説明

景品獲得ゲーム装置用の景品載置部および景品獲得ゲーム装置

【課題】景品載置エリアを様々な態様に変化させることができる景品獲得ゲーム装置用の景品載置部および景品獲得ゲーム装置を提供すること。
【解決手段】 支持部が取り付けられる位置を、景品誘導空間22の外縁においてあるいは景品載置部56の外周において変化させることにより、景品誘導空間22の上方における第1の棒状部材26−1および第2の棒状部材26−2の配置位置を様々な態様で変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、景品獲得ゲーム装置用の景品載置部および景品獲得ゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、景品を保持する景品保持部をプレーヤが操作し、筺体の内部の景品載置エリアに載置された景品を開口エリアに移動させるとプレーヤが景品を獲得することができる景品獲得ゲーム装置が知られている。そしてこのような景品獲得ゲーム装置には、景品載置エリアの位置などを変更することによりゲーム性を変化させるものが存在する(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−205169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかる従来の景品獲得ゲーム装置では、例えば景品を載置するための板状部材の端部を景品誘導空間の外縁の任意の位置に固定して、景品載置エリアを景品誘導空間の上方の任意の位置に形成していた。しかしこのような手法では、景品載置エリアの態様の変化に限界があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、景品載置エリアを様々な態様に変化させることができる景品獲得ゲーム装置用の景品載置部および景品獲得ゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、
景品保持部が保持動作を行う景品獲得ゲーム装置に用いられ、落下された景品を景品取出口に導くための景品誘導空間の上方において横状態で第1の棒状部材および第2の棒状部材を支持する支持部であって、
前記景品誘導空間の外縁の複数の位置のいずれか、および前記景品誘導空間の上方に配置され前記景品が載置される景品載置部の外周の複数の位置のいずれかの少なくとも一方に着脱可能に取り付けられることを特徴とする支持部に関係する。
【0007】
本発明では、第1の棒状部材および第2の棒状部材に景品を載置することにより第1の棒状部材および第2の棒状部材を景品載置エリアとして機能させるようにしてもよいし、第1の棒状部材および第2の棒状部材に例えば板状部材などにより構成される景品載置部を取り付け、景品載置部に景品を載置することにより景品載置部を景品載置エリアとして機能させるようにしてもよい。
【0008】
本発明によれば、支持部が取り付けられる位置を、景品誘導空間の外縁においてあるいは景品載置部の外周において変化させることにより、景品誘導空間の上方における第1の棒状部材および第2の棒状部材の配置位置を様々な態様で変化させることができる。これにより本発明によれば、景品誘導空間の上方において景品載置エリアを様々な態様で形成することができる。
【0009】
(2)また本発明では、
前記第1の棒状部材を支持する位置および前記第2の棒状部材を支持する位置の少なくとも一方を変更可能に、前記第1の棒状部材および前記第2の棒状部材を支持するようにしてもよい。
【0010】
本発明によれば、第1の棒状部材の支持位置および第2の棒状部材の支持位置の少なくとも一方を変化させることにより、景品誘導空間の上方における第1の棒状部材および第2の棒状部材の配置位置を様々な態様で変化させることができる。これにより本発明によれば、景品誘導空間の上方において景品載置エリアを更に様々な態様で形成することができる。
【0011】
(3)本発明は、
景品保持部が保持動作を行う景品獲得ゲーム装置に用いられ、落下された景品を景品取出口に導くための景品誘導空間の上方において横状態で配置される第1の棒状部材および第2の棒状部材に取り付けられる景品載置部であって、
前記景品が載置される景品載置面と、
前記第1の棒状部材を横方向から受け入れ、横方向の異なる位置において前記第1の棒状部材に対する前記景品載置部の上下方向への移動を規制する第1の取付部と、
前記第2の棒状部材を下方向から受け入れ、前記第2の棒状部材に対する前記景品載置部の下方向への移動と横方向への移動とを規制する第2の取付部と、
前記第2の取付部に設けられ、前記第2の棒状部材に対する前記景品載置部の上方向への移動を規制する固定部と、
を備えることを特徴とする景品載置部に関係する。
【0012】
本発明によれば、第1の取付部と第2の取付部と固定部とによって、景品載置部を第1の棒状部材および第2の棒状部材に対して安定的に取り付けることができ、例えば景品保持部が景品載置部の端部において保持動作を行うことにより景品載置部に対して保持動作を行ってしまうような場合でも、第1の棒状部材および第2の棒状部材から景品載置部が外れてしまうような事態を防止することができる。そして第1の取付部は、横方向の異なる位置において第1の棒状部材に対する景品載置部の上下方向への移動を規制するので、第1の棒状部材および第2の棒状部材の少なくとも一方の配置位置が変化しても、第1の取付部を第1の棒状部材に取り付けるとともに、第2の取付部を第2の棒状部材に取り付けることができる。従って本発明によれば、景品誘導空間の上方において景品載置部を様々な態様で安定的に配置することができる。
【0013】
(4)また本発明では、
複数組の前記第1の取付部および前記第2の取付部を備えるようにしてもよい。
【0014】
本発明によれば、第1の棒状部材および第2の棒状部材に取り付けられる第1の取付部および第2の取付部の組合せを変化させることにより、第1の棒状部材および第2の棒状部材に対する景品載置部の向きを変化させたり、取り付け位置を増加させたりすることができる。
【0015】
(5)本発明は、
景品が載置される景品載置エリアと前記景品が落下する開口エリアとを含むゲームフィールドと、
前記ゲームフィールドの上方を移動して保持動作を行い、前記開口エリアの上方に移動して開放動作を行い、前記景品を前記開口エリアに落下させる景品保持部と、
前記景品保持部の移動・動作制御を行う移動・動作制御部と、
前記開口エリアに落下された前記景品をプレーヤが取り出すための景品取出口と、
前記ゲームフィールドの下方に設けられ、前記開口エリアに落下された前記景品を前記
景品取出口に導くための景品誘導空間と、
第1の棒状部材および第2の棒状部材と、
前記第1の棒状部材および前記第2の棒状部材が前記景品誘導空間の上方において横状態で配置されるように、前記第1の棒状部材および前記第2の棒状部材を支持する一組の支持部と、
を備え、
前記支持部は、
前記景品誘導空間の外縁の複数の位置のいずれか、および前記景品誘導空間の上方に配置され前記景品が載置される景品載置部の外周の複数の位置のいずれかの少なくとも一方に着脱可能に取り付けられることを特徴とする景品獲得ゲーム装置に関係する。
【0016】
(6)本発明は、
景品が載置される景品載置部と前記景品が落下する開口エリアとを含むゲームフィールドと、
前記ゲームフィールドの上方を移動して保持動作を行い、前記開口エリアの上方に移動して開放動作を行い、前記景品を前記開口エリアに落下させる景品保持部と、
前記景品保持部の移動・動作制御を行う移動・動作制御部と、
前記開口エリアに落下された前記景品をプレーヤが取り出すための景品取出口と、
前記ゲームフィールドの下方に設けられ、前記開口エリアに落下された前記景品を前記景品取出口に導くための景品誘導空間と、
前記景品載置部が取り付けられる第1の棒状部材および第2の棒状部材と、
前記第1の棒状部材および前記第2の棒状部材が前記景品誘導空間の上方において横状態で配置されるように、かつ前記第1の棒状部材および前記第2の棒状部材の少なくとも一方の配置位置を変更可能に、前記第1の棒状部材および前記第2の棒状部材を支持する一組の支持部と、
を備え、
前記景品載置部は、
前記景品が載置される景品載置面と、
前記第1の棒状部材を横方向から受け入れ、横方向の異なる位置において前記第1の棒状部材に対する前記景品載置部の上下方向への移動を規制する第1の取付部と、
前記第2の棒状部材を下方向から受け入れ、前記第2の棒状部材に対する前記景品載置部の下方向への移動と横方向への移動とを規制する第2の取付部と、
前記第2の取付部に設けられ、前記第2の棒状部材に対する前記景品載置部の上方向への移動を規制する固定部と、
を備えることを特徴とする景品獲得ゲーム装置に関係する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態の景品獲得ゲーム装置の外観を示す斜視図である。
【図2】本実施形態の第1の支持部および第2の支持部の外観を示す斜視図である。
【図3】本実施形態の第1の支持部の内部構造を示す斜視図である。
【図4】本実施形態の第1の支持部および第2の支持部の内部構造を示す断面図である。
【図5】本実施形態の第1の支持部および第2の支持部の外観を示す斜視図である。
【図6】本実施形態の枠部と第1の支持部および第2の支持部の組み立て図である。
【図7】本実施形態の第1の支持部および第2の支持部の取り付け例を示す斜視図である。
【図8】本実施形態の景品載置部と枠部と第1の支持部および第2の支持部の組み立て図である。
【図9】本実施形態の第1の支持部および第2の支持部の取り付け例を示す斜視図である。
【図10】本実施形態の景品載置部の側面図である。
【図11】本実施形態の第1の取付部の外観を示した斜視図である。
【図12】本実施形態の第2の取付部と固定部の外観を示した斜視図である。
【図13】本実施形態の手順を示す側面図である。
【図14】本実施形態の景品載置部の取り付け例を示す側面図である。
【図15】本実施形態の景品載置部の裏面の外観を示す平面図である。
【図16】本実施形態の景品獲得ゲーム装置の機能を示すブロック図である。
【図17】他の実施形態の第2の取付部と固定部の外観を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
1.景品獲得ゲーム装置の構成
図1は、本実施形態の景品獲得ゲーム装置10の外観を示す斜視図である。本実施形態の景品獲得ゲーム装置10は、プレーヤが景品保持部12を操作して、景品獲得ゲーム装置10の内部に載置された景品を獲得するゲームを行うものである。
【0019】
図1に示すように本実施形態の景品獲得ゲーム装置10の上部側面は、例えばアクリル板のような透明板14によって構成されており、プレーヤが景品獲得ゲーム装置10の内部の状態を視認できるようになっているとともに、景品獲得ゲーム装置10の内部を触れることができないようになっている。そして、景品獲得ゲーム装置10の内部には、景品が載置される景品載置エリア16と景品が落下する開口エリア18とを含むゲームフィールド20が形成されている。
【0020】
このゲームフィールド20の下方には、ゲームフィールド20のほぼ全面に対応した範囲で上部が矩形状に開口された景品誘導空間22が設けられており、この景品誘導空間22は、プレーヤが景品を取り出すために景品獲得ゲーム装置10の前面下部に設けられた景品取出口24に連通している。そして景品誘導空間22は、景品取出口24に向けて下るように傾斜する斜面25の上方で形成されており、景品誘導空間22に落下した景品を景品取出口24に誘導する。
【0021】
そして景品誘導空間22の上方には、複数の棒状部材26(第1の棒状部材26−1および第2の棒状部材26−2の一例)が、その長手方向を横方向とする横状態で、景品誘導空間22の上方を横断するように配置されている。本実施形態では棒状部材26として、直径が1cmで長さが80cmの金属製の棒形状の部材が用いられている。そして複数の棒状部材26は、その長手方向の両端部において、景品誘導空間22の右側の上端の外縁に取り付けられた第1の支持部28と、景品誘導空間22の左側の上端の外縁に取り付けられた第2の支持部30(一組の支持部の一例)とによって支持されている。そして複数の棒状部材26には景品が載置される。
【0022】
このように本実施形態では、棒状部材26が配置された領域が、景品が載置される景品載置エリア16として機能し、棒状部材26が配置されない領域が、景品が落下する開口エリア18として機能する。
【0023】
一方、ゲームフィールド20の上方には、景品を移動させるための景品保持部12が設けられている。この景品保持部12は、景品獲得ゲーム装置10の前板86中央部に設けられた第1ボタン32や第2ボタン34などに対するプレーヤの操作情報の入力に基づいて、ゲームフィールド20の上方を前後左右上下に移動する。また景品保持部12は、景品保持部12に設けられた2本のアーム部36を閉じる保持動作を行うことにより景品を保持し、2本のアーム部36を開く開放動作を行うことにより保持した景品を開放する。すなわち景品保持部12は、移動動作、保持動作、開放動作を行うことにより、景品載置エリア16に載置された景品を移動させる。
【0024】
特に本実施形態では、景品保持部12は、ゲームフィールド20の上方の左手前側の隅を初期位置として2本のアーム部36を開いた状態で待機しており、プレーヤが第1ボタン32を押下すると第1ボタン32の押下が解除されるまで右方向に移動し、プレーヤが第2ボタン34を押下すると第2ボタン34の押下が解除されるまで奥方向に移動する。そして第2ボタン34の押下が解除されると、自動的に下方向への移動を開始する。そして景品保持部12が棒状部材26や景品に接触したり、景品保持部において定められた下限位置まで移動すると、下方向への移動を停止して自動的に2本のアーム部36を閉じる保持動作を行う。すると景品保持部12は、2本のアーム部36を閉じたまま自動的に上方向への移動を開始し、上限位置まで移動すると上方向への移動を停止し、自動的に開口エリア18の上方の位置へ移動する。そして開口エリア18の上方の位置に到達すると、景品保持部12は、2本のアーム部36を開く開放動作を行い、景品を保持していた場合には、保持していた景品を開口エリア18に落下させる。
【0025】
なお本実施形態では、景品保持部12の前後左右方向の移動範囲は、景品誘導空間22が開口されている範囲に対応しており、開口エリア18が景品誘導空間22の上方のいかなる領域において形成されても、開口エリア18の上方に移動して開放動作を行うことができるようになっている。
【0026】
2.支持部の構成
次に、第1の支持部28および第2の支持部30の構成の詳細について説明する。本実施形態の第1の支持部28および第2の支持部30は、棒状部材26が景品誘導空間22の上方において横状態で配置されるように、かつ棒状部材26の配置位置を景品誘導空間22の上方において変更可能に、棒状部材26を支持する。これにより景品獲得ゲーム装置10では、景品誘導空間22の上方において景品載置エリア16を様々な態様で形成することができる。
【0027】
2−1.棒状部材の支持位置の変更による棒状部材の配置位置の変更
図2は、景品誘導空間22の上端の外縁に取り付けられている状態の第1の支持部28および第2の支持部30の外観を示す斜視図である。図2に示すように第1の支持部28および第2の支持部30は、矩形の板状の形状を有しており、横方向に3行、縦方向に7列の合計21個の穴部38(支持位置の一例)が、1つの面にマトリクス状に配列されている。そして各穴部38は、棒状部材26の直径よりも若干大きな直径(例えば1.1cm)を有しており、各穴部38に1本の棒状部材26を挿入することができるようになっている。
【0028】
そして第1の支持部28および第2の支持部30は、図2に示すように、穴部38が設けられた面が向かい合いつつ平行となるように、景品誘導空間22の右側上端の外縁と左側上端の外縁とに取り付けられる。ここで第1の支持部28および第2の支持部30の各穴部38は、このような状態において第1の支持部28および第2の支持部30の各穴部38が面対称(鏡映対称)となるように設けられている。
【0029】
従って本実施形態の景品獲得ゲーム装置10では、景品獲得ゲーム装置10が設置されている店舗の店員などの管理者が、棒状部材26の右端を第1の支持部28のいずれかの穴部38に挿入し、棒状部材26の左端を第2の支持部30のいずれかの穴部38に挿入することにより、棒状部材26を景品誘導空間22の上方において任意の位置に横状態で配置することができる。すなわち本実施形態では、第1の支持部28および第2の支持部30が、第1の支持部28が棒状部材26を支持する支持位置と、第2の支持部30が棒状部材26を支持する支持位置とを変更可能に棒状部材26を支持することにより、棒状部材26の配置位置を景品誘導空間22の上方において変更することができる。
【0030】
図3は、第1の支持部28の内部構造を示す斜視図である。図3に示すように、第1の支持部28の内部には、各穴部38に対応する位置に、各穴部38に挿入された棒状部材26の先端と接触する第1の接触部40が設けられている。この第1の接触部40は、横方向に配列された7個の穴部38について共通に設けられている。また第1の支持部28の内部には、棒状部材26が挿入される方向に沿う方向に延びる円柱状のガイド42が設けられており、このガイド42が第1の接触部40の長手方向の両端において第1の接触部40を貫通することにより、第1の接触部40は棒状部材26が挿入される方向に沿って往復移動可能となっている。そして各ガイド42の外周には圧縮バネ44が設けられており、棒状部材26が穴部38に挿入されて第1の接触部40が穴部38から離れるように移動されると、圧縮バネ44は棒状部材26を押し戻す方向に力を作用させる。
【0031】
図4(A)〜(C)は、棒状部材26が取り付けられる際の第1の支持部28および第2の支持部30の内部構造を示す断面図である。図4(A)に示すように、棒状部材26の長手方向の長さは、第1の支持部28および第2の支持部30の対向面(穴部38が設けられた面)の間の距離よりも長くなっているが、棒状部材26を水平方向に対して斜めにすることにより、管理者は棒状部材26の右端を第1の支持部28の任意の穴部38に挿入することができる。そして棒状部材26の右端が穴部38に挿入されると、図4(B)に示すように、上述した第1の接触部40が、圧縮バネ44により棒状部材26を押し戻す方向に力を作用させつつ、棒状部材26が挿入される方向に後退する。
【0032】
一方、図中左側の第2の支持部30の内部には、各穴部38に対応する位置に、各穴部38に挿入された棒状部材26の左端と接触する第2の接触部46が固定的に設けられている。そして、図4(C)に示すように、棒状部材26の右端が第1の支持部28の穴部38に挿入された状態で、棒状部材26の左端が第2の支持部30の対応する穴部38に挿入されると、第1の接触部40に設けられた圧縮バネ44が縮んだ状態で(弾性エネルギーを蓄積している状態で)、棒状部材26の左端が第2の接触部46に到達する。これにより棒状部材26は、その右端が第1の支持部28の穴部38に挿入され、左端が第2の支持部30の穴部38に挿入されつつ、第1の接触部40によって第2の接触部46に押しつけられるようにして安定的に支持される。
【0033】
このように本実施形態の景品獲得ゲーム装置10では、管理者は、棒状部材26の右端を第1の支持部28のいずれかの穴部38に挿入してから、棒状部材26の左端を第2の支持部30の対応する穴部38に挿入することによって、棒状部材26を第1の支持部28および第2の支持部30に簡単に取り付けることができる。そして上述した手順の逆の手順によって棒状部材26を第1の支持部28および第2の支持部30から簡単に取り外すことができる。
【0034】
図5は、異なる穴部38に棒状部材26が挿入される際の第1の支持部28および第2の支持部30の外観を示す斜視図である。本実施形態では、棒状部材26の長さが、第1の支持部28および第2の支持部30の対向面(穴部38が設けられた面)の間の距離よりも十分に長くなっており、例えば図5に示すように、第1の支持部28の第3行第1列の穴部38−31と第2の支持部30の第1行第1列の穴部38−11との間の距離よりも長く形成されている。そして、第1の支持部28および第2の支持部30に対する棒状部材26の挿入角度が垂直である状態(垂直状態、あるいは水平状態:横状態の一例)のみならず、垂直に対して所定角度を有する状態(斜め状態:横状態の一例)であっても棒状部材26が挿入されるように、第1の支持部28および第2の支持部30の穴部38が構成されている。更に、最も距離が近い向かい合う2つの穴部38に棒状部材26が挿入される場合でも、第1の支持部28の穴部38に棒状部材26の右端が挿入されている状態で第2の支持部30の穴部38に棒状部材26の左端が挿入されるように、第1の支持
部28の内部における第1の接触部40の移動範囲が定められている。
【0035】
これにより本実施形態の第1の支持部28および第2の支持部30は、図5に示すように、最も距離が近い向かい合う2つの穴部38によって棒状部材26を垂直状態で支持するのみならず、例えば第1の支持部28の第2行第1列の穴部38−21と第2の支持部30の第1行第1列の穴部38−11とによって、あるいは第1の支持部28の第3行第1列の穴部38−31と第2の支持部30の第1行第1列の穴部38−11とによって、棒状部材26を斜め状態で支持することができる。すなわち、第1の支持部28および第2の支持部30は、棒状部材26の他端が挿入される穴部38を、棒状部材26の一端が挿入された穴部38と向かい合う穴部38に対して上下方向で位置が異なる穴部38としても、斜め状態で棒状部材26を支持することができる。
【0036】
更に、第1の支持部28および第2の支持部30は、棒状部材26の他端が挿入される穴部38を、棒状部材26の一端が挿入された穴部38と向かい合う穴部38に対して横方向で位置が異なる穴部38としても、斜め状態で棒状部材26を支持することができる。例えば、第1の支持部28の第1行第4列の穴部38−14と第2の支持部30の第1行第1列の穴部38−11とによって、あるいは第1の支持部28の第2行第3列の穴部38−23と第2の支持部30の第1行第1列の穴部38−11とによって、棒状部材26を斜め状態で支持することができる。すなわち本実施形態では、棒状部材26が配置される角度を変化させつつ、棒状部材26の配置位置を景品誘導空間22の上方において変更できるようになっている。
【0037】
2−2.支持部の配置位置の変更による棒状部材の配置位置の変更
図6は、景品誘導空間22の上端の外縁を構成する枠部48と、第1の支持部28および第2の支持部30の組み立て図である。図6に示すように、景品誘導空間22の上端の外縁は、正方形状の枠部48により構成されている。そして、第1の支持部28および第2の支持部30の下端からは板状部材50が下方に向かって突出しており、板状部材50には、2つのネジ穴52が設けられている。そして、板状部材50に設けられた2つのネジ穴52の位置と、枠部48の内周面に設けられた2つのネジ穴52の位置(取付位置の一例)とが一致する状態でネジ穴52にネジ54が挿入されることにより、第1の支持部28および第2の支持部30は景品誘導空間22の上端の外縁の所定の位置に取り付けられる。なお、本実施形態では、第1の支持部28および第2の支持部30を取り付けるためのネジ54は、ネジ頭が直径1cm程のツマミにより構成されており、管理者は工具を用いずにネジ54をネジ穴52に挿入した状態で締めるあるいは緩めることができる。
【0038】
ここで図6に示すように、第1の支持部28および第2の支持部30の横幅は、枠部48の内周の一辺の長さの3分の1よりも短い長さに形成されている。そして、枠部48の各辺に3組の2つのネジ穴52が設けられることにより、枠部48の内周面には、合計12組の2つのネジ穴52が設けられている。すなわち本実施形態では、枠部48の内周面の12箇所に、第1の支持部28および第2の支持部30の取付位置が設けられている。そして、枠部48の向かい合う辺の各辺における取付位置が面対称となるように、各組の2つのネジ穴52が設けられている。
【0039】
従って本実施形態では、例えば図7に示すように、第1の支持部28の取付位置を枠部48の右側手前の位置とし、第2の支持部30の取付位置を左側手前の位置とすれば、景品誘導空間22の上方の領域のうち手前の領域において左右方向に向けて棒状部材26を配置することができる。また、第1の支持部28の取付位置を枠部48の奥側中央の位置とし、第2の支持部30の取付位置を手前側中央の位置とすれば、景品誘導空間22の上方の領域のうち中央の領域において手前奥方向に向けて棒状部材26を配置することができる。
【0040】
このように本実施形態の景品獲得ゲーム装置10では、管理者が、第1の支持部28をいずれかの取付位置に取り付け、第2の支持部30を第1の支持部28の取付位置に向かい合う取付位置に取り付けることができる。従って本実施形態では、第1の支持部28および第2の支持部30の取付位置を景品誘導空間22の上端の外縁において変化させることにより、棒状部材26の配置位置を景品誘導空間22の上方において変更することができる。
【0041】
図8は、景品が載置される景品載置部56と、枠部48と、第1の支持部28および第2の支持部30の組み立て図である。本実施形態では、図8に示すように、景品誘導空間22の上端の外縁を構成する枠部48に、矩形の板状の形状を有する景品載置部56を配置することができるようになっており、景品載置部56が配置された領域も景品載置エリア16として機能させることができる。このため、枠部48の内周面の下端からは、内側方向に向かって水平に1cm程の幅を有する配置面58が設けられており、この配置面58により、景品載置部56を景品誘導空間22の上方の任意の位置に配置することができるようになっている。
【0042】
ここで図8の例の景品載置部56は、長辺が枠部48の内周の一辺の長さとほぼ同一の長さで、短辺が枠部48の内周の一辺の長さの約3分の1の長さの長方形状に形成されている。従って、景品載置部56の辺と枠部48の辺とが平行になるように景品載置部56が配置面58の上に配置されると、景品誘導空間22の上方の領域のうち3分の1の領域を景品載置エリア16として機能させることができる。そしてこの景品載置部56の側面(外周の一例)には、枠部48の内周面と同様に、第1の支持部28および第2の支持部30を取り付けるための2つのネジ穴52が設けられている。図8の例の景品載置部56では、その2つの長辺にそれぞれ3組の2つのネジ穴52が設けられることにより、景品載置部56の側面には、合計6組の2つのネジ穴52が設けられている。すなわち本実施形態では、景品載置部56の側面の6箇所に、第1の支持部28および第2の支持部30の取付位置が設けられている。
【0043】
従って本実施形態では、例えば図9に示すように、景品載置部56の配置位置を枠部48の手前側中央と奥側中央の位置とすることにより、景品載置部56を景品誘導空間22の上方の中央部において手前奥方向に配置することができるとともに、第1の支持部28の取付位置を景品載置部56の右側中央の位置とし、第2の支持部30の取付位置を景品載置部56の左側中央の位置とすることができる。
【0044】
ここで、このような場合には、第1の支持部28と第2の支持部30との間の距離が、景品載置部56の短辺に相当する長さ(枠部48の内周の一辺の長さの約3分の1の長さ)となるが、本実施形態では、第1の支持部28および第2の支持部30の取付位置に応じて、長さが異なる複数種類の棒状部材26が用意されている。従ってこのような場合には、枠部48の内周の一辺の長さの約3分の1の長さに形成された最も短い棒状部材26を用いることにより、第1の支持部28および第2の支持部30に棒状部材26を取り付けることができる。
【0045】
これにより本実施形態では、第1の支持部28と第2の支持部30との間の距離が変化しても、第1の支持部28および第2の支持部30に棒状部材26を取り付けることができ、例えば図9に示すように、景品誘導空間22の上方の領域のうち中央の領域において左右方向に向けて棒状部材26を配置することができる。また、第1の支持部28の取付位置を景品載置部56の右側手前の位置とし、第2の支持部30の取付位置を枠部48の左側手前の位置とした場合には、枠部48の内周の一辺の長さの約3分の2の長さに形成された棒状部材26を用いることにより、第1の支持部28および第2の支持部30に棒
状部材26を取り付けることができる。そしてこのような場合には、景品誘導空間22の上方の領域のうち手前側右3分の2の領域において左右方向に向けて棒状部材26を配置することができる。
【0046】
このように本実施形態の景品獲得ゲーム装置10では、管理者が、第1の支持部28を枠部48または景品載置部56のいずれかの取付位置に取り付け、第2の支持部30を第1の支持部28の取付位置に対応する枠部48または景品載置部56のいずれかの取付位置に取り付けることにより、棒状部材26を任意の位置に配置することができる。すなわち本実施形態では、第1の支持部28および第2の支持部30の取付位置を景品載置部56の外周において変化させることにより、棒状部材26の配置位置を景品誘導空間22の上方において変更することができる。
【0047】
3.景品載置部の構成
続いて、景品載置部56の構成の詳細について説明する。本実施形態では景品載置部56は、上述したように枠部48の配置面58に配置されることにより、景品誘導空間22の上方に配置されることができるが、上述のように様々な態様で配置される棒状部材26に対して取り付けられることによっても、景品誘導空間22の上方に配置されることができる。これにより景品獲得ゲーム装置10では、景品誘導空間22の上方において景品載置エリア16を様々な態様で形成することができる。
【0048】
3−1.取付部の構成
図10は、図8で示した景品載置部56の短辺の側面を真横から見た側面図である。図10に示すように、景品載置部56は、景品が載置される景品載置面60を備えるとともに、景品載置面60の裏面側には、景品載置部56を第1の棒状部材26−1に対して取り付けるための第1の取付部62と、第2の棒状部材26−2に対して取り付けるための第2の取付部64と、固定部66とを備えている。
【0049】
第1の取付部62は、景品載置部56の重心よりも一方側に設けられており、第1の棒状部材26−1を横方向(景品載置面に沿う方向)から受け入れ、横方向の異なる位置において第1の棒状部材26−1に対する景品載置部56の上下方向への移動を規制する。
【0050】
図11は、第1の取付部62の外観を示した斜視図である。図11に示すように、第1の取付部62は、厚さが1mm程の金属製の1枚の板が、第1の棒状部材26−1を受け入れられるように曲げ加工されることにより形成されている。詳細には第1の取付部62には、景品載置面60と平行に設けられ、第1の取付部62が棒状部材26を受け入れた場合に棒状部材26の下部と線接触する第1の下板68と、第1の下板68の後端から上方向に垂直に立ち上がる後板70と、後板70の上部から前方向に垂直に延び、第1の棒状部材26−1の上部と2点において点接触する第1の上板72とが形成されている。
【0051】
これにより第1の取付部62は、第1の下板68と後板70と第1の上板72との間に
、高さが棒状部材26の直径に対応し、奥行きが複数本分の棒状部材26の直径に対応しつつ、景品載置面60と平行となる第1の空間74を形成している。そして第1の取付部62では、第1の上板72の前端と第1の下板68の前端との間が開放されていることに
より、第1の空間74の前端が第1の開放端76となっている。そして第1の空間74は、その左右側も開放されているため、第1の取付部62は、第1の空間74に図中左右方向に延びる第1の棒状部材26−1を図中手前側(横方向の一例)から受け入れることができる。そして第1の取付部62は、このようにして第1の棒状部材26−1を受け入れると、第1の棒状部材26−1に対する景品載置部56の上下方向への移動を規制しつつ横方向への移動を許容する。
【0052】
また図10に示すように、第2の取付部64は、景品載置部56の重心よりも他方側に設けられており、第2の棒状部材26−2を下方向から受け入れ、第2の棒状部材26−2に対する景品載置部56の下方向への移動と横方向への移動とを規制する。そして固定部66は、第2の取付部64に設けられ、第2の取付部64が第2の棒状部材26−2を受け入れた後に、第2の棒状部材26−2に対する景品載置部56の上方向への移動を規制する。
【0053】
図12は、第2の取付部64と固定部66の外観を示した斜視図である。図12に示すように、第2の取付部64は、平面状に形成された部材であって、景品載置面60に対して垂直に設けられる平板78と、第2の棒状部材26−2を受け入れられるように曲げ加工された曲板80とを有しており、平板78と曲板80とは、それぞれの上半分部分においてネジ穴52を貫通するネジ54を介して連結されている。なお、本実施形態では、第2の取付部64に設けられているネジ穴52およびネジ54は、第1の支持部28および第2の支持部30を取り付けるためのネジ穴52およびネジ54と共通のものとされている。
【0054】
詳細には平板78は、その上半分部分において曲板80の上半分部分と面接触しつつ、その下半分部分において、第2の取付部64が第2の棒状部材26−2を受け入れた場合に第2の棒状部材26−2の後側部と線接触する。そして曲板80には、厚さが1mm程の金属製の1枚の板が曲げ加工されることにより、平板78の上半分部分と面接触しつつ平板78に対してネジ54を介して連結される連結板82と、連結板82の下端から前方向に垂直に延び、第2の取付部64が第2の棒状部材26−2を受け入れた場合に第2の棒状部材26−2の上部と線接触する第2の上板84と、第2の上板84の前端から下方向に垂直に(平板78の下半分部分と平行に)延び、第2の棒状部材26−2の前側部と線接触する前板86と、前板86の下端から平板78の下半分部分に近づく方向に斜めに延び、第2の棒状部材26−2の下部と線接触する第2の下板88とが形成されている。これにより第2の取付部64には、平板78の下半分部分と第2の上板84と前板86と第2の下板88との間に、1本の棒状部材26の断面積に対応する第2の空間90が形成されている。そして第2の取付部64では、第2の下板88の先端と平板78の下半分部分の下端との間が開放されていることにより、第2の空間90の下端が第2の開放端92となっている。
【0055】
そして第2の取付部64は、ネジ54が締められていない状態(非固定状態)では、平板78と曲板80とが密着せずに隙間を空けつつ連結され、第2の開放端92の幅(第2の下板88の先端と平板78の下半分部分の下端との間の距離)が棒状部材26の直径(例えば1.0cm)よりも若干長く(広く)なるように形成されている(例えば1.2cm)。そして第2の空間90は、その左右側も開放されているため、第2の取付部64は、第2の空間90に図中左右方向に延びる第2の棒状部材26−2を下方向から受け入れることができる。
【0056】
そして第2の取付部64がこのようにして第2の棒状部材26−2を受け入れた後にネジ54が締められると、第2の取付部64は、平板78と曲板80とが密着して隙間を空けずに連結され、第2の開放端92の幅が棒状部材26の直径(例えば1.0cm)よりも短く(狭く)なるように形成されている(例えば0.7cm)。そして第2の取付部64は、ネジ54が締められた状態(固定状態)では、平板78の下半分部分と第2の上板84と前板86と第2の下板88とが、第2の棒状部材26−2の後側部、上部、前側部、下部に対して密着することにより、景品載置部56の上下方向への移動および横方向への移動を規制する。すなわち本実施形態では、ネジ54が締められた状態(固定状態)において、第2の下板88が、第2の棒状部材26−2に対する景品載置部56の上方向への移動を規制する固定部66として機能する。
【0057】
3−2.景品載置部の取り付け手順
図13(A)〜(C)は、管理者が景品載置部56を第1の棒状部材26−1および第2の棒状部材26−2に取り付ける手順を示す側面図である。なお、図13(A)〜(C)の例では、第1の棒状部材26−1および第2の棒状部材26−2は、互いに平行となるように配置されている。本実施形態では管理者は、まず、図13(A)に示すように、第1の棒状部材26−1が第1の開放端76から第1の空間74に受け入れられるように景品載置部56を移動させ、第1の取付部62を第1の棒状部材26−1に取り付ける。
【0058】
そして管理者は、図13(B)に示すように、第2の取付部64を、ネジ54が締められていない状態(非固定状態)にしておき、第1の取付部62が第1の棒状部材26−1に取り付けられた状態で、第2の棒状部材26−2が第2の開放端92から第2の空間90に受け入れられるように景品載置部56を回動させ、第2の取付部64を第2の棒状部材26−2に取り付ける。このとき管理者は、第2の棒状部材26−2が配置されている位置に第2の取付部64の位置を合わせるように、景品載置部56を第1の棒状部材26−1に対して横方向(景品載置面60に沿う方向)に移動させながら回動させる。
【0059】
そして管理者は、図13(C)に示すように、第2の取付部64を第2の棒状部材26−2に取り付けると、第2の取付部64のネジ54を締め、第2の取付部64を第2の棒状部材26−2に対して固定させる。すなわち管理者は、第2の取付部64のネジ54が締められた状態(固定状態)にすることにより、第2の下板88を固定部66として機能させる。
【0060】
こうして本実施形態では、第1の取付部62と第2の取付部64と固定部66とによって、景品載置部56を第1の棒状部材26−1および第2の棒状部材26−2に対して安定的に取り付けることができる。従って、例えば図1に示した景品保持部12が景品載置部56の端部において保持動作を行うことにより景品載置部56に対して保持動作を行ってしまうような場合でも、景品載置部56が第1の棒状部材26−1および第2の棒状部材26−2から外れてしまうような事態を防止することができる。そして上述した取り付け手順の逆の手順によれば、景品載置部56を第1の棒状部材26−1および第2の棒状部材26−2から簡単に取り外すことができる。
【0061】
なお図10に示すように、本実施形態の景品載置部56には、景品載置面60の裏面の各辺に、各辺に沿った軸回りに回転する円筒形状のローラ94が設けられている。これにより本実施形態では、景品保持部12が景品載置部56の端部において保持動作を行うことにより景品載置部56に対して保持動作を行ってしまうような場合でも、ローラ94が回転することにより景品保持部12のアーム部36が景品載置部56に引っかかることを防止することができる。従って本実施形態では、景品保持部12が景品載置部56に対して保持動作を行うことにより景品保持部12が第1の棒状部材26−1および第2の棒状部材26−2から外れてしまうこと、あるいは景品保持部12が破損してしまうことを防止することができる。
【0062】
3−3.景品載置部の取り付け態様
図14(A)〜(C)は、第1の棒状部材26−1および第2の棒状部材26−2の位置関係が変化する場合の景品載置部56の取り付け態様を示す側面図である。図14(A)の場合では、第1の棒状部材26−1が第1の支持部28および第2の支持部30の第1行第1列の穴部38−11に挿入され、第2の棒状部材26−2が第1の支持部28および第2の支持部30の第1行第7列の穴部38−17に挿入されている。そしてこのような場合に第1の取付部62が第1の棒状部材26−1に、第2の取付部64が第2の棒状部材26−2に取り付けられると、第1の棒状部材26−1は第1の空間74内の最奥
部において後板70と接触する状態となる。すなわち本実施形態では、図14(A)の場合における第1の棒状部材26−1と第2の棒状部材26−2との間の距離が、第1の取付部62が第1の棒状部材26−1に取り付けられるとともに第2の取付部64が第2の棒状部材26−2に取り付けられることができる最短の距離となっている。
【0063】
ここで本実施形態では、上述したように第1の棒状部材26−1および第2の棒状部材26−2は、第1の支持部28および第2の支持部30に設けられた任意の穴部38に挿入されることにより、配置位置が変更される。例えば図14(B)の場合では、第1の棒状部材26−1が第1の支持部28および第2の支持部30の第1行第1列の穴部38−11に挿入され、第2の棒状部材26−2が第1の支持部28および第2の支持部30の第2行第7列の穴部38−27に挿入されている。すなわち図14(B)の場合では、第1の棒状部材26−1と第2の棒状部材26−2との間の距離が、図14(A)の場合よりも長くなっている。そしてこのような場合に第1の取付部62が第1の棒状部材26−1に、第2の取付部64が第2の棒状部材26−2に取り付けられると、第1の棒状部材26−1は第1の空間74内の中央部に位置することとなる。
【0064】
また、図14(C)の場合では、第1の棒状部材26−1が第1の支持部28および第2の支持部30の第1行第1列の穴部38−11に挿入され、第2の棒状部材26−2が第1の支持部28および第2の支持部30の第3行第6列の穴部38−36に挿入されている。すなわち図14(C)の場合では、第1の棒状部材26−1と第2の棒状部材26−2との高低差が、図14(B)の場合よりも大きくなっているが、第1の棒状部材26−1と第2の棒状部材26−2との間の距離は、図14(B)の場合よりも若干短くなっている。そしてこのような場合に第1の取付部62が第1の棒状部材26−1に、第2の取付部64が第2の棒状部材26−2に取り付けられると、第1の棒状部材26−1は第1の空間74内の中央部よりもやや後板70寄りに位置することとなる。
【0065】
このように本実施形態では、第1の取付部62と第2の取付部64とが固定的に設けられているが、第1の空間74の奥行き(景品載置面60に沿う方向の距離)が複数本分の棒状部材26の直径に対応するように第1の取付部62が形成されているので、第1の棒状部材26−1と第2の棒状部材26−2との位置関係が変化しても、第1の取付部62を第1の棒状部材26−1に取り付けるとともに、第2の取付部64を第2の棒状部材26−2に取り付けることができる。すなわち本実施形態では、第1の取付部62が、横方向(景品載置面60に沿う方向)の異なる位置において第1の棒状部材26−1に対する景品載置部56の上下方向への移動を規制する。
【0066】
従って本実施形態によれば、景品載置部56を第1の棒状部材26−1および第2の棒状部材26−2に対して水平状態で取り付けることができるだけでなく、図14(B)、図14(C)に示すように、斜め状態で取り付けることができる。こうして本実施形態では、景品誘導空間22の上方において景品載置部56を様々な態様で安定的に配置することができる。
【0067】
3−4.景品載置部の種類
図15(A)〜(C)は、景品載置部56の裏面の外観を示す平面図である。図15(A)に示す景品載置部56は、図8で示した景品載置部56と同一のものであり、長辺が図8で示した枠部48の内周の一辺の長さとほぼ同一の長さで、短辺が枠部48の内周の一辺の長さの約3分の1の長さの長方形状に形成されている。そして、景品載置部56の裏面の右側において、短辺に沿う方向で向かい合うように一組の第1の取付部62および第2の取付部64が設けられており、同様に左側においても、短辺に沿う方向で向かい合うように一組の第1の取付部62および第2の取付部64が設けられている。これにより景品載置部56は、第1の棒状部材26−1および第2の棒状部材26−2に対して同時
に4箇所において取り付けられることができる。また景品載置部56の裏面には、長辺に沿う方向で向かい合うように一組の第1の取付部62および第2の取付部64が設けられている。これにより景品載置部56は、第1の棒状部材26−1および第2の棒状部材26−2に対する景品載置部56の向きを変化させて取り付けられることができる。
【0068】
また本実施形態では、図15(A)に示した景品載置部56の他に、景品載置面60の形状、大きさが異なる複数種類の景品載置部56が用意されている。例えば図15(B)に示す景品載置部56は、長辺が図8で示した枠部48の内周の一辺の長さの約3分の2の長さで、短辺が枠部48の内周の一辺の長さの約3分の1の長さの長方形状に形成されている。そして図15(B)に示す景品載置部56についても、その裏面の右側と左側において、短辺に沿う方向で向かい合うように二組の第1の取付部62および第2の取付部64が設けられており、長辺に沿う方向で向かい合うように一組の第1の取付部62および第2の取付部64が設けられている。
【0069】
また図15(C)に示す景品載置部56は、1辺が図8で示した枠部48の内周の一辺の長さの約3分の1の長さの正方形状に形成されている。そして図15(C)に示す景品載置部56については、その裏面において、図中上下方向で向かい合うように一組の第1の取付部62および第2の取付部64が設けられ、図中左右方向で向かい合うように一組の第1の取付部62および第2の取付部64が設けられている。
【0070】
従って本実施形態では、このような3種類の景品載置部56を配置する位置や向きの組み合わせにより、景品誘導空間22の上方において景品載置エリア16を様々な態様で形成することができる。
【0071】
4.景品獲得ゲーム装置の機能ブロック図
図16は、本実施形態の景品獲得ゲーム装置10の機能を示すブロック図である。なお、図16の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0072】
検出部100は、図1に示した景品保持部12の前後左右方向への移動量を検出するとともに、景品保持部12が下方向に移動することにより景品や景品載置部56などに接触したことを検出するものであり、各種センサにより実現できる。
【0073】
操作部102は、プレーヤから操作情報の入力を受付け、操作情報を処理部200に伝達するためのものであり、ボタンやレバーなどにより実現できる。
【0074】
設定部104は、管理者から設定情報の入力を受付け、設定情報を処理部200に伝達するためのものであり、ボタンやレバーなどにより実現できる。この設定情報としては、例えば、ゲームフィールド20のうち景品載置エリア16とされている領域を特定するための情報や、開口エリア18とされている領域を特定するための情報などが含まれる。本実施形態では、図1に示したゲームフィールド20をマトリクス状に9分割した各領域が、開口エリア18とされているか否かを特定するための情報が、設定情報として設定部104に入力される。
【0075】
動力部106は、処理部200からの制御信号に従って駆動されることにより、図1に示した景品保持部12をゲームフィールド20の上方において前後左右上下方向に移動させるとともに、景品保持部12の2本のアーム部36を開閉させるものであり、各種モータにより実現できる。
【0076】
記憶部108は、処理部200などのワーク領域となるものであり、その機能はRAMなどのハードウェアにより実現できる。
【0077】
情報記憶媒体110(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などにより実現できる。この情報記憶媒体110には、処理部200において種々の処理を行うためのプログラムやデータが記憶されている。即ち、この情報記憶媒体110には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)が記憶されている。
【0078】
処理部200(プロセッサ)は、検出部100、操作部102、設定部104からのデータやプログラムなどに基づいて、ゲーム処理、表示制御処理、音生成処理などの処理を行う。この処理部200は、記憶部108をワーク領域として各種処理を行い、その機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、各種集積回路(IC、ASIC)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0079】
特に、本実施形態の処理部200は、ゲーム処理部202、移動・動作制御部204、設定変更部206を含む。なお、これらの一部を省略する構成としてもよい。
【0080】
ゲーム処理部202は、検出部100、操作部102、設定部104からのデータやプログラムなどに基づいて、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、ゲームを進行させる処理、或いはゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了させる処理などの種々のゲーム処理を行う。
【0081】
移動・動作制御部204は、検出部100、操作部102、設定部104からのデータやプログラムなどに基づいて、動力部106の駆動を制御することにより、景品保持部12の移動・動作の制御を行う。特に移動・動作制御部204は、景品保持部12に保持動作を行わせた後に、開口エリア18とされている領域を特定するための情報に基づいて、景品保持部12を開口エリア18の上方の位置へ自動的に移動させる。そして移動・動作制御部204は、景品保持部12が開口エリア18の上方の位置に到達すると、景品保持部12に2本のアーム部36を開く開放動作を行わせる。
【0082】
設定変更部206は、設定部104からのデータやプログラムなどに基づいて、各種情報の設定値を変更する。特に設定変更部206は、設定部104に入力された設定情報に基づいて、開口エリア18とされている領域を特定するための設定値を変更する。
【0083】
5.変形例
上記実施形態で説明した手法は、一例を示したに過ぎず、上記実施形態の手法と同様の効果を奏する均等な手法を採用した場合においても本発明の範囲に含めることができる。また本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。そして上記実施形態の手法や、変形例として後述する各種の手法は、本発明を実現する手法として適宜組み合わせて採用することができる。
【0084】
例えば上述した実施形態では、景品誘導空間22が、ゲームフィールド20のほぼ全面に対応した範囲で上部が矩形状に開口されている例を挙げて説明したが、景品誘導空間22が開口されている範囲、形状は、種々の態様に変更することができる。
【0085】
また第1の支持部28および第2の支持部30の形状や大きさ、第1の取付部62および第2の取付部64の形状や大きさ、景品載置部56の形状や大きさ、棒状部材26の断面形状や長さ、第1の支持部28および第2の支持部30に設けられる穴部38の形状、大きさ、位置、数、枠部48の内周面や景品載置部56の側面に設けられる取付位置の位
置や数などは、各部の機能を実現することができる範囲で任意のものを採用することができる。
【0086】
また上述した実施形態では、第1の取付部62および第2の取付部64が景品載置部56に固定的に設けられていることにより、第1の棒状部材26−1および第2の棒状部材26−2が互いに平行に設けられている状態で、これらに景品載置部56が取り付けられる例を挙げて説明したが、第1の取付部62および第2の取付部64の少なくとも一方が、景品載置面60に対して向きを変更できるように設けられるようにしてもよい。この場合には、第1の棒状部材26−1および第2の棒状部材26−2が互いに平行に設けられていない状態であっても、これらに景品載置部56を取り付けることができる。
【0087】
また第1の取付部62および第2の取付部64の少なくとも一方が、景品載置面60に対して位置を変更できるように設けられるようにしてもよい。この場合には、第1の取付部62および第2の取付部64の少なくとも一方の位置を、景品載置部56が第1の棒状部材26−1および第2の棒状部材26−2に取り付けられる状態における第1の棒状部材26−1および第2の棒状部材26−2に沿う方向に調整可能にしてもよいし、第1の棒状部材26−1および第2の棒状部材26−2と交差する方向に調整可能にしてもよい。
【0088】
また上述した実施形態では、第2の取付部64は、ネジ54が締められていない状態では、第2の開放端92の幅が広くなることにより第2の空間90に棒状部材26を受け入れ、その後にネジ54が締められると、第2の開放端92の幅が狭くなることにより、固定部66が、棒状部材26に対する景品載置部56の上方向への移動を規制する例を挙げて説明したが、図17に示すように、固定部66が、第2の開放端92が形成される状態と、第2の開放端92が形成されない状態との間で可動となるように第2の取付部64に設けられるようにしてもよい。この場合には、第2の取付部64は、固定部66が第2の開放端92が形成される状態で第2の空間90に第2の棒状部材26−2を受け入れ、その後に固定部66が第2の開放端92が形成されない状態で固定されることにより、固定部66が、棒状部材26に対する景品載置部56の上方向への移動を規制するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0089】
10 景品獲得ゲーム装置、12 景品保持部、14 透明板、16 景品載置エリア、18 開口エリア、20 ゲームフィールド、22 景品誘導空間、24 景品取出口、26 棒状部材、26−1 第1の棒状部材、26−2 第2の棒状部材、28 第1の支持部、30 第2の支持部、32 第1ボタン、34 第2ボタン、36 アーム部、38 穴部、40 第1の接触部、42 ガイド、44 圧縮バネ、46 第2の接触部、48 枠部、50 板状部材、52 ネジ穴、54 ネジ、56 景品載置部、58 配置面、60 景品載置面、62 第1の取付部、64 第2の取付部、66 固定部、68 第1の下板、70 後板、72 第1の上板、74 第1の空間、76 第1の開放端、78 平板、80 曲板、82 連結板、84 第2の上板、86 前板、88 第2の下板、90 第2の空間、92 第2の開放端、94 ローラ、100 検出部、102 操作部、104 設定部、106 動力部、108 記憶部、110 情報記憶媒体、200 処理部、202 ゲーム処理部、204 移動・動作制御部、206 設定変更部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
景品保持部が保持動作を行う景品獲得ゲーム装置に用いられ、落下された景品を景品取出口に導くための景品誘導空間の上方において横状態で配置される第1の棒状部材および第2の棒状部材に取り付けられる景品載置部であって、
前記景品が載置される景品載置面と、
前記第1の棒状部材を横方向から受け入れ、横方向の異なる位置において前記第1の棒状部材に対する前記景品載置部の上下方向への移動を規制する第1の取付部と、
前記第2の棒状部材を下方向から受け入れ、前記第2の棒状部材に対する前記景品載置部の下方向への移動と横方向への移動とを規制する第2の取付部と、
前記第2の取付部に設けられ、前記第2の棒状部材に対する前記景品載置部の上方向への移動を規制する固定部と、
を備えることを特徴とする景品載置部。
【請求項2】
請求項1において、
複数組の前記第1の取付部および前記第2の取付部を備えることを特徴とする景品載置部。
【請求項3】
景品が載置される景品載置部と前記景品が落下する開口エリアとを含むゲームフィールドと、
前記ゲームフィールドの上方を移動して保持動作を行い、前記開口エリアの上方に移動して開放動作を行い、前記景品を前記開口エリアに落下させる景品保持部と、
前記景品保持部の移動・動作制御を行う移動・動作制御部と、
前記開口エリアに落下された前記景品をプレーヤが取り出すための景品取出口と、
前記ゲームフィールドの下方に設けられ、前記開口エリアに落下された前記景品を前記景品取出口に導くための景品誘導空間と、
前記景品載置部が取り付けられる第1の棒状部材および第2の棒状部材と、
前記第1の棒状部材および前記第2の棒状部材が前記景品誘導空間の上方において横状態で配置されるように、かつ前記第1の棒状部材および前記第2の棒状部材の少なくとも一方の配置位置を変更可能に、前記第1の棒状部材および前記第2の棒状部材を支持する一組の支持部と、
を備え、
前記景品載置部は、
前記景品が載置される景品載置面と、
前記第1の棒状部材を横方向から受け入れ、横方向の異なる位置において前記第1の棒状部材に対する前記景品載置部の上下方向への移動を規制する第1の取付部と、
前記第2の棒状部材を下方向から受け入れ、前記第2の棒状部材に対する前記景品載置部の下方向への移動と横方向への移動とを規制する第2の取付部と、
前記第2の取付部に設けられ、前記第2の棒状部材に対する前記景品載置部の上方向への移動を規制する固定部と、
を備えることを特徴とする景品獲得ゲーム装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記景品載置部は、
複数組の前記第1の取付部および前記第2の取付部を備えることを特徴とする景品獲得ゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−192294(P2012−192294A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−161167(P2012−161167)
【出願日】平成24年7月20日(2012.7.20)
【分割の表示】特願2008−132414(P2008−132414)の分割
【原出願日】平成20年5月20日(2008.5.20)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)