説明

柔軟で吸収性のあるティッシュ製品

ティッシュ、特に顔用ティッシュのための柔軟化化合物は、ポリシロキサンと、ポリアルキレン酸化物と脂肪アルキル派生物の1つ又は両方との組み合わせを含む。柔軟化化合物は、約30から約75重量パーセントのポリシロキサンと、約0から約60重量パーセントのポリアルキレン酸化物と、約0から約60重量パーセントの脂肪アルキル派生物とを含むことができ、ポリアルキレン酸化物と脂肪アルキル派生物との組み合わされた量は、約25重量パーセント又はこれより大きい。形成されたティッシュは、良好な柔軟性及び湿潤性を有する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
顔用及び浴用ティッシュなどのティッシュ製品を柔軟にするために、様々なポリシロキサンを使用することは、ティッシュ産業においてよく知られている。しかしながら、ポリシロキサンは、滑らかな表面感触を与えるのには効果的であるが、一般的に疎水性で、湿潤を遅らせる。更に、ポリシロキサンは高価である。したがって、ティッシュの湿潤性を必要以下に減少させることなく、望ましい程度の柔軟性を与える、低価格のポリシロキサン化合物の必要性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
成分のある種の混合物は、現在のポリシロキサン柔軟性化合物と比較して低価格で、望ましいバランスで柔軟性と湿潤性を備えたティッシュをもたらすことができることが発見された。より特定的には、ポリシロキサンは、特に、ポリアルキレン酸化物及び/又は脂肪アルキル派生物が室温で固体の時に、適切な比で、1又はそれ以上のポリアルキレン酸化物及び/又は1又はそれ以上の脂肪アルキル派生物と結合することができ、ポリシロキサン単一の場合と比較して、ティッシュ製品、特に顔用ティッシュに改善した柔軟性、並びに良好な湿潤性を与えることが発見された。
【0003】
したがって、一態様においては、本発明は、固体ベースで、約30から約75重量パーセントの1又はそれ以上のポリシロキサンと、約0から約60重量パーセントの1又はそれ以上のポリアルキレン酸化物と、約0から約60重量パーセントの1又はそれ以上の脂肪アルキル派生物とを含み、ポリアルキレン酸化物と脂肪アルキル派生物との組み合わされた量が、約25重量パーセント又はこれより大きい柔軟化化合物である。
【0004】
別の態様においては、本発明は、固体ベースで、約30から約75重量パーセントの1又はそれ以上のポリシロキサンと、約0から約60重量パーセントの1又はそれ以上のポリアルキレン酸化物と、約0から約60重量パーセントの1又はそれ以上の脂肪アルキル派生物とを含み、ポリアルキレン酸化物と脂肪アルキル派生物との組み合わされた量が、約25重量パーセント又はこれより大きい、局所的に付与された柔軟化化合物を有するティッシュシートである。
【0005】
柔軟化化合物は、印刷又はスプレー塗布、又はティッシュ形成技術において知られているあらゆる他の方法によって、ティッシュ製品表面の1つ又は両方に局所的に付与することができる。局所的に付加すると、ティッシュ製品の表面上に柔軟化化合部を集中することになり、柔軟化特性が消費者に最も明らかとなる。添加量は、約0.5から約10重量パーセント、より特定的には約0.5から約5重量パーセント、更に特定的には約1から約3重量パーセントとすることができる。
【0006】
本発明の目的に有益なポリシロキサンは、アミン、クオタニウム、アルデヒド、エポキシ、ヒドロキシ、アルコキシル、ポリエーテル及びカルボキシル酸、並びに、その派生物、例えば、アミド及びエーテルなど、1又はそれ以上のペンダント官能基を有するものとすることができる。適当なポリシロキサンは、次のような一般構造を有するものとすることができる。
【数1】

ここで、
「m」は、10から100,000である。
「n」は、1から10,000である。
「p」は、0から1,000である。
「A」及び「B」は、独立して、水酸基、C1からC20又はR2である。
1、R2及びR3は、不規則に又はブロック状に分散される。
1は、C1からC8の遊離基で、直鎖状、分枝鎖状又は環鎖状とすることができる。
2は、C1からC8の遊離基で、直鎖状、分枝鎖状又は環鎖状、又は
【数2】

の構造とすることができる。
ここで、
4及びR5は、独立して、C2からC8のアルキレン二端遊離基であって、直鎖状又は分枝鎖状とすることができ、置換基又は非置換基とすることができる。
Xは、酸素又はN−R8である。
6、R7、及びR8は、独立して、水素、置換基又は非置換基のC1又はC2、置換基又は非置換基の直鎖状又は分枝鎖状又は環鎖状のC3からC20のアルキ基、又はアセチル基などのアシル基である。
「s」は、0又は1である。
3は、R9−Y−[C2H4O]r−[C3H6O]q−R10の構造である。
ここで、
Yは、酸素又はN−R11である。
9は、C2からC8アルキレン二端遊離基で、直鎖状又は分枝鎖状とすることができ、置換基又は非置換基とすることができる。
10及びR11は、独立して、水素、置換基又は非置換基のC1又はC2、置換基又は非置換基、直鎖状又は分枝鎖状又は環鎖状のC3からC20のアルキル基である。
「r」は、1から100,000である。
「q」は、0から100,000である。
2=R1の場合、「A」及び「B」は、チッソクオタニウムとすることができる。
【0007】
商業的に入手可能なポリシロキサンの適当な例としては、Kelmar/Wackerから入手できるAF−2340、AF−2130、HAF−1130、EAF−3000、EAF−340、EAF−15、AF−2740、WR−1100、WR−1300及びWetsoft CTW、Dow Corningから入手できるDC−8822、DC−8566、DC−8211、DC−SF8417、DC−2−8630、DC−NSF、DC−8413、DC−SSF、DC−8166、GE SiliconesからのSF−69、SF−99、SF−1023、及びGoldschmidt/Degussaから入手できるTegopren6924、Tegopren7990、Tego IS4111がある。
【0008】
柔軟化化合物内のポリシロキサンの量は、固体ベースで、約30から約75重量パーセント、より特定的には30から約70重量パーセント、より特定的には約40から約70重量パーセント、更により特定的には約50から約70重量パーセントとすることができる。
【0009】
本発明の目的に適当なポリアルキレン酸化物は、次のような一般構造を有するものとすることができる。
R12−[C2H4O}i−[C3H6O]j−[CtH2tO]v−R13
ここで、
12及びR13は、独立して、水素、置換基又は非置換基のC1からC6のアルキル基、直鎖状又は分枝鎖状のC1からC6アルキル基、又は環鎖状のC1からC6のアルキル基である。
「i」、「j」及び「v」は、独立して0から100,000であり、酸化物成分が、ポリマーバックボーンに沿って、不規則に又はブロック状に分散される。
「i+j+v」は、10に等しいか又はこれより大きい。
「t」は、4から10である。
【0010】
ポリアルキレン酸化物は、室温で、液体又は固体とすることができる。しかしながら、室温で固体であるポリアルキレン酸化物が好ましい。商業的に入手可能なポリアルキレン酸化物の適当な例としては、Dow Chemicalから入手できるCarbowax PEG600、Carbowax PEG1450及びCarbowax PEG8000がある。
【0011】
柔軟化化合物におけるポリアルキレン酸化物の量は、固体ベースで、0から約60重量パーセント、より特定的には約1から約60重量パーセント、より特定的には約10から約60重量パーセント、より特定的には約20から約60重量パーセント、より特定的には約30から約60重量パーセント、更により特定的には約30から約50重量パーセントとすることができる。
【0012】
本発明の目的のために適当な脂肪アルキル派生物は、次のような一般構造を有するものとすることができる。
14−G
ここで、
14は、C8からC40のアルキル基であって、これは、置換基又は非置換基、一次、二次又は三次とすることができ、直鎖状、分枝鎖状、又は環鎖状とすることができ、
「G」は、ヒドロキシ、アミン、スルホン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酸又は酸派生物、又は−Q-[C2H4O]i−[C3H6O]j−[CtH2tO]v−R13である。
ここで、
「Q」は、酸素基、NH基又はN-[C2H4O]i−[C3H6O}j−[CtH2tO]v−R13である。
13は、水素、置換基又は非置換基のC1からC6のアルキル基、直鎖状又は分枝鎖状のC1からC6のアルキル基、又は環鎖状のC1からC6のアルキル基である。
「i」、「j」及び「v」は、独立して0から100,000であり、酸化物成分が、ポリマーバックボーンに沿って、不規則に又はブロック状に分散される。
「i+j+v」は、10に等しいか又はこれより大きい。
「t」は、4から10である。
【0013】
脂肪アルキル派生物は、室温で液体又は固体とすることができる。しかしながら、室温で固体である脂肪アルキル派生物が好ましい。商業的に入手可能な適当な脂肪アルキル派生物の例としては、ステアリン酸グリセロール、ジラウリン酸グリセロール、ソルビタンモノパルミチン酸塩、ソルビタントリステアリン酸塩、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンソルビタンパルミチン酸塩、9−EOエトキシレートトリデシルアルコール、セテス−10、セテス−12(12−EOエトキシレートセチルアルコール)及びセテス−20がある。より特定的には、商業的に入手可能な適当な脂肪アルキル派生物は、BASFからのPluraface A−38、Macol CSA20及びMacol LA12、Akzo NobelからのArmeen 16D、Armeen 18D、Armeen HTD、Armeen 2C、Armeen M2HT、Armeen 380、Ethomeen 18/15 Armid O、Witconate 90、Witconate AOK、及びWitcolate Cを含む。
【0014】
柔軟化化合物内の脂肪アルキル派生物の量は、固体ベースで、0から60重量パーセント、より特定的には約1から約60重量パーセント、より特定的には約1から約50重量パーセント、より特定的には約10から約50重量パーセント、より特定的には約20から約50重量パーセント、更により特定的には約20から約40重量パーセントとすることができる。
【0015】
簡潔さ及び簡明さの点において、本明細書に記載されたあらゆる値の範囲は、いずれの場合も、問題とする特定の範囲内にある数値の全部を末端値として有するあらゆる小区分範囲を記載した特許請求の範囲を支持するための説明と解釈すべきである。仮説の説明として例を挙げると、本明細書の開示における1から5の範囲は、特許請求の範囲を支持するものとして、次のような小区分範囲、すなわち1−4、1−3、1−2、2−5、2−4、2−3、3−5、3−4、及び4−5のあらゆる範囲と考えるべきものである。
【実施例】
【0016】
3プライで、湿潤加圧し、クレープ加工された顔用ティッシュ製品が、以下に示したように、本発明の異なる柔軟化化合物を用いて形成され、柔軟性及び湿潤性がテストされた。概説すると、ティッシュベースシートが、当技術によく知られている従来の湿潤加圧ティッシュ形成法を使用して形成された。より特定的には、製紙繊維の水性懸濁液が、層状ヘッドボックスから形成布上に放出された。原料は、70重量パーセントの硬材(ユーカリ)繊維と30重量パーセントの軟材繊維から成るものであった。ウエブの形成を介助するために、形成繊維の下の真空箱を用いて繊維原料から水を取り除いた。新しく形成されたウエブは、ピックアップロールによりフェルトに移送された。フェルトに支持されている間に、ティッシュウエブは、加圧ロールを使用して、ヤンキー乾燥機の表面上に軽く加圧された。乾燥したウエブは、ヤンキー乾燥機の表面から捲縮状態で外され、形成された単一プライのティッシュベースシートがペアレントロール上に巻き取られた。その後、3つの同様のペアレントロールからベースシートが繰り出され、3プライのベースシートに変換されて、後に様々な柔軟化化合物が付与された。形成された3プライのベースシートの基本重量は、約22.7ポンド/2880平方フィートであった。
【0017】
3プライベースシートの両方の表面に、輪転グラビア印刷により柔軟化化合物が同時に付与された。グラビアロールは、ケンタッキー州ルイビルに所在するSouthern Graphics Systemsから供給されたもので、電気的に刻み目を入れられ、銅ロールにクロムが施されたものであった。ロールは、長さインチ当たり360セルの線スクリーンと、ロール表面1平方インチ当たり1.5ビリオン立方ミクロン(BCM)の体積を有するものであった。このロールの典型的セルの寸法は、長さが65ミクロン、幅が110ミクロン、深さが13ミクロンであった。ゴム製バッキングオフセットアプリケーターロールは、ウイスコンシン州ユニオングローブに所在するAmerican Roller Companyにより供給される75ショアーAデュロメーター成型ポリウレタンであった。グラビアロールとゴム製バッキングロールとの間の干渉が0.375インチで、対向するゴム製バッキンロールの間隙が0.003インチの条件になるように、工程が設定された。同時に作動するオフセット印刷機/オフセットグラビア印刷機が、2000フィート/分の速度で実行された。この工程は、完成したティッシュ製品の乾燥時重量を基本にして、約1.0重量パーセントの固体添加量を生じた(製品の各々の側部に対し0.5乾燥時重量パーセント)。
【0018】
ティッシュ製品が形成された後、幾何平均引張強度、湿潤性及び柔軟性がテストされた。
【0019】
ここで用いられる「幾何平均引張強度」(GMT)は、製品の乾燥時機械方向引張強度に乾燥時機械横方向引張強度を掛けたものの平方根であり、試料の幅3インチ当たりのグラムで示される。機械方向引張強度は、試料が機械方向に引っ張られて破断した時の、試料の幅3インチ当たりのピーク荷重である。同様に、機械横方向(CD)引張強度は、試料が機械横方向に引っ張られて破断した時の、試料の幅3インチ当たりのピーク荷重である。より特定的には、引張強度テストのための試料は、JDC Precision Sample Cutter(ペンシルベニア州フィラデルフィアのThwing−Albert Instrument Companyのモデル番号JDC3−10、一連番号37333)を使用して、機械方向(MD)又は機械横方向(CD)のいずれかにおいて、3インチ(76.2mm)の幅で5インチ(127mm)の長さのストリップに切断して準備される。引張強度を測定するために使用される器具は、MTS Systems Sintech 11S、一連番号6233である。データ取得ソフトウエアは、Windows Ver.3.10のMTS TestWorks(登録商標)(ノースカロライナ州リサーチトライアングルパークのMTS System Corp.)である。ロードセルは、テストされる試料の強度に応じて、ピークロード値のほとんどが、ロードセル全体のスケール値の10%ないし90%になるように、最大で50ニュートン又は100ニュートンのいずれかから選択される。ジョーのゲージ長さは、4+/−0.04インチ(101.6+/−1mm)とする。ジョーは、空気作動を使用して作動され、ゴム被膜される。グリップ面の最小幅は、3インチ(76.2mm)であり、ジョーの高さはおよそ0.5インチ(12.7mm)とする。クロスヘッド速度は、10+/−0.4インチ/分(254+/−1mm/分)で、破断感度は65%に設定される。試料は、器具のジョーに、垂直かつ水平に中央に設置される。テストが開始され、試料が破断した時に終了する。ピークロードは、テストされる試料の方向に応じて、試料の「MD引張強度」又は「CD引張強度」のいずれかとして記録される。各々の製品又はシートに対して、「そのまま」の状態で少なくとも6個の代表的試料がテストされ、すべての個々の試料テストの平均値が、該製品又はシートのMD引張強度又はCD引張強度のいずれかとする。
【0020】
ティッシュ製品の湿潤性は、「湿潤時間」により求められ、これは吸収性に関連しており、水の中に置いた時、準備した試料が完全に湿潤するのにかかった時間である。より特定的には、湿潤時間は、ティッシュ試料の20の製品シートを2.5インチ正方形に切断することにより求められる。テストで使用される製品シートの数は、製品のシート当たりのプライ数とは無関係である。(3プライ製品の場合には、各パッドに60プライが存在することになる。)20の正方形シートを積み重ねて、各々の角部をステープルで留めて、パッドを形成する。パッドは、飽和させた試料がコンテナの底部及び同時に水の上部表面に接触しないような適当な大きさ及び深さである、一定温度の蒸留水浴(23±2℃)の表面に接近して保持され、ステープル留めされた点を下にして、水の表面上に平坦に落とされる。パッドが完全に飽和するのにかかった時間を秒単位で計測したものが、試料の湿潤時間であり、ティッシュの吸収速度を表す。湿潤時間の増加は、吸収速度の減少を表す。
【0021】
ティッシュ製品の柔軟性は、訓練された社内の評価ランク付けパネルにより判断され、ティッシュ製品の柔軟性及び剛性の特性の基本評価が得られる。ランク付けパネルは、典型的消費者がするであろう評価に、可能な限り近い全体的評価をするように訓練されている。テストを実行するにおいて、2つの異なる評価、すなわち柔軟性と顔に対する柔軟性がなされる。柔軟性テストは、指でつまんで擦った時のティッシュ試料の柔らかさ、滑らかさ又はけば立ちの評価を含む。顔に対する柔軟性のテストは、鼻と唇の間の領域を含む顔に対してティッシュ試料を擦って成される。パネルにより得られた各々の試料のコードのランク付けデータは、比例ハザード回帰モデルを使用して分析される。このモデルは、パネリストが、評価された最も多い属性から最も少ない属性までをランク付け作業を通して行うように、計算により推測するものである。柔軟性テストの結果は、対数確率値として、以下に示されている。対数確率は、リスク比の自然対数であり、比例ハザード回帰モデルから各々のコードが評価される。対数確率が大きいほど、問題となる属性が大きい効力を持つことを示している。
【実施例1】
【0022】
2つのティッシュ柔軟化化合物が形成され、サウスカロライナ州ダンカンのWacker Chemical CorporationのKelmar Divisionから供給された。組成物の相対的化学成分が、表1に示されている。ティッシュ試料は、上記したように、3プライで、湿潤加圧され、クレープ加工された顔用ティッシュベースシートに2つの組成物をグラビア被膜することにより準備された。全体で1重量パーセント(各々の側に0.5重量パーセント)の添加量が、ベースシートの両方の側に均一に被膜された。処理されたベースシートは、折り曲げられた顔用ティッシュ製品に変換された。(各々の成分の割合は、固体ベースで括弧に入れられている。)

表1

【0023】
顔用ティッシュ製品のGMT及び湿潤時間が計測されて、ティッシュ製品の柔軟性及び顔に対する柔軟性が評価された。結果は、以下の表2に示されている。

表2

【0024】
結果は、類似した物理的強度(GMT)で、本発明の柔軟化化学化合物(組成物2)で処理されたティッシュ製品は、短い湿潤時間(すなわち、良好な湿潤性)を有し、対照(組成物1)で処理されたティッシュ製品と比較すると、全体的に柔軟で、顔に対しても柔軟であった。(組成物1においては、ポリアルキレン酸化物と脂肪アルキル派生物の組み合わされた量は、25重量パーセントより小さい。)
【実施例2】
【0025】
表3に組成物3−8として示されている柔軟化化合物が準備され、ティッシュ試料に付与されて、実施例1に示したようにテストされた。(各々の成分の割合は、固体ベースで括弧に入れられている。)テストの結果が、表4に示されている。

表3


表4

【0026】
表4に示した結果は、類似した物理的強度(GMT)で、組成物4で処理されたティッシュ製品などの本発明の柔軟化化合物で処理されたティッシュ製品は、短い湿潤時間(すなわち、良好な湿潤性)を有し、対照(組成物3)で処理されたティッシュ製品と比較すると、全体的に柔軟で、顔に対しても柔軟であった。
【0027】
説明の目的のために示された前述した説明及び実施例は、本発明の範囲を制限するものではなく、以下の特許請求の範囲及びすべての均等手段により定められることが認識されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体ベースで、約30から約75重量パーセントの1又はそれ以上のポリシロキサンと、約0から約60重量パーセントの1又はそれ以上のポリアルキレン酸化物と、約0から約60重量パーセントの1又はそれ以上の脂肪アルキル派生物とを含む、約0.5から約10乾燥時重量パーセントの局所的に付与された柔軟化化合物を有し、前記ポリアルキレン酸化物と前記脂肪アルキル派生物との組み合わされた量が、約25重量パーセント又はこれより大きいことを特徴とするティッシュシート。
【請求項2】
1又はそれ以上の前記ポリシロキサンは、次のような一般構造を有し、
【数1】

ここで、
「m」は、10から100,000であり、
「n」は、1から10,000であり、
「p」は、0から1,000であり、
「A」及び「B」は、独立して、水酸基、C1からC20又はR2であり、
1、R2及びR3は、不規則に又はブロック状に分散され、
1は、C1からC8の遊離基で、直鎖状、分枝鎖状又は環鎖状とすることができ、
2は、C1からC8の遊離基で、直鎖状、分枝鎖状又は環鎖状、又は
【数2】

の構造とすることができ、
ここで、
4及びR5は、独立して、C2からC8のアルキレン二端遊離基であって、直鎖状又は分枝鎖状とすることができ、置換基又は非置換基とすることができ、
Xは、酸素又はN−R8であり、
6、R7、及びR8は、独立して、水素、置換基又は非置換基のC1又はC2、置換基又は非置換基の直鎖状又は分枝鎖状又は環鎖状のC3からC20のアルキ基、又はアセチル基などのアシル基であり、
「s」は、0又は1であり、
3は、R9−Y−[C2H4O]r−[C3H6O]q−R10の構造であり、
ここで、
Yは、酸素又はN−R11であり、
9は、C2からC8アルキレン二端遊離基で、直鎖状又は分枝鎖状とすることができ、置換基又は非置換基とすることができ、
10及びR11は、独立して、水素、置換基又は非置換基のC1又はC2、置換基又は非置換基、直鎖状又は分枝鎖状又は環鎖状のC3からC20のアルキル基であり、
「r」は、1から100,000であり、
「q」は、0から100,000である、
ことを特徴とする請求項1に記載のティッシュシート。
【請求項3】
2は、ジアミン又はモノアミンを有するアルキレン置換基であることを特徴とする請求項2に記載のティッシュ。
【請求項4】
2=R1で、「A」及び「B」は、窒素クオタニウムであることを特徴とする請求項2に記載のティッシュ。
【請求項5】
前記ポリアルキレン酸化物は、次のような一般構造を有し、
R12−[C2H4O ]i−[C3H6O]j−[CtH2tO]v−R13
ここで、
12及びR13は、独立して、水素、置換基又は非置換基のC1からC6のアルキル基、直鎖状又は分枝鎖状のC1からC6アルキル基、又は環鎖状のC1からC6のアルキル基であり、
「i」、「j」及び「v」は、独立して0から100,000であり、酸化物成分が、ポリマーバックボーンに沿って、不規則に又はブロック状に分散され、
「i+j+v」は、10に等しいか又はこれより大きく、
「t」は、4から10である、
ことを特徴とする請求項1に記載のティッシュ。
【請求項6】
前記ポリアルキレン酸化物は、ポリエチレン酸化物又はポリエチレングリコールであることを特徴とする請求項4に記載のティッシュ。
【請求項7】
前記ポリエチレン酸化物又はポリエチレングリコールは、600より大きい分子量を有することを特徴とする請求項6に記載のティッシュ。
【請求項8】
前記ポリアルキレン酸化物は、ポリエチレングリコールであることを特徴とする請求項4に記載のティッシュ。
【請求項9】
前記ポリアルキレン酸化物は、室温では固体であることを特徴とする請求項1に記載のティッシュ。
【請求項10】
前記脂肪アルキル派生物は、次のような一般構造を有し、
14−G
ここで、
14は、C8からC40のアルキル遊離基であって、置換基又は非置換基、一次、二次又は三次とすることができ、直鎖状、分枝鎖状、又は環鎖状とすることができ、
「G」は、ヒドロキシ、アミン、スルホン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酸又は酸派生物、又は−Q-[C2H4O ]i−[C3H6O]j−[CtH2tO]v−R13であり、
ここで、
「Q」は、酸素基、NH基又はN-[C2H4O}i−[C3H6O]j−[CtH2tO]v−R13であり、
13は、水素、置換基又は非置換基のC1からC6のアルキル遊離基、直鎖状又は分枝鎖状のC1からC6のアルキル遊離基、又は環鎖状のC1からC6のアルキル遊離基であり、
「i」、「j」及び「v」は、独立して0から100,000であり、酸化物成分が、ポリマーバックボーンに沿って、不規則に又はブロック状に分散され、
「i+j+v」は、10に等しいか又はこれより大きく、
「t」は、4から10である、
ことを特徴とする請求項1に記載のティッシュ。
【請求項11】
前記脂肪アルキル派生物は、エトキシレートアルコール又はエトキシレートアルコールの混合物であることを特徴とする請求項1に記載のティッシュ。
【請求項12】
エトキシレートアルコールは、12又はこれより大きい炭素鎖長さを有することを特徴とする請求項11に記載のティッシュ。
【請求項13】
前記脂肪アルキル派生物は、エトキシレートトリデシルアルコールであることを特徴とする請求項11に記載のティッシュ。
【請求項14】
前記脂肪アルキル派生物は、エトキシレートセチルアルコールであることを特徴とする請求項11に記載のティッシュ。
【請求項15】
前記脂肪アルキル派生物は、室温で固体であることを特徴とする請求項10に記載のティッシュ。
【請求項16】
前記ポリシロキサンは、アミノ派生したポリシロキサンで、前記脂肪アルキル派生物は、アルキレンオキシレートアルコールであることを特徴とする請求項1に記載のティッシュ。
【請求項17】
前記ポリシロキサンは、アミノ派生したポリシロキサンで、前記脂肪アルキル派生物は、アルキレンオキシレートアミンであることを特徴とする請求項1に記載のティッシュ。
【請求項18】
前記ティッシュ柔軟化化合物は、約70重量パーセントのアミノポリシロキサンと、約30重量パーセントのエトキシレートアルコール又はエトキシレートアルコールの混合物とを含むことを特徴とする請求項1に記載のティッシュ。
【請求項19】
前記エトキシレートアルコールは、室温では固体であることを特徴とする請求項18に記載のティッシュ。
【請求項20】
前記ティッシュ柔軟化化合物は、約50から約70重量パーセントのアミノポリシロキサンと、約30から約50重量パーセントのポリエチレングリコールとを含むことを特徴とする請求項1に記載のティッシュ。
【請求項21】
前記ポリエチレングリコールは、室温では固体であることを特徴とする請求項20に記載のティッシュ。
【請求項22】
前記ティッシュ柔軟化化合物は、約50から約70重量パーセントのアミノポリシロキサンと、約30から約50重量パーセントの、少なくとも1つのポリエチレングリコールと少なくとも1つの脂肪アルキル派生物の混合物とを含むことを特徴とする請求項1に記載のティッシュ。
【請求項23】
前記ポリエチレングリコールと脂肪アルキル派生物は、室温では固体であることを特徴とする請求項22に記載のティッシュ。
【請求項24】
固体ベースで、約30から約75重量パーセントの1又はそれ以上のポリシロキサンと、約0から約60重量パーセントの1又はそれ以上のポリアルキレン酸化物と、約0から約60重量パーセントの1又はそれ以上の脂肪アルキル派生物とを含み、前記ポリアルキレン酸化物と前記脂肪アルキル派生物との組み合わされた量は、約25重量パーセント又はこれより大きいことを特徴とする柔軟化化合物。
【請求項25】
1又はそれ以上の前記ポリシロキサンは、次のような一般構造を有し、
【数3】

ここで、
「m」は、10から100,000であり、
「n」は、1から10,000であり、
「p」は、0から1,000であり、
「A」及び「B」は、独立して、水酸基、C1からC20又はR2であり、
1、R2及びR3は、不規則に又はブロック状に分散され、
1は、C1からC8の遊離基で、直鎖状、分枝鎖状又は環鎖状とすることができ、
2は、C1からC8の遊離基で、直鎖状、分枝鎖状又は環鎖状、又は
【数4】

の構造とすることができ、
ここで、
4及びR5は、独立して、C2からC8のアルキレン二端遊離基であって、直鎖状又は分枝鎖状とすることができ、置換基又は非置換基とすることができ、
Xは、酸素又はN−R8であり、
6、R7、及びR8は、独立して、水素、置換基又は非置換基のC1又はC2、置換基又は非置換基の直鎖状又は分枝鎖状又は環鎖状のC3からC20のアルキ基、又はアセチル基などのアシル基であり、
「s」は、0又は1であり、
3は、R9−Y−[C2H4O]r−[C3H6O]q−R10の構造であり、
ここで、
Yは、酸素又はN−R11であり、
9は、C2からC8アルキレン二端遊離基で、直鎖状又は分枝鎖状とすることができ、置換基又は非置換基とすることができ、
10及びR11は、独立して、水素、置換基又は非置換基のC1又はC2、置換基又は非置換基、直鎖状又は分枝鎖状又は環鎖状のC3からC20のアルキル基であり、
「r」は、1から100,000であり、
「q」は、0から100,000である、
ことを特徴とする請求項24に記載の化合物。
【請求項26】
2=R1で、「A」及び「B」は、窒素クオタニウムであることを特徴とする請求項25に記載の化合物。
【請求項27】
前記ポリアルキレン酸化物は、次のような一般構造を有し、
R12−[C2H4O}i−[C3H6O]j−[CtH2tO]v−R13
ここで、
12及びR13は、独立して、水素、置換基又は非置換基のC1からC6のアルキル基、直鎖状又は分枝鎖状のC1からC6アルキル基、又は環鎖状のC1からC6のアルキル基であり、
「i」、「j」及び「v」は、独立して0から100,000であり、酸化物成分が、ポリマーバックボーンに沿って、不規則に又はブロック状に分散され、
「i+j+v」は、10に等しいか又はこれより大きく、
「t」は、4から10である、
ことを特徴とする請求項24に記載の化合物。
【請求項28】
前記脂肪アルキル派生物は、次のような一般構造を有し、
14−G
ここで、
14は、C8からC40のアルキル遊離基であって、置換基又は非置換基、一次、二次又は三次とすることができ、直鎖状、分枝鎖状、又は環鎖状とすることができ、
「G」は、ヒドロキシ、アミン、スルホン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酸又は酸派生物、又は−Q-[C2H4O]i−[C3H6O]j−[CtH2tO]v−R13であり、
ここで、
「Q」は、酸素基、NH基又はN-[C2H4O}i−[C3H6O]j−[CtH2tO]v−R13であり、
13は、水素、置換基又は非置換基のC1からC6のアルキル遊離基、直鎖状又は分枝鎖状のC1からC6のアルキル遊離基、又は環鎖状のC1からC6のアルキル遊離基であり、
「i」、「j」及び「v」は、独立して0から100,000であり、酸化物成分が、ポリマーバックボーンに沿って、不規則に又はブロック状に分散され、
「i+j+v」は、10に等しいか又はこれより大きく、
「t」は、4から10である、
ことを特徴とする請求項24に記載の化合物。

【公表番号】特表2010−507435(P2010−507435A)
【公表日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−533992(P2009−533992)
【出願日】平成19年8月3日(2007.8.3)
【国際出願番号】PCT/IB2007/053070
【国際公開番号】WO2008/050244
【国際公開日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】