説明

板状接着物の曲げ方法

【課題】熱可塑性接着剤を介して、可撓性を有する薄板体にシート状部材を接着した板状接着物を、シート状部材にしわやたるみを発生させることなく曲げることができる板状接着物の曲げ方法を、提供する。
【解決手段】熱可塑性接着剤6を介して、可撓性を有する表示パネル2および表示駆動基板3にガスバリアフィルム5を接着した電気泳動表示装置1を、所定の曲げ形状となるように複数段階に亘って除々に曲げる電気泳動表示装置1の曲げ方法であって、各段階の曲げ形状に対応する複数の曲げ治具を、浅い曲げ形状のものから順に用い、電気泳動表示装置1を曲げて各段階の曲げ形状に保持する曲げ/保持工程と、各段階の曲げ形状に保持した状態で、電気泳動表示装置1を熱可塑性接着剤6における融点プラス0℃から20℃の温度に加熱し、且つこの加熱状態を所定時間維持する加熱/維持工程と、を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性接着剤を介して、可塑性の薄板体にシート状部材を接着した板状接着物を、所定の曲げ形状に曲げる板状接着物の曲げ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の板状接着物の曲げ方法として、防湿用の保護フィルムを熱可塑性接着剤を用いて接着した電気泳動表示装置の曲げ方法が知られている(例えば特許文献1)。
この曲げ方法では、保護フィルムを熱可塑性接着剤を用いて接着した電気泳動表示装置を、熱可塑性接着剤が融解する温度に加熱し、この状態で曲げるようにしている。これにより、接着剤が融解し、保護フィルムの封止部(保護フィルムの端同士が接着している部分)において保護フィルム同士の接続が緩んで、保護フィルム同士の接着面がずれることで応力が緩和され、結果、曲げにおいて保護フィルムのしわやたるみの発生を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−233338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の曲げ方法では、熱可塑性接着剤がいったん融解するため、熱可塑性接着剤の接着力が弱まり(粘性流体化する)、保護フィルムが電気泳動表示装置に対し部分的に剥離することがあった。このため、曲げ動作に移行したときに、表側の保護フィルムに生ずる引張り力および裏側の保護フィルムに生ずる圧縮力により、保護フィルムにしわやたるみが発生してしまうことう問題があった。
【0005】
本発明は、熱可塑性接着剤を介して、可撓性を有する薄板体にシート状部材を接着した板状接着物を、シート状部材にしわやたるみを発生させることなく曲げることができる板状接着物の曲げ方法を、提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の板状接着物の曲げ方法は、熱可塑性接着剤を介して、可撓性を有する薄板体にシート状部材を接着した板状接着物を、所定の曲げ形状に曲げる板状接着物の曲げ方法であって、曲げ治具を用い、板状接着物を曲げて前記所定の曲げ形状に保持する曲げ/保持工程と、曲げ形状に保持した状態で、板状接着物を熱可塑性接着剤における略融点の温度に加熱し、且つこの加熱状態を所定時間維持する加熱/維持工程と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、板状接着物を熱可塑性接着剤の略融点の温度に加熱すると、熱可塑性接着剤は軟化と溶融との略中間状態となる。この熱可塑性接着剤の略中間状態は、溶融状態と異なり、適度な接着力を維持しているため、板状接着物からシート状部材が剥離することがない。また、曲げ治具により曲げ形状に保持した板状接着物に対し、この略中間状態を維持していると、徐々に板状接着物とシート状部材との間の層間滑りが進み、やがて曲げにより生じた残留応力が、層間滑りにより開放(吸収)される。したがって、板状接着物を、シート状部材にしわやたるみを発生させることなく曲げることができる。なお、熱可塑性接着剤は、融点(柔らかくなる温度)以下の融点近傍から粘着力を発揮し始めるが、層間滑りを円滑に進めるためには、上記の略融点の温度で曲げを実施することが好ましい。
【0008】
本発明の他の板状接着物の曲げ方法は、熱可塑性接着剤を介して、可撓性を有する薄板体にシート状部材を接着した板状接着物を、所定の曲げ形状となるように複数段階に亘って除々に曲げる板状接着物の曲げ方法であって、各段階の曲げ形状に対応する複数の曲げ治具を、浅い曲げ形状のものから順に用い、板状接着物を曲げて各段階の曲げ形状に保持する曲げ/保持工程と、各段階の曲げ形状に保持した状態で、板状接着物を熱可塑性接着剤における略融点の温度に加熱し且つこの加熱状態を所定時間維持する加熱/維持工程と、を複数段階に亘って繰り返すことを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、曲げ治具により板状接着物を曲げておいて、板状接着物を熱可塑性接着剤のピーク温度に加熱するため、板状接着物からシート状部材が剥離することなく、徐々に板状接着物とシート状部材との間の層間滑りが進み、板状接着物を、シート状部材にしわやたるみを発生させることなく曲げることができる。また、加熱/維持工程と曲げ/保持工程と、を複数段階に亘って繰り返して、板状接着物を徐々に深く曲げるようにしているため、板状接着物を大きく曲げる場合(曲率大)であっても、板状接着物を無理なく適切に曲げることができる。
【0010】
この場合、略融点の温度が、熱可塑性接着剤の融点プラス0℃から20℃であることが好ましい。
【0011】
これらの構成によれば、熱可塑性接着剤を適度な粘着力を維持した状態に、加熱することができ、シート状部材にしわ等を発生させることなく、板状接着物を適切に曲げることができる。
【0012】
この場合、板状接着物が電気泳動表示装置であり、薄板体が、電気泳動表示装置の表示体であり、シート状部材が、表示体を気密に封止するガスバリアー性フィルムであることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、シート状部材により耐湿性が確保された電気泳動表示装置を、任意の曲げ形状に自在に且つ適切に曲げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態に用いられる電気泳動表示装置の上面および断面図である。
【図2】本実施形態に係る表示パネルの構成を示す模式図である。
【図3】本実施形態で用いられる曲げ治具の概略図である。
【図4】本実施形態における製造工程を表したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態に係る板状接着物の曲げ方法を、ペーパーディスプレイである電気泳動表示装置の曲げ方法に適用した場合について説明する。電気泳動表示装置は可撓性を有しており、例えば電気泳動表示装置を表示部とする腕時計を形状すべく、全体を所定の曲げ形状に形成することが可能となっている。
【0016】
図1は、本実施形態に用いられる電気泳動表示装置の構成を示す上面図および断面図である。
本実施形態における電気泳動表示装置1は、主な構成としてEPD(Electrophoretic Display)で構成した表示パネル2と、表示パネル2に画像を表示させるための制御を行う表示駆動基板3と、湿度による品質劣化を防止するために、表示パネル2を覆って封止する透明なガスバリアフィルム5と、表示パネル2および表示駆動基板3とガスバリアフィルム5との間に介設した熱可塑性接着剤6と、を備えている。なお、請求項にいう薄板体(表示体)は、表示パネル2と表示駆動基板3とにより、構成されている。
【0017】
表示パネル2は、白色および黒色の電気泳動粒子を用いたものであり(詳細は、後述する。)、表示駆動基板3と電気的に接続され、表示駆動基板3からの制御信号により所望の画像をモノクロ表示する。
表示駆動基板3は、表示パネル2に所望の画像を表示させるための駆動制御を行うものであり、例えば記憶部、制御部および駆動部等を有している(図示省略)。
【0018】
ガスバリアフィルム5は、ペットフィルムを基材とし、これにシリコン等の気密封止材を複数層に亘ってコーティングしたものであり、十分な気密性、特に防湿性を有している。これにより、表示パネル2の湿度による品質劣化を防止している。
熱可塑性接着剤6は、所定の温度に加熱することにより溶融して接着力を発揮するものであり、実施形態のものは、例えば100℃近辺から粘着力を発揮し、溶融する130℃(接着温度)近辺で接着を実施する仕様となっている。
【0019】
次に、図2の模式図を参照して、表示パネル2の構成を簡単に説明する。
表示パネル2は、画素を構成するマイクロカプセル17を有する電気泳動層16と、電気泳動層16の表面側に積層した共通電極13と、電気泳動層16の裏面側に積層した画素電極15と、を備えている。共通電極13は、透明電導材であるITO(Indium Tin Oxide)によって形成された透明電極で構成されている。共通電極13および画素電極15は、表示駆動基板3と電気的に接続されており、共通電極13および画素電極15に、表示駆動基板3から入力する電圧(駆動パルス)が印加されることで、マイクロカプセル17による表示が行われる。
【0020】
電気泳動層16は、複数のマイクロカプセル17を有しており、膜体で球形に形成された各マイクロカプセル17には、黒色の電気泳動粒子(以下、黒色電気泳動粒子)19と、白色の電気泳動粒子(以下、白色電気泳動粒子)20と、が電気泳動分散液18と共に封入されている。すなわち、実施形態の表示パネル2には、白黒2色の粉末流体方式の電気泳動層16が構成されている。そして、黒色電気泳動粒子19および白色電気泳動粒子20は、互いに異なる極性に帯電されている。
【0021】
表示駆動基板3により共通電極13および画素電極15のうち、一方の電極にハイレベルの電圧を、他方の電極にローレベルの電圧を印加して、電界を生じさせることで、クーロン力により電極の極性に対応した泳動粒子がそれぞれ泳動し、引き寄せられる。例えば、黒色電気泳動粒子19が正の電荷、白色電気泳動粒子20が負の電荷にそれぞれ帯電している状態で、共通電極13側が正、画素電極15側が負となるように電圧を印加すると、マイクロカプセル17内の負に帯電した白色電気泳動粒子20が共通電極13側に、正に帯電した黒色電気泳動粒子19が画素電極15側に集中する。
【0022】
このような状態では、画素電極15に集中した黒色電気泳動粒子19は、共通電極13側に集中した白色電気泳動粒子20に隠れて視認しづらくなり、結果として、共通電極13側に集中した白色電気泳動粒子20の色が表示パネル2の表面で視認される。すなわち、この場合、表示パネル2の表面では白色表示が強くなる。逆に、共通電極13側が負、画素電極15側が正となるように電圧を印加すると、負に帯電した白色電気泳動粒子20が画素電極15側に、正に帯電した黒色電気泳動粒子19が共通電極13側に集中し、表示パネル2の表面では黒色表示が強くなる。
【0023】
また、各電極に印加する電圧を制御して、各色の電気泳動粒子が共通電極13に集中していない状態では、表示パネル2の表示色を電気泳動粒子の白黒の間の中間色を表現することも可能である。すなわち、電極間に印加する電圧の印加時間(駆動信号のパルス数で制御)を表示駆動基板3で制御することによって、表示パネル2の表示色を変化させる。これにより、4階調や8階調のモノクロ表示を可能としている。なお、実施形態のものは、1のマイクロカプセル17を1の画素としているが、複数のマイクロカプセル17を1の画素としてもよい。
【0024】
次に、図3および図4を参照して、電気泳動表示装置1の曲げ方法およびこれに用いる曲げ治具について、詳細に説明する。
図3に示すように、本実施形態では、目標の曲げ形状よりも緩やかな形状を有する第1曲げ治具21と、目標の曲げ形状を有する第2曲げ治具22を用いるようにしている。各曲げ治具21,22は、例えばステンレス等で湾曲形成された内側曲げ型23と外側曲げ型24とからなり、この内側曲げ型23と外側曲げ型24との間に、熱可塑性接着剤6を介して、ガスバリアフィルム5を表示パネル2に接着した電気泳動表示装置1を挟み込むことで、電気泳動表示装置1を曲げ形状に曲げる。なお、曲げ形状は、円弧でもよいが、楕円の円弧とした曲げ形状等、所望の湾曲形状としている。
【0025】
図4は、電気泳動表示装置1の曲げ工程を含む製造工程を示している。同図に示すように、製造工程では、先ず表示パネル2に表示駆動基板3の取り付け(接続)を行う(S01)。これは、例えば既知の半田塗布およびリフロー等の作業により実施される。次に、表示パネル2に表示駆動基板3を取り付けた状態で、これにガスバリアフィルム5を熱可塑性接着剤6を用いて貼り付ける(S02)。この場合、表示パネル2および表示駆動基板3を表裏両側から覆う2枚のガスバリアフィルム5を用い、これらを、熱可塑性接着剤6を介在させ(実際には、ガスバリアフィルム5に塗着されている)積層した状態で、全体を加熱圧着する。この加熱圧着は、真空チャンバー内において、且つ熱可塑性接着剤6の接着温度で実施される。これにより、表示パネル2の表面にガスバリアフィルム5が凹凸を生ずることなく密着すると共に、周縁部においてガスバリアフィルム5同士が気密に接着され、表示パネル2および表示駆動基板3がガスバリアフィルム5により気密に封止される。次に、加熱圧着が完了した電気泳動表示装置1を、常温の戻した後、ガスバリアフィルム5の周囲の余剰となる外形部分をカットする(S03)。
【0026】
このように加熱圧着を経て組み上げられた電気泳動表示装置1は、平坦な板状の形態を有しており、通常はこの状態で使用されるが、本実施形態では、電気泳動表示装置1の用途を考慮し、これを上記の第1曲げ治具21および第2曲げ治具22を用い、2段階で所望の湾曲形状に曲げるようにしている。すなわち、曲げ工程では、第1曲げ治具21を用いる第1の曲げ工程(S04)と、第2曲げ治具22を用いる第2の曲げ工程(S05)を実施する。
【0027】
第1の曲げ工程(S04)では、先ず、加熱圧着が完了した上記の電気泳動表示装置1を第1曲げ治具21にセットする。すなわち、電気泳動表示装置1を内側曲げ型23と外側曲げ型24との間に挟みこんで、電気泳動表示装置1を目標の曲げ形状よりも浅い中間曲げ形状に保持する。次に、電気泳動表示装置1を第1曲げ治具21にセットした状態で、これを図外の加熱装置に投入し、所定の温度に加熱する。この場合の加熱温度は、熱可塑性接着剤の融点プラス0℃から20℃付近にある、熱可塑性接着剤の接着力が出はじめる温度である。
【0028】
そして、電気泳動表示装置1を上記の温度で加熱した状態を、所定時間(数十分のオーダー)維持する。これにより、熱可塑性接着剤6は表示パネル2とガスバリアフィルム5の間および、表示駆動基板3とガスバリアフィルム5の間の接着面の接着力が適宜維持されると共に、これらの間にゆっくり層間すべりが生ずる。すなわち、ガスバリアフィルム5が剥がれることなく、表示パネル2とガスバリアフィルム5および、表示駆動基板3とガスバリアフィルムと、が経時的に層間すべりを生じ、やがて第1曲げ治具21により生じた残留応力が開放され、第1曲げ治具21の形状に倣うように落ち着く。ここで、いったん第1曲げ治具21を加熱装置から取り出し、冷却を待って、湾曲した電気泳動表示装置1を第1曲げ治具21から取り出す。
【0029】
第2の曲げ工程(S05)では、第1の曲げ工程(S04)が完了した、電気泳動表示装置1を今度は第2曲げ治具22にセットする。この場合も、電気泳動表示装置1を内側曲げ型25と外側曲げ型26との間に挟みこんで、電気泳動表示装置1を目標の曲げ形状に保持する。次に、第1の曲げ工程(S04)と同様に、電気泳動表示装置1を第2曲げ治具22にセットした状態で、これを図外の加熱装置に投入し、所定の温度に加熱する。この場合も、第1の曲げ工程(S04)と同じ温度に加熱する。また、第1の曲げ工程(S04)と同様に、加熱状態を所定時間(数十分のオーダー)維持する。
これにより、第1の曲げ工程と同様に、曲げ工程においてガスバリアフィルムに係る応力が時間と共に開放され、さらに、所定の曲げ形状を形成することが可能となる。
【0030】
以上の、本実施形態における曲げ方法によれば、表示パネル2および表示駆動基板3に熱可塑性接着剤6を介してガスバリアフィルム5を接着した電気泳動表示装置1が、曲げられた状態で加熱温度(融点プラス0℃から20℃)に熱せられることで、熱可塑性接着剤6が軟化した状態となる。この熱可塑性接着剤の略中間状態では、適度な接着力を維持しているため、板状接着物からシート状部材が剥離することがなく、また、曲げ治具により曲げ形状に保持した電気泳動表示装置1に対し、この略中間状態を維持していると、徐々にこの状態で、表示パネル2とガスバリアフィルム5との間および、表示駆動基板3とガスバリアフィルム5との間の層間滑りが進み、やがて曲げにより生じた残留応力が、層間滑りにより開放(吸収)される。したがって、電気泳動表示装置1を、ガスバリアフィルム5にしわやたるみを発生させることなく曲げることができる。さらに、曲げ工程における加熱/維持工程と曲げ/保持工程とを第1の曲げ治具および第2の曲げ治具を用いて複数段階に亘って繰り返して、電気泳動表示装置1を徐々に深く曲げるようにしているため、電気泳動表示装置1を大きく曲げる場合(曲率大)であっても、板状接着物を無理なく適切に曲げることができる。
【0031】
なお、本実施形態において、板状接着物として表示パネル2および表示駆動基板3にガスバリアフィルム5を熱可塑性接着剤6を介して接着した電気泳動表示装置1を用いたが、電気泳動表示装置1の代わりに、有機ELディスプレイ等の可撓性を有する電気光学表示装置にも応用することができる。
【0032】
なお、上記の実施形態の応用として、第1の曲げ治具21による曲げ工程を省略しても良い。こうすることで、例えば、所望の曲げ形状の曲げ径が緩やかで、曲げ工程においてガスバリアフィルム5にかかる応力が小さい場合には、製造工程を1つ省略することが可能となるため、電気泳動表示装置1の製造に係る時間を短縮することができる。
【符号の説明】
【0033】
1:電気泳動表示装置、 2:表示パネル、 3:表示駆動基板、 5:ガスバリアフィルム 6:熱可塑性接着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性接着剤を介して、可撓性を有する薄板体にシート状部材を接着した板状接着物を、所定の曲げ形状に曲げる板状接着物の曲げ方法であって、
曲げ治具を用い、前記板状接着物を曲げて前記所定の曲げ形状に保持する曲げ/保持工程と、
前記曲げ形状に保持した状態で、前記板状接着物を前記熱可塑性接着剤における略融点の温度に加熱し、且つこの加熱状態を所定時間維持する加熱/維持工程と、を備えたことを特徴とする板状接着物の曲げ方法。
【請求項2】
熱可塑性接着剤を介して、可撓性を有する薄板体にシート状部材を接着した板状接着物を、所定の曲げ形状となるように複数段階に亘って除々に曲げる板状接着物の曲げ方法であって、
各段階の曲げ形状に対応する複数の曲げ治具を、浅い曲げ形状のものから順に用い、
前記板状接着物を曲げて前記各段階の曲げ形状に保持する曲げ/保持工程と、
前記各段階の曲げ形状に保持した状態で、前記板状接着物を前記熱可塑性接着剤における略融点の温度に加熱し且つこの加熱状態を所定時間維持する加熱/維持工程と、を複数段階に亘って繰り返すことを特徴とする板状接着物の曲げ方法。
【請求項3】
前記略融点の温度が、前記熱可塑性接着剤の融点プラス0℃から20℃であることを特徴とする請求項1または2に記載の板状対象物の曲げ方法。
【請求項4】
前記板状接着物が電気泳動表示装置であり、
前記薄板体が、前記電気泳動表示装置の表示体であり、
前記シート状部材が、前記表示体を気密に封止するガスバリアー性フィルムであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の板状接着物の曲げ方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−197514(P2011−197514A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−65855(P2010−65855)
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】