説明

木材乾留方法および木材乾留装置

【課題】 不燃木材を製造するための前処理として、不燃剤の浸透効率、乾燥効率を高め、かつ、乾留中および乾留後において、木材にそりやよじれなどによる損傷が発生することを防止することができる木材乾留方法、木材乾留装置を得る。
【解決手段】 木材を酸欠状態および湿度飽和状態において加熱する木材乾留方法であって、前記木材の芯部を室温から100℃の範囲で加熱する加熱工程と、前記温度範囲で冷却する冷却工程とを有し、これら加熱工程および冷却工程からなる熱サイクルを2回または3回繰り返す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不燃木材を製造するための前処理として有用な木材乾留方法および木材乾留装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、木材に不燃剤を含浸させて不燃木材とする技術がある。この技術にあっては、木材への不燃剤の含浸量を高めるため、木材を前処理(予備処理)することが行われている。この前処理としては、通常、木材を加熱・乾燥処理する方法が採用されている。例えば、特許第2757170号公報には、図3,図4に示す木材処理装置を用いて、木材を加熱・乾燥処理させるとともに、加熱・乾燥処理後において、木材にそりやよじれなどによる損傷が発生することを防止する処理方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
上記木材処理装置は、燃焼室10と処理室20と給湯手段(図示せず。)とから概略構成されている。
燃焼室10は、処理室20内に設置されている木材1,1,…の加熱に用いられる、熱風などの加熱媒体を生産する場所である。この燃焼室10には、燃料投入用ドア11が設けられており、この燃料投入用ドア11を介して燃料12が室内に設置される。この燃料12としては、可燃物であればよく、例えば、住宅廃材などの廃棄木材が用いられる。
【0004】
燃焼室10の下方には、空気供給部13が設けられており、この空気供給部13から燃焼室10内に空気を供給することにより、燃料12の燃焼を促進して、熱風を生産する。空気供給部13には、ダンパ14が設けられており、空気の供給量が調節されるようになっている。
燃焼室10の天井には、煙突15、複数の水供給部16,16,…が設けられており、不必要な熱風を外部へ放出するとともに、調節された量の水を噴出することにより、燃焼室10内の温度および湿度が調節されるようになっている。また、燃焼室10の天井には、温度および湿度を検知する燃焼室センサ17,17,…が複数設けられている。また、底部に残留した水に関しては、燃焼室10から排出されるように、排水管18が設けられている。
【0005】
燃焼室10の上方には、燃焼室10と処理室20とを連結する加熱媒体供給路2,2,2が3本設けられている(図4参照。)。この加熱媒体供給路2,2,2には、送風ファン3,3,3、ダンパ4,4,4が設けられており、燃焼室10内の熱風が強制的に吸引されて処理室20に供給されるとともに、熱風の供給量が調節されるようになっている。
【0006】
処理室20は、木材を加熱・乾燥処理する場所である。この処理室20には、木材出入口ドア21を通って、トロッコなどの運搬装置22によって運搬された木材1,1,…が設置される。この木材1,1,…は、外気に触れやすいように、互いに間隙を持って、積載されている。また、処理室20の下方には、上記加熱媒体供給路2,2,2の先端部が挿入されており、熱風が噴出され、木材1,1,…が加熱・乾燥処理されるようになっている。なお、木材1,1,…の内の1本には、木材の芯部、辺部における温度および湿度を検知する木材センサ26が設けられている。また、加熱媒体供給路2,2,2には、噴出口が複数設けられており、これら噴出口は先端に近付くほど、開口面積が大きくなっている。従って、各噴出口から均等に熱風が噴出され、処理室20内に均一に行き渡るようになっている。
【0007】
処理室20の天井には、複数の撹拌ファン23,23および換気装置24a,24bが設けられている。これにより、処理室20内に供給された加熱媒体は、撹拌されて均一に分布するとともに、不必要な熱風は外部へ放出される。また、処理室20の天井には、温度および湿度を検知する処理室センサ23,23,…が複数設けられており、上記燃焼室センサ17,17,…および木材センサ26からの情報を合わせて考慮して、ダンパ4、煙突15、水供給部16,16,…、撹拌ファン23,23、換気装置24a,24bの制御が行われる。
【0008】
給湯室は、加熱・乾燥処理された木材に湯を散布して木材の水分量を一時的に上昇させる場所であり、処理室20の木材出入口ドア21に隣接されている。水分量が上昇した木材にあっては、加熱・乾燥処理によって木材成分が木材内部において再分布した後でも、木材内部の応力バランスが保持されるため、加熱・乾燥処理後において木材にそりやよじれなどによる損傷が発生することが防止される。その後、木材は、別途設けたビニールハウスなどの保管庫に移動され、自然乾燥されるとともに、常温まで冷却される。
このように、図3,図4の木材処理装置による木材処理方法によれば、木材を加熱・乾燥処理した後においても、木材にそりやよじれなどによる損傷が発生することを防止することができる。
【特許文献1】特許第2757170号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1にかかる発明にあっては、加熱・乾燥処理した木材に不燃剤などの薬剤を含浸した際、要する含浸時間が長く、浸透効率が低いという問題があった。これは、一般に、木材中における水路である仮道管の側面が、壁孔膜によって塞がれているため、仮道管相互間における液体の移動が困難となっているためである。従って、含浸量を増加させるためには、不燃剤の含浸および乾燥を何度も繰り返す必要があり、工程数が増えて煩雑であるという問題があった。また、上記理由により、薬剤の乾燥効率が低いという問題もあった。
【0010】
よって、本発明における課題は、不燃木材を製造するための前処理として、不燃剤の浸透効率、乾燥効率を高め、かつ、乾留中および乾留後において、木材にそりやよじれなどによる損傷が発生することを防止することができる木材乾留方法、木材乾留装置を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる課題を解決するため、
請求項1にかかる発明は、木材を酸欠状態および湿度飽和状態において加熱する木材の乾留方法であって、前記木材の芯部を常温から100℃の範囲で加熱する加熱工程と、前記温度範囲で冷却する冷却工程とを有し、これら加熱工程および冷却工程からなる熱サイクルを2回または3回繰り返すことを特徴とする木材乾留方法である。
【0012】
請求項2にかかる発明は、前記加熱工程における加熱媒体が、可燃物が燃焼して発生する燃焼ガスおよび煙であることを特徴とする請求項1または2記載の木材乾留方法である。
【0013】
請求項3にかかる発明は、前記加熱工程における加熱媒体が、可燃物が燃焼して発生する燃焼ガスおよび煙であることを特徴とする請求項1または2記載の木材乾留方法である。
【0014】
請求項4にかかる発明は、加湿方法および前記冷却工程における冷却方法が、加熱媒体の供給源である可燃物への水の放出であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の木材乾留方法である。
【0015】
請求項5にかかる発明は、木材の乾留が行われる処理室と、該木材を加熱する加熱媒体が生産される燃焼室と、該燃焼室と前記処理室とを連結して、処理室内に加熱媒体を供給する加熱媒体供給路と、前記燃焼室内に燃焼用の空気を供給する空気供給部と、前記燃焼室内に温度および湿度を調節するための水を放出する水供給部と、前記燃焼室外に加熱媒体を排出する煙突と、前記処理室内に蒸気を供給する蒸気供給部と、前記処理室外に加熱媒体を排出する換気装置と、前記処理室と前記燃焼室とを連結して、処理室から排出された加熱媒体を燃焼室に還流する還流路とからなる木材の乾留装置であって、前記処理室および前記燃焼室内の温度、湿度、圧力に基づいて、前記空気供給部と前記水供給部と前記煙突と前記蒸気供給部と前記換気装置とを制御する制御部が設けられたことを特徴とする木材乾留装置である。
【0016】
請求項6にかかる発明は、前記加熱媒体供給路内に加熱媒体の流量を調節するダンパが設けられ、該ダンパが前記制御部によって制御可能であることを特徴とする木材乾留装置である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、熱サイクルを2回または3回繰り返して、木材中の水分を木材の外部または内部へ繰り返し移動させることにより、木材の仮道管の側面を塞いでいる壁孔膜を効果的に破壊することができる。従って、仮道管相互間における液体の移動が容易になり、不燃剤の浸透効率および乾燥効率を高めることができる。
また、本発明によれば、木材が湿度飽和状態においてゆっくりと加熱または冷却され、木材の含水率が木材全体において均一に変化するため、乾留中または乾留後において、木材にそりやよじれなどによる損傷が発生することを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明にかかる木材乾留装置の一実施形態を、図面に基づいて説明する。図1,図2は、本発明の木材乾留装置の一例であり、図3,図4の従来装置と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略または簡略化する。
【0019】
図1,図2の木材の乾留装置にあっては従来装置と異なるところは、処理室20に蒸気供給部27が設けられた点、処理室20と燃焼室10とを連結する還流路30が設けられた点、この還流路30に捕集手段31が設けられた点、加熱媒体供給路2,2,2、処理室10、空気供給部13、処理室20と通信ケーブルまたは無線通信によって通信可能である制御部40が設けられた点である。
【0020】
蒸気供給路27は、処理室20内に蒸気を噴出して、処理室20内の湿度を上昇させるためのものである。これにより、燃焼室10とは独立して、処理室20内の湿度を調節することができる。還流路30は、処理室20の換気装置24aから排出された加熱媒体を燃焼室10に還流するためのものである。これにより、加熱媒体が有する熱を有効に再利用できる。捕集手段31は、加熱媒体に含まれるすすなどの個体物質を分離するためのものであり、例えば、サイクロンなどが用いられる。
【0021】
制御部40は、燃焼室10および処理室20内の温度、湿度、圧力を自動調節するためのものであり、例えば、パーソナルコンピュータなどが用いられる。この制御部40は、燃焼室センサ18,18,…、処理室センサ25,25,…、木材センサ26の情報を受信するようになっており、また、ダンパ4、空気供給部13、煙突15、水供給部16,16,…、撹拌ファン23,23、換気装置24a,24b、蒸気供給部27に動作信号を送信するようになっている。従って、操作者は、制御部40を用いて木材乾留装置を簡易に操作することができる。
なお、本発明の木材乾留装置における各センサは、温度、湿度に加えて圧力も検知可能になっている。
【0022】
以下、上記木材乾留装置を用いた木材乾留方法の一実施形態について説明する。
本発明においては、不燃木材を製造するための前処理として、木材の乾留を行う。この乾留とは、木材を酸欠状態において加熱することであり、木材を燃焼させることなく、その水分を蒸発させる方法である。この時、湿度を飽和状態に保持することにより、木材の辺部における乾燥速度を適宜遅らせて、芯部における水分の内部拡散を誘導し、木材全体を均一に乾燥させる。
具体的な手順を以下に説明する。
【0023】
先ず、木材1,1,…を運搬装置22に積載して、処理室20内に移動させる。この時、木材1,1,…は生木の状態であり、その含水率は100%以上であって、乾留処理が必要とされるものである。この木材1,1,…の内の1本に木材センサ26を埋め込んで、木材1,1,…の芯部、辺部の温度および湿度を検知可能にしておく。その後、木材出入口ドア10を閉め、換気装置24a,24b内のダンパおよび加熱媒体供給路2,2,2内のダンパ4,4,4も閉めて処理室20内を密閉する。
なお、木材1,1,…の木種としては特に限定されず、あらゆる木種が本発明に適応可能であり、例えば、杉、檜、カラマツ、ヒバなどが挙げられる。
【0024】
次に、燃焼室10に燃料12を設置する。この時、燃料12にあっては、4〜5日間継続して燃焼できるだけの量を用意する。その後、燃料投入ドア11を閉め、煙突15のダンパおよび空気供給部13のダンパ14を閉めて燃焼室10内を密閉する。
このように密閉された状態において、燃料12を燃焼させる。燃焼室10は密閉されており、酸素量が不十分であるため、燃料12は不完全燃焼を起こす。結果、大量の煙を含んだ燃焼ガスが発生する。このような燃焼ガスはすすを大量に含んでおり、木材1,1,…および燃焼室10の内壁に付着してそこから遠赤外線を輻射するため、木材を均一に加熱する上で好適である。
【0025】
一方、水供給部から、調節された量の水を燃料12に散布する。これにより、蒸気を発生させて湿度を飽和させるとともに、燃焼室10内の温度を90〜120℃に調節する。
なお、燃焼室10内には、空気供給部13により、燃料12が燃焼を維持できるだけの最低限の空気が供給される。また、空気が供給されている際には、この空気が処理室20内に入らないように、加熱媒体供給路2,2,2内のダンパ4,4,4が閉められる。また、燃焼室10内の圧力が必要以上に上昇した場合には、煙突15を用いて、燃焼ガスを外部へ排出して圧力を調節する。
【0026】
燃焼ガスが十分に発生した後、加熱工程を行う。具体的には、加熱媒体供給路2,2,2における送風ファン3,3,3を稼動させて燃焼室10内の燃焼ガスを吸引するとともに処理室20へ供給する。この時、ダンパ4,4,4を用いて燃焼ガスの供給量を調節する。このように燃焼ガスの供給量を調節することにより、処理室20内に設置された木材の芯部における温度が、常温から90〜100℃まで、20〜30時間を掛けて上昇するように、ゆっくりと加熱工程を行う。この加熱工程により、木材の辺部における水分を蒸発させるとともに、芯部における水分を内部拡散させ、結果、木材全体を均一に乾燥させる。
【0027】
一方、処理室20における、還流路30と連通した換気装置24aを開けて、処理室20内に存在する空気を燃焼ガスとともに燃焼室へ還流する。これにより、処理室20内には燃焼ガスが完全に充満して、酸欠状態が形成される。
なお、処理室20内において湿度が不飽和であるときには、蒸気供給部27を用いて適宜蒸気を供給して、処理室20内を湿度飽和状態に保持する。また、処理室20内の圧力が必要以上に上昇した場合には、外気と通じている換気装置24bを用いて、燃焼ガスを外部へ排出して圧力を調節する。
【0028】
ついで、冷却工程を行う。燃料12への空気供給を停止するとともに、水供給部16,16から冷却水を散布することにより、燃焼ガスの温度を下げる。このような燃焼ガスを処理室20に供給することにより、木材の芯部における温度が、90〜100℃から45〜55℃まで、20〜30時間を掛けて下降するように、ゆっくりと冷却工程を行う。この冷却工程により、燃焼ガス中に含まれる水分を、木材の辺部および芯部に吸収させて、木材を含水率が40〜50%の湿潤状態にする。
【0029】
冷却工程の後、再び加熱工程を行う。加熱手順は上述の通りであり、木材の芯部における温度が45〜55℃から90〜100℃まで、20〜30時間を掛けて上昇するように、ゆっくりと加熱工程を行う。結果、木材は再び均一に乾燥される。
その後、再び冷却工程を行う。冷却手順は上述の通りであり、木材の芯部における温度が、90〜100℃から室温まで、20〜30時間を掛けて下降するように、ゆっくりと冷却工程を行う。結果、木材は、含水率が40〜50%の湿潤状態になる。
【0030】
このように、加熱工程と冷却工程を繰り返すとともに、木材の乾燥と湿潤を繰り返すことにより、木材中の仮道管に適度なストレスを与えて、仮道管の側面を塞いでいる壁孔膜を破壊することができる。また、木材の含水率が木材全体において均一に変化するため、乾留中または乾留後において、木材にそりやよじれなどによる損傷が発生することを防止することができる。さらに、木材を酸欠状態において高温で加熱するため、木材の殺卵、殺虫を行うことができる。
【0031】
なお、加熱工程と冷却工程とからなる熱サイクルは上述のような2回のみではなく、3回繰り返されてもよく、この場合においては、燃料12の量、乾留時間が増加するが、より確実に壁孔膜を破壊することができる。
【0032】
乾留後、処理室20から木材1,1,…を積載した運搬装置22を外部へ搬出する。この時、処理室20内には、一酸化炭素などの有毒ガスが充満しているので、この有毒ガスに対応した換気装置を別途設けて、除去しておくことが望ましい。
乾留された木材にあっては、含水率が40〜50%であるため、この状態において、不燃剤の含浸を行うことは好ましくない。そこで、不燃剤の含浸を行うのに適するように、含水率が15〜20%になるまで乾燥を行う。この乾燥方法としては特に限定されるものではなく、自然乾燥、電気乾燥、化学乾燥などの公知の方法が用いられる。
【0033】
以上の手順により、木材にあっては、浸透効率、乾燥効率が改善され、不燃木材の製造に有用な木材を得ることができる。また、上述した木材乾留装置における各操作にあっては、全て制御部40において行うことが可能であり、上述した操作手順を制御部40に予め入力しておくことにより、操作者は必要なボタン操作のみで木材乾留装置を簡易に操作することができる。
なお、図1において、制御部40は木材乾留装置の中心付近に図示されているが、これは作図の関係上この位置に図示しているのみであって、木材乾留装置とは離れた他の場所に設置されてもよい。
【実施例】
【0034】
以下、実施例により、本発明をさらに詳しく説明する。本発明は、下記実施例に何ら制限されるものではない。
【0035】
[実施例1]
実施例1では、本発明の木材乾留装置を用いて木材の乾留を行い、木材の仮道管における壁孔膜の破壊を試みた。以下に具体的な手順を説明する。
【0036】
木材1,1,…の木種としては、杉を用いた。この木材1,1,…を、トロッコを用いて処理室20内に搬入した。一方、燃焼室10内には4日間継続して燃焼が可能な住宅廃材を設置して、燃料12として用いた。この燃料12を酸欠状態において不完全燃焼させることにより、大量の煙を含む燃焼ガスを得た。この燃焼ガスを用いて、木材1,1,…を湿度飽和状態において加熱および冷却し、その熱サイクルを2回繰り返した。
【0037】
各工程における工程時間は24時間であった。第1の加熱工程においては、木材1,1,…を常温から95℃まで加熱し、第1の冷却工程においては、95℃から50℃まで冷却した。ついで、第2の加熱工程においては、木材1,1,…を50℃から95℃まで加熱し、第2の冷却工程においては、95℃から常温まで冷却した。
【0038】
乾留後における木材1,1,…の電子顕微鏡写真を図5に示す。この写真により、乾留後は、木材の仮道管における壁孔膜50,50,50が破壊されて、ひびが生じていることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施形態にかかる木材乾留装置の側面模式図である。
【図2】本発明の実施形態にかかる木材乾留装置の上面模式図である。
【図3】従来の木材処理装置の側面模式図である。
【図4】従来の木材処理装置の上面模式図である。
【図5】乾留後における仮道管の電子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
【0040】
1・・・木材、2・・・還流路、4・・・ダンパ、10・・・処理室、13・・・空気供給部、15・・・煙突、16・・・水供給部、20・・・処理室、24a,24b・・・換気装置、27・・・蒸気供給部、30・・・還流路、40・・・制御部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
木材を酸欠状態および湿度飽和状態において加熱する木材の乾留方法であって、前記木材の芯部を常温から100℃の範囲で加熱する加熱工程と、前記温度範囲で冷却する冷却工程とを有し、これら加熱工程および冷却工程からなる熱サイクルを2回または3回繰り返すことを特徴とする木材乾留方法。
【請求項2】
前記加熱工程および前記冷却工程の工程時間がそれぞれ20〜30時間であることを特徴とする請求項1記載の木材乾留方法。
【請求項3】
前記加熱工程における加熱媒体が、可燃物が燃焼して発生する燃焼ガスおよび煙であることを特徴とする請求項1または2記載の木材乾留方法。
【請求項4】
加湿方法および前記冷却工程における冷却方法が、加熱媒体の供給源である可燃物への水の放出であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の木材乾留方法。
【請求項5】
木材の乾留が行われる処理室と、該木材を加熱する加熱媒体が生産される燃焼室と、
該燃焼室と前記処理室とを連結して、処理室内に加熱媒体を供給する加熱媒体供給路と、
前記燃焼室内に燃焼用の空気を供給する空気供給部と、
前記燃焼室内に温度および湿度を調節するための水を放出する水供給部と、
前記燃焼室外に加熱媒体を排出する煙突と、
前記処理室内に蒸気を供給する蒸気供給部と、
前記処理室外に加熱媒体を排出する換気装置と、
前記処理室と前記燃焼室とを連結して、処理室から排出された加熱媒体を燃焼室に還流する還流路とからなる木材の乾留装置であって、
前記処理室および前記燃焼室内の温度、湿度、圧力に基づいて、前記空気供給部と前記水供給部と前記煙突と前記蒸気供給部と前記換気装置とを制御する制御部が設けられたことを特徴とする木材乾留装置。
【請求項6】
前記加熱媒体供給路内に加熱媒体の流量を調節するダンパが設けられ、該ダンパが前記制御部によって制御可能であることを特徴とする木材乾留装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−142703(P2006−142703A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−337538(P2004−337538)
【出願日】平成16年11月22日(2004.11.22)
【出願人】(504212895)日本不燃木材株式会社 (1)
【Fターム(参考)】