説明

梱包装置

【課題】 スノーモービルを収納した梱包体をその上面と周囲面とをシートカバーで覆う梱包装置があるが、梱包体の上面四隅に設けた三角形状の滑り止め突起がシートカバーの上面四隅の開口部から突出する。このため、シートカバーを掛ける際に滑り止め突起に開口部を合わせる作業が必要であり、また、滑り止め突起と係合する上段の梱包体の載置台との関係が、遊びの少ない寸法関係とすれば積み重ね作業が面倒になる。本発明は積み重ね作業が簡単で上段の梱包装置の横方向への滑り止め効果も発揮でき簡素化された梱包装置を提供する。
【解決手段】 梱包体内に自動二輪車等の被梱包物品を収納し、梱包体の前後面、左右面及び上面を梱包用シートカバーで覆う梱包装置において、梱包用シートカバーはその上面に梱包体の上面が露出する切り欠きを備え、この切り欠きに臨み梱包体の上面部に対応するように摩擦係数の高い座板を梱包用シートカバーに取り付けたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動二輪車等の物品を収納した略立方形状又は略直方形状の梱包体をカバーで覆う梱包装置に関し、特にこの梱包装置を積み重ねることに適した技術に関する。
【背景技術】
【0002】
載置台とその上に組み立てた梱包本体とを有する梱包体内にスノーモービルを収納し、この梱包体をその上面と周囲面とをシートカバーで覆う梱包装置がある(特許文献1参照)。この梱包装置では、シートカバーの上面四隅に開口部が形成され、梱包体の上面四隅の角に沿って三角形状に突出した滑り止め突起が取り付けられ、この滑り止め突起が前記開口部から突出するように構成されたものである。これによって、下段の梱包装置の上に上段の梱包装置を積み重ねたとき、上段の梱包体の載置台の角部が下段の梱包装置の滑り止め突起に係合する状態となり、上段の梱包装置が滑り落ちない安定した梱包装置の段積みが達成できるものである。
【特許文献1】特開2002−168560号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この特許文献1の梱包装置では、上記のように、滑り止め突起を梱包体の上面四隅の角に沿って溶接にて取り付ける必要があり、特別形状の滑り止め突起の製作と、この滑り止め突起の梱包体への溶接作業が伴い、コストアップとなる。また、あまりダブダブにならない状態にシートカバーで梱包体を覆うようにするために、シートカバーの大きさを略梱包体の外面に沿った大きさに形成したとき、梱包体の上方からシートカバーを掛ける際に、この滑り止め突起によってシートカバーが破損しないように、この滑り止め突起がシートカバーの上面四隅の開口部に一致するように被せなければならず、シートカバーを掛ける作業も慎重を要し手間も掛かる。また、下段の梱包装置の上に上段の梱包装置を積み重ねた状態で、振動等によって上段の梱包装置が横方向へずれないようにするためには、滑り止め突起とこれに係合する上段の梱包体の載置台との関係が、あまり遊びの少ない寸法関係としなければならず、そのようにすれば、下段の梱包装置の上に上段の梱包装置を積み重ねる積み重ね作業が面倒になる。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みて、シートカバーを掛ける作業が簡単となり、下段の梱包装置の上に上段の梱包装置を積み重ねる積み重ね作業も簡単となり、上段の梱包装置が横方向へずれ難く、十分な滑り止め効果が発揮でき、構成も簡素化された梱包装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1発明の梱包装置は、略立方形状又は略直方形状に構成された梱包体内に被梱包物品を収納し、前記梱包体の前後面、左右面及び上面を梱包用シートカバーで覆う梱包装置において、前記梱包用シートカバーはその上面に前記梱包体の上面が露出する切り欠きを備え、この切り欠きに臨み前記梱包体の上面部に対応するように摩擦係数の高い座板を前記梱包用シートカバーに取り付けたことを特徴とする。
【0006】
第2発明の梱包装置は、略立方形状又は略直方形状に構成された梱包体内に被梱包物品を収納し、前記梱包体の前後面、左右面及び上面に略沿う形状に構成された梱包用シートカバーで前記梱包体を覆う梱包装置において、前記梱包用シートカバーはその上面の稜線に沿って前記梱包体の上面が露出する切り欠きを備え、この切り欠きを通して前記梱包体の上面部に当接する摩擦係数の高い座板を前記梱包用シートカバーの上面に取り付けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
第1発明では、下段の梱包装置の上に上段の梱包装置を積み重ねたとき、上段の梱包装置の荷重によって、下段の梱包装置の上面に設けたゴム製シート等の座板が圧縮されて下段の梱包体の上面四隅に圧接し、このゴム製シート等の座板と上段梱包体との摩擦抵抗、及びゴム製シート等の座板と下段梱包体との摩擦抵抗によって上段梱包装置を滑り落ちない状態に保持できる。このため、前記背景技術のような滑り止め突起を取り付ける必要がなく、構成が簡素化され、シートカバーを掛ける作業が簡単となり、下段の梱包装置の上に上段の梱包装置を積み重ねる積み重ね作業も簡単となり、上段の梱包装置が横方向へずれ難く滑り止め効果も十分となる。
【0008】
第2発明に関し、ゴム製シート等の座板を梱包用シートカバーの内側面に取り付けた場合には、梱包用シートカバーを梱包体に被せるとき、ゴム製シート等の座板が梱包体の段差部との衝突や摩擦による抵抗によって、被せ難くなるが、第2発明では、切り欠きを通して梱包体の上面部に当接するように、ゴム製シート等の座板を梱包用シートカバーの上面に取り付けているため、そのような問題も解消され、第1発明同様の効果を奏することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明に係る梱包装置は、略立方形状又は略直方形状に構成された梱包体内に被梱包物品を収納し、前記梱包体の前後面、左右面及び上面を梱包用シートカバーで覆う梱包装置において、前記梱包用シートカバーはその上面に前記梱包体の上面が露出する切り欠きを備え、この切り欠きに臨み前記梱包体の上面部に対応するように摩擦係数の高い座板を前記梱包用シートカバーに取り付けたものであり、本発明の実施例を以下に記載する。
【実施例1】
【0010】
本発明の実施の形態について説明する。図1(イ)は上面四隅に座板を取り付けた梱包用シートカバーで梱包体を覆った梱包装置の上面斜視図、図1(ロ)は上面の対抗辺に座板を取り付けた梱包用シートカバーで梱包体を覆った梱包装置の上面部の斜視図、図2は物品を収納する梱包体と梱包用シートカバーの関係を示す分解斜視図、図3は梱包用シートカバーの上面の隅部に切り欠きを形成するための切り込み部分の斜視図、図4は梱包用シートカバーの上面の隅部にゴム製シート等の座板を取り付けた状態の平面図、図5は図4のA−A断面の詳細図、図6は梱包装置を段積みした状態を示す図である。
【0011】
図1において、1は本発明の梱包装置であり、自動二輪車等の被梱包被梱包物品Pを収納する梱包体2と、梱包体2を覆う梱包用シートカバー3とで構成している。梱包体2は、載置台2Aとそれに立設した梱包本体部2Bとを有し、金属製の載置台2Aと金属製の梱包本体部2Bとによって、梱包体2は頑丈な略立方形状又は略直方体形をなす。載置台2Aは、前後辺及び左右辺に巡る基材2A1と、対抗する基材2A1に渡って取り付けた板材又は角材等の底材2A2との組み合わせ構成である。梱包本体部2Bは、載置台2Aの四隅部分から垂直状に立ち上がる支柱2B1と、支柱2B1に渡って取り付けた板材又は角材等の天井枠材2B2との組み合わせ構成である。なお、補強のために、対抗する支柱2B1相互に水平方は斜めに渡る補強材と、対抗する天井枠材2B2相互に水平方は斜めに渡る補強材を設けてもよい。また、載置台2Aの下側には、その左右両側又は前後両側の部分に、金属製の脚部2Cが取り付けられている。この脚部2Cは、床面に置かれる梱包装置1の支え部分となると共に、後述のように、梱包装置1が床面に置かれたときに床面と梱包装置1との間に、運搬用フォークリフトの物品載置用フォークの差込空間を形成するものであり、また、梱包装置1が段積み(重ね積み)されたときに、下段の梱包装置1と上段の梱包装置1との間に、運搬用フォークリフトの物品載置用フォークの差込空間を形成するものである。なお、脚部2Cを設けずに、載置台2Aそのものに運搬用フォークリフトの物品載置用フォークの差込空間を形成する構成でもよい。
【0012】
梱包用シートカバー3は、ポリエチレン等の合成樹脂製であり、梱包体2の前後面と左右面よりも若干広い面積のシートが、梱包体2の四隅部分に対応する部分で高周波溶着や縫合などの手段によって接合されて、全体として、下面が開放され、梱包体2の上面と、前後面と、左右面とを覆う形態である。このため、梱包用シートカバー3は、梱包体2を上方から覆うように梱包体2に被せられる。梱包用シートカバー3は、少なくとも四隅の縦稜線部分の一つが、ファスナー4によって下端から上方へ向かって、その稜線の略全長が開閉できるようになっている。このため、梱包用シートカバー3を梱包体2の上方から被せる際には、このファスナー4を開いておくことによって被せ易くなり、梱包用シートカバー3を梱包体2に被せた後に、このファスナー4を閉じれば、梱包用シートカバー3によって梱包体2が覆われ、その内部の被梱包物品Pが雨や風に晒されることを防ぎ、被梱包物品Pの損傷防止となる。
【0013】
先ず、図1(イ)に示す形態の梱包装置1について説明する。梱包装置1は、倉庫等に保管する時や、輸送時に運搬されて所定場所に設置される場合等において、段積み(重ね積み)される。この場合、下段の梱包装置1の上に上段の梱包装置1を段積み(重ね積み)するとき、その段積み(重ね積み)状態を安定に保持するためと、段積み(重ね積み)作業を簡素化するために、梱包装置1は、図1(イ)に示すように、その上面四隅部分に摩擦抵抗の大きな座板5を備えている。梱包用シートカバー3の上面の四隅には、梱包体2の上面2Dの四隅が露出する切り欠き6が形成され、この切り欠き6にこの座板5が臨む。座板5は摩擦係数の高い材質であり、十分な強度を有するゴム(ブチルゴム、ウレタンゴム等)、フェルト、革(例えばバックスキン革)等で構成されたシート状(梱包用シートカバー3よりも十分厚い板状)であり、梱包用シートカバー3の厚さよりも十分厚く、梱包装置1を段積み(重ね積み)したとき、上段の梱包装置1の荷重によって圧縮される弾力性を有し、その圧縮によって下段の梱包装置1の上面に密着して、上段の梱包装置1が下段の梱包装置1の上面から滑り落ちないように安定して保持することができる。
【0014】
具体的には、図3乃至図5に示すように、梱包用シートカバー3の上面四隅の両側に延びる稜線Rに沿った切り込み7で形成された三角形状部分Wが、この三角形状部分Wの底辺部分の折り返し部10を軸として二等辺三角形態でもって梱包用シートカバー3の上面部と重なるように内側へ折り返されて、二等辺三角形状の切り欠き6が梱包用シートカバー3の上面四隅に形成される。この折り返しが重なった部分8は、縫合9又は両面接着テープによる接着にて梱包用シートカバー3の上面に一体化される。この折り返しが重なった部分8の上面には、座板5としてゴム製シート5が縫合9又は両面接着テープによる接着にて取り付けられる。ゴム製シート5を縫合9にて梱包用シートカバー3の上面四隅に取り付ける場合は、折り返しが重なった部分8の縫合を兼ねるようにしてもよい。この構成によって、図1に示すように、ゴム製シート5は、梱包用シートカバー3の上面四隅に取り付けられ、図5に示すように、切り欠き6から露出する梱包体2の上面四隅2Dに切り欠き6を通して梱包体2の上面四隅2Dに臨み、上方からの荷重によってこの上面四隅2Dに当接する状態となる。
【0015】
このような構成において、図6に示すように、載置台2Aに被梱包物品Pとして自動二輪車Pを載せ、自動二輪車Pの前輪を固定具11で止め、後輪を固定具12で止める。固定具11、12は車輪に引っ掛けるリングの端が固定部にナットによってネジ結合されるリングボルト結合構成でもよく、その他の構成でもよい。この状態で、梱包本体部2Bを載置台2Aに固定し、自動二輪車Pを収納した梱包体2を完成させる。この状態で、梱包用シートカバー3を梱包体2に被せて梱包体2を覆う。この状態で、梱包用シートカバー3によって梱包体2の上面と、前後面と、左右面が完全に覆われるように、梱包用シートカバー3の前後面と、左右面の下端は、梱包体2の前後面と、左右面の下端部に達する長さである。梱包用シートカバー3が風によるバタツキによって捲くれあがらないようにするために、梱包用シートカバー3を外面からバンドで縛るか、梱包用シートカバー3の下端部を梱包体2に紐で縛るなどの手段を講じればよい。
【0016】
このように、梱包体2を梱包用シートカバー3で覆った状態で、図6に示すように、下段の梱包装置1の上に上段の梱包装置1を段積み(重ね積み)するとき、段積み(重ね積み)の正規の状態で、上段の梱包装置1の脚部2Cが下段の梱包装置1のゴム製シート5の上に載る。このため、上段の梱包装置1の荷重によって、ゴム製シート5が押し圧されて、切り欠き6へ露出する梱包体2の上面四隅2Dにゴム製シート5が切り欠き6を通して押し圧当接する状態となる。このため、下段の梱包装置1においては、ゴム製シート5と下段の梱包体2の上面四隅2Dとの大きな摩擦抵抗によって、両者が滑らない状態を保持し、一方、上段の梱包装置1においては、上段の梱包体2(図示の構成では脚部2C)と下段の梱包装置1のゴム製シート5との大きな摩擦抵抗によって、両者が滑らない状態を保持する。このため、下段の梱包装置1の上に段積み(重ね積み)された上段の梱包装置1を安定的に保持できる。
【0017】
このように段積み(重ね積み)した梱包装置1が滑らない状態を保持する好ましい状態として、図4に示すように、三角形状部分Wが折り返し重なった部分8の上面に取り付けられたゴム製シート5が切り欠き6に臨む関係は、ゴム製シート5の端縁が、稜線Rに沿った切り欠き6のライン(切り込み7)から間隔T1を存して切り欠き6内に位置した状態である。この場合の一つの実施例として、ゴム製シート5は、厚さが1.5mmで辺L1が70mm四方の大きさのシート状であり、稜線Rに沿う長さL2が90mmの切り込み7によって、三角形状部分Wが形成され、この三角形状部分Wが折り返し部10で折り返されて三角形状の切り欠き6が形成される。また、もう一つの実施例として、ゴム製シート5は、厚さが2mmで辺L1が100mm四方の大きさのシート状であり、稜線Rに沿う長さL2が120mmの切り込み7によって、三角形状部分Wが形成され、この三角形状部分Wが折り返し部10で折り返されて三角形状の切り欠き6が形成される。
【0018】
これによって、本発明は、ゴム製シート5を厚さが1.5mm〜2mmで辺L1が70mm〜100mm四方の大きさのシート状とし、稜線Rに沿う長さL2が90mm〜120mmの切り込み7によって、三角形状部分Wが形成され、この三角形状部分Wが折り返し部10で折り返されて三角形状の切り欠き6が形成される形態によって達成できることが判るが、これに限らず、梱包装置1の荷重と梱包される被梱包物品Pの荷重に応じて、ゴム製シート5の厚さと大きさ、及び切り欠き6の大きさを選定すれば、段積み(重ね積み)した梱包装置1が滑らない状態を保持することができる。
【0019】
このように、梱包用シートカバー3はポリエチレン等の合成樹脂製シートで構成され、切り欠き6は、梱包用シートカバー3の上面四隅の両側に延びる稜線Rに沿った切り込み7で形成された三角形状部分Wが、梱包用シートカバー3の上面部と重なるように折り返しにて形成され、この折り返しが重なった部分8にゴム製シート等の座板5が縫合又は両面テープによる接着にて取り付けられている。これによって、梱包用シートカバー3は、ポリエチレン等の合成樹脂製であるため所定形状に製造しやすく、取り扱いも容易である。そして、切り欠き6を形成するために稜線Rに沿って切り込まれた三角形状部分Wを梱包用シートカバー3の上面部と重なるように折り返した重合部分8に、ゴム製シート等の座板5が取り付けられるため、座板5の取り付け部が補強された状態となり、座板5の取り付けが安定する。特に、座板5を縫合にて取り付ける場合には、十分な強度を持つ縫合部が得られることとなり、梱包装置1を積み重ねる際に擦れ方向の作用力が働いても、それによって座板5が梱包用シートカバー3から剥がれることもなく、積み重ねた梱包装置1を安定的に保持できることとなる。
【0020】
また、下段の梱包装置1の上に上段の梱包装置1を積み重ねたとき、上段の梱包装置1の荷重によって、下段の梱包装置1の上面に設けたゴム製シート等の座板5が圧縮されて下段の梱包体2の上面四隅2Dに圧接し、この座板5と上段梱包体2との摩擦抵抗、及び座板5と下段梱包体2との摩擦抵抗によって、上段梱包装置1を滑り落ちない状態に保持できる。このため、前記背景技術のような滑り止め突起を取り付ける必要がなく、構成が簡素化され、シートカバー3を掛ける作業が簡単となり、下段の梱包装置1の上に上段の梱包装置1を積み重ねる積み重ね作業も簡単となり、上段の梱包装置1が横方向へずれない滑り止め効果も十分となる。なお、被梱包物品Pを収納しない状態でも、上段の梱包装置1の荷重によって、下段の梱包装置1の上面に設けた座板5が圧縮されて下段の梱包体2の上面四隅2Dに圧接するため、同様の効果が発揮できる。
【0021】
上記で説明した図1(イ)の形態は、上面四隅に座板5を取り付けた梱包用シートカバー3で梱包体2を覆った梱包装置1であるが、もう一つの形態を図1(ロ)に示す。図1(ロ)において上記実施例と同様の部分については同一符号を付している。この図1(ロ)では、梱包用シートカバー3は、その上面の対抗辺(図では脚部2Cに対応する側の左右の上辺)の稜線Rに沿って梱包体2の対抗辺(左右辺)の上面が露出する切り欠き6を備え、この切り欠き6を通して梱包体2の上面部に当接する摩擦係数の高い座板5を梱包用シートカバー3の上面に、縫合又は両面接着テープによって取り付ける形態である。この図1(ロ)の場合も、稜線Rに沿った切り欠き6は、矩形状の窓をなす様に切り込み7によって形成された矩形状部分が、図1(イ)の形態と同様に、梱包用シートカバー3の上面部の内側へ折り返されて重合され、この重合部分8に座板5が縫合又は両面接着テープによって取り付けられている。座板5は、図1(イ)の場合と同様に、摩擦係数の高い材質であり、十分な強度を有するゴム(ブチルゴム、ウレタンゴム等)、フェルト、革(例えばバックスキン革)等で構成されたシート状(梱包用シートカバー3よりも十分厚い板状)であり、梱包装置1を段積み(重ね積み)したとき、上段の梱包装置1の脚部2Cが下段の梱包装置1の座板5の上に載る。この状態で、座板5は上段の梱包装置1の荷重によって圧縮される弾力性を有し、その圧縮によって下段の梱包装置1の上面に密着して、上段の梱包装置1が下段の梱包装置1の上面から滑り落ちないように安定して保持することができる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
梱包される物品は、自動二輪車に限らず、本発明は、重量物の梱包として、他の物品の梱包装置としても有効である。このため、上記の実施形態に限定されず、本発明の技術範囲において種々の構成の梱包装置として有効である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】(イ)は本発明に係る上面四隅に座板を取り付けた梱包用シートカバーで梱包体を覆った梱包装置の上面斜視図、(ロ)は本発明に係るもう一つの実施形態として、上面の対抗辺に座板を取り付けた梱包用シートカバーで梱包体を覆った梱包装置の上面部の斜視図である。(実施例1)
【図2】本発明に係る物品を収納する梱包体と梱包用シートカバーの関係を示す分解斜視図である。(実施例1)
【図3】本発明に係る梱包用シートカバーの上面の隅部に切り欠きを形成するための切り込み部分の斜視図である。(実施例1)
【図4】本発明に係る梱包用シートカバーの上面の隅部にゴム製シートを取り付けた状態の平面図である。(実施例1)
【図5】図4のA−A断面の詳細図である。(実施例1)
【図6】本発明に係る梱包装置を段積みした状態を示す図である。(実施例1)
【符号の説明】
【0024】
1・・・・・梱包装置
2・・・・・梱包体
2A・・・・載置台
2B・・・・梱包本体
2C・・・・脚
2D・・・・梱包体の上面四隅
3・・・・・梱包用シートカバー
4・・・・・ファスナー
5・・・・・ゴム製シート等の座板
6・・・・・切り欠き
7・・・・・切り込み
8・・・・・折り返しが重なった部分
9・・・・・縫合
10・・・・折り返し部
P・・・・自動二輪車等の被梱包物品
R・・・・稜線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略立方形状又は略直方形状に構成された梱包体内に被梱包物品を収納し、前記梱包体の前後面、左右面及び上面を梱包用シートカバーで覆う梱包装置において、前記梱包用シートカバーはその上面に前記梱包体の上面が露出する切り欠きを備え、この切り欠きに臨み前記梱包体の上面部に対応するように摩擦係数の高い座板を前記梱包用シートカバーに取り付けたことを特徴とする梱包装置。
【請求項2】
略立方形状又は略直方形状に構成された梱包体内に被梱包物品を収納し、前記梱包体の前後面、左右面及び上面に略沿う形状に構成された梱包用シートカバーで前記梱包体を覆う梱包装置において、前記梱包用シートカバーはその上面の稜線に沿って前記梱包体の上面が露出する切り欠きを備え、この切り欠きを通して前記梱包体の上面部に当接する摩擦係数の高い座板を前記梱包用シートカバーの上面に取り付けたことを特徴とする梱包装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−55676(P2007−55676A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−246768(P2005−246768)
【出願日】平成17年8月26日(2005.8.26)
【出願人】(591168437)遠州紙工業株式会社 (1)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】