柄付き清掃具
【課題】 清掃具本体と柄から構成された柄付き清掃具であって、清掃具を動かす方向によって腕が突っ張ったり窮屈になったりすることがなく、楽な姿勢で清掃を行うことができる柄付き清掃具を提供すること。
【解決手段】 水平方向に回動自在である回転軸12を上向きに突出させた清掃具本体1と、前記清掃具本体1の回転軸12に取り付けられる柄2と、前記清掃具本体1の回転軸12に連結され、回転軸12に作用して清掃具本体1を移動させる作用部材3と、前記作用部材3を清掃具本体1の回転軸12への作用方向とは逆の方向に付勢している弾性体4と、から構成されている柄付き清掃具であって、前記清掃具本体1または柄2の何れか一方に凸構造を形成し、他方に凹構造を形成して、凸構造が凹構造に嵌合するか、あるいは、清掃具本体1及び柄2のそれぞれに凹凸構造を形成して互いに嵌合しあう凹凸嵌合構造を有する構成としたこと。
【解決手段】 水平方向に回動自在である回転軸12を上向きに突出させた清掃具本体1と、前記清掃具本体1の回転軸12に取り付けられる柄2と、前記清掃具本体1の回転軸12に連結され、回転軸12に作用して清掃具本体1を移動させる作用部材3と、前記作用部材3を清掃具本体1の回転軸12への作用方向とは逆の方向に付勢している弾性体4と、から構成されている柄付き清掃具であって、前記清掃具本体1または柄2の何れか一方に凸構造を形成し、他方に凹構造を形成して、凸構造が凹構造に嵌合するか、あるいは、清掃具本体1及び柄2のそれぞれに凹凸構造を形成して互いに嵌合しあう凹凸嵌合構造を有する構成としたこと。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃具本体と柄から構成され、例えば窓ガラスや網戸を掃除するとき等
に使用する柄付き清掃具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の柄付き清掃具としては、例えば、特開2001−61553号公報には、ブラシ本体と柄とが着脱自在に形成された柄付きブラシについての記載があり、また、特開2003−10074号公報には、平板状のブラシ体を柄の先端部に着脱可能に取り付けた清掃用柄付きブラシについての記載があり、また、特開2003−477号公報には、略矩形のプレート状をした圧縮性を有するスポンジ体の上面に、該スポンジ体より外形寸法の小さい略矩形の保持板を取付けると共に、この保持板に柄を取付けることにより構成されている網戸用清掃具についての記載があり、それぞれ公知である。
【0003】
これらは何れも、柄が取り付けられている、あるいは、柄を取り付けて使用するものであり、柄が付いていることにより、それぞれの清掃用具の汚い清掃面を直に握る必要がないので、手が汚れることを最小限に抑制することができ、また、遠い場所や地面を清掃する場合にも楽な姿勢で使用することができ、快適に清掃を行うことができる。
【特許文献1】特開2001−61553号公報
【特許文献2】特開2003−10074号公報
【特許文献3】特開2003−477号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、他方では、これらは何れも、長尺辺と短尺辺からなる矩形の清掃面を有し、これに対して柄が固定的に取り付けられている構成であり、通常は柄を動かす方向に対して長尺辺を略垂直にあてて清掃をするので、ある一定の場所で清掃を行う場合に、ある一定方向に動かすときには快適な姿勢で清掃できるが、この一定方向に対して略直の方向に動かして清掃するときには、清掃用具と清掃用具を握った腕全体を約90度ひねった状態で清掃用具を動かさなければならないので、腕が突っ張って窮屈になって、清掃用具を動かしにくく、疲れやすいという課題があった。
【0005】
そこで、本発明は、清掃具本体と柄から構成された柄付き清掃具であって、清掃具を動かす方向によって腕が突っ張ったり窮屈になったりすることがなく、楽な姿勢で清掃を行うことができる柄付き清掃具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決するために講じた本発明の構成を、実施例を示す図面に使用した符号を用いて説明すると、本発明は、水平方向に回動自在である回転軸12を上向きに突出させた清掃具本体1と、前記清掃具本体1の回転軸12に取り付けられる柄2と、前記清掃具本体1の回転軸12に連結され、回転軸12に作用して清掃具本体1を移動させる作用部材3と、前記作用部材3を清掃具本体1の回転軸12への作用方向とは逆の方向に付勢している弾性体4と、から構成されている柄付き清掃具であって、前記清掃具本体1または柄2の何れか一方に凸構造を形成し、他方に凹構造を形成して、凸構造が凹構造に嵌合するか、あるいは、清掃具本体1及び柄2のそれぞれに凹凸構造を形成して互いに嵌合しあう凹凸嵌合構造を有し、前記清掃具本体1と柄2は、平常時は、凹凸嵌合構造により嵌合状態にあって、清掃具本体1と柄2は互いに水平方向の回動が阻止されており、前記作用部材3を弾性体4に抗して押圧すると、清掃具本体1が移動して凹凸嵌合構造の嵌合状態が解除されて、清掃具本体1と柄2は互いに水平方向に回動自在となる構成としたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の柄付き清掃具は、清掃具本体または柄の何れか一方に凸構造を形成し、他方に凹構造を形成して、凸構造が凹構造に嵌合するか、あるいは、清掃具本体及び柄のそれぞれに凹凸構造を形成して互いに嵌合しあう凹凸嵌合構造を有し、清掃具本体と柄は、平常時は、凹凸嵌合構造により嵌合状態にあって、清掃具本体と柄は互いに水平方向の回動が阻止されている構成であるから、清掃具本体がしっかりと固定された状態で、安心して清掃することができるものでありながら、ボタンを弾性体に抗して押圧するだけで、清掃具本体が移動して凹凸嵌合構造の嵌合状態が解除されて、清掃具本体と柄は互いに水平方向に回動自在となる構成であるから、ワンタッチで容易に清掃具本体の向きを適宜の方向に切り変えることができ、清掃具本体の向きを切り変えることにより、上下、前後、左右あらゆる方向に、腕の向きを変えずに清掃具を動かすことができる。これにより、長時間の清掃作業であっても腕の疲労が抑制されるので快適に清掃を行うことができ、また、清掃の速度及び質が上がることにより清掃作業の効率を大幅にアップさせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明を実施するにあたって、清掃具本体1の清掃面には、後述する実施例で示した刷毛の他に、不織布やスポンジ、ゴムヘラ等を取り付けて実施することができ、限定されるものではない。また、清掃具本体1の形状は、様々な形状が考えられ、限定されるものでないが、実施例で示した矩形の他に、楕円形等、長尺部と短尺部を有する形状で実施すると、本発明の趣旨が最もよく実現される。
【0009】
また、柄2の長さ、形状、清掃具本体1に対する取り付け角度等も限定されるものではないが、清掃具本体1に対して、柄2が略平行か、あるいはやや上方に傾斜する角度で取り付けられた状態で実施すると、本発明の趣旨がよく実現される。
【0010】
また、凹凸嵌合構造は、回転軸12の周りにおいて一定の角位相周期で形成されている構成として実施すると、一定角度毎に清掃具本体1の向きを変えることができる。特に、凹凸嵌合構造は、回転軸12の周りにおいて90度角位相周期で形成されている構成として実施すると、90度毎に清掃具本体1の向きを変えることができ、さらに、清掃具本体1を矩形、楕円形等の長尺部と短尺部を有する形状とし、清掃具本体1の長尺部の方向と柄2が延びる方向が略直となるときと、略平行になるときに、清掃具本体1と柄2が嵌合状態を形成する構成として実施すると、清掃具本体1の長尺部の方向と柄2が延びる方向を略直にすることにより、腕を上下方向、前後方向に動かす清掃を快適に行うことができ、そこから清掃具本体1の向きを90度動かして清掃具本体1の長尺部の方向と柄2が延びる方向を略平行にすることにより、腕を左右方向に動かす清掃を快適に行うことができる。
【実施例】
【0011】
以下、本発明の実施例を図示例と共に説明する。図1乃至図7は本願発明の第1実施例の柄付き清掃具であって、図1は組み立てた状態の斜視図、図2は図1の分解斜視図、図3は分解縦断側面図、図4は組み立てた状態の縦断側面図、図5(a)乃至(d)は清掃具本体の回転状態を説明する一部縦断側面図、図6は上下方向(前後方向)に動かす状態を示す図、図7は左右方向に動かす状態を示す図を示す。
【0012】
該第1実施例の柄付き清掃具は、網戸の清掃に用いるブラシであって、主要な部材としては、図2の分解図に見られるように、清掃具本体1と、柄2と、作用部材3と、弾性体4と、キャップ5とから構成されている。
【0013】
清掃具本体1は、矩形状の平板11の1面の中心部に回転軸12が略直に取り付けられており、該回転軸12の軸端面12aには、後述する作用部材3の連結板31とビスBで連結するためのビス挿通孔12bが形成されている。平板11上であって回転軸12の外周には、凹部13が4箇所90度角位相周期に形成されている。より詳しくは、該凹部13は、平板11上であって回転軸12の外周のうち、回転軸12の中心部を通って長手方向の線及び幅方向の線と交わる4箇所に形成された90度角位相周期の配置となっている。平板11において、回転軸12が形成された中心部を挟んで長手方向両側には、平板11を貫通する長手方向の溝14が2本ずつ計4本形成されている。該平板11の回転軸12が取り付けられた面と反対の面からは、刷毛15が、間に溝14を挟んで長手方向に3列に植毛されている。
【0014】
柄2は、その一端に回転軸12に取り付けられる接続部21と、該接続部21の側面から一体的に突出させて成形してある把持部22からなる。そのうち、接続部21は、回転軸12を内部に収容できるように筒状に形成され、その下方の周縁部には、前記凹部13と嵌合する凸部23が90度角位相周期に形成されている。より詳しくは、該凸部23は、接続部21の下方の周縁部のうち、接続部21の筒軸の中心部を通って把持部22が延びる方向の線及びそれと略直の方向の線と交わる4箇所に形成された90度角位相周期の配置となっている。また、図3に示すように、接続部21の下方には、筒内方向に比較的やや肉厚である肉厚部24を形成してあり、これは、下方の周縁部に凸部23を形成し、かつ、後述するように、弾性体4を収容するための収容底とするためである。
【0015】
把持部22は、全体として上方に向かって傾斜状に形成され、より詳しくは、接続部21の側面から一体的に略直に突出した後、やや急激に上方に傾斜する箇所があり、その後、ややなだらかに上方に傾斜する箇所が続いている。これにより、清掃具本体1を回転させても、清掃具本体1が把持部22を握る手に当たることがなく、使用することができる。
【0016】
その他の主要な部材としては、図3に示すように、作用部材3は、筒状の外観形状であり、筒内の軸方向の略中間部に清掃具本体1の回転軸12をビスBで留め付けて連結するための連結板31が形成され、該連結板31の中心部にビスBを挿通するためのビス孔32が形成されている。また、後述するキャップ5の連結部52を作用部材3の筒内に連結したときに、連結部52に形成された環状突条53が嵌合する環状凹溝33が、開口部よりの内壁に形成されている。
【0017】
弾性体4は、コイル状のスプリング41であって、その径は、回転軸12の外径よりも大きく、接続部21の筒の内径よりも小さく、後述する作用部材3の筒壁と略同径に形成されている。
【0018】
キャップ5は、図3に示すように、円柱状の押圧部51と、該押圧部51よりやや径が小さい円柱状であって、作用部材3の筒内と連結するための、連結部52が一体的に成形されている。該連結部52の側壁には、前述したように、作用部材3の筒内に連結したときに、作用部材3の筒内に形成された環状凹溝33と嵌合する環状突条53が一体的に突出成形されている。
【0019】
なお、本実施例においては、環状凹溝33は、両開口部よりの内壁にそれぞれ形成されていて、作用部材3の両方の開口部からキャップ5の連結部52を連結することができるように形成されているが、どちらか一方に形成されているだけでもよいことは言うまでもない。また、環状突条53を環状凹溝33に嵌合させたときの嵌合状態は、作用部材3とキャップ5が互いに密着不動である密嵌状態でも、作用部材3とキャップ5が互いに回動自在となるような遊嵌状態でもよい。本実施例においては、作用部材3とキャップ5が互いに密着不動である密嵌状態にあり、後述するように、清掃具本体1を回転させると、回転軸12、作用部材3及びキャップ5は一体となって回転する。作用部材3とキャップ5が互いに回動自在となるような遊嵌状態とすると、清掃具本体1を回転させたときに、キャップ5は回転せずに、回転軸12及び作用部材3のみを一体として回転させることができる。
【0020】
これらの部材の組み立てにあたっては、図2及び図3に示した状態から、まず、清掃具本体1の回転軸12を柄2の接続部21の下方から筒内に挿入して、清掃具本体1の凹部13に柄2の凸部23を嵌合させる。次いで、柄2の接続部21の上方から、弾性体4(スプリング41)を回転軸12の外周であって肉厚部24上に載置し、その上に作用部材3を入れて、回転軸12の軸端面12aと作用部材3の連結板31をビス孔32からビス挿通孔12bにビスBを挿通して螺嵌することにより連結する。このとき、弾性体4(スプリング41)は、その付勢力(復元力)によって、清掃具本体1の凹部13と柄2の凸部23の嵌合状態を保つ方向に作用部材3を付勢するために、やや収縮状態に置かれている。最後にキャップ5の連結部52を作用部材3の筒内に挿入して、環状突条53を環状凹溝33に嵌合させて、作用部材3とキャップ5を連結して、図1及び図4の状態とする。
【0021】
このような構成で組み立てられた柄付き清掃具は、平常時は、清掃具本体1の凹部13と柄2の凸部23が嵌合していて、かつ、作用部材3は、該作用部材3に連結された回転軸12及びキャップ5とともに、やや収縮状態にある弾性体4(スプリング41)によって、清掃具本体1の凹部13と柄2の凸部23による嵌合状態が解除されるような回転軸12の移動方向とは反対の方向(回転軸12の突出方向)に付勢されて、清掃具本体1の凹部13と柄2の凸部23の嵌合状態が保たれている。したがって、平常時は、柄2に対して清掃具本体1の水平方向の回動が阻止されていて、清掃具本体1が動くことがないので、臆することなく清掃をすることができる。
【0022】
柄2に対して清掃具本体1の向きを変える場合は、図5(a)に示した状態から、キャップ5を回転軸12の突出方向とは反対の方向に弾性体4(スプリング41)の弾性力に抗して押圧する。すると、図5(b)に示すように、作用部材3が該作用部材3に連結された清掃具本体1の回転軸12に作用して、回転軸12は清掃具本体1とともに、弾性体4(スプリング41)をより収縮させる方向(回転軸12の突出方向とは反対の方向)に、キャップ5の押圧移動分移動して、清掃具本体1の凹部13と柄2の凸部23の嵌合状態が解除され、清掃具本体1が作用部材3及びキャップ5とともに水平方向に回動自在となる。
【0023】
而して、図5(c)に示すように、キャップ5を押したままの状態で、水平方向の左右何れかの方向に90度清掃具本体1を回転軸12に連結された作用部材3及び該作用部材3に連結されたキャップ5とともに回転させ、ボタンを離す。すると、収縮状態にある弾性体4(スプリング41)の復元力に従って、収縮状態にある弾性体4(スプリング41)を復元させる方向に、作用部材3が、該作用部材3に連結されたキャップ5及び清掃具本体1の回転軸12とともに移動し、清掃具本体1の凹部13と柄2の凸部23が、元の状態から90度ずれた位置で、再び図5(d)に示したような嵌合状態をとる。
【0024】
使用にあたっては、清掃具本体1の長尺部の方向を柄2が延びる方向と略直になるように、清掃具本体1の凹部13と柄2の凸部23を嵌合状態にすると、図6に示すように、図面中上下方向(あるいは前後方向)に動かして、縦方向に清掃具本体1を動かす清掃を快適に行うことができる。この状態から、前述したように、清掃具本体1を柄2に対して水平方向に90度回転させて、清掃具本体1の長尺部の方向を柄2が延びる方向と大略平行になるように、清掃具本体1の凹部13と柄2の凸部23を嵌合状態にすると、図7に示すように、同じ持ち方、及び同じ腕の姿勢で、図面中左右方向に動かして、横方向に清掃具本体1を動かす清掃を快適に行うことができる。
【0025】
図8は、本願発明の第1実施例の変形例の柄付き清掃具であって、第1実施例と異なる点は、清掃具本体1の回転軸12の外周には、凹凸構造16が45度角位相周期に形成され、柄2の接続部21の下方の周縁部にも該凹凸構造16と嵌合しあう凹凸構造26が45度角位相周期に形成されている点である。そして、清掃具本体1の長尺部の方向と柄2が延びる方向が略直となるときと、略平行になるときに、清掃具本体1と柄2が嵌合状態を形成するように、凹凸構造16と凹凸構造26を形成してある。使用にあたっては、45度毎に清掃具本体1の向きを変えることができる。その他の点は、第1実施例とほぼ同様である。
【0026】
図9は、本願発明の第2実施例の柄付き清掃具であって、第1実施例と異なる点について列挙して解説すると、清掃具本体1は、略半楕円形の縦板部17aと略矩形の横板部17bが一体的に成形された第一部材17と半楕円形の第二部材18から構成されている。半楕円形の縦板部17aの頂部には、回転軸12が上向きに略直に突出しており、該回転軸12の軸端面12aには、作用部材3の連結板31とビスBで連結するためのビス挿通孔12bが形成されている。回転軸12の突出部の外周には、円弧状の凹部13が4箇所90度角位相周期に形成されている。より詳しくは、該凹部13は、回転軸12の突出部の外周のうち、回転軸12の中心部を通って長手方向の線及び幅方向の線と交わる4箇所に形成された90度角位相周期の配置となっている。横板部17bの下面(清掃面)であって、第一部材17と第二部材18の間には、スポンジS等を挟み込むための空隙19aが形成され、本実施例においては、空隙19aにスポンジSを挟み込み、半楕円形の第二部材18を第一部材17の半楕円形の縦板部17aにビス止めして使用する。第一部材17の横板部17bの長尺辺のうち、第一部材17と第二部材18の連結側と反対側の端縁には、ゴムヘラRを挟み込むための溝19bがおよそ斜め45度下方に傾斜させて形成され、図示したようにゴムヘラRを挟み込んで使用する。
【0027】
柄2は、その一端に回転軸12に取り付けられる接続部21と、該接続部21の側面から一体的に突出させて成形してある把持部22からなる。そのうち、接続部21は、回転軸12を内部に収容できるように筒状に形成され、その下方の周縁部には、凹部13と嵌合する円弧状の凸部23が90度角位相周期に形成されている。より詳しくは、該凸部23は、接続部21の下方の周縁部のうち、接続部21の筒軸の中心部を通って把持部22が延びる方向の線及びそれと略直の方向の線と交わる4箇所に形成された90度角位相周期の配置となっている。また、接続部21の下方には、筒内方向に比較的やや肉厚である肉厚部24を形成してあり、これは、下方の周縁部に凸部23を形成し、かつ、後述するように、弾性体4を収容するための収容底とするためである。
【0028】
把持部22は、接続部21の側面から一体的に略直に突出させて、全体としてやや上方に反って形成されている。そして、清掃具本体1を回転させても、清掃具本体1が把持部22を握る手に当たることがないよう充分な長さで形成されている。
【0029】
その他の主要な部材としては、キャップ5は、円柱状の押圧部51と、該押圧部51よりやや径が小さい円柱状であって、後述する作用部材3の筒内と連結するための、連結部52が一体的に成形されている。該連結部52の側壁には、作用部材3の筒内に連結したときに、作用部材3の筒内に形成された環状凹溝33と嵌合する環状突条53が一体的に突出成形されている。作用部材3の環状凹溝33は、一方の開口部よりの内壁にのみ形成されている。本実施例においては、また、環状突条53を環状凹溝33に嵌合させたときの嵌合状態は、作用部材3とキャップ5が互いに回動自在となるような遊嵌状態にあり、清掃具本体1を回転させると、キャップ5は回転せずに、回転軸12及び作用部材3のみが一体として回転する。
【0030】
使用にあたっては、清掃具本体1を水平方向に回転させて、清掃具本体1を縦方向と横方向に動かす清掃の仕方は、第1実施例と同様であるが、清掃具本体1の長尺部の方向を柄2が延びる方向と略直になるように、清掃具本体1の凹部13と柄2の凸部23を嵌合状態にした場合には、前後方向に柄2の角度を変えるだけで、スポンジSとゴムヘラRを切り替えることができる。清掃具本体1の長尺部の方向を柄2が延びる方向と大略平行になるように、清掃具本体1の凹部13と柄2の凸部23を嵌合状態にした場合には、左右方向に柄2の角度を変えるだけで、スポンジSとゴムヘラRを切り替えることができる。その他の点は、第1実施例と同様である。
【0031】
図10及び図11は、本願発明の第3実施例の柄付き清掃具であって、第1実施例と大きく異なる点は、主要な部材としては、清掃具本体1と、柄2と、作用部材3と、弾性体4(スプリング41)とから構成され、キャップ5が省略されており、清掃具本体1の回転軸12が作用部材3に直接連結されていて、作用部材3は弾性体4(スプリング41)によって清掃具本体1の凹部13と柄2の凸部23による嵌合状態が解除されるような回転軸12の移動方向とは反対の方向(回転軸12の突出方向)に直接付勢されて、清掃具本体1の凹部13と柄2の凸部23の嵌合状態が保たれている点である。
【0032】
柄2に対して清掃具本体1の向きを変える場合は、作用部材3を回転軸12の突出方向とは反対の方向に弾性体4(スプリング41)に抗して押圧する。すると、作用部材3が該作用部材3に連結された清掃具本体1の回転軸12に作用して、回転軸12は清掃具本体1とともに、弾性体4(スプリング41)をより収縮させる方向(回転軸12の突出方向とは反対の方向)に、作用部材3の押圧移動分移動して、清掃具本体1の凹部13と柄2の凸部23の嵌合状態が解除され、清掃具本体1が作用部材3とともに水平方向に回動自在となる。
【0033】
而して、作用部材3を押したままの状態で、水平方向のうち左右何れかの方向に90度清掃具本体1を回転体12に連結された作用部材3とともに回転させ、ボタンを離す。すると、収縮状態にある弾性体4(スプリング41)の復元力に従って、収縮状態にある弾性体4(スプリング41)を復元させる方向に、作用部材3が、該作用部材3に連結された清掃具本体1の回転軸12とともに移動し、清掃具本体1の凹部13と柄2の凸部23が、元の状態から90度ずれた位置で、再び嵌合状態をとる。
【0034】
以上本発明の代表例と思われる実施例について説明したが、本発明は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、その他本発明にいう前記の構成要件を備え、かつ本発明にいう目的を達成し、本発明にいう効果を有する範囲内において適宜改変して実施することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の柄付き清掃具は、簡単に清掃具本体の水平方向の向きを変えて、持ち替えたり、腕の姿勢を変えたりする必要がなく使用することができ、従来型に替わって市場において歓迎されると思われる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】第1実施例の組み立てた状態の斜視図。
【図2】同図1の分解斜視図。
【図3】同分解縦断側面図。
【図4】同組み立てた状態の縦断側面図。
【図5(a)】清掃具本体の回転状態を説明する一部縦断側面図。
【図5(b)】清掃具本体の回転状態を説明する一部縦断側面図。
【図5(c)】清掃具本体の回転状態を説明する一部縦断側面図。
【図5(d)】清掃具本体の回転状態を説明する一部縦断側面図。
【図6】上下方向(前後方向)に動かす状態を示す図。
【図7】左右方向に動かす状態を示す図。
【図8】第1実施例の変形例の分解斜視図。
【図9】第2実施例の分解斜視図。
【図10】第3実施例の分解縦断側面図。
【図11】同組み立てた状態の縦断側面図。
【符号の説明】
【0037】
1 清掃具本体
11 平板
12 回転軸
12a 軸端面
12b ビス挿通孔
13 凹部
14 溝
15 刷毛
16 凹凸構造
17 第1部材
17a 縦板部
17b 横板部
18 第2部材
19a 空隙
19b 溝
2 柄
21 接続部
22 把持体
23 凸部
24 肉厚部
26 凹凸構造
3 作用部材
31 連結板
32 ビス孔
33 環状凹溝
4 弾性体
41 スプリング
5 キャップ
51 押圧部
52 連結部
53 環状突条
B ビス
R ゴムヘラ
S スポンジ
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃具本体と柄から構成され、例えば窓ガラスや網戸を掃除するとき等
に使用する柄付き清掃具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の柄付き清掃具としては、例えば、特開2001−61553号公報には、ブラシ本体と柄とが着脱自在に形成された柄付きブラシについての記載があり、また、特開2003−10074号公報には、平板状のブラシ体を柄の先端部に着脱可能に取り付けた清掃用柄付きブラシについての記載があり、また、特開2003−477号公報には、略矩形のプレート状をした圧縮性を有するスポンジ体の上面に、該スポンジ体より外形寸法の小さい略矩形の保持板を取付けると共に、この保持板に柄を取付けることにより構成されている網戸用清掃具についての記載があり、それぞれ公知である。
【0003】
これらは何れも、柄が取り付けられている、あるいは、柄を取り付けて使用するものであり、柄が付いていることにより、それぞれの清掃用具の汚い清掃面を直に握る必要がないので、手が汚れることを最小限に抑制することができ、また、遠い場所や地面を清掃する場合にも楽な姿勢で使用することができ、快適に清掃を行うことができる。
【特許文献1】特開2001−61553号公報
【特許文献2】特開2003−10074号公報
【特許文献3】特開2003−477号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、他方では、これらは何れも、長尺辺と短尺辺からなる矩形の清掃面を有し、これに対して柄が固定的に取り付けられている構成であり、通常は柄を動かす方向に対して長尺辺を略垂直にあてて清掃をするので、ある一定の場所で清掃を行う場合に、ある一定方向に動かすときには快適な姿勢で清掃できるが、この一定方向に対して略直の方向に動かして清掃するときには、清掃用具と清掃用具を握った腕全体を約90度ひねった状態で清掃用具を動かさなければならないので、腕が突っ張って窮屈になって、清掃用具を動かしにくく、疲れやすいという課題があった。
【0005】
そこで、本発明は、清掃具本体と柄から構成された柄付き清掃具であって、清掃具を動かす方向によって腕が突っ張ったり窮屈になったりすることがなく、楽な姿勢で清掃を行うことができる柄付き清掃具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決するために講じた本発明の構成を、実施例を示す図面に使用した符号を用いて説明すると、本発明は、水平方向に回動自在である回転軸12を上向きに突出させた清掃具本体1と、前記清掃具本体1の回転軸12に取り付けられる柄2と、前記清掃具本体1の回転軸12に連結され、回転軸12に作用して清掃具本体1を移動させる作用部材3と、前記作用部材3を清掃具本体1の回転軸12への作用方向とは逆の方向に付勢している弾性体4と、から構成されている柄付き清掃具であって、前記清掃具本体1または柄2の何れか一方に凸構造を形成し、他方に凹構造を形成して、凸構造が凹構造に嵌合するか、あるいは、清掃具本体1及び柄2のそれぞれに凹凸構造を形成して互いに嵌合しあう凹凸嵌合構造を有し、前記清掃具本体1と柄2は、平常時は、凹凸嵌合構造により嵌合状態にあって、清掃具本体1と柄2は互いに水平方向の回動が阻止されており、前記作用部材3を弾性体4に抗して押圧すると、清掃具本体1が移動して凹凸嵌合構造の嵌合状態が解除されて、清掃具本体1と柄2は互いに水平方向に回動自在となる構成としたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の柄付き清掃具は、清掃具本体または柄の何れか一方に凸構造を形成し、他方に凹構造を形成して、凸構造が凹構造に嵌合するか、あるいは、清掃具本体及び柄のそれぞれに凹凸構造を形成して互いに嵌合しあう凹凸嵌合構造を有し、清掃具本体と柄は、平常時は、凹凸嵌合構造により嵌合状態にあって、清掃具本体と柄は互いに水平方向の回動が阻止されている構成であるから、清掃具本体がしっかりと固定された状態で、安心して清掃することができるものでありながら、ボタンを弾性体に抗して押圧するだけで、清掃具本体が移動して凹凸嵌合構造の嵌合状態が解除されて、清掃具本体と柄は互いに水平方向に回動自在となる構成であるから、ワンタッチで容易に清掃具本体の向きを適宜の方向に切り変えることができ、清掃具本体の向きを切り変えることにより、上下、前後、左右あらゆる方向に、腕の向きを変えずに清掃具を動かすことができる。これにより、長時間の清掃作業であっても腕の疲労が抑制されるので快適に清掃を行うことができ、また、清掃の速度及び質が上がることにより清掃作業の効率を大幅にアップさせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明を実施するにあたって、清掃具本体1の清掃面には、後述する実施例で示した刷毛の他に、不織布やスポンジ、ゴムヘラ等を取り付けて実施することができ、限定されるものではない。また、清掃具本体1の形状は、様々な形状が考えられ、限定されるものでないが、実施例で示した矩形の他に、楕円形等、長尺部と短尺部を有する形状で実施すると、本発明の趣旨が最もよく実現される。
【0009】
また、柄2の長さ、形状、清掃具本体1に対する取り付け角度等も限定されるものではないが、清掃具本体1に対して、柄2が略平行か、あるいはやや上方に傾斜する角度で取り付けられた状態で実施すると、本発明の趣旨がよく実現される。
【0010】
また、凹凸嵌合構造は、回転軸12の周りにおいて一定の角位相周期で形成されている構成として実施すると、一定角度毎に清掃具本体1の向きを変えることができる。特に、凹凸嵌合構造は、回転軸12の周りにおいて90度角位相周期で形成されている構成として実施すると、90度毎に清掃具本体1の向きを変えることができ、さらに、清掃具本体1を矩形、楕円形等の長尺部と短尺部を有する形状とし、清掃具本体1の長尺部の方向と柄2が延びる方向が略直となるときと、略平行になるときに、清掃具本体1と柄2が嵌合状態を形成する構成として実施すると、清掃具本体1の長尺部の方向と柄2が延びる方向を略直にすることにより、腕を上下方向、前後方向に動かす清掃を快適に行うことができ、そこから清掃具本体1の向きを90度動かして清掃具本体1の長尺部の方向と柄2が延びる方向を略平行にすることにより、腕を左右方向に動かす清掃を快適に行うことができる。
【実施例】
【0011】
以下、本発明の実施例を図示例と共に説明する。図1乃至図7は本願発明の第1実施例の柄付き清掃具であって、図1は組み立てた状態の斜視図、図2は図1の分解斜視図、図3は分解縦断側面図、図4は組み立てた状態の縦断側面図、図5(a)乃至(d)は清掃具本体の回転状態を説明する一部縦断側面図、図6は上下方向(前後方向)に動かす状態を示す図、図7は左右方向に動かす状態を示す図を示す。
【0012】
該第1実施例の柄付き清掃具は、網戸の清掃に用いるブラシであって、主要な部材としては、図2の分解図に見られるように、清掃具本体1と、柄2と、作用部材3と、弾性体4と、キャップ5とから構成されている。
【0013】
清掃具本体1は、矩形状の平板11の1面の中心部に回転軸12が略直に取り付けられており、該回転軸12の軸端面12aには、後述する作用部材3の連結板31とビスBで連結するためのビス挿通孔12bが形成されている。平板11上であって回転軸12の外周には、凹部13が4箇所90度角位相周期に形成されている。より詳しくは、該凹部13は、平板11上であって回転軸12の外周のうち、回転軸12の中心部を通って長手方向の線及び幅方向の線と交わる4箇所に形成された90度角位相周期の配置となっている。平板11において、回転軸12が形成された中心部を挟んで長手方向両側には、平板11を貫通する長手方向の溝14が2本ずつ計4本形成されている。該平板11の回転軸12が取り付けられた面と反対の面からは、刷毛15が、間に溝14を挟んで長手方向に3列に植毛されている。
【0014】
柄2は、その一端に回転軸12に取り付けられる接続部21と、該接続部21の側面から一体的に突出させて成形してある把持部22からなる。そのうち、接続部21は、回転軸12を内部に収容できるように筒状に形成され、その下方の周縁部には、前記凹部13と嵌合する凸部23が90度角位相周期に形成されている。より詳しくは、該凸部23は、接続部21の下方の周縁部のうち、接続部21の筒軸の中心部を通って把持部22が延びる方向の線及びそれと略直の方向の線と交わる4箇所に形成された90度角位相周期の配置となっている。また、図3に示すように、接続部21の下方には、筒内方向に比較的やや肉厚である肉厚部24を形成してあり、これは、下方の周縁部に凸部23を形成し、かつ、後述するように、弾性体4を収容するための収容底とするためである。
【0015】
把持部22は、全体として上方に向かって傾斜状に形成され、より詳しくは、接続部21の側面から一体的に略直に突出した後、やや急激に上方に傾斜する箇所があり、その後、ややなだらかに上方に傾斜する箇所が続いている。これにより、清掃具本体1を回転させても、清掃具本体1が把持部22を握る手に当たることがなく、使用することができる。
【0016】
その他の主要な部材としては、図3に示すように、作用部材3は、筒状の外観形状であり、筒内の軸方向の略中間部に清掃具本体1の回転軸12をビスBで留め付けて連結するための連結板31が形成され、該連結板31の中心部にビスBを挿通するためのビス孔32が形成されている。また、後述するキャップ5の連結部52を作用部材3の筒内に連結したときに、連結部52に形成された環状突条53が嵌合する環状凹溝33が、開口部よりの内壁に形成されている。
【0017】
弾性体4は、コイル状のスプリング41であって、その径は、回転軸12の外径よりも大きく、接続部21の筒の内径よりも小さく、後述する作用部材3の筒壁と略同径に形成されている。
【0018】
キャップ5は、図3に示すように、円柱状の押圧部51と、該押圧部51よりやや径が小さい円柱状であって、作用部材3の筒内と連結するための、連結部52が一体的に成形されている。該連結部52の側壁には、前述したように、作用部材3の筒内に連結したときに、作用部材3の筒内に形成された環状凹溝33と嵌合する環状突条53が一体的に突出成形されている。
【0019】
なお、本実施例においては、環状凹溝33は、両開口部よりの内壁にそれぞれ形成されていて、作用部材3の両方の開口部からキャップ5の連結部52を連結することができるように形成されているが、どちらか一方に形成されているだけでもよいことは言うまでもない。また、環状突条53を環状凹溝33に嵌合させたときの嵌合状態は、作用部材3とキャップ5が互いに密着不動である密嵌状態でも、作用部材3とキャップ5が互いに回動自在となるような遊嵌状態でもよい。本実施例においては、作用部材3とキャップ5が互いに密着不動である密嵌状態にあり、後述するように、清掃具本体1を回転させると、回転軸12、作用部材3及びキャップ5は一体となって回転する。作用部材3とキャップ5が互いに回動自在となるような遊嵌状態とすると、清掃具本体1を回転させたときに、キャップ5は回転せずに、回転軸12及び作用部材3のみを一体として回転させることができる。
【0020】
これらの部材の組み立てにあたっては、図2及び図3に示した状態から、まず、清掃具本体1の回転軸12を柄2の接続部21の下方から筒内に挿入して、清掃具本体1の凹部13に柄2の凸部23を嵌合させる。次いで、柄2の接続部21の上方から、弾性体4(スプリング41)を回転軸12の外周であって肉厚部24上に載置し、その上に作用部材3を入れて、回転軸12の軸端面12aと作用部材3の連結板31をビス孔32からビス挿通孔12bにビスBを挿通して螺嵌することにより連結する。このとき、弾性体4(スプリング41)は、その付勢力(復元力)によって、清掃具本体1の凹部13と柄2の凸部23の嵌合状態を保つ方向に作用部材3を付勢するために、やや収縮状態に置かれている。最後にキャップ5の連結部52を作用部材3の筒内に挿入して、環状突条53を環状凹溝33に嵌合させて、作用部材3とキャップ5を連結して、図1及び図4の状態とする。
【0021】
このような構成で組み立てられた柄付き清掃具は、平常時は、清掃具本体1の凹部13と柄2の凸部23が嵌合していて、かつ、作用部材3は、該作用部材3に連結された回転軸12及びキャップ5とともに、やや収縮状態にある弾性体4(スプリング41)によって、清掃具本体1の凹部13と柄2の凸部23による嵌合状態が解除されるような回転軸12の移動方向とは反対の方向(回転軸12の突出方向)に付勢されて、清掃具本体1の凹部13と柄2の凸部23の嵌合状態が保たれている。したがって、平常時は、柄2に対して清掃具本体1の水平方向の回動が阻止されていて、清掃具本体1が動くことがないので、臆することなく清掃をすることができる。
【0022】
柄2に対して清掃具本体1の向きを変える場合は、図5(a)に示した状態から、キャップ5を回転軸12の突出方向とは反対の方向に弾性体4(スプリング41)の弾性力に抗して押圧する。すると、図5(b)に示すように、作用部材3が該作用部材3に連結された清掃具本体1の回転軸12に作用して、回転軸12は清掃具本体1とともに、弾性体4(スプリング41)をより収縮させる方向(回転軸12の突出方向とは反対の方向)に、キャップ5の押圧移動分移動して、清掃具本体1の凹部13と柄2の凸部23の嵌合状態が解除され、清掃具本体1が作用部材3及びキャップ5とともに水平方向に回動自在となる。
【0023】
而して、図5(c)に示すように、キャップ5を押したままの状態で、水平方向の左右何れかの方向に90度清掃具本体1を回転軸12に連結された作用部材3及び該作用部材3に連結されたキャップ5とともに回転させ、ボタンを離す。すると、収縮状態にある弾性体4(スプリング41)の復元力に従って、収縮状態にある弾性体4(スプリング41)を復元させる方向に、作用部材3が、該作用部材3に連結されたキャップ5及び清掃具本体1の回転軸12とともに移動し、清掃具本体1の凹部13と柄2の凸部23が、元の状態から90度ずれた位置で、再び図5(d)に示したような嵌合状態をとる。
【0024】
使用にあたっては、清掃具本体1の長尺部の方向を柄2が延びる方向と略直になるように、清掃具本体1の凹部13と柄2の凸部23を嵌合状態にすると、図6に示すように、図面中上下方向(あるいは前後方向)に動かして、縦方向に清掃具本体1を動かす清掃を快適に行うことができる。この状態から、前述したように、清掃具本体1を柄2に対して水平方向に90度回転させて、清掃具本体1の長尺部の方向を柄2が延びる方向と大略平行になるように、清掃具本体1の凹部13と柄2の凸部23を嵌合状態にすると、図7に示すように、同じ持ち方、及び同じ腕の姿勢で、図面中左右方向に動かして、横方向に清掃具本体1を動かす清掃を快適に行うことができる。
【0025】
図8は、本願発明の第1実施例の変形例の柄付き清掃具であって、第1実施例と異なる点は、清掃具本体1の回転軸12の外周には、凹凸構造16が45度角位相周期に形成され、柄2の接続部21の下方の周縁部にも該凹凸構造16と嵌合しあう凹凸構造26が45度角位相周期に形成されている点である。そして、清掃具本体1の長尺部の方向と柄2が延びる方向が略直となるときと、略平行になるときに、清掃具本体1と柄2が嵌合状態を形成するように、凹凸構造16と凹凸構造26を形成してある。使用にあたっては、45度毎に清掃具本体1の向きを変えることができる。その他の点は、第1実施例とほぼ同様である。
【0026】
図9は、本願発明の第2実施例の柄付き清掃具であって、第1実施例と異なる点について列挙して解説すると、清掃具本体1は、略半楕円形の縦板部17aと略矩形の横板部17bが一体的に成形された第一部材17と半楕円形の第二部材18から構成されている。半楕円形の縦板部17aの頂部には、回転軸12が上向きに略直に突出しており、該回転軸12の軸端面12aには、作用部材3の連結板31とビスBで連結するためのビス挿通孔12bが形成されている。回転軸12の突出部の外周には、円弧状の凹部13が4箇所90度角位相周期に形成されている。より詳しくは、該凹部13は、回転軸12の突出部の外周のうち、回転軸12の中心部を通って長手方向の線及び幅方向の線と交わる4箇所に形成された90度角位相周期の配置となっている。横板部17bの下面(清掃面)であって、第一部材17と第二部材18の間には、スポンジS等を挟み込むための空隙19aが形成され、本実施例においては、空隙19aにスポンジSを挟み込み、半楕円形の第二部材18を第一部材17の半楕円形の縦板部17aにビス止めして使用する。第一部材17の横板部17bの長尺辺のうち、第一部材17と第二部材18の連結側と反対側の端縁には、ゴムヘラRを挟み込むための溝19bがおよそ斜め45度下方に傾斜させて形成され、図示したようにゴムヘラRを挟み込んで使用する。
【0027】
柄2は、その一端に回転軸12に取り付けられる接続部21と、該接続部21の側面から一体的に突出させて成形してある把持部22からなる。そのうち、接続部21は、回転軸12を内部に収容できるように筒状に形成され、その下方の周縁部には、凹部13と嵌合する円弧状の凸部23が90度角位相周期に形成されている。より詳しくは、該凸部23は、接続部21の下方の周縁部のうち、接続部21の筒軸の中心部を通って把持部22が延びる方向の線及びそれと略直の方向の線と交わる4箇所に形成された90度角位相周期の配置となっている。また、接続部21の下方には、筒内方向に比較的やや肉厚である肉厚部24を形成してあり、これは、下方の周縁部に凸部23を形成し、かつ、後述するように、弾性体4を収容するための収容底とするためである。
【0028】
把持部22は、接続部21の側面から一体的に略直に突出させて、全体としてやや上方に反って形成されている。そして、清掃具本体1を回転させても、清掃具本体1が把持部22を握る手に当たることがないよう充分な長さで形成されている。
【0029】
その他の主要な部材としては、キャップ5は、円柱状の押圧部51と、該押圧部51よりやや径が小さい円柱状であって、後述する作用部材3の筒内と連結するための、連結部52が一体的に成形されている。該連結部52の側壁には、作用部材3の筒内に連結したときに、作用部材3の筒内に形成された環状凹溝33と嵌合する環状突条53が一体的に突出成形されている。作用部材3の環状凹溝33は、一方の開口部よりの内壁にのみ形成されている。本実施例においては、また、環状突条53を環状凹溝33に嵌合させたときの嵌合状態は、作用部材3とキャップ5が互いに回動自在となるような遊嵌状態にあり、清掃具本体1を回転させると、キャップ5は回転せずに、回転軸12及び作用部材3のみが一体として回転する。
【0030】
使用にあたっては、清掃具本体1を水平方向に回転させて、清掃具本体1を縦方向と横方向に動かす清掃の仕方は、第1実施例と同様であるが、清掃具本体1の長尺部の方向を柄2が延びる方向と略直になるように、清掃具本体1の凹部13と柄2の凸部23を嵌合状態にした場合には、前後方向に柄2の角度を変えるだけで、スポンジSとゴムヘラRを切り替えることができる。清掃具本体1の長尺部の方向を柄2が延びる方向と大略平行になるように、清掃具本体1の凹部13と柄2の凸部23を嵌合状態にした場合には、左右方向に柄2の角度を変えるだけで、スポンジSとゴムヘラRを切り替えることができる。その他の点は、第1実施例と同様である。
【0031】
図10及び図11は、本願発明の第3実施例の柄付き清掃具であって、第1実施例と大きく異なる点は、主要な部材としては、清掃具本体1と、柄2と、作用部材3と、弾性体4(スプリング41)とから構成され、キャップ5が省略されており、清掃具本体1の回転軸12が作用部材3に直接連結されていて、作用部材3は弾性体4(スプリング41)によって清掃具本体1の凹部13と柄2の凸部23による嵌合状態が解除されるような回転軸12の移動方向とは反対の方向(回転軸12の突出方向)に直接付勢されて、清掃具本体1の凹部13と柄2の凸部23の嵌合状態が保たれている点である。
【0032】
柄2に対して清掃具本体1の向きを変える場合は、作用部材3を回転軸12の突出方向とは反対の方向に弾性体4(スプリング41)に抗して押圧する。すると、作用部材3が該作用部材3に連結された清掃具本体1の回転軸12に作用して、回転軸12は清掃具本体1とともに、弾性体4(スプリング41)をより収縮させる方向(回転軸12の突出方向とは反対の方向)に、作用部材3の押圧移動分移動して、清掃具本体1の凹部13と柄2の凸部23の嵌合状態が解除され、清掃具本体1が作用部材3とともに水平方向に回動自在となる。
【0033】
而して、作用部材3を押したままの状態で、水平方向のうち左右何れかの方向に90度清掃具本体1を回転体12に連結された作用部材3とともに回転させ、ボタンを離す。すると、収縮状態にある弾性体4(スプリング41)の復元力に従って、収縮状態にある弾性体4(スプリング41)を復元させる方向に、作用部材3が、該作用部材3に連結された清掃具本体1の回転軸12とともに移動し、清掃具本体1の凹部13と柄2の凸部23が、元の状態から90度ずれた位置で、再び嵌合状態をとる。
【0034】
以上本発明の代表例と思われる実施例について説明したが、本発明は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、その他本発明にいう前記の構成要件を備え、かつ本発明にいう目的を達成し、本発明にいう効果を有する範囲内において適宜改変して実施することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の柄付き清掃具は、簡単に清掃具本体の水平方向の向きを変えて、持ち替えたり、腕の姿勢を変えたりする必要がなく使用することができ、従来型に替わって市場において歓迎されると思われる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】第1実施例の組み立てた状態の斜視図。
【図2】同図1の分解斜視図。
【図3】同分解縦断側面図。
【図4】同組み立てた状態の縦断側面図。
【図5(a)】清掃具本体の回転状態を説明する一部縦断側面図。
【図5(b)】清掃具本体の回転状態を説明する一部縦断側面図。
【図5(c)】清掃具本体の回転状態を説明する一部縦断側面図。
【図5(d)】清掃具本体の回転状態を説明する一部縦断側面図。
【図6】上下方向(前後方向)に動かす状態を示す図。
【図7】左右方向に動かす状態を示す図。
【図8】第1実施例の変形例の分解斜視図。
【図9】第2実施例の分解斜視図。
【図10】第3実施例の分解縦断側面図。
【図11】同組み立てた状態の縦断側面図。
【符号の説明】
【0037】
1 清掃具本体
11 平板
12 回転軸
12a 軸端面
12b ビス挿通孔
13 凹部
14 溝
15 刷毛
16 凹凸構造
17 第1部材
17a 縦板部
17b 横板部
18 第2部材
19a 空隙
19b 溝
2 柄
21 接続部
22 把持体
23 凸部
24 肉厚部
26 凹凸構造
3 作用部材
31 連結板
32 ビス孔
33 環状凹溝
4 弾性体
41 スプリング
5 キャップ
51 押圧部
52 連結部
53 環状突条
B ビス
R ゴムヘラ
S スポンジ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向に回動自在である回転軸12を上向きに突出させた清掃具本体1と、
前記清掃具本体1の回転軸12に取り付けられる柄2と、
前記清掃具本体1の回転軸12に連結され、回転軸12に作用して清掃具本体1を移動させる作用部材3と、
前記作用部材3を清掃具本体1の回転軸12への作用方向とは逆の方向に付勢している弾性体4と、
から構成されている柄付き清掃具であって、
前記清掃具本体1または柄2の何れか一方に凸構造を形成し、他方に凹構造を形成して、凸構造が凹構造に嵌合するか、あるいは、清掃具本体1及び柄2のそれぞれに凹凸構造を形成して互いに嵌合しあう凹凸嵌合構造を有し、
前記清掃具本体1と柄2は、平常時は、凹凸嵌合構造により嵌合状態にあって、清掃具本体1と柄2は互いに水平方向の回動が阻止されており、
前記作用部材3を弾性体4に抗して押圧すると、清掃具本体1が移動して凹凸嵌合構造の嵌合状態が解除されて、清掃具本体1と柄2は互いに水平方向に回動自在となることを特徴とする柄付き清掃具。
【請求項1】
水平方向に回動自在である回転軸12を上向きに突出させた清掃具本体1と、
前記清掃具本体1の回転軸12に取り付けられる柄2と、
前記清掃具本体1の回転軸12に連結され、回転軸12に作用して清掃具本体1を移動させる作用部材3と、
前記作用部材3を清掃具本体1の回転軸12への作用方向とは逆の方向に付勢している弾性体4と、
から構成されている柄付き清掃具であって、
前記清掃具本体1または柄2の何れか一方に凸構造を形成し、他方に凹構造を形成して、凸構造が凹構造に嵌合するか、あるいは、清掃具本体1及び柄2のそれぞれに凹凸構造を形成して互いに嵌合しあう凹凸嵌合構造を有し、
前記清掃具本体1と柄2は、平常時は、凹凸嵌合構造により嵌合状態にあって、清掃具本体1と柄2は互いに水平方向の回動が阻止されており、
前記作用部材3を弾性体4に抗して押圧すると、清掃具本体1が移動して凹凸嵌合構造の嵌合状態が解除されて、清掃具本体1と柄2は互いに水平方向に回動自在となることを特徴とする柄付き清掃具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5(a)】
【図5(b)】
【図5(c)】
【図5(d)】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5(a)】
【図5(b)】
【図5(c)】
【図5(d)】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−263022(P2006−263022A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−83023(P2005−83023)
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【出願人】(394015110)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【出願人】(394015110)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]