説明

根切り機構、植物栽培装置、及び水耕栽培装置

【課題】植物栽培装置で栽培されている植物の生育に及ぼす影響を抑制し、かつ、効率よく上記植物の根を収穫する。
【解決手段】根切り機構10は、ニンニク30の栽培を行なう水耕栽培装置1に取り付け可能であり、ニンニク30の根32を切るためのものであり、ニンニク30の鱗茎31を支持する棚板4に、押下されることが可能に配されたカッター11と、カッター11の先端に配され、カッター11が押下されることで、一部を残してニンニク30の根32を切り取る刃12とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工的に植物を栽培する装置、及び当該栽培されている植物の根を切る根切機構に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、植物を人工的に植物工場で栽培する技術が開発されている。現在のところ、植物工場で栽培される植物としては、葉菜類の栽培がほとんどである。このような葉菜類の植物は、その葉や実などが収穫され、根は利用されず捨てられる場合が多い。今後、植物工場で栽培可能な品種が広がることが期待されている。
【0003】
ここで、植物工場では、コスト効率が最大の課題となるため、栽培する植物としては、残渣の少ない作物(根なども全て利用できるもの)が求められている。
【0004】
一例として、ニンニクは、一般的には、鱗茎を食用として収穫することが多いが、その茎や葉の部分も野菜として利用されている。
【0005】
また、特に、ニンニクは、根の部分にも様々な医療用途に適用が可能といわれるアホエンが豊富に含まれている。このように、ニンニクは、残渣の少ない作物である。
【0006】
特許文献1には、水耕栽培システムにより、ニンニクの根を効率よく栽培する栽培方法が提案されている。
【0007】
また、特許文献2には、植物の根を収穫するための根切り装置が提案されている。特許文献2には、発芽した植物が通過できる網目を持つネット枠と,ネット枠の上面または下面、若しくは複数ネット枠の間にカッターが通過することによって、ネットより下の部分を切断する根きり装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010‐63414号公報(2010年3月25日公開)
【特許文献2】実開平3-67544号公報(1991年7月2日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ニンニク等、植物の根は、一度切り取っても再生する。このため、水耕栽培で、植物の根を、効率よく収穫するために、植物の根の部分を繰り返し収穫するような装置が必要である。
【0010】
特許文献1に記載の水耕栽培システムには、水耕栽培を行なっているニンニクの根を収穫するための構成が備えられていない。このため、特許文献1に記載の水耕栽培システムでは、ニンニクの根を収穫する場合、水耕栽培システムから、水耕栽培を行なっているニンニクを取り外してから、当該ニンニクの根を収穫する必要がある。このように、特許文献1の記載の水耕栽培システムでは、根を収穫するための効率が悪いという課題が生じる。
【0011】
また、特許文献2に記載の根きり装置は、根を利用することを前提としておらず、根切り後に栽培を続けるような栽培方法が考慮されていない。このため、特許文献2に記載の根きり装置では、植物体の根を全て切り取ってしまうため、根切り後の植物の生育に大きなダメージを与えてしまうことになる。
【0012】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、植物栽培装置で栽培されている植物の生育に及ぼす影響を抑制し、かつ、効率よく上記植物の根を収穫する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、本発明の根切り機構は、植物の栽培を行なう植物栽培装置に取り付け可能であり、当該植物の根を切るための根切り機構であって、上記植物を支持する支持台に、押下されることが可能に配された可動部と、上記可動部の先端に配され、当該可動部が押下されることで、一部を残して上記植物の根を切り取る切取部とを備えていることを特徴としている。
【0014】
上記構成によると、先端に切取部が配された可動部は、押下されることが可能に支持台に配されている。これにより、上記可動部を押下することで、支持台が支持する植物の根を切り取ることができる。
【0015】
このため、上記支持台が支持する植物の根を切り取るために、当該植物を支持台から取り出す必要は無く、上記支持台に植物を載置したまま当該植物の根を切り取ることができるので、効率よく、植物の根を収穫することができる。
【0016】
上記構成によると、上記切取部は、上記可動部が押下されることで、上記植物の根の一部を残して、当該植物の根を切り取る。このように、上記植物の根を全て切り取らず、一部を残して、上記植物の根を切り取ることで、上記植物の生育に及ぼす影響を抑制して、上記植物の根を収穫することができる。
【0017】
このように、上記構成によると、植物栽培装置で栽培されている植物の生育に及ぼす影響を抑制し、かつ、効率よく上記植物の根を収穫することができる。
【0018】
上記可動部は複数配されており、上記複数の可動部は、上記支持台が支持する植物の周囲を囲って配されており、それぞれ独立して、押下されることが可能であることが好ましい。
【0019】
上記構成により、上記複数の可動部のうち、押下された可動部の先端に配されている切取部によってだけ上記植物の根を切り取り、押下されていない可動部に配されている切取部によっては、上記植物の根は切り取られない。すなわち、上記植物の根は、押下された可動部に配された切取部によってだけ収穫され、その他の部分は残される。
【0020】
従って、上記植物の生育に及ぼす影響を抑制して、上記植物の根を収穫することができる。
【0021】
上記可動部は、上記支持台が支持する上記植物の一部を囲って配されていることが好ましい。上記構成によると、上記支持台が支持する上記植物の根のうち、一部だけ、上記可動部が押下されることで上記切取部により切り取られ、その他の部分を残すことができる。
【0022】
従って、上記植物の生育に及ぼす影響を抑制して、上記植物の根を収穫することができる。
【0023】
上記支持台には、当該支持台が支持する上記植物の周囲を囲って配する複数の上記可動部を挿設するための複数の開口部が設けられており、上記可動部は、上記複数の開口部のうち、何れかに挿設されていることが好ましい。
【0024】
上記構成により、上記支持台が支持する上記植物の一部を囲って、上記可動部を配することができる。このため、上記可動部を押下することで、上記植物の根の一部だけを切り取ることができる。
【0025】
また、上記複数の開口部に挿設する可動部の個数を変更することで、上記植物の根を切り取る量、すなわち、上記植物の根の収穫量を調整することができる。
【0026】
このため、上記植物の生育に及ぼす影響の抑制と、上記植物の根の収穫量とのバランスを、容易に取ることができる。
【0027】
また、上記可動部を、下限まで押下したとき、当該可動部に配された切取部と当接する表面を含む切取台を備えていることが好ましい。
【0028】
上記構成によると、上記支持台に植物が載置されると、当該載置された植物の根が、切取部と、上記切取台の表面との間に配されることになる。そして、上記複数の可動部のうち、押下された可動部に配された切取部によって、上記植物の根は、上記切取台の表面に押圧されて切断される。このため、上記植物の根を確実に切り取ることができるので、効率よく、上記植物の根を収穫することができる。
【0029】
また、上記切取台は、上方から下方にかけて、上記表面間の距離が、次第に広がっていることが好ましい。これにより、上記可動部を押下したとき、当該可動部に配された切取部を、上記切取台の表面に当接させることができる。従って、上記可動部を押下することで、上記植物の根を収穫することができる。
【0030】
また、上記切取台の形状は円錐又は円錐台であり、上記表面は当該円錐又は円錐台の側面であることが好ましい。または、上記切取台の形状は多角錐又は多角錐台であり、上記表面は当該多角錐又は多角錐台の側面であることが好ましい。
【0031】
上記構成により、上記植物の根は、上記表面に沿って伸びることになる。これにより、上記可動部が押下されることで移動する上記切取部の軌跡上に、上記植物の根を存在させることができるので、より確実に、上記切取部によって上記植物の根を切り取ることができる。
【0032】
さらに、上記切取台の形状は円錐又は円錐台とすることで、上記植物の根を切り取る量や位置を変更する場合、上記切取部の大きさや、個数を変更すればよく、切取台の形状を変更する必要が無い。このため、コスト増加を抑え、上記植物の生育に及ぼす影響の抑制と、上記植物の根の収穫量とのバランスを、容易に取ることができる。
【0033】
また、上記切取台の形状は、筋状に盛り上がった畝形状であることが好ましい。
【0034】
上記切取台の形状の一例として畝形状とすることで、上記切取台を構成することができる。上記構成によると、上記支持台に載置された植物の根が、切取部と、上記切取台の表面との間に配されることになる。このため、上記複数の可動部のうち、押下された可動部によって、上記植物の根は、上記切取台の表面に押圧されて切断される。これにより、上記植物の根を確実に切り取ることができるので、効率よく、上記植物の根を収穫することができる。
【0035】
さらに、上記切取台の形状を畝形状とすることで、複数の植物の根を切り取る根切り機構へと装置構成の拡張が容易となる。すなわち、支持台に複数の植物を載置し、栽培する場合、当該複数の植物に共通する切取台として構成することができる。このため、支持台に、複数の植物を載置する場合に、複数の植物の間隔や密植度を自由に選択することができる。
【0036】
また、上記切取台の形状は、上記筋状に延びる方向と直交する方向の断面が台形であることが好ましい。又は、上記切取台の形状は、上記筋状に延びる方向と直交する方向の断面が三角形であることが好ましい。
【0037】
上記構成により、上記植物の根は、上記表面に沿って伸びることになるので、より確実に、上記切取部によって上記植物の根を切り取ることができる。
【0038】
また、上記可動部は、横並びに配された複数の可動部からなる第1及び第2の可動部群からなり、上記第1の可動部群と、上記第2の可動部群とは、上記支持台が支持する植物を挟むことが可能な程度に離間して配されており、上記第1及び第2の可動部群のそれぞれを構成する上記可動部は、それぞれ独立して、押下されることが可能であることが好ましい。
【0039】
上記構成により、上記複数の可動部のうち、押下された可動部の先端に配されている切取部によってだけ上記植物の根を切り取ることができるので、上記植物の生育に及ぼす影響を抑制して、上記植物の根を収穫することができる。
【0040】
さらに、上記可動部は、横並びに配された複数の可動部からなる第1及び第2の可動部群からなるので、複数の植物の根を切り取る根切り機構へと装置構成の拡張が容易となる。すなわち、支持台に複数の植物を載置し、栽培する場合、当該複数の植物に共通して横並びに配された複数の可動部からなる第1及び第2の可動部群を構成することができる。このため、支持台に、複数の植物を載置する場合に、複数の植物の間隔や密植度を自由に選択することができる。
【0041】
また、上記切取台の内部に配された気泡発生管を備え、上記切取台の表面には、上記気泡発生管から出力される気体を通す複数の開口部が設けられていることが好ましい。
【0042】
上記構成により、例えば、上記切取台を水耕栽培装置に配した場合、当該水耕栽培装置で栽培されている植物の根に、効果的に酸素を供給することができる。
【0043】
また、上記複数の可動部を平面視したとき、当該複数の可動部は、円形状となるように、上記支持台が支持する植物の周囲を囲って配されていることが好ましい。または、上記複数の可動部を平面視したとき、当該複数の可動部は、多角形状となるように、上記支持台が支持する植物の周囲を囲って配されていることが好ましい。
【0044】
上記構成によると、上記切取台の形状に合せて、上記複数の可動部を、上記支持台が支持する植物の周囲を囲って配することができる。これにより、上記複数の可動部のそれぞれを押下することで、確実に、上記植物の根を切り取ることができる。
【0045】
また、上記支持台には、上記可動部を、押下されることが可能に接続する接続部材が配されており、上記可動部は、上記接続部材によって接続されている箇所と、上記切取部が配されている箇所との間に、折れ曲った屈曲部を有することが好ましい。
【0046】
上記構成により、上記屈曲部の形状を調整することで、上記可動部が押下された際の、当該可動部に配された切取部と、当該切取部が当接する切取台の表面との相対位置を変更することができる。このため、上記植物の根を切り取る位置を調整することができるので、利便性を向上させることができる。
【0047】
また、上記植物はニンニクであることが好ましい。上記構成によると、ニンニクの生育に及ぼす影響を抑制し、かつ、効率よくニンニクの根を収穫することができる。
【0048】
本発明の植物栽培装置は、上記根切り機構を備えていることが好ましい。上記構成により、上記植物栽培装置で栽培されている植物の生育に及ぼす影響を抑制し、かつ、効率よく上記植物の根を収穫することができる。
【0049】
また、上記根切り機構を複数備え、当該複数の根切り機構の可動部が配されている支持台が共通して構成されていることが好ましい。上記構成により、上記植物栽培装置で、複数の植物が栽培されていたとしても、当該複数の植物のそれぞれを、上記支持台から取り外すことなく、それぞれの根を収穫することができる。これにより、効率よく、上記植物栽培装置で植物を栽培することができると共に、生育に及ぼす影響を抑制し、かつ、効率よくそれぞれの植物の根を収穫することができる。
【0050】
本発明の水耕栽培装置は、水耕栽培によって、上記植物を栽培する上記植物栽培装置であることが好ましい。上記構成により、上記水耕栽培装置で栽培されている植物の生育に及ぼす影響を抑制し、かつ、効率よく上記植物の根を収穫することができる。
【発明の効果】
【0051】
本発明は、植物の栽培を行なう植物栽培装置に取り付け可能であり、当該植物の根を切るための根切り機構で、上記植物を支持する支持台に、押下されることが可能に配された可動部と、上記可動部の先端に配され、当該可動部が押下されることで、一部を残して上記植物の根を切り取る切取部とを備えている。
【0052】
これにより、植物栽培装置で栽培されている植物の生育に及ぼす影響を抑制し、かつ、効率よく上記植物の根を収穫することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】(a)は、第1の実施の形態に係る水耕栽培装置の構成を表す断面図であり、(b)は(a)の平面図である。
【図2】第1の実施の形態に係るの水耕栽培装置のカッターの構成を説明する図である。
【図3】第1の実施の形態に係るの水耕栽培装置で栽培している植物の根を収穫することを説明する図である。
【図4】根切り機構の複数のカッターのうち、一部が押下された水耕栽培装置を表す断面図である。
【図5】(a)(b)は、断面形状が長方形である切取台を備えた水耕栽培装置を表す図であり、(a)は、側面が、押下された刃と当接しない切取台を備えた水耕栽培装置を表す図であり、(b)は、側面が、押下された刃と当接する切取台を備えた水耕栽培装置を表す図である。
【図6】(a)は三角錐台の切取台を備える水耕栽培装置を表す平面図であり、(b)は四角錐台の切取台を備える水耕栽培装置を表す平面図であり、(c)は五角錐台の切取台を備える水耕栽培装置を表す平面図である。
【図7】(a)(b)は、円形に配された複数のカッターを備える水耕栽培装置を表す平面図であり、(a)は2分割されたカッターを備える水耕栽培装置を表し、(b)は3分割された水耕栽培装置を表す図である。
【図8】複数設けられた開口部の何れかにカッターを挿入する様子を表す図である。
【図9】第2の実施の形態に係る根切り機構を備えた水耕栽培装置の構成を表す断面図である。
【図10】第3の実施の形態に係る根切り機構を備えた水耕栽培装置の構成を表す断面図である。
【図11】(a)は鱗片から発根している様子を表す斜視図であり、(b)は鱗片の発根部分を表す平面図である。
【図12】根を空気中で切り取る水耕栽培装置の様子を表す図である。
【図13】第4の実施の形態に係る根切り機構を備えた水耕栽培装置の構成を表す断面図である。
【図14】(a)(b)は、第5の実施の形態に係る根切り機構を備えた水耕栽培装置の構成を表し、(a)は断面が台形である切取台を備えた水耕栽培装置を表す斜視図であり、(b)は、(a)の水耕栽培装置の平面図である。
【図15】断面が三角形である切取台を備えた水耕栽培装置を表す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
〔実施の形態1〕
(根切り機構を備えた水耕栽培装置の構成)
以下、本発明の根切り機構の第1の実施形態について説明する。
【0055】
図1(a)は、本実施の形態に係る水耕栽培装置1の構成を表す断面図であり、(b)は(a)の平面図である。
【0056】
水耕栽培装置(植物栽培装置)1は、水耕栽培によって、植物の栽培を行なう植物栽培装置である。本実施の形態では、ニンニク(植物)30を栽培しているものとして説明する。水耕栽培装置1は、培養液タンク2と、培養液3と、棚板(支持台)4と、根切り機構10とを主に備えている。
【0057】
根切り機構10は、植物の栽培を行なう水耕栽培装置1に取り付け可能であり、水耕栽培装置1で栽培している植物の根を切るためのものである。根切り機構10は、水耕栽培装置1が栽培している植物の根を全て切り取らず、一部を残すようにして当該植物の根を切り取る。
【0058】
根切り機構10は、棚板4に、押下されることが可能に配されたカッター(可動部)11と、カッター11の先端に配され、カッター11が押下されることで一部を残してニンニク30の根32を切り取るための刃(切取部)12と、棚板4に配され、カッター11を押下されることが可能に接続するストッパー(接続部材)13と、弾性部材であるバネ14と、カッター11を下限まで押下したとき刃17と当接する表面を含む切取台15とを備えている。
【0059】
培養液タンク2は、培養液3を収容するための水槽である。培養液タンク2の材質は特に限定されず、プラスチック、コンクリート等などからなる。培養液3は、栽培する植物に応じて必要な養分が加えられた液体の肥料であり、一般的に使用されている液体肥料を用いることができる。
【0060】
棚板4は、水耕栽培装置1で栽培する植物を支持し、また、後述するように、押下されることが可能に配されたカッター11を支持する支持台でもある。ニンニク30は、この棚板4に載置されて栽培されている。
【0061】
棚板4の材質は、栽培する植物を安定して載置することができ、また、カッター11を押下することができるように接続することができるものであればよく、発砲スチロール等からなる。
【0062】
なお、棚板4の材質としては、上述したように、発泡スチロールのように軽量な材質が好ましい。特に、棚板4は、高圧縮で強度を高めた発泡スチロールで構成されていることが好ましい。これにより、棚板4の強度を高めることができるので、カッター4を押下する力が加わっても破損することを防止することができる。
【0063】
棚板4には、載置されているニンニク30の鱗茎(植物)31を支持することができ、ニンニク30の根32を通過させることができる程度の大きさの開口部7が設けられている。棚板4に設けられる開口部7は、栽培する植物に応じて大きさが決定されるものである。本実施の形態のように、ニンニク30を栽培する場合、開口部7の直径は、例えば、1〜5cm程度が適当である。
【0064】
棚板4は、培養液3の液面と、ニンニク30の根32の生え際との間に、空間が設けられる程度の高さに設置されている。このようにニンニク30の根32の生え際に空間を設けることで、ニンニク30の根32の生え際のうち、空気に露出されている部分が酸素を吸収し易くなる。これにより、ニンニク30の成長を促進することができる。
【0065】
また、棚板4には、カッター11を挿設するための複数の開口部17が設けられている。開口部17は、刃12の形状に対応するような形状となるように棚板4に設けられている。後述するように、本実施の形態では、カッター11は複数設けられているので、複数のカッター11に対応して、開口部17も棚板に複数設けられている。
【0066】
また、棚板4に、ニンニク30の鱗茎31をそのまま載置することで、ニンニク30を発根させてもよいが、水耕栽培装置1では、棚板4に載置したニンニク30の鱗茎31を、フィルム5、及びビーズ6からなる保護部材で、発根部分が露出するように覆っている。これにより、ニンニク30の鱗茎31の乾燥を防ぐことができる。フィルム5は、例えば、合成樹脂等からなり、ビーズ6は、例えば、発泡スチロール等からなる。
【0067】
また、棚板4に、栽培する植物の根が通過する程度の開口部を設けた培地を設け、当該培地に、上記栽培する植物を載置するようにしてもよい。
【0068】
カッター11は、棚板4を貫通して配されるものであり、水耕栽培装置1で栽培される植物のうち、棚板4より下の部分を切り取るためのものである。
【0069】
カッター11は、複数のカッター11a・11b・11c・11dからなる。複数のカッター11a・11b・11c・11dは、棚板4が支持するニンニク30の鱗茎31の周囲を囲って配されており、それぞれ独立して、押下されることが可能である。
【0070】
カッター11a・11b・11c・11dを平面視したとき、カッター11a・11b・11c・11dは、円形状となるように、棚板4が支持するニンニク30の鱗茎31の周囲を囲って配されている。水耕栽培装置1では、ニンニク30の鱗茎31を覆うフィルム5の外側の周囲を囲って、カッター11a・11b・11c・11dが配されている。
【0071】
カッター11a・11b・11c・11dは、平面視したとき、円形状を4分割した形状として構成されている。
【0072】
棚板4には、棚板4が支持するニンニク30の鱗茎31の周囲を囲って配するカッター11a・11b・11c・11dをそれぞれ挿設するための開口部17として、複数の開口部17a・17b・17c・17dが設けられている。そして、カッター11a・11b・11c・11dのそれぞれは、開口部17a・17b・17c・17dのそれぞれに挿設されている。つまり、開口部17a・17b・17c・17dも、4分割された円形状となるように、ニンニク30の鱗茎31の周囲を囲って、棚板4に設けられている。
【0073】
図2を用いて、棚板4に接続されたカッター11の構成について説明する。図2は、水耕栽培装置1のカッター11の構成を説明する図である。なお、カッター11a・11b・11c・11dは、いずれも同様の構成であるので、図2では、カッター11aの構成について説明する。
【0074】
カッター11aは、棚板4に設けられた開口部17aを貫通するように配されており、カッター11aの一方の端部(押下部)は、棚板4の表面(ニンニク30の鱗茎31が載置されている側の面)と、弾性部材であるバネ14によって接続されている。
【0075】
カッター11aは、棚板4の裏面(培養液3と対向する側の面)と、ストッパー13によって接続されている。このように、カッター11aにバネ14と、ストッパー13を設けることで操作性を向上させることができる。
【0076】
カッター11aの他方の端部(先端部)には、カッター11aが押下されることで、一部を残してニンニク30の根32を切り取る刃12が配されている。
【0077】
このように、カッター11a・11b・11c・11dは、それぞれ独立して、押下されることが可能に配されている。このため、ニンニク30の根32のうち、切断したい箇所に対応するカッターを押下することが可能である。
【0078】
また、図1(a)に示すように、切取台15は、ニンニク30の下方に位置するように、培養液タンク2内に設置されている。
【0079】
切取台15の材質は、例えば、ポリプロピレンなどのプラスチック等を用いることができる。
【0080】
切取台15は、カッター11a・11b・11c・11dを、下限まで押下したとき、カッター11a・11b・11c・11dに配された刃12と当接する表面を含むものである。
【0081】
切取台15は、上方から下方にかけて、上記表面間の距離が、次第に広がっている。これにより、カッター11a・11b・11c・11dを押下したとき、当該カッター(例えばカッター11a)に配された刃12を、切取台15の表面に当接させることができる。従って、カッター11a・11b・11c・11dを押下することで、ニンニク30の根32を収穫することができる。具体的には、本実施の形態では、切取台15の形状は円錐台であり、その側面が、上記表面である。
【0082】
(根切りについて)
次に、図3、4を用いて、根を切り取ることについて説明する。
【0083】
図3は、水耕栽培装置1で栽培している植物の根を収穫することを説明する図である。
【0084】
なお、図3を用いて、カッター11a・11b・11c・11dのうち、カッター11aを押下する場合について説明する。
【0085】
切取台15は、その側面が、カッター11aを下限まで押下したとき、カッター11aに配された刃12と当接するように配されている。刃12の刃先は、切取台15の側面と適合するように形成されている。
【0086】
円錐台である切取台15は、ニンニク30の下方に位置するように、培養液タンク2内に設置されている。
【0087】
このため、ニンニク30が棚板4に載置されると、ニンニク30の根32は、生育に伴って、切取台15の側面に沿って伸びることになる。このように、ニンニク30の根32が、切取台15の側面に沿って伸びるので、ニンニク30の根32が、刃12と、切取台15の側面との間に配されることになる。そして、図3の矢印に示すように、ニンニク30の根32のうち、収穫したい箇所に該当するカッター11aを押下する。
【0088】
図4は、複数のカッター11のうち、一部が押下された水耕栽培装置1を表す断面図である。
【0089】
図4の水耕栽培装置では、カッター11aが押下されている。カッター11cは押下されていない。図4に示すように、カッター11a・11b・11c・11dのうち、押下されたカッター11aに配された刃12によって、ニンニク30の根32は、切取台15の側面に押圧されて切断される。
【0090】
上述した特許文献2の根切り装置では、植物の根を横方向に切断する構成なので、当該植物の根は全て切断されることになる。一方、本実施の形態に係る根切り機構10によると、カッター11を横方向(水平方向)でははく、縦方向(鉛直方向)に押入れる構成であるので、ニンニク30の根32を全て切り取らず、部分的に残すことが可能となる。
【0091】
このように、根切り機構10の複数のカッター11a・11b・11c・11dは、棚板4が支持するニンニク30の周囲を囲って配されており、それぞれ独立して、押下されることが可能である。このため、カッター11a・11b・11c・11dのうち、押下されたカッター11aの先端に配されている刃12によってだけニンニク30の根32を切り取り、押下されていないカッター11b・11c・11dに配されている刃12によっては、ニンニク30の根32は切り取られない。すなわち、ニンニク30の根32は、押下されたカッター11aに配された刃12によってだけ収穫され、その他の部分は残される。
【0092】
従って、根切り機構10によると、ニンニク30の生育に及ぼす影響を抑制して、ニンニク30の根32を収穫することができる。
【0093】
また、根切り機構10では、カッター11aを、下限まで押下したとき、カッター11aに配された刃12と当接する側面を含む切取台15を備えているので、ニンニク30の根32を確実に切り取ることができ、効率よく、ニンニク30の根32を収穫することができる。
【0094】
また、図1(b)に示したように、水耕耕栽培装置1では、カッター11a・11b・11c・11dを平面視したとき、カッター11a・11b・11c・11dは、円形状となるように、棚板4が支持するニンニク30の鱗茎31の周囲を囲って配されている。
【0095】
このように、円錐台形である切取台15の形状に合せて、カッター11a・11b・11c・11dを、ニンニク30の鱗茎31の周囲を囲って配することで、カッター11a・11b・11c・11dの何れを押下しても、刃12と切取台15の側面とを当接させることができ、確実に、ニンニク30の根32を切り取ることができる。
【0096】
(切取台の形状とカッターの配置)
切取台15は、下記の理由から錐形であることが好ましい。
【0097】
まず、切取台15の形状が、錐形でない場合について図5(a)(b)を用いて説明する。
【0098】
図5(a)(b)は、断面形状が長方形である切取台を備えた水耕栽培装置を表す図であり、(a)は、側面が、押下された刃と当接しない切取台を備えた水耕栽培装置を表す図であり、(b)は、側面が、押下された刃と当接する切取台を備えた水耕栽培装置を表す図である。
【0099】
図5(a)の切取台115は、断面が長方形である。換言すると、切取台115の形状は柱状となっている。
【0100】
また、切取台115は、カッター11が押下されたとしても、カッター11の先端に配された刃12と、切取台115の側面とが当接しないような円形状となっている。換言すると、平面視したとき、切取台115の上面および下面の面積は、カッター11a・11b・11c・11dによって構成される円の面積より小さい。
【0101】
このため、切取台115の側面に沿って伸びたニンニク30の根32を切断しようと、カッター11を押下したとしても、当該カッター11に配された刃12と、切取台115の側面とによって、ニンニク30の根32を押圧することができず、ほとんどニンニク30の根32を切断することができない。
【0102】
また、図5(b)の切取台125は、断面が長方形である。換言すると、切取台125の形状は柱状となっている。
【0103】
また、切取台125は、カッター11が押下されると、カッター11の先端に配された刃12と、切取台125の側面とが当接するような円形状となっている。換言すると、平面視したとき、切取台115の上面および下面の面積は、カッター11a・11b・11c・11dによって構成される円の面積より大きい。
【0104】
このため、ニンニク30の根32は、水平方向に配された切取台125の上面上で入り組んで伸びることになる。このため、押下されたカッター11の刃12によって切断されるニンニク30の根32は、切り取り位置や長さがばらばらとなり、商品としての価値を低下させることになる。
【0105】
また、ニンニク30の根32は、切取台125の上面上で入り組んで伸びるので、カッター11のうち、例えばカッター11aなど、必ずしも、押下したカッター11aの刃12の下方に存在しているとは限らない。このため、収穫の効率が低下することになる。
【0106】
一方、図1(a)(b)、図3で説明したように、根切り機構10が備える切取台15は、錐台形状をしている。
【0107】
具体的には、平面視したとき、切取台15の上面の面積は、カッター11a・11b・11c・11dによって構成される円の面積より小さく、切取台15の下面の面積は、カッター11a・11b・11c・11dによって構成される円の面積より大きい。
【0108】
また、平面視したときに、カッター11a・11b・11c・11dが円形状に配されていることに合せて、切取台15は、円錐台形状をしている。
【0109】
これにより、切取台15は、カッター11を、下限まで押下したとき、カッター11に配された刃12と当接するように側面が構成されている。
【0110】
このため、切取台15の側面に沿って伸びたニンニク30の根32を、押下されたカッター11aに配された刃12によって切断することができるので、長さを揃えてニンニク30の根32を切断することができ、商品としての価値を定格させることなく、より確実に、ニンニク30の根32を収穫することができる。
【0111】
ここで、切取台15は、錐形であればよく、円錐台形状に限らず、円錐形であってもよい。さらに、図6(a)〜(c)に示すように、切取台15は、多角錐台であってもよい。
【0112】
図6(a)〜(c)は、根切り機構を備える水耕栽培装置を表す平面図であり、(a)は三角錐台の切取台を備える水耕栽培装置を表し、(b)は四角錐台の切取台を備える水耕栽培装置を表し、(c)は五角錐台の切取台を備える水耕栽培装置を表す図である。
【0113】
図6(a)に示すように、切取台22は、三角錐台の形状を有している。また、カッター21は、複数のカッター21a・21b・21cからなり、平面視したとき、三角形となるように、棚板4に挿設されている。
【0114】
このように、切取台22は、カッター21を、下限まで押下したとき、カッター21に配された刃12と当接するように側面が構成されている。
【0115】
図6(b)に示すように、切取台24は、四角錐台の形状を有している。また、カッター23は、複数のカッター23a・23b・23c・23dからなり、平面視したとき、四角形となるように、棚板4に挿設されている。
【0116】
このように、切取台24は、カッター23を、下限まで押下したとき、カッター23に配された刃12と当接するように側面が構成されている。
【0117】
図6(c)に示すように、切取台26は、五角錐台の形状を有している。また、カッター25は、複数のカッター25a・25b・25c・25d・25eからなり、平面視したとき、五角形となるように、棚板4に挿設されている。
【0118】
このように、切取台26は、カッター25を、下限まで押下したとき、カッター25に配された刃12と当接するように側面が構成されている。
【0119】
さらに、切取台22、切取台24、切取台26は、それぞれ、三角錐、四角錐、五角錐であってもよいし、六角錐又は六角錐台以上の多角錐、多角錐台であってもよい。
【0120】
このように、カッター21a・21b・21c、22a・22b・22c、23a・23b・23cそれぞれを平面視したとき、カッター21a・21b・21c、22a・22b・22c、23a・23b・23cは、多角形状となるように、棚板4が支持するニンニク30の鱗茎31の周囲を囲って配されている。
【0121】
これにより、切取台22、切取台24、切取台26のそれぞれの形状に合せて、カッター21a・21b・21c、22a・22b・22c、23a・23b・23cを、棚板4が支持するニンニク30の鱗茎31を囲って配することができる。これにより、カッター21a・21b・21c、22a・22b・22c、23a・23b・23cのそれぞれを押下することで、確実に、ニンニク30の根32を切り取ることができる。
【0122】
しかし、例えば図6(a)に示す切取台22のように多角錐台とすると、カッター21の分割数や、ニンニク30の根32を切り取る位置を変更する場合、切取台22の形状もそれに合せて変更する必要がある。
【0123】
一方、切取台15の形状を円錐台又は円錐とすることで、ニンニク30の根32を切り取る量や位置を変更する場合、カッター11a・11b・11c・11dのそれぞれの大きさ、すなわち、カッター11a・11b・11c・11dのそれぞれに配された刃12の大きさや、個数を変更すればよく、切取台15の形状を変更する必要が無い。
【0124】
図7(a)(b)は、円形に配された複数のカッターを備える水耕栽培装置を表す平面図であり、(a)は2分割されたカッターを備える水耕栽培装置を表し、(b)は3分割された水耕栽培装置を表す図である。
【0125】
図7(a)では、カッター27は、2分割されたカッター27a・27bからなり、平面視したとき、円形状となるように、棚板4に挿設されている。このように、切取台15は、カッター27を、下限まで押下したとき、カッター27に配された刃12と当接するように側面が構成されている。
【0126】
図7(b)では、カッター28は、3分割されたカッター28a・28b・28cからなり、平面視したとき、円形状となるように、棚板4に挿設されている。このように、切取台15は、カッター27を、下限まで押下したとき、カッター27に配された刃12と当接するように側面が構成されている。
【0127】
このように、切取台15のように、円錐台又は円錐形とすることで、切取台15の形状を変更することなく、カッター27・28のように、分割数や大きさを変更することで、ニンニク30の根32を切り取る量や位置を変更することができる。
【0128】
このため、切取台15のように、円錐台、又は円錐形状とすることで、コスト増加を抑え、ニンニク30の生育に及ぼす影響の抑制と、ニンニク30の根32の収穫量とのバランスを、容易に取ることができる。
【0129】
また、カッター11a・11b・11c・11dは、図1(a)(b)で示したように棚板4が支持するニンニク30の鱗茎31の周囲を1周分囲む必要はなく、ニンニク30の鱗茎31の一部を囲って配されていればよい。また、カッター11a・11b・11c・11dは、常時、開口部17a・17b・17c・17dのそれぞれに挿入されている必要はない。
【0130】
すなわち、図8に示すように、カッター11a・11b・11c・11dのうち、ニンニク30の根32を切り取る際に、例えば、カッター11aなど、必要なカッターを、対応する開口部17aに挿設するようにしてもよい。
【0131】
図8は、複数設けられた開口部の何れかにカッターを挿入する様子を表す図である。
【0132】
このように、水耕栽培装置1の棚板4には、棚板4が支持するニンニク30の鱗茎31の周囲を囲って配する複数のカッター11a・11b・11c・11dを挿設するための複数の開口部17a・17b・17c・17dが設けられており、カッター11a・11b・11c・11dの何れかが(例えばカッター11a)、開口部17a・17b・17c・17dのうちの何れか(例えば開口部17a)に挿設されていてもよい。
【0133】
これにより、棚板4が支持するニンニク30の鱗茎31の一部を囲って、カッター11aを配することができる。
【0134】
このように、ニンニク30の鱗茎31の一部だけを囲むカッター11aが押下されることで、カッター11aに配された刃12により、ニンニク30の根32の一部だけを切り取ることができ、その他の部分を残すことができる。
【0135】
このため、ニンニク30の生育に及ぼす影響を抑制して、ニンニク30の根32を収穫することができる。また、上記植物の生育に及ぼす影響の抑制と、上記植物の根の収穫量とのバランスを、容易に取ることができる。
【0136】
また、開口部17a・17b・17c・17dのように、円形状を4等分など等分割された開口部を棚板4に設けた場合、それに挿設されるカッター11a・11b・11c・11dは、4つ用意する必要はなく、カッター11aだけ等、等分割されたうちの1つだけ用意すればよい。これにより、カッター11を製造するコストを低下させることができる。
【0137】
(まとめ)
このように、植物の根を切るためのものであり、植物の栽培を行なう植物栽培装置に取り付け可能な根切り機構10は、水耕栽培装置1に取り付けられている。そして、根切り機構10は、ニンニク30を支持する棚板4に、押下されることが可能に配されたカッター11a・11b・11c・11dと、カッター11a・11b・11c・11dのそれぞれの先端に配され、カッター11a・11b・11c・11dが押下されることで、一部を残してニンニク30の根32を切り取る刃12とを備えている。
【0138】
このように、先端に刃17が配されたカッター11a・11b・11c・11dは、押下されることが可能に棚板4に配されている。これにより、カッター11a・11b・11c・11dを押下することで、棚板4が支持するニンニク30の根32を切り取ることができる。
【0139】
このため、棚板4が支持するニンニク30の根32を切り取るために、ニンニク30を棚板4から取り出す必要は無く、棚板4にニンニク30を載置したままニンニク30の根32を切り取ることができるので、効率よく、ニンニク30の根32を収穫することができる。
【0140】
また、栽培しているニンニク30の根32を一度に全て切り取ると、新しい根32が生えるまでニンニク30は、水や養分を吸収できなくなり、ニンニク30が弱ったり枯れたりしてしまう場合がある。
【0141】
一方、上記構成によると、刃17は、カッター11a・11b・11c・11dの何れかが押下されることで、ニンニク30の根32の一部を残して、ニンニク30の根32を切り取る。このように、ニンニク30の根32を全て切り取らず、一部を残して、ニンニク30の根32を切り取ることで、ニンニク30の生育に及ぼす影響を抑制して、ニンニク30の根32を収穫することができる。
【0142】
このように、水耕栽培装置1は、根切り機構10を備えているので、水耕栽培装置1で栽培されているニンニク30の生育に及ぼす影響を抑制し、かつ、効率よくニンニク30の根32を収穫することができる。
【0143】
また、本実施の形態では、水耕栽培装置1が栽培する植物は、ニンニク30であるものとして説明した。しかし、根きり機構10を取り付ける水耕栽培装置1が栽培する植物は、根を収穫することが必要な植物であればよく、例えば、ニンニク以外にも、漢方薬や生薬として根の部分を利用する植物などをあげることができる。
【0144】
さらに、本実施の形態の根切り機構10は、植物を栽培する装置に取り付けられればよく、例えば水耕栽培装置1以外にも、根にミスト状の培養液をスプレーして栽培する噴霧耕等の装置に取り付けてもよい。
【0145】
〔実施の形態2〕
本発明の根切り機構の第2の実施の形態について説明する。なお、説明の便宜上、実施の形態1にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0146】
図9は、第2の実施の形態に係る根切り機構を備えた水耕栽培装置の構成を表す断面図である。
【0147】
図9に示すように、水耕栽培装置1は、根切り機構41を備えている。根切り機構41は、切取台15に替えて、切取台45を備え、さらに、気泡発生管(エアーストーン)46を備えている点で、根切り機構10と相違する。
【0148】
根切り機構41は、カッター11と、刃12と、ストッパー13と、バネ14と、切取台45と、気泡発生管46とを備えている。
【0149】
気泡発生管46は、培養液3に、酸素(気体)を供給するためのエアーストーンであり、酸素を多数の気泡として出力する。気泡発生管46は、切取台45の外部に設けられた送気ポンプ(不図示)と、中空チューブ48で繋がれている。
【0150】
なお、気泡発生管46は、培養液3に酸素を出力することができればよく、空気等の酸素が含まれた気体を気泡として出力してもよい。
【0151】
切取台45は、切取台15と同様に、ニンニク30の下方に位置するように、培養液タンク2内に設置されている。切取台45は、内部に、気泡発生管46が配されている。そして、切取台45の側面(表面)には、気泡発生管46から出力される酸素を通す複数の開口部47が設けられている。なお、切取台45の形状や材質等は切取台15と同様である。
【0152】
ここで、水耕栽培では、培養液中の酸素濃度を高くすると、栽培している植物の根が良く成長することが知られている。
【0153】
そこで、根切り機構41のように、切取台45の内側に気泡発生管46を設置した場合でも、切取台45に酸素が通過できる複数の開口部47を形成することで、ニンニク30の根32の部分に効果的に酸素を行き渡らせることが可能となる。根切り機構41によると、切取台45を配した水耕栽培装置1で栽培されているニンニク30の根32に、効果的に酸素を供給することができる。
【0154】
また、切取台45は、上述したように、円錐や円錐台等の錐形状である。このため、切取台45の内部の空間が大きい下面近傍に気泡発生管46を配置することで、多くの気泡を発生させるために、比較的、設置面積の大きな気泡発生管46を、切取台45の内部に設置することができる。加えて、切取台45の側面は傾斜しているので、柱状形状など側面が垂直である場合と比べて、広範囲に、効率よく、気泡発生管46から出力される酸素の気泡を、培養液中に分散させることができる。このように、切取台45は、錐形状なので、効率よく、培養液3中に、酸素を供給することができる。
【0155】
〔実施の形態3〕
本発明の根切り機構の第3の実施の形態について説明する。なお、説明の便宜上、実施の形態1、2にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0156】
図10は、第3の実施の形態に係る根切り機構を備えた水耕栽培装置の構成を表す断面図である。
【0157】
図10に示すように、水耕栽培装置1は、根切り機構51を備えている。根切り機構51は、カッター11に替えてカッター52を備え、また、切取台15に替えて切取台55を備えている点で、根切り機構10と相違する。
【0158】
根切り機構41は、カッター52と、刃12と、ストッパー13と、バネ14と、切取台55とを備えている。
【0159】
カッター52は、ストッパー13によって棚板4に接続されている箇所、すなわち、カッター52のうち、ストッパー13が配されている箇所と、刃12が配されている箇所である先端部との間に、折れ曲った屈曲部53を有している。
【0160】
屈曲部53では、カッター52は、カギ型に折れ曲がっている。すなわち、カッター52のうち、ストッパー13で固定されている箇所から先端部に向かう方向に含まれる屈曲部53では、棚板4に並行であり切取台55に向かう方向に折れ曲り、さらに、鉛直方向下向きの方向に折れ曲っている。
【0161】
また、屈曲部53は、上記のように折れ曲る形状に限定されず、例えば、カッター52のうち、ストッパー13で固定されている箇所から、棚板4に並行であり切取台55から離れる方向に折れ曲り、さらに、鉛直方向下向きの方向に折れ曲っている形状であってもよい。
【0162】
ニンニク30の根32を切断するとき、カッター11で切断するときより、内側で切断する必要がある場合や、外側で切断する必要がある場合がある。
【0163】
そこで、カッター52のように、屈曲部53を設け、屈曲部53の形状を調整することで、カッター52が押下された際の、カッター52に配された刃17と、刃17が当接する切取台55の側面(表面)との相対位置を変更することができる。このため、ニンニク30の根32を切り取る位置を調整することができる。このため、根切り機構51は、根切り機構10と比べて、利便性を向上させることができる。
【0164】
切取台55は、円錐形状であって、頂点が培養液3の水面から突出し、ニンニク30の発根部分近傍に位置するような高さで形成されている。
【0165】
このように、切取台55は、頂点が、棚板4の開口部7の内部に含まれる程度の高さを有している。このため、切取台55の頂点を、ニンニク30の発根部分との距離を近づけることができる。これにより、ニンニク30の根32がまんべんなく広がるようにコントロールすることができる。
【0166】
図11(a)は鱗片33から発根している様子を表す斜視図であり、(b)は鱗片の発根部分を表す平面図である。
【0167】
ニンニク30として、1つの鱗片(植物)33を棚板4に載置することで、鱗片33から根32を発根させることもできる。根32は、図11(a)(b)に示すように、鱗片33の下部から周状に発根する。このため、切取台55を、円錐台として構成する場合、鱗片33に近い側の上底の面積は、鱗片33の下部の発根部分で囲まれている周状の面積より小さいことが好ましい。
【0168】
これにより、鱗片33の根32が、切取台55の側面で、まんべんなく広がるようにコントロールすることができる。
【0169】
また、切取台55の頂点を、ニンニク30の発根部分との距離を近づけることで、根32をより根元で切ることが可能となる。
【0170】
図12は、根32を空気中で切り取る水耕栽培装置の様子を表す図である。
【0171】
図12に示すように、根32を培養液3中ではなく、空気中で切る必要がある場合がある。このような場合、特に、培養液3の水面より上の部分に切取台55が突出している必要がある。
【0172】
切り取った根32の根先(切り取り面)が培養液3中に浸かっていると、培養液3中のバクテリアの影響で根32が変色したり、培養液3の水質を悪化させたりする可能性がある。このような場合に、空気中で根32を切ることでこれを防ぐことが可能となる。
【0173】
また、切取台55の側面の傾斜角度を調整することによっても、カッター52を押下することで切断されるニンニク30の根32の位置を調整することができる。
【0174】
〔実施の形態4〕
本発明の根切り機構の第4の実施の形態について説明する。なお、説明の便宜上、実施の形態1〜3にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0175】
図13は、第4の実施の形態に係る根切り機構を備えた水耕栽培装置の構成を表す断面図である。
【0176】
図13に示すように、水耕栽培装置(植物栽培装置)60は、複数の根切り機構10a・10b・10cを備えている。水耕栽培装置60は、複数のニンニク30を栽培することができるものである。
【0177】
水耕栽培装置60は、棚板4に替えて棚板64を備え、また、培養液タンク2に替えて培養液タンク62を備えている点で水耕栽培装置1と相違する。
【0178】
培養液タンク62は、複数の根切り機構を内部に設置可能な程度の大きさで構成されている。本実施の形態では、培養液タンク62内には、3個の根切り機構10a・10b・10cが設置されている。
【0179】
根切り機構10a・10b・10cは、それぞれ、カッター11と、刃12と、ストッパー13と、バネ14と、切取台45とを備えている。根切り機構10a・10b・10cのそれぞれは、水耕栽培装置60で栽培される複数のニンニク30のそれぞれに対応して水耕栽培装置60に設けられる。
【0180】
棚板64は、水耕栽培装置60で複数のニンニク30を栽培するために、複数のニンニク30の鱗茎31を載置することができる程度の大きさで構成されている。
【0181】
棚板64は、載置された複数のニンニク30の鱗茎31の発根部分のそれぞれに対応して、複数の開口部7が形成されている。さらに、棚板64には、載置される複数のニンニク30の鱗茎31のそれぞれの周囲を囲って、根切り機構10a・10b・10cのそれぞれのカッター11を挿設するための複数の開口部17が設けられている。そして、根切り機構10a・10b・10cのそれぞれのカッター11は、棚板64に形成された複数の開口部17のそれぞれに挿設されている。
【0182】
このように、水耕栽培装置60は、複数の根切り機構10a・10b・10cを備え、根切り機構10a・10b・10cのそれぞれのカッター11が配されている棚板64が共通して構成されている。
【0183】
これにより、水耕栽培装置60で、複数のニンニク30が栽培されていたとしても、当該複数のニンニク30のそれぞれを、棚板64から取り外すことなく、それぞれのニンニク30の根32を収穫することができる。これにより、効率よく、水耕栽培装置60でニンニク30を栽培することができると共に、ニンニク30の生育に及ぼす影響を抑制し、かつ、効率よくそれぞれのニンニク30の根32を収穫することができる。
【0184】
このように、水耕栽培装置60では、培養液タンク62は1個のままで複数のニンニク30を栽培することができるので、コストを抑えて効率的に植物の栽培が可能である。
【0185】
また、根切り機構10a・10b・10cそれぞれの切取台45は、接続部65によって、下面近傍で、互いに接続されている。そして、複数の切取台45及び接続部65の内部には、気泡発生管46よりも大きい気泡発生管(エアーストーン)66が配されている。気泡発生管66は、複数の切取台45に跨って配されている。そして、気泡発生管66は、切取台45の外部に設けられた送気ポンプ(不図示)と、中空チューブ68で繋がれている。
【0186】
接続部65にも、酸素が通過できる複数の開口部47を形成されている。これにより、気泡発生管66から出力される酸素を、複数のニンニク30の根32の部分に効果的に行き渡らせることが可能となる。
【0187】
なお、接続部65は必ずしも設ける必要はなく、根切り機構10a・10b・10cそれぞれの切取台45は互いに分離された構成であってもよい。この場合、気泡発生管66に替えて、根切り機構10a・10b・10cそれぞれの切取台45内部に納まるように、上述した気泡発生管46を設けることが好ましい。
【0188】
〔実施の形態5〕
本発明の根切り機構の第5の実施の形態について説明する。なお、説明の便宜上、実施の形態1〜4にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0189】
図14(a)(b)は、第5の実施の形態に係る根切り機構を備えた水耕栽培装置の構成を表し、(a)は断面が台形である切取台を備えた水耕栽培装置を表す斜視図であり、(b)は、(a)の水耕栽培装置の平面図である。また、図15は、断面が三角形状である水耕栽培装置の構成を表す斜視図である。
【0190】
図14(a)(b)に示すように、水耕栽培装置1は、根切り機構71を備えている。根切り機構71は、切取台15に替えて切取台75を備え、また、カッター72の配置の仕方が、根切り機構10と相違する。
【0191】
根切り機構71は、カッター(可動部)72と、刃12と、ストッパー13(図14(a)(b)には不図示)と、バネ14(図14(a)(b)には不図示)と、切取台75と、を備えている。カッター72は、横並びに配された複数のカッター72a・72b・72c・72dからなるカッター群(第1の可動部群)72Aと、横並びに配された複数のカッター72e・72f・72g・72hからなるカッター群(第2の可動部群)72Bとからなる。
【0192】
図14(a)に示すように、切取台75は、カッター(可動部)72を、下限まで押下したとき、カッター72に配された刃12と当接する側面(表面)を含むものである。
【0193】
切取台75は、上方から下方にかけて、上記側面間の距離が、次第に広がっている。これにより、カッター72を押下したとき、カッター72に配された刃12を、切取台75の表面に当接させることができる。従って、カッター72を押下することで、ニンニク30の根32を収穫することができる。
【0194】
切取台75の形状は、筋状に盛り上がった畝形状である。切取台75は、培養液タンク2の長手方向に延びて、筋状に形成されている。また、切取台75は、筋状に延びる方向である長手方向に直交する方向である短手方向の断面が台形である。台形の斜面が、上記側面である。
【0195】
このように、切取台75は、形状の一例として畝形状として構成されている。これにより、棚板4に載置されたニンニク30の根32が、刃12と、切取台75の側面との間に配されることになる。ニンニク30の根32は、切取台75の側面に沿って伸びることになる。
【0196】
このため、複数のカッター72a〜72fのうち、押下されたカッター72a〜72fによって、ニンニク30の根32は、切取台75の側面に押圧されて切断される。これにより、ニンニクの根32を確実に切り取ることができるので、効率よく、ニンニク30の根32を収穫することができる。
【0197】
棚板4には、カッター72a〜72hのそれぞれを挿設するための複数の開口部77が設けられている。そして、カッター72a〜72fは、棚板4に設けられた複数の開口部77に挿設されている。カッター72a・72b・72c・72dのそれぞれと、カッター72e・72f・72g・72hのそれぞれとは、棚板4の長手方向に横並びに配されている。
【0198】
カッター群72Aと、カッター群72Bとは、棚板4が支持するニンニク30を挟むことが可能な程度に離間して配されている。すなわち、カッター72a・72b・72c・72dのそれぞれと、カッター72e・72f・72g・72hのそれぞれとは、棚板4の短手方向に、互いに対向して、棚板4に配されている。ニンニク30は、カッター群72Aと、カッター群72Bとの間に配されている。
【0199】
そして、カッター群72A及びカッター群72Bのそれぞれを構成するカッター72a〜72fは、それぞれ独立して、押下されることが可能である。
【0200】
このため、複数のカッター72a〜72fのうち、押下されたカッター72a〜72fの先端に配されている刃12によってだけニンニク30の根32を切り取ることができるので、ニンニク30の生育に及ぼす影響を抑制して、ニンニク30の根32を収穫することができる。
【0201】
なお、棚板4の長手方向に配されているカッター72の個数は、本実施の形態のように4個に限定されず、5個以上であってもよいし、3個以下であってもよい。
【0202】
さらに、図15に示すように、切取台の短手方向の断面を、台形ではなく、三角形にしてもよい。
【0203】
図15の水耕栽培装置1は、根切り機構76を備えている。根切り機構76は、切取台75に替えて切取台78を備えている。切取台78の形状は、筋状に盛り上がった畝形状である。すなわち、切取台78は、培養液タンク2の長手方向に延びて、筋状に形成されている。
【0204】
そして、切取台78の形状は、上記筋状に延びる方向と直交する方向の断面が三角形である。切取台78では、上記三角形の斜面が、カッター72の刃12と当接させるための側面である。これにより、切取台75と同様の効果を得ることができる。
【0205】
また、図14(a)(b)、図15に示した切取台75・78のように、形状を畝形状とすることで、複数の植物5の根32を切り取る根切り機構へと装置構成の拡張が容易となる。すなわち、棚板4に複数の植物5を載置し、栽培する場合、当該複数の植物5に共通する切取台75・78として構成することができる。このため、棚板4に、複数の植物5を載置する場合に、複数の植物5の間隔や密植度を自由に選択することができる。
【0206】
また、カッター72は、カッター群72Aと、カッター群72Bとからなる。このため、同様に、複数の植物5の根32を切り取る根切り機構へと装置構成の拡張が容易となる。すなわち、棚板4に複数の植物5を載置し、栽培する場合、当該複数の植物5に共通して横並びに配された複数のカッター72からなるカッター群72Aと、カッター群72Bとを構成することができる。このため、棚板4に、複数の植物5を載置する場合に、複数の植物5の間隔や密植度を自由に選択することができる。
【0207】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0208】
本発明は、人工的に植物を栽培する装置、及び当該装置で栽培されている植物の根を収穫する装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0209】
1、60 水耕栽培装置(植物栽培装置)
2、62 培養液タンク
3 培養液
4、64 棚板(支持台)
10、41、51、71、76 根切り機構
10a・10b・10c 根切り機構
11、21、23、25、27、28、52、72 カッター(可動部)
12 刃(切取部)
13 ストッパー(接続部材)
15、22、24、26、45、55、75、78 切取台
17 開口部
30 ニンニク(植物)
31 鱗茎(植物)
32 根
46、66 気泡発生管
47、77 開口部
53 屈曲部
72A カッター群(第1の可動部群)
72B カッター群(第2の可動部群)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物の栽培を行なう植物栽培装置に取り付け可能であり、当該植物の根を切るための根切り機構であって、
上記植物を支持する支持台に、押下されることが可能に配された可動部と、
上記可動部の先端に配され、当該可動部が押下されることで、一部を残して上記植物の根を切り取る切取部とを備えていることを特徴とする根切り機構。
【請求項2】
上記可動部は複数配されており、
上記複数の可動部は、上記支持台が支持する植物の周囲を囲って配されており、それぞれ独立して、押下されることが可能であることを特徴とする請求項1に記載の根切り機構。
【請求項3】
上記可動部は、上記支持台が支持する上記植物の一部を囲って配されていることを特徴とする請求項1に記載の根切り機構。
【請求項4】
上記支持台には、当該支持台が支持する上記植物の周囲を囲って配する複数の上記可動部を挿設するための複数の開口部が設けられており、
上記可動部は、上記複数の開口部のうち、何れかに挿設されていることを特徴とする請求項3に記載の根切り機構。
【請求項5】
上記可動部を、下限まで押下したとき、当該可動部に配された切取部と当接する表面を含む切取台を備えていることを特徴とする請求項1に記載の根切り機構。
【請求項6】
上記切取台は、上方から下方にかけて、上記表面間の距離が、次第に広がっていることを特徴とする請求項5に記載の根切り機構。
【請求項7】
上記切取台の形状は円錐又は円錐台であり、上記表面は当該円錐又は円錐台の側面であることを特徴とする請求項6に記載の根切り機構。
【請求項8】
上記切取台の形状は多角錐又は多角錐台であり、上記表面は当該多角錐又は多角錐台の側面であることを特徴とする請求項6に記載の根切り機構。
【請求項9】
上記切取台の形状は、筋状に盛り上がった畝形状であることを特徴とする請求項5に記載の根切り機構。
【請求項10】
上記切取台の形状は、上記筋状に延びる方向と直交する方向の断面が台形であることを特徴とする請求項9に記載の根切り機構。
【請求項11】
上記切取台の形状は、上記筋状に延びる方向と直交する方向の断面が三角形であることを特徴とする請求項9に記載の根切り機構。
【請求項12】
上記可動部は、横並びに配された複数の可動部からなる第1及び第2の可動部群からなり、
上記第1の可動部群と、上記第2の可動部群とは、上記支持台が支持する植物を挟むことが可能な程度に離間して配されており、
上記第1及び第2の可動部群のそれぞれを構成する上記可動部は、それぞれ独立して、押下されることが可能であることを特徴とする請求項1に記載の根切り機構。
【請求項13】
上記切取台の内部に配された気泡発生管を備え、
上記切取台の表面には、上記気泡発生管から出力される気体を通す複数の開口部が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の根切り機構。
【請求項14】
上記複数の可動部を平面視したとき、当該複数の可動部は、円形状となるように、上記支持台が支持する植物の周囲を囲って配されていることを特徴とする請求項2に記載の根切り機構。
【請求項15】
上記複数の可動部を平面視したとき、当該複数の可動部は、多角形状となるように、上記支持台が支持する植物の周囲を囲って配されていることを特徴とする請求項2に記載の根切り機構。
【請求項16】
上記可動部を、上記支持台に、押下されることが可能に接続する接続部材を備え、
上記可動部は、上記接続部材によって接続されている箇所と、上記切取部が配されている箇所との間に、折れ曲った屈曲部を有することを特徴とする請求項1〜15の何れか1項に記載の根切り機構。
【請求項17】
上記植物はニンニクであることを特徴とする請求項1〜16の何れか1項に記載の根切り機構。
【請求項18】
請求項1〜17の何れか1項に記載の根切り機構と、上記支持台とを備えていることを特徴とする植物栽培装置。
【請求項19】
上記根切り機構を複数備え、当該複数の根切り機構の可動部が配されている支持台が共通して構成されていることを特徴とする請求項18に記載の植物栽培装置。
【請求項20】
請求項18又は19に記載の植物栽培装置は、水耕栽培によって、上記植物を栽培する装置であることを特徴とする水耕栽培装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2012−50383(P2012−50383A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−195908(P2010−195908)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【出願人】(505127721)公立大学法人大阪府立大学 (688)
【Fターム(参考)】