説明

最大電力点追従方法

【課題】本発明は太陽光発電システムのための迅速で正確な最大電力点追従方法及び日射量の変化を反映できる最大電力点追従方法を提供する。
【解決手段】本発明の最大電力点追従方法は、現在の時点及び過去の時点で測定された電圧及び電力を利用して、次の電圧指令値を一時的に決めるステップと、電圧指令値の増加または減少が所定回数以上連続した場合、増加させるものと一時的に決定された次の電圧指令値を減少させることを確定し、あるいは、減少させるものと一時的に決定された次の電圧指令値を増加させることを確定するステップと、決定された次の電圧指令値に応じて太陽電池の出力電圧を調整するステップと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電における最大電力点追従方法に関し、特に、太陽光発電システムの系統連係型インバータにおいて実施可能な最大電力点追従方法に関する。
【背景技術】
【0002】
系統連係型(grid connected)太陽光発電システムにおいて必要な制御アルゴリズムは、最大電力点追従(MPPT:Maximum Power Point Tracking)制御、DC−DCコンバータ入力電流制御、PLL(Phase Locked Loop)制御、直流リンク電圧制御、インバータ出力電流制御、運転防止、及び孤立保護技術の各アルゴリズムに区分できる。
【0003】
最大電力点追従(MPPT)制御アルゴリズムは、太陽光エネルギーの電力が日射量と温度により非線形特性を有するため、最大電力点を探して効率を最大化する制御方法である。最大電力点追従制御アルゴリズムを介して発生したDC−DCコンバータの入力基準電流を介してDC−DCコンバータ入力電流制御アルゴリズムを行う。PLL制御アルゴリズムは、系統電圧の位相を検出して、インバータの出力基準電流を作るために用いる。また、直流リンク電圧制御アルゴリズムは、インバータの直流リンク電圧を一定に制御することで、インバータ出力基準電流の大きさを生成する。また、PLL制御アルゴリズムと直流リンク電圧制御アルゴリズムを介して発生した位相と大きさを介してインバータ出力基準電流を発生させインバータ出力電流制御アルゴリズムを実施する。
【0004】
これらのうち、最大電力点追従(MPPT)制御アルゴリズムは、他の制御アルゴリズムより優先的に行われるため、迅速かつ正確であることが求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、太陽光発電システムのための迅速で正確な最大電力点追従方法を提供することにある。
【0006】
特に、本発明の目的は、日射量の変化を反映できる最大電力点追従方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明の一側面に基づく最大電力点追従方法は、現在の時点及び過去の時点で測定された電圧及び電力を利用して、次の電圧指令値を一時的に決めるステップと、電圧指令値の増加または減少が所定回数以上連続した場合、増加させるものと一時的に決定された次の電圧指令値を減少させることを確定し、あるいは減少させるものと一時的に決定された次の電圧指令値を増加させることを確定するステップと、決定された次の電圧指令値に応じて太陽電池の出力電圧を調整するステップと、を含む。
【0008】
上記目的を達成するための本発明の他の一側面に基づく太陽電池システムは、太陽電池パネルと、太陽電池パネルで発電する電力の電気的特性を測定する測定部と、太陽電池パネルで発電した電力をDC−DC変換するDC−DCコンバータと、太陽電池パネルで発電する電力に対する最大電力点追従方法を行うために、現在の時点及び過去の時点で測定された電圧及び電力を利用して次の電圧指令値を一時的に決めて、電圧指令値の増加または減少が所定回数以上連続したら、増加させるものと一時的に決定された次の電圧指令値を減少させることを確定し、あるいは減少させるものと一時的に決定された次の電圧指令値を増加させることを確定して、決定された次の電圧指令値に応じて太陽電池の出力電圧を調整する制御部と、を含む。
【発明の効果】
【0009】
上記構成による本発明の最大電力点追従方法を実施することによって、太陽光発電システムに日射量の変化を迅速かつ正確に反映できるメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】P&O(Perturbation and Observation)最大電力点追従方法を示したフローチャートである。
【図2】正常な状況における図1の最大電力点追従方法による最大電力点追従の原理を示したグラフである。
【図3】本発明の一実施形態に係る最大電力点追従方法を示したフローチャートである。
【図4】本発明の他の実施形態に係る最大電力点追従方法を示したフローチャートである。
【図5】異常な状況における本発明の一実施形態に係る最大電力点追従方法による最大電力点追従の原理を示したグラフである。
【図6】本発明の最大電力点追従方法を行う太陽電池システムを示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、日射量が変化する際に誤った最大電力点が追従されるのを回避するために、P&O最大電力点追従技術をさらに改善した形態の発明である。
【0012】
図1は、P&Oと呼ばれる代表的な最大電力点追従技法を示す。まず、一定の時間間隔を置いて太陽電池の電圧と電力を測定する。電力の場合、電圧測定値及び電流測定値から計算されることが一般的であるが、便宜上電力測定と称する。
【0013】
図示したように、次の測定時点(k+1)に対する電圧指令値(Vr(k+1))を決めるために、現在の電力(P(k))と過去の電力(P(k−1))を比較するステップ(S210、S220)と、現在の電圧(Vc(k))と過去の電圧(Vc(k−1))を比較するステップ(S230、S240)と、現在の電力(P(k))が過去の電力(P(k−1))より大きく、現在の電圧(Vc(k))が過去の電圧(Vc(k−1))より大きければ、現在の電圧指令値(Vr(k))を増加させた値に次の電圧指令値(Vr(k+1))を決めるステップ(S290)と、現在の電力(P(k))が過去の電力(P(k−1))より大きく、過去の電圧(Vc(k−1))が現在の電圧(Vc(k))より大きければ、過去の電圧指令値(Vr(k))を減少させた値に次の電圧指令値(Vr(k+1))を決定するステップ(S280)と、過去の電力(P(k−1))が現在の電力(P(k))より大きく、現在の電圧(Vc(k))が過去の電圧(Vc(k−1))より大きければ、過去の電圧指令値(Vr(k))を減少させた値に次の電圧指令値(Vr(k+1))を決めるステップ(S260)と、過去の電力(P(k−1))が現在の電力(P(k))より大きく、過去の電圧(Vc(k−1))が現在の電圧(Vc(k))より大きければ、過去の電圧指令値(Vr(k))を増加させた値に次の電圧指令値(Vr(k+1))を決めるステップ(S270)と、を含む。
【0014】
仮に、過去の時点(k−1)で測定された電力(P(k−1))と現時点(k)で測定された電力(P(k))に変化がないならば、太陽電池の電圧指令値をそのまま維持することになる(S210、S500)。一方、そうでないならば、過去の時点(k−1)で測定された電力(P(k−1))に比べ現在の時点(k)で測定された電力(P(k))が増加したか、あるいは減少したかを判別する(S220)。また、この時の太陽電池の現在の電圧(Vc(k))が太陽電池の過去の電圧(Vc(k−1))と比べて増加したか、あるいは減少したかを判断する(S230、S240)。
【0015】
仮に、測定された電圧及び電力が増加したとすれば、太陽電池の電圧指令値を一定量増加させる(S290)。または、電力は増加したが電圧は減少したとすれば、太陽電池の電圧指令値を一定量減少させる(S280)。また、電力が減少し電圧も減少したとすれば、太陽電池の電圧指令値を一定量増加させ(S270)、電力が減少し電圧が増加したとすれば、太陽電池の電圧指令値を一定量減少させる(S260)。
【0016】
図2は太陽電池の電力対電圧(PV)特性曲線を示したもので、日射量が一定である場合、太陽電池はこのような特性曲線下で動作することになる。
【0017】
図1の最大電力点追従方式は、まず一定の時間間隔を置いて、太陽電池の電圧と電流を測定して、太陽電池の電力を計算する。もし過去の電力と現在の電力に変化がないならば、太陽電池の電圧指令値をそのまま維持することになる。
【0018】
この時、過去の電力と現在の電力に変化があるならば、過去の電力に比べて現在の電力が増加したか、あるいは減少したかを判別し、また、この時の太陽電池の電圧が過去の太陽電池の電圧に比べて増加したか、あるいは減少したかを判別する。もし電力が増加して電圧が増加したとすれば、太陽電池の電圧指令値を一定量増加させる。
【0019】
または、電力は増加したが電圧が減少したとすれば、太陽電池の電圧指令値を一定量減少させる。また、電力が減少し電圧も減少したとすれば、太陽電池の電圧指令値を一定量増加させ、電力が減少して電圧は増加したとすれば、太陽電池の電圧指令値を一定量減少させる。このように決まった太陽電池の電圧指令値に応じて系統連係型インバータが動作して最大電力点を追従するようになる。
【0020】
図1に示した最大電力点追従方法の場合、日射量が一定である場合には最大電力点を追従するのに最も容易で効果的な方法である。しかし、実際には日射量は気候により変化し続け、特定の条件では最大電力点を追従できなかったり、その時間が長くかかったりするようになる。特に、天気の変化が深刻な日の場合、日射量が低い状態から高くなる場合、太陽電池の電圧指令値を一定量減少させた場合、太陽電池の現在の電圧は過去の電圧に比べて減少するが日射量は増加する。このため、太陽電池の電力はかえって増加するようになり、実際に太陽電池の電圧指令値を増加させなければならない。しかしながら、太陽電池の電圧指令値をかえって減少させるようになり、また、日射量が増加しながら太陽電池の電力は増加するようになる。そのため、引き続き太陽電池の電圧指令値を減少させるようになり、最大電力点は実際の最大電力点とは反対に動くようになるという問題点を有する。もちろん、電圧指令値の最大及び最小値を設定して、これから外れる場合、最大電力点追従制御をリセットさせることができるが、この場合、最大電力点追従に起伏が発生するようになる。
【0021】
図3は、本発明で提案した改善された最大電力点追従方法を図示する。
【0022】
図示した最大電力点追従方法は、現測定時点(k)及びその直前の測定時点(k−1)における測定された(S100)電圧及び電力を利用して次の電圧指令値(Vr(k+1))を一時的に決めるステップ(S200)と、電圧指令値(Vr)の増加または減少の連続回数を確認するステップ(S300)と、電圧指令値(Vr)の増加または減少が所定回数以上連続したら、増加させるものと一時的に決定された次の電圧指令値(Vr(k+1))を減少させることを確定し、あるいは減少させるものと一時的に決定された次の電圧指令値(Vr(k+1))を増加させることを確定するステップ(S400)と、決定された次の電圧指令値に応じて太陽光発電モジュールの出力電圧を調整するステップ(S500)と、を含む。
【0023】
ステップS100及びステップS200は、図1のP&O方式の最大電力点追従の場合と同様である。但し、図3の場合、ステップS200では次の電圧指令値が一時的に決定されることに差異があるだけである。図示したステップS260乃至S290の中の一つのステップで次の時点の太陽電池の電圧指令値(Vr(k+1))が決まれば、ステップS300及びステップS400で電圧指令値(Vr(k+1))の増加/減少推移を把握する。
【0024】
即ち、ステップS300では、現在の時点(k)で次の時点(k+1)の間に電圧指令値が増加または減少するかを判別して、判別の結果、太陽電池の電圧指令値(Vr)が引き続き増加、あるいは減少したとすれば、太陽電池電圧指令値カウンター(Vr_cnt)を増加させる。一方、そうでない場合、太陽電池電圧指令値カウンター(Vr_cnt)を0に初期化する。
【0025】
具体的には、ステップS300は、太陽電池の過去の時点(k−1)の電圧指令値(Vr(k−1))と現在の時点(k)の電圧指令値(Vr(k))を比較するステップ(S310)と、現在の電圧指令値(Vr(k))と次の時点(k)の電圧指令値(Vr(k+1))を比較するステップ(S320、S330)と、現在の電圧指令値(Vr(k))が過去の電圧指令値(Vr(k−1))より大きく、次の電圧指令値(Vr(k+1))が現在の電圧指令値(Vr(k))より大きければ、電圧指令値カウンター(Vr_cnt)を増加させるステップ(S380)と、現在の電圧指令値(Vr(k))が過去の電圧指令値(Vr(k−1))より大きく、現在の電圧指令値(Vr(k))が次の電圧指令値(Vr(k+1))より大きければ、電圧指令値カウンター(Vr_cnt)を0にリセットするステップ(S370)と、過去の電圧指令値(Vr(k−1))が現在の電圧指令値(Vr(k))より大きく、現在の電圧指令値(Vr(k))が次の電圧指令値(Vr(k+1))より大きければ、電圧指令値カウンター(Vr_cnt)を増加させるステップ(S380)と、過去の電圧指令値(Vr(k−1))が現在の電圧指令値(Vr(k))より大きく、次の電圧指令値(Vr(k+1))が現在の電圧指令値(Vr(k))より大きければ、電圧指令値カウンター(Vr_cnt)を0にリセットするステップ(S370)と、を含んでもよい。
【0026】
次に、ステップS400では、太陽電池電圧指令値の増加または減少が所定基準回数(n)より連続すれば、ステップS200で一時的に決定された電圧指令値の増加または減少の方向を変えて、電圧指令値を確定する。
【0027】
具体的には、ステップS400は、電圧指令値カウンター(Vr_cnt)と所定基準回数(n)を比較するステップ(S410)と、電圧指令値カウンター(Vr_cnt)がより大きく、次の電圧指令値(Vr(k+1))が現在の電圧指令値(Vr(k))より大きければ、次の電圧指令値(Vr(k+1))を現在の電圧指令値(Vr(k))を減少させた値に確定するステップ(S440)と、電圧指令値カウンター(Vr_cnt)がより大きく、現在の電圧指令値(Vr(k))が次の電圧指令値(Vr(k+1))より大きければ、次の電圧指令値(Vr(k+1))を現在の電圧指令値(Vr(k))を増加させた値に確定するステップ(S430)と、所定基準回数(n)がより大きければ、一時的に決定された次の電圧指令値(Vr(k+1))を確定するステップと、を含んでもよい。
【0028】
ステップS440では、増加した値に一時的に決定された次の電圧指令値(Vr(k+1))を減少に転換させるために、一時的に決定された次の電圧指令値(Vr(k+1))に増減係数Cの2倍を差し引き、ステップS430では、減少した値に一時的に決定された電圧指令値を増加に転換させるために、一時的に決定された次の電圧指令値(Vr(k+1))に増減係数Cの2倍を足してもよい。
【0029】
図示したステップS500では、ステップS400で確定した次の電圧指令値(Vr(k+1))を戻して、太陽光発電システムのインバータ(あるいはコンバータ)は次の電圧指令値(Vr(k+1))で太陽光発電を制御する。
【0030】
図3は、本発明の一実施形態に係る最大電力点追従方法を、一般的なP&O最大電力点追従過程及び本発明で提案する過程を明確に区分して示すためのフローチャートである。図3に示した過程をそのまま実現すれば、同一ステップが数回繰り返し行われるが、実際には同一ステップは最初に1回だけ行われ、その後には先立って行われた結果に基づいて決まったステップを行う。具体的には、ステップS310における判断結果は、ステップS260ないしステップS290のうちいずれのステップを経由したかによって既に決定されたものであり、ステップS420ではステップS320またはステップS330で行われたものを再度行う。
【0031】
図4は、図3において重複した同じステップを繰り返しては行わない形態で表現したフローチャートである。また、図4では、現在の電圧と過去の電圧が同一範囲内にある場合、過去の電圧指令値を次の電圧指令値に確定するステップ(S1230、S1240、S1299)をさらに含む点においても差異がある。
【0032】
図5は、正常な状況における最大電力点追従経路9、異常な状況における最大電力点追従経路10、及び本発明の一実施形態に係る最大電力点追従経路11を概略的に表現したものである。
【0033】
日射量が低い状態において最大電力点で動作している状況において、日射量が急激に増加することになれば、太陽電池の特性曲線が段々増加するようになるが、正常な場合(太陽電池の現在の電圧指令値が増加した場合)には、図示したとおり最大電力点を追従することになる(line9)。
【0034】
しかし、太陽電池の現在の電圧指令値(Vr(k))を減少させた状況で、日射量が急激に増加する場合、太陽電圧が減少したにもかかわらず電力が増加したため、図1のアルゴリズムにより、太陽電池の次の電圧指令値(Vr(k+1))を減少させるようになり、次回最大電力点追従過程でも電力は増加するため、引き続き太陽電池の電圧指令値は減少するようになり、実質的な最大電力点からますます遠ざかるようになる(line10)。P&O技法だけで見るならば、これは正常な動作であるが実際には誤った動作になり、最大電力点に到達するのに多くの時間がかかることになる。
【0035】
本発明の一実施形態に係る最大電力点追従の場合、line10のような異常な状況でも、一定方向に太陽電池の電圧指令値が続く場合、太陽電池の電圧指令値を反対方向に変えて(line 11)、実際の最大電力点に迅速に追従するようにする方式である。
【0036】
図6で示されたように、本発明に係る太陽電池システムは、太陽電池パネル10、測定部20、DC−DCコンバータ30、及びPWM制御器44とD/Aコンバータ43及びマイコン41で構成された制御部40を含み、太陽電池パネル10の最大電力点を追跡し、DC−DCコンバータ30により整流した後、負荷(図示されず)に認可するものである。
【0037】
負荷は、人工衛星の充電バッテリー、電熱システム、電気モーター、市販のACシステム等、または、これらの負荷の結合体であってもよい。
【0038】
太陽電池パネル10は、アモルファスシリコン、微結晶シリコン、結晶シリコン、単結晶シリコン等の半導体、化合物半導体等を含む太陽電池で構成してもよい。一般に、複数の太陽電池を直列/並列状で組み合わせて、設定電圧及び電流を得られるようにアレイまたはストリング状に配列する。
【0039】
測定部20は、太陽電池パネル10の電圧と電流を測定するもので、電圧測定器21と電流測定器22で構成される。ここで、電圧測定器21は、二つの抵抗を用いた電圧分配器で構成され、電流測定器22は、低い抵抗値を有する測定抵抗と演算増幅器、接合型トランジスター(Bipolar Junction Transister、BJT)で構成してもよい。
【0040】
仮に、太陽電池パネル10で供給される最大電圧が約24.5Vの場合、電圧測定器21の出力は、5V以内に制限することが好ましいため、電圧測定器21の抵抗R1とR2は、抵抗値比を1:4で構成する。
【0041】
電圧測定器21と電流測定器22の出力は、A/Dコンバータ42のアナログ入力ピン(AIN.D、AIN.C)に連結される。A/Dコンバータ42は、マイコン41の制御を受けて、アナログ入力をデジタルに変換し、1−Wireインターフェースを有する。
【0042】
DC−DCコンバータ30は、太陽電池パネル10の直流電源を電力変換し負荷に供給するもので、磁気消去型スイッチ装置で構成され、DC−DCコンバータ30の電力の流れ、入出力電圧、出力周波数は、ゲートパルスの時間比またはオン/オフ速度調整で制御することができる。DC−DCコンバータ30は、種々の形態があるが、人工衛星のバッテリー充電電圧と太陽電池パネルの最大電力点電圧を考慮した場合、降圧型のバックトポロジー(Buck Topology)を適用することが好ましい。
【0043】
一般的なDC−DCコンバータは、一定範囲の入力電力を固定された出力電力に変換することを目的としているが、本発明におけるDC−DCコンバータ30は、太陽電池と連結された入力電力を制御することを目的としている。DC−DCコンバータ30は、パルス幅変調信号の時間比が増加すれば、短絡時間が増加し出力電流が増加して、時間比が減少すれば、短絡時間が減少し出力電流が減少する。P=VIであるため、出力電流が増加すれば電圧が低くなり、出力電流が減少すれば電圧が増加する。
【0044】
従って、太陽電池パネル10の出力電圧が、最大電力点電圧より高ければ、マイコン41はパルス幅変調信号のデューティー比を増加させる。そのため、DC−DCコンバータ30における短絡時間が増加する。従って、太陽電池パネル10から負荷に提供される出力電流が増加し、太陽電池パネル10の出力電圧は低くなる。太陽電池パネル10の出力電圧が、最大電力点電圧より低ければ、マイコン41はパルス幅変調信号のデューティー比を減少させる。そのため、DC−DCコンバータ30における短絡時間が減少し、太陽電池パネル10から負荷に提供される出力電流が減少する。従って、太陽電池パネル10の出力電圧は高くなる。
【0045】
制御部40は、太陽電池パネル10から発電する電力に対する最大電力点追従方法を行うために、現在の時点及び過去の時点で測定された電圧及び電力を利用して、次の電圧指令値を一時的に決定し、電圧指令値の増加または減少が、所定回数以上連続した場合、増加させるものと一時的に決定された後、電圧指令値を減少させることを確定し、あるいは、減少させるものと一時的に決定された次の電圧指令値を増加させることを確定し、決定された次の電圧指令値に応じて太陽電池の出力電圧を調整する。
【0046】
本発明の技術思想について、好ましい実施形態により具体的に記述したが、上記実施形態はその説明のためのものであり、これには限定されないということに注意されたい。また、本発明の技術分野における当業者なら本発明の技術思想の範囲で多様な実施形態が可能であることが理解出来るだろう。
【符号の説明】
【0047】
10 太陽電池パネル
20 測定部
21 電圧測定器
22 電流測定器
30 DC−DCコンバータ
40 制御部
41 マイコン
42 A/Dコンバータ
43 D/Aコンバータ
44 PWM制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在の時点及び過去の時点で測定された電圧及び電力を利用して次の電圧指令値を一時的に決めるステップと、
電圧指令値の増加または減少が所定回数以上連続した場合、増加させるものと一時的に決定された前記次の電圧指令値を減少させることを決定し、あるいは、減少させるものと一時的に決定された前記次の電圧指令値を増加させることを決定するステップと、
前記の決定された次の電圧指令値に応じて太陽電池の出力電圧を調整するステップと、
を含むことを特徴とする最大電力点追従方法。
【請求項2】
前記電圧指令値を一時的に決めるステップの後に、前記電圧指令値の増加または減少の連続回数を確認するステップをさらに含む、請求項1に記載の最大電力点追従方法。
【請求項3】
前記電圧指令値の増加または減少の連続回数を確認するステップは、
過去の電圧指令値と現在の電圧指令値を比較するステップと、
前記現在の電圧指令値と前記次の電圧指令値を比較するステップと、
前記現在の電圧指令値が前記過去の電圧指令値より大きく、前記次の電圧指令値が前記現在の電圧指令値より大きければ、電圧指令値カウンターを増加させるステップと、
前記現在の電圧指令値が前記過去の電圧指令値より大きく、前記現在の電圧指令値が前記次の電圧指令値より大きければ、前記電圧指令値カウンターをリセットするステップと、
前記過去の電圧指令値が前記現在の電圧指令値より大きく、前記現在の電圧指令値が前記次の電圧指令値より大きければ、前記電圧指令値カウンターを増加させるステップと、
前記過去の電圧指令値が前記現在の電圧指令値より大きく、前記次の電圧指令値が前記現在の電圧指令値より大きければ、前記電圧指令値カウンターをリセットするステップと、を含む、請求項2に記載の最大電力点追従方法。
【請求項4】
前記電圧指令値を確定するステップは、
前記電圧指令値カウンターと所定基準回数とを比較するステップと、
前記電圧指令値カウンターが前記所定基準回数より大きく、前記次の電圧指令値が前記現在の電圧指令値より大きければ、前記次の電圧指令値を現在の電圧指令値を減少させた値に確定するステップと、
前記電圧指令値カウンターが前記所定基準回数より大きく、前記現在の電圧指令値が前記次の電圧指令値より大きければ、前記次の電圧指令値を前記現在の電圧指令値を増加させた値に確定するステップと、
前記所定基準回数がより大きければ、前記一時的に決定された次の電圧指令値を確定するステップと、を含む、請求項1に記載の最大電力点追従方法。
【請求項5】
前記電圧指令値を一時的に決めるステップは、
現在の電力と過去の電力とを比較するステップと、
現在の電圧と過去の電圧とを比較するステップと、
前記現在の電力が前記過去の電力より大きく、前記現在の電圧が前記過去の電力より大きければ、前記過去の電圧指令値を増加させて次の電圧指令値を一時的に決めるステップと、
前記現在の電力が前記過去の電力より大きく、前記過去の電圧が前記現在の電圧より大きければ、前記過去の電圧指令値を減少させて次の電圧指令値を一時的に決めるステップと、
前記過去の電力が前記現在の電力より大きく、前記現在の電圧が前記過去の電圧より大きければ、前記過去の電圧指令値を減少させて次の電圧指令値を一時的に決めるステップと、
前記過去の電力が前記現在の電力より大きく、前記過去の電圧が前記現在の電圧より大きければ、前記過去の電圧指令値を増加させて次の電圧指令値を一時的に決めるステップと、を含む、請求項1に記載の最大電力点追従方法。
【請求項6】
前記現在の電力及び前記過去の電力が同一範囲内にあるならば、前記過去の電圧指令値を前記次の電圧指令値に確定するステップをさらに含む、請求項5に記載の最大電力点追従方法。
【請求項7】
前記現在の電圧及び前記過去の電圧が同一範囲内にあるならば、前記過去の電圧指令値を前記次の電圧指令値に確定するステップをさらに含む、請求項5に記載の最大電力点追従方法。
【請求項8】
太陽電池パネルと、
前記太陽電池パネルで発電する電力の電気的特性を測定する測定部と、
前記太陽電池パネルで発電した電力をDC−DC変換するDC−DCコンバータと、
前記太陽電池パネルで発電する電力に対する最大電力点追従方法を行うために、現在の時点及び過去の時点における測定された電圧及び電力を利用して次の電圧指令値を一時的に決めて、電圧指令値の増加または減少が所定回数以上連続した場合に、増加させるものと一時的に決定された次の電圧指令値を減少させることを確定し、あるいは、減少させるものと一時的に決定された前記次の電圧指令値を増加させることを確定し、前記決定された次の電圧指令値に応じて太陽電池の出力電圧を調整する制御部と、
を含むことを特徴とする太陽発電システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−517581(P2013−517581A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−549926(P2012−549926)
【出願日】平成23年1月18日(2011.1.18)
【国際出願番号】PCT/KR2011/000356
【国際公開番号】WO2011/087342
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(593121379)エルエス産電株式会社 (221)
【氏名又は名称原語表記】LSIS CO., LTD
【Fターム(参考)】