説明

有効なセンサ対組織接触を持つ組織特性化プローブ

【課題】組織特性化センサと組織との間の空気、液体、および異物を含まない有効な接触を確実にするための装置および方法が必要である。
【解決手段】構造体と、物質を実質的に不動化するように物質を構造体に固定するために、第1の力を物質に加えるように構成された、構造体に随伴する第1機構と、不動化された物質の外面に対してセンサを押圧し、それによって不動化された物質に第2の力を加えるように構成された、構造物に随伴する第2機構とを備え、第1の力の少なくとも1成分が第2の力の少なくとも1成分に対して逆向きであり、不動化された物質をセンサに押し付け、かつセンサを不動化された物質に押し付けて、センサと不動化された物質との間に有効な接触をもたらすようにした物質特性化のための装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は局所的組織特性化に関し、さらに詳しくは、有効なセンサ対組織接触を持つ組織特性化プローブに関する。該プローブはさらに、三次元情報を提供するように適応される。
【背景技術】
【0002】
多数の技術およびセンサが今日、例えば癌または前癌組織などの異常組織の存在を決定する組織特性化のために利用可能である。これらは、身体管腔内に挿入するように、または低侵襲手術で使用するように適応された、手持ち式プローブまたは小型プローブに組み込むことができる。異なる組織特性化センサの動作原理は異なるが、センサと組織との間の有効な接触は、信頼できる結果のためにしばしば必要不可欠である。例えば、超音波センサと組織との間に気泡が存在すると、超音波測定が妨害される。同様に、液層は光学分光センサと干渉し得る。
【0003】
医療機器を組織に係合するために吸引を使用することは公知である。例えば、開示内容を参照によって本書に援用する、「A Method and Apparatus for Temporarily Immobilizing a Local Area of Tissue」と称するBorstの米国特許第5927284号は、心臓組織の局所的領域を一時的に不動化して、拍動する心臓のポンプ機能の著しい低下が無く、その領域の冠血管の外科処置を可能にすることを記載している。心臓組織の局所的領域は、心臓のその領域の低侵襲手術または顕微手術を可能にするのに充分な程度に不動化される。不動化を達成するために、吸引装置が使用される。吸引装置は負圧源に結合される。吸引装置は1表面に一連の吸引ポートを有する。該装置を介する吸引は、ポートにおける吸引を維持させる。該装置は、心臓の表面と一致するように形作られる。したがって、装置が心臓の表面に配置され、吸引が行なわれると、ポートを介しての吸引は心臓の表面を係合させる。吸引装置はさらに、手術台または胸骨もしくは肋骨リトラクタなどの静止物体に固定または不動化される。こうして、吸引が維持される間、吸引装置付近の心臓の局所的領域は一時的に、静止物体に対して固定または不動化される。このやり方で、たとえ心臓自体が依然として拍動していても、バイパス移植を実施することができるように冠動脈を不動化することができる。加えて、吸引装置は従来の開胸環境または低侵襲内視鏡環境のどちらでも使用することができる。
【0004】
開示内容を参照によって本書に援用する、「Surgical Devices for Imposing a Negative Pressure to Fix the Position of Cardiac Tissue During Surgery」と称するBenettiらの米国特許第5727569号もまた、外科的処置をより容易に実施することができるように、拍動する心臓の表面の一部分の位置を固定するために、外科用器具を介して加えられる負(吸引)圧または真空を使用する装置および技術を教示している。外科用器具を介して掛けられる吸引によって心臓の一部分が適位置に固定されるように、装置は心臓の外面の幾つかの箇所に負圧を加える。各装置は組織の位置を固定するので、かつ器具は手術が実施される心臓の特定の部分から一定距離に維持されるので、他の外科用器具または装置をその部位で有利に使用することができるように、装置は支持体またはプラットフォームとして役立つこともできる。特定の好適な実施形態では、記載した装置は、追加の外科用器具の使用を容易化するように構造化されるので、負圧装置を配置することにより、外科医が手術中に他の器具を有利に操作することが可能になる。負圧は、心臓組織と接触する器具の略平面状表面に配置することができる複数のポートを介して加えることが好ましい。
【0005】
さらに、開示内容を参照によって本書に援用する、「Diagnostic Catheter Using a Vacuum for Tissue Positioning」と称するWendlandtの米国特許第6728565号は、センサを組織表面に取り付けるために、真空源を随伴する診断用カテーテルを使用することを記載している。該方法は、センサ付きカテーテルの遠端を患者の体内に挿入し、カテーテルを介して吸引を施し、組織をセンサの予め定められた検知位置内に引き込み、かつセンサにより組織を解析することを含む。単数または複数のセンサと解析対象組織との間の接触を維持するのに必要な量の力だけを使用するように、真空度を調整することができる。
【0006】
開示内容を参照によって本書に援用する、「Vacuum Actuated Surgical Retractor and Method」と称するClarkの米国特許第6090041号は、吸引を使用して身体組織または器官をリトラクトするための外科用リトラクタを記載している。該外科用リトラクタは身体組織とシール係合するように適応された端部片を含み、該端部片は少なくとも1つの吸引ポートを有し、該少なくとも1つの吸引ポートは少なくとも1つの真空管路に作動可能に連結される。少なくとも1つの吸引ポートに供給される吸引は、真空制御ユニットによって制御することができる。リトラクタは、意図する用途またはリトラクトされる組織に応じて、様々な形状およびサイズを提供することができる。真空作動リトラクタを作製する方法が、身体組織を自動的にリトラクトするための方法と共に開示されている。
【0007】
Ranucciらの米国特許第6695782は、装置本体に結合することのできる横長のプローブを備えた超音波組織切除装置であって、超音波エネルギー源および音導体を含む装置、ならびに血管における血管閉塞を除去するための該装置およびプローブの使用方法を教示している。結合アセンブリは、細長いプローブをカテーテルガイドワイヤなどの小断面管腔と一体化させることを可能にする。閉塞の破壊および除去を増強するために、プローブは音響および/または吸引シースを共に使用することができる。導音ホーンを含む装置のホーンアセンブリは、プローブ用のエネルギー調整器として機能し、血管内でのその屈曲または制動によってプローブキャビテーションエネルギーの損失を防ぐ。
【0008】
開示内容を参照によって本書に援用する、「Vacuum Dome with Supporting Rim and Rim Cushion」と称するKhouriの米国特許第6500112号は、例えば乳房の手術後に軟組織を拡張するため、または奇形を矯正するために、組織の伸張に真空を使用することを記載している。それは、リムを患者の皮膚表面で支持するためにリムクッションをドームのリムの下に置き、圧力差に耐えることができる略剛性ドームを利用する。リムは、付随する力をより大きい表面に分散して組織の損傷を防止するために、ドームより一般的に幅が広いことがある。粘着性ソールがリムクッションの下にあり、リムクッションを患者の皮膚にシールし、それによってドーム内の真空を保持する。粘着性ソールは任意の接着剤であってよく、リムクッション自体に適切な材料を使用することにより達成され得る。本書に記載する他の参考文献とは異なり、米国特許第6500112号では、真空は、別の器具を取り付けるための手段としてではなく、むしろ、その治療効果のために、すなわち組織を伸張して、軟組織を拡張するため、または奇形を矯正するために使用される。
【0009】
上述した装置は全て組織との係合に関係しているが、それらは、信頼できる結果のためにしばしば必要不可欠である、センサと組織自体との間の有効な接触を提供するものではない。例えば超音波ツールと組織との間に気泡が存在すると、超音波測定を妨害する。同様に、液層は光学分光法を妨害することがある。したがって、組織特性化センサと組織との間の空気、液体、および異物を含まない有効な接触を確実にするための装置および方法が必要である。
【発明の概要】
【0010】
有効なセンサ対物質接触のために設計された、物質特性化のための装置を提供する。該装置は、少なくとも1つのセンサが配設された剛性表面を有する要素と、軟質の物質を剛性表面に対して伸張させ、または伸張させて押圧し、こうして物質と少なくとも1つのセンサとの間の有効な接触を達成するために、力線が剛性表面に対して鋭角を成す力を軟質の柔軟な物質に加えさせる機構とを含む。その結果、検知の精度が改善される。別の実施形態では、例えば小規模コンピュータ断層撮影によって物質に関する三次元情報を提供するために、湾曲した要素に沿って配設された複数のセンサが使用される。代替的に、装置は構造体と、物質を実質的に不動化するように物質を構造体に固定するために、物質に第1の力を加えるように構成された第1機構と、不動化された物質の外面に少なくとも1つのセンサを押圧し、それによって不動化された物質に第2の力を加えるように構成された第2機構とを備え、第1の力の少なくとも1成分が第2の力の少なくとも1成分に対して逆向きであり、不動化された物質を少なくとも1つのセンサに対して押し付け、かつ少なくとも1つのセンサを不動化された物質に対して押し付け、少なくとも1つのセンサと不動化された物質との間に有効な接触をもたらす。物質は、エキソビボもしくはインサイチュの組織、または生検標本であってよい。代替的に、それは、ヒドロゲルまたはエラストマなどの別の軟質の柔軟な物質であってよい。
【0011】
本発明の態様では、
物質と接触するように構成された直線状断面の剛性表面を画定する要素と、
剛性表面と物理的に接触する少なくとも1つのセンサと、
物質を剛性表面に対して伸張させ、こうして物質と剛性表面との間の有効な接触を達成するために、力線が剛性表面に対して鋭角を成す力を物質に加えるように適応された機構と
を備えた装置を提供する。
【0012】
加えて、伸張させることは、伸張させて押圧することをさらに含む。
【0013】
加えて、鋭角は30度から60度の間である。
【0014】
加えて、有効な接触が少なくとも95%の接触レベルである。
【0015】
加えて、有効な接触が少なくとも99%の接触レベルである。
【0016】
加えて、有効な接触が少なくとも99.5%の接触レベルである。
【0017】
加えて、有効な接触が少なくとも99.8%の接触レベルである。
【0018】
加えて、少なくとも1つのセンサの各々が波長λの放射センサであり、物質の最も外側の表面と少なくとも1つのセンサの各々との間の平均距離t1は、t1<λ/3となるようにする。
【0019】
加えて、少なくとも1つのセンサの各々が波長λの放射センサであり、物質の最も外側の表面と少なくとも1つのセンサの各々との間の平均距離t1は、t1<λ/10となるようにする。
【0020】
加えて、少なくとも1つのセンサの各々が波長λの放射センサであり、物質の最も外側の表面と少なくとも1つのセンサの各々との間の平均距離t1は、t1<λ/100となるようにする。
【0021】
代替的に、物質の最も外側の表面と少なくとも1つのセンサの各々との間の平均距離t1は、500オングストローム未満である。
【0022】
加えて、物質の最も外側の表面と少なくとも1つのセンサの各々との間の平均距離t1は、50オングストローム未満である。
【0023】
加えて、物質の最も外側の表面と少なくとも1つのセンサの各々との間の平均距離t1は、5オングストローム未満である。
【0024】
加えて、少なくとも1つのセンサは、光学センサ、X線センサ、RFセンサ、MWセンサ、赤外線サーモグラフィセンサ、および超音波センサから成る群から選択された放射センサである。
【0025】
代替的に、少なくとも1つのセンサは、MRセンサ、インピーダンスセンサ、温度センサ、バイオセンサ、化学センサ、放射線放出センサ、無放射RFセンサ、および機械的センサから成る群から選択される。
【0026】
加えて、装置は複数のセンサを備える。
【0027】
加えて、少なくとも1つのセンサは少なくとも2つの異なるタイプのセンサを含む。
【0028】
加えて、少なくとも1つのセンサは、光学センサ、X線センサ、RFセンサ、MWセンサ、赤外線サーモグラフィセンサ、超音波センサ、MRセンサ、インピーダンスセンサ、温度センサ、バイオセンサ、化学センサ、放射線放出センサ、機械的センサ、および無放射RFセンサから成る群から選択された少なくとも2つの異なるタイプのセンサを含む。
【0029】
加えて、要素は三次元情報を得るために湾曲を画定し、さらに、複数のセンサは湾曲に沿って配設された少なくとも2つのセンサを含み、各々が視野角を画定し、少なくとも2つのセンサは三次元情報を得るためにそれらの視野角の一部分を共有する。
【0030】
加えて、複数のセンサは、少なくとも2対のセンサとして配設された少なくとも4つのセンサを含み、各対が略同一センサであり、少なくとも2つのモダリティによって三次元情報を提供するために、各対が異なるタイプのセンサを表わす。
【0031】
加えて、三次元情報は小規模コンピュータ断層撮影を含む。
【0032】
加えて、機構は吸引である。
【0033】
代替的に、機構はピンセット状である。
【0034】
代替的に、機構は物質に物理的圧力を加える。
【0035】
本発明の別の態様では、
物質に対して近端を画定する筐体と、
筐体内に配置された物質特性化のための装置であって、
プローブの近端にあって、物質と接触するように構成された直線状断面の剛性表面を画定する要素と、
剛性表面と物理的に接触する少なくとも1つのセンサと、
物質を剛性表面に対して伸張させ、こうして物質と剛性表面との間の有効な接触を達成するために、力線が剛性表面に対して鋭角を成す力を物質に加えるように適応された機構と
を含む装置と、
筐体内に配置され、信号解析器と少なくとも1つのセンサとの間の通信を提供するように構成された信号通信アーキテクチャと
を備えた物質特性化プローブを提供する。
【0036】
加えて、吸引を提供するポンプが筐体内に配設される。
【0037】
加えて、吸引は、筐体内に配設されかつ外部真空源と連通するチャネルによって提供される。
【0038】
加えて、チャネルはさらに物質流体を排出するように働く。
【0039】
加えて、プローブはさらに少なくとも1つの制御スイッチを含む。
【0040】
加えて、プローブはさらに少なくとも1つのインジケータを含む。
【0041】
加えて、プローブは、
皮膚の一部分を特性化するために体外で適用すること、
内腔壁の一部分を特性化するために身体開口部を介して身体管腔に体内挿入すること、
皮下組織の一部分を特性化するために身体開口部を介して身体管腔に体内挿入し、身体管腔を穿通すること、
内腔壁の一部分を特性化するために身体管腔に経皮挿入すること、
皮下組織の一部分を特性化するために身体管腔に経皮挿入し、次いで身体管腔を穿通すること、
皮下組織の一部分を特性化するため、低侵襲処置のために体内挿入すること、
切開手術中に皮下組織の一部分に適用すること、
エキソビボ組織の一部分に適用すること、
生検標本に適用すること、および
非生体起源の物質に適用すること
から成る群から選択された用途向けに構成される。
【0042】
本発明のさらに別の態様では、
物質に対する近端を画定する筐体と、
筐体内に配置された物質特性化のための装置であって、
筐体の近端にあって、物質と接触するように構成された直線状断面の剛性表面を画定する要素と、
剛性表面と物理的に接触する少なくとも1つのセンサと、
物質を剛性表面に対して伸張させ、こうして物質と剛性表面との間の有効な接触を達成するために、力線が剛性表面に対して鋭角を成す力を物質に加えるための機構と
を含む装置と、
筐体内に配置され、信号解析器と少なくとも1つのセンサとの間の通信を提供するために構成された信号通信アーキテクチャと
を含むプローブと、
信号解析器と
を備えた物質特性化システムを提供する。
【0043】
加えて、システムは信号発生器を含む。
【0044】
加えて、システムは制御および処理ユニットを含む。
【0045】
本発明のさらに別の態様では、
物質と接触するように構成された、直線状断面の剛性表面を画定する要素と、
剛性表面と物理的に接触する少なくとも1つのセンサと、
物質を剛性表面に対して伸張させ、こうして物質と剛性表面との間の有効な接触を達成するために、力線が剛性表面に対して鋭角を成す力を物質に加えるように適応された機構と
を備えた物質特性化装置を提供するステップと、
物質を剛性表面に対して伸張させ、こうして物質と剛性表面との間の有効な接触を達成するために、力線が剛性表面に対して鋭角を成す力を物質に加えるステップと、
少なくとも1つのセンサにより物質を特性化するステップと
を含む物質特性化方法を提供する。
【0046】
加えて、物質は組織の一部分である。
【0047】
加えて、組織の一部分は、皮膚の一部分、内腔壁の一部分、および皮下組織の一部分から選択される。
【0048】
加えて、物質はインサイチュでの組織の一部分である。
【0049】
代替的に、物質はエキソビボでの組織の一部分である。
【0050】
代替的に、物質は生検標本である。
【0051】
代替的に、物質はゲル、ヒドロゲル、およびエラストマから成る群から選択される。
【0052】
本発明のさらに別の態様では、
8cm未満の有効直径を有し、第1方向に湾曲を持つ表面を画定する要素と、
湾曲に沿って配設され、各々が物質の体積への視野角を画定し、体積の三次元情報を得るためにそれらの視野角の一部分を共有する少なくとも2つのセンサと
を備えた装置を提供する。
【0053】
加えて、湾曲を持つ表面が約6cm未満の直径を有する。
【0054】
加えて、湾曲を持つ表面が約4cm未満の直径を有する。
【0055】
加えて、湾曲を持つ表面が約2cm未満の直径を有する。
【0056】
加えて、湾曲を持つ表面が約1cm未満の相当直径を有する。
【0057】
加えて、湾曲を持つ表面が約0.8cm未満の相当直径を有する。
【0058】
本発明のさらに別の態様では、
物質に対する近端を画定する筐体と、
筐体内に配置された物質特性化のための装置であって、
第1方向に湾曲を持つ表面を画定し、8cm未満の有効直径を有する要素と、
湾曲に沿って配設され、各々が物質の体積への視野角を画定し、体積の三次元情報を得るためにそれらの視野角の一部分を共有する少なくとも2つのセンサと
を含む装置と、
筐体内に配置され、信号解析器と少なくとも2つのセンサとの間の通信を提供するように構成された信号通信アーキテクチャと
を備えた物質特性化プローブを提供する。
【0059】
本発明のさらに別の態様では、
物質に対する近端を画定する筐体と、
筐体内に配置された、物質特性化のための装置であって、
第1方向に湾曲を持つ表面を画定し、8cm未満の有効直径を有する要素と、
湾曲に沿って配設され、各々が物質の体積への視野角を画定し、体積の三次元情報を得るためにそれらの視野角の一部分を共有する少なくとも2つのセンサと
を含む装置と、
筐体内に配置され、信号解析器と少なくとも2つのセンサのうちの少なくとも1つとの間の通信を提供するように構成された信号通信アーキテクチャと
を含むプローブと、
信号解析器と
を備えた物質特性化システムを提供する。
【0060】
本発明のさらに別の態様では、
第1方向に湾曲を持つ表面を画定し、8cm未満の直径を有する要素を提供するステップと、
各々が物質の体積測定領域への視野角を画定し、それらの視野角の一部分を共有する少なくとも2つのセンサを湾曲上に配設するステップと、
少なくとも2つのセンサにより測定を実施するステップと、
測定値を解析して物質の体積測定領域の三次元情報を得るステップと
を含む、物質の体積測定領域の三次元情報を得るための物質特性化方法を提供する。
【0061】
本発明のさらに別の態様では、
第1方向に湾曲を持つ表面を画定し、8cm未満の直径を有する要素を提供するステップと、
各センサが物質の体積測定領域への視野角を画定し、各対が略同一のセンサであり、少なくとも2つのモダリティによって三次元情報を提供するために各対が異なるタイプのセンサを表わす、少なくとも2対のセンサを湾曲に沿って配設するステップと、
少なくとも2対のセンサにより測定を実施するステップと、
測定値を解析して、少なくとも2つのモダリティによって物質の体積測定領域の三次元情報を得るステップと
を含む、物質の体積測定領域の三次元情報を得るための物質特性化方法を提供する。
【0062】
本発明のさらに別の態様では、
円錐台として構成された剛性表面から形成され、直径を画定する第1断面形状を有し、かつ軸線を画定する第2断面形状を有する構造物と、
物質を実質的に不動化するように物質を構造物に固定するために、軸線に沿って1方向に、剛性表面に対して鋭角αで力を物質に加えるように構成された、構造物に随伴する第1機構と、
不動化された物質の外面に対して少なくとも1つのピストンセンサを押圧し、それによって不動化された物質に反力を加えるように構成された、構造物に随伴する第2機構と
を備え、
力の少なくとも1成分が反力の少なくとも1成分に対して逆向きであり、不動化された物質を少なくとも1つのピストンセンサに押し付け、かつ少なくとも1つのピストンセンサを不動化された物質に押し付けて、少なくとも1つのピストンセンサと不動化された物質との間に有効な接触をもたらすようにした
物質特性化のための装置を提供する。
【0063】
加えて、ピストンセンサは、光学センサ、X線センサ、RFセンサ、MWセンサ、赤外線サーモグラフィセンサ、超音波センサ、MRセンサ、インピーダンスセンサ、温度センサ、バイオセンサ、化学センサ、放射線放出センサ、無放射RFセンサ、および機械的センサから成る群から選択される。
【0064】
加えて、少なくとも1つのピストンセンサは、同一タイプの少なくとも2つのピストンセンサを含む。
【0065】
加えて、少なくとも1つのピストンセンサは、異なるタイプの少なくとも2つのピストンセンサを含む。
【0066】
加えて、装置は、直線状断面の剛性表面に配設された少なくとも1つの他のセンサを含む。
【0067】
加えて、少なくとも1つの他のセンサは、光学センサ、X線センサ、RFセンサ、MWセンサ、赤外線サーモグラフィセンサ、超音波センサ、MRセンサ、インピーダンスセンサ、温度センサ、バイオセンサ、化学センサ、放射線放出センサ、無放射RFセンサ、および機械的センサから成る群から選択される。
【0068】
加えて、装置は、直線状断面の剛性表面に配設された少なくとも2つの他のセンサを含む。
【0069】
加えて、少なくとも2つの他のセンサが湾曲に沿って配設され、各々の他のセンサが視野角を画定し、少なくとも2つの他のセンサが、三次元情報を得るためにそれらの視野角の一部分を共有する。
【0070】
加えて、少なくとも1つの他のセンサは、少なくとも2対の他のセンサとして配設された少なくとも4つの他のセンサを含み、各対は略同一の他のセンサであり、各対は少なくとも2つのモダリティによって三次元情報を提供するために異なるタイプの他のセンサを表わす。
【0071】
加えて、第1機構は、物質を吸引によって固定しかつ実質的に不動化するための吸引源である。
【0072】
本発明のさらに別の態様では、
物質に対する近端を画定する筐体と、
筐体内に位置された物質特性化のための装置であって、
円錐台として構成された剛性表面から形成され、直径を画定する第1断面形状を有し、かつ軸線を画定する第2断面形状を有する構造物と、
物質を実質的に不動化するように物質を構造物に固定するために、軸線に沿って1方向に、剛性表面に対して鋭角αで力を物質に加えるように構成された、構造物に随伴する第1機構と、
不動化された物質の外面に対して少なくとも1つのピストンセンサを押圧し、それによって不動化された物質に反力を加えるように構成された、構造物に随伴する第2機構と
を含み、
力の少なくとも1成分が反力の少なくとも1成分に対して逆向きであり、不動化された物質を少なくとも1つのピストンセンサに押し付け、かつ少なくとも1つのピストンセンサを不動化された物質に押し付けて、少なくとも1つのピストンセンサと不動化された物質との間に有効な接触をもたらすようにした
装置と、
筐体内に配置され、信号解析器と少なくとも1つのピストンセンサとの間の通信を提供するように構成された信号通信アーキテクチャと
を備えた物質特性化プローブを提供する。
【0073】
本発明のさらに別の態様では、
物質に対する近端を画定する筐体と、
筐体内に配置された物質特性化のための装置であって、
円錐台として構成された剛性表面から形成され、直径を画定する第1断面形状を有し、かつ軸線を画定する第2断面形状を有する構造物と、
物質を実質的に不動化するように物質を構造物に固定するために、軸線に沿って1方向に、剛性表面に対して鋭角αで力を物質に加えるように構成された、構造物に随伴する第1機構と、
不動化された物質の外面に対して少なくとも1つのピストンセンサを押圧し、それによって不動化された物質に反力を加えるように構成された、構造物に随伴する第2機構と
を含み、
力の少なくとも1成分が反力の少なくとも1成分に対して逆向きであり、不動化された物質を少なくとも1つのピストンセンサに押し付け、かつピストンセンサを不動化された物質に押し付けて、少なくとも1つのピストンセンサと不動化された物質との間に有効な接触をもたらすようにした
装置と、
筐体内に配置され、信号解析器と少なくとも1つのピストンセンサとの間の通信を提供するように構成された信号通信アーキテクチャと
を含むプローブと、
信号解析器と
を備えた物質特性化システムを提供する。
【0074】
本発明のさらに別の態様では、
円錐台として構成された剛性表面から形成され、直径を画定する第1断面形状を有し、かつ軸線を画定する第2断面形状を有する構造物と、
物質を実質的に不動化するように物質を構造物に固定するために、軸線に沿って第2方向に、剛性表面に対して鋭角αで力を物質に加えるように構成された、構造物に随伴する第1機構と、
不動化された物質の外面に対して少なくとも1つのピストンセンサを押圧し、それによって不動化された物質に反力を加えるように構成された、構造物に随伴する第2機構と
を備え、
力の少なくとも1成分が反力の少なくとも1成分に対して逆向きであり、不動化された物質を少なくとも1つのピストンセンサに押し付け、かつピストンセンサを不動化された物質に押し付けて、少なくとも1つのピストンセンサと不動化された物質との間に有効な接触をもたらすようにした
物質特性化のための装置を提供するステップと、
物質を構造物に固定し、こうして物質を実質的に不動化するステップと、
少なくとも1つのピストンセンサを不動化された物質の外面に押圧し、それによって不動化された物質に反力を加えるステップであって、力の少なくとも1成分が反力の少なくとも1成分に対して逆向きであり、不動化された物質を少なくとも1つのピストンセンサに押し付け、かつ少なくとも1つのピストンセンサを不動化された物質に押し付け、こうして少なくとも1つのピストンセンサと不動化された物質との間に有効な接触をもたらすようにしたステップと、
少なくとも1つのピストンセンサにより物質を特性化するステップと
を含む、物質特性化のための方法を提供する。
【0075】
本発明のさらに別の態様では、
構造体と、
物質を実質的に不動化するように物質を構造体に固定するために、第1の力を物質に加えるように構成された、構造体に随伴する第1機構と、
不動化された物質の外面に対してセンサを押圧し、それによって不動化された物質に第2の力を加えるように構成された、構造物に随伴する第2機構と
を備え、
第1の力の少なくとも1成分が第2の力の少なくとも1成分に対して逆向きであり、不動化された物質をセンサに押し付け、かつセンサを不動化された物質に押し付けて、センサと不動化された物質との間に有効な接触をもたらすようにした
物質特性化のための装置を提供する。
【0076】
加えて、第1機構は物質を把持するための把持装置である。
【0077】
加えて、第2機構は、遠位方向および近位方向に摺動し、センサを近端に含むピストンである。
【0078】
加えて、ピストンはさらに、それが近位方向に摺動するときに横方向に振動して、物質に対して滑走掃引運動をもたらすように構成される。
【0079】
加えて、ピストンは、近位方向に予め定められた距離だけ摺動するように構成される。
【0080】
加えて、ピストンは、予め定められた力に達するまで近位方向に摺動するように構成される。
【0081】
加えて、装置はさらに、第2の力を調整するためにばねを含む。
【0082】
本発明のさらに別の態様では、
物質に対する近端を画定する筐体と、
筐体内に配置された物質特性化のための装置であって、
構造体と、
物質を実質的に不動化するように物質を構造体に固定するために、第1の力を物質に加えるように構成された、構造体に随伴する第1機構と、
不動化された物質の外面にセンサを押圧し、それによって不動化された物質に第2の力を加えるように構成された、構造体に随伴する第2機構と
を含み、
第1の力の少なくとも1成分が第2の力の少なくとも1成分に対して逆向きであり、不動化された物質をセンサに押し付け、かつセンサを不動化された物質に押し付け、こうしてセンサと不動化された物質との間に有効な接触をもたらすようにした
装置と、
筐体内に配置され、信号解析器とセンサとの間の通信を提供するように構成された信号通信アーキテクチャと
を備えた、物質特性化のためのプローブを提供する。
【0083】
本発明のさらに別の態様では、
物質に対する近端を画定する筐体と、
筐体内に配置された物質特性化のための装置であって、
構造体と、
物質を実質的に不動化するように物質を構造体に固定するために、第1の力を物質に加えるように構成された、構造体に随伴する第1機構と、
不動化された物質の外面に対してセンサを押圧し、それによって不動化された物質に第2の力を加えるように構成された、構造体に随伴する第2機構と
を含み、
第1の力の少なくとも1成分が第2の力の少なくとも1成分に対して逆向きであり、不動化された物質をセンサに押し付け、かつセンサを不動化された物質に押し付け、こうしてセンサと不動化された物質との間に有効な接触をもたらすようにした
装置と、
筐体内に配置され、信号解析器とセンサとの間の通信を提供するように構成された信号通信アーキテクチャと
を含むプローブと、
信号解析器と
を備えた、物質特性化のためのシステムを提供する。
【0084】
本発明のさらに別の態様では、
構造体と、
物質を実質的に不動化するように物質を構造体に固定するために、第1の力を物質に加えるように構成された、構造体に随伴する第1機構と、
不動化された物質の外面に対してセンサを押圧し、それによって不動化された物質に第2の力を加えるように構成された、構造体に随伴する第2機構と
を含む物質特性化のための装置であって、
第1の力の少なくとも1成分が第2の力の少なくとも1成分に対して逆向きであり、不動化された物質をセンサに押し付け、かつセンサを不動化された物質に押し付け、こうしてセンサと不動化された物質との間に有効な接触をもたらすようにした
装置を提供するステップと、
物質を構造体に固定し、こうして物質を実質的に不動化するステップと、
センサを不動化された物質の外面に対して押圧し、それによって不動化された物質に第2の力を加えるステップであって、第1の力の少なくとも1成分が第2の力の少なくとも1成分に対して逆向きであり、不動化された物質をセンサに押し付け、かつセンサを不動化された物質に押し付け、こうしてセンサと不動化された物質との間に有効な接触をもたらすようにしたステップと、
センサにより物質を特性化するステップと
を含む、物質特性化のための方法を提供する。
【0085】
本発明のさらに別の態様では、
物質を実質的に不動化するように物質を構造体に固定するために、物質に第1の力を加えるステップと、
センサを不動化された物質の外面に対して押圧し、それによって不動化された物質に第2の力を加えるステップであって、第1の力の少なくとも1成分が第2の力の少なくとも1成分に対して逆向きであり、不動化された物質をセンサに押し付け、かつセンサを不動化された物質に押し付け、こうしてセンサと不動化された物質との間に有効な接触をもたらすようにしたステップと、
センサにより物質を特性化するステップと
を含む、物質特性化のための方法を提供する。
【0086】
別途定義されない限り、本明細書中で使用されるすべての技術的用語および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書中に記載される方法および材料と類似または同等である方法および材料を本発明の実施または試験において使用することができるが、好適な方法および材料が下記に記載される。矛盾する場合には、定義を含めて、本特許明細書が優先する。加えて、材料、方法および実施例は例示にすぎず、限定であることは意図されない。
【図面の簡単な説明】
【0087】
本明細書では本発明を単に例示し図面を参照して説明する。特に詳細に図面を参照して、示されている詳細が例示として本発明の好ましい実施態様を例示考察することだけを目的としており、本発明の原理や概念の側面の最も有用でかつ容易に理解される説明であると考えられるものを提供するために提示していることを強調するものである。この点について、本発明を基本的に理解するのに必要である以上に詳細に本発明の構造の詳細は示さないが、図面について行う説明によって本発明のいくつもの形態を実施する方法は当業者には明らかになるであろう。
【図1A−G】図1A−Gは、本発明の一部の実施形態に係る、有効なセンサ対組織接触のための装置の縦断面図を概略的に示す。
【図1H】図1Hは、本発明の一部の実施形態に係る、有効なセンサ対組織接触のための装置の縦断面図を概略的に示す。
【図1I−N】図1Iは、本発明の一部の実施形態に係る、有効なセンサ対組織接触のための装置の縦断面図を概略的に示す。図1J〜Mは、本発明の理解による組織と装置との間の潜在的な接触不良の状態を、縦断面図または平面図で概略的に示す。図1Nは、本発明の実施形態に係る組織と装置との間の有効な接触を縦断面図で概略的に示す。
【図1O−V】図1O−Vは、本発明の一部の実施形態に係る装置の様々な横断面および縦断面を概略的に示す。
【図2A−B】図2A−Bは、本発明に従って構成された組織特性化のためのプローブを縦断面図および斜視図で概略的に示す。
【図2C】図2Cは、本発明に従って構成された組織特性化のためのプローブを縦断面図および斜視図で概略的に示す。
【図2D】図2Dは、本発明に従って構成された組織特性化のためのプローブを縦断面図および斜視図で概略的に示す。
【図2E】図2Eは、本発明に従って構成された組織特性化のためのプローブを縦断面図および斜視図で概略的に示す。
【図3】図3は、本発明の一部の実施形態に係る組織特性化のためのシステムを概略的に示す。
【図4A】図4Aは、本発明の一部の実施形態に従って構成された装置におけるセンサの第1配列を概略的に示す。
【図4B】図4Bは、本発明の一部の実施形態に従って構成された装置におけるセンサの第1配列を概略的に示す。
【図5】図5は、本発明の一部の実施形態に係る組織特性化の方法を示すフローチャートである。
【図6A】図6Aは、本発明のさらなる実施形態に係る、三次元情報を提供するための装置におけるセンサの配列を概略的に示す。
【図6B】図6Bは、本発明のさらなる実施形態に係る、三次元情報を提供するための装置におけるセンサの配列を概略的に示す。
【図6C】図6Cは、本発明のさらなる実施形態に係る、三次元情報を提供するための装置におけるセンサの配列を概略的に示す。
【図6D−F】図6D−Fは、本発明のさらなる実施形態に係る、三次元情報を提供するための装置におけるセンサの配列を概略的に示す。
【図6G−N】図6G−Nは、本発明のさらなる実施形態に係る、三次元情報を提供するための要素を概略的に示す。
【図6O】図6Oは、本発明の一部の実施形態に係る、小規模コンピュータ断層撮影による三次元の組織特性化の方法を示すフローチャートである。
【図7】図7Aは、本発明の実施形態に係る、有効なセンサ対組織接触を形成するための装置の側面断面図である。図7Bは、本発明に係る組織とセンサとの境界面における力を概略的に示す略図である。図7Cは、本発明の実施形態に係る有効なセンサ対組織接触を形成するための図7A−Bの装置の縦断面を概略的に示す。
【図8】図8A−Cは、本発明の実施形態に係る有効なセンサ対組織接触を形成するための装置の動作の3つのステップ中における、該装置の近端を概略的に示す。
【図9】図9A−Cは、本発明の実施形態に係る装置の第1機構の側面および側面断面図である。
【図10】図10A−Dは、本発明の別の実施形態に係る第1機構の側面および上面断面図である。
【図11】図11A−Bは、本発明の実施形態に係る装置の動作の2つのステップ中に有効なセンサ対組織接触を形成するための第2機構の側面断面図である。
【図12】図12A―Bは、本発明のさらなる実施形態に係る、有効なセンサ対組織接触を形成するための第2機構を示す、組織特性化のための装置の第2部分の側面断面図である。
【図13A−B】図13A−Bは、本発明の代替的実施形態に係る、ピストンの行程を制御するための手段を概略的に示す。
【図13C−D】図13C−Dは、本発明の代替的実施形態に係る、ピストンの行程を制御するための手段を概略的に示す。
【図14】図14A−Dは、本発明の一部の実施形態に係るセンサの近端の座標系および様々な形状を概略的に示す。
【図15】図15A−Dは、本発明の実施形態に係る組織特性化のための装置のプロトタイプを概略的に示す。
【図16】図16A−Dは、本発明の別の実施形態に係る組織特性化のための装置のプロトタイプを概略的に示す。
【図17A−B】図17A−Bは、本発明の装置に使用するためのセンサの様々な実施形態を概略的に示す。
【図17C−E】図17C−Eは、本発明の装置に使用するためのセンサの様々な実施形態を概略的に示す。
【図18】図18A−Cは、本発明の別の実施形態に係る有効な接触のための装置の動作の3つのステップ中の装置の別の構成を概略的に示す。
【図19】図19は、本発明の実施形態に係る組織特性化のためのシステムを概略的に示す。
【図20】図20A−Cは、本発明の別の実施形態に係る有効な接触のための装置の別の構成を概略的に示す。
【図21】図21A−Bは、本発明の実施形態に係る幾つかのタイプのセンサを持つ装置の構成を概略的に示す。
【図22】図22は、本発明の一部の実施形態に係る第1センサ構造物を概略的に示す。
【図23】図23は、本発明の一部の実施形態に係る第2センサ構造物を概略的に示す。
【図24】図24A−Bは、本発明の一部の実施形態に係る光学センサ構造物を概略的に示す。
【図25】図25A−25Dは、本発明の実施形態に係る内視鏡プローブ400を概略的に示す。
【図26A】図26Aは、本発明の実施形態に係るプローブを検査ステーションにおける体外プローブとして概略的に示す。
【図26B】図26Bは、本発明の実施形態に係るプローブを検査ステーションにおける体外プローブとして概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0088】
有効なセンサ対物質接触のために設計された物質特性化のための装置は、少なくとも1つのセンサが配設された剛性表面を有する要素と、軟質の物質を剛性表面に対して伸張させ、または伸張させて押し付け、こうして物質と少なくとも1つのセンサとの間の有効な接触を達成するために、力線が剛性表面に対して鋭角を成す力を軟質の柔軟な物質に加えさせるための機構とを含む。その結果、検知の精度が改善される。別の実施形態では、例えば小規模コンピュータ断層撮影によって物質に関する三次元情報を提供するために、湾曲した要素に沿って配設された複数のセンサが使用される。代替的に、装置は、構造体と、物質を実質的に不動化するように物質を構造体に固定するために、物質に第1の力を加えるように構成された第1機構と、少なくとも1つのセンサを不動化された物質の外面に対して押圧し、それによって第2の力を不動化された物質に加えるように構成された第2機構とを含み、第1の力の少なくとも1成分が第2の力の少なくとも1部分に対して逆向きであり、不動化された物質を少なくとも1つのセンサに押し当て、かつ少なくとも1つのセンサを不動化された物質に押し付けて、少なくとも1つのセンサと不動化された物質との間に有効な接触をもたらす。物質は、エキソビボもしくはインサイチュの組織、または生検標本であってよい。代替的に、それはヒドロゲルまたはエラストマなどの別の軟質の柔軟な物質であってよい。
【0089】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳しく説明する前に、本発明は、その適用において、下記の説明において示される構造物の細部および構成要素の配置、または、図面において例示される構造物の細部および構成要素の配置に限定されないことを理解しなければならない。本発明は他の実施形態が可能であり、または、様々な方法で実施および実行されることができる。また、本明細書中で用いられる表現法および用語法は記述のためであって、限定であると見なしてはならないことを理解しなければならない。
【0090】
本発明の一部の実施形態に係る組織特性化のための装置の原理および作用が、図面および付随する説明を参照してより十分に理解することができる。
【0091】
ここで、図面を参照すると、図1A〜Hは、本発明の一部の実施形態に係る、有効なセンサ対組織接触のための装置10の縦断面を概略的に示す。
【0092】
したがって、装置10はその近端29に、組織44と接触するように構成された要素20を含む。図1A〜1Eおよび1Gに示すように、要素20は底面26を有する円錐体として実質的に構成することができる。
【0093】
しかし、図1Fに示すように、他の形状を同様に使用することができる。これらの一部について、図1O〜1Vに関連して下述する。
【0094】
好ましくは、組織44は、一般的に圧力下で撓曲する筋肉、皮膚、脂肪、内部器官、内部境界面、および類似物などの軟質組織である。
【0095】
組織特性化はインサイチュの組織、エキソビボの組織、または生検標本に対して行なうことができることを理解されたい。
【0096】
本発明では、インサイチュの組織とは、所定の位置にある組織、すなわち身体に結合されている組織を指す。
【0097】
さらに、本発明では、エキソビボの組織とは、例えば手術中に取り除かれた組織を指す。
【0098】
さらに本発明では、生検標本とは、さらなる処置、例えば手術が必要であるかどうかを決定するために、取り除かれた組織の小部分を指す。
【0099】
そういうものとして、生検標本は、腫瘍が悪性であるかどうかを決定するために取り除かれる腫瘍の小部分に関係するかもしれず、エキソビボの組織は、例えば、悪性病変が体内に残らないように、悪性部分が全て健康な組織のきれいな辺縁によって包囲されているかどうかを評価するために、外科手術中に取り除かれて検査される、腫瘍全体に関係するかもしれない。
【0100】
それでもなお、それにもかかわらず、生検標本とエキソビボの組織との間の区別は微細であり、それらの間にある程度の重複が存在することを理解されたい。
【0101】
装置10は、ゲル、ヒドロゲル、またはエラストマなどの他の柔軟な材料に使用することができることを理解されたい。
【0102】
好ましくは、要素20は高さHのセクションを含み、該セクションは直線状断面を有し、剛性表面22を形成する。要素20と組織44との接触は、要素20の好ましくは直線状断面の剛性表面22に沿って行なわれる。
【0103】
加えて、装置10は、剛性表面22に関連する少なくとも1つのセンサ24を含む。複数のセンサ24を使用することができる。例えば図1Gの装置は単一のセンサ24を含むが、図1A〜Fの各々の装置は複数のセンサを含む。少なくとも1つのセンサ24は、剛性表面22に埋め込むか、または装着することができる。
【0104】
さらに、装置10は、組織44を剛性表面22に対して伸張させ、または伸張させて押し付け、こうして組織44と剛性表面22との間の有効な接触を達成するために、力線が剛性表面22に対して鋭角αを成す力Fを組織44に加えるように適応された機構19を含む。その結果、組織44と少なくとも1つのセンサ24との間の有効な接触が形成され、検知の精度が改善される。
【0105】
図1Bは、力Fと剛性表面22との間の角度関係を示す。直観的に、力Fが剛性表面22と平行または垂直であった場合、剛性表面22に対する組織44の所望の伸張は起きないことに気付かれるであろう。力線Fと剛性表面22との間の鋭角αは、本発明の実施のために必要不可欠である。好ましくは、鋭角αは約30度から約60度の間であるが、さらに他の鋭角の値も受け入れることができる。
【0106】
加えて、表面22の断面輪郭が湾曲している場合、剛性表面22に対する組織44の伸張は、高さHのセクションに沿って均等ではなくなることに気付かれるであろう。したがって、本発明の好適な実施形態では、表面22は直線状断面輪郭を有する。
【0107】
図1Cに示すように、力Fを提供する機構19は、基本的に組織44を要素20内に吸い込むための真空源32を含むことができる。代替的に、図1Dに示すように、機構19は、組織44を要素20内に引き込むための機械的ツール、例えばピンセット状ツール13であってよい。代替的に、図1Eおよび1Fに示すように、機構19は、組織44を要素20内に押し込むための別の機械的ツール、例えば木槌状ツール17であってよい。
【0108】
図1Hは、剛性表面22に対して鋭角αで力Fを組織44に加えるための機構19のさらに別の例を概略的に示し、ここで剛性表面22は平板であってよい。機構19は、平板に対して角度αに配設され、要素20として動作可能であり、センサ24が埋め込まれる剛性表面22を有する、例えばピストン−シリンダ構成であってよい。
【0109】
さらに図面を参照すると、図1I〜Mは、センサ24が装置10に埋め込まれ、本発明の理解による組織44と要素20の剛性表面22との間の潜在的な接触不良の状態を概略的に示す。対照的に、図1Nは、縦断面で分かるように、本発明の実施形態に係る組織と装置10との間の有効な接触を概略的に示す。
【0110】
図1Iは、要素20の剛性表面22および少なくとも1つのセンサ24と組織44との間の境界面45の断面図である。セクション43に印が付けられ、下述する図1J〜1Nに拡大されている。
【0111】
図1Jは、セクション43における境界面45の断面図を提示し、境界面45に沿った組織44と少なくとも1つのセンサ24との間の接触面積を低減あるいは妨害する、気泡もしくは流体泡46および/または内包異物47を示している。図1Kもまた、セクション43における境界面45の断面図を提示し、組織ひだ48もおそらく泡46および/または内包物47と共に、境界面45に沿った組織44と少なくとも1つのセンサ24との間の接触面積を低減あるいは妨害することもできることを示している。図1Lは、図1Iの矢印11の方向から見たセクション43における境界面45の図を提示し、境界面45の接触を妨害する泡46および内包物47を示す。
【0112】
組織44と少なくとも1つのセンサ24との間の接触面積に関して、以下の用語を定義することができる。
*実接触面積実接触面積、A(実)は、剛性表面22と組織44との間の実際の接触面積である。
*総接触面積、A(境界面)は、境界面45の全面積である。
*泡および内包物面積、A(泡および内包物)は、気泡および/もしくは流体泡46、ならびに/または内包異物47によってカバーされる面積である。
したがって、実接触面積および接触レベルを次のように計算することができる。
[1] A(実)=A(境界面)−A(泡および内包物)
および
[2] 接触レベル=A(実)/A(境界面)
さらに、泡46および内包物47の影響を定量化し、境界面45が所与のセンサによる組織特性化に対して容認できるか否かを評価することができる。
【0113】
本発明の実施形態は、有効な接触を達成することを目的としており、それは、本発明の場合、少なくとも95%の接触レベルと定義される。接触レベルは98%より大きいことが好ましい。より好ましくは、接触レベルは少なくとも99.5%であり、かつ少なくとも99.8%でさえある。
【0114】
図1Mは、放射センサ24に関連して、セクション43における境界面45の断面図を提示し、放射センサ24の縁部表面および組織44の最も外側の表面が平均距離tだけわずかに離れているので、事実上3つの境界面45A、45B、および45Cが存在し、それらが入射放射線52に対して3つの異なる反射面として働く状況を示す。第1境界面45Aは少なくとも1つのセンサ24の縁部表面にあり(それは本質的に剛性表面22と同一である)、第2境界面45Bは組織44の最も外側の表面にあり、第3境界面45Cは、実質的に完全な接触があるときに、少なくとも1つのセンサ24の縁部表面と組織44の最も外側の表面との間にある。この効果は、波長λの放射には重要であるかもしれない。平均距離tおよび放射波長λが、同程度の大きさであり、その結果、合同境界面の単一の反射54Cではなく、それぞれ境界面45A、45B、45Cからの3つの反射54A、54B、および54Cを観察することができる。
【0115】
図1J〜1Mとは対照的に、図1Nは、本発明の一部の実施形態に係る有効なセンサ対組織接触を概略的に示す。したがって、境界面45は実質的に泡46、内包異物47、および組織ひだ48が無く、組織44と少なくとも1つのセンサ24との間の有効な接触を導く。有効な接触は、少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%、より好ましくは少なくとも99.5%、かつ少なくとも99.8%もの接触レベルと定義される。
【0116】
加えて、波長λで動作するセンサに関連する本発明の実施形態では、有効な接触はさらに、有効な接触を達成した後(図1N参照)の波長λと平均距離t1との間の関係が、t1<λ/3、好ましくはt1<λ/10、より好ましくはt1<λ/100となるような接触と定義することができる。
【0117】
加えて、または代替的に、有効な接触は絶対的に定義することができる。したがって、平均距離t1は500オングストローム未満であり、好ましくは平均距離t1は50オングストローム未満であり、より好ましくは平均距離t1は5オングストローム未満である。
【0118】
さらに図面を参照すると、図1O〜1Vは、本発明の一部の実施形態に係る要素20の様々な横断面および縦断面を概略的に示す。全てが、力線Fに対して角度αに配設された直線状断面の剛性表面22に関係付けられる。
【0119】
したがって、要素20の横断面形状は円形(図1O)、楕円形(図1P)、円弧(図1Q)、または平板に関連付けられる線(図1R)であってよく、また、縦断面形状は台形(図1S)、三角形(図1T)、台形または三角形の1セクション(図1U)、または線(図1V)であってよい。したがって、要素20の全体的な形状は、円形断面または楕円形断面を持ち、底面付き、または底面無しの略円錐形、円錐形の1セクション、または平板であってよい。
【0120】
さらに図面を参照すると、図2A〜2Eは、本発明の装置10に従って構成された、組織特性化のためのプローブ50を概略的に示す。プローブ50は、図1A〜1Vに関連して上述した円錐形状および少なくとも1つのセンサ24を有する要素20を持つ装置10が含まれる筐体12を含む。
【0121】
図2A〜2Eの本実施形態では、プローブ50は、把持用ハンドル14を介して手持ち式プローブとして適応された、体外プローブである。
【0122】
図2Aの縦断面図に示す通り、好ましくはプローブ50の遠端21で、少なくとも1つの信号通信線の信号通信アーキテクチャ16は、少なくとも1つのセンサ24からケーブル38を随伴するコネクタ36に至り、それは図3に関連して下述する信号発生および解析ユニット60との電力および信号伝達をもたらす。信号通信アーキテクチャ16を形成する複数のセンサ24および複数の信号通信線を使用することができる。少なくとも1つの信号通信線は伝送線、例えば同軸ケーブルまたは光ファイバであり得る。
【0123】
図2Bの縦断面図に示す通り、プローブ50のワイヤレス作動および信号発生および解析ユニット60(図3)とのワイヤレス通信のために、遠端21にバッテリ80およびトランシーバ82を設けることができる。バッテリ80は再充電可能であり得ることができることを理解されたい。
【0124】
プローブ50はさらに、電力線37を介して電力を受け取り、かつ要素20のオリフィス34およびチャネル32を介してそこに吸引をもたらすために要素20と流体連通する、ポンプ30をさらに含むことができる。
【0125】
図2Cの縦断面図に示す通り、プローブ50は、例えば身体40の乳房42の軟質組織44を切開手術中に特性化するために使用することができる。軟質組織44に吸引が適用されると、それは要素20内に引き込まれ、少なくとも1つのセンサ24との有効な接触が維持される。加えて、外科手術中に、流体46も引き込まれ、チャネル33によって流体トラップ35に向けられ、それは弁31を介して空にすることができる。
【0126】
図2Dの縦断面図に示す通り、真空管路39を介して、プローブ50の外部の真空源(図示せず)を使用することができる。真空が印加されるときに、真空管路39に沿ったシーリングフラップ28を閉じて、要素20における吸引をすることができる。真空管路39はポンプ30および流体トラップ35と接続することができる。代替的に、真空管路39およびポンプ30は、図3に関連して下述するように、プローブ50の外部に配することができる。
【0127】
図2A〜2Dに示す通り、プローブ50は、少なくとも1つのセンサ24による測定を開始するため、およびポンプ30(図2A〜2C)を制御するための少なくとも1つの制御スイッチ18をさらに含むことができる。希望する場合、1つはセンサまたはセンサ24の操作用、もう1つはポンプ30の操作用に、2つの制御スイッチ18を設けることができる。
【0128】
加えて、プローブ50はインジケータ135、例えば光、LEDディスプレイ、またはディスプレイスクリーン135(図2A、2B、および2Eに示す)を含むことができる。
【0129】
少なくとも1つの制御スイッチ18およびインジケータ135は、プローブ50を操作するため、ならびにプローブ50およびセンサ24の性能を最適化するために、例えばオペレータが実時間で容易に見ることのできるフィードバックを提供するために、使用することができる。
【0130】
少なくとも1つの制御スイッチ18、インジケータ135、信号通信アーキテクチャ16、およびポンプ電力線37と通信するスイッチングステーションとして、接合部15を設けることができる。少なくとも1つのセンサ24は、作動前に使用するための「待機」設定を持つことができることを理解されたい。図2Eは本発明の実施形態に係るプローブ50の斜視図を提供する。
【0131】
さらに図面を参照すると、図3は、本発明の一部の実施形態に係る組織特性化のためのシステム70を概略的に示す。好ましくは、システム70は、本発明の一部の実施形態に従って設計された、要素20および少なくとも1つのセンサ24を持つ装置を有するプローブ50を含む。プローブ50は、外部流体トラップ35および外部ポンプ30と流体連通することができる。代替的に、これらはプローブ50に内蔵することができる。
【0132】
好ましくは、信号発生および解析ユニット60は、当業界で公知の通り、ケーブル38を介して、またはワイヤレスで、少なくとも1つのセンサ24と通信する。信号発生および解析ユニット60は内蔵コンピュータを含むことができ、あるいはコンピュータステーション72と通信することができ、それらはプローブ50によって実施された測定値を解析する。代替的に、小型信号発生および解析ユニット60およびおそらくマイクロコンピュータ(図示せず)も、プローブ50に内蔵することができる。単一の信号発生および解析ユニット60の代わりに別々のユニットを使用することができることを理解されたい。加えて、一部のセンサは受動であり、信号発生器を必要としない。例えば温度センサまたは放射線放出センサは、信号の発生を必要としない。
【0133】
さらに図面を参照すると、図4Aおよび4Bは、本発明の一部の実施形態に係る装置10における少なくとも1つのセンサ24の第1配列を概略的に示す。上述の通り、要素20は実質的に円錐形として、または剛性表面22を有するいずれかの他の適切な形状として構成することができ、少なくとも1つのセンサ24は、要素20の剛性表面22に埋め込まれるか装着される。
【0134】
図4Aに示す通り、センサ24の各々は、それに隣接する略半球状容積48内の組織44を特性化する。図4Bに示す通り、要素20が円錐台として構成されている場合、センサ24は底面26に沿って配列することもできる。少なくとも1つのセンサ24は、光学センサ、X線センサ、RFセンサ、MWセンサ、赤外線サーモグラフィセンサ、または超音波センサなどの放射センサであってよい。代替的に、少なくとも1つのセンサ24はMRセンサ、インピーダンスセンサ、温度センサ、バイオセンサ、化学センサ、放射線放出センサ、機械的センサ、例えば、開示内容を参照によって本書に援用され本願と同一譲受人が所有する2005年3月29日に出願の米国特許出願第60/665842号によって教示される無放射RFセンサ、または任意の他の適切な組織特性化センサであってよい。
【0135】
図5は、本発明の一部の実施形態に従って、軟質組織と少なくとも1つのセンサとの間の接触レベルを改善することによる、軟質組織特性化のための方法90を概略的に示す。方法90は、
ステップ92で、直線状断面を有する剛性表面上に軟質組織の特性化のための少なくとも1つのセンサを配設すること、
ステップ94で、剛性表面に対して鋭角に力を軟質組織に加え、こうして軟質組織を剛性表面に対して伸張し、または伸張して押圧して、センサと組織との間の有効な接触を達成すること、および
ステップ96で、少なくとも1つのセンサにより測定を実施すること
を含む。
【0136】
さらに図面を参照すると、図6A〜6Fは、本発明の一部の実施形態に従って、例えば小規模コンピュータ断層撮影によって三次元情報をもたらすための、装置10における複数のセンサ24の配列を概略的に示す。
【0137】
図6Aおよび6Bに示す通り、要素20は円錐台などの円形構造体として形成することができ、複数のセンサ24が好ましくは内周に円形に配列され、剛性表面22に沿った様々な高さ、例えばH1、H2、およびH3で、剛性表面22に埋め込まれるか装着される。各円のセンサ24は、線24C(図6B)などの、剛性表面22に沿った線を画定するように垂直方向に実質的に整列することが好ましい。センサ24は小規模コンピュータ断層撮影用に適応され、それは透過型小規模コンピュータ断層撮影、反射型小規模コンピュータ断層撮影、または2つの組合せであってよい。好ましくは、円周上のセンサ24は各々順番に、信号23を送出する送信センサ24Aとして動作する一方、他のセンサ24は、透過したか、反射したか、あるいは透過と反射を組み合わせた信号27を受信する受信センサ24Bとして動作する。送信センサ24Aの位置は、例えば回転によって、矢印25の方向に変化することがある。代替的に、送信センサ24Aの位置は別のやり方で、例えば不規則に変化することがある。本発明の実施形態では、送信センサ24Aは、「組織の切片」を撮像するために、線24Cに沿って整列される。他の配列が同様に可能であることは理解されるであろう。例えば、円を成す2つまたはそれ以上のセンサ24がいつでも送信器として、または送信器兼受信器として動作することができる。
【0138】
モダリティに応じて、送信センサは受信センサとして動作することもできることを理解されたい。例えば超音波トランスデューサは、送信器兼受信器として動作することができる。同様に、光ファイバ端は、例えば以下で図24Bに関連して説明するように、送信器兼受信器として動作することができる。X線CTの場合、専用の送信器および受信器を使用することができる。
【0139】
図6Cに示す通り、センサ24は不規則に分散することができ、いずれか1つのセンサ24がいつでも送信センサとして、または送信兼受信センサとして動作することができる。関連アルゴリズムが特定の配列の三次元情報を提供する。
【0140】
図6D〜6Fは、組織44の組織ボクセルの三次元画像を提供するために使用することができる構成を示す。図6Dに示す通り、センサ24は視野角βを有する。図6Eに示す通り、センサ24D、24E、および24Fなどの幾つかのセンサ24が、平板として形成された要素20に沿って配列される場合、以下のことが認められる。
【0141】
組織ボクセル44xはどのセンサでも観察されない。組織ボクセル44iはセンサ24Dのみによって観察され、組織ボクセル44jはセンサ24Dおよび24Eの両方によって観察され、組織ボクセル44kは3つのセンサ24D、24E、および24Fによって観察される。図示する通り、かなりの三次元情報がボクセル44jおよび44kによって得ることができる。
【0142】
代替的に、図6Fに示すように、センサ24G、24H、24I、および24Jなどの幾つかのセンサ24が、円錐または円筒として形成された要素20に沿って配列されている場合、以下のことが認められる。
【0143】
組織ボクセル44uは、全ての4つのセンサ24G、24H、24I、および24Jによって観察される。
【0144】
組織ボクセル44vは、3つのセンサ24G、24H、および24Jによって観察される。
【0145】
組織ボクセル44wは、2つのセンサ24Iおよび24Jによって観察される。
【0146】
したがって、図6Fの構成では、かなりの三次元情報を全ての組織ボクセルから得ることができる。
【0147】
当然、円形または楕円形構成またはその1セクションなどの、湾曲した形状を有する剛性表面の方が、平板構成より好ましい。それでもなお、平板構成は確かにかなりの三次元情報をもたらし、本発明の範囲内である。
【0148】
有効な接触は非常に望ましいが、三次元情報は有効な接触が無くても、したがって、図1A〜1Vに関連して述べたように、剛性表面22に対して鋭角αを成す力線を持つ力を組織に加える機構が無くても、得ることができることは理解されるであろう。それ故に、この基準を満たさない形状であってもなお、それを小規模コンピュータ断層撮影に使用することができる。
【0149】
図1O、1P、1Q、1S、1T、および1Uに示した形状は、有効な接触および湾曲の両方を提供するので最も好適であるが、図6G〜6Nに示すように、他の形状を使用することもできる。
【0150】
図6G〜6Nは、必ずしも有効な接触を達成しない、三次元情報を提供するための湾曲形状の要素20Aを概略的に示す。これらは円筒形(図6Gおよび6K)、楕円形(図6Hおよび6L)、球形の一部分(図6Jおよび6N)、および樽形(図6Iおよび6M)として形作られた要素を含む。
【0151】
湾曲面は、約10cm未満である直径D(図6J)または相当直径D’(図6H)を有することが好ましい。直径は5cm未満、2cm未満、または1cm未満にさえすることができる。
【0152】
三次元情報を提供するための図6A〜6Nのセンサは、光学センサ、X線センサ、RFセンサ、MWセンサ、赤外線サーモグラフィセンサ、および超音波センサなどの放射センサであってよい。代替的に、センサは機械的センサ、MRセンサ、インピーダンスセンサ、無放射RFセンサ、SPECT用に構成された放射線放出センサ、PET用に構成された放射線放出センサ、および/または組織特性化に適したいずれかの他のセンサであってよい。体積測定三次元情報を提供することなく、組織44に沿った様々な点位置における表面情報を提供するために、他のセンサ、例えばバイオセンサまたは化学センサを使用することができることは理解されるであろう。
【0153】
図6−Oは、本発明の一部の実施形態に係る、組織の体積測定領域の三次元情報を得るための小規模コンピュータ断層撮影による組織特性化の方法130を示すフローチャートである。方法130は、
ステップ132で、少なくとも2つのセンサが組織の同一体積測定領域を観察するように、組織特性化のための少なくとも2つのセンサを湾曲面に配設すること、
ステップ134で、少なくとも2つのセンサにより測定を実施すること、および
ステップ136で、測定値を解析して体積測定領域の三次元情報を得ること
を含む。
【0154】
ここで、図7A〜Cを参照すると、それらは、本発明の実施形態に係る、有効なセンサ対組織接触による組織特性化のための装置100の原理を概略的に示す。
【0155】
図7Aは、本発明の実施形態に係る、組織特性化を改善するように有効なセンサ対組織接触を形成するための装置100の側面断面図である。装置100は、
i.構造体101と、
ii.組織44を実質的に不動化するように組織44を構造体101に固定するために、組織44に第1の力を加えるように構成された、構造体101に随伴する第1機構116と、
iii.不動化された組織の外面に対してセンサ122を押圧し、それによって不動化された組織に第2の力を加えるように構成された、構造体101に随伴する第2機構と
を備え、
第1の力の成分が第2の力の成分に対して逆向きであり、不動化された組織をセンサ122に押し付け、かつセンサ122を不動化された組織に押し付けて、センサ122と不動化された組織との間に有効な接触をもたらす。
【0156】
本実施形態では、構造体101は、手で把持するように適応された第1部分102、および組織に対する近端108を有する第2部分103を含む。
【0157】
第1部分102および第2部分103は一緒になってプローブ50の筐体12を形成する。プローブ50は信号通信アーキテクチャ16をさらに含む。
【0158】
近端108は、好ましくはリングとして形成される、内径112および外径114のフレーム110を有する。フレーム110は、組織をフレーム110に付着させるために設計された、吸引提供機構などの第1機構116を随伴する。
【0159】
本実施形態では、第1機構116は、近端108にオリフィス140を有するダクトシステム142(図7A)から形成され、該オリフィスを通して吸引によって負圧が組織44をフレーム110に付着させる。真空出口105はダクトシステム142をポンプに接続するように適応される。
【0160】
加えて、装置100は、第2部分103内にピストン120などの第2機構117を含む。ピストン120は近端126にセンサ122を含む。ピストン120は、展開位置および後退位置に対して選択的に構成される。展開する場合、それは、第1機構116によって堅持された組織44に向かって摺動して該組織を押圧し、こうしてセンサ122と組織44との間の有効なセンサ対組織接触を達成する。
【0161】
図面に示す本発明の実施形態の各々が、単一のピストンセンサ122を具備することが示されている場合、所望により、どの実施形態でも、複数のピストンセンサを具備することができることを理解されたい。同様に、一部の実施形態の幾つかの説明が複数のピストンセンサを含むことを示している場合、所望により、代替的に単一のピストンセンサを具備することができることを理解されたい。
【0162】
図7Bは、第1および第2機構116および117の力の平衡図である。基本的に、第1機構116は、組織44を近端108で装置100のフレーム110に押圧するために力Fを生成する一方、第2機構117は、センサ122を組織44に押圧するために、Fと略反対方向の力Fを加える。こうして、組織44は力Fで近端108に対して押圧され、同時に、センサ122は力Fで組織44に対して押圧される。
【0163】
各機構は、他方の機構の力と逆の力を提供する。力Fは、力Fの下で組織44がセンサ122から離れないことを確実にし、力Fは、力Fの下でセンサ122が組織44から離れないことを確実にする。第1および第2機構116および117を一緒に作動させることにより、境界面45での有効なセンサ対組織接触が維持されることが確実になる。
【0164】
代替的に、第1機構116は力Fをもたらし、その成分は組織44を装置100のフレーム110の近端108に押圧し、第2機構117は力Fをもたらし、その成分はセンサ122を組織44に押圧するので、各機構の構成要素は、他方の機構の構成要素とは逆に力を提供する。
【0165】
こうして、力FおよびFの両方、またはそれらの成分は、境界面45での有効なセンサ対組織接触が維持されるように、組織44がセンサ122から離れず、かつセンサ122が組織44から離れないことを確実にする。
【0166】
図7Cは、本発明の実施形態に係る、有効なセンサ対組織接触を形成するための図7A〜Bの装置の縦断面図を概略的に示す。図7Cの状況は上記の図1Iのそれに類似しているが、雌雄関係が逆である。図1Iでは、センサ24が配された要素20は、組織44を受容する雌として動作するが、図7Cでは、センサ24と言及することもできるセンサ122は雄として動作する。有効な接触を例証する上記の図1Nは、両方の状況に適用可能であることは理解されるであろう。
【0167】
ここで、図8A〜Cを参照すると、それらは、装置100の動作を概略的に示す。図8Aに示すように、動作の第1ステップで、手持ち式装置である装置100は、例えば手で組織44に物理的に近接させることが好ましい。図8Bに示すように、第2ステップで、組織44は第1機構116を介して吸引によって装置100に付着される。図8Cに示すように、第3ステップで、実質的に単一の境界面45を形成する組織表面119にセンサ122を押圧するために、第2機構117、ピストン120が展開される。この時点で、図7Bに示すように、有効なセンサ対組織接触が実質的に形成されており、センサ122を介して組織特性化を行なうことができる。
【0168】
ここで、本発明の実施形態に係る装置100の第1機構116の側面および上面断面図を示す、図9A〜Cについて言及する。フレーム110の近端108は、内径112および外径114を有する2つの同心円として形作ることが好ましい。さらに、内径112は、ピストン120の近端126がフレーム110から先に突出して、図8Cに関連して上述した通りフレーム110に付着された組織を押圧するように、ピストン120が組織44の表面119に向かって前進することができるように構成される。加えて、フレーム110には、好ましくは外周112および114の間に配設された、少なくとも2つのオリフィス140が設けられる。例えば、図9Bに示すように、8つのオリフィスを使用することができる。吸引は、組織44をフレーム110に付着させるために、ダクトシステム142を介して、オリフィス140を通して使用される。
【0169】
図9Cで、組織44を近端108に付着させるときに、改善された吸引を達成するために、フレーム110の周囲に可撓性スカート144が追加される。可撓性スカート144は弾性材料、例えば天然または合成ゴムから作ることが好ましい。
【0170】
ここで、本発明の別の実施形態に係る装置の第1機構116の側面および上面断面図を示す図10A〜Dについて言及する。本実施形態は、第1機構116として把持装置150を使用する。したがって、吸引を生じるためのダクトシステム142は使用する必要が無い。
【0171】
図10A〜Dに示す実施形態では、把持装置150はフレーム110上に配置される。加えて、把持装置150は、後退状態(図10Cに示す通り)または把持状態(図10Dに示す通り)のいずれかとなるように構成された、少なくとも2つの爪152を含む。好ましくは、少なくとも2つの爪152はフレーム110上に配設される(図10Bには8つの爪が図示されている)。組織44を把持する前に、少なくとも2つの爪152を後退状態にして、近端108が組織表面119の近くに配置される。爪は次いで把持状態になり、こうして組織44を近端108に付着させる。
【0172】
この時点で、装置100のセンサ122と組織表面119との間の有効なセンサ対組織接触をもたらすために、第2機構117によってセンサ122を下降させることができる。
【0173】
ここで、本発明の実施形態に係る、有効なセンサ対組織接触を形成するための第2機構117の側面断面図を概略的に示す図11A〜Bについて言及する。第2機構117は、組織特性化センサ122をその近端126に有するピストン120を含むことが好ましい。ピストン120は、後退位置(図11Aに示す)から、組織44と組織特性化センサ122との間の有効な接触が確立される展開位置(図11Bに示す)まで平滑に摺動するように構成される。ピストン120の組織44に向かう前進は、いずれかの公知の手段によって制御することができ、ここでは詳述しない。ピストン120の組織44に向かう移動は、ピストン120が組織44に向かって移動するときに圧縮される少なくとも1つのばね160によって制限される。さらに、ピストン120の組織44に向かう前進は、スイッチ162を用いて起動させることができる。ピストン120の近端126の表面164は、組織44との有効な接触を生み出すために、よく研磨することが好ましい。
【0174】
ここで、本発明の別の実施形態に係る、組織特性化のための装置100の第2部分103の側面断面図が概略的を示す図12Aについて言及する。本実施形態では、ばね160は、ダクトシステム142に接続されたばねトンネル170内に収容される。したがって、オリフィス140が閉じているときに、第1機構116が組織44を装置100の近端108に付着させると、ダクトシステム142の部分圧力に応答して、ばねトンネル170内に形成される吸引によってピストン120が起動される(図11A〜B参照)。
【0175】
ここで、本発明の別の実施形態に係る、組織特性化のための装置100の第2部分103の側面断面図を概略的に示す、図12Bについて言及する。図12Bには、座標系172も示されている。図8B〜Cおよび11A〜Bに関連して説明したように、ピストン120がZ軸に沿って、フレーム110に対して直角に、組織(図示せず)に向かって摺動すると、それはZ軸に対して直角にXY面内で振動する。XY面内の振動運動は、組織に対する滑走運動を可能にし、それは実質的に、そうしなければ境界面45に存在し得る(図1Jおよび1L参照)異物または閉じ込められたガスまたは液体を、あたかも掃引によって行なわれるように除去する。
【0176】
ここで、図13A〜Dを参照すると、それらは、本発明の2つの代替的実施形態に係る、ピストン120の行程を制御するための手段を概略的に示す。図13Aおよび13Bには、本発明の実施形態に係る、後退位置および展開位置のピストン120がそれぞれ示されている。ピストン120が距離dだけ移動し、図13Bに示す位置まで前進した後、ピストン120の部分121は第2部分103の突出部分115に当接し、こうしてピストン120の移動が停止することが注目される。このように、ピストン120は180に示す固定移動距離dを有し、第2部分103の部分115は、ピストン120が固定移動距離dを越えて移動しないことを確実にするために、止め子として作動するように構成される。
【0177】
代替的に、ピストン120の移動は、上述のようにその一部分が第2部分103の突出部分115と接触することによって停止する必要は無い。代わりに、所望により、ピストン部分121が突出部分115に到達する前に、ピストンの移動は、ばね160がその最大値まで圧縮されたときに、所望の固定移動距離dに達しているように構成されたばね160の作用によって、停止させることができる。好ましくは、距離dは約1mmと約50mmとの間である。
【0178】
図13Cおよび13Dは、本発明の別の実施形態に係る、後退位置および展開位置のピストン120をそれぞれ概略的に示す。ピストン120およびセンサ122の前進は、ピストン120に働く力Fが、付着した組織(図示せず)がセンサ122に対して+Z方向に掛ける力、および圧縮されたばね160がピストン120に対して+Z方向に掛ける力と正確に均衡するように行なわれる。図13A〜Bに示す実施形態とは異なり、この実施形態では、ピストン120が図13Dに示した位置まで前進した後、ピストン120の部分121と第2部分103の突出部分115との間に特定の量の離間距離225が残ることに注目されたい。
【0179】
ここで、図14A〜Dを参照すると、それらは、本発明の実施形態に係るセンサ122の近端126の座標系および様々な形状を概略的に示す。図14Aは基準座標系172を提供する。図14B〜Dは、ローラ状センサ122、ドーム状センサ122、および立方体状センサ122をそれぞれ概略的に示す。各センサ122は、それらの近端126に研磨面164が設けられる。センサの近端に対しては、他の形状も可能であることは理解されるであろう。
【0180】
ここで、本発明の実施形態に係る組織特性化のための装置100付きのプローブ50のプロトタイプを概略的に示す、図15A〜Dについて言及する。装置100はプローブ50の筐体12内に密閉される。
【0181】
図15Aおよび15Bはそれぞれ装置100の斜視図および側面図である。図15Cは、図15Bの装置をZ軸の回りに90度回転させることによって得た、装置100の別の側面図であり、図15Dは図15Cの矢印A−Aの方向に切った断面図である。図示したプロトタイプ装置100は一般的に、例えば図8Aに示すようにその長さLがZ軸と平行になるように、組織に対して直角である一方、組織表面119(図8A〜8C)がX−Y面と略平行であるときに動作する。装置100は約50mmと約300mmとの間の長さ、および約10mmと約150mmとの間の直径を有することが好ましい。所望により、装置100の他の寸法が可能であることは理解されるであろう。装置100の構造体101は、剛性材料、例えば剛性プラスチック、セラミック、木材、または類似物から作成することが好ましい。真空出口105は、ポンプ(図示せず)に接続するように適応される。
【0182】
ここで、図16A〜Dを参照すると、それらは、本発明の別の実施形態に係る、組織特性化のための装置100付きのプローブ50を概略的に示す。装置100はプローブ50の筐体12内に密閉される。
【0183】
図16Aおよび16Dはそれぞれプローブ50および装置100の斜視図および側面図である。図16Cは、図16Dの装置をZ軸の回りに90度回転させることによって得た、プローブ50および装置100の別の側面図であり、図16Bは、図16Cの矢印A−Aの方向に切った断面図である。図示したプローブ50は、その近端302にリング構造物113を有するアーム300として形作られる。図16A〜Dに示すプロトタイプ装置100は一般的に、組織表面がXY面と略平行であり、第2機構117のセンサがZ軸と略平行の方向に移動するように、アーム300が組織(図示せず)と平行に保持されるときに動作する。好ましくは、可撓性スカート144が、組織をフレーム110に付着させるのを助けるために、リング構造物113の近端に設けられる。図16A〜Dに示された装置は、上で図7A〜13Dに関連して論じたもののいずれかと同様の第1機構および/または第2機構を含むことができることは理解されるであろう。
【0184】
ここで、センサ122を含むピストン120の断面図を概略的に示す図17A〜Eについて言及する。図は、本発明の実施形態に従って組織表面をセンサと有効な接触状態にした後、組織を特性化するための多種多様なセンサを示す。
【0185】
センサ122は誘電特性センサ、光学センサ、MRIセンサ、RFセンサ、MWセンサ、X線センサ、超音波センサ、バイオセンサ、化学センサ、機械的センサ、温度センサ、赤外線サーモグラフィセンサ、または本発明の教示に従って組織を特性化するのに適したいずれかの他のセンサであってよい。
【0186】
図17Aおよび17Bはそれぞれ、センサ122を含むピストン120の側面断面図近端126から見た図を示す。本実施形態では、センサ122は、例えば本願と同一譲受人が所有する米国特許第6813515号および本願と同一譲受人が所有するPCT国際公開WO03060462Aによって教示される、組織の誘電特性を測定するための誘電特性センサ200であり、両方の開示内容を参照によって本書に援用する。結果を既知の誘電特性の組織と比較することによって、または生成されたパルスを組織から反射したものに照らして評価することによって、組織の特性を決定することができる。さらに、誘電特性センサ200は、例えばテフロン(登録商標)製の絶縁シース214によって分離された内部電極204および外部電極206を有する、同軸ケーブル202として構成することができる。外部電極206は接地することができる。同軸ケーブル202はピストン120内に配置されていることが好ましい。誘電特性センサ200からの信号は、解析のために、伝送線208を介して、図19に関連して下述するコンピュータ化システム260に転送される。
【0187】
好ましくは、内部電極204は約0.2から1.5mmの間の直径212を持ち、外部電極206の内面は約3.0から10.0mmの間の直径210を有する。外部電極206は厚さが約0.5mmである。より大きいか、あるいはより小さい他の寸法を同様に使用することができることは理解されるであろう。誘電特性センサ200は充填材216、例えばエポキシに封入することができ、それはピストン120内に嵌合するプラグとして形成することができる。
【0188】
図17Cは、本発明のさらに別の実施形態に係る、センサがピストン120に装着されたRFまたはMWホーンアンテナ230として形成されたピストン120を示す。
【0189】
RFまたはMWホーンアンテナ230は、RF/MW伝送線または導波路232を随伴し、ユニット272および270(図19)はそれぞれRF/MW発生および解析ユニットである。本実施形態は、組織に対する電磁スペクトルのRFマイクロ波領域の伝搬放射の発生、およびその反射の測定によるRFマイクロ波特性化に依存する。放射は通常アンテナ、例えばホーンアンテナ230によって送受信される。組織特性化は、原波と反射波との間の振幅および位相差を解析することによって行なわれる。
【0190】
図17Dは、本発明のさらに別の実施形態に係る、センサがピストン120に装着された光学センサ240として形成されたピストン120を示す。光信号がユニット272(図19)などの外部ユニットで発生し、光ファイバ242を介して組織に伝達される。次いで光の反射は、光学ユニット内部の専用モジュールで受信される。光エネルギーは、レンズ244を介して組織44との間で伝送されることが好ましい。
【0191】
光信号の発生、受信、および解析の詳細は、選択される特定の光学的方法によって異なる。例えば、反射分光法の場合、組織特性化は、反射光対発生光の相対的振幅および位相の測定に依存する。反射分光法の1例が、本願と同一譲受人が所有する米国特許出願第10/298196号に記載されており、その開示内容を参照によって本書に援用する。他の適切な方法を使用することができることは理解されるであろう。
【0192】
代替的に、自己蛍光法は、元来伝送されたものとは異なる波長で組織から放出される放射を測定するために使用することができる。放射の放出は入射放射による励起に応答して発生し、例えばXillix Technologies Corp.によって使用され、http://www.xillix.com/index_home.cfmに記載されているように、組織特性化に使用することができる。他の適切な方法を使用することができることは理解されるであろう。
【0193】
図17Eは、本発明のさらに別の実施形態に係る、MRIセンサ250が装着されたピストン120を示す。MRIセンサ250は、例えば、本願と同一譲受人が所有し、その開示内容を参照によって本書に援用する、「Method and Apparatus for Examining Substance,Particularly Tissue,to Characterize its Type」と称するHashimshonyらの米国特許出願第2005/0021019号、およびその開示内容を参照によって本書に援用する、「MRI Probe for External Imaging」と称するPulyerらの米国特許第5572132号に教示されるように、RFコイル254に密閉された永久磁石252を有する。
【0194】
さらに図面を参照すると、図18A〜Cは、装置100の動作に3つのステップ手順を使用する、有効な接触のための別の構成を概略的に示す。本実施形態では、装置100にはピストン120上に配置されたセンサ122が設けられるが、剛性表面22にはセンサが設けられない。本実施形態は、例えば図2Aに関連して上述したものと幾分同様の有効な接触をもたらすために剛性表面22を有する部分を組み込んだ機構のみならず、例えば図7Aに示す第2機構117と同様の機構をも使用することが注目される。
【0195】
図18Aに示す通り、動作の第1ステップでは、装置100は、例えば手で物理的に組織44に近付けられる。図18Bに示す通り、第2ステップでは、組織44は第1機構116を介して、吸引によって装置100に付着される。図18Cに示す通り、第3ステップで、ピストン120のセンサ122を組織表面119に押圧し、こうしてセンサ122を介して組織特性化が行なわれ得る場所で、有効なセンサ対組織接触を形成するために、第2機構117が展開される。
【0196】
再び、力線Fは円錐形の構造体125の剛性表面22に対して鋭角αを成し、組織44を剛性表面22に固定する。
【0197】
第3ステップで、図18Cに示すように、力Fの逆方向の反力Fcのための対抗機構が、矢印120Aの方向に移動しかつ少なくとも1つのピストンセンサ122を不動化された組織44に押圧する、ピストン120によって提供され、ピストンセンサ122と、不動化された組織の44のピストンセンサ122と接触する部分との間の有効な接触を達成する。
【0198】
ここで、本発明の実施形態に係る組織特性化のための全体的システム260を概略的に示す図19について言及する。
【0199】
好ましくは、装置100は筐体12に収容され、プローブ50を形成する通信アーキテクチャ16を含む。プローブ50は、以下でさらに述べるように、体外の手持ち式であってよく、あるいは体内に挿入するように適応していてよい。
【0200】
システム260は、少なくとも1つのセンサ122付きの装置100を有するプローブ50を含む。信号発生ユニット272はセンサ122に信号を提供し、信号解析ユニット270はセンサ122から信号を受信して解析する。信号発生ユニット272および信号解析ユニット270は単一のユニットに組み込むことができることは理解されるであろう。例えば、センサ122が、基本的に同軸ケーブルとして構成された誘電特性センサである場合、ユニット270および272は、例えば、Hewlett−PackardのAgilent4396Aなどのインピーダンス解析外部ユニット、および同軸ケーブルを介してインピーダンス解析外部ユニットに接続されるテストフィクスチャを含むことができる。センサはバッテリ作動式であってよく、あるいは電源ユニットを随伴していてよい。
【0201】
ユニット270および272が、装置100で使用される特定のセンサ122に対応することは理解されるであろう。例えば、センサ122が光学センサである場合、ユニット272は発光ダイオードまたはレーザであってよく、ユニット270は光学解析器またはCCDであってよい。
【0202】
パーソナルコンピュータ、ラップトップ、パームトップ、マイクロコンピュータ、またはいずれかの他の適切なコンピュータであってよいコンピュータ265などの制御および処理ユニットもまた、追加的データ解析のために使用することができる。好ましくは、制御および処理ユニット265はユーザインタフェース280、例えばキーボードまたはノブを含み、かつ、読出し書込みドライブ282などの記憶システム、USBポート284、およびディスプレイスクリーン290をさらに含むことができる。さらに図面を参照すると、図20A〜Cは、本発明の別の実施形態に係る有効な接触のための装置100を概略的に示す。しかし、ここで記載するように、装置100は、組織と接触するように構成された略円錐形構造物125を有する。
【0203】
制御および処理ユニット265が、信号発生ユニット272および信号解析ユニット270と一体化することができることは理解されるであろう。
【0204】
代替的に、所望により、構造体125が適切な形状を持つことができることは理解されるであろう。例えば構造体125は、図(1Oおよび1S)ならびに(1Pおよび1T)に関連してそれぞれ上述したように、断面を楕円形または円形であってよい。
【0205】
図20A〜Cに示す通り、略円錐形構造物125は有効直径123および長手軸124を有する円を画定する。装置100は、図7A〜Cに関連して上述したものと同様の2つの機構によって動作する。長手軸124に沿って組織44に力Fを加える第1機構116は、組織44を実質的に不動化するように、組織44を装置100に対して固定する。装置100に関連するピストンセンサ122を不動化された組織44に押圧する第2機構117は、力Fの少なくとも1成分と逆向きの反力Fを加え、こうして表面44とピストンセンサ122との間の有効な接触を達成する。これらの機構は例えば図8A〜Cに関連して上述したので、ここではこれ以上詳述しない。
【0206】
図20A〜Cに示すように、真空管路116内の真空の完全性を確実にするために、ピストン120と装置100の内壁222との間にシール215を設けることができる。
【0207】
1つまたは幾つかのセンサ24が、組織44の三次元情報を提供するように構成された剛性表面22上に装着することができることは、さらに理解されるであろう。したがって、センサ24は、組織44を剛性表面22に対して伸張させ、または伸張させて押圧するために、剛性表面22(図20A)に対し鋭角αの力Fによって形成される有効な接触を達成する剛性表面22に対する組織44の境界面で動作する。しかし、センサ24の動作は第2機構117によって影響されず、それによって少なくとも1つのピストンセンサ122が、図20Cに示す力Fにより組織44に対して押圧される。
【0208】
上述の通り、少なくとも1つのピストンセンサ122および少なくとも1つのセンサ24は各々、光学センサ、X線センサ、RFセンサ、MWセンサ、赤外線サーモグラフィセンサ、超音波センサ、MRセンサ、インピーダンスセンサ、温度センサ、バイオセンサ、化学センサ、放射線放出センサ、機械的センサ、無放射RFセンサ、または組織特性化に適したいずれかの他のセンサであってよい。
【0209】
図20A〜Cに示す装置が、図19に関連して上述したものと同様のシステムと共に動作することは理解されるであろう。しかし、そのようなシステムは、第1および第2機構116および117の各々のセンサ用の信号発生ユニットおよび信号解析ユニット(または複合信号生成および解析ユニット)を含むことができる。図21A〜Bは、本発明の実施形態に係る数種類のセンサを持つ構成を概略的に示す。
【0210】
図21Aに示すように、3種類のセンサ、つまり円錐形構造物125に沿ったセンサ24Xおよび24Y、ならびにピストン120上のピストンセンサ122を使用することができる。この構成は、センサ型24Xおよび24Yの両方によって受信した情報を組み合わせることによって三次元情報を提供する。このやり方で、例えば超音波および光学センサによる、またはMRIおよびX線による三次元情報を得て比較することができる。異なるセンサ型の多くの組合せが可能であることは理解されるであろう。
【0211】
図21Aに示す実施形態では、ピストンに単一のセンサ122が設けられ、したがって三次元情報を提供するようには構成されていないことに注目されたい。代替的に、所望により、下述する円錐形構造物125のセンサ24Xおよび24Yの場合と同様のやり方で三次元情報を提供するように、ピストンには異なる種類の複数のセンサを設けることができる。
【0212】
図21Bに示すように、2種類のセンサ24Xおよび24Yが提供され、剛性表面22上に不規則に配置される。この構成は、組織に関する三次元情報を提供する。再び、異なるモダリティの三次元情報を得て比較することができる。
【0213】
センサ24X、24Y、および122は例えば、光学センサ、X線センサ、RFセンサ、MWセンサ、赤外線サーモグラフィセンサ、および超音波センサなどの放射センサ、MRセンサ、インピーダンスセンサ、温度センサ、バイオセンサ、化学センサ、放射線放出センサ、機械的センサ、および無放射RFセンサなどの無放射センサ、もしくはいずれかの他の適切なセンサ、またはそれらの任意の組合せであってよい。
【0214】
図22は、本発明の一部の実施形態に係る装置10のための第1センサ構造物74を概略的に示す。第1センサ構造物74は、各々が送信器および受信器の両方として動作する、センサ24に適用可能である。代替的に、第1センサ構造物74は、送信の必要が無い場合、自然信号の受信器として動作するセンサ24、例えば体温センサに適用可能である。したがって、第1センサ構造物74は、信号発生および解析ユニット60(図3)、各センサ24と通信する信号通信線16Cの信号通信アーキテクチャ16、および各々が送信器および受信器として動作するセンサ24を含む。
【0215】
図23は、センサ24Aが送信器であり、センサ24Bが受信器である、本発明の一部の実施形態に係る装置10用の第2センサ構造物75を概略的に示す。したがって、第2センサ構造物75は信号発生および解析ユニット60を含む。信号通信アーキテクチャ16は、各送信センサ24Aへの信号通信線16A、および各受信センサ24Bからの受信線16Bを含む。
【0216】
図24Aおよび24Bは、本発明の一部の実施形態に係る装置10用の光学センサ構造物を概略的に示す。
【0217】
図24Aに示す1実施形態では、光学センサ構造物76は、レーザまたはLEDなどの光信号発生器60A、および例えばCCDとして形成された光信号解析器60Bを含む。信号通信アーキテクチャ16は、光信号発生器60Aから組織における送信センサ24Aに至る光ファイバ16A、および組織における受信センサ24Bから光信号解析器60Bに至る光ファイバ16Bを含む。センサ24Aおよび24Bは、光ファイバ16Aおよび16Bの、組織に対する近端に存在する。
【0218】
図24Bに示す別の実施形態では、光学センサ構造物78は、レーザまたはLEDなどの光信号発生器60Aを含み、光信号解析器60Bは例えばCCDとして形成される。信号通信アーキテクチャ16は、光信号発生器60Aから組織における送信センサ24Aに至り、かつ組織における受信センサ24Bから光信号解析器60Bに至る、光ファイバ16Cを含む。組織に対して遠端に存するビームスプリッタ60Cは、光信号発生器60Aからのビームを光ファイバ16に向けさせ、から光ファイバ16からのビームを光信号解析器60Bに向かわせる。センサ24Aおよび24Bは、光ファイバ16の組織に対する近端に存在する。光信号の送信および受信の両方に単一の光ファイバを使用するための他の技術を使用することもできる。所望により、送信センサ24Aおよび受信センサ24Bに対して異なるタイプのセンサを使用することができることは理解されるであろう。加えて、いずれかの他の適切な信号通信アーキテクチャを使用することができることは理解されるであろう。
【0219】
さらに図面を参照すると、図25A〜25Dは、本発明の実施形態に係るプローブ50を内視鏡プローブ400として概略的に示す。
【0220】
内視鏡プローブ400は、身体開口部を介して、または経皮的に内視鏡挿入するように適応させることができる。
【0221】
好ましくは、内視鏡プローブ400は内視鏡挿入するように適応された筐体12、把持用ハンドル14、少なくとも1つの制御スイッチ18、および通信アーキテクチャ16を含み、制御スイッチ18の近くにディスプレイ135(図2A)を設けることもできる。
【0222】
筐体12は、矢印412に沿った側方運動および矢印414に沿った回転運動ができるように構成されることが好ましい、内視鏡ケーブル410を含む。
【0223】
内視鏡プローブ400はさらに、上で図1A〜24Bに関連して教示した実施形態のいずれかとして構成された、組織特性化のための装置420を含む。
【0224】
装置420は、挿入中および他の操作中にケーブル410内で後退させ、かつ特性化のために展開させることができる。
【0225】
加えて、装置420またはプローブ400は先鋭な刃422を含むことができ、それは組織、例えば皮膚、身体管腔、または別の組織を穿通する必要が無い限り、後退させることができる。先鋭な刃は装置420またはケーブル410に随伴させることができる。
【0226】
図25Aは、全体的内視鏡プローブ400を概略的に示す。
【0227】
図25Bは、挿入または他の操作用のケーブル410内に後退した装置420を概略的に示す。
【0228】
図25Cは、組織を穿通するために先鋭な刃422が展開した状態の装置420を概略的に示す。
【0229】
図25Dは、組織特性化のために展開された装置420を概略的に示す。
【0230】
さらに図面を参照すると、図26Aおよび26Bは、本発明の実施形態に係る、検査ステーション500で体外プローブとしてのプローブ50を概略的に示す。
【0231】
図26Aに示すように、検査ステーション500はエキソビボ組織用または生検標本用に適応させることができ、運動提供装置514と、プローブ50を取り付けるアーム516とを有するガントリ520を含むことができる。
【0232】
組織44は、別の運動提供装置512を有する別のガントリ510に配置することができる。
【0233】
ガントリ520および510は、信号通信アーキテクチャ16としても動作する通信線522および(または)524を介して、例えば制御および処理ユニット265によって自動的に制御することができる。
【0234】
ガントリは少なくとも1自由度を含むが、回転および並進運動に対して6もの自由度を含むことが好ましい。
【0235】
代替的に、1つの運動提供装置514または512のいずれかだけを使用することができる。
【0236】
運動は手動で操作することができることは理解されるであろう。
【0237】
代替的に、プローブ50を所定の位置に固定し、例えば固定アーム516に取り付ける一方、組織は手動で操作することができる。
【0238】
制御および処理ユニット265はまた、信号解析および信号発生ユニットを含むこともできる。
【0239】
図26Bに示すように、検査ステーション500はインサイチュの組織用に適応させることができ、かつ運動提供装置514とプローブ50が取り付けられる結合器518とを有するガントリ520を含むことができる。
【0240】
ガントリ520は自動的に、または手動で制御することができる。
【0241】
信号解析および信号発生ユニットをも含むこともできる制御および処理ユニット265は、ガントリ520の動作を制御することができる。
【0242】
ガントリ520は少なくとも1自由度を含むが、回転および併進運動に対して6もの自由度を含むことが好ましい。
【0243】
以下は、図1A〜26Bに関連して本書に教示した実施形態のいずれかの教示内容によって構成された、物質特性化のためのプローブに関する。
【0244】
本発明の一部の実施形態では、プローブは手持ち式プローブであってよく、把持用ハンドルを含むことができる。
【0245】
本発明の一部の実施形態では、プローブは、自動化または制御された運動を提供するために、ガントリ上に装着することができる。
【0246】
本発明の一部の実施形態では、プローブは検査ステーションに固定することができる。
【0247】
本発明の一部の実施形態では、プローブは、エキソビボ組織の一部分を特性化するように適応させることができる。
【0248】
本発明の一部の実施形態では、プローブは、生検標本を特性化するように適応させることができる。
【0249】
本発明の一部の実施形態では、プローブは、インサイチュの組織の一部分を特性化するように適応させることができる。
【0250】
本発明の一部の実施形態では、プローブは、皮膚の一部分を特性化するように適応させることができる。
【0251】
本発明の一部の実施形態では、プローブは、皮下組織の一部分を特性化するように適応させることができる。
【0252】
本発明の一部の実施形態では、プローブは、切開手術中に皮下組織の一部分を特性化するように適応させることができる。
【0253】
本発明の一部の実施形態では、プローブは、皮下組織の一部分の特性化のために、低侵襲手術に、例えばトロカール弁を介して挿入するため、または別の経皮挿入のために使用することができる。
【0254】
本発明の一部の実施形態では、プローブは、内腔壁の一部分を特性化するために、身体開口部を介して身体管腔内に挿入するように適応された体内プローブであってよい。
【0255】
本発明の一部の実施形態では、プローブは、内腔壁の一部分を特性化するために、身体管腔内に経皮挿入するように適応された体内プローブであってよい。
【0256】
本発明の一部の実施形態では、プローブは、皮下組織の一部分を特性化するために、身体開口部を介して身体管腔に挿入するように、かつ管腔を穿通するように適応された体内プローブであってよい。
【0257】
本発明の一部の実施形態では、プローブは、皮下組織の一部分を特性化するために、身体管腔に経皮挿入するように、かつ管腔を穿通するように適応された体内プローブであってよい。
【0258】
本発明の一部の実施形態では、プローブは、非生体組織の物質を特性化するように適応させることができる。
【0259】
本発明の一部の実施形態では、組織特性化のためのプローブおよびシステムは、以下の非網羅的リストのいずれか1つを含め、様々なタイプのセンサおよび技術を使用することができる。
【0260】
超音波検査法による組織特性化:超音波検査法は、約1ないし40MHzの範囲の高周波音波およびそれらの反響を使用する医用撮像技術である。音波は体内を進み、健康な組織とより高密度の癌組織との間、または軟質組織の一部分と骨との間などの、異なるタイプの組織の間の境界面によって反射する。超音波プローブは反射した音波を受信し、関連計測機器は、プローブから反射境界までの距離を算出する。
【0261】
超音波プローブは、圧力パルスに応答して電気信号を生成する圧電性結晶を含む。プローブの形状はその視野を決定し、放出される音の周波数は、最小検出可能な物体の大きさを決定する。一般的に、プローブは身体の表面上を移動するように設計される。しかし、一部のプローブは、検査対象器官に近付けるために膣または直腸などの身体管腔内に挿入するように設計される。
【0262】
1970代初期以前の超音波撮像システムは、器官の輪郭から生じる強い反響だけを記録することができ、体内構造体の低レベル反響は記録することができなかった。1972年に、階調表示と呼ばれる洗練された撮像モードが導入され、多くの器官の内部テクスチャが見えるようになった。その結果、超音波撮像は、例えば肝臓の腫瘍を撮像するための有用なツールとなった。
【0263】
近年の開発として、身体表面でプローブを移動させることによって、または身体管腔に挿入されたプローブを回転させることによって、幾つかの二次元画像を取得する、3D超音波撮像がある。次いで二次元スキャンは、専用コンピュータソフトウェアによって結合されて3D画像を形成する。
【0264】
多重要素プローブでは、各要素がパルスを送出するタイミングを変更することによってビームを「操向」することができるように、各要素が専用電気回路を有する。各要素を順次刺激することによって、ビームを左右に急速に操向させ、二次元断面画像を生成することができる。加えて、トランスデューサパルス制御により、オペレータが、超音波パルスの周波数および期間のみならず、機械のスキャンモードをも設定および変更することが可能になる。アレイトランスデューサから形成されたプローブは、操向のみならず、集束させる能力も有する。
【0265】
造影剤は、例えば「Ultrasonic Imaging System Utilizing a Long−Persistence Contrast Agent」と称し、その開示内容を参照によって本書に援用する、Schuttらの米国特許第6280704号によって教示されるように、超音波撮像に関連して使用することができる。
【0266】
誘電特性による組織特性化:組織の電磁特性による局所的組織特性化のための公知の技術は幾つか存在する。
【0267】
本願と同一譲受人が所有し、「Method and System for Examining Tissue According to the Dielectric Properties Thereof」と称し、その開示内容を参照によって本書に援用する、Hashimshonyの米国特許第6813515号は、被験組織の誘電特性に従って組織を他の組織から区別するために、組織を検査するための方法およびシステムを記載している。該方法は、プローブが空洞内で被験組織にフリンジ電界を生成し、かつ、被験対象組織付近の他の組織または生体内に浸透する放射が無視できるほど小さい状態で、そこから反射電気パルスを生成するように、開放空洞が形成されたプローブを介して被験組織に電気パルスを印加するステップと、反射電気パルスを検出するステップと、反射電気パルスの電気特性を印加電気パルスに照らして比較して、被験組織の誘電特性の指標を提供するステップとを含む。
【0268】
さらに、本願と同一譲受人が所有し、「Device and Method for Tissue Characterization in a Body Lumen, by an Endoscopic Electromagnetic Probe」と称し、その開示内容を参照によって本書に援用する米国特許出願第60/641081号は、内視鏡に搭載された電磁プローブを使用して異常を検出するために身体管腔の組織を特性化するための装置および方法を開示する。内視鏡は、口腔、胃腸管、直腸、結腸、気管支、膣、子宮頸部、尿路、および血管から成る群から選択された身体管腔内に挿入するように設計することができる。加えて、それはトロカール弁に挿入するように設計することができる。
【0269】
加えて、本願と同一譲受人が所有し、「Electromagnetic Sensors for Tissue Characterization」と称し、その開示内容を参照によって本書に援用する米国特許出願第60/665842号は、組織を穿通することなく、特性化のために組織の縁部に近接配置されるように構成された導電性構造体として形成された共振要素を含むセンサを開示している。共振要素は、縁と略平行な平面上にその断面積を画定する相当直径D、および外部システムとの通信を提供するための少なくとも1つの導電性リードを有し、ここで共振要素は約λから約10λの間のフリーエア(free−air)波長範囲で共振するように構成され、λは相当直径Dの少なくとも約10倍である。約λから約10λの間の範囲の信号を受信すると、センサは、組織の近距離領域内に電磁界を誘導する一方、遠距離領域では無視できるほど小さい放射を生じるように構成されるので、近距離領域の組織は事実上共振要素の一部として機能し、センサへの共振応答が変化し、それによって近距離領域の組織が、センサへの共振応答により、その電磁特性によって特性化される。近距離領域とは、縁から始めて、実質的にDの直径を有する半球である。
【0270】
電気インピーダンス撮像による組織特性化:電気インピーダンス撮像は、皮膚の表面上の点と患者の身体上の何らかの基準点との間のインピーダンスの測定に関係する。時々、電気接点のアレイを有するシートとして形成される多重要素プローブが、組織、例えば乳房の二次元インピーダンスマップを得るために使用される。二次元インピーダンスマップはおそらく、マンモグラフィなどの他のデータと共に、癌の検出のために使用することができる。
【0271】
British Journal of Neurosurgery,1992,6,pp.439〜444の、「Continuous Impedance Monitoring During CT−Guided Stereotactic Surgery:Relative Value in Cystic and Solid Lesions」と題するRajshekhar,V.による論文は、単一電極付きのインピーダンスプローブを使用して病変のインピーダンス特性を測定することを記載している。該研究の目的は、病変で行なわれた測定を利用して、病変の程度を決定し、かつ病変の場所をより正確に特定することであった。プローブはCTによって腫瘍まで誘導され、プローブが病変を通過するときに、病変内で4つの測定が行なわれた。病変の生検は、プローブ自体が引き込まれた後で、プローブの外鞘を位置へのガイドとして使用して実施された。
【0272】
「Apparatus and Method for Detection of Tumors in Tissue」と称し、その開示内容を参照によって本書に援用する、Sollishらの米国特許第4458694号は、乳房組織の局所的領域の誘電定数に基づいてヒトの乳房の腫瘍を検出するための装置に関する。該装置は、複数の要素を含むプローブを含む。該装置はさらに、AC信号を組織に印加するための手段と、プローブ要素の各々で異なる時間に誘電特性を検知するための手段と、異なる時間に検知された誘電特性を比較するために検知手段に結合された信号処理回路構成とを含む。該装置はこうして、プローブに関連付けられた乳房組織の局所的領域の誘電定数の出力を提供する。
【0273】
同様に、「Apparatus and Method for Detection of Tumors in Tissue」と称し、その開示内容を参照によって本書に援用する、Freiらの米国特許第4291708号は、ヒトの乳房組織の複数の局所的領域の誘電定数によってヒトの乳房組織の腫瘍を検出するための装置に関する。
【0274】
「Tissue Characterization Based on Impedance Images and on Impedance Measurements」と称し、その開示内容を参照によって本書に援用する、Pearlman,A.L.の米国特許第6308097号、第6055452号、および第5810742号は、インピーダンス画像で異常組織の組織タイプの識別を補助するための装置を記載している。該装置は、身体の一部分の多色エミッタンスマップを提供するための手段と、身体の一部分から複数の多色尺度を決定するための手段と、複数の多色尺度に基づいて組織タイプを示すためのディスプレイとを含む。
【0275】
光学蛍光分光法による組織特性化:巨大分子の標本に例えばレーザ光を照射すると、それは放射を吸収し、様々なレベルが励起される。励起状態の幾つかは、弾性散乱によって実質的に前の状態に戻り、一部のエネルギーは内部転換、衝突、および他の損失メカニズムで失われる。しかし、一部の励起状態は蛍光放射を生じ、それは状態の分布のため、特徴的な波長分布をもたらす。
【0276】
一部の腫瘍標識剤は、レーザ光を照射したときに、よく構造化された蛍光スペクトルを生じる。特にヘマトポルフィリン誘導体(HPD)は、405nm付近のソレー帯で励起したときに、よく構造化された蛍光スペクトルを生じる。蛍光スペクトルは、あまり構造化されていない組織の自己蛍光に事実上重なる、約630nmおよび690nmに典型的なピークを示す。他の有用な腫瘍標識剤として、337nm(Nレーザ)で照射したときに、ジヘマトポルフィリンエーテル/エステル(DHE)、ヘマトポルフィリン(HP)、ポリヘマトポルフィリンエステル(PHE)、およびテトラスルホン化フタロシアニン(TSPC)がある。
【0277】
「Diagnosis by Means of Fluorescent Light Emission from Tissue」と称し、その開示内容を参照によって本書に援用する、Andersson−Engelsらの米国特許第5115137号は、巨大分子の誘起蛍光による組織の特性の改善された検出に関する。組織特性は次いで、観察された巨大分子スペクトルから評価することができる。米国特許第5115137号によると、扁桃癌のスペクトルは、内因性ポルフィリンのため、正常な粘膜のそれとは明らかに異なる。
【0278】
「Diagnostic Method and Apparatus for Cervical Squamous Intraepithelial Lesions In Vitro and In Vivo Using Fluorescence Spectroscopy」と称し、その開示内容を参照によって本書に援用する、Richards−Kortumらの米国特許第6258576号は、例えば子宮頸部の癌および前癌の診断のための蛍光分光分析における複数の照射波長の使用に関する。このやり方で、(i)正常または炎症性の組織を扁平上皮の上皮内病変(SIL)と区別し、かつ(ii)高悪性度SILを非高悪性度SILと区別することが可能であった。検出はインビトロまたはインビボで実施することができる。多変量統計解析は、分類精度の最小限の低下を実証するアルゴリズムを再展開するために必要な蛍光励起−放射波長対の数を低減するために使用された。例えば上記特許の方法は、組織標本に約337nm、380nm、および460nmの電磁放射波長を照射して蛍光を発生させ、蛍光から複数の離散発光波長を検出し、発光波長から組織標本が特定の組織分類に属する確率を算出することを含む。
【0279】
本願と同一譲受人が所有し、「Method and Apparatus for Examining Tissue for Predefined Target Cells,Particularly Cancer Cells,and a Probe Useful for Such Method and Apparatus」と称し、その開示内容を参照によって本書に援用する、Hashimshonyの米国特許出願第2003/01383786号は、組織を検査し、被験組織の光学特性の測定された変化に従って、そのタイプを特性化するための方法、装置、およびプローブを教示する。この方法の好適な実施形態では、被験組織は、標的細胞に選択的に結合可能な生物学的担体と接合した物理的要素の小粒子を含む造影剤にさらされる。加えて、エネルギーパルスが被験組織に加えられ、加えられたエネルギーパルスによって生じるインピーダンスおよび/または光学特性の変化が検出され、被験組織における標的細胞の有無を決定するために利用される。さらに、好適な実施形態では、加えられるエネルギーパルスはレーザパルスを含み、生物学的担体と接合される物理的要素は、光の存在下で実質的に低下するインピーダンスを有する光感受性半導体である。さらに、標的細胞を検出するために使用される同じプローブを、標的細胞を破壊するために使用することもできる。
【0280】
光反射率分光法による組織特性化:組織特性化のために光反射率分光法を適用することは、2005年3月15日ダウンロードされ、例えばhttp://www.sbsp−limb.nichd.nih.gov/html/spectroscopy.htmlに記載されており、上皮および間質の散乱および吸収特性の評価を可能にし、こうして口腔癌の潜在的診断前駆体とみなされる慢性口腔上皮組織炎症に関する情報を提供する、上皮層の厚さを測定するための光反射率分光(ORS)装置、および傾角反射率分光法に基づく評価技術を開示している。
【0281】
加えて、Tomatis,A.らは、43の皮膚の色素病変(18のメラノーマ、17の一般色素細胞性母斑、および8つの異形成母斑)の反射率画像を研究した。反射率画像は望遠分光測光システムによって取得し、メラノーマを良性の色素細胞性実体と区別するために、420nmから1040nmまでのスペクトル範囲で分析した。スペクトル全体、可視、および近赤外を考慮して、様々な評価が実行された。35(81.4%)の正しい臨床診断と比較して、全部で33(76.7%)の病変が、望遠分光測光システムによって正しく診断された。赤外帯域の反射率は診断的に関連性があるように思われる。
【0282】
磁気共鳴(MR)による組織特性化:磁気共鳴は、不対スピンを有する核による電磁スペクトルの高周波範囲のエネルギーの吸収および放射に基づく。磁気共鳴撮像(MRI)は、不対スピンを有する核による電磁スペクトルの高周波範囲のエネルギーの吸収および放射の画像化に基づく。
【0283】
従来のMRIは、
i.撮像手順のためにB磁界を生成する主磁石と、
ii.Bに勾配を生成する勾配コイルと、
iii.スピンを90度または180度回転するために必要なB磁界を生成し、かつMR信号を検出するためのRFコイルと、
iv.MR撮像装置の構成要素を制御するためのコンピュータと
を有する、全身撮像のための大型装置を利用する。
【0284】
一般的に、磁石は、磁石内の内部領域に均一な磁界を提供する、大型水平ボア超伝導磁石である。患者または撮像対象は通常、撮像用の中心空隙内に位置する均一な磁界領域に配置される。典型的な勾配コイルシステムは、反ヘルムホルツ型のコイルを含む。これらは、Z軸の回りの2つの平行なリング状コイルである。2つのコイルの各々の電流は逆方向に流れ、2つのコイルの間に磁界の勾配を生じる。
【0285】
RFコイルはB磁界を生じ、それはパルスシーケンスで正味磁化を回転させる。RFコイルは、1)送受信コイル、2)受信専用コイル、または3)送信専用コイルであってよい。
【0286】
本書で上述した通り、MRIは磁石内の内部領域の磁界に依存する。したがって、撮像される組織は撮像装置の内部領域に存在しなければならないので、手持ち式プローブまたは内視鏡プローブとしては不適切である。
【0287】
しかし、「MRI Probe for External Imaging」と称し、その開示内容を参照によって本書に援用する、Pulyerらの米国特許第5572132号は、(大型水平ボア超伝導磁石の内部背景磁界とは対照的に)外部背景磁界Bを有するMRI分光プローブを記載している。したがって、動脈壁、直腸、尿路、腸、食道、鼻腔、膣、および他の生物医学的用途の組織の内視鏡撮像用のMRIカテーテルを作成することができる。該プローブは、(i)長手軸および軸方向に延びる外部表面を有する小型主磁石と、(ii)該表面を取り囲み、かつそれに近接するRFコイルとを含む。主磁石は、対称な、好ましくは、円筒状の均一磁界を磁石の表面に提供する構成および形状に作られる。RFコイルは励起核からNMR信号を受け取る。撮像のために、NMR信号を受け取るために使用されるのと同じコイルまたは別のRFコイルであってよい、RFコイルによって励起した核の核スピンを空間的に符号化するように、1つまたはそれ以上の勾配コイルが設けられる。
【0288】
加えて、本願と同一譲受人が所有し、「Method and Apparatus for Examining Substance, Particularly Tissue,to Characterize its Type」と称し、その開示内容を参照によって本書に援用する、Hashimshonyらの米国特許出願第2005/0021019号は、被験物質に偏向磁界を印加し、被験物質体積にRFパルスを局所的に印加して、物質の電気インピーダンスに対応する電気インピーダンス(EI)応答信号、および物質のMR特性に対応する磁気共鳴(MR)応答信号を引き起こし、EIおよびMR応答信号を検出し、被験物質体積のタイプを特性化するために検出された応答信号を利用することを含む、物質の体積を検査してそのタイプを特性化するための方法および装置を記載する。
【0289】
造影剤をMRIと連動して使用することができる。例えば、「Gas Filled Microspheres as Magnetic Resonance Imaging Contrast Agents」と称し、その開示内容を参照によって本書に援用する、Ungerの米国特許第6315981号は、MRI用の造影剤としてのガス充填微小球の使用を記載している。
【0290】
さらに、「Array of Coils for Use in Imaging the Vasculature of a Patient」と称し、その開示内容を参照によって本書に援用する、Beltの米国特許第6747454号は、患者の前面および後面にそれぞれ沿って配備される第1および第2複数個のコイル対を含むコイルの配列を記載している。第1および第2複数のコイル対は、それぞれ前面および後面から磁気共鳴信号を受け取る。各対の第1および第2ループを相互に相対的に横方向に隔離するための手段が設けられる。コイル対を相互に相対的に長手方向に隔離するための手段が設けられる。手段は、第1複数個のコイル対を第2複数個のコイル対から垂直方向にも隔離する。磁気共鳴信号は、患者の脈管構造を撮像するのに利用される。
【0291】
さらに、「Circuit for Selectively Enabling and Disabling Coils of a Multi−Coil Array」と称し、その開示内容を参照によって本書に援用する、Beltらの米国特許第6677755号は、n個のコイルを選択的に使用可能または使用不能にするために使用される回路を記載している。回路は電流源によって付勢されるn個のドライバを含む。n個のドライバは各々、1つのFETのゲートが他方のFETのゲートに接続されて、そこに共通ゲートノードが形成されるように配置された1対のFETを含む。n個のドライバは、トーテムポール状に配置される。n個のドライバのうちの第1ドライバの第1FETは、(A)グランドおよびn個のコイルのうちの第1コイルの1端にリンクされたドレーンと、(B)n個のドライバのうちの第2ドライバの第1FETのドレーンおよびn個のコイルのうちの第2コイルの1端にリンクされたソースとを有する。n個のドライバのうちの第1ドライバの他方のFETは、(A)n個のコイルのうちの第1コイルの他端にリンクされたソースと、(B)n個のコイルのうちの第2コイルの端およびn個のドライバのうちの第1ドライバの第1FETのソースにリンクされるドレーンとを含む。n個のドライバのうちの第2ドライバの第1FETもまた、連続n個のドライバの第1FETのドレーンおよび連続n個のコイルの1端にリンクされるソースを有する。n個のうちの第2ドライバの他方のFETもまた、(A)n個のコイルのうちの第2コイルの他端にリンクされたソースと、(B)連続n個のコイルの端およびn個のドライバのうちの第2ドライバの第1FETのソースにリンクされたドレーンとを有する。これは、n個のドライバのうちのn番目のドライバの第1FETおよび他方のFETが同様に、n個のドライバでできたトーテムポール状に配置されるまで続き、n個のドライバのうちn番目のドライバのそれぞれ第1FETおよび他方のFETのソースおよびドレーンが電流源に接続される。n個のドライバの各々は、その共通ゲートノードで、(i)コイルディセーブル信号に対しては、その第1FETを作動させ、かつその他方のFETを作動停止させ、それによって対応するコイルから電流を引き離し、かつこうしてそれを使用不能にするだけでなく、電流を第1FETに流れさせ、こうしてn個のドライバのうちの次のドライバが電流源として利用できるようにすることによっても応答し、かつ(ii)コイルイネーブル信号に対しては、その第1FETを作動停止させ、かつその他方のFETを作動させ、それによって対応するコイルおよび他方のFETに電流を連続的な流れさせ、こうして対応するコイルを使用可能にするだけでなく、n個のドライバのうちの次のドライバが電流源として利用できるようにすることによっても応答することによって、n個のコイルのうちの対応する1つを作動させるために使用される。
【0292】
磁気共鳴分光法(MRS)による組織特性化:MRSで、分光NMRデータが被験領域から得られる。したがって、MRSから得られる生化学情報は、定められた解剖学的位置に関連付けて解釈することができ、代謝物分布の画像を生成することができる。MRSは、細胞形質転換の代用生化学マーカを識別するために使用され、したがって良性腫瘍を悪性のものと区別し、かつ異なる腫瘍タイプを識別することができる。悪性腫瘍のスペクトルから予後および診断情報が導出される(Breast Cancer Res.,2001,3:36−40)。
【0293】
放射線放出による組織特性化:放射線放出撮像は一般的に、悪性腫瘍および炎症などの病理が健康な組織とは異なる活動レベルを示すという事実に依存する。したがって、血流で循環する放射性医薬品は活発な病理によって、周囲の健康な組織とは異なる程度に取り込まれる。その結果、病理は放射線放出源として有効であり、放射線放出撮像によって検出することができる。
【0294】
病理学的特徴は、腫瘍に関連付けられ得るように、集中的な高放射線源として、または高温領域として現われ、あるいは癌腫に関連付けられ得るように、低レベルであるが、それでもなお背景レベルより高い放射線の領域として現われる。さらに、逆の状況が可能である。壊死した組織は放射性医薬品を事実上取り込まず、したがって背景レベルより低い、ほとんど放射線の無い領域、または低温領域として働く。したがって、放射性医薬品は、活発な病理のみならず、壊死した組織をも識別するために使用することができ、形成された画像は一般的に「機能画像」と呼ばれる。
【0295】
放射性医薬品の局在化のメカニズムは、抗原抗体反応、粒子の身体的捕獲、レセプタ部位結合、意図的に損傷した細胞の循環からの除去、および正常に働く代謝プロセスによる細胞膜を超えて細胞内への化学種の輸送などの、関心器官の様々なプロセスよって異なる。放射性医薬品による局在化のメカニズムの概要は、http://www.lunis.luc.edu/nucmed/tutorial/radpharm/i.htm.で見られる。
【0296】
抗体を標識するための放射性核種の特定の選択は、放射されるガンマ線の数、それらのそれぞれのエネルギー、ベータまたはポジトロンなどの他の粒子の放出、同位体半減期、および同一化学であるが異なる半減期を有する異なる同位体の有無(例えばI131およびI133)などの、標識手順の化学および同位体の核特性によって異なる。医療用途での通常の好適な放出は、ガンマ線のそれである。しかし、ベータおよびポジトロン放射を検出することもでき、特にPET撮像に関連性がある。
【0297】
センサは、単一画素または複数画素の検出器として構成された、室温で固体状態のCdZnTe(CZT)検出器であってよい。代替的に、検出器は、CdTe、HgI、Si、Ge、もしくは類似物などの別の固定状態検出器、NaI(Tl)、LSO、GSO、CsI、CaF、もしくは類似物などのシンチレーション検出器、またはシンチレーション物質とフォトダイオードアレイとの組合せであってよい。
【0298】
放射線放出のためのコンピュータ断層撮影の2つの技術が公知である。
i.単一光子放出コンピュータ断層撮影法(SPECT)。単一放射線放出事象が身体の周囲で検出される。多数の光子の検出を使用して、三次元機能画像を形成し、かつしたがって放射源を識別することができる。
ii.ポジトロン放出断層撮影法(PET)。放射性同位体からポジトロンが放出される。それが電子と相互作用するにより、消滅が発生し、消滅によって生じた2つの光子は反対方向に進む。同時計数によるそれらの検出により、消滅が発生した正確な経路が識別される。再び、多数の光子の検出を使用して、三次元画像を形成し、かつ、特にPETでは同時計数のための光子経路が既知であるという事実を使用して、放射源を識別することができる。
【0299】
周囲の組織による減衰は、特定の誤差を引き起こす。
【0300】
標的組織細胞に存在する特定の分子を標的にするために、例えば、[18F]FDG(フルオロデオキシグルコース)、または[64Cu]で標識された抗体断片などの、様々な放射性医薬品を合成することができる。他は、http://www.crump.ucla.edu/software/lpp/radioisotopes/tracers.htmlで見ることができる。さらなる詳細および説明は、Breast Cancer Res.2001,3:28−35に見ることができる。
【0301】
温度撮像による組織特性化:新生物組織を突き止めかつ検出するための温度撮像は、1950年代に、悪性腫瘍の領域の皮膚の表面温度が健康な組織に期待されるより高い温度を示すことが発見されて以来、知られている。したがって、身体の皮膚温度を測定することによって、癌性腫瘍成長などの異常な身体活動の有無を検査することが可能になった。液晶の開発および温度応答性化学的基質を形成するための方法により、接触式温度測定が医療分野でのその使用と共に現実になった。接触式温度測定を使用する装置は、皮膚などの表面と物理的に直接接触させたときに、接触箇所またはその付近の温度を反映して、永久的または一時的に色が変化するインジケータを通して、温度変化を検知して表示することができる。異常な読みは、関心領域をより綿密かつ詳細に検討する必要性をユーザに知らせる。しかし、この領域の技術は主として、外部皮膚表面で温度を検知して表示することに向けられてきた。
【0302】
開示内容を参照によって本書に援用する、Vanzettiらの米国特許第3830224号は、乳癌の有無を検出する目的で、ブラジャの様々な箇所に温度応答性色変化液晶を配置することを開示している。
【0303】
「Devices for Use in Early Detection of Breast Cancer」と称し、その開示内容を参照によって本書に援用する、Sagiの米国特許第RE32000号は、片面に接着層および接着層によって取外し可能にそれに固定される剥離可能な層を有する、好ましくは円板状のパッチの形の可撓性熱伝導性ウェブを備えた装置を開示している。その反対側に、装置は間隔を置いて配置されたインジケータの配列を備え、各々のインジケータは、染料または顔料、および隣接するインジケータとは約0.5°F異なる比較的正確な温度で溶解する温度感応性物質(結晶有機化合物)を含む。所望の温度範囲をカバーするために必要な個数のインジケータが使用される。装置はブラジャの乳房受容カップ内に組み込まれ、2つの乳房の鏡像四分円をスキャンし、装置を目視検査して、色の変化を示したインジケータの個数を決定し、こうして乳房組織の異常の有無を個人に知らせる。
【0304】
「Differential Temperature Measuring Device and Method」と称し、その開示内容を参照によって本書に援用する、Brounsteinの米国特許第6135968号は、身体開口部のみを介して非外科的にアクセス可能な体内部位の温度を検知するための装置および方法を記載している。該装置は特に、選択された部位の温度の増加によって示される癌および他の異常な生物学的活動の検査などの医療用途に特に有用である。前立腺検査に適用されるときに、装置は一時的にユーザの指先または機械的プローブに接着される。好適な実施形態では、装置は、複数の化学インジケータを含むことができる2つの温度感知素子を含む。各インジケータは、予め定められた特定の温度の検出に応答して色が変化する。適切に調整して設置される場合、第1素子は指先の掌側面に配置され、第2素子は指先の甲側面に配置される。検査手袋を着用して、装置を担持する指先を覆った後、前立腺検査が実施され、その間、第1素子を一定にしかし短時間前立腺領域に接触させ、かつ同時第2素子を、前立腺領域と対向する皮膚表面と接触させる。指先を直腸から引き抜き、手袋を外した後、各々によって検出された温度を決定するために、2つの温度感知素子を目視検査することができる。観察された温度の顕著な相違は、異常な生物学的活動の可能性、およびさらなる診断または医療処置の必要性を指し示す。
【0305】
バイオセンサを用いる組織特性化:バイオセンサは、統合酵素、細胞小器官、組織、または微生物全体などの触媒型とすることができ、生物学的応答をトランスデューサによりデジタル電子信号に変換する。使用する主トランスデューサは電気化学、光学、または温度測定型である。バイオセンサはアフィニティ型であってもよい。アフィニティバイオセンサは、抗体の抗原との結合、細胞レセプタのリガンドとの結合、ならびに相補的配列によるDNAおよびRNAの核酸との結合に関する情報をもたらす。さらなる追加的タイプとして、マイクロバイオリアクタとして機能する完全統合バイオチップデバイスがある。全てのタイプを生体分子センサの高密度配列で使用することができる。
【0306】
これらのセンサの一部は、次の文献にさらに論じられている。
(i)Enzyme and Microbial Biosensors:Techniques and Protocols,A.Mulchandani & K.R.Rogers(Humana Press,1998);
(ii)Affinity Biosensors:Techniques and Protocols,A.Mulchandani & K.R.Rogers(Humana Press,1998);
(iii)Journal:Biosensors & Bioelectronics:
a.Volume 20,Issue 8,1459−1695頁(2005年2月15日);
b.Volume 20,Issue 6,1029−1259頁(2004年12月15日);
c.Volume 20,Issue 5,917−1028頁(2004年11月15日);
d.Volume 20,Issue 1,1−142頁(2004年7月30日);
e.Volume 20,Issue 12,2387−2593頁(2005年6月15日);
(iv)Journal:Sensors & Actuators B(chemical):
a.Volume 103,Issues 1−2,1−473頁(2004年9月29日);
b.Volume 102,Issue 1,1−177頁(2004年9月);および
c.Volume 106,Issue 1,1−488頁(2005年4月29日)。
【0307】
化学センサを用いる組織特性化:化学センサは様々なタイプの化合物および化学的状態の有無を検出する。これらは例えば、NaおよびKなどの、しかしそれらに限定されないイオン、酸素および二酸化炭素などの、しかしそれらに限定されない溶解ガス、ならびに溶液のpHを決定するためのセンサを含む。これらのセンサの一部は、次の文献にさらに論じられている。
(i)Sensors:A Comprehensive Survey.Volume 2:Chemical and Biochemical Sensors,Part I,W.Gopel,J.Hesse, & J.N.Zemel(VCH,1991年);
(ii)Sensors:A Comprehensive Survey.Volume 3:Chemical and Biochemical Sensors,Part II,W.Gopel,J.Hesse, & J.N.Zemel(VCH,1992年);および
(iii)Journal:Sensors & Actuators B(Chemical):
a.Volume 103,Issues 1−2,1−473頁(2004年9月29日);
b.Volume 102,Issue 1,1−177頁(2004年9月);
c.Volume 106,Issue 1,1−488頁(2005年4月29日);および
d.Volume 108,Issues 1−2,1−1000頁(2005年7月22日)。
【0308】
機械的センサを用いる組織特性化:機械的センサは、センサと接触する組織の物理的特性を測定する。機械的センサの1例は、センサ表面で検知される圧力を測定する触覚を使用する。透明な弾性触覚部を有する光学触覚センサは、TachiおよびKajimotoの米国特許第6909084号に教示されており、その開示内容を参照によって本書に援用する。これは触覚部および撮像部を持つ光学触覚センサであり、触覚部は、透明な弾性体と、弾性体内部に設けられた複数のマーカ群とを含み、各マーカ群は多数の着色マーカから構成され、マーカは、各群に異なる色を有する様々なマーカ群を構成し、物体が弾性体に接触したときの着色マーカの挙動が撮像手段によって写真撮影される。マーカ群は相互に異なる空間配置を持つことが好ましい。さらに、機械的センサについては、「Sensors:A Comprehensive Survey」 Volume 7:Mechanical Sensors,W.Gopel,J.Hesse, & J.N.Zemel(VCH,1994)に論じられている。
【0309】
本発明の一部の実施形態に係る方法がヒトの組織および動物の組織用に適応することができることは理解されるであろう。
【0310】
本発明の実施形態に係るプローブが体外的に皮膚に適用することができることは理解されるであろう。代替的に、それらは切開手術中に皮下組織に適用することができる。本発明の実施形態に係るプローブが、例えば約3センチメートルを超えない切開を有する低侵襲処置のために、体内に挿入することができることは理解されるであろう。代替的に、それらは身体管腔内に挿入することができる。
【0311】
この特許の存続期間中に、組織特性化のための多くの関連広帯域センサが開発されることが予想され、用語「組織特性化のための広帯域センサ」の範囲は全てのそのような新技術を先験的に含むことを意図している。
【0312】
本明細書で使用される場合、用語「約(“about”)」および「実質的に(“substantially”)」は±20%を意味する。
【0313】
明確にするため別個の実施態様で説明されている本発明の特定の特徴は単一の実施態様に組み合わせて提供することもできることが認識されるであろう。逆に、簡潔にするため単一の実施態様で説明されている本発明の各種の特徴は別個にまたはいかなる適切なサブコンビネーションでも提供することもできる。
【0314】
本発明はその特定の実施態様によって説明してきたが、多くの別法、変更および変形があることは当業者には明らかであることは明白である。従って、本発明は、本願の請求項の精神と広い範囲の中に入る係る別法、変更および変形すべてを包含するものである。
【0315】
本明細書中で挙げた刊行物、特許および特許願は全て、個々の刊行物、特許および特許願が各々あたかも具体的にかつ個々に引用提示されているのと同程度に、全体を本明細書に援用するものである。さらに、本願でのいかなる引用または確認したことも本発明の先行技術として利用できるという自白とみなすべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造体と、
物質を実質的に不動化するように物質を構造体に固定するために、第1の力を物質に加えるように構成された、構造体に随伴する第1機構と、
不動化された物質の外面に対してセンサを押圧し、それによって不動化された物質に第2の力を加えるように構成された、構造物に随伴する第2機構と
を備え、
第1の力の少なくとも1成分が第2の力の少なくとも1成分に対して逆向きであり、不動化された物質をセンサに押し付け、かつセンサを不動化された物質に押し付けて、センサと不動化された物質との間に有効な接触をもたらすようにした
物質特性化のための装置。
【請求項2】
第1機構は、物質を吸引によって固定しかつ実質的に不動化するための吸引源であるか、または第1機構は物質を把持するための把持装置である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
第2機構は、遠位方向および近位方向に摺動し、センサを近端に含む少なくとも1つのピストンである、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
ピストンはさらに、それが近位方向に摺動するときに横方向に振動して、物質に対して滑走掃引運動をもたらすように構成されるか、またはピストンは、近位方向に予め定められた距離だけ摺動するように構成されるか、またはピストンは、予め定められた力に達するまで近位方向に摺動するように構成されるか、または装置はさらに、第2の力を調整するためにばねを含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
センサは、光学センサ、X線センサ、RFセンサ、MWセンサ、赤外線サーモグラフィセンサ、超音波センサ、MRセンサ、インピーダンスセンサ、温度センサ、バイオセンサ、化学センサ、放射線放出センサ、無放射RFセンサ、および機械的センサから成る群から選択される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
物質に対する近端を画定する筐体と、
筐体内に配置され、信号解析器とセンサとの間の通信を提供し、それにより前記装置からプローブを形成するように構成された信号通信アーキテクチャと
を備えた、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
皮膚の一部分を特性化するために体外で適用すること、
内腔壁の一部分を特性化するために身体開口部を介して身体管腔に体内挿入すること、
皮下組織の一部分を特性化するために身体開口部を介して身体管腔に体内挿入し、身体管腔を穿通すること、
内腔壁の一部分を特性化するために身体管腔に経皮挿入すること、
皮下組織の一部分を特性化するために身体管腔に経皮挿入し、次いで身体管腔を穿通すること、
皮下組織の一部分を特性化するため、低侵襲処置のために体内挿入すること、
切開手術中に皮下組織の一部分に適用すること、
エキソビボ組織の一部分に適用すること、
生検標本に適用すること、および
非生体起源の物質に適用すること
から成る群から選択された用途向けに構成される、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
装置が信号解析器をさらに備え、筐体内に配置された信号通信アーキテクチャが信号解析器と1つのセンサ又は少なくとも1つのピストンセンサとの間の通信を提供するように構成されており、それにより物質特性化のためのシステムを提供する、請求項3に記載の装置。
【請求項9】
物質を実質的に不動化するように物質を構造体に固定するために、物質に第1の力を加えるステップと、
センサを不動化された物質の外面に対して押圧し、それによって不動化された物質に第2の力を加えるステップであって、第1の力の少なくとも1成分が第2の力の少なくとも1成分に対して逆向きであり、不動化された物質をセンサに押し付け、かつセンサを不動化された物質に押し付け、こうしてセンサと不動化された物質との間に有効な接触をもたらすようにしたステップと、
センサにより物質を特性化するステップと
を含む、物質特性化のための方法。
【請求項10】
物質は組織の一部分であるか、または組織の一部分は、皮膚の一部分、内腔壁の一部分、および皮下組織の一部分から選択されるか、または物質はインサイチュでの組織の一部分であるか、または物質はエキソビボでの組織の一部分であるか、または物質は生検標本であるか、または物質はゲル、ヒドロゲル、もしくはエラストマーである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
構造体と、
物質を実質的に不動化するように物質を構造体に固定するために、第1の力を物質に加えるように構成された、構造体に随伴する第1機構と、
不動化された物質の外面に対してセンサを押圧し、それによって不動化された物質に第2の力を加えるように構成された、構造体に随伴する第2機構と
を含む物質特性化のための装置
を提供するステップと、
前記装置を用いて前記固定を行うステップと
を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
物質に対する近端を画定する筐体と、
筐体内に配置された物質特性化のための装置であって、
構造体と、
物質を実質的に不動化するように物質を構造体に固定するために、第1の力を物質に加えるように構成された、構造体に随伴する第1機構と、
不動化された物質の外面に対してセンサを押圧し、それによって不動化された物質に第2の力を加えるように構成された、構造体に随伴する第2機構と
を含み、
第1の力の少なくとも1成分が第2の力の少なくとも1成分に対して逆向きであり、不動化された物質をセンサに押し付け、かつセンサを不動化された物質に押し付け、こうしてセンサと不動化された物質との間に有効な接触をもたらすようにした
装置と、
筐体内に配置され、信号解析器とセンサとの間の通信を提供するように構成された信号通信アーキテクチャと
を含むプローブと、
信号解析器と
を備えた、物質特性化のためのシステム。
【請求項13】
第1方向に湾曲を持つ表面を画定し、8cm未満の有効直径を有する要素と、
湾曲に沿って配設され、各々が物質の体積への視野角を画定し、体積の三次元情報を得るためにそれらの視野角の一部分を共有する少なくとも2つのセンサと
を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
第1方向に湾曲を持つ表面を画定し、8cm未満の直径を有する要素を提供するステップと、
各々が物質の体積測定領域への視野角を画定し、それらの視野角の一部分を共有する少なくとも2つのセンサを湾曲上に配設するステップと、
少なくとも2つのセンサにより測定を実施するステップと、
測定値を解析して物質の体積測定領域の三次元情報を得るステップと
を含む、物質の体積測定領域の三次元情報を得るための物質特性化方法。
【請求項15】
前記配設するステップは、各センサが物質の体積測定領域への視野角を画定し、各対が略同一のセンサであり、少なくとも2つのモダリティによって三次元情報を提供するために各対が異なるタイプのセンサを表わす、少なくとも2対のセンサを湾曲に沿って配設することを含み、
前記測定を実施するステップは、少なくとも2対のセンサにより測定することを含み、
前記測定値を解析して、物質の体積測定領域の三次元情報を得るステップは、少なくとも2つのモダリティによって分析することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記構造物は、円錐台として構成された剛性表面から形成され、直径を画定する第1断面形状を有し、かつ軸線を画定する第2断面形状を有し、
前記第1機構は、物質を構造物に固定するために、軸線に沿って1方向に、剛性表面に対して鋭角αで前記力を物質に加えるように構成され、
前記第2機構によって押圧される前記センサはピストンセンサである、請求項1または13に記載の装置。
【請求項17】
ピストンセンサは、光学センサ、X線センサ、RFセンサ、MWセンサ、赤外線サーモグラフィセンサ、超音波センサ、MRセンサ、インピーダンスセンサ、温度センサ、バイオセンサ、化学センサ、放射線放出センサ、無放射RFセンサ、および機械的センサから成る群から選択されるか、または少なくとも1つのピストンセンサは、同一タイプの少なくとも2つのピストンセンサを含むか、または少なくとも1つのピストンセンサは、異なるタイプの少なくとも2つのピストンセンサを含むか、または装置は直線状断面の剛性表面に配設された少なくとも1つの他のセンサをさらに含む、請求項3に記載の装置。
【請求項18】
物質に対する近端を画定する筐体と、
請求項16に記載の装置であって、筐体内に配置されかつ信号解析器と少なくとも1つのピストンセンサとの間の通信を提供するように構成された信号通信アーキテクチャをさらに含む装置と
を備えた物質特性化プローブ。
【請求項19】
プローブが、円錐台として構成された剛性表面から形成され、直径を画定する第1断面形状を有し、かつ軸線を画定する第2断面形状を有する構造物を含み、
第1機構が、構造物に随伴しかつ物質を実質的に不動化するように物質を構造物に固定するために、軸線に沿って1方向に、剛性表面に対して鋭角αで力を物質に加えるように構成され、
第2機構が、不動化された物質の外面に対して少なくとも1つのピストンセンサを押圧し、それによって不動化された物質に反力を加えるように構成され、
力の少なくとも1成分が、不動化された物質を少なくとも1つのピストンセンサに押し付け、かつピストンセンサを不動化された物質に押し付けて、少なくとも1つのピストンセンサと不動化された物質との間に有効な接触をもたらすように構成され
信号通信アーキテクチャが、信号解析器と少なくとも1つのピストンセンサとの間の通信を提供するように構成されている、請求項12に記載の物質特性化システム。
【請求項20】
円錐台として構成された剛性表面から形成され、直径を画定する第1断面形状を有し、かつ軸線を画定する第2断面形状を有する構造物と、
物質を実質的に不動化するように物質を構造物に固定するために、軸線に沿って第2方向に、剛性表面に対して鋭角αで力を物質に加えるように構成された、構造物に随伴する第1機構と、
不動化された物質の外面に対して少なくとも1つのピストンセンサを押圧し、それによって不動化された物質に反力を加えるように構成された、構造物に随伴する第2機構と
を備え、
力の少なくとも1成分が反力の少なくとも1成分に対して逆向きであり、不動化された物質を少なくとも1つのピストンセンサに押し付け、かつ少なくとも1つのピストンセンサを不動化された物質に押し付けて、少なくとも1つのピストンセンサと不動化された物質との間に有効な接触をもたらすようにした
物質特性化のための装置を提供するステップと、
物質を構造物に固定し、こうして物質を実質的に不動化するステップと、
少なくとも1つのピストンセンサを不動化された物質の外面に押圧し、それによって不動化された物質に反力を加えるステップであって、力の少なくとも1成分が反力の少なくとも1成分に対して逆向きであり、不動化された物質を少なくとも1つのピストンセンサに押し付け、かつ少なくとも1つのピストンセンサを不動化された物質に押し付け、こうして少なくとも1つのピストンセンサと不動化された物質との間に有効な接触をもたらすようにし、これにより少なくとも1つのピストンセンサを使用した特性化のために物質を状態調節するステップと、
を含む、物質特性化のための方法。

【図1A−G】
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【図1H】
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【図1I−N】
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【図1O−V】
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【図2A−B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D−F】
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【図6G−N】
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【図6O】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A−B】
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【図13C−D】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17A−B】
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【図17C−E】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26A】
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【図26B】
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【図2E】
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【公開番号】特開2013−31668(P2013−31668A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−194657(P2012−194657)
【出願日】平成24年9月5日(2012.9.5)
【分割の表示】特願2008−524676(P2008−524676)の分割
【原出願日】平成18年8月6日(2006.8.6)
【出願人】(504256501)デューン メディカル デヴァイシズ リミテッド (6)
【Fターム(参考)】