説明

有機電界発光素子

【課題】 本発明は、低い駆動電圧で高輝度が得られる改良された有機電界発光素子を提供することを課題とする。
【解決手段】 対向する1対の陽極及び陰極間に少なくとも1層の発光層を有する有機電界発光素子であって、前記発光層が発光材料として4座以上の配位子を有する金属錯体を前記発光層の全質量の30質量%以上100質量%以下含有し、発光スペクトルにおける主発光が前記金属錯体のモノマー体による発光であることを特徴とする。
本発明により低い駆動電圧で高輝度が得られる有機電界発光素子が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低い駆動電圧で高輝度が得られる改良された有機電界発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
電流を通じることによって励起され発光する薄膜材料を用いた有機電界発光素子が知られている。有機電界発光素子は、低電圧で高輝度の発光が得られるために、携帯電話ディスプレイ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、コンピュータディスプレイ、自動車の情報ディスプレイ、TVモニター、あるいは一般照明を含む広い分野で幅広い潜在用途を有し、それらの分野でデバイスの薄型化、軽量化、小型化、および省電力のなどの利点を有する。このため、将来の電子ディスプレイ市場の主役としての期待が大きい。しかしながら、実用的にこれらの分野で従来ディスプレイに代わって用いられるためには、発光輝度と色調、広い使用環境条件下での耐久性、安価で大量の生産性など多くの技術改良が課題となっている。
【0003】
特に課題とされる一つは、輝度と駆動電力の改良である。上記の多くのデバイスは、薄型化、軽量化、小型化に当たって、まず高い輝度を実現することが課題であった。薄型化および軽量化に当たっては、デバイスのみでなく駆動電源のコンパクト化、軽量化も要求される。特に、電力が1次電池あるいは2次電池より供給される場合、省電力は大きな課題であり、低駆動電圧で高輝度を得ることが強く要望されている。従来、高輝度とするためには、高電圧を必要とし、電力消費を早め結果となっていた。また、高輝度および高電圧は、デバイスの耐久性を損なう結果となっていた。
燐光材料を発光層に用いて、高輝度を実現する試みが知られている(例えば、特許文献1〜3参照。)。しかしながら、これらに記載されているは発光材料では十分な輝度をえることが困難であった。
また、多座配位子金属錯体を発光材料に用いた有機電界発光素子が開示されている(特許文献4〜6参照。)。しかしながら、これらの発光材料では、発光材料の充填密度を高めると発光材料間の相互作用を生じ発光が阻害されるために、輝度を高めることが困難であった。
【特許文献1】特開2002−158091号公報
【特許文献2】米国特許6303238号公報
【特許文献3】米国特許6822257号公報
【特許文献4】WO特許2004/108857号公報
【特許文献5】特開2003−73355号公報
【特許文献6】特開2003−147345号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、低い駆動電圧で高輝度が得られる改良された有機電界発光素子を提供することを目的とする。特に、新たな発光材料を発光層に高密度に充填することにより本課題を達成しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の上記課題は、下記の手段によって解決された。
<1> 対向する1対の陽極及び陰極間に少なくとも1層の発光層を有する有機電界発光素子であって、前記発光層が発光材料として4座以上の配位子を有する金属錯体を前記発光層の全質量の30質量%以上100質量%以下含有し、発光スペクトルにおける主発光が前記金属錯体のモノマー体による発光であることを特徴とする有機電界発光素子。
<2> 前記金属錯体を前記発光層の全質量の50質量%以上100質量%以下含有することを特徴とする<1>に記載の有機電界発光素子。
<3> 前記4座以上の配位子を有する金属錯体が下記一般式(I)で表される化合物であることを特徴とする<1>または<2>に記載の有機電界発光素子:
【0006】
【化1】

【0007】
(一般式(I)中、M11は金属イオンを表し、L11〜L15はそれぞれM11に配位する配位子を表す。L11とL14との間に原子群がさらに存在して環状配位子を形成してもよい。L15はL11及びL14の両方と結合して環状配位子を形成してもよい。Y11、Y12、およびY13はそれぞれ連結基、単結合、または二重結合を表す。また、Y11、Y12、又はY13が連結基である場合、L11とY12、Y12とL12、L12とY11、Y11とL13、L13とY13、Y13とL14の間の結合は、それぞれ独立に、単結合又は二重結合を表す。n11は0〜4を表す。M11とL11〜L15との結合は、それぞれ配位結合、イオン結合、共有結合のいずれでもよい。)。
<4> 前記4座以上の配位子を有する金属錯体が、下記一般式(III)で表される化合物であることを特徴とする<1>または<2>に記載の有機電界発光素子:
【0008】
【化2】

【0009】
(一般式(III)中、Q11は含窒素へテロ環を形成する原子群を表し、Z11、Z12、およびZ13はそれぞれ置換又は無置換の、炭素原子又は窒素原子を表し、MY1は更に配位子を有しても良い金属イオンを表す。)。
<5> 前記4座以上の配位子を有する金属錯体中の金属イオンが、遷移金属イオンであることを特徴とする<1>〜<4>のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
<6> 前記4座以上の配位子を有する金属錯体中の金属イオンが、イリジウムイオン、白金イオン、金イオン、レニウムイオン、タングステンイオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオン、オスミウムイオン、パラジウムイオン、銀イオン、銅イオン、コバルトイオン、亜鉛イオン、ニッケルイオン、鉛イオン、アルミニウムイオン、およびガリウムイオンの群から選ばれる一種以上であることを特徴とする<1>〜<5>のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
<7> 前記4座以上の配位子を有する金属錯体中の金属イオンが、希土類金属イオンであることを特徴とする<1>〜<4>のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
【0010】
本発明者らは、高密度に発光材料を充填し、高発光強度を得て高輝度を実現する方策を探索した。従来、発光材料間の相互作用に原因した発光阻害(濃度消光とも呼ばれている)のメカニズムを解明し、発光材料の分子構造の平面性およびスタッキングと称される分子間引力による平面配列性に起因していることを突き止めた。4座以上の配位子を有する金属錯体を高充填率で含有してもモノマー体による発光を主に示す発光層を用いることによって、これらの相互作用を排除して、高輝度が達成でき、かつ低い駆動電圧で高輝度を実現できることを見出し、<1>、<2>の発明に至った。また、本発明の達成する好ましい構造の発光材料を見出し、<3>〜<7>の発明に至った。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、低い駆動電圧でかつ高輝度の有機電界発光素子が提供される。本発明によれば、新たな発光材料を発光層に高密度に充填することにより高輝度を維持しながら駆動電圧を下げることを可能にした。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の有機電界発光素子について詳細に説明する。
1.発明の概要
本発明の有機電界発光素子は、対向する1対の陽極及び陰極間に少なくとも1層の発光層を有する有機電界発光素子であって、前記発光層が発光材料として4座以上の配位子を有する金属錯体を前記発光層の全質量の30質量%以上100質量%以下含有し、発光スペクトルにおける主発光が前記金属錯体のモノマー体による発光であることを特徴とする。好ましくは、金属錯体を前記発光層の全質量の50質量%以上100質量%以下含有する。
本発明における主発光とは発光スペクトルの可視域の波長範囲においてピーク強度を示す発光を意味し、本発明においてはピーク強度の発光が発光材料のモノマー体に起因するものである。好ましくは、モノマー体以外からの発光量(光子数)が、発光層からの総発光量(光子数)に対して、10%未満である。
好ましくは、前記4座以上の配位子を有する金属錯体が下記一般式(I)で表される化合物である。
【0013】
【化3】

【0014】
一般式(I)中、M11は金属イオンを表し、L11〜L15はそれぞれM11に配位する配位子を表す。L11とL14との間に原子群がさらに存在して環状配位子を形成してもよい。L15はL11及びL14の両方と結合して環状配位子を形成してもよい。Y11、Y12、およびY13はそれぞれ連結基、単結合、または二重結合を表す。また、Y11、Y12、又はY13が連結基である場合、L11とY12、Y12とL12、L12とY11、Y11とL13、L13とY13、Y13とL14の間の結合は、それぞれ独立に、単結合又は二重結合を表す。n11は0〜4を表す。M11とL11〜L15との結合は、それぞれ配位結合、イオン結合、共有結合のいずれでもよい。
別の好ましい前記4座以上の配位子を有する金属錯体は、下記一般式(III)で表される化合物である。
【0015】
【化4】

【0016】
一般式(III)中、Q11は含窒素へテロ環を形成する原子群を表し、Z11、Z12、およびZ13はそれぞれ置換又は無置換の、炭素原子又は窒素原子を表し、MY1は更に配位子を有しても良い金属イオンを表す。
前記金属錯体の配位子への置換基または連結基の付与により、立体障害を大きくすることが、金属錯体間の相互作用を小さくできるため好ましい。
【0017】
好ましくは、前記4座以上の配位子を有する金属錯体中の金属イオンが、遷移金属イオンである。好ましくは、前記4座以上の配位子を有する金属錯体中の金属イオンが、イリジウムイオン、白金イオン、金イオン、レニウムイオン、タングステンイオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオン、オスミウムイオン、パラジウムイオン、銀イオン、銅イオン、コバルトイオン、亜鉛イオン、ニッケルイオン、鉛イオン、アルミニウムイオン、およびガリウムイオンの群から選ばれる一種以上である。好ましくは、前記4座以上の配位子を有する金属錯体中の金属イオンが、希土類金属イオンである。
【0018】
2.有機電界発光素子を構成する各構成要素
以下、発明の有機電界発光素子を構成する各構成要素について、さらに詳細に説明する。
本発明における有機電界発光素子は、陰極と陽極との間に薄層の複数の有機化合物層より構成されるのが好ましい。有機化合物層の積層の態様としては、陽極側から、正孔輸送層、発光層、電子輸送層の順に積層されている態様が好ましい。更に、正孔輸送層と発光層との間、又は、発光層と電子輸送層との間には、電荷ブロック層等を有していてもよい。
陽極と正孔輸送層との間に、正孔注入層を有してもよく、陰極と電子輸送層との間には、電子注入層を有してもよい。また、発光層としては一層だけでも良く、また、第一発光層、第二発光層、第三発光層等に発光層を分割しても良い。さらに、各層は複数の二次層に分かれていてもよい。
【0019】
2−1.陽極
<機能>
陽極は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層などに正孔を供給する機能を有する層である。
本発明における陽極は、画素に応じてパターニングされていてもよい。
【0020】
<素材>
陽極の材料としては、金属、合金、金属酸化物、導電性化合物、又はこれらの混合物を用いることができ、それらの中でも仕事関数が4eV以上の材料が好ましい。具体例としては、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)等の導電性金属酸化物、金、銀、クロム、ニッケル等の金属、これら金属酸化物と金属の混合物又は積層体、ヨウ化銅及び硫化銅等の無機導電体、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール等の有機導電体、及びITOとこれら材料との積層体等が挙げられ、好ましくは導電性金属酸化物である。これら材料の中でも、ITOが生産性、高伝導率、透明性の観点で特に好ましい。
【0021】
<膜厚>
陽極の膜厚としては、通常は10nm以上5μm以下であるが、50nm以上1μm以下が好ましく、100nm以上500nm以下が特に好ましい。膜厚が小さすぎると電極として必要な導電性を得られず、電圧降下による輝度ムラを発生し、大きすぎると透明性が低下してしまう。
【0022】
<形成方法>
陽極の形成方法としては公知の方法を用いることができるが、例えばITOの場合には、電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱真空蒸着法、化学反応法(ゾルゲル法等)、又は塗布法等が利用できる。また、陽極の洗浄方法によって、駆動電圧の低下や発光効率の向上が可能となり、例えばITO の場合には、UVオゾン洗浄やプラズマ洗浄が効果的である。
【0023】
2−2.陰極
<機能>
陰極は、電子注入層、電子輸送層、発光層などに電子を供給するものであり、電子注入層、電子輸送層、発光層などの負極と隣接する層との密着性やイオン化ポテンシャル、安定性等を考慮して選ばれる。本発明における陰極は、画素に応じてパターニングされていてもよい。
【0024】
<素材>
陰極の材料としては、金属、合金、金属ハロゲン化物、金属酸化物、電気伝導性化合物、又はこれらの混合物を用いることができ、具体例としてはアルカリ金属(例えばLI、Na、K等)及びそのフッ化物又は酸化物、アルカリ土類金属(例えばMg、Ca等)及びそのフッ化物又は酸化物、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金又はそれらの混合金属、リチウム−アルミニウム合金又はそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金又はそれらの混合金属、インジウム、イッテリビウム等の希土類金属等が挙げられ、好ましくは仕事関数が4eV以下の材料であり、より好ましくはアルミニウム、リチウム−アルミニウム合金又はそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金又はそれらの混合金属等である。
これらの材料の中でも、アルミニウムが低仕事関数、化学的安定性、コスト、製造適性の観点で特に好ましい。
【0025】
<層構成>
本発明における陰極は、単層構造だけでなく、積層構造として形成することもできる。
電圧降下防止の観点からは、陰極の材料として、例えば、銀、銅などより体積抵抗率の低い材料を用いることが好ましいが、これらの材料は仕事関数の関係で、電子注入効率の低下による発光輝度及び発光効率の低下を招来する場合がある。かかる観点から、本発明においては、該積層構造が、前記有機化合物層側から順に、仕事関数が4eV以下の材料である層、及び該仕事関数が4eV以下の材料である層より体積抵抗率が低い材料である層を含むことが好ましい。具体的には陰極を積層構造とし、該積層構造を構成する層のうち、有機化合物層側に位置する層として、例えば、アルミニウム、などのより低仕事関数の材料を用いた層を形成し、当該層に隣接させて、銀、銅などのより体積抵抗率の低い材料を用いた層を形成することで、電圧降下防止と発光輝度及び発光効率との両立を図ることが好ましい。陰極を上記ごとき積層構造にすることにより、単一材料により陰極を形成した場合よりもより薄膜で、同等の電圧降下防止と高輝度及び高効率とを発揮することができる。
【0026】
<膜厚>
陰極の膜厚としては、電圧降下を抑制して輝度ムラの発生を防止する観点から、0.4μm以上2μm以下であることが好ましく、0.6μm以上1.5μm以下であることがより好ましい。陰極の膜厚が2μm以上では、陰極作製後の内部応力が大きくなりすぎて剥離などの故障を発生してしまう場合がある。
【0027】
<形成方法>
陰極の形成方法としては公知の方法を用いることができ、電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱真空蒸着法、塗布法、及び転写法等が利用できる。
【0028】
陽極及び陰極のシート抵抗は、前述の理由で低い方が好ましく、数100Ω/□以下が好ましい。
【0029】
2−3.発光層
<機能>
発光層は、電界印加時に、陽極、正孔注入層、又は正孔輸送層から正孔を受け取り、陰極、電子注入層、又は電子輸送層から電子を受け取り、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。
<素材>
本発明における発光層は、発光材料として後述の4座以上の配位子を有する金属錯体を含有する。本発明における4座以上の配位子を有する金属錯体は、好ましくは前記発光層の全質量の30質量%以上100質量%以下、より好ましくは50質量%以上100質量%以下の高密度で発光層に含有される。
【0030】
本発明における発光層は、発光材料のみで構成されていてもよく、ホスト材料と発光材料の混合層とした構成でもよい。発光材料は蛍光発光材料でも燐光発光材料であってもよい、発光材料は1種であっても2種以上であってもよい。ホスト材料は電荷輸送材料であることが好ましい。ホスト材料は1種であっても2種以上であってもよい、例えば、電子輸送性のホスト材料と正孔輸送性のホスト材料を混合した構成が挙げられる。さらに、発光層中に電荷輸送性を有さず、発光しない材料を含んでいてもよい。
【0031】
<膜厚>
発光層の膜厚としては、輝度ムラ、駆動電圧、輝度の観点から、0.03μm以上0.5μm以下であることが好ましく、0.06μm以上0.4μm以下であることが好ましい。発光層の膜厚が薄いと、高輝度で低い電圧での駆動が可能となるが、素子抵抗が小さくなることで、電圧低下による輝度変化の影響を受けやすくなり、輝度ムラの増加を招く結果となる。発光層の膜厚が厚いと、駆動電圧が高くなり、発光効率の低下を招き、用途を限定する原因となってしまう。
【0032】
<層構成>
発光層は1層であっても2層以上であってもよく、それぞれの層が異なる発光色で発光してもよい。また、発光層が積層構造である場合については、積層構造を構成する各層の膜厚は特に限定されないが、各発光層の合計膜厚が前述の範囲になるようにすることが好ましい。
【0033】
2−4.多座金属錯体
本発明における4座以上の配位子を有する金属錯体について説明する。
1)金属イオン
該金属錯体において金属イオンに配位する原子は特に限定されないが、酸素原子、窒素原子、炭素原子、硫黄原子又はリン原子が好ましく、酸素原子、窒素原子又は炭素原子がより好ましく、窒素原子又は炭素原子が更に好ましい。
【0034】
金属錯体中の金属イオンは、特に限定されないが、発光効率向上、耐久性向上、駆動電圧低下の観点から、遷移金属イオン、希土類金属イオンであることが好ましく、より好ましくは、イリジウムイオン、白金イオン、金イオン、レニウムイオン、タングステンイオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオン、オスミウムイオン、パラジウムイオン、銀イオン、銅イオン、コバルトイオン、亜鉛イオン、ニッケルイオン、鉛イオン、アルミニウムイオン、ガリウムイオン、または希土類金属イオン(例えば、ユーロピウムイオン、カドリニウムイオン、またはテルビウムイオンなど)が好ましく、更に好ましくは、イリジウムイオン、白金イオン、金イオン、レニウムイオン、タングステンイオン、パラジウムイオン、亜鉛イオン、アルミニウムイオン、ガリウムイオン、ユーロピウムイオン、カドリニウムイオン、またはテルビウムイオンであり、該金属錯体を発光材料として用いる場合には、イリジウムイオン、白金イオン、レニウムイオン、タングステンイオン、ユーロピウムイオン、カドリニウムイオン、またはテルビウムイオンが特に好ましく、該金属錯体を電荷輸送材料や発光層中のホスト材料として用いる場合には、イリジウムイオン、白金イオン、パラジウムイオン、亜鉛イオン、アルミニウムイオン、またはガリウムイオンが特に好ましい。
【0035】
2)配位数
本発明における4座以上の配位子を有する金属錯体としては、発光効率向上、耐久性向上の観点から、4座以上6座以下の配位子を有する金属錯体が好ましく、イリジウムイオンに代表される6配位型錯体を形成しやすい金属イオンの場合には、4座、または6座の配位子を有する金属錯体がより更好ましく、白金イオンに代表される4配位型錯体を形成しやすい金属イオンの場合には、4座の配位子を有する金属錯体がより好ましく、4座の配位子を有する金属錯体が更に好ましい。
【0036】
3)配位子
本発明における金属錯体の配位子は発光効率向上、耐久性向上の観点から、鎖状、又は、環状であることが好ましく、中心金属(例えば、後述する一般式(I)で表される化合物の場合であればM11を表す。)に窒素で配位する含窒素へテロ環(例えば、ピリジン環、キノリン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、またはトリアゾール環など)を少なくとも一つ有することが好ましい。該含窒素ヘテロ環としては、含窒素6員ヘテロ環、含窒素5員ヘテロ環であることがより好ましい。これらのヘテロ環は他の環と縮合環を形成してもよい。
【0037】
金属錯体の配位子が鎖状であるとは、金属錯体の配位子が環状構造をとらないことを意味する(例えば、ターピリジル配位子など。)。また、金属錯体の配位子が環状であるとは、金属錯体中の複数の配位子が互いに結合して、閉じた構造形成することを意味する(例えば、フタロシアニン配位子、クラウンエーテル配位子など。)。
【0038】
4)好ましい金属錯体の構造
本発明における金属錯体としては、以下に詳述する一般式(I)、一般式(II)または一般式(III)で表される化合物であることが好ましい。
【0039】
<一般式(I)で表される金属錯体>
先ず、一般式(I)で表される化合物について説明する。
【0040】
【化5】

【0041】
一般式(I)中、M11は金属イオンを表し、L11〜L15はそれぞれM11に配位する配位子を表す。L11とL14との間に原子群がさらに存在して環状配位子を形成してもよい。L15はL11及びL14の両方と結合して環状配位子を形成してもよい。
11、Y12、およびY13はそれぞれ連結基、単結合、または二重結合を表す。また、Y11、Y12、又はY13が連結基である場合、L11とY12、Y12とL12、L12とY11、Y11とL13、L13とY13、Y13とL14の間の結合は、それぞれ独立に、単結合又は二重結合を表す。n11は0〜4を表す。M11とL11〜L15との結合は、それぞれ配位結合、イオン結合、共有結合のいずれでもよい。
【0042】
一般式(I)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(I)中、M11は金属イオンを表す。金属イオンとしては特に限定されないが、2価または3価の金属イオンが好ましい。2価または3価の金属イオンとしては、白金イオン、イリジウムイオン、レニウムイオン、パラジウムイオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオン、銅イオン、ユーロピウムイオン、ガドリニウムイオン、テルビウムイオンが好ましく、白金イオン、イリジウムイオン、またはユーロピウムイオンがより好ましく、白金イオン、イリジウムイオンがさらに好ましく、白金イオンが特に好ましい。
【0043】
一般式(I)中、L11、L12、L13、及びL14は、それぞれ独立に、M11に配位する配位子を表す。L11、L12、L13、及びL14に含まれ、かつ、M11に配位する原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、炭素原子、又はリン原子が好ましく、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、又は炭素原子がより好ましく、窒素原子、酸素原子、又は炭素原子が更に好ましい。
【0044】
11とL11、L12、L13、及びL14でそれぞれ形成される結合は、それぞれ独立に、共有結合であってもイオン結合であっても配位結合であってもよい。本発明における配位子とは、説明の便宜上、配位結合のみならず他のイオン結合、共有結合により形成された場合においても用いるものとする。
11、Y12、L12、Y11、L13、Y13、及びL14から成る配位子は、アニオン性配位子(少なくとも一つのアニオンが金属と結合する配位子)であることが好ましい。アニオン性配位子中のアニオンの数は、1〜3が好ましく、1、2がより好ましく、2がさらに好ましい。
【0045】
11に炭素原子で配位するL11、L12、L13、及びL14としては、特に限定されないが、それぞれ独立にイミノ配位子、芳香族炭素環配位子(例えばベンゼン配位子、ナフタレン配位子、アントラセン配位子、フェナントラセン配位子など)、ヘテロ環配位子(例えばチオフェン配位子、ピリジン配位子、ピラジン配位子、ピリミジン配位子、チアゾール配位子、オキサゾール配位子、ピロール配位子、イミダゾール配位子、ピラゾール配位子、及びそれらを含む縮環体(例えばキノリン配位子、ベンゾチアゾール配位子など)およびこれらの互変異性体)が挙げられる。
【0046】
11に窒素原子で配位するL11、L12、L13、及びL14としては特に限定されないが、それぞれ独立に、含窒素へテロ環配位子(例えば、ピリジン配位子、ピラジン配位子、ピリミジン配位子、ピリダジン配位子、トリアジン配位子、チアゾール配位子、オキサゾール配位子、ピロール配位子、イミダゾール配位子、ピラゾール配位子、トリアゾール配位子、オキサジアゾール配位子、チアジアゾール配位子、及びそれらを含む縮環体(例えば、キノリン配位子、ベンズオキサゾール配位子、またはベンズイミダゾール配位子など)、及びこれらの互変異性体(なお、本発明では通常の異性体以外に次のような例も互変異性体と定義する。例えば、後述する化合物(24)の5員ヘテロ環配位子、化合物(64)の末端5員ヘテロ環配位子、化合物(145)の5員ヘテロ環配位子もピロール互変異性体と定義する。)など、アミノ配位子(アルキルアミノ配位子(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばメチルアミノなどが挙げられる。)、アリールアミノ配位子(例えばフェニルアミノなどが挙げられる。)、アシルアミノ配位子(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ配位子(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ配位子(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、イミノ配位子など)が挙げられる。これらの配位子はさらに置換されていてもよい。
【0047】
11に酸素原子で配位するL11、L12、L13、及びL14としては特に限定されないが、それぞれ独立に、アルコキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシルオキシ配位子(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、シリルオキシ配位子(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)、カルボニル配位子(例えばケトン配位子、エステル配位子、またはアミド配位子など)、エーテル配位子(例えばジアルキルエーテル配位子、ジアリールエーテル配位子、またはフリル配位子など)などが挙げられる。
【0048】
11に硫黄原子で配位するL11、L12、L13、及びL14としては特に限定されないが、それぞれ独立に、アルキルチオ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、または2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、チオカルボニル配位子(例えばチオケトン配位子、チオエステル配位子など)、又はチオエーテル配位子(例えばジアルキルチオエーテル配位子、ジアリールチオエーテル配位子、チオフリル配位子など)などが挙げられる。これらの置換配位子は更に置換されてもよい。
【0049】
11にリン原子で配位するL11、L12、L13、及びL14としては特に限定されないが、それぞれ独立に、ジアルキルホスフィノ基、ジアリールホスフィノ基、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、およびホスフィニン基等が挙げられる。これらの基は更に置換されてもよい。
【0050】
11及びL14は、それぞれ独立に、芳香族炭素環配位子、アルキルオキシ配位子、アリールオキシ配位子、エーテル配位子、アルキルチオ配位子、アリールチオ配位子、アルキルアミノ配位子、アリールアミノ配位子、アシルアミノ配位子、含窒素へテロ環配位子(例えばピリジン配位子、ピラジン配位子、ピリミジン配位子、ピリダジン配位子、トリアジン配位子、チアゾール配位子、オキサゾール配位子、ピロール配位子、イミダゾール配位子、ピラゾール配位子、トリアゾール配位子、オキサジアゾール配位子、チアジアゾール配位子、又はそれらを含む縮配位子体(例えば、キノリン配位子、ベンズオキサゾール配位子、ベンズイミダゾール配位子など)、又はこれらの互変異性体など)が好ましく、芳香族炭素環配位子、アリールオキシ配位子、アリールチオ配位子、アリールアミノ配位子、並びにピリジン配位子、ピラジン配位子、イミダゾール配位子、又はそれらを含む縮配位子体(例えば、キノリン配位子、キノキサリン配位子、ベンズイミダゾール配位子など)、又はこれらの互変異性体がより好ましく、芳香族炭素環配位子、アリールオキシ配位子、アリールチオ配位子、又はアリールアミノ配位子がさらに好ましく、芳香族炭素環配位子、又はアリールオキシ配位子が特に好ましい。
【0051】
12及びL13は、それぞれ独立に、M11と配位結合を形成する配位子が好ましく、M11と配位結合を形成する配位子としては、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、トリアジン環、チアゾール環、オキサゾール環、ピロール環、トリアゾール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環、ベンズオキサゾール環、ベンズイミダゾール環、またはインドレニン環など)及びこれらの互変異性体が好ましく、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピロール環、及びそれらを含む縮環体(例えば、キノリン環、ベンズピロールなど)、及びこれらの互変異性体がより好ましく、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、及びそれらを含む縮環体(例えば、キノリン環など)がさらに好ましく、ピリジン環、及びピリジン環を含む縮環体(例えば、キノリン環など)が特に好ましい。
【0052】
一般式(I)中、L15はM11に配位する配位子を表す。L15は1〜4座の配位子が好ましく、1〜4座のアニオン性配位子がより好ましい。1〜4座のアニオン性配位子としては特に限定されないが、ハロゲン配位子、1,3−ジケトン配位子(例えば、アセチルアセトン配位子など)、ピリジン配位子を含有するモノアニオン性2座配位子(例えば、ピコリン酸配位子、2−(2−ヒドロキシフェニル)−ピリジン配位子など)、L11、Y12、L12、Y11、L13、Y13、およびL14で形成される4座配位子が好ましく、1,3−ジケトン配位子(例えば、アセチルアセトン配位子など)、ピリジン配位子を含有するモノアニオン性2座配位子(例えばピコリン酸配位子、2−(2−ヒドロキシフェニル)−ピリジン配位子など)、L11、Y12、L12、Y11、L13、Y13、およびL14で形成される4座配位子がより好ましく、1,3−ジケトン配位子(例えば、アセチルアセトン配位子など)、ピリジン配位子を含有するモノアニオン性2座配位子(例えば、ピコリン酸配位子、2−(2−ヒドロキシフェニル)−ピリジン配位子など)がさらに好ましく、1,3−ジケトン配位子(例えば、アセチルアセトン配位子など)が特に好ましい。
配位座の数、及び配位子の数が、金属の配位数を上回ることはない。但し、L15はL11及びL14の両方と結合して環状配位子を形成することはない。
【0053】
一般式(I)中、Y11、Y12、及びY13は、それぞれ独立に、連結基、単結合、または二重結合を表す。連結基としては、特に限定されないが、例えば、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子、またはリン原子から選択される原子を含んで構成される連結基が好ましい。このような連結基の具体例としては、例えば下記のものが挙げられる。
【0054】
【化6】

【0055】
また、Y11、Y12、又はY13が連結基である場合、L11とY12、Y12とL12、L12とY11、Y11とL13、L13とY13、Y13とL14の間の結合は、それぞれ独立に、単結合又は二重結合を表す。
【0056】
11、Y12、及びY13は、それぞれ独立に、単結合、二重結合、カルボニル連結基、アルキレン連結基、またはアルケニレン基が好ましい。Y11は、単結合、アルキレン基がより好ましく、アルキレン基がさらに好ましい。Y12及びY13は、単結合、アルケニレン基がより好ましく、単結合がさらに好ましい。
【0057】
12、L11、L12、及びM11で形成される環、Y11、L12、L13、及びM11で形成される環、Y13、L13、L14、及びM11で形成される環は、それぞれ環員数4〜10が好ましく、環員数5〜7がより好ましく、環員数5又は6がさらに好ましい。
【0058】
一般式(I)中、n11は0〜4を表す。M11が配位数4の金属の場合、n11は0であり、M11が配位数6の金属の場合、n11は1、2が好ましく、1がより好ましい。M11が配位数6でn11が1の場合L15は2座配位子を表し、M11が配位数6でn11が2の場合L15は単座配位子を表す。M11が配位数8の金属の場合、n11は1〜4が好ましく、1、2がより好ましく、1がより好ましい。M11が配位数8でn11が1の場合L15は4座配位子を表し、M11が配位数8でn11が2の場合L15は2座配位子を表す。n11が複数のときは、複数のL15は同じであっても異なっていてもよい。
【0059】
前記一般式(I)で表される化合物の好ましい形態は、以下に挙げる、一般式(1)、一般式(2)、一般式(3)、及び一般式(4)で表される各化合物である。
【0060】
一般式(1)で表される化合物について説明する。
【0061】
【化7】

【0062】
一般式(1)中、M21は金属イオンを表し、Y21は連結基、単結合、または二重結合を表す。Y22、Y23はそれぞれ単結合または連結基を表す。Q21、Q22はそれぞれ含窒素ヘテロ環を形成する原子群を表し、Q21で形成される環とY21の間の結合およびQ22で形成される環とY21の間の結合は、単結合または二重結合を表す。X21、X22は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、置換または無置換の窒素原子を表す。R21、R22、R23、及びR24は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、R21及びR22並びにR23及びR24は各々結合して環を形成してもよい。L25はM21に配位する配位子を表す。n21は0〜4の整数を表す。
【0063】
一般式(1)について詳細に説明する。
一般式(1)中、M21は、前記一般式(I)におけるM11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0064】
21、Q22は、それぞれ独立に、含窒素へテロ環(M21に配位する窒素を含む環)を形成する原子群を表す。Q21、Q22で形成される含窒素ヘテロ環としては特に限定されないが、例えば、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、トリアジン環、チアゾール環、オキサゾール環、ピロール環、トリアゾール環、及びそれらを含む縮環体(例えば、キノリン環、ベンズオキサゾール環、ベンズイミダゾール環、またはインドレニン環など)及び、これらの互変異性体が挙げられる。
【0065】
21、Q22で形成される含窒素ヘテロ環としては、好ましくは、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、ピロール環、ベンズアゾール環、及びそれらを含む縮環体(例えば、キノリン環、ベンズオキサゾール環、またはベンズイミダゾール環など)及びこれらの互変異性体であり、より好ましくはピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、イミダゾール環、ピロール環、及びそれらを含む縮環体(例えば、キノリン環など)及びこれらの互変異性体であり、さらに好ましくは、ピリジン環、及びその縮環体(例えば、キノリン環など)であり、特に好ましくはピリジン環である。
【0066】
21、X22は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、置換または無置換の窒素原子であり、酸素原子、硫黄原子、置換された窒素原子がより好ましく、酸素原子、硫黄原子がさらに好ましく、酸素原子が特に好ましい。
【0067】
21は、前記一般式(I)におけるY11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0068】
22、Y23は、それぞれ独立に、単結合、連結基を表し、単結合が好ましい。連結基としては特に限定されないが、例えば、カルボニル連結基、チオカルボニル連結基、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、酸素原子連結基、窒素原子連結基、及びこれらの組み合わせからなる連結基などが挙げられる。
【0069】
22又はY23として表される連結基としては、カルボニル連結基、アルキレン連結基、アルケニレン連結基が好ましく、カルボニル連結基、アルケニレン連結基がより好ましく、カルボニル連結基がさらに好ましい。
【0070】
21、R22、R23、及びR24は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。置換基としては特に限定されないが、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、Iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、およびアントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、およびジトリルアミノなどが挙げられる。)、
【0071】
アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、
【0072】
アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、およびフェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、
【0073】
カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、
【0074】
リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル基、およびアゼピニル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。
【0075】
21、R22、R23、及びR24は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、R21とR22またはR23とR24が結合して環構造(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基が好ましく、R21とR22又はR23とR24が結合して環構造(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基がより好ましい。
【0076】
25は前記一般式(I)におけるL15と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0077】
21は前記一般式(I)におけるn11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0078】
一般式(1)において、Q21、Q22が形成する環がピリジン環のとき、Y21は連結基を表す金属錯体であること、Q21、Q22が形成する環がピリジン環で、Y21が単結合または二重結合で、X21、X22が硫黄原子、置換または無置換の窒素原子を表す金属錯体であること、或いは、Q21、Q22が形成する環が含窒素ヘテロ5員環、または、窒素原子を2つ以上含む含窒素6員環を表す金属錯体であることが好ましい。
【0079】
前記一般式(1)で表される化合物の好ましい形態は、下記一般式(1−A)で表される化合物である。
【0080】
【化8】

【0081】
一般式(1−A)について説明する。
一般式(1−A)中、M31は、前記一般式(I)におけるM11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0082】
31、Z32、Z33、Z34、Z35、及びZ36は、それぞれ独立に、置換または無置換の炭素原子、窒素原子を表し、置換または無置換の炭素原子がより好ましい。炭素上の置換基としては、前記一般式(1)におけるR21で説明した基が挙げられ、また、Z31とZ32、Z32とZ33、Z33とZ34、Z34とZ35、Z35とZ36が連結基を介して結合し、縮環(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成してもよく、Z31とT31、Z36とT38が連結基を介して結合し、縮環(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成してもよい。
【0083】
前記炭素上の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アリール基、縮環(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基、ハロゲン原子が好ましく、アルキルアミノ基、アリール基、縮環(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基がより好ましく、アリール基、縮環(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基がさらに好ましく、縮環(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基が特に好ましい。
【0084】
31、T32、T33、T34、T35、T36、T37、及びT38は、それぞれ独立に、置換または無置換の炭素原子、窒素原子を表し、置換または無置換の炭素原子がより好ましい。炭素上の置換基としては、前記一般式(1)におけるR21で説明した基が挙げられ、また、T31とT32、T32とT33、T33とT34、T35とT36、T36とT37、T37とT38が連結基を介して結合し、縮環(例えばベンゾ縮環など)を形成しても良い。
【0085】
前記炭素上の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アリール基、縮環(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基、ハロゲン原子が好ましく、アリール基、縮環(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基、ハロゲン原子がより好ましく、アリール基、ハロゲン原子がさらに好ましく、アリール基が特に好ましい。
【0086】
31、X32は、それぞれ独立に、前記一般式(1)におけるX21、X22と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0087】
次に一般式(2)で表される化合物について説明する。
【0088】
【化9】

【0089】
一般式(2)中、M51は前記一般式(I)におけるM11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0090】
51、Q52は、それぞれ独立に、前記一般式(1)におけるQ21、Q22と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0091】
53、Q54は、それぞれ独立に、含窒素へテロ環(M51に配位する窒素を含む環)を形成する基を表す。Q53、Q54で形成される含窒素ヘテロ環としては特に限定されないが、ピロール誘導体の互変異性体、イミダゾール誘導体の互変異性体(例えば、下記例示化合物(29)のヘテロ5員環配位子など)、チアゾール誘導体の互変異性体(例えば、下記例示化合物(30)のヘテロ5員環配位子など)、オキサゾール誘導体の互変異性体(例えば、下記例示化合物(31)のヘテロ5員環配位子など)が好ましく、ピロール誘導体の互変異性体、イミダゾール誘導体の互変異性体、チアゾール誘導体の互変異性体がより好ましく、ピロール誘導体の互変異性体、イミダゾール誘導体の互変異性体がさらに好ましく、ピロール誘導体の互変異性体が特に好ましい。
【0092】
51は前記一般式(I)におけるY11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0093】
55は前記一般式(I)におけるL15と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0094】
51は前記n11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0095】
51、W52は、それぞれ独立に、置換または無置換の炭素原子、窒素原子を表し、無置換の炭素原子、窒素原子が好ましく、無置換の炭素原子がより好ましい。
【0096】
一般式(3)で表される化合物について説明する。
【0097】
【化10】

【0098】
一般式(3)中、MA1、QA1、QA2、YA1、YA2、YA3、RA1、RA2、RA3、RA4、LA5、およびnA1は前記一般式(1)におけるM21、Q21、Q22、Y21、Y22、Y23、R21、R22、R23、R24、L25、およびn21と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0099】
前記一般式(3)で表される化合物の好ましい形態は、下記一般式(3−A)で表される化合物、及び下記一般式(3−B)で表される化合物である。
先ず、一般式(3−A)で表される化合物について説明する
【0100】
【化11】

【0101】
一般式(3−A)中、M61は、前記一般式(I)におけるM11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0102】
61、Q62は、それぞれ独立に、環を形成する基を表す。Q61、Q62で形成される環としては特に限定されないが、例えば、ベンゼン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、チオフェン環、イソチアゾール環、フラン環、イソオキサゾ−ル環、及びその縮環体が挙げられる。
【0103】
61、Q62で形成される環は、好ましくは、ベンゼン環、ピリジン環、チオフェン環、チアゾール環、及びその縮環体であり、ベンゼン環、ピリジン環、及びその縮環体がより好ましく、ベンゼン環、及びその縮環体がさらに好ましい。
【0104】
61は前記一般式(I)におけるY11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0105】
62、Y63は、それぞれ独立に、連結基または単結合を表す。連結基としてはとくに限定されないが、例えば、カルボニル連結基、チオカルボニル連結基、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、酸素原子連結基、窒素原子連結基、及びこれらの組み合わせからなる連結基などが挙げられる。
【0106】
62、Y63は、それぞれ独立に、単結合、カルボニル連結基、アルキレン連結基、またはアルケニレン基が好ましく、単結合、アルケニレン基がより好ましく、単結合がさらに好ましい。
【0107】
65は前記一般式(I)におけるL15と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0108】
61は前記一般式(I)におけるn11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0109】
61、Z62、Z63、Z64、Z65、Z66、Z67、及びZ68は、それぞれ独立に、置換または無置換の炭素原子、窒素原子を表し、置換または無置換の炭素原子が好ましい。炭素上の置換基としては、前記一般式(1)におけるR21で説明した基が挙げられ、また、Z61とZ62、Z62とZ63、Z63とZ64、Z65とZ66、Z66とZ67、Z67とZ68が連結基を介して結合し、縮環(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成しても良い。Q61、Q62で形成される環がそれぞれZ61、Z68と連結基を介して結合し、環を形成してもよい。
【0110】
前記炭素上の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アリール基、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基、ハロゲン原子が好ましく、アルキルアミノ基、アリール基、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基がより好ましく、アリール基、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基がさらに好ましく、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基が特に好ましい。
【0111】
一般式(3−B)で表される化合物について説明する。
【0112】
【化12】

【0113】
一般式(3−B)中、M71は前記一般式(I)におけるM11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0114】
71、Y72、およびY73は、それぞれ独立に、前記一般式(3−A)におけるY62と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0115】
75は前記一般式(I)におけるL15と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0116】
71は前記一般式(I)におけるn11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0117】
71、Z72、Z73、Z74、Z75、及びZ76は、それぞれ独立に、置換または無置換の炭素原子、窒素原子を表し、置換または無置換の炭素原子が好ましい。炭素上の置換基としては、前記一般式(1)におけるR21で説明した基が挙げられる。また、Z71とZ72、Z73とZ74が連結基を介して結合し、環(例えばベンゼン環、ピリジン環)を形成してもよい。R71〜R74は前記一般式(1)におけるR21〜R24の置換基と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0118】
前記一般式(3−B)で表される化合物の好ましい形態は、下記一般式(3−C)で表される化合物である。
一般式(3−C)で表される化合物について説明する。
【0119】
【化13】

【0120】
一般式(3−C)中、RC1、RC2は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表し、置換基としては、前記一般式(1)におけるR21ないしR24の置換基として説明したアルキル基、アリール基を表す。RC3、RC4、RC5、及びRC6が表す置換基も前記一般式(1)におけるR21ないしR24の置換基と同義である。nC3、nC6は0〜3の整数、nC4、nC5は0〜4の整数を表し、RC3、RC4、RC5、およびRC6をそれぞれ複数個有する場合、複数個のRC3、RC4、RC5、およびRC6は同じであっても異なってもよく、連結して環を形成してもよい。RC3、RC4、RC5、およびRC6は、好ましくはアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、またはハロゲン原子である。
【0121】
一般式(4)で表される化合物について説明する。
【0122】
【化14】

【0123】
一般式(4)中、MB1、YB2、YB3、RB1、RB2、RB3、RB4、LB5、nB3、XB1、およびXB2は、前記一般式(1)におけるM21、Y22、Y23、R21、R22、R23、R24、L25、n21、X21、およびX22とそれぞれ同義であり好ましい範囲も同様である。
【0124】
B1は連結基を表し、前記一般式(1)におけるY21と同様のであり、好ましくは1,2位で置換したビニル基、フェニレン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環または炭素数2〜8のメチレン基を表す。
B5、RB6は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表し、置換基としては前記一般式(1)におけるR21ないしR24の置換基として説明したアルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。ただし、YB1はRB5またはRB6と連結することはない。nB1、nB2は、それぞれ独立に、0ないし1の整数を表す。
【0125】
前記一般式(4)で表される化合物の好ましい形態は、下記一般式(4−A)で表される化合物である。
一般式(4−A)で表される化合物について説明する
【0126】
【化15】

【0127】
一般式(4−A)中、RD3、RD4は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表し、RD1、RD2はそれぞれ置換基を表す。RD1、RD2、RD3、及びRD4が表す置換基としては、前記一般式(4)におけるRB5、RB6が表す置換基と同義であり、好ましい範囲も同様である。nD1、nD2は0〜4の整数を表し、RD1、RD2をそれぞれ複数個有する場合、複数個のRD1、RD2は同じであっても異なってもよく、連結して環を形成してもよい。YD1は1,2位で置換したビニル基、フェニレン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環または炭素数1〜8のメチレン基を表す。
【0128】
前記一般式(I)で表される化合物の具体例としては、下記化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0129】
【化16】

【0130】
【化17】

【0131】
【化18】

【0132】
【化19】

【0133】
【化20】

【0134】
【化21】

【0135】
【化22】

【0136】
【化23】

【0137】
【化24】

【0138】
【化25】

【0139】
【化26】

【0140】
【化27】

【0141】
【化28】

【0142】
【化29】

【0143】
【化30】

【0144】
【化31】

【0145】
【化32】

【0146】
【化33】

【0147】
【化34】

【0148】
【化35】

【0149】
上記化合物例で代表される化合物のうち、ビピリジル又はフェナントロリンを部分構造に含む4座配位子、シッフ塩基型4座配位子、フェニルビピリジル3座配位子、ジフェニルピリジン3座配位子、またはターピリジン3座配位子から選ばれる配位子を有する化合物を除いた化合物がより好ましい。
【0150】
本発明における金属錯体〔前記一般式(I)、(1)、(1−A)、(2)、(3)、(3−A)、(3−B)、(3−C)、(4)、および(4−A)は種々の手法で合成できる。
例えば、配位子、またはその解離体と金属化合物を溶媒(例えば、ハロゲン系溶媒、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、スルホン系溶媒、スルホキサイド系溶媒、水などが挙げられる)の存在下、もしくは、溶媒非存在下、塩基の存在下(無機、有機の種々の塩基、例えば、ナトリウムメトキサイド、t−ブトキシカリウム、トリエチルアミン、および炭酸カリウムなどが挙げられる)、もしくは、塩基非存在下、室温以下、もしくは加熱し(通常の加熱以外にもマイクロウェーブで加熱する手法も有効である)得ることができる。
【0151】
本発明の金属錯体を合成する際の反応時間は反応原料の活性により異なり、特に限定されないが、1分以上5日以下が好ましく、5分以上3日以下がより好ましく、10分以上1日以下がさらに好ましい。
【0152】
本発明の金属錯体合成の反応温度は反応の活性により異なり、特に限定されないが、0℃以上300℃以下が好ましく、5℃以上250℃以下がより好ましく、10℃以上200℃以下がさらに好ましい。
【0153】
本発明の金属錯体は、目的とする錯体の部分構造を形成している配位子を適宜選択することで、前記一般式(I)、(1)、(1−A)、(2)、(3)、(3−A)、(3−B)、(3−C)、(4)、(4−A)、及び(X3)で表される化合物で表される化合物は合成できる。
例えば、一般式(1−A)で表される化合物を合成する際は、6,6’−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−2,2’−ビピリジル配位子またはその誘導体(例えば、2,9−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−1,10−フェナントロリン配位子、2,9−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン配位子、6,6’−ビス(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−2,2’−ビピリジル配位子など)などを、金属化合物に対し、好ましくは0.1当量〜10当量、より好ましくは0.3当量〜6当量、さらに好ましくは0.5当量〜4当量加えて合成できる。
一般式(1−A)で表される化合物の合成方法において、反応溶媒、反応時間、反応温度の各々は、上記本発明の金属錯体の合成方法で述べた事項と同様である。
【0154】
6,6’−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−2,2’−ビピリジル配位子の誘導体は種々の公知の方法を用いて合成することができる。
例えば、2,2’−ビピリジル誘導体(例えば、1,10−フェナントロリンなど)とアニソール誘導体(例えば、4−フルオロアニソールなど)をJournal of OrganIc ChemIstry,741,11,(1946)に記載の方法で反応させることにより合成することができる。また、ハロゲン化された2,2’−ビピリジル誘導体(例えば、2,9−ジブロモ−1,10−フェナントロリンなど)と2−メトキシフェニルボロン酸誘導体など(例えば、2−メトキシ−5−フルオロフェニルボロン酸など)を出発物質として鈴木カップリング反応を行った後、メチル基を脱保護する(Journal of OrganIc ChemIstry,741,11,(1946)に記載の方法、ピリジン塩酸塩中で加熱するなどの方法を用いる)ことにより合成することができる。また、2,2’−ビピリジルボロン酸誘導体(例えば6,6’−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロリル)−2,2’−ビピリジルなど)とハロゲン化されたアニソール誘導体(例えば2−ブロモアニソールなど)を出発物質として鈴木カップリング反応を行った後、メチル基を脱保護する(Journal of OrganIc ChemIstry,741,11,(1946)に記載の方法、または、ピリジン塩酸塩中で加熱するなどの方法を用いる)ことによっても合成することができる。
【0155】
<一般式(III)で表される金属錯体>
次に、下記一般式(III)で表される化合物について説明する。
【0156】
【化36】

【0157】
一般式(III)中、Q11は含窒素へテロ環を形成する原子群を表し、Z11、Z12、およびZ13はそれぞれ置換又は無置換の、炭素原子又は窒素原子を表し、MY1は更に配位子を有しても良い金属イオンを表す。
【0158】
一般式(III)中、Q11は、Q11が結合する炭素原子2つとこれらの炭素原子に直接結合している窒素原子とを含んで、含窒素へテロ環を形成する原子群を表す。Q11で形成される含窒素へテロ環の環員数としては特に限定されないが、環員数12〜20が好ましく、環員数14〜16がより好ましく、環員数16がさらに好ましい。
【0159】
11、Z12、及びZ13はそれぞれ独立に、置換又は無置換の、炭素原子又は窒素原子を表す。Z11、Z12、及びZ13の組合せとしては、Z11、Z12、及びZ13の少なくとも1つが窒素原子であることが好ましい。
【0160】
炭素原子上の置換基としては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、Iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、および3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、
【0161】
アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、
【0162】
アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、
【0163】
アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、
【0164】
カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、
【0165】
スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子)、
【0166】
シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル基、およびアゼピニル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。
これらの置換基の中でも、炭素原子上の置換基としては、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、またはハロゲン原子が好ましく、より好ましくはアリール基、ハロゲン原子であり、さらに好ましくはフェニル基、フッ素原子である。
【0167】
窒素原子上の置換基としては、前記炭素原子上の置換基として例示した置換基が挙げられ、好ましい範囲も同じである。
【0168】
一般式(III)中、MY1は配位子を更に有してもよい金属イオンを表し、他に配位子を有さない金属イオンがより好ましい。
【0169】
Y1で表される金属イオンとしては特に限定されないが、2価または3価の金属イオンが好ましい。2価または3価の金属イオンとしては、コバルトイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、パラジウムイオン、ニッケルイオン、銅イオン、白金イオン、鉛イオン、アルミニウムイオン、イリジウムイオン、ユーロピウムイオンが好ましく、コバルトイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、パラジウムイオン、ニッケルイオン、銅イオン、白金イオン、または鉛イオンがより好ましく、銅イオン、白金イオンがさらに好ましく、白金イオンが特に好ましい。MY1は、Q11に含まれる原子と結合していても結合していなくてもよく、結合している方が好ましい。
【0170】
Y1が、さらに有していてもよい配位子としては、特に限定されないが、単座、もしくは、2座の配位子が好ましく、2座の配位子がより好ましい。配位する原子としては、特に限定されないが、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、炭素原子、またはりん原子が好ましく、酸素原子、窒素原子、または炭素原子がより好ましく、酸素原子、窒素原子がさらに好ましい。
【0171】
前記一般式(III)で表される化合物の好ましい例は、下記一般式(a)〜(j)で表される化合物、又はそれらの互変異性体である。
一般式(III)で表される化合物はとしては、一般式(a)及び一般式(b)で表される化合物またはその互変異性体がより好ましく、一般式(b)で表される化合物またはその互変異性体がより好ましい。
また、一般式(III)で表される化合物としては、一般式(c)または一般式(g)で表される化合物も好ましい。
一般式(c)で表される化合物としては、一般式(d)で表される化合物またはその互変異性体、一般式(e)で表される化合物またはその互変異性体、一般式(f)で表される化合物またはその互変異性体が好ましく、一般式(d)で表される化合物またはその互変異性体、一般式(e)で表される化合物またはその互変異性体がより好ましく、一般式(d)で表される化合物またはその互変異性体がさらに好ましい。
【0172】
一般式(g)で表される化合物としては、一般式(h)で表される化合物またはその互変異性体、一般式(I)で表される化合物またはその互変異性体、一般式(j)で表される化合物またはその互変異性体が好ましく、一般式(h)で表される化合物またはその互変異性体、一般式(I)で表される化合物またはその互変異性体がより好ましく、一般式(h)表される化合物またはその互変異性体がさらに好ましい。
【0173】
以下、一般式(a)〜(j)で表される化合物について詳細に説明する。
【0174】
【化37】

【0175】
一般式(a)で表される化合物について説明する。
一般式(a)中、Z21、Z22、Z23、Z24、Z25、Z26、およびM21はそれぞれ対応する前記一般式(III)におけるZ11、Z12、Z13、Z11、Z12、Z13、およびM11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0176】
21、Q22はそれぞれ含窒素へテロ環を形成する基を表す。Q21、Q22で形成される含窒素ヘテロ環としては特に限定されないが、ピロール環、イミダゾール環、トリアゾール環、及びそれらを含む縮環体(例えばベンズピロール)、及びこれらの互変異性体(例えば、後述の一般式(b)において、R43、R44、R45、およびR46が置換している含窒素5員環はピロールの互変異性体と定義する)が好ましく、ピロール環及びピロール環を含む縮環体(例えば、ベンズピロール)がより好ましい。
【0177】
21、X22、X23、およびX24はそれぞれ独立に、置換または無置換の、炭素原子又は窒素原子を表し、無置換の、炭素原子、窒素原子が好ましく、窒素原子がより好ましい。
【0178】
一般式(b)で表される化合物について説明する。
【0179】
【化38】

【0180】
一般式(b)中、Z41、Z42、Z43、Z44、Z45、Z46、X41、X42、X43、X44、およびM41は前記一般式(a)におけるZ21、Z22、Z23、Z24、Z25、Z26、X21、X22、X23、X24、およびM21と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0181】
43、R44、R45、およびR46はそれぞれ独立に水素原子、または前記一般式(III)におけるZ11又はZ12上の置換基として例示したアルキル基、アリール基、R43とR44またはR45とR46が結合して環構造(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基が好ましく、アルキル基、アリール基、R43とR44またはR45とR46が結合して環構造(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基がより好ましく、R43とR44またはR45とR46が結合して環構造(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基がさらに好ましい。
【0182】
43、R44、R45、およびR46はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。置換基としては前記一般式(III)におけるZ11又はZ12について炭素原子上の置換基で説明した基が挙げられる。
【0183】
一般式(c)で表される化合物について説明する。
【0184】
【化39】

【0185】
一般式(c)中、Z101、Z102、およびZ103はそれぞれ独立に置換又は無置換の、炭素原子又は窒素原子を表す。Z101、Z102、およびZ103の少なくとも一つが窒素原子であることが好ましい。
【0186】
101、L102、L103、およびL104はそれぞれ独立に単結合または連結基を表す。連結としては特に限定されないが、例えば、カルボニル連結基、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、含窒素ヘテロ環連結基、酸素原子連結基、アミノ連結基、イミノ連結基、カルボニル連結基、及びこれらの組み合わせからなる連結基などが挙げられる。
【0187】
101、L102、L103、およびL104はそれぞれ独立に単結合、アルキレン基、アルケニレン基、アミノ連結基、またはイミノ連結基が好ましく、単結合、アルキレン連結基、アルケニレン連結基、またはイミノ連結基がより好ましく、単結合、アルキレン連結基がさらに好ましい。
【0188】
101、Q103はそれぞれ独立にM101に炭素原子で配位する基、窒素原子で配位する基、りん原子で配位する基、酸素原子で配位する基、または、硫黄原子で配位する基を表す。
【0189】
101に炭素原子で配位する基としては、炭素原子で配位するアリール基、炭素原子で配位する5員環へテロアリール基、炭素原子で配位する6員環へテロアリール基が好ましく、炭素原子で配位するアリール基、炭素原子で配位する含窒素5員環へテロアリール基、炭素原子で配位する含窒素6員環へテロアリール基がより好ましく、炭素原子で配位するアリール基がさらに好ましい。
【0190】
101に窒素原子で配位する基としては、窒素原子で配位する含窒素5員環へテロアリール基、窒素原子で配位する含窒素6員環へテロアリール基が好ましく、窒素原子で配位する含窒素6員環へテロアリール基がより好ましい。
【0191】
101にりん原子で配位する基としては、りん原子で配位するアルキルホスフィン基、りん原子で配位するアリールホスフィン基、りん原子で配位するアルコキシホスフィン基、りん原子で配位するアリールオキシホスフィン基、りん原子で配位するヘテロアリールオキシホスフィン基、りん原子で配位するホスフィニン基、りん原子で配位するホスホール基が好ましく、りん原子で配位するアルキルホスフィン基、りん原子で配位するアリールホスフィン基がより好ましい。
【0192】
101に酸素原子で配位する基としては、オキシ基、酸素原子で配位するカルボニル基が好ましく、オキシ基がさらに好ましい。
【0193】
101に硫黄原子で配位する基としては、スルフィド基、チオフェン基、またはチアゾール基が好ましく、チオフェン基がより好ましい。
【0194】
101、Q103はM101に炭素原子で配位する基、窒素原子で配位する基、酸素原子で配位する基が好ましく、炭素原子で配位する基、窒素原子で配位する基がより好ましく、炭素原子で配位する基がさらに好ましい。
【0195】
102はM101に窒素原子で配位する基、りん原子で配位する基、酸素原子で配位する基、または硫黄原子で配位する基を表し、窒素原子で配位する基がより好ましい。
【0196】
101は前記一般式(I)におけるM11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0197】
一般式(d)で表される化合物について説明する。
【0198】
【化40】

【0199】
一般式(d)中、Z201、Z202、Z203、Z207、Z208、Z209、L201、L202、L203、L204、およびM201はそれぞれ対応する前記一般式(c)におけるZ101、Z102、Z103、Z101、Z102、Z103、L101、L102、L103、L104、およびM101と同義であり、好ましい範囲も同じである。Z204、Z205、Z206、Z210、Z211、およびZ212はそれぞれ置換または無置換の炭素原子又は窒素原子を表し、置換または無置換の炭素原子が好ましい。
【0200】
一般式(e)で表される化合物について説明する。
【0201】
【化41】

【0202】
一般式(e)中、Z301、Z302、Z303、Z304、Z305、Z306、Z307、Z308、Z309、Z310、L301、L302、L303、L304、およびM301はそれぞれ対応する前記一般式(d)、(c)におけるZ201、Z202、Z203、Z204、Z206、Z207、Z208、Z209、Z210、Z212、L101、L102、L103、L104、およびM101と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0203】
一般式(f)で表される化合物について説明する。
【0204】
【化42】

【0205】
一般式(f)中、Z401、Z402、Z403、Z404、Z405、Z406、Z407、Z408、Z409、Z410、Z411、Z412、L401、L402、L403、L404、およびM401はそれぞれ対応する前記一般式(d)、(c)におけるZ201、Z202、Z203、Z204、Z205、Z206、Z207、Z208、Z209、Z210、Z211、Z212、L101、L102、L103、L104、およびM101と同義であり、好ましい範囲も同じである。X401、X402はそれぞれ独立に酸素原子、置換又は無置換の窒素原子、硫黄原子を表し、酸素原子、または置換窒素原子が好ましく、酸素原子がより好ましい。
【0206】
一般式(g)で表される化合物について説明する
【0207】
【化43】

【0208】
一般式(g)中、Z501、Z502、Z503、L501、L502、L503、L504、Q501、Q502、Q503、およびM501はそれぞれ対応する前記一般式(c)におけるZ101、Z102、Z103、L101、L102、L103、L104、Q101、Q103、Q102、およびM101と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0209】
一般式(h)で表される化合物について説明する。
【0210】
【化44】

【0211】
一般式(h)中、Z601、Z602、Z603、Z604、Z605、Z606、Z607、Z608、Z609、Z610、Z611、Z612、L601、L602、L603、L604、およびM601はそれぞれ対応する前記一般式(d)、(c)におけるZ201、Z202、Z203、Z207、Z208、Z209、Z204、Z205、Z206、Z210、Z211、Z212、L101、L102、L103、L104、およびM101と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0212】
一般式(i)で表される化合物について説明する。
【0213】
【化45】

【0214】
一般式(i)中、Z701、Z702、Z703、Z704、Z705、Z706、Z707、Z708、Z709、Z710、L701、L702、L703、L704、およびM701はそれぞれ対応する前記一般式(d)、(c)におけるZ201、Z202、Z203、Z207、Z208、Z209、Z204、Z206、Z210、Z212、L101、L102、L103、L104、およびM101と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0215】
一般式(j)で表される化合物について説明する。
【0216】
【化46】

【0217】
一般式(j)中、Z801、Z802、Z803、Z804、Z805、Z806、Z807、Z808、Z809、Z810、Z811、Z812、L801、L802、L803、L804、M801、X801、およびX802は、それぞれ対応する前記一般式(d)、(c)、(f)におけるZ201、Z202、Z203、Z207、Z208、Z209、Z204、Z205、Z206、Z210、Z211、Z212、L101、L102、L103、L104、M101、X401、およびX402と同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0218】
一般式(III)で表される化合物の具体例としては、特願2004−88575記載の化合物(2)〜化合物(8)、化合物(15)〜化合物(20)、化合物(27)〜化合物(32)、化合物(36)〜化合物(38)、化合物(42)〜化合物(44)、化合物(50)〜化合物(52)、及び、化合物(57)〜化合物(154)(以下に構造を示す。)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0219】
【化47】

【0220】
【化48】

【0221】
【化49】

【0222】
【化50】

【0223】
【化51】

【0224】
【化52】

【0225】
【化53】

【0226】
【化54】

【0227】
【化55】

【0228】
【化56】

【0229】
【化57】

【0230】
【化58】

【0231】
【化59】

【0232】
【化60】

【0233】
【化61】

【0234】
【化62】

【0235】
【化63】

【0236】
【化64】

【0237】
【化65】

【0238】
<その他の好ましい金属錯体>
さらに、本発明における金属錯体の好ましい例としては、下記一般式(A−1)、下記一般式(B−1)、下記一般式(C−1)、下記一般式(D−1)、下記一般式(E−1)、及び下記一般式(F−1)で表される各化合物が挙げられる。
一般式(A−1)について説明する。
【0239】
【化66】

【0240】
一般式(A−1)中、MA1は金属イオンを表す。YA11、YA14、YA15およびYA18は、それぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表す。YA12、YA13、YA16およびYA17はそれぞれ独立に置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。LA11、LA12、LA13、およびLA14は連結基を表し、これらの連結基は、同一構造であっても異なる構造であっても良い。QA11、QA12はMA1に共有結合で結合する原子を含有する部分構造を表す。
【0241】
一般式(A−1)で表される化合物について、詳細に説明する。
A1は金属イオンを表す。金属イオンとしては特に限定されることはないが、2価の金属イオンが好ましく、Pt2+、Pd2+、Cu2+、NI2+、Co2+、Zn2+、Mg2+、またはPb2+が好ましく、Pt2+、Cu2+がより好ましく、Pt2+が特に好ましい。
A11、YA14、YA15およびYA18は、それぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表す。YA11、YA14、YA15およびYA18として好ましくは、炭素原子である。
A12、YA13、YA16およびYA17はそれぞれ独立に置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。YA12、YA13、YA16およびYA17として好ましくは、置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子である。
A11、LA12、LA13、およびLA14は二価の連結基を表す。LA11、LA12、LA13、およびLA14で表される二価の連結基としては、それぞれ独立に単結合のほか、炭素、窒素、珪素、硫黄、酸素、ゲルマニウム、またはリン等で構成される連結基であり、より好ましくは、単結合、置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、置換珪素原子、酸素原子、硫黄原子、二価の芳香族炭化水素環基、二価の芳香族ヘテロ環基であり、さらに好ましくは単結合、置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、置換珪素原子、二価の芳香族炭化水素環基、二価の芳香族ヘテロ環基であり、特に好ましくは単結合、置換または無置換のメチレン基である、LA11、LA12、LA13、およびLA14で表される二価の連結基としては、例えば以下のものが挙げられる。
【0242】
【化67】

【0243】
A11、LA12、LA13、およびLA14で表される二価の連結基は、さらに置換基を有していてもよい。導入可能な置換基としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、Iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、および3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、
【0244】
アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、およびアントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、および2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、および2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、
【0245】
ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、
【0246】
アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、
【0247】
スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、およびフェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、およびフェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、
【0248】
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、および2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、
【0249】
ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、
【0250】
ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子であり、具体的にはイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル基、およびアゼピニル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)などが挙げられる。
【0251】
これらの置換基は更に置換されてもよい。置換基として好ましくは、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、またはシリル基であり、より好ましくはアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、またはハロゲン原子であり、さらに好ましくはアルキル基、アリール基、芳香族ヘテロ環基、またはフッ素原子である。
【0252】
A11、QA12はMA1に共有結合で結合する原子を含有する部分構造を表す。QA11、QA12はそれぞれ独立にMA1に炭素原子で結合する基、窒素原子で結合する基、珪素原子で結合する基、リン原子で結合する基、酸素原子で結合する基、硫黄原子で結合する基が好ましく、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子で結合する基がより好ましく、炭素原子、窒素原子で結合する基がさらに好ましく、炭素原子で結合する基が特に好ましい。
【0253】
炭素原子で結合する基としては、炭素原子で結合するアリール基、炭素原子で結合する五員環へテロアリール基、炭素原子で結合する六員環へテロアリール基が好ましく、炭素原子で結合するアリール基、炭素原子で結合する含窒素五員環へテロアリール基、炭素原子で結合する含窒素六員環へテロアリール基がより好ましく、炭素原子で結合するアリール基が特に好ましい。
【0254】
窒素原子で結合する基としては、置換アミノ基、窒素原子で結合する含窒素へテロ五員環へテロアリール基が好ましく、窒素原子で結合する含窒素へテロ五員環へテロアリール基が特に好ましい。
【0255】
リン原子で結合する基としては、置換ホスフィノ基が好ましい。珪素原子で結合する基としては、置換シリル基が好ましい。酸素原子で結合する基としてはオキシ基、硫黄原子で結合する基としてはスルフィド基が好ましい。
【0256】
前記一般式(A−1)で表される化合物は、より好ましくは一般式(A−2)、一般式(A−3)、又は一般式(A−4)で表される化合物である。
【0257】
【化68】

【0258】
一般式(A−2)中、MA2は金属イオンを表す。YA21、YA24、YA25およびYA28は、それぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表す。YA22、YA23、YA26およびYA27はそれぞれ独立に置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。LA21、LA22、LA23、およびLA24は連結基を表す。ZA21、ZA22、ZA23、ZA24、ZA25およびZA26はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
【0259】
【化69】

【0260】
一般式(A−3)中、MA3は金属イオンを表す。YA31、YA34、YA35およびYA38は、それぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表す。YA32、YA33、YA36およびYA37はそれぞれ独立に置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。LA31、LA32、LA33、およびLA34は連結基を表す。ZA31、ZA32、ZA33およびZA34はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
【0261】
【化70】

【0262】
一般式(A−4)中、MA4は金属イオンを表す。YA41、YA44、YA45およびYA48は、それぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表す。YA42、YA43、YA46およびYA47はそれぞれ独立に置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。LA41、LA42、LA43、およびLA44は連結基を表す。ZA41、ZA42、ZA43、ZA44、ZA45およびZA46はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。XA41、XA42はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、置換もしくは無置換の窒素原子を表す。
【0263】
一般式(A−2)で表される化合物について詳細に説明する。
A2、YA21、YA24、YA25、YA28、YA22、YA23、YA26、YA27、LA21、LA22、LA23、およびLA24はそれぞれ対応する、一般式(A−1)中のMA1、YA11、YA14、YA15、YA18、YA12、YA13、YA16、YA17、LA11、LA12、LA13、およびLA14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
A21、ZA22、ZA23、ZA24、ZA25およびZA26はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZA21、ZA22、ZA23、ZA24、ZA25およびZA26として好ましくはそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。炭素原子に置換される置換基としては一般式(A−1)におけるLA11、LA12、LA13、およびLA14で表される二価の連結基の置換基としてあげたものが適用できる。
【0264】
一般式(A−3)で表される化合物について詳細に説明する。
A3、YA31、YA34、YA35、YA38、YA32、YA33、YA36、YA37、LA31、LA32、LA33、およびLA34はそれぞれ対応する、一般式(A−1)中のMA1、YA11、YA14、YA15、YA18、YA12、YA13、YA16、YA17、LA11、LA12、LA13、およびLA14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
A31、ZA32、ZA33、およびZA34はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZA31、ZA32、ZA33、およびZA34として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。炭素原子に置換される置換基としては一般式(A−1)におけるLA11、LA12、LA13、およびLA14で表される二価の連結基の置換基としてあげたものが適用できる。
【0265】
一般式(A−4)で表される化合物について詳細に説明する。
A4、YA41、YA44、YA45、YA48、YA42、YA43、YA46、YA47、LA41、LA42、LA43、およびLA44はそれぞれ対応する、一般式(A−1)中のMA1、YA11、YA14、YA15、YA18、YA12、YA13、YA16、YA17、LA11、LA12、LA13、およびLA14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
A41、ZA42、ZA43、ZA44、ZA45およびZA46はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZA41、ZA42、ZA43、ZA44、ZA45およびZA46として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。炭素原子に置換される置換基としては一般式(A−1)におけるLA11、LA12、LA13、およびLA14で表される二価の連結基の置換基としてあげたものが適用できる。
A41、XA42はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、置換もしくは無置換の窒素原子を表す。XA41、XA42として好ましくはそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子であり、より好ましくは酸素原子である。
【0266】
一般式(A−1)で表される化合物の具体例を以下に列挙するが、本発明はこれらの化合物に限定されることはない。
【0267】
【化71】

【0268】
【化72】

【0269】
【化73】

【0270】
【化74】

【0271】
【化75】

【0272】
【化76】

【0273】
【化77】

【0274】
本発明における金属錯体の内、好ましい化合物の一つは、下記一般式(B−1)で表される化合物である。
【0275】
【化78】

【0276】
一般式(B−1)中、MB1は金属イオンを表す。YB11、YB14、YB15およびYB18は、それぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表す。YB12、YB13、YB16およびYB17はそれぞれ独立に置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。LB11、LB12、LB13、およびLB14は連結基を表す。QB11、QB12はMB1に共有結合で結合する原子を含有する部分構造を表す。
【0277】
一般式(B−1)について詳細に説明する。
一般式(B−1)中、MB1、YB11、YB14、YB15、YB18、YB12、YB13、YB16、YB17、LB11、LB12、LB13、LB14、QB11、およびQB12はそれぞれ対応する、一般式(A−1)中における、MA1、YA11、YA14、YA15、YA18、YA12、YA13、YA16、YA17、LA11、LA12、LA13、LA14、QA11、およびQA12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
【0278】
一般式(B−1)で表される化合物は、より好ましくは、下記一般式(B−2)、一般式(B−3)、又は一般式(B−4)で表される化合物である。
【0279】
【化79】

【0280】
一般式(B−2)中、MB2は金属イオンを表す。YB21、YB24、YB25およびYB28は、それぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表す。YB22、YB23、YB26およびYB27はそれぞれ独立に置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。LB21、LB22、LB23、およびLB24は連結基を表す。ZB21、ZB22、ZB23、ZB24、ZB25およびZB26はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
【0281】
【化80】

【0282】
一般式(B−3)中、MB3は金属イオンを表す。YB31、YB34、YB35およびYB38は、それぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表す。YB32、YB33、YB36およびYB37は、それぞれ独立に置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。LB31、LB32、LB33、およびLB34は連結基を表す。ZB31、ZB32、ZB33およびZB34は、それぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
【0283】
【化81】

【0284】
一般式(B−4)中、MB4は金属イオンを表す。YB41、YB44、YB45およびYB48は、それぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表す。YB42、YB43、YB46およびYB47はそれぞれ独立に置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。LB41、LB42、LB43、およびLB44は連結基を表す。ZB41、ZB42、ZB43、ZB44、ZB45およびZB46はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。XB41、XB42はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、置換もしくは無置換の窒素原子を表す。
【0285】
一般式(B−2)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(B−2)中、MB2、YB21、YB24、YB25、YB28、YB22、YB23、YB26、YB27、LB21、LB22、LB23、およびLB24はそれぞれ対応する、一般式(B−1)中のMB1、YB11、YB14、YB15、YB18、YB12、YB13、YB16、YB17、LB11、LB12、LB13、およびLB14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
B21、ZB22、ZB23、ZB24、ZB25およびZB26は、それぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZB21、ZB22、ZB23、ZB24、ZB25およびZB26として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。炭素原子に置換される置換基としては一般式(A−1)におけるLA11、LA12、LA13、およびLA14で表される二価の連結基の置換基としてあげたものが適用できる。
【0286】
一般式(B−3)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(B−3)中、MB3、YB31、YB34、YB35、YB38、YB32、YB33、YB36、YB37、LB31、LB32、LB33、およびLB34はそれぞれ対応する、一般式(B−1)中のMB1、YB11、YB14、YB15、YB18、YB12、YB13、YB16、YB17、LB11、LB12、LB13、およびLB14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
B31、ZB32、ZB33、およびZB34はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZB31、ZB32、ZB33、およびZB34として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。炭素原子に置換される置換基としては一般式(A−1)におけるLA11、LA12、LA13、およびLA14で表される二価の連結基の置換基としてあげたものが適用できる。
【0287】
一般式(B−4)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(B−4)中、MB4、YB41、YB44、YB45、YB48、YB42、YB43、YB46、YB47、LB41、LB42、LB43、およびLB44はそれぞれ対応する、一般式(B−1)中のMB1、YB11、YB14、YB15、YB18、YB12、YB13、YB16、YB17、LB11、LB12、LB13、およびLB14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
B41、ZB42、ZB43、ZB44、ZB45およびZB46はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZB41、ZB42、ZB43、ZB44、ZB45およびZB46として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。炭素原子に置換される置換基としては一般式(A−1)におけるLA11、LA12、LA13、およびLA14で表される二価の連結基の置換基としてあげたものが適用できる。
B41、XB42はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、置換もしくは無置換の窒素原子を表す。XB41、XB42として好ましくは酸素原子、硫黄原子であり、より好ましくは酸素原子である。
【0288】
一般式(B−1)で表される化合物の具体例を以下に列挙するが、本発明はこれらの化合物に限定されることはない。
【0289】
【化82】

【0290】
【化83】

【0291】
【化84】

【0292】
【化85】

【0293】
【化86】

【0294】
本発明における金属錯体の内、好ましい化合物の一つは、一般式(C−1)で表される化合物である。
【0295】
【化87】

【0296】
一般式(C−1)中、MC1は金属イオンを表す。RC11、RC12は、それぞれ独立に、水素原子、互いに連結して五員環を形成する置換基、または互いに連結することの無い置換基を表す。RC13、RC14は、それぞれ独立に、水素原子、互いに連結して五員環を形成する置換基、または互いに連結することの無い置換基を表す。GC11、GC12は、それぞれ独立に、窒素原子、置換または無置換の炭素原子を表す。LC11、LC12は連結基を表す。QC11、QC12はMC1に共有結合で結合する原子を含有する部分構造を表す。
【0297】
一般式(C−1)について詳細に説明する。
一般式(C−1)中、MC1、LC11、LC12、QC11、およびQC12はそれぞれ対応する一般式(A−1)中における、MA1、LA11、LA12、QA11、およびQA12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
C11、GC12は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表し、好ましくは窒素原子、無置換の炭素原子であり、より好ましくは窒素原子である。
C11、RC12はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。RC11、RC12は互いに連結して五員環を形成してもよい。RC13、RC14はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。RC13、RC14は互いに連結して五員環を形成してもよい。
【0298】
C11、RC12、RC13およびRC14で表される置換基としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、Iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、および3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、
【0299】
アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、およびアントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、およびジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、および2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、および2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、
【0300】
ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、
【0301】
アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、
【0302】
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、および2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子)、シアノ基、
【0303】
ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子であり、具体的にはイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル基、およびアゼピニル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)などが挙げられる。
【0304】
C11、RC12、RC13およびRC14で表される置換基として好ましくは、アルキル基、アリール基、RC11とRC12、RC13とRC14が互いに結合して五員環を形成する基であり、特に好ましくはRC11とRC12、RC13とRC14が互いに結合して五員環を形成する基である。
【0305】
一般式(C−1)で表される化合物は、より好ましくは一般式(C−2)で表される化合物である。
【0306】
【化88】

【0307】
一般式(C−2)中、MC2は金属イオンを表す。
C21、YC22、YC23およびYC24は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。GC21、GC22は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。LC21、LC22は連結基を表す。QC21、QC22はMC2に共有結合で結合する原子を含有する部分構造を表す。
【0308】
一般式(C−2)について詳細に説明する。
一般式(C−2)中、MC2、LC21、LC22、QC21、QC22、GC21、およびGC22はそれぞれ対応する、一般式(C−1)におけるMC1、LC11、LC12、QC11、QC12、GC11、およびGC12と同義であり、好ましい範囲も同様である。
C21、YC22、YC23およびYC24は、それぞれ独立に、窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表し、好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。
【0309】
一般式(C−2)で表される化合物は、より好ましくは下記一般式(C−3)、一般式(C−4)又は一般式(C−5)で表される化合物である。
【0310】
【化89】

【0311】
一般式(C−3)中、MC3は金属イオンを表す。
C31、YC32、YC33およびYC34は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。GC31、GC32は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。LC31、LC32は連結基を表す。ZC31、ZC32、ZC33、ZC34、ZC35およびZC36はそれぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
【0312】
【化90】

【0313】
一般式(C−4)中、MC4は金属イオンを表す。YC41、YC42、YC43およびYC44は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。GC41、GC42は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。LC41、LC42は連結基を表す。ZC41、ZC42、ZC43およびZC44はそれぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
【0314】
【化91】

【0315】
一般式(C−5)中、MC5は金属イオンを表す。
C51、YC52、YC53およびYC54は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。GC51、GC52は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。LC51、LC52は連結基を表す。ZC51、ZC52、ZC53、ZC54、ZC55およびZC56はそれぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。XC51、XC52はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、置換もしくは無置換の窒素原子を表す。
【0316】
一般式(C−3)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(C−3)中、MC3、LC31、LC32、GC31、およびGC32はそれぞれ対応する、一般式(C−1)における、MC1、LC11、LC12、GC11、およびGC12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
C31、ZC32、ZC33、ZC34、ZC35およびZC36はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZC31、ZC32、ZC33、ZC34、ZC35およびZC36として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。
【0317】
一般式(C−4)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(C−4)中、MC4、LC41、LC42、GC41、およびGC42は、それぞれ対応する一般式(C−1)における、MC1、LC11、LC12、GC11、およびGC12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
C41、ZC42、ZC43、およびZC44はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZC41、ZC42、ZC43、およびZC44として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。
【0318】
一般式(C−5)で表される化合物について詳細に説明する。
C5、LC51、LC52、GC51、およびGC52は、それぞれ対応する一般式(C−1)における、MC1、LC11、LC12、GC11、およびGC12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
C51、ZC52、ZC53、ZC54、ZC55およびZC56はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZC51、ZC52、ZC53、ZC54、ZC55およびZC56として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。
C51、XC52はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、置換もしくは無置換の窒素原子を表す。XC51、XC52として好ましくは酸素原子、硫黄原子であり、より好ましくは酸素原子である。
【0319】
一般式(C−1)で表される化合物の具体例を以下に列挙するが、本発明はこれらの化合物に限定されることはない。
【0320】
【化92】

【0321】
【化93】

【0322】
【化94】

【0323】
【化95】

【0324】
【化96】

【0325】
本発明における金属錯体の内、好ましい化合物の一つは、下記一般式(D−1)で表される化合物である。
【0326】
【化97】

【0327】
一般式(D−1)中、MD1は金属イオンを表す。
D11、GD12は、それぞれ独立に窒素原子、置換または無置換の炭素原子を表す。JD11、JD12、JD13およびJD14は五員環を形成するのに必要な原子群を表す。LD11、LD12は連結基を表す。
【0328】
一般式(D−1)について詳細に説明する。
一般式(D−1)中、MD1、LD11、およびLD12はそれぞれ対応する一般式(A−1)中における、MA1、LA11、およびLA12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
D11、GD12は、それぞれ対応する一般式(C−1)におけるGC11、GC12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
D11、JD12、JD13およびJD14は、これらが結合している原子群と共に、含窒素へテロ五員環を形成するのに必要な原子群を表す。
【0329】
一般式(D−1)で表される化合物は、より好ましくは下記一般式(D−2)、一般式(D−3)、又は一般式(D−4)で表される化合物である。
【0330】
【化98】

【0331】
一般式(D−2)中、MD2は金属イオンを表す。
D21、GD22は、それぞれ独立に窒素原子、置換または無置換の炭素原子を表す。
D21、YD22、YD23およびYD24は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
D21、XD22、XD23およびXD24は、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−NRD21−、−C(RD22)RD23−を表す。
D21、RD22およびRD23は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。LD21、LD22は連結基を表す。
【0332】
【化99】

【0333】
一般式(D−3)中、MD3は金属イオンを表す。
D31、GD32は、それぞれ独立に窒素原子、置換または無置換の炭素原子を表す。
D31、YD32、YD33およびYD34は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
D31、XD32、XD33およびXD34は、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−NRD31−、−C(RD32)RD33−を表す。
D31、RD32およびRD33は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。LD31、LD32は連結基を表す。
【0334】
【化100】

【0335】
一般式(D−4)中、MD4は金属イオンを表す。
D41、GD42は、それぞれ独立に窒素原子、置換または無置換の炭素原子を表す。
D41、YD42、YD43およびYD44は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
D41、XD42、XD43およびXD44は、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−NRD41−、−C(RD42)RD43−を表す。RD41、RD42およびRD43は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。LD41、LD42は連結基を表す。
【0336】
一般式(D−2)について詳細に説明する。
D2、LD21、LD22、GD21、およびGD22は、一般式(D−1)におけるMD1、LD11、LD12、GD11、およびGD12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
D21、YD22、YD23およびYD24は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表し、好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。
【0337】
D21、XD22、XD23およびXD24は、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−NRD21−、−C(RD22)RD23−を表し、好ましくは硫黄原子、−NRD21−、−C(RD22)RD23−であり、より好ましくは−NRD21−、−C(RD22)RD23−であり、さらに好ましくは−NRD21−である。
【0338】
D21、RD22およびRD23は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。RD21、RD22およびRD23で表される置換基としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル、エチル、Iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、およびシクロヘキシル等が挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、および3−ペンテニル等が挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニル等が挙げられる。)、
【0339】
アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、およびナフチル等が挙げられる。)、置換カルボニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、メトキシカルボニル、フェニルオキシカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、およびフェニルアミノカルボニル等が挙げられる。)、置換スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシル等が挙げられる。)、ヘテロ環基(脂肪族ヘテロ環基、芳香族ヘテロ環基がある。好ましくは、酸素原子、硫黄原子、窒素原子のいずれかを含み、好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数1〜30、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばイミダゾリル、ピリジル、フリル、ピペリジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、およびトリアゾリル基等が挙げられる。)等が挙げられる。RD21、RD22およびRD23は好ましくはアルキル基、アリール基、芳香族ヘテロ環基であり、より好ましくは、アルキル基、アリール基であり、さらに好ましくはアリール基である。
【0340】
一般式(D−3)について詳細に説明する。
一般式(D−3)中、MD3、LD31、LD32、GD31、およびGD32はそれぞれ対応する一般式(D−1)におけるMD1、LD11、LD12、GD11、およびGD12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
D31、XD32、XD33およびXD34はそれぞれ対応する、一般式(D−2)におけるXD21、XD22、XD23およびXD24と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
D31、YD32、YD33およびYD34はそれぞれ対応する、一般式(D−2)におけるYD21、YD22、YD23およびYD24と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
【0341】
一般式(D−4)について詳細に説明する。
一般式(D−4)中、MD4、LD41、LD42、GD41、およびGD42はそれぞれ対応する、一般式(D−1)におけるMD1、LD11、LD12、GD11、およびGD12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
D41、XD42、XD43およびXD44は、それぞれ対応する一般式(D−2)におけるXD21、XD22、XD23およびXD24と同義であり、また好ましい範囲も同様である。YD41、YD42、YD43およびYD44は、それぞれ対応する、一般式(D−2)におけるYD21、YD22、YD23およびYD24と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
【0342】
一般式(D−1)で表される化合物の具体例を以下に列挙するが、本発明はこれらの化合物に限定されることはない。
【0343】
【化101】

【0344】
【化102】

【0345】
本発明における金属錯体の内、好ましい化合物の一つは、下記一般式(E−1)で表される化合物である。
【0346】
【化103】

【0347】
一般式(E−1)中、ME1は金属イオンを表す。JE11、JE12は五員環を形成するのに必要な原子群を表す。GE11、GE12、GE13およびGE14は、それぞれ独立に、窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。YE11、YE12、YE13およびYE14はそれぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
【0348】
一般式(E−1)について詳細に説明する。
一般式(E−1)中、ME1は一般式(A−1)におけるMA1と同義であり、また好ましい範囲も同様である。GE11、GE12、GE13およびGE14は一般式(C−1)におけるGC11、GC12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
E11、JE12は、一般式(D−1)におけるJD12〜JD14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。YE11、YE12、YE13およびYE14はそれぞれ対応する、一般式(C−2)におけるYC21〜YC24と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
【0349】
一般式(E−1)で表される化合物は、より好ましくは下記一般式(E−2)、又は一般式(E−3)で表される化合物である。
【0350】
【化104】

【0351】
一般式(E−2)中、ME2は金属イオンを表す。GE21、GE22、GE23およびGE24はそれぞれ独立に、窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。YE21、YE22、YE23、YE24、YE25およびYE26はそれぞれ独立に、窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
E21およびXE22は、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−NRE21−、−C(RE22)RE23−を表す。RE21、RE22およびRE23は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。
【0352】
【化105】

【0353】
一般式(E−3)中、ME3は金属イオンを表す。JE31、JE32はそれぞれ独立に五員環を形成するのに必要な原子群を表す。GE31、GE32、GE33およびGE34はそれぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。YE31、YE32、YE33、YE34、YE35およびYE36はそれぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。XE31およびXE32は、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−NRE31−、−C(RE32)RE33−を表す。RE31、RE32およびRE33は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。
【0354】
一般式(E−2)について詳細に説明する。
一般式(E−2)中、ME2、GE21、GE22、GE23、GE24、YE21、YE22、YE23、およびYE24はそれぞれ対応する一般式(E−1)におけるME1、GE11、GE12、GE13、GE14、YE11、YE12、YE13、およびYE14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。XE21、XE22は一般式(D−2)におけるXD21、XD22と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
【0355】
一般式(E−3)について詳細に説明する。
一般式(E−3)中、ME3、GE31、GE32、GE33、GE34、YE31、YE32、YE33、およびYE34はそれぞれ対応する、一般式(E−1)におけるME1、GE11、GE12、GE13、GE14、YE11、YE12、YE13、およびYE14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。XE31、XE32は対応する、一般式(E−2)におけるXE21、XE22と同義であり、また好ましい
範囲も同様である。
【0356】
一般式(E−1)で表される化合物の具体例を以下に列挙するが、本発明はこれらの化合物に限定されることはない。
【0357】
【化106】

【0358】
【化107】

【0359】
本発明における金属錯体の内、好ましい化合物の一つは、下記一般式(F−1)で表される化合物である。
【0360】
【化108】

【0361】
一般式(F−1)中、MF1は金属イオンを表す。LF11、LF12およびLF13は連結基を表す。RF11、RF12、RF13およびRF14は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表し、RF11とRF12、RF12とRF13、RF13とRF14は可能であれば互いに連結して環を形成してもよいが、RF11とRF12、RF13とRF14が形成する環は五員環である。QF11、QF12はMF1に共有結合で結合する原子を含有する部分構造を表す。
【0362】
一般式(F−1)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(F−1)中、MF1、LF11、LF12、LF13、QF11、およびQF12はそれぞれ対応する、一般式(A−1)におけるMA1、LA11、LA12、LA13、QA11、およびQA12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。RF11、RF12、RF13およびRF14は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、RF11とRF12、RF12とRF13、RF13とRF14は可能であれば互いに連結して環を形成してもよいが、RF11とRF12、RF13とRF14が形成する環は五員環である。RF11、RF12、RF13およびRF14で表される置換基としては、それぞれ対応する一般式(C−1)におけるRC11〜RC14で表される置換基として挙げたものが適用できる。RF11、RF12、RF13およびRF14として好ましくは、RF11とRF12、RF13とRF14が互いに結合して五員環を形成する基もしくは、RF12とRF13が互いに結合して芳香環を形成する基である。
【0363】
一般式(F−1)で表される化合物は、より好ましくは下記一般式(F−2)、一般式(F−3)、又は一般式(F−4)で表される化合物である。
【0364】
【化109】

【0365】
一般式(F−2)中、MF2は金属イオンを表す。LF21、LF22およびLF23は連結基を表す。RF21、RF22、RF23およびRF24は置換基を表し、RF21とRF22、RF22とRF23、RF23とRF24は可能であれば互いに連結して環を形成してもよいが、RF21とRF22、RF23とRF24が形成する環は五員環である。ZF21、ZF22、ZF23、ZF24、ZF25およびZF26はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
【0366】
【化110】

【0367】
一般式(F−3)中、MF3は金属イオンを表す。LF31、LF32およびLF33は連結基を表す。RF31、RF32、RF33およびRF34は置換基を表し、RF31とRF32、RF32とRF33、RF33とRF34は可能であれば互いに連結して環を形成してもよいが、RF31とRF32、RF33とRF34が形成する環は五員環である。ZF31、ZF32、ZF33およびZF34はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
【0368】
【化111】

【0369】
一般式(F−4)中、MF4は金属イオンを表す。LF41、LF42およびLF43は連結基を表す。RF41、RF42、RF43およびRF44は置換基を表し、RF41とRF42、RF42とRF43、RF43とRF44は可能であれば互いに連結して環を形成してもよいが、RF41とRF42、RF43とRF44が形成する環は五員環である。ZF41、ZF42、ZF43、ZF44、ZF45、およびZF46はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。XF41、XF42はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、置換もしくは無置換の窒素原子を表す。
【0370】
一般式(F−2)で表される化合物について詳細に説明する。
F2、LF21、LF22、LF23、RF21、RF22、RF23およびRF24はそれぞれ対応する一般式(F−1)におけるMF1、LF11、LF12、LF13、RF11、RF12、RF13およびRF14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
F21、ZF22、ZF23、ZF24、ZF25およびZF26はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZF21、ZF22、ZF23、ZF24、ZF25およびZF26として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。炭素原子に置換される置換基としては一般式(A−1)におけるLA11、LA12、LA13、およびLA14で表される二価の連結基の置換基としてあげたものが適用できる。
【0371】
一般式(F−3)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(F−3)中、MF3、LF31、LF32、LF33、RF31、RF32、RF33およびRF34はそれぞれ対応する、一般式(F−1)におけるMF1、LF11、LF12、LF13、RF11、RF12、RF13およびRF14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。ZF31、ZF32、ZF33およびZF34はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZF31、ZF32、ZF33およびZF34として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。炭素原子に置換される置換基としては一般式(A−1)におけるLA11、LA12、LA13、およびLA14で表される二価の連結基の置換基としてあげたものが適用できる。
【0372】
一般式(F−4)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(F−4)中、MF4、LF41、LF42、LF43、RF41、RF42、RF43およびRF44は一般式(F−1)におけるMF1、LF11、LF12、LF13、RF11、RF12、RF13およびRF14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
F41、ZF42、ZF43、ZF44、ZF45およびZF46はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZF41、ZF42、ZF43、ZF44、ZF45およびZF46として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。炭素原子に置換される置換基としては一般式(A−1)におけるLA11、LA12、LA13、およびLA14で表される二価の連結基の置換基としてあげたものが適用できる。
F41、XF42はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、置換もしくは無置換の窒素原子を表す。XF41、XF42として好ましくは酸素原子、硫黄原子であり、より好ましくは酸素原子である。
【0373】
一般式(F−1)で表される化合物の具体例を以下に列挙するが、本発明はこれらの化合物に限定されることはない。
【0374】
【化112】

【0375】
【化113】

【0376】
【化114】

【0377】
【化115】

【0378】
【化116】

【0379】
前記一般式(A−1)〜(F−1)で表される化合物は公知の方法により合成することができる。
【0380】
4)その他の構成要素
本発明の有機電界発光素子は、下記の構成成分を有しても良い。
<ホスト材料>
ホスト材料は、発光層を構成する成分であり、陽極、正孔注入層、正孔輸送層等から受け取った正孔や、陰極、電子注入層、電子輸送層等から受け取った電子を、発光材料に伝達する、もしくは正孔と電子の再結合によって生じた励起子を発光材料に伝達する機能を有する。ホスト材料は、隣接する層の材料や発光材料のイオン化ポテンシャルや電子親和力等の各エネルギーレベルを考慮して選択し、好ましくは、アミン化合物(トリアリールアミン化合物等)、アルミニウム、亜鉛、その他遷移金属等の金属と、8−ヒドロキシキノリン誘導体、2−(2−ピリジノ)フェノール誘導体等の配位子からなる金属キレート化オキシノイド化合物(金属−酸素結合を有する)、ポリアリーレン化合物(ヘキサフェニルベンゼン誘導体等)、縮合芳香族炭素環化合物、非複素芳香族窒素含有ヘテロ環化合物(カルバゾール化合物等)等である。
【0381】
<基板>
基板としては、ソーダライムガラス、無アルカリガラス、透明樹脂基板等が使用できる。ガラス基板の場合には、ガラスからのイオンの溶出を減少するため無アルカリガラスが好ましい。ソーダライムガラスを使用する場合には、シリカ等のバリア層を付与することが好ましい。ガラス基板を用いる場合には、基板の膜厚は0.2mm以上が好ましく、0.7mm以上がより好ましい。
【0382】
<正孔注入/輸送層>
正孔注入/輸送層は、陽極から正孔を注入、輸送し、陰極から注入された電子をブロックする機能を有する。正孔注入/輸送層は、隣接する層の材料のイオン化ポテンシャルや電子親和力等の各エネルギーレベルを考慮して選択し、好ましくは、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第3アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリジン系化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン系コポリマー、チオフェンオリゴマー及びポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、有機シラン化合物、炭素薄膜、及び本発明の金属錯体等である。特に、正孔注入層の材料としては、銅フタロシアニンやスターバースト型アミン化合物である。
【0383】
正孔注入層の膜厚としては、特に制限はないが、1nm以上5μm以下が好ましく、5nm以上1μm以下がより好ましく、10nm以上500nm以下が特に好ましい。正孔輸送層の膜厚としては、特に制限はないが、1nm以上5μm以下が好ましく、5nm以上1μm以下がより好ましく、10nm以上500nm以下が特に好ましい。正孔注入層又は正孔輸送層は、1層であっても2層以上の積層構造であってもよい。
正孔注入層及び正孔輸送層は、真空蒸着法、LB法、塗布法、インクジェット法、印刷法、転写法等の公知の方法で形成できる。
【0384】
<電子注入/輸送層>
電子注入/輸送層は、陰極から電子を注入、輸送し、陽極から注入された正孔をブロックする機能を有する。電子注入/輸送層は、隣接する層の材料のイオン化ポテンシャルや電子親和力等の各エネルギーレベルを考慮して選択し、好ましくは、金属キレート化オキシノイド化合物、ポリアリーレン化合物、縮合芳香族炭素環化合物、非複素芳香族ヘテロ環化合物等である。特に、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオデニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレン及びペリレン等の芳香族環のテトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体、メタル化フタロシアニン、ベンズオキサゾール又はベンゾチアゾール配位子を有する金属錯体等に代表される金属錯体、有機シラン化合物等である。
【0385】
電子注入層の膜厚としては、特に制限はないが、1nm以上5μm以下が好ましく、5nm以上1μm以下がより好ましく、10nm以上500nm以下が特に好ましい。電子輸送層の膜厚としては、特に制限はないが、1nm以上5μm以下が好ましく、5nm以上1μm以下がより好ましく、10nm以上500nm以下が特に好ましい。電子注入層又は電子輸送層は、1層であっても2層以上の積層構造であってもよい。
正孔注入層及び正孔輸送層は、真空蒸着法、LB法、塗布法、インクジェット法、印刷法、転写法等の公知の方法で形成できる。
【0386】
<電荷ブロック層>
電荷ブロック層は、陽極から注入された正孔又は陰極から注入された電子をブロックし、発光領域を限定する機能を有するものである。電荷ブロック層は、発光層と陽極の間に配置する電子ブロック層、又は発光層と陰極の間に配置する正孔ブロック層であり、発光層に含まれる材料のイオン化ポテンシャルや電子親和力等の各エネルギーレベルを考慮して選択する。一般的に、電子ブロック層は電子輸送性材料から、また、正孔ブロック層は電子輸送性材料から選択できる。特に、正孔ブロック層を、発光層と電子輸送層の間に配置することが好ましく、正孔ブロック層に含まれる材料のイオン化ポテンシャルが、5.9eV以上であることが好ましい。
【0387】
<その他>
本発明の有機電界発光素子におけるその他の基板、電極、各有機層、その他の層等の他の構成要素については、例えば、特開2004−221068号の段落番号(0013)から(0082)、特開2004−214178号の段落番号(0017)から(0091)、特開2004−146067号の段落番号(0024)から(0035)、特開2004−103577号の段落番号(0017)から(0068)、特開2003−323987号の段落番号(0014)から(0062)、特開2002−305083号の段落番号(0015)から(0077)、特開2001−172284号の段落番号(0008)から(0028)、特開2000−186094号の段落番号(0013)から(0075)、特表2003−515897号の段落番号(0016)から(0118)等に記載のものが本発明においても同様に適用することができる。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0388】
3.有機電界発光素子の駆動方法
本発明の有機電界発光素子の駆動方法については、特開平2−148687号、同6−301355号、同5−29080号、同7−134558号、同8−234685号、同8−241047号の各公報、特許第2784615号、米国特許5828429号、同6023308号の各明細書、等に記載の駆動方法を適用することができる。
【0389】
本発明においては、陽極と陰極との間に直流(必要に応じて交流成分を含んでもよい)電圧(通常2ボルト〜30ボルト、又は直流電流を印加することにより、発光を得ることができる。
本発明においては、東陽テクニカ製ソースメジャーユニット2400型を用いて、直流定電流(400μA)をEL素子に印加して発光させ、そのときの駆動電圧と電力効率を計算した。輝度はトプコン社製輝度計BM−8を用いて測定した。一方、発光ピーク波長及び発光スペクトルの波形は、浜松ホトニクス社製のスペクトルアナライザーPMA−11を用いて測定し、CIE色座標のx座標とy座標を求めた。
【0390】
本発明においては、基板の形状、電極の形状、有機層の膜厚、無機層の膜厚、有機層の屈折率、無機層の屈折率等を工夫することにより、光取り出し効率を20%以上にすることが可能である。
【0391】
4.用途
本発明の有機電界発光素子の用途は特に限定されないが、携帯電話ディスプレイ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、コンピュータディスプレイ、自動車の情報ディスプレイ、TVモニター、あるいは一般照明等広い分野に適用できる。
【実施例】
【0392】
以下に、本発明について、実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0393】
(実施例)
20mm×20mm×0.7mmのソーダガラス基板上に、幅2mmで膜厚200nmのITO陽極を形成した。ITO陽極上に、画素領域より大きく、CuPC(10nm)、NPD(30nm)、多座金属錯体化合物(215)(100nm)、Balq(10nm)、Alq(40nm)、LiF(0.5nm)を抵抗加熱蒸着法により順次蒸着した。
ITO陽極に対して直交するように、幅2mmで膜厚200nmのAl陰極を抵抗加熱蒸着法で形成した。陽極と陰極に引出線を接続した後、乾燥剤を備えた封止部材で画素領域を封止した。
このとき、化合物(215)の発光層への含有量を、35質量%、55質量%、75質量%とした素子を作製した。
【0394】
【化117】

【0395】
(比較例)
化合物(215)の発光層への含有量を、25質量%とした以外は、実施例と同様にして素子を作製した。
【0396】
<評価結果>
実施例及び比較例の素子の電力効率と発光色を下表に示した。
【0397】
【表1】

【0398】
実施例の素子は、比較例の素子に比べて高い電力効率を示すとともに、色度の変化もほとんど観察できなかった。本発明の素子は、30質量%を超える発光材料の含有量においても、いわゆる濃度消光を起こさずに高効率に発光でき、会合体等に起因する長波長発光も発生しないことが分かった。さらに、50質量%以上の含有量において、駆動電圧の低下を示した。これは、発光層の電荷注入及び移動が低含有量に比較して、容易になったことに起因すると考える。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する1対の陽極及び陰極間に少なくとも1層の発光層を有する有機電界発光素子であって、前記発光層が発光材料として4座以上の配位子を有する金属錯体を前記発光層の全質量の30質量%以上100質量%以下含有し、発光スペクトルにおける主発光が前記金属錯体のモノマー体による発光であることを特徴とする有機電界発光素子。
【請求項2】
前記金属錯体を前記発光層の全質量の50質量%以上100質量%以下含有することを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
【請求項3】
前記4座以上の配位子を有する金属錯体が下記一般式(I)で表される化合物であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機電界発光素子:
【化1】

(一般式(I)中、M11は金属イオンを表し、L11〜L15はそれぞれM11に配位する配位子を表す。L11とL14との間に原子群がさらに存在して環状配位子を形成してもよい。L15はL11及びL14の両方と結合して環状配位子を形成してもよい。Y11、Y12、およびY13はそれぞれ連結基、単結合、または二重結合を表す。また、Y11、Y12、又はY13が連結基である場合、L11とY12、Y12とL12、L12とY11、Y11とL13、L13とY13、Y13とL14の間の結合は、それぞれ独立に、単結合又は二重結合を表す。n11は0〜4を表す。M11とL11〜L15との結合は、それぞれ配位結合、イオン結合、共有結合のいずれでもよい。)。
【請求項4】
前記4座以上の配位子を有する金属錯体が、下記一般式(III)で表される化合物であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機電界発光素子:
【化2】

(一般式(III)中、Q11は含窒素へテロ環を形成する原子群を表し、Z11、Z12、およびZ13はそれぞれ置換又は無置換の、炭素原子又は窒素原子を表し、MY1は更に配位子を有しても良い金属イオンを表す。)。
【請求項5】
前記4座以上の配位子を有する金属錯体中の金属イオンが、遷移金属イオンであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
【請求項6】
前記4座以上の配位子を有する金属錯体中の金属イオンが、イリジウムイオン、白金イオン、金イオン、レニウムイオン、タングステンイオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオン、オスミウムイオン、パラジウムイオン、銀イオン、銅イオン、コバルトイオン、亜鉛イオン、ニッケルイオン、鉛イオン、アルミニウムイオン、およびガリウムイオンの群から選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
【請求項7】
前記4座以上の配位子を有する金属錯体中の金属イオンが、希土類金属イオンであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。