説明

曲がりホースのマーキング装置

【課題】曲がりホースの全周等に簡単にマーキングできるようにしたマーキング装置を提供する。
【解決手段】受けロール(5)と補助ロール(6)をマーキング間隙(7)をあけて回転可能に連結したロールユニット(3)、(3)を形成する。このロールユニット(3)を支持台(2)上に隣接して設け、このロールユニット間に曲がりホース(4)を載置する。上記マーキング間隙(7)に沿って移動可能にマーキング杆(13)があり、このマーキング杆(13)に印面(19)が設けられている。マーキング杆(13)を上記曲がりホース(4)の外周に当てて移動させると、曲がりホース(4)は旋回し、その周面にマーキングが施される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のエンジンルーム内等で多用されている曲がりホースに関し、該曲がりホースにマーキングを設けるための曲がりホースのマーキング装置に係るものである。
【背景技術】
【0002】
自動車のエンジンルーム内等で使用されるゴムホース類のうち曲がりホースは、複雑な3次元形状に形成されているので、この曲がりホースに位置決め等の目的でマーキングを施すには、特殊な型枠等に曲がりホースを嵌着し静止させた状態でスタンプ等することが多い(例えば、特許文献1、2参照)。そのため、曲がりホースの全周にマーキングを施す場合には、型枠が2つ以上必要であり、操作も面倒である。
【特許文献1】実公平7−55067号公報(図1、図5)
【特許文献2】実公平6−44690号公報(請求項1、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の解決課題は、上述の如き曲がりホースにマーキングを施す際に、特殊な型枠等を用いる必要がなく、かつ全周にマーキングすることもできるようにした曲がりホースのマーキング装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、受けロールと補助ロールをマーキング間隙をあけて回転可能に連結したロールユニットを形成し、該ロールユニット間に曲がりホースを載置して回転可能に担持できるよう一対の上記ロールユニットを支持台上に隣接して設け、上記マーキング間隙に降下して上記曲がりホースの周面に接するよう印面を有するマーキング杆を形成し、該マーキング杆を上記マーキング間隙に沿って移動可能に設けた曲がりホースのマーキング装置が提供され、上記課題が解決される。
【発明の効果】
【0005】
本発明は上記のように構成され、一対のロールユニット間に曲がりホースを載置し、マーキングする部分が上記ロールユニットの受けロールと補助ロール間のマーキング間隙に位置するように位置決めし、このホース上にマーキング杆を降下させてマーキング間隙に沿って移動させることにより、曲がりホースを旋回させながらその周面の全周若しくは一部にマーキングを施すことができる。このとき、上記曲がりホースは、マーキング杆の印面が接してマーキングされる部分の支持は、空所(マーキング間隔)となっているが、その両側が受けロールと補助ロールで支持されているので、旋回中に左右にずれたりすることがなく確実に支持され、所定位置にきれいにマーキングすることができる。また、補助ロールの幅を受けロールの幅より狭く形成しておけば、曲がりホースの屈曲部近くにマーキングを施す際にも上記マーキング間隙に該マーキング部を位置させることができ、曲がりホースの適宜の部位にマーキングすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図面は、本発明の一実施例を示し、本発明の曲がりホースのマーキング装置は、基板(1)上に支持台(2)を有し、該支持台(2)に一対のロールユニット(3)、(3)を回転可能に隣接して設けてあり、該支持台(2)の高さは、該ロールユニット(3)間に載置した曲がりホース(4)が旋回できる高さに形成されている。なお、旋回可能な範囲は、マーキング長さに応じて360度若しくはそれ以下としてもよい。
【0007】
上記ロールユニット(3)は、受けロール(5)と補助ロール(6)を、マーキング間隙(7)をあけて連結し、軸(8)に回転可能に嵌着してある。該軸(8)は、ブラケット(9)、(10)を介して上記支持台(2)に取り付けられ、各ロールユニットのマーキング間隙(7)は横方向に連通している。なお、該ブラケットは適宜、取付位置を調整可能に設けることもできる。
【0008】
上記受けロール(5)の表面には、適宜形状のローレット等を設けて滑り止め面(11)を形成してある。また、補助ロール(6)の幅は、好ましくは上記受けロール(5)の幅より狭く形成され、図に示す実施例ではほぼフランジ状に形成されている。
【0009】
上記基板(1)の一側には、支柱(12)を設けてあり、該支柱(12)には長手方向に移動可能にかつ揺動可能にマーキング杆(13)が保持されている。図に示す実施例では、L型材を間隔(14)をあけて起立状態に固定して支柱(12)とし、該支柱に支軸(15)、(16)を上下に対設してその間に板状のマーキング杆(13)を遊動状態に挿通し、該マーキング杆(13)の端部近くに設けたストッパー(17)が支柱(12)に当るまでマーキング杆を移動できるようにしてあるが、その他適宜の構成にしてもよい。なお、上記支柱(12)の間隔(14)は、上記ロールユニット(3)のマーキング間隙(7)とほぼ一直線状に並ぶように設けてある。
【0010】
上記マーキング杆(13)の先端にはハンドル(18)を設けてあり、また、マーキングを施すための印面(19)が取り付けられている。該印面(19)は、マーキングの図形に応じて交換可能であり、図示するものでは幅線状のマーキングを施すことができるよう板状の印面を形成してある。
【0011】
上記支柱(12)と支持台(2)間には、インクパッド(20)を設けてあり、このインクパッド面の高さは、上記マーキング杆(13)を支柱(12)から引き出して少し降下させることにより上記印面(19)にインクを容易に付着できる高さに形成してある。
【0012】
而して、曲がりホース(4)は、マーキングすべき部位が上記ロールユニット(3)のマーキング間隙(7)に位置するように該ロールユニット(3)、(3)間に載置される。そして、上記マーキング杆(13)を支柱(12)から引き出し、途中で印面(19)にインク付着させてから上記マーキング間隙(7)に向けて降下させれば、上記印面(19)は曲がりホース(4)の外周面に当接する。その状態からマーキング杆(13)をさらに手前に引き出せば、曲がりホース(4)は印面(19)に押された状態で回転し、その周面にマーキングが施される。その後、マーキング杆(13)を上昇させて支柱(12)方向へ戻し、マーキングの施された曲がりホース(4)を取り出せばよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施例を示す斜視図。
【図2】側面図。
【図3】ロールユニットの平面図。
【図4】ロールユニット部分の説明図。
【符号の説明】
【0014】
1 基板
2 支持台
3 ロールユニット
4 曲がりホース
5 受けロール
6 補助ロール
7 マーキング間隙
12 支柱
13 マーキング杆
19 印面
20 インクパッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受けロールと補助ロールをマーキング間隙をあけて回転可能に連結したロールユニットを形成し、該ロールユニット間に曲がりホースを載置して回転可能に担持できるよう一対の上記ロールユニットを支持台上に隣接して設け、上記マーキング間隙に降下して上記曲がりホースの周面に接するよう印面を有するマーキング杆を形成し、該マーキング杆を上記マーキング間隙に沿って移動可能に設けた曲がりホースのマーキング装置。
【請求項2】
上記補助ロールは上記受けロールの幅より幅狭に形成されている請求項1に記載の曲がりホースのマーキング装置。
【請求項3】
上記受けロールの表面には、滑り止め面が形成されている請求項1または2に記載の曲がりホースのマーキング装置。
【請求項4】
上記マーキング杆は支柱に長手方向に移動可能かつ揺動可能に保持され、該支柱と上記支持台間にはインクパッドが設けられている請求項1に記載の曲がりホースのマーキング装置。
【請求項5】
上記支持台はロールユニット間上の曲がりホースが旋回可能な高さを有している請求項1に記載の曲がりホースのマーキング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−185863(P2007−185863A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−5795(P2006−5795)
【出願日】平成18年1月13日(2006.1.13)
【出願人】(392010119)帝都ゴム株式会社 (5)