説明

有害節足動物防除組成物及び有害節足動物の防除方法

【課題】有害節足動物に対する優れた防除効力を有する有害節足動物防除組成物を提供すること。
【解決手段】クロマフェノジドと、群(A)より選ばれる1種以上のいもち病防除化合物とを含有する有害節足動物防除組成物は、有害節足動物に対する優れた防除効力を有する。
群(A):フェリムゾン、フサライド、カスガマイシン塩酸塩、ジクロシメット及びチオファネートメチルからなる群。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有害節足動物防除組成物及び有害節足動物の防除方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、有害節足動物防除組成物の有効成分として、多くの化合物が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】The Pesticide Manual−15th edition(BCPC刊)ISBN 978−1−901396−18−8
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、有害節足動物に対する優れた防除効力を有する有害節足動物防除組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等は、有害節足動物に対する優れた防除効力を有する有害節足動物防除組成物を見出すべく検討した結果、クロマフェノジドと、下記群(A)より選ばれる1種以上のいもち病防除化合物とを含有する組成物が、相乗効果を示し、有害節足動物に対する優れた防除効力を有することを見出し、本発明に到った。
群(A):フェリムゾン、フサライド、カスガマイシン塩酸塩、ジクロシメット及びチオファネートメチルからなる群。
すなわち、本発明とは以下の[1]〜[5]のものである。
[1] クロマフェノジドと、群(A)より選ばれる1種以上のいもち病防除化合物とを含有する有害節足動物防除組成物。
群(A):フェリムゾン、フサライド、カスガマイシン塩酸塩、ジクロシメット及びチオファネートメチルからなる群。
[2] クロマフェノジドといもち病防除化合物との重量比が、50:1〜1:100である[1]記載の有害節足動物防除組成物。
[3] クロマフェノジドと、群(A)より選ばれる1種以上のいもち病防除化合物との有効量を、植物又は植物の栽培地に施用する工程を含む有害節足動物の防除方法。
群(A):フェリムゾン、フサライド、カスガマイシン塩酸塩、ジクロシメット及びチオファネートメチルからなる群。
[4] クロマフェノジドといもち病防除化合物との重量比が、50:1〜1:100である[3]記載の防除方法。
[5] 有害節足動物が、鱗翅目害虫である[3]又は[4]記載の防除方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、有害節足動物を防除することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の有害節足動物防除組成物とは、クロマフェノジドと、下記群(A)より選ばれる1種以上のいもち病防除化合物(以下、本いもち病防除化合物と記す場合がある。)とを含有するものである。
群(A):フェリムゾン、フサライド、カスガマイシン塩酸塩、ジクロシメット及びチオファネートメチルからなる群。
本発明に用いられるクロマフェノジド、フェリムゾン、フサライド、カスガマイシン塩酸塩、ジクロシメット及びチオファネートメチルはいずれも公知の化合物であり、例えば「 The Pesticide Manual-15th edition(BCPC刊);ISBN 978−1−901396−18−8 」の211、497、904、685、340及び1036ページ等に記載されている。これらの化合物は市販の製剤から得るか、公知の方法により製造することにより得られる。
【0008】
本発明の有害節足動物防除組成物における、クロマフェノジドと本いもち病防除化合物との含有割合は、特に限定されるものではないが、クロマフェノジドが1000重量部に対して、本いもち病防除化合物が、通常2〜1000000重量部、好ましくは20〜100000重量部である。
【0009】
本発明の有害節足動物防除組成物は、クロマフェノジドと本いもち病防除化合物とを単に混合したものでのもよいが、通常は、クロマフェノジドと本いもち病防除化合物と不活性担体とを混合し、必要に応じて界面活性剤やその他の製剤用補助剤を添加して、油剤、乳剤、フロアブル剤、水和剤、顆粒水和剤、粉剤、粒剤等に製剤化されたものが用いられる。また、前記の製剤化された有害節足動物防除組成物は、そのまま又はその他の不活性成分を添加して有害節足動物防除剤として使用することができる。
本発明の有害節足動物防除組成物における、クロマフェノジドと本いもち病防除化合物との合計量は通常0.01〜99重量%、好ましくは0.1〜90重量%の範囲、さらに好ましくは0.5〜70重量%の範囲である。
【0010】
製剤化の際に用いられる固体担体としては、例えばカオリンクレー、アパタルジャイトクレー、ベントナイト、モンモリロナイト、酸性白土、パイロフィライト、タルク、珪藻土、方解石等の鉱物、トウモロコシ穂軸粉、クルミ殻粉等の天然有機物、尿素等の合成有機物、炭酸カルシウム、硫酸アンモニウム等の塩類、合成含水酸化珪素等の合成無機物等からなる微粉末あるいは粒状物等が挙げられ、液体担体としては、例えばキシレン、アルキルベンゼン、メチルナフタレン等の芳香族炭化水素類、2−プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル等のアルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、ダイズ油、綿実油等の植物油、石油系脂肪族炭化水素類、エステル類、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル及び水が挙げられる。
界面活性剤としては、例えばアルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルリン酸エステル塩、リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホネートホルムアルデヒド重縮合物等の陰イオン界面活性剤及びポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤、及びアルキルトリメチルアンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤が挙げられる。
その他の製剤用補助剤としては、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、アラビアガム、アルギン酸及びその塩、CMC(カルボキシメチルセルロ−ス)、ザンサンガム等の多糖類、アルミニウムマグネシウムシリケート、アルミナゾル等の無機物、防腐剤、着色剤及びPAP(酸性リン酸イソプロピル)、BHT等の安定化剤が挙げられる。
【0011】
本発明の有害節足動物防除組成物は、植物に対して摂食、吸汁等の加害を行う有害節足動物(例えば、有害昆虫及び有害ダニ)による加害から植物を保護するために用いることができる。
【0012】
本発明の有害節足動物防除組成物が防除効力を有する有害節足動物としては、例えば次に示す鱗翅目害虫が挙げられる。
【0013】
ニカメイガ(Chilo suppressalis)、サンカメイガ(Tryporyza incertulas)、コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis)、ワタノメイガ(Notarcha derogata)、ノシメマダラメイガ(Plodia interpunctella)、アワノメイガ(Ostrinia furnacalis)、ハイマダラノメイガ(Hellula undalis)、シバツトガ(Pediasia teterrellus)等のメイガ類、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)、シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua)、アワヨトウ(Pseudaletia separata)、ヨトウガ(Mamestra brassicae)、タマナヤガ(Agrotis ipsilon),タマナギンウワバ(Plusia nigrisigna)、フタオビコヤガ(Naranga aenescens)、トリコプルシア属、ヘリオティス属、ヘリコベルパ属等のヤガ類、イチモンジセセリチョウ(Parnara guttata)等のセセリチョウ類、モンシロチョウ(Pieris rapae)等のシロチョウ類、アドキソフィエス属、ナシヒメシンクイ(Grapholita molesta)、マメシンクイガ(Leguminivora glycinivorella),アズキサヤムシガ(Matsumuraeses azukivora)、リンゴコカクモンハマキ(Adoxophyes orana fasciata)、チャノコカクモンハマキ(Adoxophyes honmai.)、チャハマキ(Homona magnanima)、ミダレカクモンハマキ(Archips fuscocupreanus)、コドリンガ(Cydia pomonella)等のハマキガ類、チャノホソガ(Caloptilia theivora)、キンモンホソガ(Phyllonorycter ringoneella)のホソガ類、モモシンクイガ(Carposina niponensis)等のシンクイガ類、リオネティア属等のハモグリガ類、リマントリア属、ユープロクティス属等のドクガ類、コナガ(Plutella xylostella)等のスガ類、ワタアカミムシ(Pectinophora gossypiella)ジャガイモガ(Phthorimaea operculella)等のキバガ類、アメリカシロヒトリ(Hyphantria cunea)等のヒトリガ類、イガ(Tinea translucens)、コイガ(Tineola bisselliella)等のヒロズコガ類。
【0014】
前記有害節足動物の中でも、好ましい例として、ニカメイガ(Chilo suppressalis)、サンカメイガ(Tryporyza incertulas)、コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis)、ワタノメイガ(Notarcha derogata)、ノシメマダラメイガ(Plodia interpunctella)、アワノメイガ(Ostrinia furnacalis)、ハイマダラノメイガ(Hellula undalis)、シバツトガ(Pediasia teterrellus)等のメイガ類、イチモンジセセリチョウ(Parnara guttata)等のセセリチョウ類、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)、シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua)、アワヨトウ(Pseudaletia separata)、ヨトウガ(Mamestra brassicae)、タマナヤガ(Agrotis ipsilon),タマナギンウワバ(Plusia nigrisigna)、フタオビコヤガ(Naranga aenescens)、トリコプルシア属、ヘリオティス属、ヘリコベルパ属等のヤガ類が挙げられる。
【0015】
本発明の有害節足動物防除組成物は植物病害を防除する目的で使用してもよく、例えばイネのいもち病(Magnaporthe grisea)を防除することができる。
【0016】
本発明の有害節足動物防除組成物は、植物又は植物の栽培地に施用することにより、有害節足動物を防除するために用いられる。ここで植物としては、植物の茎葉、植物の花、植物の実、植物の種子等が挙げられる。
【0017】
本発明の有害節足動物の防除方法は、本発明の有害節足動物防除組成物を処理することにより行われるが、具体的には例えば、茎葉散布などの植物の茎葉への処理、土壌処理などの植物の栽培地への処理等が挙げられる。
【0018】
本発明の有害節足動物の防除方法における、植物の茎葉への処理方法としては、具体的には、例えば、茎葉散布等の植物の表面に施用する処理方法が挙げられる。
【0019】
本発明の有害節足動物防除組成物を、植物又は植物を栽培地に処理する場合、その処理量は、処理する植物の種類、防除対象である有害節足動物の種類や発生程度、製剤形態、処理時期、気象条件等によって変化させ得るが、クロマフェノジドと本いもち病防除化合物との合計量として、当該植物を栽培する場所10000m2あたり通常0.5〜100000g、好ましくは5〜10000gである。
乳剤、水和剤、フロアブル剤等は通常水で希釈して散布することにより処理する。この場合、クロマフェノジドと、本いもち病防除化合物との合計での濃度は、通常0.0001〜10重量%、好ましくは0.0001〜5重量%の範囲である。粉剤、粒剤等は通常希釈することなくそのまま処理する。
【0020】
本発明の有害節足動物防除方法は、畑、水田、芝生、果樹園等の農耕地又は非農耕地用にて使用することができる。
また、本発明は、以下に挙げられる「植物」等を栽培する農耕地等において、当該農耕地の有害節足動物を防除するために使用することができる。
農作物:トウモロコシ、イネ、コムギ、オオムギ、ライムギ、エンバク、ソルガム、ワタ、ダイズ、ピーナッツ、ソバ、テンサイ、ナタネ、ヒマワリ、サトウキビ、タバコ等。
野菜;ナス科野菜(ナス、トマト、ピーマン、トウガラシ、ジャガイモ等)、ウリ科野菜(キュウリ、カボチャ、ズッキーニ、スイカ、メロン等)、アブラナ科野菜(アブラナ、ダイコン、カブ、セイヨウワサビ、コールラビ、ハクサイ、キャベツ、カラシナ、ブロッコリー、カリフラワー等)、キク科野菜(ゴボウ、シュンギク、アーティチョーク、レタス等)、ユリ科野菜(ネギ、タマネギ、ニンニク、アスパラガス等)、セリ科野菜(ニンジン、パセリ、セロリ、アメリカボウフウ等)、アカザ科野菜(ホウレンソウ、フダンソウ等)、シソ科野菜(シソ、ミント、バジル等)、イチゴ、サツマイモ、ヤマノイモ、サトイモ等。
果樹:仁果類(リンゴ、セイヨウナシ、ニホンナシ、カリン、マルメロ等)、核果類(モモ、スモモ、ネクタリン、ウメ、オウトウ、アンズ、プルーン等)、カンキツ類(ウンシュウミカン、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ等)、堅果類(クリ、クルミ、ハシバミ、アーモンド、ピスタチオ、カシューナッツ、マカダミアナッツ等)、液果類(ブルーベリー、クランベリー、ブラックベリー、ラズベリー等)、ブドウ、カキ、オリーブ、ビワ、バナナ、コーヒー、ナツメヤシ、ココヤシ、アブラヤシ等。
果樹以外の樹木:チャ、クワ、花木類(サツキ、ツバキ、アジサイ、サザンカ、シキミ、サクラ、ユリノキ、サルスベリ、キンモクセイ等)、街路樹(トネリコ、カバノキ、ハナミズキ、ユーカリ、イチョウ、ライラック、カエデ、カシ、ポプラ、ハナズオウ、フウ、プラタナス、ケヤキ、クロベ、モミノキ、ツガ、ネズ、マツ、トウヒ、イチイ、ニレ、トチノキ等)、サンゴジュ、イヌマキ、スギ、ヒノキ、クロトン、マサキ、カナメモチ等。
芝生:シバ類(ノシバ、コウライシバ等)、バミューダグラス類(ギョウギシバ等)、ベントグラス類(コヌカグサ、ハイコヌカグサ、イトコヌカグサ等)、ブルーグラス類(ナガハグサ、オオスズメノカタビラ等)、フェスク類(オニウシノケグサ、イトウシノケグサ、ハイウシノケグサ等)、ライグラス類(ネズミムギ、ホソムギ等)、カモガヤ、オオアワガエリ等。
その他:花卉類(バラ、カーネーション、キク、トルコギキョウ、カスミソウ、ガーベラ、マリーゴールド、サルビア、ペチュニア、バーベナ、チューリップ、アスター、リンドウ、ユリ、パンジー、シクラメン、ラン、スズラン、ラベンダー、ストック、ハボタン、プリムラ、ポインセチア、グラジオラス、カトレア、デージー、シンビジューム、ベゴニア等)、バイオ燃料植物(ヤトロファ、ベニバナ、アマナズナ類、スイッチグラス、ミスカンサス、クサヨシ、ダンチク、ケナフ、キャッサバ、ヤナギ等)、観葉植物等。
【0021】
上記「植物」は、遺伝子組換え技術や交配による育種法により耐性を付与された植物であってもよい。
【実施例】
【0022】
以下、本発明を製剤例及び試験例にてさらに詳しく説明するが、本発明は以下の例のみに限定されるものではない。なお、以下の例において、部は特にことわりの無い限り重量部を表す。
【0023】
製剤例1
クロマフェノジド5部及びフェリムゾン10部を、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末20部及び珪藻土59部を混合した中に加え、よく攪拌混合して水和剤を得る。
【0024】
製剤例2
クロマフェノジド5部及びフサライド10部を、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末20部及び珪藻土59部を混合した中に加え、よく攪拌混合して水和剤を得る。
【0025】
製剤例3
クロマフェノジド5部及びカスガマイシン塩酸塩1部を、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末20部及び珪藻土68部を混合した中に加え、よく攪拌混合して水和剤を得る。
【0026】
製剤例4
クロマフェノジド5部及びジクロシメット5部を、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末20部及び珪藻土64部を混合した中に加え、よく攪拌混合して水和剤を得る。
【0027】
製剤例5
クロマフェノジド5部、フェリムゾン10部及びフサライド10部を、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末20部及び珪藻土49部を混合した中に加え、よく攪拌混合して水和剤を得る。
【0028】
製剤例6
クロマフェノジド5部、カスガマイシン塩酸塩1部及びフサライド10部を、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末20部及び珪藻土58部を混合した中に加え、よく攪拌混合して水和剤を得る。
【0029】
製剤例7
クロマフェノジド5部及びチオファネートメチル40部を、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末20部及び珪藻土29部を混合した中に加え、よく攪拌混合して水和剤を得る。
【0030】
製剤例8
クロマフェノジド0.5部、フサライド2部、カオリンクレー87.5部及びタルク10部をよく粉砕混合することにより粉剤を得る。
【0031】
製剤例9
クロマフェノジド1部、カスガマイシン塩酸塩0.1部、カオリンクレー88.9部及びタルク10部をよく粉砕混合することにより粉剤を得る。
【0032】
製剤例10
クロマフェノジド0.5部、ジクロシメット0.5部、カオリンクレー89部及びタルク10部をよく粉砕混合することにより粉剤を得る。
【0033】
製剤例11
クロマフェノジド0.5部、フェリムゾン2部、フサライド2部、カオリンクレー85.5部及びタルク10部をよく粉砕混合することにより粉剤を得る。
【0034】
製造例12
クロマフェノジド5部、フサライド5部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩50部を含むホワイトカーボン30部及び水55部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、フロアブル剤を得る。
【0035】
製造例13
クロマフェノジド5部、ジクロシメット5部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩50部を含むホワイトカーボン30部及び水60部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、フロアブル剤を得る。
【0036】
製造例14
クロマフェノジド5部、カスガマイシン塩酸塩0.5部、ジクロシメット5部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩50部を含むホワイトカーボン35部及び水54.5部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、フロアブル剤を得る。
【0037】
製造例15
クロマフェノジド10部、カスガマイシン塩酸塩1部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩50部を含むホワイトカーボン35部及び水54部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、フロアブル剤を得る。
【0038】
製造例16
クロマフェノジド5部、チオファネートメチル40部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩50部を含むホワイトカーボン25部及び水30部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、フロアブル剤を得る。
【0039】
次に、本発明の効果を試験例にて示す。
【0040】
試験例1
クロマフェノジド原体フサライド原体及びジクロシメット原体10mgを、それぞれソルゲンTW−20(第一工業製薬製)を含むアセトン(和光純薬製)1mlに溶解した後、所定濃度になるように展着剤(商品名:ダイン(登録商標)、住友化学)0.02容量%を含有する水で希釈した。また、カスガマイシン塩酸塩一水和物を、所定濃度になるように展着剤(商品名:ダイン(登録商標)、住友化学)0.02容量%を含有する水で希釈した。クロマフェノジドの水希釈液とフサライドの水希釈液、ジクロシメットの水希釈液又はカスガマイシン塩酸塩一水和物の水希釈液とを混合し、試験用薬液を調製した。
ポットにキャベツを植え、4葉期まで生育させた。そのキャベツの葉を1枚ずつ切り取り、前述の試験用薬液に60秒間浸漬処理した。風乾後、このキャベツの葉を、濾紙を敷いたカップ(直径120mm、高さ80mm)に入れ、そこにハスモンヨトウの4齢幼虫を10頭ずつ放飼した。処理4日後に供試した虫の生死を観察し、下記式によって補正することにより殺虫率を算出した。なお、反復は3反復で行った
その結果を表1に示す。
殺虫率(%)=100×(Mt−Mc)/(100−Mc)
Mt:供試化合物処理区における死虫率(%)
Mc:供試化合物無処理区における死虫率(%)
【0041】
【表1】


【0042】
試験例2
クロマフェノジド原体及びフェリムゾン原体10mgを、それぞれソルゲンTW−20(第一工業製薬製)を含むアセトン(和光純薬製)1mlに溶解した後、所定濃度になるように展着剤(商品名:ダイン(登録商標)、住友化学)0.02容量%を含有する水で希釈した。クロマフェノジドの水希釈液とフェリムゾンの水希釈液とを混合し、試験用薬液を調製した。
ポットにキャベツを植え、4葉期まで生育させた。そのキャベツの葉を1枚ずつ切り取り、前述の試験用薬剤液に60秒間浸漬処理した。風乾後、このキャベツの葉を、濾紙を敷いたカップ(直径120mm、高さ80mm)に入れ、そこにハスモンヨトウの3齢幼虫を10頭ずつ放飼した。処理4日後に供試した虫の生死を観察し、下記式によって補正することにより殺虫率を算出した。なお、反復は3反復で行った。
その結果を表2に示す。
殺虫率(%)=100×(Mt−Mc)/(100−Mc)
Mt:供試化合物処理区における死虫率(%)
Mc:供試化合物無処理区における死虫率(%)
【0043】
【表2】



試験例3
クロマフェノジド原体及びチオファネートメチル原体10mgを、それぞれソルゲンTW−20(第一工業製薬製)を含むアセトン(和光純薬製)1mlに溶解した後、所定濃度になるように展着剤(商品名:ダイン(登録商標)、住友化学)0.02容量%を含有する水で希釈した。クロマフェノジドの水希釈液とチオファネートメチルの水希釈液とを混合し、試験用薬液を調製した。
ポットにキャベツを植え、4葉期まで生育させた。そのキャベツの葉を1枚ずつ切り取り、前述の試験用薬液に60秒間浸漬処理した。風乾後、このキャベツの葉を、濾紙を敷いたカップ(直径120mm、高さ80mm)に入れ、そこにハスモンヨトウの4齢幼虫を10頭ずつ放飼した。処理4日後に供試した虫の生死を観察し、下記式によって補正することにより殺虫率を算出した。なお、反復は3反復で行った。
その結果を表3に示す。
殺虫率(%)=100×(Mt−Mc)/(100−Mc)
Mt:供試化合物処理区における死虫率(%)
Mc:供試化合物無処理区における死虫率(%)
【0044】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロマフェノジドと群(A)より選ばれる1種以上のいもち病防除化合物とを含有する有害節足動物防除組成物。
群(A):フェリムゾン、フサライド、カスガマイシン塩酸塩、ジクロシメット及びチオファネートメチルからなる群。
【請求項2】
クロマフェノジドといもち病防除化合物との重量比が、50:1〜1:100である請求項1記載の有害節足動物防除組成物。
【請求項3】
クロマフェノジドと、群(A)より選ばれる1種以上のいもち病防除化合物との有効量を、植物又は植物の栽培地に施用する工程を含む有害節足動物の防除方法。
群(A):フェリムゾン、フサライド、カスガマイシン塩酸塩、ジクロシメット及びチオファネートメチルからなる群。
【請求項4】
クロマフェノジドといもち病防除化合物との重量比が、50:1〜1:100である請求項3記載の防除方法。
【請求項5】
有害節足動物が、鱗翅目害虫である請求項3又は4記載の防除方法。

【公開番号】特開2012−136497(P2012−136497A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−121553(P2011−121553)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】