説明

果実収穫装置及び果実収穫方法

【課題】収穫対象以外の果実による影響を受けることなく収穫対象果実を収穫することが可能な果実収穫装置を提供する。
【解決手段】収穫対象のイチゴを吸引して、位置を固定する吸引部14と、収穫対象のイチゴに隣接する隣接イチゴに対して、気体を吹き付けて、隣接イチゴを収穫対象のイチゴから離間させる第1気体噴出口126a、第2気体噴出口126b、第3気体噴出口126cと、位置が固定された収穫対象のイチゴを把持する第1フィンガー部24A、第2フィンガー部24Bと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、果実収穫装置及び果実収穫方法に関し、特に、収穫対象果実を収穫する果実収穫装置及び果実収穫方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、イチゴやミニトマトなどの果実(作物)は、機械で扱うと傷みやすいため、人手で収穫していた。しかしながら、最近においては、水耕栽培などの進歩に伴い、機械による収穫の可能性がひらけてきていることから、労働時間の大幅な削減や、労力の低減を図るための収穫装置(収穫ロボット)の開発が進められている。
【0003】
この種の収穫装置(収穫ロボット)としては、例えば、イチゴ等の果実を傷つけることなく摘採するための果菜収穫用摘採ハンド(特許文献1参照)や、高設栽培のイチゴを収穫するためのイチゴ収穫ロボットにおけるマニピュレータのエンドエフェクタ(特許文献2参照)、及び果実収穫ロボット(特許文献3参照)などが挙げられる。
【0004】
【特許文献1】特開2001−95348号公報
【特許文献2】特開平8−275655号公報
【特許文献3】特開2001−145411号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の果菜収穫用摘採ハンドでは、フィンガーにより果柄を把持し、フィンガーに取り付けた摘採刃により果柄を切断することとしているが、イチゴのように多くの果実が近接している場合、他の果柄が邪魔になり、目的とする果柄に接近することができないおそれがある。また、目的とする果柄に接近できたとしても、摘採刃の可動域に存在する他の果柄を誤って切断してしまうおそれもある。
【0006】
また、特許文献2に記載のイチゴ収穫ロボットにおけるマニピュレータのエンドエフェクタでは、空気の吸引力を利用してイチゴを吸引パイプ内に取り込み、カッターでイチゴの果柄を切断するが、この場合には、吸引力によって収穫対象以外のイチゴを取り込んでしまうおそれがある。
【0007】
更に、特許文献3に記載の果実収穫ロボットも、果実に接近したエンドエフェクタのリストロールに、果実取り込み口から果実を吸引誘導し、フック部に取り込まれた果柄をカッター刃により切断し、果実を吸引作用により収納箱へ送り込むが、この場合にも、収穫対象以外の果実が邪魔になったり、吸引作用によって収穫対象以外の果実を取り込んだりするおそれがある。
【0008】
そこで本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、収穫対象以外の果実による影響を受けることなく収穫対象果実を収穫することが可能な果実収穫装置及び果実収穫方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の果実収穫装置は、収穫対象果実を収穫する果実収穫装置であって、前記収穫対象果実を吸引して、位置を固定する吸引部と、前記収穫対象果実に隣接する隣接果実に対して、気体を吹き付けて、前記隣接果実を収穫対象果実から離間させる気体噴出部と、前記位置が固定された収穫対象果実を把持する把持部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
これによれば、吸引部により収穫対象果実を吸引して、収穫対象果実の位置を固定するとともに、気体噴出部により隣接果実に気体を吹き付けて隣接果実と収穫対象果実とを離間させる。したがって、この状態で把持部により収穫対象果実を把持することで、隣接果実に邪魔されることなく、収穫対象果実を確実に把持することが可能となる。また、隣接果実と把持部との接触を極力回避することができるので、隣接果実への傷つきを極力抑制することができる。
【0011】
この場合において、前記吸引部は、重力方向下側から前記収穫対象果実を吸引することとすることができる。かかる場合には、隣接する果実同士が重力方向に並ぶことが少ない果実(例えば高設栽培イチゴなど)が収穫対象である場合に、収穫対象果実の吸引を容易に行うことが可能となる。
【0012】
また、本発明の果実収穫装置では、前記吸引部、前記気体噴出部及び前記把持部を、前記収穫対象果実に対して接近又は離反させる移動機構を更に備えることとすることができる。
【0013】
また、前記吸引部、前記気体噴出部及び前記把持部が前記収穫対象果実に対して接近する際に、前記吸引部の、少なくとも前記収穫対象果実を吸引する吸引口部分を、前記接近方向前後に振動させる振動機構を更に備えることとすることができる。かかる場合には、少なくとも吸引口部分が振動することで、隣接果実が吸引部の吸引口部分に引っ掛かることが少なくなるので、隣接果実の吸引口部分への引っ掛かりによる隣接果実の移動及びこれに起因する収穫対象果実の位置変動を極力抑制することが可能となる。
【0014】
本発明の果実収穫方法は、収穫対象果実を収穫する果実収穫方法であって、前記収穫対象果実を吸引する吸引工程と、前記収穫対象果実に隣接する隣接果実に対して、気体を吹き付けて、前記隣接果実を収穫対象果実から離間させる離間工程と、前記位置が固定された収穫対象果実を把持する把持工程と、を含むことを特徴とする。
【0015】
これによれば、収穫対象果実を吸引して、収穫対象果実の位置を固定するとともに、隣接果実に気体を吹き付けて隣接果実と収穫対象果実とを離間させるので、この状態で収穫対象果実を把持することで、隣接果実に邪魔されることなく、収穫対象果実を確実に把持することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、収穫対象以外の果実による影響を受けることなく収穫対象果実を収穫することが可能な果実収穫装置及び果実収穫方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
《第1の実施形態》
以下、本発明を実施するための第1の実施形態を図1〜図16に基づいて詳細に説明する。
【0018】
図1には、本第1の実施形態のイチゴ収穫装置100が設置された高設栽培農場の一部が示されている。この高設栽培農場には、土耕栽培又は水耕栽培によるイチゴの結実時に、イチゴが垂れ下がるように栽培するための栽培ベッド40と、この栽培ベッド40を所定高さ(例えば、1m)で支持する複数の脚43とが設けられている。この栽培ベッド40の高さは、作業者の作業性(例えば、作業者が腰をかがめたりせずに作業ができるか否か等)を考慮して設定されている。本実施形態では、栽培ベッド40の長手方向をY軸方向、短手方向をX軸方向、これらX軸及びY軸に垂直な重力方向をZ軸方向として、説明する。
【0019】
この高設栽培農場に設けられたイチゴ収穫装置100は、地面上にY軸方向に沿って敷設されたレール32A,32Bと、このレール32A,32Bに沿ってY軸方向に移動する台車30と、台車30上に設けられたアーム機構20と、アーム機構20の先端部に設けられたハンド機構10と、台車30上に設けられた、収穫したイチゴを収集するためのトレー50とを備えている。レール32A,32Bは、栽培ベッド40の長手方向(Y軸方向)の長さとほぼ同一の長さを有している。
【0020】
台車30は、2段の階段状の形状を有しており、その下側の段部30aにアーム20が設けられ、上側の段部30bにトレー50が設けられている。この台車30は、モータ31(図1では不図示、図8参照)の駆動力により、制御装置70(図1では不図示、図8参照)の指示の下、レール32A,32Bに沿って、Y軸方向に移動する。
【0021】
アーム機構20は、モータドライバ21(図1では不図示、図8参照)により制御される電動モータによって作動する。このアーム機構20は、それぞれ2軸回りの回転が可能な関節部を2つ有し、1軸回りの回転が可能な機構を2つ有しているため、先端部(ハンド機構10が設けられている部分)は、台車30に対し、6自由度方向に移動可能となっている。モータドライバ21の動作は、図8の制御装置70により制御されている。
【0022】
ハンド機構10は、収穫対象であるイチゴを把持する機構である。以下、このハンド機構10について図2〜図7に基づいて詳細に説明する。図2には、図1のハンド機構10を取り出して拡大した状態が斜視図にて示されており、図3には、ハンド機構10を図2とは反対側から見た状態が斜視図にて示されている。また、図4には、図3の分解斜視図が示されている。
【0023】
これら図2〜図4に示されるように、ハンド機構10は、アーム機構20に固定された、+Y方向から見て略コ字状(U字状)の台部材12と、台部材12の上端部(+Z側の端部)に固定された略円筒状の吸引部14と、台部材12に対して一体的に固定されたガイド16と、ガイド16に対してZ軸方向にスライド自在に設けられたスライダ18と、スライダ18の+X側の面に固定された第1回転部22A、第2回転部22Bと、第1回転部22Aの上面(+Z側の面)に、その下端部(−Z側の端部)が固定されたZ軸方向を長手方向とする第1フィンガー部24Aと、第2回転部22Bに、その下端部(−Z側の端部)が固定されたZ軸方向を長手方向とする第2フィンガー部24Bと、スライダ18にその下端部が固定された略T字状の板状部材26と、を備えている。
【0024】
台部材12の上端部(+Z側の端部)近傍かつ+X側の端部には、図4に示されるように、−Z方向に突出した状態でストッパ12aが設けられている。このストッパ12aについては、後に更に詳述する。
【0025】
吸引部14は、上端部(+Z側の端部)がテーパ状に加工された円筒状の部材から成り、その上端部には、イチゴが接触しても、そのイチゴに傷がつかないようにするための、緩衝材140が設けられている。また、吸引部14の下端部(−Z側の端部)近傍には、図3、図4に示されるように、吸引管28の一端部が接続されている。この吸引管28の他端部は、真空ポンプ29(図2〜図4では不図示、図8参照)に接続されており、図8の制御装置70の指示の下、真空ポンプ29による真空吸引が行われることにより、吸引管28及び吸引部14内部が減圧状態に設定されるようになっている。
【0026】
ガイド16は、図4に示されるように、その下端部(−Z側端部)近傍がXY断面矩形で、その他の部分のXY断面が凸字状(T字状)である部材から構成されている。このガイド16のXY断面凸字状(T字状)の部分に、スライダ18がスライド移動可能な状態で設けられている。
【0027】
スライダ18は、図4に示されるように、略板状の第1部分18aと、この第1部分18aの+X側の面に設けられた直方体状の第2部分18bと、第1部分18aの+X側の面から+X方向に突出した状態で設けられた一対の回転軸18c,18dとを有している。第1部分18aの−X側の面には、Z軸に沿って、ガイド溝18eが形成されている。このガイド溝18eは、前述したガイド16のXY断面凸字状(T字状)の部分に係合している。
【0028】
スライダ18は、図8の制御装置70の指示の下、圧縮空気を動力とする駆動部33(図4では不図示、図8参照)により、ガイド16のXY断面凸字状(T字状)の部分に沿って、Z軸方向にスライド移動される。
【0029】
第1回転部22Aは、+X方向から見て、略逆L字状の形状を有している。この第1回転部22AにはX軸方向に貫通する貫通孔122aが形成されている。また、第1回転部22Aの+X側の面には、L字状の突起部122bが設けられており、その上面(+Z側の面)には、当設部122cが、+Z方向に突出した状態で設けられている。第1回転部22Aは、その貫通孔122aに、スライダ18の回転軸18dが挿入された状態(すなわち、X軸回りの回転が可能な状態)で、スライダ18により保持されている。
【0030】
第2回転部22Bは、上記第1回転部22Aと左右対称ではあるが同様の構成となっている。すなわち、第2回転部22BにはX軸方向に貫通する貫通孔122dが形成されており、また、第1回転部22Bの+X側の面には、L字状の突起部122eが設けられており、その上面(+Z側の面)には、当設部122fが、+Z方向に突出した状態で設けられている。第2回転部22Bは、その貫通孔122dに、スライダ18の回転軸18cが挿入された状態(すなわち、X軸回りの回転が可能な状態)で、スライダ18により保持されている。
【0031】
これら第1回転部22Aの突起部122bと、第2回転部22Bの突起部122eとは、引張コイルバネ36によって接続されている。この引張コイルバネ36により、第1、第2回転部22A,22Bそれぞれには、突起部122b、122e同士を近づける方向の力(すなわち、第1回転部22Aを、+X方向から見て、左回りに回転させる方向の力、及び第2回転部22Bを、+X方向から見て、右回りに回転させる方向の力)が常時付勢されている。なお、図3の状態でも、第1、第2回転部22A,22Bには、引張コイルバネ36による上記付勢力が付与されているが、第1回転部22A,22Bと、スライダ18の第2部分18bとが接触しているので、図3の状態が維持されるようになっている。
【0032】
第1フィンガー部24Aは、図2、図4に示されるように、棒状部材の上端部(+Z側の端部)を折り曲げることにより、略逆J字状の形状に加工されたフィンガー本体部124aと、フィンガー本体部124aの上端部(折り曲げ加工された部分)に貼付された、例えばスポンジなどから成る緩衝材124bとを有している。この第1フィンガー部24Aは、その下端部(−Z側の端部)が第1回転部22Aの上面(+Z側の面)に固定されているため、第1回転部22Aの回転に応じて傾倒する。
【0033】
第2フィンガー部24Bは、第1フィンガー部24Aと同様、棒状部材の上端部(+Z側の端部)を折り曲げることにより、略逆J字状の形状に加工されたフィンガー本体部124cと、フィンガー本体部124cの上端部(折り曲げ加工された部分)に貼付された緩衝材124dとを有している。この第2フィンガー部24Bは、その下端部(−Z側の端部)が第2回転部22Bの上面(+Z側の面)に固定されているため、第2回転部22Bの回転に応じて傾倒する。
【0034】
板状部材26は、図3に示されるように、その下端部が、スライダ18の第2部分18bの+X側の面に固定されている。この板状部材26の上端部近傍には、図2に示されるように、Y軸方向に所定間隔をあけた状態で、第1気体噴出口126aと第2気体噴出口126bとが形成されている。第1気体噴出口126aと第2気体噴出口126bのY軸方向の間隔としては、例えば、イチゴの平均的な最大幅を考慮して、約30mmに設定されている。このうち、第1気体噴出口126aには、第1気体供給管128aの一端が接続され、第2気体噴出口126bには、図3及び図4に示されるように、第2気体供給管128bの一端が接続されている。これら第1、第2気体供給管128a,128bそれぞれの他端は、図8の気体供給装置35に接続されており、制御装置70の指示の下、気体供給装置35の気体供給が行われることにより、第1、第2気体供給口126a,126bから−X方向に向けて気体が噴出されるようになっている。
【0035】
また、台部材12の上面(+Z側の面)に設けられた、XZ断面L字状の部材34には、第3気体噴出口126cが形成されている。この第3気体噴出口126cには、第3気体供給管128cの一端が接続されている。この第3気体供給管128cの他端は、第1、第2気体供給管128a,128bと同様、図8の気体供給装置35に接続されており、制御装置70の指示の下、気体供給装置35の気体供給が行われることにより、第3気体供給口126cから+Z方向に向けて気体が噴出されるようになっている。
【0036】
以上のように構成されるハンド機構10では、スライダ18が図5(a)の状態から+Z方向に移動すると、図5(b)に示されるように、第1回転部22Aの当設部122cの上端部と台部材12に設けられたストッパ12aの下端面(−Z側の端面)とが接触し、第1回転部22Bの当設部122fの上端部とストッパ12aの下端面(−Z側の端面)とが接触する。
【0037】
そして、図5(b)の状態から更に、スライダ18が+Z方向に移動すると、図5(c)に示されるように、引張コイルバネ36の付勢力に抗して、第1回転部22Aが回転軸18dを中心に右回りの方向に所定角度だけ回転され、第2回転部22Bが回転軸18cを中心に左回りの方向に第1回転部22Aと同一角度だけ回転される。これにより、第1フィンガー部24Aと第2フィンガー部24Bのそれぞれが同一角度傾倒し、第1フィンガー部24Aの上端部(+Z側の端部)と第2フィンガー部24Bの上端部(+Z側の端部)との間隔が狭められる。
【0038】
この場合において、図5(b)、図5(c)の状態では、これらの図に対応する図6、図7の斜視図からわかるように、スライダ18の+Z方向への移動により、板状部材26も+Z方向に移動するので、板状部材26の上端部(+Z側端部)近傍に設けられた第1、第2気体噴出口126a、126b(図2参照)が、吸引部14の上端部(+Z側端部)よりも上側(+Z側)に位置することになる。
【0039】
図8には、本第1の実施形態に係るイチゴ収穫装置100の制御系が示されている。本第1の実施形態に係るイチゴ収穫装置100では、図1〜図7では不図示であるが、ハンド機構10の一部に、図8に示されるカメラ41と、外部カメラ49と、距離センサ42とを備えている。これらのうち、カメラ41は視野内に存在するイチゴの位置などを検出するものである。また、外部カメラ49は、台車30に設置されており、イチゴを横方向から検出して、イチゴの色(着色度)を検出するものである。制御装置70では、外部カメラ49により検出されたイチゴの色(着色度)に基づいて、そのイチゴが、未熟果であるか赤熟果であるかを判断することにより、そのイチゴを収穫対象とするか否かを判断するとともに、カメラ41の検出結果に基づいて、収穫対象のイチゴの位置を特定する。そして、制御装置70は、収穫対象のイチゴとハンド機構10(吸引部14の上端部)との距離を検知する距離センサ42の検知結果をモニタしつつ、モータドライバ21、真空ポンプ29、駆動部33、及び気体供給装置35などの動作を制御する。なお、カメラ41及び距離センサ42に代えて、ハンド機構10にステレオカメラシステムを搭載し、このステレオカメラシステムを用いて、収穫対象のイチゴのZ座標を正確に検知するようにしても良い。
【0040】
次に、本第1の実施形態に係るイチゴ収穫装置100を用いたイチゴの収穫方法について、図9〜図15に基づいて、説明する。
【0041】
制御装置70は、まず、モータ31を制御して台車30を所定位置まで移動するとともに、モータドライバ21を介して、アーム機構20を所定の状態に設定する。そして、制御装置70は、この状態におけるカメラ41の検出結果に基づいて、視野内に存在するイチゴの中から収穫対象のイチゴを特定する。ここでは、収穫対象のイチゴが、図9において記号「STt」で示されるイチゴに特定されたものとする。
【0042】
次いで、制御装置70は、収穫対象のイチゴSTtの位置情報に基づいて、距離センサ42の検出値をモニタしつつ、図9に示されるように、収穫対象のイチゴSTtに、吸引部14の上端部(+Z側の端部)を最接近させる。なお、この状態では、第1、第2のフィンガー部24A,24Bは、下に下がった状態(図5(a)の状態)に設定されている。
【0043】
次いで、制御装置70は、真空ポンプ29による真空吸引を開始することにより、図10に示されるように、収穫対象のイチゴSTtを吸引する。この場合、収穫対象のイチゴSTtは、吸引部14の上端部に設けられた緩衝材140(図2(a)等参照)と接触するようになっている。
【0044】
次いで、制御装置70は、図11に示されるように、スライダ18を、駆動部33を介して+Z方向にスライド移動することにより、スライダ18の位置を、前述した図5(b)及び図6に示される位置に設定する。この状態で、制御装置70は、気体供給装置35を制御して、第1〜第3気体噴出口126a〜126cから、気体を噴出させる。この場合、第1〜第3気体噴出口126a〜126cから噴出される気体が、図12(a),図12(b)に示されるように、収穫対象のイチゴSTtに隣接するイチゴ(隣接イチゴ)STnに吹き付けられるので、隣接イチゴSTnは、図12(b)の矢印A方向に移動する。これにより、隣接イチゴSTnは、図11のような収穫対象のイチゴに接近した状態から、図13に示されるような収穫対象のイチゴSTtから離間した状態に設定されるようになっている。なお、図12(a)、図12(b)では、第3気体噴出口126cから噴出される気体は、隣接イチゴSTnの移動にはほとんど寄与していないが、例えば、隣接イチゴSTnが収穫対象のイチゴSTtの真横(−X側)に位置する場合に、第3気体噴出口126cから噴出される気体が隣接イチゴSTnを移動させるのに重要となる。
【0045】
次いで、制御装置70は、上記のようにして収穫対象のイチゴSTtと隣接イチゴSTnとを所定距離以上離した状態で、駆動部33を介してスライダ18を更に+Z方向に移動させることで、第1、第2回転部22A,22Bを回転させ、第1アーム部24Aの上端部(+Z側の端部)と第2アーム部24Bの上端部(+Z側の端部)とを、接近させる(前述した図5(c)及び図7参照)。このようにすることにより、図13に示されるように、第1アーム部24Aの緩衝材124bと第2アーム部24Bの緩衝材124dとの間で、収穫対象のイチゴSTtを把持することができる。制御装置70は、上記のようにして収穫対象のイチゴSTtを第1フィンガー部24Aと第2フィンガー部24Bとの間で把持した段階で、真空ポンプ29による真空吸引、及び気体供給装置35による気体供給を停止する。
【0046】
次いで、制御装置70は、モータドライバ21を制御することにより、図14に示されるように、アーム機構20の先端部(ハンド機構10)を傾斜させるとともに下側に移動させることにより、収穫対象のイチゴSTtを果柄から、摘み採る。なお、これに限らず、アーム機構20の先端部(ハンド機構10)を単に下側に移動させることにより、収穫対象のイチゴSTtを果柄から、摘み採ることとしても良い。
【0047】
そして、制御装置70は、モータドライバ21を制御することにより、ハンド機構10の第1、第2フィンガー部24A,24Bに把持されたイチゴSTtが、図15に示されるように、トレー50の上方に位置決めされるように、アーム機構20を駆動し、スライダ18を前述した図5(b)の状態に戻すことで、図16に示されるように、第1、第2フィンガー部24A,24BによるイチゴSTtの把持を解除する。
【0048】
以上のような動作を行うことにより、収穫対象のイチゴSTtがトレー50内に収容される。
【0049】
なお、上記においては、第1、第2気体噴出口126a,126bからの気体が、栽培ベッド40の内側の方向から外側の方向に向けて吹き付けられるように設定されているが、これは、ある品種のイチゴを高設栽培した場合、統計的に、栽培ベッド40に近い側に赤熟果が集まりやすいというデータがあり、このデータから、収穫対象のイチゴと隣接イチゴとを効率的に離間させるには、気体が栽培ベッド40の内側の方向から外側の方向に向けて吹き付けられたほうが良い、という考えによるものである。ただし、これに限らず、上記と別の品種又は別の条件においては、栽培ベッド40に近い側に未熟果が集まりやすいというデータがあるのであれば、気体を逆向きに吹き付けるような収穫方法を採用することとしても良い。
【0050】
以上詳細に説明したように、本第1の実施形態に係るイチゴ収穫装置100によると、吸引部14により収穫対象のイチゴSTtを吸引して、収穫対象のイチゴSTtの位置を固定するとともに、第1〜第3気体噴出口により隣接イチゴSTnに気体を吹き付けて収穫対象のイチゴSTtと隣接イチゴSTnとを離間させるので、この状態で第1、第2フィンガー部24A,24Bにより収穫対象のイチゴSTtを把持することで、隣接イチゴSTnに邪魔されることなく、収穫対象のイチゴSTtを確実に把持することが可能となる。また、隣接イチゴSTnと第1、第2フィンガー部24A,24Bとの接触を極力回避することができるので、隣接イチゴSTnへの傷つきを極力抑制することができる。
【0051】
また、本第1の実施形態に係るイチゴ収穫装置100では、吸引部14が、収穫対象のイチゴSTtに対して重力方向下側から接近するため、葉、弦、及び果柄などがハンド機構10の接近の邪魔になることが少なく、効果的にイチゴの収穫を行うことが可能である。また、イチゴは、一般的に略円錐形の形状を有しているため、イチゴを下側から吸引することにより、横側から吸引する場合よりも効果的な吸引を行うことが可能である。
【0052】
また、本第1の実施形態では、第1、第2気体噴出口126a,126bを有する板状部材26と、第1、第2フィンガー部24A,24Bとがスライダ18に固定されており、図9に示されるように、吸引部14が収穫対象のイチゴSTtに接近するときには、吸引部14の上端部よりも、板状部材26の上端部、及び第1、第2フィンガー部24A,24Bの上端部の方が下側に位置しているので、これらの部材が隣接イチゴSTnに接触するのを極力回避することができる。これにより、隣接イチゴの傷つきを極力抑制することが可能である。
【0053】
更に、本第1の実施形態に係るイチゴ収穫装置100では、吸引部14の上端部に、緩衝材140が設けられているので、吸引部14による吸引の際のイチゴの傷つきを極力抑制することが可能である。
【0054】
また、本第1の実施形態のハンド機構10によると、スライダ18の+Z方向への移動により、台部材12に設けられたストッパ12aの下端面と第1、第2回転部22A、22Bに設けられた当設部122c、122fとが接触して、第1、第2回転部22A,22Bが回転軸18d、18cを軸として回転し、第1、第2フィンガー部24A,24Bの+Z側の端部が収穫対象のイチゴSTtに近づく方向に移動するので、スライダ18の+Z方向へのスライド移動のみで、簡易に、収穫対象のイチゴSTtを把持することが可能である。また、第1、第2フィンガー部24A,24Bのイチゴと接触する部分に、緩衝材124b、124dが設けられているので、イチゴを傷つけることなく把持することができる。
【0055】
なお、上記第1の実施形態では、ハンド機構10として、図2に示されるような構成を採用した場合について説明したが、これに限らず、収穫対象のイチゴを吸引するとともに、隣接イチゴに気体を吹き付けることにより、収穫対象のイチゴと隣接イチゴとの間を離間させ、この離間状態で、収穫対象のイチゴを把持できる構成であれば、その他の構成のハンド機構を採用することとしても良い。
【0056】
なお、上記第1の実施形態では、第1、第2回転部22A,22Bに対して常時付勢力を付与する付勢部として、引張コイルバネ36を採用した場合について説明したが、これに限らず、圧縮コイルバネやゴムなどその他の弾性部材を用いることとしても良い。また、付勢部としては、弾性部材に限らず、電力や圧縮空気を動力として付勢力を付与する機構を採用することとしても良い。
【0057】
なお、上記第1の実施形態では、第1のフィンガー部24A及び第2のフィンガー部24Bの両方が、それぞれ反対方向に移動することにより、収穫対象のイチゴSTtを保持する場合について説明したが、これに限られるものではなく、例えば、一方のフィンガー部が固定で、他方のフィンガー部のみを移動させることとしても良い。この場合にも、上記第1の実施形態と同様にして、イチゴの収穫を行うことが可能である。
【0058】
また、上記第1の実施形態における気体噴出口(第1〜第3気体噴出口126a〜126c)の配置や数は、一例であって、種々の構成を採用することができる。例えば、図17(a)に示されるように、第3気体噴出口126cを、吸引部14の−X側近傍に設けることとしても良いし、例えば、図17(b)に示されるように、第3気体噴出口126cを設けないようにしても良い。
【0059】
なお、上記第1の実施形態では、第1、第2気体噴出口126a,126bの間の距離が、所定距離(例えば30mm)に設定されている場合について説明したが、これに限らず、例えば、板状部材26に、第1、第2気体噴出口126a,126bの間隔を変化させるための駆動機構を設けることとしても良い。この場合、カメラ41の検出結果から導き出される収穫対象のイチゴの最大幅に応じて、制御装置70が、第1、第2気体噴出口126a,126bの間隔を適宜変更するようにしても良い。
【0060】
なお、上記実施形態では、収穫対象のイチゴSTtの果柄からの摘み採りを、図14に示されるように、アーム機構20の先端部(ハンド機構10)を下側に移動させることにより行うこととしたが、これに限らず、例えば、第1フィンガー部24A及び第2フィンガー部24Bの上端部それぞれに果柄を切断することが可能な切断刃を設けておき、これにより、収穫対象のイチゴSTtを果柄から摘み採ることとしても良い。この場合、第1フィンガー部24Aに設けられる切断刃の刃部を、図2におけるX軸に対してXY面内で所定角度(α°)だけ傾斜させるとともに、第2フィンガー部24Bに設けられる切断刃の刃部を、図2におけるX軸に対してXY面内で所定角度(例えば、−α°(ただし、この角度に限られるものでは無く、第1フィンガー部24A側の切断刃の刃部と平行でなければ良い))だけ傾斜させ、かつ第1フィンガー部24A側の切断刃と第2フィンガー部24B側の切断刃とのZ軸方向に関する位置をわずかに異ならせることとしても良い。このようにすることで、第1フィンガー部24Aと第2フィンガー部24Bとを徐々に接近させることにより、両切断刃が徐々に交差することから、ハサミのようにせん断力を利用して果柄を切断することが可能となる。また、第1フィンガー部24A及び第2フィンガー部24Bの両方に切断刃を設ける場合に限らず、第1フィンガー部24A及び第2フィンガー部24Bの一方にのみ切断刃を設けることとしても良い。この場合、切断刃を、第1フィンガー部24A及び第2フィンガー部24Bの他方の上端部に押し付けることにより、果柄を切断して、収穫対象のイチゴSTtを摘み採ることとすることができる。いずれか一方のフィンガー部に切断刃を設ける場合には、切断刃を設けたフィンガー部側が上側になるように、ハンド機構10を傾斜させることが望ましい。このようにすることにより、切断刃が果柄に接触しやすくなるので、果柄の切断を容易に行うことが可能となる。
【0061】
なお、上記第1の実施形態では、台車30と栽培ベッド40とのY軸方向に関する相対位置関係の変更を、台車30側を移動することにより行う場合について説明したが、これに限らず、例えば、図18に示されるように、台車30を地面上に固定するとともに、栽培ベッド40をベルトコンベア77上に載置して、台車30と栽培ベッド40とのY軸方向に関する相対位置関係の変更を、ベルトコンベア77を用いた栽培ベッド40の移動により、行うこととしても良い。
【0062】
《第2の実施形態》
次に、本発明の第2の実施形態について、図19(a)〜21(b)に基づいて説明する。この第2の実施形態は、上述した第1の実施形態と比較して、吸引部の構成が異なるのみである。したがって、以下においては、吸引部(14’)の構成について詳細に説明することとし、第1の実施形態と同一の部分には同一の符号を付すとともに、その説明を省略するものとする。
【0063】
本第2の実施形態では、図19(a)に示されるように、吸引部14’が、2つの部分(第1部分114aと第2部分114b)から構成されており、図19(a)、図19(b)を比較するとわかるように、第1部分114aが第2部分114bに対してZ軸方向に相対移動可能である点に特徴を有している。
【0064】
第1部分114aは、図20の分解斜視図からわかるように、第1の外径(a1)を有する円筒状の第1筒部214aと、この第1筒部214aの上側(+Z側)に設けられた第2の外径(a2(<a1))を有する円筒状の第2筒部214bとを有している。このうち、第1筒部214aには、X軸方向を長手方向とするピン116a(図21(a),図21(b)参照)が貫通状態で設けられている。また、第1部分114aには、図20及び図21(a)、図21(b)を総合するとわかるように、XY断面円形の気体流通溝132が形成されている。この気体流通溝132の一部には、気体流通溝132と外部とを連通状態とする気体排出孔136が形成されている(図21(a)参照)。また、気体流通溝132には、外部から気体供給管134の一端が接続されている。気体供給管134の他端は、不図示の気体供給装置に接続されており、この気体供給装置により、気体流通溝132内に圧縮空気が供給されるようになっている。
【0065】
第2部分114bは、テーパ状に加工された第1筒部215aと、その下側(−Z側)に設けられた、円筒状の第2筒部215bとを有している。第2筒部215bの下面側からは、前述した第1部分114aの第2筒部214bが挿入可能な溝部215が形成されている。第2筒部215bには、X軸方向を長手方向とするピン116b(図21(a),図21(b)参照)が貫通状態で設けられている。このピン116bと第1部分114a側のピン116aとの間は、引張コイルバネ120により接続されている。この引張コイルバネ120により、第2部分114bに対して、−Z方向の付勢力が常時付与されている。
【0066】
このように構成される本第2の実施形態に係る吸引部14’によると、図22(a)の状態(第2部分114bが最も下側(−Z側)に位置する状態)から、不図示の気体供給装置を介して圧縮気体が断続的に供給された場合、圧縮空気の供給時には、圧縮空気が気体流通溝132内を通って、第1部分114aと第2部分114bとの間の空間138(図22(b)参照)内に流入するため、空間138内の気圧が上昇することにより、図22(b)、図22(c)に示されるように、第2部分114bが+Z方向に押し上げられる。また、圧縮空気の供給停止時には、引張コイルバネ120により第2部分114bが元の位置に戻る。
【0067】
このように、本第2の実施形態の吸引部14では、不図示の気体供給装置から気体流通溝132内に圧縮空気を断続的に供給することにより、第2部分114bを上下方向に振動させることが可能である。
【0068】
本実施形態では、例えば、第1の実施形態において図9を用いて説明した、収穫対象のイチゴSTtに吸引部を接近させる動作を行う際に、上述のようにして第2部分114bを上下方向に振動させる。これにより、収穫対象のイチゴと隣接イチゴとがZ軸方向に関して重なり合っている(隣接イチゴが収穫対象のイチゴの−Z側に位置している)場合であっても、吸引部14’の先端の振動により、隣接イチゴの位置をずらすことができる。これにより、吸引部14’の先端を振動させない場合において生じていた、隣接イチゴと吸引部14’の接触による隣接イチゴの大幅な移動、及びこれに伴う収穫対象のイチゴの大幅な位置ずれを極力抑制することができるので、収穫対象のイチゴを確実に吸引することができ、イチゴの収穫効率を向上させることが可能である。
【0069】
なお、上記第2の実施形態では、圧縮空気を用いて、第2部材を上下方向に振動させる場合について説明したが、これに限らず、吸引部の上端部を上下方向に振動させることが可能な構成であれば、その他の構成を採用することも可能である。
【0070】
なお、上記第1、第2の実施形態では、本発明の果実収穫装置をイチゴの収穫装置に適用した場合について説明したが、これに限らず、ミカンやリンゴなどの果物を収穫する収穫装置に適用することとしても良いし、ミニトマトなどの野菜を収穫する収穫する装置に適用することとしても良い。この場合、上記第1の実施形態と同様、高設栽培された果実を収穫する場合に適用することとしても良いし、単に、樹木の高いところに結実した果実を収穫する場合に適用することとしても良い。
【0071】
上述した実施例は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】第1の実施形態のイチゴ収穫装置が設置された高設栽培農場の一部を示す図である。
【図2】図1のハンド機構を示す斜視図(その1)である。
【図3】図1のハンド機構を示す斜視図(その2)である。
【図4】図1のハンド機構の分解斜視図である。
【図5】ハンド機構の第1、第2フィンガー部の動作を説明するための図である。
【図6】図5(b)に対応する斜視図である。
【図7】図5(c)に対応する斜視図である。
【図8】第1の実施形態に係るイチゴ収穫装置の制御系を示すブロック図である。
【図9】イチゴ収穫装置の動作を説明するための図(その1)である。
【図10】イチゴ収穫装置の動作を説明するための図(その2)である。
【図11】イチゴ収穫装置の動作を説明するための図(その3)である。
【図12】第1〜第3気体噴出口の作用を示す図である。
【図13】イチゴ収穫装置の動作を説明するための図(その4)である。
【図14】イチゴ収穫装置の動作を説明するための図(その5)である。
【図15】イチゴ収穫装置の動作を説明するための図(その6)である。
【図16】イチゴ収穫装置の動作を説明するための図(その7)である。
【図17】第1の実施形態の変形例を示す図(その1)である。
【図18】第1の実施形態の変形例を示す図(その2)である。
【図19】第2の実施形態に係るハンド機構を示す斜視図である。
【図20】第2の実施形態に係る吸引部の分解斜視図である。
【図21】第2の実施形態に係る吸引部の内部構成を示す断面図である。
【図22】第2の実施形態に係る吸引部の動作を説明するための図である。
【符号の説明】
【0073】
10 ハンド機構
12 台部材
14 吸引部
16 ガイド
18 スライダ
20 アーム機構
22A 第1回転部
22B 第2回転部
24A 第1フィンガー部
24B 第2フィンガー部
36 引張コイルバネ
100 イチゴ収穫装置
124b 緩衝材
124d 緩衝材
126a 第1気体噴出口
126b 第2気体噴出口
126c 第3気体噴出口
140 緩衝材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収穫対象果実を収穫する果実収穫装置であって、
前記収穫対象果実を吸引して、位置を固定する吸引部と、
前記収穫対象果実に隣接する隣接果実に対して、気体を吹き付けて、前記隣接果実を収穫対象果実から離間させる気体噴出部と、
前記位置が固定された収穫対象果実を把持する把持部と、を備える果実収穫装置。
【請求項2】
前記吸引部は、重力方向下側から前記収穫対象果実を吸引することを特徴とする請求項1に記載の果実収穫装置。
【請求項3】
前記吸引部、前記気体噴出部及び前記把持部を、前記収穫対象果実に対して接近又は離反させる移動機構を更に備える請求項1又は2に記載の果実収穫装置。
【請求項4】
前記吸引部、前記気体噴出部及び前記把持部が前記収穫対象果実に対して接近する際に、
前記吸引部の、少なくとも前記収穫対象果実を吸引する吸引口部分を、前記接近方向前後に振動させる振動機構を更に備える請求項3に記載の果実収穫装置。
【請求項5】
収穫対象果実を収穫する果実収穫方法であって、
前記収穫対象果実を吸引する吸引工程と、
前記収穫対象果実に隣接する隣接果実に対して、気体を吹き付けて、前記隣接果実を収穫対象果実から離間させる離間工程と、
前記位置が固定された収穫対象果実を把持する把持工程と、を含む果実収穫方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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