説明

更新データ転送量算出システム及び更新データ転送量算出プログラム

【課題】更新データ量のみを抽出した測定。
【解決手段】メインサイト100からバックアップサイト200に転送されるバックアップデータの更新データ量のみを測定するシステムであって、表形式の第1段目のデータ欄の第1記録終了セルAの列番号及び行番号を検出し、次いで第2段目のデータ欄の第2記録終了セルBの列番号及び行番号を検出し、次いで第1及び第2記録終了セルABの行番号を用いてデータが記録されている段落の間隔N及び段落数Mを算出し、更にデータが記録されているセルの範囲を検出し、この検出したセルの範囲の同一セル位置のデータに対し、前記全転送量データ[イ]と書込数データ[ハ]のセルデータを乗算し、該乗算結果の値を全入出力数データ[ロ]で除算することにより、ワークファイル[ニ]を作成することにより、更新データ量のみを抽出して測定するもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータシステムのデータバックアップ時の更新データの転送量を算出することができる更新データ転送量算出システム及び更新データ転送量算出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年のコンピュータシステムは、災害時のデータ復旧に備えるためコンピュータシステムの設置場所と離れた地域にデータバックアップ用のシステムを設置することが行われており、このようなシステムはディザスタリカバリシステムと呼ばれている。このディザスタリカバリシステムにおいては、上位のコンピュータシステムからバックアップシステムにどれだけの更新データが転送されるかを監視し、更新データの転送量の増加に応じてシステムを再構築することが重要である。従来技術によるデータの転送量の測定は、OS(オペレーティングシステム)のデータ入出力を監視するための性能情報取得コマンド、例えば「iostat」コマンドや、ディスク装置の性能情報取得ツールを使用していた。
【0003】
尚、前記ディザスタリカバリシステムにおけるデータ転送量を測定に関する技術が記載された文献としては、下記特許文献が挙げられる。
【特許文献1】特開2005−190057号公報
【特許文献2】特開2005−107806号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述のOSの性能情報取得コマンドを使用したデータ転送量の測定は、サブディスク装置に接続された全ての業務サーバ台数分のデータを各業務サーバ単位に測定する必要があり、さらに当該コマンドが必要となる更新データのみのデータ転送量の測定だけに限定できないため、データ量が膨大となり、この膨大なデータからディザスタリカバリシステムにおいて必要とされる全ての業務サーバの更新データ量のみを抽出することが困難であると言う不具合があった。また、ディスク装置の性能情報取得ツールによっては、[イ]全データの転送量のデータ(全データ転送量)と[ロ]全入出力数データ(全I/O[入出力]数のデータ)と[ハ]書き込みのデータ(WriteI/O[書込]数のデータ)とをCSV形式で出力することができるものの、CSV形式のデータを一般の表計算ソフトで読み込んだ場合、縦横の項目数の制限によって計測データ項目が表中で途中で折り返されるため、前記[イ]〜[ハ]で出力されたデータを単純に比較演算処理することができず、更新データ量のみを算出することが困難であると言う不具合があった。
【0005】
本発明の目的は、前述の従来技術による不具合を生じることなく、ディザスタリカバリシステムにおいて更新データ量のみを抽出して測定することができる更新データ転送量算出システム及び更新データ転送量算出プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため本発明は、サーバを有するメインサイト及びバックアップサイト間の全転送量データと全入出力数データと書込数データとを基にメインサイトとバックアップサイト間の更新データの転送量を更新データ転送量算出プログラムが算出する更新データ転送量算出システムであって、更新データ転送量算出プログラムが、前記全転送量データのファイルを複写したワークファイルを作成する第1工程と、該作成したワークファイルにおけるデータの記録を最初に開始した基準セルから同一行のデータを記録している最終列セルまで移行し、該最終列セルの最終行に移行することにより第1記録終了セルの列番号及び行番号を検出する第2工程と、前記基準セルから同一列のデータを記録している最終行セルまで移行し、該最終行のセルの最終列に移行することにより第2記録終了セルの列番号及び行番号を検出する第3工程と、前記第1記録終了セルの行番号から第2記録終了セルの行番号を減算することにより、データが記録されている段落の間隔Nを算出する第4工程と、前記第1及び第2記録終了セル位置並びに段落間隔Nを基に段落数Mを算出する第5工程と、前記第1及び第2データ記録終了セル位置並びに段落間隔数N及び段落数Mとを用い、データが記録されているセルの範囲を検出する第6工程と、該第6工程において検出したデータが記録されているセルの範囲の同一セル位置のデータに対し、前記全転送量データと書込数データのセルデータを乗算し、該乗算結果の値を全入出力数データで除算することにより、ワークファイルを作成する第7工程とを実行することを第1の特徴とする。
【0007】
また本発明は、前記特徴の更新データ転送量算出システムにおいて、更新データ転送量算出プログラムが、前記第5工程において、前記基準セルの行番号から項目データを格納したセル数を減算することにより空欄行数を算出し、前記第2記録終了セルの行番号から前記空欄行数を減算した値を前記間隔Nで除算することにより、データが記録されている段落数Mを算出することを第2の特徴とし、前記何れかの更新データ転送量算出システムにおいて、更新データ転送量算出プログラムが、前記第6工程において、前記基準セル及び第1記録最終セルの列番号及び行番号の範囲の複数セルと、前記基準セルの行番号と該基準セルの列番号に間隔Nの値を加算した列番号のセル及び前記第2記録終了記録セルの列番号及び行番号の範囲の複数セルとを、データが記録されているセルの範囲として検出することを第3の特徴とする。
【0008】
更に本発明は、各々サーバを有するメインサイト及びバックアップサイト間の全転送量データと全入出力数データと書込数データとを基に、ディスク装置の性能情報取得ツールが取得したメインサイトとバックアップサイト間の更新データの転送量を算出する更新データ転送量算出プログラムであって、コンピュータに、全転送量データのファイルを複写したワークファイルを作成する第1機能と、該作成したワークファイルにおけるデータの記録を最初に開始した基準セルから同一行のデータを記録している最終列セルまで移行し、該最終列セルの最終行に移行することにより第1記録終了セルの列番号及び行番号を検出する第2機能と、前記基準セルから同一列のデータを記録している最終行セルまで移行し、該最終行のセルの最終列に移行することにより第2記録終了セルの列番号及び行番号を検出する第3機能と、前記第1記録終了セルの行番号から第2記録終了セルの行番号を減算することにより、データが記録されている段落の間隔Nを算出する第4機能と、前記第1及び第2記録終了セル位置並びに段落間隔Nを基に段落数Mを算出する第5機能と、前記第1及び第2データ記録終了セル位置並びに段落間隔数N及び段落数Mとを用い、データが記録されているセルの範囲を検出する第6機能と、該第6機能において検出したデータが記録されているセルの範囲の同一セル位置のデータに対し、前記全転送量データと書込数データのセルデータを乗算し、該乗算結果の値を全入出力数データで除算することにより、ワークファイルを作成する第7機能とを実行することを第4の特徴とする。
【0009】
また本発明は、前記特徴の更新データ転送量算出プログラムにおいて、前記第5機能が、コンピュータに、前記基準セルの行番号から項目データを格納したセル数を減算することにより空欄行数を算出し、前記第2記録終了セルの行番号から前記空欄行数を減算した値を前記間隔Nで除算することにより、データが記録されている段落数Mを算出する機能を実行することを第5の特徴とし、前記何れかの特徴の更新データ転送量算出プログラムにおいて、前記第6機能が、コンピュータに、前記基準セル及び第1記録最終セルの列番号及び行番号の範囲の複数セルと、前記基準セルの行番号と該基準セルの列番号に間隔Nの値を加算した列番号のセル及び前記第2記録終了記録セルの列番号及び行番号の範囲の複数セルとを、データが記録されているセルの範囲として検出する機能を実行することを第6の特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明による更新データ転送量算出システム及びプログラムは、前記第2工程により表形式の第1段目のデータ欄の第1記録終了セルの列番号及び行番号を検出し、前記第3工程により第2段目のデータ欄の第2記録終了セルの列番号及び行番号を検出し、次いで前記第3工程により第1及び第2記録終了セルの行番号を用いてデータが記録されている段落の間隔Nを算出し、更に第4工程により段落数Mを算出し、更に第5工程によりデータが記録されているセルの範囲を検出し、この検出したセルの範囲の同一セル位置のデータに対し、前記全転送量データと書込数データのセルデータを乗算し、該乗算結果の値を全入出力数データで除算することにより、ワークファイルを作成することによって、更新データ量のみを算出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明による更新データ転送量算出プログラムを適用した更新データ転送量算出システムの一実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態による更新データ転送量算出システムにが適用されるディザスタリカバリシステムを示す図、図2は本実施形態による更新データ転送量算出プログラムの動作を説明するためのフロー図、図3は本実施形態による全転送量データ及び全I/O(入出力)数データのファイル例を示す図、図4は本実施形態によるWriteI/O(書込)数データ及びワークファィル例を示す図、図5は図3及び4に示した原理説明の動作を補足するための図である。
【0012】
<構成>
本実施形態による更新データ転送量算出システムが適用されるディザスタリカバリシステムは、図1に示す如く、大別して各種業務を制御するメインサイト100と、該メインサイト100に回線300を介して接続され、メインサイト100のデータのバックアップ及びリカバリを行うバックアップサイト200と、更新データ転送量算出プログラムとから構成される。尚、前記更新データ転送量算出プログラムは、前記何れかのサイトのサーバや別設したコンピュータのプログラムにより構成され、任意のサーバ等に設けられる。また本明細書及び請求項においては、この更新データ転送量算出プログラムを実行する何れかのサーバ他をコンピュータと呼ぶものとする。
【0013】
前記メインサイト100は、特定の業務を行う業務サーバ120と、他の業務を行う業務サーバ13と、これら業務サーバ120及び13に接続され、データを記憶するためのサブディスク装置110と、該サブディスク装置110を外部と接続するための回線装置140とを備え、前記バックアップサイト200は、前記回線300と接続する回線装置240と、該回線装置240及び回線300を介してメインサイト100のサブディスク装置110に記憶された各種データをバックアップ記憶するためのサブディスク装置21と、該サブディスク装置21と接続されメインサイト100の業務サーバ120及び13と同様の機能をもつバックアップサーバ220及び23とを備える。また前記サブディスク装置110は、業務サーバ120のデータを記憶するための論理的に構築されたデータボリューム102と、業務サーバ13のデータを記憶するための論理的に構築されたデータボリューム101を含み、同様に前記サブディスク装置21は、バックアップサーバ220及び23により制御される複製ボリューム211及び212とを含む様に構成されている。尚、前記データボリューム及び複製ボリュームの数は例示であって、実際のサイトにおいては数百単位のデータボリュームが構築されている。
【0014】
この様に構成されたディザスタリカバリシステムは、メインサイト100が、業務サーバ120及び13を用いて各種業務を行い、その業務に使用した各種データをデータボリューム102又は101に記憶する様に動作し、バックアップサイト200が、前記データボリューム102及び101に記憶したデータを回線300を介してサブディスク装置21の複製ボリューム211及び212にリモートコピーデータ101A及び102Aをバックアップする様に動作する。このバックアップは、当初のデータボリューム101及び102の全データのバックアップを行った後には、前回のバックアップしたデータとの差分データのみを更新する差分データバックアップが行われる。
【0015】
<動作>
さて、本実施形態によるディザスタリカバリシステムは、まず、ディスク装置の性能情報取得ツールを使用し、メインサイト100とバックアップサイト200間の全転送量データと全I/O(入出力)数データとWriteI/O(書込)数データとをCSV形式で出力し、これら3種類のCSV形式データ(全転送量データをファイル[イ]と呼び、全I/O(入出力)数データをファイル[ロ]と呼び、WriteI/O(書込)数データをファイル[ハ]と呼ぶこともある)を図2に示す処理フローに従って処理することによって、更新データの転送量を算出する。
【0016】
前記コマンドにより出力されるファイル[イ]の全データ転送量のCSVデータは、図3(a)に示す如く、表計算形式で表した場合、横軸に前記バックアップサイト200のデータボリューム名(図の例では、Volumeと表記)の項目と、縦軸にデータ転送を行った日時分秒の項目が設定された形式となり、表計算ソフトの縦横項目数に制限があると共に、前記横軸のデータボリューム名項目がその測定対象のサイトのボリューム構成数により増減するために列方向のデータ項目数が測定項目毎に異なり、同様に縦軸の日時分秒項目も測定回数分だけ作成されるため、行方向のデータ項目数も測定システム毎に異なる形で出力される。
【0017】
このため前記ディスク装置の性能情報取得ツールにより出力されるファイル[イ]そのものは、データを格納したセルを特定できないため、他のCSV形式のファイル[ロ]及び[ハ]と単純に連結したリレーショナルデータベース等の計算処理を行うことができない。このため本実施形態においては、ファイル[イ]の測定した項目のデータ記録終了点(セル)の検出を行い、複数ファイル間で同一行列番号セル内容を統一する処理を行った後、各ファイルを演算処理することによって、更新データの転送量を算出するものであり、以下、この処理を説明する。
【0018】
この処理手順は、まず、図2に示す如く、ディスク装置の性能情報取得ツールによって図1に示したメインサイト100とバックアップサイト200間における前記3種の全転送量データのファイル[イ]と全I/O(入出力)数データのファイル[ロ]とWriteI/O(書込)数データのファイル[ハ]を得、これらファイルをオープンするステップS10(図5の[a]参照)と、この展開した全転送量データのファイル[イ]を複写したワークファイル[ニ]を作成するステップS11と、データ記録開始セルから、同一行のデータ記録最終列セルまで移行し、その列の最終行セルに移行することによって、前記データ記録終了セルAの列番号及び行番号を検出するステップS12(図5c参照)と、データ記録開始セルから、同一列のデータ記録最終行セルまで移行し、その行の最終列セルに移行することによって、前記データ記録終了セルBの列番号及び行番号を検出するステップS13(図5c参照)と、前記データ記録終了セルAの行番号からデータ記録終了セルBの行番号を減算することにより、データが記録されている段落の間隔Nを算出するステップS14(図5d参照)と、前記データ記録終了セルA及びB並びに段落間隔Nを基に段落数Mを算出するステップS15(図5e参照)とを実行する。尚、ファイル[ロ]及び[ハ]の全I/O(入出力)数データ及びWriteI/O(書込)数データは、全データ転送量に比べてデータ量が少ないため、ファイル[イ]の様に折り返した形式にはならないものであるが、必要な場合はファイル[イ]同様にデータ記録終了セルを算出しても良い。
【0019】
ここで前述したステップS12〜15によるデータ記録終了セルAの列番号及び行番号の検出とデータ記録終了セルBの列番号及び行番号の検出と段落の間隔Nの算出と段落数Mの算出の具体例を図3及び図4を参照して説明する。
【0020】
この具体例は、データ計測期間を2006年5月12日の20:30から20:40までとし、測定インターバル1分(1分間隔で測定)でボリュームが133個(Volume1〜133)のデータを測定した際の全転送量データのファイル[イ],全I/O(入出力)数データのファイル[ロ],WriteI/O(書込)数データのファイル[ハ]を、各々図3(a),図3(b),図4(a)に示したデータとし、演算結果であるワークファイル[ニ]を図4(b)としたとき、図3(a)の如く、データ記録開始セル(基準セル[列3,行8])から同一行のデータを格納している最終列セル[列DZ,行8]を検出することによって、図5に示した記録終了セルA(第1記録最終セル)を検出する工程(ステップS12)と、前記データ記録開始セル[列3,行8]から同一列のデータを格納している最終列セル[列3,行30]を検出し、このセルから同一行のデータを格納している最終列セル[列G,行30]を検出することによって、記録終了セルB(第1記録最終セル)を検出する工程(ステップS13)と、これら工程により検出した記録終了セルBの行番号から記録終了セルAの行番号を減算(セルB行値−セルA行値=30−18=12)することにより、データが記録されている段落の間隔N(値12)を算出する工程(ステップS14)と、前記記録終了セルBの行番号から該表の空欄行数である値「6」を減算し且つ前記段落の間隔N(12)で除算[(セルB行値−6)÷段落間隔値N=(30−6)÷12=2]することにより、データが記録されている段落数M(2段)を算出する工程(ステップS15)と、前記各工程により得た値からデータが記録されているセルの範囲を検出(1段目のデータ記録セルの範囲がデータ記録開始点のセル[列3,行8]からAセル[列DZ,行8]迄と2段目のデータ開始セル[列C,行20]からBセル[列G,行30]迄)する工程とを実行することによって行われる。尚、前記ステップS15における表の空欄行数である値「6」は、基準セルの行番号8から2項目分のセル数2を減算することにより算出することや、数値データが格納されている最初のセル位置を検出し、該検出セルの行番号を採用することによって決めることができる。
【0021】
次いで本システムは、図2に戻り、ファイル[イ]に対して前述のように算出したデータ記録終了セルと該データ記録終了セルから段落間隔数N及び段落数Mとを用い、データが記録されているセルの範囲を検出し、この検出した範囲内において各ファイル[イ]〜[ロ]における同一セル位置のデータを下記数式1を用いて演算することによって、ワークファイル[ニ]を作成する(ステップS16)。尚、前記演算は各ファイルの同一位置のセルのデータを演算するものである。
【0022】
[数1]
{ファイル[ニ]の指定セルデータ}={[イ]の指定セルデータ}×({[ハ]の指定セルデータ}÷{[ロ]の指定セルデータ}) ・・[数式1]
【0023】
この演算の具体例は、全転送量データのファイル[イ],全I/O(入出力)数データのファイル[ロ],WriteI/O(書込)数データのファイル[ハ]が図3及び4に示した値であり、演算結果であるワークファイル[ニ]が図4(b)であり、各ファイル[イ][ロ][ハ]の同一セル(10,4)のデータが各々「1500」/「153」/「70」KB/sの場合、前記数式1によって、{ファイル[ニ]の指定セルデータ}={[イ]の指定セルデータ1500}×({[ハ]の指定セルデータ70}÷{[ロ]の指定セルデータ153})との計算により、686KB/sであることを算出することができ、この算出をデータを格納している全セルを対象として実施することによってワークファイルの更新データの転送量を算出することができる。
【0024】
次いで本更新データの転送量方法は、前記ステップ16により算出した更新データ転送量を含むワークファイル[4]のファイル名を別名、例えば「20060512systemA更新データ転送量データ」に変更して保存するステップS17と、これらファイルを閉じるステップS18とを実行する。
【0025】
このように本実施形態によるディザスタリカバリシステムは、ディスク装置の性能情報取得ツールにより得た全データ転送量のCSV形式のデータ量にデータリードライトの割合をかけることによって、ディザスタリカバリシステムにおいて更新データ量のみを算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本実施形態による更新データ転送量算出システムが適用されるディザスタリカバリシステムを示す図。
【図2】本実施形態による更新データ転送量算出プログラムの動作を説明するためのフロー図。
【図3】本実施形態による全転送量データ及び全入出力数データのファイル例を示す図。
【図4】本実施形態による書込数データ及びワークファィル例を示す図。
【図5】図3に示した原理説明の動作を補足するための図。
【符号の説明】
【0027】
13:業務サーバ、21:サブディスク装置、70:指定セルデータ、100:メインサイト、101:データボリューム、101A:リモートコピーデータ、102:データボリューム、110:サブディスク装置、120:業務サーバ、140:回線装置、153:指定セルデータ、200:バックアップサイト、211:複製ボリューム、220:バックアップサーバ、240:回線装置、300:回線、A:データ記録終了セル、B:データ記録終了セル、M:段落数、N:段落間隔。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバを有するメインサイト及びバックアップサイト間の全転送量データと全入出力数データと書込数データとを基にメインサイトとバックアップサイト間の更新データの転送量を更新データ転送量算出プログラムが算出する更新データ転送量算出システムであって、
更新データ転送量算出プログラムが、前記全転送量データのファイルを複写したワークファイルを作成する第1工程と、該作成したワークファイルにおけるデータの記録を最初に開始した基準セルから同一行のデータを記録している最終列セルまで移行し、該最終列セルの最終行に移行することにより第1記録終了セルの列番号及び行番号を検出する第2工程と、前記基準セルから同一列のデータを記録している最終行セルまで移行し、該最終行のセルの最終列に移行することにより第2記録終了セルの列番号及び行番号を検出する第3工程と、前記第1記録終了セルの行番号から第2記録終了セルの行番号を減算することにより、データが記録されている段落の間隔Nを算出する第4工程と、前記第1及び第2記録終了セル位置並びに段落間隔Nを基に段落数Mを算出する第5工程と、前記第1及び第2データ記録終了セル位置並びに段落間隔数N及び段落数Mとを用い、データが記録されているセルの範囲を検出する第6工程と、該第6工程において検出したデータが記録されているセルの範囲の同一セル位置のデータに対し、前記全転送量データと書込数データのセルデータを乗算し、該乗算結果の値を全入出力数データで除算することにより、ワークファイルを作成する第7工程とを実行する更新データ転送量算出システム。
【請求項2】
更新データ転送量算出プログラムが、前記第4工程において、前記基準セルの行番号から項目データを格納したセル数を減算することにより空欄行数を算出し、前記第2記録終了セルの行番号から前記空欄行数を減算した値を前記間隔Nで除算することにより、データが記録されている段落数Mを算出する請求項1記載の更新データ転送量算出システム。
【請求項3】
更新データ転送量算出プログラムが、前記第5工程において、前記基準セル及び第1記録最終セルの列番号及び行番号の範囲の複数セルと、前記基準セルの行番号と該基準セルの列番号に間隔Nの値を加算した列番号のセル及び前記第2記録終了記録セルの列番号及び行番号の範囲の複数セルとを、データが記録されているセルの範囲として検出する請求項1又は2記載の更新データ転送量算出システム。
【請求項4】
各々サーバを有するメインサイト及びバックアップサイト間の全転送量データと全入出力数データと書込数データとを基に、ディスク装置の性能情報取得ツールが取得したメインサイトとバックアップサイト間の更新データの転送量を算出する更新データ転送量算出プログラムであって、
全転送量データのファイルを複写したワークファイルを作成する第1機能と、該作成したワークファイルにおけるデータの記録を最初に開始した基準セルから同一行のデータを記録している最終列セルまで移行し、該最終列セルの最終行に移行することにより第1記録終了セルの列番号及び行番号を検出する第2機能と、前記基準セルから同一列のデータを記録している最終行セルまで移行し、該最終行のセルの最終列に移行することにより第2記録終了セルの列番号及び行番号を検出する第3機能と、前記第1記録終了セルの行番号から第2記録終了セルの行番号を減算することにより、データが記録されている段落の間隔Nを算出する第4機能と、前記第1及び第2記録終了セル位置並びに段落間隔Nを基に段落数Mを算出する第5機能と、前記第1及び第2データ記録終了セル位置並びに段落間隔数N及び段落数Mとを用い、データが記録されているセルの範囲を検出する第6機能と、該第6機能において検出したデータが記録されているセルの範囲の同一セル位置のデータに対し、前記全転送量データと書込数データのセルデータを乗算し、該乗算結果の値を全入出力数データで除算することにより、ワークファイルを作成する第7機能とを実行する更新データ転送量算出プログラム。
【請求項5】
前記第5機能が、前記基準セルの行番号から項目データを格納したセル数を減算することにより空欄行数を算出し、前記第2記録終了セルの行番号から前記空欄行数を減算した値を前記間隔Nで除算することにより、データが記録されている段落数Mを算出する機能を実行する請求項4記載の更新データ転送量算出プログラム。
【請求項6】
第6機能が、前記基準セル及び第1記録最終セルの列番号及び行番号の範囲の複数セルと、前記基準セルの行番号と該基準セルの列番号に間隔Nの値を加算した列番号のセル及び前記第2記録終了記録セルの列番号及び行番号の範囲の複数セルとを、データが記録されているセルの範囲として検出する請求項4又は5記載の更新データ転送量算出プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−192003(P2008−192003A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−27225(P2007−27225)
【出願日】平成19年2月6日(2007.2.6)
【出願人】(000233033)日立コンピュータ機器株式会社 (253)
【Fターム(参考)】