説明

栄養加工スナック製品

【課題】比較的高濃度の非デンプン成分、例えば、ナッツ、種、豆果などを有する一方で、消費者が好む特定の歯ごたえ及び味の質を維持する加工スナック製品を製造するための調合物、生地及びプロセスを提供することを課題とする。
【解決手段】a)脱脂されていない食用ナッツベースの材料を40%〜60%と、
b)他のチップ成分と組合せる前に、押出成形機中で75%〜100%予め糊化されたタピオカを40%〜60%と、
c)水を0.1%〜1.0%と、
d)任意成分を0%〜20%と、
を含むスナックチップであって、
前記スナックチップは、0.4〜1.0g/mLの密度を有し、
前記チップは、20%未満の飽和脂肪油中で揚げられ、
前記チップは、前記風味を覆い隠すトウモロコシ又はジャガイモ粉を含まないスナックチップである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本物の風味を有する栄養加工スナック製品に関する。
【背景技術】
【0002】
デンプン系材料を含む生地から調製される加工スナック製品は当該技術分野において周知である。ジャガイモ系生地及びその生地から製造されるスナックは特に周知である。これらの生地は典型的には油で揚げられるか又はベーキングされて、スナックチップを形成する。しかしながら、消費者は、デンプン材料以外の健康的な成分を含有するスナック製品を求めている。更に、消費者は、スナックチップにより良い風味及び栄養を要求してきている。全世代がスナックを食するが、子供たちがこれらの製品の大量消費者であり、子供たちが食するのを楽しんでいるスナック製品からより多くの栄養を得ることができるならば、これは非常に望ましい。また、人工の風味料及び防腐剤を有さない良好な味のスナック製品を製造することは、更に望ましい。栄養に富むと共に、同様の味の無調合スナック製品よりも低い脂肪分を有するサクサクしたスナック製品であれば、更に好ましい。例えば、消費者は、ナッツベースのスナックを好んで食べる。消費者は典型的に、植物学的な意味とは異なる食用としての意味で、ナッツベースのスナック又は成分のことを考える。例えば、ヘーゼルナッツ、ペカン、及びクルミは真のナッツであるが、ピーナッツ、松の実、及びピスタチオも一般にナッツと称される。植物学的に言えば、ピーナッツは豆果に由来し、松の実とピスタチオは種であり、木に由来する。食用ナッツは、そのままか、ローストするか、ローストして塩漬けした状態などで、スナックとして食されるが、更に硬くて身の詰まった歯ごたえを有すると共に、かなりの量の脂肪を含むことがある。食用ナッツは、その高脂肪分が原因で、消費者に受け入れられる、すぐ分かるほどに味が似ているスナック製品に加工しにくい。高い油分及びタンパク質、並びに繊維含有量が、加工面での課題となっている。脂肪又は油を含む生地を作ると、その生地は、よりゴムのようになり、かつ弾力が強くなると共に、シート化して、スナックチップ又はクリスプで典型的な薄いゲージ又は厚みにするのが非常に難しくなる傾向がある。ゴムのような生地は、跳ね戻る傾向があり、そうなると、その厚みが保持されない。この影響を相殺するために厚みを更に薄くする試みにもまた問題があり、シート内に裂け目を作り出すことがある。これらの問題は、ストロング(Strong)らの米国特許第5,498,438号、及びその参考文献で確認されており、ナッツベースの加工スナック製品への依存は、高脂肪分に対処するという課題を回避する脱脂ローストナッツミールから始めなければならなかった。サクサクしたスナック製品を製造するために必要な比較的高い温度及び/又は長い調理時間は、アーモンド、ピーナッツなどのこれらの栄養添加物の風味を損なう場合がある。同様に、これらの材料の栄養価は多くの場合、調理プロセスの間に、特に加工時に高せん断押出し又は蒸しが使用される場合に、損なわれる。したがって、市販の加工スナックは、これらの成分を低いレベル含むため、主要成分の「本物の風味」及び栄養価を欠いている。
【0003】
「本物の風味」とは、本明細書で使用する時、アーモンド、クルミ、ヘーゼルナッツ、ピーナッツ、松の実などの栄養成分の風味、又は、アップル−ピーナッツ、若しくはバナナ−ナッツなどを組み合わせた風味のような風味に対する消費者の認識を指す。例えば、加工ヘーゼルナッツチップの風味は、人工的なヘーゼルナッツ風味を添加しなくても、新鮮なヘーゼルナッツのような味であるはずである。同様に、ローストピーナッツ、又は未加工アーモンドベースのチップは、人工的な風味を添加しなくても、ローストピーナッツ又は未加工アーモンドのような味であるはずである。
【0004】
果物、野菜、肉、チーズ、木の実、魚、穀物、及び卵などを含む加工されたスナックチップにおける天然風味及び栄養価の劣化に関しては、多くの理由が存在する。これらの品目の多く、特に新鮮な果物、は水分が豊富である。しかし、スナックチップは、たとえ果物から作られるものにしても、サクサクにするために、及び、防腐剤なしで貯蔵安定性を維持するために、含水量が低くなければならない。生地の含水量はある程度までは調整できるが、スナック製品の総水分含量は低めなければならない。この脱水は通常、蒸し、ベーキング又は揚げることにより行われる。大抵の場合のように、スナックチップを熱い油で揚げる場合、生地は、総脂含分を低く維持するために、並びに所望のカロリー量及びサクサクした歯ごたえを達成するために、揚げる前の水分が比較的低くなければならない。
【0005】
加工チップのつなぎは典型的には、加工の一部として予めゲル化されているか又は加熱されているデンプン材料である。例えば、海老チップは多くの国々で非常に人気がある。砕かれた海老を典型的には例えば米などの淡白なデンプン材料と混合して、次に生地を高温で調理してデンプンを糊化し、海老を調理する。この第1工程は海老の風味の本物感に負の悪影響を及ぼし、一部の栄養も同様に損なうことがある。次に、生地を乾燥して、「半製品」すなわち保存安定性である中間製品にする。乾燥方法もまた製品の風味及び栄養を維持するのに弊害をもたらすことがある。最後に、サクサクしたスナック製品を製造するための油ちょう、ベーキング、及びマイクロ波調理などのようないくつかの仕上げプロセスもまた風味及び栄養に弊害をもたらす。
【0006】
かつては、栄養食品成分の小片、例えば、果物、野菜、肉、ナッツ、チーズなどの小片をデンプンベースの生地の中に添加すると、添加物の焦げた小片を有する製品しかできず、多くの場合、異臭を有した。これらの製品は良好な味がせず、浅黒いか又は焦げたシミを有する場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5,498,438号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、比較的高濃度の非デンプン成分、例えば、ナッツ、種、豆果などを有する一方で、消費者が好む特定の歯ごたえ及び味の質を維持する加工スナック製品を製造するための調合物、生地及びプロセスに対しての必要性が存在する。また、生地シートから製造又は押出成形してから、油ちょうするか、部分的に油ちょうし、続いてベーキングするか、あるいは良好な味がするようにベーキングする、ナッツ、種、豆果含有スナック製品に対する必要性が存在する。これに加えて、主成分の「本物の風味」及び栄養価を有する加工食用ナッツスナックに対する必要性が存在し、このスナックは、同量の食用ナッツよりも低い、約20〜60%の脂肪分を有する。
【0009】
本発明のこれらの利点及び他の利点は、以下の開示から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、ナッツベースの材料を約40%〜約60%と、タピオカ、米、及びこれらの混合物からなる群から選択されるデンプン材料を約40%〜約60%と、水を約0.1%〜約5.0%と、任意成分を約0%〜約20%とを含むスナックチップを提供する。更に、本発明のスナックチップで用いられるデンプン材料の少なくとも約40%は、α化されている。任意成分は、天然又は人工風味料、オートミール、果物、野菜、風味増強剤、脂肪及び油、天然甘味料、人工甘味料、非消化性脂肪又は油、ビタミン又はミネラル、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。典型的には、食塩、砂糖、バター、人工バター又はスパイス風味料、人工甘味料、油、及び野菜片を使用することができる。
【0011】
本発明の別の態様では、スナックチップは、ナッツベースの材料及び乾燥成分を水と混ぜ合わせて、シート化可能な生地を形成することによって製造する。生地は、調理用押出成形機を通過させずに、混合してシート化される。シート化された生地を切断し、乾燥させて、加工スナック製品すなわち「半製品」を形成する。半製品においては、生地を約121℃(250°F)未満の温度で乾燥させる。半製品は保存安定性であり、貯蔵しておいて、後で調理することができる。また、乾燥プロセスの直後に、半製品をベーキング、油ちょう、真空ベーキング又は油ちょう、マイクロ波調理、及びこれらの方法の組み合わせによって調理して、スナックチップを形成することもできる。
【0012】
本発明の別の態様では、スナックチップは、ナッツベースの材料及び乾燥成分を水と混ぜ合わせて、シート化可能な生地を形成することによって製造する。生地は、調理用押出成形機を通過させずに、混合してシート化される。シート化した生地を所望の形の小片に切断し、約177℃(350°F)で数分間ベーキングすることによって調理してから、引き続き、約107℃(225°F)という前記よりも低い温度で、更に10分間ベーキングする。
【0013】
本発明は、栄養に富む食用ナッツ成分を高濃度で有するスナックチップを提供する。例えば、ナッツ、種、豆果などが添加された生地を作ると、スナックチップは、非デンプン成分の本物かつ自然な風味と、栄養面での効果を保持する。更に、本発明のスナックチップは、主な天然成分に似せるために人工風味料を添加する必要なしに、消費者に受け入れられる味を提供する。このスナックチップは好ましくは、同量の同じ食用ナッツよりも少ない脂肪を提供するように調合される。本発明のスナックチップは、サクサク及びパリパリした歯ごたえ、並びに、消費者に魅力的な外観を有する。更に、本発明により製造される生地及びスナックは、その主な天然成分よりも脂肪が少なく、異臭も少ない。
【発明を実施するための形態】
【0014】
A.定義
本明細書で使用する時、「糊化デンプン」は、デンプンを処理して糊化したあらゆる種類のデンプンを含む。処理済み又は市販のデンプンは、ほとんどの水分が取り除かれており、一般的に水に不溶性である。デンプンと水が加熱されるにつれて、粒子又は顆粒が水を吸収する。一般に、60℃から70℃まで、この吸収は可逆性である。しかしながら、加熱が続くと顆粒の膨張は不可逆性となり、これが糊化の開始する時である。正確な糊化温度は、デンプンに依存する。糊化は通常、デンプンの透光性の増加及び溶液の粘度の増加により、明らかになる。デンプンはまた糊化されると複屈折を喪失する。
【0015】
本明細書で使用する時、糊化デンプンは、完全糊化、部分的糊化、及びα化デンプンを含む。糊化デンプンは、パーボイル、調理、部分調理、及び押出成形された粉により処理したものを含むことができるが、これらに限定されない。
【0016】
本明細書で使用する時、「α化」は、デンプンを糊化するために処理しておくことを意味する。α化デンプンは通常、乾燥粉末である。α化は、生地を作るためにデンプンを使用する前に行われる。
【0017】
本明細書で使用する時、「野菜材料」とは、果物又は野菜の原材料又はいずれかの中間体源を指す。例は、果物ベースの粉、果物ベースのペレット、押出成形した果物製品、乾燥果物片、果物ピューレ、野菜パウダー、野菜ピューレ、野菜粉、及びこれらの組み合わせである。
【0018】
本明細書で使用する時、「食用ナッツ」とは、一般の人々が食用ナッツとみなすものを指し、未加工ナッツ、乾燥ナッツ、加工済みナッツ、種、豆果、及び真の植物学上のナッツを含む。殻の中にあり栄養摂取のために用いられるいずれの油性の仁も、食用ナッツとみなすことができる。食用ナッツ材は、生鮮、未加工、乾燥済み、湯通し済み、調理済み、ロースト済み、ボイル済み、刻み済み、破砕済み、ペースト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される形体をしている。
【0019】
本明細書で使用する時、「栄養添加物」とは、フードガイドピラミッド(the Food Guide Pyramid)(米国疾病予防管理センター(the United States Center for Disease Control)(ジョージア州アトランタ(Atlanta))により定義されているもの)の部分であるあらゆる食物を指す。これらには、果物、野菜、タンパク質又は肉、乳製品、及び脂肪が挙げられる。繊維が豊富な食物も栄養添加物である。これらの栄養添加物は、約15%未満の水分含量になるまで脱水されてもよく、又は、これらの新鮮な、天然の状態で使用されてもよい。
【0020】
本明細書で使用する時、「加工」という用語は、根、塊茎、穀粒、豆果、穀物、又はこれらの混合物由来のもののような、粉、粗びき粉及び/又はデンプンを含む生地から製造される食品を指す。例えば、ジャガイモの一部を揚げることにより調製されるポテトチップは加工されていないが、ジャガイモフレーク及びデンプンを生地片にして揚げて製造されたポテトチップは、加工されたポテトチップである。
【0021】
本明細書で使用する時、「天然デンプン」は、いかなる方法でも事前処理又は調理されていないデンプンを指し、ハイブリッドデンプンが挙げられるが、これに限定されない。
【0022】
本明細書で使用する時、「脱水ジャガイモ製品」としては、ジャガイモフレーク、ジャガイモフラニュール(flanules)、ジャガイモ顆粒、ジャガイモ粒塊、任意の他の脱水されたジャガイモ材料、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0023】
本明細書で使用する時、「シート化可能な生地」は、滑らかな表面上に置いて、破れたり又は穴があいたりせずに所望の最終的な厚さにローラーで伸ばすことのできる凝集生地である。シート化可能な生地は、ローラーで伸ばすことにより又は2枚のベルトの間での若しくは低作業量低温プロセスでのプレスにより形成することができる生地を含むこともできる。
【0024】
本明細書で使用するとき、「デンプン」は、アミロースとアミロペクチンの両方を含有する天然又は未化工の炭水化物ポリマーを指す。デンプンは、小麦、トウモロコシ、タピオカ、サゴ、米、ジャガイモ、オート麦、大麦、及びアマランスのような、しかしこれらに限られない豆果、穀粒、及び塊茎に由来する。本明細書で使用する時、デンプンとは化工デンプンのことも指し、化工デンプンとしては、マルトデキストリンのような加水分解デンプン、高アミローストウモロコシ、高アミロペクチントウモロコシ、純アミロース、化学的に置換されたデンプン、架橋デンプン、並びに、化学的化工物、物理的化工物、熱的化工物、又は酵素化工物、及びこれらの混合物のような、しかしこれらに限られないその他の化工物が挙げられるが、これらに限られない。
【0025】
本明細書で使用するとき、「デンプンベース粉」は、天然、脱水(例えば、フレーク、顆粒、ミール)又は粉のいずれかの形態の、デンプンを指す。デンプン系粉には、ジャガイモ粉、ジャガイモ顆粒、ジャガイモフラニュール(flanules)、ジャガイモフレーク、トウモロコシ粉、マサトウモロコシ粉、コーングリッツ、コーンミール、米粉、ソバ粉、オートムギ粉、豆粉、オオムギ粉、タピオカ及びこれらの混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。例えば、デンプン系粉は、塊茎、豆果、穀粒、又はこれらの混合物由来であってもよい。
【0026】
本明細書で使用する時、「乳化剤」という用語は、生地成分に添加された乳化剤を指す。ジャガイモフレーク(製造中に乳化剤が加工助剤として使用される)の場合のような、生地成分中に元来存在する乳化剤は、「乳化剤」という用語に含まれない。
【0027】
用語「脂肪」及び「油」は、特に指定のない限り、本明細書では互換的に使用される。用語「脂肪」又は「油」は、一般的な意味の食用油脂物質を指しており、例えば、部分的に又は完全に水素添加され又はその他の方法で改質されていてもよい、大豆油、コーン油、綿実油、ヒマワリ油、パーム油、ココヤシ油、キャノーラ油、魚油、ラード、及び獣脂のような本質的にトリグリセリドからなる天然又は合成の脂肪及び油、並びに部分的に又は完全に非消化性であってもよい、本明細書では非消化性脂肪と呼ぶトリグリセリドと類似の特性を有する非毒性の油脂物質が挙げられる。カロリーが低減された脂肪、及び食用の非消化性脂肪、油又は脂肪代替品も、この用語に含まれる。
【0028】
用語「非消化性油脂」は、部分的に又は完全に消化できない食用油脂物質、例えば、オレアン(OLEAN)(商標)のようなポリオール脂肪酸ポリエステルを指す。好ましい非消化性脂肪は、スクロースポリエステルのような、トリグリセリドに似た特性を有する油脂物質である。これらの好ましい非消化性脂肪は、米国特許第5,085,884号(1992年2月4日出願、ヤング(Young)ら)及び同第5,422,131号(1995年6月6日、エルセン(Elsen)ら)に記載されている。特に好ましい非消化性脂肪の銘柄は、商品名オレアン(OLEAN)(商標)で市販されている。
【0029】
「ドライブレンド」という用語は、本明細書において、混合される材料の加工前に混合された乾燥原材料を意味する。
【0030】
特に指定がない限り、百分率は全て重量に基づく。
【0031】
本明細書で引用される全ての文献は、その関連部分において参考として組み込まれ、あらゆる文献の引用は、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものとして解釈されるべきではない。
【0032】
B.スナックチップ
本発明は、栄養に富む食用ナッツ成分を高濃度で有するスナックを送達する。このスナックは好ましくは、同量の同じ食用ナッツよりも少ない脂肪を提供するようにも加工される。本発明はまた、例えば、果物、野菜、肉、チーズ、ナッツ、魚、全粒粉、卵などを、これら成分による天然の風味及び栄養効果を提供するスナックの中で、送達する。更に、本発明の栄養スナックは、主な天然成分に似せるために人工風味料を添加する必要なく加工されることができる。本発明のスナックは、サクサク及びパリパリした歯ごたえ、並びに、消費者に魅力的な外観を有する。更に、本発明から作られる生地及びスナックは、異臭が少ない。
【0033】
「スナック」及び「スナックチップ」、並びに「スナッククリスプ」は完全に同義的に用いられ、ヒト及び他の動物が消費可能な製品を意味する。スナック及びスナックチップの非限定的な例には、パン、クラッカー、揚げたスナック、果物及び野菜スナック、ベーキングした又は乾燥させたスナック、ドッグフード、犬用ビスケット、並びに、あらゆる他の好適な食品のような製品が挙げられる。
【0034】
本発明のナッツスナックは、
a)ナッツベースの材料を約40%〜約60%と、
b)タピオカ、米、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料から製造されるデンプン材料を約40%〜約60%と、
c)水を約0.1重量%〜約5.0重量%、好ましくは約0.2重量%〜約4重量%、より好ましくは約0.3重量%〜約3重量%と、
d)任意成分を約0%〜約20%と、を含む。
【0035】
このスナックは、ナッツベースの材料及び乾燥成分を水と混ぜ合わせて生地を形成してから、それをシート化することによって製造することができる。シート化した生地を所望の形に切断して、調理する。あるいは、切断した形を乾燥させて、保存安定性のある中間体である加工スナック「半製品」を形成することもできる。低作業投入量、及び121℃(250°F)未満の乾燥温度を用いて、攪拌及び乾燥を行うことができる。加工スナック製品を、ベーキング、油ちょう、真空ベーキング又は油ちょう、マイクロ波調理、及びこれらの方法の組み合わせにより調理して、栄養スナックを製造することができる。最終調理後のスナックチップは、サクサクした歯ごたえを有することができる。
【0036】
C.食用ナッツベースの材料
ナッツベースの材料は、ピーナッツ、ヘーゼルナッツ、ピスタチオ、ヒッコリー、カシュー、クリ、ペカン、クルミ、アーモンド、マカデミア、ブラジルナッツ、松の実、ココナッツ、及びこれらの混合物からなる群から選択されるナッツから得ることができる。好ましくは、食用ナッツベースの材料は、脱脂されていないナッツから製造される。ナッツベースの材料は、生鮮、未加工、調理済み、刻み済み、破砕済み、ペースト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される形状にすることができる。食用ナッツは、未加工か調理済み、例えばロースト済みであるかを問わず、刻むか、又は粗く破砕して、油が遊離されて、より利用しやすいペースト又はバターを作る場合とは対照的に、セル内に天然油を一層保持するようにできる。食用ナッツは、刻むか又は破砕して、US#12メッシュスクリーンに通るようにすることができる。また、食用ナッツは、刻むか又は破砕して、US#12メッシュスクリーンを通るが、US#40メッシュスクリーンの上に留まるようにすることもできる。
【0037】
D.デンプン材料
上述のように、ナッツベースの材料の効果を最大化するために、本発明の生地は、タピオカ、米、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料から製造されるデンプン材料を、スナックチップの約40重量%〜約60重量%、好ましくは約45重量%〜約55重量%で含むべきである。好ましくは、デンプン材料はタピオカである。
【0038】
デンプン材料は、本発明の野菜スナックの本物の野菜風味をもたらしやすくする。更に、米及びタピオカ系デンプンは、野菜風味がより容易に表に現れるようにする中立的で清涼な風味を提供する。米及びタピオカは、トウモロコシ又はジャガイモ粉のように野菜風味を覆い隠さない、自然に淡白な風味を有する。
【0039】
更に、本発明のスナックチップで用いられるデンプン材料の少なくとも約40%をα化する。すなわち、少なくとも一部のデンプンは、非デンプン成分を添加する前に調理される。事前加工及び配合して、主要成分及びデンプンを混合し、次に調理、すなわち、これらをどちらもその場で糊化する。その場での糊化には、生地が非常に高い含水量を有するか、又は、加圧調理若しくは当該技術分野において既知の他の方法によって水分喪失を制御する必要がある。それにもかかわらず、その場での糊化の過酷な状況は、風味を壊す傾向を有し、同様に栄養成分の栄養価も損なわれると考えられる。
【0040】
いずれの理論にも束縛されるものではないが、例えば、蒸気などによるその場での糊化は、デンプン細胞を破砕して、細胞内のアミロースを逃がすと考えられている。アミロースは風味構成成分と錯体を生じて、その結果、風味構成成分を捕捉することができる。更に、その場での糊化により、スナックチップは膨れて、サクサクしたチップにとって望ましくない質感を有する恐れがある。α化デンプンでは、細胞はほとんど損傷を受けない。
【0041】
デンプン材料はまた、加工スナック片を作製することができる優れたシート状製品が得られる、より良い生地を提供する加工及び配合の添加物としても機能する。
【0042】
本発明に使用することができる追加的なデンプン材料には、従来の米粉、従来のタピオカ粉、α化デンプン、低粘性デンプン(例えば、デキストリン、酸改質デンプン、酸化デンプン、酵素改質デンプン)、安定化デンプン(例えば、デンプンエステル、デンプンエーテル)、もち米デンプン又は粉、架橋デンプン、アセチル化デンプン、デンプン糖(例えば、グルコースシロップ、デキストロース、イソグルコース)、及び処理(例えば、架橋及び糊化)の組み合わせを受けたデンプン、並びにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。当業者は、本明細書に記載されているデンプン材料が、例えば、レミー・インダストリーズN.V.(Remy Industries N.V.)(ベルギー、ルーヴェン・ウィジマール、レミーラーン4、B−3018(Remylaan 4, B-3018 Leuven-Wijgmaal, Belgium))から市販されていることを認識するであろう。従来の米粉には、全てから米粉を作製することができる、長粒米、中粒米、短粒米、及びもち米又は粒米(grain rice)が挙げられる。更に、米粉は、米の破片又は全粒から作ることができる。これらの異なる種類の米から作られた米粉は、吸水指数、ピーク粘度、最終粘度、及び総アミロース含有量が異なる。更に、米が、米粉に加工される前、又は加工された後に、部分的に又は完全に事前調理、パーボイルド、又はあらゆる他の方法でα化される場合、米粉の特性は更に改質することができる。
【0043】
所望の量の種々のタピオカ粉と米粉とを一緒に混合して、所望のデンプン材料を製造することができる。これは、これらに限定されないが、製粉前に穀物を混合すること、又は製粉後に粉を一緒に混合することのような、いかなる好適な手段によっても達成できる。
【0044】
好ましい実施形態では、糊化したタピオカ粉を使用する。この実施形態では、組成物は、様々な程度に糊化された1種以上のタピオカ粉のブレンドを含むことができる。例えば、糊化タピオカ粉は、完全に調理されたタピオカ、部分的に調理されたタピオカ、湯通しされたタピオカ、押出成形されたタピオカ又はこれらの混合物を含むことができる。これらの方法の全てが米及び米/タピオカブレンドに等しく適用できる。完全に調理された糊化米又はタピオカ粉は約75%〜約100%糊化しており、部分的に調理された米粉及び押出成形された米粉は約25%〜約100%糊化しており、湯通しされた米粉は約75%〜約100%糊化している。
【0045】
押出成形は、本発明用にタピオカ粉又は米粉を糊化する好ましい方法である。押出成形は、米又はタピオカ粉のデンプンを完全に調理するのに必要とされる調理条件を提供し、デンプンの完全な糊化及び高レベルの糊精化(dextrinization)、即ち、デンプン分解をもたらす。本発明の米粉の調製に押出成形を使用することは、完成した製品に、生デンプンの味又は粉っぽいデンプンの後味、並びに制御されない及び過度の膨張が存在しないことを保証する。以下に述べるように、押出成形は生地の乾燥又はスナックチップの調理での使用に望ましくない。押出成形は、デンプンに単独で使用することが好ましいが、栄養成分の、この場合では添加された野菜成分の、風味及び栄養価の両方を損なうと考えられている。
【0046】
所望により、調理及び/又は製粉中に生成される遊離アミロースを錯化するために、デンプン材料に乳化剤を加工助剤として添加することができる。例えば、モノグリセリドは、(乾燥固体基準で)約0.2〜約0.7%、好ましくは約0.3%〜約0.5%の範囲の量で添加できる。
【0047】
E.加工スナック製品の調製
本発明のいくつかの実施形態の「加工スナック製品」又は「スナックチップ」は、例えば、「半製品」として直ちにベーキングするか又は乾燥させることによって、直接調理することができる。すなわち、これは乾燥させられて保存安定性があり、調理準備ができていることを意味する。加工スナック製品を半製品として消費できるが、一般的には、消費者が望む形状であるとはみなされず、サクサクした歯ごたえも有さない。より具体的には、半製品の味及び質感はそれほど良好ではない。
【0048】
本発明の加工スナック製品は、ナッツベースの材料及び乾燥成分を水と混ぜ合わせて生地を形成してから、その生地をシート化して乾燥させることによって製造する。好ましくは、混合は低作業投入量を用いて行い、乾燥温度は約121℃(250°F)未満である。本発明のスナックチップを形成するために、本明細書に記載されている、いずれかの方法によって、半製品を調理することができるが、上述の理由から、押出成形は好ましくない。より好ましくは、本発明の加工スナック製品は、ナッツベースの材料及び乾燥成分を水と混ぜ合わせて生地を形成してから、その生地をシート化し、所望の形の小片に切断し、調理することによって製造される。本発明のスナックチップを形成するために、本明細書に記載されているいずれかの方法によって、好ましくはベーキングによって、切断片を調理することができる。上述のように、本発明のスナックは消費者に受容可能な形式で多くの栄養を提供する。すなわち、本発明のスナックは美味及び栄養豊富の両方である。本発明における組成と加工の組み合わせによって、同量の比較対象の食用ナッツ又はナッツの組み合わせよりも多くの栄養素、多くの風味構成成分を保持し、少ない脂肪を含むと共に、発する異臭の少ないスナックが得られる。例として、新鮮な未加工アーモンドを使って本発明に従って製造したスナックチップは、サクサク及びパリパリした歯ごたえを有し、同量の未加工アーモンドよりも少ない脂肪を有し、アーモンドの風味を保持する。重要なことに、本発明の配合及びプロセスによって、アーモンドの望ましい風味の特徴が、より多く保持される。
【0049】
ナッツベースの材料をデンプン材料と組み合わせて用いることについて、主に、好ましい加工スナック製品の観点で説明していくが、いかなる好適な食品の製造でも、本発明の組成物で形成された生地を使用できることが当業者には容易に理解できるはずである。例えば、生地を、パン、ソース、クラッカー、揚げたスナック、果物及び野菜スナック、ベーキングした又は乾燥させたスナック、揚げた食物のためのコーティング、ドッグフード、犬用ビスケット、及びあらゆる他の好適な食品のような食品を製造するために使用することができる。好ましい加工スナック製品の製造について、以下で詳述する。
【0050】
1.生地の配合
本発明の好ましいドウは、ドライブレンド及び添加水を含む。好ましくは、生地は、ナッツベースの材料を含むドライブレンドを約40%〜70%と、水を約30%〜約60%とを含む。好ましくは、水は、生地の約35重量%〜55重量%、更に好ましくは約40重量%〜約50重量%である。この水は、ナッツベースの材料が添加された水と添加水とを併せたものである。本発明の食用ナッツベースの材料は典型的には、水をほんの少ししか含まない。したがって、生地内の水の本質的に全てが添加水である。生地は、生地の水分含量を低減するものを含む、任意の成分を更に含むことができる。例えば、生地の含水量を低下させるために、1)デキストロース当量値の低いマルトデキストリンのような、生地中の加水分解デンプン、2)キサンタン、ヒドロキシプロピルセルロース及びその組み合わせのような多糖、並びに3)乳化剤のような材料を生地に添加することができる。
【0051】
a.ドライブレンド
好ましい生地は、ドライブレンドを約40%〜約70%、好ましくはドライブレンドを約45%〜約65%含む。
【0052】
ドライブレンドは、ナッツベースの材料、デンプン材料、及び下記の任意の乾燥成分を含む。好ましいドライブレンドは、ナッツベースの材料を乾燥成分の約30重量%〜約60重量%と、デンプン材料を乾燥成分の約40重量%〜約60重量%と、任意成分を乾燥成分の0重量%〜約30重量%とを含む。更に、ドライブレンドの残部は、タンパク質源、繊維、ミネラル、ビタミン、着色剤、香料、果物片、野菜、種子、ハーブ、スパイス、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない1以上の他の成分を含むことができる。これらの他の成分をドライブレンドに添加する前に、コーティングすることが有益である場合がある。
【0053】
b.添加水
本発明の好ましい生地組成物は、添加水を約20%〜約60%、好ましくは約25%〜約55%、より好ましくは添加水を約25%〜約50%含む。マルトデキストリン又は固形コーンシロップ、ジュース、濃縮物などの任意成分が溶液として添加される場合、溶液中の水は添加水として含まれる。また、添加水の量には、成分を溶解又は分散させるために使用される任意の水も含まれる。
【0054】
c.任意成分
任意の好適な任意成分を本発明のドウに添加してもよい。かかる任意材料としては、ガム及び繊維のような多糖類、乳化剤、並びにこれらの混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。任意成分は、約0重量%〜約50重量%、好ましくは、0重量%〜約40重量%の範囲の量で生地に包含されることが好ましい。好適なガムの例は、米国特許第6,558,730号(ギザウ(Gizaw)ら、2003年5月6日発行)に見ることができる。任意成分には、天然又は人工風味料、オートミール、果物、木の実、風味増強剤、脂肪及び油、天然甘味料、人工甘味料、非消化性脂肪又は油、ビタミン又はミネラル、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されず、好ましくは、任意成分は、食塩、砂糖、バター、人工バター又はスパイス風味料、人工甘味料、油、及び野菜片、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。
【0055】
追加的なデンプン材料、例えば、オート麦、小麦、ライ麦、大麦、トウモロコシ、マーサ、キャッサバ、マーサ以外のトウモロコシ、ピーナッツ、脱水ジャガイモ製品(例えば、脱水ジャガイモフレーク、ジャガイモ顆粒、ジャガイモフラニュール、マッシュポテト材料、及び乾燥ジャガイモ製品)、並びにインゲン、ヒヨコマメのような豆果、並びにこれらの組み合わせを添加してもよい。これらの他のデンプン材料は、異なる組成、質感、及び風味のスナックを作製するために、ブレンドすることができる。
【0056】
加工性の助けとなるために所望により生地に添加することができる成分は、1種以上の乳化剤である。乳化剤の生地への添加は、生地のべたつきを低減し、シーティングロール、ベルト等に張り付くことを最小限に抑える。乳化剤はまた、最終製品の質感に影響を与え、乳化剤の量が多ければ密度の高い最終製品が得られる。乳化剤は、生地のシート化の前に生地組成物に添加されることが好ましい。乳化剤は、脂肪又はオレアン(Olean)(商標)のようなポリオール脂肪酸ポリエステルに溶解することができる。好適な乳化剤としては、レシチン、モノ及びジグリセリド、ジアセチル酒石酸エステル、並びにプロピレングリコールモノ及びジエステル、並びにポリグリセロールエステルが挙げられる。ヘキサグリセロールのモノエステルのようなポリグリセロール乳化剤を使用することができる。特に好ましいモノグリセリドは、ダニスコ(Danisco)(登録商標)(カンザス州ニューセンチュリー(New Century))より商品名ジモダン(Dimodan)として、及びアーチャー・ダニエルズ・ミッドランズ社(Archer Daniels Midlands Company)(イリノイ州ディケーター(Decatur))より商品名DMG 70として販売されている。
【0057】
本発明による任意成分の量を算出するとき、ナッツベースの材料及びデンプン材料に内在する場合のある任意成分の量は含めない。
【0058】
2.生地の調製
本発明のドウは、シート化可能なドウを形成するための任意の好適な方法によって調製することができる。典型的には、従来のミキサーを用いて成分を共に完全に混合することにより、ゆるい(loose)乾燥生地を調製する。湿性成分のプレブレンドと乾燥成分のプレブレンドを調製した後、湿性プレブレンドと乾燥プレブレンドとを共に混合して、生地を形成することが好ましい。バッチ作業にはホバート(Hobart)(登録商標)ミキサーが好ましく、連続混合作業にはタービュライザー(Turbulizer)(登録商標)ミキサーが好ましい。あるいは、非加熱押出成形機を使用して、生地を混合し、シート又は成形片を形成することもできる。
【0059】
a.シート化
一旦調製した後、生地を比較的平坦な薄いシートに成形する。デンプン系生地からかかるシートを成形するのに好適な任意の方法を使用してもよい。例えば、シートを2つの逆回転円筒形ローラーの間で圧延し、均一な比較的薄い生地材料のシートを得ることができる。従来の任意のシート形成装置、粉砕装置及び検量装置が使用されてもよい。生地は、生地を調理しない押出成形装置によりシートに成形することもできる。
【0060】
本発明の生地は、通常は、約0.051〜約0.25cm(約0.020〜約0.10インチ)の範囲の厚さ、好ましくは約0.063〜約0.152cm(約0.025〜約0.06インチ)の範囲の厚さ、最も好ましくは約0.076〜約0.101cm(約0.03インチ〜約0.04インチ)の範囲の厚さを有するシートに形成される。
【0061】
シート化及び切断により小片を形成してもよく、又は、円筒の生地を押出成形(すなわち、押出成形機)して薄層に切断することにより、若しくは、回転式成形などの他の好適な方法により、これを達成してもよい。
【0062】
好ましい半製品は、シート化されており、特定の形状で例えば、バグルス(Bugles)(商標)といった、手から口へ(hand-to-mouth)(HTM)として既知のスナックのサイズである1つ以上のシートを含む。
【0063】
その後、生地シートは、所定のサイズ及び形状のスナック片に成形される。スナック片は、任意の好適な打ち抜き又は切断装置を使用して成形することができる。スナック片は、様々な形状へと成形することができる。例えば、スナック片は、楕円形、正方形、円形、蝶ネクタイ形、星形車形、又は風車形であってもよい。1996年1月25日に国際公開第96/01572号として公開された国際出願PCT/US95/07610号(ドーズ(Dawes)ら)に記載のように、片に刻み目をつけて波形チップを作製することもできる。
【0064】
b.乾燥
上述のシート化生地から切断したスナック片を乾燥させて、上述の半製品を製造することができる。乾燥プロセスは好ましくは、栄養成分の本物の風味及び栄養価を損ねないゆっくりとした穏やかなプロセスである。数多くの乾燥方法のいずれかを使用することができ、例えば、ベーキング、真空乾燥、マイクロ波加熱、及びこれらの混合も可能である。この工程ではデンプンの糊化はほとんど又は全く生じない。
【0065】
c.調理
上述のシート化生地から切断したスナック片、あるいは上述の乾燥半製品を調理して、サクサクした栄養スナックを形成する。調理工程は半製品中の残存水分を除去して、約1%〜約3%の最終水分含量を有するスナックを供給する。サクサクした歯ごたえをもたらすのは、調理工程である。最終の見かけ密度は、約0.3〜1.1g/cc、好ましくは約0.04〜1.0g/mL、より好ましくは0.6〜0.9の範囲である。
【0066】
調理は、ベーキング、マイクロ波調理、油ちょう、真空油ちょう、又はオーブン内での真空ベーキングによって行われ、栄養スナックを製造することができる。これらの組み合わせも許容可能である。好ましくは、調理法の選択肢は、ベーキングによるものである。
【0067】
ベーキングは、単独の放射熱式オーブン、衝突式オーブン、強制空気対流式オーブン、若しくは対流式オーブン、又はこれらの組み合わせで行うことができる。ベーキングは、単一の特定の条件、例えば単一の温度で行うことができ、又は、好ましくは、異なる温度、ベーキング時間、気流速度を用いることができる多数の領域内でベーキングする。より好ましくは、スナッククリスプは、約177〜204℃(350〜400°F)で約1〜2.5分間ベーキングし、引き続き、107〜149℃(225〜300°F)で約5〜30分間ベーキングする。前記の低い方のベーキング温度における温度及び時間の長さは可変であり、用いるオーブンのタイプ、及び、製品の水分が5%未満になるまでに費やされる時間によって決まる。最初の高い方の温度における温度及び時間の長さも可変であり、所望の歯ごたえ効果によって決まる。従来の家庭用又はレストラン用オーブン、並びに、ベルト上で製品を様々な加熱領域を通すように移動させる商業用ユニットを使用してもよい。
【0068】
真空ベーキング及び従来のベーキングの組み合わせもまた使用することができる。
【0069】
マイクロ波調理を用いて栄養スナックを製造することもできる。例えば、使用してもよいマイクロ波調理器には、従来のマイクロ波調理器、ハロゲン光を備えるマイクロ波調理器、及びマイクロ波と対流とを組み合わせたオーブンが挙げられる。
【0070】
好ましい方法ではないが、例えば、可消化脂肪、非消化性脂肪、又はこれらの混合物を含む脂肪組成物内で油ちょうすることによって調理を行うことができる。最良の結果を得るには、きれいな揚げ油を使用すべきである。油の酸化率を低下させるために、油の遊離脂肪酸含有量は好ましくは約1%未満、より好ましくは約0.3%未満に維持すべきである。いずれかの他の調理方法、例えば、ベーキング、真空乾燥、マイクロ波加熱、及びこれらの混合もまた可能である。スナックチップを油ちょう以外の方法により調理する時、多くの場合、生地にある程度の油を上述したような任意成分として添加することが望ましい。油をスナックチップに加えて同様に揚げることができる。
【0071】
本発明の1つの実施形態では、生地は、マイクロ波加熱を使用して乾燥され、次に約0.4〜約1.0g/mLの密度まで揚げた加工スナック製品に作られる。
【0072】
本発明の好ましい実施形態においては、揚げ油は、約30%未満、好ましくは約25%未満、最も好ましくは約20%未満の飽和脂肪を有する。この種類の油は、完成スナックチップが示す風味が向上するように、完成スナックチップの潤滑性を改善する。油の融点が低いので、これらの油の風味特性も、局所的に味付けされた製品の風味特性を向上させる。かかる油の例としては、中〜高濃度のオレイン酸を含有するヒマワリ油が挙げられる。
【0073】
本発明の別の実施形態では、加工スナック製品は、非消化性脂肪と消化性脂肪とのブレンドの中で揚げられる。ブレンドは、好ましくは約20%〜約90%の非消化性脂肪と約10%〜約80%の消化性脂肪、より好ましくは約50%〜約90%の非消化性脂肪と約10%〜約50%の消化性脂肪、更により好ましくは約70%〜約85%の非消化性脂肪と約15%〜約30%の消化性脂肪とを含む。また、TBHQ、トコフェロール、アスコルビン酸のような酸化防止剤、クエン酸のようなキレート化剤、及びジメチルポリシロキサンのような消泡剤を含む、当該技術分野において既知の他の成分を、食用脂肪及び油に添加してもよい。
【0074】
本発明の別の実施形態では、加工スナック製品は、高オレイン酸ヒマワリ油、トウモロコシ油、米油、中オレイン酸ヒマワリ油、パーム油、及びこれらの混合物のような、飽和脂肪の少ない油で揚げられる。
【0075】
約135℃(275°F)〜約215℃(420°F)、好ましくは約149℃(300°F)〜約210℃(410°F)、より好ましくは約177℃(350°F)〜約204℃(400°F)の温度で、約6%以下の水分、好ましくは約0.5%〜約4%、より好ましくは約1%〜約3%の水分を有する製品を形成するのに十分な時間にわたって、加工スナック製品を揚げることが好ましい。
【0076】
好ましくは、加工スナック製品を、連続油ちょう方法を用いて油で揚げ、揚げている間は固定しておく。この固定した油ちょう方法及び装置は、米国特許第3,626,466号(リーパ(Liepa)、1971年12月7日発行)に記載されている。成形して固定したスナック片を、最終含水量が、約0.5%〜約4%、好ましくは約1%〜約2.5%のサクサクした状態に揚がるまで、油ちょう媒体に通す。
【0077】
非固定式の、加工スナック製品を連続的に揚げるか又はバッチで揚げるような、任意の他の油ちょう方法も可能である。例えば、スナック片を移動ベルト又はバスケット上で揚げ油に浸漬することができる。同様に、油ちょうを半拘束(semi-constrained)プロセスで実施することもできる。例えば、加工スナック製品を、油で揚げている間、2枚のベルトの間に保持することができる。
【0078】
油ちょう後に、特徴的な風味を有する油又は高度不飽和油を、加工スナック製品上に噴霧するか、混転するか、又は他の方法で塗布することができる。好ましくは、トリグリセリド油及び非消化性脂肪を、風味料に対する担体として使用し、加工スナック製品に局所的に添加する。これらとしては、バター風味油、天然又は人工風味油、ハーブ油、及びジャガイモ、ニンニク又はタマネギ風味を加えた油が挙げられるが、これらに限定されない。この方法を使用して、スナックを調理するのに必要な加熱中に、通常、重合又は酸化する油を導入することができる。
【0079】
本発明の完成したスナックチップの脂肪分は、チップ28グラム当たり約5グラム〜約15グラムの範囲である。好ましくは、スナックチップの脂肪分は、チップ28グラム当たり約12グラム未満の脂肪、更に好ましくはチップ28グラム当たり約8グラム未満の脂肪である。これにより、選択した1つ又は複数のナッツに応じて、同量の食用ナッツに比べて、脂肪分が約11〜60%低下する。より好ましくは、同量の食用ナッツに比べて、脂肪分が40〜60%低下する。
【0080】
F.製品特徴及び分析方法
1.チップ密度試験手順
スナック製品の密度試験は、アルキメデスの原理(浮力法)によって実施される。密度は、製品又は材料の特定の性質を特性化するために、多くの領域で使用される。浮力法は、アルキメデスの原理に従って、試料をグリセリンの槽に浸して槽の重量増加を観察することにより試料のバルク容量を測定するための技術である。
【0081】
容器を十分なグリセリンで満たして試料を浸す。グリセリン中に掴み具を浸し、細いワイヤーが界面にあるようにし、はかりを測定する。
【0082】
各試料の重量を、バランスをとりながら注意深く測定する。この重量測定は、環境に暴露された時に試料が有意な重量の水を摂取するのに先立って行うべきである。
【0083】
試料を掴み具に取り付け、掴み具ごとグリセリン中に完全に浸す。試料が容器の壁に触れないようにする。重量を記録する。5回の異なる試料採取の時点を使用して繰り返す。以下の等式から密度を計算する:
【0084】
【数1】

式中:
・Ds=検体の密度
・Df=流体の密度(グリセリン=1.262)
・Ws=浸漬前の検体の重量
・F=浸漬した検体の読み取り値
5回の密度読み取り値の平均を用いる。
【0085】
【表1】

【0086】
2.脂肪率分析
チップ中の総油脂割合は、食品業者に既知の標準的な手順により測定でき、好ましくは、総油脂は、酸加水分解により測定される。特に、酸加水分解により総脂肪を測定するための方法は、AOACインターナショナル(International)(2000)第17版AOACインターナショナル(International)、米国、メリーランド州、ガイサーズバーグ(Gaithersburg)、公式方法922.06、954.02に見ることができる。
【0087】
3.水分活性
この方法は、11743ニューヨーク州ハンティントン(Huntington)イースト・メインストリート(East Main Street)160のロトロニック・インストゥルメント社(Rotronic Instrument Corp.)のサンプルセルWA−40THというモデルを用いるロトロニック・ハイグロスコップDT(Rotronic Hygroskop DT)という水分活性計測器に基づいている。
【0088】
方法:
1)DTユニット上の温度計が25±0.1℃を表示しているかを確認する。そうでない場合、ディスプレイが25±0.1℃を示すまで水浴温度計を調整する。
2)試料を試料カップに取り、基部を2〜3mmまで覆うようにする。
3)試料を含有する試料カップを測定セル内に置き、レバーを右の端まで廻して測量チャンバを隔離する。
4)読み取り値が安定する(単にディスプレイが点灯する)まで必要な時間、典型的には45分〜数時間待機する。
5)測定値を記録し、測定チャンバから試料カップを取り出す。
6)こぼれた場合には、蒸留水及び風乾によりチャンバを洗浄する。
【0089】
4.チップ破砕力
この方法は、10583−2136ニューヨーク州スカーズデール(Scarsdale)フェアビューロード(Fairview Road)18のテキスチャー・テクノロジーズ社(Texture Technologies Corp.)のステイブル・マイクロシステムズ・テキスチャー・アナライザー(Stable Micro Systems Texture Analyzer)のアップグレード・プラス(Upgrade Plus)というモデルに基づいている。
【0090】
方法の説明:
計器を5kgのロードセルでセットアップする。3ピン三脚基部(仕様は後述されている)をテキスチャー・アナライザー(TA)の基部に取り付ける。円筒形プローブ(仕様は後述されている)をTAの力アームに取り付け、この計器を、計器説明書に従って、力に対してキャリブレートする。試験チップを三脚基部の上に等距離で配置する。下記のTA設定条件に基づき、計器を作動させる。力アームが降下して、円筒形プローブとチップを接触させ、破断が記録されるまで、チップに力を加える。続いて、力アームは元の位置に戻る。合わせて20個のチップを分析し、各チップの最大ピーク力を判定する。このデータセットにQテスト分析を適用して、90%の信頼水準で何らかのデータ外れ値が存在するか判定し、存在する場合には、1つの観測結果を分析から外すことができる。残りの観測結果をサンプルチップの破砕力として、ニュートン(gf(重量グラム))で平均し、更に記録する。
【0091】
【表2】

【0092】
三脚基部及び円筒プローブの仕様:
【0093】
【表3】

【0094】
Qテスト分析:
物理的又は化学的品質の一連の反復測定では、得られた値の1つ以上が、残りの大部分とかなり異なる場合がある。このケースでは常に、これらの異常値を排除し、これらの値をその後のいずれの計算(例えば、平均値及び/又は標準偏差の計算)にも含めない強力な動機が存在する。この動機は、疑わしい値を「論理的に」外れ値として特徴付けることができる場合のみに、認められる。
【0095】
通常、外れ値は、データの主な「集団」とは異なるモデル又は異なる分布から生じる観測結果として定義される。この定義は、観察結果の範囲内のいずれにも外れ値が存在する場合があることを暗に示しているが、考えうる外れ値として極値のみを疑って調べるのが自然である。
【0096】
疑わしい観測結果の排除は、主観的又は直感的根拠ではなく、客観的基準のみに基づかなければならない。これは、「外れ値の検出」に関する統計的に適切な試験を用いることによって実現することができる。
【0097】
ディクソン(Dixon)のQテストは、このタイプのうちのより簡素な試験であり、通常、分析化学の教科書のデータ処理の章に記載されている唯一の試験である。この試験によって、規模の小さい一連の反復観察結果(典型的には3〜10個)のうちの1つ(1つのみ)の観測結果を、「論理的に」排除できるか否かを調べるのが可能になる。
【0098】
Qテストは、同じ正規母集団から集めた、秩序データサンプルの「サブレンジ比」の統計的分布に基づいている。したがって、このテストを適用すればいつでも、データの正規(ガウス)分布が推測される。外れ値の検出及び排除の場合には、Qテストは、一連の残りの観測結果に再び適用することはできない。
【0099】
Qテストの適用法
このテストを、以下のように適用する。
(1)調査中の一連の観測結果を含むN個の値を以下のように小さい順に並べる。
1<x2<...<xN
(2)統計的実験のQ値(Qexp)を計算する。これは、疑わしい値と、その値に最も近い値との差を、値域で除したもの(Q:排除指数)として定義される比率である。したがって、x1又はxN(外れ値の可能性がある値)を試験する際には、以下のQexp値を用いる。
【0100】
【数2】

【0101】
(3)得られたQexp値を、表に示されている臨界Q値(Qcrit)と比較する。この臨界値は、この試験を行うために我々が定めた信頼水準(CL)に対応していなければならない(通常CL=95%)。
(4)Qexp>Qcritである場合、疑わしい値は、外れ値として特徴付けることができ、この値を排除することができ、そうでない場合には、疑わしい値を保持して、後に行われる全ての計算で使用しなければならない。
【0102】
Qテストに関連付けられる帰無仮説は以下のとおりである。「疑わしい値と、残りの値との間に有意差は存在せず、いずれの差も、もっぱら、偶然誤差に起因するはずである」。
CL90%、95%、及び99%、並びにN=3〜10の場合における臨界Q値を含む表を以下に示す(出展:D.B.ローラバーチャー(Rorabacher)、分析化学(Anal. Chem.)、第63巻、1991年、p.139)。
【0103】
【表4】

【0104】
G.実施例1、2、3、及び4
本発明の特定の実施形態を以下の非限定例によって説明する。以下の実施例は、実験室作業台プロセスにより作製された。
表1には、本発明による3種類のナッツベースのスナックの組成とその量が列挙されている。実施例1は、ヘーゼルナッツベースのスナックチップである。
【0105】
ヘーゼルナッツチップは、まず、プレゲル化タピオカ顆粒を破砕して、US#30メッシュのふるいを通るようにすることによって製造される。ヘーゼルナッツを粉末チョッパ内で破砕して乾燥粉末にする。続いて、ヘーゼルナッツとタピオカを手で攪拌し、水を加える。全ての混合物をクイジナート(Cuisinart)(著作権)ミキサーの中に入れ、デンプンが完全にブレンドされて生地が形成されるまで、約30秒間攪拌する。
【0106】
続いて、のし棒を用いて、ワックスペーパーの間に挟んで生地を、約0.89mm〜約10.2mm(.035〜約0.40インチ)の厚さまで丸める。シート化生地から、直径約50.8mm(2インチ)の円を切断する。これらの円をステンレス鋼トレイの上に置き、約93℃(200°F)、湿度10%までのラング(Lang)強制空気式オーブンに入れ、水分活性を約0.85未満にして、半製品を製造する。このオーブンは、ワシントン州エバレット(Everett)のラングマニュファクチュアリング社(Lang Manufacturing Co.)製である。
【0107】
この半製品を、ミズーリ州セントルイス(St. Louis)のスター・マニュファクチュアリング・インターナショナル社(Star Manufacturing International, Inc.)製のホルマン・ミニベバー(Holman Minivevor)コンベヤーオーブン(モデル210HX)内でベーキングすることによって完成させる。用いたオーブン条件は、ボトムヒートが7.0の設定、トップヒートが7.5の設定、コンベヤー速度が10分であった。オーブンの中心へと向かう経路の約3分の1の場所、及びコンベヤーベルトの約38.1mm(1.5インチ)上方に配置された補助温度プローブは、上記の条件において、約148.9℃(300°F)のオーブン温度を示した。最終製品は、強いヘーゼルナッツ風味と共に、サクサクした歯ごたえを有すると共に、約0.64の水分活性を有していた。
【0108】
実施例2は、直接ベーキングされたヘーゼルナッツベースのスナックチップである。乾燥成分の全てを台所用ミキシングボウルの中に入れて、ドライミックスを形成し、攪拌用のへらを用いて、約1分間ブレンドする。速度2で攪拌しながら、ドライミックスに水をゆっくり加えて生地を形成する。全ての水を加えた後、引き続き、更に5分間、生地を攪拌した。ドヨンパスタシーター(Doyon Pasta Sheeter)(カナダ、ケベック州(Quebec)のドヨン社(Doyon, Inc.))を用いて、生地をシート化して、約0.89〜1.0mm(0.035〜0.040インチ)の厚さのゲージにした。このシートから、約50.8mm(2インチ)の直径を有する円形を切断し、ステンレス鋼ワイヤーメッシュトレイの上に載せた。このトレイをミドルバイ・マーシャル(Middleby Marshall)モデルPS670(イリノイ州エルジン(Elgin)のミドルバイ社(The Middleby Corporation))という、2つの領域を有する衝突式オーブンのコンベヤーベルトの上に載せた。各領域のオーブン条件は、185℃(365°F)であると共に、チップを1分56秒間ベーキングすることであった。オーブンから出る時のチップ(Chop)の水分は、約9.5%であった。トレイを、107.2℃(225°F)のラング(Lang)強制空気式オーブンに12分間移した。完成したベークドチップは、1.77%の水分を有すると共に、厚さが約1.9mm(0.075インチ)であった。最終製品は、強いヘーゼルナッツ風味及びサクサクした歯ごたえを有すると共に、約0.70の水分活性を有していた。この製品の物理的特性は、1.9N(197gf)のチップ破砕力、及び0.675の密度をもたらした。
【0109】
【表5】

【0110】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく限定されるものとして理解されるべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することを意図されている。例えば、「40mm」として開示した寸法は、「約40mm」を意味することを意図したものである。
【0111】
「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、その関連部分において本明細書に参照により組み込まれ、いかなる文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものと解釈すべきではない。本明細書中の用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文献中の同一の用語の任意の意味又は定義と相反する限りにおいては、本明細書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0112】
本発明の特定の諸実施形態を図示し、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることは当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲に包含されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)脱脂されていない食用ナッツベースの材料を40%〜60%と、
b)他のチップ成分と組合せる前に、押出成形機中で75%〜100%予め糊化されたタピオカを40%〜60%と、
c)水を0.1%〜1.0%と、
d)任意成分を0%〜20%と、
を含むスナックチップであって、
前記スナックチップは、0.4〜1.0g/mLの密度を有し、
前記チップは、20%未満の飽和脂肪油中で揚げられ、
前記チップは、前記風味を覆い隠すトウモロコシ又はジャガイモ粉を含まないスナックチップ。
【請求項2】
前記の食用ナッツベースの材料が、ピーナッツ、ヘーゼルナッツ、ペカン、クルミ、アーモンド、マカデミア、ブラジルナッツ、ヒッコリーナッツ、カシュー、松の実、ピスタチオ、及びこれらの混合物からなる群から選択されるナッツから得られることを特徴とする、請求項1に記載のスナックチップ。
【請求項3】
前記任意成分が、オートミール、果物、野菜、風味増強剤、脂肪及び油、天然甘味料、人工甘味料、非消化性脂肪又は油、ビタミン、ミネラル、食塩、砂糖、バター、人工バター風味料、スパイス風味料、野菜片、およびこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載のスナックチップ。
【請求項4】
前記のナッツベースの材料が、15重量%未満の含水率であることを特徴とする、請求項1に記載のスナックチップ。
【請求項5】
前記スナックチップが、チップ28グラム当たり、5グラム〜15グラムの脂肪を有することを特徴とする、請求項1に記載のスナックチップ。
【請求項6】
前記スナックチップが、チップ28グラム当たり、8グラム未満の脂肪を有することを特徴とする、請求項1に記載のスナックチップ。
【請求項7】
前記スナックチップが、0.4〜0.9g/mLの密度を有することを特徴とする、請求項1に記載に記載のスナックチップ。
【請求項8】
前記スナックチップが、0.4〜0.8g/mLの密度を有することを特徴とする、請求項7に記載のスナックチップ。

【公開番号】特開2012−191959(P2012−191959A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−159014(P2012−159014)
【出願日】平成24年7月17日(2012.7.17)
【分割の表示】特願2010−512835(P2010−512835)の分割
【原出願日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】