説明

有害鳥獣類の侵入防止方法とその装置

【課題】 長期間にわたり有害鳥獣類の侵入を防止しうる方法と装置を提供することを目的とするものである。
【解決手段】 有害鳥獣類の侵入を防止する区域の周囲にロープ1を張り巡らし、ロープ1をロープ受け滑車2を備えた複数の支柱3によって支承すると共に、ロープ1に所定間隔にて有害鳥獣類が嫌う物体4(人間の形をした模型や防鳥グッズなど)を取り付け、ロープ1を正逆方向又は一方向に動かすことを特徴とする有害鳥獣類の侵入防止方法を提供すると共に、有害鳥獣類の侵入を防止する区域の周囲に張り巡らされたロープ1と、ロープ1を支える、ロープ受け滑車2を備えた複数の支柱3と、ロープ1に所定間隔にて取り付けられた人間の形をした模型4と、ロープ1を正逆方向又は一方向に動かす手段5と、を備えたことを特徴とする有害鳥獣類の侵入防止装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有害鳥獣類の侵入防止方法とその装置に関し、詳しくは果実農菜園等への、カラスなどをはじめとする有害鳥獣類の侵入を有効に防止しうる方法と装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
さくらんぼ、桃、ぶどう、りんご等をはじめとする果実農菜園等に、カラスなどをはじめとする有害鳥獣類が侵入し、食い荒らす被害が目立っており、その防止策が望まれている。
【0003】
昔から、主に雀や鳩などの鳥類を撃退するために、案山子が用いられている。
しかしながら、案山子は、賢いと言われるカラスや、イノシシなどの大型の有害獣類に対しては、必ずしも有効ではない。
【0004】
このため、カラスなどの有害鳥類が忌避するような音(超音波)や磁力を発するようにした装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、このような装置の場合、暫くすると刺激に慣れ、特にカラスなどは高い学習能力があることから、動きがないものと知れば直にその効果が薄れてしまい、侵入防止効果が比較的短いという問題があった。
【特許文献1】特開平4−63536号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような従来の問題点を解消し、長期間にわたり有害鳥獣類の侵入を防止しうる方法と装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記目的を達成するため、鋭意検討を重ねた。その結果、有害鳥獣類の侵入を防止する区域の周囲にロープを張り巡らし、このロープに所定間隔にて有害鳥獣類が嫌う物体(例えば、人間の形をした模型や防鳥グッズなど)を取り付け、このロープを一方向又は正逆方向に動かせば、有害鳥獣類からすると天敵である人間などが動きながら常に見張り番をしているように見え、長期間にわたり有害鳥獣類の侵入を防止することができることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、請求項1に係る本発明は、有害鳥獣類の侵入を防止する区域の周囲にロープを張り巡らし、前記ロープをロープ受け滑車を備えた複数の支柱によって支承すると共に、前記ロープに所定間隔にて前記有害鳥獣類が嫌う物体を取り付け、前記ロープを正逆方向又は一方向に動かすことを特徴とする有害鳥獣類の侵入防止方法を提供するものである。
また、請求項2に係る本発明は、有害鳥獣類の侵入を防止する区域の周囲に張り巡らされたロープと、前記ロープを支える、ロープ受け滑車を備えた複数の支柱と、前記ロープに所定間隔にて取り付けられた前記有害鳥獣類が嫌う物体と、前記ロープを正逆方向又は一方向に動かす手段と、を備えたことを特徴とする有害鳥獣類の侵入防止装置を提供するものである。
次に、請求項3に係る本発明は、前記ロープを正逆方向に動かす手段が、正逆回転しうるモーターと、前記モーターの回転を次の一組のロープ巻き取り・巻き出しプーリーに伝える伝達ギアーと、前記伝達ギアーにより正逆方向に回転する一組のロープ巻き取り・巻き出しプーリーと、前記モーターの回転数を感知する回転感知手段と、前記回転感知手段からの感知信号により前記モーターの回転を制御させる手段と、からなるものである、請求項2記載の有害鳥獣類の侵入防止装置を提供するものである。
また、請求項4に係る本発明は、前記ロープを正逆方向に動かす手段が、正逆回転しうるモーターと、無接点リレー又はリミットスイッチと、からなるものである、請求項2記載の有害鳥獣類の侵入防止装置を提供するものである。
次に、請求項5に係る本発明は、前記ロープを正逆方向に動かす手段が、正逆回転しうるモーターと、前記モーターが正回転したときに回転し、かつ、前記モーターが逆回転したときには空転するロープ巻き取り兼ロープ巻き出しプーリーと、前記モーターが逆回転したときに回転し、かつ、前記モーターが正回転したときには空転するロープ巻き出し兼ロープ巻き取りプーリーと、前記ロープの所定位置に取り付けられたセンサー感知マークと、前記センサー感知マークを読み取る感知センサーと、前記感知センサーからの感知信号により前記モーターの回転を制御させる手段と、からなるものである、請求項2記載の有害鳥獣類の侵入防止装置を提供するものである。
さらに、請求項6に係る本発明は、前記ロープを一方向に動かす手段が、ロープ巻き取り装置と、ロープ巻き戻し装置と、前記ロープ巻き取り装置及びロープ巻き戻し装置の運転を制御する手段と、からなるものであって、前記ロープ巻き取り装置は、モーターと、前記モーターの回転を次のロープ巻き取りプーリーに断続的に伝えるクラッチ機構と、前記クラッチ機構により前記モーターの回転を断続的に伝えられるロープ巻き取りプーリーと、前記ロープの所定位置に取り付けられたセンサー感知マークと、前記センサー感知マークを読み取る感知センサーと、からなり、かつ、前記ロープ巻き戻し装置は、ロープ巻き戻しプーリーと、前記ロープ巻き戻しプーリーに同軸に取り付けられているラチェットと、前記ラチェットの逆止め爪と、前記ラチェットを作動させるソレノイドと、前記ロープ巻き戻しプーリーに同軸に取り付けられているゼンマイスプリングと、からなり、前記ラチェットの逆止め爪が作動し、前記ラチェットを作動させるソレノイドが入り、前記ラチェットの逆止め爪がラチェットから外れたときに、前記ゼンマイスプリングにより前記ロープを巻き戻しうるようにされている、請求項2記載の有害鳥獣類の侵入防止装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、有害鳥獣類からすると天敵である人間などが動きながら(行ったり来たりしながら)常に見張り番をしているような状態とすることができる。
従って、長期間にわたり果実農菜園等への有害鳥獣類の侵入を防止することができる。
さらに、有害鳥獣類が嫌う物体に、例えば、人間の形をした模型や防鳥グッズなどに、熱感知センサーのような検知手段を取り付けておけば、この検知手段と連動する投光器の点灯、ボイスレコーダーによる音声の出力により、獣類や近頃多発している果実泥棒に対する盗難抑止策としても有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を図面に示す具体例により詳細に説明する。
請求項1に係る本発明は、有害鳥獣類の侵入を防止する区域の周囲にロープを張り巡らし、前記ロープをロープ受け滑車を備えた複数の支柱によって支承すると共に、前記ロープに所定間隔にて前記有害鳥獣類が嫌う物体を取り付け、前記ロープを正逆方向又は一方向に動かすことを特徴とする有害鳥獣類の侵入防止方法である。
請求項1に係る本発明の方法は、請求項2に係る本発明の装置により好適に行うことができるので、以下、請求項2に係る本発明の装置を説明しつつ、併せて請求項1に係る本発明の方法についても説明することとする。図1は、請求項2に係る本発明の1態様を示す説明図である。
請求項2に係る本発明は、有害鳥獣類の侵入防止装置に関し、有害鳥獣類の侵入を防止する区域の周囲に張り巡らされたロープ1と、前記ロープ1を支える、ロープ受け滑車2を備えた複数の支柱3と、前記ロープ1に所定間隔にて取り付けられた前記有害鳥獣類が嫌う物体4と、前記ロープ1を一方向又は正逆方向に動かす手段5と、を備えたことを特徴とするものである。
【0011】
請求項2に係る本発明の有害鳥獣類の侵入防止装置では、有害鳥獣類の侵入を防止する区域の周囲、例えば果実農菜園の周囲にロープ1が張り巡らされている。ロープ1としては、市販のロープでよく、通常はワイヤロープ(索条)が用いられる。
【0012】
前記ロープ1は、ロープ受け滑車(プーリー)2により支えられており、前記ロープ受け滑車2は複数の支柱3に備えられている。
ロープ受け滑車2としては、図2に示すように、縦置きにした滑車の上面でロープを受けるタイプのものでもよいし、図3に示すように、横置きにした滑車の側面でロープを受けるタイプのものでもよい。なお、図中、符号6はハズレ防止滑車であり、符号7はハズレ止め金具であるが、必要に応じてハズレ防止滑車6は省略することもできる。また、ロープ受け滑車(プーリー)2としては、図3に示すようなホイールプーリーを用いることもできる。
【0013】
支柱3を高さの調整が可能なものとしておけば、設置する現場の状況に合わせることができることから好ましい。支柱3の材質は特に制限はないが、通常、鉄などの金属製や合成樹脂製とされている。前記滑車の材質も同様である。
また、支柱3の設置本数は、設置する現場の状況に応じて適宜選定すればよい。
請求項1に係る本発明においては、このようにして有害鳥獣類の侵入を防止する区域の周囲にロープ1を張り巡らし、このロープ1をロープ受け滑車2を備えた複数の支柱3によって支承する。
【0014】
図4(a)、(b)、(c)、(d)に示すように、前記ロープ1には、所定間隔、例えば5〜6m間隔にて、有害鳥獣類が嫌う物体4(例えば、人間の形をした模型や防鳥グッズなど)が取り付けられている。ここで人間の形としては、カラスやイノシシなどの有害鳥獣類が最も嫌う猟師の形が最も好ましいが、これに限定されるものではない。また、有害鳥獣類が嫌う物体4として人間の形をした模型を用いる場合には、できるだけ実際の人間の大きさや形に近いものが好ましい。
また、図4(a)に示すように、この有害鳥獣類が嫌う物体4に、赤外線センサーや熱センサー(熱感知センサー)のような検知手段8を取り付け、その検知レベルをイノシシ、猿等の獣類と人間を検知することができる程度のものとしておけば、有害鳥獣類の侵入を防止する区域内に人間等が入ったことを自動的に検知することができる。
従って、この検知手段8と連動するように、投光器の点灯、ボイスレコーダーによる音声の出力ができるようにしておくことにより、近時頻発している、さくらんぼや桃、りんごなどの果実泥棒に対する盗難抑止策としても有効なものとすることができる。図5は、投光器9と、ボイスレコーダー(図示していない)による音声の出力を行うスピーカー10を、支柱3に取り付けた模様を示す説明図である。
【0015】
さらに、本発明においては、前記ロープ1を正逆方向又は一方向に動かす手段5が備えられている。
請求項3は、そのうちの前記ロープ1を正逆方向に動かす手段5に関するものであって、前記ロープ1を正逆方向に動かす手段5が、正逆回転しうるモーターと、前記モーターの回転を次の一組のロープ巻き取り・巻き出しプーリーに伝える伝達ギアーと、前記伝達ギアーにより正逆方向に回転する一組のロープ巻き取り・巻き出しプーリーと、前記モーターの回転数を感知する回転感知手段と、前記回転感知手段からの感知信号により前記モーターの回転を制御させる手段と、からなるものである、請求項2記載の有害鳥獣類の侵入防止装置を提供するものである。
【0016】
なお、電源としては、一般家庭電源(AC100V)の他に、太陽電池や風力発電システム等によるものがあるが、通常は、一般家庭電源(AC100V)が用いられる。
以下、請求項2に係る本発明を図面により説明する。図6、図7は、前記ロープ1を正逆方向に動かす手段5の一態様を示す説明図であって、図6はその正面図であり、図7は図6のW−W線断面図である。
【0017】
図6、7中、符号11は正逆回転しうるモーターであり、符号12は伝達ギアーである。伝達ギアー12は、前記モーター11の回転を次のロープ巻き取り・巻き出しプーリー13に伝えるものである。符号13は、前記伝達ギアー12により正逆方向に回転する一組のロープ巻き取り・巻き出しプーリーであり、符号13Aが一方のロープ巻き取り・巻き出しプーリーであり、符号13Bが他方のロープ巻き取り・巻き出しプーリーである。また、符号14は、前記モーター11の回転数を感知する回転感知手段であり、前記モーター11に前記伝達ギアー12と同軸に取り付けられているパルス発生回転板14Aと、回転感知センサー14Bとからなる。さらに、図示してはいないが、前記回転感知手段14からの感知信号により前記モーター11の回転を制御させる手段が設けられている。このモーター11の回転を制御させる手段には、前記回転感知手段14からの感知信号により前記モーター11の回転を停止させる手段と、タイマーと、前記モーター11の回転を開始させる手段とが含まれる。なお、図6中、符号15はプーリー押さえ板、符号16はモーター取り付け板、符号17はプーリー軸受メタル、符号18はプーリー側軸受メタル、符号19はプーリー押さえ板の押さえ柱である。
【0018】
このような正逆方向に動かす手段5、特に正逆方向に間欠運動させる手段の動作を述べると、以下のとおりである。
まず、制御盤(図示していない)のスタートスイッチを入れる(ONにする)と、モーター11が正方向に回転し、伝達ギアー12を通して一組のロープ巻き取り・巻き出しプーリー13が正回転し、一組のロープ巻き取り・巻き出しプーリー13のうちの一方のロープ巻き取り・巻き出しプーリー13Aがロープ1を巻き取り始める。逆に、他方のロープ巻き取り・巻き出しプーリー13Bはロープ1を巻き出し始める。
従って、前記ロープ1に所定間隔にて取り付けられた人間の形をした模型4が正方向に動くことになる。
するとモーター11の回転数を感知する回転感知手段14のうちのパルス発生回転板14Aが回転し始める。そのとき、回転感知センサー14Bが稼動して、パルス発生回転板14Aの回転数を感知してカウンターで数えて所定回転数(例えば15回転)でモーター11を停止させる。この停止は、前記モーター11の回転を制御させる手段による。ここでパルス発生回転板14Aの回転数が、この所要回転数(15回転)となったところで、5mのロープ移動が可能であるように、一組のロープ巻き取り・巻き出しプーリー13の直径を選択しておけば、ロープ1が5m移動したところで停止するようになる。例えば、5mでなくて8mのロープ移動を希望するのであれば、それに合わせて必要な条件を適宜選定すればよい。
【0019】
その後、モーター11の回転を制御させる手段のうちのタイマーにより、所望の停止タイム(例えば、0分〜10分間隔)の作動後、モーター11の回転を制御させる手段のうちの回転を開始させる手段により今度はモーター11が逆回転して、他方のロープ巻き取り・巻き出しプーリー13Bがロープ1を巻取り始める。逆に、一方のロープ巻き取り・巻き出しプーリー13Aはロープ1を巻き出し始める。ロープ巻き取り・巻き出しプーリー13の役割が入れ替わることになる。
従って、前記ロープ1に所定間隔にて取り付けられた人間の形をした模型4が逆方向に動くことになる。
すると、このときも前記と同じように、モーター11の回転数を感知する回転感知手段のうちのパルス発生回転板14Aが回転し始める。そのとき、回転感知センサー14Bが稼動して、パルス発生回転板14Aの回転数を感知してカウンターで数えて所定回転数(例えば15回転)でモーター11を停止させる。
さらに、その後、別のタイマーにより、所望の停止タイム(例えば、0分〜10分間隔)の作動後、今度はモーター11が再び正方向に回転し始める。
このタイマーで停止時間を所望の値に設定しておけば、自動的に何分間隔の自動運転となる。所望の停止時間をおいて正逆方向に間欠運転させることにより、有害鳥獣類が慣れるのを防止できる。なお、人間の形をした模型4の動く速度は、できるだけ人間の歩く速度と近い方がよく、その速度はモーター11の回転速度や伝達ギアー12のギア比などを適宜選定することにより調整すればよい。
なお、請求項3に係る本発明においては、このように間欠運動させる他に、連続運動させることも勿論可能である。これは、次に述べる請求項4や請求項5に係る本発明においても同様である。本発明においては、連続運動させてもよいし、間欠運動させてもよい。
【0020】
次に、請求項4は、請求項3と同様に前記ロープ1を正逆方向に動かす手段5に関するものであって、前記ロープを正逆方向に動かす手段5が、正逆回転しうるモーター11と、無接点リレー又はリミットスイッチAと、からなるものである、請求項2記載の有害鳥獣類の侵入防止装置である。
請求項4においては、前記ロープを正逆方向に動かす手段5として、正逆回転しうるモーター11と、無接点リレー又はリミットスイッチAとの組み合わせを用い、無接点リレー又はリミットスイッチAにより、予め任意の位置にセットして運動距離を任意に定めることができると同時に、必要に応じてタイマーを合わせて用い、任意な時間設定により間欠運動を可能としている。
これにより、前記ロープ1に所定間隔にて取り付けられた有害鳥獣類が嫌う物体4(例えば、人間の形をした模型や防鳥グッズなど)を任意の位置で停止させ、その後、逆方向に動かすことができ、有害鳥獣類からすると、あたかも天敵である人間などが動きながら(行ったり来たりしながら)常に見張り番をしているように見えることになる。
【0021】
次に、請求項5は、請求項3、4と同様に、前記ロープ1を正逆方向に動かす手段5に関するものであって、前記ロープを正逆方向に動かす手段5が、正逆回転しうるモーターと、前記モーターが正回転したときに回転し、かつ、前記モーターが逆回転したときには空転するロープ巻き取り兼ロープ巻き出しプーリーと、前記モーターが逆回転したときに回転し、かつ、前記モーターが正回転したときには空転するロープ巻き出し兼ロープ巻き取りプーリーと、前記ロープの所定位置に取り付けられたセンサー感知マークと、前記センサー感知マークを読み取る感知センサーと、前記感知センサーからの感知信号により前記モーターの回転を制御させる手段と、からなるものである、請求項2記載の有害鳥獣類の侵入防止装置を提供するものである。
【0022】
以下、請求項5に係る本発明を図面により説明する。図8、9は、前記ロープ1を正逆方向に動かす手段5の他の態様を示す説明図であって、図8はその正面図であり、図9は図8のX−X線断面図である。なお、図8については、ラチェット爪25とスプリング26の近辺を除き、原則として中心より上部は断面を示し、下部は外形を示している。
【0023】
図8、9中、符号20は正逆回転しうるモーターであり、符号21は、前記モーター20が正回転したときに回転し、かつ、前記モーター20が逆回転したときには空転するロープ巻き取り兼ロープ巻き出しプーリーである。また、符号22は、前記モーター20が逆回転したときに回転し、かつ、前記モーター20が正回転したときには空転するロープ巻き出し兼ロープ巻き取りプーリーである。このようにロープ巻き取り兼ロープ巻き出しプーリー21とロープ巻き出し兼ロープ巻き取りプーリー22とは、正反対の動きを示すものである。モーター20としては、出力が60W以上のものを用いることが好ましい。
【0024】
こでロープ巻き取り兼ロープ巻き出しプーリー21を、前記モーター20が正回転したときに回転し、かつ、前記モーター20が逆回転したときには空転するようにすると共に、ロープ巻き出し兼ロープ巻き取りプーリー22を、前記モーター20が逆回転したときに回転し、かつ、前記モーター20が正回転したときには空転するようにする仕組みは、以下に示すとおりである。
【0025】
まずロープ巻き取りプーリー兼ロープ巻き出し21と、ロープ巻き出し兼ロープ巻き取りプーリー22は、いずれも主軸23に対してフリーな状態に隣り合せに取り付けられている(軸支されている。)。
そしてロープ巻き取り兼ロープ巻き出しプーリー21と、ロープ巻き出し兼ロープ巻き取りプーリー22の側部には、それぞれラチェットギヤー24が互いに反対方向に取り付けられており、それぞれロープ巻き取り兼ロープ巻き出しプーリー21と共に、或いはロープ巻き出し兼ロープ巻き取りプーリー22と共に回転するようにされている。
さらに、このラチェットギヤー24に噛み合うラチェット爪25と、逆回転時にラチェットギヤー24とラチェット爪25との噛み合いを解消しようとする方向に働くスプリング26と、を取り付けたラチェット爪取り付け板27が、主軸23にそれぞれ軸支されている。
【0026】
なお、図中、符号28は軸受けであり、符号29は支柱である。軸受け28により主軸23を受け、これを支柱29で両側を支えることによって、ロープ巻き取り兼ロープ巻き出しプーリー21と、ロープ巻き出し兼ロープ巻き取りプーリー22を含めた全体を支柱29で支えている。さらに、符号Bは、これら装置全体を支えている基板である。軸受け28としては、主軸23の回転を円滑ならしめるため、通常、銅と錫の合金である砲金によって作られているが、これに限定されるものではない。
【0027】
このような構造を有しているため、まずスタート押釦スイッチ(図示していない)を押して前記モーター20を正回転させたときには、これと連動して主軸23が正回転する。すると、この主軸23に取り付けられているラチェット爪取り付け板27が正回転し、これに合せてこれに取り付けられているラチェット爪25が正回転し、さらにこのラチェット爪25に噛み合うラチェットギヤー24が正回転することになる。
ラチェットギヤー24が正回転すると、これに合せてロープ巻き取り兼ロープ巻き出しプーリー21も正回転することになり、図示していないが、このロープ巻き取り兼ロープ巻き出しプーリー21にロープ1が巻き取られることになる。
【0028】
一方、ロープ巻き出し兼ロープ巻き取りプーリー22の側部には、ラチェットギヤー24やラチェット爪25がロープ巻き取り兼ロープ巻き出しーリー21とは反対方向に取り付けられているため、ロープ巻き取り兼ロープ巻き出しーリー21の正回転はロープ巻き出し兼ロープ巻き取りプーリー22にとってはいわば逆回転に相当し、スプリング26によりラチェットギヤー24とラチェット爪25との噛み合いが解消される。このため、ロープ巻き出し兼ロープ巻き取りプーリー22は、前記モーター20が正回転したときには空転することとなり、図示していないが、このロープ巻き出し兼ロープ巻き取りプーリー22に巻かれているロープ1が巻き出されることになる。
このようにして前記モーター20が正回転したときに、ロープ巻き取り兼ロープ巻き出しプーリー21が回転する一方、ロープ巻き出し兼ロープ巻き取りプーリー21は空転することになる。
その結果、この場合には無理なくロープ巻き取り兼ロープ巻き出しプーリー21に、ロープ1が巻き取られることになる。
【0029】
次に、前記モーター20が逆回転したときは、ロープ巻き取り兼ロープ巻き出しプーリー21の役割とロープ巻き出し兼ロープ巻き取りプーリー22との役割がこれとは丁度正反対となる。前記モーター20が逆回転したときには、ロープ巻き出し兼ロープ巻き取りプーリー22が回転する一方、ロープ巻き取り兼ロープ巻き出しプーリー21は空転することになる。
その結果、この場合には無理なくロープ巻き出し兼ロープ巻き取りプーリー22に、ロープ1が巻き取られることになる。
【0030】
請求項5に係る本発明は、この他、前記ロープの所定位置に取り付けられたセンサー感知マークと、前記センサー感知マークを読み取る感知センサー(赤外線センサーなど)と、前記感知センサーからの感知信号により前記モーター20の回転を制御させる手段と、を有している。
これらはいずれも図示してはいないが、公知のものを使用することができる。ここで前記感知センサーからの感知信号により前記モーター20の回転を制御させる手段には、前記回転感知センサーからの感知信号により前記モーター20の回転を停止させる手段と、タイマーと、前記モーター20の回転を開始させる手段とが含まれる。
【0031】
請求項5に係る本発明はこのような構成を有しているため、上記したように、スタート押釦スイッチ(図示していない)を押して前記モーター20を正回転させたときには、ロープ巻き取り兼ロープ巻き出しプーリー21が正回転し、ロープ1を巻き取る一方、ロープ巻き出し兼ロープ巻き取りプーリー21は空転し、ロープ1を巻き出すことになる。
その結果、この場合には無理なくロープ巻き取り兼ロープ巻き出しプーリー21に、ロープ1が巻き取られることになる。
ロープ1が所定の距離移動すると、ロープ1の所定位置に取り付けられたセンサー感知マークを感知センサーが読み取り、この感知センサーからの感知信号に基づき前記モーター20の回転を制御させる手段のうちの前記モーター20の回転を停止させる手段の働きによって、前記モーター20の回転(正回転)が停止する。
【0032】
前記モーター20の回転を制御させる手段のうちのタイマーの働きによって一次停止後、前記モーター20の回転を制御させる手段のうちの前記モーター20の回転を開始させる手段の働きによって前記モーター20が逆回転する。
前記モーター20が逆回転したときは、ロープ巻き取り兼ロープ巻き出しプーリー21の役割とロープ巻き出し兼ロープ巻き取りプーリー22との役割がこれとは丁度正反対となり、ロープ巻き出し兼ロープ巻き取りプーリー22が回転する一方、ロープ巻き取り兼ロープ巻き出しプーリー21は空転することになる。
その結果、ロープ巻き取り兼ロープ巻き出しプーリー21に巻き取られたロープ1は巻き出され、ロープ巻き出し兼ロープ巻き取りプーリー22に、ロープ1が巻き取られることになる。
【0033】
このようにしてロープ1が最初の位置に移動すると、ロープ1の所定位置に取り付けられたセンサー感知マークを感知センサーが読み取り、この感知センサーからの感知信号に基づき前記モーター20の回転を制御させる手段のうちの前記モーター20の回転を停止させる手段の働きによって、前記モーター20の回転(正回転)が停止する。
前記モーター20の回転を制御させる手段のうちのタイマーの働きによって一次停止後、前記モーター20の回転を制御させる手段のうちの前記モーター20の回転を開始させる手段の働きによって、再び前記モーター20が正回転する。
これが自動的に繰り返して運転される。なお、ストップ押釦スイッチ(図示していない)を押すと停止する。
【0034】
請求項5に係る本発明によれば、このようにして前記ロープ1に所定間隔にて取り付けられた有害鳥獣類が嫌う物体4(例えば、人間の形をした模型や防鳥グッズなど)を所定の位置で停止させ、その後、逆方向に動かすことができ、有害鳥獣類からすると、あたかも天敵である人間などが動きながら(行ったり来たりしながら)常に見張り番をしているように見えることになる。
この請求項5に係る本発明の有害鳥獣類の侵入防止装置は、機構的に簡単で故障率が低く、安価に製造できる一方、動作が確実で騒音が少ないものであり、しかも有害鳥獣類の侵入学習能力を超えた動きを示すため、侵入防止効果が継続するなどの実益を有する。
【0035】
次に、請求項6は、前記ロープを一方向に動かす手段に関するものであり、前記ロープを一方向に動かす手段が、ロープ巻き取り装置と、ロープ巻き戻し装置と、前記ロープ巻き取り装置及びロープ巻き戻し装置の運転を制御する手段と、からなるものであって、前記ロープ巻き取り装置は、モーターと、前記モーターの回転を次のロープ巻き取りプーリーに断続的に伝えるクラッチ機構と、前記クラッチ機構により前記モーターの回転を断続的に伝えられるロープ巻き取りプーリーと、前記ロープの所定位置に取り付けられたセンサー感知マークと、前記センサー感知マークを読み取る感知センサーと、からなり、かつ、前記ロープ巻き戻し装置は、ロープ巻き戻しプーリーと、前記ロープ巻き戻しプーリーに同軸に取り付けられているラチェットと、前記ラチェットの逆止め爪と、前記ラチェットを作動させるソレノイドと、前記ロープ巻き戻しプーリーに同軸に取り付けられているゼンマイスプリングと、からなり、前記ラチェットの逆止め爪が作動し、前記ラチェットを作動させるソレノイドが入り、前記ラチェットの逆止め爪がラチェットから外れたときに、前記ゼンマイスプリングにより前記ロープを巻き戻しうるようにされている、請求項2記載の有害鳥獣類の侵入防止装置を提供するものである。
【0036】
以下、請求項6に係る本発明を図面により説明する。図10〜13は、前記ロープ1を一方向に動かす手段5の一態様を示す説明図である。図10と図11はそのうちのロープ巻き取り装置30の一態様を示しており、図10はその正面図であり、図11は図10のY−Y線断面図である。一方、図12と図13はそのうちのロープ巻き戻し装置31の一態様を示しており、図12はその正面図であり、図13は図10のZ−Z線断面図である。
【0037】
図10、11に示されるロープ巻き取り装置30は、モーター32と、前記モーター32の回転を次のロープ巻き取りプーリーに断続的に伝えるクラッチ機構33と、前記クラッチ機構33により前記モーター32の回転を断続的に伝えられるロープ巻き取りプーリー34と、前記ロープ1の所定位置に取り付けられたセンサー感知マーク35と、前記センサー感知マーク35を読み取る感知センサー(図示していない)と、からなっている。
ここでモーター32は、前に述べたモーター11とは異なり、一方向にのみ回転する通常のものである。
また、クラッチ機構33は、基本的にクラッチ作動ソレノイド33Aと、クラッチ作動板33Bと、クラッチ用スプリング33Cと、からなっている。なお、図10、11中、符号36はロープ巻き取りプーリー押さえ板、符号37はクラッチ用スプリング押さえ板、符号38はクラッチ用ソレノイド、符号39はロープ巻き取りプーリー軸受メタル、符号40はモーター取り付け板である。
【0038】
一方、図10、11に示されるロープ巻き戻し装置31は、ロープ巻き戻しプーリー41と、前記ロープ巻き戻しプーリー41に同軸に取り付けられているラチェット42と、前記ラチェット42の逆止め爪43と、前記ラチェット42を作動させるソレノイド44と、前記ロープ巻き戻しプーリー41に同軸に取り付けられているゼンマイ(板巻き)スプリング45と、からなっている。なお、図12、13中、符号46はロープ巻き戻しプーリー押さえ板、符号47はロープ安定金具、符号48はゼンマイ調整スペーサー、符号49は軸受メタル、符号50はスプリング押さえ板、符号51はロープ巻き戻しプーリー軸受メタル、符号52はラチェット位置調整スペーサーである。
【0039】
このような一方向に動かす手段5、特に一方向に間欠運動させる手段5の動作を述べると、以下のとおりである。
まず、図10、11に示されるロープ巻き取り装置30の制御盤(図示していない)のスタートスイッチを入れる(ONにする)と、モーター32が回転すると同時に、クラッチ作動ソレノイド23Aが働き、クラッチ作動板23Bが入り、クラッチ用スプリング33Cにより、ロープ巻き取りプーリー34が回転して、ロープ1を巻き取り始める(ロープ巻き取り装置Aが作動する。)。
従って、前記ロープ1に所定間隔にて取り付けられた有害鳥獣類が嫌う物体4(例えば、人間の形をした模型や防鳥グッズなど)が一方向に動くことになる。
ロープ1の所定位置(例えば、5mの地点)に取り付けられているセンサー感知マーク35を感知センサー(図示していない)で読み取り、モーター32を停止させると同時に、クラッチ作動ソレノイド33Aも停止する。
その後、必要により、前記ロープ巻き取り装置及びロープ巻き戻し装置の運転を制御する手段としてのタイマーの設定によって、適当な時間間隔で動作させる。
【0040】
上記のようにしてロープ巻き取り装置30が作動してロープ1を巻き取った後に、今度は図12、13に示されるロープ巻き戻し装置31が作動する。
ラチェット42の逆止め爪43が作動するため、ラチェット42を作動させるソレノイド44が入り、前記逆止め爪43がラチェット42から外れると、ゼンマイスプリング45によってロープ巻き戻しプーリー41が回転して、ロープ1を巻き戻し、全部巻き戻すと、ラチェット42を作動させるソレノイド44が停止する。
その後、前記ロープ巻き取り装置及びロープ巻き戻し装置の運転を制御する手段としてのタイマーにより、所望の停止タイム(例えば、0分〜10分間隔)の作動後、巻取り動作と巻き戻し動作とを繰り返す。
【0041】
請求項1に係る本発明においては、前記のようにして有害鳥獣類の侵入を防止する区域の周囲にロープ1を張り巡らし、ロープ1をロープ受け滑車2を備えた複数の支柱3によって支承し、このロープ1に所定間隔にて有害鳥獣類が嫌う物体4(例えば、人間の形をした模型や防鳥グッズなど)を取り付け、さらに、このロープ1を上記のようにして適宜手段により、正逆方向又は一方向に、連続的に又は間欠的に動かし、これにより有害鳥獣類の侵入を防止する。
【0042】
本発明は、以上のように構成されているため、有害鳥獣類からすると、あたかも天敵である人間などが動きながら(行ったり来たりしながら)常に見張り番をしているように見え、長期間にわたり有害鳥獣類の侵入を防止することができる。
従って、本発明は、農園芸業等において有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】請求項1に係る本発明の1態様を示す説明図である。
【図2】ロープ受け滑車2の一態様を示す説明図である。
【図3】ロープ受け滑車2の他の態様を示す説明図である。
【図4】有害鳥獣類が嫌う物体4の各種態様を示す説明図である。
【図5】投光器9と、ボイスレコーダーによる音声の出力を行うスピーカー10を、支柱3に取り付けた模様を示す説明図である。
【図6】ロープ1を正逆方向に動かす手段5の一態様を示す正面図である。
【図7】図6のW−W線断面図である。
【図8】ロープ1を正逆方向に動かす手段5の他の態様を示す正面図である。
【図9】図8のX−X線断面図である。
【図10】ロープ1を一方向に動かす手段5のうちのロープ巻き取り装置30の一態様を示す正面図である。
【図11】図10のY−Y線断面図である。
【図12】ロープ1を一方向に動かす手段5のうちのロープ巻き戻し装置31の一態様を示す正面図である。
【図13】図12のZ−Z線断面図である。
【符号の説明】
【0044】
1 ロープ
2 ロープ受け滑車
3 支柱
4 有害鳥獣類が嫌う物体
5 ロープ1を一方向又は正逆方向に動かす手段
6 ハズレ防止滑車
7 ハズレ止め金具
8 検知手段
9 投光器
10 スピーカー
11 モーター
12 伝達ギアー
13 ロープ巻き取り・巻き出しプーリー
13A 一方のロープ巻き取り・巻き出しプーリー
13B 他方のロープ巻き取り・巻き出しプーリー
14 回転感知手段
14A パルス発生回転板
14B 回転感知センサー
15 プーリー押さえ板
16 モーター取り付け板
17 プーリー軸受メタル
18 プーリー側軸受メタル
19 プーリー押さえ板の押さえ柱
20 モーター
21 ロープ巻き取り兼ロープ巻き出しプーリー
22 ロープ巻き出し兼ロープ巻き取りプーリー
23 主軸23
24 ラチェットギヤー
25 ラチェット爪
26 スプリング
27 ラチェット爪取り付け板
28 軸受け
29 支柱
30 ロープ巻き取り装置
31 ロープ巻き戻し装置
32 モーター
33 クラッチ機構
33A クラッチ作動ソレノイド
33B クラッチ作動板
33C クラッチ用スプリング
34 ロープ巻き取りプーリー
35 センサー感知マーク
36 ロープ巻き取りプーリー押さえ板
37 クラッチ用スプリング押さえ板
38 クラッチ用ソレノイド
39 ロープ巻き取りプーリー軸受メタル
40 モーター取り付け板
41 ロープ巻き戻しプーリー
42 ラチェット
43 ラチェット24の逆止め爪
44 ソレノイド
45 ゼンマイスプリング
46 ロープ巻き戻しプーリー押さえ板
47 ロープ安定金具
48 ゼンマイ調整スペーサー
49 軸受メタル
50 スプリング押さえ板
51 ロープ巻き戻しプーリー軸受メタル
52 ラチェット位置調整スペーサー
A 無接点リレー又はリミットスイッチ
B 基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有害鳥獣類の侵入を防止する区域の周囲にロープを張り巡らし、前記ロープをロープ受け滑車を備えた複数の支柱によって支承すると共に、前記ロープに所定間隔にて前記有害鳥獣類が嫌う物体を取り付け、前記ロープを正逆方向又は一方向に動かすことを特徴とする有害鳥獣類の侵入防止方法。
【請求項2】
有害鳥獣類の侵入を防止する区域の周囲に張り巡らされたロープと、前記ロープを支える、ロープ受け滑車を備えた複数の支柱と、前記ロープに所定間隔にて取り付けられた前記有害鳥獣類が嫌う物体と、前記ロープを正逆方向又は一方向に動かす手段と、を備えたことを特徴とする有害鳥獣類の侵入防止装置。
【請求項3】
前記ロープを正逆方向に動かす手段が、正逆回転しうるモーターと、前記モーターの回転を次の一組のロープ巻き取り・巻き出しプーリーに伝える伝達ギアーと、前記伝達ギアーにより正逆方向に回転する一組のロープ巻き取り・巻き出しプーリーと、前記モーターの回転数を感知する回転感知手段と、前記回転感知手段からの感知信号により前記モーターの回転を制御させる手段と、からなるものである、請求項2記載の有害鳥獣類の侵入防止装置。
【請求項4】
前記ロープを正逆方向に動かす手段が、正逆回転しうるモーターと、無接点リレー又はリミットスイッチと、からなるものである、請求項2記載の有害鳥獣類の侵入防止装置。
【請求項5】
前記ロープを正逆方向に動かす手段が、正逆回転しうるモーターと、前記モーターが正回転したときに回転し、かつ、前記モーターが逆回転したときには空転するロープ巻き取り兼ロープ巻き出しプーリーと、前記モーターが逆回転したときに回転し、かつ、前記モーターが正回転したときには空転するロープ巻き出し兼ロープ巻き取りプーリーと、前記ロープの所定位置に取り付けられたセンサー感知マークと、前記センサー感知マークを読み取る感知センサーと、前記感知センサーからの感知信号により前記モーターの回転を制御させる手段と、からなるものである、請求項2記載の有害鳥獣類の侵入防止装置。
【請求項6】
前記ロープを一方向に動かす手段が、ロープ巻き取り装置と、ロープ巻き戻し装置と、前記ロープ巻き取り装置及びロープ巻き戻し装置の運転を制御する手段と、からなるものであって、前記ロープ巻き取り装置は、モーターと、前記モーターの回転を次のロープ巻き取りプーリーに断続的に伝えるクラッチ機構と、前記クラッチ機構により前記モーターの回転を断続的に伝えられるロープ巻き取りプーリーと、前記ロープの所定位置に取り付けられたセンサー感知マークと、前記センサー感知マークを読み取る感知センサーと、からなり、かつ、前記ロープ巻き戻し装置は、ロープ巻き戻しプーリーと、前記ロープ巻き戻しプーリーに同軸に取り付けられているラチェットと、前記ラチェットの逆止め爪と、前記ラチェットを作動させるソレノイドと、前記ロープ巻き戻しプーリーに同軸に取り付けられているゼンマイスプリングと、からなり、前記ラチェットの逆止め爪が作動し、前記ラチェットを作動させるソレノイドが入り、前記ラチェットの逆止め爪がラチェットから外れたときに、前記ゼンマイスプリングにより前記ロープを巻き戻しうるようにされている、請求項2記載の有害鳥獣類の侵入防止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−75100(P2006−75100A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−263748(P2004−263748)
【出願日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(598090667)ハード技研工業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】