説明

景品移動装置及び景品払い出しゲーム機

【課題】景品移動の効果が大きく、プレイ意欲を向上することができる景品移動装置及び景品払い出しゲーム機を提供する。
【解決手段】ゲーム機1は、ゲーム機1の内部に配置され、景品Gを載置する固定テーブル32の少なくとも一部を構成する振動板51と、振動板51を振動させるように駆動させて、振動板51上の景品Gを移動させる振動装置50とを備え、操作部10の操作に応じて振動板51を振動させて景品Gを景品落下孔41に落下させ、景品払い出し口42から払い出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、景品を移動する景品移動装置、及び景品を外部に払い出す景品払い出しゲーム機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ゲーム機内部に配置された景品を移動させて外部に払い出すゲーム機があった。このようなゲーム機には、景品を移動させる景品移動装置として、クレーンを模した景品把持装置や、固定テーブルと可動テーブルとを備えたプッシャ台と呼ばれる搬送装置があった(例えば特許文献1)。
しかし、従来の景品移動装置は、景品に対して直接作用するものではなかった。例えば、景品把持装置では、景品を掴めない場合があり、プッシャ台では、景品を載置しても景品を全く移動できない場合があった。
【特許文献1】特開2007−260261号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、景品移動の効果が大きく、プレイ意欲を向上することができる景品移動装置及び景品払い出しゲーム機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、以下のような解決手段により、課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【0005】
請求項1の発明は、ゲーム機(1)の内部に配置され、景品(G)を載置する載置台(32)の少なくとも一部を構成する駆動板(51)と、前記駆動板を振動及び傾斜のうち少なくとも1つをさせるように駆動させて、前記駆動板上の前記景品を移動させる駆動部(55)と、を備える景品移動装置である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の景品移動装置において、プレイヤの操作を受け付ける操作部(10)を備え、前記駆動部(55)は、前記操作部の出力に応じて、前記駆動板(51)を駆動すること、を特徴とする景品移動装置である。
請求項3の発明は、請求項2に記載の景品移動装置において、前記操作部(10)は、複数の操作部材(13〜16)を備え、前記駆動部(55)は、前記各操作部材に対応し、前記駆動板(51)の対応したエリアを変位させる複数の駆動部材(56A〜56D等)を備え、前記各操作部材の出力に応じて、前記各操作部材に対応する前記駆動部材を駆動すること、を特徴とする景品移動装置である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の景品移動装置において、前記駆動板(51)に前記景品(G)が載置されたことを検出する検出部を備え、前記駆動部(55)は、前記検出部から出力があった場合に前記駆動板を駆動すること、を特徴とする景品移動装置である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載され景品移動装置(50)と、前記景品移動装置によって移動された景品(G)が入賞する入賞口(41)と、前記入賞口に入賞した景品を外部に払い出す景品払い出し部(42)と、を備える景品払い出しゲーム機である。
請求項6の発明は、請求項5に記載された景品払い出しゲーム機において、このゲーム機(1)は、プッシャゲーム機であり、前記入賞口(41)は、プッシャ台(30)によって押し出され落下した景品(G)を、外部に払い出す景品落下部であり、前記駆動板(51)は、前記プッシャ台の少なくとも一部を構成し、前記景品が前記プッシャ台から前記景品落下部側に落ちるように形成されること、を特徴とする景品払い出しゲーム機である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、載置台を駆動して景品に直接作用するので、景品移動の効果が大きいため、プレイヤのプレイ意欲を向上することができる。また、景品を載置する載置台を振動、傾斜させて景品を移動するといった新しい態様のゲームを提供することができる。
さらに、本発明は、例えば、プッシャゲーム機、クレーンゲーム機等のようにゲーム機内の景品落下部に景品を落とすゲーム機に設けた場合には、もう少しで景品が景品落下部に落ちそうなときに、景品載置部を振動、傾斜させることによって、景品落下を試みることができるので、プレイヤがゲーム機を体を使って揺らす等の行為を防止することができる。また、プッシャゲーム、クレーンゲーム等を始める前に、景品載置部を振動、傾斜させることによって、プレイヤが所望の位置に景品を移動してから実際にゲームを開始することもできる。
【0007】
(2)本発明は、操作部の出力に応じて駆動板を駆動するので、プレイヤが自分で操作して、景品を移動することができる。
(3)本発明は、各操作部材に対応する駆動部材を駆動するので、プレイヤが景品を移動する方向を複数のなかから選択できるため、景品の移動の自由度を大きくすることができる。
【0008】
(4)本発明は、駆動板に景品が載置され、検出部から出力があった場合に駆動板を駆動するので、駆動板以外の場所から駆動板上に景品が移動してきたときに、さらに景品を移動することができる。
(5)本発明は、内部の景品を払い出す景品払い出し部を備えるので、載置台を傾斜、振動させることにより、景品移動して外部に払い出す新しい態様のゲーム機を提供することができる。
【0009】
(6)本発明は、駆動板がプッシャ台の少なくとも一部を構成し、プッシャ台の景品落下部側に形成されるので、景品落下部側に移動してきた景品を、駆動板を駆動して景品落下部に落下させることができる。また、上記(4)のように、検出部から出力があった場合に駆動板を駆動するようにすれば、景品がプッシャ台から落ちそうになったときに、さらに景品を移動して落下して、プレイヤにラッキーと思わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、景品移動の効果が大きく、プレイ意欲を向上することができる景品移動装置及び景品払い出しゲーム機を提供するという目的を、ゲーム機に、景品を載置する固定テーブルの少なくとも一部を構成する振動板と、振動板を振動させるように駆動させて、振動板上の景品を移動させる振動装置と、を備えることによって実現した。
【0011】
(実施形態)
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態のゲーム機1の斜視図である。
図1は、本発明を適用したゲーム機1の実施例1を示す斜視図である。
なお、以下に示す各図には、説明と理解を容易にするために、XYZ座標系(ゲーム機1の周方向つまり左右方向X、径方向Y、鉛直方向Z)を設けた。
実施例1のゲーム機1(景品払い出しゲーム機)は、4つのプレイ領域2(2A〜2D)を有し、景品回転部5に配置された景品Gを、クレーン部20を用いて、プッシャ台30上に載置して、景品落下孔41(景品落下部)に落下させて外部に払い出すプッシャタイプのゲーム機である。なお、プレイ領域2とは、各クレーン部20や各プッシャ台30等が収容され景品Gが移動するゲーム機1の内部の領域に加え、各プレイヤが実際に操作を行う操作部10等を含めた領域をいう。また、景品Gは、例えば、菓子、ぬいぐるみ、おもちゃや、これらが入れられたカプセル等である。
【0012】
ゲーム機1は、本体ケース3と、カバー部材4と、景品回転部5とを備え、各プレイ領域2には、操作部10と、クレーン部20と、プッシャ台30と、景品落下孔41と、景品払い出し口42(景品払い出し部)とを備えている。
本体ケース3は、ゲーム機1の筐体部分であり、その外形が略正八角形に形成された筒状の部材である。本体ケース3は、例えば、4人程度が同時に独立してプレイできるように直径が1000mm程度の大きさである。
カバー部材4は、ゲーム機1の内部と外部とを仕切るために、透光性を有する材料(例えばアクリル樹脂等)から形成されたドーム形のカバーである。
景品回転部5は、景品Gを収容して回転するための容器であり、本体ケース3内の下側の範囲に回転可能に設けられている。景品回転部5は、その下側に回転機構(図示せず)が設けられ、本体ケース3の中心軸Z1を中心に回転駆動される(矢印θ1参照)。
【0013】
操作部10は、プレイヤが操作する複数のボタンを備えており、操作しやすいように、本体ケース3の操作パネルに設けられている。操作部10は、図1の2点鎖線内に示すように、クレーン部20を操作する降下ボタン11及び落下ボタン12と、振動装置50を操作する各操作ボタン(操作部材)である径方向内側振動ボタン13と、径方向外側振動ボタン14と、右側振動ボタン15と、左側振動ボタン16とを備えている。
なお、後述するように、ゲーム機1は、振動制限時間(例えば60秒程度)内であれば、各振動ボタン13〜16を操作することにより、振動装置50を駆動できるようになっている。
【0014】
クレーン部20は、景品回転部5に載置された景品Gを拾い上げ、プッシャ台30上に落下させるためのクレーンを模した装置である。クレーン部20は、アーム部材21と、対向配置されたハンド22とを備えている。
クレーン部20は、プレイヤによって降下ボタン11が操作されると、アーム部材21がその下端部の支点21aを中心に回転駆動(矢印θ2参照)して、基準位置(図1に示す位置)から景品回転部5に向けて降下する。
クレーン部20は、景品回転部5上でハンド22を開閉駆動して、その後再び回転駆動して基準位置へと戻る。このとき景品Gを把持できた場合には、クレーン部20は、その状態で基準位置に戻る。従って、プレイヤは、クレーン部20で景品Gを拾い上げるためには、景品回転部5の景品Gの状態や、クレーン部20が降下させるタイミングを見計らって、降下ボタン11を操作しなければならない。
そして、クレーン部20は、落下ボタン12が操作されたときに、ハンド22を開閉駆動する。景品Gを把持できていた場合には、把持していた景品Gは、プッシャ台30上に落下する。プレイヤはプッシャ台30上の景品Gをうまく押し出すためには、プッシャ台30上の景品Gの状態や、景品Gを落下させるタイミングを見計らって、落下ボタン12を操作しなければならない。
なお、クレーン部20は、ハンド22の他にも、シャベル上のものと
【0015】
プッシャ台30は、ゲーム機1の内部に配置されており、クレーン部20が落下した景品Gを、玉突き現象により径方向外側Y2に押し出して移動する装置である。プッシャ台30には、振動装置50(景品移動装置)が設けられている。プッシャ台30及び振動装置50の詳細は、後述する。
【0016】
景品落下孔41は、プッシャ台30によって押し出された景品Gを落下させるために、本体ケース3に設けられた開口孔である。図1では、プレイ領域2Aの景品落下孔41は、本体ケース3に隠れて見えない状態であるが、他のプレイ領域2と同様な位置に配置されている。
景品払い出し口42は、景品Gをゲーム機1の外部に払い出す本体ケース3に設けられた払い出し口である。景品払い出し口42と景品落下孔41とは、連通しており、景品落下孔41に落下した景品Gが、景品払い出し口42に導かれるようになっている。
【0017】
図2は、本実施形態のプッシャ台30の構造を示す斜視図である。
プッシャ台30は、往復テーブル31と、固定テーブル32(載置台)とを備えている。
往復テーブル31は、固定テーブル32上を、径方向Yに往復移動するように駆動される。なお、本実施形態では、対向するプレイ領域2の固定テーブル32が一体で構成され、一方の固定テーブル32が径方向内側Y1に移動すると、対向する固定テーブル32の径方向外側Y2に移動するように構成されている。これは、構成を簡単にして、コストダウンを図るためである。
固定テーブル32は、本体ケース3に対して固定されている。固定テーブル32には、振動装置50が設けられている。
【0018】
図3は、本実施形態の固定テーブル32及び振動装置50を詳細に示す図である。
図3(a)は、固定テーブル32及び振動装置50の裏面図である。
図3(b)は、固定テーブル32及び振動装置50の側面図(B−B部矢視断面図を含む)である。
図3(c)は、固定テーブル32及び振動装置50のC−C部矢視断面を拡大して示す図である。
振動装置50は、振動板51(駆動板)と、振動駆動部55を備えている。
振動板51は、固定テーブル32の景品落下孔41側のエリアに設けられた開口孔32aの内側に配置され、その外形が固定テーブル32の開口孔32aよりも一回り小さく、鉛直方向に移動可能に支持される。振動板51は、振動していない静止状態では、その表面51bの高さが、固定テーブル32の表面32bに合うように配置される。振動板51は、このよう配置されることにより、プッシャ台30の固定テーブル32の一部を構成する。なお、振動板51は、固定テーブル32のシャーシ32cによって、固定テーブル32よりも下側には移動しないようになっている。
【0019】
振動駆動部55は、4つの振動モータ56(56A〜56D)と、各振動モータ56A〜56Dに設けられた円盤57と、エンコーダ58とを備えている。つまり、振動駆動部55は、4つの駆動ユニット(駆動部材)によって構成される。
振動モータ56は、例えばDCモータ等であり、各振動ボタン13〜16の操作に応じて、回転駆動する。
振動モータ56A及び振動モータ56Bは、振動板51の径方向外側Y2の左側X2及び右側X1のエリアを変位させるように、それぞれ固定テーブル32に取り付けられている。一方、振動モータ56C及び振動モータ56Dは、振動板51の径方向内側Y1の左側X2及び右側X1のエリアを変位させるように、それぞれ固定テーブル32に取り付けられている。
【0020】
図3(c)に示すように、円盤57は、その中心57aから偏心して振動モータ56の回転軸56aに取り付けられている。円盤57は、振動モータ56が回転した場合に、回転軸56a回りに回転して、その外周面が振動板51を裏面から持ち上げて、振動板51を上下に駆動する(矢印Z2参照)。
エンコーダ58は、円盤57の回転位置及び回転速度を検出するための光学式のエンコーダである。エンコーダ58は、振動モータ56の回転軸56aに取り付けられたスリット板58bの光の通過状態によって、円盤57の回転位置及び回転速度を検出する。
【0021】
図4は、本実施形態のゲーム機1のブロック図である。なお、図4は、1つのプレイ領域2のブロック図であるが、他のプレイ領域2も同様な構成を有している。
ゲーム機1は、クレーン駆動部60と、プッシャモータ61と、記憶部62と、制御部63と、前述した操作部10と、振動駆動部55等とを備えている。
クレーン駆動部60は、クレーン部20を昇降させる昇降モータ60aと、ハンド22を開閉駆動する開閉モータ60bとを備えている。
プッシャモータ61は、往復テーブル31を径方向に往復移動させるモータである。
【0022】
記憶部62は、ゲーム機1の動作に必要なゲームプログラム62a、情報等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶装置である。
制御部63は、ゲーム機1を統括的に制御するための制御部であり、例えば、CPU(中央処理装置)等から構成される。制御部63は、記憶部62に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、前述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
制御部63は、操作部10からの出力に応じて、クレーン駆動部60を制御し、また、操作部10及びエンコーダ58の出力に応じて、振動駆動部55を制御する。
【0023】
次に、本実施形態のゲーム機1の動作を説明する。
図5は、本実施形態の振動装置50の動作を説明するフローチャートである。
図6、図7は、本実施形態の振動装置50の動作を説明する図である。
図6(a)、図7(a)は、操作部10の操作を説明する図であり、図6(b)、図7(b)は、振動装置50の動作を説明する斜視図であり、図6(c)、図7(c)は、振動装置50の動作を説明する側面図である。
図8は、本実施形態のプッシャ台30から景品落下孔41へと景品Gが落下する場面を示す斜視図である。
最初に、ステップS(以下、単に「S」という)10において、プレイヤによってコインがコイン投入口(図示せず)に投入されると、制御部63が処理を開始する。
なお、本実施形態では、振動駆動部55の制御は、クレーン部20及びプッシャ台30の制御から独立して行われる。また、クレーン部20及びプッシャ台30の制御の詳細な説明は省略する。
【0024】
S20において、制御部63は、径方向内側振動ボタン13が操作されたか否かを判断する(図6(a)参照)。制御部63は、径方向内側振動ボタン13が操作されなかったと判断した場合には(S20:NO)、S30に進み、一方、径方向内側振動ボタン13が操作されたと判断した場合には(S20:YES)、S21に進む。
S21において、制御部63は、振動モータ56C,56Dを所定時間(例えば数秒間程度)駆動し、S60に進む。
【0025】
図6(b)、図6(c)に示すように、振動モータ56C,56Dが駆動されると、振動板51の径方向内側Y1の後端部が大きく振動する。これによって、振動板51上の景品Gは、径方向外側Y2に移動する。
【0026】
図5に戻りS30において、制御部63は、右側振動ボタン15が操作されたか否かを判断する(図7(a)参照)。制御部63は、右側振動ボタン15が操作されなかったと判断した場合には(S30:NO)、S40に進み、一方、右側振動ボタン15が操作されたと判断した場合には(S30:YES)、S31に進む。
S31において、制御部63は、振動モータ56B,56Dを所定時間(例えば数秒間程度)駆動し、S60に進む。
【0027】
図7(b)、図7(c)に示すように、振動モータ56B,56Dが駆動されると、振動板51の右側X1が大きく振動する。これによって、振動板51上の景品Gは、左側X2に移動する。
【0028】
図5に戻りS40において、制御部63は、左側振動ボタン16が操作されたか否かを判断する。制御部63は、左側振動ボタン16が操作されなかったと判断した場合には(S40:NO)、S50に進み、一方、左側振動ボタン16が操作されたと判断した場合には(S40:YES)、S41に進む。
S41において、制御部63は、振動モータ56A,56Cを所定時間(例えば数秒間程度)駆動し、S60に進む。
なお、前述したS31では、振動板51は、その右側X1が大きく振動したのに対して、S41では、振動モータ56A,56Cが駆動されることによって、その左側X2が大きく振動する(図示は省略する)。これによって、振動板51上の景品Gは、右側X1に移動する。
【0029】
S50において、制御部63は、径方向外側振動ボタン14が操作されたか否かを判断する。制御部63は、径方向外側振動ボタン14が操作されなかったと判断した場合には(S50:NO)、S60に進み、一方、径方向外側振動ボタン14が操作されたと判断した場合には(S50:YES)、S51に進む。
S51において、制御部63は、振動モータ56A,56Bを所定時間(例えば数秒間程度)駆動し、S60に進む。
なお、前述したS21では、振動板51は、径方向内側Y1の後端部が大きく振動したのに対して、S51では、振動モータ56A,56Bが駆動されることによって、径方向外側Y2が大きく振動する(図示は省略する)。これによって、振動板51上の景品Gは、径方向内側Y1に移動する。
【0030】
S60において、制御部63は、振動制限時間内であるか否かを判断する。制御部63は、振動制限時間内であると判断した場合には(S60:YES)、S20からの処理を繰り返し、一方、振動制限時間が経過したと判断して場合には(S60:NO)、S70に進んで振動装置50に関する処理を終了する。
【0031】
以上のように、振動装置50は、各振動ボタン13〜16の出力に応じて、各振動ボタン13〜16に対応した振動モータ56を駆動して、各振動モータ56に対応した振動板51のエリアを大きく振動させ、景品Gをそれぞれ異なる方向に移動する。これにより、プレイヤは、固定テーブル32の景品載置状態から判断して景品Gをどの方向に移動するかを選択することができ、景品Gの移動の自由度を大きくすることができる。
また、プレイヤは、固定テーブル32上の景品Gが山積みされている場合には、振動板51を振動させて、景品Gを崩して固定テーブル32から落下させることもできる。
【0032】
前述したように、制御部63は、ゲーム開始から振動制限時間内であれば、クレーン部20及びプッシャ台30の制御から独立して、各振動ボタン13〜16から出力を受け付けて振動装置50を制御するので、プレイヤは、振動制限時間内であれば、自由に振動装置50を操作することができる。
例えば、クレーン部20を操作する前に振動装置50を操作する場合には、プレイヤは、既に振動板51上の載置されている景品Gを移動して、プッシャ台30によって押し出されやすい位置に配置することができる。
一方、クレーン部20を操作した結果、景品Gが振動板51上に載置されたときに振動装置50を駆動する場合には、景品Gを景品落下孔41に落下させるようにプレイすることができる。すなわち、振動板51は、固定テーブル32の景品落下孔41側のエリアに設けられているので、固定テーブル32上の景品Gは、図8に示すように、景品落下孔41に落下しやすい状態となり、景品落下孔41に落下した場合には、景品払い出し口42へと払い出され、プレイヤは、景品Gを取得することができる。ゲーム機1は、このように振動装置50を操作できるので、往復テーブル31によって景品Gが固定テーブル32から落ちそうで落ちない惜しい場面で、景品取得のチャンスを増やすことができ、プレイヤのプレイ意欲を向上することができる。また、プレイヤがこのような状態の景品Gを落とそうとするために、例えば体を使ってゲーム機1全体を揺らす等の行為を防止することができる。
その他にも、プレイヤは、クレーン部20を操作する前後に、振動装置50を操作してもよく、あるいは、クレーン部20を操作しながら振動装置50を操作して、クレーン部20が把持した景品Gの種類から判断して、振動板51上に載置されている景品Gを移動してもよい。
【0033】
以上説明したように、ゲーム機1は、振動装置50を備えるので、景品Gを載置する載置台を振動させて、ゲーム機1内部に配置された景品Gを移動して外部に払い出す新しい態様のゲームを提供することができる。
また、ゲーム機1は、振動板51を駆動することにより、ゲーム機1内部の景品Gに直接作用させることができる。つまり、単なるクレーンゲーム機やプッシャゲーム機では、操作しても景品を全く移動できない場合があるのに対して、ゲーム機1は、景品Gに直接作用させることにより景品移動の効果を大きくし、プレイヤの意欲を向上することができる。
【0034】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0035】
(変形形態)
(1)本実施形態において、ゲーム機は、振動板を振動させる例を示したが、これに限定されない。例えば、ゲーム機は、景品載置部の少なくとも一部を、傾斜させるのみでもよい。
【0036】
(2)本実施形態において、ゲーム機は、操作部の操作に応じて振動板を振動させる例を示したが、これに限定されない。例えば、振動板に景品が載置されたことを検出する光学センサ等の検出部を設けて、振動駆動部は、振動板に景品が載置され、検出部から出力があった場合に振動板を駆動してもよい。これにより、振動板以外の場所から駆動板上に景品が移動してきたときに、さらに景品を移動することができる。また、検出部から出力があった場合に駆動板を駆動するようにすれば、景品がプッシャ台から落ちそうになったときに、さらに景品を移動して落下して、プレイヤにラッキーと思わせることができる。
【0037】
(3)本実施形態において、景品載置台である固定テーブルの一部(振動板)を振動させる例を示したが、これに限定されない。例えば、景品載置台全体を振動させたり、傾斜させてもよい。
【0038】
(4)本実施形態において、ゲーム機は、景品取得までに振動する振動板が1枚である例を示したが、これに限定されない。例えば、ゲーム機は、複数の振動板を備え、順番に振動することによって、景品を順次移動できるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本実施形態のゲーム機の斜視図である。
【図2】本実施形態のプッシャ台の構造を示す斜視図である。
【図3】本実施形態の固定テーブル及び振動装置を詳細に示す図である。
【図4】本実施形態のゲーム機のブロック図である。
【図5】本実施形態の振動装置の動作を説明するフローチャートである。
【図6】本実施形態の振動装置の動作を説明する図である。
【図7】本実施形態の振動装置の動作を説明する図である。
【図8】本実施形態のプッシャ台から景品落下孔へと景品が落下する場面を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0040】
1 ゲーム機
2,2A〜2D プレイ領域
10 操作部
13 径方向内側振動ボタン
14 径方向外側振動ボタン
15 右側振動ボタン
16 左側振動ボタン
20 クレーン部
30 プッシャ台
32 固定テーブル
32a 開口孔
41 景品落下孔
42 景品払い出し口
50 振動装置
51 振動板
55 振動駆動部
56,56A〜56D 振動モータ
57 円盤
58 エンコーダ
63 制御部
G 景品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム機の内部に配置され、景品を載置する載置台の少なくとも一部を構成する駆動板と、
前記駆動板を振動及び傾斜のうち少なくとも1つをさせるように駆動させて、前記駆動板上の前記景品を移動させる駆動部と、
を備える景品移動装置。
【請求項2】
請求項1に記載の景品移動装置において、
プレイヤの操作を受け付ける操作部を備え、
前記駆動部は、前記操作部の出力に応じて、前記駆動板を駆動すること、
を特徴とする景品移動装置。
【請求項3】
請求項2に記載の景品移動装置において、
前記操作部は、複数の操作部材を備え、
前記駆動部は、
前記各操作部材に対応し、前記駆動板の対応したエリアを変位させる複数の駆動部材を備え、
前記各操作部材の出力に応じて、前記各操作部材に対応する前記駆動部材を駆動すること、
を特徴とする景品移動装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の景品移動装置において、
前記駆動板に前記景品が載置されたことを検出する検出部を備え、
前記駆動部は、前記検出部から出力があった場合に前記駆動板を駆動すること、
を特徴とする景品移動装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載され景品移動装置と、
前記景品移動装置によって移動された景品が入賞する入賞口と、
前記入賞口に入賞した景品を外部に払い出す景品払い出し部と、
を備える景品払い出しゲーム機。
【請求項6】
請求項5に記載された景品払い出しゲーム機において、
このゲーム機は、プッシャゲーム機であり、
前記入賞口は、プッシャ台によって押し出され落下した景品を、外部に払い出す景品落下部であり、
前記駆動板は、前記プッシャ台の少なくとも一部を構成し、前記景品が前記プッシャ台から前記景品落下部側に落ちるように形成されること、
を特徴とする景品払い出しゲーム機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−5039(P2010−5039A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−166475(P2008−166475)
【出願日】平成20年6月25日(2008.6.25)
【出願人】(306019111)株式会社タイトー (475)