説明

期間インジケーター

薬剤などの有効期間を知るための期間インジケーターに関する。液体透過性を有する基材と、この基材上に部分的に積層された液体透過性で光に対し低屈折率の材料よりなる期間終期の表示部とからなり、揮散性の液体が含有されてなる期間インジケーターにおいて、液体不透過性で気体透過性の領域からなる期間初期の表示部が形成されてなることを特徴とする期間インジケーターである。期間初期の表示部は、基材の一部分又は期間終期の表示部の一部分にフッ素系撥油剤を浸透せしめることより、あるいは低屈折率の材料とフッ素系撥油剤からなる層を基材上に部分的に積層することにより形成される。薬液などの有効期間の初期、有効期間中、及び有効期間終期を知るための期間インジケーターとして有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
この発明は、薬液などの有効期間を知るための期間終期の表示に加えて、期間初期ないし有効期間中の表示が可能な期間インジケーターに関する。
【背景技術】
従来から、防虫剤、殺虫剤、消臭剤、芳香剤などの有効期間を表示するために、薬液の含有状態を表示するインジケーターが提案されている。
実公平5−938号に開示されるインジケーターは、第22図に示すように、薬液透過性材からなる基板材61と、この基板材面62に対し部分的に積層された薬液透過性で光に対し低屈折率の材料による表示部63とからなるシート材中に常温揮散性の薬液65が含有されてなる構成を特徴とする。64はカバー材である。
このインジケーターでは、基板材61と表示部63は、ともに薬液透過性であるため、薬液65を保持する。表示部63は、光に対し低屈折率の材料、例えば無定形シリカなどを用いて文字や記号の形状で基板材61上に積層される。表示部63は、薬液の保持により透明化されるので、薬液が残存中は、インジケーター表面全体に基板材の着色が露呈する。薬液が揮散消失すると、表示部63は不透明化し、表示部63を形成する文字、記号などが判別でき、表示機能が発揮される。
特公昭63−24961号に開示されるインジケーターのひとつは、第23図に示すように、油液透過性材からなる基板材71とこの基板材面上に積層された油液透過性で光に対し低屈折率の表面層72とからなる紙状体、この紙状体中に常温揮散性の油液性防虫剤が含有せしめられてなる構成を特徴とする。73は、カバー材、74は粘着材層である。このインジケーターにおいては、含有される防虫剤は、基板材71中に保持されるとともに、表面層72にも浸透する。表面層72は、光に対し低屈折率の材料、例えば無定形シリカなどからなるため、防虫剤が残存中は透明化し、インジケーター表面全体に基板材71の色が露呈する。防虫剤が揮散消失すると、表面層72は不透明化するため、基板材71の色は隠蔽される。このため、インジケーター表面全体が、基板材71の色例えば着色された赤や青から、表面層72の色例えば白へと変化することによって防虫剤の有効期間の終期を知ることができる。
また、この文献には、第24図に示すように、表面層72の一部分が油液不透過性の模様形成層75からなる構成のインジケーターの例が示されている。さらに、第25図に示すように、基板71面上に油液不透過性の模様形成層76を先ず形成し、この模様形成層76を被覆し埋設する形態で表面層72を形成する構成のインジケーターも開示されている。第24図の場合には、表面層72は、薬液の存在により透明化し、薬液の消失により不透明化するのに対し、油液不透過性の模様形成層75は、薬液の有無にかかわらず同一色を保持する。また、第25図の場合には、薬液消失後は、模様形成層76は、不透明化した表面層72によって隠蔽される。油液不透過性の模様形成層75、76は、アクリル樹脂、ポリプロピレン、SBRなどからなり、意匠的機能を有するとともに、その部分からの防虫剤の揮散を制限するものである。
以上の公知のインジケーターでは、薬液残存中は透明化し、薬液が揮散消失すると不透明化するという、光に対し低屈折率の材料の性質を利用し、不透明化の段階において、防虫剤などの有効期間の終期を知るものである。
日本特許第3045651号おいては、期間初期と期間中を表示する第一表示層と、期間終期を表示する第二表示層をシート状の基板材面に備えた期間表示器が開示されている。第26図に示すように、基板材81上に、液体透過性で液体含有時に光に対し基板材面より高い反射率の材料による第一表示層82と、薬液透過性で光に対し低屈折率の材料による第二表示層83が設けられ、表示基板が構成される。基板材81に保持される常温揮散性の液体84は、第一表示層82と第二表示層83にも浸透する。このとき、第一表示層82は、光に対し基板材よりも高い反射率を有するため不透明状態が維持される。第二表示層83は、光に対する低屈折率性のため透明化する。したがって、期間初期ないし有効期間中は、基板材81上に第一表示層82による記号表示のみが認識される。常温揮散性の液体が揮散により消失すると、第二表示層83が不透明化して、第二表示層83による記号表示が認識され、期間の終期を知ることができる。期間終期は、第一表示層82が、第二表示層83により隠蔽される形態、あるいは第一表示層82と第二表示層83との組み合わせの形態によって表示される。
この日本特許第3045651号における期間初期ないし有効期間中の表示は、液体が揮散消失する期間終期においても表示が消失しないため、期間終期の表示に隠蔽されるか、期間終期の表示との組み合わせ形態にするなどの工夫が必要であり、表示する文字や図形に制約を受ける。
なお、この日本特許第3045651号には、表示基板に含有される常温揮散性の液体として、それ自体、殺虫作用、防虫作用を発揮する薬剤のほかに、水やアルコールなど、液体自体には薬効がなく、期間表示のみを可能とする液体の使用も開示されている。
【発明の開示】
本発明は、液体透過性を有する基材と、この基材上に部分的に積層された液体透過性で光に対し低屈折率の材料よりなる期間終期の表示部とからなり、揮散性の液体が含有されてなる期間インジケーターにおいて、液体不透過性で気体透過性の領域からなる期間初期の表示部が形成されてなることを特徴とする期間インジケーターに関する。
期間初期の表示部は、基材の一部分にフッ素系撥油剤を浸透せしめることにより形成することができる。
また、期間初期の表示部は、光に対し低屈折率の材料とフッ素系撥油剤からなる層を基材上に部分的に積層することにより形成することができる。
さらにまた、期間初期の表示部は、期間終期の表示部の一部分にフッ素系撥油剤を浸透せしめることにより形成することができる。
本発明にかかる期間インジケーターは、期間初期の表示部の表示を強調するために、基材に光に対し低屈折率の材料の浸透による表面層が形成されていてもよい。この場合、期間終期の表示部は表面層上に部分的に積層されてなり、且つ表面層の一部分にフッ素系撥油剤の浸透による液体不透過性で気体透過性の領域からなる期間初期の表示部が形成される。
また、本発明にかかる期間インジケーターは、期間初期の表示部の表示を強調するために、基材が繊維層を有していてもよい。この場合、期間終期の表示部は繊維層上に部分的に積層されてなり、且つ繊維層の一部分にフッ素系撥油剤の浸透による液体不透過性で気体透過性の領域からなる期間初期の表示部が形成される。
本発明は、液体残存中は透明化し、液体が揮散消失すると不透明化するという、光に対し低屈折率の材料の性質を利用した期間終期の表示部に加えて、期間初期の表示部を有する期間インジケーターを提供することを目的とする。
本発明はまた、期間初期の表示部が、有効期間中の比較的長い期間にわたり表示を続けることができる期間インジケーターを提供することを目的とする。
本発明はまた、文字や図形に制約を受けない自由な表示形態で表示される期間初期の表示部を有する期間インジケーターを提供することを目的とする。
本発明においては、期間初期ないし期間中の表示を、液体不透過性で気体透過性の領域によって形成することを特徴とする。
なお、本明細書においては、「期間初期の表示」の用語には、有効期間初期から有効期間中の比較的長い期間にわたり表示を続けることのできる表示も含まれる。また、便宜上、期間初期の表示部を第一表示部、期間終期の表示部を第二表示部と称して以下説明する。
本発明において、液体透過性を有する基材には、板紙、ろ紙、合成繊維混抄紙などの紙材、不織布、フェルト状織物、無機繊維シート、セラミックまたはプラスチックの多孔質材など、液体保持力があり、液体の揮散状態に応じて順次残存する含有液体を移行させることができ、含有液体に対して化学的に不活性なものを用いる。
紙や不織布などは繊維間に空気を保持する空間(空隙)を有し、多孔質材は空気を保持する連通した無数の気孔からなる空間(空隙)を有している。これらの材質に液体が注入されると、空隙の内の空気が液体によって置き換えられるため、液体透過性を有する。
基材に液体が注入される前は、基材材質(固体)と空気(気体)との間に屈折率の差が大きな境界面が存在し、入射光はこの境界面で散乱するため基材の色を認識することができる。基材に液体が注入されて、基材の空隙内の空気が液体に置き換えられると、基材材質と空気と間の屈折率の差が大きな境界面に代わり、基材材質と液体と間の屈折率の差が小さい境界面が形成されるため、境界面での散乱が減少し、基材は材質本来の色よりも濃い色に見えるようになる。
期間インジケーターにおいては、当初、基材に揮散性の液体が注入されており、基材材質本来の色より濃い色となっているが、液体が揮散して消失すると基材の色は基材材質本来の色に戻る。しかし、比較の対象となるものがないと、液体の残存状況を判断することが難しい。このため、表示部が必要となる。
表示部とのコントラストを明瞭にするため、基材は、全体または表面層が着色されたものとする。着色される色相については、液体の含有により色が濃くなったときの明度が低くなるもの、例えば、青、赤、赤紫など、JIS Z 8730に準拠したL表色系におけるLが50を下回る濃色のものが好ましい。
基材の形状は、シート状がもっとも好ましいが、ブロック状、円柱状のものでもよく、特に限定されない。
基材面に部分的に積層される液体透過性で光に対し低屈折率の材料による表示部(第二表示部)は、無定形シリカ(屈折率1.45)、カオリン(屈折率1.55−1.6)、炭酸カルシウム(屈折率1.48−1.66)等の白色無機顔料あるいはプラスチックピグメント(屈折率1.59)等の有機顔料の微粉粒体にバインダーを混合したものを用いて形成する。これらの顔料粒子で形成される層に薬剤が浸透すると、その層は透明化する。これは、屈折率が1.7以下の低屈折率の顔料は、薬剤の屈折率(1.4〜1.6)に近いため、顔料粒子と薬剤の2つの境界面での入射光の反射率がほぼゼロとなるからである。
バインダーとしては、酢酸ビニル、EVA、NBR、SBR、アクリル系その他のラテックスなどを用いることできる。
上記混合物を塗工方式又は、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷などの印刷方式などの手段により、基材面上に部分的に塗布することにより、液体透過性で光に対し低屈折率の材料による第二表示部が形成される。
バインダーの配合量は、顔料の微粒粉体を基材上に固定するに足る量であって、且つ第二表示部を形成する塗工層が液体透過性を有するように微粒粉体間に空間が残る程度の量とする。塗工方式の場合は、微粒粉体100質量部に対し、バインダー10〜30質量部が好ましい。印刷方式の場合には、微粒粉体100質量部に対して50質量部程度が好ましい。第二表示部の塗布量の好ましい範囲は、10〜50g/mである。
このようにして形成された第二表示部は、顔料の微粒粉体とこれより小さいバインダー粒子が、空間を保持しつつ密集した層となっている。顔料の微粒粉体と液体とは屈折率が同等であるため、第二表示部内の空間が液体によって満たされると第二表示部は透明化する。含浸されていた液体の揮散により第二表示部内から液体が消失すると第二表示部は不透明化する。このため、第二表示部は、液体が消失して有効期間が終了することを知らせる期間終期の表示部となり得る。
本発明においては、上記期間終期の表示部(第二表示部)に加えて、期間初期の表示部(第一表示部)を液体不透過性で気体透過性の領域によって形成する。後記の各種態様のように、液体不透過性で気体透過性の領域は、基材の一部分、第二表示部の一部分、あるいは基材が特殊な表面層を有する場合には表面層の一部分にフッ素系撥油剤を浸透させることによって形成することができる。また、基材上に部分的に、フッ素系撥油剤を含有した層を積層することによっても形成することができる。
フッ素系撥油剤とは、パーフルオロアルキル基を有するリン酸エステルの塩(アルキル基はC〜C18)のように撥油性を有する含フッ素有機化合物、あるいはパーフルオロアルキル基を側鎖に持つポリアクリレートコポリマー(分子量約4〜10万)のように撥水撥油性を有するフッ素系樹脂である。フッ素系樹脂は溶剤型、エマルジョン型のいずれを用いることもできる。フッ素系撥油剤は、必要に応じ、バインダー又は粘度調整剤と混合して用いてもよい。
フッ素系撥油剤の浸透部分、あるいはフッ素系撥油剤の含有層は、油性液体に対し不透過性となる。フッ素系撥油剤が撥水性をも有するフッ素樹脂系撥水撥油剤の場合には、水性液体に対しても不透過性となる。
基材の一部分、第二表示部の一部分、基材の特殊な表面層の一部分にフッ素系撥油剤を浸透させる場合、あるいは基材表面上にフッ素系撥油剤を含有した層を積層する場合、これらのフッ素系撥油剤の浸透部分やフッ素系撥油剤の含有層が、気体透過性であるようにフッ素系撥油剤の量や粘度を調整する。
基材の一部分、第二表示部の一部分、基材の特殊な表面層の一部分にフッ素系撥油剤を浸透させることにより、第一表示部を形成するには、塗工方式あるいはシルクスクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷など印刷方式の手段を用いることができる。したがって、文字や図形に制約なく、自由に第一表示部を形成することができる。スクリーン印刷の場合、固形分15質量%のフッ素系撥油剤を用いてスクリーンメッシュ200〜60が適切な範囲である。塗布量としては、溶剤型又はエマルジョン型フッ素樹脂の場合、3.0〜15.0g/m(固形分換算0.45〜2.25g/m)の範囲、より好ましくは5.0〜10.0g/m(固形分換算0.75〜1.5g/m)である。水溶性の含フッ素有機化合物の場合、0.2〜10.0g/m(固形分換算0.03〜1.5g/m)の範囲、より好ましくは1.5〜6.0g/m(固形分換算0.225〜0.9g/m)である。
基材の一部分に形成される第一表示部は、液体不透過性で気体透過性の領域であるため、常に、固体と気体との境界面が維持される。このため、基材に液体が含浸されて、固体と液体の境界面が形成され色が濃くなっても、第一表示部の部分のみは、基材本来の色を保持するので、周囲の濃い色と区別して認識されうる。
第二表示部の一部分に形成される第一表示部も同様に、常に、固体と気体との境界面が維持されるので、第二表示部に液体が含浸されて透明化しても、第一表示部の部分のみは不透明状態を保持し、周囲と区別して認識されうる。
いずれの場合も、液体が揮散消失すると、周囲の基材が本来の色にもどったり、周囲の第二表示部が不透明化したりして、第一表示部は周囲に同化して認識できなくなる。このため、第一表示部は、液体が存在することを知らせる有効期間初期ないし有効期間中を表示することができる。
本発明にかかる期間表示インジケーターは、第一表示部及び第二表示部が形成された側以外の基材表面には、ポリプロピレンなどの合成樹脂材、ガラス材などの液体不透過性のプレート状あるいはフィルム状のカバー材が積層される。カバー材上に接着剤又は粘着剤の層を設けることもできる。また、基材の表裏両面に各表示部を設けた構成とすることも可能である。
本発明にかかる期間インジケーターに含有される揮散性の液体は、基材や第二表示部に対し浸透性を有し、化学的に不活性なものでなければならない。
揮散性の液体として、防虫効果、殺虫効果などを有する薬剤を用いれば、期間インジケーターは、その薬剤自体の有効期間を表示するものとなる。薬剤効果のない液体を用いる場合には、期間表示を必要とする薬剤の有効期間にあわせて、液体の種類や量を選定する。
以下に、本発明の期間インジケーターに使用することのできる常温揮散性あるいは加温揮散性液体の例を列挙する。常温では固体であって、融点以上に加熱することにより液体状態にして用いることができる加温揮散性の液体の例には、融点を併記した。
防虫剤、殺虫剤としては、
O−(2,2−ジクロロビニル)−O,O−ジメチルホスフェイト、1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル 3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2−メチル−3−アリル−4−オキソ−2−シクロペンテン−1−イル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2−メチル−3−アリル−4−オキソ−2−シクロペンテン−1−イル 3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2−メチル−3−プロパギル−4−オキソ−2−シクロペンテン−1−イル 3(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2、3、5、6−テトラフルオロベンジル 3−(2,2−ジクロルエテニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(融点32℃)、クロルピリホスメチル(融点40〜50℃)、4−ヒドロキシ−6−メチル−3−(4−メチルペンタノイル)−2−ピロン(融点40〜50℃)。
防虫剤、殺虫剤の効能を強化する協力剤として、N−(2−エチルヘキシル)−ビシクロ〔2,2,1〕−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、ピペロニルブトキサイド。
忌避剤として、N,N−ジエチル−m−トルアミド、3−(N−ブチル−N−アセチル)−アミノプロピオン酸エチル、2−(2−ヒドロキシ−エチル)ピペリジン−1−カルボン酸sec−ブチルエステル、2−ヒドロキシエチル−n−オクチル サルファイド、
カラン−3,4−ジオール(融点約30℃)、p−メンタン−3,8−ジオール(融点65〜70℃)。
植物精油として、ラベンダー油、ヒノキ油、クローブ油、レモングラス油、レモン油、ライム油、オレンジ油、イランイラン油、オレガノ油、シナモン油、タイム油、セージ油、ローズマリー油、ペパーミント油、カミツレ油、キャラウェー油、コリアンダー油、パイン油、ゼラニウム油、ユーカリ油、ヒソップ油、パチョリ油。
抗菌、抗黴剤として、ヒバ酸性油、アリルイソシアネート、フェネチルイソシアネート、チモール、カルバクロル、3−メチル−4−イソプロピルフェノール、
ヒノキチオール(融点50〜60℃)
薬剤効果を有しない揮散性液体としては、短期間表示用に、水、エタノール等のアルコール、酢酸イソアミルなどを用いることができ、長期間表示用には、グリセリン、プロピレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール、リナロール、ゲラニオール等の芳香剤、更に一ヶ月以上にわたる長期間表示用には、ラウリルアルコール、フタル酸ジメチル、安息香酸ベンジル、ミリスチン酸イソプロピル、シリコンオイルなどを用いることができる。また、これらの混合液を用いることもできる。
上記の液体には、液体の表示機能に影響を与えない範囲で、揮発調整剤などの他の成分を配合することができる。揮発調整剤としては、流動パラフィン、ホホバオイル、シリコンオイル、ひまし油、パイン油、ハッカ油などであり、これらは20質量%以下の量で配合することができる。
揮散性の液体を基材や第二表示部に含有させる方法としては、浸漬法、注入法、滴下含浸法などの既知の方法を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明にかかる期間インジケーターの一例を示す平面図である。
第2図は、第1図のA−A線縦断面図である。
第3図は、第1図の期間インジケーターが有効期間中を表示する状態を示す平面図である。
第4図は、第1図の期間インジケーターが期間終期を表示する状態を示す平面図である。
第5図は、本発明にかかる期間インジケーターの別の一例を示す平面図である。
第6図は、第5図のB−B線縦断面図である。
第7図は、第5図の期間インジケーターが期間終期を表示する状態を示す平面図である。
第8図は、本発明にかかる期間インジケーターの別の一例を示す平面図である。
第9図は、第8図のC−C線縦断面図である。
第10図は、第8図の期間インジケーターが期間終期を表示する状態を示す平面図である。
第11図は、本発明にかかる期間インジケーターの別の一例を示す平面図である。
第12図は、第11図のD−D線縦断面図である。
第13図は、第12図の部分拡大図である。
第14図は、第11図の期間インジケーターが期間終期を表示する状態を示す平面図である。
第15図は、本発明にかかる期間インジケーターの別の一例を示す平面図である。
第16図は、第15図のE−E線縦断面図である。
第17図は、第15図の期間インジケーターが期間終期を表示する状態を示す平面図である。
第18図は、本発明にかかる期間インジケーターの別の一例を示す平面図である。
第19図は、第18図のF−F線縦断面図である。
第20図は、第18図の期間インジケーターが有効期間中を表示する状態を示す平面図である。
第21図は、第18図の期間インジケーターが期間終期を表示する状態を示す平面図である。
第22図は、従来の期間インジケーターの部分縦断面図である。
第23図は、従来の期間インジケーターの部分縦断面図である。
第24図は、従来の期間インジケーターの部分縦断面図である。
第25図は、従来の期間インジケーターの部分縦断面図である。
第26図は、従来の期間インジケーターの部分縦断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
第1図、第2図は、本発明にかかる期間インジケーターの好ましい一例であって、基材の一部分にフッ素系撥油剤が浸透することにより、第一表示部が形成されている期間インジケーターaを示している。
液体透過性の青色のシート状基材1の一片面上に、フッ素系撥油剤を用いてスクリーン印刷により「START」の文字からなる第一表示部2が形成されている。また、基材1の同じ片面上に、光に対し低屈折率の白色顔料とバインダーの混合物を用いてスクリーン印刷により「END」の文字からなる第二表示部3が形成されている。第二表示部3は基材1に対し積層されるが、第一表示部2は、フッ素系撥油剤が基材の一部分に浸透することにより、液体不透過性で気体透過性の領域となっている。基材1の他方の片面上には、液体不透過性のカバー材6が積層されている。
揮散性の液体5が基材1中に注入されており、基材1は、第一表示部2の部分を除き、液体5が注入される前の基材本来の青色よりも濃い青色を呈している。第一表示部2は、フッ素系撥油剤が液体不透過性の領域を形成し、液体5がその領域内に浸透することができないので、基材1本来の青色を呈している。このため、濃い青色の基材1の表面とのコントラストにより、「START」の文字が認識できる状態にある。第二表示部3は、揮散性の液体5が浸透し透明化しているため、「END」の文字を認識できない。
第3図は、第1図の期間インジケーターの使用開始後における表面の変化を示している。揮散性の液体5は、基材1の片側表面から外部へと揮散する。第一表示部2は、液体不透過性であるが、気体の透過は可能であるので、第一表示部2の部分からも液体5が揮散する。液体5が基材1の外部へ揮散することにより、基材1中の液体5の含有量が次第に減少し、濃い青色となっていた基材面の色が基材本来の青色に近くなり、第一表示部2の青色と同化して、第一表示部2の「START」の文字が認識できなくなる。このとき、基材1より密度の高い第二表示部3は、液体5で満たされた状態が続くため、透明化状態が継続していて「END」の文字は認識されない。
第4図は、上記の期間インジケーターが期間終期を表示する状態を示す。含有されていた液体5のほとんどが揮散するので、第二表示部3からも液体5が失われて第二表示部3が不透明化し、「END」の文字が白く顕在化して認識できるようになる。
第5図、第6図は、本発明にかかるの期間インジケーターの別の好ましい一例であって、光に対し低屈折率の材料とフッ素系撥油剤からなる層が基材の上に部分的に積層されることにより、第一表示部が形成されている期間インジケーターbを示している。
液体透過性の青色のシート状基材1の一片面上に、光に対し低屈折率の白色顔料とバインダーの混合物にフッ素系撥油剤と着色剤を添加して基材1材質の青色と同色とした塗工材を用いてスクリーン印刷により、リング形状の第一表示部12が形成されている。また、基材1の同じ片面上に、光に対し低屈折率の白色顔料とバインダーの混合物を用いてスクリーン印刷により「END」の文字からなる第二表示部13が形成されている。基材1の他方の片面上には、液体不透過性のカバー材6が積層されている。
揮散性の液体5が基材1中に注入されており、基材1は液体5が注入される前の基材本来の青色よりも濃い青色を呈している。第一表示部12は、フッ素系撥油剤により液体不透過性で気体透過性の領域となっており、液体5がその領域内に浸透することができないので、基材1本来の青色と同色を保持しており、濃い青色の基材1とのコントラストにより、リング形状を認識できる状態にある。第二表示部13は、揮散性の液体5が浸透し透明化しているため、「END」の文字を認識できない状態となっている。この状態が、使用開始から液体5の揮散終期近くまで継続する。
第7図は、この期間インジケーターが期間終期を表示する状態を示す。含有されていた液体5のほとんどが揮散するので、基材1の表面が当初の青色となり、青色リング形状の第一表示部12は、基材1の表面と同色となって認識されなくなる。このとき、第二表示部13からも液体5が失われて第二表示部が不透明化し、「END」の文字が白く顕在化して認識できるようになる。
第8図、第9図は、本発明にかかる期間インジケーターの別の好ましい一例であって、第二表示部の一部分にフッ素系撥油剤が浸透することにより、第一表示部が形成されている期間インジケーターcを示している。
液体透過性の青色のシート状基材1の一片面上に、光に対し低屈折率の白色顔料とバインダーの混合物を用いてスクリーン印刷により、中央部に「END」の文字形を抜いた楕円形の第二表示部21が積層されている。すなわち、楕円形の中央部には、上記白色顔料とバインダーの混合物が塗布されずに「END」の文字形に基材1の青色面が露出してなる部分23が設けられている。この第二表示部21の一部分に、フッ素系撥油剤を用いてスクリーン印刷によりリング形状の第一表示部22が形成されている。
第一表示部22は、フッ素系撥油剤が第二表示部21の一部分に浸透し、液体不透過性で気体透過性の領域となっている。基材1の他方の片面上には、液体不透過性のカバー材6が積層されている。
揮散性の液体5が基材1中に注入されており、基材1は液体5が注入される前の基材本来の青色より濃い青色を呈している。光に対し低屈折率の白色顔料を含む第二表示部21は、リング形状の第一表示部を除き、揮散性の液体5が浸透し透明化しているため、下層の基材1の濃い青色が透けて見える。リング形状の第一表示部22は、フッ素系撥油剤が液体不透過性で気体透過性の領域を形成し、液体5がその領域内に浸透することができないので、透明化されずに白色を呈しており、第二表示部21の透明化によって透けて見える基材1表面の濃い青色とのコントラストにより、白色のリング形状を認識できる状態にある。一方、基材の濃い青色が露出した「END」の文字は、その周囲の透明化した第二表示部を通して見える基材1の濃い青色と同化して認識できない。
このように構成された期間インジケーターにおいては、使用開始後、揮散性の液体5が、基材1の片側表面から外部へと揮散する。基材1中の液体5の含有量が減少すると、基材1の濃い青色が僅かに淡くなるが、基材1より密度の高い第二表示部21は、揮散の終了近くまで液体5で満たされているの、透明化状態が継続し、第一表示部は白色のリング形状として表示し続ける。
第10図は、この期間インジケーターが期間終期を表示する状態を示す。含有液体5のほとんどが消失する有効期間の終期に至ると、第二表示部21全体が不透明化して白色を呈する。この結果、当初から白色である第一表示部22は第二表示部21に取り込まれ、リング形状が認識できなくなる。一方、「END」の文字形に基材1の青色面が露出してなる部分23は、周囲の白色とのコントラストにより、はっきりと認識されるようになる。
第11図、第12図は、本発明にかかる期間インジケーターの別の好ましい一例であって、第二表示部の下部にあたる基材の一部分にフッ素系撥油剤が浸透することにより、第一表示部が形成されている期間インジケーターdを示している。
液体透過性の青色のシート状基材1の一片面上に、フッ素系撥油剤を用いてスクリーン印刷によりリング形状の第一表示部32が形成されている。第一表示部32は、フッ素系撥油剤が基材の一部分に浸透し、液体不透過性で気体透過性の領域となっている。この第一表示部32を含む基材1の表面上に、光に対し低屈折率の白色顔料とバインダーの混合物を用いてスクリーン印刷により、中央部に「END」の文字形を抜いた楕円形の第二表示部31が積層されている。すなわち、この楕円形の層内には、上記白色顔料とバインダーの混合物が塗布されずに「END」の文字形に基材1の青色面が露出してなる部分33が設けられている。
基材1の他方の片面上には、液体不透過性のカバー材6が積層されている。
なお、第二表示部32を形成するためのフッ素系撥油剤としては、パーフルオロアルキル基を有するリン酸エステルの塩のような撥水性を有しない含フッ素有機化合物撥油剤を用いることが必要である。第一表示部32を撥水撥油性のフッ素樹脂系撥油剤で形成した場合には、上記白色顔料とバインダーの混合物は、水系、溶剤系のいずれの場合も第一表示部32の上に積層できないからである。
揮散性の液体5が基材1中に注入されており、基材1は、第一表示部32を除き、液体5注入前の基材本来の青色より濃い青色を呈している。第一表示部32は、フッ素系撥油剤が液体不透過性で気体透過性の領域を形成し、液体5がその領域内に浸透することができないので、基材本来の青色を保持している。
光に対し低屈折率の白色顔料を含む第二表示部31は、揮散性の液体5が浸透し透明化しており、この期間インジケーターの表面を上部から見ると、第一表示部32以外の部分は下層の基材1の濃い青色が透けて見える。このとき、第一表示部32の部分は、基材1本来の青色に白味がかかった淡い青色のリング状として認識できる。第一表示部32の部分が、白味がかかった淡い青色に見えるのは、第13図に示すように、第一表示部32の上部にあたる、第二表示31の最下部の部分34が、基材1の表面の微小な窪みを埋めるように形成されており、その周囲の基材1に浸透したフッ素系撥油剤の影響を受けて、液体が浸透せずに、白色を保持しているためと想定される。このため、基材1の濃い青色とのコントラストにより、淡い青色を呈するリング形状の第一表示部32を認識することができる。
一方、「END」の文字は、第二表示部31の透明化により、周囲と同化して認識できない状態となっている。
第14図は、この期間インジケーターが期間終期を表示する状態を示す。含有液体5の外部への揮散が進み、含有液体5のほとんどが消失する表示期間の終期に至ると、第二表示部31が不透明化して白色を呈し、リング形状の第一表示部32を含む基材1表面が隠蔽されて、リング形状が認識できなくなる。一方、「END」の文字形に基材1の青色面が露出してなる部分33は、周囲の白色とのコントラストにより、はっきりと認識される。
第15図、第16図は、本発明にかかる期間インジケーターのさらに別の好ましい一例であって、基材表面に光に対し低屈折率の材料の浸透による表面層が形成されており、この表面層の一部分にフッ素系撥油剤が浸透することにより第一表示部が形成されている期間インジケーターeを示している。
液体透過性の青色のシート状基材1の一片面上全面に、光に対し低屈折率の白色顔料とバインダーを含む塗工液がバー塗工されることにより、基材表面に白色顔料が浸透し、基材材質と白色顔料とが一体化した表面層41が形成されている(白色顔料の塗布量1〜5g/m)。この表面層41の一部分に、フッ素系撥油剤を用いてスクリーン印刷により「START」の文字からなる第一表示部42が形成されている。さらに、表面層41の上には、光に対し低屈折率の白色顔料とバインダーの混合物を用いてスクリーン印刷により「END」の文字からなる第二表示部43(混合物塗布量10〜50g/m)が形成されている。第二表示部43は表面層41に対し積層される。
第一表示部42は、フッ素系撥油剤が表面層41の一部分に浸透することにより、液体不透過性で気体透過性の領域となっている。基材1の他方の片面上には、液体不透過性のカバー材6が積層されている。
揮散性の液体5が基材1中及び表面層41(第一表示部42を除く)中に注入されており、表面層41中の白色顔料は透明化されているため、表面層41(第一表示部42を除く)を含めた基材1は、本来の青色より濃い青色を呈している。液体5は第二表示部43にも浸透し、第二表示部43も透明化している。この期間インジケーターを上部から見ると、第一表示部42以外の部分は、濃い青色を呈している。
第一表示部42には、液体5が浸透できないので、基材1本来の青色に表面層内の白色顔料の白味が加わって、第一表示部42は淡青色に見えるため、周囲の濃い青色とのコントラストにより、「START」の文字が認識できる状態にある。
前記の第1図、第2図に示した期間インジケーターaにおいては、第一表示部2の「START」の文字は、基材1の本来の青色を呈していたのに対し、第15図、第16図に示す期間インジケーターeにおいては、第一表示部42の「START」の文字は、淡青色に見えるため、周囲の濃い青色とのコントラストがより大きく、明瞭となる。
このように、表面層41は、液体が十分に残存している期間初期において、第一表示部42の表示を強調する役割を果たす。
期間初期において、第二表示部43は、揮散性の液体5が浸透し透明化しているため、「END」の文字を認識できない。
第17図は、上記の期間インジケーターが期間終期を表示する状態を示す。液体5が基材1の外部へ揮散することにより、液体5が消失すると、基材1の色が本来の青色にもどる。また、表面層41からも液体5が消失して、基材1本来の青色に、白色顔料の白味がかかった淡青色になり、第一表示部42の淡青色と同化する。このため、第一表示部42の「START」の文字が認識できなくなる。
一方、第二表示部43からも液体5が失われて第二表示部が不透明化し、「END」の文字が白く顕在化して認識できるようになる。
なお、第15図及び第16図に示す期間インジケーターeの作製に際しては、先に、基材1にフッ素系撥油剤を用いてスクリーン印刷により第一表示部42を形成し、その後、光に対し低屈折率の白色顔料とバインダーを含む塗工液をバー塗工して表面層41を設けてもよい。ただし、この場合には、先に形成されている第一表示部42内に、光に対し低屈折率の白色顔料とバインダーを含む塗工液が浸透するように、第一表示部42を形成するためのフッ素系撥油剤として、パーフルオロアルキル基を有するリン酸エステルの塩のような撥水性を有しない含フッ素有機化合物撥油剤を用いることが必要である。第一表示部42を撥水撥油性のフッ素樹脂系撥油剤で形成した場合には、光に対し低屈折率の白色顔料とバインダーを含む塗工液は水溶液であるため、第一表示部内には浸透せず、第一表示層に白色顔料を混合せしめて、第一表示部に白味を加えることができないからである。
第18図と第19図は、本発明にかかる期間インジケーターのさらに別の好ましい一例であって、基材がその表面に繊維層を有している期間インジケーターfを示している。
液体透過性の青色のシート状基材1の一片面上に、抄き合わせによって白色(又は明度の高い色)のパルプの薄い繊維層51(坪量5〜20g/m)が積層されている。この繊維層51上に、フッ素系撥油剤を用いてスクリーン印刷により「START」の文字からなる第一表示部52が形成されている。第一表示部52は、フッ素系撥油剤が繊維層51に浸透することにより、液体不透過性で気体透過性の領域となっている。
さらに、繊維層51の上には、光に対し低屈折率の白色顔料とバインダーの混合物を用いてスクリーン印刷により「END」の文字からなる第二表示部53が形成されている。第二表示部53は繊維層51に対し積層される。基材1の他方の片面上には、液体不透過性のカバー材6が積層されている。
揮散性の液体5が基材1中に注入されており、基材1は、液体5が注入される前の基材本来の青色より濃い青色を呈している。液体5は、繊維層51にも浸透し、繊維層51は、第一表示部52を除き、透明化している。第一表示部52はフッ素系撥油剤が液体不透過性で気体透過性の領域を形成し、液体5がその領域内に浸透することができないので、透明化せずに繊維層51を構成するパルプの白色を保持している。液体5は、第二表示部53にも浸透し、第二表示部53は透明化している。
この期間インジケーターの表面をその上部から見ると、第一表示部52以外の部分は、下層の基材1の濃い青色の上に透明化した繊維層51が重なって、基材1本来の青色よりは濃い青色である。第一表示部52は、基材1の濃い青色に、パルプの白色が加わって、基材1本来の青色より淡い青色となっている。このため、淡青色の第一表示部52は、周囲の濃い青色とのコントラストにより、「START」の文字を認識できる状態にある。
前記の第1図、第2図に示した期間インジケーターaにおいては、第一表示部2の「START」の文字は、基材1の本来の青色を呈していたのに対し、第18図、第19図に示す期間インジケーターfにおいては、第一表示部52の「START」の文字は、淡青色に見えるため、周囲の濃い青色とのコントラストがより大きく、明瞭となる。
このように、繊維層51は、液体が十分に残存している期間初期において、第一表示部52の表示を強調することに寄与する。
期間初期において、第二表示部は、揮散性の液体5が浸透し、透明化しているので、「END」の文字を認識できない。
第20図は、第18図の期間インジケーターの使用開始後における表面の変化を示している。液体5が基材1及び繊維層51の外部へ揮散することにより、基材1及び繊維層51中の液体5の含有量が減少し、基材1の青色に、その上部の繊維層51の白味が加わって、第一表示部52の淡青色と同化して、「START」の文字が認識できなくなる。第二表示部53は、基材1や繊維層51より密度が高いため、液体5で満たされた状態が続き、「END」の文字は透明のままで認識できない。
第21図は、第18図の期間インジケーターが期間終期を表示する状態を示す。含有されていた液体5のほとんどが揮散するので、第二表示部53からも液体が消失して、第二表示部53が不透明化し、「END」の文字が白く顕在化して認識できるようになる。
【実施例1】
次の仕様により、第1図、第2図に示す期間インジケーターaを作製した。
基材1:青色湿式不織布(150g/m、30mm×60mm×400μm)
第一表示部2:溶剤型フッ素樹脂系撥水撥油剤(ダイキン工業(株)製ユニダインTG−652、15質量%濃度)を用いて、135メッシュスクリーン印刷により、塗布量5.5g/m(固形分換算0.825g/m)で「START」の文字を形成した。
第二表示部3:無定形シリカとアクリル系ラテックス(固形分比1/0.5)の混合物を用いて、スクリーン印刷により、塗布量25g/mで、「END」の文字を形成した。
カバー材6:ポリプロピレンフィルム(30mm×60mm×100μm)
揮散性の液体5:フタル酸ジメチルを注入法により135mg含有させた。
この期間インジケーターを室温(約20℃)の下に放置した。当初、濃い青色を呈している基材1表面に、青色の第一表示部2の「START」の文字が認識できた。「END」の文字は認識できない状態にあった。
時間の経過とともに、揮散性の液体5の含有量が減少するのにしたがって、基材1表面が基材材質本来の青色になり、第一表示部2が認識できなくなる状態、および第二表示部3が不透明化して、白い「END」の文字が認識できる状態を観察した。
表1は、揮散性液体5の当初の含有率を100%として、残存する揮散性液体の含有率に対する、第一表示部2と第二表示部3の表示の評価を示す。評価の基準は、目視により、はっきり認識できるときを◎、認識できるときを○、ぼやけて認識し難いときを△、認識できないとき又は実質的に認識できないときを×で示した。なお、液体含有率は、重量変化を測定することによって求めた。

第一表示部の「START」の文字は、液体含有率が75%付近でぼやけた表示となり、60%付近で全く認識できなくなった。第二表示部の「END」の文字は、液体含有率が5%付近で認識することができ、0%で明瞭に表示された。
【実施例2】
次の仕様により、第5図、第6図に示す期間インジケーターbを作製した。
基材1:青色湿式不織布(150g/m、30mm×30mm×400μm)
第一表示部12:無定形シリカとアクリル系ラテックス(固形分比1/0.5)の混合物に、青色、黒色、赤色顔料(ミノ商事(株)製水溶性濃縮カラー青、同黒、同赤)を添加して基材1の乾燥時の色と同じ色になるように色合わせした後、エマルジョン型フッ素樹脂撥水撥油剤(旭硝子(株)製AG550N)を40質量%(対固形分)添加して塗料を調整した。スクリーン印刷により、塗布量25g/mで、リング形状を形成した。
第二表示部13:無定形シリカとアクリル系ラテックス(固形分比1/0.5)の混合物を用いて、スクリーン印刷により、塗布量25g/mで、「END」の文字を形成した。
カバー材6:ポリプロピレンフィルム(30mm×30mm×100μm)
揮散性の液体5:フタル酸ジメチルを注入法により60mg含有させた。
表面の変化を加速させるために、この期間インジケーターを50℃、無風の恒温槽内に置き、表面の状態を観察した。実施例1と同様の評価基準で観察した結果を表2に示す。

第一表示部のリング形状は、当初のはっきりと認識できる状態から、液体含有率60%付近で一応認識できる状態へと変化した後、液体含有率が40%から10%に減少する間に認識できる状態から全く認識できない状態に変化した。このため、第一表示部は有効期間初期と有効期間中を示す表示となり得る。「END」の文字は、液体含有率が10%付近でぼやけて現れ始め、0%で明瞭に表示された。
【実施例3】
次の仕様により、第8図、第9図に示す期間インジケーターcを作製した。
基材1:青色湿式不織布(150g/m、30mm×60mm×400μm)
第二表示部21:無定形シリカとアクリル系ラテックス(固形分比1/0.5)の混合物を用いて、スクリーン印刷により、塗布量25g/mで、中央に「END」の文字形が抜かれた楕円形状を形成した。
第一表示部22:溶剤型フッ素樹脂系撥水撥油剤(ダイキン工業(株)製ユニダインTG−652、15質量%濃度)を用いて、135メッシュスクリーン印刷により、塗布量5.5g/m(固形分換算0.825g/m)で、第二表示部21の楕円形の中にリング形状を形成した。
カバー材6:ポリプロピレンフィルム(30mm×60mm×100μm)
揮散性の液体5:フタル酸ジメチルを注入法により135mg含有させた。
上記期間インジケーターを室温(20℃)に放置し、表面の状態を観察した。当初、楕円形は透明化していて、抜き文字「END」は認識できず、濃い青色背景の中に、白色リング状のみが観察された。当初の液体含有率を100%として液体含有率10%近くまで、この表示状況は変化しなかった。液体含有率5%で、ぼやけた白色の楕円形が認識できるようになった。液体含有率0%で、白色の楕円形がくっきりと現れ、当初から白色であるリング形状は、白色の楕円形に取り込まれて認識できなくなった。一方、白色楕円形の中央部に青色の「END」の文字形が明瞭に観察された。
【実施例4】
次の仕様により、第11図、第12図に示す期間インジケーターdを作製した。
基材1:青色湿式不織布(150g/m、30mm×60mm×400μm)
第一表示部32:含フッ素有機化合物撥油剤(ダイキン工業(株)製ユニダインTG−810、15質量%濃度)に粘度調整剤(カルボキシメチルセルロースナトリウム)を添加して塗液を調整した。135メッシュスクリーン印刷により、塗布量2.0g/m(固形分換算0.26g/m)で、基材1の表面に塗布した。
第二表示部31:無定形シリカとアクリル系ラテックス(固形分比1/0.5)の混合物を用いて、スクリーン印刷により、塗布量25g/mで、中央に「END」の文字形が抜かれた楕円形状を形成した。
カバー材6:ポリプロピレンフィルム(30mm×60mm×100μm)
揮散性の液体5:フタル酸ジメチルを注入法により135mg含有させた。
上記期間インジケーターを室温(20℃)に放置し、表面の状態を観察した。当初、楕円形は透明化していて、抜き文字「END」は認識できず、濃い青色背景の中に、淡青色リング状のみが観察された。当初の液体含有率を100%として液体含有率10%近くまで、この表示状況は変化しなかった。液体含有率6%で、ぼやけた白色の楕円形が認識できるようになった。液体含有率0%で、白色の楕円形がくっきりと現れ、リング形状は隠蔽されて認識できなくなった。一方、白色楕円形の中央部に青色の「END」の文字形が明瞭に観察された。
【実施例5】
次の仕様により、第15図、第16図に示す期間インジケーターeを作製した。
基材1:青色湿式不織布(150g/m、20mm×54mm×400μm)
表面層41:基材1の一片面に無定形シリカとアクリル樹脂ラテックスからなる塗工液(固形分比1/0.25)を用いてバー塗工し(シリカ固形分として3.8g/m)、基材の表面に塗工液が浸透して基材と無定形シリカが一体化した表面層を形成した。
第一表示部42:含フッ素有機化合物撥油剤(旭硝子(株)製AG−530)に粘度調整剤(カルボキシメチルセルロースナトリウム)を添加して、塗液を調整した。この塗液を用いて、150メッシュスクリーン印刷により、塗布量1.3g/m(フッ素固形分0.76g/m)で「START」の文字を形成した。
第二表示部43:無定形シリカとアクリル系ラテックス(固形分比1/0.5)の混合物を用いて、150メッシュスクリーン印刷により、塗布量15g/mで、「END」の文字を形成した。
カバー材6:ポリプロピレンフィルム(20mm×54mm×100μm)
揮散性の液体5:防虫剤である1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル 3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートを56mg含有させた。
この期間インジケーターは、基材表面に無定形シリカが浸透して基材材質と無定形シリカが一体化した表面層41が形成されている。基材1及び表面層41に液体5が注入されると、無定形シリカは透明化し、基材材質は色が濃くなっているので、第一表示部42を除き、基材表面は液体含有前の基材本来の青よりも濃い青色を呈していた。その青色は、表面層を有しない実施例1の液体含有率100%の基材表面と同等の濃い青色であった。第一表示部42は、淡青色を呈しており、「START」の文字がはっきりと認識できた。第二表示部43の「END」の文字は認識できない状態にあった。
この期間インジケーターを室温(約25℃)の下に放置した。時間の経過とともに、揮散性の液体5の含有量が減少するのにしたがって、表面層が淡青色になり、第一表示部42が認識できなくなる状態、および第二表示部43が不透明化して、白い「END」の文字が認識できる状態を観察した。実施例1と同様の評価基準で観察した結果を表3に示す。

第一表示部の「START」の文字は、液体含有率が27%でも認識できたが、13%付近で認識できなくなった。このことは、防虫剤の有効期間のほとんどにおいて第一表示部が認識できることを意味する。第二表示部は、液体含有率が13%付近でぼやけて現れ始め、1%で「END」文字を認識することができた。
更に、液体含有時(有効期間初期)の基材表面と第一表示部とのコントラストの明瞭さを確認するために、基材表面と第一表示部について、JIS Z 8730で規定される明度指数(L)を以下のようにして測定した。
上記よりも大きく切り取った青色湿式不織布の基材(150g/m、50mm×100m×400μm)に、上記と同様にして、無定形シリカが浸透して基材材質と一体化してなる表面層を形成した。上記の「START」の文字の印刷の代わりに、直径40mmの円形を上記と同様に印刷して、円形の第一表示部を形成した。液体含有量は、基材の表面積比(50×100)/(20×54)に比例して260mgとした。液体含有時の基材表面の明度指数(L)は35.8、第一表示部の明度指数(L)は57.0で、その差は21.2と大きく、基材表面と第一表示部とのコントラストの明瞭さが実証された。
【実施例6】
揮散性の液体5として、防虫剤である2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートを47mg含有させた他は、実施例5と同様にして、期間インジケーターeを作製した。
この期間インジケーターを室温(25℃)の下に放置し、実施例5と同様に、表面の状態を観察した。その結果を表4に示す。

第一表示部の淡青色の「START」の文字は、当初から暫くの間とてもはっきりと認識でき、液体含有率が37.5%の時でも認識された。液体含有率が22%の付近で、ぼやけてきて認識し難くなり、7%付近では全く認識できなかった。このことは、防虫剤の有効期間のほとんどにおいて第一表示部が認識できることを意味する。第二表示部の「END」の文字は、液体含有率22%付近でぼやけて現れ始め、1%で明瞭に表示された。
更に、液体含有時(有効期間初期)の基材表面と第一表示部とのコントラストの明瞭さを確認するために、基材表面と第一表示部について、JIS Z 8730で規定される明度指数(L)を以下のようにして測定した。
上記よりも大きく切り取った青色湿式不織布の基材(150g/m、50mm×100m×400μm)に、上記と同様にして、無定形シリカが浸透して基材材質と一体化してなる表面層を形成した。上記の「START」の文字の印刷の代わりに、直径40mmの円形を上記と同様に印刷して、円形の第一表示部を形成した。液体含有量は、基材の表面積比(50×100)/(20×54)に比例して217mgとした。液体含有時の基材表面の明度指数(L)は38.2、第一表示部の明度指数(L)は59.7で、その差は21.5と大きく、基材表面と第一表示部とのコントラストの明瞭さが実証された。
【実施例7】
次の仕様により、第18図、第19図に示す期間インジケーターfを作製した。
基材1:青色湿式不織布(150g/m、20mm×54mm×400μm)
繊維層51:白色パルプ(NBKP、ろ水度650CSF、15g/m)からなる層を、上記基材1に抄き合わせ、積層一体化させた。
第一表示部52:フッ素系撥油剤(旭硝子(株)製AG−530)に粘度調整剤(カルボキシメチルセルロースナトリウム)を添加して、塗液を調整した。この塗液を用いて、150メッシュスクリーン印刷により、塗布量1.4g/m(フッ素固形分0.82g/m)で「START」の文字を形成した。
第二表示部53:無定形シリカとアクリル系ラテックス(固形分比1/0.5)の混合物を用いて、150メッシュスクリーン印刷により、塗布量15g/mで、「END」の文字を形成した。
カバー材6:ポリプロピレンフィルム(20mm×54mm×100μm)
揮散性の液体5:防虫剤である1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル 3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートを57mg含有させた。
この期間インジケーターは、基材表面上に繊維層51が形成されている。液体5を含有することにより、繊維層51が透明化し、第一表示部52を除き、基材表面は液体含有前の基材本来の青よりも濃い青色を呈していた。その青色は、表面層を有しない実施例1の液体含有率100%の基材表面と同等の濃い青色であった。第一表示部52は、淡青色を呈しており、「START」の文字がはっきりと認識できた。第二表示部53の「END」の文字は認識できない状態にあった。
この期間インジケーターを室温(約25℃)の下に放置した。時間の経過とともに、揮散性の液体5の含有量が減少するのにしたがって、繊維層が淡青色になり、第一表示部52が認識できなくなる状態、および第二表示部53が不透明化して、白い「END」の文字が認識できる状態を観察した。実施例1と同様の評価基準で観察した結果を表5に示す。

第一表示部の淡青色の「START」の文字は、当初のはっきりと認識できる状態から、液体含有量50%付近で早くもぼやけて認識し難くなり、すぐに全く認識できなくなった。
第二表示部の「END」の文字は、液体含有量6%付近でぼやけて現れ始め、2.5%で、明瞭に表示された。
更に、液体含有時(有効期間初期)の基材表面と第一表示部とのコントラストの明瞭さを確認するために、基材表面と第一表示部について、JIS Z 8730で規定される明度指数(L)を以下のようにして測定した。
上記よりも大きく切り取った青色湿式不織布の基材(150g/m、50mm×100m×400μm)に、上記と同様にして、白色パルプからなる繊維層を抄き合わせにより形成した。上記の「START」の文字の印刷の代わりに、直径40mmの円形を上記と同様に印刷して、円形の第一表示部を形成した。液体含有量は、基材の表面積比(50×100)/(20×54)に比例して260mgとした。液体含有時の基材表面の明度指数(L)は41.7、第一表示部の明度指数(L)は52.2で、その差は10.5と比較的大きく、基材表面と第一表示部とのコントラストの明瞭さが実証された。
【実施例8】
次の仕様により、第1図及び第2図に示す期間インジケーターaを作製した。
基材1:青色湿式不織布(150g/m、20mm×54mm×400μm)
第一表示部2:含フッ素有機化合物撥油剤(旭硝子(株)製AG−530)に粘度調整剤(カルボキシメチルセルロースナトリウム)を添加して、塗液を調整した。この塗液を用いて、150メッシュスクリーン印刷により、塗布量1.5g/m(フッ素固形分0.88g/m)で「START」の文字を形成した。
第二表示部3:無定形シリカとアクリル系ラテックス(固形分比1/0.5)の混合物を用いて、150メッシュスクリーン印刷により、塗布量15g/mで、「END」の文字を形成した。
カバー材6:ポリプロピレンフィルム(20mm×54mm×100μm)
揮散性の液体5:防虫剤である1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル 3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートを56mg含有させた。
この期間インジケーターを室温(25℃)の下に放置し、表面を観察した。実施例1と同様の評価基準で観察した結果を表6に示す。

第一表示部の淡青色の「START」の文字は、当初のはっきりと認識できる状態から、液体含有量65%付近では早くもぼやけて認識し難くなり、54%付近では全く認識できなくなった。第二表示部の「END」の文字は、液体含有量5%付近でぼやけて現れ始め、1%で明瞭に表示された。
更に、液体含有時(有効期間初期)の基材表面と第一表示部とのコントラストの明瞭さを確認するために、基材表面と第一表示部について、JIS Z 8730で規定される明度指数(L)を以下のようにして測定した。
上記よりも大きく切り取った青色湿式不織布の基材(150g/m、50mm×100m×400μm)に、上記の「START」の文字の印刷の代わりに、直径40mmの円形を上記と同様に印刷して、円形の第一表示部を形成した。液体含有量は、基材の表面積比(50×100)/(20×54)に比例して260mgとした。液体含有時の基材表面の明度指数(L)は40.0、第一表示部の明度指数(L)は46.3で、その差は6.3であった。
この値に比べて、実施例5、6及び実施例7の場合の方が、液体含有時の基材表面の明度指数(L)と、第一表示部の明度指数(L)との差が大きく、基材表面と第一表示部とのコントラストがより明瞭であることがわかる。このことは、実施例5、6の無定形シリカの浸透による表面層や実施例7の白色パルプからなる繊維層が、第一表示部による表示を強調する作用を有することを示している。
【産業上の利用可能性】
この発明は、防虫剤、殺虫剤、消臭剤、芳香剤その他の薬液の含有状態を表示する期間インジケーターとして有用であり、薬液などの有効期間の終期ばかりでなく、有効期間初期ないし有効期間中であることを知るための期間インジケーターとして用いることができる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】

【図22】

【図23】

【図24】

【図25】

【図26】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体透過性を有する基材と、この基材上に部分的に積層された液体透過性で光に対し低屈折率の材料よりなる期間終期の表示部とからなり、揮散性の液体が含有されてなる期間インジケーターにおいて、液体不透過性で気体透過性の領域からなる期間初期の表示部が形成されてなることを特徴とする期間インジケーター。
【請求項2】
液体不透過性で気体透過性の領域からなる期間初期の表示部が、基材の一部分にフッ素系撥油剤が浸透することにより形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の期間インジケーター。
【請求項3】
液体不透過性で気体透過性の領域からなる期間初期の表示部が、光に対し低屈折率の材料とフッ素系撥油剤からなる層が基材上に部分的に積層されることにより形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の期間インジケーター。
【請求項4】
液体不透過性で気体透過性の領域からなる期間初期の表示部が、期間終期の表示部の一部分にフッ素系撥油剤が浸透することにより形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の期間インジケーター。
【請求項5】
基材において期間終期の表示部が形成されている側の表面に、光に対し低屈折率の材料の浸透による表面層が形成されており、前記期間終期の表示部は該表面層上に部分的に積層されてなり、且つ前記表面層の一部分にフッ素系撥油剤の浸透による液体不透過性で気体透過性の領域からなる期間初期の表示部が形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の期間インジケーター。
【請求項6】
基材が、期間終期の表示部が形成されている側の表面に、繊維層を有しており、前記期間終期の表示部は該繊維層上に部分的に積層されてなり、且つ前記繊維層の一部分にフッ素系撥油剤の浸透による液体不透過性で気体透過性の領域からなる期間初期の表示部が形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の期間インジケーター。

【国際公開番号】WO2004/013828
【国際公開日】平成16年2月12日(2004.2.12)
【発行日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−525764(P2004−525764)
【国際出願番号】PCT/JP2002/007978
【国際出願日】平成14年8月5日(2002.8.5)
【出願人】(000176637)三島製紙株式会社 (26)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【出願人】(000149181)株式会社大阪製薬 (14)