枕
使用者の頭部を支持するようになった枕(10)を提供する。幾つかの実施形態では、枕は、中央部分(28)が、隣接した横側側部(30)に対して隆起した粘弾性本体(26)を備えていてもよい。横側部分(30)の各々は、凹所(32)を備えていてもよい。凹所(32)は、枕(10)の横方向及び前後方向の両方向で凹状形状を備えていてよく、枕(10)の前側及び/又は横側(16、20、22)まで延びてこれらの側部に開放していてもよく、頭部が本体(26)の中央部分(28)によって少なくとも部分的に支持される使用者の顔の下に置かれるように位置決めされ且つ形成されていてもよい。更に、枕(10)の中央部分(28)は、横方向に隣接した凹所(32)から、円弧状境界(36)によって分離されていてもよい。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
枕は、最も一般的には、もたれ掛かった、仰向けになった、又はうつ伏せになった姿勢の使用者の頭部を支持するのに使用される。例えば、枕は、人が、体の側部、背中、又は前側を下にして横たわるときに使用できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
様々な異なる姿勢で就寝する人に対して快適な枕に対する要求が高まり続けている。更に、所定範囲の様々な大きさ及び形状の頭部を快適に支持できる枕は、当該技術分野で歓迎される。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の幾つかの実施形態は、粘弾性材料からなる本体を有する枕を提供する。この枕の本体は、幅と、この幅よりも大きい長さと、下側側部と、枕の長さの両端部に設けられ、中央部分によって分けられた第1及び第2の部分を有する上側側部と、上側側部の第1及び第2の部分の各々に設けられた凹所とを含み、各凹所は、本体の長さに沿った所定の方向に第1断面形状を有し、第1断面形状に対して垂直な、本体の幅に沿った所定の方向に第2断面形状を有し、第1及び第2の断面形状は、実質的に滑らかであり、切子面がない。
【0004】
幾つかの実施形態では、使用者の頭部を支持するための枕を提供する。枕は、使用者の頭部を支持するために隆起させられた粘弾性中央部分と、この粘弾性中央部分の両側において横方向に配置された第1及び第2の粘弾性部分であって、共に粘弾性中央部分に関して凹所をなす、第1及び第2の粘弾性部分と、粘弾性中央部分を通って延び、枕を実質的に対称な横半部に実質的に二分する第1平面と、第1平面に対して実質的に垂直であり、枕を非対称な前半部及び後半部に二分する第2平面とを含み、第2平面によって形成される枕の断面形状は、中央台部と、この台部の側方で枕の横方向両側に向けて延びる凹状の円弧状凹所とを含む。
【0005】
本発明の幾つかの実施形態は、後頭部及び頬を有する使用者の頭部を支持するための枕を提供する。この枕は、周縁と、中央部分と、この中央部分の横方向両側に設けられた第1及び第2のボウル型凹所とを含む粘弾性本体を有し、第1及び第2のボウル型凹所の各々は、粘弾性本体の周縁に対して少なくとも部分的に開放している。
【0006】
本発明のこの他の特徴並びにその構成及び作動は、全図に亘り同様の要素に同じ参照番号を付した添付図面を参照して本発明の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の様々な実施形態を詳細に説明する前に、本発明の用途は、以下の説明に記載した、又は添付図面に示した構成要素の構造及び構成の詳細に限定されないということは、理解されるべきである。本発明は、この他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施される。更に、装置又は要素の配向に関して本明細書中で使用した言い回しや用語(「前」、「後」、「上方」、「下方」、「上」、「下」、「左」、「右」、「横方向」等)は、単に本発明の説明を簡単にするために使用したものであって、言及した装置や要素が特定の配向を持たなければならないということを示そうとするものでも暗示しようとするものでもないということは、理解されるべきである。更に「第1」、「第2」、及び「第3」等の用語は、本明細書中及び特許請求の範囲において、説明を目的としたものであって、相対的な重要性を示そうとするものではない。
【0008】
本発明の一実施形態による枕を図1乃至図9に示し、その全体に参照番号10が付してある。枕10は、もたれ掛かった、仰向けになった、又はうつ伏せなった姿勢の使用者の頭部を支持するようになっており、更に、用途によっては、使用者の頸部の少なくとも一部を支持できる。枕10は、この目的のため、任意の表面に置くことができる。こうした表面には、マットレス、床、椅子の背、等が含まれるが、これらに限定されない。
【0009】
幾つかの実施形態では、枕10は全体に矩形形状を有するが、使用者の頭部を載せることができる上側側部12と、枕10を載せることができる支持面に実質的に面する下側側部14と、実質的に頭部を枕10に載せた使用者の身体に面する前側側部16と、前側側部16とは反対側の後側側部18と、枕10の両端の横側側部20、22とを有する。
【0010】
上側側部12及び下側側部14が枕10の全体としての厚さを決定する。この厚さは、枕10の様々な位置で異なっていてよい。図2及び図3に最もよく示すように、枕10の上側側部12及び下側側部14は、全体に矩形形状であってよいが、別の実施形態では、枕10の隅部24は丸みを帯びていてよい(図1乃至図7参照)。別の態様では、隅部24は、実質的に尖っていてもよいし、切子面を有して(faceted)いてもよいし、任意の他の所望の形状を備えていてもよい。図1乃至図9に示す枕10の上側側部12及び下側側部14は実質的に矩形であるが、枕10の上側側部12及び下側側部14は、台形、三角形、及び他の多角形形状、円形、楕円形、卵形、及び他の丸みを帯びた形状、ピーナッツ形、バーベル形、及び他の丸い突出部を有する(lobed)形状、不規則形状、等を含むがこれらに限定されない任意の他の形状を備えていてもよい。実質的に矩形の上側側部12及び下側側部14を有する実施形態では、上側側部12及び下側側部14は、正方形であってもよいし、細長い形状であってもよい。例えば、図1乃至図9に示す枕10は細長く、従来のクィーンサイズ(queen−size)の枕と同様の長さ及び幅寸法を有する。別の例として、図10乃至図18に示す(そして以下に説明する)枕110は、実質的に矩形の上側側部112及び下側側部114を有し、従来の標準サイズの枕と同様の長さ及び幅寸法を有する。この他の種類の一般的な枕サイズ(例えば、キングサイズの枕、コンチネンタル(continental)又はヨーロピアンコンチネンタル(European continental)正方形枕、等)が可能であり、本発明の精神及び範囲に含まれる。
【0011】
枕10の前側側部16、後側側部18、及び横側側部20、22は、任意の形状又は所望の形状の組み合わせを備えていてもよい。例えば、前側側部16、後側側部18、及び横側側部20、22のうちの任意の又は全ての側部は、実質的に平坦であってよく、及び/又は枕10を置いた表面に対して実質的に垂直であってよい。別の例として、前側側部16、後側側部18、及び横側側部20、22のうちの任意の又は全ての側部は、凹状又は凸状の輪郭(profile)を備えていてもよく、枕10の上側側部12及び/又は下側側部14に関して湾曲した移行面を形成してもよい。例えば、図4乃至図7、及び図9を参照すると、枕10の後側側部18は湾曲した輪郭を有し、枕10の上側側部12と湾曲した移行部で出合い、枕10の下側側部14に関して所定の角度を形成する。更に、図4乃至図8を参照すると、枕10の横側側部20、22もまた湾曲した輪郭を有し、上側側部12及び下側側部14と湾曲した移行部で出合う。枕10の上側側部12、下側側部14、前側側部16、後側側部18、及び横側側部20、22の間の任意の他の移行部形状が可能であり、本発明の精神及び範囲に含まれる。
【0012】
枕10は、変形可能な材料又は変形可能な材料の組み合わせからなる本体26を備えることができる。変形可能な材料には、ポリウレタン又は他の種類の発泡体、羽毛、羊毛、穀皮、ビーズ、等が含まれるが、これらの材料に限定されない。しかしながら、幾つかの実施形態では、本体26は粘弾性発泡体を含む。使用者の体温によって、使用者に対する高い適合性を提供するため、感温性粘弾性発泡体を使用してもよく、これは、多くの場合において、使用者の快適性を大幅に向上できる。他の種類の発泡体、詰め物、及び他のクッション材料と比較して、本体26が粘弾性発泡体でできていると、本体26での使用者の圧力分布を大幅に改善できる。このように圧力分布が改善されるため、皺及び他の痕(blemishes)が使用者にでき難くなり、使用者を良好に支持できる。
【0013】
本体26は、一体的な単一の材料片で形成されていてもよいし、接着性又は粘着性結合材料、テープ、面ファスナ(hook−and−loop fastener)材料、又は任意の他の方法によって互いに連結された二つ以上の材料で形成されていてもよい。例えば、図1乃至図9に示す枕10の本体26は、粘弾性発泡体の単一片である。本体26は、型成形、注型(casting)、切断又は他の種類の機械加工、等の多くの様々な方法で形成でき、幾つかの実施形態では、このような作業の組み合わせによって形成される。
【0014】
幾つかの変形例では、本体26は、カバー(図示せず)内に保持されて上文中に説明した任意の枕形状を有する、粒状の粘弾性材料の集合体(mass)を備えていてよい。このような実施形態では、カバーは、ナイロン、ポリエステル、及び他の種類のプラスチック、天然又は合成ゴム、綿、羊毛、及びこれらの任意の混紡又は他の組み合わせを含むが、これらの材料に限定されない多くの様々な種類の材料を備えていてもよい。しかしながら、幾つかの実施形態では、粘弾性材料を備えるカバーが、図1乃至図9に示す本体26の粘弾性材料に関して上文中に説明したのと同じ理由で、追加の利点を提供できる。更に別の種類のカバー材料が可能であり、本発明の精神及び範囲に含まれる。粒状粘弾性材料の集合体を保持するカバーは、蒸気及び/又は液体に対して透過性であってもよいし、非透過性であってもよく、いかなる織布又は不織布の形態であってもよく、任意の所望の材料で被覆されていてもよい。更に、幾つかの実施形態では、このようなカバーの様々な部分は、縫製、接着性又は粘着性結合材料、面ファスナ材料、等の任意の適当な方法で互いに連結された様々な種類又は形態の材料を備えていてよい。
【0015】
本体26が、上文中に説明したようにカバー内に保持された粒状粘弾性材料の集合体を備える実施形態では、粘弾性材料を切れ切れに裁断したり切り刻むことにより、複数の粘弾性材料片を形成でき、幾つかの実施形態では、最大平均寸法は、0.3cm乃至4cmである(所望であれば、平均的な大きさがこれよりも小さい、又は大きい粘弾性部片を使用してもよい)。
【0016】
本体26に任意の粘弾性発泡体材料を使用することができる(上文中に説明したように固体形態であろうと粒状形態であろうと)が、多くの場合において、特定の材料特性を持つ粘弾性発泡体が、性能の向上をもたらす。幾つかの実施形態では、密度が約40kg/m3 以上及び/又は約110kg/m3 以下の粘弾性発泡体が、性能上の良好な結果をもたらすことができる。他の実施形態では、密度が約50kg/m3以上及び/又は約90kg/m3 以下の粘弾性発泡体が、性能上の良好な結果をもたらすことができる。更に他の実施形態では、密度が約55kg/m3以上及び/又は約65kg/m3以下 の粘弾性発泡体が、性能上の良好な結果をもたらすことができる。例えば、枕10の本体26は、密度が約60kg/m3 の粘弾性発泡体を備えることができる。
【0017】
また、硬さが約30N以上及び/又は約80N以下の粘弾性発泡体が、性能上の良好な結果をもたらすことができる。他の実施形態では、硬さが約35N以上及び/又は約75N以下の粘弾性発泡体が、性能上の良好な結果をもたらすことができる。更に他の実施形態では、硬さが約45N以上及び/又は約65N以下の粘弾性発泡体が、性能上の良好な結果をもたらすことができる。例えば枕10の本体26は、硬さが約55Nの粘弾性発泡体を備えることができる。場合によっては、本体26は、高い熱分布性及び本体26の内外への高い空気循環性等の所望のクッション特性を得るため、網状粘弾性発泡体で形成することができる。
【0018】
図1乃至図9に示す本体26は、以下に更に詳細に説明する外形を備えており、実質的に滑らかな表面を有する。しかしながら、他の実施形態では、微小くぼみや隆条(rib)が設けられた表面、波形、突起、又は点刻(stippling)が設けられた表面、等の表面特徴が、本体26の任意の部分に設けられていてもよい。
【0019】
図1乃至図9に示す実施形態を更に参照すると、本体26の中央部分28は、隣接した側部30に対して隆起している(elevated)。中央部分28は、使用者の頭部を(枕10が置かれた表面に関して)高い位置に支持するのに適した高さを備えていてよい。中央部分28は、実質的に平らであってもよいし、別の態様では、凹状又は凸状の形状を備えていてもよい。例えば、図1乃至図9の実施形態に示す中央部分28は、横方向及び前後方向で僅かに凹状形状をなしており、これによって、使用者の頭部の後部分を(使用者が、顔を上に向けて、下に向けて、又は横向きのいずれの姿勢で横たわっていても)安定的に受け入れるための僅かに凹所をなした位置を提供する。
【0020】
更に、本体26の中央部分28は、実質的に、枕10を置いた表面と平行な平面内にあってもよい。例えば、中央部分28は、枕10を水平な表面に置いた場合には、実質的に水平平面内にあってよい。しかしながら、他の実施形態では、中央部分28は、枕10を置いた表面に関して傾斜していてもよい。図1乃至図9の例示の実施形態では、中央部分28は、枕10の後側側部18に向かって傾斜している。
【0021】
幾つかの実施形態では、中央部分28の後方への傾斜は、(枕10全体を横切って前後方向に延びる、中央部分28に載せた直線状の物体によって計測して)約0°よりも大きく及び/又は約50°よりも小さい。他の実施形態では、中央部分28の後方への傾斜は、約10°よりも大きく及び/又は約40°よりも小さい。図1乃至図9の例示の実施形態では、中央部分28の後方への傾斜は、約30°である。
【0022】
上文中に言及したように、本体26の中央部分28は、隣接した側部30に関して隆起させることができる。この点で、両側部30は、本体26に凹所32を形成することができる。これらの凹所32は、使用者の顔の横側及び/又は正面がいずれの凹所32の表面よりも上方にある状態で、使用者が、その後頭部を、枕10の中央部分28に載せることができるように位置決めされており且つ形成されていてよい。別の態様では、使用者の顔の横側及び/又は正面の少なくとも一部が凹所32の表面上に優しく置かれると共に、使用者がその後頭部を枕10の中央部分28に載せることができるように凹所32を位置決めし且つ形成してもよい。いずれの場合でも、使用者の頭部の重量全体が中央部分28によって支持され、又は従来の枕10と比べてかなり大きな割合が中央部分28によって支持される。従って、使用者の顔の横側及び正面に加わる圧力を大幅に減少できる。
【0023】
凹所32は、横方向及び/又は前後方向で凹状をなしていてよい。幾つかの実施形態では、横方向及び/又は前後方向で凹状をなした凹所32は、使用者の顔を受け入れるのに十分な深さを提供できると同時に、滑らかで切子面のない(unfaceted)表面を提供する。そのような表面でなければ、(使用者の顔に接触した場合)使用者の顔に線等の痕跡を形成してしまう。凹所32は、ボウル型(bowl−shaped)にすることができ、このボウル形状は対称であっても非対称であってもよく、ボウル形状は、丸みを帯びた周縁を備えていることができ(図1及び図2参照)、又は任意の他の所望の形状を持つ周縁を備えていてもよい。
【0024】
図1乃至図9の例示の実施形態では、各凹所32は、横方向及び前後方向の両方向で凹状をなしており、継ぎ目、鋭角、又は切子面がない。従って、使用者の顔が、いずれかの凹所32内の表面と接触したりこれらの表面に圧力を及ぼす場合、線等の痕が使用者の顔に形成される機会を減少する。更に、凹所32についてのこのような形状により、使用者の頭部が中央部分28から枕10の横側側部20、22のいずれかに向かって移動した場合でも、又は使用者の頭部全体がいずれかの凹所32内に移動した場合でも、使用者は快適性を保つことができる。このような移動にも拘わらず、このような位置での使用者の快適性が維持されることから、使用者が起きたり目覚めたりすることがない。
【0025】
図8を参照すると、本体26を横方向に二分する平面に沿った本体26の断面形状は、中央の台部(plateau)又は他の隆起した表面34と、その側方の凹状形状の隣接した凹所32を有する。いずれか一方又は両方の凹状形状の端部の高さは、同じであってもよいし、異なっていてもよい(例えば、図1乃至図9の例示の実施形態では、各凹状形状の、中央部分28と近接した端部の高さは、各凹状形状の、枕10の横側側部20、22の夫々と近接した端部の高さよりも高い)。
【0026】
いずれかの凹所32の中央を通って前方/後方に延びる平面に沿った本体26の断面形状は、凹状形状をなすことができる。この凹状形状の端部の高さは、同じであってもよいし、異なっていてもよい(例えば、図1乃至図9の例示の実施形態では、凹状形状の、枕10の後側側部18と近接した端部の高さは、凹状形状の、枕10の前側側部16と近接した端部よりも高い)。
【0027】
図8に最もよく示すように、本体26は、中央部分28から互いに反対方向に下方に傾斜をなしていてもよい。いずれかの方向又は両方向での傾斜は、(枕10の前側側部16と後側側部18との間の中間で中央部分28に載せた、枕10の横側側部20、22の夫々まで横方向に延びる直線状の物体によって計測して)約0°よりも大きく及び/又は約50°よりも小さくすることができる。他の実施形態では、この傾斜は、約10°よりも大きく及び/又は約40°よりも小さい。図1乃至図9の例示の実施形態では、この傾斜は約10°である。
【0028】
幾つかの実施形態では、凹所32のいずれか又は両方が、枕10の隣接した横側側部20、22及び/又は前側側部16に対して少なくとも部分的に開放している。例えば、図1乃至9の実施形態の凹所32は、枕10の横側側部20、22及び前側側部16まで延びており且つこれらの側部に対して開放している。このような凹所形状は、使用者が頭部をいずれかの凹所32に載せて横方向のいずれかの方向に向いた姿勢等の、枕10での使用者の幾つかの姿勢において、使用者の快適性を高めることができる。更に、このような凹所形状は、枕10の上側側部12を横切って使用者に接近又は離間する方向に流れる空気流を促すことができる。幾つかの実施形態では、これに加え、又はこの代わりに、凹所32のいずれか又は両方が、枕10の後側側部18まで延びており且つ後側側部18に対して開放していてよい。
【0029】
次に、図1及び図2を参照すると、幾つかの実施形態では、凹所32は、本体26の中央部分28と直ちに隣接している。このような実施形態では、中央部分28と各凹所32との間に境界36を形成することができる。これらの境界36は、任意の所望の形状を備えることができる。図1乃至図9の例示の実施形態では、各境界36は円弧形状であり、夫々の凹所32に向かって凹状形状を形成している。このような境界形状は、(使用者が、背中、前側、又は側部を下にして横たわっている場合)使用者の後頭部に対して十分な支持を提供する中央部分28を形成でき、同時に、使用者の頭部をいずれかの凹所32に載せるのに望ましい凹所形状を提供する。本明細書中及び特許請求の範囲で使用したように、「円弧状」という用語は、半径が一定の又は一定でない任意の湾曲形状を指す。
【0030】
境界36は、上文中に説明した中央部分28と凹所32との間に移行部を形成できる。しかしながら、幾つかの実施形態では、境界36は、本体26の表面の尖った縁部でも切れ目(breaks)でもない。その代わりに、境界36は、中央部分28と凹所32との間の滑らかで継ぎ目のない移行部であってよく、これによって、凹所32及び/又は中央部分28が形成する本体26の表面上の切子面を減少するか或いはなくす。従って、使用者の顔に線等の痕が形成される機会を少なくし、又はなくすことができる。幾つかの実施形態では、粘弾性材料を使用することにより、枕10に載せている使用者の顔に線等の痕が形成される機会を著しく少なくし、又はなくすことができる。これに関し、使用者の頭部の一部が境界36に圧力を及ぼしたとき、本体26の粘弾性材料は、線等の痕を形成し得る本来の対向圧力を及ぼすのでなく、使用者の頭部のその部分と形状を一致できる。従って、幾つかの実施形態では、本体26は、上記のような結果をもたらすことなく、よりはっきりと形成された又はより鋭い角度を有する境界を備えることができる。しかしながら、粘弾性材料は、中央部分28と凹所32との間に滑らかな移行部を形成する境界と組み合わせて使用した場合、優れた性能結果をもたらすことができる。
【0031】
上文中に説明したように、枕10は、本体26の中央部分28に載せた使用者の頭部を支持するのに使用できる。しかしながら、枕10は、二人の使用者の頭部を支持するのにも使用できる。具体的には、各凹所32に使用者の頭部を載せることができ、このとき、使用者は、顔を互いに向き合わせていてもよく、互いに反対方向を向いていてもよく、又は同じ方向を向いていてもよい。図1乃至図9に示す凹所形状(即ち、横方向及び前後方向で凹状をなした凹所形状、本体26の横側側部20、22及び/又は前側側部16に開放した凹所形状、中央部分28と凹所32との間の円弧状境界36、及び/又は滑らかな境界形状)は、空気が使用者に対して自由に流れることができるようにし、両使用者の頭部に対して十分な支持を提供でき、及び使用者の頭部間を十分に離間させることを可能にすることによって、枕10のこの使用方法を容易にする。
【0032】
図1乃至図4を参照すると、幾つかの実施形態では、枕10は、枕10の前側側部16に配置された凹所38を備えていてもよい。幾つかの実施形態では、凹所38は、枕10の前側側部16のほぼ中央に配置されている。しかしながら、他の実施形態では、凹所38は、枕10の前側側部16に関して中央からずらしてあってもよい(例えば、二人の使用者の肩部を受け入れるために二つの凹所38が枕10の前側側部16に配置された場合等)。図1乃至図4を再び参照すると、凹所38は、中央部分28の任意の部分に沿って延びていてよく、幾つかの実施形態では、中央部分28の全体に沿って延びている。凹所38は、側部を下にして横たわった使用者の肩部の少なくとも一部及び/又は背中又は前部を下にして横たわった使用者の両肩部の少なくとも一部を受け入れるように形成することができる。幾つかの実施形態では、この目的のため、ほぼ円弧形状であるが、凹所38は、任意の他の所望の形状を備えていてもよい。
【0033】
更に、図1乃至図4に示すように、枕10は、枕10の前側側部16と近接して本体26の中央部分28に配置された凹所40を、凹所38と共に、又は凹所38の代わりに、備えていてもよい。幾つかの実施形態では、凹所40は、枕10の前側側部16のほぼ中央に配置されている。しかしながら、他の実施形態では、この凹所40は、枕10の前側側部16に関して中央からずらしてあってもよい(例えば、二人の使用者の肩部を受け入れるように、枕10の前側側部16に二つの凹所40が配置される場合)。再度図1乃至図4を参照すると、凹所40は、側部、背中、又は前部を下にして横たわっている使用者の頸部の少なくとも一部を受け入れるように形成することができる。幾つかの実施形態では、凹所40は、この目的のため、ほぼ円弧形状であるが、凹所40は、任意の他の所望の形状を備えていてもよい。
【0034】
幾つかの実施形態では、枕10は、カバー(図示せず)を備えていてもよい。カバーは、適当な大きさのピローケースであってよく、又は少なくとも一部が枕10の形状と対応する形状を備えていてもよい。カバーは、本体26を部分的に又は完全に包囲することができ、ナイロン、ポリエステル及び他の種類のプラスチック、天然ゴム又は合成ゴム、綿、羊毛、及びこれらの任意の混紡又は他の組み合わせを含むがこれらの材料に限定されない多くの様々な種類の材料を備えることができる。本発明の精神及び範囲に含まれる更に別の種類のカバー材料が可能である。更に、カバーは、蒸気及び/又は液体に対して透過性であってもよいし、非透過性であってもよく、いかなる織布又は不織布の形態であってもよく、任意の所望の材料で被覆されていてもよく、縫合又は任意の他の適当な方法で互いに連結された異なる特性を有する部分を備えていてもよい。
【0035】
本発明による枕の別の実施形態を図10乃至図18に示し、その全体に参照番号110が付してある。図10乃至図18に示す枕110は、図1乃至図9に示し且つ上文中に説明した枕10と同様に、使用者の頭部を載せることができる上側側部112と、枕110を載せることができる支持面に実質的に面する下側側部114と、実質的に頭部を枕110に載せた使用者の身体に面する前側側部116と、前側側部116とは反対側の後側側部118と、枕110の両端の横側側部120、122と、本体126とを有する。本体126の中央部分128の側方には、凹所132を夫々備えた側部130が設けられている。しかしながら図10乃至図18に示す枕110は、図1乃至図9に示す枕よりも小さく、標準的な大きさの枕に匹敵する大きさであり、図1乃至図9のクィーンサイズの枕10に関して上記した特徴及び構造のうちの任意の又は全ての特徴及び構造を、他の大きさの枕に適用できることの一例として示される。構造及び特徴に関する追加の情報について、及び図9乃至図18に示す枕110の構造及び特徴に対する可能な変更について、以上の説明を参照されたい。
【0036】
上文中に説明し、添付図面に示した実施形態は単なる例示であって、本発明の概念及び原理を制限しようとするものではない。従って、要素及びこれらの要素の形態及び構成を、特許請求の範囲に記載した本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々に変化させることができるということは当業者には理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施形態による枕の前面斜視図である。
【図2】図1に示す枕の平面図である。
【図3】図1及び図2に示す枕の底面図である。
【図4】図1、図2、及び図3に示す枕の正面図である。
【図5】図1乃至図4に示す枕の後面図である。
【図6】図1乃至図5に示す枕の左側面図である。
【図7】図1乃至図6に示す枕の右側面図である。
【図8】図1乃至図7に示す枕の図2の8−8線に沿った断面図である。
【図9】図1乃至図8に示す枕の図2の9−9線に沿った断面図である。
【図10】本発明の別の実施形態による枕の前面斜視図である。
【図11】図10に示す枕の平面図である。
【図12】図10及び図11に示す枕の底面図である。
【図13】図10、図11、及び図12に示す枕の正面図である。
【図14】図10乃至図13に示す枕の後面図である。
【図15】図10乃至図14に示す枕の左側面図である。
【図16】図10乃至図15に示す枕の右側面図である。
【図17】図10乃至図16に示す枕の図11の17−17線に沿った断面図である。
【図18】図10乃至図17に示す枕の図11の18−18線に沿った断面図である。
【符号の説明】
【0038】
10 枕
12 上側側部
14 下側側部
16 前側側部
18 後側側部
20、22 横側側部
24 隅部
26 本体
【背景技術】
【0001】
枕は、最も一般的には、もたれ掛かった、仰向けになった、又はうつ伏せになった姿勢の使用者の頭部を支持するのに使用される。例えば、枕は、人が、体の側部、背中、又は前側を下にして横たわるときに使用できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
様々な異なる姿勢で就寝する人に対して快適な枕に対する要求が高まり続けている。更に、所定範囲の様々な大きさ及び形状の頭部を快適に支持できる枕は、当該技術分野で歓迎される。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の幾つかの実施形態は、粘弾性材料からなる本体を有する枕を提供する。この枕の本体は、幅と、この幅よりも大きい長さと、下側側部と、枕の長さの両端部に設けられ、中央部分によって分けられた第1及び第2の部分を有する上側側部と、上側側部の第1及び第2の部分の各々に設けられた凹所とを含み、各凹所は、本体の長さに沿った所定の方向に第1断面形状を有し、第1断面形状に対して垂直な、本体の幅に沿った所定の方向に第2断面形状を有し、第1及び第2の断面形状は、実質的に滑らかであり、切子面がない。
【0004】
幾つかの実施形態では、使用者の頭部を支持するための枕を提供する。枕は、使用者の頭部を支持するために隆起させられた粘弾性中央部分と、この粘弾性中央部分の両側において横方向に配置された第1及び第2の粘弾性部分であって、共に粘弾性中央部分に関して凹所をなす、第1及び第2の粘弾性部分と、粘弾性中央部分を通って延び、枕を実質的に対称な横半部に実質的に二分する第1平面と、第1平面に対して実質的に垂直であり、枕を非対称な前半部及び後半部に二分する第2平面とを含み、第2平面によって形成される枕の断面形状は、中央台部と、この台部の側方で枕の横方向両側に向けて延びる凹状の円弧状凹所とを含む。
【0005】
本発明の幾つかの実施形態は、後頭部及び頬を有する使用者の頭部を支持するための枕を提供する。この枕は、周縁と、中央部分と、この中央部分の横方向両側に設けられた第1及び第2のボウル型凹所とを含む粘弾性本体を有し、第1及び第2のボウル型凹所の各々は、粘弾性本体の周縁に対して少なくとも部分的に開放している。
【0006】
本発明のこの他の特徴並びにその構成及び作動は、全図に亘り同様の要素に同じ参照番号を付した添付図面を参照して本発明の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の様々な実施形態を詳細に説明する前に、本発明の用途は、以下の説明に記載した、又は添付図面に示した構成要素の構造及び構成の詳細に限定されないということは、理解されるべきである。本発明は、この他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施される。更に、装置又は要素の配向に関して本明細書中で使用した言い回しや用語(「前」、「後」、「上方」、「下方」、「上」、「下」、「左」、「右」、「横方向」等)は、単に本発明の説明を簡単にするために使用したものであって、言及した装置や要素が特定の配向を持たなければならないということを示そうとするものでも暗示しようとするものでもないということは、理解されるべきである。更に「第1」、「第2」、及び「第3」等の用語は、本明細書中及び特許請求の範囲において、説明を目的としたものであって、相対的な重要性を示そうとするものではない。
【0008】
本発明の一実施形態による枕を図1乃至図9に示し、その全体に参照番号10が付してある。枕10は、もたれ掛かった、仰向けになった、又はうつ伏せなった姿勢の使用者の頭部を支持するようになっており、更に、用途によっては、使用者の頸部の少なくとも一部を支持できる。枕10は、この目的のため、任意の表面に置くことができる。こうした表面には、マットレス、床、椅子の背、等が含まれるが、これらに限定されない。
【0009】
幾つかの実施形態では、枕10は全体に矩形形状を有するが、使用者の頭部を載せることができる上側側部12と、枕10を載せることができる支持面に実質的に面する下側側部14と、実質的に頭部を枕10に載せた使用者の身体に面する前側側部16と、前側側部16とは反対側の後側側部18と、枕10の両端の横側側部20、22とを有する。
【0010】
上側側部12及び下側側部14が枕10の全体としての厚さを決定する。この厚さは、枕10の様々な位置で異なっていてよい。図2及び図3に最もよく示すように、枕10の上側側部12及び下側側部14は、全体に矩形形状であってよいが、別の実施形態では、枕10の隅部24は丸みを帯びていてよい(図1乃至図7参照)。別の態様では、隅部24は、実質的に尖っていてもよいし、切子面を有して(faceted)いてもよいし、任意の他の所望の形状を備えていてもよい。図1乃至図9に示す枕10の上側側部12及び下側側部14は実質的に矩形であるが、枕10の上側側部12及び下側側部14は、台形、三角形、及び他の多角形形状、円形、楕円形、卵形、及び他の丸みを帯びた形状、ピーナッツ形、バーベル形、及び他の丸い突出部を有する(lobed)形状、不規則形状、等を含むがこれらに限定されない任意の他の形状を備えていてもよい。実質的に矩形の上側側部12及び下側側部14を有する実施形態では、上側側部12及び下側側部14は、正方形であってもよいし、細長い形状であってもよい。例えば、図1乃至図9に示す枕10は細長く、従来のクィーンサイズ(queen−size)の枕と同様の長さ及び幅寸法を有する。別の例として、図10乃至図18に示す(そして以下に説明する)枕110は、実質的に矩形の上側側部112及び下側側部114を有し、従来の標準サイズの枕と同様の長さ及び幅寸法を有する。この他の種類の一般的な枕サイズ(例えば、キングサイズの枕、コンチネンタル(continental)又はヨーロピアンコンチネンタル(European continental)正方形枕、等)が可能であり、本発明の精神及び範囲に含まれる。
【0011】
枕10の前側側部16、後側側部18、及び横側側部20、22は、任意の形状又は所望の形状の組み合わせを備えていてもよい。例えば、前側側部16、後側側部18、及び横側側部20、22のうちの任意の又は全ての側部は、実質的に平坦であってよく、及び/又は枕10を置いた表面に対して実質的に垂直であってよい。別の例として、前側側部16、後側側部18、及び横側側部20、22のうちの任意の又は全ての側部は、凹状又は凸状の輪郭(profile)を備えていてもよく、枕10の上側側部12及び/又は下側側部14に関して湾曲した移行面を形成してもよい。例えば、図4乃至図7、及び図9を参照すると、枕10の後側側部18は湾曲した輪郭を有し、枕10の上側側部12と湾曲した移行部で出合い、枕10の下側側部14に関して所定の角度を形成する。更に、図4乃至図8を参照すると、枕10の横側側部20、22もまた湾曲した輪郭を有し、上側側部12及び下側側部14と湾曲した移行部で出合う。枕10の上側側部12、下側側部14、前側側部16、後側側部18、及び横側側部20、22の間の任意の他の移行部形状が可能であり、本発明の精神及び範囲に含まれる。
【0012】
枕10は、変形可能な材料又は変形可能な材料の組み合わせからなる本体26を備えることができる。変形可能な材料には、ポリウレタン又は他の種類の発泡体、羽毛、羊毛、穀皮、ビーズ、等が含まれるが、これらの材料に限定されない。しかしながら、幾つかの実施形態では、本体26は粘弾性発泡体を含む。使用者の体温によって、使用者に対する高い適合性を提供するため、感温性粘弾性発泡体を使用してもよく、これは、多くの場合において、使用者の快適性を大幅に向上できる。他の種類の発泡体、詰め物、及び他のクッション材料と比較して、本体26が粘弾性発泡体でできていると、本体26での使用者の圧力分布を大幅に改善できる。このように圧力分布が改善されるため、皺及び他の痕(blemishes)が使用者にでき難くなり、使用者を良好に支持できる。
【0013】
本体26は、一体的な単一の材料片で形成されていてもよいし、接着性又は粘着性結合材料、テープ、面ファスナ(hook−and−loop fastener)材料、又は任意の他の方法によって互いに連結された二つ以上の材料で形成されていてもよい。例えば、図1乃至図9に示す枕10の本体26は、粘弾性発泡体の単一片である。本体26は、型成形、注型(casting)、切断又は他の種類の機械加工、等の多くの様々な方法で形成でき、幾つかの実施形態では、このような作業の組み合わせによって形成される。
【0014】
幾つかの変形例では、本体26は、カバー(図示せず)内に保持されて上文中に説明した任意の枕形状を有する、粒状の粘弾性材料の集合体(mass)を備えていてよい。このような実施形態では、カバーは、ナイロン、ポリエステル、及び他の種類のプラスチック、天然又は合成ゴム、綿、羊毛、及びこれらの任意の混紡又は他の組み合わせを含むが、これらの材料に限定されない多くの様々な種類の材料を備えていてもよい。しかしながら、幾つかの実施形態では、粘弾性材料を備えるカバーが、図1乃至図9に示す本体26の粘弾性材料に関して上文中に説明したのと同じ理由で、追加の利点を提供できる。更に別の種類のカバー材料が可能であり、本発明の精神及び範囲に含まれる。粒状粘弾性材料の集合体を保持するカバーは、蒸気及び/又は液体に対して透過性であってもよいし、非透過性であってもよく、いかなる織布又は不織布の形態であってもよく、任意の所望の材料で被覆されていてもよい。更に、幾つかの実施形態では、このようなカバーの様々な部分は、縫製、接着性又は粘着性結合材料、面ファスナ材料、等の任意の適当な方法で互いに連結された様々な種類又は形態の材料を備えていてよい。
【0015】
本体26が、上文中に説明したようにカバー内に保持された粒状粘弾性材料の集合体を備える実施形態では、粘弾性材料を切れ切れに裁断したり切り刻むことにより、複数の粘弾性材料片を形成でき、幾つかの実施形態では、最大平均寸法は、0.3cm乃至4cmである(所望であれば、平均的な大きさがこれよりも小さい、又は大きい粘弾性部片を使用してもよい)。
【0016】
本体26に任意の粘弾性発泡体材料を使用することができる(上文中に説明したように固体形態であろうと粒状形態であろうと)が、多くの場合において、特定の材料特性を持つ粘弾性発泡体が、性能の向上をもたらす。幾つかの実施形態では、密度が約40kg/m3 以上及び/又は約110kg/m3 以下の粘弾性発泡体が、性能上の良好な結果をもたらすことができる。他の実施形態では、密度が約50kg/m3以上及び/又は約90kg/m3 以下の粘弾性発泡体が、性能上の良好な結果をもたらすことができる。更に他の実施形態では、密度が約55kg/m3以上及び/又は約65kg/m3以下 の粘弾性発泡体が、性能上の良好な結果をもたらすことができる。例えば、枕10の本体26は、密度が約60kg/m3 の粘弾性発泡体を備えることができる。
【0017】
また、硬さが約30N以上及び/又は約80N以下の粘弾性発泡体が、性能上の良好な結果をもたらすことができる。他の実施形態では、硬さが約35N以上及び/又は約75N以下の粘弾性発泡体が、性能上の良好な結果をもたらすことができる。更に他の実施形態では、硬さが約45N以上及び/又は約65N以下の粘弾性発泡体が、性能上の良好な結果をもたらすことができる。例えば枕10の本体26は、硬さが約55Nの粘弾性発泡体を備えることができる。場合によっては、本体26は、高い熱分布性及び本体26の内外への高い空気循環性等の所望のクッション特性を得るため、網状粘弾性発泡体で形成することができる。
【0018】
図1乃至図9に示す本体26は、以下に更に詳細に説明する外形を備えており、実質的に滑らかな表面を有する。しかしながら、他の実施形態では、微小くぼみや隆条(rib)が設けられた表面、波形、突起、又は点刻(stippling)が設けられた表面、等の表面特徴が、本体26の任意の部分に設けられていてもよい。
【0019】
図1乃至図9に示す実施形態を更に参照すると、本体26の中央部分28は、隣接した側部30に対して隆起している(elevated)。中央部分28は、使用者の頭部を(枕10が置かれた表面に関して)高い位置に支持するのに適した高さを備えていてよい。中央部分28は、実質的に平らであってもよいし、別の態様では、凹状又は凸状の形状を備えていてもよい。例えば、図1乃至図9の実施形態に示す中央部分28は、横方向及び前後方向で僅かに凹状形状をなしており、これによって、使用者の頭部の後部分を(使用者が、顔を上に向けて、下に向けて、又は横向きのいずれの姿勢で横たわっていても)安定的に受け入れるための僅かに凹所をなした位置を提供する。
【0020】
更に、本体26の中央部分28は、実質的に、枕10を置いた表面と平行な平面内にあってもよい。例えば、中央部分28は、枕10を水平な表面に置いた場合には、実質的に水平平面内にあってよい。しかしながら、他の実施形態では、中央部分28は、枕10を置いた表面に関して傾斜していてもよい。図1乃至図9の例示の実施形態では、中央部分28は、枕10の後側側部18に向かって傾斜している。
【0021】
幾つかの実施形態では、中央部分28の後方への傾斜は、(枕10全体を横切って前後方向に延びる、中央部分28に載せた直線状の物体によって計測して)約0°よりも大きく及び/又は約50°よりも小さい。他の実施形態では、中央部分28の後方への傾斜は、約10°よりも大きく及び/又は約40°よりも小さい。図1乃至図9の例示の実施形態では、中央部分28の後方への傾斜は、約30°である。
【0022】
上文中に言及したように、本体26の中央部分28は、隣接した側部30に関して隆起させることができる。この点で、両側部30は、本体26に凹所32を形成することができる。これらの凹所32は、使用者の顔の横側及び/又は正面がいずれの凹所32の表面よりも上方にある状態で、使用者が、その後頭部を、枕10の中央部分28に載せることができるように位置決めされており且つ形成されていてよい。別の態様では、使用者の顔の横側及び/又は正面の少なくとも一部が凹所32の表面上に優しく置かれると共に、使用者がその後頭部を枕10の中央部分28に載せることができるように凹所32を位置決めし且つ形成してもよい。いずれの場合でも、使用者の頭部の重量全体が中央部分28によって支持され、又は従来の枕10と比べてかなり大きな割合が中央部分28によって支持される。従って、使用者の顔の横側及び正面に加わる圧力を大幅に減少できる。
【0023】
凹所32は、横方向及び/又は前後方向で凹状をなしていてよい。幾つかの実施形態では、横方向及び/又は前後方向で凹状をなした凹所32は、使用者の顔を受け入れるのに十分な深さを提供できると同時に、滑らかで切子面のない(unfaceted)表面を提供する。そのような表面でなければ、(使用者の顔に接触した場合)使用者の顔に線等の痕跡を形成してしまう。凹所32は、ボウル型(bowl−shaped)にすることができ、このボウル形状は対称であっても非対称であってもよく、ボウル形状は、丸みを帯びた周縁を備えていることができ(図1及び図2参照)、又は任意の他の所望の形状を持つ周縁を備えていてもよい。
【0024】
図1乃至図9の例示の実施形態では、各凹所32は、横方向及び前後方向の両方向で凹状をなしており、継ぎ目、鋭角、又は切子面がない。従って、使用者の顔が、いずれかの凹所32内の表面と接触したりこれらの表面に圧力を及ぼす場合、線等の痕が使用者の顔に形成される機会を減少する。更に、凹所32についてのこのような形状により、使用者の頭部が中央部分28から枕10の横側側部20、22のいずれかに向かって移動した場合でも、又は使用者の頭部全体がいずれかの凹所32内に移動した場合でも、使用者は快適性を保つことができる。このような移動にも拘わらず、このような位置での使用者の快適性が維持されることから、使用者が起きたり目覚めたりすることがない。
【0025】
図8を参照すると、本体26を横方向に二分する平面に沿った本体26の断面形状は、中央の台部(plateau)又は他の隆起した表面34と、その側方の凹状形状の隣接した凹所32を有する。いずれか一方又は両方の凹状形状の端部の高さは、同じであってもよいし、異なっていてもよい(例えば、図1乃至図9の例示の実施形態では、各凹状形状の、中央部分28と近接した端部の高さは、各凹状形状の、枕10の横側側部20、22の夫々と近接した端部の高さよりも高い)。
【0026】
いずれかの凹所32の中央を通って前方/後方に延びる平面に沿った本体26の断面形状は、凹状形状をなすことができる。この凹状形状の端部の高さは、同じであってもよいし、異なっていてもよい(例えば、図1乃至図9の例示の実施形態では、凹状形状の、枕10の後側側部18と近接した端部の高さは、凹状形状の、枕10の前側側部16と近接した端部よりも高い)。
【0027】
図8に最もよく示すように、本体26は、中央部分28から互いに反対方向に下方に傾斜をなしていてもよい。いずれかの方向又は両方向での傾斜は、(枕10の前側側部16と後側側部18との間の中間で中央部分28に載せた、枕10の横側側部20、22の夫々まで横方向に延びる直線状の物体によって計測して)約0°よりも大きく及び/又は約50°よりも小さくすることができる。他の実施形態では、この傾斜は、約10°よりも大きく及び/又は約40°よりも小さい。図1乃至図9の例示の実施形態では、この傾斜は約10°である。
【0028】
幾つかの実施形態では、凹所32のいずれか又は両方が、枕10の隣接した横側側部20、22及び/又は前側側部16に対して少なくとも部分的に開放している。例えば、図1乃至9の実施形態の凹所32は、枕10の横側側部20、22及び前側側部16まで延びており且つこれらの側部に対して開放している。このような凹所形状は、使用者が頭部をいずれかの凹所32に載せて横方向のいずれかの方向に向いた姿勢等の、枕10での使用者の幾つかの姿勢において、使用者の快適性を高めることができる。更に、このような凹所形状は、枕10の上側側部12を横切って使用者に接近又は離間する方向に流れる空気流を促すことができる。幾つかの実施形態では、これに加え、又はこの代わりに、凹所32のいずれか又は両方が、枕10の後側側部18まで延びており且つ後側側部18に対して開放していてよい。
【0029】
次に、図1及び図2を参照すると、幾つかの実施形態では、凹所32は、本体26の中央部分28と直ちに隣接している。このような実施形態では、中央部分28と各凹所32との間に境界36を形成することができる。これらの境界36は、任意の所望の形状を備えることができる。図1乃至図9の例示の実施形態では、各境界36は円弧形状であり、夫々の凹所32に向かって凹状形状を形成している。このような境界形状は、(使用者が、背中、前側、又は側部を下にして横たわっている場合)使用者の後頭部に対して十分な支持を提供する中央部分28を形成でき、同時に、使用者の頭部をいずれかの凹所32に載せるのに望ましい凹所形状を提供する。本明細書中及び特許請求の範囲で使用したように、「円弧状」という用語は、半径が一定の又は一定でない任意の湾曲形状を指す。
【0030】
境界36は、上文中に説明した中央部分28と凹所32との間に移行部を形成できる。しかしながら、幾つかの実施形態では、境界36は、本体26の表面の尖った縁部でも切れ目(breaks)でもない。その代わりに、境界36は、中央部分28と凹所32との間の滑らかで継ぎ目のない移行部であってよく、これによって、凹所32及び/又は中央部分28が形成する本体26の表面上の切子面を減少するか或いはなくす。従って、使用者の顔に線等の痕が形成される機会を少なくし、又はなくすことができる。幾つかの実施形態では、粘弾性材料を使用することにより、枕10に載せている使用者の顔に線等の痕が形成される機会を著しく少なくし、又はなくすことができる。これに関し、使用者の頭部の一部が境界36に圧力を及ぼしたとき、本体26の粘弾性材料は、線等の痕を形成し得る本来の対向圧力を及ぼすのでなく、使用者の頭部のその部分と形状を一致できる。従って、幾つかの実施形態では、本体26は、上記のような結果をもたらすことなく、よりはっきりと形成された又はより鋭い角度を有する境界を備えることができる。しかしながら、粘弾性材料は、中央部分28と凹所32との間に滑らかな移行部を形成する境界と組み合わせて使用した場合、優れた性能結果をもたらすことができる。
【0031】
上文中に説明したように、枕10は、本体26の中央部分28に載せた使用者の頭部を支持するのに使用できる。しかしながら、枕10は、二人の使用者の頭部を支持するのにも使用できる。具体的には、各凹所32に使用者の頭部を載せることができ、このとき、使用者は、顔を互いに向き合わせていてもよく、互いに反対方向を向いていてもよく、又は同じ方向を向いていてもよい。図1乃至図9に示す凹所形状(即ち、横方向及び前後方向で凹状をなした凹所形状、本体26の横側側部20、22及び/又は前側側部16に開放した凹所形状、中央部分28と凹所32との間の円弧状境界36、及び/又は滑らかな境界形状)は、空気が使用者に対して自由に流れることができるようにし、両使用者の頭部に対して十分な支持を提供でき、及び使用者の頭部間を十分に離間させることを可能にすることによって、枕10のこの使用方法を容易にする。
【0032】
図1乃至図4を参照すると、幾つかの実施形態では、枕10は、枕10の前側側部16に配置された凹所38を備えていてもよい。幾つかの実施形態では、凹所38は、枕10の前側側部16のほぼ中央に配置されている。しかしながら、他の実施形態では、凹所38は、枕10の前側側部16に関して中央からずらしてあってもよい(例えば、二人の使用者の肩部を受け入れるために二つの凹所38が枕10の前側側部16に配置された場合等)。図1乃至図4を再び参照すると、凹所38は、中央部分28の任意の部分に沿って延びていてよく、幾つかの実施形態では、中央部分28の全体に沿って延びている。凹所38は、側部を下にして横たわった使用者の肩部の少なくとも一部及び/又は背中又は前部を下にして横たわった使用者の両肩部の少なくとも一部を受け入れるように形成することができる。幾つかの実施形態では、この目的のため、ほぼ円弧形状であるが、凹所38は、任意の他の所望の形状を備えていてもよい。
【0033】
更に、図1乃至図4に示すように、枕10は、枕10の前側側部16と近接して本体26の中央部分28に配置された凹所40を、凹所38と共に、又は凹所38の代わりに、備えていてもよい。幾つかの実施形態では、凹所40は、枕10の前側側部16のほぼ中央に配置されている。しかしながら、他の実施形態では、この凹所40は、枕10の前側側部16に関して中央からずらしてあってもよい(例えば、二人の使用者の肩部を受け入れるように、枕10の前側側部16に二つの凹所40が配置される場合)。再度図1乃至図4を参照すると、凹所40は、側部、背中、又は前部を下にして横たわっている使用者の頸部の少なくとも一部を受け入れるように形成することができる。幾つかの実施形態では、凹所40は、この目的のため、ほぼ円弧形状であるが、凹所40は、任意の他の所望の形状を備えていてもよい。
【0034】
幾つかの実施形態では、枕10は、カバー(図示せず)を備えていてもよい。カバーは、適当な大きさのピローケースであってよく、又は少なくとも一部が枕10の形状と対応する形状を備えていてもよい。カバーは、本体26を部分的に又は完全に包囲することができ、ナイロン、ポリエステル及び他の種類のプラスチック、天然ゴム又は合成ゴム、綿、羊毛、及びこれらの任意の混紡又は他の組み合わせを含むがこれらの材料に限定されない多くの様々な種類の材料を備えることができる。本発明の精神及び範囲に含まれる更に別の種類のカバー材料が可能である。更に、カバーは、蒸気及び/又は液体に対して透過性であってもよいし、非透過性であってもよく、いかなる織布又は不織布の形態であってもよく、任意の所望の材料で被覆されていてもよく、縫合又は任意の他の適当な方法で互いに連結された異なる特性を有する部分を備えていてもよい。
【0035】
本発明による枕の別の実施形態を図10乃至図18に示し、その全体に参照番号110が付してある。図10乃至図18に示す枕110は、図1乃至図9に示し且つ上文中に説明した枕10と同様に、使用者の頭部を載せることができる上側側部112と、枕110を載せることができる支持面に実質的に面する下側側部114と、実質的に頭部を枕110に載せた使用者の身体に面する前側側部116と、前側側部116とは反対側の後側側部118と、枕110の両端の横側側部120、122と、本体126とを有する。本体126の中央部分128の側方には、凹所132を夫々備えた側部130が設けられている。しかしながら図10乃至図18に示す枕110は、図1乃至図9に示す枕よりも小さく、標準的な大きさの枕に匹敵する大きさであり、図1乃至図9のクィーンサイズの枕10に関して上記した特徴及び構造のうちの任意の又は全ての特徴及び構造を、他の大きさの枕に適用できることの一例として示される。構造及び特徴に関する追加の情報について、及び図9乃至図18に示す枕110の構造及び特徴に対する可能な変更について、以上の説明を参照されたい。
【0036】
上文中に説明し、添付図面に示した実施形態は単なる例示であって、本発明の概念及び原理を制限しようとするものではない。従って、要素及びこれらの要素の形態及び構成を、特許請求の範囲に記載した本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々に変化させることができるということは当業者には理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施形態による枕の前面斜視図である。
【図2】図1に示す枕の平面図である。
【図3】図1及び図2に示す枕の底面図である。
【図4】図1、図2、及び図3に示す枕の正面図である。
【図5】図1乃至図4に示す枕の後面図である。
【図6】図1乃至図5に示す枕の左側面図である。
【図7】図1乃至図6に示す枕の右側面図である。
【図8】図1乃至図7に示す枕の図2の8−8線に沿った断面図である。
【図9】図1乃至図8に示す枕の図2の9−9線に沿った断面図である。
【図10】本発明の別の実施形態による枕の前面斜視図である。
【図11】図10に示す枕の平面図である。
【図12】図10及び図11に示す枕の底面図である。
【図13】図10、図11、及び図12に示す枕の正面図である。
【図14】図10乃至図13に示す枕の後面図である。
【図15】図10乃至図14に示す枕の左側面図である。
【図16】図10乃至図15に示す枕の右側面図である。
【図17】図10乃至図16に示す枕の図11の17−17線に沿った断面図である。
【図18】図10乃至図17に示す枕の図11の18−18線に沿った断面図である。
【符号の説明】
【0038】
10 枕
12 上側側部
14 下側側部
16 前側側部
18 後側側部
20、22 横側側部
24 隅部
26 本体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の頭部を支持するための枕であって、粘弾性材料からなる本体を備え、
前記本体は、
幅と、
前記幅よりも大きい長さと、
下側側部と、
前記枕の前記長さの両端における第1及び第2の部分を含み、前記第1及び第2の部分は、中央部分によって分離されている、上側側部と、
前記上側側部の前記第1及び第2の部分の各々に設けられた凹所とを有し、
前記凹所の各々は、前記本体の前記長さに沿った方向における第1断面形状と、前記本体の前記幅に沿った方向における、前記第1断面形状に対して垂直な第2断面形状とを有しており、前記第1及び第2の断面形状の各々は、実質的に滑らかであり、切子面がなく、且つ、前記上側側部に対して実質的に凹状であり、
前記中央部分は、前記使用者の頭部を支持する台部を、前記凹所の各々の間に形成している、枕。
【請求項2】
請求項1に記載の枕において、
前記本体の前記粘弾性材料は、約40kg/m3 以上約110kg/m3以下の密度と約30N以上約80N以下の硬さとを有している、枕。
【請求項3】
請求項1に記載の枕において、
前記本体の前記粘弾性材料は、約50kg/m3 以上約90kg/m3以下の密度と約35N以上約75N以下の硬さとを有している、枕。
【請求項4】
請求項1に記載の枕において、
前記本体は、粘弾性発泡体の一体的な単一の部片によって形成されている、枕。
【請求項5】
請求項1に記載の枕において、
前記本体の前記中央部分における前記幅の大部分が、前記幅の方向に傾斜している、枕。
【請求項6】
請求項1に記載の枕において、
前記中央部分は、前記凹所の各々から、夫々の円弧状境界によって分離されている、枕。
【請求項7】
請求項1に記載の枕において、
前記本体の前記幅は、前記本体の前縁部と後縁部との間で画定されており、
前記本体の前記前縁部は、使用者の肩部の少なくとも一部を受け入れるように形成された円弧状の凹所を有する、枕。
【請求項8】
請求項1に記載の枕において、
前記本体の前記幅は、前記本体の前縁部と後縁部との間で画定されており、
前記中央部分は、使用者の頸部の少なくとも一部を受け入れるように形成された凹所を、前記本体の前記前縁部と近接して有する、枕。
【請求項9】
使用者の頭部を支持するための枕であって、
前記使用者の前記頭部を支持するように隆起した粘弾性中央部分と、
前記粘弾性中央部分の両側において、横方向に配置された第1及び第2の粘弾性部分であって、前記粘弾性中央部分に対して共に凹んでいる、第1及び第2の粘弾性部分と、
前記粘弾性中央部分を通り、前記枕を実質的に対称な横方向半部に二分する第1平面と、
前記第1平面に対して実質的に垂直であり、前記枕を非対称な前半部及び後半部に二分する第2平面とを有し、
前記第2平面によって形成される前記枕の断面形状は、中央台部を有し、この中央台部の側方に、前記枕の横方向両側に向けて延びる凹状の円弧状凹所が設けられている、枕。
【請求項10】
請求項9に記載の枕において、
前記粘弾性中央部分と前記第1及び第2の粘弾性部分の各々は、約40kg/m3 以上約110kg/m3 以下の密度と約30N以上約80N以下の硬さとを有する粘弾性発泡体を備えている、枕。
【請求項11】
請求項9に記載の枕において、
前記粘弾性中央部分と前記第1及び第2の粘弾性部分の各々は、約50kg/m3 以上約90kg/m3以下の密度と約35N以上約75N以下の硬さとを有する粘弾性発泡体を備えている、枕。
【請求項12】
請求項9に記載の枕において、
前記粘弾性中央部分と前記第1及び第2の粘弾性部分を形成する、粘弾性発泡体の一体的な単一の部片を備えている、枕。
【請求項13】
請求項9に記載の枕において、
前記第1平面によって形成される前記枕の断面形状の大部分が、前記枕の単一の縁部に向けて下方に傾斜している、枕。
【請求項14】
請求項9に記載の枕において、
前記粘弾性中央部分は、前記第1及び第2の粘弾性部分の各々と、夫々の円弧状境界に沿って出合う、枕。
【請求項15】
請求項9に記載の枕において、
前記枕の前記前半部は、前記使用者の肩部の少なくとも一部を受け入れるように形成された円弧状の凹所を有する前縁部を備えている、枕。
【請求項16】
請求項9に記載の枕において、
前記中央部分は、使用者の頸部の少なくとも一部を受け入れるように形成された凹所を備えている、枕。
【請求項17】
後頭部及び頬を有する使用者の頭部を支持するための枕であって、
粘弾性本体を備え、該粘弾性本体は、
周縁と、
中央部分と、
前記中央部分の横方向両側に設けられた第1及び第2のボウル型凹所であって、上方に面する凹状の底部を各々有し、前記粘弾性本体の前記周縁に対して各々少なくとも部分的に開放している、前記第1及び第2のボウル型凹所とを含む、枕。
【請求項18】
請求項17に記載の枕において、
前記粘弾性本体は、約40kg/m3 以上約110kg/m3以下の密度と約30N以上約80N以下の硬さとを有している、枕。
【請求項19】
請求項17に記載の枕において、
前記粘弾性本体は、約50kg/m3 以上約90kg/m3以下の密度と約35N以上約75N以下の硬さとを有している、枕。
【請求項20】
請求項17に記載の枕において、
前記粘弾性本体は、粘弾性発泡体の一体的な単一の部片によって形成されている、枕。
【請求項21】
請求項17に記載の枕において、更に、
前記中央部分と前記第1及び第2のボウル型凹所とが間に配置されている前縁部及び後縁部と、
前記前縁部及び前記後縁部によって、前記前縁部と前記後縁部との間に画定された幅とを有し、
前記中央部分の大部分が、前記枕の前記後縁部に向けて下方に傾斜している、枕。
【請求項22】
請求項17に記載の枕において、
前記中央部分は、前記ボウル型凹所の各々から、夫々の円弧状境界によって分離されている、枕。
【請求項23】
請求項17に記載の枕において、
前記粘弾性本体は、更に、前縁部及び後縁部を含み、該前縁部及び後縁部間に前記中央部分と前記第1及び第2のボウル型凹所が配置されており、
前記粘弾性本体の前記前縁部は、前記使用者の肩部の少なくとも一部を受け入れるように形成された円弧状の凹所を備えている、枕。
【請求項24】
請求項17に記載の枕において、
前記粘弾性本体は、更に、前縁部及び後縁部を含み、該前縁部及び後縁部間に前記中央部分と前記第1及び第2のボウル型凹所が配置されており、
前記中央部分は、前記粘弾性本体の前記前縁部と近接して、使用者の頸部の少なくとも一部を受け入れるように形成された凹所を含んでいる、枕。
【請求項1】
使用者の頭部を支持するための枕であって、粘弾性材料からなる本体を備え、
前記本体は、
幅と、
前記幅よりも大きい長さと、
下側側部と、
前記枕の前記長さの両端における第1及び第2の部分を含み、前記第1及び第2の部分は、中央部分によって分離されている、上側側部と、
前記上側側部の前記第1及び第2の部分の各々に設けられた凹所とを有し、
前記凹所の各々は、前記本体の前記長さに沿った方向における第1断面形状と、前記本体の前記幅に沿った方向における、前記第1断面形状に対して垂直な第2断面形状とを有しており、前記第1及び第2の断面形状の各々は、実質的に滑らかであり、切子面がなく、且つ、前記上側側部に対して実質的に凹状であり、
前記中央部分は、前記使用者の頭部を支持する台部を、前記凹所の各々の間に形成している、枕。
【請求項2】
請求項1に記載の枕において、
前記本体の前記粘弾性材料は、約40kg/m3 以上約110kg/m3以下の密度と約30N以上約80N以下の硬さとを有している、枕。
【請求項3】
請求項1に記載の枕において、
前記本体の前記粘弾性材料は、約50kg/m3 以上約90kg/m3以下の密度と約35N以上約75N以下の硬さとを有している、枕。
【請求項4】
請求項1に記載の枕において、
前記本体は、粘弾性発泡体の一体的な単一の部片によって形成されている、枕。
【請求項5】
請求項1に記載の枕において、
前記本体の前記中央部分における前記幅の大部分が、前記幅の方向に傾斜している、枕。
【請求項6】
請求項1に記載の枕において、
前記中央部分は、前記凹所の各々から、夫々の円弧状境界によって分離されている、枕。
【請求項7】
請求項1に記載の枕において、
前記本体の前記幅は、前記本体の前縁部と後縁部との間で画定されており、
前記本体の前記前縁部は、使用者の肩部の少なくとも一部を受け入れるように形成された円弧状の凹所を有する、枕。
【請求項8】
請求項1に記載の枕において、
前記本体の前記幅は、前記本体の前縁部と後縁部との間で画定されており、
前記中央部分は、使用者の頸部の少なくとも一部を受け入れるように形成された凹所を、前記本体の前記前縁部と近接して有する、枕。
【請求項9】
使用者の頭部を支持するための枕であって、
前記使用者の前記頭部を支持するように隆起した粘弾性中央部分と、
前記粘弾性中央部分の両側において、横方向に配置された第1及び第2の粘弾性部分であって、前記粘弾性中央部分に対して共に凹んでいる、第1及び第2の粘弾性部分と、
前記粘弾性中央部分を通り、前記枕を実質的に対称な横方向半部に二分する第1平面と、
前記第1平面に対して実質的に垂直であり、前記枕を非対称な前半部及び後半部に二分する第2平面とを有し、
前記第2平面によって形成される前記枕の断面形状は、中央台部を有し、この中央台部の側方に、前記枕の横方向両側に向けて延びる凹状の円弧状凹所が設けられている、枕。
【請求項10】
請求項9に記載の枕において、
前記粘弾性中央部分と前記第1及び第2の粘弾性部分の各々は、約40kg/m3 以上約110kg/m3 以下の密度と約30N以上約80N以下の硬さとを有する粘弾性発泡体を備えている、枕。
【請求項11】
請求項9に記載の枕において、
前記粘弾性中央部分と前記第1及び第2の粘弾性部分の各々は、約50kg/m3 以上約90kg/m3以下の密度と約35N以上約75N以下の硬さとを有する粘弾性発泡体を備えている、枕。
【請求項12】
請求項9に記載の枕において、
前記粘弾性中央部分と前記第1及び第2の粘弾性部分を形成する、粘弾性発泡体の一体的な単一の部片を備えている、枕。
【請求項13】
請求項9に記載の枕において、
前記第1平面によって形成される前記枕の断面形状の大部分が、前記枕の単一の縁部に向けて下方に傾斜している、枕。
【請求項14】
請求項9に記載の枕において、
前記粘弾性中央部分は、前記第1及び第2の粘弾性部分の各々と、夫々の円弧状境界に沿って出合う、枕。
【請求項15】
請求項9に記載の枕において、
前記枕の前記前半部は、前記使用者の肩部の少なくとも一部を受け入れるように形成された円弧状の凹所を有する前縁部を備えている、枕。
【請求項16】
請求項9に記載の枕において、
前記中央部分は、使用者の頸部の少なくとも一部を受け入れるように形成された凹所を備えている、枕。
【請求項17】
後頭部及び頬を有する使用者の頭部を支持するための枕であって、
粘弾性本体を備え、該粘弾性本体は、
周縁と、
中央部分と、
前記中央部分の横方向両側に設けられた第1及び第2のボウル型凹所であって、上方に面する凹状の底部を各々有し、前記粘弾性本体の前記周縁に対して各々少なくとも部分的に開放している、前記第1及び第2のボウル型凹所とを含む、枕。
【請求項18】
請求項17に記載の枕において、
前記粘弾性本体は、約40kg/m3 以上約110kg/m3以下の密度と約30N以上約80N以下の硬さとを有している、枕。
【請求項19】
請求項17に記載の枕において、
前記粘弾性本体は、約50kg/m3 以上約90kg/m3以下の密度と約35N以上約75N以下の硬さとを有している、枕。
【請求項20】
請求項17に記載の枕において、
前記粘弾性本体は、粘弾性発泡体の一体的な単一の部片によって形成されている、枕。
【請求項21】
請求項17に記載の枕において、更に、
前記中央部分と前記第1及び第2のボウル型凹所とが間に配置されている前縁部及び後縁部と、
前記前縁部及び前記後縁部によって、前記前縁部と前記後縁部との間に画定された幅とを有し、
前記中央部分の大部分が、前記枕の前記後縁部に向けて下方に傾斜している、枕。
【請求項22】
請求項17に記載の枕において、
前記中央部分は、前記ボウル型凹所の各々から、夫々の円弧状境界によって分離されている、枕。
【請求項23】
請求項17に記載の枕において、
前記粘弾性本体は、更に、前縁部及び後縁部を含み、該前縁部及び後縁部間に前記中央部分と前記第1及び第2のボウル型凹所が配置されており、
前記粘弾性本体の前記前縁部は、前記使用者の肩部の少なくとも一部を受け入れるように形成された円弧状の凹所を備えている、枕。
【請求項24】
請求項17に記載の枕において、
前記粘弾性本体は、更に、前縁部及び後縁部を含み、該前縁部及び後縁部間に前記中央部分と前記第1及び第2のボウル型凹所が配置されており、
前記中央部分は、前記粘弾性本体の前記前縁部と近接して、使用者の頸部の少なくとも一部を受け入れるように形成された凹所を含んでいる、枕。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公表番号】特表2008−529600(P2008−529600A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−554278(P2007−554278)
【出願日】平成18年2月3日(2006.2.3)
【国際出願番号】PCT/US2006/003996
【国際公開番号】WO2006/084206
【国際公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(507263829)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月3日(2006.2.3)
【国際出願番号】PCT/US2006/003996
【国際公開番号】WO2006/084206
【国際公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(507263829)
【Fターム(参考)】
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