説明

有害生物防除剤組成物及び使用方法並びに有害生物の防除方法

【課題】フタルアミド誘導体を含有する有害生物防除剤の殺虫活性向上、及び殺菌剤や果面若しくは葉面保護剤等の処理及び殺虫剤散布処理等をまとめて行うことができることとの両方を満たすことの可能な有害生物防除剤組成物及び使用方法並びに、該有害生物防除剤等を用いた有害生物の防除方法の提供を課題とする。
【解決手段】フタルアミド誘導体と、カルシウムを含有する殺菌剤、果面若しくは葉面保護剤、葉面散布肥料等との混合物からなる有害生物防除剤その使用方法並びに有害生物防除方法等。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般式(I)で示されるフタルアミド誘導体と植物表面散布剤、特にカルシウムを含有する、殺菌剤、果面保護剤、葉面散布肥料等との混合により増強された殺虫効果を発揮する有害生物防除剤組成物及びその使用方法並びに有害生物の防除方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明で用いられる有効成分である一般式(I)で示されるフタルアミド誘導体は公知の化合物である(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照)当該フタルアミド誘導体は有害生物防除剤として有用であることが知られている。また、本発明の有効成分であるフタルアミド誘導体と殺虫剤等とを混合して使用することにより、対象病害虫の拡大、薬量の低減、相乗効果が期待できることが知られている(例えば、特許文献3参照)。一般的記載の中で、石灰硫黄合剤、塩基性硫酸銅等を、フタルアミド誘導体と相乗効果を有する組合せ組成物として混合する可能性について記載している。
しかしながら、フタルアミド誘導体と殺菌剤の組合せで相乗効果が生じた実例は開示されていない。また、本発明のフタルアミド誘導体と混合することができると例示されている塩基性硫酸銅等の無機銅剤、硫酸亜鉛石灰液、石灰硫黄合剤等の殺菌剤等に含まれる「カルシウム」についての特段の言及は無い。また、フタルアミド誘導体と石灰液に代表される果面保護剤等とを組み合わせた有害生物防除剤組成物、或いは、これらを混合又は同時に施用した場合に発揮される活性向上効果等については一切記載も示唆もされていない。
【0003】
【特許文献1】特開平11−240857号公報
【特許文献2】特開2001−131141号公報
【特許文献3】特開2003−12415号公報 発明の実施の形態中デリミタ0055以下
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フタルアミド誘導体は各種有害生物防除剤として有用であるが、特定の害虫、特に果樹類のシンクイムシ類等に対してはその施用場面によっては、他の場面で有効な散布薬量ではその効果は必ずしも十分でない場合がある。より広範囲の害虫、施用場面に対して、より少ない施用濃度にて安定して用いることができるよう、フタルアミド誘導体を含有する有害生物防除剤の効果を更に高めるための有効な方法が求められている。
【0005】
農作業においては、作物の生育期間中、各種薬剤等を多数回散布することが必要であり、散布作業回数の多さは農業従事者にとり大きな負担になっている。例えば、果樹園芸等においては、栽培を傾斜面において行うことも多く、その負担も特に重い。これら散布等の作業回数を少なくすることは、農業従事者の労働負担を減らすという労働衛生面からも、また、農産物生産コストを低減する経済性からも強く求められている。
ボルドー液、硫酸亜鉛石灰液、石灰硫黄合剤は殺菌剤として、また石灰液は果面保護剤として慣行的に利用される散布剤である。これらの物性が強アルカリ性であるため殺虫剤の混合使用に際しては、多くの場合、殺虫剤の分解により効果の低下を招くという問題があるため、殺虫剤とこれらカルシウムを含有する成分を同時に処理することはできなかった。
【0006】
本発明は、(1)フタルアミド誘導体を含有する有害生物防除剤の殺虫活性向上と、併せて、(2)カルシウムを含有する殺菌剤や果面保護剤等の処理及び殺虫剤散布処理をまとめて行うことができることとの両方を満たすことの可能な有害生物防除剤組成物及び使用方法並びに、該有害生物防除剤等を用いた有害生物のより効率的な防除方法の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、前述の課題を解決すべく研究した結果、フタルアミド誘導体に、石灰成分を含有する系統の殺菌剤及び/又はカルシウムを含有する果面保護剤等を混合使用した場合には効果の低下は無いことを見出した。むしろ、驚くべきことに、混合使用することにより、フタルアミド誘導体を単独で使用した場合に比して、予期以上の殺虫効果が得られる知見を得た。フタルアミド誘導体と植物表面散布剤、特にカルシウムを含有する植物表面散布成分を同時に処理することで殺虫効果が増強されることを見出して本発明を完成した。
【0008】
即ち、本発明は、
[1] 一般式(I):
【化1】


(式中、R1はC1-C6アルキル基、C1-C6アルキルチオC1-C6アルキル基、C1-C6アルキルスルフィニルC1-C6アルキル基又はC1-C6アルキルスルホニルC1-C6アルキル基を示し、Xは同一又は異なっても良く、ハロゲン原子を示し、nは1又は2を示し、Yは同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、C1-C6アルキル基、ハロC1-C6アルキル基又はハロC1-C6アルコキシ基を示し、mは2又は3を示す。)
で表されるフタルアミド誘導体の少なくとも一種と、カルシウムを含有する殺菌剤、果面保護剤及び葉面散布肥料から選択される1又は2以上の化合物、特にカルシウムを含有する果面若しくは葉面保護剤及び葉面散布肥料から選択される1又は2以上の化合物とを含有することを特徴とする有害生物防除剤組成物及び当該組成物又は個々の化合物を含む組成物を同時に植物等又は有害生物に施用することを特徴とする有害生物の防除方法、及び殺虫効果増強剤としての使用に関するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の農園芸用有害生物防除剤又は有害生物防除方法は、従来のフタルアミド誘導体を含む殺虫剤の単用と比してより効果が高まることにより、薬剤抵抗性を示す有害生物等を含めてより有効に防除できる。また、カルシウムを含有する殺菌剤やカルシウムを含有する果面保護剤を同時に処理できるため、薬剤等の散布回数を減らすことができ農作業の負担を低減できる。これらにより、特に果樹栽培等においては、より一層効果的かつ効率的な農作業が併せて実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の有害生物防除剤組成物の有効成分として用いられる、フタルアミド誘導体の一般式(I)の定義において「ハロゲン原子」とは塩素原子、臭素原子、沃素原子又はフッ素原子を示し、「C1−C6アルキル」とは、例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、2−メチルブチル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、イソヘキシル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、3,3−ジメチルブチル等の炭素原子数1〜6個の直鎖又は分枝状のアルキルを示す。(但し、「n−」とはノルマルを、「i−」とはイソを、「s−」とはセカンダリーを、「t−」とはターシャリーを示す。以下、同じ)。
【0011】
本発明の有害生物防除剤組成物の有効成分として用いられる、一般式(I)で表されるフタルアミド誘導体の具体的な化合物としては第1表に代表的な化合物を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、特開平11−240857号公報、特開2001−131141号公報、特願2004−242259号公報で具体的に例示された化合物等を例示することができる。これらフタルアミド誘導体は上記文献等に準じて製造することができる。
【0012】
【表1】

【0013】
一般式(I)で表される化合物のうち、好ましい化合物としてR1がC1-C6アルキル基、C1-C6アルキルチオC1-C6アルキル基、C1-C6アルキルスルフィニルC1-C6アルキル基又はC1-C6アルキルスルホニルC1-C6アルキル基を示し、Xがハロゲン原子を示し、nが1を示し、Yが同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、C1-C6アルキル基、ハロC1-C6アルキル基又はハロC1-C6アルコキシ基を示し、mが2又は3を示すものが挙げられ、特に好ましい化合物としてN2 −(1,1−ジメチル−2−メチルチオエチル)−3−ヨード−N1 −{2−メチル−4−[1,2,2,2,−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}フタルアミド、N2 −(1,1−ジメチル−2−メチルスルホニルエチル)−3−ヨード−N1 −{2−メチル−4−[1,2,2,2,−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}フタルアミド(以下「化合物A」という)又はN2 −(1,1−ジメチル−2−メチルスルフィニルエチル)−3−ヨード−N1 −{2−メチル−4−[1,2,2,2,−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}フタルアミドが挙げられる。
【0014】
本発明で用いられる植物表面散布剤は、植物表面、特に葉面又は果面を広く覆うように散布する薬剤や肥料等であれば良く、各配合原料等は固体状でも液体状でも良いが、施用は液状で散布することが好ましい。上記薬剤や肥料等としては、下記に限定されないが、カルシウムを含む殺菌剤、果面又は葉面散布肥料等が好ましい。カルシウム成分を含有する系統の殺菌剤としては、例えば、塩基性硫酸銅(カルシウム)、ボルドー液等のカルシウム含有無機銅剤、硫酸亜鉛石灰液等のカルシウム含有無機亜鉛剤、石灰硫黄合剤、多硫化カルシウム等のカルシウム含有硫黄剤等が挙げられ、好ましくは、ボルドー液、硫酸亜鉛石灰液、石灰硫黄合剤等である。
【0015】
本発明で用いられるボルドー液は石灰ボルドー液とも呼ばれるもので、硫酸銅を水に溶かした後、生石灰を水で溶解(石灰乳)させた液に少しずつ加えて調合して使用するが、その比率には特に制限は無い。通常、6−6式、6−4式、5−5式、5−4式、4−4式、4−5式、4−12式等様々な濃度で利用される。これらはボルドー液1リットル中の硫酸銅と生石灰のg数で表示されるもので、4−12式の場合、硫酸銅が4g、生石灰が12gとなる。生石灰の替わりに消石灰等を用いることができる。市販の製剤にはボルドー液と同一成分の薬剤として、例えば、塩基性硫酸銅を有効成分として含有するICボルドー66D、ICボルドー412(商品名、4−12式ボルドー相当品)等がある。また、塩基性硫酸銅を主成分とし、塩基性硫酸亜鉛と塩基性炭酸マグネシウムを配剤したZボルドー(商品名、日本農薬株式株式会社製)等がある。
【0016】
本発明で用いられる果面又は葉面保護剤又は葉面散布肥料等は農園芸用に用いられる果面又は葉面保護剤又は葉面散布肥料等であれば特に限定されないが、カルシウムを含有するものが好ましい。カルシウムを含有する果面又は葉面保護剤又は葉面散布肥料等に含まれる成分としては、例えば、生石灰、消石灰、過酸化カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、過燐酸石灰、クエン酸カルシウム、酢酸カルシウム、乳酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム等が挙げられる。他の果面又は葉面保護剤又は葉面散布肥料等に含まれる成分としては、ゼオライト等の鉱物粉、ポリブテン等の高分子化合物、酢酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、苦土石灰等の有機・無機マグネシウム化合物類等を例示することができる。
【0017】
しばしば殺菌剤の使用に際しては、殺菌剤による果面表皮障害防止のために酸化カルシウム(生石灰)、過酸化カルシウム、炭酸カルシウム等が混用されるが、本発明にはそれら殺菌剤の使用時における本発明の有害生物防除剤組成物混合も含まれる。
【0018】
本発明の有害生物防除剤組成物は水稲、野菜、果樹、その他の花卉、樹木等を加害する各種農林害虫又は園芸害虫等の害虫防除に適しており、場合により貯穀害虫又は衛生害虫あるいは線虫等の害虫防除にも用いることができ、例えば半翅目(Hemiptera)の異翅類(Heteroptera)から、マルカメムシ(Megacopta punctatissimum)、オオトゲシラホシカメムシ(Eysarcoris lewisi)、トゲシラホシカメムシ(Eysarcoris parvus)、ミナミアオカメムシ(Nezara viridula)、チャバネアオカメムシ(Plautia stali)、ホソハリカメムシ(Cletus punctiger)、クモヘリカメムシ(Leptocorisa chinensis)、ホソヘリカメムシ(Riptortus clavatus)、コバネヒョウタンナガカメムシ(Togo hemipterus)、ナシグンバイ(Stephanitis nashi)、ツツジグンバイ(Stephanitis pyrioides)、ウスミドリメクラガメ(Apolygus spinolai)、アカスジメクラガメ(Stenotus rubrovittalus)、アカヒゲホソミドリメクラガメ(Trigonotylus coelestialium)など、同翅類(Homoptera)から、フタテンヒメヨコバイ(Arboridia apicalis)、チャノミドリヒメヨコバイ(Empoasca onukii)、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、タイワンツマグロヨコバイ(Nephotettix virescens)、ヒメトビウンカ(Laodelphax striatellus)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、セジロウンカ(Sogatella furcifera)、ミカンキジラミ(Diaphorina citri)、ミカントゲコナジラミ(Aleurocanthus spiniferus)、シルバーリーフコナジラミ(Bemisia argentifolii)、タバココナジラミ(Bemisia tabaci)、ミカンコナジラミ(Dialeurodes citri)、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)、
【0019】
ブドウネアブラムシ(Viteus vitifolii)、リンゴワタムシ(Eriosoma lanigerum)、ユキヤナギアブラムシ(Aphis citricola)、マメアブラムシ(Aphis craccivora)、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)、ジャガイモヒゲナガアブラムシ(Aulacorthum solani)、ダイコンアブラムシ(Brevicoryne brassicae)、チューリップヒゲナガアブラムシ(Macrosiphum euphorbiae)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)、ムギクビレアブラムシ(Rhopalosiphum padi)、ムギヒゲナガアブラムシ(Sitobion akebiae)、クワコナカイガラムシ(Pseudococcus comstocki)、ツノロウムシ(Ceroplastes ceriferus)、アカマルカイガラムシ(Aonidiella aurantii)、ナシマルカイガラムシ(Comstockaspis perniciosa)、クワシロカイガラムシ(Pseudaulacaspis pentagoa)、ヤノネカイガラムシ(Unaspis yanonensis)等を例示することができ、
【0020】
鱗翅目(Lepidoptera)から、リンゴコカクモンハマキ(Adoxophyes orana fasciata)、チャノコカクモンハマキ(Adoxophyes honmai)、ミダレカクモンハマキ(Archips fuscocupreanus)、モモシンクイガ(Carposina niponensis)、ナシヒメシンクイ(Grapholita molesta)、チャハマキ(Homona magnanima)、チャノホソガ(Caloptilia theivora)、ヨモギエダシャク(Ascotis selenaria)、グレイプベリーモス(Endopiza viteana)、コドリンガ(Laspeyresia pomonella)、キンモンホソガ(Phyllonorycter ringoniella)、ギンモンハモグリガ(Lyonetia prunifoliella malinella)、ミカンハモグリガ(Phyllocnistis citrella)、コナガ(Plutella xylostella)、ワタアカミムシ(Pectinophora gossypiella)、モモシンクイガ(Carposina niponensis)、ニカメイガ(Chilo suppressalis)、サンカメイガ(Scirpophaga incertulas)、コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis)、ハイマダラノメイガ(Hellulla undalis)、アゲハ(Papilio xuthus)、モンシロチョウ(Pieris rapae crucivora)、オビカレハ(Malacosoma neustria testacea)、アメリカシロヒトリ(Hyphantria cunea)、シバツトガ(Parapediasia teterrella)、オオタバコガ(Helicoverpa armigera)、ヘリオチス種(Heliothis sp.)、カブラヤガ(Agrotis segetum)、タマナギンウワバ(Autographa nigrisigna)、ヨトウガ(Mamestra brassicae)、シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua)、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)等を例示することができ、鞘翅目(Coleoptera)から、ドウガネブイブイ(Anomala cuprea)、マメコガネ(Popillia japonica)、ヒラタキクイムシ(Lyctus brunneus)、ヒラタコクヌストモドキ(Tribolium confusum)、ニジュウヤホシテントウ(Epilachna vigintioctopunctata)、ゴマダラカミキリ(Anoplophora malasiaca)、マツノマダラカミキリ(Monochamus alternatus)、アズキゾウムシ(Callosobruchus chinensis)、ウリハムシ(Aulacophora femoralis)、ルートワーム種(Diabrotica sp.) 、ワタミゾウムシ(Anthonomus gradis grandis)、メキシカンビートル(Epilachna varivestis)、コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata)、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus)、イネドロオイムシ(Oulema oryzae)、シバオサゾウムシ(Sphenophrus venatus vestitus)、膜翅目(Hymenoptera)から、カブラハバチ(Athalia rosae ruficornis)、チュウレンジハバチ(Arge pagana)、クロヤマアリ(Formica japonica)等を例示することができ、
【0021】
双翅目(Diptera)から、イネハモグリバエ(Agromyza oryzae)、イネミギワバエ(Hydrellia griseola)、マメハモグリバエ(Liriomyza trifolii)、タマネギバエ(Delia antiqua)、イエバエ(Musca domestica)、チカイエカ(Culex pipiens molestus)、アカイエカ(Culex pipiens pallens)、アザミウマ目(Thysanoptera)から、チャノキイロアザミウマ(Scirtothrips dorsalis)、ミナミキイロアザミウマ(Thrips palmi)、ネギアザミウマ(Thrips tabaci)、ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)、シロアリ目(Isoptera)から、イエシロアリ(Coptotermes formosanus)、ヤマトシロアリ(Reticulitermes speratus)、チャタテムシ(Psocoptera)、ヒラタチャタテ(Liposcelis bostrychophilus)等を例示することができ、直翅目(Orthoptera)から、コバネイナゴ(Oxya yezoensis)、ケラ(Gryllotalpa sp.)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana) 、チャバネゴキブリ(Blattella germanica)等を例示することができ、ダニ目(Acarina)から、ミカンハダニ(Panonychus citri)、リンゴハダニ(Panonychus ulmi)、ナミハダニ(Tetranychus urticae)、カンザワハダニ(Tetranychus kanzawai)、ミナミヒメハダニ(Brevipalpus phoenicis)、クローバーハダニ(Bryobia praetiosa)、ミカンサビダニ(Aculops pelekassi)、ニセナシサビダニ(Eriophyes chibaensis)、チャノホコリダニ(Polyphagotarsonemus latus)、ロビンネダニ(Rhizoglyphus robini)、ケナガコナダニ(Tyrophagus putrescentiae)等を例示することができ、ハリセンチュウ目(Tylenchida)から、ミナミネグサレセンチュウ(Pratylenchus coffeae)、キタネグサレセンチュウ(Pratylenchus penetrans)、ジャガイモシストセンチュウ(Globodera rostochiensis)、サツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne incognita)、ニセハリセンチュウ目(Dorylaimida)から、ナガハリセンチュウ(Longidorus sp.)等を例示することができ、軟体動物門腹足綱(Gastropoda)から、ナメクジ(Incilaria bilineata)等を例示することができる。混合した殺菌剤等が効果を有する病害の防除にも使用できる。
【0022】
本発明の有害生物防除剤組成物を使用できる有用植物は特に限定されるものではないが、例えば穀類(例えば、稲、大麦、小麦、ライ麦、オート麦、トウモロコシ等)、豆類(大豆、小豆、そら豆、えんどう豆、インゲン豆、落花生等)、果樹・果実類(林檎、柑橘類、梨、葡萄、桃、梅、桜桃、胡桃、栗、アーモンド、バナナ、イチゴ等)、葉・果菜類(キャベツ、トマト、ホウレンソウ、ブロッコリー、レタス、タマネギ、ネギ、ピーマン、ナス、ペッパー等)、根菜類(ニンジン、馬鈴薯、サツマイモ、サトイモ、大根、蓮根、カブ、ゴボウ、ニンニク等)、加工用作物(棉、麻、ビート、ホップ、サトウキビ、テンサイ、オリーブ、ゴム、コーヒー、タバコ、茶等)、ウリ類(カボチャ、キュウリ、マクワウリ、スイカ、メロン等)、牧草類(オーチャードグラス、ソルガム、チモシー、クローバー、アルファルファ等)、芝類(高麗芝、ベントグラス等)、香料鑑賞用作物等(ラベンダー、ローズマリー、タイム、パセリ、胡椒、生姜等)、花卉類(キク、バラ、カーネーション、蘭等)、庭木(イチョウ、サクラ類、アオキ等)、樹木(トドマツ類、エゾマツ類、松類、ヒバ、杉、桧等)等の植物を例示することができる。
また、当該有用植物は、遺伝子組換え等により、殺虫性有効成分を成長過程で産生するものであっても良い。当該殺虫性有効成分としては、例えばBt毒素等を例示することができる。
【0023】
本発明の一般式(I)で表されるフタルアミド誘導体と植物表面散布剤とを配合してなる有害生物防除剤は、水田作物、畑作物、果樹、野菜、その他の作物、花卉及び樹木等に被害を与える前記害虫に対して顕著な防除効果を有するので、害虫の発生が予測される時期に合わせて、害虫の発生前又は発生が確認された時点で果樹、野菜、その他の作物、花卉、樹木等の茎葉に処理することにより本発明の有害生物防除剤の所期の効果が奏せられるものである。
【0024】
本発明の有害生物防除剤組成物は各種病害虫を防除するために、そのままの形、又は水等で適宜希釈し若しくは懸濁させた形で有害生物防除に有効な量を、有害生物の発生が予測される植物に使用すればよく、例えば果樹、穀類、野菜等において発生する有害生物に対しては茎葉部に散布することができる。
【0025】
作物茎葉部あるいは貯穀害虫、家屋害虫、衛生害虫、森林害虫等への散布方法としては、乳剤、フロアブル剤等の液体製剤又は水和剤もしくは顆粒水和剤等の固形製剤を水で適宜希釈し、散布する方法、粉剤を散布する方法又はくん煙等が挙げられる。
【0026】
また、本発明は一般式(I)で示されるフタルアミド誘導体から選択される化合物と植物表面散布剤とを併用することによる有害生物、特に果樹のシンクイガ類の防除方法に関する。フタルアミド誘導体と植物表面散布剤との併用は、例えば駆除すべきシンクイガの幼虫等が生息する果樹や上記植物等において、本発明の組成物を上述のような形で希釈して散布液を調製、散布する形態であっても良い。また、当該併用は特開平11−240857号公報、特開2001−131141号公報、特願2004−242259号公報に記載のごときフタルアミド誘導体を含有する組成物と植物表面散布剤を含有する組成物又は希釈原液等を、作物等への施用時に本発明の組成物と同様の割合となるように希釈、混合して散布液を調製して施用する形態であっても良く、更に、フタルアミド誘導体を含有する組成物と植物表面散布剤を含有する組成物又は希釈原液等をそれぞれ任意の濃度に別々に調製し、これらを対象作物等に対し別々に同時期に施用する形態であっても良い。この場合、先に処理した薬液の乾燥程度を確認して同日に散布しても良く、また、作業の都合上約1〜3日程度散布間隔が離れていても良い。上記の場合におけるフタルアミド誘導体と植物表面散布剤のそれぞれの施用薬量は、下記に示す本発明の施用量と同様となるようにするのが良い。
【0027】
本発明の有害生物防除剤は、農薬製剤上の常法に従い使用上都合の良い形状に製剤して使用するのが一般的である。
本発明の有害生物防除剤は、一般式(I)で表されるフタルアミド誘導体及び植物表面散布剤成分等の化合物を適当な不活性担体に、又は必要に応じて補助剤と一緒に適当な割合に配合して溶解、分離、懸濁、混合、含浸、吸着若しくは付着させて適宜の剤型、例えば懸濁剤、乳剤、液剤、水和剤、顆粒水和剤、粒剤、粉剤、錠剤、パック剤、ジャンボ剤等に製剤して使用できる。補助剤としては、増量剤、界面活性剤、固体流動性改良剤、懸濁剤、解こう剤、賦形剤、消泡剤、防腐剤、展着剤、酸化防止剤、分解防止剤、紫外線吸収剤等を用いることができる。
【0028】
本発明で使用できる不活性担体としては固体又は液体の何れであっても良く、固体の担体になりうる材料としては、例えばダイズ粉、穀物粉、木粉、樹皮粉、鋸粉、タバコ茎粉、クルミ殻粉、ふすま、繊維素粉末、植物エキス抽出後の残渣、粉砕合成樹脂等の合成重合体、粘土類(例えばカオリン、ベントナイト、酸性白土等)、タルク類(例えばタルク、ピロフィライト等)、シリカ類{例えば珪藻土、珪砂、雲母、ホワイトカーボン(含水微粉珪素、含水珪酸ともいわれる合成高分散珪酸で、製品により珪酸カルシウムを主成分として含むものもある。)}、活性炭、イオウ粉末、軽石、焼成珪藻土、レンガ粉砕物、フライアッシュ、砂、硫酸ナトリウム、炭酸マグネシウム等の無機鉱物性粉末、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン等のプラスチック担体、硫安、燐安、硝安、尿素、塩安等の化学肥料、堆肥等を挙げることができ、これらは単独で若しくは二種以上の混合物の形で使用される。
【0029】
液体の担体になりうる材料としては、それ自体溶媒能を有するものの他、溶媒能を有さずとも補助剤の助けにより有効成分化合物を分散させうることとなるものから選択され、例えば代表例として次に挙げる担体を例示できるが、これらは単独で若しくは2種以上の混合物の形で使用され、例えば水、アルコール類(例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、壁試練グリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)、ケトン類(例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン等)、エーテル類(例えばエチルエーテル、ジオキサン、セロソルブ、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素類(例えばケロシン、鉱油等)、芳香族炭化水素類(例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、アルキルナフタレン等)、エステル類(例えば酢酸エチル、ジイソプピルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレ−ト等)、アミド類(例えばジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、ニトリル類(例えばアセトニトリル等)、N−アルキルピロリドン、ジメチルスルホキシド類等を挙げることができる。
【0030】
他の補助剤としては次に例示する代表的な補助剤をあげることができ、これらの補助剤は目的に応じて使用され、単独で、ある場合は二種以上の補助剤を併用し、又ある場合には全く補助剤を使用しないことも可能である。
有効成分化合物の乳化、分散、可溶化及び/又は湿潤の目的のために界面活性剤が使用され、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン樹脂酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ジアルキルスルホサクシネート塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸縮合物、リグニンスルホン酸塩又は高級アルコール硫酸エステル等の界面活性剤を例示することができる。
又、有効成分化合物の分散安定化、粘着及び/又は結合の目的のために、次に例示する補助剤を使用することができ、例えばカゼイン、ゼラチン、澱粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、松根油、糠油、キサンタンガム等の増粘多糖類、ベントナイト等のチキソトロピー性鉱物類、リグニンスルホン酸塩等の補助剤を使用することができる。
【0031】
固体製品の流動性改良のために次に挙げる補助剤を使用することもでき、例えばワックス、ステアリン酸塩、燐酸アルキルエステル等の補助剤を使用できる。懸濁性製品の解こう剤として、例えばナフタレンスルホン酸縮合物、縮合燐酸塩等の補助剤を使用することができる。
消泡剤としては、例えばシリコーン油等の補助剤を使用することもできる。
防腐剤としては、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、パラクロロメタキシレノール又はパラオキシ安息香酸ブチル等を添加することができる。
更に必要に応じてテルペン、ポリアミド樹脂又はポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンの高級脂肪酸エステル等の機能性展着剤、ピペロニルブトキサイド等の代謝分解阻害剤等の活性増強剤、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン又はジエチレングリコール(BHA)等の凍結防止剤、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)又はブチルヒドロキシアニソール等の酸化防止剤、ハイドロキノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物又はサリチル酸系化合物等の紫外線吸収剤、或いはメチルセルロース、ポリビニルアルコール又はポリアクリル酸ナトリウム等のドリフト防止剤等その他の補助剤等を加えることができる。
【0032】
有効成分化合物の配合割合は必要に応じて加減することができ、有害生物防除剤100重部中、それぞれ約0.01〜90重量部の範囲から適宜選択して使用すれば良く、例えば粉剤又は粒剤とする場合は0.01〜50重量%、又乳剤又は水和剤とする場合も同様0.01〜50重量%が適当である。
本発明の有害生物防除剤組成物中、一般式(I)で示されるフタルアミド誘導体から選択される1又は2以上の化合物と植物表面散布剤との配合割合は特に制限されないが、フタルアミド誘導体1重量部に対して、植物表面散布剤約0.01〜1000重量部の範囲から適宜選択して使用すれば良く、好ましくは植物表面散布剤約0.1〜100重量部の範囲、特に好ましくは約1〜10重量部の範囲から選択して使用すれば良い。
【0033】
本発明の有害生物防除剤組成物は、その施用量は、有効成分の配合割合、気象条件、製剤形態、施用時期、施用方法、施用場所、防除対象有害生物、対象作物等により異なるが、通常1アール当たり有効成分として0.1g〜1000gの範囲から適宜選択して施用すれば良く、好ましくは1g〜500gの範囲が良い。種子への処理においては種子重量との比較で、有効成分として0.01%〜50%の範囲で使用することが可能であり、好ましくは0.1%〜10%の範囲である。乳剤、水和剤等を水等で希釈して施用する場合、その施用濃度は0.00001〜0.1%であり、粒剤、粉剤あるいは種子に処理する場合の液剤等は、通常希釈することなくそのまま施用すれば良い。
本発明の有害生物防除剤は、更に防除対象病害虫、防除適期の拡大のため、或いは薬量の低減をはかる目的で、製剤中で安定である限り、他の農園芸用殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、生物農薬等と混合して使用することが可能であり、又、使用場面に応じて除草剤、植物成長調節剤、肥料等と混用することが可能である。但し、塩基性条件下で不安定な化合物に関しては、分解を生じる可能性があり混合は望ましくない場合があるが、例えばマイクロカプセル化等の手法により安定化して配合することができる。
【実施例】
【0034】
以下に本発明の有害生物防除剤及びその使用方法につき、実施例を示して説明するが本発明はこれらに限定されない。
実施例1
化合物A 1部
炭酸カルシウム 20部
ジオクチルスルホサクシネートナトリウム 1.4部
ポリオキシエチレンアルキルエーテル 3部
プロピレングリコール 5部
水 69.3部
以上を混合して湿式粉砕し、キサンタンガム0.3部を加え混合して水性懸濁剤とした。
【0035】
実施例2
化合物A 1部
硫酸銅 20部
酸化カルシウム 20部
カオリンと合成高分散珪酸 54部
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルと
アルキルベンゼンスルホン酸カルシウムとの混合物 5部
以上を均一に混合粉砕して水和剤とする。
【0036】
実施例3
化合物A 1部
塩基性硫酸銅 44部
カオリンと合成高分散珪酸 45部
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルと
アルキルベンゼンスルホン酸カルシウムとの混合物 10部
以上を均一に混合粉砕して水和剤とする。
【0037】
実施例4
試験例1 室内ポット試験(モモシンクイガ食害予防試験)
リンゴ樹(果実5個着生,ポット植え)に薬液を蓄圧式散布機で十分量散布処理し、風乾後ケージ(金網メッシュ製、1×1×高さ1.5m)内に静置し、モモシンクイガの成虫(メス20匹、オス20匹)を放虫した。放虫5日後に生存成虫数および産卵数(果実および葉上に産卵された卵)を計数し、生存成虫を除去した。さらに放虫14日後に実体顕微鏡下で果実上の食入痕数について調査した。
【0038】
【表2】

【0039】
試験例2 リンゴ園での試験(モモシンクイガ食害予防試験)
リンゴ樹(10年生樹,果実約200個着生)に約2週間間隔(6月26日,7月9日,7月25日,8月6日,8月22日,5回連続散布)で薬液を動力噴霧機で十分量散布処理し、最終処理34日後(9月25日)に100果当たりの被害果数について調査した。
【0040】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I):
【化1】


(式中、R1はC1-C6アルキル基、C1-C6アルキルチオC1-C6アルキル基、C1-C6アルキルスルフィニルC1-C6アルキル基又はC1-C6アルキルスルホニルC1-C6アルキル基を示し、Xは同一又は異なっても良く、ハロゲン原子を示し、nは1又は2を示し、Yは同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、C1-C6アルキル基、ハロC1-C6アルキル基又はハロC1-C6アルコキシ基を示し、mは2又は3を示す。)
で示されるフタルアミド誘導体から選択される1又は2以上の化合物と植物表面散布剤とを含有することを特徴とする活性の向上した有害生物防除剤組成物。
【請求項2】
植物表面散布剤がカルシウム成分を含有する殺菌剤である請求項1に記載の有害生物防除剤組成物。
【請求項3】
植物表面散布剤が、カルシウム含有無機銅剤、カルシウム含有無機亜鉛剤及びカルシウム含有硫黄剤から選ばれる少なくとも1種の殺菌剤である請求項1に記載の有害生物防除剤組成物。
【請求項4】
植物表面散布剤が果面若しくは葉面保護剤及び葉面散布肥料から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1に記載の有害生物防除剤組成物。
【請求項5】
植物表面散布剤が酸化カルシウム(生石灰)、過酸化カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、硫酸カルシウム、クエン酸カルシウム及びリンゴ酸カルシウムから選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1に記載の有害生物防除剤組成物。
【請求項6】
請求項1乃至5いずれか1項に記載の有害生物防除剤組成物を有害生物又はが有害生物が生息する領域に施用することを特徴とする有害生物の防除方法。
【請求項7】
一般式(I):
【化2】


(式中、R1はC1-C6アルキル基、C1-C6アルキルチオC1-C6アルキル基、C1-C6アルキルスルフィニルC1-C6アルキル基又はC1-C6アルキルスルホニルC1-C6アルキル基を示し、Xは同一又は異なっても良く、ハロゲン原子を示し、nは1又は2を示し、Yは同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、C1-C6アルキル基、ハロC1-C6アルキル基又はハロC1-C6アルコキシ基を示し、mは2又は3を示す。)
で示されるフタルアミド誘導体から選択される1又は2以上の化合物と植物表面散布剤を使用時に混合して有害生物防除用散布剤として使用する方法。
【請求項8】
一般式(I):
【化3】


(式中、R1はC1-C6アルキル基、C1-C6アルキルチオC1-C6アルキル基、C1-C6アルキルスルフィニルC1-C6アルキル基又はC1-C6アルキルスルホニルC1-C6アルキル基を示し、Xは同一又は異なっても良く、ハロゲン原子を示し、nは1又は2を示し、Yは同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、C1-C6アルキル基、ハロC1-C6アルキル基又はハロC1-C6アルコキシ基を示し、mは2又は3を示す。)
で示されるフタルアミド誘導体から選択される1又は2以上の化合物を含有してなる有害生物防除剤と植物表面散布剤を、同時期に各々同一対象作物の表面に施用することを特徴とする有害生物防除方法。
【請求項9】
植物表面散布剤の、一般式(I):
【化4】


(式中、R1はC1-C6アルキル基、C1-C6アルキルチオC1-C6アルキル基、C1-C6アルキルスルフィニルC1-C6アルキル基又はC1-C6アルキルスルホニルC1-C6アルキル基を示し、Xは同一又は異なっても良く、ハロゲン原子を示し、nは1又は2を示し、Yは同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、C1-C6アルキル基、ハロC1-C6アルキル基又はハロC1-C6アルコキシ基を示し、mは2又は3を示す。)
で示されるフタルアミド誘導体から選択される1又は2以上の化合物の殺虫活性増強のための使用。

【公開番号】特開2007−22952(P2007−22952A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−205940(P2005−205940)
【出願日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(000232623)日本農薬株式会社 (97)
【Fターム(参考)】