説明

栽培施設

【課題】従来の栽培施設は、複数の作業者が各々作業移動車に乗って作業を行うものであって、作業者の労務管理を正確に行う作業形態ではなかった。従って、栽培作業効率があまり良いものではなかった。また、各栽培条の苗の育成状況を自動的に判断して栽培管理するものでないので、広い栽培施設の栽培環境を適正に判断できるものではなかった。即ち、適正な苗の育成環境を判断する手段がなかった。
【解決手段】作業通路4aを隔てて複数の栽培条5を設け、該栽培通路4aで栽培管理作業をする為の作業移動車35を有する栽培施設において、該作業移動車35には栽培管理作業における処理物の重量を計量する計量装置44とその計量した重量を送信する送信装置46とを設けると共に、作業通路4aには作業移動車35からの送信を受信してデータを栽培施設管理コンピューターCPUに送信する栽培各条情報入出力装置47を設けた栽培施設。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、栽培施設に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、栽培施設では、作業者が栽培通路を作業移動車に乗って各種作業を行っていた。
【特許文献1】特開2004−57150号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来の栽培施設では、複数の作業者が各々作業移動車に乗って作業を行うものであって、作業者の労務管理を正確に行う作業形態ではなかった。従って、栽培作業効率があまり良いものではなかった。
【0004】
また、各栽培条の苗の育成状況を自動的に判断して、栽培管理するものでないので、広い栽培施設の栽培環境を適正に判断できるものではなかった。即ち、適正な苗の育成環境を判断する手段がなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、作業通路4aを隔てて複数の栽培条5を設け、該栽培通路4aで栽培管理作業をする為の作業移動車35を有する栽培施設において、該作業移動車35には栽培管理作業における処理物の重量を計量する計量装置44とその計量した重量を送信する送信装置46とを設けると共に、作業通路4aには作業移動車35からの送信を受信してデータを栽培施設管理コンピューターCPUに送信する栽培各条情報入出力装置47を設けた栽培施設としたものである。
【0006】
従って、作業移動車35が作業通路4aに入った時間と出た時間または作業移動車35が作業通路4aに入って出るまでの時間及び作業移動車35に乗っている作業者が作業通路4aで栽培管理作業(収穫作業、葉欠き作業、葉取り作業、腐れ果取り作業、芽欠き作業等)をした結果の作業処理物の重量を計量装置44が測定しその重量が送信装置46により栽培各条情報入出力装置47に送信される。そして、栽培各条情報入出力装置47はその時間と重量とを栽培施設管理コンピューターCPUに送信する。
【0007】
このようにして、作業者の作業通路4aでの作業時間が計測できるので、作業者の労務管理に用いることができて、栽培施設での効率の良い作業形態・作業時間割りの計画が立てることができ、効率よく栽培管理が行える。また、複数の作業者が各々作業移動車35に乗って作業をしている時、広い栽培施設の何処にどの作業移動車35(作業者)が居るか、直ちに分かり労務管理が容易に行える。
【0008】
そして、各作業通路4aの各栽培条の栽培管理作業(収穫作業、葉欠き作業、葉取り作業、腐れ果取り作業、芽欠き作業)での処理物の重量が各々判るので、そのデータで以後の栽培施設の環境管理を修正して、適正な栽培が行えるようになる。
【0009】
請求項2記載の発明は、作業通路4aを隔てて複数の栽培条5を設け、該栽培通路4aで栽培管理作業をする為の作業移動車35を有する栽培施設において、該作業移動車35には何れの栽培通路4aに居るか認識する認識装置と栽培管理作業における処理物の重量を計量する計量装置44とその認識した栽培通路のデータ及び計量した重量を栽培施設管理コンピューターCPU送信する送信装置46とを設けた栽培施設としたものである。
【0010】
従って、作業移動車35が作業通路4aに入ると、作業移動車35はその作業通路4aが栽培施設の何れの作業通路であるか認識装置により認識し、送信装置46によりそのデータが栽培施設管理コンピューターCPUに送信される。また、作業移動車35に乗っている作業者が作業通路4aで栽培管理作業(収穫作業、葉欠き作業、葉取り作業、腐れ果取り作業、芽欠き作業等)をした結果の作業処理物の重量を計量装置44が測定して、その重量が送信装置46により栽培施設管理コンピューターCPUに送信される。更に、作業移動車35が作業通路4aに入った時間と出た時間または作業移動車35が作業通路4aに入って出るまでの時間が送信装置46により栽培施設管理コンピューターCPUに送信される。
【0011】
このようにして、作業者の作業通路4aでの作業時間が計測できるので、作業者の労務管理に用いることができて、栽培施設での効率の良い作業形態・作業時間割りの計画が立てることができ、効率よく栽培管理が行える。また、複数の作業者が各々作業移動車35に乗って作業をしている時、広い栽培施設の何処にどの作業移動車35(作業者)が居るか、直ちに分かり労務管理が容易に行える。
【0012】
そして、各作業通路4aの各栽培条の栽培管理作業(収穫作業、葉欠き作業、葉取り作業、腐れ果取り作業、芽欠き作業)での処理物の重量が各々判るので、そのデータで以後の栽培施設の環境管理を修正して、適正な栽培が行えるようになる。
【発明の効果】
【0013】
よって、この栽培施設によると、労務管理が適正に行えて作業効率が良い。また、広い面積の栽培施設の栽培管理が精度良く適正に行えて、適正な栽培が行えて収量が多くなる。
【実施例1】
【0014】
この発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1及び図2は、温室1を示したものであり、この温室1は、方の側壁2及び天井3を透明のガラスで構成している。温室の一側端部には作業者、作業台車あるいは防除機等が通過することができるメイン通路4を設けており、このメイン通路4は、路面がコンクリートで構成されたコンクリート通路である。メイン通路4の側方には、多数列の栽培条としての栽培ベッド5…を配置した栽培区域を構成している。また、メイン通路4の中央部には、温室1への出入り口6が構成されている。
【0015】
温室1内の上部に設けた多数の梁7…から複数の吊具9…で容器10が地面から浮くように吊られている。各容器10…には、ロックウールで作った栽培ベッド5…が載っている。そして、各栽培ベッド5…には、各々苗を移植したキューブ12が栽培ベッド5に左右2列に並んで載置されている。
【0016】
キューブ12から伸長する苗(実施例は、ミニトマトの苗)の茎Kは、上方から吊り下げられた誘引紐13によって上方へ誘引された状態で、成長する。
容器10の下部で栽培ベッド5の下方の左右幅方向中央には、栽培ベッド5に養液を供給するための給液パイプ19を栽培ベッド5に沿って設けている。給液パイプ19の上方で栽培ベッド5の下方の位置には、栽培ベッド5からの排液(余剰の養液)を受けて回収する排液ガーター20を給液パイプ19に沿って設けている。尚、容器10、栽培ベッド5及び排液ガーター20はその長手方向に若干傾斜しており、排液ガーター20で受けた排液が該ガーター20の一端へ回収されるようになっている。給液パイプ19からそれぞれのキューブ12へ養液を供給するそれぞれのドリップホース21を設け、キューブ12に移植した苗に養液を供給して作物を栽培するようになっている。
【0017】
従って、給液パイプ19を栽培ベッド5及び排液ガーター20の下方に配置しているので、栽培ベッド5あるいは排液ガーター20により影になって給液パイプ19へ太陽光が照射しないので、栽培ベッド5へ供給する養液が高温になるのを防止できる。特に、夏季に養液が異常な高温となるのを防止でき、栽培床となる栽培ベッド5が異常な高温になって栽培に悪影響を及ぼすことを防止できる。また、給液パイプ19が栽培ベッド5の側方に配置されていないので、温室1内の栽培面積を小さくできると共に、給液パイプ19が作業者あるいは作業車等による栽培ベッド5の側方からの作業や栽培作物の成育等の邪魔にならない。従来は、吊り下げ式の栽培ベッドの上部側方や栽培ベッドを載せる容器の上側側部の耳部に給液パイプを設けていたので、太陽光が照射により給液パイプの温度が上昇しやすく、栽培ベッドへ供給する養液が高温になることがあった。尚、栽培ベッドの上部側方に給液パイプを設けた場合は、給液パイプが栽培ベッドの側方からの作業の邪魔になったり成育する栽培作物と干渉してその成育を阻害したりするおそれがある。
【0018】
図5に示すように、養液を貯留するAタンク22並びにBタンク23及び酸タンク24からポンプユニット25を介して給液パイプ19へ養液が供給される構成となっている。尚、肥料成分の異なる養液をAタンク22とBタンク23とに貯留し、Aタンク22及びBタンク23からの肥料成分の異なる養液の混合割合をポンプユニット25で調整し、所望の肥料成分の養液を得るようになっている。そして、ポンプユニット25から各栽培ベッド5の給液パイプ19へ養液が分流される構成であり、作物を栽培しない容器10あるいは栽培ベッド5がある場合に各給液パイプ19への給液を停止できる給液停止バルブ26をそれぞれ設け、該給液停止バルブ26により無駄に養液を供給することを防止できる。これらの構成を備えて、養液供給装置が構成される。
【0019】
また、各排液ガーター20で回収された排液が合流して排液回収タンク27に貯留され、該排液回収タンク27から殺菌前タンク28を介して殺菌装置29へ供給され、該殺菌装置29により排液を殺菌する。殺菌装置29で殺菌された排液は、二次原水タンク30へ送られて原水に混合されて肥料濃度が調整され、ポンプユニット25へ供給して養液として再利用できる構成となっている。尚、原水を貯留する一次原水タンク31から前記二次原水タンク30へ原水を供給する構成となっている。
【0020】
これにより、二次原水タンク30で殺菌された排液と原水とを混合しながら肥料濃度が調整できるので、所望の肥料濃度に精度良く調整することができ、栽培する苗や作物に肥料焼けが生じるようなことを防止できる。
【0021】
ポンプユニット25において、二次原水タンク30から栽培ベッド5へ養液を供給するポンプ32を並列に2個設けている。通常は、前記2個のポンプ32のうち、一方を使用して養液を供給する。そして、使用しているポンプ32が故障したとき、該ポンプ32を停止してその吸入口及び吐出口のバルブ33を閉じ、他方のポンプ32の吸入口及び吐出口のバルブ33を開いて該他方のポンプ32を駆動し、養液供給を継続することができる。これにより、前記ポンプ32の故障で栽培する植物(作物)が枯れてしまうようなことがなく、良好な栽培を維持することができる。故障しているポンプ32の吸入口及び吐出口のバルブ33を閉じているので、他方のポンプ32により養液供給を継続しながら、故障しているポンプ32を修理したり良品のポンプと交換したりすることができる。従来は、単一のポンプにより養液を供給するようになっていたので、そのポンプが故障すると養液供給が行えなくなり、植物(作物)の栽培に悪影響を与えるおそれがある。
【0022】
栽培ベッド5が載置された各容器10…間には、メイン通路4に連通する作業通路4a…が設けられている。そして、各作業通路4a…には、各々左右間隔をあけて2本の温湯パイプ34・34が平行に設けられている。この温湯パイプ34・34は、その内部を温湯ボイラからの熱湯が流れるようになっており、後記の制御装置で温度制御して寒い時には室温を上げる作用をする。また、この温湯パイプ34・34は丸鋼管にて構成されていて、レールとしての機能も果たすように構成されている。即ち、図6と図7に示すような作業移動車35の左右前車輪36・36のレール転動輪36a・36aと左右後車輪37・37のレール転動輪37a・37aとが温湯パイプ34・34に載った状態で、作業移動車35が各作業通路4a…を移動できる構成となっている。
【0023】
ここで、作業移動車35の構成を詳述する。
作業移動車35は、走行車台38の下部に左右前車輪36・36と左右後車輪37・37とを軸支し、バッテリー39の電力で作動する電動モータ40により左右後車輪37・37を駆動回転して前後進する構成となっている。一方、走行車台38上側には電動シリンダー41により伸縮作動するパンタグラフ42よりなる昇降機構を介して作業台43が装着されている。そして、作業者が操作パネル44を操作することで、電動モータ40を作動させて作業移動車35を前進させたり後進させたり停止させたりすることができ、また、電動シリンダー41を作動させて作業台43を自由な作業高さに調節できる構成となっている。
【0024】
44は計量装置であって、その上に載置しているコンテナ45に作業時に処理したもの(収穫作業では収穫物、葉欠き作業時や葉取り作業時には取った葉、腐れ果取り作業時には腐れ果、芽欠き作業時には芽)をいれると計量できる構成となっている。
【0025】
46は送信装置であって、メイン通路4から各作業通路4a…に入る入口部に設けた栽培各条情報入出力装置47…に、作業移動車35がメイン通路4から作業通路4aに入る時に作業移動車35の固有番号を自動送信し、栽培各条情報入出力装置47はその固有番号と作業通路4aに入った時間を栽培施設管理コンピューターCPUに自動送信する。そして、作業者が作業移動車35に乗って作業通路4aで栽培管理作業(収穫作業、葉欠き作業、葉取り作業、腐れ果取り作業、芽欠き作業)をして、コンテナ45にその作業処理物を入れて、作業通路4aから出る時に、コンテナ45に入れられた作業処理物の重量を計量装置44が測定しているので、その重量と作業移動車35の固有番号とを栽培各条情報入出力装置47に自動送信し、栽培各条情報入出力装置47はその重量と固有番号と作業通路4aから出た時間を栽培施設管理コンピューターCPUに自動送信する。
【0026】
従って、例えば、作業者Aが1つの作業通路4aで葉取り作業をする場合、作業者Aが作業移動車35に乗ってメイン通路4から作業通路4aに入った時間と作業を終えて出た時間とが判るので、その作業通路4aで作業した時間が算定できて、栽培施設管理コンピューターCPUにデータとして保管される。また、その作業通路4aで葉取りした葉の重量も栽培施設管理コンピューターCPUにデータとして保管される。
【0027】
このようにして、各作業者の作業通路4aでの作業時間が計測できるので、作業者の労務管理に用いることができて、栽培施設での効率の良い作業形態・作業時間割りの計画が立てることができ、効率よく栽培管理が行える。また、複数の作業者が各々作業移動車35に乗って作業をしている時、広い栽培施設の何処にどの作業移動車(作業者)が居るか、直ちに分かり労務管理が容易に行える。
【0028】
そして、各作業通路4a…の各栽培条の栽培管理作業(収穫作業、葉欠き作業、葉取り作業、腐れ果取り作業、芽欠き作業)での処理物の重量が各々判るので、そのデータで以後の栽培施設の環境管理を修正して、適正な栽培が行えるようになる。即ち、広い面積の栽培施設の栽培管理が精度良く適正に行える。
【0029】
ここで、処理物の重量のデータで、以後の栽培施設の環境管理を修正する方法を説明する。
作業通路4aで収穫作業をした場合は、各作業通路4a(栽培条)別の収穫重量と栽培施設全体の収穫重量が判るので、収穫重量の少ない栽培通路4aの栽培ベッド5には果実がより生育する肥料成分とした養液を供給するように栽培施設管理コンピューターCPUで自動制御し、栽培施設全体の収穫重量が少ない場合には、施設全体の室温・湿度・換気・養液・採光管理をより適正なものに制御し直す。
【0030】
作業通路4aで葉取り作業(例えば、ミニトマトの場合では、1枝に3枚の葉がある状態が良くて、それ以上に葉がついた場合は取り除く)や芽欠き作業をした場合は、各作業通路4a(栽培条)別の取った葉や芽の重量が判る。葉や芽の重量が多い場合は、果実が生育する環境ではなくて、葉や茎が生育する環境になっているのが原因であるから、その作業通路4aの環境を下記のようにする。
1.温度を上げる。
2.昼と夜の温度差を5度くらいに多くする。
3.養液温度を上げる。
4.湿度を下げる。
5.養液のEC値を上げる。
6.灌水回数を少なくして栽培ベッド5を乾燥ぎみにする。
すると、葉や茎が生育する環境から果実が生育する環境になり、収穫が増える。
【0031】
作業通路4aで腐れ果取り作業(生育せずに腐ってしまった果実を取り除く)をした場合は、各作業通路4a(栽培条)別の取った腐れ果の重量が判る。腐れ果の重量が多い場合は、その作業通路4aの環境を下記のようにする。
1.天井3部に設けた遮光カーテン50を閉めて遮光時間を長くする。
2.養液のEC値を下げる。
3.養液の灌水回数を多くする。若しくは、1回の養液供給量を増やす。
4.カルシウムを葉面に散布する。若しくは、養液中のカルシウム濃度を上げる。
5.湿度を上げる。
すると、腐れ果の発生が少なくなって、収穫が増える。
【0032】
尚、温室1の天井3部には、遮光カーテン50がその一端側に配置した巻取軸に巻き取られて開くようになっており、遮光カーテン50の下方には、電動モータの駆動により同様に巻き取られて開く保温カーテン51が設けられている。
【0033】
尚、この養液供給制御においては、夜間には給液しないように1日のうちの給液可能時間帯を設定し、該給液可能時間帯にのみ養液を供給するようになっている。そして、給液可能時間帯を過ぎたとき(夕方等)、酸タンク24に貯留した酸を所定時間(5秒間)供給し、ドリップホース21内を洗浄するようになっている。従来、夜間にドリップホース21内に養液が貯留されたままになるのでドリップホース21内に液肥が固結しやすく、ドリップホース21に目詰まりが生じて翌日の養液供給を円滑に行えないことがあるが、ドリップホース21内に酸を流して洗浄することにより、この不具合を解消できる。尚、前記酸は、重量濃度1%程度の硝酸等、植物の成育を阻害しない程度のものである。また、ドリップホース21内に酸を流して洗浄した後に原水を流し、栽培ベッド5に酸が残らないようにして酸により植物の成育を阻害しないようにしてもよい。
【実施例2】
【0034】
上記実施例1では、各作業通路4a…に栽培各条情報入出力装置47を設けた例を示したが、この栽培各条情報入出力装置47を無くして、作業移動車35に何れの栽培通路4aに居るか認識する認識装置を設けて(例えば、各作業通路4a…に個別のバーコードを付設し、そのバーコードを認識装置で認識して、作業移動車35が何れの作業通路にいつ入ったか認識するようにする。また、作業移動車35がその作業通路から出る時も、そのバーコードを認識して出た時間を認識する。)、作業移動車35の送信装置46にて、直接、その認識した栽培通路のデータ、計量した重量、及び作業時間を栽培施設管理コンピューターCPUに送信する構成にしても良い。
【0035】
従って、作業移動車35が作業通路4aに入ると、作業移動車35はその作業通路4aが栽培施設の何れの作業通路であるか認識装置により認識し、送信装置46によりそのデータが栽培施設管理コンピューターCPUに送信される。また、作業移動車35に乗っている作業者が作業通路4aで栽培管理作業(収穫作業、葉欠き作業、葉取り作業、腐れ果取り作業、芽欠き作業等)をした結果の作業処理物の重量を計量装置44が測定して、その重量が送信装置46により栽培施設管理コンピューターCPUに送信される。更に、作業移動車35が作業通路4aに入った時間と出た時間または作業移動車35が作業通路4aに入って出るまでの時間が送信装置46により栽培施設管理コンピューターCPUに送信される。
【0036】
このようにして、作業者の作業通路4aでの作業時間が計測できるので、作業者の労務管理に用いることができて、栽培施設での効率の良い作業形態・作業時間割りの計画が立てることができ、効率よく栽培管理が行える。また、複数の作業者が各々作業移動車35に乗って作業をしている時、広い栽培施設の何処にどの作業移動車35(作業者)が居るか、直ちに分かり労務管理が容易に行える。
【0037】
そして、各作業通路4aの各栽培条の栽培管理作業(収穫作業、葉欠き作業、葉取り作業、腐れ果取り作業、芽欠き作業)での処理物の重量が各々判るので、そのデータで以後の栽培施設の環境管理を修正して、適正な栽培が行える。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】栽培施設の内部説明用側断面図である。(実施例1)
【図2】栽培施設の内部説明用平断面図である。(実施例1)
【図3】栽培ベッドを示す断面図である。(実施例1)
【図4】誘引紐を使用して栽培する方法を判りやすく示す図である。(実施例1)
【図5】養液供給経路を示す図である。(実施例1)
【図6】作業移動車の正面図である。(実施例1)
【図7】作業移動車の側面図である。(実施例1)
【符号の説明】
【0039】
1 温室
4a 作業通路
5 栽培条(栽培ベッド)
35 作業移動車
44 計量装置
46 送信装置
47 栽培各条情報入出力装置
CPU 栽培施設管理コンピューター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業通路(4a)を隔てて複数の栽培条(5)を設け、該栽培通路(4a)で栽培管理作業をする為の作業移動車(35)を有する栽培施設において、該作業移動車(35)には栽培管理作業における処理物の重量を計量する計量装置(44)とその計量した重量を送信する送信装置(46)とを設けると共に、作業通路(4a)には作業移動車(35)からの送信を受信してデータを栽培施設管理コンピューター(CPU)に送信する栽培各条情報入出力装置(47)を設けたことを特徴とする栽培施設。
【請求項2】
作業通路(4a)を隔てて複数の栽培条(5)を設け、該栽培通路(4a)で栽培管理作業をする為の作業移動車(35)を有する栽培施設において、該作業移動車(35)には何れの栽培通路(4a)に居るか認識する認識装置と栽培管理作業における処理物の重量を計量する計量装置(44)とその認識した栽培通路のデータ及び計量した重量を栽培施設管理コンピューター(CPU)送信する送信装置(46)とを設けたことを特徴とする栽培施設。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−223216(P2006−223216A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−42460(P2005−42460)
【出願日】平成17年2月18日(2005.2.18)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】