末端に架橋構造を形成するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体、その製造方法、及びそれを利用した高分子電解質膜
本発明は、末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体、その製造方法及びそれを利用した高分子電解質膜が開示される。スルホネート基を有するジヒドロキシ単量体とジハライド単量体を縮重合反応させるか、又は、スルホネート基を有するジハライド単量体とジヒドロキシ単量体を縮重合反応させることによって、スルホン酸が含有されたポリ(アリーレンエーテル)共重合体を合成する。また、得られたスルホン酸が含有されたポリ(アリーレンエーテル)共重合体の末端に架橋可能なモノヒドロキシ単量体又は架橋可能なモノジハライド単量体を縮重合反応することによって、高分子間の架橋が可能である。架橋構造を含有するポリ(アリーレンエーテル)共重合体で形成された燃料電池用高分子電解質は、熱的安定性、機械的安定性、化学的安定性及び膜形成能力などにおいて従来のスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体や現在商用化された高分子電解質膜に使用されるナフィオン膜と同等又はそれ以上の水準を維持すると共に、陽イオン伝導度とセル性能面において極めて向上した効果を示す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体と、その製造方法と、スルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を利用した高分子電解質膜とに関し、より詳細には、末端に架橋構造を有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体と、その製造方法と、スルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を利用した高分子電解質膜とに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、19世紀にグローブ(Grove)が発明した電気化学反応により化学エネルギーを電気エネルギーに変換する電気エネルギー変換システムである。上記燃料電池は、1960年代にジェミニ(Gemini)宇宙船のような特殊な目的で使用されたが、1980年代末から無公害車両の動力源として活用されることが期待され、且つ、現在の爆発的な人口及び電気需要の増加に対応する代替エネルギーとして注目され、全世界的に研究開発が活発に進行されてきた。特にグリーンラウンド(Green Round;気候変化協約)による二酸化炭素の総量規制、低公害自動車義務販売による自動車排気ガスの規制などが間近くなっていて、各国の自動車会社は、燃料電池自動車のような無公害自動車の開発を急いで進行している実情である。また、燃料電池は、建物及び一部地域においての現地設置型小規模発電、潜水艦及び移動通信などのような軍需用発電に直ちに活用されることができる。このような燃料電池は、電気を蓄積する機能はないが、従来の内燃機関に比べて効率が高く、且つ燃料使用量が少なく、硫酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)など環境負荷物質をほとんど排出しない清浄高効率発電装置であって、最近、化石燃料の使用によって提起される環境問題の解決方案として期待される。
【0003】
燃料電池内で陽イオン交換樹脂や陽イオン交換膜として使用される高分子電解質は、数十年間使用されて来ており、倦まず弛まず研究されている分野である。最近、メタノール直接型燃料電池(DMFC;direct methanol fuel cell)や高分子電解質膜燃料電池(PEMFC;polymer electrolyte membrane fuel cell、solid polymer electrolyte fuel cell, solid polymer fuel cell, 又は proton exchange membrane fuel cell)に使用される陽イオンを伝達する媒介体として陽イオン交換膜に対する数多くの研究が進行されている。
【0004】
現在燃料電池分野において広く商用化される陽イオン交換膜として、米国デュポン社の過フッ素化スルホン酸基含有高分子であるNafion(登録商標)系膜が挙げられる。この膜は、飽和水分含量であるとき、0.1S/cmのイオン伝導性と優れた機械的強度及び耐化学性を有している。また、自動車用燃料電池に利用されることができる程度に電解質膜として安定的な性能を有している。また、これと類似の形態の商用膜として、旭ケミカルス社のAciplex-S膜(登録商標)、ダウケミカル社のDow膜、 旭硝子のFlemion膜(登録商標)、ゴア&アソシエイトのGoreSelect膜(登録商標)などが挙げられ、カナダのバラードパワーシステム(Ballard Power System)社がアルファ、ベータ形態で過フッ素化された高分子を開発研究中にある。
【0005】
しかしながら、上記膜は、価格が高価であり、合成方法の複雑性に起因して大量生産が困難であると共に、メタノール直接型燃料電池用のような電気エネルギーシステムにおいてメタノールクロスオーバー現象、高い温度や低い温度で低い陽イオン伝導度を有するなど陽イオン交換膜として効率性が大きく劣化する特性を有しているので、制限的な形態で使用されている。
【0006】
このような短所を有するため、非フッ素系及び部分的にフッ素に置換された陽イオン交換膜について多くの研究が進行されており、その代表的な例として、スルホン化ポリ(フェニレンオキサイド)系、ポリ(フェニレンスルファイド)系、ポリスルホン系、ポリ(パラ−フェニレン)系、ポリスチレン系、ポリエーテルエーテルケトン系、ポリイミド系などが挙げられる。
【0007】
しかしながら、これらのイオン伝導性は、スルホン化程度に比例するので、しきい濃度以上にスルホン化した場合、分子量の低下を避けることができず、水和時に、機械的物性の減少に起因して長時間利用することができない短所を有していて、これを改善するために、スルホン化されている単量体を利用して高分子を製造する方法と、高分子を選択的スルホン化する方法とが研究開発されているが(特許文献1、特許文献2、特許文献3を参照)、高温安定性及び長期使用時に発生し得る問題点を完全に解決してはいない実情である。
【0008】
一方、特許文献4には、ポリイミドの主鎖に直接的にスルホン化反応を誘導した形態、及びスルホン酸基を含むジアミン単量体を使用して多様な形態のスルホン化ポリイミドを製造することが開示されており、従来の陽性子伝導性高分子素材と比較して非常に高い熱的安定性と酸化及び還元安定性とを示している。
【0009】
しかし、高分子を選択的にスルホン化する場合、スルホン化による機械的強度の減少をもたらす短所があり、スルホン酸ジアミン単量体を利用する場合は、溶媒に対して溶解度が良くないため、反応性及び膜形成が円滑でない問題点を有している。
【0010】
したがって、優れた電気化学的特性を有すると共に、高温安定性に優れていて、薄膜製造が容易な、新しい形態の素材開発に対する研究が切実に要求されている実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第5468574号明細書
【特許文献2】米国特許第5679482号明細書
【特許文献3】米国特許第6110616号明細書
【特許文献4】米国特許第6245881号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前述のような問題点を解決するために、本発明の第1目的は、末端に架橋構造を有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を提供することにある。
【0013】
また、本発明の第2目的は、上記第1目的を達成するためのスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体の合成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記第1目的を達成するための本発明は、下記化学式で表される末端に架橋構造を有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を提供する。
【0015】
【化1】
【0016】
上記化学式で、SAr1は、スルホン化芳香族を示し、Arは、スルホン化されていない芳香族を示し、CMは、架橋部分を示す。
【0017】
また、上記化学式で、kは、0.001〜1.000の範囲を有し、sは、s=1−kの値を有し、nは、高分子重合体の繰り返し単位を示し、nは、10乃至500の整数を示す。
【0018】
また、本発明の第1目的は、下記の他の化学式で表される末端に架橋構造を有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を提供することによって達成されることもできる。
【0019】
【化2】
【0020】
上記化学式で、SAr2は、スルホン化芳香族を示し、Arは、スルホン化されていない芳香族を示し、CMは、架橋部分を示す。
【0021】
また、上記化学式で、kは、0.001〜1.000の範囲を有し、sは、s=1−kの値を有し、nは、高分子重合体の繰り返し単位を示し、nは、10乃至500の整数を示す。
【0022】
また、上記第2目的を達成するための本発明は、ジヒドロキシ単量体及びジハライド単量体を利用して高分子重合体を形成し、形成された高分子重合体の末端に縮重合による置換反応を利用して末端に架橋構造を有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を形成する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体(E−SPAE−HQ)の1H−NMRスペクトルを示すものである。
【図2】本発明の末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体(E−SPAE−HQ)の1H−NMRスペクトルを示すものである。
【図3】本発明の末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体(E−SPAE−HQ)の1H−NMRスペクトルを示すものである。
【図4】エチニルフェノールの1H−NMRスペクトルを示すものである。
【図5】本発明の末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体(E−SPAE−HQ)の19F−NMRスペクトルを示すものである。
【図6】本発明の末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体(E−SPAE−HQ)のFT−IRスペクトルを示すものである。
【図7】本発明の末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体(E−SPAE−HQ)のガラス転移温度(Tg)を示すグラフである。
【図8】架橋された高分子電解質膜(CSPAE−HQ)のガラス転移温度(Tg)を示すグラフである。
【図9】Nafion117と架橋された高分子電解質膜(CSPAE−HQ)の温度と時間による分極曲線を示すグラフである。
【図10】Nafion117と架橋された高分子電解質膜(CSPAE−HQ)の温度と時間による電力密度を示すグラフである。
【図11】架橋された高分子電解質膜の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付の図面を参照して本発明による好ましい実施例を詳細に説明する。
【0025】
[第1実施例]
本発明の第1実施例に係るスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体は、末端に架橋構造を有する。上記スルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体は、下記化学式1で表される。
【0026】
【化3】
【0027】
上記化学式1で、SAr1は、スルホン化芳香族を示す。上記化学式1で、SAr1は、例えば、
【化4】
である。
【0028】
また、Arは、スルホン化されていない芳香族を示し、例えば、
【化5】
である。
【0029】
Yは、炭素と炭素との間が単結合で連結している結合、例えば、
【化6】
であり、
Aは、炭素と炭素との間が単結合で連結している結合、例えば、
【化7】
であり、
Eは、H、F、C1〜C5又は
【化8】
である。また、Yで、
【化9】
は、連結部分がオルソ、メタ、又はパラ位に位置するベンゼン構造を示し、
【化10】
は、フッ素原子(F)が完全に置換されており、連結部分がオルソ、メタ、又はパラ位に位置するベンゼン構造を意味する。すなわち、
【化11】
というのは、連結部分が
【化12】
に位置するフッ素が完全に置換されたベンゼン構造を表す。また、Eは、H、F、C1〜C5又は
【化13】
であり、ここで、Hは水素であり、Fはフッ素であり、C1〜C5は、1乃至5個の炭素原子を有する水素もしくはフルオリンで置換されたアルキル構造であり、
【化14】
は、Lがベンゼンに置換されたベンゼン構造である。上記構造式で、Lは、H、F、C1〜C5を示し、Hは水素であり、Fはフッ素であり、C1〜C5は、1乃至5個の炭素原子を有する水素もしくはフルオリンで置換されたアルキル構造である。
【0030】
また、Zは、ベンゼンの炭素と−SO3−M+とが直接連結されている結合、例えば、
【化15】
であり、オルソ、メタ、又はパラ位に位置することができる。Zで、Yは、前述したYと同一である。
【0031】
M+は、陽イオン電荷を有する対イオンであり、カリウムイオン(K+)、ナトリウムイオン(Na+)、アルキルアミン(+NR4)などを示し、好ましくは、カリウムイオンやナトリウムイオンである。
【0032】
CMは、架橋部分を示し、
【化16】
である。CMで、Rは、R1が置換された、三重結合(エチニル部分;
【化17】
である)、二重結合(ビニル部分;
【化18】
である)、又は
【化19】
であり、オルソ、メタ、又はパラ位に位置することができる。上記Rで、Gは、炭素と炭素との間が単結合で連結している結合、例えば、
【化20】
を意味する。また、R1は、H、F、C1〜C5又は
【化21】
である。上記R1で、Hは水素であり、Fはフッ素であり、C1〜C5は1乃至5個の炭素原子を有する水素もしくはフルオリンで置換されたアルキル構造であり、かつR2はオルソ、メタ、又はパラ位に置換されたベンゼン構造
【化22】
を有する置換体であることを示す。R2は、H、X又はC1〜C5である。上記R2で、Hは水素であり、C1〜C5は、1乃至5個の炭素原子を有する水素もしくはフルオリンで置換されたアルキル構造であり、Xは、ハロゲン原子(F、Cl、Br)に該当し、Xの場合は、他の高分子鎖のヒドロキシ基との重合を行うことができる機能性基であってもよい。また、上記化学式1で、kは、0.001〜1.000の範囲を有し、sは、s=1−kの値を有し、nは、高分子重合体の繰り返し単位を示し、nは、10〜500の整数を示す。
【0033】
本発明の第1実施例に係る化学式1の末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を下記反応式1の製造方法によってさらに具体的に説明すれば、次のとおりである。
【0034】
【化23】
【0035】
上記反応式1は、化学式1を製造するための反応過程であり、化学式1に該当する高分子重合体を製造する方法は、縮重合方法であり、反応に参加する単量体が異なることができる。さらに詳細には、上記反応式1に使用されたスルホン化単量体
【化24】
は、ジヒドロキシ単量体を使用する。
【0036】
上記反応式1により末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を製造することができる。
【0037】
また、上記反応式1で、kは、0.001〜1.000の範囲を有し、sは、(1−k)の値を有し、(k+s)/mは、0.800〜1.200の範囲値を示す。また、k、s、mは、反応に参加する単量体のモル比率に該当する。
【0038】
ここで、化学式3は、ヒドロキシで置換された単量体
【化25】
と、ハライドで置換された単量体
【化26】
とに分けられ、反応式1での(k+s)/mが1.000未満の値を有する場合は、ヒドロキシが置換された単量体を使用し、(k+s)/mが1.000以上の値を有する場合は、ハライドで置換された単量体を使用する。化学式3のR2がXの場合には、化学式3で(k+s)/mの値に関係なく、ヒドロキシで置換された単量体
【化27】
を使用することができる。
【0039】
上記反応式1の製造過程を見れば、スルホン化ジヒドロキシ単量体及びスルホン化されていないジヒドロキシ単量体を活性化させる。上記活性化過程は、ジヒドロキシ単量体がジハライド単量体との縮重合反応が容易となるように活性化させる過程である。また、上記スルホン化されていないジハライド単量体は、ジヒドロキシ単量体と同一段階で製造工程に投入されることもできる。
【0040】
まず、塩基と、共沸溶媒と、非プロトン性極性溶媒とで構成された溶媒の存在下で、0℃〜300℃温度範囲で1乃至100時間縮重合反応し、上記化学式2に該当する高分子重合体を製造する。また、製造の形態によって上記非プロトン性極性溶媒の代わりにプロトン性極性溶媒を使用することもできる。
【0041】
続いて、上記化学式2の高分子重合体と、上記化学式3のヒドロキシで置換された単量体又はハライドで置換された単量体とを利用して、上記化学式1の末端に架橋構造で置換された高分子重合体を形成する。
【0042】
上記化学式1の形成反応は、上記化学式2の高分子重合体を形成する方式と同一の方式を使用する。すなわち、活性化段階及び縮重合段階を利用して上記化学式1の末端に架橋構造で置換された高分子重合体を製造する。また、活性化段階後の縮重合段階以前に、共沸溶媒を除去する段階をさらに含むことができる。
【0043】
また、本実施例では、上記化学式2で表される高分子の熱的安定性、電気化学的特性、膜形成能力、寸法安定性、機械的安定性、化学的特性、物理的特性、セル性能などを向上させるために、高分子鎖の末端に熱的架橋が可能な架橋結合性基を含むCM(Crosslinkable Moiety)を縮重合反応により置換させることによって、本発明で目的とする化学式1の末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を製造する。
【0044】
本発明が目的とする末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を合成するための縮重合反応及び架橋結合性基の導入反応には、塩基として、アルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、硫酸塩の中から選択された無機塩基を使用するか、又はアンモニアを含めた通常のアミン類の中から選択された有機塩基を使用することもできる。
【0045】
また、上記反応溶媒として、非プロトン性極性溶媒又はプロトン性極性溶媒を使用することができる。上記非プロトン性極性溶媒として、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N、N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)などを使用し、上記プロトン性極性溶媒として、メチレンクロライド(CH2Cl2)、クロロホルム(CH3Cl)、テトラヒドロフラン(THF)などを使用することができ、共沸溶媒として、ベンゼン、トルエン又はキシレンなどを使用することができる。
【0046】
以上説明したような方法で製造した本発明の末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体は、熱的安定性、膜形成能力、機械的安定性、化学的特性、物理的特性、セル性能などにおいて、従来のスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体や現在商用化された高分子電解質膜に使用されるナフィオン膜と同等又はそれ以上の水準を維持すると共に、電気化学的特性、特に陽イオン伝導度とセル性能面において格別に向上した効果を示すと共に、水分に長時間露出されても、電解質膜特性の変化がないため、高い寸法安定性を示した。
【0047】
このような本発明は、次の製造例に基づいてさらに詳しく説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。
【0048】
製造例1:スルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体(SPAE−HQ)の製造
【化28】
【0049】
撹拌装置、窒素導入管、マグネティックスターラーバー、ディーンスターク(共沸蒸留)装置を装着した100mLの丸い二口フラスコに、ヒドロキノンスルホン酸カリウム塩(3g、13.1423mmol)と、K2CO3(2.15g)と、N、N−ジメチルアセトアミド(DMAc)(50mL)と、ベンゼン(25mL)とを添加した。
【0050】
活性化段階は、温度を135℃〜140℃範囲で6時間まで上げた後、6〜8時間進行され、反応中に副産物として生成した水を、反応溶媒中の1つであるベンゼンとの共沸蒸留方法によって除去し、活性化段階の終了後、ベンゼンを反応器から除去した。
【0051】
その後、デカフルオロビフェニル(4.4g、13.1693mmol)を反応器に添加した後、反応温度を140℃に維持し、12時間以上反応させた。反応が終わった後、500mLのエタノールに沈殿させて、水とエタノールとで数回洗浄した後、60℃で3日間真空乾燥させた。最終生成物として薄い茶色の固体が得られ、90%以上の収率を得た。
【0052】
以上の方法で合成したSPAE−HQ高分子の構造を、1H−NMR、19F−NMRによって分析した。
【0053】
図1の1H−NMR分析結果、単量体のヒドロキシ基ピークがないことを確認することができる。また、高分子のピークに該当する7.51、7.32、7.28ppmにピークが現われた。図2の19F−NMR分析の結果、2つのピークのみ現われ、デカフルオロビフェニル基のパラ位置にFが重合反応によって離脱したことを確認することができた。
【0054】
製造例2:SPAE−HQを利用した高分子電解質膜の製造
上記製造例1で製造したスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)(SPAE−HQ)を溶媒に溶解した後、0.45μmのPTFEメンブレインフィルタを利用して濾過した後、きれいなガラス板支持体に高分子溶媒をキャスティング法でガラス板の上に注いだ後、40℃オーブンに24時間放置した後、さらに70℃真空オーブンに24時間以上放置し、溶媒を完全に除去する。この時、使用可能な溶媒として、二重極性溶媒が挙げられ、具体的には、N、N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)又はN−メチルピロリドン(NMP)を使用することができる。
【0055】
熱処理が終わった後、常温に冷却し、酸処理を通じて上記反応式3で製造した高分子のスルホン部分の塩イオン(Na+、K+、アルキルアンモニウムイオン)を水素に置換する。酸処理する方法は、2規定濃度の硫酸(H2SO4)水溶液、1規定濃度の窒酸(HNO3)水溶液、又は1規定濃度の塩酸(HCl)水溶液に24時間浸漬した後、蒸溜水に24時間浸漬するか、又は、0.5モル濃度の硫酸(H2SO4)水溶液に入れて、2時間加熱する方法を利用するが、酸処理する方法がこれらに限定されるものではない。酸処理した高分子電解質膜を24時間蒸溜水に浸漬した後、陽イオン伝導度を測定する。
【0056】
上記製造例2で製造した高分子膜(SPAE−HQ)の溶解度測定を下記の表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
上記表1から明らかなように、高分子電解質膜は、他の溶媒にある程度影響を受けるが、水に溶解されないことが分かる。これは、水に対する寸法安定性があり、燃料電池のうち水素を燃料として使用するPEMFC(polymer electrolyte membrane fuel cell)に適している。
【0059】
また、製造例2で製造した高分子電解質膜のガラス転移温度(Tg)を時差走査熱量法(DSC)によって10℃/minで窒素雰囲気下で測定したところ、215℃であり、図7に示されたようなE−SPAE−HQの架橋される前の高分子のガラス転移温度と同一で、現在商用化されているナフィオンに比べて熱的安定性が高かった。
【0060】
上記製造例2で製造した高分子膜の水吸収率及び陽イオン伝導度を現在商用化されているナフィオンと比較して下記の表2に示す。
【0061】
【表2】
【0062】
上記表2から明らかなように、高分子電解質膜として最も重要な陽イオン伝導度がナフィオンに比べてほぼ2倍程度と非常に高い値を示す。
【0063】
製造例3:末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体(E−SPAE−HQ)の製造
【化29】
【0064】
上記製造例1で合成した高分子SPAE−HQの末端に3−エチニルフェノール基を導入し、E−SPAE−HQを製造した。
【0065】
すなわち、上記製造例1で合成した高分子溶液にデカフルオロビフェニル単量体の0.2〜0.5倍モル比に該当する量の3−エチニルフェノール及びベンゼン(20mL)、K2CO3(0.7g)を添加し、6時間以上140℃でさらに反応させた後、ベンゼンを完全に除去した。また、反応中に副産物としての水を除去するために、ベンゼンとの共沸蒸留方法によって水を除去した。
【0066】
反応が終わった後、500mLのエタノールに沈殿させ、水とエタノールとで数回洗浄した後、60℃で3日間真空乾燥させた。最終生成物として薄い茶色の固体が得られ、90%以上の収率を得た。
【0067】
以上の方法で合成したE−SPAE−HQ高分子の構造を、1H−NMR、19F−NMR、IRによって分析した。
【0068】
図3の1H−NMR分析結果、単量体のヒドロキシ基のピークがないことを確認することができる。また、高分子のピークに該当する7.51、7.32、7.28ppmにピークが現われ、末端にエチニルの水素ピークが3.16ppmに現われることによって、図4のエチニルフェノール単量体の1H−NMRから明らかなように、エチニル基に置換されたことが分かる。
【0069】
図5の19F−NMR分析結果、2つのピークのみ現われ、デカフルオロビフェニル基のパラ位置にFが重合反応によって離脱したことを確認することができた。
【0070】
図6のIRの分析結果、高分子末端にエチニル基で置換されていることを2900cm−1近くのピークから確認することができた。
【0071】
また、図7の時差走査熱量法(DSC)により、窒素雰囲気下、10℃/minで測定し、高分子の両末端の架橋反応が生じる前の高分子のガラス転移温度(Tg)が215℃であって、現在商用化されているナフィオンに比べて格別に高かった。
【0072】
上記製造した高分子の溶媒に対する溶解度を下記の表3に示す。下記の溶解度測定は、高分子を常温で24時間溶媒に入れた後、高分子の溶解度について測定した。
【0073】
【表3】
【0074】
製造例4:高分子電解質膜(CSPAE−HQ)の製造
上記製造例3で製造し末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)(E−SPAE−HQ)を溶媒に溶解した後、0.45μmのPTFEメンブレインフィルタを利用して濾過した後、きれいなガラス板支持体に高分子溶媒をキャスティング法でガラス板の上に注いだ後、40℃オーブンに24時間放置した後、さらに70℃真空オーブンに24時間放置し、膜が敷かれているガラス板支持体を200℃近くで熱処理を20分以上実施した後、高分子末端の高分子を架橋させるために250℃〜260℃で2時間以上熱処理をした。この時、使用可能な溶媒として、二重極性溶媒が挙げられ、具体的には、N、N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)又はN−メチルピロリドン(NMP)を使用することができる。
【0075】
熱処理が終わった後、常温に冷却し、酸処理を通じて上記反応式で製造した高分子のスルホン部分の塩イオン(Na+、K+、アルキルアンモニウムイオン)を水素に置換する。酸処理する方法は、2規定濃度の硫酸(H2SO4)水溶液、1規定濃度の窒酸(HNO3)水溶液、又は1規定濃度の塩酸(HCl)水溶液に24時間浸漬した後、蒸溜水に24時間浸漬するか、又は、0.5モル濃度の硫酸(H2SO4)水溶液に入れ、2時間加熱する方法を利用するが、酸処理する方法はこれらに限定されるものではない。
【0076】
酸処理した高分子電解質膜を24時間蒸溜水に浸漬した後、陽イオン伝導度を測定する。
【0077】
上記製造例4で製造した高分子膜(CSPAE−HQ)の溶解度測定を下記の表4に示す。
【0078】
【表4】
【0079】
上記表4から明らかなように高分子電解質膜は、いずれの溶媒にも溶解されず、高分子電解質膜が架橋されたことを示しており、化学的に非常に安定化すると共に、寸法安定性に優れていることが分かる。また、製造例4で製造した高分子電解質膜のガラス転移温度(Tg)を時差走査熱量法(DSC)によって窒素雰囲気下、10℃/minで測定したところ、図8に示されるように、224℃であって、架橋される前の高分子の熱的安定性より向上し、現在商用化されているナフィオンに比べて格別に高かった。
【0080】
上記製造例4で製造した高分子膜の水吸収率及び陽イオン伝導度を現在商用化されているナフィオンと比較して下記表5に示す。
【0081】
【表5】
【0082】
上記表5から明らかなように、高分子電解質膜として最も重要な陽イオン伝導度がナフィオンに比べてほぼ2倍程度と向上したことが分かる。
【0083】
また、酸化安定性を測定するために、フェントン試薬を使用して80℃で測定した。フェントン試薬は、2ppmの硫酸第一鉄(FeSO4)が含有されている3%過酸化水素水溶液を使用する。フェントン試薬を使用して測定した結果、4時間の間に膜は全く変化せず、4時間が経過してからある程度溶解し始め、7時間が経過すれば、完全に溶解されるなど、架橋されていない同じ系列のスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)やスルホン化ポリイミドと比較して極めて長時間溶解されなかった。
【0084】
また、メタノール直接型燃料電池(DMFC;direct methanol fuel cell)に適用するために、燃料であるメタノールがどれほど高分子電解質膜を透過するか否かを調べるために、メタノール透過度を測定した。測定値は、現在商用化されているナフィオンの測定値が1.4×10−6cm2s−1であり、上記製造例で製造した高分子電解質膜の測定値が0.6×10−6cm2s−1であって、燃料として使用されるメタノールの透過が少なく現れ、燃料の損失が非常に減少したことが分かった。
【0085】
また、上記製造例4によって製造した高分子電解質膜を図9及び図10に示すように、メタノール直接型燃料電池(DMFC;direct methanol fuel cell)単位セルに適用し、ナフィオンのような環境でセル性能を測定した。
【0086】
メタノール直接型燃料電池の性能は、10日間温度を一定に変化させながら測定し、さらに詳しくは、初めて2日間は温度の変化なく常温で続いて作動させ、3日目から30℃で3時間、60℃で3時間、90℃で3時間、そして残りの15時間は、常温で作動させた。このような方式で3日目から8日間同じ方法で作動させた。7日目から10日目までは性能の変化がなかった。この時、燃料極(アノード;酸化電極)条件は、PtRu触媒が3mg/cm2でカーボンペーパー上にコーティングされており、2モルのメタノールが1mL/min流速で燃料極に供給され、空気極(カソード;還元電極)条件は、Pt触媒が4mg/cm2でカーボンペーパー上にコーティングされており、水分がないドライ酸素が500mL/min流速で空気極に供給された。
【0087】
図9及び図10に示されるように、ナフィオンより同じ温度での分極曲線や電力密度性能側面において格別に高い単位セル性能を示した。また、図11に示されるように、非常に透明であり、膜が非常に柔軟であるなどのセル形成能力も非常に優れていた。
【0088】
製造例5:スルホン化ポリ(アリーレンエーテル)−NP共重合体(SPAE−NP)の製造
【化30】
【0089】
上記製造例1と同一の方法でSPAE−NPを合成し、但し、スルホン化単量体として、2、3−ジヒドロキシナフタレン−6−スルホン酸モノナトリウム塩を使用することが異なる。最終生成物の収率は、90%以上であった。
【0090】
製造例6:末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)−NP共重合体(E−SPAE−NP)の製造
【化31】
【0091】
上記製造例3と同一の方法でE−SPAE−NPを合成し、但し、スルホン化高分子としてSPAE−NPを使用することが異なる。
【0092】
製造例7:スルホン化ポリ(アリーレンエーテル)−mNP共重合体(SPAE−mNP)の製造
【化32】
【0093】
上記製造例1と同一の方法でSPAE−mNPを合成し、但し、スルホン化単量体として1、7−ジヒドロキシナフタレン−3−スルホン酸モノナトリウム塩を使用することが異なる。最終生成物の収率は、90%以上であった。
【0094】
製造例8:末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)−mNP共重合体(E−SPAE−mNP)の製造
【化33】
【0095】
上記製造例3と同一の方法でE−SPAE−mNPを合成し、但し、スルホン化高分子としてSPAE−mNPを使用することが異なる。
【0096】
製造例9:スルホン化ポリ(アリーレンエーテル)−dNP共重合体(SPAE−dNP)の製造
【化34】
【0097】
上記製造例1と同一の方法でSPAE−dNPを合成し、但し、スルホン化単量体として2、7−ジヒドロキシナフタレン−3、6−ジスルホン酸ジナトリウム塩を使用したことが異なり、溶媒としてN、N−ジメチルアセトアミド(DMAc)の代わりにジメチルスルホキシド(DMSO)を使用することが異なる。最終生成物の収率は、80%以上であった。
【0098】
製造例10:末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)−dNP共重合体(E−SPAE−dNP)の製造
【化35】
【0099】
上記製造例3と同一の方法でE−SPAE−dNPを合成し、但し、スルホン化高分子としてSPAE−dNPを使用することが異なり、溶媒としてN、N−ジメチルアセトアミド(DMAc)の代わりにジメチルスルホキシド(DMSO)を使用することが異なる。
【0100】
製造例11:スルホン化ポリ(アリーレンエーテル)−スルファイド−NP共重合体(SPAESI−NP)の製造
【化36】
【0101】
上記製造例1と同一の方法でSPAE−SI−NPを合成し、但し、スルホン化単量体として2、3−ジヒドロキシナフタレン−6−スルホン酸モノナトリウム塩を使用し、ジハライド単量体としてペンタフルオロフェニルスルフィドを使用することが異なる。最終生成物の収率は、90%以上であった。
【0102】
製造例12:末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)−スルファイド−NP共重合体(E−SPAE−SI−NP)の製造
【化37】
【0103】
上記製造例3と同一の方法でE−SPAE−SI−NPを合成し、但し、スルホン化高分子としてSPAESI−NPを使用することが異なる。
【0104】
[第2実施例]
本発明の第2実施例に係るスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体は、末端に架橋構造を有し、下記化学式4で表される。
【0105】
【化38】
【0106】
上記化学式4で、SAr2は、スルホン化芳香族を示す。
【0107】
また、上記化学式4でSAr2は、
【化39】
である。
【0108】
また、化学式4で、Arは、スルホン化されていない芳香族を示し、例えば、
【化40】
である。
【0109】
SAr2及びArの例として開示された分子式で、Yは、炭素と炭素との間が単結合で連結している結合、例えば、
【化41】
であり、Aは、炭素と炭素との間が単結合で連結している結合、例えば、
【化42】
であり、Eは、H、F、C1〜C5又は
【化43】
である。また、Yで、
【化44】
は、連結部分がオルソ、メタ、又はパラ位に位置するベンゼン構造を示し、
【化45】
は、フッ素原子(F)が完全に置換されており、連結部分がオルソ、メタ、又はパラ位に位置するベンゼン構造を意味する。すなわち、
【化46】
というのは、連結部分が
【化47】
に位置するフッ素が完全に置換されたベンゼン構造を意味する。また、Eは、H、F、C1〜C5又は
【化48】
であり、ここで、Hは水素であり、Fはフッ素であり、C1〜C5は、1乃至5個の炭素原子を有する水素もしくはフルオリンで置換されたアルキル構造であり、
【化49】
は、Lがベンゼンに置換されたベンゼン構造である。上記構造式で、Lは、H、F、C1〜C5を示し、Hは水素であり、Fはフッ素であり、C1〜C5は、1乃至5個の炭素原子を有する水素もしくはフルオリンで置換されたアルキル構造である。
【0110】
また、Zは、ベンゼンの炭素と−SO3−M+とが直接連結されている結合、例えば、
【化50】
であり、オルソ、メタ、又はパラ位に位置することができる。Zで、Yは前に説明したYと同じである。
【0111】
M+は、陽イオン電荷を有する対イオンであり、カリウムイオン(K+)、ナトリウムイオン(Na+)、アルキルアミン(+NR4)などを示し、好ましくは、カリウムイオンやナトリウムイオンである。
【0112】
CMは、架橋部分を示し、
【化51】
である。CMで、Rは、R1が置換された、三重結合(エチニル部分;
【化52】
である)、二重結合(ビニル部分;
【化53】
である)又は
【化54】
であり、オルソ、メタ、又はパラ位に位置することができる。上記Rで、Gは、炭素と炭素との間が単結合で連結している結合、例えば、
【化55】
を意味する。また、R1は、H、F、C1〜C5又は
【化56】
である。上記R1で、Hは水素であり、Fはフッ素であり、C1〜C5は1乃至5個の炭素原子を有する水素もしくはフルオリンで置換されたアルキル構造であり、かつR2がオルソ、メタ、パラ位に置換されたベンゼン構造
【化57】
を有する置換体であることを示す。R2は、H、X又はC1〜C5である。上記R2で、Hは水素であり、C1〜C5は、1乃至5個の炭素原子を有する水素もしくはフルオリンで置換されたアルキル構造であり、Xはハロゲン原子(F、Cl、Br)に該当し、Xの場合は、他の高分子鎖のヒドロキシ基との重合を行うことができる機能性基であってもよい。また、上記化学式1で、kは、0.001〜1.000の範囲を有し、sは、s=1−kの値を有し、nは、高分子重合体の繰り返し単位を示し、nは、10〜500の整数を示す。
【0113】
本発明による化学式5の末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を下記の反応式4の製造方法によってさらに具体的に説明する。
【0114】
【化58】
【0115】
上記反応式4は、化学式4を製造するための反応過程に該当する。また、化学式5に該当する高分子重合体を製造する方法は縮重合方法であり、反応に参加する単量体が異なることができる。
【0116】
さらに詳細には、上記反応式4に使用されたスルホン化単量体
【化59】
は、ジハライド単量体を使用する。
【0117】
上記反応式4により末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を製造することができる。
【0118】
また、上記反応式4で、kは、0.001〜1.000の範囲を有し、sは、s=1−kの値を有し、(k+s)/mは、0.800〜1.200の範囲値を示す。また、k、s、mは、反応に参加する単量体のモル比率に該当する。
【0119】
ここで、化学式6は、ヒドロキシで置換された単量体
【化60】
と、ハライドで置換された単量体
【化61】
とに分けられるが、反応式4での(k+s)/mが1.000未満の値を有する場合は、ハライドで置換された単量体
【化62】
を使用し、(k+s)/mが1.000以上の値を有する場合は、ヒドロキシで置換された単量体
【化63】
を使用することができ、化学式6のR2がXの場合には、反応式4で(k+s)/mの値に関係なく、ヒドロキシで置換された単量体
【化64】
を使用することができる。
【0120】
上記反応式4の製造過程を見れば、スルホン化されていないジヒドロキシ単量体を活性化させる。上記活性化過程は、ジヒドロキシ単量体がジハライド単量体との縮重合反応が容易となるように活性化させる過程である。また、上記スルホン化ジハライド単量体及びスルホン化されていないジハライド単量体は、ジヒドロキシ単量体と同一段階で製造工程に投入されることができる。
【0121】
まず、塩基と、共沸溶媒と、非プロトン性極性溶媒とで構成された溶媒の存在下で、0℃〜300℃温度範囲で1乃至100時間縮重合反応し、上記化学式5に該当する高分子重合体を製造する。また、製造の形態によって上記非プロトン性極性溶媒の代わりにプロトン性極性溶媒が使用されることもできる。
【0122】
続いて、上記化学式5の高分子重合体と、上記化学式6のヒドロキシで置換された単量体又はハライドで置換された単量体とを利用して、上記化学式4の末端に架橋構造が置換された高分子重合体を形成する。上記化学式4の形成反応は、上記化学式5の高分子重合体を作る方式と同一の方式を使用する。すなわち、活性化段階及び縮重合段階を利用して上記化学式4の末端に架橋構造で置換された高分子重合体を製造する。また、活性化段階後の縮重合段階以前に共比溶媒を除去する段階をさらに含むことができる。
【0123】
また、本実施例では、上記化学式5で表される高分子の熱的安定性、電気化学的特性、膜形成能力、寸法安定性、機械的安定性、化学的特性、物理的特性、セル性能などを向上させるために、高分子鎖の末端に熱的架橋が可能な架橋結合性基を含むCM(Crosslinkable Moiety)を縮重合反応により置換させることによって、本発明で目的とする化学式4の末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を製造する。
【0124】
本発明が目的する末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体合成のための縮重合反応及び架橋結合性基の導入反応には、塩基としてアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、硫酸塩の中から選択された無機塩基を使用するか、又はアンモニアを含めた通常のアミン類の中から選択された有機塩基を使用することもできる。
【0125】
また、上記反応溶媒として、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N、N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)などの非プロトン性極性溶媒、又はメチレンクロライド(CH2Cl2)、クロロホルム(CH3Cl)、テトラヒドロフラン(THF)などのプロトン性極性溶媒を使用することができ、共沸溶媒として、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを使用することができる。
【0126】
以上説明したような方法で製造した本発明の末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体は、熱的安定性、膜形成能力、機械的安定性、化学的特性、物理的特性、セル性能などにおいて従来のスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体や現在商用化された高分子電解質膜に使用されるナフィオン膜と同等又はそれ以上の水準を維持すると共に、電気化学的特性、特に陽イオン伝導度とセル性能面において格別に向上した効果を示すと共に、水分に長時間露出されても、電解質膜特性の変化がなく、高い寸法安定性を示した。
【0127】
このような本発明は、下記の製造例に基づいてさらに詳しく説明するが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0128】
製造例13:スルホン化ポリ(アリーレンエーテルソルホン)−FBA50共重合体(SPAESO−FBA50)の製造
【化65】
【0129】
上記製造例1と同一の方法でSPAESO−FBA50を合成し、但し、スルホン化単量体として、3、3’−ジスルホネート−4、4’−ジクロロジフェニルスルホンの0.5モル比率のジハライド単量体と、スルホン化されていない単量体として4、4’−ジクロロジフェニルスルホンの0.5モル比率のジハライド単量体と、4、4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフェノールの1モルの比率のジヒドロキシ単量体とを使用した。また、温度を上記製造例1より高く150〜180℃に変化させ、重合を実施した。最終生成物の収率は、87%以上であった。
【0130】
製造例14:末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテルソルホン)−FBA50共重合体(E−SPAESO−FBA50)の製造
【化66】
【0131】
上記製造例3と同一の方法でE−SPAESO−FBA50を合成し、但し、スルホン化高分子としてSPAESO−FBA50を使用し、反応温度を150−180℃範囲で実施したことが異なる。
【0132】
製造例15:スルホン化ポリ(アリーレンエーテルケトン)−FBA50共重合体(SPAEK−FBA50)の製造
【化67】
【0133】
上記製造例1と同一の方法でSPAEK−FBA50を合成し、但し、スルホン化単量体として、3、3’−ジスルホネート−4、4’−ジフルオロベンゾフェノンの0.5モルの比率のジハライド単量体と、スルホン化されていない単量体として4、4’− ジフルオロベンゾフェノンの0.5モルの比率のジハライド単量体と、4、4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフェノールの1モルの比率のジヒドロキシ単量体とを使用した。また、温度を上記製造例1より高く150〜180℃に変化させて、重合を実施した。最終生成物の収率は、93%以上であった。
【0134】
製造例16:末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテルケトン)−FBA50共重合体(E−SPAEK−FBA50)の製造
【化68】
【0135】
上記製造例3と同一の方法でE−SPAEK−FBA50を合成し、但し、スルホン化高分子としてSPAEK−FBA50を使用し、反応温度を150〜180℃範囲で実施したことが異なる。
【0136】
前述したように、本発明の実施例によって高分子電解質膜を製造する場合、高い化学的安定性及び熱的安定性を有することが分かる。また、高分子電解質膜として最も重要な特性である陽イオン伝導度が商用化されたナフィオンより2倍程度と高いことが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0137】
以上説明したように、本発明によれば、末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を利用した高分子電解質膜は、熱的安定性、機械的安定性、化学的安定性、膜形成能力などにおいて従来の商用化された高分子電解質膜と同等又はそれ以上の水準を維持する。また、陽イオン伝導度とセル性能面において従来の高分子電解質膜に比べて格別に向上した効果を示し、水分に長時間露出されても、電解質膜特性の変化がなく、高い寸法安定性を示し、燃料電池又は2次電池などに使用されることができる。
【0138】
上記では、本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、当該技術分野の熟練された当業者は、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更させることができることを理解することができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、スルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体と、その製造方法と、スルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を利用した高分子電解質膜とに関し、より詳細には、末端に架橋構造を有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体と、その製造方法と、スルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を利用した高分子電解質膜とに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、19世紀にグローブ(Grove)が発明した電気化学反応により化学エネルギーを電気エネルギーに変換する電気エネルギー変換システムである。上記燃料電池は、1960年代にジェミニ(Gemini)宇宙船のような特殊な目的で使用されたが、1980年代末から無公害車両の動力源として活用されることが期待され、且つ、現在の爆発的な人口及び電気需要の増加に対応する代替エネルギーとして注目され、全世界的に研究開発が活発に進行されてきた。特にグリーンラウンド(Green Round;気候変化協約)による二酸化炭素の総量規制、低公害自動車義務販売による自動車排気ガスの規制などが間近くなっていて、各国の自動車会社は、燃料電池自動車のような無公害自動車の開発を急いで進行している実情である。また、燃料電池は、建物及び一部地域においての現地設置型小規模発電、潜水艦及び移動通信などのような軍需用発電に直ちに活用されることができる。このような燃料電池は、電気を蓄積する機能はないが、従来の内燃機関に比べて効率が高く、且つ燃料使用量が少なく、硫酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)など環境負荷物質をほとんど排出しない清浄高効率発電装置であって、最近、化石燃料の使用によって提起される環境問題の解決方案として期待される。
【0003】
燃料電池内で陽イオン交換樹脂や陽イオン交換膜として使用される高分子電解質は、数十年間使用されて来ており、倦まず弛まず研究されている分野である。最近、メタノール直接型燃料電池(DMFC;direct methanol fuel cell)や高分子電解質膜燃料電池(PEMFC;polymer electrolyte membrane fuel cell、solid polymer electrolyte fuel cell, solid polymer fuel cell, 又は proton exchange membrane fuel cell)に使用される陽イオンを伝達する媒介体として陽イオン交換膜に対する数多くの研究が進行されている。
【0004】
現在燃料電池分野において広く商用化される陽イオン交換膜として、米国デュポン社の過フッ素化スルホン酸基含有高分子であるNafion(登録商標)系膜が挙げられる。この膜は、飽和水分含量であるとき、0.1S/cmのイオン伝導性と優れた機械的強度及び耐化学性を有している。また、自動車用燃料電池に利用されることができる程度に電解質膜として安定的な性能を有している。また、これと類似の形態の商用膜として、旭ケミカルス社のAciplex-S膜(登録商標)、ダウケミカル社のDow膜、 旭硝子のFlemion膜(登録商標)、ゴア&アソシエイトのGoreSelect膜(登録商標)などが挙げられ、カナダのバラードパワーシステム(Ballard Power System)社がアルファ、ベータ形態で過フッ素化された高分子を開発研究中にある。
【0005】
しかしながら、上記膜は、価格が高価であり、合成方法の複雑性に起因して大量生産が困難であると共に、メタノール直接型燃料電池用のような電気エネルギーシステムにおいてメタノールクロスオーバー現象、高い温度や低い温度で低い陽イオン伝導度を有するなど陽イオン交換膜として効率性が大きく劣化する特性を有しているので、制限的な形態で使用されている。
【0006】
このような短所を有するため、非フッ素系及び部分的にフッ素に置換された陽イオン交換膜について多くの研究が進行されており、その代表的な例として、スルホン化ポリ(フェニレンオキサイド)系、ポリ(フェニレンスルファイド)系、ポリスルホン系、ポリ(パラ−フェニレン)系、ポリスチレン系、ポリエーテルエーテルケトン系、ポリイミド系などが挙げられる。
【0007】
しかしながら、これらのイオン伝導性は、スルホン化程度に比例するので、しきい濃度以上にスルホン化した場合、分子量の低下を避けることができず、水和時に、機械的物性の減少に起因して長時間利用することができない短所を有していて、これを改善するために、スルホン化されている単量体を利用して高分子を製造する方法と、高分子を選択的スルホン化する方法とが研究開発されているが(特許文献1、特許文献2、特許文献3を参照)、高温安定性及び長期使用時に発生し得る問題点を完全に解決してはいない実情である。
【0008】
一方、特許文献4には、ポリイミドの主鎖に直接的にスルホン化反応を誘導した形態、及びスルホン酸基を含むジアミン単量体を使用して多様な形態のスルホン化ポリイミドを製造することが開示されており、従来の陽性子伝導性高分子素材と比較して非常に高い熱的安定性と酸化及び還元安定性とを示している。
【0009】
しかし、高分子を選択的にスルホン化する場合、スルホン化による機械的強度の減少をもたらす短所があり、スルホン酸ジアミン単量体を利用する場合は、溶媒に対して溶解度が良くないため、反応性及び膜形成が円滑でない問題点を有している。
【0010】
したがって、優れた電気化学的特性を有すると共に、高温安定性に優れていて、薄膜製造が容易な、新しい形態の素材開発に対する研究が切実に要求されている実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第5468574号明細書
【特許文献2】米国特許第5679482号明細書
【特許文献3】米国特許第6110616号明細書
【特許文献4】米国特許第6245881号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前述のような問題点を解決するために、本発明の第1目的は、末端に架橋構造を有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を提供することにある。
【0013】
また、本発明の第2目的は、上記第1目的を達成するためのスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体の合成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記第1目的を達成するための本発明は、下記化学式で表される末端に架橋構造を有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を提供する。
【0015】
【化1】
【0016】
上記化学式で、SAr1は、スルホン化芳香族を示し、Arは、スルホン化されていない芳香族を示し、CMは、架橋部分を示す。
【0017】
また、上記化学式で、kは、0.001〜1.000の範囲を有し、sは、s=1−kの値を有し、nは、高分子重合体の繰り返し単位を示し、nは、10乃至500の整数を示す。
【0018】
また、本発明の第1目的は、下記の他の化学式で表される末端に架橋構造を有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を提供することによって達成されることもできる。
【0019】
【化2】
【0020】
上記化学式で、SAr2は、スルホン化芳香族を示し、Arは、スルホン化されていない芳香族を示し、CMは、架橋部分を示す。
【0021】
また、上記化学式で、kは、0.001〜1.000の範囲を有し、sは、s=1−kの値を有し、nは、高分子重合体の繰り返し単位を示し、nは、10乃至500の整数を示す。
【0022】
また、上記第2目的を達成するための本発明は、ジヒドロキシ単量体及びジハライド単量体を利用して高分子重合体を形成し、形成された高分子重合体の末端に縮重合による置換反応を利用して末端に架橋構造を有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を形成する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体(E−SPAE−HQ)の1H−NMRスペクトルを示すものである。
【図2】本発明の末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体(E−SPAE−HQ)の1H−NMRスペクトルを示すものである。
【図3】本発明の末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体(E−SPAE−HQ)の1H−NMRスペクトルを示すものである。
【図4】エチニルフェノールの1H−NMRスペクトルを示すものである。
【図5】本発明の末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体(E−SPAE−HQ)の19F−NMRスペクトルを示すものである。
【図6】本発明の末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体(E−SPAE−HQ)のFT−IRスペクトルを示すものである。
【図7】本発明の末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体(E−SPAE−HQ)のガラス転移温度(Tg)を示すグラフである。
【図8】架橋された高分子電解質膜(CSPAE−HQ)のガラス転移温度(Tg)を示すグラフである。
【図9】Nafion117と架橋された高分子電解質膜(CSPAE−HQ)の温度と時間による分極曲線を示すグラフである。
【図10】Nafion117と架橋された高分子電解質膜(CSPAE−HQ)の温度と時間による電力密度を示すグラフである。
【図11】架橋された高分子電解質膜の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付の図面を参照して本発明による好ましい実施例を詳細に説明する。
【0025】
[第1実施例]
本発明の第1実施例に係るスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体は、末端に架橋構造を有する。上記スルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体は、下記化学式1で表される。
【0026】
【化3】
【0027】
上記化学式1で、SAr1は、スルホン化芳香族を示す。上記化学式1で、SAr1は、例えば、
【化4】
である。
【0028】
また、Arは、スルホン化されていない芳香族を示し、例えば、
【化5】
である。
【0029】
Yは、炭素と炭素との間が単結合で連結している結合、例えば、
【化6】
であり、
Aは、炭素と炭素との間が単結合で連結している結合、例えば、
【化7】
であり、
Eは、H、F、C1〜C5又は
【化8】
である。また、Yで、
【化9】
は、連結部分がオルソ、メタ、又はパラ位に位置するベンゼン構造を示し、
【化10】
は、フッ素原子(F)が完全に置換されており、連結部分がオルソ、メタ、又はパラ位に位置するベンゼン構造を意味する。すなわち、
【化11】
というのは、連結部分が
【化12】
に位置するフッ素が完全に置換されたベンゼン構造を表す。また、Eは、H、F、C1〜C5又は
【化13】
であり、ここで、Hは水素であり、Fはフッ素であり、C1〜C5は、1乃至5個の炭素原子を有する水素もしくはフルオリンで置換されたアルキル構造であり、
【化14】
は、Lがベンゼンに置換されたベンゼン構造である。上記構造式で、Lは、H、F、C1〜C5を示し、Hは水素であり、Fはフッ素であり、C1〜C5は、1乃至5個の炭素原子を有する水素もしくはフルオリンで置換されたアルキル構造である。
【0030】
また、Zは、ベンゼンの炭素と−SO3−M+とが直接連結されている結合、例えば、
【化15】
であり、オルソ、メタ、又はパラ位に位置することができる。Zで、Yは、前述したYと同一である。
【0031】
M+は、陽イオン電荷を有する対イオンであり、カリウムイオン(K+)、ナトリウムイオン(Na+)、アルキルアミン(+NR4)などを示し、好ましくは、カリウムイオンやナトリウムイオンである。
【0032】
CMは、架橋部分を示し、
【化16】
である。CMで、Rは、R1が置換された、三重結合(エチニル部分;
【化17】
である)、二重結合(ビニル部分;
【化18】
である)、又は
【化19】
であり、オルソ、メタ、又はパラ位に位置することができる。上記Rで、Gは、炭素と炭素との間が単結合で連結している結合、例えば、
【化20】
を意味する。また、R1は、H、F、C1〜C5又は
【化21】
である。上記R1で、Hは水素であり、Fはフッ素であり、C1〜C5は1乃至5個の炭素原子を有する水素もしくはフルオリンで置換されたアルキル構造であり、かつR2はオルソ、メタ、又はパラ位に置換されたベンゼン構造
【化22】
を有する置換体であることを示す。R2は、H、X又はC1〜C5である。上記R2で、Hは水素であり、C1〜C5は、1乃至5個の炭素原子を有する水素もしくはフルオリンで置換されたアルキル構造であり、Xは、ハロゲン原子(F、Cl、Br)に該当し、Xの場合は、他の高分子鎖のヒドロキシ基との重合を行うことができる機能性基であってもよい。また、上記化学式1で、kは、0.001〜1.000の範囲を有し、sは、s=1−kの値を有し、nは、高分子重合体の繰り返し単位を示し、nは、10〜500の整数を示す。
【0033】
本発明の第1実施例に係る化学式1の末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を下記反応式1の製造方法によってさらに具体的に説明すれば、次のとおりである。
【0034】
【化23】
【0035】
上記反応式1は、化学式1を製造するための反応過程であり、化学式1に該当する高分子重合体を製造する方法は、縮重合方法であり、反応に参加する単量体が異なることができる。さらに詳細には、上記反応式1に使用されたスルホン化単量体
【化24】
は、ジヒドロキシ単量体を使用する。
【0036】
上記反応式1により末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を製造することができる。
【0037】
また、上記反応式1で、kは、0.001〜1.000の範囲を有し、sは、(1−k)の値を有し、(k+s)/mは、0.800〜1.200の範囲値を示す。また、k、s、mは、反応に参加する単量体のモル比率に該当する。
【0038】
ここで、化学式3は、ヒドロキシで置換された単量体
【化25】
と、ハライドで置換された単量体
【化26】
とに分けられ、反応式1での(k+s)/mが1.000未満の値を有する場合は、ヒドロキシが置換された単量体を使用し、(k+s)/mが1.000以上の値を有する場合は、ハライドで置換された単量体を使用する。化学式3のR2がXの場合には、化学式3で(k+s)/mの値に関係なく、ヒドロキシで置換された単量体
【化27】
を使用することができる。
【0039】
上記反応式1の製造過程を見れば、スルホン化ジヒドロキシ単量体及びスルホン化されていないジヒドロキシ単量体を活性化させる。上記活性化過程は、ジヒドロキシ単量体がジハライド単量体との縮重合反応が容易となるように活性化させる過程である。また、上記スルホン化されていないジハライド単量体は、ジヒドロキシ単量体と同一段階で製造工程に投入されることもできる。
【0040】
まず、塩基と、共沸溶媒と、非プロトン性極性溶媒とで構成された溶媒の存在下で、0℃〜300℃温度範囲で1乃至100時間縮重合反応し、上記化学式2に該当する高分子重合体を製造する。また、製造の形態によって上記非プロトン性極性溶媒の代わりにプロトン性極性溶媒を使用することもできる。
【0041】
続いて、上記化学式2の高分子重合体と、上記化学式3のヒドロキシで置換された単量体又はハライドで置換された単量体とを利用して、上記化学式1の末端に架橋構造で置換された高分子重合体を形成する。
【0042】
上記化学式1の形成反応は、上記化学式2の高分子重合体を形成する方式と同一の方式を使用する。すなわち、活性化段階及び縮重合段階を利用して上記化学式1の末端に架橋構造で置換された高分子重合体を製造する。また、活性化段階後の縮重合段階以前に、共沸溶媒を除去する段階をさらに含むことができる。
【0043】
また、本実施例では、上記化学式2で表される高分子の熱的安定性、電気化学的特性、膜形成能力、寸法安定性、機械的安定性、化学的特性、物理的特性、セル性能などを向上させるために、高分子鎖の末端に熱的架橋が可能な架橋結合性基を含むCM(Crosslinkable Moiety)を縮重合反応により置換させることによって、本発明で目的とする化学式1の末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を製造する。
【0044】
本発明が目的とする末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を合成するための縮重合反応及び架橋結合性基の導入反応には、塩基として、アルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、硫酸塩の中から選択された無機塩基を使用するか、又はアンモニアを含めた通常のアミン類の中から選択された有機塩基を使用することもできる。
【0045】
また、上記反応溶媒として、非プロトン性極性溶媒又はプロトン性極性溶媒を使用することができる。上記非プロトン性極性溶媒として、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N、N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)などを使用し、上記プロトン性極性溶媒として、メチレンクロライド(CH2Cl2)、クロロホルム(CH3Cl)、テトラヒドロフラン(THF)などを使用することができ、共沸溶媒として、ベンゼン、トルエン又はキシレンなどを使用することができる。
【0046】
以上説明したような方法で製造した本発明の末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体は、熱的安定性、膜形成能力、機械的安定性、化学的特性、物理的特性、セル性能などにおいて、従来のスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体や現在商用化された高分子電解質膜に使用されるナフィオン膜と同等又はそれ以上の水準を維持すると共に、電気化学的特性、特に陽イオン伝導度とセル性能面において格別に向上した効果を示すと共に、水分に長時間露出されても、電解質膜特性の変化がないため、高い寸法安定性を示した。
【0047】
このような本発明は、次の製造例に基づいてさらに詳しく説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。
【0048】
製造例1:スルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体(SPAE−HQ)の製造
【化28】
【0049】
撹拌装置、窒素導入管、マグネティックスターラーバー、ディーンスターク(共沸蒸留)装置を装着した100mLの丸い二口フラスコに、ヒドロキノンスルホン酸カリウム塩(3g、13.1423mmol)と、K2CO3(2.15g)と、N、N−ジメチルアセトアミド(DMAc)(50mL)と、ベンゼン(25mL)とを添加した。
【0050】
活性化段階は、温度を135℃〜140℃範囲で6時間まで上げた後、6〜8時間進行され、反応中に副産物として生成した水を、反応溶媒中の1つであるベンゼンとの共沸蒸留方法によって除去し、活性化段階の終了後、ベンゼンを反応器から除去した。
【0051】
その後、デカフルオロビフェニル(4.4g、13.1693mmol)を反応器に添加した後、反応温度を140℃に維持し、12時間以上反応させた。反応が終わった後、500mLのエタノールに沈殿させて、水とエタノールとで数回洗浄した後、60℃で3日間真空乾燥させた。最終生成物として薄い茶色の固体が得られ、90%以上の収率を得た。
【0052】
以上の方法で合成したSPAE−HQ高分子の構造を、1H−NMR、19F−NMRによって分析した。
【0053】
図1の1H−NMR分析結果、単量体のヒドロキシ基ピークがないことを確認することができる。また、高分子のピークに該当する7.51、7.32、7.28ppmにピークが現われた。図2の19F−NMR分析の結果、2つのピークのみ現われ、デカフルオロビフェニル基のパラ位置にFが重合反応によって離脱したことを確認することができた。
【0054】
製造例2:SPAE−HQを利用した高分子電解質膜の製造
上記製造例1で製造したスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)(SPAE−HQ)を溶媒に溶解した後、0.45μmのPTFEメンブレインフィルタを利用して濾過した後、きれいなガラス板支持体に高分子溶媒をキャスティング法でガラス板の上に注いだ後、40℃オーブンに24時間放置した後、さらに70℃真空オーブンに24時間以上放置し、溶媒を完全に除去する。この時、使用可能な溶媒として、二重極性溶媒が挙げられ、具体的には、N、N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)又はN−メチルピロリドン(NMP)を使用することができる。
【0055】
熱処理が終わった後、常温に冷却し、酸処理を通じて上記反応式3で製造した高分子のスルホン部分の塩イオン(Na+、K+、アルキルアンモニウムイオン)を水素に置換する。酸処理する方法は、2規定濃度の硫酸(H2SO4)水溶液、1規定濃度の窒酸(HNO3)水溶液、又は1規定濃度の塩酸(HCl)水溶液に24時間浸漬した後、蒸溜水に24時間浸漬するか、又は、0.5モル濃度の硫酸(H2SO4)水溶液に入れて、2時間加熱する方法を利用するが、酸処理する方法がこれらに限定されるものではない。酸処理した高分子電解質膜を24時間蒸溜水に浸漬した後、陽イオン伝導度を測定する。
【0056】
上記製造例2で製造した高分子膜(SPAE−HQ)の溶解度測定を下記の表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
上記表1から明らかなように、高分子電解質膜は、他の溶媒にある程度影響を受けるが、水に溶解されないことが分かる。これは、水に対する寸法安定性があり、燃料電池のうち水素を燃料として使用するPEMFC(polymer electrolyte membrane fuel cell)に適している。
【0059】
また、製造例2で製造した高分子電解質膜のガラス転移温度(Tg)を時差走査熱量法(DSC)によって10℃/minで窒素雰囲気下で測定したところ、215℃であり、図7に示されたようなE−SPAE−HQの架橋される前の高分子のガラス転移温度と同一で、現在商用化されているナフィオンに比べて熱的安定性が高かった。
【0060】
上記製造例2で製造した高分子膜の水吸収率及び陽イオン伝導度を現在商用化されているナフィオンと比較して下記の表2に示す。
【0061】
【表2】
【0062】
上記表2から明らかなように、高分子電解質膜として最も重要な陽イオン伝導度がナフィオンに比べてほぼ2倍程度と非常に高い値を示す。
【0063】
製造例3:末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体(E−SPAE−HQ)の製造
【化29】
【0064】
上記製造例1で合成した高分子SPAE−HQの末端に3−エチニルフェノール基を導入し、E−SPAE−HQを製造した。
【0065】
すなわち、上記製造例1で合成した高分子溶液にデカフルオロビフェニル単量体の0.2〜0.5倍モル比に該当する量の3−エチニルフェノール及びベンゼン(20mL)、K2CO3(0.7g)を添加し、6時間以上140℃でさらに反応させた後、ベンゼンを完全に除去した。また、反応中に副産物としての水を除去するために、ベンゼンとの共沸蒸留方法によって水を除去した。
【0066】
反応が終わった後、500mLのエタノールに沈殿させ、水とエタノールとで数回洗浄した後、60℃で3日間真空乾燥させた。最終生成物として薄い茶色の固体が得られ、90%以上の収率を得た。
【0067】
以上の方法で合成したE−SPAE−HQ高分子の構造を、1H−NMR、19F−NMR、IRによって分析した。
【0068】
図3の1H−NMR分析結果、単量体のヒドロキシ基のピークがないことを確認することができる。また、高分子のピークに該当する7.51、7.32、7.28ppmにピークが現われ、末端にエチニルの水素ピークが3.16ppmに現われることによって、図4のエチニルフェノール単量体の1H−NMRから明らかなように、エチニル基に置換されたことが分かる。
【0069】
図5の19F−NMR分析結果、2つのピークのみ現われ、デカフルオロビフェニル基のパラ位置にFが重合反応によって離脱したことを確認することができた。
【0070】
図6のIRの分析結果、高分子末端にエチニル基で置換されていることを2900cm−1近くのピークから確認することができた。
【0071】
また、図7の時差走査熱量法(DSC)により、窒素雰囲気下、10℃/minで測定し、高分子の両末端の架橋反応が生じる前の高分子のガラス転移温度(Tg)が215℃であって、現在商用化されているナフィオンに比べて格別に高かった。
【0072】
上記製造した高分子の溶媒に対する溶解度を下記の表3に示す。下記の溶解度測定は、高分子を常温で24時間溶媒に入れた後、高分子の溶解度について測定した。
【0073】
【表3】
【0074】
製造例4:高分子電解質膜(CSPAE−HQ)の製造
上記製造例3で製造し末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)(E−SPAE−HQ)を溶媒に溶解した後、0.45μmのPTFEメンブレインフィルタを利用して濾過した後、きれいなガラス板支持体に高分子溶媒をキャスティング法でガラス板の上に注いだ後、40℃オーブンに24時間放置した後、さらに70℃真空オーブンに24時間放置し、膜が敷かれているガラス板支持体を200℃近くで熱処理を20分以上実施した後、高分子末端の高分子を架橋させるために250℃〜260℃で2時間以上熱処理をした。この時、使用可能な溶媒として、二重極性溶媒が挙げられ、具体的には、N、N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)又はN−メチルピロリドン(NMP)を使用することができる。
【0075】
熱処理が終わった後、常温に冷却し、酸処理を通じて上記反応式で製造した高分子のスルホン部分の塩イオン(Na+、K+、アルキルアンモニウムイオン)を水素に置換する。酸処理する方法は、2規定濃度の硫酸(H2SO4)水溶液、1規定濃度の窒酸(HNO3)水溶液、又は1規定濃度の塩酸(HCl)水溶液に24時間浸漬した後、蒸溜水に24時間浸漬するか、又は、0.5モル濃度の硫酸(H2SO4)水溶液に入れ、2時間加熱する方法を利用するが、酸処理する方法はこれらに限定されるものではない。
【0076】
酸処理した高分子電解質膜を24時間蒸溜水に浸漬した後、陽イオン伝導度を測定する。
【0077】
上記製造例4で製造した高分子膜(CSPAE−HQ)の溶解度測定を下記の表4に示す。
【0078】
【表4】
【0079】
上記表4から明らかなように高分子電解質膜は、いずれの溶媒にも溶解されず、高分子電解質膜が架橋されたことを示しており、化学的に非常に安定化すると共に、寸法安定性に優れていることが分かる。また、製造例4で製造した高分子電解質膜のガラス転移温度(Tg)を時差走査熱量法(DSC)によって窒素雰囲気下、10℃/minで測定したところ、図8に示されるように、224℃であって、架橋される前の高分子の熱的安定性より向上し、現在商用化されているナフィオンに比べて格別に高かった。
【0080】
上記製造例4で製造した高分子膜の水吸収率及び陽イオン伝導度を現在商用化されているナフィオンと比較して下記表5に示す。
【0081】
【表5】
【0082】
上記表5から明らかなように、高分子電解質膜として最も重要な陽イオン伝導度がナフィオンに比べてほぼ2倍程度と向上したことが分かる。
【0083】
また、酸化安定性を測定するために、フェントン試薬を使用して80℃で測定した。フェントン試薬は、2ppmの硫酸第一鉄(FeSO4)が含有されている3%過酸化水素水溶液を使用する。フェントン試薬を使用して測定した結果、4時間の間に膜は全く変化せず、4時間が経過してからある程度溶解し始め、7時間が経過すれば、完全に溶解されるなど、架橋されていない同じ系列のスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)やスルホン化ポリイミドと比較して極めて長時間溶解されなかった。
【0084】
また、メタノール直接型燃料電池(DMFC;direct methanol fuel cell)に適用するために、燃料であるメタノールがどれほど高分子電解質膜を透過するか否かを調べるために、メタノール透過度を測定した。測定値は、現在商用化されているナフィオンの測定値が1.4×10−6cm2s−1であり、上記製造例で製造した高分子電解質膜の測定値が0.6×10−6cm2s−1であって、燃料として使用されるメタノールの透過が少なく現れ、燃料の損失が非常に減少したことが分かった。
【0085】
また、上記製造例4によって製造した高分子電解質膜を図9及び図10に示すように、メタノール直接型燃料電池(DMFC;direct methanol fuel cell)単位セルに適用し、ナフィオンのような環境でセル性能を測定した。
【0086】
メタノール直接型燃料電池の性能は、10日間温度を一定に変化させながら測定し、さらに詳しくは、初めて2日間は温度の変化なく常温で続いて作動させ、3日目から30℃で3時間、60℃で3時間、90℃で3時間、そして残りの15時間は、常温で作動させた。このような方式で3日目から8日間同じ方法で作動させた。7日目から10日目までは性能の変化がなかった。この時、燃料極(アノード;酸化電極)条件は、PtRu触媒が3mg/cm2でカーボンペーパー上にコーティングされており、2モルのメタノールが1mL/min流速で燃料極に供給され、空気極(カソード;還元電極)条件は、Pt触媒が4mg/cm2でカーボンペーパー上にコーティングされており、水分がないドライ酸素が500mL/min流速で空気極に供給された。
【0087】
図9及び図10に示されるように、ナフィオンより同じ温度での分極曲線や電力密度性能側面において格別に高い単位セル性能を示した。また、図11に示されるように、非常に透明であり、膜が非常に柔軟であるなどのセル形成能力も非常に優れていた。
【0088】
製造例5:スルホン化ポリ(アリーレンエーテル)−NP共重合体(SPAE−NP)の製造
【化30】
【0089】
上記製造例1と同一の方法でSPAE−NPを合成し、但し、スルホン化単量体として、2、3−ジヒドロキシナフタレン−6−スルホン酸モノナトリウム塩を使用することが異なる。最終生成物の収率は、90%以上であった。
【0090】
製造例6:末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)−NP共重合体(E−SPAE−NP)の製造
【化31】
【0091】
上記製造例3と同一の方法でE−SPAE−NPを合成し、但し、スルホン化高分子としてSPAE−NPを使用することが異なる。
【0092】
製造例7:スルホン化ポリ(アリーレンエーテル)−mNP共重合体(SPAE−mNP)の製造
【化32】
【0093】
上記製造例1と同一の方法でSPAE−mNPを合成し、但し、スルホン化単量体として1、7−ジヒドロキシナフタレン−3−スルホン酸モノナトリウム塩を使用することが異なる。最終生成物の収率は、90%以上であった。
【0094】
製造例8:末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)−mNP共重合体(E−SPAE−mNP)の製造
【化33】
【0095】
上記製造例3と同一の方法でE−SPAE−mNPを合成し、但し、スルホン化高分子としてSPAE−mNPを使用することが異なる。
【0096】
製造例9:スルホン化ポリ(アリーレンエーテル)−dNP共重合体(SPAE−dNP)の製造
【化34】
【0097】
上記製造例1と同一の方法でSPAE−dNPを合成し、但し、スルホン化単量体として2、7−ジヒドロキシナフタレン−3、6−ジスルホン酸ジナトリウム塩を使用したことが異なり、溶媒としてN、N−ジメチルアセトアミド(DMAc)の代わりにジメチルスルホキシド(DMSO)を使用することが異なる。最終生成物の収率は、80%以上であった。
【0098】
製造例10:末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)−dNP共重合体(E−SPAE−dNP)の製造
【化35】
【0099】
上記製造例3と同一の方法でE−SPAE−dNPを合成し、但し、スルホン化高分子としてSPAE−dNPを使用することが異なり、溶媒としてN、N−ジメチルアセトアミド(DMAc)の代わりにジメチルスルホキシド(DMSO)を使用することが異なる。
【0100】
製造例11:スルホン化ポリ(アリーレンエーテル)−スルファイド−NP共重合体(SPAESI−NP)の製造
【化36】
【0101】
上記製造例1と同一の方法でSPAE−SI−NPを合成し、但し、スルホン化単量体として2、3−ジヒドロキシナフタレン−6−スルホン酸モノナトリウム塩を使用し、ジハライド単量体としてペンタフルオロフェニルスルフィドを使用することが異なる。最終生成物の収率は、90%以上であった。
【0102】
製造例12:末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)−スルファイド−NP共重合体(E−SPAE−SI−NP)の製造
【化37】
【0103】
上記製造例3と同一の方法でE−SPAE−SI−NPを合成し、但し、スルホン化高分子としてSPAESI−NPを使用することが異なる。
【0104】
[第2実施例]
本発明の第2実施例に係るスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体は、末端に架橋構造を有し、下記化学式4で表される。
【0105】
【化38】
【0106】
上記化学式4で、SAr2は、スルホン化芳香族を示す。
【0107】
また、上記化学式4でSAr2は、
【化39】
である。
【0108】
また、化学式4で、Arは、スルホン化されていない芳香族を示し、例えば、
【化40】
である。
【0109】
SAr2及びArの例として開示された分子式で、Yは、炭素と炭素との間が単結合で連結している結合、例えば、
【化41】
であり、Aは、炭素と炭素との間が単結合で連結している結合、例えば、
【化42】
であり、Eは、H、F、C1〜C5又は
【化43】
である。また、Yで、
【化44】
は、連結部分がオルソ、メタ、又はパラ位に位置するベンゼン構造を示し、
【化45】
は、フッ素原子(F)が完全に置換されており、連結部分がオルソ、メタ、又はパラ位に位置するベンゼン構造を意味する。すなわち、
【化46】
というのは、連結部分が
【化47】
に位置するフッ素が完全に置換されたベンゼン構造を意味する。また、Eは、H、F、C1〜C5又は
【化48】
であり、ここで、Hは水素であり、Fはフッ素であり、C1〜C5は、1乃至5個の炭素原子を有する水素もしくはフルオリンで置換されたアルキル構造であり、
【化49】
は、Lがベンゼンに置換されたベンゼン構造である。上記構造式で、Lは、H、F、C1〜C5を示し、Hは水素であり、Fはフッ素であり、C1〜C5は、1乃至5個の炭素原子を有する水素もしくはフルオリンで置換されたアルキル構造である。
【0110】
また、Zは、ベンゼンの炭素と−SO3−M+とが直接連結されている結合、例えば、
【化50】
であり、オルソ、メタ、又はパラ位に位置することができる。Zで、Yは前に説明したYと同じである。
【0111】
M+は、陽イオン電荷を有する対イオンであり、カリウムイオン(K+)、ナトリウムイオン(Na+)、アルキルアミン(+NR4)などを示し、好ましくは、カリウムイオンやナトリウムイオンである。
【0112】
CMは、架橋部分を示し、
【化51】
である。CMで、Rは、R1が置換された、三重結合(エチニル部分;
【化52】
である)、二重結合(ビニル部分;
【化53】
である)又は
【化54】
であり、オルソ、メタ、又はパラ位に位置することができる。上記Rで、Gは、炭素と炭素との間が単結合で連結している結合、例えば、
【化55】
を意味する。また、R1は、H、F、C1〜C5又は
【化56】
である。上記R1で、Hは水素であり、Fはフッ素であり、C1〜C5は1乃至5個の炭素原子を有する水素もしくはフルオリンで置換されたアルキル構造であり、かつR2がオルソ、メタ、パラ位に置換されたベンゼン構造
【化57】
を有する置換体であることを示す。R2は、H、X又はC1〜C5である。上記R2で、Hは水素であり、C1〜C5は、1乃至5個の炭素原子を有する水素もしくはフルオリンで置換されたアルキル構造であり、Xはハロゲン原子(F、Cl、Br)に該当し、Xの場合は、他の高分子鎖のヒドロキシ基との重合を行うことができる機能性基であってもよい。また、上記化学式1で、kは、0.001〜1.000の範囲を有し、sは、s=1−kの値を有し、nは、高分子重合体の繰り返し単位を示し、nは、10〜500の整数を示す。
【0113】
本発明による化学式5の末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を下記の反応式4の製造方法によってさらに具体的に説明する。
【0114】
【化58】
【0115】
上記反応式4は、化学式4を製造するための反応過程に該当する。また、化学式5に該当する高分子重合体を製造する方法は縮重合方法であり、反応に参加する単量体が異なることができる。
【0116】
さらに詳細には、上記反応式4に使用されたスルホン化単量体
【化59】
は、ジハライド単量体を使用する。
【0117】
上記反応式4により末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を製造することができる。
【0118】
また、上記反応式4で、kは、0.001〜1.000の範囲を有し、sは、s=1−kの値を有し、(k+s)/mは、0.800〜1.200の範囲値を示す。また、k、s、mは、反応に参加する単量体のモル比率に該当する。
【0119】
ここで、化学式6は、ヒドロキシで置換された単量体
【化60】
と、ハライドで置換された単量体
【化61】
とに分けられるが、反応式4での(k+s)/mが1.000未満の値を有する場合は、ハライドで置換された単量体
【化62】
を使用し、(k+s)/mが1.000以上の値を有する場合は、ヒドロキシで置換された単量体
【化63】
を使用することができ、化学式6のR2がXの場合には、反応式4で(k+s)/mの値に関係なく、ヒドロキシで置換された単量体
【化64】
を使用することができる。
【0120】
上記反応式4の製造過程を見れば、スルホン化されていないジヒドロキシ単量体を活性化させる。上記活性化過程は、ジヒドロキシ単量体がジハライド単量体との縮重合反応が容易となるように活性化させる過程である。また、上記スルホン化ジハライド単量体及びスルホン化されていないジハライド単量体は、ジヒドロキシ単量体と同一段階で製造工程に投入されることができる。
【0121】
まず、塩基と、共沸溶媒と、非プロトン性極性溶媒とで構成された溶媒の存在下で、0℃〜300℃温度範囲で1乃至100時間縮重合反応し、上記化学式5に該当する高分子重合体を製造する。また、製造の形態によって上記非プロトン性極性溶媒の代わりにプロトン性極性溶媒が使用されることもできる。
【0122】
続いて、上記化学式5の高分子重合体と、上記化学式6のヒドロキシで置換された単量体又はハライドで置換された単量体とを利用して、上記化学式4の末端に架橋構造が置換された高分子重合体を形成する。上記化学式4の形成反応は、上記化学式5の高分子重合体を作る方式と同一の方式を使用する。すなわち、活性化段階及び縮重合段階を利用して上記化学式4の末端に架橋構造で置換された高分子重合体を製造する。また、活性化段階後の縮重合段階以前に共比溶媒を除去する段階をさらに含むことができる。
【0123】
また、本実施例では、上記化学式5で表される高分子の熱的安定性、電気化学的特性、膜形成能力、寸法安定性、機械的安定性、化学的特性、物理的特性、セル性能などを向上させるために、高分子鎖の末端に熱的架橋が可能な架橋結合性基を含むCM(Crosslinkable Moiety)を縮重合反応により置換させることによって、本発明で目的とする化学式4の末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を製造する。
【0124】
本発明が目的する末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体合成のための縮重合反応及び架橋結合性基の導入反応には、塩基としてアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、硫酸塩の中から選択された無機塩基を使用するか、又はアンモニアを含めた通常のアミン類の中から選択された有機塩基を使用することもできる。
【0125】
また、上記反応溶媒として、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N、N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)などの非プロトン性極性溶媒、又はメチレンクロライド(CH2Cl2)、クロロホルム(CH3Cl)、テトラヒドロフラン(THF)などのプロトン性極性溶媒を使用することができ、共沸溶媒として、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを使用することができる。
【0126】
以上説明したような方法で製造した本発明の末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体は、熱的安定性、膜形成能力、機械的安定性、化学的特性、物理的特性、セル性能などにおいて従来のスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体や現在商用化された高分子電解質膜に使用されるナフィオン膜と同等又はそれ以上の水準を維持すると共に、電気化学的特性、特に陽イオン伝導度とセル性能面において格別に向上した効果を示すと共に、水分に長時間露出されても、電解質膜特性の変化がなく、高い寸法安定性を示した。
【0127】
このような本発明は、下記の製造例に基づいてさらに詳しく説明するが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0128】
製造例13:スルホン化ポリ(アリーレンエーテルソルホン)−FBA50共重合体(SPAESO−FBA50)の製造
【化65】
【0129】
上記製造例1と同一の方法でSPAESO−FBA50を合成し、但し、スルホン化単量体として、3、3’−ジスルホネート−4、4’−ジクロロジフェニルスルホンの0.5モル比率のジハライド単量体と、スルホン化されていない単量体として4、4’−ジクロロジフェニルスルホンの0.5モル比率のジハライド単量体と、4、4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフェノールの1モルの比率のジヒドロキシ単量体とを使用した。また、温度を上記製造例1より高く150〜180℃に変化させ、重合を実施した。最終生成物の収率は、87%以上であった。
【0130】
製造例14:末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテルソルホン)−FBA50共重合体(E−SPAESO−FBA50)の製造
【化66】
【0131】
上記製造例3と同一の方法でE−SPAESO−FBA50を合成し、但し、スルホン化高分子としてSPAESO−FBA50を使用し、反応温度を150−180℃範囲で実施したことが異なる。
【0132】
製造例15:スルホン化ポリ(アリーレンエーテルケトン)−FBA50共重合体(SPAEK−FBA50)の製造
【化67】
【0133】
上記製造例1と同一の方法でSPAEK−FBA50を合成し、但し、スルホン化単量体として、3、3’−ジスルホネート−4、4’−ジフルオロベンゾフェノンの0.5モルの比率のジハライド単量体と、スルホン化されていない単量体として4、4’− ジフルオロベンゾフェノンの0.5モルの比率のジハライド単量体と、4、4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフェノールの1モルの比率のジヒドロキシ単量体とを使用した。また、温度を上記製造例1より高く150〜180℃に変化させて、重合を実施した。最終生成物の収率は、93%以上であった。
【0134】
製造例16:末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテルケトン)−FBA50共重合体(E−SPAEK−FBA50)の製造
【化68】
【0135】
上記製造例3と同一の方法でE−SPAEK−FBA50を合成し、但し、スルホン化高分子としてSPAEK−FBA50を使用し、反応温度を150〜180℃範囲で実施したことが異なる。
【0136】
前述したように、本発明の実施例によって高分子電解質膜を製造する場合、高い化学的安定性及び熱的安定性を有することが分かる。また、高分子電解質膜として最も重要な特性である陽イオン伝導度が商用化されたナフィオンより2倍程度と高いことが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0137】
以上説明したように、本発明によれば、末端に架橋構造を含有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を利用した高分子電解質膜は、熱的安定性、機械的安定性、化学的安定性、膜形成能力などにおいて従来の商用化された高分子電解質膜と同等又はそれ以上の水準を維持する。また、陽イオン伝導度とセル性能面において従来の高分子電解質膜に比べて格別に向上した効果を示し、水分に長時間露出されても、電解質膜特性の変化がなく、高い寸法安定性を示し、燃料電池又は2次電池などに使用されることができる。
【0138】
上記では、本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、当該技術分野の熟練された当業者は、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更させることができることを理解することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表される末端に架橋構造を有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体。
【化1】
[式中、SAr1はスルホン化芳香族を、Arはスルホン化されていない芳香族を、CMは架橋部分を示し、kは、0.001〜1.000の範囲を有し、sは、(1−k)の値を有し、nは、高分子重合体の繰り返し単位を示し、10乃至500の整数を示す。]
【請求項2】
上記SAr1は、
【化2】
であり、
Zは、ベンゼンの炭素と−SO3−M+とが直接連結されている結合、例えば、
【化3】
を示し、
Yは、炭素と炭素との間を単結合に連結している結合、例えば、
【化4】
であり、
Aは、炭素と炭素との間が単結合で連結している結合、例えば、
【化5】
であり、
Eは、H、F、C1〜C5又は
【化6】
であり、
Lは、H、F、C1〜C5であり、
前記M+は、陽イオン電荷を有する対イオンであることを特徴とする請求項1に記載のスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体。
【請求項3】
前記陽イオン電荷を有する対イオンは、カリウムイオン、ナトリウムイオン又はアルキルアミンであることを特徴とする請求項2に記載のスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体。
【請求項4】
前記Arは、
【化7】
であり、
Yは、炭素と炭素との間が単結合で連結している結合、例えば、
【化8】
であり、
Aは、炭素と炭素との間が単結合で連結している結合、例えば、
【化9】
であり、
Eは、H、F、C1〜C5又は
【化10】
であり、
Lは、H、F、C1〜C5であることを特徴とする請求項1に記載のスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体。
【請求項5】
前記CMは、
【化11】
であり、
Rは、R1が置換された、三重結合(エチニル部分;
【化12】
である)、二重結合(ビニル部分;
【化13】
である)又は
【化14】
であり、
前記Gは、炭素と炭素との間が単結合で連結している結合、例えば、
【化15】
であり、
R1は、H、F、C1〜C5又は
【化16】
であり、
R2は、H、X又はC1〜C5であることを特徴とする請求項1に記載のスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体。
【請求項6】
スルホン化ジヒドロキシ単量体と、スルホン化されていないジヒドロキシ単量体と、スルホン化されていないジハライド単量体とを利用して下記化学式2の高分子重合体を形成する工程と、
【化17】
前記高分子重合体の末端に縮重合による置換反応を利用して、前記末端に架橋構造を有する下記化学式3のスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を形成する工程と、
【化18】
を備える、末端に架橋構造を有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を形成する方法。
[式中、
SAr1は、スルホン化芳香族を示し、例えば、
【化19】
であり、
Arは、スルホン化されていない芳香族を示し、例えば、
【化20】
であり、
Yは、炭素と炭素との間が単結合で連結している結合、例えば、
【化21】
であり、
Aは、炭素と炭素との間が単結合で連結している結合、例えば、
【化22】
であり、
Eは、H、F、C1〜C5又は
【化23】
であり、
Lは、H、F、又はC1〜C5であり、
Zは、ベンゼンの炭素と−SO3−M+とが直接連結されている結合、例えば、
【化24】
であり、
M+は、陽イオン電荷を有する対イオンであり、
CMは、架橋部分を示し、例えば、
【化25】
であり、前記CMで、Rは、三重結合(エチニル部分;
【化26】
である)、二重結合(ビニル部分;
【化27】
である)、又は
【化28】
であり、
Gは、炭素と炭素との間が単結合で連結している結合、例えば、
【化29】
であり、
R1は、H、F、C1〜C5又は
【化30】
であり、
R2は、H、X又はC1〜C5であり、Xは、ハロゲン原子であり、
kは、0.001〜1.000の範囲を有し、sは、(1−k)の値を有し、(k+s)/mは、0.800〜1.200の範囲値を示す。]
【請求項7】
前記高分子重合体を形成する際に、塩基と、共沸溶媒と、非プロトン性極性溶媒又はプロトン性極性溶媒とを使用し、縮重合反応を10℃乃至300℃の温度範囲で実施することを特徴とする請求項6に記載のスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を形成する方法。
【請求項8】
前記非プロトン性極性溶媒は、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N、N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、及びジメチルスルホキシド(DMSO)を含む群から選択される一つを含み、前記プロトン性極性溶媒は、メチレンクロライド(CH2Cl2)、クロロホルム(CH3Cl)、及びテトラヒドロフラン(THF)を含む群から選択される一つを含み、前記共沸溶媒は、ベンゼン、トルエン、及びキシレンを含む群から選択される一つを含むことを特徴とする請求項7に記載のスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を形成する方法。
【請求項9】
前記置換反応は、ハライドで置換された単量体
【化31】
又は、ヒドロキシで置換された単量体
【化32】
を利用することを特徴とする請求項6に記載のスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を形成する方法。
【請求項10】
前記ハライドで置換された単量体は、(k+s)/mが1以上の場合に使用され、前記ヒドロキシで置換された単量体は、(k+s)/mが1未満の場合に使用され、前記R2がXの場合には、前記ヒドロキシで置換された単量体が使用されることを特徴とする請求項9に記載のスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を形成する方法。
【請求項11】
下記化学式4で表される末端に架橋構造を有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体。
【化33】
[式中、
SAr2は、スルホン化芳香族を示し、Arは、スルホン化されていない芳香族を示し、CMは、架橋部分を示し、kは、0.001〜1.000の範囲を有し、sは、(1−k)の値を有し、nは、高分子重合体の繰り返し単位を示し、10乃至500の整数を示す。]
【請求項12】
前記SAr2は、
【化34】
であり、
前記Arは、
【化35】
であり、
Yは、炭素と炭素との間が単結合で連結している結合、例えば、
【化36】
であり、
Aは、炭素と炭素との間が単結合で連結している結合、例えば、
【化37】
であり、
Eは、H、F、C1〜C5又は
【化38】
であり、
Lは、H、F、又はC1〜C5を示し、
Zは、ベンゼンの炭素と−SO3−M+とが直接連結されている結合、例えば、
【化39】
であり、
前記M+は、陽イオン電荷を有する対イオンであり、例えば、カリウムイオン、ナトリウムイオン又はアルキルアミンであることを特徴とする請求項11に記載のスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体。
【請求項13】
前記CMは、
【化40】
であり、前記CMで、Rは、三重結合(エチニル部分;
【化41】
である)、二重結合(ビニル部分;
【化42】
である)、又は
【化43】
であり、
Gは、炭素と炭素との間が単結合で連結している結合、例えば、
【化44】
であり、
R1は、H、F、C1〜C5又は
【化45】
であり、
R2は、H、X又はC1〜C5であり、
Xは、ハロゲン原子であることを特徴とする請求項11に記載のスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体。
【請求項14】
スルホン化ジハライド単量体と、スルホン化されていないジハライド単量体と、スルホン化されていないジヒドロキシ単量体とを利用して下記化学式5の高分子重合体を形成する工程と、
【化46】
前記高分子重合体の末端に縮重合による置換反応を利用して、前記末端に架橋構造を有する下記化学式6のスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を形成する工程と、
【化47】
を備える、末端に架橋構造を有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を形成する方法。
[式中、
SAr2は、スルホン化芳香族であって、例えば、
【化48】
であり、
前記Arは、
【化49】
であり、
前記Yは、炭素と炭素との間が単結合で連結している結合、例えば、
【化50】
であり、
Aは、炭素と炭素との間が単結合で連結している結合、例えば、
【化51】
であり、
Eは、H、F、C1〜C5又は
【化52】
であり、
Lは、H、F、又はC1〜C5を示し、
Zは、ベンゼンの炭素と−SO3−M+とが直接連結されている結合、例えば、
【化53】
であり、
前記M+は、陽イオン電荷を有する対イオンであって、カリウムイオン、ナトリウムイオン又はアルキルアミンであり、
前記CMは、架橋部分であって、例えば、
【化54】
であり、前記CMで、Rは、R1が置換された、三重結合(エチニル部分;
【化55】
である)、二重結合(ビニル部分;
【化56】
である)、又は
【化57】
であり、
Gは、炭素と炭素との間が単結合で連結している結合、例えば、
【化58】
であり、
R1は、H、F、C1〜C5又は
【化59】
であり、
R2は、H、X又はC1〜C5であり、Xはハロゲン原子である。]
【請求項15】
前記高分子重合体を形成する際に、塩基と、共沸溶媒と、非プロトン性極性溶媒又はプロトン性極性溶媒とを使用し、縮重合反応を10℃乃至300℃温度範囲で実施することを特徴とする請求項14に記載の末端に架橋構造を有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を形成する方法。
【請求項16】
前記非プロトン性極性溶媒は、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N、N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、及びジメチルスルホキシド(DMSO)を含む群から選択される一つを含み、前記プロトン性極性溶媒は、メチレンクロライド(CH2Cl2)、クロロホルム(CH3Cl)、及びテトラヒドロフラン(THF)を含む群から選択される一つを含み、前記共沸溶媒は、ベンゼン、トルエン、及びキシレンを含む群から選択される一つを含むことを特徴とする請求項15に記載のスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を形成する方法。
【請求項17】
前記置換反応は、ハライドで置換された単量体
【化60】
又は、ヒドロキシで置換された単量体
【化61】
を利用することを特徴とする請求項14に記載のスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を形成する方法。
【請求項18】
前記ハライドで置換された単量体は、(k+s)/mが1未満の場合に使用され、前記ヒドロキシで置換された単量体は、(k+s)/mが1以上の場合に使用され、前記R2がXであるときは、(k+s)/mの値に関係なく、前記ヒドロキシで置換された単量体が使用されることを特徴とする請求項17に記載のスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を形成する方法。
【請求項1】
下記化学式1で表される末端に架橋構造を有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体。
【化1】
[式中、SAr1はスルホン化芳香族を、Arはスルホン化されていない芳香族を、CMは架橋部分を示し、kは、0.001〜1.000の範囲を有し、sは、(1−k)の値を有し、nは、高分子重合体の繰り返し単位を示し、10乃至500の整数を示す。]
【請求項2】
上記SAr1は、
【化2】
であり、
Zは、ベンゼンの炭素と−SO3−M+とが直接連結されている結合、例えば、
【化3】
を示し、
Yは、炭素と炭素との間を単結合に連結している結合、例えば、
【化4】
であり、
Aは、炭素と炭素との間が単結合で連結している結合、例えば、
【化5】
であり、
Eは、H、F、C1〜C5又は
【化6】
であり、
Lは、H、F、C1〜C5であり、
前記M+は、陽イオン電荷を有する対イオンであることを特徴とする請求項1に記載のスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体。
【請求項3】
前記陽イオン電荷を有する対イオンは、カリウムイオン、ナトリウムイオン又はアルキルアミンであることを特徴とする請求項2に記載のスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体。
【請求項4】
前記Arは、
【化7】
であり、
Yは、炭素と炭素との間が単結合で連結している結合、例えば、
【化8】
であり、
Aは、炭素と炭素との間が単結合で連結している結合、例えば、
【化9】
であり、
Eは、H、F、C1〜C5又は
【化10】
であり、
Lは、H、F、C1〜C5であることを特徴とする請求項1に記載のスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体。
【請求項5】
前記CMは、
【化11】
であり、
Rは、R1が置換された、三重結合(エチニル部分;
【化12】
である)、二重結合(ビニル部分;
【化13】
である)又は
【化14】
であり、
前記Gは、炭素と炭素との間が単結合で連結している結合、例えば、
【化15】
であり、
R1は、H、F、C1〜C5又は
【化16】
であり、
R2は、H、X又はC1〜C5であることを特徴とする請求項1に記載のスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体。
【請求項6】
スルホン化ジヒドロキシ単量体と、スルホン化されていないジヒドロキシ単量体と、スルホン化されていないジハライド単量体とを利用して下記化学式2の高分子重合体を形成する工程と、
【化17】
前記高分子重合体の末端に縮重合による置換反応を利用して、前記末端に架橋構造を有する下記化学式3のスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を形成する工程と、
【化18】
を備える、末端に架橋構造を有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を形成する方法。
[式中、
SAr1は、スルホン化芳香族を示し、例えば、
【化19】
であり、
Arは、スルホン化されていない芳香族を示し、例えば、
【化20】
であり、
Yは、炭素と炭素との間が単結合で連結している結合、例えば、
【化21】
であり、
Aは、炭素と炭素との間が単結合で連結している結合、例えば、
【化22】
であり、
Eは、H、F、C1〜C5又は
【化23】
であり、
Lは、H、F、又はC1〜C5であり、
Zは、ベンゼンの炭素と−SO3−M+とが直接連結されている結合、例えば、
【化24】
であり、
M+は、陽イオン電荷を有する対イオンであり、
CMは、架橋部分を示し、例えば、
【化25】
であり、前記CMで、Rは、三重結合(エチニル部分;
【化26】
である)、二重結合(ビニル部分;
【化27】
である)、又は
【化28】
であり、
Gは、炭素と炭素との間が単結合で連結している結合、例えば、
【化29】
であり、
R1は、H、F、C1〜C5又は
【化30】
であり、
R2は、H、X又はC1〜C5であり、Xは、ハロゲン原子であり、
kは、0.001〜1.000の範囲を有し、sは、(1−k)の値を有し、(k+s)/mは、0.800〜1.200の範囲値を示す。]
【請求項7】
前記高分子重合体を形成する際に、塩基と、共沸溶媒と、非プロトン性極性溶媒又はプロトン性極性溶媒とを使用し、縮重合反応を10℃乃至300℃の温度範囲で実施することを特徴とする請求項6に記載のスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を形成する方法。
【請求項8】
前記非プロトン性極性溶媒は、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N、N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、及びジメチルスルホキシド(DMSO)を含む群から選択される一つを含み、前記プロトン性極性溶媒は、メチレンクロライド(CH2Cl2)、クロロホルム(CH3Cl)、及びテトラヒドロフラン(THF)を含む群から選択される一つを含み、前記共沸溶媒は、ベンゼン、トルエン、及びキシレンを含む群から選択される一つを含むことを特徴とする請求項7に記載のスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を形成する方法。
【請求項9】
前記置換反応は、ハライドで置換された単量体
【化31】
又は、ヒドロキシで置換された単量体
【化32】
を利用することを特徴とする請求項6に記載のスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を形成する方法。
【請求項10】
前記ハライドで置換された単量体は、(k+s)/mが1以上の場合に使用され、前記ヒドロキシで置換された単量体は、(k+s)/mが1未満の場合に使用され、前記R2がXの場合には、前記ヒドロキシで置換された単量体が使用されることを特徴とする請求項9に記載のスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を形成する方法。
【請求項11】
下記化学式4で表される末端に架橋構造を有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体。
【化33】
[式中、
SAr2は、スルホン化芳香族を示し、Arは、スルホン化されていない芳香族を示し、CMは、架橋部分を示し、kは、0.001〜1.000の範囲を有し、sは、(1−k)の値を有し、nは、高分子重合体の繰り返し単位を示し、10乃至500の整数を示す。]
【請求項12】
前記SAr2は、
【化34】
であり、
前記Arは、
【化35】
であり、
Yは、炭素と炭素との間が単結合で連結している結合、例えば、
【化36】
であり、
Aは、炭素と炭素との間が単結合で連結している結合、例えば、
【化37】
であり、
Eは、H、F、C1〜C5又は
【化38】
であり、
Lは、H、F、又はC1〜C5を示し、
Zは、ベンゼンの炭素と−SO3−M+とが直接連結されている結合、例えば、
【化39】
であり、
前記M+は、陽イオン電荷を有する対イオンであり、例えば、カリウムイオン、ナトリウムイオン又はアルキルアミンであることを特徴とする請求項11に記載のスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体。
【請求項13】
前記CMは、
【化40】
であり、前記CMで、Rは、三重結合(エチニル部分;
【化41】
である)、二重結合(ビニル部分;
【化42】
である)、又は
【化43】
であり、
Gは、炭素と炭素との間が単結合で連結している結合、例えば、
【化44】
であり、
R1は、H、F、C1〜C5又は
【化45】
であり、
R2は、H、X又はC1〜C5であり、
Xは、ハロゲン原子であることを特徴とする請求項11に記載のスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体。
【請求項14】
スルホン化ジハライド単量体と、スルホン化されていないジハライド単量体と、スルホン化されていないジヒドロキシ単量体とを利用して下記化学式5の高分子重合体を形成する工程と、
【化46】
前記高分子重合体の末端に縮重合による置換反応を利用して、前記末端に架橋構造を有する下記化学式6のスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を形成する工程と、
【化47】
を備える、末端に架橋構造を有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を形成する方法。
[式中、
SAr2は、スルホン化芳香族であって、例えば、
【化48】
であり、
前記Arは、
【化49】
であり、
前記Yは、炭素と炭素との間が単結合で連結している結合、例えば、
【化50】
であり、
Aは、炭素と炭素との間が単結合で連結している結合、例えば、
【化51】
であり、
Eは、H、F、C1〜C5又は
【化52】
であり、
Lは、H、F、又はC1〜C5を示し、
Zは、ベンゼンの炭素と−SO3−M+とが直接連結されている結合、例えば、
【化53】
であり、
前記M+は、陽イオン電荷を有する対イオンであって、カリウムイオン、ナトリウムイオン又はアルキルアミンであり、
前記CMは、架橋部分であって、例えば、
【化54】
であり、前記CMで、Rは、R1が置換された、三重結合(エチニル部分;
【化55】
である)、二重結合(ビニル部分;
【化56】
である)、又は
【化57】
であり、
Gは、炭素と炭素との間が単結合で連結している結合、例えば、
【化58】
であり、
R1は、H、F、C1〜C5又は
【化59】
であり、
R2は、H、X又はC1〜C5であり、Xはハロゲン原子である。]
【請求項15】
前記高分子重合体を形成する際に、塩基と、共沸溶媒と、非プロトン性極性溶媒又はプロトン性極性溶媒とを使用し、縮重合反応を10℃乃至300℃温度範囲で実施することを特徴とする請求項14に記載の末端に架橋構造を有するスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を形成する方法。
【請求項16】
前記非プロトン性極性溶媒は、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N、N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、及びジメチルスルホキシド(DMSO)を含む群から選択される一つを含み、前記プロトン性極性溶媒は、メチレンクロライド(CH2Cl2)、クロロホルム(CH3Cl)、及びテトラヒドロフラン(THF)を含む群から選択される一つを含み、前記共沸溶媒は、ベンゼン、トルエン、及びキシレンを含む群から選択される一つを含むことを特徴とする請求項15に記載のスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を形成する方法。
【請求項17】
前記置換反応は、ハライドで置換された単量体
【化60】
又は、ヒドロキシで置換された単量体
【化61】
を利用することを特徴とする請求項14に記載のスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を形成する方法。
【請求項18】
前記ハライドで置換された単量体は、(k+s)/mが1未満の場合に使用され、前記ヒドロキシで置換された単量体は、(k+s)/mが1以上の場合に使用され、前記R2がXであるときは、(k+s)/mの値に関係なく、前記ヒドロキシで置換された単量体が使用されることを特徴とする請求項17に記載のスルホン化ポリ(アリーレンエーテル)共重合体を形成する方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2010−510370(P2010−510370A)
【公表日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−538299(P2009−538299)
【出願日】平成19年3月6日(2007.3.6)
【国際出願番号】PCT/KR2007/001117
【国際公開番号】WO2008/062932
【国際公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(509143332)グワンジュ・インスティテュート・オブ・サイエンス・アンド・テクノロジー (4)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月6日(2007.3.6)
【国際出願番号】PCT/KR2007/001117
【国際公開番号】WO2008/062932
【国際公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(509143332)グワンジュ・インスティテュート・オブ・サイエンス・アンド・テクノロジー (4)
【Fターム(参考)】
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