説明

枕・布団用冷感付与剤

【課題】従来の冷感付与剤は肌用や衣類用のものであり、使用目的は日中の暑さ対策専用であった。これら組成物は夏の暑苦しい睡眠をサポートする枕や布団等の寝具に用途を勘案した成分組成ではない。
【解決手段】メントールやエタノールを主成分とした枕や布団専用の冷感成分組成とし、夏の暑苦しい睡眠を快適に入眠ができるよう開発された。また安眠促進のため、気持ちを落ち着かせる効果のある香料を配合し、さらに快適睡眠の視点から入眠の促進をする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、枕や布団用冷感付与剤に関する。暑苦しく眠りにくい睡眠前に、枕や布団に適用し身体と接触することによって涼しく感じることができる枕・布団用冷感付与剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の地球温暖化により夏場の暑さが年々厳しくなってきている。その一方で、東日本大震災から端を発する節電トレンドから、夏場のエアコン設定温度を高めにすることが奨励されている。また睡眠時にエアコンを付けっぱなしだと、身体を冷やし過ぎ身体に悪影響を及ぼすことは一般的に幅広く知られている。このような厳しい暑さをしのぐための製品としては、例えば冷却スプレーや冷却剤付きのバッグやマット等のように局所的に冷感を付与して一時的に暑さを和らげることができるものがすでに知られている(例えば特許文献1乃至3)。
【0003】
しかしながら冷感スプレーに関して寝具用に開発された製品が皆無に等しく、一般的に認知されておらず、また使用する習慣も当然ながら皆無のが現状である。
【0004】
また冷感スプレーは、通常、肌に直接噴霧するため、べたついたり、人によっては含有される成分に過敏に反応して肌荒れ等を起こす等の問題があった。また、汗によって冷却成分が流れ落ちたり、揮発性の冷却成分を用いた場合には体温で常に冷却成分が揮発されるなど、冷感が持続しないという問題があった。また、冷却剤を収容したバッグ、マット等は、暑さを感じなくなっても冷感を付与し続けるため、冷感効果が強すぎて寒く感じることがあった。
【0005】
このような背景から、睡眠時に暑苦しい枕や布団を優れた冷感効果を実感できる冷感付与材が求められていた。また冷感と同時に、快眠を促進するリラックスアロマの効果も求められていた。
【先行技術文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−239142
【特許文献2】特開2002−80335
【特許文献3】特開2010−84269
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の冷感付与剤では睡眠時専用の冷感成分組成ではないため、枕・布団専用として使用することはできなかった。
【0008】
本発明は、このような従来の冷感付与剤が解決できなかった問題を解決しようとするものであり、枕・布団専用の冷感成分組成を開発し、暑苦しい夜を快適に眠ることができる目的を持つものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そして本発明は上記課題を解決すべく枕・布団用に適した冷感成分組成を検討し、メントールとエタノールなどを含有する組成物を噴霧することによって、冷感効果の持続性が優れた成分を見いだした。本発明はこのような知見から研究を重ねて完成させたものである。
【0010】
本発明は、以下の枕・布団用冷感付与剤を提供する。
項1.0.1〜25重量%のメントールと、エタノールとを含有する枕・布団用冷感付与剤。
項2.メントールがl−メントールである、項1に記載の枕・布団用冷感付与剤。
項3.エタノールを50〜99.9重量%含有する、項1又は2に記載の枕・布団用冷感付与剤。
項4.エアゾールスプレータイプである項1〜3のいずれかに記載の枕・布団用冷感付与剤。
項5.項1〜4のいずれかに記載の枕・布団用冷感付与剤を、寝具に適用することによって冷感を得る方法。
【発明の効果】
【0011】
上述したように、本発明の枕・布団用冷感付与剤は、枕や布団に噴霧するだけで暑苦しい寝具を涼しく快適に睡眠を取ることができるものである。また、本発明の組成物は、一度吹きかけると一定の時間に亘って効果が持続するため、寝具に入ってから入眠までの間涼しく快適に睡眠することができる。
【0012】
さらに、睡眠時にリラックス効果のある香料を配合しているため、香りによる安眠効果も得ることができる。具体的にはラベンダーやローズなどの香料を含有するものである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の枕・布団用冷感付与剤は、メントールとエタノールを含有することを特徴とするものである。本明細書において、冷感とは、本発明の枕・布団用冷感付与剤を寝具に噴霧した部分が身体に接触した際にひんやりと冷たい感じがすることを指す。
【0014】
本発明の枕・布団用冷感付与剤は、上記メントール及びエタノール以外に安眠効果やリラックス効果のある香料を含有することにより、さらに快眠を促進させるものである。
【0015】
本発明の枕・布団用冷感付与剤の組成物には、身体に悪影響を及ぼさない成分を適宜選択して配合することができる。各成分の混合方法は特に限定されず、従来公知の方法を採用することができる。
【0016】
このようにして得られる本発明の枕・布団用冷感付与剤の剤型は、寝具に噴霧適用できる剤型であれば特に限定されず、従来公知の方法に従って適宜調製することができる。本発明の枕・布団用冷感付与剤の剤型としては、例えばエアゾールスプレータイプ、ミストスプレータイプ、ポンプスプレータイプ等が挙げられ、布への浸透性や対象物が限定できる等の利点を考慮するとエアゾールスプレータイプであることが好ましい。
【0017】
本発明の組成物を使用する場合、枕や敷き布団、掛け布団や、夏場に使用することが多いブランケットなど肌に接する面に適量噴霧すればよい。具体的な噴霧量としては特に限定するものではないが、例えば5秒間連続噴射で5.52g〜7.52gの噴射量である。また、汗をかきやすい頭や背中などの箇所の寝具(枕や敷き布団の背中部分など)に噴霧すると、汗をかいた時に冷たく感じ、本発明の冷感効果がより一層有効に発揮され得る。
【0018】
本発明の枕・布団用冷感付与剤は、寝具に噴霧することによって寝具を構成する布上又は布中に保持され、身体表面の汗と接触することによって冷感を付与し得るものである。また、メントールの配合割合によっては、若干の刺激も付与され得るが、このような刺激性を好む使用者もいるため、冷感の強度とのバランスを考慮して適宜調整することが望ましい。さらに、本発明の冷感付与剤は、衣類に対して悪影響を与えることもない。
【実施例】
【0019】
以下、枕・布団用冷感付与剤の冷却効果についての結果を図1に示す。
【0020】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
枕や布団などの寝具専用に最適の組成物を配合し、さらに安眠効果のある香料を含有した冷感効果のある付与剤。