説明

柄付き工具の柄部

【課題】 金槌で釘を打つ際、釘先が滑ったり、位置ずれし易い。又、錐揉みで穴を開ける際、錐を挟む手が滑るため、回転及び押し込み加圧効率が低下し、又、錐先一点支持のため、柄部の直立姿勢が不安定になり易く、真直ぐに穴開けし難い。
【解決手段】 一端部に釘打ち槌部3を一体に取り付けた槌柄部2の遊端部に所定の錐部4を一体に取り付けてなり、釘打ちに先立って槌部3をハンドルとして把持して錐部4により釘打ち位置に所定深さの釘立て凹孔を開ける。又、錐柄部の遊端部に柄部と交差する方向に延在したハンドル部を一体に取り付け、又は着脱自在に装着してなり、錐柄部を片手で直立保持して利き手でハンドル部を把持して柄部を回転させつつ錐を押し込んで穴を開ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金槌、錐等の柄付き工具の柄部に関するものである。
【背景技術】
【0002】
柄付き工具として金槌や錐、ねじ回しがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来、金槌で釘を打つ場合、一方の手の指先で釘を支えて釘打ち面に位置決めした状態で利き手で槌部を釘頭に打ち当てる。その際、指先で釘を支えているため、釘が指と共にぐらつき易く、槌部を釘頭に正確に打ち当て難くなって打ち損じたり、指を槌部で誤って叩いて怪我をすることがあり、釘打ち穴に釘が立つまで作業が手間取って作業性が低下する。又、釘打ち面が滑らかな場合、釘先が滑って位置ずれし易く、打ち損じや指叩きも発生し易い。又、釘が小さいと、指先で持ち難く、指に隠れ易いため、より一層、指先を叩き易くなる。更に、釘打ちの板が堅いと、釘打ち穴から板にひびが入り易くなる。又、木ねじ回しについても木ねじを指先で支えて位置決めした状態で締め付ける際、釘打ち同様、ねじ位置がずれたり、滑り易い等、木ねじが立つまで作業が手間取る。
【0004】
又、錐で穴を開ける場合、錐柄部を両手で強く挟み付け、直立姿勢を保持した状態で柄部を左右往復回転させる錐揉みで穴開け面に錐を押し込む。その際、両手と柄部との間の摩擦力で柄部を保持しているに過ぎないため、回転及び押し込みの際、柄部表面に沿って手が下方押し込み方向に滑る。そのため、手の押し込み加圧力が全て穴開けに寄与せず、加圧効率が低下し、労力に損失が生じる。又、手の滑り分を見込んで柄部を長くする必要があり、長い分、材料コストが増大し、工具箱等に仕舞う時も嵩張って場所を取り、収納効率が低下する。又、錐揉みの際、錐先一点支持のため、柄部の直立姿勢が不安定になって傾き易く、その結果、真直ぐに穴開けし難くなり、穴開け途中で錐先が曲がったり、欠けることもある。又、ねじ回しにおいても柄部を握って締め付ける際、手が滑ったり、締め付けの回転や押し込み又は押し付けに大きな労力を要する。
【0005】
本発明は上述の課題を解決し、釘打ちや木ねじ止め時の釘や木ねじの位置ずれを防止し、又、穴開け時の錐及び締め付け時のねじ回しの各回転及び押し込み加圧効率をそれぞれ向上させた柄付き工具の柄部を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、一端部に釘打ち槌部を一体に取り付けた槌柄部及び木ねじ回し柄部の各遊端部にそれぞれ所定の錐部を一体に取り付け、又、錐及びねじ回し各柄部の遊端部に柄部と交差する方向に延在したハンドル部を一体に取り付け、又は着脱自在に装着する。
【0007】
上記解決手段による作用を次に述べる。まず金槌の釘打ちに先立って槌部をハンドルとして把持して錐部により所定深さの釘立て凹孔を開け、その凹孔に釘先を嵌め入れて釘を立てた後、釘本体を指で軽く支えて槌部を釘頭に打ち当てる。又、釘打ち同様、木ねじ止めに先立って錐部により開けたねじ立て凹孔に木ねじ先を嵌め入れて木ねじを立てて締め付ける。又、錐柄部を片手で直立保持して利き手でハンドル部を把持して柄部を回転させつつ錐を押し込んで穴を開け、ねじ回しも同様にハンドル部を把持して締め付ける。
【発明の効果】
【0008】
上述したように、柄付き工具の金槌において柄部の錐部により開けた釘立て凹孔に釘先を嵌め入れて立ててから槌部で釘頭を打つようにしたから、釘本体を支える指がぐらついても釘先の位置が決まって釘先の滑りや位置ずれが発生せず、又、釘本体を指で軽く支えるだけで釘立て姿勢が安定するため、釘打ち作業が容易、且つ、正確になり、打ち損じや指叩きも発生し難く、作業性が大幅に向上する。特に、釘が小さい場合、釘先を凹孔に嵌め入れて立てて押し込むだけで姿勢の保持が可能となって指で支える必要がなくなり、指叩きの心配が解消してより一層顕著な効果を発揮する。或いは、小さい釘先を凹孔に嵌め入れて立てると、釘本体を指で軽く支えるだけで釘立て姿勢が安定するため、金槌を少しずつ徐々に打ち込めば、指叩きや怪我の発生も軽減される。又、釘立て凹孔が釘打ち穴へ誘導されるため、板が堅くても釘打ち穴からひび割れが発生し難くなる。又、柄付き工具の木ねじ回しについても錐部により開けたねじ立て凹孔に木ねじ先を嵌め入れて立てると、ねじ先が滑らず、ねじ位置と姿勢が安定し、木ねじ止め作業が容易になる。
【0009】
又、柄付き工具の錐による穴開けの際、柄部全周を片手で囲んで軽く直立姿勢に保持して他方の利き手でハンドル部を把持して回転及び押し込むと、柄部全周を囲むため、直立姿勢を保持し易くなって真直ぐに穴開けし易く、穴開け中の錐先曲がり等も防止でき、且つ、ハンドル部に働く力のモーメントにより錐柄部が回転し、加圧力が全て下方押し込みに寄与する。そのため、最小の回転及び押し込み加圧力で穴開けが可能となり、無駄な労力が要らず、回転及び加圧効率が大幅に向上し、作業効率も大幅に改善される。又、錐柄部を短くできるため、ハンドル部を外すと、嵩張らず、軽薄短小化されて工具箱等への収納効率も大幅に向上し、材料コストも大幅に低減できる。又、ねじ回しも同様に柄部にハンドル部を一体に取り付け、又は着脱自在に装着することにより回転及び押し込み加圧効率が大幅に向上し、労力が軽減されて作業効率も大幅に改善される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施の形態を図1〜図5を参照して以下に説明する。図1(a)(b)は本発明の柄付き工具(1)の斜視図と正面図を示す。図において(2)は金槌柄部、(3)は釘打ち槌部、(4)は錐部で、柄付き工具(1)は柄部(2)の一端部に槌部(3)を一体に取り付けて釘打ち金槌(図示例では玄能)とし、且つ、槌部(3)に対向する他端部(遊端部)に錐部(4)を一体に取り付ける。又、図1(c)に示す本発明の他の柄付き工具(5)は金槌柄部(2)の一端部に取り付けた槌部(6)の片端を先細にしたもので、柄部(2)の他端部には上記同様、錐部(4)を一体に取り付ける。又、図1(d)は錐部(7)の長さを変えたもので、錐部(4)より短くする。
【0011】
次に、図2(a)(b)の斜視図において(8)は錐部(4)に着脱自在に被せて収納するキャップ部材で、柄付き工具(1)の使用時にキャップ部材(8)を取り外すと共に、非使用時にはキャップ部材(8)を錐部(4)に被せて収納保護し、錐部(4)による手等への傷付きを防止する。キャップ部材(8)は、図2(a)(b)の斜視図及び図2(c)の断面図に示すように、柄部(2)と同外径の木製やプラスチック、金属製等の筒体からなり、筒孔(8a)内に錐部(4)を収納する。且つ、その先端近傍の筒孔内周面にビニールやゴムチューブ(8b)を貼り付け、収納時に錐部(4)の先部がチューブ(8b)に弾圧接触してキャップ部材(8)が容易に外れないようにする。図2(d)は柄部(2)とキャップ部材(8)とを紐(9)で連結し、キャップ部材(8)を柄部(2)に常時付随させたもので、伸縮性スプリングやゴム紐等を紐(9)に替えても良い。
【0012】
次に、図3(a)の斜視図において(10)は錐部側の端部を所定高さ同心に縮径成形して段差部(10a)を設けた本発明の金槌柄部で、図は柄部端部を示し、段差部(10a)の端面に錐部(4)を一体に取り付ける。そして、図3(b)(c)に示すように、段差部(10a)に筒状キャップ部材(11)を着脱自在に嵌め込んで錐部(4)を収納保護する。キャップ部材(11)は柄部(10)と同一外形の木製やプラスチック、金属製等の筒体で、筒孔径が段差部(10a)の外径に等しい。図3(d)において(12)は錐部側の端部に段差部(12a)を設けた本発明の金槌柄部、(13)は段差部(12a)に着脱自在に嵌め込む木製やプラスチック、金属製等の筒状キャップ部材で、段差部(12a)の側周面及びキャップ部材(13)の筒孔内周面に相互に螺合する雄雌各ねじをそれぞれ刻み、段差部(12a)にキャップ部材(13)をねじ込んで嵌める。図3(e)(f)において(14)は錐部(4)に被せて収納保護するビニール又はゴムチューブで、上記同様、錐部(4)に直接、着脱自在に嵌め込む。嵌め込み時、図3(g)に示すように、チューブ(14)が錐部(4)に弾圧接触して容易に外れない。
【0013】
上記構成に基づき本発明の動作を次に説明する。まず図3(h)に示すように、本発明の柄付き工具(1)は金槌であって、その釘打ちに先立って錐部(4)を釘打ち面(P)に植立させ、図3(i)(j)に示す釘立て凹孔(Pa)を開ける。その際、槌部(3)をハンドルとして把持し、槌部(3)を捻り回転させつつ錐部(4)を釘打ち面(P)に押し込み、所定深さの凹孔(Pa)を開ける。そうすると、ハンドルとしての槌部(3)に働く力のモーメントで柄部(2)が回転し、且つ、加圧力が全て押し込み力となる。そのため、回転及び押し込み加圧力が全て孔開けのための回転と押し込みとに寄与し、無駄な労力が要らず、最小の回転及び加圧力で孔開けが可能となる。そこで、錐部(4)をキャップ部材(8)(14)等に収納し、図3(k)に示すように、釘立て凹孔(Pa)に釘(Y)の先を嵌め入れて立てた後、釘本体を支えて柄付き工具(金槌)(1)の槌部(3)を釘頭に打ち当てて釘(Y)を打ち込む。
【0014】
そうすると、釘先を釘立て凹孔(Pa)に嵌め入れているため、釘先の位置が決まって滑らかな面でも釘先の位置ずれや滑りがなく、指先で釘本体を軽く支えるだけで姿勢を安定に保持でき、打ち損じや指叩きが発生し難い。又、釘立て凹孔(Pa)が釘打ち穴に誘導されるため、堅い板において釘打ち穴からひび割れが発生し難くなる。又、小さい釘の場合、釘先を釘立て凹孔(Pa)に嵌め入れて立てて必要に応じ押し込むだけで姿勢が安定に保持され、釘本体を指で支える必要がない。その状態で柄付き工具(1)の槌部(3)を打ち降ろせば、指先を誤って叩くことがない。或いは、小さい釘先を釘立て凹孔(Pa)に嵌め入れて立てると、指先で軽く支えるだけで姿勢を安定に保持できるため、柄付き工具(1)の槌部(3)を少しずつ徐々に打ち込めば、指叩きが軽減される。
【0015】
次に、本発明の他の柄付き工具の錐の実施の形態を図4を参照して示す。図4(a)(b)は本発明の柄付き工具(15)の斜視図と正面図を示す。図において(16)は錐柄部、(17)は錐部、(18)はハンドル部で、柄付き工具(15)は錐柄部(16)の一端部に錐部(17)を一体に取り付けた錐とし、錐部(17)に対向する他端部(遊端部)に錐柄部(16)に交差する方向に延在したハンドル部(18)を一体に取り付ける。錐柄部(16)は手で強く握らないため、図示丸棒に限らず角棒でも良く、長さは手幅より大きくし、ハンドル部(18)は丸棒が把持し易くて望ましいが、角棒でも良い。
【0016】
上記構成によれば、柄付き工具(15)により穴を開ける際、図4(c)に示すように、錐部(17)を穴開け面(R)に植立させ、片手で錐柄部(16)の全周を囲みつつ保持して直立姿勢に軽く支える。次に、他方の利き手でハンドル部(18)を把持して錐柄部(16)を捻り回転させつつ錐部(17)を穴開け面(R)に押し込んで穴を開ける。そうすると、柄部全周を囲んで保持するため、直立姿勢を保持し易くなって安定し、真直ぐに穴開けし易く、穴開け中の錐先曲がり等も防止でき、且つ、ハンドル部(18)に働く力のモーメントで錐柄部(16)が回転し、加圧力が全て下方押し込み力となる。そのため、把持する手とハンドル部(18)との間で滑りが起きず、無駄な労力が要らず、ハンドル部(18)に加えた回転及び加圧力が全て穴開けのための回転と押し込みとに寄与する。そこで、最小の回転及び押し込み加圧力で穴開けが可能となり、回転及び加圧効率が大幅に向上し、労力が大幅に軽減される。しかも手の滑りがないため、滑り分を見込んで錐柄部(16)を長くする必要もない。
【0017】
次に、図4(d)は上述の錐柄部を省き、ハンドル部(19)に交差する方向に直接、錐部(20)を一体に取り付けた本発明の柄付き工具(21)で、ハンドル部(19)が柄部を兼ね、上記同様、ハンドル部(19)を把持して回転及び押し込んで穴を開ける。図4(e)は他の本発明の柄付き工具(22)の正面図を示し、図において(23)はねじ回し柄部、(24)はねじ締め部、(25)はハンドル部で、柄付き工具(22)はねじ回し柄部(23)の一端部にねじ締め部(24)を一体に取り付けたねじ回しとし、且つ、ねじ締め部(24)に対向する他端部(遊端部)にねじ回し柄部(23)に交差する方向に延在したハンドル部(25)を一体に取り付ける。
【0018】
上記柄付き工具(22)によれば、ねじ止めの際、ハンドル部(25)を把持してねじ回し柄部(23)を捻り回転させつつ押し込んで締め付ける。そうすると、ハンドル部(25)に働く力のモーメントでねじ回し柄部(23)が回転し、且つ、加圧力がそのまま押し込み力となる。そのため、把持する手とハンドル部(25)との間で滑りがなく、ハンドル部(25)に加えた回転及び加圧力が全て締め付けの回転と押し込みとに寄与する。そのため、最小の回転及び加圧力で締め付けが可能となり、回転及び加圧効率が大幅に向上し、労力を大幅に軽減できる。
【0019】
次に、本発明の柄付き工具の錐の他の実施の形態を図4(f)〜(j)を参照して示す。図において(26)は錐柄部、(27)は錐部、(28)はハンドル部である。錐柄部(26)は所定長さと径の丸又は角棒の一端部に錐部(27)を一体に取り付けたもので、図4(g)(h)に示すように、錐部(27)に対向する他端部近傍に中心軸に交差する貫通孔(26a)を穿設する。貫通孔(26a)は図示断面円形に限らず、断面角形でも良く、孔内に補強筒を配して孔強度を補強しても良い。ハンドル部(28)は貫通孔(26a)に適合する所定長さの木製や金属パイプ製又はプラスチック製等の丸又は角棒で、貫通孔(26a)に挿通して着脱自在に装着される。そこで、図4(f)(i)(j)に示すように、ハンドル部(28)を貫通孔(26a)に挿通して錐柄部(26)に交差する方向に延在させて装着すると、本発明の柄付き工具(29)の錐が構成される。
【0020】
上記柄付き工具(29)によれば、工具非使用時にはハンドル部(28)を外し、ハンドル部(28)を錐柄部(26)に並べて工具箱等に収納できる。しかも錐柄部(26)及びハンドル部(28)共に比較的短くできるため、嵩張らず、収納効率が大幅に改善される。又、錐部(27)が相異なる複数種類の錐柄部(26)を個別に設けてもハンドル部(28)を共用し、且つ、錐柄部(26)を短くすることにより材料コストも低減できる。又、図示しないが、柄付き工具のねじ回しについても同様にハンドル部を着脱自在に装着できる構造が可能である。
【0021】
次に、本発明の柄付き工具の錐の他の実施の形態を図5(a)〜(e)を参照して示す。図5(a)において(30)は錐柄部、(31)は錐部、(32)はハンドル部である。錐柄部(30)は所定長さと径の丸又は角棒の一端部に錐部(31)を一体に取り付けたもので、図5(a)に示すように、錐部(31)に対向する他端面(遊端部)に矩形凸部(30a)を一体形成する。ハンドル部(32)は長矩形板状体で、その中央部に凸部(30a)が嵌まる貫通孔(32a)を穿設する。そこで、図5(b)に示すように、貫通孔(32a)に凸部(30a)を嵌入してハンドル部(32)を錐柄部(30)に交差する方向に延在させて着脱自在に装着すると、本発明の柄付き工具の錐(33)が構成される。柄付き工具(33)によれば、上記同様、工具非使用時にはハンドル部(32)を外し、錐柄部(30)と並べて収納すると、収納効率が大幅に向上する。又、図示しないが、錐部(31)に対向する他端面に凸部(30a)に代えて複数本のピンを整列配置して一体形成する。且つ、ハンドル部にピン位置に対応するピン孔を穿設し、ピン孔にピンを嵌入してハンドル部を錐柄部に交差して着脱自在に装着しても良い。
【0022】
又、図5(c)において(34)は錐柄部、(35)は錐部、(36)はハンドル部である。錐柄部(34)は所定長さと径の丸又は角棒の一端部に錐部(35)を一体に取り付けたもので、図5(c)に示すように、錐部(35)に対向する他端面(遊端部)に矩形凸部(34a)が一体形成され、その先端面にフック(34b)を取り付ける。ハンドル部(36)は長矩形板状体で、その中央部に凸部(34a)が嵌まる貫通孔(36a)を穿設する。そこで、図5(d)に示すように、貫通孔(36a)に凸部(34a)を嵌入してハンドル部(36)を錐柄部(34)に交差する方向に延在させて着脱自在に装着する。更に、フック(34b)に紐やワイヤ(37)等を通してハンドル部(36)に巻き付けて括り付けると、本発明の柄付き工具(38)が構成される。柄付き工具(38)によれば、ハンドル部(36)がワイヤ(37)により錐柄部(34)に一体的に仮止めされて抜けを防止できる。次に、図5(e)は本発明のハンドル部の他の実施の形態を示す斜視図で、ハンドル部(39)は十字成形した板体の中央部に凸部(30a)(34a)が嵌まる貫通孔(39a)を穿設したものである。
【0023】
次に、図5(f)は本発明の柄付き工具(40)の木ねじ回しの実施の形態の正面図を示し、図において(41)は木ねじ回し柄部、(42)はねじ締め部、(43)は錐部である。柄付き工具(40)は木ねじ回し柄部(41)の一端部にねじ締め部(42)を一体に取り付け、ねじ締め部(42)に対向する他端面(遊端部)に錐部(43)を一体に取り付けたものである。工具使用時等には錐部(43)をビニール又はゴムチューブ等のキャップ部材(44)に収納して保護し、手等の傷付きを防止する。柄付き工具(40)によれば、木ねじ止めに先立って錐部(43)により開けたねじ立て凹孔に木ねじ先を立てると、木ねじの位置ずれや滑りを防止でき、ねじ止め作業が楽になり、作業性が大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】(a)(b)は本発明の実施形態を示す金槌の斜視図と正面図、(c)(d)は本発明の実施形態を示す金槌の正面図と部分正面図。
【図2】(a)(b)は本発明の実施形態を示す金槌の各斜視図、(c)は本発明の柄付き工具のキャップ部材の断面図、(d)は本発明の実施形態を示す柄付き工具の部分正面図。
【図3】(a)(b)は本発明の柄付き工具のキャップ部材の各斜視図、(c)(d)は本発明の柄付き工具のキャップ部材の各一部断面部分正面図、(e)(f)(g)は本発明の柄付き工具のキャップ部材の各斜視図と一部断面正面図、(h)は本発明の柄付き工具の金槌の動作例を示す正面図、(i)(j)は本発明の釘立て凹孔の平面図と側断面図、(k)は本発明の釘立て凹孔に嵌め入れて立てた釘の正面図。
【図4】(a)(b)は本発明の実施形態を示す錐の斜視図と正面図、(c)は本発明の柄付き工具の錐の動作例の正面図、(d)は本発明の実施形態を示す錐の正面図、(e)は本発明の実施形態を示すねじ回しの正面図、(f)は本発明の実施形態を示す錐の分解斜視図、(g)(h)は図4(f)の錐柄部の正面図と部分断面図、(i)(j)は本発明の実施形態を示す錐の正面図と部分斜視図。
【図5】(a)(b)は本発明の実施形態を示す錐の斜視図と部分斜視図、(c)(d)は本発明の実施形態を示す錐の斜視図と部分斜視図、(e)は本発明の実施形態を示す錐のハンドル部の斜視図、(f)は本発明の実施形態を示す木ねじ回しの正面図。
【符号の説明】
【0025】
1 柄付き工具
2 槌柄部
3 槌部
4 錐部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端部に釘打ち槌部を一体に取り付けた槌柄部の遊端部に所定の錐部を一体に取り付けてなり、釘打ちに先立って前記槌部をハンドルとして把持して前記錐部により釘打ち位置に所定深さの釘立て凹孔を開けることを特徴とする柄付き工具の柄部。
【請求項2】
錐部を所定のキャップ部材で着脱自在に収納して保護することを特徴とする請求項1記載の柄付き工具の柄部。
【請求項3】
木ねじ回し柄部の遊端部に所定の錐部を一体に取り付けてなり、木ねじ止めに先立って前記錐部によりねじ止め位置に所定深さのねじ立て凹孔を開けることを特徴とする柄付き工具の柄部。
【請求項4】
錐柄部の遊端部に前記柄部と交差する方向に延在したハンドル部を一体に取り付け、又は着脱自在に装着してなり、前記ハンドル部を把持して前記柄部を回転させつつ錐を押し込んで穴を開けることを特徴とする柄付き工具の柄部。
【請求項5】
ねじ回し柄部の遊端部に前記柄部と交差する方向に延在したハンドル部を一体に取り付け、又は着脱自在に装着したことを特徴とする柄付き工具の柄部。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−212768(P2006−212768A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−61497(P2005−61497)
【出願日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(503052335)
【Fターム(参考)】