説明

栄養補助剤およびそのような補助剤を含む強化食品

本発明は、一定の量または体積を有する食品への添加に適したオリジナルAREDS処方に基づく製剤、およびこのような製剤を含む食品に関する。これらの強化食品は、黄斑変性症または他の加齢性欠損症に苦しんでいる、あるいはそれらが進行する危険性のある患者に、現在市場で入手可能なものの代替品であり、より味の良いオリジナルAREDS処方の成分源を提供できると期待される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、亜鉛、銅、および他の関連する金属イオンと、抗酸化剤とを含む新規なニュートラシューティカル製剤、並びに、そのような製剤を、黄斑変性症の症状の軽減もしくは進行の遅延、および他の加齢性欠損症の予防に有効であると考えられる量で含有する強化食品に関する。
【背景技術】
【0002】
網膜は眼の後ろにある神経細胞の層であり、光はこの神経細胞により脳へ送られる信号に変換される。ヒトおよび他の霊長類では(しかし殆どの他の哺乳類ではそうではないが)、黄斑は、視野の中央に位置する網膜内の小さな黄色味がかった円形の領域である。これは視野中央における高解像度の視力を提供するものであり、良好な視力のために必須のものである。黄斑変性症患者は、しばしば、読む、顔を認識する、運転する、または不慣れな道を安全に歩行するという能力を喪失している。黄斑変性症は、高齢者の間では重度の視力喪失および機能盲の主原因であり、その割合は人口の高齢化や、食習慣が濃緑野菜からより高脂肪食へ移行するにつれて増加しつつある。この病気は、その予防または治療方法も含めて多くの本や記事に記載されている。非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5。
【0003】
黄斑変性症の治療薬が開発され(例えば、血管性加齢黄斑変性症用として米国食品医薬品局から2006年に認可されたルセンティスTM(LucentisTM))、また、開発され続けているものの、この病気の進行を阻止または遅延させるために栄養補助剤を使用することに対する関心は依然として高い。このような関心は、米国国立眼科研究所(US National Eye Institute)が、黄斑変性症および/または白内障を患っている(または、進行の危険性が高い)何千人もの患者を含む大規模な臨床試験を計画し、実行した1990年代に遡る。黄斑変性症および白内障が加齢に関係していることは明らかである。それらの発症率および重篤度は、人々が概ね60歳の年齢を越えると急激に増大し、約50歳未満の人では、眼に影響を及ぼす特定の遺伝子欠陥を有する人々を除けば、殆ど発症することはない。したがって、この臨床試験は「加齢性眼疾患研究」、略してAREDSと呼ばれた。AREDS−2と呼ばれる可能性が高いフォローアップ研究が検討されていることから、1990年代に行われた研究を、ここでは、AREDS−1と呼ぶ。AREDS−1研究では、参加者は、抗酸化剤のみ、亜鉛のみ、抗酸化剤+亜鉛、または何も与えない(対照群)の4つの治療群に分けられた。各治療群の中で、参加者は、研究に参加した時点での眼の健康状態に応じて、4つのカテゴリーに分けられた。最も低い等級のカテゴリー1には、黄斑部に明らかな問題の兆候を有さない人々が属した。最も高い等級のカテゴリー4には、一方の眼は重大な問題があるが、他方の眼は重篤な問題が殆どなく、したがって、補助剤の摂取を開始した後、それに続く減退を観察し測定することができる人々が属した。抗酸化剤の1日の投与量は、ビタミンC500mg、ビタミンE265mgおよびベータ−カロテン15mgであった。「亜鉛」は、貧血防止用の酸化銅の形態の銅2mgと共に、酸化亜鉛の形態で亜鉛80mgを1日量として与えた。
【0004】
AREDS−1の主な結果は、2001年10月発行のArchives of Ophthalmologyの中の2報で発表された。黄斑変性症のデータは非特許文献6で報告され、白内障のデータは非特許文献7で報告された。詳細については非特許文献6を参照されたいが、その結果は、概ね次のように要約することができる。(1)ビタミンA、CおよびEは与えられたが亜鉛は与えられなかった中程度または重度の黄斑変性症の被験患者は、一定のプラスの結果は得られたものの、その指標は統計的に有意な水準に達しなかった。(2)亜鉛は与えられたが抗酸化性ビタミンは与えられなかった中程度または重度の黄斑変性症の被験患者もまた、一定のプラスの結果は得られたものの、その指標は統計的に有意な水準に達しなかった。(3)亜鉛および抗酸化剤の両方が与えられた中程度または重度の黄斑変性症被験患者の第3の組では、統計的に有意な水準に達するプラスの結果が得られた。バーテルズ(Bartels)らによる特許文献1(この特許は、バウシュ・アンド・ロム(Bausch & Lomb)に譲渡されている)では、AREDS−1で試験された組成物に基づくある栄養補助剤を請求している。そのような特許の下、バウシュ・アンド・ロム(Bausch & Lomb)から販売されている製品は、オキュバイト・プリザービジョンTM(OCUVITE PRESERVISIONTM)という名である。アイキャップス・アレッズTM(ICAPS AREDSTM)という名の非常に類似した製剤が、アルコン・ラボラトリーズ(Alcon Laboratories)から販売されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】U.S. Pat. No. 6,660,297
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】D’ Amato R et al, Macular Degeneration: The Latest Scientific Discoveries and Treatments for Preserving Your Sight (Walker & Company, 2000)
【非特許文献2】Lim JI, editor, Age-Related Macular Degeneration (Marcel Dekker, 2002)
【非特許文献3】Byrne S et al, “Current concepts and recent advances in the management of age-related macular degeneration,” Ir J Med Sci 2003 October-December; 172(4): 185-90
【非特許文献4】Blodi BA, “Nutritional supplements in the prevention of age-related macular degeneration,” Insight 2004 January-March; 29(1): 15-6
【非特許文献5】Zarbin MA, “Current concepts in the pathogenesis of age-related macular degeneration,” Arch Ophthalmol 2004 April; 122(4): 598-614
【非特許文献6】AREDS Report Number 8 (Arch Ophthalmol 119: 1417-1436)
【非特許文献7】AREDS Report Number 9 (Arch Ophthalmol 119: 1439-1452)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
亜鉛、ならびにビタミンCおよびEの用量が非常に高いことに対する安全性が疑問視されてきている。現在の製剤は、潜在的に危険性を有する亜鉛および抗酸化剤を過剰な濃度で提供していることに加え、主としてピルまたはゲルカプセルの形態、すなわち薬剤の典型的な形で提供されている。したがって、これらの栄養補助剤は、典型的な薬剤と同じ問題、すなわち患者の薬剤服用遵守が不十分であるという問題を抱えている。この問題を軽減するため、本発明者らは、関係する補助剤混合物を、チョコレート(最も要望の高い食品であろう)などの食品として処方した。この取り組みの過程で、非固体状態での補助剤混合物の酸化に対する不安定性と、補助剤混合物の食品中における固有の不快な味と分布の不均一性に関する問題を解決する必要が生じた。本発明は、新規の補助剤混合物およびそのような補助剤混合物を含有する新規の食品に関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、一定の量または体積を有する食品への添加に適した原AREDS処方に基づく製剤に関する。一定の量または体積は、単位ともいい、本製剤の期待される健康効果を得るために、黄斑変性症患者またはこの病気が進行する危険性を有している患者により毎日摂取されるべき、強化食品の量または体積に関するものである。毎日摂取するための製剤は、脂肪酸またはエチルエステルの形態で90〜2000mgのビタミンC、15〜1000mgのビタミンE、脂肪酸塩の形態で11〜40mgの亜鉛、脂肪酸塩の形態で0.9〜10mgの銅、および1〜25mgのルテインを含む。示したビタミンCの量は非エステル化アスコルビン酸の量である。同様に、亜鉛および銅(および他の金属)について示した量は、亜鉛および銅(および金属)の元素の量であることを意味する。より好ましい製剤は、脂肪酸またはエチルエステルの形態で200〜600mgのビタミンC、150〜400mgのビタミンE、脂肪酸塩の形態で11〜40mgの亜鉛、脂肪酸塩の形態で0.9〜2.0mgの銅、および1〜15mgのルテインを含む。ビタミンCは、これらの製剤中に、エチル、パルミチル、ラウリル、ココイル、オレイルまたはステアリルエステルの形態で添加することができる。亜鉛および銅はそれぞれ、パルミチン酸塩、ラウリン酸塩、ヤシ油脂肪酸塩、オレイン酸塩またはステアリン酸塩として添加することができる。好ましくは、ビタミンCのパルミチン酸エステルであり、亜鉛および銅のパルミチン酸塩である。最も好ましい製剤は、パルミチルエステルとして500mgのビタミンC、265mgのビタミンE、パルミチン酸塩の形態で25mgの亜鉛、パルミチン酸塩の形態で1mgの銅、および2mgのルテインを含む。上記製剤はいずれも、ビタミンAパルミテート(20〜40mg)またはベータ−カロテン(10〜30mg)、オメガ−3−脂肪酸トリグリセリド(50〜200mg)、L−カルニチン(25〜100mg)、パルミチン酸セレン(50〜250mcg)およびゼアキサンチン(5〜25mg)からなる群から選択される1つまたはそれ以上の追加化合物が添加されてもよい。元素およびビタミンを追加した関連製剤は、500mgのビタミンCパルミテート、20mgのビタミンAパルミテート、265mgのビタミンD、60mgのビタミンE、25mcgのビタミンK、6mgのビタミンB6、25mcgのビタミンB12、4.5mgのチアミン、5mgのリボフラビン、40mgのナイアシン、0.5mgの葉酸、50mcgのビオチン、10mgのパントテン酸、0.15mgのヨウ素、100mgのレシチン、0.15mgのホウ素、2mgのステアリン酸カルシウム、100mgのステアリン酸マグネシウム、25mgのステアリン酸亜鉛、2mgのステアリン酸銅、0.1mgのステアリン酸セレン、5mgのステアリン酸マンガン、0.3mgのステアリン酸クロム、0.1mgのステアリン酸モリブデン、10mcgのステアリン酸ニッケル、20mcgのステアリン酸バナジウム、10mgのステアリン酸シリコン、0.5mgのルテイン、0.5mgのゼアキサンチン、0.2mgのリコペン、50mgのL−カルニチン、および25mgのタウリンを含む。上記製剤では、示された量はそれぞれ元素化合物および非エステル化ビタミンに関するものである。
【0009】
別の一実施態様では、本発明は毎日の摂取を意図した強化食品単位であって、脂肪酸またはエチルエステルの形態で90〜2000mgの添加ビタミンC、15〜1000mgの添加ビタミンE、脂肪酸塩の形態で11〜40mgの添加亜鉛、脂肪酸塩の形態で0.9〜10mgの添加銅、および1〜25mgの添加ルテインを含む強化食品単位に関する。適切な液体食品は、ミルクおよびヨーグルトであり、適切な半固体食品は、チョコレート、バターおよびマーガリンである。強化食品調製のベースとして使用し得る他の食品としては、クリーム、アイスクリーム、シリアルバーなどがある。1単位当たり、脂肪酸またはエチルエステルの形態で200〜600mgの添加ビタミンC、150〜400mgの添加ビタミンE、脂肪酸塩の形態で11〜40mgの添加亜鉛、脂肪酸塩の形態で0.9〜2.0mgの添加銅、および1〜15mgの添加ルテインを含む、毎日摂取の強化食品がより好ましい。ビタミンCは、エチル、パルミチル、ココイル、ラウリル、オレイルまたはステアリルエステルの形態で添加することができる。亜鉛および銅はそれぞれ、パルミチン酸塩、ヤシ油脂肪酸塩、ラウリン酸塩、オレイン酸塩またはステアリン酸塩として添加することができる。好ましくは、ビタミンCのパルミチン酸エステルであり、亜鉛および銅のパルミチン酸塩である。1単位当たり、パルミチルエステルとして500mgのビタミンC、265mgのビタミンE、パルミチン酸塩の形態で25mgの亜鉛、パルミチン酸塩の形態で1mgの銅、および2mgのルテインが添加された毎日摂取の強化食品が最も好ましい。上記食品はいずれも、ビタミンAパルミテート(20〜40mg)またはベータ−カロテン(10〜30mg)、オメガ−3−脂肪酸トリグリセリド(50〜200mg)、L−カルニチン(25〜100mg)、パルミチン酸セレン(50〜250mcg)およびゼアキサンチン(5〜25mg)からなる群から選択される1つまたはそれ以上の追加化合物がさらに添加されてもよい。追加した元素およびビタミンを含む関連強化食品は、1単位当たり、500mgのビタミンCパルミテート、20mgのビタミンAパルミテート、265mgのビタミンD、60mgのビタミンE、25mcgのビタミンK、6mgのビタミンB6、25mcgのビタミンB12、4.5mgのチアミン、5mgのリボフラビン、40mgのナイアシン、0.5mgの葉酸、50mcgのビオチン、10mgのパントテン酸、0.15mgのヨウ素、100mgのレシチン、0.15mgのホウ素、2mgのステアリン酸カルシウム、100mgのステアリン酸マグネシウム、25mgのステアリン酸亜鉛、2mgのステアリン酸銅、0.1mgのステアリン酸セレン、5mgのステアリン酸マンガン、0.3mgのステアリン酸クロム、0.1mgのステアリン酸モリブデン、10mcgのステアリン酸ニッケル、20mcgのステアリン酸バナジウム、10mgのステアリン酸シリコン、0.5mgのルテイン、0.5mgのゼアキサンチン、0.2mgのリコペン、50mgのL−カルニチン、および25mgのタウリンを含む。上記処方では、示された量はそれぞれ元素化合物および非エステル化ビタミンに関するものである。
【0010】
好ましい特定の一実施態様は、毎日の摂取を意図した一チョコレート単位、または複数のチョコレート単位であって、各単位が、脂肪酸またはエチルエステル形態で90〜2000mgの添加ビタミンC、15〜1000mgの添加ビタミンE、脂肪酸塩の形態で11〜40mgの添加亜鉛、脂肪酸塩の形態で0.9〜10mgの添加銅、および1〜25mgの添加ルテインを含むチョコレート単位に関する。各単位が、脂肪酸またはエチルエステルの形態で200〜600mgの添加ビタミンC、150〜400mgの添加ビタミンE、脂肪酸塩の形態で11〜40mgの添加亜鉛、脂肪酸塩の形態で0.9〜2.0mgの添加銅、および1〜15mgの添加ルテインを含む、一チョコレート単位、または複数のチョコレート単位がより好ましい。ビタミンCは、エチル、パルミチル、ココイル、ラウリル、オレイルまたはステアリルエステルの形態で添加することができる。亜鉛および銅はそれぞれ、パルミチン酸塩、ヤシ油脂肪酸塩、ラウリン酸塩、オレイン酸塩またはステアリン酸塩として添加することができる。好ましくは、ビタミンCのパルミチン酸エステルであり、亜鉛および銅のパルミチン酸塩である。各単位が、パルミチルエステルとして500mgのビタミンC、265mgのビタミンE、パルミチン酸塩の形態で25mgの亜鉛、パルミチン酸塩の形態で1mgの銅、および2mgのルテインが添加された、毎日摂取の一チョコレート単位、または複数のチョコレート単位が最も好ましい。上述のチョコレート単位はいずれも、ビタミンAパルミテート(20〜40mg)またはベータ−カロテン(10〜30mg)、オメガ−3−脂肪酸トリグリセリド(50〜200mg)、L−カルニチン(25〜100mg)、パルミチン酸セレン(50〜250mcg)およびゼアキサンチン(5〜25mg)からなる群から選択される1つまたはそれ以上の追加化合物がさらに添加されてもよい。追加した元素およびビタミンを含む毎日の摂取を意図した関連チョコレート単位は、500mgのビタミンCパルミテート、20mgのビタミンAパルミテート、265mgのビタミンD、60mgのビタミンE、25mcgのビタミンK、6mgのビタミンB6、25mcgのビタミンB12、4.5mgのチアミン、5mgのリボフラビン、40mgのナイアシン、0.5mgの葉酸、50mcgのビオチン、10mgのパントテン酸、0.15mgのヨウ素、100mgのレシチン、0.15mgのホウ素、2mgのステアリン酸カルシウム、100mgのステアリン酸マグネシウム、25mgのステアリン酸亜鉛、2mgのステアリン酸銅、0.1mgのステアリン酸セレン、5mgのステアリン酸マンガン、0.3mgのステアリン酸クロム、0.1mgのステアリン酸モリブデン、10mcgのステアリン酸ニッケル、20mcgのステアリン酸バナジウム、10mgのステアリン酸シリコン、0.5mgのルテイン、0.5mgのゼアキサンチン、0.2mgのリコペン、50mgのL−カルニチン、および25mgのタウリンを含む。上記処方では、与えられた量はそれぞれ元素化合物および非エステル化ビタミンに関するものである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、高齢者における黄斑変性症および他の加齢性欠損症の進行の抑制または予防に有効と考えられる亜鉛と抗酸化剤の混合物の新規な投与形態に関する。この考えは、先に論じたAREDS−1の研究結果に基づくものである。市販の栄養補助剤はピルまたはゲルカプセルであり、これらは、多くの処方薬および非処方薬と同様に患者の薬剤服用遵守が不十分であるという問題を抱えた製剤である。栄養補助剤の医学的効果を最大限に発揮するには適量の摂取が前提であると考えられる。本発明者らは、非常に魅力的で切望すらされる食品であって、かつ、混合物成分に伴う特有の不快な味(例えば、ビタミンCの酸味や重金属イオンのヒリヒリする苦味など)がせず、同時に、成分の分布が不均一であることに起因する特有の質感(例えば、不溶性の金属酸化物などの窪みからくる質感など)も有さない食品に、栄養補助剤を混入するならば、患者ははるかに遵守しやすくなると考える。
【0012】
前述したように、AREDS−1の研究で毎日投与された栄養混合物には、500mgのビタミンC、265mgのビタミンE、15mgのベータ−カロテン、酸化亜鉛の形態で80mgの亜鉛、酸化銅の形態で2mgの銅が含まれていた。AREDS Report Number 8。亜鉛および抗酸化剤は、黄斑変性症の進行を抑える処方における活性成分であると考えられている。銅は必須の微量金属である。銅の不足により、貧血、血管および心臓破裂などの心臓異常、EKG異常、並びに、血清コレステロール、トリグリセリドおよびグルコース値の上昇が起こる。食事から摂るわずかな量の銅がヒトの中で尽きると心臓疾患に繋がると考えられている。大人で明らかな症状が見られることは稀であるが、長期に欠乏した場合、または定期的に亜鉛補助剤を摂取している人に現れることがある。亜鉛は銅の状態を還元させることが知られている。ビタミンC補助剤の摂取もまた銅の状態を減少させる。ラットでは、ビタミンCの大量投与により銅欠乏が引き起こされる。したがって、亜鉛およびビタミンCをともに高濃度で含むAREDS処方では、銅の欠乏を防ぐために銅が添加されている。
【0013】
現在、市販されている栄養補助剤では、AREDS処方の成分が固体の形態で含まれている。化学物質が水を含む組成物の食品に加えられると、直ちに化学物質間の相互作用が起きるであろう。特にビタミンCは、銅イオンを、食品の添加物として好ましくない(特に、濃縮された形態で存在する場合)、元素の金属銅へ還元する抗酸化剤である。さらに、金属銅は、AREDS処方で要求される銅イオンとは異なるイオン状態にある。特に重要なのは、金属銅が体内に吸収されないことであろう。腸内で吸収させるためには、銅イオンは腸粘膜中に存在するキャリアタンパク質と結合する必要がある。これらのキャリアタンパク質、すなわちリガンドは、腸壁のより深部に存在するより大きい別のキャリアタンパク質に銅イオンを渡す。さらに数工程を経た後、全ての条件が整ったなら、イオンは最終的に腸壁の反対側、すなわち、血流中に放出され、生命体の細胞に利用可能となる。鉄イオンおよびヨウ素も、水性環境ではビタミンCにより還元されるであろう。
【0014】
さらに、AREDS処方に存在する原化合物が食品に加えられると、ビタミンCによりその食品に嫌な味が付く。亜鉛および銅酸化物は、重く、かつ実質的に水に不溶であり、このため、食品中に均一に分布させることが困難である。
【0015】
本発明の発明者らは、驚いたことに、水性環境において銅の脂肪酸塩がビタミンCにより還元されないことを見出した。さらに、銅イオンはビタミンCの脂肪酸エステルまたはエチルエステルにより還元されなかった。こうした観察が、AREDS処方で意図された酸化状態でその処方の必須成分を含む液体食品(例えば、ミルク、ヨーグルトなど)および半固体食品(例えば、チョコレート、クリーム、バター、マーガリン、アイスクリーム、シリアルバーなど)を創出する基となった。
【0016】
脂肪酸エステルの形態でビタミンCを使用することにより、ビタミンCにより好ましくない味が食品に付くという問題が解決した。銅および亜鉛の脂肪酸塩には味がないことがわかった。銅および亜鉛酸化物とは対照的に、銅および亜鉛の脂肪酸塩は液体および半固体の食品に容易に分散する。それらは、チョコレートなどの親油性の高い食品に特に良好に分散する。
【0017】
ビタミンCおよびEを非常に大量に服用するのは、安全でない可能性がある。例えば、研究は、更年期後の冠動脈疾患の女性はビタミンCまたはEを大量服用すべきでないことを示した。近年、ベータ−カロテンがヒトの眼の黄斑に沈積しないことが明らかとなった。したがって、ベータ−カロテンの大量服用が、黄斑変性症に対する実質的な効果または予防を現実的に約束するものではないというコンセンサスが、眼および視力の研究者らの間で得られてきている。さらに、ベータ−カロテンは、異常に高濃度の酸素が存在すると、実際にその抗酸化性を反転させ、酸化促進剤となる(例えば、Burton, G.W. et al. “Beta-carotene: An unusual type of lipid antioxidant,” Science 224: 569-573 (1984))。そのような酸素濃度は、殆どの体組織および体液中には存在しない。しかしながら、肺は吸い込んだ大気中の酸素と直接相互作用するので、肺組織中ではベータ−カロテンは有益な抗酸化剤ではなく有害な酸化促進剤として作用する可能性がある。高酸素濃度で有害な酸化促進作用を示すことの明らかな結果として、ベータ−カロテンの大量服用が、有益かつ予防的であるどころか、喫煙者の肺癌の危険性を実際に増大させることが、大規模な臨床試験によって確認された。これは喫煙者では明らかにかつ間違いなく起こり、非喫煙者でもより少ない程度ではあっても起こる可能性がある。したがって、バーテルズ(Bartels)らの'297 patentには、AREDS−1で試験した抗酸化剤の組み合わせからベータ−カロテンを除くことができ、網膜中に実際に存在する別の2種のカロテノイドであるルテインおよびゼアキサンチンの一方または両方により代替できることが明確に記載された。AREDS−1では、亜鉛イオンは酸化亜鉛として投与された。この試験で使用された用量は80mg/日の酸化亜鉛であったと考えられる。しかしながら、発表されたAREDS報告書では、「亜鉛、80mg、酸化亜鉛として」と記載されている。これにより、「80mg」の用量が、亜鉛元素(分子量65.4)を指すのか、それとも酸化亜鉛(分子量81.4)を指すのかという疑問が生じる。現在の亜鉛元素の「1日当たりの推奨摂取量(Recommended Daily Allowance)」値(RDAと略記;2001年に米国食品栄養委員会(U.S.Food and Nutrition Board)(米国医学研究所(Institute of Medicine)の1部)から発表)は、成人女性で1日当たり8ミリグラムであり、成人男性で1日当たり11ミリグラムである。したがって、他の食事からのものを考慮せず、オキュバイト・プレザービジョン(OCUVITE PRESERVISION)ピルのみからの69.6mgという亜鉛元素の1日当たりの用量は、実際のところ、女性のRDAの870%であり、男性のRDAの633%である。RDA値の他にも、最近、米国医学研究所(Institute of Medicine)は、様々な栄養素に対する「許容上限摂取量(Tolerable Upper Intake Levels)」を採択し、発表した。亜鉛に関しては、「許容上限摂取量(Tolerable Upper Intake Levels)」は2001年に男女とも40mg/日に設定された。したがって、オキュバイト・プレザービジョン(OCUVITE PRESERVISION)中の亜鉛の量はそれだけで、米国医学研究所(Institute of Medicine)により設定された「許容上限摂取量(Tolerable Upper Intake Levels)」(UL)のほぼ2倍のようであり、食事で摂取する追加の亜鉛も考慮すれば、過剰分はさらに大きくなる。ギーヤハート(Gierhart)らによるU.S. Pat. Publ. No. 20060039954に記載されているように、亜鉛の超過剰の服用が、全ての高齢の摂取者の間でというのではないが、重大な懸念を引き起こすのに十分な数の人々の間で、重大な危険を招くおそれがあることを示唆する出版物が数多く存在する。特定の3つの懸念事項は神経学に関係している。第1は、アルツハイマー病およびベータ−アミロイド斑に関する。第2の懸念事項は、脳卒中、心停止、または脳を襲う他の危機の後で起こる脳の重篤な損傷および不治の障害に関する。第3の懸念は、亜鉛を大量投与された動物に見られる認識障害に関する。亜鉛の大量摂取は、また、中高年の男性の前立腺癌の引き金となったり、あるいはその進行を促進させたりするおそれがある。さらに、亜鉛は、「ドルーゼン」と呼ばれるヒトの網膜に生じる望ましくない沈着物の中に高濃度で発見されている。この観察は、多量の亜鉛の摂取が、その望ましくない沈着物(網膜を剥離させ視力に障害を与えるおそれがある)の形成および成長を加速する可能性があることを示唆するものである。上記の危険性が、AREDS−1を計画し実行した人々、あるいは、現在、黄斑変性症の予防もしくは治療用として高用量の亜鉛を含む製剤を高齢摂取者に販売している会社に、認識または考慮されていなかったことは明らかである。黄斑変性症の予防もしくは治療用として高齢摂取者に提供する将来の製剤では、亜鉛、ビタミンCおよびビタミンEはUL値を越えない量とすべきであり、かつベータ−カロテンに代えてルテインまたはゼアキサンチンを含むべきであることが論じられている。U.S. Pat. Publ. No. 20060039954に記載されているように、恒常性原理を適用し、限界効用を低減させれば、亜鉛とビタミンCおよびEの用量をそのように低減させても、眼に対する製剤の効能が顕著に低下することはないであろうし、また、ベータ−カロテンをルテインまたはゼアキサンチンで代替させることによってその効果は増すであろう。
【0018】
本発明は、大人が毎日摂取する製剤であって、
(a)パルミチルエステルとして90〜2000mgのビタミンC、
(b)15〜1000mgのビタミンE、
(c)パルミチン酸塩として11〜40mgの亜鉛、
(d)パルミチン酸塩として0.9〜10mgの銅、および
(e)1〜25mgのルテイン
を含む製剤に関する。
【0019】
これらの製剤は、混合物として、個々の成分として、または、成分の2つもしくはそれ以上の混合物として、食品に添加することができる。
【0020】
好ましい製剤は、
(a)パルミチルエステルとして200〜600mgのビタミンC、
(b)150〜400mgのビタミンE、
(c)パルミチン酸塩として11〜40mgの亜鉛、
(d)パルミチン酸塩として0.9〜2mgの銅、および
(e)1〜15mgのルテイン
を含む。
【0021】
これらの製剤には、さらに、1つもしくはそれ以上の次の成分(1日量)を添加することができる。
(f)20〜40mgのビタミンAパルミテートまたは10〜30mgのベータ−カロテン、
(g)50〜200mgのオメガ−3−脂肪酸−トリグリセリド、
(h)25〜100mgのカルニチン
(i)50〜250mcgのパリミチン酸セレン、および
(j)5〜25mgのゼアキサンチン。
【0022】
最も好ましい製剤は、
(a)パルミチルエステルとして500mgのビタミンC、
(b)265mgのビタミンE、
(c)パルミチン酸塩として25mgの亜鉛、
(d)パルミチン酸塩として1mgの銅、および
(e)2mgのルテイン
を含み、
かつ、さらに、1つもしくはそれ以上の次の成分を添加することができる:
(f)20〜40mgのビタミンAパルミテートまたは10〜30mgのベータ−カロテン、
(g)50〜200mgのオメガ−3−脂肪酸−トリグリセリド、
(h)25〜100mgのカルニチン
(i)50〜250mcgのパリミチン酸セレン、および
(j)5〜25mgのゼアキサンチン。
【0023】
上記製剤においては、ビタミンCパルミテートを、ビタミンCのエチル、ラウリル、ココイル、オレイルまたはステアリルエステルで置換することができる。さらに、亜鉛、銅、セレンおよび他の重金属イオンのパルミチン酸塩に代えて、ラウリン酸塩、ヤシ油脂肪酸塩、オレイン酸塩またはステアリン酸塩を使用することができる。
【0024】
本発明のより完全な栄養補助剤は、
(a)500mgのビタミンC−パルミテート、
(b)20mgのビタミンA−パルミテート、
(c)265mgのビタミンD、
(d)60mgのビタミンE、
(e)25mcgのビタミンK、
(f)6mgのビタミンB6、
(g)25mgのビタミンB12、
(h)4.5mgのチアミン、
(i)5mgのリボフラビン、
(j)40mgのナイアシン、
(k)500mcgの葉酸、
(l)50mcgのビオチン、
(m)10mgのパントテン酸、
(n)150mcgのヨウ素、
(o)100mgのレシチン、
(p)150mcgのホウ素、
(q)2mgのステアリン酸カルシウム、
(r)100mgのステアリン酸マグネシウム、
(s)25mgのステアリン酸亜鉛、
(t)2mgのステアリン酸銅、
(u)100mcgのステアリン酸セレン、
(v)5mgのマンガンステアレート、
(w)300mcgのステアリン酸クロム、
(x)100mcgのステアリン酸モリブデン、
(y)10mcgのステアリン酸ニッケル、
(z)20mcgのステアリン酸バナジウム、
(aa)10mgのステアリン酸シリコン、
(bb)500mcgのルテイン、
(cc)500mcgのゼアキサンチン、
(dd)0.2mgのリコペン、
(ee)50mgのL−カルニチン、および
(ff)25mgのタウリン
を含む。
【0025】
ここでも、パルミテート、エチル、ラウリル、ココイル、オレイル、またはステアリルエステルは互いに交換して使用することができる。同様のことが、パルミチン酸塩、ラウリン酸塩、ヤシ油脂肪酸塩、オレイン酸塩またはステアリン酸塩に適用することができる。
【0026】
本発明は、また、1日に摂取される量または体積(この量または体積を1単位という)の食品において、
(a)パルミチルエステルとして90〜2000mgのビタミンC、
(b)15〜1000mgのビタミンE、
(c)パルミチン酸塩として11〜40mgの亜鉛、
(d)パルミチン酸塩として0.9〜10mgの銅、および
(e)1〜25mgのルテイン
で強化された食品、
より好ましくは、
(a)パルミチルエステルとして200〜600mgのビタミンC、
(b)150〜400mgのビタミンE、
(c)パルミチン酸塩として11〜40mgの亜鉛、
(d)パルミチン酸塩として0.9〜2mgの銅、および
(e)1〜15mgのルテイン
で強化され、
場合により、次の成分
(f)20〜40mgのビタミンAパルミテートまたは10〜30mgのベータ−カロテン、
(g)50〜200mgのオメガ−3−脂肪酸−トリグリセリド、
(h)25〜100mgのカルニチン、
(i)50〜250mcgのパルミチン酸セレン、および
(j)5〜25mgのゼアキサンチン
の1つまたはそれ以上が添加された食品、並びに
特に好ましくは、
(a)パルミチルエステルとして500mgのビタミンC、
(b)265mgのビタミンE、
(c)パルミチン酸塩として25mgの亜鉛、
(d)パルミチン酸塩として1mgの銅、および
(e)2mgのルテイン
で強化され、
場合により、次の成分
(f)20〜40mgのビタミンAパルミテートまたは10〜30mgのベータ−カロテン、
(g)50〜200mgのオメガ−3−脂肪酸−トリグリセリド、
(h)25〜100mgのカルニチン
(i)50〜250mcgのパルミチン酸セレン、および
(j)5〜25mgのゼアキサンチン
の1つまたはそれ以上が添加された食品に関する。
【0027】
ビタミンCパルミテートは、ビタミンCのエチル、ラウリル、ココイル、オレイルまたはステアリルエステルで置き換えることができる。さらに、亜鉛、銅およびセレンのパルミチン酸塩に代えて、ラウリン酸塩、ヤシ油脂肪酸塩、オレイン酸塩またはステアリン酸塩を使用することができる。
【0028】
本発明の食品はまた、
(a)500mgのビタミンC−パルミテート、
(b)20mgのビタミンA−パルミテート、
(c)265mgのビタミンD、
(d)60mgのビタミンE、
(e)25mcgのビタミンK、
(f)6mgのビタミンB6、
(g)25mgのビタミンB12、
(h)4.5mgのチアミン、
(i)5mgのリボフラビン、
(j)40mgのナイアシン、
(k)500mcgの葉酸、
(l)50mcgのビオチン、
(m)10mgのパントテン酸、
(n)150mcgのヨウ素、
(o)100mgのレシチン、
(p)150mcgのホウ素、
(q)2mgのステアリン酸カルシウム、
(r)100mgのステアリン酸マグネシウム、
(s)25mgのステアリン酸亜鉛、
(t)2mgのステアリン酸銅、
(u)100mcgのステアリン酸セレン、
(v)5mgのステアリン酸マンガン、
(w)300mcgのステアリン酸クロム、
(x)100mcgのステアリン酸モリブデン、
(y)10mcgのステアリン酸ニッケル、
(z)20mcgのステアリン酸バナジウム、
(aa)10mgのステアリン酸シリコン、
(bb)500mcgのルテイン、
(cc)500mcgのゼアキサンチン、
(dd)0.2mgのリコペン、
(ee)50mgのL−カルニチン、および
(ff)25mgのタウリン
を含む本発明のより完全な栄養補助剤で強化することができる。
【0029】
本発明の製剤を添加するのに好ましい食品はチョコレートである。チョコレートは、最も好まれている食品であるだけでなく、それらは抗酸化剤として機能する高濃度のフラボノイドおよび他のポリフェノールも含有している。これらの抗酸化剤は加齢性神経変性疾患に対する予防効果を有している可能性がある。
【0030】
チョコレートはカカオ豆からの製品であり、数千年にわたって種々の形態で作られ、消費されてきた。チョコレートを作るには、熱帯性カカオの木(テオブロマカカオ)の鞘から収穫したカカオ豆を数日間発酵させる。乾燥後、豆を焙煎し、等級別に分け、粉砕する。得られたチョコレートリカーから、圧搾により、またはブロマプロセス(Broma process)、すなわち、粉砕したカカオ豆の袋を暖かい部屋に吊るすことによって、カカオバターを除去する。ココアバターは滴り落ちるので、それを回収する。この技術は、今では、米国のココアおよびチョコレートの一般的な製造方法となっている。カカオバターを除去した後の残渣はココアパウダーとして知られている。
【0031】
異なるタイプのチョコレートまたはクーベルチュールを作るために、チョコレートリカーはバターと種々の量でブレンドされる。成分の基本的なブレンドは、ココアリカーの量が最も多いものを最初にした順で、以下のようである(米国のチョコレートでは、ダークチョコレートに要求されるココアリカーの割合が低いため、ダークチョコレートの中には砂糖が第一成分になるものがあることに注意されたい)。
(a)プレーンダークチョコレート:砂糖、ココアバター、ココアリカーおよび(しばしば)バニラ
(b)ミルクチョコレート:砂糖、ココアバター、ココアリカー、ミルクまたはミルクパウダー、およびバニラ
(c)ホワイトチョコレート:砂糖、ココアバター、ミルクまたはミルクパウダー、およびバニラ
【0032】
最高級のプレーンダークチョコレートクーベルチュールは、少なくとも70%のココア(固体+バター)を含有しており、ミルクチョコレートは含有量が通常50%以下である。高級ホワイトチョコレートクーベルチュールは、僅かに約33%のココアを含有するにすぎない。
【0033】
質感を改善するために、大豆レシチンなどの乳化剤が加えられる。今日では、ヒマシ油から誘導される合成乳化剤であるポリグリセロールポリリシノレートを使用している製造者もいる。質感はまた加工法、特にコンチング(下記を参照)により大きく影響される。高価なチョコレートほど長時間の加工が行われ、したがって、乳化剤の添加の有無にかかわらず、より滑らかな質感および舌の「感覚」を有している。
【0034】
最後から2番目の工程はコンチングと呼ばれる。コンチは研磨剤として作用する金属ビーズを充填した容器である。精製しブレンドされたチョコレートマスは、摩擦熱により液状に保たれる。コンチング工程は舌が検知できるよりも微細なココアおよび砂糖粒子を作り出し、したがって、口中で滑らかな感触が得られる。コンチング工程の長さにより、チョコレートの最終的な滑らかさと品質が決まる。高級チョコレートは約72時間コンチングされ、グレードの比較的低いものは約4時間から6時間である。工程が完了した後、チョコレートマスは約45〜50℃(113〜122°F)に加熱されたタンクで最終工程まで貯蔵される。最終工程はテンパリングと呼ばれる。ココアバターを非制御下で結晶化させると、一般に、種々のサイズの結晶が生じ、その一部または全部は裸眼で明瞭に見られる程度の大きさである。これが原因で、チョコレートの表面はまだらで光沢のない外観を呈し、かつ割ったときにポキッと綺麗に折れず、粉々に崩れてしまう。適切に加工されたチョコレートの均一な光沢とパリパリとした歯ごたえは、テンパリング工程で生成されたココアバターの一貫して微小な結晶によるものである。
【0035】
ココアバター中の脂肪は6つの異なる形で結晶化し得る(多形結晶化)。テンパリングの第1の目的は、最良の形のもののみが確実に存在するようにすることである。6種の異なる結晶形は異なる特性を有する。
【0036】
【表1】

【0037】
良質なチョコレートの製造は、大部分、タイプVの結晶を生成させることであるといえる。これにより、最良の外観と口中の感触が得られ、かつ最も安定な結晶が作られ、その結果、時間がたっても質感と外観は損なわれないであろう。これを達成するために、結晶化工程における温度を注意深く調節する。6種の形の結晶を全て溶融させるために、まず、チョコレートを45℃(113°F)に加熱する。その後、チョコレートを約27℃(80°F)まで冷却する。これにより、タイプIVおよびVの結晶が生成される(VIは生成に長時間を要する)。この温度でチョコレートを攪拌し、チョコレート内で微小な結晶が生じさせる核となる多くの微小な結晶の「種」を生成させる。その後、チョコレートを約31℃(88°F)まで加熱し、タイプIVの結晶を消滅させ、タイプVのみを残す。この時点以降、チョコレートを過剰に加熱するとテンパリングは失敗するので、このプロセスを繰り返さなければならない。チョコレートをテンパリングする2つの標準的な方法は、次の通りである。
(1)粘度の上昇によって十分な量の結晶の「種」の存在が示されるまで、溶融チョコレートを石板などの吸熱性の表面上で捏ね、その後、所定の温度までチョコレートをゆっくり加熱する。
(2)固体チョコレートを攪拌して溶融チョコレートとし、この液体チョコレートに結晶を「接種」する(この方法は既に生成した固体チョコレートの結晶を使用して溶融チョコレートに「種を植える」ものである)。
【0038】
チョコレート製造のいろいろな段階で、本発明の製剤をチョコレートに加えることができる。あるいは、最終チョコレート製品を注意深く溶融し、本発明の製剤を加えることもできる。
【0039】
したがって、本発明はまた、1日に食される量(ここでは、この量を単位と称する)の中に、
(f)パルミチルエステルとして90〜2000mgのビタミンC、
(g)15〜1000mgのビタミンE、
(h)パルミチン酸塩として11〜40mgの亜鉛、
(i)パルミチン酸塩として0.9〜10mgの銅、および
(j)1〜25mgのルテイン
が強化されたチョコレート、
より好ましくは、
(k)パルミチルエステルとして200〜600mgのビタミンC、
(l)150〜400mgのビタミンE、
(m)パルミチン酸塩として11〜40mgの亜鉛、
(n)パルミチン酸塩として0.9〜2mgの銅、および
(o)1〜15mgのルテイン
が強化され、
場合により、次の成分
(p)20〜40mgのビタミンAパルミテートまたは10〜30mgのベータ−カロテン、
(q)50〜200mgのオメガ−3−脂肪酸−トリグリセリド、
(r)25〜100mgのカルニチン
(s)50〜250mcgのパルミチン酸セレン、および
(t)5〜25mgのゼアキサンチン
の1つまたはそれ以上が添加されたチョコレート、並びに
最も好ましくは、
(k)パルミチルエステルとして500mgのビタミンC、
(l)265mgのビタミンE、
(m)パルミチン酸塩として25mgの亜鉛、
(n)パルミチン酸塩として1mgの銅、および
(o)2mgのルテイン
が強化され、
場合により、
(p)20〜40mgのビタミンAパルミテートまたは10〜30mgのベータ−カロテン、
(q)50〜200mgのオメガ−3−脂肪酸−トリグリセリド、
(r)25〜100mgのカルニチン
(s)50〜250mcgのパルミチン酸セレン、および
(t)5〜25mgのゼアキサンチン
の1つまたはそれ以上が添加されたチョコレートに関する。
【0040】
ビタミンCパルミテートは、ビタミンCのエチル、ラウリル、ココイル、オレイルまたはステアリルエステルで置き換えることができる。さらに、亜鉛、銅およびセレンのパルミチン酸塩に代えて、ラウリン酸塩、ヤシ油脂肪酸塩、オレイン酸塩またはステアリン酸塩を使用することができる。
【0041】
本発明のチョコレート単位もまた、
(a)500mgのビタミンC−パルミテート、
(b)20mgのビタミンA−パルミテート、
(c)265mgのビタミンD、
(d)60mgのビタミンE、
(e)25mcgのビタミンK、
(f)6mgのビタミンB6、
(g)25mgのビタミンB12、
(h)4.5mgのチアミン、
(i)5mgのリボフラビン、
(j)40mgのナイアシン、
(k)500mcgの葉酸、
(l)50mcgのビオチン、
(m)10mgのパントテン酸、
(n)150mcgのヨウ素、
(o)100mgのレシチン、
(p)150mcgのホウ素、
(q)2mgのステアリン酸カルシウム、
(r)100mgのステアリン酸マグネシウム、
(s)25mgのステアリン酸亜鉛、
(t)2mgのステアリン酸銅、
(u)100mcgのステアリン酸セレン、
(v)5mgのステアリン酸マンガン、
(w)300mcgのステアリン酸クロム、
(x)100mcgのステアリン酸モリブデン、
(y)10mcgのステアリン酸ニッケル、
(z)20mcgのステアリン酸バナジウム、
(aa)10mgのステアリン酸シリコン、
(bb)500mcgのルテイン、
(cc)500mcgのゼアキサンチン、
(dd)0.2mgのリコペン、
(ee)50mgのL−カルニチン、および
(ff)25mgのタウリン
を含む本発明のより完全な栄養補助剤で強化することができる。
【0042】
本発明の栄養補助混合物は、チョコレート単位中に均一に分散させてもよい。あるいは、栄養補助混合物は、チョコレート単位の2つ以上の部分の間に分散させ、これらを別々に患者に与えるか、またはドロステ(Droste)もしくはクレスタ(Cresta)プロセスによって一緒にしてもよい。例えば、最も好ましい混合物を2つの半分のチョコレート単位に加えてもよい。第1の半分の単位には265mgのビタミンEおよび8mgのルテインを添加し、第2のそれにはパルミテートとして500mgのビタミンCと、30mgの亜鉛および1mgの銅(共にパルミチン酸塩として)とを添加してもよい。半分の単位はドロステ(Droste)プロセスにより一緒にすることができる。
【0043】
毎日摂取するための半固体食品(例えば、チョコレート、バターまたはマーガリン)の1単位の重量は、一般に、5〜20gである。液体食品(例えば、ミルクまたはヨーグルト)の1単位は、一般に、20〜200mlの体積を含む。
【0044】
食品単位(例えば、チョコレート、バター、またはマーガリン単位)は、別々にパッケージングすることができる。あるいは、パッケージには、1週間、2週間、1ヶ月またはその他の期間で摂取するのに十分な複数の単位を含有させてもよい。
【実施例】
【0045】
実施例1〜4:
50mgのビタミンC、パルミテートとして100mgのビタミンC、50mgの塩化銅またはパルミチン酸塩として100mgの銅を、1mlの水、ミルク、ヨーグルトまたはホワイトチョコレート中に50℃で別々に溶解した。その後、処方液を混合し、適当な温度で2時間インキュベートした。銅IIイオンから銅元素(金属銅のフレーク)への還元は目視により観察した(表1)。
【0046】
【表2】

【0047】
実施例5〜7
500mgのビタミンC、265mgのビタミンE、塩化物の塩として30mgの亜鉛、塩化物の塩として1mgの銅および2mgのルテイン(混合物A);パルミテートとして500mgのビタミンC、パルミチン酸塩として25mgの亜鉛、パルミチン酸塩として1mgの銅、および2mgのルテイン(混合物B);または、より完全な栄養補助剤(混合物C、14/15ページを参照)を、5gのダークミントチョコレート、ホワイトチョコレート、マーガリンもしくはバター、または、100mlのストローベリーヨーグルトもしくはミルクに加えた。得られた食品配合物の味を12人からなる審査員が試験した。テイスティングの尺度を、1:期待された食品の味、2:軽度の味の変化、3:中程度の味の変化、4:相当の味の変化、および5:食用に適さない重度の味の変化と定義した。結果を下の表2に示す。
【0048】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
毎日の摂取を意図した食品単位に添加する製剤であって、脂肪酸またはエチルエステルの形態で90〜2000mgのビタミンC、15〜1000mgのビタミンE、脂肪酸塩の形態で11〜40mgの亜鉛、脂肪酸塩の形態で0.9〜10mgの銅、および1〜25mgのルテインを含む製剤。
【請求項2】
ビタミンCが脂肪酸またはエチルエステルの形態で200〜600mgの量、ビタミンEが150〜400mgの量、亜鉛が脂肪酸塩の形態で11〜40mgの量、銅が脂肪酸塩の形態で0.9〜2.0mgの量、およびルテインが1〜15mgの量添加される請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
ビタミンCが、エチル、パルミチル、ラウリル、ココイル、オレイルまたはステアリルエステルとして添加され、かつ亜鉛および銅がパルミチン酸塩、ラウリン酸塩、ヤシ油脂肪酸塩、オレイン酸塩またはステアリン酸塩として添加される請求項1に記載の製剤。
【請求項4】
ビタミンCがパルミチン酸エステルとして添加され、かつ亜鉛および銅がパルミチン酸塩として添加される請求項1に記載の製剤。
【請求項5】
ビタミンCをパルミチルエステルの形態で500mgの量、ビタミンEを265mgの量、亜鉛をパルミチン酸塩の形態で25mgの量、銅をパルミチン酸塩の形態で1mgの量、およびルテインを2mgの量含有する請求項1に記載の製剤。
【請求項6】
ビタミンAパルミテート(20〜40mg)またはベータ−カロテン(10〜30mg)、オメガ−3−脂肪酸トリグリセリド(50〜200mg)、L−カルニチン(25〜100mg)、パルミチン酸セレン(50〜250mcg)およびゼアキサンチン(5〜25mg)からなる群から選択される1つまたはそれ以上の追加成分をさらに含む請求項1に記載の製剤。
【請求項7】
毎日の摂取を意図した食品単位に添加する製剤であって、500mgのビタミンCパルミテート、20mgのビタミンAパルミテート、265mgのビタミンD、60mgのビタミンE、25mcgのビタミンK、6mgのビタミンB6、25mcgのビタミンB12、4.5mgのチアミン、5mgのリボフラビン、40mgのナイアシン、0.5mgの葉酸、50mcgのビオチン、10mgのパントテン酸、0.15mgのヨウ素、100mgのレシチン、0.15mgのホウ素、2mgのステアリン酸カルシウム、100mgのステアリン酸マグネシウム、25mgのステアリン酸亜鉛、2mgのステアリン酸銅、0.1mgのステアリン酸セレン、5mgのステアリン酸マンガン、0.3mgのステアリン酸クロム、0.1mgのステアリン酸モリブデン、10mcgのステアリン酸ニッケル、20mcgのステアリン酸バナジウム、10mgのステアリン酸シリコン、0.5mgのルテイン、0.5mgのゼアキサンチン、0.2mgのリコペン、50mgのL−カルニチン、および25mgのタウリンを含む製剤。
【請求項8】
毎日の摂取を意図した強化食品単位であって、脂肪酸またはエチルエステルの形態で90〜2000mgの添加ビタミンC、15〜1000mgの添加ビタミンE、脂肪酸塩の形態で11〜40mgの添加亜鉛、脂肪酸塩の形態で0.9〜10mgの添加銅、および1〜25mgの添加ルテインを含む強化食品単位。
【請求項9】
ビタミンCが脂肪酸またはエチルエステルの形態で200〜600mgの量、ビタミンEが150〜400mgの量、亜鉛が脂肪酸塩の形態で11〜40mgの量、銅が脂肪酸塩の形態で0.9〜2.0mgの量、およびルテインが1〜15mgの量添加される請求項8に記載の強化食品単位。
【請求項10】
ビタミンCが、エチル、パルミチル、ラウリル、ココイル、オレイルまたはステアリルエステルとして添加され、かつ亜鉛および銅がパルミチン酸塩、ラウリン酸塩、ヤシ油脂肪酸塩、オレイン酸塩またはステアリン酸塩として添加される請求項8に記載の強化食品単位。
【請求項11】
ビタミンCがパルミチン酸エステルとして添加され、かつ亜鉛および銅がパルミチン酸塩として添加される請求項8に記載の強化食品単位。
【請求項12】
ビタミンCがパルミチルエステルの形態で500mgの量、ビタミンEが265mgの量、亜鉛がパルミチン酸塩の形態で25mgの量、銅がパルミチン酸塩の形態で1mgの量、およびルテインが2mgの量添加される請求項8に記載の強化食品単位。
【請求項13】
ビタミンAパルミテート(20〜40mg)またはベータ−カロテン(10〜30mg)、オメガ−3−脂肪酸トリグリセリド(50〜200mg)、L−カルニチン(25〜100mg)、パルミチン酸セレン(50〜250mcg)およびゼアキサンチン(5〜25mg)からなる群から選択される1つまたはそれ以上の追加成分がさらに添加された請求項8に記載の強化食品単位。
【請求項14】
毎日の摂取を意図した強化食品単位であって、500mgのビタミンCパルミテート、20mgのビタミンAパルミテート、265mgのビタミンD、60mgのビタミンE、25mcgのビタミンK、6mgのビタミンB6、25mcgのビタミンB12、4.5mgのチアミン、5mgのリボフラビン、40mgのナイアシン、0.5mgの葉酸、50mcgのビオチン、10mgのパントテン酸、0.15mgのヨウ素、100mgのレシチン、0.15mgのホウ素、2mgのステアリン酸カルシウム、100mgのステアリン酸マグネシウム、25mgのステアリン酸亜鉛、2mgのステアリン酸銅、0.1mgのステアリン酸セレン、5mgのステアリン酸マンガン、0.3mgのステアリン酸クロム、0.1mgのステアリン酸モリブデン、10mcgのステアリン酸ニッケル、20mcgのステアリン酸バナジウム、10mgのステアリン酸シリコン、0.5mgのルテイン、0.5mgのゼアキサンチン、0.2mgのリコペン、50mgのL−カルニチン、および25mgのタウリンが添加された強化食品単位。
【請求項15】
前記強化食品が、バター、マーガリン、ミルクおよびヨーグルトからなる群から選択される請求項8または14に記載の単位。
【請求項16】
各単位が、脂肪酸またはエチルエステル形態で90〜2000mgの添加ビタミンC、15〜1000mgの添加ビタミンE、脂肪酸塩の形態で11〜40mgの添加亜鉛、脂肪酸塩の形態で0.9〜10mgの添加銅、および1〜25mgの添加ルテインを含む毎日の摂取を意図した一チョコレート単位または複数のチョコレート単位。
【請求項17】
各単位が、脂肪酸またはエチルエステルの形態で200〜600mgの添加ビタミンC、150〜400mgの添加ビタミンE、脂肪酸塩の形態で11〜40mgの添加亜鉛、脂肪酸塩の形態で0.9〜2.0mgの添加銅、および1〜15mgの添加ルテインを含む請求項16に記載の一チョコレート単位または複数のチョコレート単位。
【請求項18】
各単位に、ビタミンCが、エチル、パルミチル、ラウリル、オレイルまたはステアリルエステルとして添加され、かつ亜鉛および銅が、パルミチン酸塩、ラウリン酸塩、オレイン酸塩またはステアリン酸塩として添加される請求項16に記載の一チョコレート単位または複数のチョコレート単位。
【請求項19】
各単位に、ビタミンCがパルミチン酸エステルとして添加され、亜鉛および銅がパルミチン酸塩として添加される請求項16に記載の一チョコレート単位または複数のチョコレート単位。
【請求項20】
各単位に、ビタミンCがパルミチルエステルの形態で500mgの量、ビタミンEが265mgの量、亜鉛がパルミチン酸塩の形態で25mgの量、銅がパルミチン酸塩の形態で1mgの量、およびルテインが2mgの量添加される請求項16に記載の一チョコレート単位または複数のチョコレート単位。
【請求項21】
各単位に、ビタミンAパルミテート(20〜40mg)またはベータ−カロテン(10〜30mg)、オメガ−3−脂肪酸トリグリセリド(50〜200mg)、L−カルニチン(25〜100mg)、パルミチン酸セレン(50〜250mcg)およびゼアキサンチン(5〜25mg)からなる群から選択される1つまたはそれ以上の追加成分がさらに添加される請求項16に記載の一チョコレート単位または複数のチョコレート単位。
【請求項22】
各単位に、500mgのビタミンCパルミテート、20mgのビタミンAパルミテート、265mgのビタミンD、60mgのビタミンE、25mcgのビタミンK、6mgのビタミンB6、25mcgのビタミンB12、4.5mgのチアミン、5mgのリボフラビン、40mgのナイアシン、0.5mgの葉酸、50mcgのビオチン、10mgのパントテン酸、0.15mgのヨウ素、100mgのレシチン、0.15mgのホウ素、2mgのステアリン酸カルシウム、100mgのステアリン酸マグネシウム、25mgのステアリン酸亜鉛、2mgのステアリン酸銅、0.1mgのステアリン酸セレン、5mgのステアリン酸マンガン、0.3mgのステアリン酸クロム、0.1mgのステアリン酸モリブデン、10mcgのステアリン酸ニッケル、20mcgのステアリン酸バナジウム、10mgのステアリン酸シリコン、0.5mgのルテイン、0.5mgのゼアキサンチン、0.2mgのリコペン、50mgのL−カルニチン、および25mgのタウリンが添加された毎日の摂取のための一チョコレート単位または複数のチョコレート単位。

【公表番号】特表2010−538674(P2010−538674A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−525460(P2010−525460)
【出願日】平成20年9月15日(2008.9.15)
【国際出願番号】PCT/IB2008/002460
【国際公開番号】WO2009/037562
【国際公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(510010632)オフサルモファーマ・アクチェンゲゼルシャフト (2)
【氏名又は名称原語表記】OPHTHALMOPHARMA AG
【Fターム(参考)】