暗渠フィルタ・ブロックおよび暗渠フィルタ・ブロックを設置する方法
濾床内の濾材を排水し逆洗するのに使用される暗渠フィルタ・ブロックは、上壁と、この上壁から延出する側壁対と、これら側壁対の間に延出する底壁と、前記側壁対の一方から前記側壁対の他方へと延出する横壁とを有する。前記上壁と前記側壁対と前記底壁とによって上方部と下方部とが形成される。前記下方部は、前記底壁と前記横壁との間に位置するグラウト・チャンバを有し、前記底壁と前記側壁対との少なくとも一方は開口部を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その開示内容の全体をここに参考文献として合体させる、2010年1月18日出願の米国仮特許出願第61/295,891号の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、暗渠フィルタ・ブロック、特に、濾床内の濾材を排水し逆洗するのに使用されるフィルタ・ブロック、および、濾床に前記フィルタ・ブロックを設置する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
暗渠フィルタ・ブロックは、濾材を支持するための上面を提供するべく多数のフィルタ・ブロックを組み付けることによって濾材底を提供する。前記濾材底の上面は、濾材からの濾過された液体が導管によってこの濾過液を濾材から搬送する濾材底へと通過することを許容する複数の開口部を備えている。前記導管は、又、濾材にその洗浄のために、気体又は液体あるいはこれらの両方などの逆洗用流体を提供する作用も提供するBerkebile他による特許文献1には暗渠フィルタ・ブロックを開示しており、この文献の全体をここに参考文献として合体させる。
【0004】
一般に、従来の暗渠フィルタ・ブロックでは、暗渠を介した水頭損失(headloss)によって生じる内部圧力によるアップリフト障害が生じやすい。状来の暗渠フィルタ・ブロックの水頭損失又は内部圧力によって、この暗渠フィルタ・ブロックの底部が内部圧力から偏向又は変形することによって、暗渠フィルタ・ブロックが濾床から離間しようとする。
【0005】
Sturgillによる特許文献2には、と図5,6及び図13に図示されているように、側壁を越えて外側に延出してフランジを形成する底壁を備える暗渠ユニットを開示している。この底壁に形成された穿孔は、暗渠ユニットの下方に設けられるグラウト材と係合することによって濾材ベイズンの床に暗渠を固定するのに役立つ。図6を参照すると、濾材ユニットの端部壁は、ユニットの下方に設けられるグラウト材との物理的係合を提供する複数の穿孔を備えている。
【0006】
Hunkele他による特許文献3には、暗渠ブロックを濾床に固定するためのアンカー(固定)技術思想を開示している。詳しくは、特許文献3には、濾床上のグラウトに埋設されたレッジを形成するべく、リブから外方に延出する単数又は複数の拡幅部(widening)から構成されるアンカーを使用することについて開示している。
【0007】
Stuppyによる特許文献4とRobertsによる特許文献5とは、フィルタ・ブロックの底壁がリッジ或いは溝を備えて形成されるフィルタ・ブロック構造を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,108,627号明細書
【特許文献2】米国特許第3,956,134号明細書
【特許文献3】米国特許第6,110,366号明細書
【特許文献4】米国特許第3,110,667号明細書
【特許文献5】米国特許第4,619,765号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、暗渠フィルタ・ブロック、特に、濾床内の濾材を排水し逆洗するのに使用されるフィルタ・ブロック、および、濾床に前記フィルタ・ブロックを設置する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施例において、濾床内の濾材を排水し逆洗するのに使用される暗渠フィルタ・ブロックは、上壁と、この上壁から延出側壁対と、これら側壁対との間に延出する底壁と、前記側壁対の一方から前記側壁対の他方へと延出する横壁とを有する。前記上壁と前記側壁対と前記底壁とによって上方部と下方部とが形成される。前記下方部は、前記底壁と前記横壁との間に位置するグラウト・チャンバを有し、前記底壁と前記側壁対との少なくとも一方は開口部を有する。
【0011】
前記底壁と前記側壁対とは、前記下方部に複数の開口部を形成してもよい。前記上方部には、一対の傾斜(angularly)延出壁によって、第1チャンバと少なくとも1つの第2チャンバとを形成してもよい。前記上壁と、前記横壁と、前記側壁対の一部分とは、第1ピースを備えることができ、前記底壁と前記側壁対の一部分とは第2ピースを備えることができ、前記第1ピースは前記第2ピースに固定される。前記暗渠フィルタ・ブロックは、更に、前記側壁対と前記底壁とに沿ってほぼ周方向に延出する複数のリブを備えることができる。前記グラウト・チャンバは、暗渠フィルタ・ブロックの全長に延出してもよく、或いは、暗渠フィルタ・ブロックの全長の一部のみに亘って延出してもよい。前記グラウト・チャンバは、前記側壁対の最外部分に対して内方に陥没したものとすることができる。前記上方部は、湾曲壁によって形成される、第1チャンバと少なくとも1つの第2チャンバとを備えることができる。前記複数の開口部は円形にすることができる。
【0012】
別の実施例において、濾床内の濾材を排水し逆洗するのに使用される暗渠フィルタ・ブロックは、上壁と、この上壁から延出する側壁対と、これら側壁対の間に延出する底壁とを有する。前記上壁と前記側壁対と前記底壁とによって上方部と下方部とが形成される。前記下方部は、前記底壁の底面上に位置する格子状構造体によって形成される複数のグラウト・チャンバを有する。前記ブロックの前記底面は、前記複数のグラウト・チャンバのそれぞれの内部へと延出する複数の空気抜き開口部を備える。
【0013】
別実施例において、濾床内の濾材を排水し逆洗するのに使用される暗渠フィルタ・ブロックは、上壁と、この上壁から延出する側壁対と、これら側壁対の間に延出する底壁と、前記側壁対と前記底壁とに沿って周方向に延出する複数のリブと、これら複数のリブ間に延出して複数のグラウト・チャンバを形成する複数の壁セグメントとを有する。前記複数のグラウト・チャンバは、前記底壁の下方に位置することができる。前記複数の壁セグメントのそれぞれは、複数の開口部を備えることができる。前記暗渠フィルタ・ブロックは、更に、湾曲壁によって形成される、第1チャンバと少なくとも一つの第2チャンバとを備えることができる。
【0014】
更に別の実施例において、暗渠フィルタ・ブロックを設置する方法は、暗渠フィルタ・ブロックを濾床の近傍に配置する工程を有する。前記暗渠フィルタ・ブロックは、上壁と、この上壁から延出する側壁対と、これら側壁対の間に延出する底壁と、前記側壁対の一方から前記側壁対の他方へと延出する横壁とを有する。前記暗渠フィルタ・ブロックは、更に、前記底壁と前記横壁との間に位置するグラウト・チャンバを有し、前記底壁と前記側壁対の一方との少なくとも一つによって形成される少なくとも1つの開口部を備える。前記方法は、更に、前記側壁対と前記底壁とに沿って、グラウトが前記少なくとも1つの開口部内に延出するように、グラウトを提供する工程を有する。
【0015】
前記グラウトは、前記濾床上にレベリング用グラウト部分を配置することによって前記ブロックの前記底壁に沿って提供することができる。前記ブロックの前記底壁と前記側壁対とによって複数の開口部を、前記底壁と前記側壁対とのこれら開口部のそれぞれがグラウトを受け入れるように形成することができる。前記暗渠フィルタ・ブロックは、前記濾床上の前記レベリング用グラウト部分上に配置することができる。前記グラウトは、前記暗渠フィルタ・ブロックを前記レベリング用グラウト部分上に配置した後に、前記暗渠フィルタ・ブロックの前記側壁対に沿って提供される。
【0016】
更に別の実施例において、暗渠フィルタ・ブロックを組み付ける方法は、上壁と、この上壁から延出する側壁対と、これら側壁対の間に延出する底壁とを備える第1ピースを提供する工程を有する。前記方法は、更に、内壁を形成する第2ピースを提供する工程と、前記第2ピースを前記第1ピースに挿入する工程と、前記第1ピースを前記第2ピースに固定する工程、とを有する。
【0017】
前記第2ピースの前記内壁は、横壁と湾曲壁とを備えることができる。前記方法は、更に、前記第1ピースの前記側壁によって形成される溝を前記第2ピースの前記横壁に係合する工程を有する。前記方法は、更に、前記第2ピースの前記横壁を前記第1ピースの前記底壁から離間させる工程を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施例による暗渠フィルタ・ブロックの正面図である。
【図2】図1のフィルタ・ブロックの底面図である。
【図3】図1の線3−3に沿ったフィルタ・ブロックの拡大断面図である。
【図4】前記フィルタ・ブロックがベース・グラウト上に載置された状態を示す、図1のフィルタ・ブロックの正面図である。
【図5】それらのフィルタ・ブロックが設置された状態を示す、図1のフィルタ・ブロックの複数の拡大断面図である。
【図6】本発明の第2実施例による暗渠フィルタ・ブロックの斜視図である。
【図7】図6の線7−7に沿ったフィルタ・ブロックの拡大断面図である。
【図8】本発明の第3実施例による暗渠フィルタ・ブロックの斜視図である。
【図9】本発明の第4実施例による暗渠フィルタ・ブロックの斜視図である。
【図10】本発明の第5実施例による暗渠フィルタ・ブロックの斜視図である。
【図11】本発明の第6実施例による暗渠フィルタ・ブロックの斜視図である。
【図12】本発明の第7実施例による暗渠フィルタ・ブロックの分解斜視図である。
【図13】本発明の第8実施例による暗渠フィルタ・ブロックの分解斜視図である。
【図14】本発明の第9実施例による暗渠フィルタ・ブロックの斜視図である。
【図15】本発明の第10実施例による暗渠フィルタ・ブロックの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の説明において、空間の向きを表す用語は、それらが使用される場合において、以下の詳細説明において特に銘記されない限り、添付の図面における向きにおいてこれらの実施例に関連するものである。又、添付の図面に図示されここに記載される具体的装置は、単に例示的なものであつて、限定的なものと解釈されてはならない。
【0020】
図1−3を参照すると、暗渠フィルタ・ブロック10の一実施例は、上壁15と、一対の側壁17と、底壁19とを備え、これらはそれぞれ、上面21と、側面23と、底面25、を形成している。前記ブロック10は、前記壁15,17,19の外面上に、複数の補強リブ27を備えている。これらのリブ27は、全体に、前記ブロック10の長手軸心に沿うのではなく、このブロック10の回りに周方向に向けられている。但し、これ以外のリブの向き及び構成も利用可能である。前記上壁15上のリブ27は、前記底壁19上に位置するリブから分離又は非連続である。但し、前記ブロック10の回りに周方向に延出する単一のリブも利用可能である。図3に図示されているように、一方の側壁17から他方の側壁17へと横内壁29が延出して、ブロック10内部を上方部31と下方部33とに分割している。前記上壁15は、ブロック10の長手軸心に沿って延出する凹部を形成している。前記側壁17はほぼ平坦である。但し、ブロック10の断面の幅がいくつかの領域において狭くなるように、これら側壁に凹部を設けることも可能である。前記ブロック10の端部は、隣接するブロックの各端部を受け入れるように構成され、それによって複数の暗渠フィルタ・ブロックを端部同士で固定可能である。
【0021】
前記ブロック10の前記下方部33は、前記横壁29と、側壁17と底壁19とによって形成されるグラウト・チャンバ35を備えている。このグラウト・チャンバ35は、ブロック10の各端部において開口している。但し、このチャンバ35は、その一方又は両方の端部において閉じるように構成することも可能である。前記グラウト・チャンバ35は、ブロック10の全長に沿って長手方向に延出している。但し、このチャンバ35の長さをブロック10の全長よりも短いものとすることも可能である。前記ブロック10の上方部31は、一対の傾斜延出壁43によって形成される、第1チャンバ37と一対の第2チャンバ40, 41とを有する。実質的に平坦な傾斜延出壁43を提供する代わりに、前記第1チャンバ37と第2チャンバ40,41とを形成する前記内壁を、例えば、後述する図6及び7に図示されているもののように弓状又は湾曲状にすることも可能である。前記上壁15と、前記傾斜延出壁43とによって、従来の暗渠フィルタ・ブロックにおいて知られているように液体と気体との分配を提供する複数のオリフィス(図示せず)が形成される。
【0022】
前記フィルタ・ブロック10の前記底壁19は、前記グラウト・チャンバ35内へと延出する複数の開口部45を形成している。前記側壁17のそれぞれも、前記ブロック10の前記下方部33に複数の開口部47を形成し、これらの開口部47は前記グラウト・チャンバ35内に延出している。前記側壁17の開口部47は、ブロック10の全長に渡っては設けられていないが、他の構成においては、これらをブロック10の全長に渡って設けることも可能である。前記側壁17と底壁19とが開口部45,47を備えているが、これら側壁17又は底壁19の一方、又は他方には開口部が設けられないように構成することも可能である。更に、前記側壁17と底壁19はグラウト・チャンバ35内に延出する開口部を備えなくてもよい。そのような構成においては、前記ブロック10は、グラウト・チャンバ35と流体連通するグラウト導入スクープ(図示せず)を備えることができる。更に、前記開口部45,47は、実質的に円形状であるが、これらを長円状、四角形状、その他の適当な形状などする他の構成も可能である。前記グラウト・チャンバ35は、ブロック10と一体形成して、一体の単一構造体を構成するようにすることができる。前記グラウト・チャンバ35は、又、複数のピースから構成することも可能である。具体的には、グラウト・チャンバ35は、ボルトや溶接などの固定構造によってブロック10の残り部分に対して別体として形成して固定することができる。
【0023】
図4及び5を参照すると、設置作業中において、前記ブロック10は、前記側壁17と底壁19とに形成された前記開口部45,47を通してグラウト・チャンバ35に流入するグラウト50,52によって位置固定される。このグラウト50,52は、更に、グラウト・チャンバ35とブロック10との回りを、ブロック10の側壁17の上部に向けて上方にも流れる。
【0024】
一実施例において、前記暗渠フィルタ・ブロック10は、図4と図5とに全体として図示されているように設置される。具体的には、図4に図示されているように、ブロック10は、濾床54上に設けられたレベリング用グラウト50に位置決め又はセットされる。前記レベリング用グラウト50は、前記底壁19の開口部45を介して僅かにグラウト・チャンバ35内へと突出している。前記レベリング用グラウト50が十分に硬化すると、側部グラウト52を適用する。側部グラウト52の設置中、ブロック10の下方部33のグラウト・チャンバ35は、少なくとも部分的にグラウトによって満たされる。図5に図示されているように、前記グラウト・チャンバ35全体を設置後にグラウトによって満たすことができる。グラウト・チャンバ35の開口部45,47からのグラウトの突出によって、ブロック10がしっかりと位置保持され、それによってブロック10に作用する浮揚力に打ち勝つ。更に、暗渠フィルタ・ブロック10、特に、ブロック10の底壁19、が、グラウト・チャンバ35に進入するグラウト50,52によって強化される。前記底壁19とブロック10との硬化によって、内部圧力によるブロック10のたわみと変形が減少する。従って、前記グラウト・チャンバ35と開口部45,47とによって、ブロック10を介する水頭損失によって生じる内部圧力によるアップリフト障害が防止され、フィルタ・ブロック10が濾床54上でしっかりと保持される。別の実施例において、前記フィルタ・ブロック10は、このブロック10を、上方及び底ブロック支持体(図示せず)によってしっかりと保持し、ブロック10の底壁19と濾床54との間で、ブロック10の側壁17に沿って、短い時間フレーム内で、グラウトを設置することによって設置される。
【0025】
図6及び図7を参照すると、第2実施例による暗渠フィルタ・ブロック75が図示されている。この暗渠フィルタ・ブロック75は、図1−5に図示し、前述した暗渠フィルタ・ブロック10に類似している。類似のパーツには類似の参照番号が使用されている。この実施例の暗渠フィルタ・ブロック75も、上壁15と、一対の側壁17と、底壁19とを備え、これらは、それぞれ、上面21と、側面23と底面25とを形成している。前記ブロックは、前記上壁15と、側壁17と底壁19との外面上に複数の補強リブ27を備えている。これらのリブ27は、ブロックの回りを周方向にほぼ延出し、上壁15上のリブ27は、上壁15から側壁17へと延出するにあたっては不連続である。但し、前記リブ27は、側壁17から底壁19へは連続的に延出している。一方の側壁17から他方の側壁17へと横壁29が延出してブロック75の内部を上方部31と下方部33とに分割している。ブロック75の前記下方部33は、前記横壁29、側壁17及び底壁19によって形成されるグラウト・チャンバ35を備えている。このグラウト・チャンバ35は、ブロック75の全長の一部分のみに沿って延出している。更に、前記側壁17のおのおのは、前記横壁が始まるところで内側に陥没している。従って、前記グラウト・チャンバ35は、前記側壁17の最外部分に対して陥没している。
【0026】
再び図6及び図7を参照すると、前記ブロック75の上方部31は、前記横壁29から延出して前記上壁15に接続される内部湾曲壁77によって形成される、第1チャンバ37と一対の第2チャンバ40,41とを備えている。前記湾曲壁77と第2横壁81とによってガス導管79が区画形成されている。前記上壁15と前記湾曲壁77と第2横壁81とは、液体と気体の分配を提供する複数のオリフィス(図示せず)を形成している。前記フィルタ・ブロック10の底壁19は、前記グラウト・チャンバ35内へと延出する複数の開口部45を形成している。前記側壁17も、前記ブロック75の下方部33に複数の開口部47を形成し、これら開口部47はグラウト・チャンバ35内へと延出している。図6に図示されているように、前記ブロック75は、複数の開口85を形成する端部接続部83を備えている。前記開口部85は、前記ブロック75の長手軸心に対して平行な方向で前記端部接続部83を貫通して延出している。前記端部接続部83は、図1−5に図示のブロック10に関して上述したように、複数のブロック75を端部同士で固定するために利用することができる。前記ブロック75は、図1−5に図示のブロック10に関して上述した類似の方法で設置することができる。
【0027】
図8を参照すると、第3実施例による暗渠フィルタ・ブロック90が図示されている。この暗渠フィルタ・ブロック90は、図1−5に図示し、前述した暗渠フィルタ・ブロック10に類似している。類似のパーツには類似の参照番号が使用されている。この実施例の暗渠フィルタ・ブロック90は、当該ブロック90の底面から延出するリブ96間に位置する壁セグメント94によって形成される複数のグラウト・チャンバ92を備えている。前記壁セグメント94は、前記リブ96間を長手方向に延出している。従って、前記グラウト・チャンバ92は、前記リブ96と壁セグメント94とによって形成されている。前記壁セグメント94は、それぞれ、図1−5に図示した暗渠フィルタ・ブロック10の開口部45に関連して前述したように、グラウトを受けるための複数の開口部98を形成している。前記ブロック90の内部101は、第1及び第2の導管を形成するべく傾斜延出壁又は湾曲壁を備える上述した暗渠フィルタ・ブロック10,75の上方部31に類似のものとすることができる。前記ブロック90は、図1−5に図示したブロック10と同様に設置可能であるが、ここでは、グラウト・チャンバ92の開口側部がブロック10の開口部47ではなくグラウトを受ける。
【0028】
図9を参照すると、第4実施例による暗渠フィルタ・ブロック110が図示されている。この暗渠フィルタ・ブロック110は、図1−5に図示し、前述した暗渠フィルタ・ブロック10に類似している。類似のパーツには類似の参照番号が使用されている。前記暗渠フィルタ・ブロック110は、図1−5に図示した暗渠フィルタ・ブロック10と同様に、底壁19に形成された開口部45と、側壁17のそれぞれに形成された開口部47とを備えている。但し、暗渠フィルタ・ブロック110の開口部47は、側壁17が底壁19と結びつく位置に位置し、これら開口部47は非円形に形成されている。具体的には、前記暗渠フィルタ・ブロック110の開口部47は、全体として平坦な底部を備える上方円形部分を有する。前記ブロック110は、図1−5に図示したブロック10に関連して上述したように設置することができる。
【0029】
図10を参照すると、第5実施例による暗渠フィルタ・ブロック120が図示されている。この暗渠フィルタ・ブロック120は、図1−5に図示し、前述した暗渠フィルタ・ブロック10に類似している。類似のパーツには類似の参照番号が使用されている。前記暗渠フィルタ・ブロック120は、前記ブロック120の全長に渡っては延出しないことによってブロック120の端部の近傍に切り欠き122を形成しているグラウト・チャンバ35を備えている。前記暗渠フィルタ・ブロック120の側壁17の開口部47は、図9に図示した暗渠フィルタ・ブロック110に関連して上述したものに類似している。前記切り欠き122は、支持構造体(図示せず)を受け入れるように構成されている。例えば、前記切り欠き122は、ユニ・ストラット(uni-strut)を受け入れることができる。前記ブロック120は、図1−5に図示したブロック10に関連して上述したように設置することができる。
【0030】
図11を参照すると、第6実施例による暗渠フィルタ・ブロック130が図示されている。この暗渠フィルタ・ブロック130は、図1−5に図示し、前述した暗渠フィルタ・ブロック10に類似している。類似のパーツには類似の参照番号が使用されている。前記暗渠フィルタ・ブロック130は、当該暗渠フィルタ・ブロック130の底面136上に位置する格子状構造体134によって形成される複数のグラウト・チャンバ132を備えている。前記ブロック130の底面136は、前記グラウト・チャンバ132のそれぞれの内部へと延出する複数の空気抜き開口部138を形成している。前記格子状構造体134は、前記底面136のたわみと変形を抑制するべくブロック130を強化する。更に、前記グラウト・チャンバ132のそれぞれは、図1−5に図示の暗渠フィルタ・ブロック10のグラウト・チャンバ35に関連して上述したのと同様にグラウトを受け入れる。前記空気抜き開口部138は、グラウト・チャンバ132が確実にグラウトによって満たされるように空気が排気されることを許容するとともに、ブロック130を硬化し強化する。前記ブロック130は、図1−5に図示したブロック10に関連して上述したように設置することができる。
【0031】
図12を参照すると、第7実施例による暗渠フィルタ・ブロック150が図示されている。この暗渠フィルタ・ブロック150は、図9に図示した暗渠フィルタ・ブロック110に類似している。前記フィルタ・ブロック150は、別体の第1及び第2ピース152,154から形成されている。前記第1ピース152は、上壁156と側壁158と底壁160とによって形成され、この第1ピース152の回りを周方向に延出する複数のリブ162を備える、矩形体を有する。前記第1ピース152は、中空内部を有し、前記側壁158と底壁160とによって形成される開口部164,166を備えている。前記第2ピース154は、横壁168と湾曲壁170とを含む内壁を形成している。前記湾曲壁170は、前記横壁168に固定されている。図示はされていないが、前記第2ピース154(特に、前記湾曲壁170)には、一般的に従来技術に知られている流体の流れ用のオリフィスを設けることができる。前記第1及び第2ピース152,154は、単一の一体構造体として一体形成されている。但し、これら第1及び第2ピース152,154を複数のピースから個別に形成することも可能である。
【0032】
図12に図示されているように、前記暗渠フィルタ・ブロック150は、前記横壁168の外縁を側壁158の内面によって形成される溝174に係合させた状態で第2ピース154を第1ピース152に挿入することによって組みつけられる。前記第2ピース154は、更に、前記第1ピース152の上壁156と、第2ピース154の湾曲壁170の上部の係合ボス172とを通して延出するファスナ(図示せず)によって前記第1ピース152に対して固定される。第1ピース152と第2ピース154とを組み付けた後、前記第2ピース154の前記横壁168と、前記側壁158の底部と、前記底壁160とによって、例えば、図1−5に図示した暗渠フィルタ・ブロック10関連して上述したようなグラウト・チャンバが形成される。前記第2ピース154の湾曲壁170の横壁168は、第1導管を形成する。同様に、前記第1ピース152と前記横壁168と前記湾曲壁170とによって第2導管が形成される。
【0033】
図13を参照すると、第8実施例による暗渠フィルタ・ブロック180が図示されている。この暗渠フィルタ・ブロック180は、図6及び図7に図示した暗渠フィルタ・ブロックに類似している。但し、この暗渠フィルタ・ブロック180は、グラウト・チャンバを形成するべく、互いに別体の第1ピース182及び第2ピース184から形成されている。前記第1ピース182は、上壁186、側壁188及び底壁190によって形成される矩形体を有する。前記第1ピース182は、前記第1ピース182の周囲において周方向に延出する複数のリブ192を有する。前記第1ピース182は、更に、内部湾曲壁194と内部横壁196とを有し、これらによって第1及び第2導管が形成されている。前記第2ピース184は、矩形の底壁201に固定された一対の矩形の側壁198を備えている。前記第2ピース184は、前記側壁198に形成された開口部203と、前記底壁201に形成された開口部205とを形成している。
【0034】
図13に図示されているように、前記暗渠フィルタ・ブロック180は、前記第2ピース184を第1ピース182取り付けることによって組みつけられる。更に詳しくは、前記第2ピース184は、側壁198状のボス207を備え、これらボス207を貫通して延出するファスナ209によって前記第1ピース182の底壁190に固定される。前記第2ピース184の側壁198は、第1ピース182のリブ192を受け入れるノッチ211を形成している。前記第1ピース182の底壁190には予め穿孔することができ、或いは、自己タッピング式ファスナを利用することも可能である。第1ピース182と第2ピース184とが組み付けられた後、前記第1ピース182の底壁190と、第2ピース184の側壁198と第2ピース184の底壁201とによって、例えば、図1−5に図示した暗渠フィルタ・ブロック10に関連して上述したようなグラウト・チャンバが形成される。前記第1ピース182は、図6及び図7に図示した暗渠フィルタ・ブロック75に関連して上述したように第1及び第2導管を形成する。
【0035】
図14を参照すると、第9実施例による暗渠フィルタ・ブロック220が図示されている。この暗渠フィルタ・ブロック220は、図13に図示した暗渠フィルタ・ブロック180に類似している。この暗渠フィルタ・ブロック220は、グラウト・チャンバを形成するべく、互いに別体の第1ピース222及び第2ピース224から形成されている。前記第1ピース222は、上壁226、側壁228及び底壁230によって形成される矩形体を有する。前記第1ピース222は、更に、内部湾曲壁232と内部横壁234とを有し、これらによって第1導管及び第2導管が形成されている。前記第2ピース224は、矩形の底壁238に固定された一対の矩形の側壁236を備えている。前記第2ピースは、前記側壁236に形成された開口部240と、前記底壁238に形成された開口部242とを形成している。
【0036】
図14に図示されているように、前記暗渠フィルタ・ブロック220は、前記第2ピース224を前記第1ピース222に挿入し、前記第2ピース224を第1ピース222に取り付けることによって組みつけられる。より詳しくは、前記第2ピース224は、前記側壁236に形成されたファスナ穴244を備え、第1ピース222及び第2ピース224の側壁228,236を貫通して延出するファスナ246によって第1ピース222の側壁228に固定される。第1ピース222と第2ピース224とが組み付けられた後、前記第1ピース222の底壁230と、第2ピース224の側壁236と第2ピース224の底壁238とによって、例えば、図1−5に図示した暗渠フィルタ・ブロック10に関連して上述したようなグラウト・チャンバが形成される。前記第1ピース222は、図6及び図7に図示した暗渠フィルタ・ブロック75に関連して上述したように第1導管及び第2導管を形成する。
【0037】
図15を参照すると、第10実施例による暗渠フィルタ・ブロック260が図示されている。この暗渠フィルタ・ブロック260は、図8に図示した暗渠フィルタ・ブロック90に類似している。この暗渠フィルタ・ブロック260は、図8に図示したブロック90に関連して上述した、複数のグラウト・チャンバを形成するべく、互いに別体の第1ピース262及び第2ピース264から形成されている。前記第1ピース262は、ほぼ矩形であり、上壁266、側壁268及び底壁270によって形成されている。前記第1ピース262は、この第1ピース262の回りを周方向に延出するとともに、前記底壁270からも延出する複数のリブ272を備えている。前記第2ピース264は、複数の開口部274と複数のファスナ穴276とを形成する板状矩形体である。図15に図示されているように、前記暗渠フィルタ・ブロック260は、ファスナ278によって第2ピース264を第1ピース262のリブ272の底に固定することによって組みつけられる。第1ピース262と第2ピース264とが組み付けられた後、前記第1ピース262の底壁270と、リブ272と第2ピース264とによって、例えば図8に図示した暗渠フィルタ・ブロック90に関連して上述したような複数のグラウト・チャンバが形成れされる。
【0038】
以上本発明を好適実施例を参照して説明した。以上の詳細説明を読み理解することによって当業者は、改造及び改変を容易に想到するであろう。本発明は、そのような改造及び改変を含むものと理解される。
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その開示内容の全体をここに参考文献として合体させる、2010年1月18日出願の米国仮特許出願第61/295,891号の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、暗渠フィルタ・ブロック、特に、濾床内の濾材を排水し逆洗するのに使用されるフィルタ・ブロック、および、濾床に前記フィルタ・ブロックを設置する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
暗渠フィルタ・ブロックは、濾材を支持するための上面を提供するべく多数のフィルタ・ブロックを組み付けることによって濾材底を提供する。前記濾材底の上面は、濾材からの濾過された液体が導管によってこの濾過液を濾材から搬送する濾材底へと通過することを許容する複数の開口部を備えている。前記導管は、又、濾材にその洗浄のために、気体又は液体あるいはこれらの両方などの逆洗用流体を提供する作用も提供するBerkebile他による特許文献1には暗渠フィルタ・ブロックを開示しており、この文献の全体をここに参考文献として合体させる。
【0004】
一般に、従来の暗渠フィルタ・ブロックでは、暗渠を介した水頭損失(headloss)によって生じる内部圧力によるアップリフト障害が生じやすい。状来の暗渠フィルタ・ブロックの水頭損失又は内部圧力によって、この暗渠フィルタ・ブロックの底部が内部圧力から偏向又は変形することによって、暗渠フィルタ・ブロックが濾床から離間しようとする。
【0005】
Sturgillによる特許文献2には、と図5,6及び図13に図示されているように、側壁を越えて外側に延出してフランジを形成する底壁を備える暗渠ユニットを開示している。この底壁に形成された穿孔は、暗渠ユニットの下方に設けられるグラウト材と係合することによって濾材ベイズンの床に暗渠を固定するのに役立つ。図6を参照すると、濾材ユニットの端部壁は、ユニットの下方に設けられるグラウト材との物理的係合を提供する複数の穿孔を備えている。
【0006】
Hunkele他による特許文献3には、暗渠ブロックを濾床に固定するためのアンカー(固定)技術思想を開示している。詳しくは、特許文献3には、濾床上のグラウトに埋設されたレッジを形成するべく、リブから外方に延出する単数又は複数の拡幅部(widening)から構成されるアンカーを使用することについて開示している。
【0007】
Stuppyによる特許文献4とRobertsによる特許文献5とは、フィルタ・ブロックの底壁がリッジ或いは溝を備えて形成されるフィルタ・ブロック構造を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,108,627号明細書
【特許文献2】米国特許第3,956,134号明細書
【特許文献3】米国特許第6,110,366号明細書
【特許文献4】米国特許第3,110,667号明細書
【特許文献5】米国特許第4,619,765号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、暗渠フィルタ・ブロック、特に、濾床内の濾材を排水し逆洗するのに使用されるフィルタ・ブロック、および、濾床に前記フィルタ・ブロックを設置する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施例において、濾床内の濾材を排水し逆洗するのに使用される暗渠フィルタ・ブロックは、上壁と、この上壁から延出側壁対と、これら側壁対との間に延出する底壁と、前記側壁対の一方から前記側壁対の他方へと延出する横壁とを有する。前記上壁と前記側壁対と前記底壁とによって上方部と下方部とが形成される。前記下方部は、前記底壁と前記横壁との間に位置するグラウト・チャンバを有し、前記底壁と前記側壁対との少なくとも一方は開口部を有する。
【0011】
前記底壁と前記側壁対とは、前記下方部に複数の開口部を形成してもよい。前記上方部には、一対の傾斜(angularly)延出壁によって、第1チャンバと少なくとも1つの第2チャンバとを形成してもよい。前記上壁と、前記横壁と、前記側壁対の一部分とは、第1ピースを備えることができ、前記底壁と前記側壁対の一部分とは第2ピースを備えることができ、前記第1ピースは前記第2ピースに固定される。前記暗渠フィルタ・ブロックは、更に、前記側壁対と前記底壁とに沿ってほぼ周方向に延出する複数のリブを備えることができる。前記グラウト・チャンバは、暗渠フィルタ・ブロックの全長に延出してもよく、或いは、暗渠フィルタ・ブロックの全長の一部のみに亘って延出してもよい。前記グラウト・チャンバは、前記側壁対の最外部分に対して内方に陥没したものとすることができる。前記上方部は、湾曲壁によって形成される、第1チャンバと少なくとも1つの第2チャンバとを備えることができる。前記複数の開口部は円形にすることができる。
【0012】
別の実施例において、濾床内の濾材を排水し逆洗するのに使用される暗渠フィルタ・ブロックは、上壁と、この上壁から延出する側壁対と、これら側壁対の間に延出する底壁とを有する。前記上壁と前記側壁対と前記底壁とによって上方部と下方部とが形成される。前記下方部は、前記底壁の底面上に位置する格子状構造体によって形成される複数のグラウト・チャンバを有する。前記ブロックの前記底面は、前記複数のグラウト・チャンバのそれぞれの内部へと延出する複数の空気抜き開口部を備える。
【0013】
別実施例において、濾床内の濾材を排水し逆洗するのに使用される暗渠フィルタ・ブロックは、上壁と、この上壁から延出する側壁対と、これら側壁対の間に延出する底壁と、前記側壁対と前記底壁とに沿って周方向に延出する複数のリブと、これら複数のリブ間に延出して複数のグラウト・チャンバを形成する複数の壁セグメントとを有する。前記複数のグラウト・チャンバは、前記底壁の下方に位置することができる。前記複数の壁セグメントのそれぞれは、複数の開口部を備えることができる。前記暗渠フィルタ・ブロックは、更に、湾曲壁によって形成される、第1チャンバと少なくとも一つの第2チャンバとを備えることができる。
【0014】
更に別の実施例において、暗渠フィルタ・ブロックを設置する方法は、暗渠フィルタ・ブロックを濾床の近傍に配置する工程を有する。前記暗渠フィルタ・ブロックは、上壁と、この上壁から延出する側壁対と、これら側壁対の間に延出する底壁と、前記側壁対の一方から前記側壁対の他方へと延出する横壁とを有する。前記暗渠フィルタ・ブロックは、更に、前記底壁と前記横壁との間に位置するグラウト・チャンバを有し、前記底壁と前記側壁対の一方との少なくとも一つによって形成される少なくとも1つの開口部を備える。前記方法は、更に、前記側壁対と前記底壁とに沿って、グラウトが前記少なくとも1つの開口部内に延出するように、グラウトを提供する工程を有する。
【0015】
前記グラウトは、前記濾床上にレベリング用グラウト部分を配置することによって前記ブロックの前記底壁に沿って提供することができる。前記ブロックの前記底壁と前記側壁対とによって複数の開口部を、前記底壁と前記側壁対とのこれら開口部のそれぞれがグラウトを受け入れるように形成することができる。前記暗渠フィルタ・ブロックは、前記濾床上の前記レベリング用グラウト部分上に配置することができる。前記グラウトは、前記暗渠フィルタ・ブロックを前記レベリング用グラウト部分上に配置した後に、前記暗渠フィルタ・ブロックの前記側壁対に沿って提供される。
【0016】
更に別の実施例において、暗渠フィルタ・ブロックを組み付ける方法は、上壁と、この上壁から延出する側壁対と、これら側壁対の間に延出する底壁とを備える第1ピースを提供する工程を有する。前記方法は、更に、内壁を形成する第2ピースを提供する工程と、前記第2ピースを前記第1ピースに挿入する工程と、前記第1ピースを前記第2ピースに固定する工程、とを有する。
【0017】
前記第2ピースの前記内壁は、横壁と湾曲壁とを備えることができる。前記方法は、更に、前記第1ピースの前記側壁によって形成される溝を前記第2ピースの前記横壁に係合する工程を有する。前記方法は、更に、前記第2ピースの前記横壁を前記第1ピースの前記底壁から離間させる工程を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施例による暗渠フィルタ・ブロックの正面図である。
【図2】図1のフィルタ・ブロックの底面図である。
【図3】図1の線3−3に沿ったフィルタ・ブロックの拡大断面図である。
【図4】前記フィルタ・ブロックがベース・グラウト上に載置された状態を示す、図1のフィルタ・ブロックの正面図である。
【図5】それらのフィルタ・ブロックが設置された状態を示す、図1のフィルタ・ブロックの複数の拡大断面図である。
【図6】本発明の第2実施例による暗渠フィルタ・ブロックの斜視図である。
【図7】図6の線7−7に沿ったフィルタ・ブロックの拡大断面図である。
【図8】本発明の第3実施例による暗渠フィルタ・ブロックの斜視図である。
【図9】本発明の第4実施例による暗渠フィルタ・ブロックの斜視図である。
【図10】本発明の第5実施例による暗渠フィルタ・ブロックの斜視図である。
【図11】本発明の第6実施例による暗渠フィルタ・ブロックの斜視図である。
【図12】本発明の第7実施例による暗渠フィルタ・ブロックの分解斜視図である。
【図13】本発明の第8実施例による暗渠フィルタ・ブロックの分解斜視図である。
【図14】本発明の第9実施例による暗渠フィルタ・ブロックの斜視図である。
【図15】本発明の第10実施例による暗渠フィルタ・ブロックの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の説明において、空間の向きを表す用語は、それらが使用される場合において、以下の詳細説明において特に銘記されない限り、添付の図面における向きにおいてこれらの実施例に関連するものである。又、添付の図面に図示されここに記載される具体的装置は、単に例示的なものであつて、限定的なものと解釈されてはならない。
【0020】
図1−3を参照すると、暗渠フィルタ・ブロック10の一実施例は、上壁15と、一対の側壁17と、底壁19とを備え、これらはそれぞれ、上面21と、側面23と、底面25、を形成している。前記ブロック10は、前記壁15,17,19の外面上に、複数の補強リブ27を備えている。これらのリブ27は、全体に、前記ブロック10の長手軸心に沿うのではなく、このブロック10の回りに周方向に向けられている。但し、これ以外のリブの向き及び構成も利用可能である。前記上壁15上のリブ27は、前記底壁19上に位置するリブから分離又は非連続である。但し、前記ブロック10の回りに周方向に延出する単一のリブも利用可能である。図3に図示されているように、一方の側壁17から他方の側壁17へと横内壁29が延出して、ブロック10内部を上方部31と下方部33とに分割している。前記上壁15は、ブロック10の長手軸心に沿って延出する凹部を形成している。前記側壁17はほぼ平坦である。但し、ブロック10の断面の幅がいくつかの領域において狭くなるように、これら側壁に凹部を設けることも可能である。前記ブロック10の端部は、隣接するブロックの各端部を受け入れるように構成され、それによって複数の暗渠フィルタ・ブロックを端部同士で固定可能である。
【0021】
前記ブロック10の前記下方部33は、前記横壁29と、側壁17と底壁19とによって形成されるグラウト・チャンバ35を備えている。このグラウト・チャンバ35は、ブロック10の各端部において開口している。但し、このチャンバ35は、その一方又は両方の端部において閉じるように構成することも可能である。前記グラウト・チャンバ35は、ブロック10の全長に沿って長手方向に延出している。但し、このチャンバ35の長さをブロック10の全長よりも短いものとすることも可能である。前記ブロック10の上方部31は、一対の傾斜延出壁43によって形成される、第1チャンバ37と一対の第2チャンバ40, 41とを有する。実質的に平坦な傾斜延出壁43を提供する代わりに、前記第1チャンバ37と第2チャンバ40,41とを形成する前記内壁を、例えば、後述する図6及び7に図示されているもののように弓状又は湾曲状にすることも可能である。前記上壁15と、前記傾斜延出壁43とによって、従来の暗渠フィルタ・ブロックにおいて知られているように液体と気体との分配を提供する複数のオリフィス(図示せず)が形成される。
【0022】
前記フィルタ・ブロック10の前記底壁19は、前記グラウト・チャンバ35内へと延出する複数の開口部45を形成している。前記側壁17のそれぞれも、前記ブロック10の前記下方部33に複数の開口部47を形成し、これらの開口部47は前記グラウト・チャンバ35内に延出している。前記側壁17の開口部47は、ブロック10の全長に渡っては設けられていないが、他の構成においては、これらをブロック10の全長に渡って設けることも可能である。前記側壁17と底壁19とが開口部45,47を備えているが、これら側壁17又は底壁19の一方、又は他方には開口部が設けられないように構成することも可能である。更に、前記側壁17と底壁19はグラウト・チャンバ35内に延出する開口部を備えなくてもよい。そのような構成においては、前記ブロック10は、グラウト・チャンバ35と流体連通するグラウト導入スクープ(図示せず)を備えることができる。更に、前記開口部45,47は、実質的に円形状であるが、これらを長円状、四角形状、その他の適当な形状などする他の構成も可能である。前記グラウト・チャンバ35は、ブロック10と一体形成して、一体の単一構造体を構成するようにすることができる。前記グラウト・チャンバ35は、又、複数のピースから構成することも可能である。具体的には、グラウト・チャンバ35は、ボルトや溶接などの固定構造によってブロック10の残り部分に対して別体として形成して固定することができる。
【0023】
図4及び5を参照すると、設置作業中において、前記ブロック10は、前記側壁17と底壁19とに形成された前記開口部45,47を通してグラウト・チャンバ35に流入するグラウト50,52によって位置固定される。このグラウト50,52は、更に、グラウト・チャンバ35とブロック10との回りを、ブロック10の側壁17の上部に向けて上方にも流れる。
【0024】
一実施例において、前記暗渠フィルタ・ブロック10は、図4と図5とに全体として図示されているように設置される。具体的には、図4に図示されているように、ブロック10は、濾床54上に設けられたレベリング用グラウト50に位置決め又はセットされる。前記レベリング用グラウト50は、前記底壁19の開口部45を介して僅かにグラウト・チャンバ35内へと突出している。前記レベリング用グラウト50が十分に硬化すると、側部グラウト52を適用する。側部グラウト52の設置中、ブロック10の下方部33のグラウト・チャンバ35は、少なくとも部分的にグラウトによって満たされる。図5に図示されているように、前記グラウト・チャンバ35全体を設置後にグラウトによって満たすことができる。グラウト・チャンバ35の開口部45,47からのグラウトの突出によって、ブロック10がしっかりと位置保持され、それによってブロック10に作用する浮揚力に打ち勝つ。更に、暗渠フィルタ・ブロック10、特に、ブロック10の底壁19、が、グラウト・チャンバ35に進入するグラウト50,52によって強化される。前記底壁19とブロック10との硬化によって、内部圧力によるブロック10のたわみと変形が減少する。従って、前記グラウト・チャンバ35と開口部45,47とによって、ブロック10を介する水頭損失によって生じる内部圧力によるアップリフト障害が防止され、フィルタ・ブロック10が濾床54上でしっかりと保持される。別の実施例において、前記フィルタ・ブロック10は、このブロック10を、上方及び底ブロック支持体(図示せず)によってしっかりと保持し、ブロック10の底壁19と濾床54との間で、ブロック10の側壁17に沿って、短い時間フレーム内で、グラウトを設置することによって設置される。
【0025】
図6及び図7を参照すると、第2実施例による暗渠フィルタ・ブロック75が図示されている。この暗渠フィルタ・ブロック75は、図1−5に図示し、前述した暗渠フィルタ・ブロック10に類似している。類似のパーツには類似の参照番号が使用されている。この実施例の暗渠フィルタ・ブロック75も、上壁15と、一対の側壁17と、底壁19とを備え、これらは、それぞれ、上面21と、側面23と底面25とを形成している。前記ブロックは、前記上壁15と、側壁17と底壁19との外面上に複数の補強リブ27を備えている。これらのリブ27は、ブロックの回りを周方向にほぼ延出し、上壁15上のリブ27は、上壁15から側壁17へと延出するにあたっては不連続である。但し、前記リブ27は、側壁17から底壁19へは連続的に延出している。一方の側壁17から他方の側壁17へと横壁29が延出してブロック75の内部を上方部31と下方部33とに分割している。ブロック75の前記下方部33は、前記横壁29、側壁17及び底壁19によって形成されるグラウト・チャンバ35を備えている。このグラウト・チャンバ35は、ブロック75の全長の一部分のみに沿って延出している。更に、前記側壁17のおのおのは、前記横壁が始まるところで内側に陥没している。従って、前記グラウト・チャンバ35は、前記側壁17の最外部分に対して陥没している。
【0026】
再び図6及び図7を参照すると、前記ブロック75の上方部31は、前記横壁29から延出して前記上壁15に接続される内部湾曲壁77によって形成される、第1チャンバ37と一対の第2チャンバ40,41とを備えている。前記湾曲壁77と第2横壁81とによってガス導管79が区画形成されている。前記上壁15と前記湾曲壁77と第2横壁81とは、液体と気体の分配を提供する複数のオリフィス(図示せず)を形成している。前記フィルタ・ブロック10の底壁19は、前記グラウト・チャンバ35内へと延出する複数の開口部45を形成している。前記側壁17も、前記ブロック75の下方部33に複数の開口部47を形成し、これら開口部47はグラウト・チャンバ35内へと延出している。図6に図示されているように、前記ブロック75は、複数の開口85を形成する端部接続部83を備えている。前記開口部85は、前記ブロック75の長手軸心に対して平行な方向で前記端部接続部83を貫通して延出している。前記端部接続部83は、図1−5に図示のブロック10に関して上述したように、複数のブロック75を端部同士で固定するために利用することができる。前記ブロック75は、図1−5に図示のブロック10に関して上述した類似の方法で設置することができる。
【0027】
図8を参照すると、第3実施例による暗渠フィルタ・ブロック90が図示されている。この暗渠フィルタ・ブロック90は、図1−5に図示し、前述した暗渠フィルタ・ブロック10に類似している。類似のパーツには類似の参照番号が使用されている。この実施例の暗渠フィルタ・ブロック90は、当該ブロック90の底面から延出するリブ96間に位置する壁セグメント94によって形成される複数のグラウト・チャンバ92を備えている。前記壁セグメント94は、前記リブ96間を長手方向に延出している。従って、前記グラウト・チャンバ92は、前記リブ96と壁セグメント94とによって形成されている。前記壁セグメント94は、それぞれ、図1−5に図示した暗渠フィルタ・ブロック10の開口部45に関連して前述したように、グラウトを受けるための複数の開口部98を形成している。前記ブロック90の内部101は、第1及び第2の導管を形成するべく傾斜延出壁又は湾曲壁を備える上述した暗渠フィルタ・ブロック10,75の上方部31に類似のものとすることができる。前記ブロック90は、図1−5に図示したブロック10と同様に設置可能であるが、ここでは、グラウト・チャンバ92の開口側部がブロック10の開口部47ではなくグラウトを受ける。
【0028】
図9を参照すると、第4実施例による暗渠フィルタ・ブロック110が図示されている。この暗渠フィルタ・ブロック110は、図1−5に図示し、前述した暗渠フィルタ・ブロック10に類似している。類似のパーツには類似の参照番号が使用されている。前記暗渠フィルタ・ブロック110は、図1−5に図示した暗渠フィルタ・ブロック10と同様に、底壁19に形成された開口部45と、側壁17のそれぞれに形成された開口部47とを備えている。但し、暗渠フィルタ・ブロック110の開口部47は、側壁17が底壁19と結びつく位置に位置し、これら開口部47は非円形に形成されている。具体的には、前記暗渠フィルタ・ブロック110の開口部47は、全体として平坦な底部を備える上方円形部分を有する。前記ブロック110は、図1−5に図示したブロック10に関連して上述したように設置することができる。
【0029】
図10を参照すると、第5実施例による暗渠フィルタ・ブロック120が図示されている。この暗渠フィルタ・ブロック120は、図1−5に図示し、前述した暗渠フィルタ・ブロック10に類似している。類似のパーツには類似の参照番号が使用されている。前記暗渠フィルタ・ブロック120は、前記ブロック120の全長に渡っては延出しないことによってブロック120の端部の近傍に切り欠き122を形成しているグラウト・チャンバ35を備えている。前記暗渠フィルタ・ブロック120の側壁17の開口部47は、図9に図示した暗渠フィルタ・ブロック110に関連して上述したものに類似している。前記切り欠き122は、支持構造体(図示せず)を受け入れるように構成されている。例えば、前記切り欠き122は、ユニ・ストラット(uni-strut)を受け入れることができる。前記ブロック120は、図1−5に図示したブロック10に関連して上述したように設置することができる。
【0030】
図11を参照すると、第6実施例による暗渠フィルタ・ブロック130が図示されている。この暗渠フィルタ・ブロック130は、図1−5に図示し、前述した暗渠フィルタ・ブロック10に類似している。類似のパーツには類似の参照番号が使用されている。前記暗渠フィルタ・ブロック130は、当該暗渠フィルタ・ブロック130の底面136上に位置する格子状構造体134によって形成される複数のグラウト・チャンバ132を備えている。前記ブロック130の底面136は、前記グラウト・チャンバ132のそれぞれの内部へと延出する複数の空気抜き開口部138を形成している。前記格子状構造体134は、前記底面136のたわみと変形を抑制するべくブロック130を強化する。更に、前記グラウト・チャンバ132のそれぞれは、図1−5に図示の暗渠フィルタ・ブロック10のグラウト・チャンバ35に関連して上述したのと同様にグラウトを受け入れる。前記空気抜き開口部138は、グラウト・チャンバ132が確実にグラウトによって満たされるように空気が排気されることを許容するとともに、ブロック130を硬化し強化する。前記ブロック130は、図1−5に図示したブロック10に関連して上述したように設置することができる。
【0031】
図12を参照すると、第7実施例による暗渠フィルタ・ブロック150が図示されている。この暗渠フィルタ・ブロック150は、図9に図示した暗渠フィルタ・ブロック110に類似している。前記フィルタ・ブロック150は、別体の第1及び第2ピース152,154から形成されている。前記第1ピース152は、上壁156と側壁158と底壁160とによって形成され、この第1ピース152の回りを周方向に延出する複数のリブ162を備える、矩形体を有する。前記第1ピース152は、中空内部を有し、前記側壁158と底壁160とによって形成される開口部164,166を備えている。前記第2ピース154は、横壁168と湾曲壁170とを含む内壁を形成している。前記湾曲壁170は、前記横壁168に固定されている。図示はされていないが、前記第2ピース154(特に、前記湾曲壁170)には、一般的に従来技術に知られている流体の流れ用のオリフィスを設けることができる。前記第1及び第2ピース152,154は、単一の一体構造体として一体形成されている。但し、これら第1及び第2ピース152,154を複数のピースから個別に形成することも可能である。
【0032】
図12に図示されているように、前記暗渠フィルタ・ブロック150は、前記横壁168の外縁を側壁158の内面によって形成される溝174に係合させた状態で第2ピース154を第1ピース152に挿入することによって組みつけられる。前記第2ピース154は、更に、前記第1ピース152の上壁156と、第2ピース154の湾曲壁170の上部の係合ボス172とを通して延出するファスナ(図示せず)によって前記第1ピース152に対して固定される。第1ピース152と第2ピース154とを組み付けた後、前記第2ピース154の前記横壁168と、前記側壁158の底部と、前記底壁160とによって、例えば、図1−5に図示した暗渠フィルタ・ブロック10関連して上述したようなグラウト・チャンバが形成される。前記第2ピース154の湾曲壁170の横壁168は、第1導管を形成する。同様に、前記第1ピース152と前記横壁168と前記湾曲壁170とによって第2導管が形成される。
【0033】
図13を参照すると、第8実施例による暗渠フィルタ・ブロック180が図示されている。この暗渠フィルタ・ブロック180は、図6及び図7に図示した暗渠フィルタ・ブロックに類似している。但し、この暗渠フィルタ・ブロック180は、グラウト・チャンバを形成するべく、互いに別体の第1ピース182及び第2ピース184から形成されている。前記第1ピース182は、上壁186、側壁188及び底壁190によって形成される矩形体を有する。前記第1ピース182は、前記第1ピース182の周囲において周方向に延出する複数のリブ192を有する。前記第1ピース182は、更に、内部湾曲壁194と内部横壁196とを有し、これらによって第1及び第2導管が形成されている。前記第2ピース184は、矩形の底壁201に固定された一対の矩形の側壁198を備えている。前記第2ピース184は、前記側壁198に形成された開口部203と、前記底壁201に形成された開口部205とを形成している。
【0034】
図13に図示されているように、前記暗渠フィルタ・ブロック180は、前記第2ピース184を第1ピース182取り付けることによって組みつけられる。更に詳しくは、前記第2ピース184は、側壁198状のボス207を備え、これらボス207を貫通して延出するファスナ209によって前記第1ピース182の底壁190に固定される。前記第2ピース184の側壁198は、第1ピース182のリブ192を受け入れるノッチ211を形成している。前記第1ピース182の底壁190には予め穿孔することができ、或いは、自己タッピング式ファスナを利用することも可能である。第1ピース182と第2ピース184とが組み付けられた後、前記第1ピース182の底壁190と、第2ピース184の側壁198と第2ピース184の底壁201とによって、例えば、図1−5に図示した暗渠フィルタ・ブロック10に関連して上述したようなグラウト・チャンバが形成される。前記第1ピース182は、図6及び図7に図示した暗渠フィルタ・ブロック75に関連して上述したように第1及び第2導管を形成する。
【0035】
図14を参照すると、第9実施例による暗渠フィルタ・ブロック220が図示されている。この暗渠フィルタ・ブロック220は、図13に図示した暗渠フィルタ・ブロック180に類似している。この暗渠フィルタ・ブロック220は、グラウト・チャンバを形成するべく、互いに別体の第1ピース222及び第2ピース224から形成されている。前記第1ピース222は、上壁226、側壁228及び底壁230によって形成される矩形体を有する。前記第1ピース222は、更に、内部湾曲壁232と内部横壁234とを有し、これらによって第1導管及び第2導管が形成されている。前記第2ピース224は、矩形の底壁238に固定された一対の矩形の側壁236を備えている。前記第2ピースは、前記側壁236に形成された開口部240と、前記底壁238に形成された開口部242とを形成している。
【0036】
図14に図示されているように、前記暗渠フィルタ・ブロック220は、前記第2ピース224を前記第1ピース222に挿入し、前記第2ピース224を第1ピース222に取り付けることによって組みつけられる。より詳しくは、前記第2ピース224は、前記側壁236に形成されたファスナ穴244を備え、第1ピース222及び第2ピース224の側壁228,236を貫通して延出するファスナ246によって第1ピース222の側壁228に固定される。第1ピース222と第2ピース224とが組み付けられた後、前記第1ピース222の底壁230と、第2ピース224の側壁236と第2ピース224の底壁238とによって、例えば、図1−5に図示した暗渠フィルタ・ブロック10に関連して上述したようなグラウト・チャンバが形成される。前記第1ピース222は、図6及び図7に図示した暗渠フィルタ・ブロック75に関連して上述したように第1導管及び第2導管を形成する。
【0037】
図15を参照すると、第10実施例による暗渠フィルタ・ブロック260が図示されている。この暗渠フィルタ・ブロック260は、図8に図示した暗渠フィルタ・ブロック90に類似している。この暗渠フィルタ・ブロック260は、図8に図示したブロック90に関連して上述した、複数のグラウト・チャンバを形成するべく、互いに別体の第1ピース262及び第2ピース264から形成されている。前記第1ピース262は、ほぼ矩形であり、上壁266、側壁268及び底壁270によって形成されている。前記第1ピース262は、この第1ピース262の回りを周方向に延出するとともに、前記底壁270からも延出する複数のリブ272を備えている。前記第2ピース264は、複数の開口部274と複数のファスナ穴276とを形成する板状矩形体である。図15に図示されているように、前記暗渠フィルタ・ブロック260は、ファスナ278によって第2ピース264を第1ピース262のリブ272の底に固定することによって組みつけられる。第1ピース262と第2ピース264とが組み付けられた後、前記第1ピース262の底壁270と、リブ272と第2ピース264とによって、例えば図8に図示した暗渠フィルタ・ブロック90に関連して上述したような複数のグラウト・チャンバが形成れされる。
【0038】
以上本発明を好適実施例を参照して説明した。以上の詳細説明を読み理解することによって当業者は、改造及び改変を容易に想到するであろう。本発明は、そのような改造及び改変を含むものと理解される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
濾床内の濾材を排水し逆洗するのに使用される暗渠フィルタ・ブロックであって、
上壁と、前記上壁から延出する側壁対と、前記側壁対の間に延出する底壁と、前記側壁対の一方から前記側壁対の他方へと延出する横壁と、を有し、
前記上壁と前記側壁対と前記底壁とによって上方部と下方部とが形成され、前記下方部は、前記底壁と前記横壁との間に位置するグラウト・チャンバを有し、更に、前記底壁と前記側壁対との少なくとも一方は開口部を有する暗渠フィルタ・ブロック。
【請求項2】
前記底壁と前記側壁対とによって前記下方部に複数の開口部が形成される請求項1に記載の暗渠フィルタ・ブロック。
【請求項3】
前記上方部は、一対の傾斜延出壁によって形成される、第1チャンバと、少なくとも1つの第2チャンバとを有する請求項1に記載の暗渠フィルタ・ブロック。
【請求項4】
前記上壁、前記横壁および前記側壁対の一部は第1ピースを含み、前記底壁および前記側壁対の一部は第2ピースを含み、前記第1ピースは前記第2ピースに固定されている請求項1に記載の暗渠フィルタ・ブロック。
【請求項5】
更に、前記側壁対と前記底壁とにそってほぼ周方向に延出する複数のリブを有する請求項1に記載の暗渠フィルタ・ブロック。
【請求項6】
前記グラウト・チャンバは、前記暗渠フィルタ・ブロックの全長に渡って延出している請求項1に記載の暗渠フィルタ・ブロック。
【請求項7】
前記グラウト・チャンバは、前記暗渠フィルタ・ブロックの全長の一部にのみ亘って延出している請求項1に記載の暗渠フィルタ・ブロック。
【請求項8】
前記グラウト・チャンバは、前記側壁対の最外部分に対して内方に陥没している請求項1に記載の暗渠フィルタ・ブロック。
【請求項9】
前記上方部は、湾曲壁によって形成される、第1チャンバと少なくとも1つの第2チャンバとを備える請求項1に記載の暗渠フィルタ・ブロック。
【請求項10】
前記複数の開口部のそれぞれは円形状である請求項1に記載の暗渠フィルタ・ブロック。
【請求項11】
濾床内の濾材を排水し逆洗するのに使用される暗渠フィルタ・ブロックであって、
上壁と、前記上壁から延出する側壁対と、前記側壁対の間に延出する底壁と、を有し、
前記上壁と前記側壁対と前記底壁とによって上方部と下方部とが形成され、前記下方部は、前記底壁の底面上に位置する格子状構造体によって形成される複数のグラウト・チャンバを有し、前記暗渠フィルタ・ブロックの前記底面は、前記複数のグラウト・チャンバのそれぞれの内部へと延出する複数の空気抜き開口部を備える暗渠フィルタ・ブロック。
【請求項12】
濾床内の濾材を排水し逆洗するのに使用される暗渠フィルタ・ブロックであって、
上壁と、前記上壁から延出する側壁対と、前記側壁対の間に延出する底壁と、前記側壁対と前記底壁とに沿って周方向に延出する複数のリブと、前記複数のリブ間に延出して複数のグラウト・チャンバを形成する複数の壁セグメントと、を備える暗渠フィルタ・ブロック。
【請求項13】
前記複数の壁セグメントは、前記底壁の下方に位置する請求項12に記載の暗渠フィルタ・ブロック。
【請求項14】
前記複数の壁セグメントのそれぞれは、複数の開口部を備えている請求項12に記載の暗渠フィルタ・ブロック。
【請求項15】
更に、湾曲壁によって形成される、第1チャンバと少なくとも一つの第2チャンバとを備える請求項12に記載の暗渠フィルタ・ブロック。
【請求項16】
暗渠フィルタ・ブロックを設置する方法であって、
前記暗渠フィルタ・ブロックは、上壁と、この上壁から延出する側壁対と、これら側壁対の間に延出する底壁と、前記側壁対の一方から前記側壁対の他方へと延出する横壁とを有し、前記暗渠フィルタ・ブロックは、更に、前記底壁と前記横壁との間に位置するグラウト・チャンバを有し、該グラウト・チャンバは、前記底壁と前記側壁対の一方との少なくとも一つによって形成される少なくとも1つの開口部を備え、
前記暗渠フィルタ・ブロックを濾床の近傍に配置する工程と、
前記側壁対と前記底壁とに沿って、グラウトが前記少なくとも1つの開口部内に延出するように前記グラウトを提供する工程と、を有する暗渠フィルタ・ブロックを設置する方法。
【請求項17】
前記グラウトは、前記濾床上にレベリング用グラウト部分を配置することによって前記暗渠フィルタ・ブロックの前記底壁に沿って提供される請求項16に記載の暗渠フィルタ・ブロックを設置する方法。
【請求項18】
前記暗渠フィルタ・ブロックは、前記暗渠フィルタ・ブロックの前記底壁と前記側壁対とによって形成される複数の開口部を有し、前記底壁および前記側壁対の開口部のそれぞれがグラウトを受ける請求項16に記載の暗渠フィルタ・ブロックを設置する方法。
【請求項19】
前記暗渠フィルタ・ブロックは、前記濾床上の前記レベリング用グラウト部分上に配置される請求項17に記載の暗渠フィルタ・ブロックを設置する方法。
【請求項20】
前記グラウトは、前記暗渠フィルタ・ブロックを前記レベリング用グラウト部分上に配置した後に、前記暗渠フィルタ・ブロックの前記側壁対に沿って提供される請求項19に記載の暗渠フィルタ・ブロックを設置する方法。
【請求項21】
暗渠フィルタ・ブロックを組み付ける方法であって、
上壁と、この上壁から延出する側壁対と、これら側壁対の間に延出する底壁とを備える第1ピースを提供する工程と、
内壁を形成する第2ピースを提供する工程と、
前記第2ピースを前記第1ピースに挿入する工程と、
前記第1ピースを前記第2ピースに固定する工程と、を有する暗渠フィルタ・ブロックを組み付ける方法。
【請求項22】
前記第2ピースの前記内壁は、横壁と湾曲壁とを備える請求項21に記載の暗渠フィルタ・ブロックを組み付ける方法。
【請求項23】
更に、前記第1ピースの前記側壁によって形成される溝を、前記第2ピースの前記横壁に係合する工程を有する請求項22に記載の暗渠フィルタ・ブロックを組み付ける方法。
【請求項24】
更に、前記第2ピースの前記横壁を前記第1ピースの前記底壁から離間させる工程を有する請求項22に記載の暗渠フィルタ・ブロックを組み付ける方法。
【請求項1】
濾床内の濾材を排水し逆洗するのに使用される暗渠フィルタ・ブロックであって、
上壁と、前記上壁から延出する側壁対と、前記側壁対の間に延出する底壁と、前記側壁対の一方から前記側壁対の他方へと延出する横壁と、を有し、
前記上壁と前記側壁対と前記底壁とによって上方部と下方部とが形成され、前記下方部は、前記底壁と前記横壁との間に位置するグラウト・チャンバを有し、更に、前記底壁と前記側壁対との少なくとも一方は開口部を有する暗渠フィルタ・ブロック。
【請求項2】
前記底壁と前記側壁対とによって前記下方部に複数の開口部が形成される請求項1に記載の暗渠フィルタ・ブロック。
【請求項3】
前記上方部は、一対の傾斜延出壁によって形成される、第1チャンバと、少なくとも1つの第2チャンバとを有する請求項1に記載の暗渠フィルタ・ブロック。
【請求項4】
前記上壁、前記横壁および前記側壁対の一部は第1ピースを含み、前記底壁および前記側壁対の一部は第2ピースを含み、前記第1ピースは前記第2ピースに固定されている請求項1に記載の暗渠フィルタ・ブロック。
【請求項5】
更に、前記側壁対と前記底壁とにそってほぼ周方向に延出する複数のリブを有する請求項1に記載の暗渠フィルタ・ブロック。
【請求項6】
前記グラウト・チャンバは、前記暗渠フィルタ・ブロックの全長に渡って延出している請求項1に記載の暗渠フィルタ・ブロック。
【請求項7】
前記グラウト・チャンバは、前記暗渠フィルタ・ブロックの全長の一部にのみ亘って延出している請求項1に記載の暗渠フィルタ・ブロック。
【請求項8】
前記グラウト・チャンバは、前記側壁対の最外部分に対して内方に陥没している請求項1に記載の暗渠フィルタ・ブロック。
【請求項9】
前記上方部は、湾曲壁によって形成される、第1チャンバと少なくとも1つの第2チャンバとを備える請求項1に記載の暗渠フィルタ・ブロック。
【請求項10】
前記複数の開口部のそれぞれは円形状である請求項1に記載の暗渠フィルタ・ブロック。
【請求項11】
濾床内の濾材を排水し逆洗するのに使用される暗渠フィルタ・ブロックであって、
上壁と、前記上壁から延出する側壁対と、前記側壁対の間に延出する底壁と、を有し、
前記上壁と前記側壁対と前記底壁とによって上方部と下方部とが形成され、前記下方部は、前記底壁の底面上に位置する格子状構造体によって形成される複数のグラウト・チャンバを有し、前記暗渠フィルタ・ブロックの前記底面は、前記複数のグラウト・チャンバのそれぞれの内部へと延出する複数の空気抜き開口部を備える暗渠フィルタ・ブロック。
【請求項12】
濾床内の濾材を排水し逆洗するのに使用される暗渠フィルタ・ブロックであって、
上壁と、前記上壁から延出する側壁対と、前記側壁対の間に延出する底壁と、前記側壁対と前記底壁とに沿って周方向に延出する複数のリブと、前記複数のリブ間に延出して複数のグラウト・チャンバを形成する複数の壁セグメントと、を備える暗渠フィルタ・ブロック。
【請求項13】
前記複数の壁セグメントは、前記底壁の下方に位置する請求項12に記載の暗渠フィルタ・ブロック。
【請求項14】
前記複数の壁セグメントのそれぞれは、複数の開口部を備えている請求項12に記載の暗渠フィルタ・ブロック。
【請求項15】
更に、湾曲壁によって形成される、第1チャンバと少なくとも一つの第2チャンバとを備える請求項12に記載の暗渠フィルタ・ブロック。
【請求項16】
暗渠フィルタ・ブロックを設置する方法であって、
前記暗渠フィルタ・ブロックは、上壁と、この上壁から延出する側壁対と、これら側壁対の間に延出する底壁と、前記側壁対の一方から前記側壁対の他方へと延出する横壁とを有し、前記暗渠フィルタ・ブロックは、更に、前記底壁と前記横壁との間に位置するグラウト・チャンバを有し、該グラウト・チャンバは、前記底壁と前記側壁対の一方との少なくとも一つによって形成される少なくとも1つの開口部を備え、
前記暗渠フィルタ・ブロックを濾床の近傍に配置する工程と、
前記側壁対と前記底壁とに沿って、グラウトが前記少なくとも1つの開口部内に延出するように前記グラウトを提供する工程と、を有する暗渠フィルタ・ブロックを設置する方法。
【請求項17】
前記グラウトは、前記濾床上にレベリング用グラウト部分を配置することによって前記暗渠フィルタ・ブロックの前記底壁に沿って提供される請求項16に記載の暗渠フィルタ・ブロックを設置する方法。
【請求項18】
前記暗渠フィルタ・ブロックは、前記暗渠フィルタ・ブロックの前記底壁と前記側壁対とによって形成される複数の開口部を有し、前記底壁および前記側壁対の開口部のそれぞれがグラウトを受ける請求項16に記載の暗渠フィルタ・ブロックを設置する方法。
【請求項19】
前記暗渠フィルタ・ブロックは、前記濾床上の前記レベリング用グラウト部分上に配置される請求項17に記載の暗渠フィルタ・ブロックを設置する方法。
【請求項20】
前記グラウトは、前記暗渠フィルタ・ブロックを前記レベリング用グラウト部分上に配置した後に、前記暗渠フィルタ・ブロックの前記側壁対に沿って提供される請求項19に記載の暗渠フィルタ・ブロックを設置する方法。
【請求項21】
暗渠フィルタ・ブロックを組み付ける方法であって、
上壁と、この上壁から延出する側壁対と、これら側壁対の間に延出する底壁とを備える第1ピースを提供する工程と、
内壁を形成する第2ピースを提供する工程と、
前記第2ピースを前記第1ピースに挿入する工程と、
前記第1ピースを前記第2ピースに固定する工程と、を有する暗渠フィルタ・ブロックを組み付ける方法。
【請求項22】
前記第2ピースの前記内壁は、横壁と湾曲壁とを備える請求項21に記載の暗渠フィルタ・ブロックを組み付ける方法。
【請求項23】
更に、前記第1ピースの前記側壁によって形成される溝を、前記第2ピースの前記横壁に係合する工程を有する請求項22に記載の暗渠フィルタ・ブロックを組み付ける方法。
【請求項24】
更に、前記第2ピースの前記横壁を前記第1ピースの前記底壁から離間させる工程を有する請求項22に記載の暗渠フィルタ・ブロックを組み付ける方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2013−517135(P2013−517135A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550059(P2012−550059)
【出願日】平成23年1月18日(2011.1.18)
【国際出願番号】PCT/US2011/021522
【国際公開番号】WO2011/088447
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(512188085)ザイレム・ウォーター・ソリューションズ・ズィーリアノウプル・エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月18日(2011.1.18)
【国際出願番号】PCT/US2011/021522
【国際公開番号】WO2011/088447
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(512188085)ザイレム・ウォーター・ソリューションズ・ズィーリアノウプル・エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】
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