説明

【課題】支柱とベース部との連結部において十分な強度及び剛性を確保することができるとともに、ベース部にも鞄若しくは資料又は機器等を置くことができる机を提供する。
【解決手段】ベース部2の上面を形成するベース板21を、支柱3の下端部が挿入される開口が設けられた後水平板22、後水平板22よりも前方低くに位置する前水平板23、及び、これら水平板22,23間を繋ぐ、後方に行くにしたがって高くなる傾斜板24により形成し、支柱3との連結部及び上方を開放した略コ字状の補強部を有する中補強部材25を、前記後水平板22、傾斜板24及び前水平板23の下面に添設した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パソコン又はプロジェクター等の機器を載置可能な机に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パソコン又はプロジェクター等の機器が載置される載置板を備えた、パソコンデスク、演台又はプロジェクター台等の机として、前後端部にキャスターを備えた前後方向に延びる細長い略矩形板状の左右のベースと、これらベースの上面後部から鉛直に起立させた左右の支柱と、これら支柱間に横架させた補強パイプと、前記支柱及び支持ブラケットにより支持された上下複数の載置板(天板、棚板)とからなるもの(特許文献1参照)、前後端部にキャスターを備えた前後方向に延びる細長い左右の接地杆と、これら接地杆の上面後部から鉛直に起立させた左右の支柱と、これら支柱間に取り付けたブロックパネルと、前記支柱及びブラケットにより支持された上下複数の載置板とからなるもの(特許文献2参照)、後部左右にキャスターが取り付けられ前方に向けて上下厚を漸減させ、上面に傾斜面が形成されたベース板と、このベース板の後部の左右方向の中央から起立する支柱と、この支柱に支持された載置板(天板)からなるもの(特許文献3参照)等がある。
【0003】
【特許文献1】特開2003−88428号公報(図1)
【特許文献2】特許第3674442号公報(図7)
【特許文献3】意匠登録第1110424号公報(参考斜視図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1及び特許文献2の構成では、左右に離間した前後に細長いベース(接地杆)の上面後部に左右の支柱を連結しているため、載置板上の機器の重量により最も曲げモーメントが掛かる支柱とベースとの連結部の強度及び剛性を上げにくい構成となっている。したがって、重量物の載置時に前記連結部が変形して載置板上の機器が傾いて不安定となる場合やキャスターを使って移動する際に振動が発生する場合がある。また、演台やプロジェクター台等において、人がパソコンやプロジェクターを操作する際にも操作力の大きさや方向によっては、振動が発生して操作性が損なわれることもある。さらに、例えば演台等において、ベース部に講演者の鞄若しくは資料又は機器等を置くことができない。
【0005】
また、特許文献3の構成では、ベース板を設けているが、該ベース板が比較的薄いものであるため十分な強度及び剛性を確保しにくいとともに、載置板上の機器の重量により最も曲げモーメントが掛かる支柱とベース板との連結部において、その強度及び剛性を上げるための構造については配慮がされていない。
【0006】
そこで本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、支柱とベースとの連結部において十分な強度及び剛性を確保することができるとともに、ベース部にも鞄若しくは資料又は機器等を置くことができる机を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る机は、前記課題解決のために、ベース部に支柱を立設し、該支柱により載置板を支持してなる机であって、前記ベース部の上面を形成するベース板を、後水平板、該後水平板よりも前方低くに位置する前水平板、及び、これら水平板間を繋ぐ、後方に行くにしたがって高くなる傾斜板により形成してなるものである。
【0008】
ここで、前記後水平板に前記支柱の下端部が挿入される開口又は切欠を設け、前記支柱との連結部及び上方を開放した略コ字状の補強部を有する中補強部材を、前記後水平板、傾斜板及び前水平板の下面に添設してなると好ましい。
【0009】
また、前記中補強部材を、正面視において上方を開放した略コ字状の前後方向に延びる縦補強部材、並びに、前記縦補強部材の前後において左右方向に延び、前記縦補強部材に固定される前補強部材及び後補強部材により構成してなると好ましい。
【0010】
さらに、前記ベース板の前後端を下側に折り曲げた折曲部を形成し、これら前後の折曲部に当接する側補強部材を、前記後水平板、傾斜板及び前水平板の左右端の下面に添設してなると好ましい。
【0011】
さらにまた、前記後補強部材の左右に後キャスターを取り付けるとともに、前記前補強部材の左右に前記後キャスターよりも小形の前キャスターを取り付けてなると好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る机によれば、ベース部に支柱を立設し、該支柱により載置板を支持してなる机であって、前記ベース部の上面を形成するベース板を、後水平板、該後水平板よりも前方低くに位置する前水平板、及び、これら水平板間を繋ぐ、後方に行くにしたがって高くなる傾斜板により形成してなるので、このようなベース板の形状により、ベース板自体の特にねじり強度及びねじり剛性が高くなる。また、支柱が連結されるベース部の後部(後水平板)の高さが高くなっているため、ベース部後部の強度及び剛性を高める構造とすることが容易となるとともに、後部左右のキャスターとして許容荷重が大きい大径のキャスターを使用することができる。その上、前水平板上に鞄若しくは資料又は機器等を載置することができ、これら載置物の後方へのずれが傾斜板により規制される。その上さらに、ベース部の前部の高さが低くなっているため、ベース板の前端部と床面との間に靴のつま先等が入りにくい。そして、ベース板の前後の水平板間を傾斜板により繋いでいるため、段差を設けているベース板の上面形状が滑らかなものとなり、看者に与える外観の印象がすっきりとしたものになる。
【0013】
また、前記後水平板に前記支柱の下端部が挿入される開口又は切欠を設け、前記支柱との連結部及び上方を開放した略コ字状の補強部を有する中補強部材を、前記後水平板、傾斜板及び前水平板の下面に添設してなると、上記効果に加え、上方を開放した略コ字状の補強部がその上側のベース板と一体化するため、ベース部の強度及び剛性が向上する。そして、このように強度及び剛性が高いベース部において、中補強部材に設けられた連結部に支柱が直結されるため、支柱とベース部との連結部の強度及び剛性が向上する。
【0014】
さらに、前記中補強部材を、正面視において上方を開放した略コ字状の前後方向に延びる縦補強部材、並びに、前記縦補強部材の前後において左右方向に延び、前記縦補強部材に固定される前補強部材及び後補強部材により構成してなると、上記効果に加え、上方を開放した略コ字状の前後方向に延びる縦補強部材と、左右方向に延びる前補強部材及び後補強部材とが一体化して中補強部材が構成され、該中補強部材がその上側のベース板と一体化するため、ベース部の強度及び剛性がさらに向上し、支柱とベース部との連結部の強度及び剛性がさらに向上する。
【0015】
さらにまた、前記ベース板の前後端を下側に折り曲げた折曲部を形成し、これら前後の折曲部に当接する側補強部材を、前記後水平板、傾斜板及び前水平板の左右端の下面に添設してなると、上記効果に加え、左右の側補強部材がベース板の変形を抑制するため、ベース部の強度及び剛性がさらに向上し、支柱とベース部との連結部の強度及び剛性がさらに向上する。その上、ベース部の前部の高さが低くなっているとともに、ベース板の前端に折曲部が形成されているため、ベース板の前端部と床面との間に靴のつま先等が入って挟まることがない。
【0016】
また、前記後補強部材の左右に後キャスターを取り付けるとともに、前記前補強部材の左右に前記後キャスターよりも小形の前キャスターを取り付けてなると、上記効果に加え、強度及び剛性が高い前補強部材及び後補強部材により前後左右のキャスターが支持されるため、これらのキャスターにより机のより安定した移動が可能となる。その上、キャスターがベース板の左右方向外側に露出しないため、机の周囲の人の衣服、例えばズボンの裾等を汚す心配がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、本発明の実施の形態を添付図面に基づき詳細に説明するが、本発明は、添付図面に示された形態に限定されず特許請求の範囲に記載の要件を満たす実施形態の全てを含むものである。なお、本明細書においては、支柱により支持される載置板の支持端から遊端へ向かう方向を前方、その反対側を後方、前方に向かって左側を左方、前方に向かって右側を右方とし、前方から見た図を正面図とする。
【0018】
図1〜図7は、本発明の実施の形態に係る机の例として示す演台の構成を示す説明図であり、図1は左斜め上から見た斜視図、図2は側面図、図3はベース部まわりの分解斜視図、図4は、ベース板に側補強部材を固定し、中補強部材を組み立てた状態を示す分解斜視図、図5は図2のA−A断面図、図6は天板まわりの分解斜視図、図7は図2のB−B断面図である。
【0019】
図1及び図2に示すように、机1は、ベース部2に支柱3が立設され、支柱3により載置板4,5を支持しており、ベース部2の前後左右にキャスター11(前キャスター11F,11F及び後キャスター11B,11B)が取り付けられ、後キャスター11B,11Bのストッパーを解除すれば容易に移動させることができる。天板である載置板4には、例えばノートパソコン、ディスプレイ若しくは書画カメラ等の機器又は講演者の資料等を載置することができ、棚板である載置板5及びベース板21の前水平板23には、例えばデスクトップパソコンの本体、VTR、DVDプレーヤー若しくはビデオプリンター等の機器又は講演者の鞄若しくは資料等を載置することができる。なお、図2には、天板である載置板4のみにノートパソコンPCを載置した状態を示している。
【0020】
次に、支柱3及びベース部2の構造について説明する。図3及び図4に示すように、支柱3は、例えば鋼板の板金プレス加工により製作される中支柱31に、例えばアルミニウム合金の押し出し成形により製作される左右の側支柱32,32を取り付けた構造であり、後述する中補強部材25に取り付けられる下端部3Aが形成される。ベース板21は、支柱3の下端部3Aが挿入される開口22a(切欠であってもよい)が形成された後水平板22、後水平板22よりも前方低くに位置する前水平板23、及び、これら水平板22,23間を繋ぐ、後方に行くにしたがって高くなる傾斜板24により形成されるため、ベース部2の上面である前水平板23上には前記のとおりの機器又は鞄等を載置することができ、傾斜板24により載置物の後方へのずれが規制される。また、このような形状のベース部2を有する机1は、図1及び図2に示すように、ベース部2の前部の高さが低くなっているため、ベース板21の前端部と床面との間に靴のつま先等が入りにくい。そして、ベース板21の前後の水平板23,22間を傾斜板24により繋いでいるため、段差を設けているベース板21の上面形状が滑らかなものとなり、看者に与える外観の印象がすっきりとしたものになる。
【0021】
このようなベース板21の形状により、ベース板21自体の特にねじり強度及びねじり剛性が高くなる。また、支柱3が連結されるベース部2の後部(後水平板22)の高さが高くなっているため、ベース部2後部の強度及び剛性を高める構造とすることが容易となるとともに、後キャスター11B,11Bとして許容荷重が大きい大径のキャスターを使用することができる。なお、後水平板22に開口22aを形成せずに、支柱3をベース板21に直接又は別部品を介して取り付けることもできる。
【0022】
本実施の形態においては、図3に示すように、中補強部材25は、正面視において上方を開放した略コ字状の前後方向に延びる縦補強部材26、並びに、縦補強部材26の前後において左右方向に延び、縦補強部材26に固定される前補強部材28及び後補強部材27により構成される。
【0023】
縦補強部材26は、略水平な前後方向に長い矩形の下板26D及び下板26Dの左右端から起立する左右の側板26S,26S、並びに、左右の側板26S,26Sの後端部から上方に延びる左右の後板26B,26Bからなる。そして、下板26Dの後部にはその左右に係合穴26c,26cが形成され、左右の側板26S,26Sの後部及び前部には、それぞれ上下方向のスリット26a,26a及び上下方向のスリット26b,26bが形成される。
【0024】
また、後補強部材27は、略水平な左右方向に長い矩形の、開口27aが形成された上板27U及び上板27Uの前後端から垂下する前板27F及び後板27Bからなる。そして、前板27Fには、その左右に上下方向のスリット27b,27bが形成され、該スリット27b,27bよりも内側に係合突片27c,27cが突設される。
【0025】
さらに、前補強部材28は、略水平な左右方向に長い矩形の上板28U及び上板28Uの前後端から垂下する前板28F及び後板28Bからなる。そして、後板28Bには、その左右に上下方向のスリット28a,28aが形成される。
【0026】
ここで、上記形状のベース板21、縦補強部材26、後補強部材27及び前補強部材28は、例えば鋼板の板金プレス加工により製作される。なお、ベース板21の側面に、折り曲げや絞り加工で側面部を形成してもよく、このような側面部により、さらに強度及び剛性が高められる。
【0027】
縦補強部材26の後板26B,26Bを後補強部材27の開口27a内に下側から挿入し、スリット26a,26aにスリット27b,27bを係合させ、係合穴26c,26cに係合突片27c,27cを係合させると、縦補強部材26に対して後補強部材27が位置決めされた図4に示す状態となる。また、縦補強部材26のスリット26b,26bに前補強部材28のスリットスリット28a,28aを係合させると、縦補強部材26に対して前補強部材28が位置決めされた図4に示す状態となる。この状態で、縦補強部材26と後補強部材27及び前補強部材28とを溶着すれば、これらが強固に連結されて一体化した中補強部材25となる。
【0028】
また、このように強固に連結され、強度及び剛性が高い中補強部材25の前補強部材28及び後補強部材27の左右には、前キャスター11F,11F及び後キャスター11B,11Bが取り付けられる(キャスターを取り付けた外観は図1及び図2参照)。したがって、強度及び剛性が高い補強部材により前後左右のキャスター11F,11F及び後キャスター11B,11Bが支持されるため、これらのキャスターにより机1のより安定した移動が可能となる。その上、キャスター11F,11F及び後キャスター11B,11Bがベース板21の左右方向外側に露出しないため、机の周囲の人の衣服、例えばズボンの裾等を汚す心配がない。
【0029】
ここで、前キャスター11F,11Fは図4に示す前補強部材28の係合穴28b,…(前板28F及び後板28Bに形成されている)を利用して容易に取り付けることができ、後キャスター11B,11Bは図4に示す後補強部材27のねじ穴27f,…を利用して容易に取り付けることができる。後キャスター11B,11Bにはストッパーが設けられているとともに、後キャスター11B,11Bは首振り回転をしないものであるため、机1の静止状態が保持される。なお、後キャスター11B,11Bは、首振り回転をしないものであるため、後補強部材27の左右にボス部を設け、該ボス部により左右方向の車軸を支持し、該車軸の左右端に車輪を取り付けるようにしてもよい。また、前キャスター11F,11Fは、後キャスター11B,11Bよりも小形のものであり、移動時に操作しやすくするために首振り回転可能なものを採用している。
【0030】
上記構成の中補強部材25において、縦補強部材26の左右の側板26S,26Sの前部上面と前補強部材28の上板28Uの上面とは面一であるとともに、左右の側板26S,26Sの上面はベース板21の後水平板22、傾斜板24及び前水平板23の下面に添う形状とされ、さらに、後補強部材27の水平上面も後水平板22の下面に当接する。したがって、中補強部材25の後板26B,26Bをベース板21の開口22aに挿通し、ベース板21の下面に前補強部材28の上面、縦補強部材26の左右の側板26S,26Sの上面、後補強部材27の上面を当接させ、ベース板21と中補強部材25とを溶着すれば、これらが強固に連結されて一体化する。
【0031】
以上のように、支柱3が連結されるベース部2の後部の高さが高くなっているとともに、上方を開放した略コ字状の補強部25B(図3及び図4参照)がその上側のベース板21に添設され一体化するため、ベース部2の強度及び剛性が向上する。その上、前記補強部25Bを有する中補強部材25が、上方を開放した略コ字状の前後方向に延びる縦補強部材26と、左右方向に延びる前補強部材28及び後補強部材27とを一体化して構成され、上方を開放した略箱状の補強部材がベース部2に添設され一体化されるため、ベース部2の強度及び剛性をさらに向上することができる構造となっている。
【0032】
また、図3に示すように、例えば鋼製の角パイプを曲げ成形してベース板21の後水平板22、傾斜板24及び前水平板23の左右端の下面に添う形状とされた側補強部材29,30を、図4に示すように、ベース板21の左右端の下面に当接させるとともに、前後端をベース板21の前後端を下側に折り曲げた折曲部21F,21Bに当接させ、ベース板21と側補強部材29,30とを溶着すれば、これらが強固に連結され一体化する。そして、左右の側補強部材29,30がベース板21の変形を抑制するため、ベース部2の強度及び剛性がさらに向上する。その上、ベース板の前端に折曲部21Fが形成されているため、ベース板21の前端部と床面との間に靴のつま先等が入って挟まることがない(図1及び図2参照)。なお、前記のようにベース板21の側面に折り曲げや絞り加工で側面部を形成して強度及び剛性を高める構造とした場合には、前記側補強部材29,30を省略することも可能である。
【0033】
次に、ベース部2と支柱3との連結構造について説明する。図4及び図5に示すように、前後方向の取付ねじ12,…を支柱3の下端部3Aの前面に形成した通し穴31a,…を通して中補強部材25のねじ穴27d,…に螺合し、図示しない左右方向の取付ねじを中補強部材25の左右側面に形成した通し穴26f,…(図3参照)を通して下端部3Aの左右側面に形成したねじ穴31b,…に螺合する。
【0034】
また、図2及び図5に示すように、前後方向の取付ねじ13,…を中支柱31の通し穴31c,…、側支柱32の通し穴32a,…を通して中補強部材25のねじ穴26d,…(図4参照)に螺合し、左右方向の取付ねじ14,…を中支柱31の通し穴31d,…、側支柱32の通し穴32b,…を通して中補強部材25のねじ穴26e,…(図4参照)に螺合する。さらに、図4及び図5に示すように、上下方向の取付ねじ15,…を中補強部材25の通し穴27e,…、ベース板21の通し穴22b,…を通して側支柱32のねじ穴32cに螺合する。
【0035】
以上のとおり、強度及び剛性の高い中補強部材25に設けられた連結部25A(図3〜図5参照)と支柱3の下部とが、多方向からの取付ねじにより強固に締結され、直結される。したがって、支柱3とベース部2との連結部の強度及び剛性を大幅に向上することができる。
【0036】
次に、例えば木製又は鋼製の天板である載置板4まわりの構造について説明する。図2、図6及び図7に示すように、支柱3の上部には例えば板金製の左右のブラケット6,6を介して載置板4が取り付けられ、載置板4の後側には例えば板金製の左右の幕板止金具9,9及び合成樹脂又は金属製の板にナットを固定してなる化粧板10,10を介して、例えば合成樹脂、金属、木材(表面にクロス貼りをしてもよい)、厚紙(コーティング及びラミネート加工をしてもよい)又はMDF等の繊維板製の幕板8が載置板4の後端縁から離間した状態で取り付けられる。
【0037】
すなわち、前後方向の取付ねじ16,…を側支柱32の通し穴32d,…を通してブラケット6のねじ穴6a,…に螺合し、左右方向の取付ねじ17,…を中支柱31の通し穴31f、側支柱32の通し穴32e,…を通してブラケット6のねじ穴6b,…に螺合することにより、左右のブラケット6,6が支柱3に強固に取り付けられる。そして、上下方向の取付ねじ18,…をブラケット6,6の通し穴6cを通して載置板4の下面のねじ穴4a,…に螺合することにより、載置板4は支柱3及びブラケット6,6により安定支持される。
【0038】
また、上下方向の取付ねじ19,…を幕板止金具9のダルマ状穴9a,…を通して載置板4の下面後部左右のねじ穴4b,…に螺合することにより、左右の幕板止金具9,9は載置板4に固定される。そして、前後方向の取付ねじ20,…を幕板止金具9の通し穴9b、幕板8の通し穴8aを通して化粧板10のねじ穴10a,…に螺合することにより、幕板8は載置板4に取り付けられる。なお、取付ねじ19,…を外さなくても、これらを緩めて載置板4に対して幕板止金具9,9を後方へ移動させることにより、幕板止金具9,9のダルマ状孔9a,…を利用して、左右の幕板止金具9,9及び化粧板10,10により挟持された幕板8のセットを一体として取り外すことができる。また、ダルマ状孔9a,…を取付ねじ19,…に外嵌して幕板止金具9,9を前方へ移動させた状態で取付ねじ19,…を締めることにより、前記幕板止金具9,9、化粧板10,10及び幕板8のセットを、一体として載置板4に取り付けることができる。
【0039】
次に、例えば木製又は鋼製の棚板である載置板5の取付について説明する。図2に示すように、載置板5は例えば板金製の左右のブラケット7,7に固定され、これらブラケット7,7の後端に設けられた図示しない係止片を支柱3に形成した係止穴に係合させることにより、載置板5は支柱3に支持され、その高さ位置の変更も容易である。
【0040】
次に、載置板4,5上に載置した機器への配線方法について説明する。支柱3は後側を開放しており、上下に配線を通すための空間が設けられている。そして、配線処理後に配線を隠すための例えば板金製の配線カバー33が、係止片33a,…(図4及び図6参照)により支柱3に係止され、該配線カバー33の着脱は容易である。
【0041】
したがって、配線カバー33を外した状態で外部からの電源ケーブル又は通信ケーブル等を支柱3後側の前記空間に導入して載置板4,5上の機器と配線し、前記空間を利用して上下の載置板4,5上の機器間の配線を行う。なお、支柱3の上側には、図6に示すように、左右の側支柱32,32の上端に係合する基体34A,34A及び該基体34A,34Aにより上下方向に回動可能に支持された蓋体34Bからなる、例えば合成樹脂製の支柱上カバー34が取り付けられる。この支柱上カバー34は、側方から配線を見え難くするとともに、配線量が多い場合やコンセント又はプラグ等の比較的大きな部品を通す場合に前記蓋体34Bを開いて使用することができる。
【0042】
なお、載置板5上の機器との配線は図1及び図6に示すケーブル挿通口31eを通して行うことができる。また、載置板4上の機器との配線又は幕板8上に電子ペーパー若しくはカラー有機ELディスプレイ等の表示媒体を保持した場合における幕板8上の表示媒体との配線は、支柱3上部の後側から載置板4の後端縁と幕板8との間を通して行うことができる。そして、配線カバー33の上下には配線挿通口33c,33bが形成されており(図6及び図4参照)、上側の配線挿通口33cの後側には幕板8が位置し、演台である机1の後側(聴衆側)から見える配線は、配線カバー33の下側の配線挿通口33bを通る配線のみであり、支柱3の裏側の配線処理が視認されないため、すっきりとした外観の印象を与えることができる。なお、図1に示す机1において棚板である載置板5を設けない場合は、ケーブル挿通口31eが不要であるため、支柱3(中支柱31)としてケーブル挿通口31eがないものを使用することができる。
【0043】
図8は本発明の実施の形態に係る机1の別の例として示すプロジェクター台の構成を示す側面図であり、図2と同一符号は同一又は相当する部分を示している。図8では、天板である載置板4上にプロジェクターPJを載置しており、図2において、幕板8等を取り外した状態に相当する構成となっている。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施の形態に係る演台の斜視図である。
【図2】同じく側面図である。
【図3】同じくベース部まわりの分解斜視図である。
【図4】同じくベース板に側補強部材を固定し中補強部材を組み立てた状態を示す分解斜視図である。
【図5】図2のA−A断面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る演台の天板まわりの分解斜視図である。
【図7】図2のB−B断面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係るプロジェクター台の側面図である。
【符号の説明】
【0045】
1 机
2 ベース部
3 支柱
3A 下端部
4,5 載置板
4a,4b ねじ穴
6 ブラケット
6a,6b ねじ穴
6c 通し穴
7 ブラケット
8 幕板
8a 通し穴
9 幕板止金具
9a ダルマ状穴
9b 通し穴
10 化粧板
10a ねじ穴
11 キャスター
11B 後キャスター
11F 前キャスター
12〜20 取付ねじ
21 ベース板
21B 後折曲部
21F 前折曲部
22 後水平板
22a 開口
22b 通し穴
23 前水平板
24 傾斜板
25 中補強部材
25A 連結部
25B 補強部
26 縦補強部材
26B 後板
26D 下板
26S 側板
26a,26b スリット
26c 係合穴
26d,26e ねじ穴
26f 通し穴
27 後補強部材
27B 後板
27F 前板
27U 上板
27a 開口
27b スリット
27c 係合突片
27d ねじ穴
27e 通し穴
27f ねじ穴
28 前補強部材
28B 後板
28F 前板
28U 上板
28a スリット
28b 係合穴
29,30 側補強部材
31 中支柱
31a 通し穴
31b ねじ穴
31c,31d 通し穴
31e ケーブル挿通口
31f 通し穴
32 側支柱
32a,32b 通し穴
32c ねじ穴
32d,32e 通し穴
33 配線カバー
33a 係止片
33b,33c ケーブル挿通口
34 支柱上カバー
34A 基体
34B 蓋体
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部に支柱を立設し、該支柱により載置板を支持してなる机であって、
前記ベース部の上面を形成するベース板を、後水平板、該後水平板よりも前方低くに位置する前水平板、及び、これら水平板間を繋ぐ、後方に行くにしたがって高くなる傾斜板により形成してなることを特徴とする机。
【請求項2】
前記後水平板に前記支柱の下端部が挿入される開口又は切欠を設け、前記支柱との連結部及び上方を開放した略コ字状の補強部を有する中補強部材を、前記後水平板、傾斜板及び前水平板の下面に添設してなる請求項1記載の机。
【請求項3】
前記中補強部材を、正面視において上方を開放した略コ字状の前後方向に延びる縦補強部材、並びに、前記縦補強部材の前後において左右方向に延び、前記縦補強部材に固定される前補強部材及び後補強部材により構成してなる請求項2記載の机。
【請求項4】
前記ベース板の前後端を下側に折り曲げた折曲部を形成し、これら前後の折曲部に当接する側補強部材を、前記後水平板、傾斜板及び前水平板の左右端の下面に添設してなる請求項1記載の机。
【請求項5】
前記後補強部材の左右に後キャスターを取り付けるとともに、前記前補強部材の左右に前記後キャスターよりも小形の前キャスターを取り付けてなる請求項3記載の机。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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