梯子
【課題】施工性及び生産性に優れた梯子を提供する。
【解決手段】一対の支柱22は円筒形状とされ、それぞれ1本のパイプで構成されている。ステップ30は、踏部32、取付部34、アーチリブ36、長リブ37、及び、短リブ38を備えている。踏部32は、一対の支柱22の間に架け渡される長さで構成され、上面が平坦形状とされている。取付部34は踏部32の両端に略円筒形状に構成され、内壁34Bにはピン52が突出形成されている。このため、支柱22が取付部34へ嵌め込まれると、ピン52が支柱22に形成した孔50に係合して、取付部34と支柱22とが固定される。
【解決手段】一対の支柱22は円筒形状とされ、それぞれ1本のパイプで構成されている。ステップ30は、踏部32、取付部34、アーチリブ36、長リブ37、及び、短リブ38を備えている。踏部32は、一対の支柱22の間に架け渡される長さで構成され、上面が平坦形状とされている。取付部34は踏部32の両端に略円筒形状に構成され、内壁34Bにはピン52が突出形成されている。このため、支柱22が取付部34へ嵌め込まれると、ピン52が支柱22に形成した孔50に係合して、取付部34と支柱22とが固定される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水槽などの水が貯留された場所で用いられる梯子に関する。
【背景技術】
【0002】
マンション、テナントビル、工場、商業施設等には、飲料水、中水などを貯留する水槽が設置されている。このような水槽には、通常、点検や清掃などのために水槽内に出入りするための梯子が設置されている。ここで用いられる梯子は、衛生性、耐食性の観点より、樹脂製のものが主流である。そして、さらに衛生性を確保するために、パイプなどの中空部分に水が入り込まないように、水密性が要求されている。
【0003】
この水密性を確保するために、梯子を複数のパイプ部品を接続して構成する場合には、接続部分について、TS工法が用いられている。また、特許文献1に記載の技術では、接続部分について、金型を用いてブロー成型により密着させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−307605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では従来からのTS工法を用いているため、部品点数が多くなり、施工性が十分とは言えない。また、接着不良を防止するために、高い部品精度が要求されるので、生産性も十分とは言えない。
【0006】
本発明は、上記事実を考慮してなされたものであり、施工性及び生産性に優れた梯子を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載する本発明の梯子は、各々が一体形成された一対の筒状で、前記筒状の軸方向に沿って少なくとも1箇所に孔が開けられた支柱と、前記一対の支柱間に架け渡される踏部と、該踏部の両端に前記支柱の外周面を囲むように形成され、前記支柱の外周面と対向する内壁に前記支柱の孔と係合するピンが設けられた取付部と、を有する少なくとも1つのステップと、を有する。
【0008】
請求項1に記載の本発明の梯子によれば、支柱がステップの取付部に嵌め込まれた状態で、支柱に少なくとも1箇所に開けられた孔と、支柱の外周面と対向するステップの取付部の内壁に設けたピンとが結合する。このため、支柱がステップの取付部に嵌め込まれた状態で、支柱の外周面と取付部の内壁とを接着剤による接着のみで固定する場合に比べて、各部品の位置精度の要求が緩和されるので生産性に優れていると共に、ステップの支柱への取付位置を容易かつ正確に決められるため、施工性も優れている。
【0009】
請求項2に記載する本発明は、請求項1に記載の梯子において、前記支柱の外周面と前記取付部の内壁とが接着剤により接着されている。
【0010】
請求項2に記載の本発明の梯子によれば、支柱の外周面とステップの取付部の内壁とが接着剤により接着されているため、支柱とステップとをより強固に固定できる。
【0011】
請求項3に記載する本発明は、請求項1又は請求項2に記載の梯子において、前記ピンは、前記取付部の内壁における前記踏部側の部位に形成されている。
【0012】
請求項3に記載の本発明の梯子によれば、ステップの取付部のピンが、取付部の内壁における踏部側の部位に形成されているため、踏部に作用する荷重に対して、ステップと支柱との結合強度を向上できる。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように請求項1に記載の本発明の梯子は、施工性及び生産性に優れている。
【0014】
請求項2に記載の本発明の梯子は、支柱とステップとをより強固に固定できる。
【0015】
請求項3に記載の本発明の梯子は、踏部に作用する荷重に対して、ステップと支柱との結合強固を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明における一実施形態の梯子の分解状態を示す斜視図である。
【図2】本発明における一実施形態の梯子を示す側面図である。
【図3】本発明における一実施形態の梯子の分解状態を示す上面図である。
【図4】本発明における一実施形態の梯子のピンを示す側面図である。
【図5】本発明における一実施形態の梯子のステップを示す下面図である。
【図6】本発明における一実施形態の梯子のステップを示す長手方向から見た断面図である。
【図7】本発明における一実施形態の上部取付部材と支柱の接続部分を示す断面図である。
【図8】本発明における一実施形態の梯子を示す斜視図である。
【図9】本発明における一実施形態の梯子と、梯子の設置される水槽を示す概略構成図である。
【図10】本発明における他の実施形態の梯子の分解状態を示す上面図である。
【図11】本発明における他の実施形態の梯子の分解状態を示す上面図である。
【図12】本発明における他の実施形態の梯子の分解状態を示す上面図である。
【図13】本発明における他の実施形態のピンを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図9に基づいて説明する。
図9に示すように、本実施形態に係る梯子20は水槽10に設置されている。水槽10は、マンション、テナントビル、工場、商業施設等に設けられる、飲料水、中水などを貯留する水槽である。また、水槽10は中仕切壁12によって2つの貯水室14、16に仕切られている。
【0018】
貯水室14、16の各々には、点検口14A、16Aが構成されており、点検口14A、16Aから貯水室14、16の底部へ向かって、梯子20が設置されている。なお、梯子20は、同一のものが、点検口14A、16Aの各々に設けられている。
【0019】
図8に示すように、梯子20は一対の支柱22、複数のステップ30、上部取付部材24、及び、下部接続部材26を備えている。また、一対の支柱22は円筒形状とされており、継ぎ目なく各々が一体的に、すなわち、各々が1本のパイプで構成されている。なお、一対の支柱22は鉛直方向に互いに平行に配置されている。また、梯子20は塩ビ等で構成されている。
【0020】
支柱22の上端には、上部取付部材24が接続されている。上部取付部材24は、一端側が支柱22を挿入可能な円筒形状とされ(以下「上接続円筒部24A」という)、他端側が貯水室14、16の内壁に沿う平板形状とされ(以下「上取付平板部24B」という)ている。
【0021】
図7に示すように、上接続円筒部24Aの内壁は開放側が大径となるようなテーパー形状とされており、上部取付部材24と支柱22とは、支柱22の上端を上接続円筒部24Aに挿入し、TS工法で接続されている。上取付平板部24Bには、孔23が構成されており、図示を省略したボルト等の取付部材により貯水室14、16の内壁に取付けられている。
【0022】
図8に示すように、支柱22の下端には、下部接続部材26が接続されている。下部接続部材26はU字形状とされ、U字の両端が支柱22を挿入可能な円筒形状とされると共に貯水室14、16の内壁に近づく方向に屈曲され(以下「下接続円筒部26A」という)、中間部26BがU字状に屈曲されている。下接続円筒部26Aの内壁は、上接続円筒部24Aと同様に、開放側が大径となるようなテーパー形状とされており、下部接続部材26と支柱22とは、支柱22の下端を下接続円筒部26Aに挿入し、TS工法で接続されている。
【0023】
図1及び図2に示すように、ステップ30は、踏部32、取付部34、アーチリブ36、長リブ37、及び、短リブ38を備えている。また、踏部32は、一対の支柱22の間に架け渡される長さで構成され、上面が平坦形状とされており、踏部32は一対の支柱22の間に支柱22と直交する方向で配置されている。なお、踏部32の上面には、滑り止め用の突線部32Aが構成されている。
【0024】
取付部34は、踏部32の両端に構成されている。取付部34は、略円筒形状とされており、軸方向の中間部から下側は、踏部32と逆側(端部外側)が切り欠かれて断面半円形状とされている。この切欠き部分は、必ずしも必要ではなく、取付部34は下側部分についても円筒状としてもよい。なお、取付部34の円筒内部は嵌合空間35となっている。
【0025】
図3に示すように、取付部34の内径34Aは、支柱22に取付けられていない状態のときに、支柱22の外径22Aよりも僅かに小径とされている。したがって、支柱22が嵌合空間35へ嵌め込まれると、取付部34は嵌合空間35が広がる方向へ拡径される。また、取付部34の内径34Aは、取付部34の弾力性、取付部34の支柱22への密着性を考慮して設定される。
【0026】
なお、取付部34の内径34Aは、必ずしも支柱22の外径22Aよりも小径である必要はなく、同一サイズであってもよい。
【0027】
取付部34には、側壁が軸方向両端に亘って切り欠かれた開口34Cが形成されている。取付部34の両端の2つの開口34Cは、踏部32の長手方向と直交する方向に向かって同一方向(図3では図面下方)に開口されている。また、開口34Cは、支柱22を開口34Cを介して嵌合空間35へ嵌め込み可能とする幅サイズ34Dとされている。すなわち、開口34Cの幅サイズ34Dは、取付部34の撓み変形可能量、支柱22の外径22A、取付部34の内径34Aなどに応じて設定される。なお、嵌合空間35へ支柱22を嵌合させたときの保持力を考慮すると、開口34Cの中心角θ1は、90°以下であることが好ましい。
【0028】
図1に示すように、各支柱22には、その軸方向に沿って少なくとも1箇所に孔50が開けられている。より具体的に説明すると、各支柱22には軸方向に沿って所定の間隔で複数個の孔50が開けられており、一対の支柱22においては、それぞれの軸方向端部から同じ位置に各孔50がそれぞれ形成されている。即ち、一対の支柱22は同じものである。
【0029】
図3に示すように、ステップ30には一対の支柱22の孔50に係合するピン52が一体的の形成されている。ピン52は支柱22の外周面と対向する取付部34の内壁34Bにおける踏部32側の部位34Fに、取付部34の中心P1に向かって突出形成されている。なお、取付部34の内壁34Bにおけるピン52の位置は、ステップ30の幅方向略中央部であり、より具体的には、取付部34の中心P1を通り、踏部32の軸線に沿って平行に伸びる線32B上となっている。また、図2に示すように、ピン52の支柱22の軸方向位置(上下方向の位置)は、長リブ37の下面37Aに一致している。
【0030】
図4に示すように、ピン52は根元部56が円柱形状となっている。また、ピン52の先端部58は、円柱形状部58Aと、この円柱形状部58Aから徐々に縮径された円錐形状部58Bとを備えている。さらに、ピン52の根元部56と先端部58の円柱形状部58Aとの間は、根元部56から先端部58へ向かって縮径された首部60となっている。
【0031】
ピン52には先端部58から根元部56に向かってスリット62が形成されている。スリット62の先端62Aはピン52の首部60における根元部56の近傍に達しており、その先端62Aは半円形とされている。また、スリット62はピン52の軸心52Aを通り、ピン52を径方向に横切っている。
【0032】
このため、ピン52の先端部58はスリット62によって2つの係合片58C、58Dに分割されている。また、ピン52の先端部58の2つの係合片58C、58Dは、互いに接近する方向(図4の矢印A方向)へ弾性変形するようになっている。
【0033】
ピン52の先端部58の外径R1は支柱22の孔50の直径R2に比べて大きくなっており、ピン52の根元部56の外径R3は支柱22の孔50の直径R2に比べて小さくなっている。
【0034】
従って、ピン52を支柱22の孔50に挿入すると、ピン52の先端部58が孔50の内周部と摺動することで、2つの係合片58C、58Dが互いに接近する方向(図4の矢印A方向)へ弾性変形し、ピン52の先端部58が支柱22の孔50を通過するようになっている。
【0035】
また、ピン52の先端部58が支柱22の孔50を通過し、ピン52の根元部56と首部60とが孔50に挿通された状態になると、ピン52の先端部58の2つの係合片58C、58Dが元の位置に復帰する。このため、ピン52の係合片58C、58Dが支柱22の孔50の外周部に係合するようになっている。このように、ステップ30の両端部の各ピン52を一対の支柱22の孔50にそれぞれ係合させることで、ステップ30を一対の支柱22に固定できるようになっている。
【0036】
図2及び図5に示すように、踏部32の下面には、板状の、アーチリブ36、長リブ37、及び、短リブ38が形成されている。踏部32、取付部34、アーチリブ36、長リブ37、及び、短リブ38は、一体的に構成されている。これらの部材を含めたステップ30は、ポリ塩化ビニル樹脂などの樹脂材料で構成することができる。
【0037】
アーチリブ36は、踏部32の下側の幅方向中央部に、一方の取付部34と他方の取付部34との間を横断するように配置されている。アーチリブ36は、一端及び他端の上下方向の幅の長さが最も長、中央部の上下方向の幅の長さが最も短くなる、弧状(アーチ状)とされている。また、アーチリブ36の一端及び他端は、取付部34と一体的に連結されている。
【0038】
長リブ37は、アーチリブ36を挟んで両側に2本、アーチリブ36と平行に配置されている。長リブ37の上下方向の幅の長さは、アーチリブ36の幅の最も短い部分と略同一とされている。また、短リブ38は、踏部32の下側の幅方向の、3箇所に配置されている。
【0039】
図6に示すように、短リブ38は、2本の長リブ37の各々からアーチリブ36にかけて配置されており、各々中央部の厚みが薄くなるようなアーチ形状とされている。
【0040】
図9に示すように、ステップ30は、一方の取付部34が一対の支柱22の一方側に取付けられ、他方の取付部34が一対の支柱22の他方側に取付けられており、一対の支柱22の間で支柱22と直交する方向に架け渡されている。また、一対の支柱22には、複数のステップ30(本実施形態では5本)が、支柱22の軸方向に所定間隔をあけて取付けられている。
【0041】
次に、上記構成の梯子20を水槽10の貯水室14、16へ設置する設置方法について説明する。
【0042】
まず、2本の支柱22を所定間隔で平行に並べ、支柱22の各々の上端に上部取付部材24を、下端に下部接続部材26を、各々、TS工法で接続する。具体的には、支柱22と上部取付部材24との接続は、支柱22の上端外周面と上接続円筒部24Aの内側のテーパー部分に接着剤を塗布し、支柱22の上端を上接続円筒部24Aに挿入し、接着剤39による接着が完了するまでの時間、接続部分を養生する。また、支柱22と下部接続部材26との接続は、支柱22の下端外周面と下接続円筒部26Aの内側のテーパー部分に接着剤を塗布し、支柱22の下端を下接続円筒部26Aに挿入し、接着剤による接着が完了するまでの時間、接続部分を養生する。
【0043】
次に、複数のステップ30を、所定間隔で一対の支柱22へ取付ける。なお、個々のステップ30の支柱22への取付けは、次のようにして行う。
【0044】
支柱22をステップ30の取付部34の嵌合空間35へ嵌め込む。この際、ピン52を支柱22の孔50に挿入すると、ピン52の先端部58の2つの係合片58C、58Dが互いに接近する方向(図4の矢印A方向)へ弾性変形することで、ピン52の先端部58が支柱22の孔50を通過する。また、ピン52の先端部58が支柱22の孔50を通過し、ピン52の根元部56と首部60とが孔50に挿通された状態になると、ピン52の先端部58の2つの係合片58C、58Dが元の位置に復帰する。このため、ピン52の係合片58C、58Dが支柱22の孔50の外周部に係合する。この結果、ステップ30を一対の支柱22に固定できる。
【0045】
なお、ピン52にパッキンを嵌めてから組立てを行うことにより止水性も確保可能となる。
【0046】
そして、上部取付部材24の孔23を介して、ボルト等の取付部材で梯子20を貯水室14、16の内壁に固定することで、梯子20を水槽10の貯水室14、16へ設置する。
【0047】
このように、本実施形態では、支柱22がステップ30の取付部34に嵌め込まれた状態で、支柱22に開けられた孔50と、ステップ30の取付部34の内壁34Bに突出形成されたピン52とが係合する。このため、支柱22がステップ30の取付部34に嵌め込まれた状態で、支柱22の外周面と取付部34の内壁34Bとを接着剤による接着のみで固定する場合に比べて、支柱22やステップ30の取付部34の位置精度の要求が緩和される。この結果、本実施形態の梯子20では支柱22やステップ30の製造が容易となり、生産性に優れている。
【0048】
また、本実施形態では、支柱22に形成された孔50によって、ステップ30の支柱22への取付位置が決まるため、接着剤を使用する場合に比べて、ステップ30の支柱22への取付位置を容易かつ正確に決められる。この結果、簡易に組み立てることができ、施工性に優れている。
【0049】
また、本実施形態では、施工時に、予め孔50が支柱22の軸方向に沿って等間隔で形成されているため、ステップ30の両端の位置が正確に決められる。この結果、ステップ30を左右の傾きなしに支柱22に固定できる。
【0050】
また、本実施形態では、ステップ30の取付部34のピン52が、取付部34の内壁34Bにおける踏部32側の部位に形成されている。このため、梯子20の使用時にステップ30の踏部32に作用する荷重によって、取付部34が破損し難く、支柱22とステップ30との結合強度を向上できる。
【0051】
また、本実施形態では、支柱22が一本の管で構成されているので、多くの部品を連結させた場合と比較して、水密性がより確保される。
【0052】
(その他の実施形態)
以上に於いては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態において、取付部34の内壁34Bと、支柱22の取付部34に取付けられる部分の外周面とを、さらに、接着剤を介して接着し、支柱22とステップ30とをより強固に固定してもよい。
【0053】
なお、接着剤としては、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、及びポリ塩化ビニル塩素化物の混合液などの、ポリ塩化ビニル樹脂系接着剤を使用することができる。
【0054】
また、上記実施形態では、ピン52を支柱22の取付部34の内壁34Bにおける踏部32側の部位34Fに形成したが、ピン52は必ずしもこの位置に形成する必要はなく、取付部34の内壁34Bのどの位置としてもよい。例えば、図10に示すように、ステップ30の取付部34における内壁34Bの開口34Cと対向する位置34Gに取付部34の中心P1に向かってピン52を設けてもよい。特に、この位置にすることにより、支柱22へステップ30を取付ける際に、作業者が一対の支柱22の幅を変えることなく取付けることができ、スムーズに取付作業を行うことができる。
【0055】
また、上記実施形態では、ステップ30の両端の取付部34に構成される開口34Cを、踏部32の長手方向と直交する方向に向かって同一方向に開口するようにしたが、開口34Cは、必ずしもこの方向に構成する必要はなく、図11及び図12に示すように、開口34Cをステップ30の長手方向の外側(両端側)に向けて開口させてもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、図4に示すように、ピン52に先端部58から根元部56に向かってスリット62を形成したが、これに代えて、図13に示すように、ピン52にスリットを形成しない構成としてもよい。なお、この場合には、先端部58が弾性変形により縮径することで、ピン52の先端部58が支柱22の孔50を通過し、ピン52の先端部58が孔50の外周部に係合する。
【符号の説明】
【0057】
10 水槽
20 梯子
22 梯子の支柱
30 梯子のステップ
32 ステップの踏部
34 ステップの取付部
34B 取付部の内壁
34C 取付部の開口
50 支柱の孔
52 取付部のピン
56 ピンの根元部
58 ピンの先端部
60 ピンの首部
62 ピンのスリット
【技術分野】
【0001】
本発明は、水槽などの水が貯留された場所で用いられる梯子に関する。
【背景技術】
【0002】
マンション、テナントビル、工場、商業施設等には、飲料水、中水などを貯留する水槽が設置されている。このような水槽には、通常、点検や清掃などのために水槽内に出入りするための梯子が設置されている。ここで用いられる梯子は、衛生性、耐食性の観点より、樹脂製のものが主流である。そして、さらに衛生性を確保するために、パイプなどの中空部分に水が入り込まないように、水密性が要求されている。
【0003】
この水密性を確保するために、梯子を複数のパイプ部品を接続して構成する場合には、接続部分について、TS工法が用いられている。また、特許文献1に記載の技術では、接続部分について、金型を用いてブロー成型により密着させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−307605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では従来からのTS工法を用いているため、部品点数が多くなり、施工性が十分とは言えない。また、接着不良を防止するために、高い部品精度が要求されるので、生産性も十分とは言えない。
【0006】
本発明は、上記事実を考慮してなされたものであり、施工性及び生産性に優れた梯子を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載する本発明の梯子は、各々が一体形成された一対の筒状で、前記筒状の軸方向に沿って少なくとも1箇所に孔が開けられた支柱と、前記一対の支柱間に架け渡される踏部と、該踏部の両端に前記支柱の外周面を囲むように形成され、前記支柱の外周面と対向する内壁に前記支柱の孔と係合するピンが設けられた取付部と、を有する少なくとも1つのステップと、を有する。
【0008】
請求項1に記載の本発明の梯子によれば、支柱がステップの取付部に嵌め込まれた状態で、支柱に少なくとも1箇所に開けられた孔と、支柱の外周面と対向するステップの取付部の内壁に設けたピンとが結合する。このため、支柱がステップの取付部に嵌め込まれた状態で、支柱の外周面と取付部の内壁とを接着剤による接着のみで固定する場合に比べて、各部品の位置精度の要求が緩和されるので生産性に優れていると共に、ステップの支柱への取付位置を容易かつ正確に決められるため、施工性も優れている。
【0009】
請求項2に記載する本発明は、請求項1に記載の梯子において、前記支柱の外周面と前記取付部の内壁とが接着剤により接着されている。
【0010】
請求項2に記載の本発明の梯子によれば、支柱の外周面とステップの取付部の内壁とが接着剤により接着されているため、支柱とステップとをより強固に固定できる。
【0011】
請求項3に記載する本発明は、請求項1又は請求項2に記載の梯子において、前記ピンは、前記取付部の内壁における前記踏部側の部位に形成されている。
【0012】
請求項3に記載の本発明の梯子によれば、ステップの取付部のピンが、取付部の内壁における踏部側の部位に形成されているため、踏部に作用する荷重に対して、ステップと支柱との結合強度を向上できる。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように請求項1に記載の本発明の梯子は、施工性及び生産性に優れている。
【0014】
請求項2に記載の本発明の梯子は、支柱とステップとをより強固に固定できる。
【0015】
請求項3に記載の本発明の梯子は、踏部に作用する荷重に対して、ステップと支柱との結合強固を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明における一実施形態の梯子の分解状態を示す斜視図である。
【図2】本発明における一実施形態の梯子を示す側面図である。
【図3】本発明における一実施形態の梯子の分解状態を示す上面図である。
【図4】本発明における一実施形態の梯子のピンを示す側面図である。
【図5】本発明における一実施形態の梯子のステップを示す下面図である。
【図6】本発明における一実施形態の梯子のステップを示す長手方向から見た断面図である。
【図7】本発明における一実施形態の上部取付部材と支柱の接続部分を示す断面図である。
【図8】本発明における一実施形態の梯子を示す斜視図である。
【図9】本発明における一実施形態の梯子と、梯子の設置される水槽を示す概略構成図である。
【図10】本発明における他の実施形態の梯子の分解状態を示す上面図である。
【図11】本発明における他の実施形態の梯子の分解状態を示す上面図である。
【図12】本発明における他の実施形態の梯子の分解状態を示す上面図である。
【図13】本発明における他の実施形態のピンを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図9に基づいて説明する。
図9に示すように、本実施形態に係る梯子20は水槽10に設置されている。水槽10は、マンション、テナントビル、工場、商業施設等に設けられる、飲料水、中水などを貯留する水槽である。また、水槽10は中仕切壁12によって2つの貯水室14、16に仕切られている。
【0018】
貯水室14、16の各々には、点検口14A、16Aが構成されており、点検口14A、16Aから貯水室14、16の底部へ向かって、梯子20が設置されている。なお、梯子20は、同一のものが、点検口14A、16Aの各々に設けられている。
【0019】
図8に示すように、梯子20は一対の支柱22、複数のステップ30、上部取付部材24、及び、下部接続部材26を備えている。また、一対の支柱22は円筒形状とされており、継ぎ目なく各々が一体的に、すなわち、各々が1本のパイプで構成されている。なお、一対の支柱22は鉛直方向に互いに平行に配置されている。また、梯子20は塩ビ等で構成されている。
【0020】
支柱22の上端には、上部取付部材24が接続されている。上部取付部材24は、一端側が支柱22を挿入可能な円筒形状とされ(以下「上接続円筒部24A」という)、他端側が貯水室14、16の内壁に沿う平板形状とされ(以下「上取付平板部24B」という)ている。
【0021】
図7に示すように、上接続円筒部24Aの内壁は開放側が大径となるようなテーパー形状とされており、上部取付部材24と支柱22とは、支柱22の上端を上接続円筒部24Aに挿入し、TS工法で接続されている。上取付平板部24Bには、孔23が構成されており、図示を省略したボルト等の取付部材により貯水室14、16の内壁に取付けられている。
【0022】
図8に示すように、支柱22の下端には、下部接続部材26が接続されている。下部接続部材26はU字形状とされ、U字の両端が支柱22を挿入可能な円筒形状とされると共に貯水室14、16の内壁に近づく方向に屈曲され(以下「下接続円筒部26A」という)、中間部26BがU字状に屈曲されている。下接続円筒部26Aの内壁は、上接続円筒部24Aと同様に、開放側が大径となるようなテーパー形状とされており、下部接続部材26と支柱22とは、支柱22の下端を下接続円筒部26Aに挿入し、TS工法で接続されている。
【0023】
図1及び図2に示すように、ステップ30は、踏部32、取付部34、アーチリブ36、長リブ37、及び、短リブ38を備えている。また、踏部32は、一対の支柱22の間に架け渡される長さで構成され、上面が平坦形状とされており、踏部32は一対の支柱22の間に支柱22と直交する方向で配置されている。なお、踏部32の上面には、滑り止め用の突線部32Aが構成されている。
【0024】
取付部34は、踏部32の両端に構成されている。取付部34は、略円筒形状とされており、軸方向の中間部から下側は、踏部32と逆側(端部外側)が切り欠かれて断面半円形状とされている。この切欠き部分は、必ずしも必要ではなく、取付部34は下側部分についても円筒状としてもよい。なお、取付部34の円筒内部は嵌合空間35となっている。
【0025】
図3に示すように、取付部34の内径34Aは、支柱22に取付けられていない状態のときに、支柱22の外径22Aよりも僅かに小径とされている。したがって、支柱22が嵌合空間35へ嵌め込まれると、取付部34は嵌合空間35が広がる方向へ拡径される。また、取付部34の内径34Aは、取付部34の弾力性、取付部34の支柱22への密着性を考慮して設定される。
【0026】
なお、取付部34の内径34Aは、必ずしも支柱22の外径22Aよりも小径である必要はなく、同一サイズであってもよい。
【0027】
取付部34には、側壁が軸方向両端に亘って切り欠かれた開口34Cが形成されている。取付部34の両端の2つの開口34Cは、踏部32の長手方向と直交する方向に向かって同一方向(図3では図面下方)に開口されている。また、開口34Cは、支柱22を開口34Cを介して嵌合空間35へ嵌め込み可能とする幅サイズ34Dとされている。すなわち、開口34Cの幅サイズ34Dは、取付部34の撓み変形可能量、支柱22の外径22A、取付部34の内径34Aなどに応じて設定される。なお、嵌合空間35へ支柱22を嵌合させたときの保持力を考慮すると、開口34Cの中心角θ1は、90°以下であることが好ましい。
【0028】
図1に示すように、各支柱22には、その軸方向に沿って少なくとも1箇所に孔50が開けられている。より具体的に説明すると、各支柱22には軸方向に沿って所定の間隔で複数個の孔50が開けられており、一対の支柱22においては、それぞれの軸方向端部から同じ位置に各孔50がそれぞれ形成されている。即ち、一対の支柱22は同じものである。
【0029】
図3に示すように、ステップ30には一対の支柱22の孔50に係合するピン52が一体的の形成されている。ピン52は支柱22の外周面と対向する取付部34の内壁34Bにおける踏部32側の部位34Fに、取付部34の中心P1に向かって突出形成されている。なお、取付部34の内壁34Bにおけるピン52の位置は、ステップ30の幅方向略中央部であり、より具体的には、取付部34の中心P1を通り、踏部32の軸線に沿って平行に伸びる線32B上となっている。また、図2に示すように、ピン52の支柱22の軸方向位置(上下方向の位置)は、長リブ37の下面37Aに一致している。
【0030】
図4に示すように、ピン52は根元部56が円柱形状となっている。また、ピン52の先端部58は、円柱形状部58Aと、この円柱形状部58Aから徐々に縮径された円錐形状部58Bとを備えている。さらに、ピン52の根元部56と先端部58の円柱形状部58Aとの間は、根元部56から先端部58へ向かって縮径された首部60となっている。
【0031】
ピン52には先端部58から根元部56に向かってスリット62が形成されている。スリット62の先端62Aはピン52の首部60における根元部56の近傍に達しており、その先端62Aは半円形とされている。また、スリット62はピン52の軸心52Aを通り、ピン52を径方向に横切っている。
【0032】
このため、ピン52の先端部58はスリット62によって2つの係合片58C、58Dに分割されている。また、ピン52の先端部58の2つの係合片58C、58Dは、互いに接近する方向(図4の矢印A方向)へ弾性変形するようになっている。
【0033】
ピン52の先端部58の外径R1は支柱22の孔50の直径R2に比べて大きくなっており、ピン52の根元部56の外径R3は支柱22の孔50の直径R2に比べて小さくなっている。
【0034】
従って、ピン52を支柱22の孔50に挿入すると、ピン52の先端部58が孔50の内周部と摺動することで、2つの係合片58C、58Dが互いに接近する方向(図4の矢印A方向)へ弾性変形し、ピン52の先端部58が支柱22の孔50を通過するようになっている。
【0035】
また、ピン52の先端部58が支柱22の孔50を通過し、ピン52の根元部56と首部60とが孔50に挿通された状態になると、ピン52の先端部58の2つの係合片58C、58Dが元の位置に復帰する。このため、ピン52の係合片58C、58Dが支柱22の孔50の外周部に係合するようになっている。このように、ステップ30の両端部の各ピン52を一対の支柱22の孔50にそれぞれ係合させることで、ステップ30を一対の支柱22に固定できるようになっている。
【0036】
図2及び図5に示すように、踏部32の下面には、板状の、アーチリブ36、長リブ37、及び、短リブ38が形成されている。踏部32、取付部34、アーチリブ36、長リブ37、及び、短リブ38は、一体的に構成されている。これらの部材を含めたステップ30は、ポリ塩化ビニル樹脂などの樹脂材料で構成することができる。
【0037】
アーチリブ36は、踏部32の下側の幅方向中央部に、一方の取付部34と他方の取付部34との間を横断するように配置されている。アーチリブ36は、一端及び他端の上下方向の幅の長さが最も長、中央部の上下方向の幅の長さが最も短くなる、弧状(アーチ状)とされている。また、アーチリブ36の一端及び他端は、取付部34と一体的に連結されている。
【0038】
長リブ37は、アーチリブ36を挟んで両側に2本、アーチリブ36と平行に配置されている。長リブ37の上下方向の幅の長さは、アーチリブ36の幅の最も短い部分と略同一とされている。また、短リブ38は、踏部32の下側の幅方向の、3箇所に配置されている。
【0039】
図6に示すように、短リブ38は、2本の長リブ37の各々からアーチリブ36にかけて配置されており、各々中央部の厚みが薄くなるようなアーチ形状とされている。
【0040】
図9に示すように、ステップ30は、一方の取付部34が一対の支柱22の一方側に取付けられ、他方の取付部34が一対の支柱22の他方側に取付けられており、一対の支柱22の間で支柱22と直交する方向に架け渡されている。また、一対の支柱22には、複数のステップ30(本実施形態では5本)が、支柱22の軸方向に所定間隔をあけて取付けられている。
【0041】
次に、上記構成の梯子20を水槽10の貯水室14、16へ設置する設置方法について説明する。
【0042】
まず、2本の支柱22を所定間隔で平行に並べ、支柱22の各々の上端に上部取付部材24を、下端に下部接続部材26を、各々、TS工法で接続する。具体的には、支柱22と上部取付部材24との接続は、支柱22の上端外周面と上接続円筒部24Aの内側のテーパー部分に接着剤を塗布し、支柱22の上端を上接続円筒部24Aに挿入し、接着剤39による接着が完了するまでの時間、接続部分を養生する。また、支柱22と下部接続部材26との接続は、支柱22の下端外周面と下接続円筒部26Aの内側のテーパー部分に接着剤を塗布し、支柱22の下端を下接続円筒部26Aに挿入し、接着剤による接着が完了するまでの時間、接続部分を養生する。
【0043】
次に、複数のステップ30を、所定間隔で一対の支柱22へ取付ける。なお、個々のステップ30の支柱22への取付けは、次のようにして行う。
【0044】
支柱22をステップ30の取付部34の嵌合空間35へ嵌め込む。この際、ピン52を支柱22の孔50に挿入すると、ピン52の先端部58の2つの係合片58C、58Dが互いに接近する方向(図4の矢印A方向)へ弾性変形することで、ピン52の先端部58が支柱22の孔50を通過する。また、ピン52の先端部58が支柱22の孔50を通過し、ピン52の根元部56と首部60とが孔50に挿通された状態になると、ピン52の先端部58の2つの係合片58C、58Dが元の位置に復帰する。このため、ピン52の係合片58C、58Dが支柱22の孔50の外周部に係合する。この結果、ステップ30を一対の支柱22に固定できる。
【0045】
なお、ピン52にパッキンを嵌めてから組立てを行うことにより止水性も確保可能となる。
【0046】
そして、上部取付部材24の孔23を介して、ボルト等の取付部材で梯子20を貯水室14、16の内壁に固定することで、梯子20を水槽10の貯水室14、16へ設置する。
【0047】
このように、本実施形態では、支柱22がステップ30の取付部34に嵌め込まれた状態で、支柱22に開けられた孔50と、ステップ30の取付部34の内壁34Bに突出形成されたピン52とが係合する。このため、支柱22がステップ30の取付部34に嵌め込まれた状態で、支柱22の外周面と取付部34の内壁34Bとを接着剤による接着のみで固定する場合に比べて、支柱22やステップ30の取付部34の位置精度の要求が緩和される。この結果、本実施形態の梯子20では支柱22やステップ30の製造が容易となり、生産性に優れている。
【0048】
また、本実施形態では、支柱22に形成された孔50によって、ステップ30の支柱22への取付位置が決まるため、接着剤を使用する場合に比べて、ステップ30の支柱22への取付位置を容易かつ正確に決められる。この結果、簡易に組み立てることができ、施工性に優れている。
【0049】
また、本実施形態では、施工時に、予め孔50が支柱22の軸方向に沿って等間隔で形成されているため、ステップ30の両端の位置が正確に決められる。この結果、ステップ30を左右の傾きなしに支柱22に固定できる。
【0050】
また、本実施形態では、ステップ30の取付部34のピン52が、取付部34の内壁34Bにおける踏部32側の部位に形成されている。このため、梯子20の使用時にステップ30の踏部32に作用する荷重によって、取付部34が破損し難く、支柱22とステップ30との結合強度を向上できる。
【0051】
また、本実施形態では、支柱22が一本の管で構成されているので、多くの部品を連結させた場合と比較して、水密性がより確保される。
【0052】
(その他の実施形態)
以上に於いては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態において、取付部34の内壁34Bと、支柱22の取付部34に取付けられる部分の外周面とを、さらに、接着剤を介して接着し、支柱22とステップ30とをより強固に固定してもよい。
【0053】
なお、接着剤としては、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、及びポリ塩化ビニル塩素化物の混合液などの、ポリ塩化ビニル樹脂系接着剤を使用することができる。
【0054】
また、上記実施形態では、ピン52を支柱22の取付部34の内壁34Bにおける踏部32側の部位34Fに形成したが、ピン52は必ずしもこの位置に形成する必要はなく、取付部34の内壁34Bのどの位置としてもよい。例えば、図10に示すように、ステップ30の取付部34における内壁34Bの開口34Cと対向する位置34Gに取付部34の中心P1に向かってピン52を設けてもよい。特に、この位置にすることにより、支柱22へステップ30を取付ける際に、作業者が一対の支柱22の幅を変えることなく取付けることができ、スムーズに取付作業を行うことができる。
【0055】
また、上記実施形態では、ステップ30の両端の取付部34に構成される開口34Cを、踏部32の長手方向と直交する方向に向かって同一方向に開口するようにしたが、開口34Cは、必ずしもこの方向に構成する必要はなく、図11及び図12に示すように、開口34Cをステップ30の長手方向の外側(両端側)に向けて開口させてもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、図4に示すように、ピン52に先端部58から根元部56に向かってスリット62を形成したが、これに代えて、図13に示すように、ピン52にスリットを形成しない構成としてもよい。なお、この場合には、先端部58が弾性変形により縮径することで、ピン52の先端部58が支柱22の孔50を通過し、ピン52の先端部58が孔50の外周部に係合する。
【符号の説明】
【0057】
10 水槽
20 梯子
22 梯子の支柱
30 梯子のステップ
32 ステップの踏部
34 ステップの取付部
34B 取付部の内壁
34C 取付部の開口
50 支柱の孔
52 取付部のピン
56 ピンの根元部
58 ピンの先端部
60 ピンの首部
62 ピンのスリット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が一体形成された一対の筒状で、前記筒状の軸方向に沿って少なくとも1箇所に孔が開けられた支柱と、
前記一対の支柱間に架け渡される踏部と、該踏部の両端に前記支柱の外周面を囲むように形成され、前記支柱の外周面と対向する内壁に前記支柱の孔と係合するピンが設けられた取付部と、を有する少なくとも1つのステップと、
を有する梯子。
【請求項2】
前記支柱の外周面と前記取付部の内壁とが接着剤により接着された請求項1に記載の梯子。
【請求項3】
前記ピンは、前記取付部の内壁における前記踏部側の部位に形成されている請求項1又は請求項2に記載の梯子。
【請求項1】
各々が一体形成された一対の筒状で、前記筒状の軸方向に沿って少なくとも1箇所に孔が開けられた支柱と、
前記一対の支柱間に架け渡される踏部と、該踏部の両端に前記支柱の外周面を囲むように形成され、前記支柱の外周面と対向する内壁に前記支柱の孔と係合するピンが設けられた取付部と、を有する少なくとも1つのステップと、
を有する梯子。
【請求項2】
前記支柱の外周面と前記取付部の内壁とが接着剤により接着された請求項1に記載の梯子。
【請求項3】
前記ピンは、前記取付部の内壁における前記踏部側の部位に形成されている請求項1又は請求項2に記載の梯子。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−214348(P2011−214348A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−85220(P2010−85220)
【出願日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】
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