説明

有機材料の安定化及び表面改質

酸化、熱又は光により誘起される分解に対する顕著な安定性を有する、及び/又は有機材料の表面エネルギーを低下させ得る有機材料は、式(I)[式中、一般記号は、請求項1において定義される通りである]の少なくとも1種の化合物を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機材料、好ましくはポリマー又は潤滑剤を含む組成物とベンゾオキサチアン誘導体とに関し、並びに酸化、熱又は光により誘起される分解に対して有機材料を安定させるための、及び/又は有機材料のための表面エネルギーの低下剤としてのそれらの使用とに関する。
【0002】
公知の安定剤は、とりわけ保存寿命、吸水率、加水分解に対する感受性、工程中の安定化、色特性、揮発性、移行挙動、適合性、及び光に対する保護の向上に関する、安定剤が満たすことが求められる高い要件をあらゆる点で満たさない。その結果、酸化、熱及び/又は光により誘起される分解に対する感受性を有する、及び/又は有機材料のため、例えば有機材料の撥油性及び撥水性を増大させるための表面エネルギーの低下剤としての要件を満たす有機材料のための効果的な安定剤の必要性が依然として存在する。
【0003】
ベンゾオキサチアン誘導体は、酸化、熱又は光により誘起される分解に影響されやすい有機材料のための安定剤としての、及び/又は有機材料のための表面エネルギーの低下剤としての使用に特に適切であることがここで分かった。
【0004】
従って、本発明は、
a)酸化、熱又は光により誘起される分解の影響を受けやすい有機材料と、
b)式I
【化1】

[式中、R1及びR2は、互いに独立して水素、C1〜C25アルキル、C2〜C25アルケニル、非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたフェニル;非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたC7〜C9フェニルアルキル;−CH(R7)−S(O)n−R8又は−CH(R7)−S(O)n−CH2−CH(R7)−R9であり、
3及びR4は、互いに独立して水素、C1〜C25アルキル、非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたフェニルであり、
5及びR6は、互いに独立にして水素、C1〜C25アルキル、酸素により中断されたC2〜C25アルキル;非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたフェニル;ハロゲン、−CN、−NO2
【化2】

であり、
7は、水素、C1〜C12アルキル、
【化3】

、非置換の或いはハロゲン又はC1〜C4アルキルにより置換されたフェニルであり;
8は、一価の過フッ素化アルキル又はアルケニル、4〜20個の完全にフッ素化された炭素原子を有する直鎖状又は分枝状有機基であり、
9は、−CN、−S(O)n−R10
【化4】

又は−NO2であり、
10は、水素、C1〜C25アルキル、C7〜C9フェニルアルキル、非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたフェニル;非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたC5〜C8シクロアルキルであり;
11は、水素、アルカリ金属、C1〜C25アルキル、C7〜C9フェニルアルキル、非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたフェニル;非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたC5〜C8シクロアルキル;或いは酸素又は硫黄により中断されたC3〜C25アルキルであり;
12及びR13は、互いに独立して水素、C1〜C25アルキル、C1〜C4アルカノイル、C7〜C9フェニルアルキル、非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたフェニルであり;或いはR12及びR13は、それらが結合する窒素原子と共に、非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換された或いは酸素、硫黄又は
【化5】

により中断された5、6又は7員複素環を形成し、
14は、水素、C1〜C8アルキル又はベンジルであり、及び
nは、0、1又は2である]の少なくとも1種の化合物とを含む組成物に関する。
【0005】
最高25個の炭素原子を有するアルキルは、分枝状又は非分枝状基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、2−エチルブチル、n−ペンチル、イソペンチル、1−メチルペンチル、1,3−ジメチルブチル、n−ヘキシル、1−メチルヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、1−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、1,1,3−トリメチルヘキシル、1,1,3,3−テトラメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、1−メチルウンデシル、ドデシル、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルヘキシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、エイコシル又はドコシルである。
【0006】
最高4個の炭素原子を有するアルカノイルは、分枝状又は非分枝状基、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブタノイル又はピバロイルである。
【0007】
2〜25個の炭素原子を有するアルケニルは、例えば、ビニル、プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、イソブテニル、n−2,4−ペンタジエニル、3−メチル−2−ブテニル、n−2−オクテニル、n−2−ドデセニル、イソ−ドデセニル、オレイル、n−2−オクタデセニル、n−4−オクタデセニルの分枝状又は非分枝状基である。
【0008】
1〜C4アルキルで置換されたフェニルは、好ましくは1〜3個、とりわけ1又は2個のアルキル基を含有し、例えば、o−、m−又はp−メチルフェニル、2,3−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2−メチル−6−エチルフェニル、4−tert−ブチルフェニル、2−エチルフェニル、又は2,6−ジエチルフェニルである。
【0009】
7〜C9フェニルアルキルは、例えば、ベンジル、α−メチルベンジル、α,α−ジメチルベンジル又は、2−フェニルエチルである。
【0010】
1〜C4アルキルにより置換されたC7〜C9フェニルアルキルは、例えば、4−メチルベンジル、4−メチル−α−メチルベンジル、4−メチル−α,α−ジメチルベンジル又は4−メチルフェニル−2−エチルである。
【0011】
酸素又は硫黄により中断されたC3〜C25アルキルは、例えば、CH3−O−CH2CH2−、CH3−S−CH2CH2−、CH3−O−CH2CH2−O−CH2CH2−、CH3−(O−CH2CH2−)2O−CH2CH2−、CH3−(O−CH2CH2−)3O−CH2CH2−、又はCH3−(O−CH2CH2−)4O−CH2CH2−である。
【0012】
ハロゲンは、例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードである。
【0013】
一価の過フッ素化アルキル又はアルケニル、4〜20個の完全にフッ素化された炭素原子を有する直鎖状又は分枝状有機基は、例えば、−(CF2mCF3又は−CH2CH2(CF2mCF3[式中、mは、3〜19、好ましくは3〜12である]である。ペルフルオロアルキル部分は、R8が、通常、炭素原子数がより少ないごくわずかなペルフルオロアルキル基と炭素原子数がより多いごくわずかなペルフルオロアルキル基とを同時に含むことを意味するペルフルオロアルキル部分の混合物をも表す。
【0014】
非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたC5〜C8シクロアルキルは、例えば、シクロペンチル、メチルシクロペンチル、ジメチルシクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、ジメチルシクロヘキシル、トリメチルシクロヘキシル、tert−ブチルシクロヘキシル、シクロヘプチル又はシクロオクチルである。シクロヘキシル及びtert−ブチルシクロヘキシルが好ましい。
【0015】
12及びR13が、それらが結合する窒素原子と共に、非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換された或いは酸素、硫黄又は
【化6】

により中断された5、6又は7員複素環を形成する場合、これは、例えば、以下の基:
【化7】

を示す。好ましくは、R12及びR13は、それらが結合する窒素原子と共に、例えば
【化8】

等の酸素により中断された6員複素環を形成する。
【0016】
興味深い組成物としては、成分(b)として、式I
[式中、
1及びR2は、互いに独立して水素、C1〜C18アルキル、C2〜C18アルケニル、非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたフェニル;非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたC7〜C9フェニルアルキル;−CH(R7)−S(O)n−R8又は−CH(R7)−S(O)n−CH2−CH(R7)−R9であり、
3及びR4は、互いに独立して水素、C1〜C18アルキル、非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたフェニルであり、
5及びR6は、互いに独立にして水素、C1〜C18アルキル、酸素により中断されたC2〜C18アルキル;非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたフェニル;ハロゲン、−CN、
【化9】

であり、
7は、水素、C1〜C12アルキル又はフェニルであり、
8は、一価の過フッ素化アルキル又はアルケニル、4〜20個の完全にフッ素化された炭素原子を有する直鎖状又は分枝状有機基であり、
9は、−CN、−S(O)n−R10
【化10】

又は−NO2であり、
10は、水素、C1〜C18アルキル、C7〜C9フェニルアルキル、非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたフェニル;非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたC5〜C8シクロアルキルであり;
11は、水素、C1〜C18アルキル、C7〜C9フェニルアルキル、非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたフェニル;非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたC5〜C8シクロアルキル;或いは酸素又は硫黄により中断されたC3〜C18アルキルであり;
12及びR13は、互いに独立して水素、C1〜C18アルキル、C7〜C9フェニルアルキル、非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたフェニルであり;或いはR12及びR13は、それらが結合する窒素原子と共に、非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換された或いは酸素、硫黄又は
【化11】

により中断された5、6又は7員複素環を形成し、
14は、水素、C1〜C8アルキル又はベンジルであり、及び
nは、0、1又は2である]の化合物を含むものが挙げられる。
【0017】
興味深い組成物としては、成分(b)として、式I[式中、R3及びR5は、水素である]の少なくとも1種の化合物を含むものが挙げられる。
【0018】
成分(b)として、式I
[式中、
1及びR2は、互いに独立してC1〜C4アルキル、−CH(R7)−S(O)n−R8又は−CH(R7)−S(O)n−CH2−CH(R7)−R9であり、
7は、水素又はC1〜C4アルキルであり、
8は、一価の過フッ素化アルキル又はアルケニル、4〜20個の完全にフッ素化された炭素原子を有する直鎖状又は分枝状有機基であり、
9は、
【化12】

であり、
11は、水素又はC1〜C12アルキルであり、及び
nは、0、1又は2である]の少なくとも1種の化合物を含む組成物が好ましい。
【0019】
成分(b)として、式I
[式中、
1及びR2は、互いに独立してC1〜C4アルキル、−CH(R7)−S(O)n−R8又は−CH(R7a)−S(O)n−CH2−CH(R7b)−R9であり、
7、R7a及びR7bは、互いに独立して水素又はC1〜C4アルキルであり、
8は、一価の過フッ素化アルキル又はアルケニル、4〜20個の完全にフッ素化された炭素原子を有する直鎖状又は分枝状有機基であり、
9は、
【化13】

であり、
11は、水素又はC1〜C12アルキルであり、及び
nは、0、1又は2である]の少なくとも1種の化合物を含む組成物が好ましい。
【0020】
成分(b)として式I
[式中、
8は、−(CF2mCF3又は−CH2−CH2−(CF2mCF3であり、及び
mは、3〜12である]の少なくとも1種の化合物を含む組成物も好ましい。
【0021】
成分(b)として式I
[式中、
1及びR2は、互いに独立して水素、C1〜C12アルキル、フェニル、ベンジル、−CH(R7)−S(O)n−R8又は−CH(R7)−S(O)n−CH2−CH(R7)−R9であり、
3及びR4は、互いに独立して水素、C1〜C12アルキル又はフェニルであり、
5及びR6は、互いに独立にして水素、C1〜C12アルキル、フェニル、ハロゲン、−CN、
【化14】

であり、
7は、水素又はC1〜C12アルキルであり、
8は、−(CF2mCF3又は−CH2−CH2−(CF2mCF3であり;
9は、−CN、
【化15】

であり、
10は、C1〜C12アルキル、C7〜C9フェニルアルキル、フェニル又はC5〜C8シクロアルキルであり、
11は、水素、C1〜C12アルキル、ベンジル、フェニル或いはC5〜C8シクロアルキル又はC3〜C18アルキルであり、
12及びR13は、互いに独立して水素、C1〜C12アルキル、ベンジル、フェニルであり;或いはR12及びR13は、それらが結合する窒素原子と共に、6員複素環を形成し、
mは、3〜12であり、及び
nは、0、1又は2である]の少なくとも1種の化合物を含む組成物も同様に好ましい。
【0022】
成分(b)として、式I
[式中、
1は、C1〜C4アルキル、−CH(R7)−S(O)n−R8又は−CH(R7)−S(O)n−CH2−CH(R7)−R9であり、
2は、C1〜C4アルキル、−CH(R7)−S(O)n−R8又は−CH(R7)−S(O)n−CH2−CH(R7)−R9であり、
3は、水素であり、
4は、水素又はフェニルであり、
5は、水素であり、
6は、水素又はフェニルであり、
7は、水素であり、
8は、−CH2−CH2−(CF23CF3又は−CH2−CH2−(CF27CF3であり、
9は、
【化16】

であり、
11は、水素又はC1〜C8アルキルであり、及び
nは、0、1又は2である]の少なくとも1種の化合物を含む組成物が特に好ましい。
【0023】
成分(b)として、式I[式中]の少なくとも1種の化合物を含む組成物も好ましい。
【0024】
成分(b)として、式I[式中、
9は、−CN、−S(O)n−R10
【化17】

又は−NO2である]の少なくとも1種の化合物を含む組成物も好ましい。
【0025】
成分(b)として、式I[式中、R11は、C1〜C25アルキル、C7〜C9フェニルアルキル、非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたフェニル;非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたC5〜C8シクロアルキル;或いは酸素又は硫黄により中断されたC3〜C25アルキルである]の少なくとも1種の化合物を含む組成物も好ましい。
【0026】
成分(b)として、式I[式中、R12及びR13は、互いに独立して水素、C1〜C25アルキル、C1〜C4アルカノイル、C7〜C9フェニルアルキル、非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたフェニルであり;或いはR12及びR13は、それらが結合する窒素原子と共に、非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換された或いは酸素、硫黄又は
【化18】

により中断された5、6又は7員複素環を形成する]の少なくとも1種の化合物を含む組成物も好ましい。
【0027】
表1に記載の化合物101〜120及び以下の化合物121〜140がとりわけ好ましい。
【0028】
【化19−1】

【0029】
【化19−2】

【0030】
【化19−3】

【0031】
成分(b)は、酸化、熱又は光により誘起された分解に対して有機材料を安定させるために適切である。かかる材料の例は、以下のものである。
【0032】
1.モノオレフィン及びジオレフィンのポリマー、例えばポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテ−1−エン、ポリ−4−メチルペンテ−1−エン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリイソプレン又はポリブタジエン、並びにシクロオレフィン、例えばシクロペンテン又はノルボルネンのポリマー、ポリエチレン(場合により架橋され得る)、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度及び高分子量ポリエチレン(HDPE−HMW)、高密度及び超高分子ポリエチレン(HDPE−UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、(VLDPE)及び(ULDPE)。
【0033】
ポリオレフィン、即ち、前段落において例示されたモノオレフィンのポリマー、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンは、異なる、とりわけ以下の方法により製造され得る。
a)ラジカル重合(一般に、高圧下及び高温で)。
b)一般に周期律表のIVb、Vb、VIb又はVIII族の内の1種又は2種以上の金属を含有する触媒を用いた触媒重合。これらの金属は、通常、1種又は2種以上の配位子、典型的にはπ−又はσ−配位結合し得る酸化物、ハロゲン化物、アルコラート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニル及び/又はアリールを有する。これらの金属錯体は、遊離型であり得るか、或いは基体上に、典型的には活性化塩化マグネシウム、塩化チタン(III)、アルミナ又は酸化ケイ素上に固定され得る。これらの触媒は、重合媒質中に可溶又は不溶であり得る。前記触媒は、重合において単独で使用され得るか、若しくは更なる活性剤、典型的には金属アルキル、金属水素化物、金属アルキルハロゲン化物、金属アルキル酸化物又は金属アルキルオキサンであって、周期律表のIa、IIa及び/又はIIIa族の元素である前記金属が使用され得る。前記活性剤は、更なるエステル基、エーテル基、アミン基又はシリルエーテル基で都合よく改質され得る。これらの触媒系は、通常、Phillips、Standard Oil Indiana、チーグラー(−ナッタ)、TNZ(DuPont)、メタロセン又はシングルサイト触媒(SSC)と称される。
【0034】
2.1)で言及されたポリマーの混合物、例えば、ポリプロピレンとポリイソブチレンとの、ポリプロピレンとポリエチレンとの混合物(例えば、PP/HDPE、PP/LDPE)、及び異なる種類のポリエチレンの混合物(例えば、LDPE/HDPE)。
【0035】
3.モノオレフィン及びジオレフィンの互いとの又は他のビニルモノマーとのコポリマー、例えばエチレン/プロピレンコポリマー、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)及びその低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン/ブテ−1−エンコポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブテ−1−エンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキサンコポリマー、エチレン/シクロオレフィンコポリマー(例えば、COC等のエチレン/ノルボルネン)、1−オレフィンがin−situ生成されるエチレン/1−オレフィンコポリマー;プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキセンコポリマー、エチレン/アルキルアクリレートコポリマー、エチレン/アルキルメタクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー又はエチレン/アクリル酸コポリマー、及びそれらの塩(アイオノマー)、並びにエチレンのプロピレン及びジエン、例えばヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、エチリデン−ノルボルネンとのターポリマー;並びにかかるコポリマーの互いとの及び上記の1)において言及されたポリマーとの混合物、例えばポリプロピレン/エチレン−プロピレンコポリマー、LDPE/エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、LDPE/エチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)、LLDPE/EVA、LLDPE/EAA、交互又はランダムポリアルキレン/一酸化炭素コポリマー及びそれらの他のポリマー、例えばポリアミドとの混合物。
【0036】
4.それらの水素化改質物(例えば粘着付与剤)を含む炭化水素樹脂(例えばC5〜C9)並びにポリアルキレン及びデンプンの混合物。
【0037】
1.)〜4.)のホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含むあらゆる立体構造を有することができるが;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーもまた含まれる。
【0038】
5.ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)。
【0039】
6.スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンの全ての異性体、とりわけp−ビニルトルエン、エチルスチレン、プロピルスチレン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン及びビニルアントラセンの全ての異性体、及びそれらの混合物を含むビニル芳香族モノマーから誘導された芳香族ホモポリマー及びコポリマー。ホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含むあらゆる立体構造を有することができるが;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーもまた含まれる。
【0040】
6a.エチレン、プロピレン、ジエン、ニトリル、酸、マレイン酸無水物、マレイミド、酢酸ビニル及び塩化ビニル或いはアクリル誘導体及びそれらの混合物から選択される上述されたビニル芳香族モノマー及びコモノマーを含むコポリマー、例えば、スチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/エチレン(インターポリマー)、スチレン/アルキルメタクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルアクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルメタクリレート、スチレン/マレイン酸無水物、スチレン/アクリロニトリル/メチルアクリレート;スチレンコポリマー及び他のポリマー、例えばポリアクリレート、ジエンポリマー又はエチレン/プロピレン/ジエンターポリマーの高衝撃強度の混合物;及びスチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン、スチレン/エチレン/プロピレン/スチレン等のスチレンのブロックコポリマー。
【0041】
6b.6.)で言及されたポリマーの水素化から誘導された水素化芳香族ポリマー、とりわけアタクチックポリスチレンを水素化することにより製造されるポリシクロヘキシルエチレン(PCHE)を含み、しばしばポリビニルシクロヘキサン(PVCH)と称される。
【0042】
6c.6a.)で言及されたポリマーの水素化から誘導された水素化芳香族ポリマー。
【0043】
ホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含むあらゆる立体構造を有することができるが;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーもまた含まれる。
【0044】
7.スチレンやα−メチルスチレン等のビニル芳香族モノマーのグラフトコポリマー、例えばポリブタジエン上のスチレン、ポリブタジエン−スチレン又はポリブタジエン−アクリロニトリルコポリマー上のスチレン;ポリブタジエン上のスチレン及びアクリロニトリル(又はメタクリロニトリル);ポリブタジエン上のスチレン、アクリロニトリル及びメチルメタクリレート;ポリブタジエン上のスチレン及びマレイン酸無水物;ポリブタジエン上のスチレン、アクリロニトリル及びマレイン酸無水物又はマレイミド;ポリブタジエン上のスチレン及びマレイミド;ポリブタジエン上のスチレン及びアルキルアクリレート又はメタクリレート;エチレン/プロピレン/ジエンターポリマー上のスチレン及びアクリロニトリル;ポリアルキルアクリレート又はポリアルキルメタクリレート上のスチレン及びアクリロニトリル、アクリレート/ブタジエンコポリマー上のスチレン及びアクリロニトリル、並びにそれらの6)に列挙されたコポリマーとの混合物、例えばABS、MBS、ASA又はAESポリマーとして公知のコポリマー混合物。
【0045】
8.ポリクロロプレン、塩化ゴム、イソブチレン−イソプレンの塩素化及び臭素化コポリマー(ハロブチルゴム)、塩素化又はスルホ塩素化ポリエチレン、エチレン及び塩素化エチレンのコポリマー、エピクロロヒドリンホモ−及びコポリマー、とりわけハロゲン含有ビニル化合物のポリマー、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン並びにそれらのコポリマー、例えば塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニル、塩化ビニリデン/酢酸ビニルコポリマー等のハロゲン含有ポリマー。
【0046】
9.α,β−不飽和酸から誘導されたポリマー及びそれらの誘導体、例えばポリアクリレートやポリメタクリレート;ブチルアクリレートで耐衝撃性改質されたポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミド及びポリアクリロニトリル。
【0047】
10.9)で言及されたモノマーの互いとの又は他の不飽和モノマーとのコポリマー、例えばアクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/アルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル/アルコキシアルキルアクリレート又はアクリロニトリル/ビニルハライドコポリマー或いはアクリロニトリル/アルキルメタクリレート/ブタジエンターポリマー。
【0048】
11.不飽和アルコール及びアミンから誘導されたポリマー或いはそれらのアシル誘導体又はアセタール、例えばポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリステアリン酸ビニル、ポリビニルベンゾエート、ポリビニルマレエート、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタレート又はポリアリルメラミン;並びに上の1)で言及されたオレフィンとのそれらのコポリマー。
【0049】
12.環状エーテルのホモポリマー及びコポリマー、例えば、ポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、それらのビスグリシジルエーテルとのコポリマー。
【0050】
13.ポリアセタール、例えばポリオキシメチレンや、コモノマーとしてエチレンオキシドを含むそれらのポリオキシメチレン;熱可塑性ポリウレタン、アクリレート又はMBSで改質されたポリアセタール。
【0051】
14.ポリフェニレンオキシド及びスルフィド、並びにポリフェニレンオキシドとスチレンポリマー又はポリアミドとの混合物。
【0052】
15.一方でヒドロキシル基末端ポリエーテル、ポリエステル及びポリブタジエンと、他方で脂肪族又は芳香族のポリイソシアナートとから誘導されたポリウレタン、並びにそれらの前駆体。
【0053】
16.ジアミシとジカルボン酸とから及び/又はアミノカルボン酸若しくは対応するラクタムから誘導されたポリアミド及びコポリアミド、例えばポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、ポリアミド11、ポリアミド12、m−キシレンジアミン及びアジピン酸から開始する芳香族ポリアミド;へキサメチレンジアミン及びイソフタル酸又は/及びテレフタル酸から、並びに改質剤としてのエラストマーを用いて又は用いずに製造されたポリアミド、例えばポリ−2,4,4−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド又はポリ−m−フェニレンイソフタルアミド;及び上述のポリアミドとポリオレフィン、オレフィンコポリマー、アイオノマー又は化学的に結合されたか若しくはグラフトされたエラストマーとの;又はポリエーテルとの、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又はポリテトラメチレングリコールとのブロックコポリマー;並びにEPDM又はABSで改質されたポリアミド又はコポリアミド;及び加工中に縮合されたポリアミド(RIMポリアミド系)。
【0054】
17.ポリ尿素、ポリイミド、ポリアミド−イミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリヒダントイン及びポリベンズイミダゾール。
【0055】
18.ジカルボン酸とジオールとから及び/又はヒドロキシカルボン酸若しくは対応するラクトンから誘導されたポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレート及びポリヒドロキシベンゾエート、並びにヒドロキシル末端ポリエーテルから誘導されたコポリエーテルエステル、及びまたポリカーボネート又はMBSで改質されたポリエステル。コポリエステルは、例えば、限定されないが、ポリブチレンスクシネート/テレフタレート、ポリブチレンアジペート/テレフタレート、ポリテトラメチレンアジペート/テレフタレート、ポリブチレンスクシネート/アジペート、ポリブチレンスクシネート/カーボネート、ポリ−3−ヒドロキシブチレート/オクタノエートコポリマー、ポリ−3−ヒドロキシブチレート/ヘキサノエート/デカノエートターポリマーを含んでよい。更に、脂肪族ポリエステルは、例えば、限定されないが、ポリ(ヒドロキシアルカノエート)の種類、特に、ポリ(プロピオラクトン)、ポリ(ブチロラクトン)、ポリ(ピバロラクトン)、ポリ(バレロラクトン)及びポリ(カプロラクトン)、ポリエチレンスクシネート、ポリプロピレンスクシネート、ポリブチレンスクシネート、ポリヘキサメチレンスクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリプロピレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリエチレンオキサレート、ポリプロピレンオキサレート、ポリブチレンオキサレート、ポリヘキサメチレンオキサレート、ポリエチレンセバケート、ポリプロピレンセバケート、ポリブチレンセバケート及びポリ乳酸(PLA)並びにポリカーボネート又はMBSで改質された対応するポリエステルを含んでよい。「ポリ乳酸(PLA)」という用語は、好ましくはポリ−L−ラクチドのホモポリマー及び他のポリマーとのその混合物又は合金のいずれか;乳酸又はラクチドとヒドロキシカルボン酸等の他のモノマーとのコポリマー、例えばグリコール酸、3−ヒドロキシ−酪酸、4−ヒドロキシ−酪酸、4−ヒドロキシ−吉草酸、5−ヒドロキシ−吉草酸、6−ヒドロキシ−カプロン酸、及びそれらの環式型等を示し;「乳酸」又は「ラクチド」という用語は、L−乳酸、D−乳酸、それらの混合物及びダイマー、即ち、L−ラクチド、D−ラクチド、メソ−ラクチド及びそれらのあらゆる混合物を含む。
【0056】
19.ポリカーボネート及びポリエステルカーボネート。
【0057】
20.ポリケトン。
【0058】
21.ポリスルホン、ポリエーテルスルホン及びポリエーテルケトン。
【0059】
22.フェノール/ホルムアルデヒド樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂、メラミン/ホルムアルデヒド樹脂等、一方ではアルデヒド、他方ではフェノール、尿素及びメラミンから誘導された架橋ポリマー。
【0060】
23.乾性及び非乾性アルキド樹脂。
【0061】
24.飽和及び不飽和ジカルボン酸と、架橋剤としての多価アルコール及びビニル化合物とのコポリマーから誘導される不飽和ポリエステル樹脂、及びまたその低燃焼性のハロゲン含有改質物。
【0062】
25.置換されたアクリレートから誘導された架橋性アクリル樹脂、例えばエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート又はポリエステルアクリレート。
【0063】
26.メラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアネート、イソシアヌレート、ポリイソシアネート又はエポキシ樹脂で架橋されたアルキド樹脂、ポリエステル樹脂及びアクリレート樹脂。
【0064】
27.無水物やアミン等の通例の硬化剤により、又は促進剤を伴って又は伴わずに架橋された、脂肪族、脂環式、複素環式又は芳香族グリシジル化合物、例えばビスフェノールAとビスフェノールFとのジグリシジルエーテル生成物から誘導される架橋エポキシ樹脂。
【0065】
28.天然ポリマー、例えばセルロース、ゴム、ゼラチン、及びそれらの化学的に改質された同族の誘導体、例えば酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース及び酪酸セルロース、或いはメチルセルロース等のセルロースエーテル;並びにロジン及びそれらの誘導体。
【0066】
29.前述のポリマーの混合物(ポリブレンド)、例えばPP/EPDM、ポリアミド/EPDM又はABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリレート、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR、POM/アクリレート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA6.6及びコポリマー、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/PC/ABS又はPBT/PET/PC。
【0067】
30.純粋なモノマー化合物又はかかる化合物の混合物である天然及び合成の有機材料、例えば、合成エステル(例えばフタレート、アジペート、ホスフェート又はトリメリテート)に基づく鉱油、動物性脂肪及び植物性脂肪、油及び蝋、或いは油、脂肪及び蝋、更にあらゆる重量比での合成エステルと鉱油との混合物、典型的には紡糸組成物として使用されるもの、並びにかかる材料の水性エマルジョン。
【0068】
31.天然又は合成ゴム、例えばカルボキシ化スチレン/ブタジエンコポリマーの1種又は複数の天然ラテックスの水性エマルジョン。
【0069】
好ましい有機材料は、天然、半合成、又は好ましくは合成のポリマーである。
【0070】
特に好ましい有機材料は、合成ポリマー、最も好ましくは熱可塑性ポリマーである。とりわけ好ましい有機材料は、ポリアセタール、ポリオレフィン、例えばポリプロピレンやポリエチレン、ポリエーテル/ポリウレタン、ポリエステル、例えばポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、加硫体である。特に好ましい有機材料はまた、ポリウレタンであり、とりわけヒドロキシル基末端ポリエーテルから誘導されるもの、並びにポリウレタン及びヒドロキシル基末端ポリエーテルの混合物である。ポリウレタン及びヒドロキシル基末端ポリエーテルの混合物は、例えばヒドロキシル基末端ポリエーテルからのポリウレタンの製造中に生じる。
【0071】
特記のために選び出すべきものは、酸化又は熱による分解に対する、とりわけ熱可塑性物質の加工の間に生じる熱作用の下での、有機材料の表面エネルギーの低下剤としての式Iの化合物の有効性である。従って、本発明の式Iの化合物は、加工安定剤としての使用にも適切である。
【0072】
好ましくは、成分(b)は、安定させるべき有機材料に、前記材料[成分(a)]の質量に対して0.0005〜10%、好ましくは0.001〜2%、典型的には0.01〜2%の濃度で添加される。
【0073】
同様に、成分(b)は、ポリウレタン生成、とりわけ軟質ポリウレタン発泡体の製造のために使用される。これに関連して、新規組成物及びそれから生成された生成物は、分解から効果的に保護される。特に、発泡体生成中のスコーチが回避される。
【0074】
ポリウレタンは、例えば末端ヒドロキシル基を含有するポリエーテル、ポリエステル及びポリブタジエンと、脂肪族又は芳香族のポリイソシアナートとを反応させることにより得られる。
【0075】
末端ヒドロキシル基を有するポリエーテルは公知であり、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン、スチレンオキシド、エピクロロヒドリン等のエポキシドとそれら自体とを、例えばBF3の存在下で重合すること或いは水、アルコール、アンモニア、アミン等の反応性水素原子を含有する出発成分、例えばエチレングリコール、プロピレン1,3−及び1,2−グリコール、トリメチロールプロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルプロパン、アニリン、エタノールアミン又はエチレンジアミンを、単独で又は混合物として又は連続してこれらのエポキシドと付加反応させることにより製造される。また、ショ糖ポリエーテルも本発明に従って適切である。多くの場合において、主に(ポリエーテル中に存在する全てのOH基に対して最高90質量%)主要なOH基を含有するそれらのポリエーテルが好ましい。更に、例えばスチレンとアクリロニトリルとをポリエーテルの存在下で重合させることにより形成される通りの、ビニルポリマーにより改質されたポリエーテルは、OH基を含有するポリブタジエンであり、適切である。
【0076】
これらの化合物は、一般に、400〜10000の分子量を有し、且つポリヒドロキシ化合物であり、とりわけ2〜8個のヒドロキシル基を含有する化合物であり、とりわけ800〜10000、好ましくは1000〜6000の分子量のものであり、例えば少なくとも2個、一般に2〜8個、しかし好ましくは2〜4個のヒドロキシル基を含有するポリエーテルであり、これは、均質ポリウレタン及び多孔性ポリウレタンの製造のためにそれ自体公知である。
【0077】
少なくとも2個のイソシアネート−反応性水素原子を含有する上記化合物、特に400〜10000の分子量を有するものの混合物を用いることは、もちろん可能である。
【0078】
適切なポリイソシアネートは、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、芳香族及び複素環式ポリイソシアネート、例えばエチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカンジイソシアネート、シクロブタン1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン1,3−及び−1,4−ジイソシアネート及び更にこれらの異性体のあらゆる所望の混合物、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン、2,4−及び2,6−ヘキサヒドロトリレンジイソシアネート及び更にこれらの異性体のあらゆる所望の混合物、ヘキサヒドロ−1,3−及び/又は−1,4−フェニレンジイソシアネート、ペルヒドロ−2,4’−及び/又は−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−及び1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び2,6−トリレンジイソシアネート、及び更にこれらの異性体のあらゆる所望の混合物、ジフェニルメタン2,4’−及び/又は−4,4’−ジイソシアネート、ナフチレン1,5−ジイソシアネート、トリフェニルメタン4,4’,4"−トリイソシアネート、アニリン−ホルムアルデヒド縮合を行った後、ホスゲン化を行うことによって得られる通りのポリフェニル−ポリメチレンポリイソシアネート、m−及びp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、過塩素化アリールポリイソシアネート、カルボジイミド基を含有するポリイソシアネート、アロファネート基を含有するポリイソシアネート、イソシアヌレート基を含有するポリイソシアネート、ウレタン基を含有するポリイソシアネート、アシル化尿素基を含有するポリイソシアネート、ビウレット基を含有するポリイソシアネート、エステル基を含有するポリイソシアネート、上記イソシアネートとアセタールとの反応生成物、及び高分子量脂肪酸基を含有するポリイソシアネートである。
【0079】
イソシアネート基含有蒸留残査もまた、イソシアネートの工業的製造中に得られる上記ポリイソシアネートの内の1種以上の中に存在又は溶解している場合に用いられ得る。上記ポリイソシアネートのあらゆる所望の混合物を使用することが更に可能である。
【0080】
一般に、容易に工業的に得ることが可能なポリイソシアネート、例えば2,4−及び2,6−トリレンジイソシアネート及びこれらの異性体(「TDI」)のあらゆる所望の混合物、アニリン−ホルムアルデヒド縮合を行った後、ホスゲン化を行うことにより製造される通りのポリフェニル−ポリメチレン−ポリイソシアネート(「粗MDI」)、及びカルボジイミド基、ウレタン基、アロファネート基、イソシアヌレート基、尿素基又はビウレット基を含有するポリイソシアネート(「改質ポリイソシアネート」)が特に好ましい。
【0081】
成分(b)はまた、抽出媒質と長期に接触するポリオレフィンを安定させるために適切である。
【0082】
成分(a)及び(b)に加えて、新規組成物は、更なる補助安定剤(添加剤)、典型的には以下のものを含んでよい。
【0083】
1. 酸化防止剤
1.1. アルキル化モノフェノール、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシメチルフェノール、直鎖状又は側鎖において分枝したノニルフェノール、例えば、2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルウンデシ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルヘプタデシ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルトリデシ−1’−イル)フェノール及びそれらの混合物。
【0084】
1.2. アルキルチオメチルフェノール、例えば、2,4−ジオクチルチオメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジ−ドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
【0085】
1.3. ヒドロキノン及びアルキル化ヒドロキノン、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート。
【0086】
1.4. トコフェロール、例えば、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール及びそれらの混合物(ビタミンE)。
【0087】
1.5. ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、例えば、2,2’−チオビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(3,6−ジ−sec−アミルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド。
【0088】
1.6. アルキリデンビスフェノール、例えば、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)−フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレンビス−(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチル−フェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3−ビス(3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−6−tert−ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス−(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン。
【0089】
1.7. O−、N−及びS−ベンジル化合物、例えば、3,5,3’,5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート。
【0090】
1.8. ヒドロキシベンジル化マロネート、例えば、ジオクタデシル−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジ−オクタデシル−2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート。
【0091】
1.9. 芳香族ヒドロキシベンジル化合物、例えば、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
【0092】
1.10. トリアジン化合物、例えば、2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート。
【0093】
1.11. ベンジルホスホネート、例えば、ジメチル−2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩。
【0094】
1.12. アシルアミノフェノール、例えば、4−ヒドロキシラウラニリド、4−ヒドロキシステアラニリド、オクチルN−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバメート。
【0095】
1.13. 一価又は多価アルコールとの、例えば、メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとの、β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のエステル
【0096】
1.14. 一価又は多価アルコールとの、例えば、メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン;3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]−ウンデカンとの、β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸のエステル
【0097】
1.15. 一価又は多価アルコールとの、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとの、β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のエステル
【0098】
1.16. 一価又は多価アルコールとの、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとの、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸のエステル
【0099】
1.17. β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えば、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N’−ビス[2−(3−[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(Uniroyalにより供給されるNaugard(登録商標)XL−1)。
【0100】
1.18. アスコルビン酸(ビタミンC)。
【0101】
1.19. アミン系酸化防止剤、例えば、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−tert−オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えばp,p’−ジ−tert−オクチルジフェニルアミン、4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2−ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o−トリル)ビグアニド、ビス[4−(1’,3’−ジメチルブチル)フェニル]アミン、tert−オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノ−及びジアルキル化tert−ブチル/tert−オクチルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化tert−ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノ−及びジアルキル化tert−ブチル/tert−オクチルフェノチアジンの混合物、モノ−及びジアルキル化tert−オクチルフェノチアジンの混合物、N−アリルフェノチアジン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,4−ジアミノブテ−2−エン、N,N−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジ−4−イル−ヘキサメチレンジアミン、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジ−4−イル)セバケート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オール。
【0102】
2. 紫外線吸収剤及び光安定剤
2.1. 2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−sec−ブチル−5’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イルフェノール];2−[3’−tert−ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換生成物;
【化20】

[式中、R=3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾリ−2−イルフェニル]、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(α,α−ジメチルベンジル)−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]ベンゾトリアゾール;2−[2’−ヒドロキシ−3’− (1,1,3,3−テトラメチルブチル)−5’−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール。
【0103】
2.2. 2−ヒドロキシベンゾフェノン、例えば、4−ヒドロキシ、4−メトキシ、4−オクチルオキシ、4−デシルオキシ、4−ドデシルオキシ、4−ベンジルオキシ、4,2’,4’−トリヒドロキシ及び2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン誘導体。
【0104】
2.3. 置換された及び非置換の安息香酸のエステル、例えば、4−tert−ブチルフェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−tert−ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−メチル−4,6−ジ−tert−ブチルフェニル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート。
【0105】
2.4. アクリレート、例えば、エチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、イソオクチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチルα−カルボメトキシシンナメート、メチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、ブチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、メチルα−カルボメトキシ−p−メトキシシンナメート及びN−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチルインドリン。
【0106】
2.5. ニッケル化合物、例えば、n−ブチルアミン、トリエタノールアミン、N−シクロヘキシルジエタノールアミン等の更なる配位子を伴うか若しくは伴わない1:1又は1:2錯体等の2,2’−チオビス−[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]のニッケル錯体、ニッケルジブチルジチオカルバメート、モノアルキルエステルのニッケル塩、例えば4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルホスホン酸のメチル又はエチルエステル、ケトキシム、例えば2−ヒドロキシ−4−メチルフェニルウンデシルケトキシムのニッケル錯体、他の配位子を伴うか若しくは伴わない1−フェニル−4−ラウロイル−5−ヒドロキシピラゾールのニッケル錯体。
【0107】
2.6. 立体障害アミン、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)n−ブチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸の縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−tert−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの直鎖状又は環状縮合物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの直鎖状又は環状縮合物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、2−クロロ−4,6−ジ−(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−と4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの混合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタン及び2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン並びに4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合物(CAS登録番号[136504−96−6]);1,6−ヘキサンジアミン及び2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン並びにN,N−ジブチルアミン及び4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(CAS登録番号[192268−64−7])の縮合物;N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4.5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4.5]デカンとエピクロロヒドリンとの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、N,N’−ビス−ホルミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシメチレンマロン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル−3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、マレイン酸無水物−α−オレフィンコポリマーと2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジン又は1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンとの反応生成物。
【0108】
2.7. オキサミド、例えば、4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジエトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−tert−ブトキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−tert−ブトキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−tert−ブチル−2’−エトキサニリド及びその2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−tert−ブトキサニリドとの混合物、o−メトキシ−二置換オキサニリドとp−メトキシ−二置換オキサニリドとの混合物、及びo−エトキシ−二置換オキサニリドとp−エトキシ−二置換オキサニリドとの混合物。
【0109】
2.8. 2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、例えば、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ)フェニル−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2−{2−ヒドロキシ−4−[3−(2−エチルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル}−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン。
【0110】
2.9. N−アルキル−N,N’−ジアリールホルムアミジン、例えば、安息香酸,4−[[(メチルフェニルアミノ)メチレン]アミノ]エチルエステル[例えば:Ciba Specialty Chemicals Inc.により供給されるTinuvin(登録商標)101];安息香酸,4−[[(エチルフェニルアミノ)メチレン]アミノ]エチルエステル;2−プロペン酸,3−(4−メトキシフェニル)−,2−エチルヘキシルエステル[例えば:BASFにより供給されるUvinul(登録商標)3088];2−プロペン酸,2−シアノ−3,3−ジフェニル−,エチルエステル[例えば:BASFにより供給されるUvinul(登録商標)3035];又は2−プロペン酸,2−シアノ−3,3−ジフェニル−,2−エチルヘキシルエステル[例えば:BASFにより供給されるUvinul(登録商標)3039]。
【0111】
3. 金属不活性化剤、例えば、N,N’−ジフェニルオキサミド、N−サリチラル−N’−サリチロイルヒドラジン、N,N’−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N’−ジアセチルアジポイルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)オキサリルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジド。
【0112】
4. ホスファイト及びホスホナイト、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルアルキルホスファイト、フェニルジアルキルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−クミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジイソデシルオキシペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリス(tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリステアリルソルビトールトリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12H−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスファイト、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12−メチル−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、2,2’,2"−ニトリロ[トリエチルトリス(3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイト]、2−エチルヘキシル(3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイト、5−ブチル−5−エチル−2−(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノキシ)−1,3,2−ジオキサホスフィラン。
【0113】
5. ヒドロキシルアミン、例えば、N,N−ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、水素化牛脂アミンから誘導されたN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン。
【0114】
6. ニトロン、例えば、N−ベンジル−α−フェニルニトロン、N−エチル−α−メチルニトロン、N−オクチル−α−ヘプチルニトロン、N−ラウリル−α−ウンデシルニトロン、N−テトラデシル−α−トリデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−ヘプタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘキサデシルニトロン、水素化牛脂アミンから誘導されたN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンから誘導されたニトロン。
【0115】
7. チオ相乗剤、例えば、ジラウリルチオジプロピオネート又はジステアリルチオジプロピオネート。
【0116】
8. 過酸化物捕捉剤、例えば、β−チオジプロピオン酸のエステル、例えば、ラウリル、ステアリル、ミリスチル又はトリデシルエステル、メルカプトベンズイミダゾール又は2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリスリトールテトラキス(β−ドデシルメルカプト)プロピオネート。
【0117】
9. ポリアミド安定剤、例えば、ヨウ化物及び/又はリン化合物と組み合わせた銅塩及び二価マンガンの塩。
【0118】
10. 塩基性補助安定剤、例えば、メラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、トリアリルシアヌレート、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン、ポリアミド、ポリウレタン、高級脂肪酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、リシノール酸ナトリウム及びパルミチン酸カリウム、ピロカテコール酸アンチモン又はピロカテコール酸亜鉛。
【0119】
11. 核形成剤、例えば、滑石等の無機物質、二酸化チタンや酸化マグネシウム等の金属酸化物、好ましくはアルカリ土類金属のリン酸塩、炭酸塩又は硫酸塩;モノカルボン酸やポリカルボン酸等の有機化合物及びそれらの塩、例えば、4−tert−ブチル安息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸、コハク酸ナトリウム又は安息香酸ナトリウム;イオンコポリマー(アイオノマー)等のポリマー化合物。1,3:2,4−ビス(3’,4’−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ジ(パラメチルジベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ジ(ベンジリデン)ソルビトール及びIrgaclear XT386(RTM、Ciba Inc.)がとりわけ好ましい。
【0120】
12. 充填剤及び補強剤、例えば、炭酸カルシウム、シリケート、ガラス繊維、ガラス球、アスベスト、滑石、カオリン、雲母、硫酸バリウム、金属酸化物及び金属水酸化物、カーボンブラック、グラファイト、木粉及び他の天然物の粉末又は繊維、合成繊維。
【0121】
13. 他の添加剤、例えば、可塑剤、滑剤、乳化剤、顔料、レオロジー添加剤、触媒、流れ調整剤、蛍光増白剤、防炎剤、帯電防止剤及び発泡剤。
【0122】
14. ベンゾフラノン及びインドリノン、例えば、U.S.4,325,863;U.S.4,338,244;U.S.5,175,312;U.S.5,216,052;U.S.5,252,643;DE−A−4316611;DE−A−4316622;DE−A−4316876;EP−A−0589839、EP−A−0591102;EP−A−1291384に開示されるもの、或いは3−[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−tert−ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラン−2−オン、3,3’−ビス[5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラン−2−オン]、5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラン−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(2,3−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(2−アセチル−5−イソオクチルフェニル)−5−イソオクチルベンゾフラン−2−オン。
【0123】
補助安定剤は、例えば、安定させるべき有機材料の総質量に対して0.01〜10%の濃度で添加される。
【0124】
式Iの化合物は、特にフェノール系酸化防止剤、光安定剤及び/又は加工安定剤と共に使用され得る。
【0125】
他の好ましい組成物は、式Iの化合物に加えて、有機ホスファイト又はホスホナイト型の化合物を含む。
【0126】
充填剤及び補強剤(一覧表中、項目12)、例えば滑石、炭酸カルシウム、雲母又はカオリンは、安定させるべき有機材料に対して例えば0.01〜40%の濃度でポリオレフィンに添加される。
【0127】
更に好ましい組成物は、成分(a)及び(b)に加えて、更なる添加剤、とりわけ高級脂肪酸のアルカリ土類金属塩、例えばステアリン酸カルシウム、乳酸カルシウム及び/又はカルシウムステアロイル−2−ラクチレートも含む。
【0128】
例えばポリオレフィン等の高分子有機材料を対応する成形品に加工するための従来の安定剤の組み合わせとしては、有機ホスファイト又はホスホナイトに基づく二次酸化防止剤とのフェノール系酸化防止剤の組み合わせが推奨される。しかし、基体及び方法に応じて、多くのポリオレフィン加工装置は、約280℃を上回る高温範囲において加工することが強いられる。式Iの加工安定剤を含むことは、とりわけ300℃を上回る温度範囲における、特に高温の適用に適切である。例えばパイプ類やそれらの技術的変形物(継手類)の例えばHDポリエチレンに基づく技術的材料及び成形品は、より高い出力で、且つより少しの不合格品しか出さずに製造され得る。また、式Iの化合物の更なる1つの利点は、それらが非常に少量で使用され得るということでもあり、これは、従来の安定剤混合物と比較して総抗酸化物濃度を減少させる。例えば、式Iの化合物の低濃度の使用は、例えばポリオレフィン中の総安定剤濃度を約1/3に減少させ、それは同時に経済的な利点を意味する。
【0129】
式Iの化合物及び他の任意の添加剤は、例えば成形品への成形の前又は間に公知の方法に従って、或いは化合物の溶液又は分散液を有機高分子材料に被覆し、続いて溶媒を蒸発させることにより有機高分子材料に組み込まれる。また、式Iの化合物は、典型的には例えば2.5〜25質量%の濃度でこれらの化合物を含むマスターバッチ形態で安定させるべき前記材料にも添加され得る。
【0130】
また、式Iの化合物は、重合の前又は間或いは架橋の前に添加されてもよい。
【0131】
また、式Iの化合物及び適用可能な場合、更なる添加剤は、安定させるべき前記材料中に純粋な形態で或いは蝋、油又はポリマー中にカプセル化されて組み込まれてもよい。
【0132】
式Iの化合物及び適用可能な場合、更なる添加剤は、安定させるべきポリマー上に噴霧されてもよい。それらは、他の添加剤(例えば上記の従来の添加剤)又はそれらの溶融物を希釈するために使用可能であり、そのため、それらはまた、これらの添加剤と共に、安定させるべきポリマー上に噴霧され得る。重合触媒の非活性化の間の噴霧による塗布は、とりわけ効果的であり、その場合、例えば非活性化のために使用した蒸気を使用して噴霧が都合よく行われる。
【0133】
この方法で安定させた材料は、例えば膜、繊維、テープ、成形組成物、異形材として、又は被覆材料、とりわけ粉体被覆のための結合剤、接着剤又はパテとして多種多様な形態で使用され得る。
【0134】
この方法で安定化させたポリオレフィンは、同様に多種多様な形態で、とりわけ液体又は気体のためのパイプ、膜、ジェオメンブレン、テープ、ストリップ、異型材又はタンク等の抽出媒質と長期間接触する厚い層のポリオレフィン成形物として使用され得る。
【0135】
好ましい厚い層のポリオレフィン成形物は、1〜50mm、特に1〜30mm、例えば2〜10mmの層厚さを有する。
【0136】
抽出媒質と長期間接触するポリオレフィンを安定させるための方法であって、ポリオレフィンが、厚い層のポリオレフィン成形物であり、且つ1〜50mm、特に1〜30mm、例えば2〜10mmの層厚さを有する、式Iの少なくとも1種の化合物を前記ポリオレフィンの中に組み込む又はそれに塗布することを含む上記方法が好ましい。
【0137】
抽出媒質と長期間接触する厚い層のポリオレフィン成形物を安定させるための方法であって、厚い層のポリオレフィン成形物がパイプ又はジオメンブレンであり、式Iの少なくとも1種の化合物を前記成形物の中に組み込む又はそれに塗布することを含む上記方法もまた特に興味深い。
【0138】
ジオメンブレンという用語は、例えば埋立地の中で用いられ、且つ最高300年間の耐用期間を有することが必要とされる膜を指す。
【0139】
抽出媒質は、例えば、液体又は気体の無機材料又は有機材料である。
【0140】
気体の無機材料の例は、酸素;窒素;窒素酸化物;例えばNO、笑気又はNO2;硫黄酸化物、例えば二酸化硫黄;ハロゲン、例えばフッ素又は塩素;ブレンステッド酸、例えばフッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸又はシアン化水素酸;又は塩基、例えばアンモニアである。
【0141】
気体の有機材料の例は、C1〜C4アルカン、例えばメタン、エタン、プロパン又はブタン;一酸化炭素;二酸化炭素;又はホスゲンである。
【0142】
液体無機材料の例は、水、塩素化飲料水又は塩水溶液、例えば塩化ナトリウム溶液(ブライン)又は硫酸ナトリウム溶液;臭素;酸ハロゲン化物、例えば四塩化チタン、塩化チオニル、塩化ニトロシル又は塩化トリメチルシリル;アルカリ、例えば水酸化ナトリウム水溶液(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)水溶液、アンモニア水溶液、重炭酸ナトリウム水溶液又は炭酸ナトリウム水溶液である。
【0143】
液体有機材料の例は、有機溶媒又は液体有機試薬である。
【0144】
有機溶媒の例は、脂肪族炭化水素、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、石油スピリット、ノナン又はデカン;アルコール、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、アミルアルコール、シクロヘキサノール、ペンタエリスリトール、エチレングリコール、エチレンジグリコール、メチルセロソルブ、ポリエチレングリコール又はグリセロール;ケトン、例えばアセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、ジフェニルケトン又はシクロヘキサノン;エーテル、例えばジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン又はジオキサン;芳香族炭化水素、例えばベンゼン、トルエン又はキシレン;複素環式溶媒、例えばフラン、ピリジン、2,6−ルチジン又はチオフェン;双極性非プロトン溶媒、例えばジメチルホルムアミド、ジエチルアセトアミド又はアセトニトリル);又は界面活性剤である。
【0145】
本発明の目的のため、抽出媒質はまた、混合物及び溶液、とりわけ上で列挙された通りの液体又は気体の無機材料及び有機材料の水性混合物、エマルジョン又は溶液でもある。
【0146】
化学工業又は埋立地において重要であるそれらの抽出媒質が特に興味深い。
【0147】
また、本発明は、式I
【化21】

[式中、R1及びR2は、互いに独立して水素、C1〜C25アルキル、C2〜C25アルケニル、非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたフェニル;非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたC7〜C9フェニルアルキル;−CH(R7)−S(O)n−R8又は−CH(R7)−S(O)n−CH2−CH(R7)−R9であり、
3及びR4は、互いに独立して水素、C1〜C25アルキル、非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたフェニルであり、
5及びR6は、互いに独立にして水素、C1〜C25アルキル、酸素により中断されたC2〜C25アルキル;非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたフェニル;ハロゲン、−CN、−NO2
【化22】

であり、
7は、水素、C1〜C12アルキル、
【化23】

、非置換の或いはハロゲン又はC1〜C4アルキルにより置換されたフェニルであり;
8は、一価の過フッ素化アルキル又はアルケニル、4〜20個の完全にフッ素化された炭素原子を有する直鎖状又は分枝状有機基であり、
9は、−CN、−S(O)n−R10
【化24】

又は−NO2であり、
10は、水素、C1〜C25アルキル、C7〜C9フェニルアルキル、非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたフェニル;非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたC5〜C8シクロアルキルであり;
11は、水素、アルカリ金属、C1〜C25アルキル、C7〜C9フェニルアルキル、非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたフェニル;非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたC5〜C8シクロアルキル;或いは酸素又は硫黄により中断されたC3〜C25アルキルであり;
12及びR13は、互いに独立して水素、C1〜C25アルキル、C1〜C4アルカノイル、C7〜C9フェニルアルキル、非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたフェニルであり;或いはR12及びR13は、それらが結合する窒素原子と共に、非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換された或いは酸素、硫黄又は
【化25】

により中断された5、6又は7員複素環を形成し、
14は、水素、C1〜C8アルキル又はベンジルであり、及び
nは、0、1又は2である]の新規化合物にも関する。
【0148】
好ましい一般記号は、有機材料を有する前記組成物において開示された式Iの化合物のものと同じである。
【0149】
式I
[式中、
1は、C1〜C4アルキル、−CH(R7)−S(O)n−R8又は−CH(R7)−S(O)n−CH2−CH(R7)−R9であり、
2は、C1〜C4アルキル、−CH(R7)−S(O)n−R8又は−CH(R7)−S(O)n−CH2−CH(R7)−R9であり、
3は、水素であり、
4は、水素又はフェニルであり、
5は、水素であり、
6は、水素又はフェニルであり、
7は、水素であり、
8は、−CH2−CH2−(CF23CF3又は−CH2−CH2−(CF27CF3であり、
9は、
【化26】

であり、
11は、水素又はC1〜C8アルキルであり、及び
nは、0、1又は2である]の化合物が特に興味深い。
【0150】
式Iの化合物は、対応するフェノール(表2参照)から製造される。
【0151】
例えば、式Ia
【化27】

[式中、R1及びR2は、互いに独立して水素、C1〜C25アルキル、C2〜C25アルケニル、非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたフェニル;非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたC7〜C9フェニルアルキル;−CH(R7)−S(O)n−R8又は−CH(R7a)−S(O)n−CH2−CH(R7b)−R9であり、
3は、Hであり、
4は、水素、C1〜C12アルキル、非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたフェニルであり、
5及びR6は、互いに独立にして水素、C1〜C25アルキル、酸素により中断されたC2〜C25アルキル;非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたフェニル;ハロゲン、−CN、−NO2
【化28】

であり、
7、R7a及びR7bは、互いに独立して水素、C1〜C12アルキル、非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたフェニルであり;
8は、炭素原子を有する一価の過フッ素化アルキル又はアルケニル、4〜20個の完全にフッ素化された直鎖状又は分枝状有機基であり、
9は、−CN、−S(O)n−R10
【化29】

又は−NO2であり、
10は、水素、C1〜C25アルキル、C7〜C9フェニルアルキル、非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたフェニル;非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたC5〜C8シクロアルキルであり;
11は、水素、アルカリ金属、C1〜C25アルキル、C7〜C9フェニルアルキル、非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたフェニル;非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたC5〜C8シクロアルキル;或いは酸素又は硫黄により中断されたC3〜C25アルキルであり;
12及びR13は、互いに独立して水素、C1〜C25アルキル、C1〜C4アルカノイル、C7〜C9フェニルアルキル、非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたフェニルであり;或いはR12及びR13は、それらが結合する窒素原子と共に、非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換された或いは酸素、硫黄又は
【化30】

により中断された5、6又は7員複素環を形成し、
14は、水素、C1〜C8アルキル又はベンジルであり、及び
nは、0である]の化合物は、式II
【化31】

[式中、
1及びR2は、式Iaの化合物について示される通りの意味を有し、
15は、−CH(R7a)−S(O)n−CH2−CH(R7b)−R9であり、
7、R7a及びR7b並びにR9は、式Iaの化合物について示される通りの意味を有する]の化合物と、式III
CXYR56(III)
[式中、R5及びR6は、式Iaの化合物について示される通りの意味を有し、並びにX及びYは、互いに独立してハロゲンである]の化合物とを反応させるステップを含む方法により製造され得る。
【0152】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素であり得る。塩素及びヨウ素は、好ましいハロゲンである。式IIIの化合物の例は、ジヨードメタン及び塩化ベンザルである。
【0153】
好ましくは、式IIIの化合物/式IIの化合物のモル比は、1/1〜10/1、より好ましくは3/1〜7/1、及び最も好ましくは4.5/1〜5.5/1である。
【0154】
好ましくは、式IIの化合物と式IIIの化合物との反応は、塩基の存在下で起こる。塩基の例は、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属、及び炭酸カルシウムやアンモニア等のアルカリ土類金属炭酸塩である。好ましくは、水酸化ナトリウムが使用される。
【0155】
好ましくは、塩基の化合物/式IIの化合物のモル比は、1/1〜10/1、より好ましくは3/1〜7/1、及び最も好ましくは4.5/1〜5.5/1である。
【0156】
前記反応は、通常、溶媒において行われる。溶媒は、好ましくは、スルホラン、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、パラホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等の極性有機溶媒及び非プロトン性有機溶媒におけるものである。スルホランは、好ましい溶媒である。
【0157】
前記反応は、通常、10〜40℃、好ましくは15〜30℃、より好ましくは20〜25℃の温度で行われる。
【0158】
式Iaの化合物は、例えばクロマトグラフィ又は結晶化により反応混合物から単離され得る。
【0159】
例えば、式Ib
【化32】

[式中、R1及びR2は、互いに独立して水素、C1〜C25アルキル、C2〜C25アルケニル、非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたフェニル;非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたC7〜C9フェニルアルキル;−CH(R7)−S(O)n−R8又は−CH(R7a)−S(O)n−CH2−CH(R7b)−R9であり、
3及びR4は、互いに独立して水素、C1〜C25アルキル、非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたフェニルであり、
5及びR6は、互いに独立にして水素、C1〜C25アルキル、酸素により中断されたC2〜C25アルキル;非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたフェニル;ハロゲン、−CN、−NO2
【化33】

であり、
7、R7a及びR7bは、水素、C1〜C12アルキル、
【化34】

、非置換の或いはハロゲン又はC1〜C4アルキルにより置換されたフェニルであり;
8は、一価の過フッ素化アルキル又はアルケニル、4〜20個の完全にフッ素化された炭素原子を有する直鎖状又は分枝状有機基であり、
9は、−CN、−S(O)n−R10
【化35】

又は−NO2であり、
10は、水素、C1〜C25アルキル、C7〜C9フェニルアルキル、非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたフェニル;非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたC5〜C8シクロアルキルであり;
11は、水素、アルカリ金属、C1〜C25アルキル、C7〜C9フェニルアルキル、非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたフェニル;非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたC5〜C8シクロアルキル;或いは酸素又は硫黄により中断されたC3〜C25アルキルであり;
12及びR13は、互いに独立して水素、C1〜C25アルキル、C1〜C4アルカノイル、C7〜C9フェニルアルキル、非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたフェニルであり;或いはR12及びR13は、それらが結合する窒素原子と共に、非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換された或いは酸素、硫黄又は
【化36】

により中断された5、6又は7員複素環を形成し、
14は、水素、C1〜C8アルキル又はベンジルであり、及び
nは、1又は2である]の化合物は、式Iaの化合物の酸化により製造され得る。
【0160】
例えば、式Ibの化合物は、nが1である場合、式Iaの化合物と過ヨウ素酸ナトリウムとの酸化により製造され得る。例えば、式Ibの化合物は、nが2である場合、式Iaの化合物と3−クロロ−ペルオキシ安息香酸(m−CPBA)との酸化により製造され得る。
【0161】
従って、本発明はまた、式II
【化37】

[式中、R1及びR2は、互いに独立して水素、C1〜C25アルキル、C2〜C25アルケニル、非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたフェニル;非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたC7〜C9フェニルアルキル;−CH(R7)−S(O)n−CH2−CH(R7)−R9であり、
7は、水素、C1〜C12アルキル、
【化38】

、非置換の或いはハロゲン又はC1〜C4アルキルにより置換されたフェニルであり;
9は、−CN、−S(O)n−R10
【化39】

又は−NO2であり、
10は、水素、C1〜C25アルキル、C7〜C9フェニルアルキル、非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたフェニル;非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたC5〜C8シクロアルキルであり;
11は、水素、アルカリ金属、C1〜C25アルキル、C7〜C9フェニルアルキル、非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたフェニル;非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたC5〜C8シクロアルキル;或いは酸素又は硫黄により中断されたC3〜C25アルキルであり;
12及びR13は、互いに独立して水素、C1〜C25アルキル、C1〜C4アルカノイル、C7〜C9フェニルアルキル、非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたフェニルであり;或いはR12及びR13は、それらが結合する窒素原子と共に、非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換された或いは酸素、硫黄又は
【化40】

により中断された5、6又は7員複素環を形成し、
14は、水素、C1〜C8アルキル又はベンジルであり、
15は、−CH(R7)−S(O)n−CH2−CH(R7)−R9であり、及び
nは、0、1又は2である]の化合物にも関する。
【0162】
好ましい一般記号は、有機材料を有する前記組成物において開示された式Iの化合物のものと同じである。更に、式IIの化合物について、nは、好ましくは0である。
【0163】
式IIのフェノールは、従来の合成方法に従って製造され、例えば式II[式中、nは0であり、R7aはHである]の化合物は、式IV
【化41】

[式中、R1及びR2は、式IIの化合物について示される通りの意味を有する]の化合物と、H−S(O)n−CH2−CH(R7b)−R9[式中、nは0であり、R7b及びR9は、式IIの化合物について示される通りの意味を有する]及びパラホルムアルデヒドとを反応させることにより製造され得る。
【0164】
また、本発明の好ましい一実施態様は、酸化、熱又は光により誘起される分解に対して有機材料を安定させるための、及び/又は有機材料の表面エネルギーを低下させるための方法であって、式Iの少なくとも1種の化合物をその中に組み込む又はそれに塗布する段階を含む上記方法でもある。
【0165】
また、本発明の好ましい一実施態様は、酸化、熱又は光により誘起される分解に対する安定剤としての、及び/又は有機材料のための表面エネルギーの低下剤としての式Iの化合物の使用である。
【0166】
前記方法及び使用のための式Iの好ましい化合物は、有機材料を有する組成物について記載されるものと同じである。
【0167】
本発明による組成物は、有利には、各種造形品の製造のために使用され得る。例は、以下の通りである。
【0168】
I−1)浮動装置、海洋用途、ポンツーン、ブイ、デッキ、桟橋、ボート、カヤック、オール及びビーチ強化材のためのプラスチック材。
【0169】
I−2)自動車用途、特にバンパー、ダッシュボード、バッテリー、リア及びフロントライニング、フード下の成形部品、ハットシェルフ、トランクライニング、内部ライニング、エアバックカバー、付属部品(ライト)のための電子用成形品、ダッシュボード用窓ガラス、前照灯ガラス、計器パネル、外装ライニング、室内装飾品、自動車ライト、ヘッドライト、パーキングライト、リアライト、ストップライト、内部及び外部トリム;ドアパネル;ガスタンク;フロントサイドガラス;リアウインドウ;シートバッキング、外装パネル、ワイヤ用絶縁体、封止用異形材押出物、外装材、ピラーカバー、シャシー部品、排気系、燃料フィルタ/充填剤、燃料ポンプ、燃料タンク、ボディベルト成形物、コンバーティブルトップ、エクステリアミラー、エクステリアトリム、ファスナー/固定具、フロントエンドモジュール、ガラス、ヒンジ、ロック系、荷台/ルーフラック、プレス/スタンプ部品、シール、側面衝撃保護、防音材/遮音材、及びサンルーフ。
【0170】
I−3)道路交通装置、特に道路標識、路面表示標示用標識、自動車付属品、ワーニングトライアングル、医療用箱、ヘルメット、タイヤ。
【0171】
I−4)備品を含む、航空機、鉄道、自動車(車、モーターバイク、トラック)のための装置。
【0172】
I−5)宇宙用途、特にロケット及び衛星、例えば再突入シールドのための装置。
【0173】
I−6)建築及び設計、鉱業用途、音響防音系、街路退避施設及びシェルターのための装置。
【0174】
II−1)一般的な機器、ケース及びカバー、並びに電気/電子装置(パーソナルコンピュータ、電話、携帯型電話、プリンタ、テレビ受信機、音響及びビデオ機器)、植木鉢、衛星テレビアンテナ及びパネル機器。
【0175】
II−2)鋼や織物等の他の材料のための外被。
【0176】
II−3)電子産業、特にプラグ、とりわけコンピュータプラグのための絶縁材のための装置、電気及び電子部品用ケース、プリント基板、及びチップ、チェックカード、クレジットカード等の電子データ保存用材料。
【0177】
II−4)電気器具、特に洗濯機、タンブラ、オーブン(電子オーブン)、食器洗浄機、ミキサ及びアイロン。
【0178】
II−5)ライト用カバー(例えば街灯、ランプシェード)。
【0179】
II−6)ワイヤ及びケーブルにおける適用(半導体、絶縁体及びケーブル外被)。
【0180】
II−7)コンデンサ、冷蔵庫、加熱装置、エアコンディショナ、電子装置の封止材、半導体、コーヒーマシン及び真空掃除機のための箔。
【0181】
III−1)工業製品、例えば歯車(ギア)、摺動付属品、スペーサ、ネジ、ボルト、ハンドル、ノブ。
【0182】
III−2)ロータブレード、ベンチレータ及び風車羽根、太陽光線を利用した装置、スイミングプール、スイミングプールカバー、プールのライナ、池のライナ、クロゼット、ワードローブ、隔壁、スラットウォール、折れ戸、屋根、シャッタ(例えばローラシャッタ)、付属品、パイプ間の接合部、スリーブ及びコンベヤベルト。
【0183】
III−3)衛生用品、特にシャワー室、便座シート及びシンク。
【0184】
III−4)衛生的物品、特におむつ(乳児用、成人失禁用)、女性用衛生物品、シャワーカーテン、ブラシ、マット、タブ、移動式トイレ、歯ブラシ及び差込み便器。
【0185】
III−5)水、汚水及び化学物質のためのパイプ(架橋しているもの、又はそうではないもの)、ワイヤ及びケーブル保護のためのパイプ、ガス、油及び汚水のためのパイプ、樋、ダウンパイプ及び排水系。
【0186】
III−6)あらゆる形状の異形材(窓ガラス)及び羽目板。
【0187】
III−7)ガラス代用品、特に押出又は同時押出板、建物用ガラス(モノリシック、二重又は重層壁)、航空機、学校のためのガラス板、押出シート、建築物の窓ガラス、電車、輸送機関のための窓フィルム、衛生用品及び温室。
【0188】
III−8)プレート(ウォール、カッティングボード)、押出コーティング(写真紙、テトラパック及びパイプコーティング)、サイロ、木材代用品、プラスチックランバー、木材組成物、壁、表面材、家具、装飾箔、床カバー材(室内及び室外の適用)、フローリング、踏み板、及びタイル。
【0189】
III−9)吸気入口及び排気マニホールド。
【0190】
III−10)セメント、コンクリート、混合適用及びカバー、羽目板及び外装材、手すり、欄干、台所調理台、屋根葺き材料、屋根板、タイル及び防水シート。
【0191】
IV−1)プレート(ウォール及びカッティングボード)、トレイ、スタジアム場(体育館)の人工芝、アストロターフ、人工カバー、スタジアムリング(体育館)の人工床、及びテープ。
【0192】
IV−2)連続織布及びステープル、繊維(カーペット/衛生用品/ジオテキスタイル/モノフィラメント;フィルタ;ワイプ/カーテン(日除け)/医療用途)、バルク繊維(ガウン/保護服等の適用)、ネット、ロープ、ケーブル、ひも、綱、糸、安全シートベルト、衣服、下着、グローブ;ブーツ;ゴムブーツ、肌着、衣類、スイムウェア、スポーツウェア、傘(パラソル、日除け)、パラシュート、パラグライダー、帆、「バルーン−シルク」、キャンプ用品、テント、エアベッド、サンベッド、バルクバッグ、及びバッグ。不織布、例えば医療用布及び関連の衣類、工業用衣類、屋外用布、家庭内備品、建築用布。
【0193】
IV−3)屋根、トンネル、ゴミ捨て場、池、ゴミ捨て場、ウォール屋根材、ジオメンブレン、スイミングプール、カーテン(日除け)/遮光シールド、日除け、キャノピー、壁紙、食品包装材及びラッピング材(柔軟なもの、及び硬質のもの)、医療用包装材(柔軟なもの、及び硬質のもの)、エアバック/安全ベルト、アームレスト及びヘッドレスト、カーペット、センターコンソール、ダッシュボード、コクピット、ドア、オーバーヘッドコンソールモジュール、ドアトリム、天井、室内照明、室内鏡、手荷物棚、後部荷物カバー、シート、ステアリングカラム、ハンドル、織物及びトランクトリムのための膜、絶縁材、カバー及びシール。
【0194】
V)フィルム(パッケージ、ごみ捨て場、積層物、農業および園芸、温室、根おおい、トンネル、サイレージ)、梱包ラップ、スイミングプール、屑入れ、壁紙、ストレッチフィルム、ラフィア、脱塩フィルム、バッテリー、及びコネクタ。
【0195】
VI−1)食品梱包包装材及び包装材(柔軟なもの、及び硬質のもの)、ボトル。
【0196】
VI−2)格納系、例えば箱(かご)、旅行用鞄、チェスト、家庭内ボックス、パレット、棚、トラック、ねじ箱、パック、缶。
【0197】
VI−3)カートリッジ、シリンジ、医療の適用、あらゆる輸送のためのコンテナ、屑入れバスケット及び屑入れ容器、屑入れバック、容器、ごみ容器、容器ライナ、ホイリー容器、一般的コンテナ、水/汚水/化学物質/ガス/油/ガソリン/ディーゼルのためのタンク;タンクライナ、箱、かご、バッテリーケース、槽、ピストン、眼科適用、診断装置等の医療装置、及び医薬ブリスターのための包装。
【0198】
VII−1)押出コーティング(写真紙、テトラパック、パイプコーティング)、あらゆる種類の家庭内物品(例えば、電気器具、魔法瓶/洋服ハンガー)、プラグ、ワイヤ及びケーブルクランプ、ジッパ、クロージャ、錠、スナップクロージャ等の締め具システム。
【0199】
VII−2)スポーツ及びフィットネス装置、器械体操マット、スキーブーツ、インラインスケート、スキー、ビッグフット、運動場の表面(例えば、テニスグラウンド)等のレジャー時間用サポート装置、物品;ボトル及び缶のためのねじ蓋、蓋及びストッパ。
【0200】
VII−3)一般的な家具、発泡物品(クッション、衝撃吸収材)、フォーム、スポンジ、皿ふき布、マット、ガーデンチェア、スタジアムシート、テーブル、寝椅子、玩具、ビルディングキット(ボード/フィギャア/ボール)、プレイハウス、滑り台、及び遊び用乗り物。
【0201】
VII−4)光学及び磁気データ格納のための材料。
【0202】
VII−5)台所用品(食事用、飲料用、料理用、貯蔵用)。
【0203】
VII−6)CD、カセット及びビデオテープのための箱、DVD電子物品、全種類の事務用物品(ボールペン、スタンプ及び印肉、マウス、棚、トラック)、あらゆる容積及び容量のボトル(飲料、洗剤、香水を含む化粧品)、及び粘着テープ。
【0204】
VII−7)履き物(靴/靴ソール)、インソール、スパッツ、接着剤、構造用接着剤、食物箱(果物、野菜、肉、魚)、合成紙、ボトルのためのラベル、寝椅子、人工関節(ヒト)、印刷版(フレキソ印刷の)、プリント回路基板、及び表示技術品。
【0205】
VII−8)充填ポリマー(滑石、チョーク、陶土(カオリン)、珪灰石、顔料、カーボンブラック、TiO2、雲母、ナノコンポジット、ドロマイト、シリケート、ガラス、アスベスト)の装置。
【0206】
従って、本発明の更なる一実施態様は、上記の通りの組成物を含有する造形品、特に膜、パイプ、異形材、ビン、タンク又は容器、繊維に関する。
【0207】
本発明の更なる一実施態様は、上記の通りの組成物を含有する成形品に関する。成形は、注入、ブロー、加圧、回転成形又はスラッシュ成形或いは押出により特に行われる。
【0208】
既に述べたように、保護すべき有機材料は、好ましくは有機ポリマー、とりわけ合成ポリマーである。これに関連して、熱可塑性材料は、特定の効果と共に保護される。これに関連して、加工安定剤(熱安定剤)としての式Iの安定剤の顕著な活性にとりわけ注意するべきである。この目的のため、それらは、有利には、その加工の前又は間にポリマーに添加される。しかし、他のポリマー(例えばエラストマー)も、或いは潤滑剤又は作動液を、分解、例えば光誘起分解又は熱酸化分解に対して安定させることが可能である。エラストマーは、可能な有機材料の上記一覧からとることが可能である。
【0209】
また、本発明は、好ましくは潤滑剤、作動液及び金属加工液の系列、更に4−ストローク型、Otto型、2−ストローク型、ディーゼル型、Wankel型及び軌道型の動力供給エンジンの燃料からの機能液と式Iの少なくとも1種の化合物とを含む組成物にも関する。
【0210】
式Iの化合物は、多機能性安定剤としての潤滑剤及び燃料において好ましくは使用され得、即ち、それらは、それ自身において抗酸化、減摩、極圧保護及び摩耗保護作用並びに更に耐食特性を組み合わせる。
【0211】
好ましい潤滑剤及び燃料並びに関連の生成物は、エンジン油、タービン油、ギア油、作動液、ディーゼル又はOtto燃料、金属加工液及び潤滑グリースである。
【0212】
とりわけ好ましい潤滑剤は、鉱油、合成油又はそれらの混合物である。
【0213】
それ自体公知の生成物が、潤滑剤、作動液及び金属加工液の系列からの機能液として使用される。
【0214】
考慮される潤滑剤及び作動液は、当業者に周知であり、例えばDieter Klamann,"Schmierstoffe und verwandte Produkte"[Lubricants and related products](Verlag Chemie,Weinheim,1982),in Schewe−Kobek,"Das Schmiermittel−Taschenbuch"[The lubricant handbook](Dr.Alfred Huthig−Verlag,Heidelberg,1974)や、"Ullmanns Enzyklopadie der technischen Chemie"[Ullmann’s Encyclopaedia of Industrial Chemistry],Vol.13,pp.85−94(Verlag Chemie,Weinheim,1977)等の関連の専門文献に記載されている。
【0215】
潤滑剤は、とりわけ、例えば鉱油に基づく油及びグリースである。油が好ましい。
【0216】
使用され得る潤滑剤の更なる群は、植物油又は動物油、グリース、獣脂及び蝋或いはそれらと互いとの混合物又は言及された鉱物又は合成油との混合物である。
【0217】
植物油及び動物油、グリース、獣脂及び蝋は、例えば、椰子核油、パーム油、オリーブ油、ナタネ油、菜種油、亜麻仁油、落花生油、ダイズ油、綿実油、ヒマワリ油、カボチャ種子油、ヤシ油、トウモロコシ油、ヒマシ油、木ナッツ油及びそれらの混合物、魚油、牛脂等の屠殺された動物から得られる獣脂、牛脚油及び骨油、それらの改質された、エポキシド化された及びスルホキシド化された形態、例えばエポキシド化ダイズ油である。
【0218】
鉱油は、とりわけ炭化水素化合物に基づく。
【0219】
合成潤滑剤の例としては、脂肪族又は芳香族カルボキシエステル、高分子エステル、ポリアルキレンオキシド、リン酸エステル、ポリ−α−オレフィン又はシリコーン、例えばセバシン酸ジオクチルやアジピン酸ジノニル等、一価アルコールとの二価の酸のジエステル、例えばトリメチロールプロパントリペラルゴネート、トリメチロールプロパントリカプリラートやそれらの混合物等、一価の酸又はかかる酸の混合物とのトリメチロールプロパンのトリエステル、例えばペンタエリストールテトラカプリラート等、一価の酸又はかかる酸の混合物とのペンタエリストールのテトラエステル、多価アルコールとの一価及び二価の酸の複合エステル、例えばカプリン酸とセバシン酸とのトリメチロールプロパンの複合エステル或いはそれらの混合物が挙げられる。鉱油とは別に、例えばポリ−α−オレフィン、エステル系潤滑剤、リン酸エステル、グリコール、ポリグリコール及びポリアルキレングリコール並びにそれらの水との混合物がとりわけ適切である。
【0220】
金属加工液及び作動液は、潤滑剤について上述したものと同じ物質に基づいて製造され得るが、かかる流体は、しばしば水又は他の液体中のかかる物質のエマルジョンである。
【0221】
本発明による潤滑剤及び燃料組成物は、例えばOtto型、ディーゼル型、2ストローク型、Wankel型又は軌道型のエンジンを備えた例えば動力化車両における内燃機関において例えば使用される。
【0222】
式Iの化合物は、潤滑剤及び燃料、金属加工液及び作動液に易溶であるので、潤滑剤及び燃料、金属加工液及び作動液のための添加剤としてとりわけ適切である。
【0223】
潤滑剤における添加剤として、式Iの化合物は、非常に少ない量でも効果的である。それらは、潤滑剤に対して各場合において、有利には0.01〜5質量%の量で、好ましくは0.05〜3質量%の量で、非常にとりわけ0.1〜2質量%の量で潤滑剤と混合される。
【0224】
式Iの化合物は、それ自体公知の方法で潤滑剤及び燃料に混合され得る。式Iの化合物は、例えば油に易溶である。使用に応じて、使用に適切な濃度にまで適切な潤滑剤又は燃料で希釈され得るいわゆるマスターバッチを製造することも可能である。かかる場合、1質量%を上回る濃度が可能である。
【0225】
潤滑剤及び燃料、金属加工液及び作動液は、また更にそれらの基本特性を向上させるために添加される他の添加剤を更に含んでよく;かかる添加剤としては:更なる抗酸化剤、金属不動態化剤、防錆剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、分散剤、洗剤、摩擦係数低下剤、更なる極圧添加剤、耐摩耗性添加剤が挙げられる。かかる更なる添加剤は、有利には、0.01〜5質量%の量で添加される。
【0226】
多くのかかる化合物は、例えば上記一覧「1.抗酸化剤」、とりわけ項目1.1〜1.19において見出され得る。加えて、更なる添加剤が例として挙げられる。
【0227】
更なる抗酸化剤の例
脂肪族又は芳香族ホスファイト、チオジプロピオン酸又はチオ二酢酸のエステル、或いはジチオカルバミン酸又はジチオリン酸の塩、2,2,12,12−テトラメチル−5,9−ジヒドロキシ−3,7,11−トリチアトリデカン及び2,2,15,15−テトラメチル−5,12−ジヒドロキシ−3,7,10,14−テトラチアヘキサデカン。
【0228】
例えば銅のための金属不活性化剤の例は、以下の通りである
【0229】
a)ベンゾトリアゾール及びその誘導体、例えば、2−メルカプトベンゾトリアゾール、2,5−ジメルカプトベンゾトリアゾール、4−又は5−アルキルベンゾトリアゾール(例えば、トルトリアゾール)及びそれらの誘導体、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾトリアゾール、5,5’−メチレンビス−ベンゾトリアゾール;ベンゾトリアゾール又はトルトリアゾールのマンニッヒ塩基、例えば1−[ジ(2−エチルヘキシル)アミノメチル]トルトリアゾール及び1−[ジ(2−エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール;1−(ノニルオキシメチル)ベンゾトリアゾール、1−(1−ブトキシエチル)ベンゾトリアゾール、1−(1−シクロヘキシルオキシブチル)トルトリアゾール等のアルコキシアルキルベンゾトリアゾール。
【0230】
b)1,2,4−トリアゾール及びその誘導体、例えば3−アルキル−(又は−アリール−)1,2,4−トリアゾール、及び1,2,4−トリアゾールのマンニンッヒ塩基、例えば1−[ジ(2−エチルヘキシル)アミノメチル]−1,2,4−トリアゾール;1−(1−ブトキシエチル)−1,2,4−トリアゾール等のアルコキシアルキル−1,2,4−トリアゾール;アシル化−3−アミノ−1,2,4−トリアゾール。
【0231】
c)イミダゾール誘導体、例えば4,4’−メチレンビス(2−ウンデシル−5−メチル)イミダゾール及びビス[(N−メチル)イミダゾール−2−イル]カルビノール−オクチルエーテル。
【0232】
d)含硫黄複素環化合物、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ジメルカプトベンゾチアジアゾール及びそれらの誘導体;3,5−ビス[ジ(2−エチルヘキシル)アミノメチル]−1,3,4−チアジアゾリン−2−オン。
【0233】
e)アミノ化合物、例えば、サリチリデン−プロピレンジアミン、サリチルアミノグアニジン及びそれらの塩。
【0234】
防錆剤の例は、以下の通りである
【0235】
a)有機酸、そのエステル類、金属塩類、アミン塩類及び無水物、例えば、アルキル−及びアルケニル−コハク酸、並びにアルコール、ジオール又はヒドロキシカルボン酸とのそれらの部分エステル;アルキル−及びアルケニル−コハク酸の部分アミド、4−ノニルフェノキシ酢酸、アルコキシ−及びアルコキシエトキシ−カルボン酸、例えばドデシルオキシ酢酸、ドデシルオキシ(エトキシ)酢酸、及びそれらのアミン塩、更にN−オレオイル−サルコシン、ソルビタンモノオレエート、ナフテン酸鉛;アルケニルコハク酸無水物、例えば無水ドデセニルコハク酸;2−(2−カルボキシエチル)−1−ドデシル−3−メチルグリセロール及びその塩、とりわけそのナトリウム塩及びトリエタノールアミン塩。
【0236】
b)含窒素化合物、例えば:
i.第1級、第2級又は第3級脂肪族又は脂環式アミン並びに有機酸及び無機酸のアミン塩、例えば油溶性のアルキルアンモニウムカルボキシレート、及び1−[N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−3−(4−ノニルフェノキシ)プロパン−2−オール。
ii.複素環式化合物、例えば:置換イミダゾリン及びオキサゾリン、例えば2−ヘプタデセニル−1−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリン。
【0237】
c)含リン化合物、例えば:
リン酸の部分エステル又はホスホン酸の部分エステルのアミン塩、ジアルキルジチオリン酸亜鉛。
【0238】
d)含硫黄化合物、例えば:
ジノニルナフタレンスルホン酸バリウム、石油スルホン酸カルシウム、アルキルチオ−置換脂肪族カルボン酸、脂肪族2−スルホカルボン酸のエステル及びその塩。
【0239】
e)グリセロール誘導体、例えば:
グリセリンモノオレアート、1−(アルキルフェノキシ)−3−(2−ヒドロキシエチル)グリセロール、1−(アルキルフェノキシ)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)グリセロール、2−カルボキシアルキル−1,3−ジアルキルグリセロール。
【0240】
粘度指数向上剤の例は
ポリアクリレート、ポリメタアクリレート、ビニルピロリドン/メタクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリブテン、オレフィンコポリマー、スチレン/アクリレートコポリマー、ポリエーテルである。
【0241】
流動点降下剤の例は
ポリ(メタ)アクリレート、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、アルキルポリスチレン、フマレートコポリマー、アルキル化ナフタレン誘導体である。
【0242】
分散剤/界面活性剤の例は
ポリブテニルコハク酸アミド又はポリブテニルコハク酸イミド、ポリブテニルホスホン酸誘導体、塩基性マグネシウム、カルシウム及びバリウムスルホネート又はフェノレートである。
【0243】
極圧添加剤及び耐摩耗性添加剤の例は:
硫黄−及び/又はリン−及び/又はハロゲン−含有化合物、例えば、塩素化パラフィン、硫酸化オレフィン及び植物油(ダイズ油/菜種油)、アルキル又はアリール−ジ−又は−トリ−スルフィド、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、ジチオカルバミド酸亜鉛、例えばジアミルジチオカルバミン酸亜鉛、モリブデンジチオエート、例えばモリブデンジチオカルバメート、トリアリールホスフェート、例えばトリトリルホスフェート、トリクレジルフォスフェート、フェニルホスフェートイソプロピルエステル、モノ−又はジ−アルキルリン酸のアミン塩、例えばモノ−/ジ−ヘキシルホスフェートのアミン塩、アルキルホスホン酸のアミン塩、例えばメチルホスホン酸のアミン塩、トリアリールホスファイト、例えばトリス[ノニルフェニル]ホスファイト、ジアルキルホスファイト、例えばジオクチルホスファイト、トリアリールモノチオホスフェート、例えばトリフェニルチオノホスフェートやトリス[イソノニルフェニル]チオノホスフェートやtert−ブチル化トリフェニルチオノホスフェート、置換トリアルキルモノ−又はジ−チオホスフェート、例えば[(ジイソプロポキシホスフィノチオイル)チオ]プロピオネートやブチレン−1,3−ビス[(ジイソブトキシホスフィノチオイル)プロピオネート、トリチオホスフェート、例えばトリチオリン酸S,S,S−トリス(イソオクチル−2−アセテート)、3−ヒドロキシ−1,3−チアホスフェタン−3−オキシドのアミン塩、ベンゾトリアゾール又はその誘導体、例えばビス(2−エチルヘキシル)アミノメチルトルトリアゾール、ジチオカルバメート、例えばメチレン−ビス−ジブチルジチオカルバメート、2−メルカプトベンゾチアゾールの誘導体、例えば1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]−2−メルカプト−1H−1,3−ベンゾチアゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールの誘導体、例えば2,5−ビス(tert−ノニルジチオ)−1,3,4−チアジアゾールである。
【0244】
摩擦係数低下剤の例は
ラード油、オレイン酸、獣脂、菜種油、硫化脂肪、アミンである。更なる例は、EP−A−0565487に示される。
【0245】
水/油金属加工液及び作動液における使用のための特別な添加剤の例
乳化剤:石油スルホネート、アミン、例えばポリオキシエチル化脂肪族アミン、非イオン表面活性物質;
緩衝剤:アルカノールアミン;
殺生物剤:トリアジン、チアゾリノン、トリス−ニトロメタン、モルホリン、ピリジンチオールナトリウム;
速度向上剤:スルホン酸カルシウム及びスルホン酸バリウム;
燃料添加剤の例
燃料添加剤は、Kirk−Othmer,Encyclopedia of Chemical Technology,Vol12,1994に記載されており、この場合、本質的にペトロール及びディーゼル添加剤である:
ペトロール:染料、とりわけアゾ染料;
抗酸化剤:上記の通りのアミン系、とりわけパラ−フェニレンジアミン、又はフェノール系、例えば2,6−ジ−tert−ブチルフェノール;
金属不活性化剤:とりわけN,N’−ジサリチリデン−1,2−プロパン、ベンゾトリアゾール、EDTA;
防錆剤:例えば、カルボン酸、スルホネート、アミン又はアミン塩;
分散剤:例えば、エステル、高分子量アミン、マンニッヒ塩基、スクシンイミド、ホウ酸スクシンイミド;
洗剤:例えば、脂肪酸アミド、非ポリマーアミン、ポリブテンスクシンイミド、ポリエーテルアミン、低分子量アミン、スルホネート、サリチル酸誘導体;
乳化破壊剤:例えば、ポリエチレン基又はポリブチレン基を含有する長鎖アルコール又はフェノール;
アンチノック剤:四アルキル鉛、メチルシクロペンタジエニルマンガントリカルボニル;
酸素化合物:燃焼作用を向上させるための植物油、エーテル類、アルコール類のエステル;
ディーゼル:点火向上剤(セタン価向上剤)、例えば硝酸アルキル、硝酸エーテル、硝酸アルキルジグリコール、有機過酸化物;
とりわけ分解ディーゼルのための安定剤:基のトラップとしての役割を果たすアミン及び他のN含有化合物。
【0246】
潤滑剤におけるとりわけ好ましい更なる添加剤は、アミン系抗酸化剤、とりわけモノ−及びジ−アルキル化tert−ブチル−/tert−オクチル−ジフェニルアミンの混合物である。
【0247】
本発明はまた、とりわけ潤滑剤及び燃料、作動液又は金属加工液における、好ましくは作動油及びギア油における添加剤としての、酸化、熱又は光により誘起される分解に対して有機材料を安定させるための式Iの成分の使用にも関する。本発明による使用は、機械的磨砕に対して潤滑されるべき金属部品の保護(摩耗保護)、並びに潤滑剤と金属部品との両方に対する防食活性及び更に酸化防止活性を含む。
【0248】
続く実施例は、更に詳細に本発明を示す。部及びパーセントは質量に基づく。
【0249】
実施例1:化合物101の調製(表1)。
【0250】
2.00g(5.91mmol)の3−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチル−ベンジルスルファニル)−プロピオン酸ブチルエステル[化合物201、表2]を、室温で7.93g(29.6mmol)のジヨードメタンを添加した22mLのスルホランに溶解し、その後0.59g(14.8mmol)の微粉砕された水酸化ナトリウムを添加する。反応物を室温で5時間撹拌する。ヘキサンを添加し、pHが中性になるまで有機相を水、1M NH4Cl及びブラインで繰り返し洗浄する。有機相を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、真空回転蒸発器を用いて濃縮して、6.0gの淡黄色の液体を得る。揮発性物質をKugelrohr(0.5mbar;温度:80〜95℃)において蒸留し、次いで残渣をフラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル:40:1)により精製して、白色固体として0.95gの化合物101(融点63〜66℃)を得る。
【0251】

【0252】
実施例1と同様に、化合物202、203、204、205、206及び207(表2参照)から開始して、化合物102、103、104、105、106及び107を調製する。実施例1と同様に、化合物210(表2参照)から開始して、化合物102を調製する。実施例1と同様に、化合物211(表2参照)から開始して、化合物101を調製する。実施例1と同様に、化合物212(表2参照)から開始して、化合物104を調製する。
【0253】
化合物102:白色固体;融点50〜51℃。
【0254】

【0255】
化合物103:淡黄色固体;融点103〜104℃。
【0256】

【0257】
化合物104:白色固体;融点122〜124℃。
【0258】

【0259】
化合物105:淡黄色液体。
【0260】

【0261】
化合物106:無色液体。
【0262】

【0263】
化合物107:無色液体。
【0264】

【0265】
実施例2:化合物108の調製(表1)。
【0266】
2.00g(6.75mmol)の3−(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチル−ベンジルスルファニル)−プロピオン酸ブチルエステル[化合物202、表2]及び5.43g(33.8mmol)の塩化ベンザルを、室温で0.68g(16.9mmol)の微粉砕された水酸化ナトリウムを添加した25mLのスルホランに溶解する。反応物を60℃で3時間撹拌する。ヘキサンを添加し、pHが中性になるまで有機相を水、1M NH4Cl及びブラインで繰り返し洗浄する。有機相を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、真空回転蒸発器を用いて濃縮して、6.70gの橙色液体を得る。揮発性物質をKugelrohr(0.3mbar;温度:60〜80℃)において蒸留し、次いで残渣をフラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル:9:1)により精製して、白色固体として0.35gの化合物108(融点109〜110℃)を得る。
【0267】

【0268】
実施例2と同様に、化合物206(表2参照)から開始して、化合物109を調製する。
【0269】
化合物109:淡黄色液体。
【0270】

【0271】
実施例3:化合物110の調製(表1)。
【0272】
3.84g(8.40mmol)の3−[(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−フェニル)−フェニル−メチルスルファニル]−プロピオン酸ブチルエステル[化合物204、表2]及び6.76g(42.0mmol)の塩化ベンザルを、室温で0.84g(21.0mmol)の微粉砕された水酸化ナトリウムを添加した47mLのスルホランに溶解する。反応物を55℃で15時間撹拌する。ヘキサンを添加し、pHが中性になるまで有機相を水及びブラインで繰り返し洗浄する。有機相を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、真空回転蒸発器を用いて濃縮して、9.80gの橙色液体を得る。揮発性物質をKugelrohr(0.08mbar;温度:120℃)において蒸留し、次いで残渣をアセトニトリルにおいて結晶化させ、1.30gの化合物110a及び110bをジアステレオアイソマーの混合物(淡黄色固体)として得る。続いて、両方のジアステレオアイソマーを複数の結晶化を介して分離して、淡黄色固体として多量のジアステレオアイソマー110a(融点161〜164℃)を、淡黄色固体として少量のジアステレオアイソマー110b(融点120〜125℃)を得る。
【0273】
多量のジアステレオアイソマー(化合物110a):

【0274】
少量のジアステレオアイソマー(化合物110b):

【0275】
実施例4:化合物111の調製(表1)。
【0276】
5.97g(5.46mmol)の化合物208[調製、WO−A−2007/144283(実施例1)参照]と11.1g(131mmol)のジクロロメタンとの混合物に、16mLの1−メチル−2−ピロリジノン(NMP)と0.55g(13.6mmol)の微粉砕された水酸化ナトリウムとを室温で添加する。反応物を60℃で5時間撹拌する。酢酸エチルとテトラヒドロフランとを添加し、pHが中性になるまで有機相を水及びブラインで繰り返し洗浄する。有機相を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、真空回転蒸発器を用いて濃縮する。茶色の残渣油をフラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン)により精製して、白色固体として0.30gの化合物111(融点68〜69℃)を得る。
【0277】

【0278】
実施例4と同様に、化合物209(表2参照)から開始して、化合物112を調製する。
【0279】
化合物112:白色固体;融点68〜69℃。
【0280】

【0281】
実施例5:化合物113の調製(表1)。
【0282】
0.87g(1.55mmol)の炭酸カリウムの10%水溶液を、0.35g(1.03mmol)の3−(6−メチル−4H−1−オキサ−3−チア−ナフタレン−8−イルメチルスルファニル)−プロピオン酸ブチルエステル[化合物106、表1、実施例1]と2mLのメタノールとの混合物に室温で滴加する。反応物を室温で5時間撹拌し、次いでpHが1になるまで1M HClを添加する。酢酸エチルを添加し、pHが中性になるまで有機相を水及びブラインで繰り返し洗浄する。有機相を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、真空回転蒸発器を用いて濃縮して粗材料を得て、その粗材料をフラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル:1:1)により精製して、白色固体として0.17gの化合物113(融点86〜88℃)を得る。
【0283】

【0284】
実施例6:化合物114の調製(表1)。
【0285】
5mLの水における1.19g(5.55mmol)の過ヨウ素酸ナトリウムを、15mLのメタノールにおける1.00g(5.55mmol)の6,8−ジメチル−4H−1−オキサ−3−チア−ナフタレン[化合物102、表1、実施例1]の溶液に0〜5℃で滴加する。反応物を、0℃で30分間、室温で12時間撹拌する。ジクロロメタンを添加し、白色固体を濾別する。真空回転蒸発器を用いて濾液を濃縮し、残渣をジクロロメタンに溶解する。有機相を、水及びブラインで繰り返し洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、真空回転蒸発器を用いて濃縮して粗材料を得て、その粗材料をフラッシュクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール:19:1)により精製して、白色固体として0.23gの化合物114(融点215〜220℃)を得る。
【0286】

【0287】
実施例6と同様に、化合物104(表1参照)から開始して、ジアステレオアイソマーの混合物(白色固体)として化合物115a及び115bを調製する。続いて、両方のジアステレオアイソマーを調製的HPLC(順相、溶媒勾配:100%酢酸エチルに対して15%酢酸エチル/85%ヘプタン)を介して分離して、白色固体として多量のジアステレオアイソマー115a(融点184〜186℃)を、白色固体として少量のジアステレオアイソマー115b(融点172〜174℃)を得る。
【0288】
多量のジアステレオアイソマー(化合物115a):

【0289】
少量のジアステレオアイソマー(化合物115b):

【0290】
実施例7:化合物116の調製(表1)。
【0291】
5mLのジクロロメタンにおける0.25g(1.02mmol)の3−クロロペルオキシ安息香酸(m−CPBA)を、20mLのジクロロメタンにおける0.20g(1.02mmol)の6,8−ジメチル−4H−1−オキサ−3−チア−ナフタレン3−オキシド[化合物114、表1、実施例6]の溶液に0℃で添加する。反応物を0℃で3時間撹拌する。酢酸エチルを添加し、有機相を含水亜硫酸ナトリウム、水及びブラインで繰り返し洗浄する。有機相を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、真空回転蒸発器を用いて濃縮して粗材料を得て、その粗材料をフラッシュクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール:19:1)により精製して、白色固体として0.15gの化合物116(融点115〜117℃)を得る。
【0292】

【0293】
実施例8:化合物117の調製(表1)。
【0294】
80mLのジクロロメタンにおける2.50g(10.5mmol)の化合物120[実施例11、表1]の溶液に、20mLのジクロロメタンにおける2.17g(12.6mmol)の3−クロロペルオキシ安息香酸(m−CPBA)の乾燥MgSO4溶液を0〜5℃で添加する。反応物を室温で3時間撹拌する。次いで水を添加し、有機相を亜硫酸ナトリウムと水との水溶液で洗浄する。有機相を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、真空回転蒸発器を用いて濃縮して、3.10gの無色液体を得る。粗材料をフラッシュクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール:19:1)により精製して、白色固体として2.50gの化合物117(融点113〜114℃)を得る。
【0295】

【0296】
実施例9:化合物118の調製(表1)。
【0297】
50mLの水における5.28g(24.7mmol)の過ヨウ素酸ナトリウムを、120mLのイソプロパノールにおける4.00g(15.6mmol)の6,8−ジメチル−4−フェニル−4H−1−オキサ−3−チア−ナフタレン[化合物103、表1、実施例1]の懸濁液に50℃で滴加する。反応物を70℃で18時間撹拌する。ジクロロメタンを添加し、有機相を、水及びブラインで繰り返し洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、真空回転蒸発器を用いて濃縮して粗材料を得て、その粗材料を酢酸エチルにおける結晶化により精製して、白色固体として2.10gの化合物118(融点226〜229℃)を得る。
【0298】

【0299】
実施例10:化合物119の調製(表1)。
【0300】
70mLのジクロロメタンにおける10.1g(40.9mmol)の3−クロロペルオキシ安息香酸(m−CPBA)を、100mLのジクロロメタンにおける4.00g(15.6mmol)の6,8−ジメチル−4−フェニル−4H−1−オキサ−3−チア−ナフタレン[化合物103、表1、実施例1]の溶液に20℃で添加する。反応物を室温で10時間撹拌する。有機相を含水亜硫酸ナトリウム、水及びブラインで繰り返し洗浄する。有機相を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、真空回転蒸発器を用いて濃縮して粗材料を得て、その粗材料をフラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル:2:1)により精製して、白色固体として2.30gの化合物119(融点195〜197℃)を得る。
【0301】

【0302】
実施例11:化合物120の調製(表1)。
【0303】
100mLのメタノールにおける9.00g(40.4mmol)の化合物101[表1、実施例1]の溶液に、50mLの水における8.70g(40.4mmol)の過ヨウ素酸ナトリウムの溶液を滴加する。2日後に反応を停止させる。ジクロロメタンを添加し、有機相を水で洗浄する。有機相を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、真空回転蒸発器を用いて濃縮して、10.5gの紫色の液体を得る。粗材料をフラッシュクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール:40:1)により精製して、白色固体として6.00gの化合物120(融点127〜128℃)を得る。
【0304】

【0305】
実施例12:化合物210の調製(表2)。
【0306】
7.37g(60.3mmol)の2,4−ジメチルフェノール、16.9g(60.3mmol)の1H,1H,2H,2H−ペルフルオロ−ヘキサン−1−チオール、0.82g(60.3mmol)のジメチルアミン(エタノールにおいて33%)、3.62g(120.6mmol)のパラホルムアルデヒド及び2mLのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を混合し、窒素雰囲気下で3時間、還流下で加熱する。酢酸エチルを添加し、pHが中性になるまで有機相を水及びブラインで繰り返し洗浄する。有機相を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、真空回転蒸発器を用いて濃縮して24.5gの黄色液体を得る。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル:19:1)により精製して、無色液体として23.3gの化合物210を得る。
【0307】

【0308】
実施例12と同様に、対応する出発材料から開始して、化合物211、205及び207(表2参照)を調製する。
【0309】
化合物211:無色液体。
【0310】

【0311】
化合物205:淡黄色液体。
【0312】

【0313】
化合物207:無色液体。
【0314】

【0315】
実施例13:化合物212の調製(表2)。
【0316】
20mLのトルエンにおける3.30g(8.70mmol)の2,4−ジ−tert−ブチル−6−(フェニルピペリジン−1−イル−メチル)フェノールと4.88g(17.4mmol)の1H,1H,2H,2H−ペルフルオロヘキサン−1−チオールとの混合物を、窒素雰囲気下で2日間、還流下で加熱する。トルエンを添加し、有機相を、pHが中性になるまで水、1N HCl及びブラインで繰り返し洗浄する。有機相を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、真空回転蒸発器を用いて濃縮して5.90gの橙黄色液体を得る。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル:40:1)により精製して、黄色液体として2.30gの化合物212を得る。
【0317】

【0318】
実施例13と同様に、対応する出発材料から開始して、化合物203及び204(表2参照)を調製する。
【0319】
化合物203:黄色液体。
【0320】

【0321】
化合物204:無色液体。
【0322】

【0323】
実施例14:化合物202の調製(表2)。
【0324】
2,4−ジメチルフェノール(16.5g、135mmol)と3−メルカプトプロピオン酸ブチル(21.9g、135mmol)とジメチルアミン(エタノールにおいて33%)(0.61g、0.14mmol)とパラホルムアルデヒド(8.11g、270mmol)とN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(5.0mL)とを混合し、窒素雰囲気下で2時間、還流下で加熱する。酢酸エチルを添加し、pHが中性になるまで有機相を水及びブラインで繰り返し洗浄する。有機相を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、真空回転蒸発器を用いて濃縮して61.3gの淡黄色液体を得る。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル:9:1)により精製して、無色液体として39.2(98%)の化合物202を得る。
【0325】

【0326】
実施例14と同様に、対応する出発材料から開始して、化合物201及び206(表2参照)を調製する。
【0327】
化合物201:黄色液体。
【0328】

【0329】
化合物206:無色液体。
【0330】

【0331】
【表1−1】

【0332】
【表1−2】

【0333】
【表2】

【0334】
実施例15:多押出ポリプロピレンの安定化
1.3kgのポリプロピレン粉末(Moplen HF500N)に、0.05%のIrganox(登録商標)1010(ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート])と0.05%のステアリン酸カルシウムと0.02%のIrgafos(登録商標)168[トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト]と0.02%の本発明による化合物とを混合する。次いでこの混合物を100rpmで20mmのシリンダ径と400mmの長さとを有する押出機において押し出し、3つの加熱帯を以下の温度:260、270、280℃に調整する。押出物を、水浴を通してそれを引き抜くことにより冷却し、次いで造粒する。この粒状体を繰り返し押し出す。3回の押し出しの後、メルトインデックスを測定する(230℃/2.16kgで)。メルトインデックスの実質的な減少は、良好な安定化、例えば限定されたポリマー鎖分解を示す。結果を表3にまとめる。
【0335】
【表3】

【0336】
実施例16:ポリプロピレンにおける撥水性及び撥油性
本発明による化合物の撥水特性を決定するため、以下の手法に従ってそれを試験する。試料調製は、ポリプロピレン不織布と添加剤との組み合わせ、及び熱処理(例えば130℃で10分間)であり、それは表面への添加剤の移行及び化学基の適切な表面再配列を可能にする。この追加の熱サイクルは、基体の表面に亘る均一な再分布を得るために式Iの化合物を融解させるために必要である。ポリプロピレン不織布(織物重量:40g/m2)の工業用試料を試験化合物の1%イソプロパノール溶液中に浸漬し、同時に超音波エネルギーを1分間印加する。その後、試料を室温で終夜、次いで炉中で90℃で2時間乾燥させる。その後、一部の試料を130℃で10分間焼鈍する。
【0337】
処理した不織布試料を、INDA試験方法80.8(99)と同様の撥水性試験において評価する。不織布の浸潤挙動を一連の水/イソプロパノール混合物で試験する。浸潤挙動の所見を、0(水浸潤、撥水性なし)から10(最適な撥水性)までで格付けする。結果を表4にまとめる。
【0338】
処理した不織布試料を、AATCC試験方法118―1997/ISO14419と同様の撥油性試験において評価する。この試験は、試験溶媒として一連の炭化水素を使用する以外は撥水性試験方法について既に記載したものと同じ概念に従う。浸潤挙動の所見を、0(撥水性なし)から8(最適な撥水性)までで格付けする。
【0339】
【表4】

【0340】
実施例17:ポリエーテル/ポリウレタン軟質発泡体のスコーチ耐性
Elastogran BASFにより供給される157.1gのLupranol2084(登録商標)[主に第二級ヒドロキシル基を含有する三官能性ポリエーテルポリオール;ヒドロキシル価48mg KOH/g、含水率0.1%未満、酸価0.06mg KOH/g未満)]中に、本発明による化合物101に対して0.71g(ポリオールに対して0.45%)の安定剤組成物を溶解させる。次いで、Evonik Industries(ドイツ国)によって供給される1.88gのTegostab(登録商標)BF2370[ポリシロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマー]と、Evonik Industries(ドイツ国)により供給される0.24gのTegoamin(登録商標)33[ジプロピレングリコールにおけるトリエチルアミンの33%溶液]と、7.70gの脱イオン水とから成る9.84gの溶液を添加する。反応混合物を2600rpmで10秒間激しく撹拌する。次いで、Evonik Industries(ドイツ国)により供給される0.31gのKosmos(登録商標)29[第一スズオクタノエート]を添加し、反応混合物を2600rpmで18秒間再度激しく撹拌する。次いで、Elastogran BASFにより供給される92.19gのLupranat(登録商標)T80[2,4−及び2,6−トルエンジイソシアネートの混合物]を、2600rpmで5〜7秒間連続的に撹拌しながら添加する。次いで、混合物を20×20×20cmのケーキ箱の中に注入し、発泡体ブロックへの発泡の間に発熱温度を測定する。発泡体ブロックを室温で24時間冷却及び貯蔵する。翌日、発泡体を薄いチューブ(厚さ2cm、直径1.5cm)に切断する。
【0341】
発泡体試料の動的熱エージング性をスコーチ耐性の測定値として用いる(動的Aluブロック試験)。典型的には発泡体試料を炉又はアルミニウムブロックの中で加熱し、変色を測定することによりスコーチ耐性を評価する。「動的」熱エージング試験において、一定速度で温度を上昇させ、温度の関数として変色を決定する(170〜230℃の間の温度で30分間)。発泡体の色調を、ASTM1926−70黄色度試験に従って発泡体試料において決定される黄色度指数(YI)に関して報告する。低いYI値は少しの変色を示し、高いYI値は試料の激しい変色を示す。発泡体が白ければ白いほど、発泡体をより良好に安定させる。結果を表5にまとめる。
【0342】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)酸化、熱又は光により誘起される分解を受けやすい有機材料と、
b)式I
【化1】

[式中、
1及びR2は、互いに独立して水素、C1〜C25アルキル、C2〜C25アルケニル、非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたフェニル;非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたC7〜C9フェニルアルキル;−CH(R7)−S(O)n−R8又は−CH(R7a)−S(O)n−CH2−CH(R7b)−R9であり、
3及びR4は、互いに独立して水素、C1〜C25アルキル、非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたフェニルであり、
5及びR6は、互いに独立にして水素、C1〜C25アルキル、酸素により中断されたC2〜C25アルキル;非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたフェニル;ハロゲン、−CN、−NO2
【化2】

であり、
7、R7a及びR7bは、互いに独立して水素、C1〜C12アルキル、
【化3】

、非置換の或いはハロゲン又はC1〜C4アルキルで置換されたフェニルであり;
8は、一価の過フッ素化アルキル又はアルケニル、4〜20個の完全にフッ素化された炭素原子を有する直鎖状又は分枝状有機基であり、
9は、−CN、−S(O)n−R10
【化4】

又は−NO2であり、
10は、水素、C1〜C25アルキル、C7〜C9フェニルアルキル、非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたフェニル;非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたC5〜C8シクロアルキルであり;
11は、水素、アルカリ金属、C1〜C25アルキル、C7〜C9フェニルアルキル、非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたフェニル;非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたC5〜C8シクロアルキル;或いは酸素又は硫黄により中断されたC3〜C25アルキルであり;
12及びR13は、互いに独立して水素、C1〜C25アルキル、C1〜C4アルカノイル、C7〜C9フェニルアルキル、非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたフェニルであり;或いはR12及びR13は、それらが結合する窒素原子と共に、非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換された或いは酸素、硫黄又は
【化5】

により中断された5、6又は7員複素環を形成し、
14は、水素、C1〜C8アルキル又はベンジルであり、且つ
nは、0、1又は2である]の少なくとも1種の化合物とを含む組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の組成物であって、
1及びR2が、互いに独立して水素、C1〜C18アルキル、C2〜C18アルケニル、非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたフェニル;非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたC7〜C9フェニルアルキル;−CH(R7)−S(O)n−R8又は−CH(R7a)−S(O)n−CH2−CH(R7b)−R9であり、
3及びR4が、互いに独立して水素、C1〜C18アルキル、非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたフェニルであり、
5及びR6が、互いに独立にして水素、C1〜C18アルキル、酸素により中断されたC2〜C18アルキル;非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたフェニル;ハロゲン、−CN、
【化6】

であり、
7、R7a及びR7bが、互いに独立して水素、C1〜C12アルキル又はフェニルであり、
8が、一価の過フッ素化アルキル又はアルケニル、4〜20個の完全にフッ素化された炭素原子を有する直鎖状又は分枝状有機基であり、
9が、−CN、−S(O)n−R10
【化7】

又は−NO2であり、
10が、水素、C1〜C18アルキル、C7〜C9フェニルアルキル、非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたフェニル;非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたC5〜C8シクロアルキルであり;
11が、水素、C1〜C18アルキル、C7〜C9フェニルアルキル、非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたフェニル;非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換されたC5〜C8シクロアルキル;或いは酸素又は硫黄により中断されたC3〜C18アルキルであり;
12及びR13が、互いに独立して水素、C1〜C18アルキル、C7〜C9フェニルアルキル、非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたフェニルであり;或いはR12及びR13は、それらが結合する窒素原子と共に、非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換された或いは酸素、硫黄又は
【化8】

により中断された5、6又は7員複素環を形成し、
14が、水素、C1〜C8アルキル又はベンジルであり、且つ
nが、0、1又は2である、前記組成物。
【請求項3】
請求項1に記載の組成物であって、
1及びR2が、互いに独立して水素、C1〜C12アルキル、フェニル、ベンジル、−CH(R7)−S(O)n−R8又は−CH(R7a)−S(O)n−CH2−CH(R7b)−R9であり、
3及びR4が、互いに独立して水素、C1〜C12アルキル又はフェニルであり、
5及びR6が、互いに独立にして水素、C1〜C12アルキル、フェニル、ハロゲン、−CN、
【化9】

であり、
7、R7a及びR7bが、互いに独立して水素又はC1〜C12アルキルであり、
8が、−(CF2mCF3又は−CH2−CH2−(CF2mCF3であり、
9が、−CN、
【化10】

であり、
10が、C1〜C12アルキル、C7〜C9フェニルアルキル、フェニル又はC5〜C8シクロアルキルであり、
11が、水素、C1〜C12アルキル、ベンジル、フェニル或いはC5〜C8シクロアルキル又はC3〜C18アルキルであり、
12及びR13が、互いに独立して水素、C1〜C12アルキル、ベンジル、フェニルであり;或いはR12及びR13が、それらが結合する窒素原子と共に、6員複素環を形成し、
mが、3〜12であり、且つ
nが、0、1又は2である、前記組成物。
【請求項4】
請求項1に記載の組成物であって、
1が、C1〜C4アルキル、−CH(R7)−S(O)n−R8又は−CH(R7a)−S(O)n−CH2−CH(R7b)−R9であり、
2が、C1〜C4アルキル、−CH(R7)−S(O)n−R8又は−CH(R7a)−S(O)n−CH2−CH(R7b)−R9であり、
3が、水素であり、
4が、水素又はフェニルであり、
5が、水素であり、
6が、水素又はフェニルであり、
7、R7a及びR7bが、互いに独立して水素であり、
8が、−CH2−CH2−(CF23CF3又は−CH2−CH2−(CF27CF3であり、
9が、
【化11】

であり、
11が、水素又はC1〜C8アルキルであり、且つ
nが、0、1又は2である、前記組成物。
【請求項5】
成分(a)として天然、半合成又は合成のポリマーを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
成分(a)として熱可塑性ポリマーを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
成分(a)としてポリオレフィンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
成分(b)が、成分(a)の質量に対して0.0005〜10%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
更に、成分(a)及び(b)の他に、更なる添加剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
更なる添加剤として、フェノール系酸化防止剤、光安定剤及び/又は加工安定剤を含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
式I
【化12】

[式中、
1及びR2は、互いに独立して水素、C1〜C25アルキル、C2〜C25アルケニル、非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたフェニル;非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたC7〜C9フェニルアルキル;−CH(R7)−S(O)n−R8又は−CH(R7a)−S(O)n−CH2−CH(R7b)−R9であり、
3及びR4は、互いに独立して水素、C1〜C25アルキル、非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたフェニルであり、
5及びR6は、互いに独立にして水素、C1〜C25アルキル、酸素により中断されたC2〜C25アルキル;非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたフェニル;ハロゲン、−CN、−NO2
【化13】

であり、
7、R7a及びR7bは、互いに独立して水素、C1〜C12アルキル、
【化14】

、非置換の或いはハロゲン又はC1〜C4アルキルにより置換されたフェニルであり;
8は、一価の過フッ素化アルキル又はアルケニル、4〜20個の完全にフッ素化された炭素原子を有する直鎖状又は分枝状有機基であり、
9は、−CN、−S(O)n−R10
【化15】

又は−NO2であり、
10は、水素、C1〜C25アルキル、C7〜C9フェニルアルキル、非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたフェニル;非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたC5〜C8シクロアルキルであり;
11は、水素、アルカリ金属、C1〜C25アルキル、C7〜C9フェニルアルキル、非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたフェニル;非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたC5〜C8シクロアルキル;或いは酸素又は硫黄により中断されたC3〜C25アルキルであり;
12及びR13は、互いに独立して水素、C1〜C25アルキル、C1〜C4アルカノイル、C7〜C9フェニルアルキル、非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたフェニルであり;或いはR12及びR13は、それらが結合する窒素原子と共に、非置換の又はC1〜C4アルキルで置換された或いは酸素、硫黄又は
【化16】

により中断された5、6又は7員複素環を形成し、
14は、水素、C1〜C8アルキル又はベンジルであり、且つ
nは、0、1又は2である]の化合物。
【請求項12】
請求項11に記載の化合物であって、
1が、C1〜C4アルキル、−CH(R7)−S(O)n−R8又は−CH(R7a)−S(O)n−CH2−CH(R7b)−R9であり、
2が、C1〜C4アルキル、−CH(R7)−S(O)n−R8又は−CH(R7a)−S(O)n−CH2−CH(R7b)−R9であり、
3が、水素であり、
4が、水素又はフェニルであり、
5が、水素であり、
6が、水素又はフェニルであり、
7、R7a及びR7bが、互いに独立して水素であり、
8が、−CH2−CH2−(CF23CF3又は−CH2−CH2−(CF27CF3であり、
9が、
【化17】

であり、
11が、水素又はC1〜C8アルキルであり、且つ
nが、0、1又は2である前記化合物。
【請求項13】
式II
【化18】

[式中、
1及びR2は、互いに独立して水素、C1〜C25アルキル、C2〜C25アルケニル、非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたフェニル;非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたC7〜C9フェニルアルキル;−CH(R7a)−S(O)n−CH2−CH(R7b)−R9であり、
7、R7a及びR7bは、互いに独立して水素、C1〜C12アルキル、
【化19】

、非置換の或いはハロゲン又はC1〜C4アルキルで置換されたフェニルであり;
9は、−CN、−S(O)n−R10
【化20】

又は−NO2であり、
10は、水素、C1〜C25アルキル、C7〜C9フェニルアルキル、非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたフェニル;非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたC5〜C8シクロアルキルであり;
11は、水素、アルカリ金属、C1〜C25アルキル、C7〜C9フェニルアルキル、非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたフェニル;非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたC5〜C8シクロアルキル;或いは酸素又は硫黄により中断されたC3〜C25アルキルであり;
12及びR13は、互いに独立して水素、C1〜C25アルキル、C1〜C4アルカノイル、C7〜C9フェニルアルキル、非置換の又はC1〜C4アルキルで置換されたフェニルであり;或いはR12及びR13は、それらが結合する窒素原子と共に、非置換の又はC1〜C4アルキルにより置換された、或いは酸素、硫黄又は
【化21】

により中断された5、6又は7員複素環を形成し、
14は、水素、C1〜C8アルキル又はベンジルであり、
15は、−CH(R7a)−S(O)n−CH2−CH(R7b)−R9であり、且つ
nは、0、1又は2である]の化合物。
【請求項14】
酸化、熱又は光により誘起される分解に対して有機材料を安定させるための、及び/又は有機材料の表面エネルギーを低下させるための方法であって、請求項1に記載の式Iの少なくとも1種の化合物をその中に組み込む又はそれに塗布する段階を含む上記方法。
【請求項15】
酸化、熱又は光により誘起される分解に対する安定剤としての、及び/又は有機材料のための表面エネルギーの低下剤としての請求項1に記載の式Iの化合物の使用。

【公表番号】特表2011−516591(P2011−516591A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−504406(P2011−504406)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【国際出願番号】PCT/EP2009/053770
【国際公開番号】WO2009/127514
【国際公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】