説明

杜仲葉緑色乾燥品の製造方法

【課題】 鮮やかな緑色を有しつつ、イリドイド類やポリフェノール等の高機能成分を高濃度で含有する杜仲葉緑色乾燥品の製造方法を提供する。
【解決手段】 杜仲生葉を、葉同士が互いに接触しないように略均等の間隔に並べ、並べた葉の状態を維持しつつ遠赤外線を照射して加熱し、加熱開始後30分以内に葉中水分量が乾燥前水分量の30%以下になるまで加熱乾燥することによって、鮮やかな緑色を有しつつ、イリドイド類やポリフェノール等の高機能成分を高濃度で含有する杜仲葉緑色乾燥品が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、杜仲葉の緑色乾燥品の製造方法、特に鮮やかな緑色を有しつつ、杜仲葉に含有されるイリドイド類やポリフェノール等の高機能成分を分解することなく杜仲葉を乾燥する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
杜仲の樹皮は中国五大漢方薬のひとつとして古来より珍重され、近年では、日本茶、桑茶などの未発酵茶、紅茶、ウーロン茶などの発酵茶と同様に、飲用茶として注目されている(特許文献1参照)。杜仲葉には、イリドイド類、ポリフェノール類等の機能性成分が多く含有されており、特にイリドイド類は血圧降下作用や鎮痛作用、脂質代謝の改善に有用であることが示されており(非特許文献1,非特許文献2参照)、健康茶、機能性食品としても注目されている。
【0003】
しかしながら、杜仲葉に含まれるイリドイド類は配糖体として存在し安定化しているものの、葉を収穫した段階から、葉に含有される酵素(グルコシダーゼ)による自己消化作用が進行し、アグリコンの状態となって不安定化して減少してしまう。この他にも、葉を折ったり傷つけたり、乾燥過程で葉の収縮による物理的ストレスで細胞壁の破壊が起こるため、自己消化作用がさらに促進されることがある。また、収穫後の杜仲葉は、放置することで次第に紫色を呈し、加えて、以上のような物理的ストレスによってさらに変色が進みやすくなり、外観も非常に悪くなる。
【0004】
杜仲葉は、一般に発酵茶として飲料用の乾燥茶葉が広く流通している。発酵茶は、発酵過程において、自己消化作用と同様にイリドイド類の糖が外れて、アグリコンの状態となり、イリドイド類は容易に分解されてしまう。そこで、これらの杜仲葉に含まれる高機能成分を分解することなく、また、食品として味覚を高めた杜仲乾燥茶葉食品の製法が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−150961号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Health Science Vol.20 No.2(2004)P166−176
【非特許文献2】Journal of Atherosclerosis Thrombosis Vol.12, No.4(2005)P185−190
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであって、その解決すべき課題は、鮮やかな緑色を有しつつ、イリドイド類やポリフェノール等の高機能成分を高濃度で含有する杜仲葉緑色乾燥品の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記従来技術の課題を解決するため、本発明者らが、できるだけ葉にストレスをかけることなく、酵素反応及び自己消化作用に要する葉中の水分を速やかに除去することに着目して鋭意検討を行なった結果、適採後の杜仲生葉を、葉同士が互いに接触しないように略均等の間隔に並べ、並べた葉の状態を維持しつつ遠赤外線を照射して加熱し、加熱開始後30分以内に葉中水分量が乾燥前水分量の30%以下になるまで加熱乾燥することによって、鮮やかな緑色を有しつつ、イリドイド類やポリフェノール等の高機能成分を高濃度で含有する杜仲葉緑色乾燥品が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明にかかる杜仲葉緑色乾燥品の製造方法は、杜仲生葉を、葉同士が互いに接触しないように略均等の間隔に並べ、並べた葉の状態を維持しつつ遠赤外線を照射して加熱し、加熱開始後30分以内に葉中水分量が乾燥前水分量の30%以下になるまで加熱乾燥することを特徴とするものである。
【0010】
また、前記方法において、加熱乾燥処理の開始から終了まで、湿度30%以下の雰囲気下にて加熱乾燥することが好適である。
また、前記方法において、加熱乾燥処理の開始から終了まで、温度60〜150℃の雰囲気下にて乾燥することが好適である。
【0011】
また、前記方法において、加熱乾燥処理の開始から終了まで、赤外線非接触温度計により計測した葉の最高温度が60〜160℃となる範囲で加熱乾燥することが好適である。
【0012】
また、前記方法において、予め裁断することなく適採したそのままの形状の杜仲生葉を、葉中水分量が乾燥前水分量の30%以下になるまで遠赤外線によって加熱乾燥し、その後、杜仲葉を葉脈とその両側の部分との三片に裁断し、それぞれの片について葉中水分量が乾燥前水分量の5%以下になるまで乾燥することが好適である。
また、前記方法において、摘採後の杜仲生葉を、葉脈とその両側の部分との三片に裁断した状態で、葉中水分量が乾燥前水分量の30%以下になるまで遠赤外線によって加熱乾燥し、その後、それぞれの片について葉中水分量が乾燥前水分量の5%以下になるまで乾燥することが好適である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の製造方法によれば、杜仲生葉を、葉同士が互いに接触しないように略均等の間隔に並べ、並べた葉の状態を維持しつつ遠赤外線を照射して加熱し、加熱開始後30分以内に葉中水分量が乾燥前水分量の30%以下になるまで加熱乾燥することによって、鮮やかな緑色を有しつつ、イリドイド類やポリフェノール等の高機能成分を高濃度で含有する杜仲葉緑色乾燥品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明にかかる遠赤外線による加熱乾燥処理工程の一実施例を示す図である。
【図2】実施例1及び2の遠赤外線加熱乾燥処理工程における葉の表面温度の時間変化を示した図である。
【図3】実施例3の遠赤外線加熱乾燥処理工程における葉の表面温度の時間変化を示した図である。
【図4】実施例4の遠赤外線加熱乾燥処理工程における葉の表面温度の時間変化を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明にかかる杜仲葉緑色乾燥品の製造方法は、杜仲生葉を、葉同士が互いに接触しないように略均等の間隔に並べ、並べた葉の状態を維持しつつ遠赤外線を照射して加熱し、加熱開始後30分以内に葉中水分量が乾燥前水分量の30%以下になるまで加熱乾燥することを特徴とするものである。
【0016】
従来の杜仲葉の緑色乾燥品の製法としては、蒸煮加熱により酵素を失活させて発酵の進行を抑えることで、緑色を保持し、酵素による分解反応を抑止して経時による劣化を防ぐことが行われているものの、イリドイド類、ポリフェノール類等の高機能成分が熱劣化したり、蒸気により溶出・散逸し、著しく減少してしまうという問題があった。あるいは、杜仲葉を釜炒り機等を用いて直接葉を加熱処理し、酵素を失活させる方法も行なわれているものの、葉の温度が高温になり過ぎてしまい、高機能性成分の熱分解を生じてしまうため、必ずしもこれら高機能成分が十分な含有量で保持されていたものとは言い難い。一方で、これら高機能性成分の熱劣化あるいは蒸気による溶出・散逸等を避けるために、比較的低温によって加熱処理を行なうことも考えられるものの、この場合、酵素の失活が十分でなく、加えて茶葉の乾燥に非常に長い時間を要してしまうため、処理中に酵素反応や自己消化作用が進行してしまうという問題がある。
【0017】
なお、杜仲葉は、収穫後、放置すると次第に紫色を呈し、特に高湿度では紫色を呈しやすく、また葉脈部は濃い紫色に変色する。この原因は明らかではないが、例えば、クチナシ色素に見られるように、イリドイド類による天然色素の生成が考えられる。また、最近では、モクセイ科の植物イボタで、昆虫の食害によりイリドイド配糖体とグルコシダーゼが蛋白質変性に重要な役割をすることが報告されている。杜仲葉は傷ついた部分、歪や圧力がかかった部分から変色が進みやすいことからも、細胞小器官に含まれるグルコシダーゼ、ポリフェノールオキシダーゼなどの酵素が何らかの理由で、小胞体の外に散逸し、杜仲葉に含まれるイリドイド配糖体が蛋白質の架橋剤となり、蛋白質と結合して色素を生成している可能性が考えられる。
【0018】
ここで、これらの自己消化作用は含水条件下で生じるものと考えられるため、杜仲生葉の変色及びイリドイド類等の減少を防ぐためには、できるだけ葉にストレスをかけることなく、酵素反応及び自己消化作用に要する葉中の水分を速やかに除去することによって、酵素反応及び自己消化作用を生じないようにすることが重要であると考えられる。
【0019】
これらのことから、本発明は、(1)できるだけ葉にストレスをかけることなく、(2)酵素反応及び自己消化作用に要する葉中の水分を速やかに除去すること、に着目して検討を行った。そして、本発明者らは、適採後の杜仲生葉を、葉同士が互いに接触しないように略均等の間隔に並べ、並べた葉の状態を維持しつつ遠赤外線を照射して加熱し、加熱開始後30分以内に葉中水分量が乾燥前水分量の30%以下になるまで加熱乾燥することによって、葉にほとんどストレスをかけることなく、短時間で速やかに酵素反応及び自己消化作用に要する葉中の水分を除去することができ、この結果、鮮やかな緑色を保持し、且つイリドイド類やポリフェノール等の高機能性成分の減少が低く抑えられ、これらの高機能性成分を高濃度で含有する杜仲葉緑色乾燥品が得られることを見出した。
【0020】
本発明の製造方法において、原料として使用する杜仲生葉は、収獲後加熱乾燥処理あるいは蒸煮処理に供される前の杜仲葉を意味するものであり、栽培により生産されたものであっても天然より生産されたものであってもよい。例えば、当年葉で落葉前の生葉、神奈川県内においては、例えば、4〜10月、好ましくは5〜8月、より好ましくは7〜8月に採取した生葉を用いることができる。
【0021】
本発明の製造方法においては、原料杜仲生葉に対して、遠赤外線を照射することによって加熱乾燥処理を行なう。遠赤外線の照射には、市販の遠赤外線ヒーターを使用することができる。市販の遠赤外線ヒーターとしては、固定式あるいはコンベア式の遠赤外線加熱装置を使用することができ、より具体的には、例えば、MS−400T(ジャード社製)、CLF−AN−225S(ノリタケ社製)を使用することができる。特に、送風部を備えた遠赤外線加熱装置を使用することが望ましい。照射される遠赤外線の波長は、例えば、1〜1000μm、好ましくは2.5〜50μmの範囲から適宜選択することができる。
【0022】
また、本発明の製造方法においては、遠赤外線による加熱乾燥処理を行なう際、杜仲生葉の葉同士が互いに接触しないように略均等に並べ、並べた葉の状態を維持した状態で、遠赤外線を照射する必要がある。例えば、杜仲生葉をロータリー式乾燥炉の回転ドラム等に入れ、葉を回転させた状態で加熱乾燥すると、杜仲葉とドラムあるいは葉同士の接触により歪みや圧力を生じてしまうため、自己消化作用により杜仲葉の変色が生じ易くなる。また、遠赤外線照射部と葉との距離が一定でないため、加熱ムラが生じたり、あるいは葉から蒸散した水蒸気によって葉周辺の湿度が上昇し、蒸気による有用成分の溶出を生じてしまう場合がある。これに対して、本発明の製造方法では、杜仲生葉の葉同士が互いに接触しないように略均等に並べ、並べた葉の状態を維持した状態で、遠赤外線を照射することによって、葉同士あるいは葉と装置の接触等によるストレスを生じず、ほとんどストレスのない状態で、速やかに葉中の水分を除去することができるため、鮮やかな緑色を有しつつ、有用成分を高濃度で含有する杜仲葉緑色乾燥品が得られる。なお、本発明の製造方法においては、葉同士が互いに接触しない状態であれば、例えば、上下二段の乾燥棚に並べた状態で、遠赤外線を照射しても構わない。
【0023】
また、本発明の製造方法において、遠赤外線による加熱乾燥処理は、少なくとも杜仲葉の水分量が乾燥前水分量の30%以下になるまで行なう。ここで、乾燥前水分量とは、遠赤外線による加熱乾燥処理に供する直前の杜仲葉に含まれる水分量を意味する。すなわち、本発明の製造方法においては、例えば、加熱乾燥処理に供する前の杜仲葉に含まれる水分量が100gであった場合に、葉中に残存する水分量が30g以下になるまで、遠赤外線による加熱乾燥処理を行なう。なお、植物中に含まれる水分は、自由水と結合水とに分類され、自由水は細胞内外を自由に移動することができるものの、結合水は組織中に結合されているために自由に移動することができない。このうち、酵素反応や自己消化作用において利用可能な水分は自由水のみであり、杜仲葉に含まれる全ての水分のうち、自由水の割合は約70%、結合水の割合は約30%程度であると考えられる。すなわち、杜仲葉において酵素反応及び自己消化作用が進行するためには、葉中に自由水が含まれている必要があるものの、本発明の製造方法においては、速やかに葉中の水分量を乾燥前水分量の30%以下まで減少させることによって、葉中に含まれる自由水のほぼ全量が除去されるため、酵素反応及び自己消化作用の進行が顕著に妨げられる。さらに、酵素反応及び自己消化作用をより確実に停止するためには、より少ない水分量となるまで処理することが望ましく、好ましくは乾燥前水分量の15%以下、より好ましくは乾燥前水分量の10%以下となるまで、遠赤外線による加熱乾燥処理を行なうことが望ましい。
【0024】
なお、加熱乾燥処理工程において、葉中の水分の除去速度が遅くなると、水分除去に要する時間に応じて自己消化反応が徐々に進行し、杜仲葉の変色及びイリドイド類の減少を招くことになる。このため、例えば、葉中水分量を乾燥前水分量の30%以下まで減少するのに30分を超える時間を要すると、杜仲葉が変色を生じたり、有用成分が著しく減少してしまう場合がある。したがって、酵素反応及び自己消化作用をより確実に停止するためには、より速やかに葉中水分を除去することが望ましく、好ましくは20分以内、より好ましくは10分以内に、葉中水分量を乾燥前水分量の30%以下まで乾燥することが望ましい。
【0025】
また、遠赤外線による加熱乾燥処理において、加熱処理の開始から終了まで、湿度30%以下、より好ましくは10%以下の雰囲気下にて乾燥処理を行なうことが望ましい。なお、通常の場合、加熱乾燥処理においては、葉表面からの水分の蒸発が起こるため、乾燥の進行とともに雰囲気湿度が上昇する。しかしながら、遠赤外線による加熱乾燥処理中に雰囲気湿度が10%を超えると、葉表面からの水分の気化が進みにくくなり、短時間で葉中の水分を除去することが難しくなる。例えば、密閉式の乾燥機を用いた場合、葉中水分の気化によって、雰囲気湿度が著しく上昇する。また、さらに湿度が上昇して水蒸気が飽和すると、気化熱が生じなくなって不必要に葉温が上昇してしまったり、あるいは蒸気中への有用成分の流失が生じる恐れもある。なお、加熱乾燥処理工程中の湿度を30%以下に維持するためには、例えば、乾燥工程中への送風手段を設けることによって適宜調節すればよい。ここで、葉温を必要以上に上昇させないため、送風温度は110℃以下、より好ましくは60〜140℃、さらに好ましくは70〜110℃の範囲で行うことが望ましい。
【0026】
また、遠赤外線による加熱乾燥処理においては、雰囲気温度は60〜150℃が好ましく、さらに好ましくは80〜120℃である。このため、雰囲気温度が前記範囲内となるように、乾燥工程中への送風等の手段によって調整することが望ましい。雰囲気温度が60℃未満では、乾燥に時間がかかりすぎて、酵素反応及び自己消化作用による変色あるいは高機能性成分の劣化を生じる場合がある。一方で、雰囲気温度が150℃を超えると、葉の表面のみが急激に乾燥されて、表面が焦げてしまったり、葉にストレスを生じて自己消化作用による変色を生じる場合がある。また、雰囲気温度が葉の温度よりも高温であると、葉の表面のみが優先して乾燥されて加熱ムラを生じる場合があるため、雰囲気温度が葉の温度よりも低い温度となるように、送風手段等によって調整することがより望ましい。
【0027】
また、遠赤外線による加熱乾燥処理において、赤外線非接触温度計により計測した葉の最高温度が60〜160℃、より好ましくは80〜140℃の範囲となるように、遠赤外線の照射強度等を適宜制御することが望ましい。葉の温度が60℃未満では、乾燥に時間がかかりすぎて、酵素反応及び自己消化作用による変色あるいは高機能性成分の劣化を生じる場合があり、一方で160℃を超えると、乾燥処理によって葉が焦げてしまい、鮮やかな緑色の製品が得られなくなる。
【0028】
図1に、本発明の製造方法における遠赤外線による加熱乾燥処理工程の一実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
コンベア式の遠赤外線乾燥装置10は、乾燥室12の内部に、遠赤外線照射部14及び送風部16が設けられている。また、コンベア18は、一方から乾燥室12を通過して他方へと連続して移動可能なように設けられている。
【0029】
遠赤外線による加熱乾燥処理工程に供する杜仲葉20は、コンベア18上に葉同士が互いに接触しないように略均等の間隔に並べられる。そして、コンベア18上に並べられた杜仲葉20は、並べられた葉の状態を維持しつつ乾燥室12内部へと送られる。乾燥室12内部では、遠赤外線照射部14により、上下方向から、杜仲葉20へと遠赤外線が照射される。そして、遠赤外線が照射された杜仲葉20は、葉温が上昇して水分が気化し、水分量が減少する。ここで、乾燥室12内は、送風部16により送風されることによって、室内の雰囲気湿度及び雰囲気温度がほぼ一定に保たれる。すなわち、通常の場合、加熱により葉中の水分が気化して水蒸気になることで、乾燥室12内の湿度及び温度は上昇するが、送風部16により送風することで水蒸気が外部へと排出され、乾燥室12内の湿度及び温度がほぼ一定に保たれる。乾燥室12内で乾燥された杜仲葉20は、コンベア18により、乾燥室12の外部へと送られる。なお、本発明の製造方法においては、杜仲葉20は、遠赤外線の照射開始後30分以内に葉の水分量が乾燥前水分量の30%以下まで減少している。
【0030】
ここで、乾燥室12内において、室内の雰囲気湿度、雰囲気温度、及び葉表面の温度が以上に示した好適な数値範囲内となるように、遠赤外線照射部14による遠赤外線の照射強度、及び送風部16による送風温度及び送風量を調節することが望ましい。すなわち、図1の乾燥装置10を使用して、遠赤外線照射部14及び送風部16の運転条件を調整し、乾燥室12内の雰囲気温度、雰囲気湿度、及び葉表面の温度等を適切に制御することによって、加熱開始後30分以内に葉の水分量が乾燥前水分量の30%以下になるまで乾燥される。さらに、杜仲葉12同士が互いに接触しないように略均等の間隔に並べられているため、遠赤外線の照射によって葉が均一に効率よく加熱されるとともに、乾燥工程中に葉同士あるいは葉と装置の接触による歪みや圧力も生じず、葉にほとんどストレスがかからないため、乾燥工程中での変色も生じにくい。なお、酵素反応及び自己消化作用が進行するためには、葉中の水分として自由水が含まれている必要があると考えられ、葉中水分量が乾燥前水分量の30%以下になるまで乾燥した杜仲葉においては、葉中に含まれる自由水のほぼ全量が除去されているため、変色あるいは有用成分の減少はほとんど生じない。
【0031】
なお、杜仲葉緑色乾燥品としては、通常、葉中の水分量が乾燥前水分量の5%以下になるまで乾燥する必要があるが、その全ての乾燥工程を、上記した遠赤外線による加熱乾燥処理によって行なってもよく、あるいは遠赤外線による加熱乾燥処理によって葉の水分量を乾燥前水分量の30〜10%程度になるまで加熱乾燥した後、別途、他の乾燥手段によって葉の水分量が乾燥前水分量の5%以下になるまで乾燥することによって、杜仲葉緑色乾燥品とすることもできる。なお、遠赤外線加熱によって葉の水分量を乾燥前水分量の30%以下まで乾燥させた杜仲葉においては、酵素反応及び自己消化作用がほとんど進行しないであろうことからすると、その後はむしろ葉に余計なストレスをかけないように、穏和な条件下で乾燥を行なうことが望ましい。より具体的には、例えば、遠赤外線による加熱乾燥処理の後に、加熱送風を行なうことによって乾燥処理を行なうことができる。ここで、葉温を必要以上に上昇させないため、加熱送風の温度は110℃以下で行うことが望ましい。
【0032】
また、本発明の製造方法においては、摘採後の杜仲生葉を製品とするまでの間、杜仲葉を湿度50%以下、より好ましくは湿度30%以下の条件下に保持することが望ましい。杜仲葉が、湿度50%を超える高湿度下に置かれることで、イリドイド類、ポリフェノール類等の高機能成分の減少を生じる場合があり、加えて、葉が紫色に変色して、緑色の製品が得られない場合がある。
【0033】
また、上記加熱乾燥処理工程においては、予め細かく裁断した杜仲生葉を用いることによって、急速に乾燥を進めることができるものの、裁断箇所から自己消化作用が進行し、イリドイド類の有用成分が分解してしまうとともに、変色により鮮やかな緑色が得られなくなる場合がある。このため、本発明の製造方法においては、適採した杜仲生葉を、できるだけそのままの形状で乾燥させることが望ましい。一方で、細かく裁断せずに杜仲生葉そのままの形状で乾燥すると、従来の乾燥方法では、特に葉脈を完全に乾燥させるために非常に長時間を要するものの、本発明の製造方法では、杜仲生葉そのままの形状であっても、速やかに葉脈中の水分を除去することができる。
【0034】
なお、杜仲の葉は30cm以上にも成長し、葉脈は5mm以上の太さにまでなる。このように大きな杜仲生葉の場合、乾燥工程において葉脈部分と葉脈以外の部分との間で水分の蒸発に差が生じ、自己消化作用による葉脈の紫色化が進行する。これは、葉脈周辺では構造にストレスがかかり、葉脈の細胞が十分に水分を含有した状態で破壊されることによるものと考えられる。これにより、イリドイド等の有用成分が分解して含有量が減少し、加えて変色により緑色の精彩さも失われてしまう。また、特に葉脈には高機能性成分が多く含まれているため、葉脈の乾燥は極めて重要である。しかしながら、従来の乾燥方法では、5mm以上の太さになる葉脈部分を速やかに乾燥することは非常に困難である。このため、本発明の製造方法においては、杜仲葉を葉脈とその両側の部分との三片に裁断し、それぞれの片について乾燥処理することが望ましい。すなわち、杜仲葉の葉脈部分とその他の部分とに分けて、加熱温度や処理時間を変える等、それぞれに応じた乾燥処理を行なうことで、自己消化作用による変色や過度の加熱により生じる熱分解等、高機能成分の損失を低く抑えることができる。また、葉脈部分とその他の部分とでは含まれる成分の種類及び量が異なっており、例えば、葉脈部分にはゲニポシド酸が多く含まれ、他の部分にはクロロゲン酸が多く含まれている。したがって、所望とする有効成分の種類に応じて、葉脈部分に由来する製品と他の部分に由来する製品とを分けることも可能である。
【0035】
このため、本発明の製造方法においては、例えば、(1)予め裁断することなく適採したそのままの形状の杜仲生葉を、葉の水分量を乾燥前水分量の30%以下になるまで遠赤外線によって加熱乾燥し、その後、杜仲葉を葉脈とその両側の部分との三片に裁断し、それぞれの片について、適当な乾燥処理方法(遠赤外線加熱処理を含む)によって乾燥前水分量の水分量5%以下になるまで乾燥処理すること、あるいは(2)摘採後の杜仲生葉を、葉脈とその両側の部分との三片に裁断した状態で、乾燥前水分量の水分量30%以下になるまで遠赤外線によって加熱乾燥し、その後、適当な乾燥処理方法(遠赤外線加熱処理を含む)によって、それぞれの片について乾燥前水分量の水分量5%以下になるまで乾燥することが好適である。
【0036】
また、乾燥処理後の杜仲葉緑色乾燥品は、平均径3〜14μmに微粉砕した粉末とすることが好ましい。微粉砕の方法は、特に制限されないが、例えば、ジェットミル式粉砕機、気流式粉砕機を用いることができる。
【0037】
以上のようにして得られる杜仲葉緑色乾燥品においては、特に乾燥処理工程中におけるイリドイド類やポリフェノール類といった高機能性分の減少が低く抑えられるため、これらイリドイド類及びポリフェノール類の含有量が飛躍的に向上している。
【0038】
なお、イリドイド類とは、その構造中に1−イソプロピル−2,3−ジメチルシクロペンタンを有する化合物として知られているものである。本発明により得られた杜仲葉緑色乾燥品に含まれるイリドイド類はゲニポシド酸及びアスペルロシドである。
【0039】
また、ポリフェノール化合物とは、その構造中にフェノール性水酸基を複数有する化合物として知られているものである。本発明により得られた杜仲葉緑色乾燥品に含まれるポリフェノール化合物はクロロゲン酸、又はルチン、クエルセチン、ニコチフロリン及びケンフェロール等のフラボノイド類である。
【0040】
杜仲葉中に含まれるイリドイド類及びポリフェノール類の含有量は、杜仲木の個体差、収穫時期等によって異なるが、本発明により得られた杜仲葉緑色乾燥品においては、イリドイド類の含有量が、原料として使用する収穫直後の杜仲生葉に含まれているイリドイド類の含有量(乾燥質量換算)の約70質量%以上を維持していると考えられる。
【0041】
また、本発明の製造方法により得られる杜仲葉緑色乾燥品は、イリドイド類及びポリフェノール化合物が高濃度で含有しているため、一旦杜仲葉乾燥品として処理した後、これらの高機能成分を抽出する抽出方法としても有用である。
【実施例】
【0042】
以下、実施例の記載に基づいて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0043】
実施例1
未裁断の杜仲生葉47.8gを、遠赤外線コンベアー式の乾燥機(MS−400T:ジャード社製)に、葉が互いに接触しないよう均等に並べ、設定温度200℃で、10分間乾燥した。乾燥処理中の葉表面の最高温度(赤外線非接触温度計により計測)は約85℃であった。なお、処理中の雰囲気温度は70℃、湿度は8%以下であった。処理後の葉の重量は22.4g、処理後の葉中水分量は処理前(原料杜仲葉)水分量の29.1%であった。つづいて、葉の縦方向中央に通る5mmほどの葉脈を左右挟むように平行に、葉脈部分とその他の部分との3片に切断した。遠赤外線乾燥機の設定温度を180℃、雰囲気温度を60℃とし、葉脈部分を50分乾燥し、また、葉脈以外の部分は同条件により20分間乾燥し、いずれも葉中水分量を処理前(原料杜仲葉)水分量の5%以下とした。得られた乾燥葉をジェットミルで粉砕し、緑色乾燥微粉末を得た。
【0044】
実施例2
未裁断の杜仲生葉71.4gを、遠赤外線コンベアー式の乾燥機(MS−400T:ジャード社製)に、葉が互いに接触しないよう均等に並べ、設定温度を230℃で、5分間乾燥した。乾燥処理中の葉表面の最高温度(赤外線非接触温度計により計測)は約90℃であった。なお、処理中の雰囲気温度は70℃、湿度は8%以下であった。処理後の葉の重量は30.6g、処理後の葉中水分量は処理前(原料杜仲葉)水分量の23.8%であった。5時間後、葉の縦方向中央に通る5mmほどの葉脈を左右挟むように平行に、葉脈部分とその他の部分との3片に切断した。棚乾燥機を用いて70℃温風を送風しながら、葉脈部分は20分間乾燥し、また、葉脈以外の葉の部分は同条件により10分間乾燥し、いずれも葉中水分量を処理前(原料杜仲葉)水分量の5%以下とした。得られた乾燥葉をジェットミルで粉砕し、緑色乾燥微粉末を得た。
【0045】
実施例3
杜仲生葉71.2gを、葉の縦方向中央に通る5mmほどの葉脈を左右挟むように平行に、葉脈部分とその他の部分との3片に切断した。遠赤外線コンベアー式の乾燥機(CLF−AN−225S:ノリタケ社製)に、それぞれの片が互いに接触しないよう均等に並べ、乾燥機中の3つのゾーンの設定温度を入口側からそれぞれ160℃、140℃、140℃、送風の設定温度を140℃、120℃。120℃として、20分間乾燥した。乾燥処理中の葉表面の最高温度(赤外線非接触温度計により計測)は144℃であった。なお、処理中の雰囲気温度は114℃、湿度は7%以下であった。処理後の葉中水分量は処理前(原料杜仲葉)水分量の約5%であった。得られた乾燥葉をジェットミルで粉砕し、緑色乾燥微粉末を得た。
【0046】
実施例4
未裁断の杜仲生葉47.8gを、遠赤外線コンベアー式の乾燥機(CLF−AN−225S:ノリタケ社製)に、葉が互いに接触しないよう均等に並べ、設定温度160℃、送風温度140℃で、20分間乾燥した。乾燥処理中の葉表面の最高温度(赤外線非接触温度計により計測)は約150℃であった。なお、処理中の雰囲気温度は最高で140℃、平均は121℃、湿度は8%以下であった。処理後の葉中水分量は処理前(原料杜仲葉)水分量の約4.7%であった。得られた乾燥葉をジェットミルで粉砕し、緑色乾燥微粉末を得た。
【0047】
上記実施例1〜4の遠赤外線加熱乾燥処理工程における葉の表面温度の時間変化を、それぞれ図2〜4に示す。
図2〜4より、いずれの温度変化曲線においても、遠赤外線照射の開始直後に葉の温度が急激に上昇した後、一旦、温度上昇が緩やかになり、その後さらに温度が上昇していることがわかる。この結果は、葉中において比較的蒸散され易い自由水が先に気化することで、遠赤外線による加熱と気化により失われる熱とによって一旦平衡に達し、自由水がほぼ気化した後に、さらに温度が上昇して、より蒸散しにくい半結合水や結合水の気化が生じているものと考えられる。
したがって、図2〜4の温度変化曲線においては、第一段階の平衡が終了した時点で、葉中に含まれる水分のうちの自由水がほぼ失われていると考えられ、加熱開始後、実施例1では約6分、実施例2では約4分、実施例3では約6分、実施例4では約5分の後に、杜仲葉中に含まれるほぼ全ての自由水が失われていることになる。酵素反応等において利用され得る水分は自由水のみであることからすると、自由水が除去された状態の杜仲葉においては、変色やイリドイド類等の有用成分の減少はほとんど生じないものと考えられる。なお、通常の場合、葉中の水分量を乾燥前水分量の30%以下まで減少することによって、葉中の自由水はほとんど除去されているものと考えられる。
【0048】
比較例1
杜仲生葉250.5gを蒸煮機に投入し、100℃で3分間蒸煮した。蒸煮後の葉を強制的に室温まで冷却した後、再乾燥機で60℃で50分乾燥し、さらに棚乾燥機を用いて100℃温風で60分乾燥し、葉中水分量を処理前(原料杜仲葉)水分量の5%以下とした。乾燥葉をジェットミルで粉砕し、緑色乾燥微粉末を得た。
【0049】
比較例2
杜仲生葉3kgを、2cm間隔のカッターを用いて2cmの短冊状に裁断した。短冊状の葉を、釜煎機を用いて、設定温度180℃にて9分間送風をしながら乾燥した。なお、処理中の雰囲気温度は60℃以下で、湿度は60%から30%に推移した。つづいて、再乾燥機を用いて、湿度35%、60〜70℃で40分間乾燥し、さらに棚乾燥機で80℃で60分乾燥し、葉中水分量を処理前(原料杜仲葉)水分量の5%以下とした。得られた乾燥葉をジェットミルで粉砕し、緑色乾燥微粉末を得た。
【0050】
比較例3
上下2枚の遠赤パネルヒーターの間に、底部を有する円筒型の金網からなる回転ドラムを設置し、さらに周りを鉄板で囲った回転ドラム型の遠赤外線乾燥機を作製した。未裁断の杜仲生葉1000gを、当該乾燥機を用いて設定温度300℃で20分間回転させながら乾燥した。乾燥処理中の葉表面の最高温度(赤外線非接触温度計により計測)は約180℃であった。なお、処理中の雰囲気温度は約200℃、湿度は約70%であった。処理後の葉の重量は550gであった。さらに棚乾燥機を用いて100℃温風で60分乾燥し、、葉中水分量を処理前(原料杜仲葉)水分量の5%以下とした。得られた乾燥葉をジェットミルで粉砕し、緑色乾燥微粉末を得た。
【0051】
比較例4
未裁断の杜仲生葉66.2gを、遠赤外線コンベアー式の乾燥機(MS−400T:ジャード社製)に、葉が互いに接触しないよう均等に並べ、設定温度を170℃で、5分間乾燥した。乾燥処理中の葉表面の最高温度(赤外線非接触温度計により計測)は約70℃であった。処理後の葉の重量は40.0g、処理後の葉中水分量は処理前(原料杜仲葉)水分量の47.2%であった。5時間後、葉の縦方向中央に通る5mmほどの葉脈を左右挟むように平行に、葉脈部分とその他の部分との3片に切断した。棚乾燥機を用いて70℃温風を送風しながら、葉脈部分は60分間乾燥し、また、葉脈以外の葉の部分は同条件により10分間乾燥し、いずれも葉中水分量を処理前(原料杜仲葉)水分量の5%以下とした。得られた乾燥葉をジェットミルで粉砕し、緑色乾燥微粉末を得た。
【0052】
比較例5
未裁断の杜仲生葉49.0gを、遠赤外線コンベアー式の乾燥機(MS−400T:ジャード社製)に、葉が互いに接触しないよう均等に並べ、設定温度を250℃で、10分間乾燥した。乾燥処理中の葉表面の最高温度(赤外線非接触温度計により計測)は約160℃であった。処理後の葉の重量は14.0gであったが、焦げて変色してしまい、緑色は失われていた。
【0053】
以上のようにして得られた実施例1〜4及び比較例1〜4の杜仲葉乾燥粉末について、イリドイド類及びポリフェノール類の含有量を、HPLC(メタノール抽出)により測定した。結果を下記表1及び表2に示す。なお、単位はいずれもμg/g(有効成分量/サンプル質量)である。
【0054】
【表1】

【0055】
【表2】

【0056】
上記表1に示されるように、杜仲葉の葉同士が互いに接触しないように均等の間隔で並べた状態で遠赤外線ヒーターを使用し、乾燥開始後30分以内に葉中水分量が原料杜仲葉水分量の30%以下となるように葉中水分を速やかに乾燥除去して得られた実施例1〜4の杜仲茶葉緑色乾燥品では、ゲニポシド酸やアスペルロシドといったイリドイド類を非常に多く含有していることがわかった。また、これら実施例1〜4の杜仲葉緑色乾燥品においては、クロロゲン酸、クエルセチン、ルチン等のポリフェノール類についても、比較的高い含有量が維持されていた。
【0057】
これに対して、上記表2に示されるように、従来の蒸煮加熱処理工程を経て乾燥処理を行なった比較例1では、イリドイド類であるゲニポシド酸の含有量が実施例1の1/10倍量以下であり、処理工程中で著しく流失してしまっていることがわかった。また、従来の釜煎り機を使用して加熱乾燥処理を行なった比較例2においても、ゲニポシド酸含有量は実施例1の1/4倍量以下であった。また、回転ドラム型の遠赤外線乾燥機を使用して、杜仲葉を回転させながら遠赤外線処理を行なった比較例3においても、ゲニポシド酸の含有量が実施例1の半分以下であり、加えて葉に若干の着色を生じてしまい、鮮やかな緑色の製品が得られなかった。また、遠赤外線による加熱乾燥後の葉中水分量が原料杜仲葉水分量の30%以上であった比較例4においても、ゲニポシド酸等のイリドイド類含有量は少なく、また、クロロゲン酸等のポリフェノール類の含有量も非常に少ないものであった。
【符号の説明】
【0058】
10 遠赤外線加熱装置
12 乾燥室
14 遠赤外線照射部
16 送風部
18 コンベア
20 杜仲生葉

【特許請求の範囲】
【請求項1】
杜仲生葉を、葉同士が互いに接触しないように略均等の間隔に並べ、並べた葉の状態を維持しつつ遠赤外線を照射して加熱し、加熱開始後30分以内に葉中水分量が乾燥前水分量の30%以下になるまで加熱乾燥することを特徴とする杜仲葉緑色乾燥品の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、加熱乾燥処理の開始から終了まで、湿度30%以下の雰囲気下にて加熱乾燥することを特徴とする杜仲葉緑色乾燥品の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法において、加熱乾燥処理の開始から終了まで、温度60〜150℃の雰囲気下にて乾燥することを特徴とする杜仲葉緑色乾燥品の製造方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の方法において、加熱乾燥処理の開始から終了まで、赤外線非接触温度計により計測した葉の最高温度が60〜160℃となる範囲で加熱乾燥処理することを特徴とする杜仲葉緑色乾燥品の製造方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の方法において、予め裁断することなく適採したそのままの形状の杜仲生葉を、葉中水分量が乾燥前水分量の30%以下になるまで遠赤外線によって加熱乾燥し、その後、杜仲葉を葉脈とその両側の部分との三片に裁断し、それぞれの片について葉中水分量が乾燥前水分量の5%以下になるまで乾燥することを特徴とする杜仲葉緑色乾燥品の製造方法。
【請求項6】
請求項1から4のいずれかに記載の方法において、摘採後の杜仲生葉を、葉脈とその両側の部分との三片に裁断した状態で、葉中水分量が乾燥前水分量の30%以下になるまで遠赤外線によって加熱乾燥し、その後、それぞれの片について葉中水分量が乾燥前水分量の5%以下になるまで乾燥することを特徴とする杜仲葉緑色乾燥品の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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