説明

根巻化粧型枠構造

【目的】 根巻化粧型枠の使用によって型枠を化粧型枠として有効活用させて変化に富んだ色調の二度手間のかからない合理的な根巻基礎コンクリート構造物製品を提供するにある。
【構成】 住戸構成ユニット1などの柱4を、隠蔽ふた6付きの根巻化粧型枠5を用いて打設した根巻基礎コンクリート構造物12によって構築するようにしてなる。
【効果】 商品価値を昴揚できると共に型枠の組立てと取り外しとの二度手間作業が省けて合理的である。コンクリート根巻基礎の外観体裁美の向上及び柱と根巻基礎との物性並に色調のバランス向上によって製品価値を良好にできる。さらに柱と型枠とが同材料の同色とすることができるなど色調の変化を有効に活用できる。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、例えばテラス,手摺,看板などの住戸を構成する住戸構成ユニットなどの柱を根巻基礎コンクリート構造物によって構築するための根巻化粧型枠構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、型枠は所定の形状、寸法をもつコンクリート構造物を作るために用いられるものであるため、でき上がり構造物の位置、形状、寸法が正確に確保され構造物が完成するまでは狂いが起こらないように堅固であり、組立て、取り外しが容易なものでなければならない。そして従来、型枠は軽くて組み立てやすく、反覆使用が可能であることが要求されるため、各種プラスチック製のものなどが多く使用されている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
ところが従来の型枠ではコンクリート構造物を完成させるための組立て作業と、コンクリート構造物完成後に型枠を取り外してコンクリート構造物の表面をモルタル塗り仕上げなどする取り外し仕上げ作業との面倒な二度手間作業を余儀なくされていた。
また完成したコンクリート構造物の表面モルタル塗り仕上げなどがたいへん面倒で手間がかかり、特にテラスなどの柱を、根巻基礎コンクリート構造物によって構築するような場合には、コンクリートの根巻基礎が外観的に劣悪であると共に柱と根巻基礎との物性及び色調がアンバランスで商品価値を低下させていた。
本考案は、根巻化粧型枠の使用によって型枠を化粧型枠として有効活用させて変化に富んだ色調の二度手間のかからない合理的な根巻基礎コンクリート構造物製品を提供するにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本考案は上記課題を解決するためになされたものであって、その要旨とするところは、テラス,手摺,看板など住戸を構成する住戸構成ユニットなどの柱を、隠蔽ふた付きの根巻化粧型枠を用いて打設した根巻基礎コンクリート構造物によって構築するようにしてなる根巻化粧型枠構造である。次に本考案を以下実施例について図面を参照しながら詳しく説明する。
【0005】
【実施例】
先ず1は、テラス部分の床2とは別に、その屋根3を構成する住戸構成ユニットで、柱4,はり(梁)などの構造部材と屋根化粧板,雨どい(樋)などからなる。次に5は、金属またはプラスチックなどの材料でなる方形台筒状の根巻化粧型枠で、下端外周部に外鍔5aがまた上端内周部に内鍔5bが夫々設けられている。また6は、上記根巻化粧型枠5と同材料の隠蔽ふたで、中央部に柱4用の通孔7が設けられている。さらに9は、上面に基柱8が垂直一体に突設された座板である。そこで下部に隠蔽ふた6が上下動可能に挿通された柱4の下端部に、座板9の基柱8が、根巻化粧型枠5内において係嵌されてボルトナットの連結具10で上下方向に垂直一体に連結される。そして根巻化粧型枠5が粘着テープなどで床2上に取付けられると共に前記座板9がアンカービス10によって床2上面に取付け固定される。それから上端開口から根巻化粧型枠5内にコンクリートが注入打設されて根巻基礎コンクリート構造物12が形成される。そこで隠蔽ふた6を根巻化粧型枠5の上端面に当接させて止めビス13で止着して隠蔽するものである。そして以上によって柱4が構築されるものである。
【0006】
【考案の効果】
本考案では外観的にきれいで体裁の良い根巻化粧型枠5を、根巻基礎コンクリート構造物12の化粧カバーポストとしてそのまゝ使用するため、商品価値を著しく昴揚できると共に型枠の組立てと取り外しとの二度手間作業が省けて甚だ合理的である。またコンクリート根巻基礎の外観体裁美の向上及び柱と根巻基礎との物性並に色調のバランス向上によって製品価値を良好にできる。さらには柱と型枠とが同材料の同色とすることができるなど色調の変化を有効に活用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の化粧型枠を使用したテラスユニットの実施例の説明図である。
【図2】本考案の化粧型枠の分解斜視図である。
【図3】本考案構造の要部を説明する縦断面図である。
【符号の説明】
1 住戸構成ユニット
2 床
3 屋根
4 柱
5 根巻化粧型枠
5a 外鍔
5b 内鍔
6 隠蔽ふた
7 通孔
8 基柱
9 座板
10 アンカービス
11 連結具
12 根巻基礎コンクリート構造物
13 止ビス

【実用新案登録請求の範囲】
テラス,手摺,看板など住戸を構成する住戸構成ユニット1などの柱4を、隠蔽ふた6付きの根巻化粧型枠5を用いて打設した根巻基礎コンクリート構造物12によって構築するようにしてなる根巻化粧型枠構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【登録番号】第3019365号
【登録日】平成7年(1995)10月4日
【発行日】平成7年(1995)12月12日
【考案の名称】根巻化粧型枠構造
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平7−6881
【出願日】平成7年(1995)6月13日
【出願人】(594049342)株式会社アルライン (1)