曲げ保護付きケーブルリードイン又はリードアウト
ケーブルを誘導するための本体を備える、壁(60)を通る穴(13)内で使用するのに適したケーブルリードアウト装置(10)であって、該ケーブルは該穴の中の通路に沿って最小許容曲げ半径を有し、該通路は該本体により画定され、該穴の出入り口を介して該穴の中の第1の点から該穴の外部の第2の点まで弧状に伸び、該第1の点が、該通路に沿って誘導される該ケーブルが、実質的にはその最小許容曲げ半径で弧状を描くような位置で該穴の中に位置する。該装置(10)は、管部分(12)と、係合する端部(24)を有する首部(26)と、弧形の通路(15)を有するホーン部分(14)と、終端する端部(16)とからなる。該装置(10)は電気ケーブル及び光ケーブルに適している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバケーブル等の電気通信ケーブルを制御、誘導するための装置と方法に関し、特にカスタマのエントリポイントにある建物の中に、該構内を外部トランクネットワークに接続するために光ケーブルが引き込まれる方法に関して、特に関連性がある。
【背景技術】
【0002】
現在、電気通信ネットワークは、実質的には光ファイバから構成されているトランクネットワークと、銅ワイヤ対から構成されるローカルアクセスネットワークを備える。将来、該アクセスネットワークを含むネットワーク全体が、ファイバから構成されることが予想されている。しかしながら、光ケーブルと銅ワイヤの特性は、後述されるようにきわめて異なることが知られているため、その結果ケーブルラン、建物進入方法、及びファイバと銅のためのネットワーク終端装置は異なる。つまり、一般的にはインフラストラクチャを完全に交換しなければならないであろうために、設備を銅から光ファイバにアップグレードすることは高価であり、容易に達成できない。
【0003】
トランクネットワークからカスタマの構内に光ファイバを設置する好ましい方法は、(元は欧州特許第0108590号に説明されるような)吹き入れ(blowing-in)方法による。吹き付けられたファイバ管は、該構内の壁に作られる穴を通過してその中に入るために、最初にカスタマの敷地の外壁に沿って送られ、次に90度回転される。光ファイバは次に管の中に吹き入れられる。
【0004】
誤解を避けるために、本説明における用語「カスタマの構内」は、光ファイバ等の電気通信ケーブルが進入するすべての建物を含む。「ケーブル」は、文脈によって、銅対、光ファイバ、吹き付け(blown)ファイバ、吹き付けファイバ管、又は他の電気通信ケーブルを指すように解釈されるものとする。
【0005】
問題は銅対と光ファイバの相違点の1つにある。銅と異なり、光損失は光ファイバ曲げ又は曲線の現場で発生する。鋭い曲げは、機械的な故障だけではなくかなりの光損失も引き起こす場合がある。曲げがきついほど、損失は悪化する(出典:John Crisp、「光ファイバ入門(Introduction to Fiber Optics)」2001年版、53ページ)。ファイバは使用中に曲げることができるが、過剰に曲げると、ファイバの損傷及び/又はかなりの光損失を生じさせる結果となるであろう。これが受け入れがたい放射損失を生じさせるため、ケーブルをそれ以上曲げてはならない限度が最小曲げ半径として知られている(出典:電気通信電話会社用語集2000のための米国標準規格(American National Standard for Telecommunications Telecom Glossary2000))。
【0006】
コア、クラッディング、及び一次バッファのみを備える裸の光ファイバは、通常約50mmの最小許容曲げ半径を有する。その外部保護層及び光ファイバの束を含むファイバケーブルは、さらに大きな最小許容曲げ半径も有する。したがって、単一の光ファイバは角を周回するために90度を超えて直接的に曲げることはできない。最小曲げ半径要件を尊重するニーズは、例えばそれがカスタマの構内の壁の中のアクセス穴に進入し、それが壁の他の側面の穴を出るために同様に突出する場合等、単一のファイバさえ曲げの場所では著しく突出することを意味する(説明を簡単にするために、これ以降、ケーブルの穴の中への「進入」等の参照は、文脈が許す場合には「出口」を含み、逆の場合も同じである)。
【0007】
それがアクセス穴を出るときのファイバの最小許容曲げ半径により提示される、この問題に対処する1つの公知の方法は、ファイバの少なくとも1つのループが、ファイバが出るアクセス穴に近接する壁に固定できるようにすることである。相対的に大きなカスタマ引込み線ハウジング(CLI)装置は、ファイバのループ(複数の場合もある)を収容するため、それを干渉と損傷から保護するために使用される。出るファイバの半径は、通常このようなCLI装置によって制御されない。
【0008】
このようなCLIハウジング装置のサイズを縮小する改善策は、欧州特許第0748460号に説明されている。このCLI装置はさらに図1と対照して説明されるが、それはファイバ破断又は損失から保護する一方で、本来は、ファイバの半径を実質的にその最小値まで縮小するために、出口ケーブルの経路を制御することを含む。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、穴から出る光ファイバの突出を削減することによって、装置内の引込み線の嵩張りをさらに細くする。本発明の引込み線装置の小ささにより、それは追加の機能性を加えるために他の構成要素と共に使用できるようになる。本発明はさらに、銅ワイヤと光ファイバの両方のために引込み線装置を使用できるようにし、いったん建物の骨組の中に設置されると、これらの構成要素を廃棄し、交換する必要なく、銅システムをアップグレードできるという重要な結果となる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の態様において、本発明は壁を通る穴の中で使用するのに適したケーブルリードアウト装置を提供し、該装置はケーブルを誘導するための本体を備え、該ケーブルは該穴の中の経路に沿って最小許容曲げ半径を有し、該経路は該本体により画定され、該穴の出入り口を介して該穴の中の第1の点から該穴の外の第2の点まで弧状に伸張し、該第1の点は該穴の該表面にある、あるいはこれに近接する位置にある該穴の中に位置し、その結果該通路に沿って誘導される該ケーブルは、その最小許容曲げ半径以上で弧を描く。
【0011】
第2の態様では、本発明は壁の穴の中に位置するケーブルリードアウト装置を提供し、該装置はケーブルを誘導するための本体を備え、該ケーブルは該穴の中の経路に沿って最小許容曲げ半径を有し、該経路は該本体によって画定され、該穴の出入り口を介して該穴の中の第1の点から該穴の外の第2の点まで弧状に伸張し、該第1の点は、該通路に沿って誘導される該ケーブルが実質的にはその最小許容曲げ半径で弧を描くような位置で、該穴の中に位置する。
【0012】
追加の態様では、本発明は、表面の穴の中の位置選定のためのケーブルリードアウト装置を、該穴から最小許容曲げ半径を有するケーブルを誘導するために提供し、該装置は該穴の中での位置選定のための本体を有し、該本体は該ケーブルを収容するために通路を画定し、該通路は、該通路が、該穴の外の第2の点を介して該穴の該長手方向軸と平行である長手方向軸を有し、該第2の点での該通路の該長手方向軸が第1の点での長手方向軸に直交している、あるいは実質的に直交している該穴の中の該第1の点から、該穴の外の出口まで弧状に伸張し、そこで該ケーブルは該装置から出現し、該第1の点の該位置は、使用中、該装置も、それが該出口から出現する該ケーブルも、該ケーブルの最小許容曲げ半径より多く該表面から突出しない、該穴の内側で十分に遠い。
【0013】
本発明の実施形態は、ここで添付図面を参照して例証としてのみ説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、欧州特許第0748460号の従来の技術のカスタマ引込み線(CLI)ユニットを描いている。図1Aは、この従来の技術のユニットが2つの部分、つまりケーブルを収容するために適した直径の、同様に穴があけられている(4)別個の補足部分(3)と係合可能な中空軸穴(2)を備えるプラグ(1)を含む引込み線装置を有することを示している。係合時、引込み線装置の穴と補足部分の穴は、該ケーブル又は光ファイバがCLIユニットを通過できるようにするために一列に並んでいる。補足部分は、光ファイバが引込み線装置の出入り口から出るときに、光ファイバを受け入れるために作動する。補足部分の中の穴(4)は、光ファイバによって取られる経路を誘導し、制御するために配列されている。該曲線は光ファイバの経路の半径を最小曲げ半径で、あるいは最小曲げ半径近くに(例えばすぐ上に)保つために計算される。
【0015】
図1Bは、使用中の従来の技術のCLIユニットを示している。プラグ(1)は摩擦によって、又はそれ以外によってカスタマの壁(60)のアクセス穴と係合され、その結果プラグの出入り口(2)はアクセス穴の出入り口と実質的に同一平面にある。補足部分(3)は、光ケーブルがアクセス穴から出るときに光ケーブルを受け入れるために作動する。補足部分の中の穴の経路は、壁に入り込む又は壁から出現する光ファイバの最小曲げ半径に対処するために適した半径に従って90度で曲線を描き、このようにしてファイバが通過する経路を管理する。これによりCLIユニットはファイバの突出を削減できる。
【0016】
図2は、ケーブルの突出をさらに削減する本発明の実施形態を示している。引込み線装置(10)は2つのパーツ、つまり管部分(12)とホーン部分(14)とを備える。
【0017】
ホーン部分は図示されるように管セクションと押し嵌めし、好ましい実施形態では該パーツは組み立て時に互いを基準にして、その軸に垂直に回動可能である。管部分はその全長に沿って、ケーブルを受け入れるための大きさに作られた穴(13)を含む。ホーン部分は、管部分に取り付けられると、ケーブルがそこを通過できるようにするために引込み線装置の全長に沿って連続的な経路を形成する、同様な穴(15)を有する。穴は大部分の場合、真っ直ぐな経路を通る。しかしながら、ホーン部分(14)のセクションは、引込み線装置(16)の終端部に出る穴のセクションが、図面に示されるように曲線状となるように配列される。
【0018】
ここでホーンセクションと管セクションをさらに詳細に説明する。
【0019】
図3は、引込み線装置(10)のホーン部分(14)の実施形態の3つの図を示す。図3Aは、2つのパーツのオス部分とメス部分を協働することによって共に接続される2つのパーツ(14a、14b)を備える、ホーン部分の好ましい実施形態を示す。示されている例では、オス部分(18)はすべてホーン部分の1つの部品(14a)上に設けられ、すべての合わせメス(20)部分は他の部品(14b)上にある。この図面は、1つの部品(14a)のホーン部分の内壁が終端部(16)に出る曲線状の穴経路(15)を作成するために輪郭を描かれている(22)ことを示す。他の部品(14b)は、共に取り付けられると、内壁がホーン部分を通る穴を形成するように、同様に内部で輪郭を描かれている。終端部はケーブルが引込み線装置を出る開口(17)を含む。終端部に向かい合った端部は係合端部(24)であり、引込み線装置が完全に組み立てられると管部分に合う。係合端部はネック(26)に取り付けられている。この配置により、係合端部は、管部分の補足パーツに押し込まれるときにしっかりと「スナップ嵌合」できる。さらに管部分のホーンパーツと協働パーツは、組み立て後に互いに対して回動可能となるように構成される。これによりユーザは出口ケーブルを、それが開口を通って出た後にどの方向に進めさせたいのかを選択できる。
【0020】
図3Bは、組み立てられたホーン部分(14)を構成する、共に取り付けられた2つの部品(14a、14b)を示している。この図面から、係合端部(24)が、1つが(15)で示されている隙間により離間されている2つのセクションを備えるように、ネック(26)がホーン部分の軸に沿って分けられていることが分かる。この好ましい配置により、ユーザのホーン部分を押して、係合端部を管部分に「スナップ嵌合」するタスクが容易になる。図2を参照し直すと、ホーン部分(14)の断面は、係合端部(24)とネック(26)がどのようにして管部分(12)に嵌るのかだけではなく、穴(15)によって取られる経路も描いている。
【0021】
図3Cは、組み立てられたホーン部分(14)の別の図を示している。引込み線装置全体が取り付けられた後、終端部(16)は壁の外部で実質的に可視である唯一のパーツである。ケーブルが通って出る開口(17)はこの図で明確に示されている。
【0022】
ホーン部分の主要な機能は、ケーブルの経路を、ケーブルが壁の穴を出る前に所定の曲線をたどるために迂回させることである。その結果、その目的を達成するための任意の手段を使用できるであろう。例えば、ホーン部分穴は、湾曲する代わりに真っ直ぐとなることができるであろうが、ケーブルが取る経路に影響を及ぼすために内壁上の節玉又は隆起の形を取ることができる迂回手段を含む。このような配列では、ケーブルが穴の経路内に限定されるよりむしろ曲線に沿って誘導されるように、迂回されたケーブル経路を収容するためのホーン部分内の空間が可能でなければならない。さらに光信号の品質にも影響を及ぼすマイクロベンドを生じさせることを回避するために、光伝送媒体のこのような構造を設計するときに注意を払う必要がある。
【0023】
穴の経路によって画定される曲線は、使用されるケーブルの種類に応じて、及びケーブル突出を削減する目的で事前に決定される。本発明のこの態様についてのさらなる詳細は、図5と図6に関連して以下に示される。
【0024】
図4は、引込み線装置の管部分(12)の外観を描いている。この実施形態では、これは、好ましくは1つ又は複数のフランジ(28)付きで外部で輪郭を描かれている直管を備える。図2を参照し直すと、フランジは、プラグが定位置に入れられた後の移動を防止するためだけではなく、カスタマ構内の壁(60)内の事前に穿孔された穴(50)の中にそれが差し込まれるときに摩擦を削減するのに役立つ。また、管部分の内壁がホーン部分(14)の係合端部(24)とネック(26)とどのように係合するのかも、図2から分かる。
【0025】
引込み線装置は、銅ワイヤをカスタマ構内の壁を通して誘導するために等しく功を奏するため、光ファイバだけではなく従来のツイストワイヤ対にも使用できる。したがって、それは銅からファイバ壁への予想されるアップグレードにより、光ファイバ用のプラントで銅ワイヤを置換するためにすべてのインフラを除去するニーズが回避されることを意味するため、銅ワイヤにも使用するために本装置を採用する上でかなりの利点がある。
【0026】
ここで本発明の仕組みが詳しく説明される。使用中、カスタマ又はユーザは、ケーブル(30)を、それが終端又は接続の目的のために好ましい方向で壁表面(70)に沿ってあるために穴を出た後、導くことを希望するであろう。したがって、好ましいケーブル出口方向がある。
【0027】
図5は、ケーブル(30)が壁(60)を通り、引込み線装置の終端部(16)から下方に出る状態で、壁(60)に使用される引込み線装置(10)の長手方向の断面を示している。
【0028】
ケーブルの曲線状の経路は図示されるように穴によって決定される。図5に示されている例では、好ましいケーブル出口方向は下方である。引込み線装置(10)をその終端部(16)に向かって見ると、該穴の経路は、好ましいケーブル出口方向、この場合には上方に、反対の方向で穴の中心軸に沿ってその経路から離れて曲がり始める。次に、穴の経路は方向を変え、ケーブルが壁表面(70)に向かって外向きに、つまりこの例では下方に誘導されるにつれて、好ましいケーブル出口方向で曲がる。ケーブルの曲げを、それが引込み線装置を出る前に開始することによって、以下に図6に関連してさらに詳説されるように、壁からの突出の範囲は縮小される。
【0029】
図6は、3つの異なる状況での壁(60)内の穴(50)からの光ファイバケーブル(30)突起の例を示す。これらの例は典型的な穴半径が12mmであるという仮定に基づいている。図6Aはケーブル曲げ制御がない(したがって、曲げ半径はここでは完全にケーブル自体の剛性と重量に依存している)場合のケーブル突出の範囲を示す。曲げ制御は壁表面(70)で、完全にケーブルが穴を出た後に発生する。このような場合、約30mmというケーブル突出が予想できる。図6Bは、例えば、図1に関連して説明される従来の技術の装置が使用されるときに、ケーブルが穴を出るときにケーブルに確実な曲げ制御が適用される場合にとられる、より厳しい出口ケーブル半径を示す。突出の範囲は約15mmに縮小されている。図6Cは、ケーブルが、本発明の技法に従って、それが穴を出る前に曲線に沿って誘導される場合に、どのように曲げ半径がなおさらに削減できるのかを示している。図6A又は図6Bのケーブルとは異なり、ケーブル経路は穴の中心軸に沿って完全に移動しない。
【0030】
代わりに、それは当初、好ましいケーブル出口方向で曲がって戻るための空間の完全な範囲をケーブルに割り当てるために、好ましいケーブル出口方向と反対の方向で曲がる。これには、壁の穴の中にケーブルの湾曲部を本質的に押し戻す効果がある。壁の外部のケーブル突出は結果として約10mmまで縮小される。
【0031】
本発明が、ケーブルがおもに、それが穴を出る前に特定の経路を通されるように穴の範囲内の配列にあることに留意されたい。特に、本発明の利点は、ケーブル経路が穴の中の特定の点を通る場合に達成できる。好ましい実施形態では、この点は穴の内面上に位置し、穴の軸に沿ったその位置は、使用中の特定のケーブルの最小曲げ半径により決定される。この点は、図6の中の最下部の図で点(100)として特定されている。これはケーブルが穴から出ると曲げ半径を最小限に抑える効果を有するであろう。言うまでもなく、ケーブルの曲げを任意の範囲まで該穴の中に移すことにより壁からの突出が削減されるため、ケーブル経路は、ケーブル経路がそれに近接する点を通る限り、穴の中のこの特定の点を通る必要はない。
【0032】
したがって、ここで説明される実施形態は管を通る湾曲した穴の配列をさすが、本発明の概念の利点は他の手段によって実現できるであろう。これは、穴の内面に対して、単にケーブルを下支えするための、壁の穴の中に取り付けられるワイヤ機械(contraption)等の、ケーブルを点(100)に通すために、穴の中にケーブルを固定するための任意の手段を含む。
【0033】
ファイバ突出の縮小に対する多くの利点がある。カスタマの壁の上の、さらに小型でより合理化されたCLIユニットは、偶発的な破損をより受けにくいであろう。特に内壁上のエントリポイントでの家庭内のカスタマの構内では美観の改善も重要である。
【0034】
さらに、ファイバ突出の縮小により、引込み線装置は、ケーブルが壁の穴から出る点で、又はこの点近くで、壁上に取り付けることができる補足的な構成部品を受け入れることもできる。これらの補足ユニットは、過剰な嵩張りを生じさせずに機能性を高める。特に単に光ファイバの曲げを誘導するより多くのことをできる。本発明のこの態様は、図9と図10に関連して以下にさらに詳しく後述される。
【0035】
図7は、カスタマの壁(60)に取り付けられる1組の引込み線装置を描いている。本発明は特定の建築材料又は建築様式に制限されず、本説明は単に例証として、中心空洞を封入する2つの別々の空洞壁を備える壁を使用する。英国での典型的なシナリオでは、穴の直径は約12mmとなると予想され、(例えば、工業用よりはむしろ消費者用の、従来の石造建築錘付きのハンマードリル等の)容易に入手可能な動力工具で簡単に作られる。壁(60)がレンガとモルタル製である場合には、これに必要とされる労力は少なく、壁表面に対する表面的な損傷を最小限に抑えるため、穴は(例えば、レンガの角で縦の線と横の線が合う場合等)2つ続きのモルタルの交点で穴をあけることによって作成される。穴は実質的に平行な壁を有し、実質的に平行である。2つの空洞壁の状況では、壁の2枚の外板の穴は、図7に示されるように互いに向かい合う実質的に同じ高さに作られる。
【0036】
引込み線装置(10)は事前にあけられた穴の中に差し込まれ、接着剤等の他の固定手段を追加で、又はその代わりに使用することもできるであろうが、実質的には摩擦によりそこに取り付けられる。各プラグの終端部(16)は穴に近接して位置し、穴から外向きにそれぞれ内壁と外壁に面する。ケーブル(30)は引込み線装置により保護され、壁を通って誘導され、次に壁の骨組の中でのケーブルの出口曲げの始まりを管理するであろう。出口での突出は、ケーブルを、従来の技術で達成できるより早い段階で壁の表面と同じ高さになる、あるいは実質的に同じ高さになるために、90度で安全に引き出すことができるように縮小される。
【0037】
またこの図面中に点線の外形で示されるのは、補足的な構成部品(32)が引込み線装置と共に使用される場所である。これらは、ケーブルが引込み線装置を出るときにケーブルを受け入れるために働き、壁の中の湾曲した穴の中で開始した、プラグ内でのケーブルの曲げを管理するタスクを続行する。場合によっては、補足的な構成部品はさらなる機能を含む。すなわち例えば、該構成部品はスプライストレイを含む。補足的な構成部品は図9と図10に関連してさらに後述される。
【0038】
図8Aから図8Dは、引込み線装置の設置方法を示している。引込み線装置を受け入れるのに適切な半径の穴(50)が、カスタマの構内の壁(60)の中にあけられる。図8Aと図8Bに示されているように、管部分(12)は矢印の方向で、この目的専用に設計される取り付け工具(32)を使用して、穴の中に誘導され、押し込まれる。該工具は特に(管部分が穴の中に深く差し込まれすぎるのを防ぐための、カラー(34)の形をした)一体型の深さ止め具(depth stop)である。取り付け工具は、次に図8Cに示されるような矢印の方向で引き出され、管部分のフランジ(28)が穴の中でのその位置を摩擦により保持するために役立つ。その後、図8Dに描かれているように、ホーン部分(14)が差し込まれ、管部分と「スナップ嵌合」するために押される。次にそれは、ホーン部分を管部分を基準にして回転させることにより、ケーブルが穴を出た後にケーブルによりとられる好ましい方向に応じて向けられる。例えば、ケーブルが壁表面に沿って下方へ移動することを目的とする場合には、ホーン部分は適切な方向で出口ケーブルを誘導するために回転される。
【0039】
図9は、ケーブルをカスタマの構内に提供するために使用可能な様々な方法で引込み線装置と使用するために開発される、各種の補足的な構成部品を示す。ここで説明される補足構成部品は、引込み線装置と共に使用できるであろうものの例に過ぎず、したがって完全なプロダクトポートフォリオではないことが理解されるであろう。電気付属品用英国規格(British Standards for Electric Accessories)が、図9及び以下で説明される設計の基本として使用されてきた。それらに対する変形は、他の市場でこれらの設計を使用するために要求できる及び/又は要求されるであろう。前述されたように、構成部品は、出口ケーブルの曲げ半径及び/又は前述されたような追加の機能性の管理を続行するのに役立つ。
【0040】
図9Aは、以下の機能/特徴を組み込む外部ファイバスプライス点を示す。
【0041】
・管と吹き付けファイバ(blown fibre)ユニットのガス遮断
・ケーブル残片終端
・ケーブルブレークアウト
・光スプライストレイを収容するための設備
・(内部構内から動力を供給される)ネットワーク終端装置を収容するための設備
・引込み線装置に位置する
・IP55定格
図9Bは、以下の機能/特徴を組み込む内部ファイバスプライス点を示す。
【0042】
・必要とされる場合、管と吹き付けファイバ(blown fibre)ユニットのガス遮断
・ケーブル残片終端
・ケーブルブレークアウト
・スプライストレイ
・引込み線装置に位置する
図9Cは、以下の機能を含むガスブロック付き外部ファイバ準備完了ケーブルエントリポイントを示す。
【0043】
・すべての側面からのケーブル/管進入
・管と吹き付けファイバ(blown fibre)ユニットのガス遮断
・曲げ管理
・水切り
・引込み線装置に位置する
図9Dは、以下の機能/特徴を含むガスブロックなしの外部ファイバ準備完了ケーブルエントリポイントを示す。
【0044】
・再配向による全側面からのケーブル/管進入
・曲げ管理
・水切り
・引込み線装置に位置する
図9Eは、遠隔ネットワーク終端点アプリケーションで使用するための内部ファイバ準備完了ケーブルエントリポイントを示す。その機能/特徴は以下を含む。
【0045】
・再配向による全側面からのケーブル/管進入
・曲げ管理
・引込み線装置に位置する
図9Fは、遠隔エントリのための光/銅ネットワーク終端点を示す。その機能/特徴は以下を含む。
【0046】
・表面実装型
・3つの側面でのケーブル入口
・第4の側面でのケーブル出口
・必要とされるケーブル出口方向に合わせるために向けることができる。
【0047】
図10は、引込み線装置と共に使用される補足的な構成部品が、カスタマ構内にケーブルを提供するためにどのように構成され得るのかを描く、いくつかの典型的な取り付けのシナリオを説明する。
【0048】
図10Aは、架空又は地下のフィード、建物入口、接続済(connectorised)テール付き遠隔内部スプライス点を備えた設備を示す。
【0049】
図10Bは、架空又は地下のフィード、建物入口、接続済(connectorised)テール付き直接内部スプライス点を備えた設備を示す。
【0050】
図10Cは、架空又は地下のフィード、建物入口、遠隔ネットワーク終端点付き直接内部スプライス点を備えた設備を示す。
【0051】
図10Dは、架空又は地下のフィード、遠隔外部スプライス、接続済(connectorised)テール付き建物入口を備えた設備を示す。
【0052】
図10Eは、架空又は地下のフィード、遠隔外部スプライス、直接ネットワーク終端点付き建物入口を備えた設備を示す。
【0053】
図10Fは、架空又は地下のフィード、遠隔外部スプライス、直接ネットワーク終端点付き建物入口を備えた設備を示す。
【0054】
図10Gは、架空又は地下のフィード、結合された外部スプライスと接続済(connectorised)テール付き建物入口を備えた設備を示す。
【0055】
図10Hは、架空又は地下のフィード、結合された外部スプライスと直接ネットワーク終端点付き建物入口を備えた設備を示す。
【0056】
図10Iは、架空又は地下のフィード、結合された外部スプライス及び遠隔ネットワーク終端点付き建物入口を備えた設備を示す。
【0057】
図10Jは、架空又は地下のフィード、一体型スプライス点及び接続済(connectorised)テール付き建物入口を備えた設備を示す。
【0058】
図10Kは、架空又は地下のフィード、一体型スプライス点及び直接ネットワーク終端点付き建物入口を備えた設備を示す。
【0059】
図10Lは、架空又は地下のフィード、一体型スプライス点及び遠隔ネットワーク終端点付き建物入口を備えた設備を示す。
【0060】
前述されたような、及び図中の構成は、説明を容易にするためだけであり、引込み線装置と補足構成部品の使用を、使用中の特定の装置に制限することを目的としていない。当業者は、説明された方法と装置での多様な構成及び置換が、開示されているとおりの本発明の範囲内で可能であることを理解する。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1A】従来の技術のカスタマ引込み線ユニットの図である。
【図1B】設置時の従来の技術のカスタマ引込み線ユニットの図である。
【図2】本発明の実施形態による引込み線装置の長手方向断面図である。
【図3A】前記引込み線装置のホーン部分の図であり、組み立てられていない(unassembled)ホーン部分を示す図である。
【図3B】前記引込み線装置のホーン部分の図であり、組み立て時のホーン部分を示す図である。
【図3C】組み立てられたホーン部分の別の図である。
【図4】該引込み線装置の管部分の図である。
【図5】それを通されるケーブルと共に使用される該引込み線装置の断面図である。
【図6】該引き込み線装置の内部曲げ開始の原理を図解するもので、ケーブルが穴から出るときに曲げ制御を行う場合、及び行わない場合に、どのように動作してよいのかを図解する図である。
【図7】使用中の1組の引込み線装置の図である。
【図8A】該引込み線装置の設置のステップを示す図である。
【図8B】該引込み線装置の設置のステップを示す図である。
【図8C】該引込み線装置の設置のステップを示す図である。
【図8D】該引込み線装置の設置のステップを示す図である。
【図9A】該引込み線装置と共に使用できる補足的な構成要素を描く図である。
【図9B】該引込み線装置と共に使用できる補足的な構成要素を描く図である。
【図9C】該引込み線装置と共に使用できる補足的な構成要素を描く図である。
【図9D】該引込み線装置と共に使用できる補足的な構成要素を描く図である。
【図9E】該引込み線装置と共に使用できる補足的な構成要素を描く図である。
【図9F】該引込み線装置と共に使用できる補足的な構成要素を描く図である。
【図10A】様々な設置シナリオで該引込み線装置と使用できる補足的な構成要素を描く。
【図10B】様々な設置シナリオで該引込み線装置と使用できる補足的な構成要素を描く。
【図10C】様々な設置シナリオで該引込み線装置と使用できる補足的な構成要素を描く。
【図10D】様々な設置シナリオで該引込み線装置と使用できる補足的な構成要素を描く。
【図10E】様々な設置シナリオで該引込み線装置と使用できる補足的な構成要素を描く。
【図10F】様々な設置シナリオで該引込み線装置と使用できる補足的な構成要素を描く。
【図10G】様々な設置シナリオで該引込み線装置と使用できる補足的な構成要素を描く。
【図10H】様々な設置シナリオで該引込み線装置と使用できる補足的な構成要素を描く。
【図10I】様々な設置シナリオで該引込み線装置と使用できる補足的な構成要素を描く。
【図10J】様々な設置シナリオで該引込み線装置と使用できる補足的な構成要素を描く。
【図10K】様々な設置シナリオで該引込み線装置と使用できる補足的な構成要素を描く。
【図10L】様々な設置シナリオで該引込み線装置と使用できる補足的な構成要素を描く。
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバケーブル等の電気通信ケーブルを制御、誘導するための装置と方法に関し、特にカスタマのエントリポイントにある建物の中に、該構内を外部トランクネットワークに接続するために光ケーブルが引き込まれる方法に関して、特に関連性がある。
【背景技術】
【0002】
現在、電気通信ネットワークは、実質的には光ファイバから構成されているトランクネットワークと、銅ワイヤ対から構成されるローカルアクセスネットワークを備える。将来、該アクセスネットワークを含むネットワーク全体が、ファイバから構成されることが予想されている。しかしながら、光ケーブルと銅ワイヤの特性は、後述されるようにきわめて異なることが知られているため、その結果ケーブルラン、建物進入方法、及びファイバと銅のためのネットワーク終端装置は異なる。つまり、一般的にはインフラストラクチャを完全に交換しなければならないであろうために、設備を銅から光ファイバにアップグレードすることは高価であり、容易に達成できない。
【0003】
トランクネットワークからカスタマの構内に光ファイバを設置する好ましい方法は、(元は欧州特許第0108590号に説明されるような)吹き入れ(blowing-in)方法による。吹き付けられたファイバ管は、該構内の壁に作られる穴を通過してその中に入るために、最初にカスタマの敷地の外壁に沿って送られ、次に90度回転される。光ファイバは次に管の中に吹き入れられる。
【0004】
誤解を避けるために、本説明における用語「カスタマの構内」は、光ファイバ等の電気通信ケーブルが進入するすべての建物を含む。「ケーブル」は、文脈によって、銅対、光ファイバ、吹き付け(blown)ファイバ、吹き付けファイバ管、又は他の電気通信ケーブルを指すように解釈されるものとする。
【0005】
問題は銅対と光ファイバの相違点の1つにある。銅と異なり、光損失は光ファイバ曲げ又は曲線の現場で発生する。鋭い曲げは、機械的な故障だけではなくかなりの光損失も引き起こす場合がある。曲げがきついほど、損失は悪化する(出典:John Crisp、「光ファイバ入門(Introduction to Fiber Optics)」2001年版、53ページ)。ファイバは使用中に曲げることができるが、過剰に曲げると、ファイバの損傷及び/又はかなりの光損失を生じさせる結果となるであろう。これが受け入れがたい放射損失を生じさせるため、ケーブルをそれ以上曲げてはならない限度が最小曲げ半径として知られている(出典:電気通信電話会社用語集2000のための米国標準規格(American National Standard for Telecommunications Telecom Glossary2000))。
【0006】
コア、クラッディング、及び一次バッファのみを備える裸の光ファイバは、通常約50mmの最小許容曲げ半径を有する。その外部保護層及び光ファイバの束を含むファイバケーブルは、さらに大きな最小許容曲げ半径も有する。したがって、単一の光ファイバは角を周回するために90度を超えて直接的に曲げることはできない。最小曲げ半径要件を尊重するニーズは、例えばそれがカスタマの構内の壁の中のアクセス穴に進入し、それが壁の他の側面の穴を出るために同様に突出する場合等、単一のファイバさえ曲げの場所では著しく突出することを意味する(説明を簡単にするために、これ以降、ケーブルの穴の中への「進入」等の参照は、文脈が許す場合には「出口」を含み、逆の場合も同じである)。
【0007】
それがアクセス穴を出るときのファイバの最小許容曲げ半径により提示される、この問題に対処する1つの公知の方法は、ファイバの少なくとも1つのループが、ファイバが出るアクセス穴に近接する壁に固定できるようにすることである。相対的に大きなカスタマ引込み線ハウジング(CLI)装置は、ファイバのループ(複数の場合もある)を収容するため、それを干渉と損傷から保護するために使用される。出るファイバの半径は、通常このようなCLI装置によって制御されない。
【0008】
このようなCLIハウジング装置のサイズを縮小する改善策は、欧州特許第0748460号に説明されている。このCLI装置はさらに図1と対照して説明されるが、それはファイバ破断又は損失から保護する一方で、本来は、ファイバの半径を実質的にその最小値まで縮小するために、出口ケーブルの経路を制御することを含む。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、穴から出る光ファイバの突出を削減することによって、装置内の引込み線の嵩張りをさらに細くする。本発明の引込み線装置の小ささにより、それは追加の機能性を加えるために他の構成要素と共に使用できるようになる。本発明はさらに、銅ワイヤと光ファイバの両方のために引込み線装置を使用できるようにし、いったん建物の骨組の中に設置されると、これらの構成要素を廃棄し、交換する必要なく、銅システムをアップグレードできるという重要な結果となる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の態様において、本発明は壁を通る穴の中で使用するのに適したケーブルリードアウト装置を提供し、該装置はケーブルを誘導するための本体を備え、該ケーブルは該穴の中の経路に沿って最小許容曲げ半径を有し、該経路は該本体により画定され、該穴の出入り口を介して該穴の中の第1の点から該穴の外の第2の点まで弧状に伸張し、該第1の点は該穴の該表面にある、あるいはこれに近接する位置にある該穴の中に位置し、その結果該通路に沿って誘導される該ケーブルは、その最小許容曲げ半径以上で弧を描く。
【0011】
第2の態様では、本発明は壁の穴の中に位置するケーブルリードアウト装置を提供し、該装置はケーブルを誘導するための本体を備え、該ケーブルは該穴の中の経路に沿って最小許容曲げ半径を有し、該経路は該本体によって画定され、該穴の出入り口を介して該穴の中の第1の点から該穴の外の第2の点まで弧状に伸張し、該第1の点は、該通路に沿って誘導される該ケーブルが実質的にはその最小許容曲げ半径で弧を描くような位置で、該穴の中に位置する。
【0012】
追加の態様では、本発明は、表面の穴の中の位置選定のためのケーブルリードアウト装置を、該穴から最小許容曲げ半径を有するケーブルを誘導するために提供し、該装置は該穴の中での位置選定のための本体を有し、該本体は該ケーブルを収容するために通路を画定し、該通路は、該通路が、該穴の外の第2の点を介して該穴の該長手方向軸と平行である長手方向軸を有し、該第2の点での該通路の該長手方向軸が第1の点での長手方向軸に直交している、あるいは実質的に直交している該穴の中の該第1の点から、該穴の外の出口まで弧状に伸張し、そこで該ケーブルは該装置から出現し、該第1の点の該位置は、使用中、該装置も、それが該出口から出現する該ケーブルも、該ケーブルの最小許容曲げ半径より多く該表面から突出しない、該穴の内側で十分に遠い。
【0013】
本発明の実施形態は、ここで添付図面を参照して例証としてのみ説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、欧州特許第0748460号の従来の技術のカスタマ引込み線(CLI)ユニットを描いている。図1Aは、この従来の技術のユニットが2つの部分、つまりケーブルを収容するために適した直径の、同様に穴があけられている(4)別個の補足部分(3)と係合可能な中空軸穴(2)を備えるプラグ(1)を含む引込み線装置を有することを示している。係合時、引込み線装置の穴と補足部分の穴は、該ケーブル又は光ファイバがCLIユニットを通過できるようにするために一列に並んでいる。補足部分は、光ファイバが引込み線装置の出入り口から出るときに、光ファイバを受け入れるために作動する。補足部分の中の穴(4)は、光ファイバによって取られる経路を誘導し、制御するために配列されている。該曲線は光ファイバの経路の半径を最小曲げ半径で、あるいは最小曲げ半径近くに(例えばすぐ上に)保つために計算される。
【0015】
図1Bは、使用中の従来の技術のCLIユニットを示している。プラグ(1)は摩擦によって、又はそれ以外によってカスタマの壁(60)のアクセス穴と係合され、その結果プラグの出入り口(2)はアクセス穴の出入り口と実質的に同一平面にある。補足部分(3)は、光ケーブルがアクセス穴から出るときに光ケーブルを受け入れるために作動する。補足部分の中の穴の経路は、壁に入り込む又は壁から出現する光ファイバの最小曲げ半径に対処するために適した半径に従って90度で曲線を描き、このようにしてファイバが通過する経路を管理する。これによりCLIユニットはファイバの突出を削減できる。
【0016】
図2は、ケーブルの突出をさらに削減する本発明の実施形態を示している。引込み線装置(10)は2つのパーツ、つまり管部分(12)とホーン部分(14)とを備える。
【0017】
ホーン部分は図示されるように管セクションと押し嵌めし、好ましい実施形態では該パーツは組み立て時に互いを基準にして、その軸に垂直に回動可能である。管部分はその全長に沿って、ケーブルを受け入れるための大きさに作られた穴(13)を含む。ホーン部分は、管部分に取り付けられると、ケーブルがそこを通過できるようにするために引込み線装置の全長に沿って連続的な経路を形成する、同様な穴(15)を有する。穴は大部分の場合、真っ直ぐな経路を通る。しかしながら、ホーン部分(14)のセクションは、引込み線装置(16)の終端部に出る穴のセクションが、図面に示されるように曲線状となるように配列される。
【0018】
ここでホーンセクションと管セクションをさらに詳細に説明する。
【0019】
図3は、引込み線装置(10)のホーン部分(14)の実施形態の3つの図を示す。図3Aは、2つのパーツのオス部分とメス部分を協働することによって共に接続される2つのパーツ(14a、14b)を備える、ホーン部分の好ましい実施形態を示す。示されている例では、オス部分(18)はすべてホーン部分の1つの部品(14a)上に設けられ、すべての合わせメス(20)部分は他の部品(14b)上にある。この図面は、1つの部品(14a)のホーン部分の内壁が終端部(16)に出る曲線状の穴経路(15)を作成するために輪郭を描かれている(22)ことを示す。他の部品(14b)は、共に取り付けられると、内壁がホーン部分を通る穴を形成するように、同様に内部で輪郭を描かれている。終端部はケーブルが引込み線装置を出る開口(17)を含む。終端部に向かい合った端部は係合端部(24)であり、引込み線装置が完全に組み立てられると管部分に合う。係合端部はネック(26)に取り付けられている。この配置により、係合端部は、管部分の補足パーツに押し込まれるときにしっかりと「スナップ嵌合」できる。さらに管部分のホーンパーツと協働パーツは、組み立て後に互いに対して回動可能となるように構成される。これによりユーザは出口ケーブルを、それが開口を通って出た後にどの方向に進めさせたいのかを選択できる。
【0020】
図3Bは、組み立てられたホーン部分(14)を構成する、共に取り付けられた2つの部品(14a、14b)を示している。この図面から、係合端部(24)が、1つが(15)で示されている隙間により離間されている2つのセクションを備えるように、ネック(26)がホーン部分の軸に沿って分けられていることが分かる。この好ましい配置により、ユーザのホーン部分を押して、係合端部を管部分に「スナップ嵌合」するタスクが容易になる。図2を参照し直すと、ホーン部分(14)の断面は、係合端部(24)とネック(26)がどのようにして管部分(12)に嵌るのかだけではなく、穴(15)によって取られる経路も描いている。
【0021】
図3Cは、組み立てられたホーン部分(14)の別の図を示している。引込み線装置全体が取り付けられた後、終端部(16)は壁の外部で実質的に可視である唯一のパーツである。ケーブルが通って出る開口(17)はこの図で明確に示されている。
【0022】
ホーン部分の主要な機能は、ケーブルの経路を、ケーブルが壁の穴を出る前に所定の曲線をたどるために迂回させることである。その結果、その目的を達成するための任意の手段を使用できるであろう。例えば、ホーン部分穴は、湾曲する代わりに真っ直ぐとなることができるであろうが、ケーブルが取る経路に影響を及ぼすために内壁上の節玉又は隆起の形を取ることができる迂回手段を含む。このような配列では、ケーブルが穴の経路内に限定されるよりむしろ曲線に沿って誘導されるように、迂回されたケーブル経路を収容するためのホーン部分内の空間が可能でなければならない。さらに光信号の品質にも影響を及ぼすマイクロベンドを生じさせることを回避するために、光伝送媒体のこのような構造を設計するときに注意を払う必要がある。
【0023】
穴の経路によって画定される曲線は、使用されるケーブルの種類に応じて、及びケーブル突出を削減する目的で事前に決定される。本発明のこの態様についてのさらなる詳細は、図5と図6に関連して以下に示される。
【0024】
図4は、引込み線装置の管部分(12)の外観を描いている。この実施形態では、これは、好ましくは1つ又は複数のフランジ(28)付きで外部で輪郭を描かれている直管を備える。図2を参照し直すと、フランジは、プラグが定位置に入れられた後の移動を防止するためだけではなく、カスタマ構内の壁(60)内の事前に穿孔された穴(50)の中にそれが差し込まれるときに摩擦を削減するのに役立つ。また、管部分の内壁がホーン部分(14)の係合端部(24)とネック(26)とどのように係合するのかも、図2から分かる。
【0025】
引込み線装置は、銅ワイヤをカスタマ構内の壁を通して誘導するために等しく功を奏するため、光ファイバだけではなく従来のツイストワイヤ対にも使用できる。したがって、それは銅からファイバ壁への予想されるアップグレードにより、光ファイバ用のプラントで銅ワイヤを置換するためにすべてのインフラを除去するニーズが回避されることを意味するため、銅ワイヤにも使用するために本装置を採用する上でかなりの利点がある。
【0026】
ここで本発明の仕組みが詳しく説明される。使用中、カスタマ又はユーザは、ケーブル(30)を、それが終端又は接続の目的のために好ましい方向で壁表面(70)に沿ってあるために穴を出た後、導くことを希望するであろう。したがって、好ましいケーブル出口方向がある。
【0027】
図5は、ケーブル(30)が壁(60)を通り、引込み線装置の終端部(16)から下方に出る状態で、壁(60)に使用される引込み線装置(10)の長手方向の断面を示している。
【0028】
ケーブルの曲線状の経路は図示されるように穴によって決定される。図5に示されている例では、好ましいケーブル出口方向は下方である。引込み線装置(10)をその終端部(16)に向かって見ると、該穴の経路は、好ましいケーブル出口方向、この場合には上方に、反対の方向で穴の中心軸に沿ってその経路から離れて曲がり始める。次に、穴の経路は方向を変え、ケーブルが壁表面(70)に向かって外向きに、つまりこの例では下方に誘導されるにつれて、好ましいケーブル出口方向で曲がる。ケーブルの曲げを、それが引込み線装置を出る前に開始することによって、以下に図6に関連してさらに詳説されるように、壁からの突出の範囲は縮小される。
【0029】
図6は、3つの異なる状況での壁(60)内の穴(50)からの光ファイバケーブル(30)突起の例を示す。これらの例は典型的な穴半径が12mmであるという仮定に基づいている。図6Aはケーブル曲げ制御がない(したがって、曲げ半径はここでは完全にケーブル自体の剛性と重量に依存している)場合のケーブル突出の範囲を示す。曲げ制御は壁表面(70)で、完全にケーブルが穴を出た後に発生する。このような場合、約30mmというケーブル突出が予想できる。図6Bは、例えば、図1に関連して説明される従来の技術の装置が使用されるときに、ケーブルが穴を出るときにケーブルに確実な曲げ制御が適用される場合にとられる、より厳しい出口ケーブル半径を示す。突出の範囲は約15mmに縮小されている。図6Cは、ケーブルが、本発明の技法に従って、それが穴を出る前に曲線に沿って誘導される場合に、どのように曲げ半径がなおさらに削減できるのかを示している。図6A又は図6Bのケーブルとは異なり、ケーブル経路は穴の中心軸に沿って完全に移動しない。
【0030】
代わりに、それは当初、好ましいケーブル出口方向で曲がって戻るための空間の完全な範囲をケーブルに割り当てるために、好ましいケーブル出口方向と反対の方向で曲がる。これには、壁の穴の中にケーブルの湾曲部を本質的に押し戻す効果がある。壁の外部のケーブル突出は結果として約10mmまで縮小される。
【0031】
本発明が、ケーブルがおもに、それが穴を出る前に特定の経路を通されるように穴の範囲内の配列にあることに留意されたい。特に、本発明の利点は、ケーブル経路が穴の中の特定の点を通る場合に達成できる。好ましい実施形態では、この点は穴の内面上に位置し、穴の軸に沿ったその位置は、使用中の特定のケーブルの最小曲げ半径により決定される。この点は、図6の中の最下部の図で点(100)として特定されている。これはケーブルが穴から出ると曲げ半径を最小限に抑える効果を有するであろう。言うまでもなく、ケーブルの曲げを任意の範囲まで該穴の中に移すことにより壁からの突出が削減されるため、ケーブル経路は、ケーブル経路がそれに近接する点を通る限り、穴の中のこの特定の点を通る必要はない。
【0032】
したがって、ここで説明される実施形態は管を通る湾曲した穴の配列をさすが、本発明の概念の利点は他の手段によって実現できるであろう。これは、穴の内面に対して、単にケーブルを下支えするための、壁の穴の中に取り付けられるワイヤ機械(contraption)等の、ケーブルを点(100)に通すために、穴の中にケーブルを固定するための任意の手段を含む。
【0033】
ファイバ突出の縮小に対する多くの利点がある。カスタマの壁の上の、さらに小型でより合理化されたCLIユニットは、偶発的な破損をより受けにくいであろう。特に内壁上のエントリポイントでの家庭内のカスタマの構内では美観の改善も重要である。
【0034】
さらに、ファイバ突出の縮小により、引込み線装置は、ケーブルが壁の穴から出る点で、又はこの点近くで、壁上に取り付けることができる補足的な構成部品を受け入れることもできる。これらの補足ユニットは、過剰な嵩張りを生じさせずに機能性を高める。特に単に光ファイバの曲げを誘導するより多くのことをできる。本発明のこの態様は、図9と図10に関連して以下にさらに詳しく後述される。
【0035】
図7は、カスタマの壁(60)に取り付けられる1組の引込み線装置を描いている。本発明は特定の建築材料又は建築様式に制限されず、本説明は単に例証として、中心空洞を封入する2つの別々の空洞壁を備える壁を使用する。英国での典型的なシナリオでは、穴の直径は約12mmとなると予想され、(例えば、工業用よりはむしろ消費者用の、従来の石造建築錘付きのハンマードリル等の)容易に入手可能な動力工具で簡単に作られる。壁(60)がレンガとモルタル製である場合には、これに必要とされる労力は少なく、壁表面に対する表面的な損傷を最小限に抑えるため、穴は(例えば、レンガの角で縦の線と横の線が合う場合等)2つ続きのモルタルの交点で穴をあけることによって作成される。穴は実質的に平行な壁を有し、実質的に平行である。2つの空洞壁の状況では、壁の2枚の外板の穴は、図7に示されるように互いに向かい合う実質的に同じ高さに作られる。
【0036】
引込み線装置(10)は事前にあけられた穴の中に差し込まれ、接着剤等の他の固定手段を追加で、又はその代わりに使用することもできるであろうが、実質的には摩擦によりそこに取り付けられる。各プラグの終端部(16)は穴に近接して位置し、穴から外向きにそれぞれ内壁と外壁に面する。ケーブル(30)は引込み線装置により保護され、壁を通って誘導され、次に壁の骨組の中でのケーブルの出口曲げの始まりを管理するであろう。出口での突出は、ケーブルを、従来の技術で達成できるより早い段階で壁の表面と同じ高さになる、あるいは実質的に同じ高さになるために、90度で安全に引き出すことができるように縮小される。
【0037】
またこの図面中に点線の外形で示されるのは、補足的な構成部品(32)が引込み線装置と共に使用される場所である。これらは、ケーブルが引込み線装置を出るときにケーブルを受け入れるために働き、壁の中の湾曲した穴の中で開始した、プラグ内でのケーブルの曲げを管理するタスクを続行する。場合によっては、補足的な構成部品はさらなる機能を含む。すなわち例えば、該構成部品はスプライストレイを含む。補足的な構成部品は図9と図10に関連してさらに後述される。
【0038】
図8Aから図8Dは、引込み線装置の設置方法を示している。引込み線装置を受け入れるのに適切な半径の穴(50)が、カスタマの構内の壁(60)の中にあけられる。図8Aと図8Bに示されているように、管部分(12)は矢印の方向で、この目的専用に設計される取り付け工具(32)を使用して、穴の中に誘導され、押し込まれる。該工具は特に(管部分が穴の中に深く差し込まれすぎるのを防ぐための、カラー(34)の形をした)一体型の深さ止め具(depth stop)である。取り付け工具は、次に図8Cに示されるような矢印の方向で引き出され、管部分のフランジ(28)が穴の中でのその位置を摩擦により保持するために役立つ。その後、図8Dに描かれているように、ホーン部分(14)が差し込まれ、管部分と「スナップ嵌合」するために押される。次にそれは、ホーン部分を管部分を基準にして回転させることにより、ケーブルが穴を出た後にケーブルによりとられる好ましい方向に応じて向けられる。例えば、ケーブルが壁表面に沿って下方へ移動することを目的とする場合には、ホーン部分は適切な方向で出口ケーブルを誘導するために回転される。
【0039】
図9は、ケーブルをカスタマの構内に提供するために使用可能な様々な方法で引込み線装置と使用するために開発される、各種の補足的な構成部品を示す。ここで説明される補足構成部品は、引込み線装置と共に使用できるであろうものの例に過ぎず、したがって完全なプロダクトポートフォリオではないことが理解されるであろう。電気付属品用英国規格(British Standards for Electric Accessories)が、図9及び以下で説明される設計の基本として使用されてきた。それらに対する変形は、他の市場でこれらの設計を使用するために要求できる及び/又は要求されるであろう。前述されたように、構成部品は、出口ケーブルの曲げ半径及び/又は前述されたような追加の機能性の管理を続行するのに役立つ。
【0040】
図9Aは、以下の機能/特徴を組み込む外部ファイバスプライス点を示す。
【0041】
・管と吹き付けファイバ(blown fibre)ユニットのガス遮断
・ケーブル残片終端
・ケーブルブレークアウト
・光スプライストレイを収容するための設備
・(内部構内から動力を供給される)ネットワーク終端装置を収容するための設備
・引込み線装置に位置する
・IP55定格
図9Bは、以下の機能/特徴を組み込む内部ファイバスプライス点を示す。
【0042】
・必要とされる場合、管と吹き付けファイバ(blown fibre)ユニットのガス遮断
・ケーブル残片終端
・ケーブルブレークアウト
・スプライストレイ
・引込み線装置に位置する
図9Cは、以下の機能を含むガスブロック付き外部ファイバ準備完了ケーブルエントリポイントを示す。
【0043】
・すべての側面からのケーブル/管進入
・管と吹き付けファイバ(blown fibre)ユニットのガス遮断
・曲げ管理
・水切り
・引込み線装置に位置する
図9Dは、以下の機能/特徴を含むガスブロックなしの外部ファイバ準備完了ケーブルエントリポイントを示す。
【0044】
・再配向による全側面からのケーブル/管進入
・曲げ管理
・水切り
・引込み線装置に位置する
図9Eは、遠隔ネットワーク終端点アプリケーションで使用するための内部ファイバ準備完了ケーブルエントリポイントを示す。その機能/特徴は以下を含む。
【0045】
・再配向による全側面からのケーブル/管進入
・曲げ管理
・引込み線装置に位置する
図9Fは、遠隔エントリのための光/銅ネットワーク終端点を示す。その機能/特徴は以下を含む。
【0046】
・表面実装型
・3つの側面でのケーブル入口
・第4の側面でのケーブル出口
・必要とされるケーブル出口方向に合わせるために向けることができる。
【0047】
図10は、引込み線装置と共に使用される補足的な構成部品が、カスタマ構内にケーブルを提供するためにどのように構成され得るのかを描く、いくつかの典型的な取り付けのシナリオを説明する。
【0048】
図10Aは、架空又は地下のフィード、建物入口、接続済(connectorised)テール付き遠隔内部スプライス点を備えた設備を示す。
【0049】
図10Bは、架空又は地下のフィード、建物入口、接続済(connectorised)テール付き直接内部スプライス点を備えた設備を示す。
【0050】
図10Cは、架空又は地下のフィード、建物入口、遠隔ネットワーク終端点付き直接内部スプライス点を備えた設備を示す。
【0051】
図10Dは、架空又は地下のフィード、遠隔外部スプライス、接続済(connectorised)テール付き建物入口を備えた設備を示す。
【0052】
図10Eは、架空又は地下のフィード、遠隔外部スプライス、直接ネットワーク終端点付き建物入口を備えた設備を示す。
【0053】
図10Fは、架空又は地下のフィード、遠隔外部スプライス、直接ネットワーク終端点付き建物入口を備えた設備を示す。
【0054】
図10Gは、架空又は地下のフィード、結合された外部スプライスと接続済(connectorised)テール付き建物入口を備えた設備を示す。
【0055】
図10Hは、架空又は地下のフィード、結合された外部スプライスと直接ネットワーク終端点付き建物入口を備えた設備を示す。
【0056】
図10Iは、架空又は地下のフィード、結合された外部スプライス及び遠隔ネットワーク終端点付き建物入口を備えた設備を示す。
【0057】
図10Jは、架空又は地下のフィード、一体型スプライス点及び接続済(connectorised)テール付き建物入口を備えた設備を示す。
【0058】
図10Kは、架空又は地下のフィード、一体型スプライス点及び直接ネットワーク終端点付き建物入口を備えた設備を示す。
【0059】
図10Lは、架空又は地下のフィード、一体型スプライス点及び遠隔ネットワーク終端点付き建物入口を備えた設備を示す。
【0060】
前述されたような、及び図中の構成は、説明を容易にするためだけであり、引込み線装置と補足構成部品の使用を、使用中の特定の装置に制限することを目的としていない。当業者は、説明された方法と装置での多様な構成及び置換が、開示されているとおりの本発明の範囲内で可能であることを理解する。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1A】従来の技術のカスタマ引込み線ユニットの図である。
【図1B】設置時の従来の技術のカスタマ引込み線ユニットの図である。
【図2】本発明の実施形態による引込み線装置の長手方向断面図である。
【図3A】前記引込み線装置のホーン部分の図であり、組み立てられていない(unassembled)ホーン部分を示す図である。
【図3B】前記引込み線装置のホーン部分の図であり、組み立て時のホーン部分を示す図である。
【図3C】組み立てられたホーン部分の別の図である。
【図4】該引込み線装置の管部分の図である。
【図5】それを通されるケーブルと共に使用される該引込み線装置の断面図である。
【図6】該引き込み線装置の内部曲げ開始の原理を図解するもので、ケーブルが穴から出るときに曲げ制御を行う場合、及び行わない場合に、どのように動作してよいのかを図解する図である。
【図7】使用中の1組の引込み線装置の図である。
【図8A】該引込み線装置の設置のステップを示す図である。
【図8B】該引込み線装置の設置のステップを示す図である。
【図8C】該引込み線装置の設置のステップを示す図である。
【図8D】該引込み線装置の設置のステップを示す図である。
【図9A】該引込み線装置と共に使用できる補足的な構成要素を描く図である。
【図9B】該引込み線装置と共に使用できる補足的な構成要素を描く図である。
【図9C】該引込み線装置と共に使用できる補足的な構成要素を描く図である。
【図9D】該引込み線装置と共に使用できる補足的な構成要素を描く図である。
【図9E】該引込み線装置と共に使用できる補足的な構成要素を描く図である。
【図9F】該引込み線装置と共に使用できる補足的な構成要素を描く図である。
【図10A】様々な設置シナリオで該引込み線装置と使用できる補足的な構成要素を描く。
【図10B】様々な設置シナリオで該引込み線装置と使用できる補足的な構成要素を描く。
【図10C】様々な設置シナリオで該引込み線装置と使用できる補足的な構成要素を描く。
【図10D】様々な設置シナリオで該引込み線装置と使用できる補足的な構成要素を描く。
【図10E】様々な設置シナリオで該引込み線装置と使用できる補足的な構成要素を描く。
【図10F】様々な設置シナリオで該引込み線装置と使用できる補足的な構成要素を描く。
【図10G】様々な設置シナリオで該引込み線装置と使用できる補足的な構成要素を描く。
【図10H】様々な設置シナリオで該引込み線装置と使用できる補足的な構成要素を描く。
【図10I】様々な設置シナリオで該引込み線装置と使用できる補足的な構成要素を描く。
【図10J】様々な設置シナリオで該引込み線装置と使用できる補足的な構成要素を描く。
【図10K】様々な設置シナリオで該引込み線装置と使用できる補足的な構成要素を描く。
【図10L】様々な設置シナリオで該引込み線装置と使用できる補足的な構成要素を描く。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁(50)を通る穴の中で使用するために適したケーブルリードアウト装置であって、前記装置はケーブル(30)を誘導するための本体(10)を備え、前記ケーブルは前記穴の中の通路(13)に沿って最小許容曲げ半径を有し、
前記通路は前記本体により画定され、前記穴の出入り口を介して前記穴の中の第1の点から前記穴の外の第2の点に弧状に伸張し、
前記第1の点は前記穴の前記表面にある又は前記表面に近接した場所(100)で前記穴の中に位置し、
その結果、前記通路に沿って誘導された前記ケーブルはその最小許容曲げ半径以上で弧を描く、ケーブルリードアウト装置。
【請求項2】
前記本体は、使用中、実質的に前記壁の中にある中空の壁コンセント(12、14)を備え、前記ケーブルが前記壁コンセントの前記中空を介して前記穴の中を通って伸張し、前記壁コンセントの前記中空は、前記第1の点から前記穴の前記出入り口までの前記通路の前記部分を画定する、請求項1に記載のケーブルリードアウト装置。
【請求項3】
前記壁コンセントは、使用中、完全に前記壁の中にある第1の中空の管(12)と、2つの端部を有する、使用中、それが前記第1の管とその第1の端部(24)で係合するように配置される第2の中空の管(14)とを備え、その結果、前記第1の管の前記中空は前記第2の管の前記中空と連通し、第2の端部(16)は前記穴の前記出入り口に、又は前記出入り口に近接して位置する、請求項2に記載のケーブルリードアウト装置。
【請求項4】
前記第2の管の前記中空は、前記第1の点から前記穴の出入り口への前記通路の前記部分を画定する、請求項3に記載のケーブルリードアウト装置。
【請求項5】
前記第1の管は、前記第2の管の前記第1の端部で前記第2の管と回動自在に係合される、請求項3又は4に記載のケーブルリードアウト装置。
【請求項6】
前記本体はその外観表面にフランジを含む、請求項1から5のいずれか1項に記載のケーブルリードアウト装置。
【請求項7】
壁の穴の中に配置されるケーブルリードアウト装置であって、前記装置はケーブルを誘導するための本体を備え、前記ケーブルは前記穴の中の通路に沿って最小許容曲げ半径を有し、
前記通路は前記本体により画定され、前記穴の出入り口を介して前記穴の中の第1の点から前記穴の外の第2の点に弧状に伸張し、
前記第1の点は、前記通路に沿って誘導された前記ケーブルがその最小許容曲げ半径以上で弧を描くような位置で前記穴の中に位置する、ケーブルリードアウト装置。
【請求項8】
穴から最小許容曲げ半径を有するケーブルを誘導するために、表面の穴の中での位置選定のためのケーブルリードアウト装置であって、前記装置は前記穴の中での位置選定のための本体を有し、前記本体は前記ケーブルを収容するための通路を画定し、前記通路は、前記通路が前記穴の前記長手方向軸に平行である長手方向軸を有し、前記第2の点での前記通路の前記長手方向軸が前記第1の点での前記通路に直交する、あるいは実質的に直交する前記穴の中の第1の点から前記穴の外の第2の点を介して、そこで前記ケーブルが前記装置から出現する前記穴の外の出口まで弧状に伸張し、前記第1の点の前記場所が、使用中、前記装置も、それが前記出口から出現する前記ケーブルも、前記ケーブルの前記最小許容曲げ半径より多く前記表面から突出しないほど十分に前記穴のかなり奥にある、ケーブルリードアウト装置。
【請求項9】
前記図面に従って実質的に説明されるように壁を通るケーブルの前記経路を導くための装置。
【請求項10】
前記図面に従って実質的に説明されるように、壁の穴からのケーブルの突出の範囲を減少するための装置。
【請求項11】
前記図面に従って実質的に説明されるようにケーブルの突出の範囲を減少するための方法。
【請求項1】
壁(50)を通る穴の中で使用するために適したケーブルリードアウト装置であって、前記装置はケーブル(30)を誘導するための本体(10)を備え、前記ケーブルは前記穴の中の通路(13)に沿って最小許容曲げ半径を有し、
前記通路は前記本体により画定され、前記穴の出入り口を介して前記穴の中の第1の点から前記穴の外の第2の点に弧状に伸張し、
前記第1の点は前記穴の前記表面にある又は前記表面に近接した場所(100)で前記穴の中に位置し、
その結果、前記通路に沿って誘導された前記ケーブルはその最小許容曲げ半径以上で弧を描く、ケーブルリードアウト装置。
【請求項2】
前記本体は、使用中、実質的に前記壁の中にある中空の壁コンセント(12、14)を備え、前記ケーブルが前記壁コンセントの前記中空を介して前記穴の中を通って伸張し、前記壁コンセントの前記中空は、前記第1の点から前記穴の前記出入り口までの前記通路の前記部分を画定する、請求項1に記載のケーブルリードアウト装置。
【請求項3】
前記壁コンセントは、使用中、完全に前記壁の中にある第1の中空の管(12)と、2つの端部を有する、使用中、それが前記第1の管とその第1の端部(24)で係合するように配置される第2の中空の管(14)とを備え、その結果、前記第1の管の前記中空は前記第2の管の前記中空と連通し、第2の端部(16)は前記穴の前記出入り口に、又は前記出入り口に近接して位置する、請求項2に記載のケーブルリードアウト装置。
【請求項4】
前記第2の管の前記中空は、前記第1の点から前記穴の出入り口への前記通路の前記部分を画定する、請求項3に記載のケーブルリードアウト装置。
【請求項5】
前記第1の管は、前記第2の管の前記第1の端部で前記第2の管と回動自在に係合される、請求項3又は4に記載のケーブルリードアウト装置。
【請求項6】
前記本体はその外観表面にフランジを含む、請求項1から5のいずれか1項に記載のケーブルリードアウト装置。
【請求項7】
壁の穴の中に配置されるケーブルリードアウト装置であって、前記装置はケーブルを誘導するための本体を備え、前記ケーブルは前記穴の中の通路に沿って最小許容曲げ半径を有し、
前記通路は前記本体により画定され、前記穴の出入り口を介して前記穴の中の第1の点から前記穴の外の第2の点に弧状に伸張し、
前記第1の点は、前記通路に沿って誘導された前記ケーブルがその最小許容曲げ半径以上で弧を描くような位置で前記穴の中に位置する、ケーブルリードアウト装置。
【請求項8】
穴から最小許容曲げ半径を有するケーブルを誘導するために、表面の穴の中での位置選定のためのケーブルリードアウト装置であって、前記装置は前記穴の中での位置選定のための本体を有し、前記本体は前記ケーブルを収容するための通路を画定し、前記通路は、前記通路が前記穴の前記長手方向軸に平行である長手方向軸を有し、前記第2の点での前記通路の前記長手方向軸が前記第1の点での前記通路に直交する、あるいは実質的に直交する前記穴の中の第1の点から前記穴の外の第2の点を介して、そこで前記ケーブルが前記装置から出現する前記穴の外の出口まで弧状に伸張し、前記第1の点の前記場所が、使用中、前記装置も、それが前記出口から出現する前記ケーブルも、前記ケーブルの前記最小許容曲げ半径より多く前記表面から突出しないほど十分に前記穴のかなり奥にある、ケーブルリードアウト装置。
【請求項9】
前記図面に従って実質的に説明されるように壁を通るケーブルの前記経路を導くための装置。
【請求項10】
前記図面に従って実質的に説明されるように、壁の穴からのケーブルの突出の範囲を減少するための装置。
【請求項11】
前記図面に従って実質的に説明されるようにケーブルの突出の範囲を減少するための方法。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図9E】
【図9F】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図10E】
【図10F】
【図10G】
【図10H】
【図10I】
【図10J】
【図10K】
【図10L】
【図1B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図9E】
【図9F】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図10E】
【図10F】
【図10G】
【図10H】
【図10I】
【図10J】
【図10K】
【図10L】
【公表番号】特表2007−507734(P2007−507734A)
【公表日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−530580(P2006−530580)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【国際出願番号】PCT/GB2004/004183
【国際公開番号】WO2005/033758
【国際公開日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(390028587)ブリティッシュ・テレコミュニケーションズ・パブリック・リミテッド・カンパニー (104)
【氏名又は名称原語表記】BRITISH TELECOMMUNICATIONS PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【国際出願番号】PCT/GB2004/004183
【国際公開番号】WO2005/033758
【国際公開日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(390028587)ブリティッシュ・テレコミュニケーションズ・パブリック・リミテッド・カンパニー (104)
【氏名又は名称原語表記】BRITISH TELECOMMUNICATIONS PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]