最大限のGAG及びNEFを樹状細胞に対して標的化することに基づくHIVワクチン
本発明は、1又は2以上のタンパク質分解部位を除去することによりタンパク質分解されにくくなっている改変Gag抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成するDC特異的抗体若しくはその断片、又は抗体−抗原複合体の分泌を増加させる1又は2以上のコドン使用頻度の最適化がなされた改変Nef抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成するDC特異的抗体若しくはその断片、又はその両方を含むワクチンであって、Gag p17、Gag p24、Nef、及び/又はサイクリンD1に対するHIV特異的T細胞免疫応答を誘導することができるワクチン又は組成物並びにこれらを作製及び使用するための方法を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、ウイルスタンパク質を樹状細胞に対して標的化する作用物質の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の範囲を限定することなく、その背景を抗原提示に関して記述する。
【0003】
樹状細胞は、可溶性細胞間シグナルを提供し、その後病原体を認識することにより先天性免疫と獲得免疫との橋渡しを制御する上で極めて重要な役割を果たす。DCのこれらの機能は、トール様受容体(TLR、toll-like receptor)及びC型レクチン又はレクチン様受容体(LLR、lectin-like receptor)によって最も顕著に代表される特殊な表面受容体、「パターン認識受容体」(PRR、pattern recognition receptor)の発現に大きく依存する。
【0004】
現在の理論的枠組では、TLRの主な役割は、免疫応答を開始するためにインターロイキン12(IL−12、interleukin 12)及び他の炎症性サイトカインを産生するように、DCに警報を出すことである。C型LLRは、マクロファージ及びDCの強力な抗原捕捉及び取込み機序の構成要素として作用する。しかしながら、LLRは、TLRと比較して、細胞遊走、細胞間相互作用を含むより広範囲の生物学的機能を有している可能性がある。こうしたLLRの多機能性は、LLRがTLRと異なり自己及び非自己を両方とも認識することができるという事実に起因する可能性がある。しかしながら、多くのLLRが免疫細胞で発現されるという重複性を含めて、LLRの複雑性は、個々のLLRの詳細な機能の理解を妨げる主な障害の1つである。加えて、これらの受容体の大部分に対する天然リガンドは依然として特定されていない。それにもかかわらず、最近の研究から得られた根拠によると、LLRは、TLRと協働して、微生物感染中の免疫細胞の活性化に寄与し得ることが示唆されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態では、本発明は、1又は2以上のタンパク質分解部位を除去することによりタンパク質分解されにくくなっている改変Gag抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成するDC特異的抗体又はその断片を単離及び精製し、抗体−抗原複合体がプロセシングされT細胞認識のために提示される条件下で抗原提示細胞を接触させることにより、抗原提示細胞による抗原提示の有効性を増加させるための組成物及び方法を含む。一態様では、抗原提示細胞は樹状細胞を含む。別の態様では、DC特異的抗体若しくはその断片は、コヘリン(Coherin)/ドッケリン(Dockerin)対の片方に結合するか、又はDC特異的抗体若しくはその断片は、コヘリン/ドッケリン対の片方に結合し、改変Gag抗原はコヘリン/ドッケリン対の相補的な片方に結合して複合体を形成する。別の態様では、抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体若しくはその断片とGag抗原の間に可動性リンカーをさらに含む。一態様では、抗体−抗原複合体は、1又は2以上の新しいグリコシル化部位をさらに含むか、又は抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体又はその断片とGag抗原の間に可動性リンカーをさらに含み、このリンカーは、抗体と抗原との間の可動性の増加、リンカーのタンパク質分解の減少、及び分泌の増加を提供する1又は2以上のグリコシル化部位を含む。さらに別の態様では、抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体又はその断片とGag抗原の間に可動性リンカーをさらに含み、このリンカーは、配列番号4及び6から選択される1又は2以上のリンカーを含む。
【0006】
本発明の別の態様では、抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体又はその断片とGag抗原の間に可動性リンカーをさらに含み、このリンカーは、セルロース分解生物に由来するリンカー配列から選択される1又は2以上のグリコシル化部位を含む。一態様では、DC特異的抗体又はその断片はヒト化されている。特定の一態様では、抗体−抗原複合体は、配列番号1、2、3、4、5、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、31、又は32から選択される。別の態様では、抗体−抗原複合体は、複合体の精製又は特定に使用される配列タグをさらに含む。さらに別の態様では、DC特異的抗体又はその断片は、MHCクラスI、MHCクラスII、CD1、CD2、CD3、CD4、CD8、CD11b、CD14、CD15、CD16、CD19、CD20、CD29、CD31、CD40、CD43、CD44、CD45、CD54、CD56、CD57、CD58、CD83、CD86、CMRF−44、CMRF−56、DCIR、DC−ASPGR、CLEC−6、CD40、BDCA−2、MARCO、DEC−205、マンノース受容体、ランゲリン(Langerin)、DECTIN−1、B7−1、B7−2、IFN−γ受容体及びIL−2受容体、ICAM−1、Fcγ受容体、LOX−1、並びにASPGRに特異的に結合する抗体から選択される。
【0007】
本発明の別の実施形態は、抗体−抗原複合体の分泌を増加させる1又は2以上のコドン使用頻度の最適化がなされた改変Nef抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成するDC特異的抗体又はその断片を単離及び精製し、抗体−抗原複合体がプロセシングされT細胞認識のために提示される条件下で抗原提示細胞を接触させることにより、抗原提示細胞による抗原提示の有効性を増加させるための組成物及び方法を含む。一態様では、抗原提示細胞は樹状細胞を含む。別の態様では、DC特異的抗体若しくはその断片はコヘリン/ドッケリン対の片方に結合するか、又はDC特異的抗体若しくはその断片はコヘリン/ドッケリン対の片方に結合し、改変Nef抗原はコヘリン/ドッケリン対の相補的な片方に結合して複合体を形成する。別の態様では、抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体又はその断片とNef抗原の間に可動性リンカーをさらに含む。一態様では、抗体−抗原複合体は、1又は2以上の新しいグリコシル化部位をさらに含むか、又は抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体又はその断片とNef抗原の間に可動性リンカーをさらに含み、このリンカーは、抗体と抗原との間の可動性の増加、リンカーのタンパク質分解の減少、及び分泌の増加を提供する1又は2以上のグリコシル化部位を含む。一態様では、抗体−抗原複合体は、配列番号4及び6から選択される1又は2以上のリンカーを含む、DC特異的抗体又はその断片とNef抗原の間に可動性リンカーをさらに含む。一態様では、抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体又はその断片とNef抗原の間に可動性リンカーをさらに含み、このリンカーは、セルロース分解生物に由来するリンカー配列から選択される1又は2以上のグリコシル化部位を含む。一態様では、DC特異的抗体又はその断片はヒト化されている。さらに別の態様では、抗体−抗原複合体は、配列番号11、12、13、14、15、16、及び17を含む。別の態様では、抗体−抗原複合体は、複合体の精製又は特定に使用される配列タグをさらに含む。一態様では、DC特異的抗体又はその断片は、MHCクラスI、MHCクラスII、CD1、CD2、CD3、CD4、CD8、CD11b、CD14、CD15、CD16、CD19、CD20、CD29、CD31、CD40、CD43、CD44、CD45、CD54、CD56、CD57、CD58、CD83、CD86、CMRF−44、CMRF−56、DCIR、DC−ASPGR、CLEC−6、CD40、BDCA−2、MARCO、DEC−205、マンノース受容体、ランゲリン、DECTIN−1、B7−1、B7−2、IFN−γ受容体及びIL−2受容体、ICAM−1、Fcγ受容体、LOX−1、並びにASPGRに特異的に結合する抗体から選択される。
【0008】
本発明のさらに別の実施形態は、1又は2以上のタンパク質分解部位を除去することによりタンパク質分解されにくくなっている改変Gag抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成するDC特異的抗体又はその断片を含むワクチンである。一態様では、抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体又はその断片とGag抗原の間に可動性リンカーをさらに含む。さらに別の態様では、抗体−抗原複合体は、1又は2以上の新しいグリコシル化部位をさらに含む。さらに別の態様では、抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体又はその断片とGag抗原の間に可動性リンカーをさらに含み、このリンカーは、抗体と抗原との間の可動性の増加、リンカーのタンパク質分解の減少、及び分泌の増加を提供する1又は2以上のグリコシル化部位を含む。別の態様では、抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体又はその断片とGag抗原の間に可動性リンカーをさらに含み、このリンカーは、配列番号4及び6から選択される1又は2以上のリンカーを含む。別の態様では、抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体又はその断片とGag抗原の間に可動性リンカーをさらに含み、このリンカーは、セルロース分解生物に由来するリンカー配列から選択される1又は2以上のグリコシル化部位を含む。一態様では、DC特異的抗体又はその断片はヒト化されている。特定の一態様では、抗体−抗原複合体は、配列番号1、2、3、4、5、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、31、又は32から選択される。別の態様では、抗体−抗原複合体は、複合体の精製に使用される配列タグをさらに含む。当業者であれば、抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体又はその断片と抗原との間の結合は、共有結合若しくは非共有結合により形成されてもよいことや、どちらかの部分のアミノ末端若しくはカルボキシ末端における融合タンパク質の形態であってもよいことや、1若しくは2以上の両方の部分によるコンカテマー(contactamer)として形成してもよいことを理解する。一態様では、DC特異的抗体又はその断片は、MHCクラスI、MHCクラスII、CD1、CD2、CD3、CD4、CD8、CD11b、CD14、CD15、CD16、CD19、CD20、CD29、CD31、CD40、CD43、CD44、CD45、CD54、CD56、CD57、CD58、CD83、CD86、CMRF−44、CMRF−56、DCIR、DC−ASPGR、CLEC−6、CD40、BDCA−2、MARCO、DEC−205、マンノース受容体、ランゲリン、DECTIN−1、B7−1、B7−2、IFN−γ受容体及びIL−2受容体、ICAM−1、Fcγ受容体、LOX−1、並びにASPGRに特異的に結合する抗体から選択される。
【0009】
本発明のさらに別の実施形態は、抗体−抗原複合体の分泌を増加させる1又は2以上のコドン使用頻度の最適化がなされた改変Nef抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成するDC特異的抗体又はその断片を含むワクチンである。一態様では、抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体又はその断片とNef抗原の間に可動性リンカーをさらに含む。別の態様では、抗体−抗原複合体は、1又は2以上の新しいグリコシル化部位をさらに含む。さらに別の態様では、抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体又はその断片とNef抗原の間に可動性リンカーをさらに含み、このリンカーは、抗体と抗原との間の可動性の増加、リンカーのタンパク質分解の減少、及び分泌の増加を提供する1又は2以上のグリコシル化部位を含む。別の態様では、抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体又はその断片とNef抗原の間に可動性リンカーをさらに含み、このリンカーは、配列番号4及び6から選択される1又は2以上のリンカーを含む。さらに別の態様では、抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体又はその断片とNef抗原の間に可動性リンカーをさらに含み、このリンカーは、セルロース分解生物に由来するリンカー配列から選択される1又は2以上のグリコシル化部位を含む。特定の一態様では、DC特異的抗体又はその断片はヒト化されている。別の特定の態様では、抗体−抗原複合体は、配列番号1、2、3、4、5、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、31、又は32を含む。さらに別の態様では、抗体−抗原複合体は、複合体の精製に使用される配列タグをさらに含む。当業者であれば、抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体又はその断片と抗原との間の結合は、共有結合若しくは非共有結合により形成されてもよいことや、どちらかの部分のアミノ末端若しくはカルボキシ末端における融合タンパク質の形態であってもよいことや、1若しくは2以上の両方の部分によるコンカテマー(contactamer)として形成してもよいことを理解する。別の態様では、DC特異的抗体又はその断片は、MHCクラスI、MHCクラスII、CD1、CD2、CD3、CD4、CD8、CD11b、CD14、CD15、CD16、CD19、CD20、CD29、CD31、CD40、CD43、CD44、CD45、CD54、CD56、CD57、CD58、CD83、CD86、CMRF−44、CMRF−56、DCIR、DC−ASPGR、CLEC−6、CD40、BDCA−2、MARCO、DEC−205、マンノース受容体、ランゲリン、DECTIN−1、B7−1、B7−2、IFN−γ受容体及びIL−2受容体、ICAM−1、Fcγ受容体、LOX−1、並びにASPGRに特異的に結合する抗体から選択される。
【0010】
本発明のさらに別の実施形態は、1又は2以上のタンパク質分解部位を除去することによりタンパク質分解されにくくなっている改変Gag抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成するDC特異的抗体又はその断片と、抗体−抗原複合体の分泌を増加させる1又は2以上のコドン使用頻度の最適化がなされた改変Nef抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成するDC特異的抗体又はその断片とを含むワクチンであって、Gag p17、Gag p24、及びNefに対するHIV特異的T細胞免疫応答を誘導することができるワクチンである。一態様では、Gag及びNef抗原は、融合タンパク質を構成する。別の態様では、Gag及びNef抗原は、1又は2以上の可動性リンカーによって隔てられて融合タンパク質を構成する。一態様では、抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体又はその断片とGag又はNef抗原の間に可動性リンカーをさらに含み、このリンカーは、配列番号4及び6から選択される1又は2以上のリンカーを含む。一態様では、抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体又はその断片とGag抗原の間に可動性リンカーをさらに含み、このリンカーは、セルロース分解生物に由来するリンカー配列から選択される1又は2以上のグリコシル化部位を含む。一態様では、DC特異的抗体又はその断片はヒト化されている。特定の一態様では、ワクチンは、配列番号1、2、3、4、5、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、31、又は32から選択される。別の態様では、抗体−抗原複合体は、複合体の精製に使用される配列タグをさらに含む。
【0011】
さらに別の実施形態では、本発明は、1又は2以上のタンパク質分解部位を除去することによりタンパク質分解されにくくなっている改変Gag抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成するDC特異的抗体又はその断片と、DC特異的抗体若しくはその断片又は改変Gag抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成し、抗体−抗原複合体の分泌を増加させる1又は2以上のコドン使用頻度の最適化がなされた改変Nef抗原とを含むワクチンであって、Gag p17、Gag p24、及びNefに対するHIV特異的T細胞免疫応答を誘導することができるワクチンである。一態様では、DC特異的抗体又はその断片とGag及びNef抗原は、融合タンパク質を構成する。一態様では、Gag及びNef抗原は、1又は2以上の可動性リンカーによって隔てられて融合タンパク質を構成する。
【0012】
本発明のさらに別の実施形態は、患者の樹状細胞を単離し、1又は2以上のタンパク質分解部位を除去することによりタンパク質分解されにくくなっている改変Gag抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成するDC特異的抗体又はその断片と、DC特異的抗体若しくはその断片又は改変Gag抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成し、抗体−抗原複合体の分泌を増加させる1又は2以上のコドン使用頻度の最適化がなされた改変Nef抗原とを含む活性化量のワクチンであって、Gag p17、Gag p24、及びNefに対するHIV特異的T細胞免疫応答を誘導することができるワクチンに樹状細胞を曝露し、抗原が負荷され活性化された樹状細胞を患者に再導入することにより、樹状細胞の有効性を増加させるための方法を含む。
【0013】
本発明のさらに別の実施形態は、1又は2以上のタンパク質分解部位を除去することによりタンパク質分解されにくくなっているサイクリンD1又はその断片を含む改変抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成するDC特異的抗体又はその断片を含むワクチンを含む。一態様では、抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体又はその断片とサイクリンD1抗原の間に可動性リンカーをさらに含む。別の態様では、抗体−抗原複合体は、1又は2以上の新しいグリコシル化部位をさらに含む。さらに別の態様では、抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体又はその断片とサイクリンD1抗原の間に可動性リンカーをさらに含み、このリンカーは、抗体と抗原との間の可動性の増加、リンカーのタンパク質分解の減少、及び分泌の増加を提供する1又は2以上のグリコシル化部位を含む。例えば、抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体又はその断片とサイクリンD1抗原の間に可動性リンカーをさらに含むこともでき、このリンカーは、セルロース分解生物に由来するリンカー配列から選択される1又は2以上のグリコシル化部位を含む。一態様では、DC特異的抗体又はその断片はヒト化されている。別の態様では、DC特異的抗体又はその断片はコヘリン/ドッケリン対の片方に結合し、改変サイクリンD1抗原はコヘリン/ドッケリン対の相補的な片方に結合して複合体を形成する。本発明は、樹状細胞の有効性を増加させるための方法であって、患者の樹状細胞を単離する方法や、1又は2以上のタンパク質分解部位を除去すること、又はグリコシル化部位を導入すること、又は発現を向上させる1又は2以上のコドンの選択により発現を向上させることによりタンパク質分解されにくくなっているサイクリンD1又はその断片(複数可)を含む改変抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成するDC特異的抗体又はその断片を含む活性化量のワクチンに樹状細胞を曝露する方法や、抗原が負荷され活性化された樹状細胞を患者に再導入する方法も含む。
【0014】
本発明のさらに別の実施形態は、配列番号1、2、3、4、5、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、31、又は32から選択されるポリペプチドをコードする、単離及び精製された核酸を含む。本発明のさらに別の実施形態は、配列番号1、2、3、4、5、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、31、又は32から選択される、単離及び精製されたポリペプチドを含む。
【0015】
本発明の特徴及び利点に関するより完全な理解のために、本発明の詳細な記述が、添付の図面と共にここで参照される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】H鎖−gag p24融合体をコードする発現ベクターを一過的にトランスフェクトしたCHO−S又は293F細胞から得られ、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーで精製されたgag p24−抗体融合タンパク質のクマシーブルー染色還元SDS PAGE分析を、構築体及び予測分子量の略図と共に示す図である。
【図2】セルロソームにアンカーするスキャフォールディンB(scaffoldin B)前駆体[バクテロイデス・セルロソルベンス(Bacteroides cellulosolvens)]に由来するH鎖−gag p24リンカーとのH鎖−gag p24融合体をコードする発現ベクター及び対応する軽(L)鎖発現プラスミドを一過的にトランスフェクトしたCHO−S又は293F細胞から得られ、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーで精製されたgag p24−抗体融合タンパク質のクマシーブルー染色還元SDS PAGE分析を、構築体並びに予測グリコシル化部位及び分子量の略図と共に示す図である。
【図3A−3C】cipAの構造ドメイン模式図を示す図である。
【図4A−4C】セルロソームにアンカーするスキャフォールディンB前駆体[バクテロイデス・セルロソルベンス]の構造ドメイン模式図を示す図である。
【図5】C535コードH鎖の予測される近似的位置を示すゲルを、構築体及び予測分子量の略図と共に示す図である。
【図6】適切なL鎖発現プラスミドを同時トランスフェクトした[mAnti−DCIR_9E8_H−LV−hIgG4H−C−Flex−var1−Viralgag−p40−var1−6xHis]C601の部分的に精製された発現産物のゲルを、構築体並びに予測グリコシル化部位及び分子量の略図と共に示す図である。
【図7】同一の適切なL鎖発現構築体と共に293F細胞に一過的に同時トランスフェクトした種々のH鎖−抗原構築体を、構築体並びに予測グリコシル化部位及び分子量の略図と共に示す図である。
【図8】CD40に結合しそれを活性化することができる抗CD40抗体のサブセットを検出するためのスクリーニングから得られたグラフである。
【図9】10μg/ml〜無抗CD4012E12−hIgG4ドッケリン−コヘシンインフルエンザM1コンジュゲートの用量範囲により誘導された際のCD8+染色[横軸]対インフルエンザM1四量体染色[縦軸]のFACS解析を示す図である。
【図10】10μg/ml〜無対照hIgG4ドッケリン−コヘシンインフルエンザM1コンジュゲートの用量範囲により誘導された際の、CD8+染色[横軸]対インフルエンザM1四量体染色[縦軸]のFACS解析を示す図である。
【図11】PBMC培養の状況で抗原特異的T細胞の増殖を誘導する抗DC受容体−抗原標的化分子(TM、Targeting Molecule)の効能を、インビトロでアッセイするために使用されるプロトコールを示す図である。
【図12】抗CD4012E12 gag p17 nef gag p24ワクチンによるDC標的化[PBMC内]の効果を示す図である。
【図13】ワクチンが、gag p24ペプチドクラスターすべてに対して特異性を有するCD4+T細胞の増殖を誘導することを示す図である。
【図14】FACSデータを示す図であり、縦軸はIFNγ産生細胞のパーセントを示す[上段パネル]。下段パネルは、PBMC培養内のCD8+T細胞に関する同様のデータを示し、このデータは、gag p17配列を包含するペプチドクラスターがすべて、非ペプチド対照よりも著しく高いIFNγ産生T細胞の産生を誘導したことも示す。
【図15】ワクチンが、試験された最も低いワクチン用量でさえ、ほとんどのHIV nefペプチドクラスターに対して特異性を有するCD4+T細胞の増殖を誘導し、IFNγ産生CD4+T細胞のパーセントが、細胞をペプチドで処理しなかった場合より著しく高かったことを、グラフ形態のデータで示す図である。
【図16】FACSデータを示す図であり、ワクチンが、試験された最も低いワクチン用量でさえ、ほとんどのHIV nefペプチドクラスターに対して特異性を有するCD4+T細胞の増殖を誘導し、IFNγ産生CD4+T細胞のパーセントが、細胞をペプチドで処理しなかった場合よりも著しく高かったことを示す。
【図17】データをグラフ形態で示す図であり、縦軸はIFNγ産生細胞のパーセントを示す[上段パネル]。下段パネルは、PBMC培養内のCD8+T細胞に関する同様のデータを示し、このデータは、nef配列を包含するペプチドクラスターがすべて、非ペプチド対照よりも著しく高いIFNγ産生T細胞の産生を誘導したことも示す。
【図18】前立腺特異的抗原[PSA、prostate-specific antigen]に連結された抗CD40−12E12を含むワクチンが、未感作T細胞集団から、広範なPSAエピトープに対応するPSA特異的CD4+T細胞の増殖を誘導する能力を試験するプロトコールの概略を示す図である。
【図19】多くのPSAペプチドが、強力なIFNγ産生応答を誘導することを示す図であり、抗CD4012E12及び類似の抗CD40作用物質が、抗原をDCに効果的に送達することができ、抗原の複数のエピトープに対する免疫応答の初回刺激に帰着することを示す。
【図20】DCを標的とする抗CD40−PSAで標的とされたDCが、PSA特異的CD8+T細胞応答を誘導することを示す図である。IFNDCを、PSAとのmAb融合タンパク質1μgで標的とした。精製された自己由来CD8+T細胞を10日間共培養した。細胞を、抗CD8及びPSA(KLQCVDLHV)四量体で染色した。細胞は、HLA−A*0201陽性健常供与体に由来する。その結果は、抗CD40が効果的にPSAをDCに送達し、それはひいてはPSA特異的CD8+T細胞の増殖を誘導することを実証する。
【図21】DCによる標的化された取込み及びその細胞表面上での抗原エピトープの提示に起因する抗原特異的T細胞の増殖を指図するその能力について、抗DC受容体標的化ワクチンを試験するためのDC標的化プロトコールを概説する図である。
【図22】[上段パネル]抗CD4012E12 nef、抗CD4012E12 gag p24、及び抗CD4012E12 gag p17 nef gag p24ワクチンの効能の比較を示す図である[患者Aph002]。
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、ウイルスタンパク質を樹状細胞に対して標的化する作用物質の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の範囲を限定することなく、その背景を抗原提示に関して記述する。
【0003】
樹状細胞は、可溶性細胞間シグナルを提供し、その後病原体を認識することにより先天性免疫と獲得免疫との橋渡しを制御する上で極めて重要な役割を果たす。DCのこれらの機能は、トール様受容体(TLR、toll-like receptor)及びC型レクチン又はレクチン様受容体(LLR、lectin-like receptor)によって最も顕著に代表される特殊な表面受容体、「パターン認識受容体」(PRR、pattern recognition receptor)の発現に大きく依存する。
【0004】
現在の理論的枠組では、TLRの主な役割は、免疫応答を開始するためにインターロイキン12(IL−12、interleukin 12)及び他の炎症性サイトカインを産生するように、DCに警報を出すことである。C型LLRは、マクロファージ及びDCの強力な抗原捕捉及び取込み機序の構成要素として作用する。しかしながら、LLRは、TLRと比較して、細胞遊走、細胞間相互作用を含むより広範囲の生物学的機能を有している可能性がある。こうしたLLRの多機能性は、LLRがTLRと異なり自己及び非自己を両方とも認識することができるという事実に起因する可能性がある。しかしながら、多くのLLRが免疫細胞で発現されるという重複性を含めて、LLRの複雑性は、個々のLLRの詳細な機能の理解を妨げる主な障害の1つである。加えて、これらの受容体の大部分に対する天然リガンドは依然として特定されていない。それにもかかわらず、最近の研究から得られた根拠によると、LLRは、TLRと協働して、微生物感染中の免疫細胞の活性化に寄与し得ることが示唆されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態では、本発明は、1又は2以上のタンパク質分解部位を除去することによりタンパク質分解されにくくなっている改変Gag抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成するDC特異的抗体又はその断片を単離及び精製し、抗体−抗原複合体がプロセシングされT細胞認識のために提示される条件下で抗原提示細胞を接触させることにより、抗原提示細胞による抗原提示の有効性を増加させるための組成物及び方法を含む。一態様では、抗原提示細胞は樹状細胞を含む。別の態様では、DC特異的抗体若しくはその断片は、コヘリン(Coherin)/ドッケリン(Dockerin)対の片方に結合するか、又はDC特異的抗体若しくはその断片は、コヘリン/ドッケリン対の片方に結合し、改変Gag抗原はコヘリン/ドッケリン対の相補的な片方に結合して複合体を形成する。別の態様では、抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体若しくはその断片とGag抗原の間に可動性リンカーをさらに含む。一態様では、抗体−抗原複合体は、1又は2以上の新しいグリコシル化部位をさらに含むか、又は抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体又はその断片とGag抗原の間に可動性リンカーをさらに含み、このリンカーは、抗体と抗原との間の可動性の増加、リンカーのタンパク質分解の減少、及び分泌の増加を提供する1又は2以上のグリコシル化部位を含む。さらに別の態様では、抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体又はその断片とGag抗原の間に可動性リンカーをさらに含み、このリンカーは、配列番号4及び6から選択される1又は2以上のリンカーを含む。
【0006】
本発明の別の態様では、抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体又はその断片とGag抗原の間に可動性リンカーをさらに含み、このリンカーは、セルロース分解生物に由来するリンカー配列から選択される1又は2以上のグリコシル化部位を含む。一態様では、DC特異的抗体又はその断片はヒト化されている。特定の一態様では、抗体−抗原複合体は、配列番号1、2、3、4、5、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、31、又は32から選択される。別の態様では、抗体−抗原複合体は、複合体の精製又は特定に使用される配列タグをさらに含む。さらに別の態様では、DC特異的抗体又はその断片は、MHCクラスI、MHCクラスII、CD1、CD2、CD3、CD4、CD8、CD11b、CD14、CD15、CD16、CD19、CD20、CD29、CD31、CD40、CD43、CD44、CD45、CD54、CD56、CD57、CD58、CD83、CD86、CMRF−44、CMRF−56、DCIR、DC−ASPGR、CLEC−6、CD40、BDCA−2、MARCO、DEC−205、マンノース受容体、ランゲリン(Langerin)、DECTIN−1、B7−1、B7−2、IFN−γ受容体及びIL−2受容体、ICAM−1、Fcγ受容体、LOX−1、並びにASPGRに特異的に結合する抗体から選択される。
【0007】
本発明の別の実施形態は、抗体−抗原複合体の分泌を増加させる1又は2以上のコドン使用頻度の最適化がなされた改変Nef抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成するDC特異的抗体又はその断片を単離及び精製し、抗体−抗原複合体がプロセシングされT細胞認識のために提示される条件下で抗原提示細胞を接触させることにより、抗原提示細胞による抗原提示の有効性を増加させるための組成物及び方法を含む。一態様では、抗原提示細胞は樹状細胞を含む。別の態様では、DC特異的抗体若しくはその断片はコヘリン/ドッケリン対の片方に結合するか、又はDC特異的抗体若しくはその断片はコヘリン/ドッケリン対の片方に結合し、改変Nef抗原はコヘリン/ドッケリン対の相補的な片方に結合して複合体を形成する。別の態様では、抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体又はその断片とNef抗原の間に可動性リンカーをさらに含む。一態様では、抗体−抗原複合体は、1又は2以上の新しいグリコシル化部位をさらに含むか、又は抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体又はその断片とNef抗原の間に可動性リンカーをさらに含み、このリンカーは、抗体と抗原との間の可動性の増加、リンカーのタンパク質分解の減少、及び分泌の増加を提供する1又は2以上のグリコシル化部位を含む。一態様では、抗体−抗原複合体は、配列番号4及び6から選択される1又は2以上のリンカーを含む、DC特異的抗体又はその断片とNef抗原の間に可動性リンカーをさらに含む。一態様では、抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体又はその断片とNef抗原の間に可動性リンカーをさらに含み、このリンカーは、セルロース分解生物に由来するリンカー配列から選択される1又は2以上のグリコシル化部位を含む。一態様では、DC特異的抗体又はその断片はヒト化されている。さらに別の態様では、抗体−抗原複合体は、配列番号11、12、13、14、15、16、及び17を含む。別の態様では、抗体−抗原複合体は、複合体の精製又は特定に使用される配列タグをさらに含む。一態様では、DC特異的抗体又はその断片は、MHCクラスI、MHCクラスII、CD1、CD2、CD3、CD4、CD8、CD11b、CD14、CD15、CD16、CD19、CD20、CD29、CD31、CD40、CD43、CD44、CD45、CD54、CD56、CD57、CD58、CD83、CD86、CMRF−44、CMRF−56、DCIR、DC−ASPGR、CLEC−6、CD40、BDCA−2、MARCO、DEC−205、マンノース受容体、ランゲリン、DECTIN−1、B7−1、B7−2、IFN−γ受容体及びIL−2受容体、ICAM−1、Fcγ受容体、LOX−1、並びにASPGRに特異的に結合する抗体から選択される。
【0008】
本発明のさらに別の実施形態は、1又は2以上のタンパク質分解部位を除去することによりタンパク質分解されにくくなっている改変Gag抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成するDC特異的抗体又はその断片を含むワクチンである。一態様では、抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体又はその断片とGag抗原の間に可動性リンカーをさらに含む。さらに別の態様では、抗体−抗原複合体は、1又は2以上の新しいグリコシル化部位をさらに含む。さらに別の態様では、抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体又はその断片とGag抗原の間に可動性リンカーをさらに含み、このリンカーは、抗体と抗原との間の可動性の増加、リンカーのタンパク質分解の減少、及び分泌の増加を提供する1又は2以上のグリコシル化部位を含む。別の態様では、抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体又はその断片とGag抗原の間に可動性リンカーをさらに含み、このリンカーは、配列番号4及び6から選択される1又は2以上のリンカーを含む。別の態様では、抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体又はその断片とGag抗原の間に可動性リンカーをさらに含み、このリンカーは、セルロース分解生物に由来するリンカー配列から選択される1又は2以上のグリコシル化部位を含む。一態様では、DC特異的抗体又はその断片はヒト化されている。特定の一態様では、抗体−抗原複合体は、配列番号1、2、3、4、5、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、31、又は32から選択される。別の態様では、抗体−抗原複合体は、複合体の精製に使用される配列タグをさらに含む。当業者であれば、抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体又はその断片と抗原との間の結合は、共有結合若しくは非共有結合により形成されてもよいことや、どちらかの部分のアミノ末端若しくはカルボキシ末端における融合タンパク質の形態であってもよいことや、1若しくは2以上の両方の部分によるコンカテマー(contactamer)として形成してもよいことを理解する。一態様では、DC特異的抗体又はその断片は、MHCクラスI、MHCクラスII、CD1、CD2、CD3、CD4、CD8、CD11b、CD14、CD15、CD16、CD19、CD20、CD29、CD31、CD40、CD43、CD44、CD45、CD54、CD56、CD57、CD58、CD83、CD86、CMRF−44、CMRF−56、DCIR、DC−ASPGR、CLEC−6、CD40、BDCA−2、MARCO、DEC−205、マンノース受容体、ランゲリン、DECTIN−1、B7−1、B7−2、IFN−γ受容体及びIL−2受容体、ICAM−1、Fcγ受容体、LOX−1、並びにASPGRに特異的に結合する抗体から選択される。
【0009】
本発明のさらに別の実施形態は、抗体−抗原複合体の分泌を増加させる1又は2以上のコドン使用頻度の最適化がなされた改変Nef抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成するDC特異的抗体又はその断片を含むワクチンである。一態様では、抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体又はその断片とNef抗原の間に可動性リンカーをさらに含む。別の態様では、抗体−抗原複合体は、1又は2以上の新しいグリコシル化部位をさらに含む。さらに別の態様では、抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体又はその断片とNef抗原の間に可動性リンカーをさらに含み、このリンカーは、抗体と抗原との間の可動性の増加、リンカーのタンパク質分解の減少、及び分泌の増加を提供する1又は2以上のグリコシル化部位を含む。別の態様では、抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体又はその断片とNef抗原の間に可動性リンカーをさらに含み、このリンカーは、配列番号4及び6から選択される1又は2以上のリンカーを含む。さらに別の態様では、抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体又はその断片とNef抗原の間に可動性リンカーをさらに含み、このリンカーは、セルロース分解生物に由来するリンカー配列から選択される1又は2以上のグリコシル化部位を含む。特定の一態様では、DC特異的抗体又はその断片はヒト化されている。別の特定の態様では、抗体−抗原複合体は、配列番号1、2、3、4、5、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、31、又は32を含む。さらに別の態様では、抗体−抗原複合体は、複合体の精製に使用される配列タグをさらに含む。当業者であれば、抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体又はその断片と抗原との間の結合は、共有結合若しくは非共有結合により形成されてもよいことや、どちらかの部分のアミノ末端若しくはカルボキシ末端における融合タンパク質の形態であってもよいことや、1若しくは2以上の両方の部分によるコンカテマー(contactamer)として形成してもよいことを理解する。別の態様では、DC特異的抗体又はその断片は、MHCクラスI、MHCクラスII、CD1、CD2、CD3、CD4、CD8、CD11b、CD14、CD15、CD16、CD19、CD20、CD29、CD31、CD40、CD43、CD44、CD45、CD54、CD56、CD57、CD58、CD83、CD86、CMRF−44、CMRF−56、DCIR、DC−ASPGR、CLEC−6、CD40、BDCA−2、MARCO、DEC−205、マンノース受容体、ランゲリン、DECTIN−1、B7−1、B7−2、IFN−γ受容体及びIL−2受容体、ICAM−1、Fcγ受容体、LOX−1、並びにASPGRに特異的に結合する抗体から選択される。
【0010】
本発明のさらに別の実施形態は、1又は2以上のタンパク質分解部位を除去することによりタンパク質分解されにくくなっている改変Gag抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成するDC特異的抗体又はその断片と、抗体−抗原複合体の分泌を増加させる1又は2以上のコドン使用頻度の最適化がなされた改変Nef抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成するDC特異的抗体又はその断片とを含むワクチンであって、Gag p17、Gag p24、及びNefに対するHIV特異的T細胞免疫応答を誘導することができるワクチンである。一態様では、Gag及びNef抗原は、融合タンパク質を構成する。別の態様では、Gag及びNef抗原は、1又は2以上の可動性リンカーによって隔てられて融合タンパク質を構成する。一態様では、抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体又はその断片とGag又はNef抗原の間に可動性リンカーをさらに含み、このリンカーは、配列番号4及び6から選択される1又は2以上のリンカーを含む。一態様では、抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体又はその断片とGag抗原の間に可動性リンカーをさらに含み、このリンカーは、セルロース分解生物に由来するリンカー配列から選択される1又は2以上のグリコシル化部位を含む。一態様では、DC特異的抗体又はその断片はヒト化されている。特定の一態様では、ワクチンは、配列番号1、2、3、4、5、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、31、又は32から選択される。別の態様では、抗体−抗原複合体は、複合体の精製に使用される配列タグをさらに含む。
【0011】
さらに別の実施形態では、本発明は、1又は2以上のタンパク質分解部位を除去することによりタンパク質分解されにくくなっている改変Gag抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成するDC特異的抗体又はその断片と、DC特異的抗体若しくはその断片又は改変Gag抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成し、抗体−抗原複合体の分泌を増加させる1又は2以上のコドン使用頻度の最適化がなされた改変Nef抗原とを含むワクチンであって、Gag p17、Gag p24、及びNefに対するHIV特異的T細胞免疫応答を誘導することができるワクチンである。一態様では、DC特異的抗体又はその断片とGag及びNef抗原は、融合タンパク質を構成する。一態様では、Gag及びNef抗原は、1又は2以上の可動性リンカーによって隔てられて融合タンパク質を構成する。
【0012】
本発明のさらに別の実施形態は、患者の樹状細胞を単離し、1又は2以上のタンパク質分解部位を除去することによりタンパク質分解されにくくなっている改変Gag抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成するDC特異的抗体又はその断片と、DC特異的抗体若しくはその断片又は改変Gag抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成し、抗体−抗原複合体の分泌を増加させる1又は2以上のコドン使用頻度の最適化がなされた改変Nef抗原とを含む活性化量のワクチンであって、Gag p17、Gag p24、及びNefに対するHIV特異的T細胞免疫応答を誘導することができるワクチンに樹状細胞を曝露し、抗原が負荷され活性化された樹状細胞を患者に再導入することにより、樹状細胞の有効性を増加させるための方法を含む。
【0013】
本発明のさらに別の実施形態は、1又は2以上のタンパク質分解部位を除去することによりタンパク質分解されにくくなっているサイクリンD1又はその断片を含む改変抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成するDC特異的抗体又はその断片を含むワクチンを含む。一態様では、抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体又はその断片とサイクリンD1抗原の間に可動性リンカーをさらに含む。別の態様では、抗体−抗原複合体は、1又は2以上の新しいグリコシル化部位をさらに含む。さらに別の態様では、抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体又はその断片とサイクリンD1抗原の間に可動性リンカーをさらに含み、このリンカーは、抗体と抗原との間の可動性の増加、リンカーのタンパク質分解の減少、及び分泌の増加を提供する1又は2以上のグリコシル化部位を含む。例えば、抗体−抗原複合体は、DC特異的抗体又はその断片とサイクリンD1抗原の間に可動性リンカーをさらに含むこともでき、このリンカーは、セルロース分解生物に由来するリンカー配列から選択される1又は2以上のグリコシル化部位を含む。一態様では、DC特異的抗体又はその断片はヒト化されている。別の態様では、DC特異的抗体又はその断片はコヘリン/ドッケリン対の片方に結合し、改変サイクリンD1抗原はコヘリン/ドッケリン対の相補的な片方に結合して複合体を形成する。本発明は、樹状細胞の有効性を増加させるための方法であって、患者の樹状細胞を単離する方法や、1又は2以上のタンパク質分解部位を除去すること、又はグリコシル化部位を導入すること、又は発現を向上させる1又は2以上のコドンの選択により発現を向上させることによりタンパク質分解されにくくなっているサイクリンD1又はその断片(複数可)を含む改変抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成するDC特異的抗体又はその断片を含む活性化量のワクチンに樹状細胞を曝露する方法や、抗原が負荷され活性化された樹状細胞を患者に再導入する方法も含む。
【0014】
本発明のさらに別の実施形態は、配列番号1、2、3、4、5、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、31、又は32から選択されるポリペプチドをコードする、単離及び精製された核酸を含む。本発明のさらに別の実施形態は、配列番号1、2、3、4、5、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、31、又は32から選択される、単離及び精製されたポリペプチドを含む。
【0015】
本発明の特徴及び利点に関するより完全な理解のために、本発明の詳細な記述が、添付の図面と共にここで参照される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】H鎖−gag p24融合体をコードする発現ベクターを一過的にトランスフェクトしたCHO−S又は293F細胞から得られ、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーで精製されたgag p24−抗体融合タンパク質のクマシーブルー染色還元SDS PAGE分析を、構築体及び予測分子量の略図と共に示す図である。
【図2】セルロソームにアンカーするスキャフォールディンB(scaffoldin B)前駆体[バクテロイデス・セルロソルベンス(Bacteroides cellulosolvens)]に由来するH鎖−gag p24リンカーとのH鎖−gag p24融合体をコードする発現ベクター及び対応する軽(L)鎖発現プラスミドを一過的にトランスフェクトしたCHO−S又は293F細胞から得られ、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーで精製されたgag p24−抗体融合タンパク質のクマシーブルー染色還元SDS PAGE分析を、構築体並びに予測グリコシル化部位及び分子量の略図と共に示す図である。
【図3A−3C】cipAの構造ドメイン模式図を示す図である。
【図4A−4C】セルロソームにアンカーするスキャフォールディンB前駆体[バクテロイデス・セルロソルベンス]の構造ドメイン模式図を示す図である。
【図5】C535コードH鎖の予測される近似的位置を示すゲルを、構築体及び予測分子量の略図と共に示す図である。
【図6】適切なL鎖発現プラスミドを同時トランスフェクトした[mAnti−DCIR_9E8_H−LV−hIgG4H−C−Flex−var1−Viralgag−p40−var1−6xHis]C601の部分的に精製された発現産物のゲルを、構築体並びに予測グリコシル化部位及び分子量の略図と共に示す図である。
【図7】同一の適切なL鎖発現構築体と共に293F細胞に一過的に同時トランスフェクトした種々のH鎖−抗原構築体を、構築体並びに予測グリコシル化部位及び分子量の略図と共に示す図である。
【図8】CD40に結合しそれを活性化することができる抗CD40抗体のサブセットを検出するためのスクリーニングから得られたグラフである。
【図9】10μg/ml〜無抗CD4012E12−hIgG4ドッケリン−コヘシンインフルエンザM1コンジュゲートの用量範囲により誘導された際のCD8+染色[横軸]対インフルエンザM1四量体染色[縦軸]のFACS解析を示す図である。
【図10】10μg/ml〜無対照hIgG4ドッケリン−コヘシンインフルエンザM1コンジュゲートの用量範囲により誘導された際の、CD8+染色[横軸]対インフルエンザM1四量体染色[縦軸]のFACS解析を示す図である。
【図11】PBMC培養の状況で抗原特異的T細胞の増殖を誘導する抗DC受容体−抗原標的化分子(TM、Targeting Molecule)の効能を、インビトロでアッセイするために使用されるプロトコールを示す図である。
【図12】抗CD4012E12 gag p17 nef gag p24ワクチンによるDC標的化[PBMC内]の効果を示す図である。
【図13】ワクチンが、gag p24ペプチドクラスターすべてに対して特異性を有するCD4+T細胞の増殖を誘導することを示す図である。
【図14】FACSデータを示す図であり、縦軸はIFNγ産生細胞のパーセントを示す[上段パネル]。下段パネルは、PBMC培養内のCD8+T細胞に関する同様のデータを示し、このデータは、gag p17配列を包含するペプチドクラスターがすべて、非ペプチド対照よりも著しく高いIFNγ産生T細胞の産生を誘導したことも示す。
【図15】ワクチンが、試験された最も低いワクチン用量でさえ、ほとんどのHIV nefペプチドクラスターに対して特異性を有するCD4+T細胞の増殖を誘導し、IFNγ産生CD4+T細胞のパーセントが、細胞をペプチドで処理しなかった場合より著しく高かったことを、グラフ形態のデータで示す図である。
【図16】FACSデータを示す図であり、ワクチンが、試験された最も低いワクチン用量でさえ、ほとんどのHIV nefペプチドクラスターに対して特異性を有するCD4+T細胞の増殖を誘導し、IFNγ産生CD4+T細胞のパーセントが、細胞をペプチドで処理しなかった場合よりも著しく高かったことを示す。
【図17】データをグラフ形態で示す図であり、縦軸はIFNγ産生細胞のパーセントを示す[上段パネル]。下段パネルは、PBMC培養内のCD8+T細胞に関する同様のデータを示し、このデータは、nef配列を包含するペプチドクラスターがすべて、非ペプチド対照よりも著しく高いIFNγ産生T細胞の産生を誘導したことも示す。
【図18】前立腺特異的抗原[PSA、prostate-specific antigen]に連結された抗CD40−12E12を含むワクチンが、未感作T細胞集団から、広範なPSAエピトープに対応するPSA特異的CD4+T細胞の増殖を誘導する能力を試験するプロトコールの概略を示す図である。
【図19】多くのPSAペプチドが、強力なIFNγ産生応答を誘導することを示す図であり、抗CD4012E12及び類似の抗CD40作用物質が、抗原をDCに効果的に送達することができ、抗原の複数のエピトープに対する免疫応答の初回刺激に帰着することを示す。
【図20】DCを標的とする抗CD40−PSAで標的とされたDCが、PSA特異的CD8+T細胞応答を誘導することを示す図である。IFNDCを、PSAとのmAb融合タンパク質1μgで標的とした。精製された自己由来CD8+T細胞を10日間共培養した。細胞を、抗CD8及びPSA(KLQCVDLHV)四量体で染色した。細胞は、HLA−A*0201陽性健常供与体に由来する。その結果は、抗CD40が効果的にPSAをDCに送達し、それはひいてはPSA特異的CD8+T細胞の増殖を誘導することを実証する。
【図21】DCによる標的化された取込み及びその細胞表面上での抗原エピトープの提示に起因する抗原特異的T細胞の増殖を指図するその能力について、抗DC受容体標的化ワクチンを試験するためのDC標的化プロトコールを概説する図である。
【図22】[上段パネル]抗CD4012E12 nef、抗CD4012E12 gag p24、及び抗CD4012E12 gag p17 nef gag p24ワクチンの効能の比較を示す図である[患者Aph002]。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗原提示細胞による抗原提示の有効性を増加させるための方法であって、
1又は2以上のタンパク質分解部位を除去することによりタンパク質分解されにくくなっている改変Gag抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成する樹状細胞(DC)特異的抗体又はその断片を単離及び精製することと、
前記抗体−抗原複合体がプロセシングされT細胞認識のために提示される条件下で前記抗原提示細胞を接触させることと
を含む方法。
【請求項2】
抗原提示細胞が樹状細胞を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
DC特異的抗体又はその断片が、コヘリン/ドッケリン対の片方に結合する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
DC特異的抗体又はその断片が、コヘリン/ドッケリン対の片方に結合し、改変Gag抗原が、前記コヘリン/ドッケリン対の相補的な片方に結合して複合体を形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
抗体−抗原複合体が、DC特異的抗体又はその断片とGag抗原との間に可動性リンカーをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
抗体−抗原複合体が、1又は2以上の新しいグリコシル化部位をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
抗体−抗原複合体が、DC特異的抗体又はその断片とGag抗原との間に可動性リンカーをさらに含み、前記リンカーが、前記抗体と前記抗原との間の可動性の増加、前記リンカーのタンパク質分解の減少、及び分泌の増加を提供する1又は2以上のグリコシル化部位を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
抗体−抗原複合体が、DC特異的抗体又はその断片とGag抗原との間に可動性リンカーをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
抗体−抗原複合体が、DC特異的抗体又はその断片とGag抗原との間に可動性リンカーをさらに含み、前記リンカーが、セルロース分解生物に由来するリンカー配列から選択される1又は2以上のグリコシル化部位を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
DC特異的抗体又はその断片がヒト化されている、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
抗体−抗原複合体が、配列番号1、2、3、4、5、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、31、又は32から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
DC特異的抗体又はその断片が、MHCクラスI、MHCクラスII、CD1、CD2、CD3、CD4、CD8、CD11b、CD14、CD15、CD16、CD19、CD20、CD29、CD31、CD40、CD43、CD44、CD45、CD54、CD56、CD57、CD58、CD83、CD86、CMRF−44、CMRF−56、DCIR、DC−ASPGR、CLEC−6、CD40、BDCA−2、MARCO、DEC−205、マンノース受容体、ランゲリン、DECTIN−1、B7−1、B7−2、IFN−γ受容体及びIL−2受容体、ICAM−1、Fcγ受容体、LOX−1、並びにASPGRに特異的に結合する抗体から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
抗原提示細胞による抗原提示の有効性を増加させるため方法であって、
抗体−抗原複合体の分泌を増加させる1又は2以上のコドン使用頻度の最適化がなされた改変Nef抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成するDC特異的抗体又はその断片を単離及び精製することと、
前記抗体−抗原複合体がプロセシングされT細胞認識のために提示される条件下で前記抗原提示細胞を接触させることと
を含む方法。
【請求項14】
抗原提示細胞が樹状細胞を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
DC特異的抗体又はその断片が、コヘリン/ドッケリン対の片方に結合し、改変Nef抗原が、前記コヘリン/ドッケリン対の相補的な片方に結合して複合体を形成する、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
抗体−抗原複合体が、DC特異的抗体又はその断片とNef抗原との間に可動性リンカーをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
抗体−抗原複合体が、DC特異的抗体又はその断片とNef抗原との間に可動性リンカーをさらに含み、前記リンカーが、前記抗体と前記抗原との間の可動性の増加、前記リンカーのタンパク質分解の減少、及び分泌の増加を提供する1又は2以上のグリコシル化部位を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
抗体−抗原複合体が、DC特異的抗体又はその断片とNef抗原との間に可動性リンカーをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
抗体−抗原複合体が、DC特異的抗体又はその断片とGag抗原との間に可動性リンカーをさらに含み、前記リンカーが、セルロース分解生物に由来するリンカー配列から選択される1又は2以上のグリコシル化部位を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
DC特異的抗体又はその断片がヒト化されている、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
抗体−抗原複合体が、配列番号1、2、3、4、5、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、31、又は32から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項22】
DC特異的抗体又はその断片が、MHCクラスI、MHCクラスII、CD1、CD2、CD3、CD4、CD8、CD11b、CD14、CD15、CD16、CD19、CD20、CD29、CD31、CD40、CD43、CD44、CD45、CD54、CD56、CD57、CD58、CD83、CD86、CMRF−44、CMRF−56、DCIR、DC−ASPGR、CLEC−6、CD40、BDCA−2、MARCO、DEC−205、マンノース受容体、ランゲリン、DECTIN−1、B7−1、B7−2、IFN−γ受容体及びIL−2受容体、ICAM−1、Fcγ受容体、LOX−1、並びにASPGRに特異的に結合する抗体から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項23】
1又は2以上のタンパク質分解部位を除去することによりタンパク質分解されにくくなっている改変Gag抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成するDC特異的抗体又はその断片を含むワクチン。
【請求項24】
抗体−抗原複合体が、DC特異的抗体又はその断片とGag抗原との間に可動性リンカーをさらに含む、請求項23に記載のワクチン。
【請求項25】
抗体−抗原複合体が、1又は2以上の新しいグリコシル化部位をさらに含む、請求項23に記載のワクチン。
【請求項26】
抗体−抗原複合体が、DC特異的抗体又はその断片とGag抗原との間に可動性リンカーをさらに含み、前記リンカーが、前記抗体と前記抗原との間の可動性の増加、前記リンカーのタンパク質分解の減少、及び分泌の増加を提供する1又は2以上のグリコシル化部位を含む、請求項23に記載のワクチン。
【請求項27】
抗体−抗原複合体が、DC特異的抗体又はその断片とGag抗原との間に可動性リンカーをさらに含む、請求項23に記載のワクチン。
【請求項28】
抗体−抗原複合体が、DC特異的抗体又はその断片とGag抗原との間に可動性リンカーをさらに含み、前記リンカーが、セルロース分解生物に由来するリンカー配列から選択される1又は2以上のグリコシル化部位を含む、請求項23に記載のワクチン。
【請求項29】
DC特異的抗体又はその断片がヒト化されている、請求項23に記載のワクチン。
【請求項30】
抗体−抗原複合体が、配列番号1、2、3、4、5、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、31、又は32から選択される、請求項23に記載のワクチン。
【請求項31】
DC特異的抗体又はその断片が、MHCクラスI、MHCクラスII、CD1、CD2、CD3、CD4、CD8、CD11b、CD14、CD15、CD16、CD19、CD20、CD29、CD31、CD40、CD43、CD44、CD45、CD54、CD56、CD57、CD58、CD83、CD86、CMRF−44、CMRF−56、DCIR、DC−ASPGR、CLEC−6、CD40、BDCA−2、MARCO、DEC−205、マンノース受容体、ランゲリン、DECTIN−1、B7−1、B7−2、IFN−γ受容体及びIL−2受容体、ICAM−1、Fcγ受容体、LOX−1、並びにASPGRに特異的に結合する抗体から選択される、請求項23に記載のワクチン。
【請求項32】
抗体−抗原複合体の分泌を増加させる1又は2以上のコドン使用頻度の最適化がなされた改変Nef抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成するDC特異的抗体又はその断片を含むワクチン。
【請求項33】
抗体−抗原複合体が、DC特異的抗体又はその断片とNef抗原との間に可動性リンカーをさらに含む、請求項32に記載のワクチン。
【請求項34】
抗体−抗原複合体が、1又は2以上の新しいグリコシル化部位をさらに含む、請求項32に記載のワクチン。
【請求項35】
抗体−抗原複合体が、DC特異的抗体又はその断片とNef抗原との間に可動性リンカーをさらに含み、前記リンカーが、前記抗体と前記抗原との間の可動性の増加、前記リンカーのタンパク質分解の減少、及び分泌の増加を提供する1又は2以上のグリコシル化部位を含む、請求項32に記載のワクチン。
【請求項36】
抗体−抗原複合体が、DC特異的抗体又はその断片とNef抗原との間に可動性リンカーをさらに含む、請求項32に記載のワクチン。
【請求項37】
抗体−抗原複合体が、DC特異的抗体又はその断片とGag抗原との間に可動性リンカーをさらに含み、前記リンカーが、セルロース分解生物に由来するリンカー配列から選択される1又は2以上のグリコシル化部位を含む、請求項32に記載のワクチン。
【請求項38】
DC特異的抗体又はその断片がヒト化されている、請求項32に記載のワクチン。
【請求項39】
抗体−抗原複合体が、配列番号1、2、3、4、5、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、31、又は32から選択される、請求項32に記載のワクチン。
【請求項40】
DC特異的抗体又はその断片が、MHCクラスI、MHCクラスII、CD1、CD2、CD3、CD4、CD8、CD11b、CD14、CD15、CD16、CD19、CD20、CD29、CD31、CD40、CD43、CD44、CD45、CD54、CD56、CD57、CD58、CD83、CD86、CMRF−44、CMRF−56、DCIR、DC−ASPGR、CLEC−6、CD40、BDCA−2、MARCO、DEC−205、マンノース受容体、ランゲリン、DECTIN−1、B7−1、B7−2、IFN−γ受容体及びIL−2受容体、ICAM−1、Fcγ受容体、LOX−1、並びにASPGRに特異的に結合する抗体から選択される、請求項32に記載のワクチン。
【請求項41】
1又は2以上のタンパク質分解部位を除去することによりタンパク質分解されにくくなっている改変Gag抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成するDC特異的抗体又はその断片と、抗体−抗原複合体の分泌を増加させる1又は2以上のコドン使用頻度の最適化がなされた改変Nef抗原が結合して抗体−抗原複合体を形成するDC特異的抗体又はその断片とを含むワクチンであって、Gag p17、Gag p24、及びNefに対するHIV特異的T細胞免疫応答を誘導することができるワクチン。
【請求項42】
Gag及びNef抗原が融合タンパク質を構成する、請求項41に記載のワクチン。
【請求項43】
Gag及びNef抗原が、1又は2以上の可動性リンカーによって隔てられて融合タンパク質を構成する、請求項41に記載のワクチン。
【請求項44】
抗体−抗原複合体が、DC特異的抗体又はその断片とGag抗原又はNef抗原との間に可動性リンカーをさらに含む、請求項41に記載のワクチン。
【請求項45】
抗体−抗原複合体が、DC特異的抗体又はその断片とGag抗原との間に可動性リンカーをさらに含み、前記リンカーが、セルロース分解生物に由来するリンカー配列から選択される1又は2以上のグリコシル化部位を含む、請求項41に記載のワクチン。
【請求項46】
DC特異的抗体又はその断片がヒト化されている、請求項41に記載のワクチン。
【請求項47】
配列番号1、2、3、4、5、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、31、又は32から選択される、請求項41に記載のワクチン。
【請求項48】
1又は2以上のタンパク質分解部位を除去することによりタンパク質分解されにくくなっている改変Gag抗原が結合して抗体−抗原複合体を形成するDC特異的抗体又はその断片と、
前記DC特異的抗体若しくはその断片又は前記改変Gag抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成し、抗体−抗原複合体の分泌を増加させる1又は2以上のコドン使用頻度の最適化がなされた改変Nef抗原
とを含むワクチンであって、Gag p17、Gag p24、及びNefに対するHIV特異的T細胞免疫応答を誘導することができるワクチン。
【請求項49】
DC特異的抗体又はその断片Gag及びNef抗原が、融合タンパク質を構成する、請求項48に記載のワクチン。
【請求項50】
Gag及びNef抗原が、1又は2以上の可動性リンカーによって隔てられて融合タンパク質を構成する、請求項48に記載のワクチン。
【請求項51】
タンパク質が、配列番号1、2、3、4、5、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、31、又は32から選択される、請求項48に記載のワクチン。
【請求項52】
樹状細胞の有効性を増加させるための方法であって、
患者の樹状細胞を単離することと、
1又は2以上のタンパク質分解部位を除去することによりタンパク質分解されにくくなっている改変Gag抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成するDC特異的抗体又はその断片と、
前記DC特異的抗体若しくはその断片又は前記改変Gag抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成し、抗体−抗原複合体の分泌を増加させる1又は2以上のコドン使用頻度の最適化がなされた改変Nef抗原とを含む活性化量のワクチンであって、Gag p17、Gag p24、及びNefに対するHIV特異的T細胞免疫応答を誘導することができるワクチンに前記樹状細胞を曝露することと、
前記抗原が負荷され活性化された樹状細胞を、前記患者に再導入することと
を含む方法。
【請求項53】
1又は2以上のタンパク質分解部位を除去することによりタンパク質分解されにくくなっているサイクリンD1又はその断片を含む改変抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成するDC特異的抗体又はその断片を含むワクチン。
【請求項54】
抗体−抗原複合体が、DC特異的抗体又はその断片とサイクリンD1抗原との間に可動性リンカーをさらに含む、請求項53に記載のワクチン。
【請求項55】
抗体−抗原複合体が、1又は2以上の新しいグリコシル化部位をさらに含む、請求項53に記載のワクチン。
【請求項56】
抗体−抗原複合体が、DC特異的抗体又はその断片とサイクリンD1抗原との間に可動性リンカーをさらに含み、前記リンカーが、前記抗体と前記抗原との間の可動性の増加、前記リンカーのタンパク質分解の減少、及び分泌の増加を提供する1又は2以上のグリコシル化部位を含む、請求項53に記載のワクチン。
【請求項57】
抗体−抗原複合体が、DC特異的抗体又はその断片とサイクリンD1抗原との間に可動性リンカーをさらに含み、前記リンカーが、セルロース分解生物に由来するリンカー配列から選択される1又は2以上のグリコシル化部位を含む、請求項53に記載のワクチン。
【請求項58】
DC特異的抗体又はその断片がヒト化されている、請求項53に記載のワクチン。
【請求項59】
DC特異的抗体又はその断片が、コヘリン/ドッケリン対の片方に結合し、改変サイクリンD1抗原が、前記コヘリン/ドッケリン対の相補的な片方に結合して複合体を形成する、請求項53に記載のワクチン。
【請求項60】
樹状細胞の有効性を増加させる方法であって、
患者の樹状細胞を単離することと、
1又は2以上のタンパク質分解部位を除去することによりタンパク質分解されにくくなっているサイクリンD1又はその断片(複数可)を含む改変抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成するDC特異的抗体又はその断片を含む活性化量のワクチンに前記樹状細胞を曝露することと、
前記抗原が負荷され活性化された樹状細胞を前記患者に再導入することと
を含む方法。
【請求項61】
配列番号1、2、3、4、5、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、31、又は32から選択されるポリペプチドをコードする単離及び精製された核酸。
【請求項62】
配列番号1、2、3、4、5、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、31、又は32から選択される単離及び精製されたポリペプチド。
【請求項1】
抗原提示細胞による抗原提示の有効性を増加させるための方法であって、
1又は2以上のタンパク質分解部位を除去することによりタンパク質分解されにくくなっている改変Gag抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成する樹状細胞(DC)特異的抗体又はその断片を単離及び精製することと、
前記抗体−抗原複合体がプロセシングされT細胞認識のために提示される条件下で前記抗原提示細胞を接触させることと
を含む方法。
【請求項2】
抗原提示細胞が樹状細胞を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
DC特異的抗体又はその断片が、コヘリン/ドッケリン対の片方に結合する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
DC特異的抗体又はその断片が、コヘリン/ドッケリン対の片方に結合し、改変Gag抗原が、前記コヘリン/ドッケリン対の相補的な片方に結合して複合体を形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
抗体−抗原複合体が、DC特異的抗体又はその断片とGag抗原との間に可動性リンカーをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
抗体−抗原複合体が、1又は2以上の新しいグリコシル化部位をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
抗体−抗原複合体が、DC特異的抗体又はその断片とGag抗原との間に可動性リンカーをさらに含み、前記リンカーが、前記抗体と前記抗原との間の可動性の増加、前記リンカーのタンパク質分解の減少、及び分泌の増加を提供する1又は2以上のグリコシル化部位を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
抗体−抗原複合体が、DC特異的抗体又はその断片とGag抗原との間に可動性リンカーをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
抗体−抗原複合体が、DC特異的抗体又はその断片とGag抗原との間に可動性リンカーをさらに含み、前記リンカーが、セルロース分解生物に由来するリンカー配列から選択される1又は2以上のグリコシル化部位を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
DC特異的抗体又はその断片がヒト化されている、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
抗体−抗原複合体が、配列番号1、2、3、4、5、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、31、又は32から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
DC特異的抗体又はその断片が、MHCクラスI、MHCクラスII、CD1、CD2、CD3、CD4、CD8、CD11b、CD14、CD15、CD16、CD19、CD20、CD29、CD31、CD40、CD43、CD44、CD45、CD54、CD56、CD57、CD58、CD83、CD86、CMRF−44、CMRF−56、DCIR、DC−ASPGR、CLEC−6、CD40、BDCA−2、MARCO、DEC−205、マンノース受容体、ランゲリン、DECTIN−1、B7−1、B7−2、IFN−γ受容体及びIL−2受容体、ICAM−1、Fcγ受容体、LOX−1、並びにASPGRに特異的に結合する抗体から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
抗原提示細胞による抗原提示の有効性を増加させるため方法であって、
抗体−抗原複合体の分泌を増加させる1又は2以上のコドン使用頻度の最適化がなされた改変Nef抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成するDC特異的抗体又はその断片を単離及び精製することと、
前記抗体−抗原複合体がプロセシングされT細胞認識のために提示される条件下で前記抗原提示細胞を接触させることと
を含む方法。
【請求項14】
抗原提示細胞が樹状細胞を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
DC特異的抗体又はその断片が、コヘリン/ドッケリン対の片方に結合し、改変Nef抗原が、前記コヘリン/ドッケリン対の相補的な片方に結合して複合体を形成する、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
抗体−抗原複合体が、DC特異的抗体又はその断片とNef抗原との間に可動性リンカーをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
抗体−抗原複合体が、DC特異的抗体又はその断片とNef抗原との間に可動性リンカーをさらに含み、前記リンカーが、前記抗体と前記抗原との間の可動性の増加、前記リンカーのタンパク質分解の減少、及び分泌の増加を提供する1又は2以上のグリコシル化部位を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
抗体−抗原複合体が、DC特異的抗体又はその断片とNef抗原との間に可動性リンカーをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
抗体−抗原複合体が、DC特異的抗体又はその断片とGag抗原との間に可動性リンカーをさらに含み、前記リンカーが、セルロース分解生物に由来するリンカー配列から選択される1又は2以上のグリコシル化部位を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
DC特異的抗体又はその断片がヒト化されている、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
抗体−抗原複合体が、配列番号1、2、3、4、5、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、31、又は32から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項22】
DC特異的抗体又はその断片が、MHCクラスI、MHCクラスII、CD1、CD2、CD3、CD4、CD8、CD11b、CD14、CD15、CD16、CD19、CD20、CD29、CD31、CD40、CD43、CD44、CD45、CD54、CD56、CD57、CD58、CD83、CD86、CMRF−44、CMRF−56、DCIR、DC−ASPGR、CLEC−6、CD40、BDCA−2、MARCO、DEC−205、マンノース受容体、ランゲリン、DECTIN−1、B7−1、B7−2、IFN−γ受容体及びIL−2受容体、ICAM−1、Fcγ受容体、LOX−1、並びにASPGRに特異的に結合する抗体から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項23】
1又は2以上のタンパク質分解部位を除去することによりタンパク質分解されにくくなっている改変Gag抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成するDC特異的抗体又はその断片を含むワクチン。
【請求項24】
抗体−抗原複合体が、DC特異的抗体又はその断片とGag抗原との間に可動性リンカーをさらに含む、請求項23に記載のワクチン。
【請求項25】
抗体−抗原複合体が、1又は2以上の新しいグリコシル化部位をさらに含む、請求項23に記載のワクチン。
【請求項26】
抗体−抗原複合体が、DC特異的抗体又はその断片とGag抗原との間に可動性リンカーをさらに含み、前記リンカーが、前記抗体と前記抗原との間の可動性の増加、前記リンカーのタンパク質分解の減少、及び分泌の増加を提供する1又は2以上のグリコシル化部位を含む、請求項23に記載のワクチン。
【請求項27】
抗体−抗原複合体が、DC特異的抗体又はその断片とGag抗原との間に可動性リンカーをさらに含む、請求項23に記載のワクチン。
【請求項28】
抗体−抗原複合体が、DC特異的抗体又はその断片とGag抗原との間に可動性リンカーをさらに含み、前記リンカーが、セルロース分解生物に由来するリンカー配列から選択される1又は2以上のグリコシル化部位を含む、請求項23に記載のワクチン。
【請求項29】
DC特異的抗体又はその断片がヒト化されている、請求項23に記載のワクチン。
【請求項30】
抗体−抗原複合体が、配列番号1、2、3、4、5、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、31、又は32から選択される、請求項23に記載のワクチン。
【請求項31】
DC特異的抗体又はその断片が、MHCクラスI、MHCクラスII、CD1、CD2、CD3、CD4、CD8、CD11b、CD14、CD15、CD16、CD19、CD20、CD29、CD31、CD40、CD43、CD44、CD45、CD54、CD56、CD57、CD58、CD83、CD86、CMRF−44、CMRF−56、DCIR、DC−ASPGR、CLEC−6、CD40、BDCA−2、MARCO、DEC−205、マンノース受容体、ランゲリン、DECTIN−1、B7−1、B7−2、IFN−γ受容体及びIL−2受容体、ICAM−1、Fcγ受容体、LOX−1、並びにASPGRに特異的に結合する抗体から選択される、請求項23に記載のワクチン。
【請求項32】
抗体−抗原複合体の分泌を増加させる1又は2以上のコドン使用頻度の最適化がなされた改変Nef抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成するDC特異的抗体又はその断片を含むワクチン。
【請求項33】
抗体−抗原複合体が、DC特異的抗体又はその断片とNef抗原との間に可動性リンカーをさらに含む、請求項32に記載のワクチン。
【請求項34】
抗体−抗原複合体が、1又は2以上の新しいグリコシル化部位をさらに含む、請求項32に記載のワクチン。
【請求項35】
抗体−抗原複合体が、DC特異的抗体又はその断片とNef抗原との間に可動性リンカーをさらに含み、前記リンカーが、前記抗体と前記抗原との間の可動性の増加、前記リンカーのタンパク質分解の減少、及び分泌の増加を提供する1又は2以上のグリコシル化部位を含む、請求項32に記載のワクチン。
【請求項36】
抗体−抗原複合体が、DC特異的抗体又はその断片とNef抗原との間に可動性リンカーをさらに含む、請求項32に記載のワクチン。
【請求項37】
抗体−抗原複合体が、DC特異的抗体又はその断片とGag抗原との間に可動性リンカーをさらに含み、前記リンカーが、セルロース分解生物に由来するリンカー配列から選択される1又は2以上のグリコシル化部位を含む、請求項32に記載のワクチン。
【請求項38】
DC特異的抗体又はその断片がヒト化されている、請求項32に記載のワクチン。
【請求項39】
抗体−抗原複合体が、配列番号1、2、3、4、5、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、31、又は32から選択される、請求項32に記載のワクチン。
【請求項40】
DC特異的抗体又はその断片が、MHCクラスI、MHCクラスII、CD1、CD2、CD3、CD4、CD8、CD11b、CD14、CD15、CD16、CD19、CD20、CD29、CD31、CD40、CD43、CD44、CD45、CD54、CD56、CD57、CD58、CD83、CD86、CMRF−44、CMRF−56、DCIR、DC−ASPGR、CLEC−6、CD40、BDCA−2、MARCO、DEC−205、マンノース受容体、ランゲリン、DECTIN−1、B7−1、B7−2、IFN−γ受容体及びIL−2受容体、ICAM−1、Fcγ受容体、LOX−1、並びにASPGRに特異的に結合する抗体から選択される、請求項32に記載のワクチン。
【請求項41】
1又は2以上のタンパク質分解部位を除去することによりタンパク質分解されにくくなっている改変Gag抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成するDC特異的抗体又はその断片と、抗体−抗原複合体の分泌を増加させる1又は2以上のコドン使用頻度の最適化がなされた改変Nef抗原が結合して抗体−抗原複合体を形成するDC特異的抗体又はその断片とを含むワクチンであって、Gag p17、Gag p24、及びNefに対するHIV特異的T細胞免疫応答を誘導することができるワクチン。
【請求項42】
Gag及びNef抗原が融合タンパク質を構成する、請求項41に記載のワクチン。
【請求項43】
Gag及びNef抗原が、1又は2以上の可動性リンカーによって隔てられて融合タンパク質を構成する、請求項41に記載のワクチン。
【請求項44】
抗体−抗原複合体が、DC特異的抗体又はその断片とGag抗原又はNef抗原との間に可動性リンカーをさらに含む、請求項41に記載のワクチン。
【請求項45】
抗体−抗原複合体が、DC特異的抗体又はその断片とGag抗原との間に可動性リンカーをさらに含み、前記リンカーが、セルロース分解生物に由来するリンカー配列から選択される1又は2以上のグリコシル化部位を含む、請求項41に記載のワクチン。
【請求項46】
DC特異的抗体又はその断片がヒト化されている、請求項41に記載のワクチン。
【請求項47】
配列番号1、2、3、4、5、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、31、又は32から選択される、請求項41に記載のワクチン。
【請求項48】
1又は2以上のタンパク質分解部位を除去することによりタンパク質分解されにくくなっている改変Gag抗原が結合して抗体−抗原複合体を形成するDC特異的抗体又はその断片と、
前記DC特異的抗体若しくはその断片又は前記改変Gag抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成し、抗体−抗原複合体の分泌を増加させる1又は2以上のコドン使用頻度の最適化がなされた改変Nef抗原
とを含むワクチンであって、Gag p17、Gag p24、及びNefに対するHIV特異的T細胞免疫応答を誘導することができるワクチン。
【請求項49】
DC特異的抗体又はその断片Gag及びNef抗原が、融合タンパク質を構成する、請求項48に記載のワクチン。
【請求項50】
Gag及びNef抗原が、1又は2以上の可動性リンカーによって隔てられて融合タンパク質を構成する、請求項48に記載のワクチン。
【請求項51】
タンパク質が、配列番号1、2、3、4、5、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、31、又は32から選択される、請求項48に記載のワクチン。
【請求項52】
樹状細胞の有効性を増加させるための方法であって、
患者の樹状細胞を単離することと、
1又は2以上のタンパク質分解部位を除去することによりタンパク質分解されにくくなっている改変Gag抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成するDC特異的抗体又はその断片と、
前記DC特異的抗体若しくはその断片又は前記改変Gag抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成し、抗体−抗原複合体の分泌を増加させる1又は2以上のコドン使用頻度の最適化がなされた改変Nef抗原とを含む活性化量のワクチンであって、Gag p17、Gag p24、及びNefに対するHIV特異的T細胞免疫応答を誘導することができるワクチンに前記樹状細胞を曝露することと、
前記抗原が負荷され活性化された樹状細胞を、前記患者に再導入することと
を含む方法。
【請求項53】
1又は2以上のタンパク質分解部位を除去することによりタンパク質分解されにくくなっているサイクリンD1又はその断片を含む改変抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成するDC特異的抗体又はその断片を含むワクチン。
【請求項54】
抗体−抗原複合体が、DC特異的抗体又はその断片とサイクリンD1抗原との間に可動性リンカーをさらに含む、請求項53に記載のワクチン。
【請求項55】
抗体−抗原複合体が、1又は2以上の新しいグリコシル化部位をさらに含む、請求項53に記載のワクチン。
【請求項56】
抗体−抗原複合体が、DC特異的抗体又はその断片とサイクリンD1抗原との間に可動性リンカーをさらに含み、前記リンカーが、前記抗体と前記抗原との間の可動性の増加、前記リンカーのタンパク質分解の減少、及び分泌の増加を提供する1又は2以上のグリコシル化部位を含む、請求項53に記載のワクチン。
【請求項57】
抗体−抗原複合体が、DC特異的抗体又はその断片とサイクリンD1抗原との間に可動性リンカーをさらに含み、前記リンカーが、セルロース分解生物に由来するリンカー配列から選択される1又は2以上のグリコシル化部位を含む、請求項53に記載のワクチン。
【請求項58】
DC特異的抗体又はその断片がヒト化されている、請求項53に記載のワクチン。
【請求項59】
DC特異的抗体又はその断片が、コヘリン/ドッケリン対の片方に結合し、改変サイクリンD1抗原が、前記コヘリン/ドッケリン対の相補的な片方に結合して複合体を形成する、請求項53に記載のワクチン。
【請求項60】
樹状細胞の有効性を増加させる方法であって、
患者の樹状細胞を単離することと、
1又は2以上のタンパク質分解部位を除去することによりタンパク質分解されにくくなっているサイクリンD1又はその断片(複数可)を含む改変抗原に結合して抗体−抗原複合体を形成するDC特異的抗体又はその断片を含む活性化量のワクチンに前記樹状細胞を曝露することと、
前記抗原が負荷され活性化された樹状細胞を前記患者に再導入することと
を含む方法。
【請求項61】
配列番号1、2、3、4、5、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、31、又は32から選択されるポリペプチドをコードする単離及び精製された核酸。
【請求項62】
配列番号1、2、3、4、5、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、31、又は32から選択される単離及び精製されたポリペプチド。
【図22】[下段パネル]抗CD4012E12 nef、抗CD4012E12 gag p24、及び抗CD4012E12 gag p17 nef gag p24ワクチンの効能の比較を示す図である[患者Aph002]。
【図23】[上段パネル]抗CD4012E12 nef、抗CD4012E12 gag p24、及び抗CD4012E12 gag p17 nef gag p24ワクチンの効能の比較を示す図である[患者Aph010]。
【図23】[下段パネル]抗CD4012E12 nef、抗CD4012E12 gag p24、及び抗CD4012E12 gag p17 nef gag p24ワクチンの効能の比較を示す図である[患者Aph002]。
【図24】コヘシン−サイクリンD1融合タンパク質と抗DC受容体−ドッケリン組換え抗体との相互作用の分析を示すゲルである。
【図25】サイクリンD1に由来する重複ペプチドの模式図を示す図である。
【図26】抗CD40−サイクリンD1複合体が、サイクリンD1特異的CD4+T細胞の増殖をインビトロで誘導する能力を試験する研究計画の模式図(左)、及びそれにより得られたFACS結果(右)を示す図である。
【図27】図26に詳述されているものと類似した、異なる正常供与体でのFACS解析を示す図であり、この場合、抗CD40−サイクリンD1複合体は、サイクリンD1ペプチドP4、P43、及びP70に特異的なIFNg陽性の増殖性CD4+T細胞の増殖を誘導した。
【図28】CD8+T細胞が使用されたことを除いて、図26に示すものと類似した模式図(左)及び解析(右)を示す図である。
【図29】図28と同じ供与体に由来するが、ペプチドの貯留に由来する個々のペプチドで解析した類似データを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の種々の実施形態の作製及び使用を下記で詳細に考察するが、本発明は、多種多様な特定の状況で実施することができる多数の応用可能な発明概念を提供することを認識されたい。本明細書で考察される特定の実施形態は、本発明を作製及び使用する特定の方法を例示するに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
【0018】
本発明の理解を容易にするため、いくつかの用語を以下に定義する。本明細書で定義する用語は、本発明に関連する分野における当業者によって共通に理解される意味を有する。「a」、「an」、及び「the」などの用語は、単一の実体のみを指すものではなく、その具体例が例示に使用されることがある一般的な種類を含む。本明細書の用語を使用して本発明の特定の実施形態を記載するが、その使用は、特許請求の範囲での記述を除いて、本発明を限定するものではない。
【0019】
樹状細胞(DC、dendritic cell)は、抗原特異的免疫を調節する上で重要な役割を果たす抗原提示細胞である(Mellman and Steinman 2001)、(Banchereau, Briere et al. 2000)、(Cella, Sallusto et al. 1997)。DCは、抗原を捕捉し、それらをペプチドにプロセシングし、これらをT細胞に提示する。したがって、抗原をDCに直接送達することは、ワクチンを改良するための重要な領域である。そのような一例は、その後患者に再投与される自己由来DCのエクスビボ抗原負荷を使用した、DCに基づくワクチンの開発である(Banchereau, Schuler-Thurner et al. 2001)、(Steinman and Dhodapkar 2001)。ワクチン効能を向上させる別の戦略は、内部移行化DC特異的受容体に対する抗体とコンジュゲートした抗原をDCに特異的に標的化することである。ワクチン接種用にDCを標的とする可能性は、重要なマウス研究により注目されている。インビボにおいて、オバルブミン(OVA、ovalbumin)と結合した抗LOX−1 mAbによる標的化は、MHCクラスI経路に対する外来性抗原交差提示により、防御的CD8+T細胞応答を誘導した(Delneste, Magistrelli et al. 2002)。また、抗DEC205 mAbとコンジュゲートしたOVAは、CD40L成熟刺激との組み合わせで、DCによるMHCクラスI限定的提示をインビボで増強し、エフェクターメモリーCD8+T細胞の永続的形成に結び付いた(Bonifaz, Bonnyay et al. 2004)。これらの研究は両方とも、劇的な用量低減(つまり、非常に低い抗原用量で強力な免疫応答)を示し、他のタイプのOVA免疫で通常見られるより広範な応答を示唆した。DEC205によるHIV gag抗原のDCへの標的化に関する最近の研究は、これらの概念を臨床的に関連する抗原に拡張し、抗原をDCに標的化することに関するテネント(tenent)、劇的な用量低減、単回ワクチン接種からの防御的応答、並びにCD8及びCD4の両区画の抗原特異的T細胞の増殖を確認した(Trumpfheller, Finke et al. 2006)。
【0020】
本発明は、複数の抗原又はタンパク質(一次mAbから独立して改変され、発現され、精製された)を、制御された多変量の様式で単一の一次組換えmAbと複合体化することを提供する。現在、異なるタンパク質(各々が別々に改変されてストレプトアビジンに連結される)が1つの一次mAbに付加されることを提供する部位特異的なビオチン化部位を改変するための方法が存在する。しかしながら、本発明は、複数の組み合わせの一次mAbを、一定の等モル比率及び位置で、別々に改変されたタンパク質に付加することを提供する。
【0021】
本明細書で使用される場合、「抗体又はその断片」という用語は、標的特異的抗体を提供するように改変された組換え抗体系を記述するために使用される。モノクローナル抗体は、標準的ハイブリドーマ技術、組換え抗体ディスプレイ、及びヒト化モノクローナル抗体などを使用して作製された。抗体を使用して、例えば、複数の抗原及び/又は抗原及び樹状細胞(DC)に対する活性化サイトカインを標的とすることができる(内部移行化受容体、例えばヒト樹状細胞受容体に対する1つの一次組換え抗体により)。
【0022】
抗体の抗原結合部分には、1又は2以上の可変ドメイン、1又は2以上の可変ドメイン、及び第1の定常ドメインを含んでいてもよい1又は2以上の断片(つまり、その断片)、Fab断片、Fab’断片、F(ab)2断片、並びにFv断片、並びにFabc断片、並びに/又は同系モジュール型結合部分がアミノ酸配列に付加及び/若しくは結合されたFcドメインの部分を有するFab断片が含まれる。使用する抗体は、任意のアイソタイプ若しくはクラス、サブクラス、又は任意の供給源由来(動物及び/又は組換え)であってもよい。ある態様では、抗原結合部位は、当技術分野で周知の技術を使用して、ヒト抗体骨格上に移植されている非ヒトモノクローナル抗体に由来し、それにより抗体が「ヒト化」される。
【0023】
本明細書で使用される場合、「抗原」という用語は、抗原の受容個体において体液性免疫反応及び/又は細胞性免疫反応を開始することができる分子を指す。抗原は、抗体又は改変抗体若しくは組換え抗体(rAb、recombinant antibody)の他の抗原認識ドメインの標的として、又はコンジュゲート(共有結合又は非共有結合で結合されている)若しくは融合タンパク質としてrAbにより細胞に及び/若しくは細胞内に運搬するか若しくは細胞を標的とする分子として、本発明では2つの異なる状況で使用することができる。抗原は、通常、ワクチン接種が有利な治療であるはずの疾患を引き起こす作用物質である。抗原がMHC上に提示される場合、ペプチドは、約8〜約25個のアミノ酸であることが多い。抗原には、例えば、単純な中間代謝産物、糖、脂質、及びホルモン、並びに複合糖質、リン脂質、核酸、及びタンパク質などの巨大分子を含む任意のタイプの生体分子が含まれる。抗原の一般的な分類には、これらに限定されないが、ウイルス抗原、細菌抗原、真菌抗原、原生動物及び他の寄生虫抗原、腫瘍抗原、自己免疫疾患、アレルギー、及び移植片拒絶に関与する抗原、並びに他の様々な抗原が含まれる。本発明は、特徴(例えば、タンパク質分解の減少、分泌の増強、発現又は安定性の増強)が向上し且つ抗体又はその断片を使用して抗原提示細胞に標的化される、ウイルス由来の抗原を使用する。
【0024】
ウイルス抗原の例には、これらに限定されないが、例えば、gag、pol、及びenv遺伝子の遺伝子産物、Nefタンパク質、逆転写酵素、及び他のHIV成分などのヒト免疫不全ウイルス(HIV、human immunodeficiency virus)抗原に由来するレトロウイルス抗原などのレトロウイルス抗原;B型肝炎ウイルスのS、M、及びLタンパク質、B型肝炎ウイルスの前S抗原、及びC型肝炎ウイルスRNAなどの他の肝炎、例えばA型、B型、及びC型肝炎ウイルス成分などの肝炎ウイルス抗原;赤血球凝集素及びノイラミニダーゼ及び他のインフルエンザウイルス成分などのインフルエンザウイルス抗原;麻疹ウイルス融合タンパク質及び他の麻疹ウイルス成分などの麻疹ウイルス抗原;タンパク質E1及びE2並びに他の風疹ウイルス成分などの風疹ウイルス抗原;VP7sc及び他のロタウイルス成分などのロタウイルス抗原;エンベロープ糖タンパク質B及び他のサイトメガロウイルス抗原成分などのサイトメガロウイルス抗原;RSV融合タンパク質、M2タンパク質、及び他の呼吸器多核体ウイルス抗原成分などのRSウイルス性抗原;前初期タンパク質、糖タンパク質D、及び他の単純ヘルペスウイルス抗原成分などの単純ヘルペスウイルス抗原;gpI、gpII、及び他の水痘帯状疱疹ウイルス抗原成分などの水痘帯状疱疹ウイルス抗原;タンパク質E、M−E、M−E−NS1、NS1、NS1−NS2A、80%E、及び他の日本脳炎ウイルス抗原成分などの日本脳炎ウイルス抗原;狂犬病糖タンパク質、狂犬病核タンパク質、及び他の狂犬病ウイルス抗原成分などの狂犬病ウイルス抗原が含まれる。ウイルス抗原のさらなる例は、Fundamental Virology, Second Edition, eds. Fields, B. N. and Knipe, D. M. (Raven Press, New York, 1991)を参照されたい。
【0025】
本発明のrAb−DC/DC−抗原ワクチンを使用して送達することができる抗原標的には、ウイルス抗原、細菌抗原、真菌抗原、又は寄生虫抗原などの抗原をコードする遺伝子が含まれる。ウイルスには、ピコルナウイルス、コロナウイルス、トガウイルス、フラビルウイルス(flavirvirus)、ラブドウイルス、パラミクソウイルス、オルトミクソウイルス、ブンヤウイルス、アレナウイルス、レオウイルス、レトロウイルス、パピローマウイルス(papilomavirus)、パルボウイルス、ヘルペスウイルス、ポックスウイルス、ヘパドナウイルス、及び海綿状ウイルス(spongiform virus)が含まれる。他のウイルス標的には、インフルエンザ、単純疱疹ウイルス1及び2、麻疹、デング熱、天然痘、ポリオ、又はHIVが含まれる。病原体には、トリパノソーマ、サナダムシ、回虫、蠕虫、マラリアが含まれる。胎児性抗原又は前立腺特異的抗原などの腫瘍マーカーを、この様式で標的とすることができる。他の例には、HIV envタンパク質及びB型肝炎表面抗原が含まれる。ワクチン接種用の本発明によるベクターの投与には、ベクター関連抗原が、それに対する強力な免疫応答が望ましい導入遺伝子の長期的発現を可能にするほど十分に非免疫原性であることが必要とされよう。ある場合には、個体のワクチン接種は、年1回又は2年に1回など、低頻度でしか必要とされなくてもよく、感染因子に対する長期的な免疫学的防御を提供することができる。ベクターに及び最終的には抗原として本発明と共に使用するための生物、アレルゲン、並びに核酸配列及びアミノ配列の具体的な例は、米国特許第6,541,011号明細書に見出すことができ、関連部分、特に本発明と共に使用することができる生物及び特定の配列と一致する表は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0026】
本発明のrAbを使用して標的とすることができる、免疫細胞、例えば抗原提示細胞又は樹状細胞の表面上の抗原は、一般的に、内部移行化の可能性、免疫細胞特異性のレベル、標的とされる免疫細胞のタイプ、免疫細胞成熟及び/又は活性化のレベルなどを含むいくつもの要因に基づいて選択されることになる。樹状細胞の細胞表面マーカーの例には、これらに限定されないが、MHCクラスI、MHCクラスII、B7−2、CD18、CD29、CD31、CD43、CD44、CD45、CD54、CD58、CD83、CD86、CMRF−44、CMRF−56、DCIR、及び/又はASPGRなどが含まれ、その一方である場合では、CD2、CD3、CD4、CD8、CD14、CD15、CD16、CD19、CD20、CD56、及び/又はCD57が存在しないこともある。抗原提示細胞の細胞表面マーカーの例には、これらに限定されないが、MHCクラスI、MHCクラスII、CD40、CD45、B7−1、B7−2、IFN−γ受容体及びIL−2受容体、ICAM−1、Fcγ受容体、LOX−1、又はASPGRが含まれる。T細胞の細胞表面マーカーの例には、これらに限定されないが、CD3、CD4、CD8、CD14、CD20、CD11b、CD16、CD45、及びHLA−DRが含まれる。
【0027】
本明細書で使用される場合、「エピトープ(複数可)」という用語は、病原体DNA又はRNAによりコードされた多数の病原体ポリペプチドのいずれか内に位置するエピトープに類似した一次、二次、又は三次構造を含むペプチド抗原又はタンパク質抗原を指す。類似性のレベルは、一般的に、モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体がそのようなポリペプチドに向けられた場合、そのペプチド又はタンパク質抗原に結合、反応するか、又はかかるペプチド又はタンパク質抗原を認識するレベルである。例えばウエスタンブロッティング、ELISA、及びRIAなどの種々のイムノアッセイ法を、そのような抗体と共に使用することができ、それらのすべては当業者に公知である。ワクチンに使用するのに好適な病原体エピトープ及び/又はそれらの機能的同等物の特定は本発明の一部である。単離及び特定されれば、機能的同等物を容易に取得することができる。例えば、親水性に基づくアミノ酸配列からのエピトープの特定及び調製を教示する米国特許第4,554,101号明細書に教示されているようなHopp法を使用することができ、それは参照により本明細書に組み込まれる。他のいくつかの文献に記述されている方法及びそれに基づくソフトウェアプログラムを使用して、エピトープコア配列を特定することもできる(例えば、Jameson and Wolf, 1988、Wolf et al., 1988、米国特許第4,554,101号明細書)。その後、これら「エピトープコア配列」のアミノ酸配列を、ペプチド合成又は組換え技術のいずれかを応用することにより、ペプチドに容易に組み込むことができる。
【0028】
本明細書で使用される場合、「モノクローナル抗体」という用語は、均質な抗体集団を有する抗体組成物を指す。この用語は、抗体の種又は由来に関して制限を受けず、それが作られる様式により制限されることも意図されていない。この用語は、免疫グロブリン全体、並びにFab、F(ab’)2、Fv、及び親モノクローナル抗体分子の免疫学的結合特性を示す他の断片などの断片を包含する。
【0029】
本明細書で使用される場合、「抗原結合部位」又は「結合部分」という用語は、抗原結合に関与する免疫グロブリン分子の部分を指す。抗原結合部位は、重(「H」)鎖及び軽(「L」)鎖のN末端可変(「V」)領域のアミノ酸残基により形成される。重鎖及び軽鎖のV領域内にある3つの高度に多様な伸長は「超可変領域」と呼ばれ、それは、「フレームワーク領域」(FR、framework region)として知られているより保存された隣接伸長の間に挿入されている。本明細書で使用される場合、「FR」という用語は、天然では、免疫グロブリンの超可変領域の間に隣接して見出されるアミノ酸配列を指す。抗体分子では、軽鎖の3つの超可変領域及び重鎖の3つの超可変領域が、三次元空間で互いに対して配置され、抗原結合表面を形成する。抗原結合表面は、結合する抗原の三次元表面に相補的であり、重鎖及び軽鎖の各々の3つの超可変領域は、「相補性決定領域」又は「CDR」と呼ばれる。
【0030】
本明細書で使用される場合、「ヒト化」抗体という用語は、ヒト定常ドメインに融合されたげっ歯動物V領域及びそれらに伴うCDRを有するキメラ抗体、適切なヒト抗体定常ドメインと組換え的に表面修飾された(veneered)げっ歯動物FRにより支持されたげっ歯動物CDRとを融合させる前にヒト支持FRに移植されたげっ歯動物CDRを有するキメラ抗体を含む、非ヒト免疫グロブリンに由来する抗原結合部位を含む分子を指す。これら「ヒト化」分子は、ヒト受容個体におけるそれらの部分の治療応用の作用期間及び有効性を制限する、げっ歯動物抗ヒト抗体分子に対する望ましくない免疫学的応答を最小限に抑えるように設計されている。
【0031】
本発明の抗原をコードする核酸を活性成分として含むワクチン組成物の調製は、液状の液剤又は懸濁剤のいずれかとして注射剤として調製することができ、感染前に液剤又は懸濁剤に液状化するのに好適な固体形態を調製することもできる。調製物は、乳化されていてもよく、リポソームに封入されていてもよい。活性免疫原成分は、薬学的に許容され、活性成分と適合する担体と混合されていることが多い。
【0032】
「薬学的に許容される担体(キャリヤ[carrier])」という用語は、それを投与する対象にアレルギー反応又は他の悪影響を引き起こさない担体を指す。好適な薬学的に許容される担体には、例えば、水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、デキストロース、グリセロール、又はエタノールなどの1又は2以上及びそれらの組み合わせが含まれる。加えて、必要に応じて、ワクチンは、湿潤剤若しくは乳化剤、pH緩衝剤、及び/又はワクチンの有効性を増強するアジュバントなどの少量の補助物質を含有することができる。有効であり得るアジュバントの例には、これらに限定されないが、水酸化アルミニウム、N−アセチル−ムラミル−L−トレオニル−D−イソグルタミン、(thr−MDP、N-acetyl-muramyl-L-threonyl-D-isoglutamine)、N−アセチル−nor−ムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン、MTP−PE、及びR1B1(これは、2%スクワレン/トウィーン80乳濁液中に細菌から抽出された3つの成分、モノホスポリル(monophosporyl)リピドA、トレハロースジミコラート(trehalose dimycolate)及び細胞壁骨格(MPL(monophosporyl lipid A)+TDM(trehalose dimycolate)+CWS(cell wall skeleton))を含有する)が含まれる。アジュバントの他の例には、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド(DDA、dimethyldioctadecylammonium bromide)、フロインド完全及び不完全アジュバント、及びQuilAが含まれる。加えて、リンホカイン(例えば、IFN−γ、IL−2、及びIL−12)又はポリI:Cなどの合成IFN−γ誘導因子などの免疫調節物質を、本明細書に記述されているアジュバントと組み合わせて使用することができる。
【0033】
本発明で記述されている、血漿リポタンパク質上に存在するアポリポタンパク質の特異的DNA結合部位に結合する単一コピー又は複数コピーの特定のヌクレオチド配列を有するネイキッドポリヌクレオチド(naked polynucleotide)を含んでいてもよい医薬品。ポリヌクレオチドは、生物学的活性ペプチド、アンチセンスRNA、又はリボザイムをコードするものであってよく、生理学的に許容される投与可能な形態で提供されるであろう。本発明から生じ得る別の医薬品は、本明細書に記述されている方法により患者血液又は他の供給源から単離された高度に精製された血漿リポタンパク質画分と、血漿リポタンパク質上に存在するアポリポタンパク質の特異的DNA結合部位に結合する単一コピー又は複数コピーの特定のヌクレオチド配列を含有し、生理学的に許容される投与可能な形態の精製リポタンパク質分画にあらかじめ結合されているポリヌクレオチドとを含むこともできる。
【0034】
さらに別の医薬品は、単一コピー又は複数コピーの特定のヌクレオチド配列を含有するポリヌクレオチドにあらかじめ結合された単一コピー又は複数コピーの特定のDNA結合モチーフを含有する組換えアポリポタンパク質断片を含有する、高度に精製された血漿リポタンパク質画分を、生理学的に許容される投与可能な形態で含むこともできる。さらに別の医薬品は、単一コピー又は複数コピーの特定のヌクレオチド配列を含有するポリヌクレオチドにあらかじめ結合された単一コピー又は複数コピーの特定のDNA結合モチーフを含有する組換えアポリポタンパク質断片を含有する、高度に精製された血漿リポタンパク質画分を、生理学的に許容される投与可能な形態で含むこともできる。
【0035】
投与される用量は、治療されている対象の体重及び身体状況、並びに投与経路及び治療の頻度に大きく依存する。高度に精製されたリポタンパク質画分にあらかじめ結合されたネイキッドポリヌクレオチドを含む医薬組成物は、1μg〜1mgの範囲の量のポリヌクレオチド及び1μg〜100mgの範囲の量のタンパク質で投与することができる。
【0036】
患者へのワクチン投与は、ベクターに毒性があればそれを考慮に入れて、化学療法剤投与の一般的なプロトコールに従うことになる。必要に応じて、治療サイクルが繰り返されることになることが予想される。記述されている遺伝子治療と組み合わせて、種々の標準的治療並びに外科的介入を適用することができることも企図される。
【0037】
遺伝子治療の臨床応用が企図される場合、意図されている応用に適切な医薬組成物として複合体を調製することが必要とされよう。一般的に、これには、発熱性物質並びにヒト又は動物に有害であり得る任意の他の不純物を本質的に含まない医薬組成物を調製することも必要とされよう。複合体を安定化させ、標的細胞による複合体取込みを可能にする適切な塩及び緩衝剤を使用することが、一般的に望ましいであろう。
【0038】
本発明の水性組成物は、薬学的に許容される担体又は水性媒質中に溶解又は分散された有効量の化合物を含むことができる。そのような組成物は、接種物と呼ばれる場合もある。医薬活性物質用のそのような媒質及び作用物質の使用は、当技術分野で周知である。任意の従来の媒質又は作用物質が活性成分と適合しない場合を除いて、治療用組成物におけるその使用が企図される。補助活性成分を、組成物に組み込むこともできる。本発明の組成物は、古典的な医薬品を含んでいてもよい。分散剤は、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、及びそれらの混合物、並びに油中で調製することもできる。通常の保管及び使用条件下では、これら調製物は、微生物の増殖を防止するための保存剤を含有する。
【0039】
疾患状態。治療される特定の疾患に応じて、本発明による治療用組成物の投与は、最大限の(又は、ある場合では最小限の)免疫応答のために、ある部位への抗原の送達を最大化するために標的組織がその経路で利用可能である限り、任意の一般的な経路により行われるであろう。投与は、一般的に同所性、皮内、皮下、筋肉内、腹腔内、又は静脈注射により行われるであろう。送達用の他の領域には、経口、経鼻、頬側、直腸内、膣内、又は局所送達が含まれる。局所投与は、特に皮膚癌の治療に有利であろう。そのような組成物は、通常、生理学的に許容される担体、緩衝剤、又は他の賦形剤を含む薬学的に許容される組成物として投与される。
【0040】
本発明のワクチン又は治療用組成物は、注射により非経口的に、例えば皮下又は筋肉内のいずれでも投与することができる。他の投与方法に好適なさらなる製剤には、坐剤、及びある場合には、経口製剤、又はエアゾール剤としての分配に好適な製剤が含まれる。経口製剤の場合、T細胞サブセットの操作には、アジュバント、抗原パッケージング、又は種々の製剤への個々のサイトカインの添加を使用し、それは最適化された免疫応答を有する改良された経口ワクチンに帰着する。坐剤の場合、従来の結合剤及び担体は、例えばポリアルキレングリコール又はトリグリセリドを含んでいてもよく、そのような坐剤は、0.5%〜10%、好ましくは1%〜2%の範囲の活性成分を含有する混合物から形成されてもよい。経口製剤は、例えば医薬品等級のマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、及び炭酸マグネシウムなどのような通常使用される賦形剤を含む。これら組成物は、液剤、懸濁剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、徐放性製剤、又は散剤の形態をとり、10%〜95%、好ましくは25〜70%の活性成分を含有する。
【0041】
本発明の核酸をコードする抗原を、中性又は塩形態としてワクチン又は治療用組成物に製剤化することができる。薬学的に許容される塩には、酸付加塩(ペプチドの遊離アミノ基と形成される)が含まれており、それらは、例えば、塩酸又はリン酸などの無機酸、又は酢酸、シュウ酸、酒石酸、及びマレイン酸などの有機酸と形成される。遊離カルボキシル基と形成される塩は、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、又はヒドロイド第二鉄(ferric hydroide)などの無機塩基、並びにイソプロピルアミン、トリメチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン、及びプロカインなどの有機塩基に由来する場合もある。
【0042】
ワクチン又は治療用組成物は、投与製剤と適合するように、予防的に及び/又は治療的に有効となる量で投与される。投与される量は、治療される対象に依存し、それには、例えば抗体を合成する対象の免疫系の能力、及び所望の保護作用又は治療の程度が含まれる。好適な用量範囲は、1ワクチン接種当たり約数百マイクログラムの活性成分であり、約1mg〜300mgの範囲、及び好ましくは約10mg〜50mgの範囲など、約0.1mg〜1000mgの範囲である。初回投与及び追加接種に好適な投与計画も多様であるが、典型的には、初回投与を行い、その後次回接種又は他の投与を行う。投与に必要な正確な量の活性成分は専門家の判断により、各対象に固有であり得る。本発明の核酸分子又は融合ポリペプチドの治療上有効量は、特に、投与スケジュール、投与される抗原の単位用量、核酸分子又は融合ポリペプチドが他の治療薬と組み合わせて投与されるかどうか、受容個体の免疫状態及び健康状態、並びに特定の核酸分子又は融合ポリペプチドの治療活性に依存することになることは当業者であれば明白であろう。
【0043】
本組成物は、単回投与スケジュールで投与してもよく、又は複数回投与スケジュールで投与してもよい。複数回投与スケジュールは、ワクチン接種の一次治療単位が、例えば1〜10回の個別投与後、免疫応答を維持及び/又は強化するのに必要なその後の時間間隔で他の投与が行われ、例えば第2の投与の場合は1〜4カ月で投与され、必要な場合には、数カ月後に次回投与(複数可)を行うことを含んでいてもよいスケジュールである。1〜5年、通常は3年の間隔での定期的追加接種が、所望のレベルの防御免疫を維持するために望ましい。免疫化の治療単位の後、ESAT6又はST−CFと共に共培養された末梢血リンパ球(PBL、peripheral blood lymphocyte)のインビトロ増殖アッセイを行い、感作リンパ球から放出されるIFN−γレベルを測定することができる。アッセイは、放射性ヌクレオチド、酵素、及び蛍光標識などの従来の標識を使用して実施することができる。これらの技術は当業者に公知であり、米国特許第3,791,932号明細書、第4,174,384号明細書、及び第3,949,064号明細書に見出すことができ、関連部分は参照により組み込まれる。
【0044】
本発明のワクチンは、核酸ベクターが使用されるのか、最終精製タンパク質又は最終ワクチン形態が使用されるのかに依存して、1又は2以上の「単位用量」で提供することができる。単位用量は、その投与、つまり適切な経路及び治療計画に従って所望の応答をもたらすように計算された所定量の治療用組成物を含有することと定義される。投与される量並びに特定の経路及び製剤は、臨床分野の当業者の技術範囲内にある。治療される対象は、特に、対象の免疫系の状態及び所望の防御を評価することもできる。単位用量は、単回注射として投与する必要はないが、所定の期間にわたる持続点滴を含んでいてもよい。本発明の単位用量は、体重1kg当たりのDNA(又はタンパク質)の単位で便利に記述することができ、体重1kg当たり約0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.5、1、10、50、100、又は1,000mg以上のDNA又はタンパク質の間の範囲で投与される。同様に、送達されるrAb−DC/DC−抗原ワクチンの量は、体重1kg当たり約0.2〜約8.0mgで変動する場合がある。したがって、特定の実施形態では、0.4mg、0.5mg、0.8mg、1.0mg、1.5mg、2.0mg、2.5mg、3.0mg、4.0mg、5.0mg、5.5mg、6.0mg、6.5mg、7.0mg、及び7.5mgのワクチンを、インビボで個体に送達することができる。投与されるワクチンの用量は、治療されている対象の体重及び身体状態、並びに投与経路及び治療の頻度に大きく依存する。リポソーム又はウイルス送達ベクターにあらかじめ結合されたネイキッドポリヌクレオチドを含む医薬組成物は、1μg〜1mgのポリヌクレオチドから1μg〜100mgのタンパク質の範囲の量で投与することができる。したがって、特定の組成物は、1μg、5μg、10μg、20μg、3.0μg、40μg、50μg、60μg、70μg、80μg、100μg、150μg、200μg、250μg、500μg、600μg、700μg、800μg、900μg、1mg、1.5mg、5mg、10mg、20mg、30mg、40mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg、又は100mgのベクターに独立して結合されている、約1μg、5μg、10μg、20μg、30μg、40μg、50μg、60μg、70μg、80μg、100μg、150μg、200μg、250μg、500μg、600μg、700μg、800μg、900μg、又は1,000μgの間のポリヌクレオチド又はタンパク質を含むこともできる。
【0045】
本発明は、例えば、リシン、炭疽菌毒素、及びスタフィロコッカスBエンテロトキシン(Staphylococcus B enterotoxin)に由来する防御抗原と複合体化された組換えヒト化mAb(特定のヒト樹状細胞受容体に対する)であるモジュール型rAb担体を作製するために使用することもできる。この物質の潜在的市場は、全軍関係者のワクチン接種、及びこれら作用物質と関連するあらゆる生物脅威に対応して大規模人口密集地に投与するための備蓄される保存ワクチンである。本発明は、一般的に、ヒト及び動物の両方に使用するためのワクチンを設計するための広範な応用を有する。対象とする産業には、医薬品産業及びバイオテクノロジー産業が含まれる。
【0046】
本発明は、抗原に対する強力で広範な免疫応答を誘導するために、抗原を抗原提示細胞(APC、antigen-presenting cell)に特異的に標的化する(送達する)ワクチンを含む組成物及び方法を含む。これら組成物は、抗原がそれに由来した作用物質(病原体又は癌)に対する防御的又は治療的免疫応答を誘起する。加えて、本発明は、それらが抗原提示細胞と特異的に結び付くことにより、直接的に又は他の作用物質と協同して治療的である作用物質を生成する。
【0047】
Gag−Nefワクチン。下記に示す配列は、p24領域[イタリック体]が、ヒト主要組織適合複合体クラスII、DRアルファ前駆体の可動性ループに由来する短スペーサー[太字]を介してhIgG4HのC末端に連結されている、重鎖(H)−HIV gag p24融合タンパク質である。下線のAS残基は、構築目的に使用された制限部位[この場合は、NheI]によりコードされている。このタイプの抗体−p24融合タンパク質は、科学文献に記述されている[例えば、Antigen targeting to dendritic cells elicits long-lived T cell help for antibody responses(2006) Boscardin et al., JEM, Volume 203, Number 3, 599-606]。
【0048】
改良された抗体−抗原リンカー配列。[mAnti−DCIR_9E8_H−LV−hIgG4H−Viralgag]C241は以下の通りである:
【0049】
【表1】
【0050】
図1のレーン1及び2は、H鎖−gag p24融合体をコードする[例えば、天然シグナル配列に先行して上記のC241をコードする]発現ベクター及び対応する軽鎖[L]発現プラスミドを一過的にトランスフェクトしたCHO−S又は293F細胞から得られ、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーで精製されたgag p24−抗体融合タンパク質の、クマシーブルー染色還元SDS PAGE分析を示す。典型的には、分泌されるタンパク質産生の場合、同時トランスフェクション培養を数日間まで継続させ、その後培養液上清を回収し、その後精製する。全長[約77kDa]H鎖−gag p24融合体鎖は、上の矢印により示す。切断されたH鎖産物[下の矢印]は、別のタンパク質に融合されていないH鎖[約50kDaバンドとしてレーン4に示す]よりわずかにゆっくりと移動することも示される。この結果は、H鎖−p24リンカー配列がタンパク質分解性切断に感受性であり、そのため産生され分泌される抗体−抗原融合タンパク質の完全性が損なわれることを示唆する。
【0051】
対照的に、抗体−インフルエンザHA1−1融合タンパク質は、H鎖C末端とHA1−1ドメインとの間での著しい切断が観察されることなく分泌及び回収することができる。[mAnti−LOX−115C4H−LV−hIgG4H−C−Flex−FluHA1−1−6xHis]C114は、以下の通りである:
【0052】
【表2】
【0053】
この場合、セルロソームにアンカーするスキャフォールディンB(scaffoldin B)前駆体[クロストリジウム・サーモセラム(Clostridium thermocellum)ATCC27405に由来するCipA]に由来する短リンカー[太字]を、H鎖C末端と[下線で示す連結配列を介して]インフルエンザHA1−1ドメイン[イタリック体]との間に挿入した。H鎖C末端とHA1−1ドメインとの間に明らかなタンパク質分解性切断はない[図1レーン3]。
【0054】
図2のレーン3は、セルロソームにアンカーするスキャフォールディンB前駆体[バクテロイデス・セルロソルベンス]に由来するH鎖−gag p24リンカーとのH鎖−gag p24融合体をコードする発現ベクター及び対応する軽[L]鎖発現プラスミドを一過的にトランスフェクトしたCHO−S又は293F細胞から得られ、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーで精製されたgag p24−抗体融合タンパク質の、クマシーブルー染色還元SDS PAGE分析を示す。
【0055】
[mAnti−DCIR_9E8_H−LV−hIgG4H−C−Flex−var1−Viralgag−var1−6xHis]C560は、下記に示す[下線の残基は制限部位連結配列に由来し、太字は可動性リンカー残基である]:
【0056】
【表3】
【0057】
上記の抗体−gag p24融合タンパク質は、H鎖C末端とgag p24ドメインとの間に検出可能な切断がなく、完全のまま(インタクト)で産生される。したがって、QTPTNTISVTPTNNSTPTNNSNPKPNP(配列番号4)リンカー配列は、gag p24ワクチンの生産目的に優れている。
【0058】
好ましいリンカー配列は、スキャフォールディン及び関連タンパク質に由来した。下記の配列は、セルロース分解バクテリアに由来するスキャフォールディンであるCipAである。このタンパク質は、明らかに可動性になるように進化したリンカー配列[イタリック体]で分散された複数のコヘシンドメインを含有し、このタンパク質が(i)糖結合ドメイン[CBM−3、図3]を介してセルロースマトリックスにアンカーする、及び(ii)酵素連結ドッケリンドメインを介してエンドグルカナーゼDなどのセルロース分解酵素に結合する役割を反映する。
【0059】
>gi|2506991|sp|Q06851|CIPA_CLOTM セルロソーム足場プロテインA前駆体(セルロソーム糖タンパク質S1/SL)(セルロース組み込みプロテインA)(コヘシン)[クロストリジウム・サーモセラム ATCC27405]。太字の残基は、上記のC114構築体に使用されるリンカー配列である。
【0060】
【表4】
【0061】
図3A〜3Cは、cipAの構造ドメインの模式図を示す。図3Aは、構造ドメインの模式図を示し、cipAのNetOGlyc1.0サーバー及びNetNGlyc1.0サーバー解析は、高度に予測されたO結合グリコシル化部位(図3C)及びN結合グリコシル化部位を示す(図3C)。特に、O結合部位は、大部分がリンカー配列内にある。
【0062】
cipA Aに類似する別の例を、下記に示す。上記のC560に示すリンカー配列[QTPTNTISVTPTNNSTPTNTSTPKPNP](配列番号6)は、この配列[NからTの置換は除いて、太字イタリック体で下記に示す]に由来し、2つの潜在的N結合グリコシル化部位を含有する[下線]。下記に記述されている構築体及び/又はHIVペプチド開示で使用される他のリンカー配列は、太字で示す。
【0063】
>gi|50656899|gb|AAT79550.1| セルロソームにアンカーするスキャフォールディンB前駆体[バクテロイデス・セルロソルベンス]
【0064】
【表5】
【0065】
図4A〜4Cは、セルロソームにアンカーするスキャフォールディンB前駆体[バクテロイデス・セルロソルベンス]の構造ドメインの模式図を示す。図4Aは、構造ドメインの模式図を示し、cipAのNetOGlyc1.0サーバー及びNetNGlyc1.0サーバー解析は、高度に予測されたO結合グリコシル化部位(図4B)及びN結合グリコシル化部位(図4C)を示す。特に、O結合部位は、大部分がリンカー配列内にある。
【0066】
本発明は、セルロース分解生物に由来する構造ドメイン間リンカー配列、好ましくはタンパク質工学のドメイン間リンカー配列、特に真核生物発現宿主で産生される改変タンパク質に使用するための高度に予測されたグリコシル化部位を有するドメイン間リンカー配列を使用するための組成物及び方法を含む。これら配列を使用して得られる特性の向上の中には、i)固有な可動性(それにより、連結されたドメインの分離が容易になり、それが、連結されたドメインが合成中に正しく折り畳まれることに大きく寄与するはずであり、B細胞受容体を抗原立体構造エピトープと一致させることによる明確な接近可能性を維持する);ii)グリコシル化(それにより、産物融合タンパク質の分泌及び溶解性に寄与し、リンカー配列をプロテアーゼから遮蔽する)がある。
【0067】
gag配列のタンパク質分解性切断部位の除去。図5のレーン1[下]は、適切なL鎖発現プラスミドと共に同時トランスフェクトした[mAnti−DCIR_9E8_H−LV−hIgG4H−C−Viralgag−p40]C535の精製された発現産物を示す。C535の成熟H鎖配列[gag残基はイタリック体であり、連結制限部位をコードする残基は下線で示す]は、以下の通りである:
【0068】
【表6】
【0069】
図5の上の矢印は、C535をコードしたH鎖の予測される近似的位置を示し、産物のほんの一部だけがこの位置のバンドを有することを示す。下の矢印で示す大部分の産物は、サイズがより短いH鎖であり、gag p17−p24境界付近にプロテアーゼ感受性部位が存在することを示唆する。
【0070】
図6のレーン3[下]は、適切なL鎖発現プラスミドと共に同時トランスフェクトした[mAnti−DCIR_9E8_H−LV−hIgG4H−C−Flex−var1−Viralgag−p40−var1−6xHis]C601の部分的に精製された発現産物を示す。C535の成熟H鎖配列[gag残基はイタリック体であり、連結制限部位をコードする残基は下線で示し、可動性リンカー残基は太字である]は、以下の通りである:
【0071】
【表7】
【0072】
上記のgag配列は、gag p17のC末端側にある潜在的プロテアーゼ感受性部位を取り除く、KKKからVDESFへの配列変更[上記に下線で示す]を有しており、図6は、このバリアント形態が、大部分は分解されていないH鎖と共に産生されることを示す[レーン3のより低分子量のバンドは「バックグラウンド不純物」である。図7を参照]。
【0073】
特定の一実施形態では、本発明は、分泌される連結gag p17+p24タンパク質のタンパク質分解性切断を防止する、上記で定義されたKKK配列に関する変更を有するgag p40[p17+p24]のバリアントを含む。
【0074】
好ましいHIV nef抗原に連結された抗体。HIV抗原を樹状細胞に標的化する1つの好ましいワクチンは、最大量のnef抗原と連結された最大量のgag抗原を有することになり、本発明は、限定ではないがこれを含む。図7のレーン4[下]は、適切なL鎖発現プラスミドと共に同時トランスフェクトした[mAnti−DCIR_9E8_H−LV−hIgG4H−C−Flex−v1−ViralNef]C757の部分的に精製された発現産物を示す。C757の成熟H鎖配列[nefコンセンサスクレードB残基はイタリック体であり、連結制限部位をコードする残基は下線で示し、可動性リンカーは太字である]は、以下の通りである:
【0075】
【表8】
【0076】
図7に示す抗体−抗原産物の分析は、種々のH鎖−抗原構築体が、同一の適切なL鎖発現構築体と共に293F細胞に一過的に同時トランスフェクトされたことを示す。各レーンは、5mlのトランスフェクション細胞上清[3日間の産生]に由来する産物を表しており、この産物は、過剰量のプロテインAビーズに結合させ、PBS+1M NaClで2回洗浄し、20mMのHClで溶出し、乾燥し、還元SDS PAGE試料緩衝液に溶解し、クマシーブルー染色還元SDS PAGEにより分析した。この技術は、予測H鎖産物の完全性の評価を可能にするだけでなく、抗体−抗原産物の相対的産生レベルの評価も可能にする。相対的産生レベルの問題は、ワクチン生産コストが、大規模哺乳動物細胞発酵系での完全分泌ワクチンの収量に大きく依存するため、非常に重要である。発現レベルは、特に、哺乳動物細胞ゲノムに組み込まれた際の転写増強及び高度産生トランスフェクション細胞のクローンの選択に有利なDNAエレメントを担持する代替的ベクター系により大きく増加させることができるが、これらの手法は、これらのさらなる手法を適用せずに完全な分泌される産物を良好な収量で発現する構築体から開始することにより、大きく補助される。トランスフェクトした哺乳動物細胞からの分泌抗体−抗原融合体の産生に大きな変動があることは、以前の特許出願で十分に記述されており[コヘシン−ドッケリン及びDCIR]、これらのデータは、産生レベルが抗体媒体[可変及び定常領域]にそれほど依存しないが、むしろ抗原自体の固有な特性であることを示す。したがって、図7のレーン4は、[mAnti−DCIR_9E8_H−LV−hIgG4H−C−Flex−v1−ViralNef]が非常に効率よく産生されたことを示し、QTPTNTISVTPTNNSTPTNNSNPKPNPにより連結されたnefコンセンサスクレードB抗原と融合された抗体のこの配置が、非常に有利であることを示す。
【0077】
ある好ましいHIV gag及びnef抗原に連結された抗体。[mAnti−DCIR_9E8_H−LV−hIgG4H−C−Flex−v1−Viralgag−p40−ViralNef]C758は、上記に記述されているバリアントgag p40抗原の近位に直接追加されたnefコンセンサスクレードB抗原を有する[連結残基は下線で示し、可動性リンカー配列は太字である]:
【0078】
【表9】
【0079】
図7のレーン5は、この発現プラスミドが、適切なL鎖と共に同時トランスフェクトされた場合、このH鎖−抗原融合体の合成を対象とするが、分泌される産物としての発現は非常に不良であることを示す。レーン6〜9は、L鎖発現プラスミド、並びに近位及び/又は遠位に可動性リンカー配列が伴うnefコンセンサスクレードB抗原コード配列インサートを有するH鎖−gag発現構築体と共に同時トランスフェクトした293F細胞からの分泌産物を示す。可動性リンカー配列の付加は、完全抗体−gag/nef融合ワクチンの分泌を容易にする。ワクチンを最高レベルで産生するための好ましい1つの構築体は、[mAnti−DCIR_9E8_H−LV−hIgG4H−C−Flex−v1−p17−f3−nef−f4−p24−6xHis]C791である[レーン9を参照]。そのような哺乳動物発現系における抗体−抗原融合体の相対的レベルは、抗体V領域にそれほど依存しないため、[−Flex−v1−p17−f3−nef−f4−p24−6×His]がそれらのH鎖C末端に追加される場合、異なるDC受容体を標的とする抗体−gag/nef抗原ワクチンの産生は、同様の利点を有するはずである。
【0080】
レーン6のH鎖は、[mAnti−DCIR_9E8_H−LV−hIgG4H−C−Flex−v1−Viralgag−p40−f4−nef]C767である[連結残基は下線で示し、可動性リンカー残基は太字であり、抗原残基はイタリック体である]:
【0081】
【表10】
【0082】
レーン7のH鎖は、[mAnti−DCIR_9E8_H−LV−hIgG4H−C−Flex−v1−p17−nef−f4−p24−6xHis]C790 C767である[連結残基は下線で示し、可動性リンカー残基は太字であり、抗原残基はイタリック体である]:
【0083】
【表11】
【0084】
レーン8のH鎖は、[mAnti−DCIR_9E8_H−LV−hIgG4H−C−Flex−v1−p17−f3−nef−p24−6xHis]C797 C767である[連結残基は下線で示し、可動性リンカー残基は太字であり、抗原残基はイタリック体である]:
【0085】
【表12】
【0086】
レーン9のH鎖は、[mAnti−DCIR_9E8_H−LV−hIgG4H−C−Flex−v1−p17−f3−nef−f4−p24−6xHis]C791 C767である[連結残基は下線で示し、可動性リンカー残基は太字であり、抗原残基はイタリック体である]:
【0087】
【表13】
【0088】
上記のタンパク質をCHO−S細胞で産生する際に苛酷な発酵条件下で検出される残存性の分解を除去するために試験されたさらなる改変は、KKKからNKQへの変更と共に下記で示し、それらは下線、太字、イタリック体で強調されている:
【0089】
【表14】
【0090】
最大限の抗原エピトープを有する、あるgag−nef抗原融合体が、効率的な分泌/産生特性を有することが見出された。好ましい可動性リンカー配列により隣接されたnef抗原のインサート又は追加体を有するgag p40のバリアントが、特に良好に産生及び分泌されることが見出された。本明細書で開示され、セルロース分解生物から入手可能である可動性リンカー配列が、完全抗原及び/又は抗体−抗原融合タンパク質として連結された抗原の分泌を容易にすることができたことも見出された。
【0091】
抗原コード配列のDNA配列:C757抗原領域は、以下の通りである[太字配列は、連結部位又は終止コドンである]:
【0092】
【表15】
【0093】
C791リンカー及び抗原コード配列は、以下の通りである[太字配列は、連結部位又は終止コドンである]:
【0094】
【表16】
【0095】
以下の例は、本発明が、CD40によりHIV及び他の抗原をヒトDCに標的化することができたことを示す。強力な活性化抗CD40モノクローナル抗体の生成。マウスIgG2b−ヒトCD40融合タンパク質でマウスを免疫し、リンパ節由来のB細胞を注射部位から排出させ、その後ハイブリドーマとして不死化した。FACSにより検出されるような抗CD40反応性抗体を分泌する35個のハイブリドーマに由来する上清を、CD40 CDNAをトランスフェクトした293F細胞と比べて、ヒト樹状細胞の終夜培養中でサイトカイン分泌の誘導について試験した。図8は、CD40に結合し活性化することができる抗CD40抗体のサブセットを検出するように設計されたこのタイプのスクリーニングの例を示す。このデータセットは、2つのハイブリドーマ12E12及び9A11が、IL−12p40の分泌をDCに指図することにおいて特に有効であったことを示す。12E12重鎖及び軽鎖をコードするcDNAは、標準的クローニング及び配列決定技術を使用して得られ、可変領域を改変して、ヒトIgG4定常領域に移植されたマウス12E12可変領域を発現するベクターとした。
【0096】
C269 rAB−pIRES2[manti−CD40_12E12.3F3_K−V−hIgGK−C] 下記のDNA配列は、キメラ軽鎖コード領域、及びイタリック体のマウス可変領域を有する予測分泌成熟軽鎖のアミノ酸配列を示す。
【0097】
【表17】
【0098】
C230 rAB−pIRES2[manti−CD40_12E12.3F3_H−V−hIgG4H−C] 下記のDNA配列は、キメラ重鎖コード領域、及びイタリック体のマウス可変領域を有する予測分泌成熟軽鎖のアミノ酸配列を示す。
【0099】
【表18】
【0100】
C230のバリアントを、ヒトIgG4 C末端に融合された抗原を有するCD4012E12 H鎖をコードするように改変した。例えば、C291 rAB−pIRES2[manti−CD40_12E12.3F3_H−V−hIgG4H−C−Flex−FluHA1−1−6xHis]は、下記に示す配列を有するH鎖をコードし、インフルエンザHA1−1抗原領域はイタリック体で示し、可動性リンカー配列及びC末端ポリヒスチジンタグは太字で示す:
【0101】
【表19】
【0102】
別のタイプのバリアントH鎖構築体は、C450 rAB−pIRES2[manti−CD40_12E12.3F3_H−LV−hIgG4H−C−Dockerin−var1]であり、これは下記に示す配列を有するH鎖をコードし、C末端ドッケリンドメイン抗原領域はイタリック体で示す:
【0103】
【表20】
【0104】
したがって、上記及び類似のバリアントH鎖をコードする発現ベクターを、293F又はCHO−S細胞に同時トランスフェクトすることができ、これは、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーにより容易に精製することができる抗CD4012E12−hIgG4抗体融合タンパク質の分泌に帰着する。
【0105】
そのような抗体−抗原タンパク質は、インビトロ又はインビボで、抗原をヒト樹状細胞に高効率で送達するためのワクチンとして使用することができる。同様に、抗CD4012E12−hIgG4ドッケリンタンパク質を、コヘシン−抗原融合タンパク質を送達するために使用することができる。例えば、C32 Ecoli−pET28[Cohesin−FluM1−6xHis]は、下記に示す配列をコードし、インフルエンザM1タンパク質はイタリック体で示す:
【0106】
【表21】
【0107】
上記のタンパク質は、大腸菌で可溶性タンパク質として発現させることができ、イオン交換及び金属アフィニティークロマトグラフィーにより純粋な産物として調製することができる。抗CD4012E12−hIgG4ドッケリン融合タンパク質とコヘシンインフルエンザM1融合タンパク質との非常に安定した複合体又はコンジュゲートは、高親和性ドッケリン−コヘシン相互作用により構築することができる。
【0108】
ある用量範囲のそのような抗CD4012E12−hIgG4ドッケリン−コヘシンインフルエンザM1コンジュゲートを、ヒト樹状細胞と共に1日間インキュベートし、その後同系CD8+T細胞を添加し、さらに数日間インキュベーションを継続した。その後、細胞を、抗CD8抗体及び免疫優勢インフルエンザM1エピトープ58〜66に対応するTCRを保持するT細胞に特異的なHLA−A2四量体試薬で染色した。四量体陽性細胞は、四角で囲まれたゲートに示す。このデータは、抗CD4012E12−hIgG4ドッケリンコヘシンインフルエンザM1コンジュゲートの濃度が0.001μg/mlと低くても、コンジュゲートが添加されなかったか[次の図のパネル]又は一連の類似用量範囲の対照IgG4ドッケリンコヘシンインフルエンザM1コンジュゲートが添加されたかのいずれの場合よりも著しく高いレベルで、インフルエンザM1特異的CD8+T細胞の増殖を誘導することを示す。これらのデータは、抗CD4012E12抗体が、DCへの抗原送達に著しく有効であり、抗原特異的T細胞の増殖により見られるような抗原のプロセシング及び提示に帰着することを実証する。
【0109】
図9は、10μg/ml〜無抗CD4012E12−hIgG4ドッケリン−コヘシンインフルエンザM1コンジュゲートの用量範囲により誘導された際のCD8+染色[横軸]対インフルエンザM1−四量体染色[縦軸]のFACS解析を示す。
【0110】
図10は、10μg/ml〜無対照hIgG4ドッケリン−コヘシンインフルエンザM1コンジュゲートの用量範囲により誘導された際の、CD8+染色[横軸]対インフルエンザM1−四量体染色[縦軸]のFACS解析を示す。
【0111】
C269(seqA)抗CD4012E12軽鎖配列と、CD40結合を保持するように、ヒト軽鎖可変配列との類似性を増強するように、及び分泌産物の発現を増強するのに好ましいコドンを含有させることにより改変されたバリアントとのアラインメント。
seqA DIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCSASQGISNYLNWYQQKPDGTVKLLIYYTSILHSGVPS
seqB DIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCSASQGISNYLNWYQQKPDGTVKLLIHYTSILHSGVPS
seqC DIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCSASQGISNYLNWYQQKPDGTVKLLIHYTSILHSGVPS
seqD DIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCSASQGISNYLNWYQQKPDGTVKLLIHYTSILHSGVPS
seqE DIQMTQTTSSLSTSLGDRVTISCSASQGISNYLNWYQQKPDGTVKLLIHYTSILHSGVPS
************:***********************************:***********
seqA RFSGSGSGTDYSLTIGNLEPEDIATYYCQQFNKLPPTFGGGTKLEIKRTVAAPSVFIFPP
seqB RFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQFNKLPPTFGGGTKLEIKRTVAAPSVFIFPP
seqC RFSGS-SGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQFNKLPPTFGGGTKLEIKRTVAAPSVFIFPP
seqD RFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQFNKPPPTFGGGTKLEIKRTVAAPSVFIFPP
seqE RFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQFNKLPPTFGGGTKLEIKRTVAAPSVFIFPP
***** *********.*** ******:****** **************************
seqA SDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLT
seqB SDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLT
seqC SDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLT
seqD SDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLT
seqE SDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLT
************************************************************
seqA LSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
seqB LSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
seqC LSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
seqD LSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
seqE LSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
**********************************
(上記はそれぞれ配列番号24、25、26、27、28)
【0112】
C268(seqA)抗CD4012E12重鎖配列と、CD40結合を保持するように、ヒト軽鎖可変配列との類似性を増強するように、及び分泌産物の発現を増強するのに好ましいコドンを含有させることにより改変されたバリアントとのアラインメント。
seqA EVKLVESGGGLVQPGGSLKLSCATSGFTFSDYYMYWVRQTPEKRLEWVAYINSGGGSTYY
seqB EVNLVESGGGLVQPGGSLKVSCVTSGFTFSDYYMYWVRQTPEKRLEWVAYINSGGGSTYY
**:****************:**.*************************************
seqA PDTVKGRFTISRDNAKNTLYLQMSRLKSEDTAMYYCARRGLPFHAMDYWGQGTSVTVSSA
seqB PDTVKGRFTISRDNAKNSLYLQMSRLKSEDTAMYYCARRGLPFHAMDYWGQGTLVTVSVA
*****************:*********************************** **** *
seqA KTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSG
seqB STKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSG
.***********************************************************
seqA LYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFEGGPSVF
seqB LYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFEGGPSVF
************************************************************
seqA LFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYR
seqB LFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYR
************************************************************
seqA VVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKN
seqB VVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKN
************************************************************
seqA QVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGN
seqB QVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGN
************************************************************
seqA VFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGKAS
seqB VFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGKAS
****************************
(上記はそれぞれ配列番号29、30)
【0113】
図11は、PBMC培養の状況で抗原特異的T細胞の増殖を誘導する抗DC受容体−抗原標的化分子[TM]の効能を、インビトロでアッセイするために使用されるプロトコールを示す。手短に言えば、HIV患者のアフェレーシスに由来する2E6 PBMCを、ある用量範囲の標的化ワクチン及び100U/mlのIL−2と共にインキュベートする。培地を2日ごとに取り替える。7日目に、抗原に対応するペプチドのクラスターを添加して、各クラスター内のペプチド配列に対してTCR特異性を有するT細胞によるIFNγ産生を誘導する。ペプチドクラスター及びサイトカイン分泌を阻止する作用物質と共に4時間インキュベーションした後、細胞を、抗CD4、抗CD8、抗IL−13、及び抗IFNγ試薬で染色し、FACSで解析した。
【0114】
図12及び13は、DCを[PBMC内で]、抗CD4012E12 gag p17 nef gag p24ワクチンによって標的化する効果を示す。H鎖組成を下記に示す:C818 rAB−cetHS−puro[manti−CD40_12E12.3F3_H−LV−hIgG4H−C−Flex−v1−Viralgag−p17−f3−nef−f4−p24−6xHis]、連結残基は下線で示し、可動性リンカー残基は太字であり、抗原残基はイタリック体である]:
【0115】
【表22】
【0116】
図12は、ワクチンが、試験された最も低いワクチン用量でさえ、gag p24ペプチドクラスターすべてに対して特異性を有するCD4+T細胞の増殖を誘導し、IFNγ産生CD4+T細胞のパーセントが、細胞をペプチドで処理しなかった場合よりも著しく高かったことを示す。図13[上段パネル]は、このデータをグラフ形態で示し、縦軸はIFNγ産生細胞のパーセント(%)を示す。下段パネルは、PBMC培養内のCD8+T細胞に関する同様のデータを示し、このデータは、gag p24配列を包含するペプチドクラスターがすべて、非ペプチド対照よりも著しく高いIFNγ産生T細胞の産生を誘導したことも示す。したがって、このワクチンは、HIV gag p24内の複数のエピトープに対して強力な応答を誘導した。
【0117】
図14は、ワクチンが、試験された最も低いワクチン用量でさえ、gag p17ペプチドクラスターすべてに対して特異性を有するCD4+T細胞の増殖を誘導し、IFNγ産生CD4+T細胞のパーセントが、細胞をペプチドで処理しなかった場合よりも著しく高かったことを示す。図15は、このデータをグラフ形態で示し、縦軸はIFNγ産生細胞のパーセントを示す[上段パネル]。下段パネルは、PBMC培養内のCD8+T細胞に関する同様のデータを示し、このデータは、gag p17配列を包含するペプチドクラスターがすべて、非ペプチド対照よりも著しく高いIFNγ産生T細胞の産生を誘導したことも示す。したがって、このワクチンは、HIV gag p17内の複数のエピトープに対する強力な応答を誘導した。
【0118】
図16は、ワクチンが、試験された最も低いワクチン用量でさえ、ほとんどのHIV nefペプチドクラスターに対して特異性を有するCD4+T細胞の増殖を誘導し、IFNγ産生CD4+T細胞のパーセントが、細胞をペプチドで処理しなかった場合よりも著しく高かったことを示す。図17は、このデータをグラフ形態で示し、縦軸はIFNγ産生細胞のパーセントを示す[上段パネル]。下段パネルは、PBMC培養内のCD8+T細胞に関する同様のデータを示し、このデータは、nef配列を包含するペプチドクラスターがすべて、非ペプチド対照よりも著しく高いIFNγ産生T細胞の産生を誘導したことも示す。したがって、このワクチンは、HIV nef内の複数のエピトープに対する強力な応答を誘導した。
【0119】
このデータは、ワクチン[特異的に改変されたgag p17 nef gag p24融合タンパク質に連結された抗CD4012E12]が、最も低い用量でさえ、広範な免疫応答、つまりCD4+及びCD8+T細胞区画の両方におけるエピトープの広範な提示を誘導することができることを示すことが見出された。このデータは、2つのワクチン部分の各々[抗CD4012E12及び類似の特別な特性を有する他の抗体、並びに効率的産生をもたらすエピトープ提示を最大化するように改変されたgag−nef抗原]、つまり抗CD40成分が、他の抗原の送達用媒体であってもよく、抗原成分は、他の抗DC受容体媒体により送達することができることをさらに実証する。この結果は、記憶細胞[HIVワクチンを投与されたHIV患者]及び未感作[PSA抗原を投与された正常供与体]T細胞集団の両方から、多様な抗原特異的CD4+及びCD8+T細胞を増殖させる、CD40に基づく標的化の能力も実証する。
【0120】
抗CD40−PSAで標的とされたDCは、PSA特異的CD4+T細胞応答を誘導する。図18は、PSA[前立腺特異的抗原]に連結された抗CD40−12E12で構成されたワクチンが、未感作T細胞集団から、多様なPSAエピトープに対応するPSA特異的CD4+T細胞を増殖させる能力を試験するためのプロトコールの概略を示す。手短に言えば、正常供与体に由来する単球のIFNα及びGM−CSFと共に培養することに由来するDCを、ワクチンと共にインキュベートする。翌日、細胞を新しい培地に配置し、同じ供与体に由来する純粋なCD4+T細胞を添加する。数日後に、PSAペプチドを添加し、4時間後に、培養上清中のIFNγ分泌レベルを決定する。
【0121】
図19は、多くのPSAペプチドが、強力なIFNγ産生応答を誘導することを示し、抗CD4012E12及び類似の抗CD40作用物質が、抗原をDCに効果的に送達することができ、抗原の複数のエピトープに対する免疫応答の初回刺激に帰着することを示す。
【0122】
図20は、DCを標的とする抗CD40−PSAで標的とされたDCが、PSA特異的CD8+T細胞応答を誘導することを示す。IFNDCを、1μgの、PSAとのmAb融合タンパク質で標的とした。精製された自己由来CD8+T細胞を、10日間共培養した。細胞を、抗CD8及びPSA(KLQCVDLHV)四量体で染色した。細胞は、HLA−A*0201陽性の健常供与体に由来する。その結果は、抗CD40が効果的にPSAをDCに送達し、それは、ひいてはPSA特異的CD8+T細胞の増殖を誘導することを実証する。
【0123】
図21は、DCによる標的化による取込み及びその細胞表面上での抗原エピトープの提示に起因する抗原特異的T細胞の増殖を指図するその能力について、抗DC受容体標的化ワクチンを試験するためのDC標的化プロトコールを概説する図である。手短に言えば、IFNα及びGM−CSF中で3日間培養することにより、HIV患者の単球をDCに分化させる。その後、ワクチン[FP]を自己由来T細胞と共に10μg/mlで添加する。10日後に、抗原ペプチドクラスターを培養中の増殖T細胞に添加し、4時間後に細胞内IFNαを測定する。
【0124】
図22[上段パネル]は、抗CD4012E12 nef、抗CD4012E12 gag p24、及び抗CD4012E12 gag p17 nef gag p24ワクチンの効能の比較を示す[患者Aph002]。抗CD4012E12 nefワクチン[緑色バー]は、nefペプチドエピトープにのみ応答するIFNα産生CD4+T細胞の増殖を刺激し、抗CD4012E12 gag p24[青色バー]は、p24ペプチドエピトープのみに応答するIFNα産生CD4+T細胞の増殖を刺激した一方で、抗CD4012E12 gag p17 nef gag p24は、gag p17、nef、及びp24ペプチドエピトープに応答するIFNα産生CD8+T細胞の増殖を刺激した。
【0125】
図22[下段パネル]は、抗CD4012E12 nef、抗CD4012E12 gag p24、及び抗CD4012E12 gag p17 nef gag p24ワクチンの効能の比較を示す[患者Aph002]。抗CD4012E12 nefワクチン[緑色バー]は、nefペプチドエピトープにのみ応答するIFNα産生CD8+T細胞の増殖を刺激した一方で、抗CD4012E12 gag p17 nef gag p24[橙色バー]は、gag p17及びnefペプチドエピトープの両方に応答するIFNα産生CD8+T細胞の増殖を刺激した。
【0126】
図23[上段パネル]は、抗CD4012E12 nef、抗CD4012E12 gag p24、及び抗CD4012E12 gag p17 nef gag p24ワクチンの効能の比較を示す[患者Aph010]。抗CD4012E12 nefワクチン[緑色バー]は、nefペプチドエピトープにのみ応答するIFNα産生CD4+T細胞の増殖を刺激し、抗CD4012E12 gag p24[青色バー]は、p24ペプチドエピトープのみに応答するIFNα産生CD4+T細胞の増殖を刺激した一方で、抗CD4012E12 gag p17 nef gag p24は、gag p17、nef、及びp24ペプチドエピトープに応答するIFNα産生CD8+T細胞の増殖を刺激した。
【0127】
図23[下段パネル]は、抗CD4012E12 nef、抗CD4012E12 gag p24、及び抗CD4012E12 gag p17 nef gag p24ワクチンの効能の比較を示す[患者Aph002]。抗CD4012E12 nefワクチン[緑色バー]は、nefペプチドエピトープにのみ応答するIFNα産生CD8+T細胞の増殖を刺激し、抗CD4012E12 gag p24[青色バー]は、p24ペプチドエピトープのみに応答するIFNα産生CD8+T細胞の増殖を刺激した一方で、抗CD4012E12 gag p17 nef gag p24[橙色バー]は、gag p17及びnefペプチドエピトープの両方に応答するIFNα産生CD8+T細胞の増殖を刺激した。
【0128】
これらのデータは、抗CD4012E12 gag p17 nef gag p24ワクチンが、ワクチンの3つの抗原エレメントすべて、HIV gag p17、HIV gag p24、及びHIV nef内の複数のエピトープを包含する多様なT細胞応答を誘導することができることを実証する。
【0129】
下記の配列は、C515ベクターにより発現されるコヘシン[太字残基]−サイクリンD1[下線残基]融合タンパク質のアミノ酸配列である。
C515 大腸菌−pET28 [コヘシン−hサイクリンD1−6xHis]
【0130】
【表23】
【0131】
大腸菌中で産生されたCoh.Cyclin D1タンパク質の発現及び精製。
Coh.Cyclin D1を、L培地(Difco社製)中37℃でカナマイシン耐性(40μg/ml)によって選択して増殖させた大腸菌株T7 Express(NEB社製)で発現させ、対数増殖中期まで200回転/分で振とうした。その後、120mg/LのIPTG(Bioline社製)を添加し、さらに3時間後、細胞を遠心分離により回収し、−80℃で保存した。各1Lの発酵に由来する大腸菌細胞を、0.2mlのプロテアーゼ阻害剤カクテルII(Calbiochem社製)を有する50mlの氷冷50mMトリス、1mM EDTA pH8.0に再懸濁した。細胞を、5分間の中止期間をおいて2回氷上で4分間、18の設定で超音波処理(Fisher社製Sonic Dismembrator 60)し、その後17,000r.p.m.、4℃で20分間遠心した(Sorvall社製SA-600)。50mlの細胞溶解産物上清を、10mlのANXセファロースビーズ(GE Healthcare社製)に通し、その後通過画分を、7.5mlの160mMトリス、40mMイミダゾール、4M NaCl pH7.9を有する結合緩衝液に調整して、Ni++で荷電された5mlのHiTrapキレート化HPカラム(GE Healthcare社製)に充填した。結合したタンパク質を、20mM NaPO4、300mM NaCl、10mMイミダゾール pH7.6(緩衝液A)で洗浄し、緩衝液A中10〜500mMのイミダゾール勾配で溶出した。ピーク画分をSDS−PAGEゲルにより分析し、貯溜した。およそ15ミリグラムの貯溜した溶出コヘシン−サイクリンD1融合タンパク質を、10ミリグラムのmPEG-MAL 20k試薬(Nektar社製)と室温で終夜反応させ、それにより20kDaのペグ化基(pegyl group)を遊離システイン残基[それらのいくつかはサイクリンD1ドメイン内にある]に結合させる。この反応の一部をDPBS[Gibco社製]に対して透析し、一部をpH7.5に調整し、その後DTTを室温で1.5時間10mMになるように添加して、あらゆるジスルフィド結合を還元し、その後室温で1.5時間25mMヨードアセトアミドを添加して、遊離システイン残基をアルキル化し、その後20mM DTTを室温で1.5時間添加し、その後DPBSに対して透析した。ペグ化は、タンパク質がDPBSに可溶性であり続けることを保証するために必要であり、アルキル化[インビトロ抗CD40標的化の状況では、タンパク質の活性に必要ではなかった]は、産物に分子間ジスルフィド架橋形態が存在しないことを保証する役目を果たした。
【0132】
図24。コヘシン−サイクリンD1融合タンパク質と抗DC受容体−ドッケリン組換え抗体との相互作用の分析。抗体−ドッケリン又は抗体−HIV nef融合タンパク質[20μg]を、100μlのプロテインAセファロースビーズ[GE Biosciences社製]と共にインキュベートし、その後DPBSで2回洗浄した。ペグ化された[peg]又はペグ化されアルキル化された[peg alk]コヘシン−サイクリンD1[Coh.Cyclin D1]を添加し[20μg]、室温で30分後、上清を遠心分離によりビーズから分離した。ビーズを20mM HClで溶出し、溶出液及び上清を乾燥させ、SDS.PAGEローディング緩衝液に再懸濁し、還元DSD.PAGEを実行し、クマシーブルー(Coomasssie Blue)染色で視覚化した。レーン1は、抗体−ドッケリン+peg Coh.Cyclin D1で負荷されたビーズからの上清を示し、レーン2は、対応するビーズ溶出液である。レーン3は、抗体−HIV nef+peg Coh.Cyclin D1で負荷されたビーズからの上清を示し、レーン4は、対応するビーズ溶出液である。レーン5は、抗体−ドッケリン+peg alk Coh.Cyclin D1で負荷されたビーズからの上清を示し、レーン6は、対応するビーズ溶出液である。レーン7は、抗体−HIV nef+peg alk Coh.Cyclin D1で負荷されたビーズからの上清を示し、レーン8は、対応するビーズ溶出液である。レーン9は、抗体−ドッケリンのみを示し、レーン10は、抗体−HIV nefのみを示し、レーン11は、peg Coh.Cyclin D1のみを示し、レーン12は、peg alk Coh.Cyclin D1のみを示す。矢印[上から下]は、1)高分子量ペグ化形態のCoh.Cyclin D1、2)抗体重鎖の位置、3)非ペグ化Coh.Cyclin D1[調製物の約50%]の位置、4)抗体軽鎖の位置を示す。
【0133】
上記の分析により、抗体−ドッケリンは、ほとんどのCoh.Cyclin D1を効果的に捕捉するが、抗体−HIV nefは捕捉しないことが示される。これにより、Coh.Cyclin D1調製物が、抗DC受容体−ドッケリン標的化媒体と複合体を構築することができることが実証される。
【0134】
マントル細胞リンパ腫(MCL、Mantle Cell Lymphoma)は、主に高齢男性の全非ホジキンリンパ腫の5〜10%に相当するB細胞非ホジキンリンパ腫である。マントル細胞リンパ腫は、従来の治療後の予後が最悪であり、頻繁に再発し、生存時間が比較的短い非常に悪性の癌である。マントル細胞リンパ腫は、サイクリンD1の過剰発現に結び付く遺伝子特徴:t(11;14)(ql3;q32)転座を有する。
【0135】
代替的にPRAD1と名付けられているG1/S特異的サイクリンD1、Bcl−1は、CDK4及び6と複合体を形成することにより、G1進行及びG1/S移行の細胞周期制御において機能を果たす。発現は細胞周期依存性であり、G1で発現が最大であり、Sにおいて最低であるため、成熟リンパ球では通常発現されない。したがって、サイクリンD1を過剰発現する細胞に対して特異的に向けられる細胞毒性T細胞応答を誘導させることは、魅力的なMCLワクチン接種戦略である。
【0136】
図25は、サイクリンD1に由来する重複ペプチドの模式図を示す。これらを、個々のペプチド又はペプチドの貯留のいずれかでT細胞培養に添加して、それらをMHC上に提示させ、それによりペプチド特異的T細胞の増殖を刺激することができる。
【0137】
図26は、抗CD40−サイクリンD1複合体が、サイクリンD1特異的CD4+T細胞の増殖をインビトロで誘導する能力を試験する研究計画の模式図(左パネル)を示す。DCを標的化複合体と共にインキュベーションした後、CFSC染料で標識された自己由来CD4+T細胞[つまり、同じ供与体に由来する]を添加し、さらに8日間IL−2と共に培養を継続し、その後2日間IL−2なしで休止させる。次に、培養を分割し、個々のサイクリンDペプチド又はペプチドなしで8時間刺激し、その後、細胞内IFNg及びIL−2[T細胞活性化の指標]を染色し、FACSにより解析する。
【0138】
この解析は、サイクリンDペプチドP8、P16、及びP54が、ペプチドなしで[又は他のサイクリンD1ペプチドと共に]インキュベートされた細胞より著しくより高い増殖性[つまり、CFSC希釈により標識された]CD4+T細胞の産生を刺激することを示す[非表示]。したがって、抗CD40サイクリンD1複合体は、正常供与体のT細胞から、エフェクター機能表現型を有するサイクリンD1特異的T細胞の増殖を誘導するように機能する。
【0139】
図27は、異なる正常供与体が使用されたことを除いて、図26に詳述されているものと類似した研究及び解析を示し、この場合、抗CD40−サイクリンD1複合体は、サイクリンD1ペプチドP4、P43、及びP70に特異的なIFNg陽性の増殖性CD4+T細胞の増殖を誘導した。
【0140】
図28は、CD8+T細胞が使用されたことを除いて、上記の図26に記述されているものと類似した模式図及び解析を示す。この供与体では、抗CD40サイクリンD1複合体は、サイクリンD1特異的CD8+T細胞、特に貯留I及び貯留II内に含有されていたペプチドに対応する特異性を有するCD8+T細胞の増殖を誘導した。
【0141】
図29は、同じ供与体からであるが、これら貯留に由来する個々のペプチドを用いて解析した同様のデータを示す。特に、これらT細胞は、ペプチドP7、P8、及びP10に対する特異性を示す。
【0142】
本明細書で考察されている任意の実施形態は、本発明の任意の方法、キット、試薬、又は組成物に関して実施することができ、その逆も同様であることが企図される。さらに、本発明の組成物は、本発明の方法を達成するために使用することができる。
【0143】
本明細書に記述されている特定の実施形態は、例示目的で示すものであり、本発明の制限として示すものではないことが理解されよう。本発明の主要な特徴は、本発明の範囲から逸脱せずに、種々の実施形態で使用することができる。当業者であれば、本明細書に記述されている特定の手順の等価手順を多数認識しているか、又は単なる日常的な実験作業を使用して確認することができよう。そのような等価手順は本発明の範囲内であるとみなされ、特許請求の範囲により包含される。
【0144】
本明細書で言及されている刊行物及び特許出願はすべて、本発明が関する分野の当業者の技術レベルを示す。刊行物及び特許出願はすべて、あたかも個々の刊行物又は特許出願が参照により具体的に及び個々に組み込まれるのが示されるのと同じ程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0145】
単数の単語が、特許請求の範囲及び/又は本明細書で「含む」という用語と共に使用される場合、「1つ」を意味してもよいが、「1又は2以上(one or more)」、「少なくとも1」、及び「1又は2以上(one or more than one)」の意味とも一致する。特許請求の範囲における「又は」という用語の使用は、選択肢のみを参照すると明示的に示さない限り又は選択肢が相互排他的でない限り、「及び/又は」を意味するために使用されるが、本開示は、選択肢のみ及び「及び/又は」を指すという定義を支持する。本出願の全体にわたって、「約」という用語は、ある値が、その値を決定するために使用されている装置、方法に固有の誤差の変動、又は研究対象中に存在する変動を含むことを示すために使用される。
【0146】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、「含む(comprising)」(並びに「含む(comprise)」及び「含む(comprises)」などの含むの任意の形態)、「有する(having)」(並びに「有する(have)」及び「有する(has)」などの有する任意の形態)、「含む(including)」(並びに「含む(includes)」及び「含む(include)」などの含むの任意の形態)、又は「含有する(containing)」(並びに「含有する(contains)」及び「含有する(contain)」などの含有するの任意の形態)は、包括的又は非限定的であり、追加的な列挙されていない要素又は方法ステップを除外しない。
【0147】
「又はその組み合わせ」という用語は、本明細書で使用される場合、その用語に先行する列挙された項目のすべての順列及び組み合わせを指す。例えば、「A、B、C、又はそれらの組み合わせ」は、A、B、C、AB、AC、BC、又はABCの少なくとも1つ、及び特定の状況で順番が重要である場合は、BA、CA、CB、CBA、BCA、ACB、BAC、又はCABの少なくとも1つを含むことが意図される。引き続きこの例では、BB、AAA、MB、BBC、AAABCCCC、CBBAAA、及びCABABBなどの1又は2以上の項目又は用語の繰り返しを含有する組み合わせが、明示的に含まれる。当業者であれば、状況からそうでないと明白でない限り、任意の組み合わせにおける項目又は用語の数に、典型的には制限がないことを理解しよう。
【0148】
本明細書で開示又は特許請求されている組成物及び/又は方法のすべては、本開示に照らして過剰な実験をせずに作製及び実行することができる。本発明の組成物及び方法は、好ましい実施形態の観点で記述されているが、当業者であれば、本発明の概念、趣旨、及び範囲から逸脱せずに、本明細書に記述されている組成物及び/又は方法、並びに本方法のステップ又はステップの順序に変更を適用できることは明白であろう。当業者に明白なそのような類似の代用物及び変形はすべて、添付の特許請求の範囲により定義されているような本発明の趣旨、範囲、及び概念内にあるとみなされる。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図23】[上段パネル]抗CD4012E12 nef、抗CD4012E12 gag p24、及び抗CD4012E12 gag p17 nef gag p24ワクチンの効能の比較を示す図である[患者Aph010]。
【図23】[下段パネル]抗CD4012E12 nef、抗CD4012E12 gag p24、及び抗CD4012E12 gag p17 nef gag p24ワクチンの効能の比較を示す図である[患者Aph002]。
【図24】コヘシン−サイクリンD1融合タンパク質と抗DC受容体−ドッケリン組換え抗体との相互作用の分析を示すゲルである。
【図25】サイクリンD1に由来する重複ペプチドの模式図を示す図である。
【図26】抗CD40−サイクリンD1複合体が、サイクリンD1特異的CD4+T細胞の増殖をインビトロで誘導する能力を試験する研究計画の模式図(左)、及びそれにより得られたFACS結果(右)を示す図である。
【図27】図26に詳述されているものと類似した、異なる正常供与体でのFACS解析を示す図であり、この場合、抗CD40−サイクリンD1複合体は、サイクリンD1ペプチドP4、P43、及びP70に特異的なIFNg陽性の増殖性CD4+T細胞の増殖を誘導した。
【図28】CD8+T細胞が使用されたことを除いて、図26に示すものと類似した模式図(左)及び解析(右)を示す図である。
【図29】図28と同じ供与体に由来するが、ペプチドの貯留に由来する個々のペプチドで解析した類似データを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の種々の実施形態の作製及び使用を下記で詳細に考察するが、本発明は、多種多様な特定の状況で実施することができる多数の応用可能な発明概念を提供することを認識されたい。本明細書で考察される特定の実施形態は、本発明を作製及び使用する特定の方法を例示するに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
【0018】
本発明の理解を容易にするため、いくつかの用語を以下に定義する。本明細書で定義する用語は、本発明に関連する分野における当業者によって共通に理解される意味を有する。「a」、「an」、及び「the」などの用語は、単一の実体のみを指すものではなく、その具体例が例示に使用されることがある一般的な種類を含む。本明細書の用語を使用して本発明の特定の実施形態を記載するが、その使用は、特許請求の範囲での記述を除いて、本発明を限定するものではない。
【0019】
樹状細胞(DC、dendritic cell)は、抗原特異的免疫を調節する上で重要な役割を果たす抗原提示細胞である(Mellman and Steinman 2001)、(Banchereau, Briere et al. 2000)、(Cella, Sallusto et al. 1997)。DCは、抗原を捕捉し、それらをペプチドにプロセシングし、これらをT細胞に提示する。したがって、抗原をDCに直接送達することは、ワクチンを改良するための重要な領域である。そのような一例は、その後患者に再投与される自己由来DCのエクスビボ抗原負荷を使用した、DCに基づくワクチンの開発である(Banchereau, Schuler-Thurner et al. 2001)、(Steinman and Dhodapkar 2001)。ワクチン効能を向上させる別の戦略は、内部移行化DC特異的受容体に対する抗体とコンジュゲートした抗原をDCに特異的に標的化することである。ワクチン接種用にDCを標的とする可能性は、重要なマウス研究により注目されている。インビボにおいて、オバルブミン(OVA、ovalbumin)と結合した抗LOX−1 mAbによる標的化は、MHCクラスI経路に対する外来性抗原交差提示により、防御的CD8+T細胞応答を誘導した(Delneste, Magistrelli et al. 2002)。また、抗DEC205 mAbとコンジュゲートしたOVAは、CD40L成熟刺激との組み合わせで、DCによるMHCクラスI限定的提示をインビボで増強し、エフェクターメモリーCD8+T細胞の永続的形成に結び付いた(Bonifaz, Bonnyay et al. 2004)。これらの研究は両方とも、劇的な用量低減(つまり、非常に低い抗原用量で強力な免疫応答)を示し、他のタイプのOVA免疫で通常見られるより広範な応答を示唆した。DEC205によるHIV gag抗原のDCへの標的化に関する最近の研究は、これらの概念を臨床的に関連する抗原に拡張し、抗原をDCに標的化することに関するテネント(tenent)、劇的な用量低減、単回ワクチン接種からの防御的応答、並びにCD8及びCD4の両区画の抗原特異的T細胞の増殖を確認した(Trumpfheller, Finke et al. 2006)。
【0020】
本発明は、複数の抗原又はタンパク質(一次mAbから独立して改変され、発現され、精製された)を、制御された多変量の様式で単一の一次組換えmAbと複合体化することを提供する。現在、異なるタンパク質(各々が別々に改変されてストレプトアビジンに連結される)が1つの一次mAbに付加されることを提供する部位特異的なビオチン化部位を改変するための方法が存在する。しかしながら、本発明は、複数の組み合わせの一次mAbを、一定の等モル比率及び位置で、別々に改変されたタンパク質に付加することを提供する。
【0021】
本明細書で使用される場合、「抗体又はその断片」という用語は、標的特異的抗体を提供するように改変された組換え抗体系を記述するために使用される。モノクローナル抗体は、標準的ハイブリドーマ技術、組換え抗体ディスプレイ、及びヒト化モノクローナル抗体などを使用して作製された。抗体を使用して、例えば、複数の抗原及び/又は抗原及び樹状細胞(DC)に対する活性化サイトカインを標的とすることができる(内部移行化受容体、例えばヒト樹状細胞受容体に対する1つの一次組換え抗体により)。
【0022】
抗体の抗原結合部分には、1又は2以上の可変ドメイン、1又は2以上の可変ドメイン、及び第1の定常ドメインを含んでいてもよい1又は2以上の断片(つまり、その断片)、Fab断片、Fab’断片、F(ab)2断片、並びにFv断片、並びにFabc断片、並びに/又は同系モジュール型結合部分がアミノ酸配列に付加及び/若しくは結合されたFcドメインの部分を有するFab断片が含まれる。使用する抗体は、任意のアイソタイプ若しくはクラス、サブクラス、又は任意の供給源由来(動物及び/又は組換え)であってもよい。ある態様では、抗原結合部位は、当技術分野で周知の技術を使用して、ヒト抗体骨格上に移植されている非ヒトモノクローナル抗体に由来し、それにより抗体が「ヒト化」される。
【0023】
本明細書で使用される場合、「抗原」という用語は、抗原の受容個体において体液性免疫反応及び/又は細胞性免疫反応を開始することができる分子を指す。抗原は、抗体又は改変抗体若しくは組換え抗体(rAb、recombinant antibody)の他の抗原認識ドメインの標的として、又はコンジュゲート(共有結合又は非共有結合で結合されている)若しくは融合タンパク質としてrAbにより細胞に及び/若しくは細胞内に運搬するか若しくは細胞を標的とする分子として、本発明では2つの異なる状況で使用することができる。抗原は、通常、ワクチン接種が有利な治療であるはずの疾患を引き起こす作用物質である。抗原がMHC上に提示される場合、ペプチドは、約8〜約25個のアミノ酸であることが多い。抗原には、例えば、単純な中間代謝産物、糖、脂質、及びホルモン、並びに複合糖質、リン脂質、核酸、及びタンパク質などの巨大分子を含む任意のタイプの生体分子が含まれる。抗原の一般的な分類には、これらに限定されないが、ウイルス抗原、細菌抗原、真菌抗原、原生動物及び他の寄生虫抗原、腫瘍抗原、自己免疫疾患、アレルギー、及び移植片拒絶に関与する抗原、並びに他の様々な抗原が含まれる。本発明は、特徴(例えば、タンパク質分解の減少、分泌の増強、発現又は安定性の増強)が向上し且つ抗体又はその断片を使用して抗原提示細胞に標的化される、ウイルス由来の抗原を使用する。
【0024】
ウイルス抗原の例には、これらに限定されないが、例えば、gag、pol、及びenv遺伝子の遺伝子産物、Nefタンパク質、逆転写酵素、及び他のHIV成分などのヒト免疫不全ウイルス(HIV、human immunodeficiency virus)抗原に由来するレトロウイルス抗原などのレトロウイルス抗原;B型肝炎ウイルスのS、M、及びLタンパク質、B型肝炎ウイルスの前S抗原、及びC型肝炎ウイルスRNAなどの他の肝炎、例えばA型、B型、及びC型肝炎ウイルス成分などの肝炎ウイルス抗原;赤血球凝集素及びノイラミニダーゼ及び他のインフルエンザウイルス成分などのインフルエンザウイルス抗原;麻疹ウイルス融合タンパク質及び他の麻疹ウイルス成分などの麻疹ウイルス抗原;タンパク質E1及びE2並びに他の風疹ウイルス成分などの風疹ウイルス抗原;VP7sc及び他のロタウイルス成分などのロタウイルス抗原;エンベロープ糖タンパク質B及び他のサイトメガロウイルス抗原成分などのサイトメガロウイルス抗原;RSV融合タンパク質、M2タンパク質、及び他の呼吸器多核体ウイルス抗原成分などのRSウイルス性抗原;前初期タンパク質、糖タンパク質D、及び他の単純ヘルペスウイルス抗原成分などの単純ヘルペスウイルス抗原;gpI、gpII、及び他の水痘帯状疱疹ウイルス抗原成分などの水痘帯状疱疹ウイルス抗原;タンパク質E、M−E、M−E−NS1、NS1、NS1−NS2A、80%E、及び他の日本脳炎ウイルス抗原成分などの日本脳炎ウイルス抗原;狂犬病糖タンパク質、狂犬病核タンパク質、及び他の狂犬病ウイルス抗原成分などの狂犬病ウイルス抗原が含まれる。ウイルス抗原のさらなる例は、Fundamental Virology, Second Edition, eds. Fields, B. N. and Knipe, D. M. (Raven Press, New York, 1991)を参照されたい。
【0025】
本発明のrAb−DC/DC−抗原ワクチンを使用して送達することができる抗原標的には、ウイルス抗原、細菌抗原、真菌抗原、又は寄生虫抗原などの抗原をコードする遺伝子が含まれる。ウイルスには、ピコルナウイルス、コロナウイルス、トガウイルス、フラビルウイルス(flavirvirus)、ラブドウイルス、パラミクソウイルス、オルトミクソウイルス、ブンヤウイルス、アレナウイルス、レオウイルス、レトロウイルス、パピローマウイルス(papilomavirus)、パルボウイルス、ヘルペスウイルス、ポックスウイルス、ヘパドナウイルス、及び海綿状ウイルス(spongiform virus)が含まれる。他のウイルス標的には、インフルエンザ、単純疱疹ウイルス1及び2、麻疹、デング熱、天然痘、ポリオ、又はHIVが含まれる。病原体には、トリパノソーマ、サナダムシ、回虫、蠕虫、マラリアが含まれる。胎児性抗原又は前立腺特異的抗原などの腫瘍マーカーを、この様式で標的とすることができる。他の例には、HIV envタンパク質及びB型肝炎表面抗原が含まれる。ワクチン接種用の本発明によるベクターの投与には、ベクター関連抗原が、それに対する強力な免疫応答が望ましい導入遺伝子の長期的発現を可能にするほど十分に非免疫原性であることが必要とされよう。ある場合には、個体のワクチン接種は、年1回又は2年に1回など、低頻度でしか必要とされなくてもよく、感染因子に対する長期的な免疫学的防御を提供することができる。ベクターに及び最終的には抗原として本発明と共に使用するための生物、アレルゲン、並びに核酸配列及びアミノ配列の具体的な例は、米国特許第6,541,011号明細書に見出すことができ、関連部分、特に本発明と共に使用することができる生物及び特定の配列と一致する表は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0026】
本発明のrAbを使用して標的とすることができる、免疫細胞、例えば抗原提示細胞又は樹状細胞の表面上の抗原は、一般的に、内部移行化の可能性、免疫細胞特異性のレベル、標的とされる免疫細胞のタイプ、免疫細胞成熟及び/又は活性化のレベルなどを含むいくつもの要因に基づいて選択されることになる。樹状細胞の細胞表面マーカーの例には、これらに限定されないが、MHCクラスI、MHCクラスII、B7−2、CD18、CD29、CD31、CD43、CD44、CD45、CD54、CD58、CD83、CD86、CMRF−44、CMRF−56、DCIR、及び/又はASPGRなどが含まれ、その一方である場合では、CD2、CD3、CD4、CD8、CD14、CD15、CD16、CD19、CD20、CD56、及び/又はCD57が存在しないこともある。抗原提示細胞の細胞表面マーカーの例には、これらに限定されないが、MHCクラスI、MHCクラスII、CD40、CD45、B7−1、B7−2、IFN−γ受容体及びIL−2受容体、ICAM−1、Fcγ受容体、LOX−1、又はASPGRが含まれる。T細胞の細胞表面マーカーの例には、これらに限定されないが、CD3、CD4、CD8、CD14、CD20、CD11b、CD16、CD45、及びHLA−DRが含まれる。
【0027】
本明細書で使用される場合、「エピトープ(複数可)」という用語は、病原体DNA又はRNAによりコードされた多数の病原体ポリペプチドのいずれか内に位置するエピトープに類似した一次、二次、又は三次構造を含むペプチド抗原又はタンパク質抗原を指す。類似性のレベルは、一般的に、モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体がそのようなポリペプチドに向けられた場合、そのペプチド又はタンパク質抗原に結合、反応するか、又はかかるペプチド又はタンパク質抗原を認識するレベルである。例えばウエスタンブロッティング、ELISA、及びRIAなどの種々のイムノアッセイ法を、そのような抗体と共に使用することができ、それらのすべては当業者に公知である。ワクチンに使用するのに好適な病原体エピトープ及び/又はそれらの機能的同等物の特定は本発明の一部である。単離及び特定されれば、機能的同等物を容易に取得することができる。例えば、親水性に基づくアミノ酸配列からのエピトープの特定及び調製を教示する米国特許第4,554,101号明細書に教示されているようなHopp法を使用することができ、それは参照により本明細書に組み込まれる。他のいくつかの文献に記述されている方法及びそれに基づくソフトウェアプログラムを使用して、エピトープコア配列を特定することもできる(例えば、Jameson and Wolf, 1988、Wolf et al., 1988、米国特許第4,554,101号明細書)。その後、これら「エピトープコア配列」のアミノ酸配列を、ペプチド合成又は組換え技術のいずれかを応用することにより、ペプチドに容易に組み込むことができる。
【0028】
本明細書で使用される場合、「モノクローナル抗体」という用語は、均質な抗体集団を有する抗体組成物を指す。この用語は、抗体の種又は由来に関して制限を受けず、それが作られる様式により制限されることも意図されていない。この用語は、免疫グロブリン全体、並びにFab、F(ab’)2、Fv、及び親モノクローナル抗体分子の免疫学的結合特性を示す他の断片などの断片を包含する。
【0029】
本明細書で使用される場合、「抗原結合部位」又は「結合部分」という用語は、抗原結合に関与する免疫グロブリン分子の部分を指す。抗原結合部位は、重(「H」)鎖及び軽(「L」)鎖のN末端可変(「V」)領域のアミノ酸残基により形成される。重鎖及び軽鎖のV領域内にある3つの高度に多様な伸長は「超可変領域」と呼ばれ、それは、「フレームワーク領域」(FR、framework region)として知られているより保存された隣接伸長の間に挿入されている。本明細書で使用される場合、「FR」という用語は、天然では、免疫グロブリンの超可変領域の間に隣接して見出されるアミノ酸配列を指す。抗体分子では、軽鎖の3つの超可変領域及び重鎖の3つの超可変領域が、三次元空間で互いに対して配置され、抗原結合表面を形成する。抗原結合表面は、結合する抗原の三次元表面に相補的であり、重鎖及び軽鎖の各々の3つの超可変領域は、「相補性決定領域」又は「CDR」と呼ばれる。
【0030】
本明細書で使用される場合、「ヒト化」抗体という用語は、ヒト定常ドメインに融合されたげっ歯動物V領域及びそれらに伴うCDRを有するキメラ抗体、適切なヒト抗体定常ドメインと組換え的に表面修飾された(veneered)げっ歯動物FRにより支持されたげっ歯動物CDRとを融合させる前にヒト支持FRに移植されたげっ歯動物CDRを有するキメラ抗体を含む、非ヒト免疫グロブリンに由来する抗原結合部位を含む分子を指す。これら「ヒト化」分子は、ヒト受容個体におけるそれらの部分の治療応用の作用期間及び有効性を制限する、げっ歯動物抗ヒト抗体分子に対する望ましくない免疫学的応答を最小限に抑えるように設計されている。
【0031】
本発明の抗原をコードする核酸を活性成分として含むワクチン組成物の調製は、液状の液剤又は懸濁剤のいずれかとして注射剤として調製することができ、感染前に液剤又は懸濁剤に液状化するのに好適な固体形態を調製することもできる。調製物は、乳化されていてもよく、リポソームに封入されていてもよい。活性免疫原成分は、薬学的に許容され、活性成分と適合する担体と混合されていることが多い。
【0032】
「薬学的に許容される担体(キャリヤ[carrier])」という用語は、それを投与する対象にアレルギー反応又は他の悪影響を引き起こさない担体を指す。好適な薬学的に許容される担体には、例えば、水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、デキストロース、グリセロール、又はエタノールなどの1又は2以上及びそれらの組み合わせが含まれる。加えて、必要に応じて、ワクチンは、湿潤剤若しくは乳化剤、pH緩衝剤、及び/又はワクチンの有効性を増強するアジュバントなどの少量の補助物質を含有することができる。有効であり得るアジュバントの例には、これらに限定されないが、水酸化アルミニウム、N−アセチル−ムラミル−L−トレオニル−D−イソグルタミン、(thr−MDP、N-acetyl-muramyl-L-threonyl-D-isoglutamine)、N−アセチル−nor−ムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン、MTP−PE、及びR1B1(これは、2%スクワレン/トウィーン80乳濁液中に細菌から抽出された3つの成分、モノホスポリル(monophosporyl)リピドA、トレハロースジミコラート(trehalose dimycolate)及び細胞壁骨格(MPL(monophosporyl lipid A)+TDM(trehalose dimycolate)+CWS(cell wall skeleton))を含有する)が含まれる。アジュバントの他の例には、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド(DDA、dimethyldioctadecylammonium bromide)、フロインド完全及び不完全アジュバント、及びQuilAが含まれる。加えて、リンホカイン(例えば、IFN−γ、IL−2、及びIL−12)又はポリI:Cなどの合成IFN−γ誘導因子などの免疫調節物質を、本明細書に記述されているアジュバントと組み合わせて使用することができる。
【0033】
本発明で記述されている、血漿リポタンパク質上に存在するアポリポタンパク質の特異的DNA結合部位に結合する単一コピー又は複数コピーの特定のヌクレオチド配列を有するネイキッドポリヌクレオチド(naked polynucleotide)を含んでいてもよい医薬品。ポリヌクレオチドは、生物学的活性ペプチド、アンチセンスRNA、又はリボザイムをコードするものであってよく、生理学的に許容される投与可能な形態で提供されるであろう。本発明から生じ得る別の医薬品は、本明細書に記述されている方法により患者血液又は他の供給源から単離された高度に精製された血漿リポタンパク質画分と、血漿リポタンパク質上に存在するアポリポタンパク質の特異的DNA結合部位に結合する単一コピー又は複数コピーの特定のヌクレオチド配列を含有し、生理学的に許容される投与可能な形態の精製リポタンパク質分画にあらかじめ結合されているポリヌクレオチドとを含むこともできる。
【0034】
さらに別の医薬品は、単一コピー又は複数コピーの特定のヌクレオチド配列を含有するポリヌクレオチドにあらかじめ結合された単一コピー又は複数コピーの特定のDNA結合モチーフを含有する組換えアポリポタンパク質断片を含有する、高度に精製された血漿リポタンパク質画分を、生理学的に許容される投与可能な形態で含むこともできる。さらに別の医薬品は、単一コピー又は複数コピーの特定のヌクレオチド配列を含有するポリヌクレオチドにあらかじめ結合された単一コピー又は複数コピーの特定のDNA結合モチーフを含有する組換えアポリポタンパク質断片を含有する、高度に精製された血漿リポタンパク質画分を、生理学的に許容される投与可能な形態で含むこともできる。
【0035】
投与される用量は、治療されている対象の体重及び身体状況、並びに投与経路及び治療の頻度に大きく依存する。高度に精製されたリポタンパク質画分にあらかじめ結合されたネイキッドポリヌクレオチドを含む医薬組成物は、1μg〜1mgの範囲の量のポリヌクレオチド及び1μg〜100mgの範囲の量のタンパク質で投与することができる。
【0036】
患者へのワクチン投与は、ベクターに毒性があればそれを考慮に入れて、化学療法剤投与の一般的なプロトコールに従うことになる。必要に応じて、治療サイクルが繰り返されることになることが予想される。記述されている遺伝子治療と組み合わせて、種々の標準的治療並びに外科的介入を適用することができることも企図される。
【0037】
遺伝子治療の臨床応用が企図される場合、意図されている応用に適切な医薬組成物として複合体を調製することが必要とされよう。一般的に、これには、発熱性物質並びにヒト又は動物に有害であり得る任意の他の不純物を本質的に含まない医薬組成物を調製することも必要とされよう。複合体を安定化させ、標的細胞による複合体取込みを可能にする適切な塩及び緩衝剤を使用することが、一般的に望ましいであろう。
【0038】
本発明の水性組成物は、薬学的に許容される担体又は水性媒質中に溶解又は分散された有効量の化合物を含むことができる。そのような組成物は、接種物と呼ばれる場合もある。医薬活性物質用のそのような媒質及び作用物質の使用は、当技術分野で周知である。任意の従来の媒質又は作用物質が活性成分と適合しない場合を除いて、治療用組成物におけるその使用が企図される。補助活性成分を、組成物に組み込むこともできる。本発明の組成物は、古典的な医薬品を含んでいてもよい。分散剤は、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、及びそれらの混合物、並びに油中で調製することもできる。通常の保管及び使用条件下では、これら調製物は、微生物の増殖を防止するための保存剤を含有する。
【0039】
疾患状態。治療される特定の疾患に応じて、本発明による治療用組成物の投与は、最大限の(又は、ある場合では最小限の)免疫応答のために、ある部位への抗原の送達を最大化するために標的組織がその経路で利用可能である限り、任意の一般的な経路により行われるであろう。投与は、一般的に同所性、皮内、皮下、筋肉内、腹腔内、又は静脈注射により行われるであろう。送達用の他の領域には、経口、経鼻、頬側、直腸内、膣内、又は局所送達が含まれる。局所投与は、特に皮膚癌の治療に有利であろう。そのような組成物は、通常、生理学的に許容される担体、緩衝剤、又は他の賦形剤を含む薬学的に許容される組成物として投与される。
【0040】
本発明のワクチン又は治療用組成物は、注射により非経口的に、例えば皮下又は筋肉内のいずれでも投与することができる。他の投与方法に好適なさらなる製剤には、坐剤、及びある場合には、経口製剤、又はエアゾール剤としての分配に好適な製剤が含まれる。経口製剤の場合、T細胞サブセットの操作には、アジュバント、抗原パッケージング、又は種々の製剤への個々のサイトカインの添加を使用し、それは最適化された免疫応答を有する改良された経口ワクチンに帰着する。坐剤の場合、従来の結合剤及び担体は、例えばポリアルキレングリコール又はトリグリセリドを含んでいてもよく、そのような坐剤は、0.5%〜10%、好ましくは1%〜2%の範囲の活性成分を含有する混合物から形成されてもよい。経口製剤は、例えば医薬品等級のマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、及び炭酸マグネシウムなどのような通常使用される賦形剤を含む。これら組成物は、液剤、懸濁剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、徐放性製剤、又は散剤の形態をとり、10%〜95%、好ましくは25〜70%の活性成分を含有する。
【0041】
本発明の核酸をコードする抗原を、中性又は塩形態としてワクチン又は治療用組成物に製剤化することができる。薬学的に許容される塩には、酸付加塩(ペプチドの遊離アミノ基と形成される)が含まれており、それらは、例えば、塩酸又はリン酸などの無機酸、又は酢酸、シュウ酸、酒石酸、及びマレイン酸などの有機酸と形成される。遊離カルボキシル基と形成される塩は、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、又はヒドロイド第二鉄(ferric hydroide)などの無機塩基、並びにイソプロピルアミン、トリメチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン、及びプロカインなどの有機塩基に由来する場合もある。
【0042】
ワクチン又は治療用組成物は、投与製剤と適合するように、予防的に及び/又は治療的に有効となる量で投与される。投与される量は、治療される対象に依存し、それには、例えば抗体を合成する対象の免疫系の能力、及び所望の保護作用又は治療の程度が含まれる。好適な用量範囲は、1ワクチン接種当たり約数百マイクログラムの活性成分であり、約1mg〜300mgの範囲、及び好ましくは約10mg〜50mgの範囲など、約0.1mg〜1000mgの範囲である。初回投与及び追加接種に好適な投与計画も多様であるが、典型的には、初回投与を行い、その後次回接種又は他の投与を行う。投与に必要な正確な量の活性成分は専門家の判断により、各対象に固有であり得る。本発明の核酸分子又は融合ポリペプチドの治療上有効量は、特に、投与スケジュール、投与される抗原の単位用量、核酸分子又は融合ポリペプチドが他の治療薬と組み合わせて投与されるかどうか、受容個体の免疫状態及び健康状態、並びに特定の核酸分子又は融合ポリペプチドの治療活性に依存することになることは当業者であれば明白であろう。
【0043】
本組成物は、単回投与スケジュールで投与してもよく、又は複数回投与スケジュールで投与してもよい。複数回投与スケジュールは、ワクチン接種の一次治療単位が、例えば1〜10回の個別投与後、免疫応答を維持及び/又は強化するのに必要なその後の時間間隔で他の投与が行われ、例えば第2の投与の場合は1〜4カ月で投与され、必要な場合には、数カ月後に次回投与(複数可)を行うことを含んでいてもよいスケジュールである。1〜5年、通常は3年の間隔での定期的追加接種が、所望のレベルの防御免疫を維持するために望ましい。免疫化の治療単位の後、ESAT6又はST−CFと共に共培養された末梢血リンパ球(PBL、peripheral blood lymphocyte)のインビトロ増殖アッセイを行い、感作リンパ球から放出されるIFN−γレベルを測定することができる。アッセイは、放射性ヌクレオチド、酵素、及び蛍光標識などの従来の標識を使用して実施することができる。これらの技術は当業者に公知であり、米国特許第3,791,932号明細書、第4,174,384号明細書、及び第3,949,064号明細書に見出すことができ、関連部分は参照により組み込まれる。
【0044】
本発明のワクチンは、核酸ベクターが使用されるのか、最終精製タンパク質又は最終ワクチン形態が使用されるのかに依存して、1又は2以上の「単位用量」で提供することができる。単位用量は、その投与、つまり適切な経路及び治療計画に従って所望の応答をもたらすように計算された所定量の治療用組成物を含有することと定義される。投与される量並びに特定の経路及び製剤は、臨床分野の当業者の技術範囲内にある。治療される対象は、特に、対象の免疫系の状態及び所望の防御を評価することもできる。単位用量は、単回注射として投与する必要はないが、所定の期間にわたる持続点滴を含んでいてもよい。本発明の単位用量は、体重1kg当たりのDNA(又はタンパク質)の単位で便利に記述することができ、体重1kg当たり約0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.5、1、10、50、100、又は1,000mg以上のDNA又はタンパク質の間の範囲で投与される。同様に、送達されるrAb−DC/DC−抗原ワクチンの量は、体重1kg当たり約0.2〜約8.0mgで変動する場合がある。したがって、特定の実施形態では、0.4mg、0.5mg、0.8mg、1.0mg、1.5mg、2.0mg、2.5mg、3.0mg、4.0mg、5.0mg、5.5mg、6.0mg、6.5mg、7.0mg、及び7.5mgのワクチンを、インビボで個体に送達することができる。投与されるワクチンの用量は、治療されている対象の体重及び身体状態、並びに投与経路及び治療の頻度に大きく依存する。リポソーム又はウイルス送達ベクターにあらかじめ結合されたネイキッドポリヌクレオチドを含む医薬組成物は、1μg〜1mgのポリヌクレオチドから1μg〜100mgのタンパク質の範囲の量で投与することができる。したがって、特定の組成物は、1μg、5μg、10μg、20μg、3.0μg、40μg、50μg、60μg、70μg、80μg、100μg、150μg、200μg、250μg、500μg、600μg、700μg、800μg、900μg、1mg、1.5mg、5mg、10mg、20mg、30mg、40mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg、又は100mgのベクターに独立して結合されている、約1μg、5μg、10μg、20μg、30μg、40μg、50μg、60μg、70μg、80μg、100μg、150μg、200μg、250μg、500μg、600μg、700μg、800μg、900μg、又は1,000μgの間のポリヌクレオチド又はタンパク質を含むこともできる。
【0045】
本発明は、例えば、リシン、炭疽菌毒素、及びスタフィロコッカスBエンテロトキシン(Staphylococcus B enterotoxin)に由来する防御抗原と複合体化された組換えヒト化mAb(特定のヒト樹状細胞受容体に対する)であるモジュール型rAb担体を作製するために使用することもできる。この物質の潜在的市場は、全軍関係者のワクチン接種、及びこれら作用物質と関連するあらゆる生物脅威に対応して大規模人口密集地に投与するための備蓄される保存ワクチンである。本発明は、一般的に、ヒト及び動物の両方に使用するためのワクチンを設計するための広範な応用を有する。対象とする産業には、医薬品産業及びバイオテクノロジー産業が含まれる。
【0046】
本発明は、抗原に対する強力で広範な免疫応答を誘導するために、抗原を抗原提示細胞(APC、antigen-presenting cell)に特異的に標的化する(送達する)ワクチンを含む組成物及び方法を含む。これら組成物は、抗原がそれに由来した作用物質(病原体又は癌)に対する防御的又は治療的免疫応答を誘起する。加えて、本発明は、それらが抗原提示細胞と特異的に結び付くことにより、直接的に又は他の作用物質と協同して治療的である作用物質を生成する。
【0047】
Gag−Nefワクチン。下記に示す配列は、p24領域[イタリック体]が、ヒト主要組織適合複合体クラスII、DRアルファ前駆体の可動性ループに由来する短スペーサー[太字]を介してhIgG4HのC末端に連結されている、重鎖(H)−HIV gag p24融合タンパク質である。下線のAS残基は、構築目的に使用された制限部位[この場合は、NheI]によりコードされている。このタイプの抗体−p24融合タンパク質は、科学文献に記述されている[例えば、Antigen targeting to dendritic cells elicits long-lived T cell help for antibody responses(2006) Boscardin et al., JEM, Volume 203, Number 3, 599-606]。
【0048】
改良された抗体−抗原リンカー配列。[mAnti−DCIR_9E8_H−LV−hIgG4H−Viralgag]C241は以下の通りである:
【0049】
【表1】
【0050】
図1のレーン1及び2は、H鎖−gag p24融合体をコードする[例えば、天然シグナル配列に先行して上記のC241をコードする]発現ベクター及び対応する軽鎖[L]発現プラスミドを一過的にトランスフェクトしたCHO−S又は293F細胞から得られ、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーで精製されたgag p24−抗体融合タンパク質の、クマシーブルー染色還元SDS PAGE分析を示す。典型的には、分泌されるタンパク質産生の場合、同時トランスフェクション培養を数日間まで継続させ、その後培養液上清を回収し、その後精製する。全長[約77kDa]H鎖−gag p24融合体鎖は、上の矢印により示す。切断されたH鎖産物[下の矢印]は、別のタンパク質に融合されていないH鎖[約50kDaバンドとしてレーン4に示す]よりわずかにゆっくりと移動することも示される。この結果は、H鎖−p24リンカー配列がタンパク質分解性切断に感受性であり、そのため産生され分泌される抗体−抗原融合タンパク質の完全性が損なわれることを示唆する。
【0051】
対照的に、抗体−インフルエンザHA1−1融合タンパク質は、H鎖C末端とHA1−1ドメインとの間での著しい切断が観察されることなく分泌及び回収することができる。[mAnti−LOX−115C4H−LV−hIgG4H−C−Flex−FluHA1−1−6xHis]C114は、以下の通りである:
【0052】
【表2】
【0053】
この場合、セルロソームにアンカーするスキャフォールディンB(scaffoldin B)前駆体[クロストリジウム・サーモセラム(Clostridium thermocellum)ATCC27405に由来するCipA]に由来する短リンカー[太字]を、H鎖C末端と[下線で示す連結配列を介して]インフルエンザHA1−1ドメイン[イタリック体]との間に挿入した。H鎖C末端とHA1−1ドメインとの間に明らかなタンパク質分解性切断はない[図1レーン3]。
【0054】
図2のレーン3は、セルロソームにアンカーするスキャフォールディンB前駆体[バクテロイデス・セルロソルベンス]に由来するH鎖−gag p24リンカーとのH鎖−gag p24融合体をコードする発現ベクター及び対応する軽[L]鎖発現プラスミドを一過的にトランスフェクトしたCHO−S又は293F細胞から得られ、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーで精製されたgag p24−抗体融合タンパク質の、クマシーブルー染色還元SDS PAGE分析を示す。
【0055】
[mAnti−DCIR_9E8_H−LV−hIgG4H−C−Flex−var1−Viralgag−var1−6xHis]C560は、下記に示す[下線の残基は制限部位連結配列に由来し、太字は可動性リンカー残基である]:
【0056】
【表3】
【0057】
上記の抗体−gag p24融合タンパク質は、H鎖C末端とgag p24ドメインとの間に検出可能な切断がなく、完全のまま(インタクト)で産生される。したがって、QTPTNTISVTPTNNSTPTNNSNPKPNP(配列番号4)リンカー配列は、gag p24ワクチンの生産目的に優れている。
【0058】
好ましいリンカー配列は、スキャフォールディン及び関連タンパク質に由来した。下記の配列は、セルロース分解バクテリアに由来するスキャフォールディンであるCipAである。このタンパク質は、明らかに可動性になるように進化したリンカー配列[イタリック体]で分散された複数のコヘシンドメインを含有し、このタンパク質が(i)糖結合ドメイン[CBM−3、図3]を介してセルロースマトリックスにアンカーする、及び(ii)酵素連結ドッケリンドメインを介してエンドグルカナーゼDなどのセルロース分解酵素に結合する役割を反映する。
【0059】
>gi|2506991|sp|Q06851|CIPA_CLOTM セルロソーム足場プロテインA前駆体(セルロソーム糖タンパク質S1/SL)(セルロース組み込みプロテインA)(コヘシン)[クロストリジウム・サーモセラム ATCC27405]。太字の残基は、上記のC114構築体に使用されるリンカー配列である。
【0060】
【表4】
【0061】
図3A〜3Cは、cipAの構造ドメインの模式図を示す。図3Aは、構造ドメインの模式図を示し、cipAのNetOGlyc1.0サーバー及びNetNGlyc1.0サーバー解析は、高度に予測されたO結合グリコシル化部位(図3C)及びN結合グリコシル化部位を示す(図3C)。特に、O結合部位は、大部分がリンカー配列内にある。
【0062】
cipA Aに類似する別の例を、下記に示す。上記のC560に示すリンカー配列[QTPTNTISVTPTNNSTPTNTSTPKPNP](配列番号6)は、この配列[NからTの置換は除いて、太字イタリック体で下記に示す]に由来し、2つの潜在的N結合グリコシル化部位を含有する[下線]。下記に記述されている構築体及び/又はHIVペプチド開示で使用される他のリンカー配列は、太字で示す。
【0063】
>gi|50656899|gb|AAT79550.1| セルロソームにアンカーするスキャフォールディンB前駆体[バクテロイデス・セルロソルベンス]
【0064】
【表5】
【0065】
図4A〜4Cは、セルロソームにアンカーするスキャフォールディンB前駆体[バクテロイデス・セルロソルベンス]の構造ドメインの模式図を示す。図4Aは、構造ドメインの模式図を示し、cipAのNetOGlyc1.0サーバー及びNetNGlyc1.0サーバー解析は、高度に予測されたO結合グリコシル化部位(図4B)及びN結合グリコシル化部位(図4C)を示す。特に、O結合部位は、大部分がリンカー配列内にある。
【0066】
本発明は、セルロース分解生物に由来する構造ドメイン間リンカー配列、好ましくはタンパク質工学のドメイン間リンカー配列、特に真核生物発現宿主で産生される改変タンパク質に使用するための高度に予測されたグリコシル化部位を有するドメイン間リンカー配列を使用するための組成物及び方法を含む。これら配列を使用して得られる特性の向上の中には、i)固有な可動性(それにより、連結されたドメインの分離が容易になり、それが、連結されたドメインが合成中に正しく折り畳まれることに大きく寄与するはずであり、B細胞受容体を抗原立体構造エピトープと一致させることによる明確な接近可能性を維持する);ii)グリコシル化(それにより、産物融合タンパク質の分泌及び溶解性に寄与し、リンカー配列をプロテアーゼから遮蔽する)がある。
【0067】
gag配列のタンパク質分解性切断部位の除去。図5のレーン1[下]は、適切なL鎖発現プラスミドと共に同時トランスフェクトした[mAnti−DCIR_9E8_H−LV−hIgG4H−C−Viralgag−p40]C535の精製された発現産物を示す。C535の成熟H鎖配列[gag残基はイタリック体であり、連結制限部位をコードする残基は下線で示す]は、以下の通りである:
【0068】
【表6】
【0069】
図5の上の矢印は、C535をコードしたH鎖の予測される近似的位置を示し、産物のほんの一部だけがこの位置のバンドを有することを示す。下の矢印で示す大部分の産物は、サイズがより短いH鎖であり、gag p17−p24境界付近にプロテアーゼ感受性部位が存在することを示唆する。
【0070】
図6のレーン3[下]は、適切なL鎖発現プラスミドと共に同時トランスフェクトした[mAnti−DCIR_9E8_H−LV−hIgG4H−C−Flex−var1−Viralgag−p40−var1−6xHis]C601の部分的に精製された発現産物を示す。C535の成熟H鎖配列[gag残基はイタリック体であり、連結制限部位をコードする残基は下線で示し、可動性リンカー残基は太字である]は、以下の通りである:
【0071】
【表7】
【0072】
上記のgag配列は、gag p17のC末端側にある潜在的プロテアーゼ感受性部位を取り除く、KKKからVDESFへの配列変更[上記に下線で示す]を有しており、図6は、このバリアント形態が、大部分は分解されていないH鎖と共に産生されることを示す[レーン3のより低分子量のバンドは「バックグラウンド不純物」である。図7を参照]。
【0073】
特定の一実施形態では、本発明は、分泌される連結gag p17+p24タンパク質のタンパク質分解性切断を防止する、上記で定義されたKKK配列に関する変更を有するgag p40[p17+p24]のバリアントを含む。
【0074】
好ましいHIV nef抗原に連結された抗体。HIV抗原を樹状細胞に標的化する1つの好ましいワクチンは、最大量のnef抗原と連結された最大量のgag抗原を有することになり、本発明は、限定ではないがこれを含む。図7のレーン4[下]は、適切なL鎖発現プラスミドと共に同時トランスフェクトした[mAnti−DCIR_9E8_H−LV−hIgG4H−C−Flex−v1−ViralNef]C757の部分的に精製された発現産物を示す。C757の成熟H鎖配列[nefコンセンサスクレードB残基はイタリック体であり、連結制限部位をコードする残基は下線で示し、可動性リンカーは太字である]は、以下の通りである:
【0075】
【表8】
【0076】
図7に示す抗体−抗原産物の分析は、種々のH鎖−抗原構築体が、同一の適切なL鎖発現構築体と共に293F細胞に一過的に同時トランスフェクトされたことを示す。各レーンは、5mlのトランスフェクション細胞上清[3日間の産生]に由来する産物を表しており、この産物は、過剰量のプロテインAビーズに結合させ、PBS+1M NaClで2回洗浄し、20mMのHClで溶出し、乾燥し、還元SDS PAGE試料緩衝液に溶解し、クマシーブルー染色還元SDS PAGEにより分析した。この技術は、予測H鎖産物の完全性の評価を可能にするだけでなく、抗体−抗原産物の相対的産生レベルの評価も可能にする。相対的産生レベルの問題は、ワクチン生産コストが、大規模哺乳動物細胞発酵系での完全分泌ワクチンの収量に大きく依存するため、非常に重要である。発現レベルは、特に、哺乳動物細胞ゲノムに組み込まれた際の転写増強及び高度産生トランスフェクション細胞のクローンの選択に有利なDNAエレメントを担持する代替的ベクター系により大きく増加させることができるが、これらの手法は、これらのさらなる手法を適用せずに完全な分泌される産物を良好な収量で発現する構築体から開始することにより、大きく補助される。トランスフェクトした哺乳動物細胞からの分泌抗体−抗原融合体の産生に大きな変動があることは、以前の特許出願で十分に記述されており[コヘシン−ドッケリン及びDCIR]、これらのデータは、産生レベルが抗体媒体[可変及び定常領域]にそれほど依存しないが、むしろ抗原自体の固有な特性であることを示す。したがって、図7のレーン4は、[mAnti−DCIR_9E8_H−LV−hIgG4H−C−Flex−v1−ViralNef]が非常に効率よく産生されたことを示し、QTPTNTISVTPTNNSTPTNNSNPKPNPにより連結されたnefコンセンサスクレードB抗原と融合された抗体のこの配置が、非常に有利であることを示す。
【0077】
ある好ましいHIV gag及びnef抗原に連結された抗体。[mAnti−DCIR_9E8_H−LV−hIgG4H−C−Flex−v1−Viralgag−p40−ViralNef]C758は、上記に記述されているバリアントgag p40抗原の近位に直接追加されたnefコンセンサスクレードB抗原を有する[連結残基は下線で示し、可動性リンカー配列は太字である]:
【0078】
【表9】
【0079】
図7のレーン5は、この発現プラスミドが、適切なL鎖と共に同時トランスフェクトされた場合、このH鎖−抗原融合体の合成を対象とするが、分泌される産物としての発現は非常に不良であることを示す。レーン6〜9は、L鎖発現プラスミド、並びに近位及び/又は遠位に可動性リンカー配列が伴うnefコンセンサスクレードB抗原コード配列インサートを有するH鎖−gag発現構築体と共に同時トランスフェクトした293F細胞からの分泌産物を示す。可動性リンカー配列の付加は、完全抗体−gag/nef融合ワクチンの分泌を容易にする。ワクチンを最高レベルで産生するための好ましい1つの構築体は、[mAnti−DCIR_9E8_H−LV−hIgG4H−C−Flex−v1−p17−f3−nef−f4−p24−6xHis]C791である[レーン9を参照]。そのような哺乳動物発現系における抗体−抗原融合体の相対的レベルは、抗体V領域にそれほど依存しないため、[−Flex−v1−p17−f3−nef−f4−p24−6×His]がそれらのH鎖C末端に追加される場合、異なるDC受容体を標的とする抗体−gag/nef抗原ワクチンの産生は、同様の利点を有するはずである。
【0080】
レーン6のH鎖は、[mAnti−DCIR_9E8_H−LV−hIgG4H−C−Flex−v1−Viralgag−p40−f4−nef]C767である[連結残基は下線で示し、可動性リンカー残基は太字であり、抗原残基はイタリック体である]:
【0081】
【表10】
【0082】
レーン7のH鎖は、[mAnti−DCIR_9E8_H−LV−hIgG4H−C−Flex−v1−p17−nef−f4−p24−6xHis]C790 C767である[連結残基は下線で示し、可動性リンカー残基は太字であり、抗原残基はイタリック体である]:
【0083】
【表11】
【0084】
レーン8のH鎖は、[mAnti−DCIR_9E8_H−LV−hIgG4H−C−Flex−v1−p17−f3−nef−p24−6xHis]C797 C767である[連結残基は下線で示し、可動性リンカー残基は太字であり、抗原残基はイタリック体である]:
【0085】
【表12】
【0086】
レーン9のH鎖は、[mAnti−DCIR_9E8_H−LV−hIgG4H−C−Flex−v1−p17−f3−nef−f4−p24−6xHis]C791 C767である[連結残基は下線で示し、可動性リンカー残基は太字であり、抗原残基はイタリック体である]:
【0087】
【表13】
【0088】
上記のタンパク質をCHO−S細胞で産生する際に苛酷な発酵条件下で検出される残存性の分解を除去するために試験されたさらなる改変は、KKKからNKQへの変更と共に下記で示し、それらは下線、太字、イタリック体で強調されている:
【0089】
【表14】
【0090】
最大限の抗原エピトープを有する、あるgag−nef抗原融合体が、効率的な分泌/産生特性を有することが見出された。好ましい可動性リンカー配列により隣接されたnef抗原のインサート又は追加体を有するgag p40のバリアントが、特に良好に産生及び分泌されることが見出された。本明細書で開示され、セルロース分解生物から入手可能である可動性リンカー配列が、完全抗原及び/又は抗体−抗原融合タンパク質として連結された抗原の分泌を容易にすることができたことも見出された。
【0091】
抗原コード配列のDNA配列:C757抗原領域は、以下の通りである[太字配列は、連結部位又は終止コドンである]:
【0092】
【表15】
【0093】
C791リンカー及び抗原コード配列は、以下の通りである[太字配列は、連結部位又は終止コドンである]:
【0094】
【表16】
【0095】
以下の例は、本発明が、CD40によりHIV及び他の抗原をヒトDCに標的化することができたことを示す。強力な活性化抗CD40モノクローナル抗体の生成。マウスIgG2b−ヒトCD40融合タンパク質でマウスを免疫し、リンパ節由来のB細胞を注射部位から排出させ、その後ハイブリドーマとして不死化した。FACSにより検出されるような抗CD40反応性抗体を分泌する35個のハイブリドーマに由来する上清を、CD40 CDNAをトランスフェクトした293F細胞と比べて、ヒト樹状細胞の終夜培養中でサイトカイン分泌の誘導について試験した。図8は、CD40に結合し活性化することができる抗CD40抗体のサブセットを検出するように設計されたこのタイプのスクリーニングの例を示す。このデータセットは、2つのハイブリドーマ12E12及び9A11が、IL−12p40の分泌をDCに指図することにおいて特に有効であったことを示す。12E12重鎖及び軽鎖をコードするcDNAは、標準的クローニング及び配列決定技術を使用して得られ、可変領域を改変して、ヒトIgG4定常領域に移植されたマウス12E12可変領域を発現するベクターとした。
【0096】
C269 rAB−pIRES2[manti−CD40_12E12.3F3_K−V−hIgGK−C] 下記のDNA配列は、キメラ軽鎖コード領域、及びイタリック体のマウス可変領域を有する予測分泌成熟軽鎖のアミノ酸配列を示す。
【0097】
【表17】
【0098】
C230 rAB−pIRES2[manti−CD40_12E12.3F3_H−V−hIgG4H−C] 下記のDNA配列は、キメラ重鎖コード領域、及びイタリック体のマウス可変領域を有する予測分泌成熟軽鎖のアミノ酸配列を示す。
【0099】
【表18】
【0100】
C230のバリアントを、ヒトIgG4 C末端に融合された抗原を有するCD4012E12 H鎖をコードするように改変した。例えば、C291 rAB−pIRES2[manti−CD40_12E12.3F3_H−V−hIgG4H−C−Flex−FluHA1−1−6xHis]は、下記に示す配列を有するH鎖をコードし、インフルエンザHA1−1抗原領域はイタリック体で示し、可動性リンカー配列及びC末端ポリヒスチジンタグは太字で示す:
【0101】
【表19】
【0102】
別のタイプのバリアントH鎖構築体は、C450 rAB−pIRES2[manti−CD40_12E12.3F3_H−LV−hIgG4H−C−Dockerin−var1]であり、これは下記に示す配列を有するH鎖をコードし、C末端ドッケリンドメイン抗原領域はイタリック体で示す:
【0103】
【表20】
【0104】
したがって、上記及び類似のバリアントH鎖をコードする発現ベクターを、293F又はCHO−S細胞に同時トランスフェクトすることができ、これは、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーにより容易に精製することができる抗CD4012E12−hIgG4抗体融合タンパク質の分泌に帰着する。
【0105】
そのような抗体−抗原タンパク質は、インビトロ又はインビボで、抗原をヒト樹状細胞に高効率で送達するためのワクチンとして使用することができる。同様に、抗CD4012E12−hIgG4ドッケリンタンパク質を、コヘシン−抗原融合タンパク質を送達するために使用することができる。例えば、C32 Ecoli−pET28[Cohesin−FluM1−6xHis]は、下記に示す配列をコードし、インフルエンザM1タンパク質はイタリック体で示す:
【0106】
【表21】
【0107】
上記のタンパク質は、大腸菌で可溶性タンパク質として発現させることができ、イオン交換及び金属アフィニティークロマトグラフィーにより純粋な産物として調製することができる。抗CD4012E12−hIgG4ドッケリン融合タンパク質とコヘシンインフルエンザM1融合タンパク質との非常に安定した複合体又はコンジュゲートは、高親和性ドッケリン−コヘシン相互作用により構築することができる。
【0108】
ある用量範囲のそのような抗CD4012E12−hIgG4ドッケリン−コヘシンインフルエンザM1コンジュゲートを、ヒト樹状細胞と共に1日間インキュベートし、その後同系CD8+T細胞を添加し、さらに数日間インキュベーションを継続した。その後、細胞を、抗CD8抗体及び免疫優勢インフルエンザM1エピトープ58〜66に対応するTCRを保持するT細胞に特異的なHLA−A2四量体試薬で染色した。四量体陽性細胞は、四角で囲まれたゲートに示す。このデータは、抗CD4012E12−hIgG4ドッケリンコヘシンインフルエンザM1コンジュゲートの濃度が0.001μg/mlと低くても、コンジュゲートが添加されなかったか[次の図のパネル]又は一連の類似用量範囲の対照IgG4ドッケリンコヘシンインフルエンザM1コンジュゲートが添加されたかのいずれの場合よりも著しく高いレベルで、インフルエンザM1特異的CD8+T細胞の増殖を誘導することを示す。これらのデータは、抗CD4012E12抗体が、DCへの抗原送達に著しく有効であり、抗原特異的T細胞の増殖により見られるような抗原のプロセシング及び提示に帰着することを実証する。
【0109】
図9は、10μg/ml〜無抗CD4012E12−hIgG4ドッケリン−コヘシンインフルエンザM1コンジュゲートの用量範囲により誘導された際のCD8+染色[横軸]対インフルエンザM1−四量体染色[縦軸]のFACS解析を示す。
【0110】
図10は、10μg/ml〜無対照hIgG4ドッケリン−コヘシンインフルエンザM1コンジュゲートの用量範囲により誘導された際の、CD8+染色[横軸]対インフルエンザM1−四量体染色[縦軸]のFACS解析を示す。
【0111】
C269(seqA)抗CD4012E12軽鎖配列と、CD40結合を保持するように、ヒト軽鎖可変配列との類似性を増強するように、及び分泌産物の発現を増強するのに好ましいコドンを含有させることにより改変されたバリアントとのアラインメント。
seqA DIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCSASQGISNYLNWYQQKPDGTVKLLIYYTSILHSGVPS
seqB DIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCSASQGISNYLNWYQQKPDGTVKLLIHYTSILHSGVPS
seqC DIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCSASQGISNYLNWYQQKPDGTVKLLIHYTSILHSGVPS
seqD DIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCSASQGISNYLNWYQQKPDGTVKLLIHYTSILHSGVPS
seqE DIQMTQTTSSLSTSLGDRVTISCSASQGISNYLNWYQQKPDGTVKLLIHYTSILHSGVPS
************:***********************************:***********
seqA RFSGSGSGTDYSLTIGNLEPEDIATYYCQQFNKLPPTFGGGTKLEIKRTVAAPSVFIFPP
seqB RFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQFNKLPPTFGGGTKLEIKRTVAAPSVFIFPP
seqC RFSGS-SGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQFNKLPPTFGGGTKLEIKRTVAAPSVFIFPP
seqD RFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQFNKPPPTFGGGTKLEIKRTVAAPSVFIFPP
seqE RFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQFNKLPPTFGGGTKLEIKRTVAAPSVFIFPP
***** *********.*** ******:****** **************************
seqA SDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLT
seqB SDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLT
seqC SDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLT
seqD SDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLT
seqE SDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLT
************************************************************
seqA LSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
seqB LSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
seqC LSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
seqD LSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
seqE LSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
**********************************
(上記はそれぞれ配列番号24、25、26、27、28)
【0112】
C268(seqA)抗CD4012E12重鎖配列と、CD40結合を保持するように、ヒト軽鎖可変配列との類似性を増強するように、及び分泌産物の発現を増強するのに好ましいコドンを含有させることにより改変されたバリアントとのアラインメント。
seqA EVKLVESGGGLVQPGGSLKLSCATSGFTFSDYYMYWVRQTPEKRLEWVAYINSGGGSTYY
seqB EVNLVESGGGLVQPGGSLKVSCVTSGFTFSDYYMYWVRQTPEKRLEWVAYINSGGGSTYY
**:****************:**.*************************************
seqA PDTVKGRFTISRDNAKNTLYLQMSRLKSEDTAMYYCARRGLPFHAMDYWGQGTSVTVSSA
seqB PDTVKGRFTISRDNAKNSLYLQMSRLKSEDTAMYYCARRGLPFHAMDYWGQGTLVTVSVA
*****************:*********************************** **** *
seqA KTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSG
seqB STKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSG
.***********************************************************
seqA LYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFEGGPSVF
seqB LYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFEGGPSVF
************************************************************
seqA LFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYR
seqB LFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYR
************************************************************
seqA VVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKN
seqB VVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKN
************************************************************
seqA QVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGN
seqB QVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGN
************************************************************
seqA VFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGKAS
seqB VFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGKAS
****************************
(上記はそれぞれ配列番号29、30)
【0113】
図11は、PBMC培養の状況で抗原特異的T細胞の増殖を誘導する抗DC受容体−抗原標的化分子[TM]の効能を、インビトロでアッセイするために使用されるプロトコールを示す。手短に言えば、HIV患者のアフェレーシスに由来する2E6 PBMCを、ある用量範囲の標的化ワクチン及び100U/mlのIL−2と共にインキュベートする。培地を2日ごとに取り替える。7日目に、抗原に対応するペプチドのクラスターを添加して、各クラスター内のペプチド配列に対してTCR特異性を有するT細胞によるIFNγ産生を誘導する。ペプチドクラスター及びサイトカイン分泌を阻止する作用物質と共に4時間インキュベーションした後、細胞を、抗CD4、抗CD8、抗IL−13、及び抗IFNγ試薬で染色し、FACSで解析した。
【0114】
図12及び13は、DCを[PBMC内で]、抗CD4012E12 gag p17 nef gag p24ワクチンによって標的化する効果を示す。H鎖組成を下記に示す:C818 rAB−cetHS−puro[manti−CD40_12E12.3F3_H−LV−hIgG4H−C−Flex−v1−Viralgag−p17−f3−nef−f4−p24−6xHis]、連結残基は下線で示し、可動性リンカー残基は太字であり、抗原残基はイタリック体である]:
【0115】
【表22】
【0116】
図12は、ワクチンが、試験された最も低いワクチン用量でさえ、gag p24ペプチドクラスターすべてに対して特異性を有するCD4+T細胞の増殖を誘導し、IFNγ産生CD4+T細胞のパーセントが、細胞をペプチドで処理しなかった場合よりも著しく高かったことを示す。図13[上段パネル]は、このデータをグラフ形態で示し、縦軸はIFNγ産生細胞のパーセント(%)を示す。下段パネルは、PBMC培養内のCD8+T細胞に関する同様のデータを示し、このデータは、gag p24配列を包含するペプチドクラスターがすべて、非ペプチド対照よりも著しく高いIFNγ産生T細胞の産生を誘導したことも示す。したがって、このワクチンは、HIV gag p24内の複数のエピトープに対して強力な応答を誘導した。
【0117】
図14は、ワクチンが、試験された最も低いワクチン用量でさえ、gag p17ペプチドクラスターすべてに対して特異性を有するCD4+T細胞の増殖を誘導し、IFNγ産生CD4+T細胞のパーセントが、細胞をペプチドで処理しなかった場合よりも著しく高かったことを示す。図15は、このデータをグラフ形態で示し、縦軸はIFNγ産生細胞のパーセントを示す[上段パネル]。下段パネルは、PBMC培養内のCD8+T細胞に関する同様のデータを示し、このデータは、gag p17配列を包含するペプチドクラスターがすべて、非ペプチド対照よりも著しく高いIFNγ産生T細胞の産生を誘導したことも示す。したがって、このワクチンは、HIV gag p17内の複数のエピトープに対する強力な応答を誘導した。
【0118】
図16は、ワクチンが、試験された最も低いワクチン用量でさえ、ほとんどのHIV nefペプチドクラスターに対して特異性を有するCD4+T細胞の増殖を誘導し、IFNγ産生CD4+T細胞のパーセントが、細胞をペプチドで処理しなかった場合よりも著しく高かったことを示す。図17は、このデータをグラフ形態で示し、縦軸はIFNγ産生細胞のパーセントを示す[上段パネル]。下段パネルは、PBMC培養内のCD8+T細胞に関する同様のデータを示し、このデータは、nef配列を包含するペプチドクラスターがすべて、非ペプチド対照よりも著しく高いIFNγ産生T細胞の産生を誘導したことも示す。したがって、このワクチンは、HIV nef内の複数のエピトープに対する強力な応答を誘導した。
【0119】
このデータは、ワクチン[特異的に改変されたgag p17 nef gag p24融合タンパク質に連結された抗CD4012E12]が、最も低い用量でさえ、広範な免疫応答、つまりCD4+及びCD8+T細胞区画の両方におけるエピトープの広範な提示を誘導することができることを示すことが見出された。このデータは、2つのワクチン部分の各々[抗CD4012E12及び類似の特別な特性を有する他の抗体、並びに効率的産生をもたらすエピトープ提示を最大化するように改変されたgag−nef抗原]、つまり抗CD40成分が、他の抗原の送達用媒体であってもよく、抗原成分は、他の抗DC受容体媒体により送達することができることをさらに実証する。この結果は、記憶細胞[HIVワクチンを投与されたHIV患者]及び未感作[PSA抗原を投与された正常供与体]T細胞集団の両方から、多様な抗原特異的CD4+及びCD8+T細胞を増殖させる、CD40に基づく標的化の能力も実証する。
【0120】
抗CD40−PSAで標的とされたDCは、PSA特異的CD4+T細胞応答を誘導する。図18は、PSA[前立腺特異的抗原]に連結された抗CD40−12E12で構成されたワクチンが、未感作T細胞集団から、多様なPSAエピトープに対応するPSA特異的CD4+T細胞を増殖させる能力を試験するためのプロトコールの概略を示す。手短に言えば、正常供与体に由来する単球のIFNα及びGM−CSFと共に培養することに由来するDCを、ワクチンと共にインキュベートする。翌日、細胞を新しい培地に配置し、同じ供与体に由来する純粋なCD4+T細胞を添加する。数日後に、PSAペプチドを添加し、4時間後に、培養上清中のIFNγ分泌レベルを決定する。
【0121】
図19は、多くのPSAペプチドが、強力なIFNγ産生応答を誘導することを示し、抗CD4012E12及び類似の抗CD40作用物質が、抗原をDCに効果的に送達することができ、抗原の複数のエピトープに対する免疫応答の初回刺激に帰着することを示す。
【0122】
図20は、DCを標的とする抗CD40−PSAで標的とされたDCが、PSA特異的CD8+T細胞応答を誘導することを示す。IFNDCを、1μgの、PSAとのmAb融合タンパク質で標的とした。精製された自己由来CD8+T細胞を、10日間共培養した。細胞を、抗CD8及びPSA(KLQCVDLHV)四量体で染色した。細胞は、HLA−A*0201陽性の健常供与体に由来する。その結果は、抗CD40が効果的にPSAをDCに送達し、それは、ひいてはPSA特異的CD8+T細胞の増殖を誘導することを実証する。
【0123】
図21は、DCによる標的化による取込み及びその細胞表面上での抗原エピトープの提示に起因する抗原特異的T細胞の増殖を指図するその能力について、抗DC受容体標的化ワクチンを試験するためのDC標的化プロトコールを概説する図である。手短に言えば、IFNα及びGM−CSF中で3日間培養することにより、HIV患者の単球をDCに分化させる。その後、ワクチン[FP]を自己由来T細胞と共に10μg/mlで添加する。10日後に、抗原ペプチドクラスターを培養中の増殖T細胞に添加し、4時間後に細胞内IFNαを測定する。
【0124】
図22[上段パネル]は、抗CD4012E12 nef、抗CD4012E12 gag p24、及び抗CD4012E12 gag p17 nef gag p24ワクチンの効能の比較を示す[患者Aph002]。抗CD4012E12 nefワクチン[緑色バー]は、nefペプチドエピトープにのみ応答するIFNα産生CD4+T細胞の増殖を刺激し、抗CD4012E12 gag p24[青色バー]は、p24ペプチドエピトープのみに応答するIFNα産生CD4+T細胞の増殖を刺激した一方で、抗CD4012E12 gag p17 nef gag p24は、gag p17、nef、及びp24ペプチドエピトープに応答するIFNα産生CD8+T細胞の増殖を刺激した。
【0125】
図22[下段パネル]は、抗CD4012E12 nef、抗CD4012E12 gag p24、及び抗CD4012E12 gag p17 nef gag p24ワクチンの効能の比較を示す[患者Aph002]。抗CD4012E12 nefワクチン[緑色バー]は、nefペプチドエピトープにのみ応答するIFNα産生CD8+T細胞の増殖を刺激した一方で、抗CD4012E12 gag p17 nef gag p24[橙色バー]は、gag p17及びnefペプチドエピトープの両方に応答するIFNα産生CD8+T細胞の増殖を刺激した。
【0126】
図23[上段パネル]は、抗CD4012E12 nef、抗CD4012E12 gag p24、及び抗CD4012E12 gag p17 nef gag p24ワクチンの効能の比較を示す[患者Aph010]。抗CD4012E12 nefワクチン[緑色バー]は、nefペプチドエピトープにのみ応答するIFNα産生CD4+T細胞の増殖を刺激し、抗CD4012E12 gag p24[青色バー]は、p24ペプチドエピトープのみに応答するIFNα産生CD4+T細胞の増殖を刺激した一方で、抗CD4012E12 gag p17 nef gag p24は、gag p17、nef、及びp24ペプチドエピトープに応答するIFNα産生CD8+T細胞の増殖を刺激した。
【0127】
図23[下段パネル]は、抗CD4012E12 nef、抗CD4012E12 gag p24、及び抗CD4012E12 gag p17 nef gag p24ワクチンの効能の比較を示す[患者Aph002]。抗CD4012E12 nefワクチン[緑色バー]は、nefペプチドエピトープにのみ応答するIFNα産生CD8+T細胞の増殖を刺激し、抗CD4012E12 gag p24[青色バー]は、p24ペプチドエピトープのみに応答するIFNα産生CD8+T細胞の増殖を刺激した一方で、抗CD4012E12 gag p17 nef gag p24[橙色バー]は、gag p17及びnefペプチドエピトープの両方に応答するIFNα産生CD8+T細胞の増殖を刺激した。
【0128】
これらのデータは、抗CD4012E12 gag p17 nef gag p24ワクチンが、ワクチンの3つの抗原エレメントすべて、HIV gag p17、HIV gag p24、及びHIV nef内の複数のエピトープを包含する多様なT細胞応答を誘導することができることを実証する。
【0129】
下記の配列は、C515ベクターにより発現されるコヘシン[太字残基]−サイクリンD1[下線残基]融合タンパク質のアミノ酸配列である。
C515 大腸菌−pET28 [コヘシン−hサイクリンD1−6xHis]
【0130】
【表23】
【0131】
大腸菌中で産生されたCoh.Cyclin D1タンパク質の発現及び精製。
Coh.Cyclin D1を、L培地(Difco社製)中37℃でカナマイシン耐性(40μg/ml)によって選択して増殖させた大腸菌株T7 Express(NEB社製)で発現させ、対数増殖中期まで200回転/分で振とうした。その後、120mg/LのIPTG(Bioline社製)を添加し、さらに3時間後、細胞を遠心分離により回収し、−80℃で保存した。各1Lの発酵に由来する大腸菌細胞を、0.2mlのプロテアーゼ阻害剤カクテルII(Calbiochem社製)を有する50mlの氷冷50mMトリス、1mM EDTA pH8.0に再懸濁した。細胞を、5分間の中止期間をおいて2回氷上で4分間、18の設定で超音波処理(Fisher社製Sonic Dismembrator 60)し、その後17,000r.p.m.、4℃で20分間遠心した(Sorvall社製SA-600)。50mlの細胞溶解産物上清を、10mlのANXセファロースビーズ(GE Healthcare社製)に通し、その後通過画分を、7.5mlの160mMトリス、40mMイミダゾール、4M NaCl pH7.9を有する結合緩衝液に調整して、Ni++で荷電された5mlのHiTrapキレート化HPカラム(GE Healthcare社製)に充填した。結合したタンパク質を、20mM NaPO4、300mM NaCl、10mMイミダゾール pH7.6(緩衝液A)で洗浄し、緩衝液A中10〜500mMのイミダゾール勾配で溶出した。ピーク画分をSDS−PAGEゲルにより分析し、貯溜した。およそ15ミリグラムの貯溜した溶出コヘシン−サイクリンD1融合タンパク質を、10ミリグラムのmPEG-MAL 20k試薬(Nektar社製)と室温で終夜反応させ、それにより20kDaのペグ化基(pegyl group)を遊離システイン残基[それらのいくつかはサイクリンD1ドメイン内にある]に結合させる。この反応の一部をDPBS[Gibco社製]に対して透析し、一部をpH7.5に調整し、その後DTTを室温で1.5時間10mMになるように添加して、あらゆるジスルフィド結合を還元し、その後室温で1.5時間25mMヨードアセトアミドを添加して、遊離システイン残基をアルキル化し、その後20mM DTTを室温で1.5時間添加し、その後DPBSに対して透析した。ペグ化は、タンパク質がDPBSに可溶性であり続けることを保証するために必要であり、アルキル化[インビトロ抗CD40標的化の状況では、タンパク質の活性に必要ではなかった]は、産物に分子間ジスルフィド架橋形態が存在しないことを保証する役目を果たした。
【0132】
図24。コヘシン−サイクリンD1融合タンパク質と抗DC受容体−ドッケリン組換え抗体との相互作用の分析。抗体−ドッケリン又は抗体−HIV nef融合タンパク質[20μg]を、100μlのプロテインAセファロースビーズ[GE Biosciences社製]と共にインキュベートし、その後DPBSで2回洗浄した。ペグ化された[peg]又はペグ化されアルキル化された[peg alk]コヘシン−サイクリンD1[Coh.Cyclin D1]を添加し[20μg]、室温で30分後、上清を遠心分離によりビーズから分離した。ビーズを20mM HClで溶出し、溶出液及び上清を乾燥させ、SDS.PAGEローディング緩衝液に再懸濁し、還元DSD.PAGEを実行し、クマシーブルー(Coomasssie Blue)染色で視覚化した。レーン1は、抗体−ドッケリン+peg Coh.Cyclin D1で負荷されたビーズからの上清を示し、レーン2は、対応するビーズ溶出液である。レーン3は、抗体−HIV nef+peg Coh.Cyclin D1で負荷されたビーズからの上清を示し、レーン4は、対応するビーズ溶出液である。レーン5は、抗体−ドッケリン+peg alk Coh.Cyclin D1で負荷されたビーズからの上清を示し、レーン6は、対応するビーズ溶出液である。レーン7は、抗体−HIV nef+peg alk Coh.Cyclin D1で負荷されたビーズからの上清を示し、レーン8は、対応するビーズ溶出液である。レーン9は、抗体−ドッケリンのみを示し、レーン10は、抗体−HIV nefのみを示し、レーン11は、peg Coh.Cyclin D1のみを示し、レーン12は、peg alk Coh.Cyclin D1のみを示す。矢印[上から下]は、1)高分子量ペグ化形態のCoh.Cyclin D1、2)抗体重鎖の位置、3)非ペグ化Coh.Cyclin D1[調製物の約50%]の位置、4)抗体軽鎖の位置を示す。
【0133】
上記の分析により、抗体−ドッケリンは、ほとんどのCoh.Cyclin D1を効果的に捕捉するが、抗体−HIV nefは捕捉しないことが示される。これにより、Coh.Cyclin D1調製物が、抗DC受容体−ドッケリン標的化媒体と複合体を構築することができることが実証される。
【0134】
マントル細胞リンパ腫(MCL、Mantle Cell Lymphoma)は、主に高齢男性の全非ホジキンリンパ腫の5〜10%に相当するB細胞非ホジキンリンパ腫である。マントル細胞リンパ腫は、従来の治療後の予後が最悪であり、頻繁に再発し、生存時間が比較的短い非常に悪性の癌である。マントル細胞リンパ腫は、サイクリンD1の過剰発現に結び付く遺伝子特徴:t(11;14)(ql3;q32)転座を有する。
【0135】
代替的にPRAD1と名付けられているG1/S特異的サイクリンD1、Bcl−1は、CDK4及び6と複合体を形成することにより、G1進行及びG1/S移行の細胞周期制御において機能を果たす。発現は細胞周期依存性であり、G1で発現が最大であり、Sにおいて最低であるため、成熟リンパ球では通常発現されない。したがって、サイクリンD1を過剰発現する細胞に対して特異的に向けられる細胞毒性T細胞応答を誘導させることは、魅力的なMCLワクチン接種戦略である。
【0136】
図25は、サイクリンD1に由来する重複ペプチドの模式図を示す。これらを、個々のペプチド又はペプチドの貯留のいずれかでT細胞培養に添加して、それらをMHC上に提示させ、それによりペプチド特異的T細胞の増殖を刺激することができる。
【0137】
図26は、抗CD40−サイクリンD1複合体が、サイクリンD1特異的CD4+T細胞の増殖をインビトロで誘導する能力を試験する研究計画の模式図(左パネル)を示す。DCを標的化複合体と共にインキュベーションした後、CFSC染料で標識された自己由来CD4+T細胞[つまり、同じ供与体に由来する]を添加し、さらに8日間IL−2と共に培養を継続し、その後2日間IL−2なしで休止させる。次に、培養を分割し、個々のサイクリンDペプチド又はペプチドなしで8時間刺激し、その後、細胞内IFNg及びIL−2[T細胞活性化の指標]を染色し、FACSにより解析する。
【0138】
この解析は、サイクリンDペプチドP8、P16、及びP54が、ペプチドなしで[又は他のサイクリンD1ペプチドと共に]インキュベートされた細胞より著しくより高い増殖性[つまり、CFSC希釈により標識された]CD4+T細胞の産生を刺激することを示す[非表示]。したがって、抗CD40サイクリンD1複合体は、正常供与体のT細胞から、エフェクター機能表現型を有するサイクリンD1特異的T細胞の増殖を誘導するように機能する。
【0139】
図27は、異なる正常供与体が使用されたことを除いて、図26に詳述されているものと類似した研究及び解析を示し、この場合、抗CD40−サイクリンD1複合体は、サイクリンD1ペプチドP4、P43、及びP70に特異的なIFNg陽性の増殖性CD4+T細胞の増殖を誘導した。
【0140】
図28は、CD8+T細胞が使用されたことを除いて、上記の図26に記述されているものと類似した模式図及び解析を示す。この供与体では、抗CD40サイクリンD1複合体は、サイクリンD1特異的CD8+T細胞、特に貯留I及び貯留II内に含有されていたペプチドに対応する特異性を有するCD8+T細胞の増殖を誘導した。
【0141】
図29は、同じ供与体からであるが、これら貯留に由来する個々のペプチドを用いて解析した同様のデータを示す。特に、これらT細胞は、ペプチドP7、P8、及びP10に対する特異性を示す。
【0142】
本明細書で考察されている任意の実施形態は、本発明の任意の方法、キット、試薬、又は組成物に関して実施することができ、その逆も同様であることが企図される。さらに、本発明の組成物は、本発明の方法を達成するために使用することができる。
【0143】
本明細書に記述されている特定の実施形態は、例示目的で示すものであり、本発明の制限として示すものではないことが理解されよう。本発明の主要な特徴は、本発明の範囲から逸脱せずに、種々の実施形態で使用することができる。当業者であれば、本明細書に記述されている特定の手順の等価手順を多数認識しているか、又は単なる日常的な実験作業を使用して確認することができよう。そのような等価手順は本発明の範囲内であるとみなされ、特許請求の範囲により包含される。
【0144】
本明細書で言及されている刊行物及び特許出願はすべて、本発明が関する分野の当業者の技術レベルを示す。刊行物及び特許出願はすべて、あたかも個々の刊行物又は特許出願が参照により具体的に及び個々に組み込まれるのが示されるのと同じ程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0145】
単数の単語が、特許請求の範囲及び/又は本明細書で「含む」という用語と共に使用される場合、「1つ」を意味してもよいが、「1又は2以上(one or more)」、「少なくとも1」、及び「1又は2以上(one or more than one)」の意味とも一致する。特許請求の範囲における「又は」という用語の使用は、選択肢のみを参照すると明示的に示さない限り又は選択肢が相互排他的でない限り、「及び/又は」を意味するために使用されるが、本開示は、選択肢のみ及び「及び/又は」を指すという定義を支持する。本出願の全体にわたって、「約」という用語は、ある値が、その値を決定するために使用されている装置、方法に固有の誤差の変動、又は研究対象中に存在する変動を含むことを示すために使用される。
【0146】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、「含む(comprising)」(並びに「含む(comprise)」及び「含む(comprises)」などの含むの任意の形態)、「有する(having)」(並びに「有する(have)」及び「有する(has)」などの有する任意の形態)、「含む(including)」(並びに「含む(includes)」及び「含む(include)」などの含むの任意の形態)、又は「含有する(containing)」(並びに「含有する(contains)」及び「含有する(contain)」などの含有するの任意の形態)は、包括的又は非限定的であり、追加的な列挙されていない要素又は方法ステップを除外しない。
【0147】
「又はその組み合わせ」という用語は、本明細書で使用される場合、その用語に先行する列挙された項目のすべての順列及び組み合わせを指す。例えば、「A、B、C、又はそれらの組み合わせ」は、A、B、C、AB、AC、BC、又はABCの少なくとも1つ、及び特定の状況で順番が重要である場合は、BA、CA、CB、CBA、BCA、ACB、BAC、又はCABの少なくとも1つを含むことが意図される。引き続きこの例では、BB、AAA、MB、BBC、AAABCCCC、CBBAAA、及びCABABBなどの1又は2以上の項目又は用語の繰り返しを含有する組み合わせが、明示的に含まれる。当業者であれば、状況からそうでないと明白でない限り、任意の組み合わせにおける項目又は用語の数に、典型的には制限がないことを理解しよう。
【0148】
本明細書で開示又は特許請求されている組成物及び/又は方法のすべては、本開示に照らして過剰な実験をせずに作製及び実行することができる。本発明の組成物及び方法は、好ましい実施形態の観点で記述されているが、当業者であれば、本発明の概念、趣旨、及び範囲から逸脱せずに、本明細書に記述されている組成物及び/又は方法、並びに本方法のステップ又はステップの順序に変更を適用できることは明白であろう。当業者に明白なそのような類似の代用物及び変形はすべて、添付の特許請求の範囲により定義されているような本発明の趣旨、範囲、及び概念内にあるとみなされる。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公表番号】特表2011−528233(P2011−528233A)
【公表日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−518925(P2011−518925)
【出願日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際出願番号】PCT/US2009/050903
【国際公開番号】WO2010/009346
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(509004712)ベイラー リサーチ インスティテュート (38)
【氏名又は名称原語表記】BAYLOR RESEARCH INSTITUTE
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際出願番号】PCT/US2009/050903
【国際公開番号】WO2010/009346
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(509004712)ベイラー リサーチ インスティテュート (38)
【氏名又は名称原語表記】BAYLOR RESEARCH INSTITUTE
【Fターム(参考)】
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