御する。そして、バーユニット20が停止した状態でバー駆動モータ67を逆転方向に駆動制御させてバー60を後退させる。
バー60の後退に伴ってホームポジションセンサ70がドグ65を検出するとコントローラCはバー駆動モータ67を停止制御する。つまり、バー60の後退が完了する。
コントローラCはこの制御に続いて、改めてバーユニット用モータ25を逆転方向に駆動制御する。同時に縦レール用モータ21も逆転方向に駆動制御する。これによってバーユニット20は縦レール19の下部方向に移動するとともに縦レール19も右方向に移動し、それぞれ第1の位置センサ22及び第3の位置センサ26が図示しないドグを検出することでバーユニット用モータ25及び縦レール用モータ21は停止させられ縦レール19及びバーユニット20は原点位置に復帰する。
この縦レール19及びバーユニット20の原点位置復帰制御が完了後、プレート駆動モータ51を正転方向へ駆動制御している場合(つまり、中段あるいは下段の吊り下げプレート15b,15cが第2の位置に退避している場合)にはコントローラCは同モータ51を逆転方向へ駆動制御する。コントローラCはロータリーエンコーダ55によって所定の回転がされた(つまり第1の位置に復帰した)と判断するとプレート駆動モータ51を停止制御する。これによってすべての吊り下げプレート15a〜15cの配置位置は一致する。
【0019】
このような構成のゲーム機10は次のようにゲームが実行される。
まず、ゲーム開始時点においてはバーユニット20は原点位置にある。原点位置とは縦レール19側のドグが第1の位置センサ22に検出されるとともに、バーユニット20側のドグが第3の位置センサ26に検出されている位置(図3の右下位置)である。
コイン投入後、プレーヤが第1ボタンB1を押下する。するとバーユニット用モータ25が駆動されてバーユニット20は縦レール19に沿って上方に移動を開始する。第1ボタンB1を押下し続けることでバーユニット用モータ25の駆動は維持され、バーユニット20の移動は継続される。プレーヤは目指すタグ17の長孔42と同じ水平位置に到達したと判断した時に第1ボタンB1の押下を解除する(ボタンB1から指を離す)。
続いて、プレーヤはバーユニット20を水平方向に移動させるために第2ボタンB2を押下する。
すると縦レール用モータ21が駆動されて縦レール19は原点位置から水平レール18に沿って移動を開始する。プレーヤは第1又は第2のいずれかの列を選択しバーユニット20が所望の列に至った段階で(より精密には狙った長孔42の位置にバー60が到達すると判断した時)第2ボタンB2の押下を解除する(ボタンB2から指を離す)。
【0020】
この時、バー60は自動的に次のような動作を行う。
停止したバーユニット20からバー60は図12(a)〜(c)のような進出−下動−後退といった一連の動作を行うこととなる。この時、図13(a)のようにバー60がうまくタグ17の長孔42に挿入されると、最大に進出された状態で図13(b)のようにバー60は下動し長孔42の下縁を下方に押圧することとなる。そして、図13(c)のようにバー60の下動に伴って小孔43の間の切り離し部46がフック38によって切り裂かれてしまう。同一のタグ17への一回、あるいは数回のバー60による押圧動作に基づいてすべての小孔43が切り裂かれることで景品は落下する。例えば本実施例1ではバー60の下動量は2cmとされているが、なるべく長孔42の下寄りに挿入するほどタグ17に対する押し下げ量が多くなるため小孔43は切り裂かれやすくなる。
この際に図3に示すように遊技対象となる景品展示部16よりも下方に景品展示部16が存在する場合にはその景品展示部16の吊り下げプレート15b,15cは第2の位置に退避しているため落下する景品がそれら遊技対象ではない景品P等の障害物に落下途中でぶつかってしまうことはない。
一方、タグ17が切り離されてしまった吊り下げプレート15a〜15cについては新たな景品を付け替える必要がある。図14(a)に示すように、作業者は吊り下げプレート15a〜15cの裏面にストックされている最下部位置(最前面位置)にあるタグ17のみをストッパレバー39を回動させて取り出し(図14(b)の状態)、フック38を基部として下方に向かって回動させながら下垂させる。そしてその新たなタグ17に景品を吊り下げるようにする(図14(c)の状態)。
【0021】
以上の構成により上記実施例1のゲーム機10では次のような効果が奏される。
(1)プレーヤはタグ17をバー60で引きちぎりながら切り離して景品Pを落下させるという従来の景品獲得ゲーム機とは異なる方法で景品を獲得することとなるため、遊技形態が非常に斬新でプレーヤのゲームに対する新たな興趣が惹起されることとなる。
(2)タグ17の材質、形状、長孔42の位置・大きさ・形状・数、バー60の長孔42に対する太さ、バー60のタグ17までの距離、バー60の下動量等を様々に変更することで景品を獲得できる確率を簡単かつ自在に変更でき、遊技対象となるプレーヤに応じた多くの種類のゲーム機を提供することができる。
(3)上位の景品展示部16の景品を狙う場合には下位の景品展示部16の吊り下げプレート15b,15c等が景品落下の邪魔になるところ、バー60が上位の景品展示部16に向かう場合にはそれら下位の景品展示部16の吊り下げプレート15b,15cは自動的に退避するため、景品落下の邪魔になることがない。
(4)タグ17は吊り下げプレート15a〜15cの裏面にストックされており、なおかつストッパレバー39の簡単な操作で次のタグ17をフック38から下垂させることができるので、景品Pの付け替え作業にも支障がない。
(5)バー60の先端には景品Pを落下させやくするための落下手段としての斜状面60aが形成されているため、タグ17はバー60に一旦吊り下げられても斜状面60aやバー60の振動によって容易に落下することとなっている。
(6)長孔42の上下長さはバー60の径に対して余裕を持った上下長さとされているため、挿入がし易くなっている。一方、バー60が長孔42の上縁側に挿入された場合にはバー60が下動して下縁側に接するまではタグ17に対する押し下げ力は発生しない。つまり、バー60の挿入位置によって景品の獲得し易さが異なることとなってゲーム性が向上することとなる。また、先にバーユニット20を垂直方向に移動させるためプレーヤにバー60が長孔42の上下方向のどの辺りに挿入されるかわかりにくくなっておりその点もゲーム性の向上に寄与する。
【0022】
(実施例2)
次に実施例2のゲーム機10ついて説明する。実施例1と共通する構成については詳しい説明を省略する。尚、実施例2のゲーム機10における吊り下げプレート15a〜15cは実施例1と異なりいずれも進退しない(つまり実施例1の吊り下げプレート15aと同じ構成)構成である。
図15及び図16に示すように、実施例2のバーユニット80も実施例1と同様に縦レール19に支持されている。バーユニット80の構成について説明する。
図18に示すように、バーユニット80のケース81前方の開口部82からバー83が突出されている。バー83は断面略円形形状のプラスチック製の棒体とされている。バー83の裏面にはバー83の進退方向に沿ってラック85が配設されている。ケース81内に収容されているバー83の側面部分には案内溝86が形成されている。図17に示すように、案内溝86にはケース81内に立設された4つの案内ローラ87が嵌合させられており、これら案内ローラ87によってバー83は進退可能に保持されている。
ケース81内部にはバー駆動モータ91が配設されている。バー83の下方位置には同モータ91の駆動軸92がバー83の進退方向とその軸方向が直交するように配設されている。駆動軸92先端のウォームギア93はバー83裏面のラック85と噛合されており、同モータ91の駆動に伴ってウォームギア93が回転させられるとその回転力がラック85に伝達されてバー83の前後方向の進退運動に変換されることとなる。ケース81内にはインクリメント型ロータリーエンコーダ95が併設されている。ロータリーエンコーダ95は駆動軸92と同期して回転する図示しない円板とフォトラプタからなるエンコーダ本体から構成されており、円板の回転数に基づいてバー83の進退量を間接的に計測する。ケース81の前面位置には開口部82から離間した位置でバー83を取り巻くように、配置されるガイド体としてのガイドフレーム96が配設されている。
【0023】
図17〜図19に示すように、バー83の内部には係合部材としての左右一対のギル97及びギル駆動機構98が配設されている。バー83の先端寄りには水平な溝状のスリット99が形成されており、ギル97は同スリット99内に出没可能に配設されている。ギル97は四角形形状のプラスチック製の板体から構成され、狭角に構成された係合角部97aを備えている。図19(a)及び(b)に示すように、両ギル97はスリット99内において左右対称となるように回動軸100によって回動可能に軸支されいている。両ギル97間にはコイルばね101が配設され、同コイルばね101によって両ギル97は常に互いの係合角部97aがスリット99内に収容される方向(没する方向)に付勢されている。
ギル駆動機構98はアクチュエータとしてのソレノイド103及び駆動レバー104から構成されている。駆動レバー104はソレノイド103に連結されている長尺バー104aと長尺バー104a先端に直交状に配置された短尺バー104bによって構成されており、平面視においてT字状をなしている。
このようなギル97及びギル駆動機構98の構成において、ソレノイド103が駆動状態(つまり励磁されている状態)にある場合には図19(a)に示すように駆動レバー104の短尺バー104bに押動されてギル97は回動軸100を中心に回動させられ係合角部97aがスリット99から突出してバー83の外周に露出される。一方、ソレノイド103が非駆動状態(つまり消磁されている状態)にある場合には図19(b)に示すようにコイルばね101によって付勢されるため係合角部97aはスリット99内に収容される。
【0024】
次に本実施例2のゲーム機10の電気的構成を図20のブロック図に基づいて説明する。尚、本件発明とは直接関係のない構成については基本的に説明を省略する。
制御手段を構成するコントローラCには上記第1ボタンB1及び第2ボタンB2が接続されている。また、実施例1と同様に上記各センサ22,23,26,27及びロータリーエンコーダ25a,95が接続されている。更に、上記各モータ21,25,91及びソレノイド103が接続されている。コントローラCはCPU(中央処理装置)をメインにした制御部105を備えている。
【0025】
本実施例2におけるゲーム機10のコントローラCの制御によって実行される動作は次の通りである。
まず、コントローラCはコイン投入後、第1ボタンB1が押下されることによって出力されるオン信号に基づいてバーユニット用モータ25の正転方向への駆動を開始させる。するとバーユニット80は原点位置(ケース81が第3の位置センサ26に検出されている位置)から縦レール19に沿って移動(上昇)を開始する。第1ボタンB1を押下し続けることでオン信号の出力が続き、バーユニット80の移動は継続される。次いで第1ボタンB1が原状に復帰すると出力オフ状態となる。コントローラCは出力オフ状態に基づいてバーユニット用モータ25を停止制御しバーユニット80は停止させられる。但し、バーユニット80が移動し過ぎてケース81が第4の位置センサ27に検出されてしまうとコントローラCはその検出信号の出力を受けて第1ボタンB1が押下されていたとしてもバーユニット用モータ25の駆動を停止させるよう制御する。
また、コントローラCは第2ボタンB2が押下されることによって出力されるオン信号に基づいて縦レール用モータ21の正転方向への駆動を開始させる。すると同駆動に伴って縦レール19は原点位置から水平レール18に沿って移動を開始する。第2ボタンB2を押下し続けることでオン信号の出力が続き、縦レール19の移動は継続される。次いで、第2ボタンB2が原状に復帰すると出力オフ状態となる。コントローラCは出力オフ状態に基づいて縦レール用モータ21を停止制御し縦レール19は停止させられる。但し、縦レール19が移動し過ぎて縦レール19のドグが第2の位置センサ23に検出されてしまうとコントローラCはその検出信号の出力を受けて第2ボタンB2が押下されていたとしても縦レール用モータ21の駆動を停止させるよう制御する。
【0026】
プレーヤが第2ボタンB2を離すとその出力オフ状態に基づいてコントローラCはバー駆動モータ91を正転方向へ駆動制御してバー83を進出させる。コントローラCはバー83の進退量をロータリーエンコーダ25aによって得られたモータの回動軸の回転量に基づいて認識するため、所定の回転量に達した場合にバー駆動モータ91を停止制御する。同時にコントローラCはソレノイド103を励磁制御して駆動レバー104を進出させもってギル97の係合角部97aをバー83の外周に露出させる(ギル97の張り出し)。次いで、コントローラCはソレノイド103を励磁制御したままでバー駆動モータ91逆転方向に駆動制御させてバー83を後退させる。コントローラCはロータリーエンコーダ95aの回転量に基づいてバー83の所定の後退位置で(つまり完全に後退し切ってしまう前に)ソレノイド103を消磁制御してギル97の係合角部97aをバー83内に収容させる(ギル97の格納)。更に、コントローラCはロータリーエンコーダ95の回転量に基づいてバー83が完全に後退したと判断するとバー駆動モータ91を停止制御する。つまりバー83は最も後退した位置で停止する。
次いでコントローラCはバーユニット用モータ25を逆転方向に駆動制御する。同時に縦レール用モータ21も逆転方向に駆動制御する。これによってバーユニット80は縦レール19の下部方向に移動するとともに縦レール19も右方向に移動し、それぞれ第1の位置センサ22及び第3の位置センサ26が図示しないドグを検出することでバーユニット用モータ25及び縦レール用モータ21は停止させられ縦レール19及びバーユニット80は原点位置に復帰する。
【0027】
このような構成のゲーム機10は次のようにゲームが実行される。
まず、ゲーム開始時点においてはバーユニット80は原点位置にある。原点位置とは縦レール19側のドグが第1の位置センサ22に検出されるとともに、バーユニット80側のドグが第3の位置センサ26に検出されている位置(図3の右下位置)である。
コイン投入後、プレーヤが第1ボタンB1を押下する。するとバーユニット用モータ25が駆動されてバーユニット80は縦レール19に沿って上方に移動を開始する。第1ボタンB1を押下し続けることでバーユニット用モータ25の駆動は維持され、バーユニット80の移動は継続される。プレーヤは目指すタグ17の長孔42と同じ水平位置に到達したと判断した時に第1ボタンB1の押下を解除する。
続いて、プレーヤはバーユニット80を水平方向に移動させるために第2ボタンB2を押下する。
すると縦レール用モータ21が駆動されて縦レール19は原点位置から水平レール18に沿って移動を開始する。プレーヤは第1又は第2のいずれかの列を選択しバーユニット80が所望の列に至った段階で(より精密には狙った長孔42の位置にバー83が到達すると判断した時)第2ボタンB2の押下を解除する。
【0028】
この時、バー83は自動的に次のような動作を行う。
バーユニット80が停止した状態でバー83は図21(a)〜(e)のように進出及び後退を行うと同時にギル97の張り出しと格納を行う。まずバー83は図21(a)及び図22(a)のようにタグ17方向に接近していき、図21(b)のようにバー83がうまくタグ17の長孔42に挿入されると、バー83が最大に進出された状態でギル97が張り出す(図22(b)の状態)。このギル97が張り出した状態では長孔42の左右幅よりもギル97の係合角部97a間の幅の方が長いためバー83の後退に伴って図21(c)及び図22(c)のようにタグ17は引っ張られていく。そして、最終的に図21(d)のように小孔43の間の切り離し部46がフック38によって切り裂かれてしまう。同一のタグ17に対する一回、あるいは数回のバー83による拘引動作に基づいてすべての小孔43が切り裂かれることで景品は落下する。バー83が後退することに伴って所定の後退量においてギル97は格納されるためこのギル97の格納前にタグ17が切り離されればバー83に吊り下げられたタグ17は図22(e)のようにガイドフレーム96に当接して落下する。タグ17が切り離されなければガイドフレーム96に当接したタグ17はバー83から抜け落ちフック38に吊り下げられることとなる。
尚、タグ17が切り離されてしまった吊り下げプレート15a〜15cについては新たな景品を付け替える必要があることについては実施例1と同様である。
【0029】
以上の構成により上記実施例2のゲーム機10では次のような効果が奏される。
(1)プレーヤはタグ17をバー83で引きちぎりながら切り離して景品Pを落下させるという従来の景品獲得ゲーム機とは異なる方法で景品を獲得することとなるため、遊技形態が非常に斬新でプレーヤのゲームに対する新たな興趣が惹起されることとなる。
(2)タグ17の材質、形状、長孔42の位置・大きさ・形状・数、バー83の透孔に対する太さ、バー83のタグ17までの距離、ギル97の形状、ギル97の格納タイミング等を様々に変更することで景品を獲得できる確率を簡単かつ自在に変更でき、遊技対象となるプレーヤに応じた多くの種類のゲーム機を提供することができる。
(3)ガイドフレーム96があるためバー83に吊り下げられたタグ17を確実に落下させることができる。
(4)タグ17は吊り下げプレート15a〜15cの裏面にストックされており、なおかつストッパレバー39の簡単な操作で次のタグ17をフック38から下垂させることができるので、景品Pの付け替え作業にも支障がない。
【0030】
尚、この発明は、次のように変更して具体化することも可能である。
・図23に示すように、吊り下げプレート15a〜15cの上面にタグ17をストックしてDリング71を基部としてタグ17を下垂させるようにしてもよい。このような構成では次にどのような透孔パターンのタグ17であるかがプレーヤに目視できるため、景品Pを獲得しやすい透孔パターンであればプレーヤの興趣を更に惹起することとなる。
・図24に示すように、タグ73を保持する壁面14から突出する保持手段として吊り下げプレート15a〜15cではなくストック部74を有するフック75であってもよい。左右一対のフック75はバーユニット20が通過する場合には同期して退避あるいは進出するものである。
・上記実施例1ではバー60の下動量は2cmに設定したが、その量は変更は自由である。一般に下動量は大きければそれだけ一回のプレーで景品を獲得しやすくなるため、他の要素(タグ17の透孔の大きさや形状)との兼ね合いで機種ごとの難易度を設定することが可能である。
・タグ17の透孔(長孔42)の形状や数や位置は自由に変更できる。上記ではすべてのタグ17の透孔(長孔42)は同一であるが、ストック分も含めそれぞれ違うものを用意することも可能である。また、複数枚数のタグに景品を吊してもよい。
・薄片を紙製以外の材質、例えば 繊維や薄肉の合成樹脂シート等で構成してもよい。
・切り離し部の厚さ・材質を他の薄片の部位と異ならせて構成してもよい。このようにすれば例えば厚さを薄くした場合にはゲームの難易度を低く、厚くした場合には難易度を高くできることとなる。
・薄片の切り離し部46を画定する透孔の形状は上記に限定されない。例えば、ミシン目のような透孔でも構わない。要はバーの荷重によって切り離し部46で切り離されるような透孔であればよい。
・上記実施例1では景品Pを落下させ易くするための落下手段として斜状面60aを形成するようにしていたが、斜状面60aの代わりにバーユニット20やバー60を前傾させるようにしてもよい。
・上記実施例2では景品Pを落下させ易くするための落下手段としてガイドフレーム96を設けるようにしていたが、ガイドフレーム96を形成する代わりにバーユニット80やバー83を前傾させるようにしてもよい。また、バー83自体が当初から斜め前方に向かって進出するような構成でもよい。
・バー60,83や長さは上記に限定されるものではない。
・ギル97の形状は上記に限定されるものではない。また、ギル97を出没させるアクチュエータとして上記ソレノイド103に限らない。
・ギル97を収納させる場合にはギル97の一部がバー83から露出していても構わない。
・ガイドフレーム96のようなガイド体は移動体としてのバーユニット80以外の位置に形成するようにしてもよい。
その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において変更した態様で実施することは自由である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明にかかる実施例1における景品獲得ゲーム機の斜視図。
【図2】同じゲーム機の内部構造の概略を説明する説明図(中段及び下段の吊り下げプレートが第2の位置に退避している状態)。
【図3】バーユニットの水平及び垂直方向の動きを説明する説明図。
【図4】景品展示部の付近の斜視図。
【図5】上段の景品展示部の付近の断面図。
【図6】中段及び下段の景品展示部の付近の断面図。
【図7】中段及び下段の景品展示部の付近の底面図。
【図8】図7のA−A線におけるプレート駆動ユニットの断面図。
【図9】バーユニットの底面図。
【図10】図9のB−B線におけるバーユニットの断面図。
【図11】実施例1の電気的構成を説明するブロック図。
【図12】(a)〜(c)はバーがタグの長孔に挿入され下動してタグが切り離されるまでの一連の動きを説明する説明図。
【図13】(a)〜(c)はバーがタグの長孔に挿入され下動してタグの一部の切り離し部ががフックによって切り裂かれるまでの一連の動きを説明する説明図。
【図14】(a)〜(c)はタグを交換して新たに景品を吊り下げるまでの一連の動きを説明する説明図。
【図15】実施例2における景品獲得ゲーム機の斜視図。
【図16】バーユニットの底面図。
【図17】バーユニットの断面図。
【図18】バーユニットのバー先端側から目視した部分斜視図。
【図19】図17のC−C線におけるバーユニットの断面図。
【図20】実施例2の電気的構成を説明するブロック図。
【図21】(a)〜(e)はバーがタグの長孔に挿入されギルが張り出した状態でバーが後退してタグが引っ張られて切り離されるまでの一連の動きを説明する説明図。
【図22】(a)〜(c)はバーがタグの長孔に挿入されギルが張り出した状態でバーが後退してタグが引っ張られて切り離されるまでの一連の動きを説明する説明図。
【図23】他の実施例を説明する説明図。
【図24】(a)及び(b)は他の実施例を説明する説明図。
【符号の説明】
【0032】
10…景品獲得ゲーム機、17…薄片としてのタグ、20,80…移動体としてのバーユニット、21…移動体駆動手段としての縦レール用モータ、25…移動体駆動手段としてのバーユニット用モータ、42…透孔としての長孔、60,83…バー、67,91…バー駆動手段としてのバー駆動モータ、96…係合部材としてのギル、103…係合部材駆動手段としてのソレノイド、B1,B2…操作手段としてのボタン、P…景品。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数の透孔が形成されるとともに切り離し部を介して下垂支持される景品が取着された薄片と、
前記薄片の前記透孔に挿通可能な前方位置に配置されるバーと、同バーを同薄片と交差する位置を最大進出位置として進退させるバー駆動手段とを備えるとともに同薄片と間隔を維持しながら移動可能な移動体と、
プレーヤによる操作手段の操作に基づいて同移動体を移動させ所定位置に停止させる移動体駆動手段とを備え、
前記移動体を停止させた際に前記バーを前記薄片と交差可能な位置まで進出させ、少なくとも同交差可能位置に進出させた後に同バーを下動させ、同バーを下動させた後に退避させるように前記移動体駆動手段及びバー駆動手段を制御するようにしたことを特徴とする景品獲得ゲーム機。
【請求項2】
前記薄片は複数枚数が積載状に積載スペースにストックされており、当該切り離しされた薄片の次席位置に配置された薄片は前記切り離し部を基部として回動されて新たに切り離し部によって下垂支持されることを特徴とする請求項1に記載の景品獲得ゲーム機。
【請求項3】
1又は複数の透孔が形成されるとともに切り離し部を介して下垂支持される景品が取着された薄片と、
前記薄片の前記透孔に挿通可能な前方位置に配置されるバーと、同バーを同薄片と交差する位置を最大進出位置として進退させるバー駆動手段と、同バーに併設され同バーの外周から側方に張り出した係合位置と同バー方向に後退した非係合位置の2つの位置を取りうる係合部材と、同係合部材に同2つの位置の間において位置変位をさせる係合部材駆動手段とを備えるとともに同薄片と間隔を維持しながら移動可能な移動体と、
プレーヤによる操作手段の操作に基づいて同移動体を移動させ所定位置に停止させる移動体駆動手段とを備え、
前記移動体を停止させた際に前記バーを前記薄片と交差可能な位置まで進出させるとともに、同バーが同交差可能位置に進出した段階で非係合位置にある前記係合部材を係合位置に変位させ、次いで同係合部材が係合位置に変位した状態で前記バーを後退させるように前記移動体駆動手段、バー駆動手段及び係合部材駆動手段を制御するようにしたことを特徴とする景品獲得ゲーム機。
【請求項4】
前記移動体には前記バーの後退時に同バーに掛止された前記薄片が同バーとともに後退するのを防止するガイド体が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の景品獲得ゲーム機。
【請求項5】
前記薄片に形成された前記透孔は同透孔に挿通される前記バーに対する横方向の通過間隔よりも縦方向の通過間隔を広くしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の景品獲得ゲーム機。
【請求項1】
1又は複数の透孔が形成されるとともに切り離し部を介して下垂支持される景品が取着された薄片と、
前記薄片の前記透孔に挿通可能な前方位置に配置されるバーと、同バーを同薄片と交差する位置を最大進出位置として進退させるバー駆動手段とを備えるとともに同薄片と間隔を維持しながら移動可能な移動体と、
プレーヤによる操作手段の操作に基づいて同移動体を移動させ所定位置に停止させる移動体駆動手段とを備え、
前記移動体を停止させた際に前記バーを前記薄片と交差可能な位置まで進出させ、少なくとも同交差可能位置に進出させた後に同バーを下動させ、同バーを下動させた後に退避させるように前記移動体駆動手段及びバー駆動手段を制御するようにしたことを特徴とする景品獲得ゲーム機。
【請求項2】
前記薄片は複数枚数が積載状に積載スペースにストックされており、当該切り離しされた薄片の次席位置に配置された薄片は前記切り離し部を基部として回動されて新たに切り離し部によって下垂支持されることを特徴とする請求項1に記載の景品獲得ゲーム機。
【請求項3】
1又は複数の透孔が形成されるとともに切り離し部を介して下垂支持される景品が取着された薄片と、
前記薄片の前記透孔に挿通可能な前方位置に配置されるバーと、同バーを同薄片と交差する位置を最大進出位置として進退させるバー駆動手段と、同バーに併設され同バーの外周から側方に張り出した係合位置と同バー方向に後退した非係合位置の2つの位置を取りうる係合部材と、同係合部材に同2つの位置の間において位置変位をさせる係合部材駆動手段とを備えるとともに同薄片と間隔を維持しながら移動可能な移動体と、
プレーヤによる操作手段の操作に基づいて同移動体を移動させ所定位置に停止させる移動体駆動手段とを備え、
前記移動体を停止させた際に前記バーを前記薄片と交差可能な位置まで進出させるとともに、同バーが同交差可能位置に進出した段階で非係合位置にある前記係合部材を係合位置に変位させ、次いで同係合部材が係合位置に変位した状態で前記バーを後退させるように前記移動体駆動手段、バー駆動手段及び係合部材駆動手段を制御するようにしたことを特徴とする景品獲得ゲーム機。
【請求項4】
前記移動体には前記バーの後退時に同バーに掛止された前記薄片が同バーとともに後退するのを防止するガイド体が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の景品獲得ゲーム機。
【請求項5】
前記薄片に形成された前記透孔は同透孔に挿通される前記バーに対する横方向の通過間隔よりも縦方向の通過間隔を広くしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の景品獲得ゲーム機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
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【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2008−279093(P2008−279093A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−126359(P2007−126359)
【出願日】平成19年5月11日(2007.5.11)
【出願人】(000207702)大平技研工業株式会社 (7)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月11日(2007.5.11)
【出願人】(000207702)大平技研工業株式会社 (7)
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